JP3544317B2 - マグネタイト粒子およびその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明はマグネタイト粒子に関し、詳しくは粒子内にケイ素成分と鉄以外の金属元素を含有し、とりわけ芯粒子表面近傍に分散したケイ素成分と金属元素の量、及び芯粒子表面に露出したケイ素成分を制御し、更に疎水化のための被覆を芯粒子表面に形成することにより、吸油量、電気抵抗、磁気特性、分散性等の諸特性をバランス良く向上させた、特に静電複写磁性トナー用材料粉、塗料用黒色顔料粉の用途に主に用いられるマグネタイト粒子およびその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
最近電子複写機、プリンター等の磁性トナー用材料として、水溶液反応による酸化鉄粒子が広く利用されている。磁性トナーとしては各種の一般的現像特性が要求されるが、近年、電子写真技術の発達により、特にデジタル技術を用いた複写機、プリンターが急速に発達し、要求特性がより高度になってきた。
すなわち、従来の文字以外にもグラフィックや、写真等の出力も要求されており、特にプリンターの中には1インチ当たり1200ドット以上の能力の物も現れ、感光体上の潜像はより精密になってきている。その為、現像での細線再現性の高さが強く要求されている。
【0003】
例えば特開平5−72801号公報において、磁性トナーについて開示されている。それによると磁性粉として、抵抗は高く、流動性の良い物が望まれている。
【0004】
特開平5−100474号公報において、磁性トナーについて開示されている内容に、磁性酸化鉄は耐環境性の面でいまだ改良すべき点を有していると記載のある様に、トナー製造において種々の特性を満足した上に、更に耐環境性(耐吸湿性)に優れた磁性粉が望まれている。
【0005】
特開平7−239571号公報においても同様に磁性粉の耐環境性、特に高温高湿下における問題点がある事を指摘している。
【0006】
特開平3−1160号公報にて磁性トナーについて開示されている内容に、多様な環境下において満足させる為には、高抵抗化や低吸湿が必要となる旨が記載されている。又、画像への飛び散りをなくす為には、低保磁力、低残留磁化の物が望まれている。
【0007】
つまり、これらの要求を満足させる為には、通常磁性粉に要求される特性のみならず、特に抵抗、流動性、耐環境性、磁気特性のバランスに優れた磁性粉を提供する必要がある。
従来、酸化鉄粒子において種々の改善が行われてきた。
【0008】
例えば特開昭61−155223号公報、特開昭62−278131号公報、特開昭62−24412号公報等においては、ケイ素成分を粒子粉末内部のみに含有したマグネタイト粒子がそれぞれ開示されている。これらの粒子では、画像濃度が改善された画質が得られるものの未だ不十分である。
さらに、これらの提案によるマグネタイト粒子は、流動性が悪くしかも、輸送時の振動等により、粉体の充填密度が上がりすぎ、トナー化時の作業性を著しく低下させるという問題がある。
【0009】
特開平5−213620号公報においては、ケイ素成分を中心と表面部にわけ、残留磁化のバランスよく、流動性も良好であり、抵抗の高いマグネタイト粒子が開示されている。
ところが、細線再現性が改善された画質が得られるものの、吸湿により環境安定性に問題がある。
【0010】
特開平6−230603号公報においては、磁性体粒子にSi又はTi等の微粒子を混合後、カップリング剤にて処理されている磁性酸化鉄粒子について開示されている。これにより流動性は改善されるものの、混合粉体である為、均一性に問題があり、後に製造されるトナー中の磁性体含有量に不均一が生じるという問題がある。
【0011】
特開平6−230604号公報においては、メチル基、トリメチル基及びオクチルシランから選ばれる物でSi微粒子又はTi微粒子が被覆された物を混合した磁性酸化鉄粒子について開示されている。これにより流動性は改善されるものの、混合粉末である為、均一性に問題があり、後に製造されるトナー中の磁性体含有量に不均一が生じるという問題がある。
【0012】
また、特開平7−267646号公報においては、無水ケイ酸を用いて、耐吸湿性、磁気特性に優れた磁性粉が開示されている。しかし、使用されているケイ素成分が無水ケイ酸であり、粒子生成反応途中から無水ケイ酸を添加するという記載にあるように、磁性粉粒子内で無水ケイ酸が独立した微粒子として存在する上、粒子中心部にはケイ素成分がないことにより、残留磁化が高く、また、流動性においても未だ不十分である。
【0013】
