JP2000272924A - 酸化鉄粒子およびその製造方法 - Google Patents

酸化鉄粒子およびその製造方法

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JP2000272924A JP7912799A JP7912799A JP2000272924A JP 2000272924 A JP2000272924 A JP 2000272924A JP 7912799 A JP7912799 A JP 7912799A JP 7912799 A JP7912799 A JP 7912799A JP 2000272924 A JP2000272924 A JP 2000272924A
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 吸油量、電気抵抗、磁気特性、耐環境性等の
諸特性をバランス良く向上させた、特に静電複写磁性ト
ナー用材料粉、塗料用黒色顔料粉の用途に主に用いられ
る酸化鉄粒子を提供する。 【解決手段】 粒子の中心から表面へ連続的にケイ素成
分を、酸化鉄に対してその存在量をケイ素に換算して0.
2〜1.0wt%含有し、ケイ素成分と結合したZn,
Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,Sn,M
g,Tiの中から選ばれる少なくとも一種以上の金属成
分からなる金属化合物によって外殻が被覆され、かつ0.
01〜0.3wt%のケイ素成分が露出した芯粒子に、疎
水化性薬剤を被覆した。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は酸化鉄粒子に関し、
詳しくは芯粒子中心と表面の双方にケイ素成分と鉄以外
の金属元素を含有し、とりわけ芯粒子表面近傍に分散し
たケイ素成分と金属元素の量、及び芯粒子表面に露出し
たケイ素成分を制御し、更に疎水化のための被覆を芯粒
子表面に形成することにより、吸油量、電気抵抗、磁気
特性、分散性等の諸特性をバランス良く向上させた、特
に静電複写磁性トナー用材料粉、塗料用黒色顔料粉の用
途に主に用いられる酸化鉄粒子およびその製造方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】最近電子複写機、プリンター等の磁性ト
ナー用材料として、水溶液反応による酸化鉄粒子が広く
利用されている。磁性トナーとしては各種の一般的現像
特性が要求されるが、近年、電子写真技術の発達によ
り、特にデジタル技術を用いた複写機、プリンターが急
速に発達し、要求特性がより高度になってきた。すなわ
ち、従来の文字以外にもグラフィックや、写真等の出力
も要求されており、特にプリンターの中には1インチ当
たり1200ドット以上の能力の物も現れ、感光体上の
潜像はより精密になってきている。その為、現像での細
線再現性の高さが強く要求されている。
【0003】例えば特開平5−72801号公報におい
て、磁性トナーについて開示されている。それによると
磁性粉として、抵抗は高く、流動性の良い物が望まれて
いる。
【0004】特開平5−100474号公報において、
磁性トナーについて開示されている内容に、磁性酸化鉄
は耐環境性の面でいまだ改良すべき点を有していると記
載のある様に、トナー製造において種々の特性を満足し
た上に、更に耐環境性(耐吸湿性)に優れた磁性粉が望
まれている。
【0005】特開平7−239571号公報においても
同様に磁性粉の耐環境性、特に高温高湿下における問題
点がある事を指摘している。
【0006】特開平3−1160号公報にて磁性トナー
について開示されている内容に、多様な環境下において
満足させる為には、高抵抗化や低吸湿が必要となる旨が
記載されている。又、画像への飛び散りをなくす為に
は、低保磁力、低残留磁化の物が望まれている。
【0007】つまり、これらの要求を満足させる為に
は、通常磁性粉に要求される特性のみならず、特に抵
抗、流動性、耐環境性、磁気特性のバランスに優れた磁
性粉を提供する必要がある。従来、酸化鉄粒子において
種々の改善が行われてきた。
【0008】例えば特開昭61−155223号公報、
特開昭62−278131号公報、特開昭62−244
12号公報等においては、ケイ素成分を粒子粉末内部の
みに含有したマグネタイト粒子がそれぞれ開示されてい
る。これらの粒子では、画像濃度が改善された画質が得
られるものの未だ不十分である。さらに、これらの提案
によるマグネタイト粒子は、流動性が悪くしかも、輸送
時の振動等により、粉体の充填密度が上がりすぎ、トナ
ー化時の作業性を著しく低下させるという問題がある。
【0009】特開平5−213620号公報において
は、ケイ素成分を中心と表面部にわけ、残留磁化のバラ
ンスよく、流動性も良好であり、抵抗の高いマグネタイ
ト粒子が開示されている。ところが、細線再現性が改善
された画質が得られるものの、吸湿により環境安定性に
問題がある。
【0010】特開平6−230603号公報において
は、磁性体粒子にSi又はTi等の微粒子を混合後、カ
ップリング剤にて処理されている磁性酸化鉄粒子につい
て開示されている。これにより流動性は改善されるもの
の、混合粉体である為、均一性に問題があり、後に製造
されるトナー中の磁性体含有量に不均一が生じるという
問題がある。
【0011】特開平6−230604号公報において
は、メチル基、トリメチル基及びオクチルシランから選
ばれる物でSi微粒子又はTi微粒子が被覆された物を
混合した磁性酸化鉄粒子について開示されている。これ
により流動性は改善されるものの、混合粉末である為、
均一性に問題があり、後に製造されるトナー中の磁性体
含有量に不均一が生じるという問題がある。
【0012】また、特開平7−267646号公報にお
