JP4237968B2 - マグネタイト粒子及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マグネタイト粒子及びその製造方法に関し、詳しくは粒子表面がAlとCa
を含む複合酸化鉄層にて被覆されていることにより、高電気抵抗、高飽和磁化、かつその
劣化が抑制されており、更に樹脂との親和性が高く分散性が良好な、特に静電複写磁性キ
ャリア用材料粉や磁性トナー用材料粉の用途に好適なマグネタイト粒子及びその製造方法
に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
最近、電子複写機、プリンター等の磁性キャリア用材料粉や磁性トナー用材料粉として、水溶液反応によるマグネタイト粒子が広く利用されている。このような用途においては、各種の一般的現像特性が要求されるが、近年、電子写真技術の発達により、特にデジタル技術を用いた複写機、プリンターが急速に発達し、要求特性がより高度なものになってきた。
【0003】
すなわち、従来の文字以外にもグラフィックや写真等の出力も要求されており、複写機、プリンターの中には1インチ当たり1200ドット以上の能力のものも現れ、感光体上の潜像はより緻密になってきている。そのため、現像での細線再現性に優れ、かつ安定した画像が得られることが強く要求されている。
【0004】
上記磁性キャリアや磁性トナーに要求される特性を満足する上で、酸化鉄粒子に要求される重要な特性としては、高電気抵抗であることが挙げられ、本出願人による特開2000−239021号公報には、そのような酸化鉄粒子に関する技術が開示されている。同公報には、酸化鉄粒子の表面を、AlとFeの複合酸化物層にて被覆する技術が開示されており、同公報に開示の発明によれば、高電気抵抗の酸化鉄粒子が得られる。しかし、同公報に開示の発明による酸化鉄粒子の高電気抵抗価には限界があった。
【0005】
一方、高飽和磁化、かつその劣化が抑制されていることも、静電複写用途において、安定した画像を得る上で、酸化鉄粒子に要求される特性として重要である。飽和磁化が高い酸化鉄粒子を用いた磁性キャリアは、二成分系現像の際の磁気ローラー上での安定した磁気ブラシ形成を実現できる。また、飽和磁化が高い酸化鉄粒子を用いた磁性トナーは、磁性トナーによるマグネットロール上での安定したトナー層形成に寄与するため、現像の際のカブリが抑制されるものと考えられる。しかし、従来技術による酸化鉄粒子の飽和磁化においては経時劣化、耐環境劣化が問題となっている。上記特開2000−239021号公報でも耐環境性については配慮されているものの、粒子表面の複合酸化鉄層はAlのみ使用しており、高飽和磁化、かつその飽和磁化が劣化抑制された酸化鉄粒子という点では不十分なものであった。
【0006】
また、酸化鉄粒子は、一般的に熱可塑性樹脂、ワックス成分、及び帯電制御剤等と溶融混練され、静電複写磁性トナーや静電潜像現像用キャリアが製造される。かかる磁性トナーやキャリア製造の溶融混練の際に、樹脂との親和性が高く、溶融樹脂中に均一に分散できることも、酸化鉄粒子に要求される重要な特性である。しかし、高電気抵抗、高飽和磁化、かつその劣化が抑制されていながらも、上記樹脂との親和性が高く、かつ分散性が良好である酸化鉄粒子は、満足のゆくものが得られていない。
【0007】
従って、本発明の目的は、高電気抵抗、高飽和磁化、かつその劣化が抑制されており、
更に樹脂との親和性が高く分散性が良好な、特に静電複写磁性キャリア用材料粉や静電複
写磁性トナー用材料粉の用途に好適なマグネタイト粒子及びその製造方法を提供すること
にある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は検討の結果、マグネタイト粒子の表面を、AlとCaを含む複合酸化物層
にて被覆することにより上記目的を達成し得ることを知見した。
【0009】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、粒子表面がAlとCaを含む複合酸化鉄
層にて被覆されており、該複合酸化鉄層中のAl及びCa総含有量が、マグネタイト粒子
全体に対して0.1〜3質量%であり、Al含有量がマグネタイト粒子全体に対して0.