さらに、特開平9−59025号公報においては、ケイ素等を使用し、流動性や黒色度に優れた磁性粉が開示されている。しかし粒子径の割に保磁力が高いため、画像の細線化の改良及び流動性において、未だ不十分である、という問題がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明はこれら従来技術の課題を解決すべくなされたもので、残留磁化と保磁力が低く、電気抵抗が高く、しかも作業性、流動性、分散性及び耐環境性に優れたマグネタイト粒子およびその製造方法を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、上記目的を達成すべく鋭意検討の結果、マグネタイト粒子内にケイ素成分、鉄以外の金属成分を含有するのみならず、芯粒子の外殻部にケイ素成分と結合した、Zn,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,Sn,Mg,Tiの中から選ばれる少なくとも一種以上の金属成分からなる金属化合物によって芯粒子外殻を被覆させ、かつ芯粒子表面にケイ素成分を0.01〜0.3wt%露出させた後、更に疎水化性薬剤を被覆させることで上記目的が達成しうることを知見して本発明に到達した。
なお、本発明で芯粒子とは疎水化性薬剤にて被覆される直前の酸化鉄粒子をいう。
また、本発明で外殻部とは、芯粒子表面より鉄(Fe)を芯粒子内の全Feに対して、40wt%溶解させたところまでの部分を芯粒子外殻部とし、そこより中心までを芯粒子内殻部とする。
【0016】
かかる知見に基づく、第一番目の発明によるマグネタイト粒子は、粒子の中心から表面へ連続的にケイ素成分を、酸化鉄に対してその存在量をケイ素に換算して0.2〜1.0wt%含有し、ケイ素成分と結合したZn,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,Sn,Mg,Tiの中から選ばれる少なくとも一種以上の金属成分からなる金属化合物によって外殻が被覆され、かつマグネタイト粒子の外殻部と内殻部とでFeに対するZn,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,Sn,Mg,Ti各成分の濃度が外殻部の方が高く、かつ表層部の方が高くなるように勾配をつけ、かつ粒子全体中のZn,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,Sn,Mg,Ti各成分の総量が各金属元素に換算してマグネタイト粒子に対して0.2〜4.0wt%であり、0.01〜0.3wt%のケイ素成分が露出した芯粒子に、疎水化性薬剤を被覆したことを特徴とする。
なお、以下ケイ素成分量はケイ素に換算していることを指す。
【0017】
第二番目の発明によるマグネタイト粒子は、第一番目の発明において、疎水化性薬剤の被覆量が炭素に換算して0.01〜2wt%であることを特徴とする。
【0018】
第三番目の発明によるマグネタイト粒子は、第一番目又は第二番目の発明において、疎水化性薬剤が疎水基を有する有機化合物であり、チタネート系のカップリング剤,シラン系のカップリング剤,アルミネート系のカップリング剤,シリコーン化合物,界面活性剤、高級脂肪酸およびその塩類から選ばれてなるものであることを特徴とする。
【0019】
第四番目の発明によるマグネタイト粒子は、第一番目の発明において、吸油量が20mL/100g以下、電気抵抗が1×104 Ωcm以上、高温高湿下で吸湿させた後の含有水分率が0.6%以下であることを特徴とする。
【0020】
第五番目の発明によるマグネタイト粒子は、第一番目の発明において、796kA/m(=10kOe)における印加磁場の残留磁化σr が6Am 2 /kg(=6emu/g)以下、凝集度が35%以下、反射率(60度)が97%以上であることを特徴とする。
【0021】
第六番目の発明によるマグネタイト粒子の製造方法は、主成分が第一鉄塩である水溶液と、ケイ素成分及び、鉄に対して1.0〜1.1当量のアルカリを混合し、pHを7〜10に維持して酸化反応を行い、反応の途中で当初のアルカリに対して0.9〜1.2当量となる不足の鉄を追加した後、引き続きpH6〜10に維持して酸化反応を行い、不足の鉄を追加した以降にZn,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,Sn,Mg,Tiの中から選ばれる少なくとも一種以上の金属成分を、各成分の総量が各金属元素に換算してマグネタイト粒子に対して0.2〜4.0wt%となるように添加し、かつ該金属成分の濃度が粒子外殻部の方が高く、かつ表層部の方が高くなるように調整して芯粒子を形成し、その後その表面に疎水化性薬剤を被覆することを特徴とする。
【0022】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明するが本発明はこれに限定されるものではない。
【0023】
ここで、本発明で酸化鉄粒子とは、好ましくはマグネタイトを主成分とするものである。