いては、無水ケイ酸を用いて、耐吸湿性、磁気特性に優
れた磁性粉が開示されている。しかし、使用されている
ケイ素成分が無水ケイ酸であり、粒子生成反応途中から
無水ケイ酸を添加するという記載にあるように、磁性粉
粒子内で無水ケイ酸が独立した微粒子として存在する
上、粒子中心部にはケイ素成分がないことにより、残留
磁化が高く、また、流動性においても未だ不十分であ
る。
【0013】さらに、特開平9−59025号公報にお
いては、ケイ素等を使用し、流動性や黒色度に優れた磁
性粉が開示されている。しかし粒子径の割に保磁力が高
いため、画像の細線化の改良及び流動性において、未だ
不十分である、という問題がある。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】本発明はこれら従来技
術の課題を解決すべくなされたもので、残留磁化と保磁
力が低く、電気抵抗が高く、しかも作業性、流動性、分
散性及び耐環境性に優れた酸化鉄粒子およびその製造方
法を提供することを目的としている。
【0015】
【課題を解決するための手段】本発明者等は、上記目的
を達成すべく鋭意検討の結果、酸化鉄粒子の中心にケイ
素成分、鉄以外の金属成分を含有するのみならず、芯粒
子の外殻部にケイ素成分と結合した、Zn,Mn,C
u,Ni,Co,Cr,Cd,Al,Sn,Mg,Ti
の中から選ばれる少なくとも一種以上の金属成分からな
る金属化合物によって芯粒子外殻を被覆させ、かつ芯粒
子表面にケイ素成分を0.01〜0.3wt%露出させた
後、更に疎水化性薬剤を被覆させることで上記目的が達
成しうることを知見して本発明に到達した。なお、本発
明で芯粒子とは疎水化性薬剤にて被覆される直前の酸化
鉄粒子をいう。また、本発明で外殻部とは、芯粒子表面
より鉄(Fe)を芯粒子内の全Feに対して、40wt
%溶解させたところまでの部分を芯粒子外殻部とし、そ
こより中心までを芯粒子内殻部とする。
【0016】かかる知見に基づく、本発明の[請求項
1]の酸化鉄粒子の発明は、粒子の中心から表面へ連続
的にケイ素成分を、酸化鉄に対してその存在量をケイ素
に換算して0.2〜1.0wt%含有し、ケイ素成分と結
合したZn,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,A
l,Sn,Mg,Tiの中から選ばれる少なくとも一種
以上の金属成分からなる金属化合物によって外殻が被覆
され、かつ0.01〜0.3wt%のケイ素成分が露出した
芯粒子に、疎水化性薬剤を被覆したことを特徴とする。
なお、以下ケイ素成分量はケイ素に換算していることを
指す。
【0017】本発明の[請求項2]の酸化鉄粒子の発明
は、請求項1において、酸化鉄粒子の外殻部と内殻部と
でFeに対するZn,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,
Cd,Al,Sn,Mg,Ti各成分の濃度が外殻部の
方が高く、かつ表層部の方が高くなるように勾配をつ
け、かつ、粒子全体中のZn,Mn,Cu,Ni,C
o,Cr,Cd,Al,Sn,Mg,Ti各成分の総量
が各金属元素に換算して酸化鉄粒子に対して0.2〜4.
0wt%であることを特徴とする。
【0018】本発明の[請求項3]の酸化鉄粒子の発明
は、請求項1又は2において、疎水化性薬剤の被覆量が
炭素に換算して0.01〜2wt%であることを特徴とす
る。
【0019】本発明の[請求項4]の酸化鉄粒子の発明
は、請求項1,2又は3において、疎水化性薬剤が疎水
基を有する有機化合物であり、チタネート系のカップリ
ング剤,シラン系のカップリング剤,アルミネート系の
カップリング剤,シリコーン化合物,界面活性剤、高級
脂肪酸およびその塩類から選ばれてなるものであること
を特徴とする。
【0020】本発明の[請求項5]の酸化鉄粒子の発明
は、請求項1又は2において、吸油量が20mL/10
0g以下、電気抵抗が1×104 Ωcm以上、高温高湿
下で吸湿させた後の含有水分率が0.6%以下であること
を特徴とする。
【0021】本発明の[請求項6]の酸化鉄粒子の発明
は、請求項1又は2において、10KOeにおける印加
磁場の残留磁化σr が6emu/g 以下、凝集度が35%以
下、反射率(60度)が97%以上であることを特徴と
する。
【0022】本発明の[請求項7]の酸化鉄粒子製造方
法の発明は、主成分が第一鉄塩である水溶液と、ケイ素
成分及び、鉄に対して1.0〜1.1当量のアルカリを
混合し、pHを7〜10に維持して酸化反応を行い、反
応の途中で当初のアルカリに対して0.9〜1.2当量と
なる不足の鉄を追加した後、引き続きpH6〜10に維
持して酸化反応を行い、不足の鉄を追加した以降にZ
n,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,S
n,Mg,Tiの中から選ばれる少なくとも一種以上の
金属成分を添加し、かつ該金属成分の濃度が粒子外殻部
の方が高く、かつ表層部の方が高くなるように調整して
芯粒子を形成し、その後その表面に疎水化性薬剤を被覆
することを特徴とする。
【0023】
【発明の実施の形態】以下、本発明の実施の形態を説明
するが本発明はこれに限定されるものではない。
【0024】ここで、本発明で酸化鉄粒子とは、好まし
くはマグネタイトを主成分とするものである。以下の説
明では、酸化鉄粒子としてその代表的なものであるマグ
ネタイト粒子について説明する。また、酸化鉄粒子又は
マグネタイト粒子というときには、その内容によって個
々の粒子又はその集合体のいずれも意味する。
【0025】本発明のマグネタイト粒子の発明は、芯
粒子の中心から表面へ連続的にケイ素成分を、マグネタ
イトに対してその存在量をケイ素に換算して0.2〜1.