05〜2質量%であり、かつ複合酸化鉄層中のCa含有比率が、粒子全体のCa量に対し
て90%以上であることを特徴とするマグネタイト粒子を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、マグネタイト粒子を含むスラリーに、得られるマグネタイト粒子中の
アルミニウム含有量が0.05〜2質量%となる量の水可溶性アルミニウム塩と第一鉄塩
とアルカリの水溶液を添加混合し、pH5〜9、60〜98℃にて酸化した後、pH9〜
12に調整した状態において、複合酸化鉄層中のCa含有量が、マグネタイト粒子全体に
対して0.05〜1質量%となるように、水可溶性カルシウム塩を添加し少なくとも5時
間保持後、後処理を行う事を特徴とするマグネタイト粒子の製造方法である。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明でいうマグネタイト粒子とは、好ましくはマグネタイトを主成分とするものであ
り、ケイ素、アルミニウム等の各種の有効元素を含有するものも包含される。マグネタイ
ト粒子という時には、その内容によって個々の粒子又はその集合のいずれも意味する。
【0012】
本発明のマグネタイト粒子は、粒子表面がAlとCaを含む複合酸化鉄層にて被覆されているものである。芯材(コア材)となるマグネタイトコア粒子は、通常は湿式法で製造されるものであるが、乾式法で製造されたものでもよい。また、このマグネタイトコア粒子中には、上記のように、ケイ素、アルミニウム等の各種の有効元素を含有していてもよい。
【0013】
本発明の、粒子表面がAlとCaを含む複合酸化鉄層にて被覆されているマグネタイト粒子が何故、高電気抵抗であるかについては不明だが、従来技術で挙げた特開2000−239021号公報に記載のAlとFeの複合酸化物層にて被覆されたマグネタイト粒子と比べても、約101 〜102 Ω・cmオーダーの電気抵抗上昇が可能である。
【0014】
これに対し、粒子表面に、Al及びCa(さらにFe添加する場合も含む)の中和処理を行ったものでは、そのAl自体に吸湿性があるのみならず、要求される高電気抵抗特性が得られない。
【0015】
本発明のマグネタイト粒子においては、上記複合酸化鉄層中のAl及びCa総含有量が、マグネタイト粒子全体に対して0.1〜3質量%であることが重要である。Al及びCa総含有量が0.1質量%未満の場合には目的とする高電気抵抗化等の効果が少なく、3質量%を超えるとマグネタイト粒子に通常要求される磁気特性、特に飽和磁化の低下を招く。なお、この複合酸化鉄層中のAl及びCa総含有量は、マグネタイト粒子全体に対して0.7〜2.2質量%であれば、電気抵抗と磁気特性のバランスが取れており、より好ましい。また、複合酸化鉄層を形成するAl及びCaとFeのモル比は、好ましくは(Al+Ca):Fe=1:100〜100:1、さらに好ましくは5:100〜75:25である。
【0016】
また、本発明のマグネタイト粒子においては、上記複合酸化鉄層中のCa含有比率が、粒子全体のCa量に対して90%以上であることも重要である。このCa含有比率は、Ca成分が粒子表面の複合酸化鉄層に十分に固溶しておらず、粒子表面のCaが単純に水酸化カルシウムの形態で付着しているような場合、低い数値を示すことにより、具体的には、このCa含有比率が90%未満の場合、本発明が目的とするマグネタイト粒子の高電気抵抗化等の効果が得られない。
【0017】
本発明のマグネタイト粒子においては、複合酸化鉄層中のAl含有量は、マグネタイト粒子全体に対して0.05〜2質量%であることが好ましい。Al含有量が0.05質量%未満の場合、目的とする高抵抗化の効果が少なくなる。また、Al含有量が2質量%を超える場合、電気抵抗は高くなるが、飽和磁化が低下するのみならず、BETが高くなることで吸湿性が増し、好ましくない。
【0018】