以下の説明では、酸化鉄粒子としてその代表的なものであるマグネタイト粒子について説明する。また、酸化鉄粒子又はマグネタイト粒子というときには、その内容によって個々の粒子又はその集合体のいずれも意味する。
【0024】
本発明のマグネタイト粒子は、(1)芯粒子の中心から表面へ連続的にケイ素成分を、マグネタイトに対してその存在量をケイ素に換算して0.2〜1.0wt%含有し、(2)ケイ素成分と結合したZn,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,Sn,Mg,Tiの中から選ばれる少なくとも一種以上の金属成分からなる金属化合物によって粒子外殻を被覆し、(3)かつ0.01〜0.3wt%のケイ素成分が露出した芯粒子に、(4)疎水化性薬剤が被覆されてなるものである。
【0025】
本発明のマグネタイト粒子は芯粒子のケイ素成分が中心から表面へ連続的に含有すること、及び芯粒子表面にケイ素を含有することが必要である。
マグネタイト粒子の中心にケイ素が存在しても、芯粒子表面にケイ素成分の一部が露出していなければ流動性に劣り、電気抵抗の改善寄与が少なくなる方向となる。
また、芯粒子表面のみにケイ素成分が存在する場合、粒子径の割に残留磁化と保磁力の高いものとなりバランスが悪くなる。
また、中心から表面に連続しない場合は、後述する金属成分との結合による効果が劣るものとなる。
【0026】
マグネタイト粒子に対する前記ケイ素成分は粒子全体(以下、「総Si量」という。)で0.2〜1.0wt%である。
これはケイ素成分が0.2wt%未満の場合では残留磁化、保磁力、流動性において効果が少なく劣るものとなるからである。また、ケイ素成分が1.0wt%を超えた場合では電気抵抗、残留磁化、保磁力、流動性の改善効果は充分に得られるものの、耐環境性、特に吸湿性の高い物となるうえ、経済的でないからである。
【0027】
なお、ここでいうケイ素成分と金属成分との化合物とは、金属酸化物または水酸化物に取り込まれたケイ素成分をもつ複合酸化物をいう。
【0028】
また、ここでいう芯粒子表面露出ケイ素成分とは、下記の分析方法によって得られた値である。
すなわち、試料0.900gを秤量し、1N−NaOH溶液25mLを加える。液を攪拌しながら45℃に加温し、芯粒子表面のケイ素成分を溶解する。未溶解物を濾過した後、溶出液を純水で125mLに定量し、溶出液に含まれるケイ素をプラズマ発光分析(ICP)で定量する。
【0029】
芯粒子表面露出ケイ素成分=
{[溶出液に含まれるケイ素(g/L)× 125÷1000]/0.900(g)}×100
【0030】
なお、マグネタイト粒子全体の総Si量は試料を塩酸−フッ酸溶液に溶解し、プラズマ発光分析(ICP)で定量する。
【0031】
本発明のマグネタイト粒子は上述のようにマグネタイト粒子の中心と芯粒子表面の双方にケイ素成分が存在することが必要である。
【0032】
上記測定方法は、疎水化性薬剤処理後の粉体を加熱により脱脂した後に、測定することも可能である。加熱温度は処理する薬剤にもよるが、約500℃程度であれば可能である。
【0033】
また、本発明には芯粒子内にZn,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,Sn,Mg,Tiの中から選ばれる少なくとも一種以上の金属成分とケイ素成分の複合化合物が芯粒子外殻部に存在することが必要である。
【0034】
さらには、Zn,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,Sn,Mg,Tiは粒子内のその存在量が総量で金属元素に換算して(以下、「金属成分量」とは金属元素に換算したことを指す。)0.2〜4.0wt%含有していることが好ましい。
これは金属成分の総量が0.2wt%に満たない場合では、芯粒子外殻のケイ素成分と結合したZn,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,Sn,Mg,Tiの中から選ばれる少なくとも一種以上の金属成分からなる金属化合物の形成が不十分となり、本発明の目的である、耐環境性、電気抵抗等の改善効果が小さくなるからである。
また、総量が4.0wt%を超える場合では、飽和磁化を低下させ、吸油量を高くし、経済的にも好ましくないからである。
【0035】
更に好ましくは、芯粒子内のZn,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,Sn,Mg,Tiの中から選ばれる少なくとも一種以上の金属成分の分布について、マグネタイト芯粒子の外殻部と内殻部とでFeに対するZn,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,Sn,Mg,Ti各成分の濃度を外殻部の方が高くなるように勾配をつけ、かつ、芯粒子全体中のZn,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,Sn,Mg,Ti各成分の総量が各金属元素に換算してマグネタイト粒子に対して0.2〜4.0wt%であるマグネタイト粒子が好ましい。