0wt%含有し、ケイ素成分と結合したZn,Mn,
Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,Sn,Mg,T
iの中から選ばれる少なくとも一種以上の金属成分から
なる金属化合物によって粒子外殻を被覆し、かつ0.0
1〜0.3wt%のケイ素成分が露出した芯粒子に、疎
水化性薬剤が被覆されてなるものである。
【0026】本発明のマグネタイト粒子は芯粒子のケイ
素成分が中心から表面へ連続的に含有すること、及び芯
粒子表面にケイ素を含有することが必要である。マグネ
タイト粒子の中心にケイ素が存在しても、芯粒子表面に
ケイ素成分の一部が露出していなければ流動性に劣り、
電気抵抗の改善寄与が少なくなる方向となる。また、芯
粒子表面のみにケイ素成分が存在する場合、粒子径の割
に残留磁化と保磁力の高いものとなりバランスが悪くな
る。また、中心から表面に連続しない場合は、後述する
金属成分との結合による効果が劣るものとなる。
【0027】マグネタイト粒子に対する前記ケイ素成分
は粒子全体(以下、「総Si量」という。)で0.2〜
1.0wt%である。これはケイ素成分が0.2wt%未
満の場合では残留磁化、保磁力、流動性において効果が
少なく劣るものとなるからである。また、ケイ素成分が
1.0wt%を超えた場合では電気抵抗、残留磁化、保
磁力、流動性の改善効果は充分に得られるものの、耐環
境性、特に吸湿性の高い物となるうえ、経済的でないか
らである。
【0028】なお、ここでいうケイ素成分と金属成分と
の化合物とは、金属酸化物または水酸化物に取り込まれ
たケイ素成分をもつ複合酸化物をいう。
【0029】また、ここでいう芯粒子表面露出ケイ素成
分とは、下記の分析方法によって得られた値である。す
なわち、試料0.900gを秤量し、1N−NaOH溶液
25mLを加える。液を攪拌しながら45℃に加温し、
芯粒子表面のケイ素成分を溶解する。未溶解物を濾過し
た後、溶出液を純水で125mLに定量し、溶出液に含
まれるケイ素をプラズマ発光分析(ICP)で定量す
る。 芯粒子表面露出ケイ素成分= {[溶出液に含まれるケイ素(g/L)× 125÷1000]/0.900(g)}×100
【0030】なお、マグネタイト粒子全体の総Si量は
試料を塩−フッ酸溶液に溶解し、プラズマ発光分析(I
CP)で定量する。
【0031】本発明のマグネタイト粒子は上述のように
マグネタイト粒子の中心と芯粒子表面の双方にケイ素成
分が存在することが必要である。
【0032】上記測定方法は、疎水化性薬剤処理後の粉
体を加熱により脱脂した後に、測定することも可能であ
る。加熱温度は処理する薬剤にもよるが、約500℃程
度であれば可能である。
【0033】また、本発明には芯粒子内にZn,Mn,
Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,Sn,Mg,T
iの中から選ばれる少なくとも一種以上の金属成分とケ
イ素成分の複合化合物が芯粒子外殻部に存在することが
必要である。
【0034】さらには、Zn,Mn,Cu,Ni,C
o,Cr,Cd,Al,Sn,Mg,Tiは粒子内のそ
の存在量が総量で金属元素に換算して(以下、「金属成
分量」とは金属元素に換算したことを指す。)0.2〜
4.0wt%含有していることが好ましい。これは金属
成分の総量が0.2wt%に満たない場合では、芯粒子外
殻のケイ素成分と結合したZn,Mn,Cu,Ni,C
o,Cr,Cd,Al,Sn,Mg,Tiの中から選ば
れる少なくとも一種以上の金属成分からなる金属化合物
の形成が不十分となり、本発明の目的である、耐環境
性、電気抵抗等の改善効果が小さくなるからである。ま
た、総量が4.0wt%を超える場合では、飽和磁化を
低下させ、吸油量を高くし、経済的にも好ましくないか
らである。
【0035】更に好ましくは、芯粒子内のZn,Mn,
Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,Sn,Mg,T
iの中から選ばれる少なくとも一種以上の金属成分の分
布について、マグネタイト芯粒子の外殻部と内殻部とで
Feに対するZn,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,C
d,Al,Sn,Mg,Ti各成分の濃度を外殻部の方
が高くなるように勾配をつけ、かつ、芯粒子全体中のZ
n,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,S
n,Mg,Ti各成分の総量が各金属元素に換算してマ
グネタイト粒子に対して0.2〜4.0wt%であるマグ
ネタイト粒子が好ましい。上記濃度を外殻部の方が高く
なるように勾配をつける方法としては、例えば連続的に
変化させる方法、pHを調節する方法、段階的に添加す
る方法等、公知の手法があげられるが、何等限定される
ものではない。ただし、芯粒子生成完了後の表面無機コ