また、本発明のマグネタイト粒子においては、複合酸化鉄層中のCa含有量が、マグネタイト粒子全体に対して0.05〜1質量%であることが好ましい。Ca含有量が0.05質量%未満の場合、目的とする樹脂との親和性や分散性等の改善効果が少なく、1質量%を超える場合、マグネタイト粒子に通常要求される磁気特性、特に飽和磁化の低下を招く。特に、この複合酸化鉄層中のCa含有量は、マグネタイト粒子全体に対して0.2〜0.6質量%であれば、樹脂との親和性、分散性改善効果と磁気特性のバランスが取れており、より好ましい。
【0019】
この複合酸化鉄層中のCa含有比率を求める方法を具体的に説明すると、以下の通りである。
まず、最終的に生成した粒子粉末20gに見合う、複合酸化鉄層形成を行う前のマグネタイト粒子と複合酸化鉄層を形成後のマグネタイト粒子をそれぞれ酸に完全溶解し、ICPで定量し、その質量差を粒子の複合酸化鉄層及びその外側部分のCa量とする(A)。
【0020】
一方、0.01mol/lのフタル酸水素カリウム水溶液(25℃でpHは4.01)100mlにマグネタイト粒子粉末20gを懸濁させ、25℃で3時間、撹拌する。撹拌後、0.1μm開孔径のメンブランフィルターで濾過し、得られた濾液中のカルシウム量をICPで分析し、液量との積で、粒子より溶出したCa量(複合酸化鉄層より外側部分のCa量)を求める(B)。
【0021】
以上の結果より、下記式▲1▼にて粒子全体のCa量に対する複合酸化鉄層中のCa含有比率を求める。
粒子全体のCa量に対する複合酸化鉄層中のCa含有比率(%)=(A−B)/(マグネタイト粒子粉末20g中の全Ca量)×100 ・・・ ▲1▼
【0022】
また、本発明のマグネタイト粒子においては、BET法による比表面積が7〜15m2 /gであることが好ましい。
【0023】
近年、磁性トナーは解像度の改良のため、その粒径が小さくなる傾向にあり、こういうトナーに対しては使用されるマグネタイトも小粒径化することが好ましい。しかし、小粒径化されたマグネタイト粒子は磁気特性等を始めとする諸特性の安定性に欠けるが、本発明のマグネタイト粒子は小粒径でありながら、特に飽和磁化の安定性に優れた特徴を有する。マグネタイトのような粒子の大きさを示す尺度として、BET法による比表面積がある。本発明のマグネタイト粒子のBET法による比表面積は7〜15m2/gであることが望ましく、一次粒子径としては約0.15〜0.3μmであることが好ましい。
【0024】
また、本発明のマグネタイト粒子においては、粒子単位表面積当たりのミリスチン酸吸着量が0.6mg/m2以上であることが好ましい。
【0025】
粒子単位表面積あたりのミリスチン酸吸着量が0.6mg/m2以上の場合、樹脂との親和性が高く、その分散性が良好である。その理由は明らかではないが、本発明者らは、単純にマグネタイト粒子の比表面積や凝集度の調整に基づく、物理的特性改善ではなく、ミリスチン酸吸着量を大きくすることにより、マグネタイト粒子表面の化学的特性を調整することにより、樹脂との親和性や分散性の程度を改善できることを知見したのである。
【0026】
また、本発明のマグネタイト粒子においては、電気抵抗が1×106Ω・cm以上、79.6kA/mにおける飽和磁化値が65Am2 /kg以上、かつ60℃90%RH雰囲気下、1週間経過後の飽和磁化値劣化率が4%以下であることが好ましい。
【0027】
その理由は、本発明のマグネタイト粒子を、磁性キャリア用材料粉や磁性トナー用材料粉として用いた場合、高度な現像性や効率の良い紙への転写性に起因して、細線再現性に優れ、かつカブリ等の少ない、安定した画像が得られるような磁性キャリアや磁性トナーとするためには、マグネタイト粒子が、高電気抵抗、高飽和磁化、かつその劣化が抑制されているという特徴を有することが望ましいからである。
【0028】
このように、本発明においては、磁性キャリア用材料粉や磁性トナー用材料粉として好適なマグネタイト粒子の特徴を、Al及びCa総含有量が、特定量含有されており、特定値以上の高電気抵抗、高飽和磁化、かつ特定値以下の飽和磁化値劣化率を示すことで表わした。
【0029】