上記濃度を外殻部の方が高くなるように勾配をつける方法としては、例えば連続的に変化させる方法、pHを調節する方法、段階的に添加する方法等、公知の手法があげられるが、何等限定されるものではない。
ただし、芯粒子生成完了後の表面無機コートなどの方法で芯粒子表面に酸化物などを固着させる方法では、本発明の効果は十分に得ることができない。
【0036】
更に好ましくは、芯粒子表面よりFeを芯粒子中の全Feに対して溶解率で20%及び40%溶解させた時のZn,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,Sn,Mg,Tiの各成分の存在量の総量が各々の時点での溶解Feに対してA20(原子%)、A40(原子%)とすると、A20(原子%)>A40(原子%)の条件を満たすことである。さらに、好ましくは、0.01≦(2×A40−A20)/A20<1を満たすことである。
これは、この条件外では本目的とする特性値に達するために使用する金属成分が多く必要となり経済的でなく、飽和磁化の低下を招いたり、外殻部のケイ素成分とのバランスにより目的とする流動性と吸湿性のバランスが取りにくくなる方向になるからである。
【0037】
また、本発明には芯粒子に、更に疎水化性薬剤を被覆することが必要であり、その被覆量は0.01〜2wt%とするのが好ましい。
このようにマグネタイト粒子に上記疎水化性薬剤が被覆されていると分散性が向上するという効果を奏するからである。なお、被覆量を限定するのは、0.01wt%未満ではその効果が少なく、2wt%を超える場合には、分散性の更なる向上がみられなくなるからである。
【0038】
また、本発明のマグネタイト粒子は吸油量が、20ml/100g以下が好ましい。
これは、吸油量が20ml/100gを超える場合、樹脂との混合分散性が悪くなる恐れがありトナー化後の磁性粉の露出又は、こぼれによる画像特性に影響がでる可能性があるからである。
【0039】
また、本発明のマグネタイト粒子は電気抵抗が1×104 Ωcm以上が好ましい。
これは、1×104 Ωcm以下の場合トナーが必要とする帯電量を保持する事が困難な方向にあり画像濃度低下等のトナー特性に影響を及ぼす可能性があるからである。
【0040】
また、本発明のマグネタイト粒子は、高温高湿下で吸湿させた後の含有水分率が0.6%以下である事が好ましい。
これは、0.6%を超える場合、環境性、特に高湿度下における長期放置等において帯電特性の劣化を生じるおそれがあるからである。
【0041】
ここでいう高温高湿下の吸湿、及び含有水分率とは、35℃、湿度85%で3日間、吸湿させた後、カールフィッシャー法にて150℃における水分率を測定した値の事をいう。
【0042】
すなわち、芯粒子の中心から表面に連続的にケイ素成分を存在させ、かつケイ素成分を表面に露出させ、かつ金属成分を含有させる事、更に好ましくは、ケイ素成分及び金属成分をマグネタイト粒子のより外側に偏らせて存在させることで、より少量のケイ素成分、金属成分で本発明の課題を達成できる事を本願出願人等は見出した。
【0043】
なぜ、本発明のマグネタイト粒子が本目的を達成したのかについての原因は定かではないが、ケイ素成分とZn,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,Sn,Mg.Tiの中から選ばれる少なくとも一種以上の金属成分と結合した化合物が、芯粒子外殻を均一に被覆したためと推測する。すなわち、この金属化合物形成のため、本発明のケイ素成分は非常に微細な粒子となり、それが故に、マグネタイト粒子の成長につれて母体粒子内に円滑に、かつ、均一に取り込まれ、更には芯粒子表面に薄く均一なケイ素成分が露出することになり少量の芯粒子表面露出ケイ素成分においても流動性が十分となり、更にはその相乗効果により、電気抵抗が高く、耐環境性に優れた粒子表面の平滑なマグネタイト粒子が得られ、更に疎水化性薬剤にて被覆されたことにより、芯粒子の特徴を保持しつつ更に分散性の良好なマグネタイト粒子が得られたものと推察できる。
【0044】
また、本発明のマグネタイト粒子は、粒子径に対し磁気特性のバランスの良い、とりわけ残留磁化、及び保磁力の低い物であることに加え、芯粒子表面をケイ素成分並びにFe以外の金属成分の存在濃度が高い為、磁気凝集の低下により、更に、流動性、及び分散性に寄与しているものと思われる。
【0045】
次に、本発明の好ましい製造方法を説明する。
【0046】
まず、主成分が第一鉄塩である水溶液と、ケイ素成分、及び、鉄に対して1.0〜1.1当量のアルカリを混合する。