ートなどの方法で芯粒子表面に酸化物などを固着させる
方法では、本発明の効果は十分に得ることができない。
【0036】更に好ましくは、芯粒子表面よりFeを芯
粒子中の全Feに対して溶解率で20%及び40%溶解
させた時のZn,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,C
d,Al,Sn,Mg,Tiの各成分の存在量の総量が
各々の時点での溶解Feに対してA20(原子%)、A40
(原子%)とすると、A20(原子%)>A40(原子%)
の条件を満たすことである。さらに、好ましくは、0.0
1≦(2×A40−A20)/A20<1を満たすことであ
る。これは、この条件外では本目的とする特性値に達す
るために使用する金属成分が多く必要となり経済的でな
く、飽和磁化の低下をまねいたり、外殻部のケイ素成分
とのバランスにより目的とする流動性と吸湿性のバラン
スが取りにくくなる方向になるからである。
【0037】また、本発明には芯粒子に、更に疎水化性
薬剤を被覆することが必要であり、その被覆量は0.01
〜2wt%とするのが好ましい。このようにマグネタイ
ト粒子に上記疎水化性薬剤が被覆されていると分散性が
向上するという効果を奏するからである。なお、被覆量
を限定するのは、0.01wt%未満ではその効果が少な
く、2wt%を超える場合には、分散性の更なる向上が
みられなくなるからである。
【0038】また、本発明のマグネタイト粒子は吸油量
が、20ml/100g以下が好ましい。これは、吸油
量が20ml/100gを超える場合、樹脂との混合分
散性が悪くなる恐れがありトナー化後の磁性粉の露出又
は、こぼれによる画像特性に影響がでる可能性があるか
らである。
【0039】また、本発明のマグネタイト粒子は電気抵
抗が1×104 Ωcm以上が好ましい。これは、1×1
4 Ωcm以下の場合トナーが必要とする帯電量を保持
する事が困難な方向にあり画像濃度低下等のトナー特性
に影響を及ぼす可能性があるからである。
【0040】また、本発明のマグネタイト粒子は、高温
高湿下で吸湿させた後の含有水分率が0.6%以下である
事が好ましい。これは、0.6%を超える場合、環境性、
特に高湿度下における長期放置等において帯電特性の劣
化を生じるおそれがあるからである。
【0041】ここでいう高温高湿下の吸湿、及び含有水
分率とは、35℃、湿度85%で3日間、吸湿させた
後、カールフィッシャー法にて150℃における水分率
を測定した値の事をいう。
【0042】すなわち、芯粒子の中心から表面に連続的
にケイ素成分を存在させ、かつケイ素成分を表面に露出
させ、かつ金属成分を含有させる事、更に好ましくは、
ケイ素成分及び金属成分をマグネタイト粒子のより外側
に偏らせて存在させることで、より少量のケイ素成分、
金属成分で本発明の課題を達成できる事を本願出願人等
は見出した。
【0043】なぜ、本発明のマグネタイト粒子が本目的
を達成したのかについての原因は定かではないが、ケイ
素成分とZn,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,
Al,Sn,Mg.Tiの中から選ばれる少なくとも一
種以上の金属成分と結合した化合物が、芯粒子外殻を均
一に被覆したためと推測する。すなわち、この金属化合
物形成のため、本発明のケイ素成分は非常に微細な粒子
となり、それが故に、マグネタイト粒子の成長につれて
母体粒子内に円滑に、かつ、均一に取り込まれ、更には
芯粒子表面に薄く均一なケイ素成分が露出することにな
り少量の芯粒子表面露出ケイ素成分においても流動性が
十分だされ、更にはその相乗効果により、電気抵抗が高
く、耐環境性に優れた粒子表面の平滑なマグネタイト粒
子が得られ、更に疎水化性薬剤にて被覆されたことによ
り、芯粒子の特徴を保持しつつ更に分散性の良好なマグ
ネタイト粒子が得られたものと推察できる。
【0044】また、本発明のマグネタイト粒子は、粒子
径に対し磁気特性のバランスの良い、とりわけ残留磁
化、及び保磁力の低い物であることに加え、芯粒子表面
をケイ素成分並びにFe以外の金属成分の存在濃度が高
い為、磁気凝集の低下により、更に、流動性、及び分散
性に寄与しているものと思われる。
【0045】次に、本発明の好ましい製造方法を説明す
る。
【0046】先づ、主成分が第一鉄塩である水溶液と、
ケイ素成分、及び、鉄に対して1.0〜1.1当量のア
ルカリを混合する。ここに用いられる第一鉄塩としては
硫酸第一鉄が好ましい。また、ケイ素成分としては、ケ
イ酸化合物から調整された含水ケイ酸コロイドを含む溶
液が好ましい。例えば、ケイ酸ソーダ等の使用により生
成粒子中にケイ酸化合物(含水化合物を含む。)を生じ
せしめる事ができる。
【0047】この混合液に酸素含有ガス、望ましくは空
気を吹き込み、60〜100℃、好ましくは80〜90
℃で、酸化反応を行い、種晶を生成させる。この酸化反
応量の制御は、反応中に未反応の水酸化第一鉄の分析と