また、本発明のマグネタイト粒子においては、Znが含有されていることが好ましく、その含有量が、マグネタイト粒子全体に対して0.5〜5質量%であることがより好ましい。
【0030】
本発明のマグネタイト粒子は、上記の通り、粒子表面がAlとCaを含む複合酸化鉄層にて被覆されていることにより高ミリスチン酸吸着量、高抵抗、高飽和磁化、かつその劣化の抑制を実現することができるが、粒子内にZn成分を添加することにより、マグネタイト粒子の高電気抵抗化、特に飽和磁化の向上を図ることができる。このZn含有量が0.5質量%未満の場合には、上記効果が少なく、5質量%を超える場合には、添加に見合った効果が得られないばかりか、黒色性の低下等の不具合を生じることがある。
【0031】
次に、本発明のマグネタイト粒子の好ましい製造方法について述べる。
本発明のマグネタイト粒子の製造方法は、マグネタイトを含有するスラリーに、得られるマグネタイト粒子中のアルミニウム含有量が0.05〜2質量%となる量の水可溶性アルミニウム塩と第一鉄塩とアルカリの水溶液を添加混合し、pH5〜9、60〜98℃にて酸化した後、pH9〜12に調整した状態において、水可溶性カルシウム化合物を添加し少なくとも5時間保持後、後処理を行うことを特徴とする。
【0032】
上記製造方法において、マグネタイト粒子を含むスラリー中のマグネタイト粒子(コア粒子)の形状は、八面体、六面体、球形等の粒状であれば、何ら限定されるものではない。
【0033】
ここで用いられる水可溶性アルミニウム塩としては、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等が用いられるが、上記のごとく、複合酸化鉄層中のAl含有量がマグネタイト粒子全体に対して0.05〜2質量%となるように添加することが必要である。
【0034】
本発明に用いられる第一鉄塩は、硫酸第一鉄、塩化第一鉄等の水可溶性塩ならば特に限定されない。アルカリ溶液は、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液等の水酸化アルカリ水溶液を用いることができる。さらに、酸化は、酸素含有ガス、好ましくは空気を吹き込むことによってなされる。
【0035】
本発明の製造方法で重要な点は、pH9〜12で少なくとも5時間の保持を開始する段階で、水可溶性カルシウム塩がスラリー中に含まれていることである。ここで、スラリー中に水可溶性カルシウム塩が含まれていなければ本発明の効果は得られない。スラリー中に水可溶性カルシウム塩が含まれるようにするには、下記の通り種々の手段があるが、pH9〜12で少なくとも5時間の保持を開始する段階で、水可溶性カルシウム塩がスラリー中に含まれてさえいれば何ら限定されるものではない。
【0036】
具体的には、AlとFeの複合酸化鉄層を形成後に、pHを9〜12に調整する状態において、スラリー中に水可溶性カルシウム塩を添加する方法がある。
水可溶性カルシウム塩をスラリーに添加する際、又は添加した後、pHを9〜12に調整することで水酸化カルシウムが生成する。添加される水可溶性カルシウム塩としては、硫酸カルシウム、塩化カルシウム、硝酸カルシウム等が挙げられる。
【0037】
本発明においては、たとえば、第一鉄塩に硫酸第一鉄を用いた場合、カルシウム塩が硫酸イオンと反応し、多くは硫酸カルシウムを形成する。このような場合でも、硫酸カルシウムが微量の溶解度であれ、本発明の効果は発現する。従って、水に対し少しでも溶解可能であり、pH9〜12の雰囲気で、多少なりとも水酸化カルシウムを生成でき得る塩であれば、使用可能である。
【0038】
ここで用いられる水可溶性カルシウム塩は、複合酸化鉄層中のCa含有量が上記のごとく、マグネタイト粒子全体に対して0.05〜1質量%となるように添加されることが望ましい。
【0039】