ここに用いられる第一鉄塩としては硫酸第一鉄が好ましい。また、ケイ素成分としては、ケイ酸化合物から調整された含水ケイ酸コロイドを含む溶液が好ましい。例えば、ケイ酸ソーダ等の使用により生成粒子中にケイ酸化合物(含水化合物を含む。)を生じせしめる事ができる。
【0047】
この混合液に酸素含有ガス、望ましくは空気を吹き込み、60〜100℃、好ましくは80〜90℃で、酸化反応を行い、種晶を生成させる。この酸化反応量の制御は、反応中に未反応の水酸化第一鉄の分析と通気酸素含有ガス量を調節して行う。この酸化反応においては、pHを7〜10、好ましくはpH7〜9に維持することが肝要である。
【0048】
この酸化反応の途中で、種晶生成量が全酸化量の1〜30%、好ましくは5〜25%となったときに、当初のアルカリに対して0.9〜1.2当量、好ましくは1.05〜1.15当量となる不足の鉄を追加する。ここで用いられる鉄としては、硫酸第一鉄等の第一鉄塩溶液が望ましい。
【0049】
さらに、pH6〜10、好ましくはpH6〜9に維持しながら酸化反応を維持し、粒子を成長させる。この間、すなわち不足の鉄を追加してから反応が完結するまでの間に、Zn,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,Sn,Mg,Tiの中から選ばれる少なくとも一種以上の金属成分を含有する水溶液を反応系に添加する。
【0050】
この際、添加される金属元素は水溶液であっても、水酸化物の状態であってもかまわない。また、2種以上の成分を添加する場合、2種別々に添加しても、2種混合したものを添加してもかまわない。
【0051】
そして反応終了後、常法により洗浄、濾過、乾燥、粉砕し、マグネタイトを得る。
このようにして得られたマグネタイトに疎水化性薬剤を被覆する。被覆手段としては、マグネタイト芯粒子表面に一様に被覆層を形成させることができる装置を使用すればよい。
この処理としては一般的には湿式による方法、マスターバッチ法等の乾式法等を挙げることができる。
具体的には、湿式法では、反応終了後に添加しても、洗浄後のケーキ又は乾燥粉砕後の粉体を再度スラリー化して添加してもよい。乾式法ではヘンシルミキサー,ホイール形混練機又はらいかい機等を挙げることができる。
【0052】
ここで、本発明で用いられる疎水化性薬剤としては、疎水基を有する有機化合物であり、例えばチタネート系のカップリング剤,シラン系のカップリング剤,アルミネート系のカップリング剤等,シリコンオイル等のシリコーン化合物,汎用的な界面活性剤、高級脂肪酸およびその塩類等を挙げることができる。
ここでチタネート系のカップリング剤としては、例えばイソプロピルトリイソステアロイルチタネート,イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート,イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート,ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシアセテートチタネート,ビス(ジオクチルピロホスフェート)エチレンチタネート等を挙げることができ、シラン系等のカップリング剤としては、例えばビニルトリクロロシラン,ビニルトリエトキシシラン,ビニルトリス(β−メトキリエトキシ)シラン等を挙げることができる。
汎用的な界面活性剤としては、例えばリン酸エステル系のアニオン界面活性剤、脂肪酸エステル系のノニオン界面活性剤、アルキルアミン等の天然油脂誘導体等を挙げることができる。
高級脂肪酸としては、例えばオレイン酸,ステアリン酸,イソステアリン酸,パルミチン酸,イソパルミチン酸等を挙げることができ、その塩類も使用できる。
又、本発明の疎水化性薬剤を用いた被覆量としては、炭素に換算して0.01〜2wt%とするのが好ましい。
これは0.01wt%未満ではその効果が少なく、2wt%を超える場合には、添加量に比べてその効果の発現がなく、芯粒子の流動性の効果を少なくする傾向がみられ、好ましくないからである。
【0053】
本発明では、上述の様に酸化反応中のpHを6〜10好ましくはpHを6〜9に調整することが好ましい。
これは、酸化反応時のpHを10より高くすると、ケイ素成分がマグネタイト粒子中心に取り込まれやすくなり、その結果、芯粒子外殻及び表面露出のケイ素成分の存在量が不十分となるからである。また、金属成分と結合した化合物の形成において不十分となるからである。また、逆の場合は中心に取り込まれにくく表面に析出するからである。
【0054】
本発明者等が酸化反応途中の粒子形状について観察した結果では、最初の反応で生成する種晶は不定形ではあるが粒度分布の狭い粒子の生成が認められる。その後、後半の中性域、弱アルカリ域(pH6〜10)での反応で徐々に擬球状に変化していく。