通気酸素含有ガス量を調節して行う。この酸化反応にお
いては、pHを7〜10、好ましくはpH7〜9に維持
することが肝要である。
【0048】この酸化反応の途中で、種晶生成量が全酸
化量の1〜30%、好ましくは5〜25%となったとき
に、当初のアルカリに対して0.9〜1.2当量、好まし
くは1.05〜1.15当量となる不足の鉄を追加す
る。ここで用いられる鉄としては、硫酸第一鉄等の第一
鉄塩溶液が望ましい。
【0049】さらに、pH6〜10、好ましくはpH6
〜9に維持しながら酸化反応を維持し、粒子を成長させ
る。この間、すなわち不足の鉄を追加してから反応が完
結するまでの間に、Zn,Mn,Cu,Ni,Co,C
r,Cd,Al,Sn,Mg,Tiの中から選ばれる少
なくとも一種以上の金属成分を含有する水溶液を反応系
に添加する。
【0050】この際、添加される金属元素は水溶液であ
っても、水酸化物の状態であってもかまわない。また、
2種以上の成分を添加する場合、2種別々に添加して
も、2種混合したものを添加してもかまわない。
【0051】そして反応終了後、常法により洗浄、濾
過、乾燥、粉砕し、マグネタイトを得る。このようにし
て得られたマグネタイトに疎水化性薬剤を被覆する。被
覆手段としては、マグネタイト芯粒子表面に一様に被覆
層を形成させることができる装置を使用すればよい。こ
の処理としては一般的には湿式による方法、マスターバ
ッチ法等の乾式法等を挙げることができる。具体的に
は、湿式法では、反応終了後に添加しても、洗浄後のケ
ーキ又は乾燥粉砕後の粉体を再度スラリー化して添加し
てもよい。乾式法ではヘンシルミキサー,ホイール形混
練機又はらいかい機等を挙げることができる。
【0052】ここで、本発明で用いられる疎水化性薬剤
としては、疎水基を有する有機化合物であり、例えばチ
タネート系のカップリング剤,シラン系のカップリング
剤,アルミネート系のカップリング剤等,シリコンオイ
ル等のシリコーン化合物,汎用的な界面活性剤、高級脂
肪酸およびその塩類等を挙げることができる。ここでチ
タネート系のカップリング剤としては、例えばイソプロ
ピルトリイソステアロイルチタネート,イソプロピルト
リドデシルベンゼンスルホニルチタネート,イソプロピ
ルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート,
ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシアセテート
チタネート,ビス(ジオクチルピロホスフェート)エチ
レンチタネート等を挙げることができ、シラン系等のカ
ップリング剤としては、例えばビニルトリクロロシラ
ン,ビニルトリエトキシシラン,ビニルトリス(β−メ
トキリエトキシ)シラン等を挙げることができる。汎用
的な界面活性剤としては、例えばリン酸エステル系のア
ニオン界面活性剤、脂肪酸エステル系のノニオン界面活
性剤、アルキルアミン等の天然油脂誘導体等を挙げるこ
とができる。高級脂肪酸としては、例えばオレイン酸,
ステアリン酸,イソステアリン酸,パルミチン酸,イソ
パルミチン酸等を挙げることができ、その塩類も使用で
きる。又、本発明の疎水化性薬剤を用いた被覆量として
は、炭素に換算して0.01〜2wt%とするのが好まし
い。これは0.01wt%未満ではその効果が少なく、2
wt%を超える場合には、添加量に比べてその効果の発
現がなく、芯粒子の流動性の効果を少なくする傾向がみ
られ、好ましくないからである。
【0053】本発明では、上述の様に酸化反応中のpH
を6〜10好ましくはpHを6〜9に調整することが好
ましい。これは、酸化反応時のpHを10より高くする
と、ケイ素成分がマグネタイト粒子中心に取り込まれや
すくなり、その結果、芯粒子外殻及び表面露出のケイ素
成分の存在量が不十分となるからである。また、金属成
分と結合した化合物の形成において不十分となるからで
ある。また、逆の場合は中心に取り込まれにくく表面に
析出するからである。
【0054】本発明者等が酸化反応途中の粒子形状につ
いて観察した結果では、最初の反応で生成する種晶は不
定形ではあるが粒度分布の狭い粒子の生成が認められ
る。その後、後半の中性域、弱アルカリ域(pH6〜1
0)での反応で徐々に擬球状に変化していく。
【0055】
【実施例】以下、本発明の効果を示す実施例について説
明するが、本発明はこれに限定されるものではない。な
お、以下「L」はリットルを示す。
【0056】[実施例1」Fe2+1.8mol/Lを含
む硫酸第一鉄水溶液70Lと、Si品位13.4%のケ
イ酸ソーダ643g、水酸化ナトリウム10.6kgを混
合し、全量を140Lとし、温度を90℃に維持しなが
ら20L/minの空気を吹き込み、当初の水酸化第一
鉄に対して、20%消費された時点で種晶生成を確認し
た。次いで、上記種晶粒子を含む水酸化鉄スラリーに反
応当初に用いたものと同濃度の硫酸第一鉄水溶液10L
を加え、全量を150Lとし、充分均一に混合されたの