以上のようにマグネタイト粒子を含むスラリーに、第一鉄塩と水可溶性アルミニウム塩を反応スラリーに添加混合し、pH5〜9、60〜98℃にて酸化反応を行えば、マグネタイト粒子表面にAlを含む複合酸化鉄層を形成させることができ、この後、pH9〜12に調整した状態において、水可溶性カルシウム塩を添加し、少なくとも5時間以上保持することにより、CaがAlとFeの複合酸化鉄層中に安定して取り込まれる。この保持の際のpHが9未満の場合には、Ca成分が安定して粒子表面に取り込まれるのを阻害することとなり、pHが12を超える場合には、効果は差はないが、アルカリ過多で不経済である。
【0040】
この複合酸化鉄被覆マグネタイト粒子を含むスラリーは、常法の固液分離、洗浄、乾燥後、必要に応じて粉砕、分級、圧密等の物理的な処理を施し、粉体として得ることができる。
【0041】
更に、以上、説明した本発明のマグネタイト粒子の製造方法において、第一鉄塩水溶液に、さらに水可溶性亜鉛塩を添加混合したり、出発原料となるスラリー中のマグネタイト粒子に亜鉛を含有させたりすることにより、最終的に得られるマグネタイト粒子内にZn成分を含有させることができる。このようにZn成分を含有することにより、上述のように、マグネタイト粒子の高電気抵抗化、特に飽和磁化の向上を図ることができる。
【0042】
【実施例】
以下、実施例等に基づいて本発明を具体的に説明する。
【0043】
〔実施例1〕
まず、Fe2+2.0mol/lの硫酸第一鉄水溶液50リットルと3.6Nの水酸化ナトリウム水溶液50リットルとを混合撹拌した。この時のpHは6.5であった。そのスラリーを85℃、pHを6〜7 に維持しながら65リットル/minの空気を吹き込み、反応を一旦終了させた(コアマグネタイト粒子の生成)。
【0044】
このスラリーにAl濃度0.6mol/lの硫酸アルミニウム水溶液を3リットルとFe2+濃度1.4mol/lの硫酸第一鉄水溶液5リットルと水酸化ナトリウム水溶液とを混合し、pH8に調整した。スラリー温度は80℃であった。次いで65リットル/minの空気を吹き込み再度酸化し反応を終了させた(表面層形成初期反応)。
【0045】
終了後、この水酸化第一鉄を含むスラリーにCa40g/lの硫酸カルシウム含有水性スラリー1リットルを添加し、更に、水酸化ナトリウム溶液を滴下し、pHを10に調整した。この時点でスラリー温度は78℃であり、この状態を10時間保持した(表面層形成完了反応)。
得られた生成粒子について、通常の濾過、洗浄、乾燥を行い、マグネタイト粒子を得た。
【0046】
また、下記に示す方法にて、得られたマグネタイト粒子の諸特性について評価した。これらの結果を表2に示す。
(測定方法)
(1)粒子全体に対する複合酸化鉄層中のAl、Ca含有量
最終的に生成した粒子粉末20gに見合う、複合酸化鉄層形成を行う前のマグネタイト粒子と複合酸化鉄層を形成後のマグネタイト粒子をそれぞれ酸に完全溶解し、ICPで定量し、その質量差を粒子の複合酸化鉄層及びその外側部分の元素量とした。(A)。一方、0.01mol/Lのフタル酸水素カリウム水溶液(25℃でpHは4.01)100mlにマグネタイト粒子粉末20gを懸濁させ、25℃で3時間、撹拌した。撹拌後、0.1μm開孔径のメンブランフィルターで濾過し、得られた濾液中のカルシウム量をICPにて分析し、液量との積で、粒子より溶出した元素量(複合酸化鉄層より外側部分の元素量)を求めた(B)。
以上の結果より、下記式▲2▼にて粒子全体に対する複合酸化鉄層中の元素含有量を求めた。
粒子全体に対する複合酸化鉄層中の元素含有量(%)=(A−B)/20×100 ・・・ ▲2▼
【0047】
(2)Zn含有量分析
サンプルを溶解し、ICPにて測定した。
(3)粒子全体のCa量に対する複合酸化鉄層中のCa含有比率(1)のA及びB値より、式▲1▼にて算出した。
【0048】
(4)電気抵抗
試料10gをホルダーに入れ600kg/cm2の圧力を加えて25mmφの錠剤型に成形後、電極を取り付け150kg/cm2の加圧状態で測定する。測定に使用した試料の厚さ、及び断面積と抵抗値から算出して、マグネタイト粒子の電気抵抗値を求めた。
(5)比表面積
島津−マイクロメリティックス製2200型BET計にて測定した。