【0055】
【実施例】
以下、本発明の効果を示す実施例について説明するが、本発明はこれに限定されるものではない。なお、以下「L」はリットルを示す。
【0056】
[実施例1]
Fe2+1.8mol/Lを含む硫酸第一鉄水溶液70Lと、Si品位13.4%のケイ酸ソーダ643g、水酸化ナトリウム10.6kgを混合し、全量を140Lとし、温度を90℃に維持しながら20L/minの空気を吹き込み、当初の水酸化第一鉄に対して、20%消費された時点で種晶生成を確認した。
次いで、上記種晶粒子を含む水酸化鉄スラリーに反応当初に用いたものと同濃度の硫酸第一鉄水溶液10Lを加え、全量を150Lとし、充分均一に混合されたのを確認してからpH6〜9、温度90℃にて、20L/minの空気を吹き込み酸化反応を進行した。
途中、未反応の水酸化第一鉄濃度を調べながら、反応の進行率を調べ、その進行率が反応当初に対して45%進行した時点から0.105mol/Lの硫酸ニッケル水溶液10Lを約100分間かけて、酸化反応継続中のマグネタイトを含んだ水酸化第一鉄スラリーに添加し、pHを6〜9に維持して酸化反応を完結して芯粒子スラリーを得た。
得られた芯粒子のマグネタイトスラリーは、常法により洗浄、濾過、乾燥、粉砕した。
その後、疎水化性薬剤としてγ−アミノプロピルエトキシシランを用い、酸化鉄粒子に対し0.5wt%添加して乳鉢にて、5分間混合した。
こうして得られたマグネタイトは、総Si量が0.7wt%、芯粒子表面露出Si量が0.15wt、炭素(C)量が0.24wt%、及びNi総量が0.5wt%であった。
【0057】
このようにして得られたマグネタイトを、前記記載のA20原子%、A40原子%、粒径、磁気特性、電気抵抗、芯粒子表面露出ケイ素成分の存在量、凝集度、高温高湿での吸湿後の含有水分率、吸油量、反射率を測定し、結果を表1に示す。
【0058】
<測定方法>
(1)粒径・・・透過型電子顕微鏡写真(倍率30000倍)より写真上の粒子径を測定し、その平均値をもって粒径とした。
(2)磁気特性・・・東英工業製、振動試料型磁力計「VSM−P7型」(商品名)を用いて、印加磁場796kA/m(=10kOe)で測定した。
(3)電気抵抗・・・試料10gをホルダーに入れ600kg/cm2 の圧力を加えて25mmφの錠剤型に成形後、電極を取り付け150kg/cm2 の加圧状態で測定する。測定に使用した試料の厚さ、及び断面積と抵抗値から算出して、マグネタイト粒子の電気抵抗値を求めた。
(4)高温高湿で吸湿後の含有水分率(カールフィッシャー法)・・・乾燥機で150℃であらかじめ乾燥させたものを、高温高湿機(TABAI ESPEC CORP製「LHL-111 」( 商品名) )を使用し、35℃,85%RHで3日間吸湿させたものを、Mitsubishi Chemical Itd 製「WATER VAPORIZER VA-05 」(商品名)にて150℃でマグネタイト粒子中の水分を蒸発させ、MITSUBISHI KASEI Corporation製「MOISTUR METER CA-03 」(商品名)にて検出し、マグネタイト粒子中の含有水分率を測定した。
(5)吸油量・・・JIS K 5101によって測定した。
(6)A20原子%、A40原子%・・・500℃にて熱処理後、試料25gを1N−H2 SO4 水溶液中に加え、60℃にて徐々に溶解し、その溶解過程で溶解液を各20mL採取し、メンブランフィルターで不溶解分を濾別した後、溶解分をプラズマ発光分析(ICP)で定量した。鉄が40%、20%溶解した時点での添加した金属成分の合計量を、溶解した鉄に対する存在率とした。
(7)凝集度・・・Hosokawa Micron 製「Powder Tester TypePT-E」(商品名)を用いて、振動時間65secにて測定した。測定結果を所定の計算式にて計算し、凝集度を求めた。そして、凝集度35%未満を低とし、35%以上を高とした。
(8)反射率・・・スチレンアクリル系樹脂(TB−1000F)をトルエン(樹脂:トルエン=1:2)にて溶解した液を50g、試料10g、直径1mmのガラスビーズ90gを内容積140mlのビンにいれ、蓋をした後、ペイントシェーカー(トウヨウセイキ社製)にて30分間混合した。これをガラス板上に4milのアプリケータを用いて塗布し、乾燥後、ムラカミ式GLOSS METER(GM−3M)にて60度の反射率を測定した。
(9)炭素量・・・酸素気流中で試料を燃焼し、発生したCO2 ガスをガスクロマトグラフィーにて定量し、試料中の炭素(C)量を求めた。
【0059】
[実施例2]
使用するケイ酸ソーダを459gとし、不足の硫酸第一鉄水溶液追加後の反応pHをpH6〜10に維持し、反応途中(反応進行率:45%)に添加する金属成分水溶液(硫酸ニッケルが0.105mol/L、硫酸亜鉛が0.095mol/L、硫酸コバルトが0.105mol/L、硫酸マグネシウムが0.407mol/L、硫酸チタンが0.207mol/L、硫酸マンガンが0.203mol/L)を10Lとし、疎水化性薬剤としてγ−クロロプロピルトリメトキシシランを用い、マグネタイトに対し1%処理した以外は実施例1と同様に操作してマグネタイトを得た。