を確認してからpH6〜9、温度90℃にて、20L/
minの空気を吹き込み酸化反応を進行した。途中、未
反応の水酸化第一鉄濃度を調べながら、反応の進行率を
調べ、その進行率が反応当初に対して45%進行した時
点から0.105mol/Lの硫酸ニッケル水溶液10L
を約100分間かけて、酸化反応継続中のマグネタイト
を含んだ水酸化第一鉄スラリーに添加し、pHを6〜9
に維持して酸化反応を完結して芯粒子スラリーを得た。
得られた芯粒子のマグネタイトスラリーは、常法により
洗浄、濾過、乾燥、粉砕した。その後、疎水化性薬剤と
してγ−アミノプロピルエトキシシランを用い、酸化鉄
粒子に対し0.5wt%添加して乳鉢にて、5分間混合し
た。こうして得られたマグネタイトは、総Si量が0.7
wt%、芯粒子表面露出Si量が0.15wt、炭素
(C)量が0.24wt%、及びNi総量が0.5wt%で
あった。
【0057】このようにして得られたマグネタイトを、
前記記載のA20原子%、A40原子%、粒径、磁気特性、
電気抵抗、芯粒子表面露出ケイ素成分の存在量、凝集
度、高温高湿での吸湿後の含有水分率、吸油量、反射率
を測定し、結果を表1に示す。
【0058】*測定方法 粒径…透過型電子顕微鏡写真(倍率30000倍)
より写真上の粒子径を測定し、その平均値をもって粒径
とした。 磁気特性…東英工業製、振動試料型磁力計「VSM
−P7型」(商品名)を用いて、印加磁場10KOeで
測定した。 電気抵抗…試料10gをホルダーに入れ600kg
/cm2 の圧力を加えて25mmφの錠剤型に成形後、
電極を取り付け150kg/cm2 の加圧状態で測定す
る。測定に使用した試料の厚さ、及び断面積と抵抗値か
ら算出して、マグネタイト粒子の電気抵抗値を求めた。 高温高湿で吸湿後の含有水分率(カールフィッシャ
ー法)…乾燥機で150℃であらかじめ乾燥させたもの
を、高温高湿機(TABAI ESPEC CORP製「LHL-111」( 商
品名) )を使用し、35℃,85%RHで3日間吸湿さ
せたものを、Mitsubishi Chemical Itd 製「WATER VAPO
RIZER VA-05 」(商品名)にて150℃でマグネタイト
粒子中の水分を蒸発させ、MITSUBISHI KASEI Corporati
on製「MOISTUR METER CA-03 」(商品名)にて検出し、
マグネタイト粒子中の含有水分率を測定した。 吸油量…JIS K 5101によって測定した。 A20原子%、A40原子%…500℃にて熱処理後、
試料25gを1N−H2SO4 水溶液中に加え、60℃
にて徐々に溶解し、その溶解過程で溶解液を各20mL
採取し、メンブランフィルターで不溶解分を濾別した
後、溶解分をプラズマ発光分析(ICP)で定量した。
鉄が40%、20%溶解した時点での添加した金属成分
の合計量を、溶解した鉄に対する存在率とした。 凝集度…Hosokawa Micron 製「Powder Tester Type
PT-E」(商品名)を用いて、振動時間65secにて測
定した。測定結果を所定の計算式にて計算し、凝集度を
求めた。そして、凝集度35%未満を低とし、35%以
上を高とした。 反射率…スチレンアクリル系樹脂(TB−1000
F)をトルエン(樹脂:トルエン=1:2)にて溶解し
た液を50g、試料10g、直径1mmのガラスビーズ
90gを内容積140mlのビンにいれ、蓋をした後、
ペイントシェーカー(トウヨウセイキ社製)にて30分
間混合した。これをガラス板上に4milのアプリケー
タを用いて塗布し、乾燥後、ムラカミ式GLOSS M
ETER(GM−3M)にて60度の反射率を測定し
た。 炭素量…酸素気流中で試料を燃焼し、発生したCO
2 ガスをガスクロマトグラフィーにて定量し、試料中の
炭素(C)量を求めた。
【0059】[実施例2]使用するケイ酸ソーダを45
9gとし、不足の硫酸第一鉄水溶液追加後の反応pHを
pH6〜10に維持し、反応途中(反応進行率:45
%)に添加する金属成分水溶液(硫酸ニッケルが0.10
5mol/L、硫酸亜鉛が0.095mol/L、硫酸コ
バルトが0.105mol/L、硫酸マグネシウムが0.4
07mol/L、硫酸チタンが0.207mol/L、硫
酸マンガンが0.203mol/L)を10Lとし、疎水
化性薬剤としてγ−クロロプロピルトリメトキシシラン
を用い、マグネタイトに対し1%処理した以外は実施例
1と同様に操作してマグネタイトを得た。ここで、上記
反応進行率とは、未反応の水酸化第一鉄濃度を調べなが
ら、反応の進行率を調べ、その進行率が反応当初に対し
て進行した割合をいう(以下同じ)。こうして得られた
マグネタイトは、総Si量が0.5wt%、芯粒子表面露
出量が0.11wt%、C量が0.54wt%、及び金属総
量が4.0 wt%であった。
【0060】[実施例3]不足の硫酸第一鉄水溶液追加
後の反応pHをpH6〜8に維持し、反応途中(反応進
行率:60%)に添加する金属成分水溶液(硫酸銅が0.