(6)粒子単位表面積当たりのミリスチン酸吸着量
▲1▼容量100mlのポリビンへ、酸化鉄粉末5gとミリスチン酸0.5gを精秤して入れる。▲2▼試薬2級エタノールを50mlはかりとり、ポリビンへ加える。▲3▼ポリビンを密封し、2回転/秒で回転するようにしたボールミル回転装置で24時間混合する。▲4▼ポリビンを静置し、上澄み液を5mlのホールピペットで300mlコニカルビーカーへ分取する。▲5▼0.1w/wのフェノールフタレインのエタノール溶液を数滴添加し、エタノールで液量を50ml程度に調整し、0.01mol/lのNaOH水溶液で滴定する。透明な溶液が薄紫色となった時点を滴定終点とする。▲6▼▲1▼において酸化鉄粉末を入れずに、▲1▼から▲5▼の操作を行ない、得られた滴定値をブランクとした。▲6▼のブランクの滴定値から▲5▼の滴定値を差し引くことで、酸化鉄粒子に吸着されたミリスチン酸を定量し下記の式に従ってミリスチン酸吸着量を得た。
ミリスチン酸吸着量(mg/m2)=[吸着されたミリスチン酸量(mg)]/[5(g)×磁性体の比表面積(m2/g)]
【0049】
(7)飽和磁化
東英工業製振動試料型磁力計VSM−P7を使用し、負荷磁場796kA/m、79.6kA/mにて測定した。
(8)60℃、90%RH雰囲気下、1週間経過後の飽和磁化劣化率
環境室内に60℃、90%RHの雰囲気下で試料を1週間曝露した後、上記(4)と同様の方法で796kA/mでの飽和磁化を測定した。曝露前飽和磁化と曝露後飽和磁化との差を曝露前飽和磁化で除し、百分率で算出し、飽和磁化劣化率を求めた。
【0050】
(9)混練物プレートの酸化鉄粒子SEM観察
試料100重量部、熱可塑性樹脂(三洋化成株式会社製 スチレンアクリル系樹脂TB−1000F)100重量部、帯電制御剤(オリエント化学株式会社製 ボントロンS−34)1重量部をヘンシェルミキサーにて混合し、さらに2軸のニーダーを用いて180℃にて溶融混練した。得られた混練物を冷却ローラーにて板状に成形し、混練物のプレートを得、このプレートを切断し、その切断面を走査型電子顕微鏡にて観察し(観察倍率5000倍)、破断面に酸化鉄凝集粒子が確認できなかったものを○、凝集粒子が多く観察されたものを×と評価した。
(10)混練物プレート中における超音波探査法による分散性の評価
混練物プレートの酸化鉄粒子SEM観察で作成した板状のプレートを超音波探査映像装置(日立建機株式会社AT−7500)を使用して、観察条件として走査範囲24mm×16mm、超音波周波数25MHz、ゲイン30dbにて測定した。得られた画像について、画像の輝度の出力を0〜2.5Vとした場合の0.5Vにて画像を2値化し、凝集粒子またはボイドによる分散不良部分によって反射画像部分の面積を、画像全体の面積に対する百分率にて評価した。
【0051】
〔実施例2、3、5、比較例1、2、及び5〕
表1に示されるように、各製造条件を変更した以外は、実施例1と同様にマグネタイト粒子を製造した。また、実施例1と同様に各種特性を評価した結果を表2に示す。
【0052】
〔実施例4〕
表1に示されるように、コアマグネタイト粒子製造の際の反応前スラリーに硫酸亜鉛を添加した以外は、実施例1と同様にマグネタイト粒子を製造した。また、実施例1と同様に各種特性を評価した結果を表2に示す。
【0053】
〔比較例3〕
表1に示されるように、硫酸アルミニウムの濃度を変え、硫酸カルシウムを添加しなかった以外は、実施例1と同様にマグネタイト粒子を製造した。また、実施例1と同様に各種特性を評価した結果を表2に示す。
【0054】
〔比較例4〕
表1に示されるように、アルミニウムと鉄の酸化物による表面層の形成を行わず、かつ硫酸カルシウムのスラリー濃度を変えた以外は、実施例1と同様にマグネタイト粒子を製造した。また、実施例1と同様に各種特性を評価した結果を表2に示す。
【0055】
【表1】
【0056】
【表2】
【0057】