ここで、上記反応進行率とは、未反応の水酸化第一鉄濃度を調べながら、反応の進行率を調べ、その進行率が反応当初に対して進行した割合をいう(以下同じ)。
こうして得られたマグネタイトは、総Si量が0.5wt%、芯粒子表面露出量が0.11wt%、C量が0.54wt%、及び金属総量が4.0wt%であった。
【0060】
[実施例3]
不足の硫酸第一鉄水溶液追加後の反応pHをpH6〜8に維持し、反応途中(反応進行率:60%)に添加する金属成分水溶液(硫酸銅が0.078mol/L、硫酸亜鉛が0.095mol/L、硫酸マンガンが0.451mol/L)を10Lとすると共にその添加時間を80分間とし、反応終了後、スラリー中にオレイン酸ナトリウム108gを溶かした水溶液を5L添加し、pHを6〜8に調整して疎水化性薬剤を被覆した以外は実施例1と同様に操作してマグネタイトを得た。
こうして得られたマグネタイトは、総Si量が0.7wt%、芯粒子表面露出量が0.25wt%、C量が0.71wt%、及び金属総量が2.9wt%であった。
【0061】
[実施例4]
使用するケイ酸ソーダを459gとし、反応途中(反応進行率:40%)に添加する金属成分水溶液(硫酸亜鉛が0.095mol/L、硫酸マンガンが0.203mol/L)の添加割合を添加当初は3Lとし、その30分後に3Lを添加し、更に30分後に4Lの計10Lを添加し、疎水化性薬剤としてビニルメトキシシランをマグネタイトに対し0.3wt%処理した以外は実施例1と同様に操作してマグネタイトを得た。
こうして得られたマグネタイトは、総Si量が0.5wt%、芯粒子表面露出量が0.11wt%、C量が0.12wt%、及び金属総量が1.4wt%であった。
【0062】
[実施例5]
使用するケイ酸ソーダを280gとし、反応途中(反応進行率:60%)に添加する金属成分水溶液(硫酸亜鉛が0.038mol/L、硫酸マンガンが0.316mol/L,硫酸ニッケルが0.105mol/L、硫酸銅が0.078mol/L)の添加割合を添加当初から30分間で1Lを添加し、更に30分間で9Lの計10Lを添加し、疎水化性薬剤としてビニルメトキシシランを酸化鉄に対し3wt%処理した以外は実施例1と同様に操作してマグネタイトを得た。
こうして得られたマグネタイトは、総Si量が0.3wt%、芯粒子表面露出量が0.04wt%、C量が1.51wt%、及び金属総量が2.5wt%であった。
【0063】
[実施例6]
使用するケイ酸ソーダを840g、反応途中(反応進行率:45%)に添加する金属成分水溶液(硫酸コバルトが0.063mol/L)を10Lとし、不足の鉄追加後の反応pHをpH6〜10に維持して、疎水化性薬剤としてイソプロピルトリイソステアロイルを用い、マグネタイトに対し1.2wt%処理した以外は実施例1と同様に操作してマグネタイトを得た。
こうして得られたマグネタイトは、総Si量が0.9wt%、芯粒子表面露出量が0.02wt%、C量が0.86wt%、及び金属総量が0.3wt%であった。
【0064】
[比較例1]
金属成分及びケイ素成分及び疎水化性薬剤の使用と処理を行わない以外は実施例1と同様の操作により、マグネタイトを得た。
【0065】
[比較例2]
疎水化性薬剤の処理を行わない以外は実施例1と同様の操作により、マグネタイトを得た。
【0066】
[比較例3]
反応途中(反応進行率:40%)に添加する金属成分水溶液(硫酸亜鉛が0.190mol/L、硫酸マンガンが0.429mol/L)を添加当初に10Lを一度に添加した以外は実施例4と同様の操作により、マグネタイトを得た。
【0067】
[比較例4]
使用するケイ酸ソーダを1378g、添加金属成分を添加しない以外は、実施例1と同様の操作により、マグネタイトを得た。
【0068】
[比較例5]
使用するケイ酸ソーダを735gとし、不足の硫酸第一鉄水溶液追加後の反応pHをpH10〜11に維持させ、反応途中(反応進行率:65%)に添加する金属成分水溶液(硫酸亜鉛が0.076mol/L、硫酸マンガンが0.496mol/L,硫酸ニッケルが0.063mol/L)10Lを80分で添加した以外は実施例1と同様の操作により、マグネタイトを得た。
【0069】
[比較例6]
ケイ酸ソーダを添加せず、反応途中(反応進行率:45%)に添加する金属成分水溶液(硫酸亜鉛が0.076mol/L,硫酸マンガンが0.293mol/L、硫酸ニッケルが0.063mol/L)10Lとした以外は実施例1と同様の操作により、マグネタイトを得た。
【0070】
以上の結果を「表1」に示す。
【0071】
【表1】
【0072】