078mol/L、硫酸亜鉛が0.095mol/L、硫
酸マンガンが0.451mol/L)を10Lとすると共
にその添加時間を80分間とし、反応終了後、スラリー
中にオレイン酸ナトリウム108gを溶かした水溶液を
5L添加し、pHを6〜8に調整して疎水化性薬剤を被
覆した以外は実施例1と同様に操作してマグネタイトを
得た。こうして得られたマグネタイトは、総Si量が0.
7wt%、芯粒子表面露出量が0.25wt%、C量が0.
71wt%、及び金属総量が2.9wt%であった。
【0061】[実施例4]使用するケイ酸ソーダを45
9gとし、反応途中(反応進行率:40%)に添加する
金属成分水溶液(硫酸亜鉛が0.095mol/L、硫酸
マンガンが0.203mol/L)の添加割合を添加当初
は3Lとし、その30分後に3Lを添加し、更に30分
後に4Lの計10Lを添加し、疎水化性薬剤としてビニ
ルメトキシシランをマグネタイトに対し0.3wt%処理
した以外は実施例1と同様に操作してマグネタイトを得
た。こうして得られたマグネタイトは、総Si量が0.5
wt%、芯粒子表面露出量が0.11wt%、C量が0.1
2wt%、及び金属総量が1.4wt%であった。
【0062】[実施例5]使用するケイ酸ソーダを28
0gとし、反応途中(反応進行率:60%)に添加する
金属成分水溶液(硫酸亜鉛が0.038mol/L、硫酸
マンガンが0.316mol/L,硫酸ニッケルが0.10
5mol/L、硫酸銅が0.078mol/L)の添加割
合を添加当初から30分間で1Lを添加し、更に30分
間で9Lの計10Lを添加し、疎水化性薬剤としてビニ
ルメトキシシランを酸化鉄に対し3wt%処理した以外
は実施例1と同様に操作してマグネタイトを得た。こう
して得られたマグネタイトは、総Si量が0.3wt%、
芯粒子表面露出量が0.04wt%、C量が1.51wt
%、及び金属総量が2.5wt%であった。
【0063】[実施例6]使用するケイ酸ソーダを84
0g、反応途中(反応進行率:45%)に添加する金属
成分水溶液(硫酸コバルトが0.063mol/L)を1
0Lとし、不足の鉄追加後の反応pHをpH6〜10に
維持して、疎水化性薬剤としてイソプロピルトリイソス
テアロイルを用い、マグネタイトに対し1.2wt%処理
した以外は実施例1と同様に操作してマグネタイトを得
た。こうして得られたマグネタイトは、総Si量が0.9
wt%、芯粒子表面露出量が0.02wt%、C量が0.8
6wt%、及び金属総量が0.3wt%であった。
【0064】[比較例1」金属成分及びケイ素成分及び
疎水化性薬剤の使用と処理を行わない以外は実施例1と
同様の操作により、マグネタイトを得た。
【0065】[比較例2」疎水化性薬剤の処理を行わな
い以外は実施例1と同様の操作により、マグネタイトを
得た。
【0066】[比較例3」反応途中(反応進行率:40
%)に添加する金属成分水溶液(硫酸亜鉛が0.190m
ol/L、硫酸マンガンが0.429mol/L)を添加
当初に10Lを一度に添加した以外は実施例4と同様の
操作により、マグネタイトを得た。
【0067】[比較例4」使用するケイ酸ソーダを13
78g、添加金属成分を添加しない以外は、実施例1と
同様の操作により、マグネタイトを得た。
【0068】[比較例5」使用するケイ酸ソーダを73
5gとし、不足の硫酸第一鉄水溶液追加後の反応pHを
pH10〜11に維持させ、反応途中(反応進行率:6
5%)に添加する金属成分水溶液(硫酸亜鉛が0.076
mol/L、硫酸マンガンが0.496mol/L,硫酸
ニッケルが0.063mol/L)10Lを80分で添加
した以外は実施例1と同様の操作により、マグネタイト
を得た。
【0069】[比較例6」ケイ酸ソーダを添加せず、反
応途中(反応進行率:45%)に添加する金属成分水溶
液(硫酸亜鉛が0.076mol/L,硫酸マンガンが0.