「表1」の結果に示されるように、本発明によって得られた実施例1〜6のマグネタイト粒子は、電気抵抗、残留磁化、吸油量、含有水分率及び凝集度、反射率のいずれの特性も良好であった。
【0073】
これに対して、比較例1のマグネタイト粒子は、金属成分及びケイ素成分及び疎水化性薬剤がない為、電気抵抗,残留磁化,吸油量,凝集度及び反射率が劣る粒子であった。
【0074】
また、比較例2のマグネタイト粒子は、疎水化性薬剤がない為、反射率が劣る粒子であった。
【0075】
また、比較例3のマグネタイト粒子は、芯粒子表面に金属成分が少ないため、電気抵抗及び凝集度が共に劣る粒子となった。
【0076】
また、比較例4のマグネタイト粒子は、Siの存在量も多く、また、芯粒子表面にSiが多く露出しているため、電気抵抗及び凝集度は良好なものの、吸油量及び含有水分率が共に高い粒子となった。
【0077】
これに対して、粒子中心にはケイ素を含有するものの、表面にはケイ素が全く存在しない比較例5においては、吸油量及び含有水分率は良好なものの、芯粒子表面にケイ素成分がないことにより、添加量の割に電気抵抗が低く、そして凝集度が高く、流動性及び反射率に劣るものとなった。
【0078】
また、更には、粒子中心にケイ素を含有しない比較例6においては、粒子中心にケイ素が含有されていないために、残留磁化が粒子径の割に高く、かつ電気抵抗が低く、流動性及び反射率に劣るものとなった。
【0079】
【発明の効果】
以上のことより、本発明によるマグネタイト粒子は、ケイ素成分が芯粒子中心から表面まで連続的に存在し、芯粒子表面をケイ素成分と結合した請求項記載の金属成分が被覆された粒子に疎水化性薬剤を被覆させることにより、吸油量が低く、電気抵抗が高く、磁気特性及び耐環境性に優れていると共に、特に分散性に秀でており、静電複写磁性トナー用として好適である。
Claims (6)
- 粒子の中心から表面へ連続的にケイ素成分を、酸化鉄に対してその存在量をケイ素に換算して0.2〜1.0wt%含有し、ケイ素成分と結合したZn,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,Sn,Mg,Tiの中から選ばれる少なくとも一種以上の金属成分からなる金属化合物によって外殻が被覆され、かつマグネタイト粒子の外殻部と内殻部とでFeに対するZn,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,Sn,Mg,Ti各成分の濃度が外殻部の方が高く、かつ表層部の方が高くなるように勾配をつけ、かつ粒子全体中のZn,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,Sn,Mg,Ti各成分の総量が各金属元素に換算してマグネタイト粒子に対して0.2〜4.0wt%であり、0.01〜0.3wt%のケイ素成分が露出した芯粒子に、疎水化性薬剤を被覆したことを特徴とするマグネタイト粒子。
- 請求項1において、
疎水化性薬剤の被覆量が炭素に換算して0.01〜2wt%であることを特徴とするマグネタイト粒子。 - 請求項1又は請求項2において、
疎水化性薬剤が疎水基を有する有機化合物であり、チタネート系のカップリング剤,シラン系のカップリング剤,アルミネート系のカップリング剤,シリコーン化合物,界面活性剤、高級脂肪酸およびその塩類から選ばれてなるものであることを特徴とするマグネタイト粒子。 - 請求項1において、
吸油量が20mL/100g以下、電気抵抗が1×104 Ωcm以上、高温高湿下で吸湿させた後の含有水分率が0.6%以下であることを特徴とするマグネタイト粒子。 - 請求項1において、
796kA/m(=10kOe)における印加磁場の残留磁化σr が6Am 2 /kg(=6emu/g)以下、凝集度が35%以下、反射率(60度)が97%以上であることを特徴とするマグネタイト粒子。 - 主成分が第一鉄塩である水溶液と、ケイ素成分及び、鉄に対して1.0〜1.1当量のアルカリを混合し、pHを7〜10に維持して酸化反応を行い、反応の途中で当初のアルカリに対して0.9〜1.2当量となる不足の鉄を追加した後、引き続きpH6〜10に維持して酸化反応を行い、不足の鉄を追加した以降にZn,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,Sn,Mg,Tiの中から選ばれる少なくとも一種以上の金属成分を、各成分の総量が各金属元素に換算してマグネタイト粒子に対して0.2〜4.0wt%となるように添加し、かつ該金属成分の濃度が粒子外殻部の方が高く、かつ表層部の方が高くなるように調整して芯粒子を形成し、その後その表面に疎水化性薬剤を被覆することを特徴とするマグネタイト粒子の製造方法。
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