293mol/L、硫酸ニッケルが0.063mol/
L)10Lとした以外は実施例1と同様の操作により、
マグネタイトを得た。
【0070】以上の 結果を「表1」に示す。
【0071】
【表1】
【0072】「表1」の結果に示されるように、本発明
によって得られた実施例1〜6のマグネタイト粒子は、
電気抵抗、残留磁化、吸油量、含有水分率及び凝集度、
反射率のいずれの特性も良好であった。
【0073】これに対して、比較例1のマグネタイト粒
子は、金属成分及びケイ素成分及び疎水化性薬剤がない
為、電気抵抗,残留磁化,吸油量,凝集度及び反射率が
劣る粒子であった。
【0074】また、比較例2のマグネタイト粒子は、疎
水化性薬剤がない為、反射率が劣る粒子であった。
【0075】また、比較例3のマグネタイト粒子は、芯
粒子表面に金属成分が少ないため、電気抵抗及び凝集度
が共に劣る粒子となった。
【0076】また、比較例4のマグネタイト粒子は、S
iの存在量も多く、また、芯粒子表面にSiが多く露出
しているため、電気抵抗及び凝集度は良好なものの、吸
油量及び含有水分率が共に高い粒子となった。
【0077】これに対して、粒子中心にはケイ素を含有
するものの、表面にはケイ素が全く存在しない比較例5
においては、吸油量及び含有水分率は良好なものの、芯
粒子表面にケイ素成分がないことにより、添加量の割に
電気抵抗が低く、そして凝集度が高く、流動性及び反射
率に劣るものとなった。
【0078】また、更には、粒子中心にケイ素を含有し
ない比較例6においては、粒子中心にケイ素が含有され
ていないために、残留磁化が粒子径の割に高く、かつ電
気抵抗が低く、流動性及び反射率に劣るものとなった。
【0079】
【発明の効果】以上のことより、本発明によるマグネタ
イト粒子は、ケイ素成分が芯粒子中心から表面まで連続
的に存在し、芯粒子表面をケイ素成分と結合した請求項
記載の金属成分が被覆された粒子に疎水化性薬剤を被覆
させることにより、吸油量が低く、電気抵抗が高く、磁
気特性及び耐環境性に優れていると共に、特に分散性に
秀でており、静電複写磁性トナー用として好適である。

Claims (7)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 粒子の中心から表面へ連続的にケイ素成
    分を、酸化鉄に対してその存在量をケイ素に換算して0.
    2〜1.0wt%含有し、ケイ素成分と結合したZn,
    Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,Sn,M
    g,Tiの中から選ばれる少なくとも一種以上の金属成
    分からなる金属化合物によって外殻が被覆され、かつ0.
    01〜0.3wt%のケイ素成分が露出した芯粒子に、疎
    水化性薬剤を被覆したことを特徴とする酸化鉄粒子。
  2. 【請求項2】 請求項1において、 酸化鉄粒子の外殻部と内殻部とでFeに対するZn,M
    n,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,Sn,M
    g,Ti各成分の濃度が外殻部の方が高く、かつ表層部
    の方が高くなるように勾配をつけ、かつ、粒子全体中の
    Zn,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,S
    n,Mg,Ti各成分の総量が各金属元素に換算して酸
    化鉄粒子に対して0.2〜4.0wt%であることを特徴
    とする酸化鉄粒子。
  3. 【請求項3】 請求項1又は2において、 疎水化性薬剤の被覆量が炭素に換算して0.01〜2wt
    %であることを特徴とする酸化鉄粒子。
  4. 【請求項4】 請求項1,2又は3において、 疎水化性薬剤が疎水基を有する有機化合物であり、チタ
    ネート系のカップリング剤,シラン系のカップリング
    剤,アルミネート系のカップリング剤,シリコーン化合
    物,界面活性剤、高級脂肪酸およびその塩類から選ばれ
    てなるものであることを特徴とする酸化鉄粒子。
  5. 【請求項5】 請求項1又は2において、 吸油量が20mL/100g以下、電気抵抗が1×10
    4 Ωcm以上、高温高湿下で吸湿させた後の含有水分率
    が0.6%以下であることを特徴とする酸化鉄粒子。
  6. 【請求項6】 請求項1又は2において、 10KOeにおける印加磁場の残留磁化σr が6emu/g
    以下、凝集度が35%以下、反射率(60度)が97%
    以上であることを特徴とする酸化鉄粒子。
  7. 【請求項7】 主成分が第一鉄塩である水溶液と、ケイ
    素成分及び、鉄に対して1.0〜1.1当量のアルカリ
    を混合し、pHを7〜10に維持して酸化反応を行い、
    反応の途中で当初のアルカリに対して0.9〜1.2当量
    となる不足の鉄を追加した後、引き続きpH6〜10に
    維持して酸化反応を行い、不足の鉄を追加した以降にZ
    n,Mn,Cu,Ni,Co,Cr,Cd,Al,S
    n,Mg,Tiの中から選ばれる少なくとも一種以上の
    金属成分を添加し、かつ該金属成分の濃度が粒子外殻部
    の方が高く、かつ表層部の方が高くなるように調整して
    芯粒子を形成し、その後その表面に疎水化性薬剤を被覆
    することを特徴とする酸化鉄粒子の製造方法。
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