表2から明らかなように、実施例1〜5のマグネタイト粒子は、粒子単位表面積当たりのミリスチン酸吸着量が高く、トナー中への分散性に優れ、高電気抵抗で、飽和磁化が大きく、また高温高湿下曝露後の飽和磁化劣化率が低かった。これに対し、比較例1のマグネタイト粒子は、AlとCaが粒子表面の複合酸化鉄層中に存在するがその存在量が少ないものである。その結果、電気抵抗値が低く、粒子単位表面積当たりのミリスチン酸吸着量が低く、トナー中への分散性に劣るものであった。また、飽和磁化値は比較的高いが、その劣化率は大きかった。
【0058】
また、比較例2のマグネタイト粒子は、AlとCaが粒子表面の複合酸化鉄層中に過剰に存在する。その結果、電気抵抗値が高く、粒子単位表面積当たりのミリスチン酸吸着量も高く、トナー中への分散性に優れ、飽和磁化の劣化率も良好なものの、飽和磁化値が著しく低いものであった。
【0059】
また、比較例3のマグネタイト粒子は、粒子表面の複合酸化鉄層中にAlは存在しているが、Caが存在していないものである。その結果、電気抵抗値が高く、飽和磁化の劣化率も良好なものの、粒子単位表面積当たりのミリスチン酸吸着量は低く、トナー中への分散性に劣るものであった。
【0060】
また、比較例4のマグネタイト粒子は、粒子表面の複合酸化鉄層中にCaは存在しているが、Alが存在していないものである。その結果、粒子単位表面積当たりのミリスチン酸吸着量が高く、トナー中への分散性に優れているものの、電気抵抗は低く、飽和磁化の劣化率は大きかった。
【0061】
また、比較例5のマグネタイト粒子は、粒子表面の形成反応時に液温を低く、且つ保持する時間を短くした例であるが、粒子全体のCa量に対する複合酸化鉄層中のCa含有比率が低いものとなり、Ca成分が複合酸化鉄層に良く取り込まれず、一部が粒子表面に付着しているものであった。その結果、粒子単位表面積当たりのミリスチン酸吸着量が高く、トナー中への分散性に優れているものの、電気抵抗は低く、飽和磁化の劣化率は大きかった。
【0062】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のマグネタイト粒子は、粒子表面がAlとCaを含む複合
酸化鉄層にて被覆されており、該複合酸化鉄層中のAl及びCa総含有量が、酸化鉄粒子
全体に対して0.1〜3質量%であり、Al含有量がマグネタイト粒子全体に対して0.
05〜2質量%であり、かつ複合酸化鉄層中のCa含有比率が、粒子全体のCa量に対し
て90%以上であることに起因して、高電気抵抗、高飽和磁化、かつその劣化が抑制され
ており、更に樹脂との親和性が高く分散性が良好である。従って、静電複写磁性キャリア
用材料粉や静電複写磁性トナー用材料粉の用途に好適である。
また、本発明の製造方法によって、上記マグネタイト粒子が簡便に生産性をもって製造
できる。
Claims (9)
- 粒子表面がAlとCaを含む複合酸化鉄層にて被覆されており、該複合酸化鉄層中のAl
及びCa総含有量が、マグネタイト粒子全体に対して0.1〜3質量%であり、Al含有
量がマグネタイト粒子全体に対して0.05〜2質量%であり、かつ複合酸化鉄層中のC
a含有比率が、粒子全体のCa量に対して90%以上であることを特徴とするマグネタイ
ト粒子。 - 上記複合酸化鉄層中のCa量が、マグネタイト粒子全体に対して0.05〜1質量%であ
る請求項1記載のマグネタイト粒子。 - BET法による比表面積が7〜15m2/gである請求項1又は2記載のマグネタイト粒
子。 - 粒子単位表面積当たりのミリスチン酸吸着量が0.6mg/m2以上であることを特徴と
する請求項1〜3のいずれかに記載のマグネタイト粒子。 - 電気抵抗が1×106 Ω・cm以上、79.6kA/mにおける飽和磁化値が65Am
2/kg以上、かつ60℃、90%RH雰囲気下、1週間経過後の飽和磁化値劣化率が4
%以下である請求項1〜4のいずれかに記載のマグネタイト粒子。 - 粒子内部にZnを含有している請求項1〜5のいずれかに記載のマグネタイト粒子。
- 上記Zn含有量が、酸化鉄粒子全体に対して0.5〜5質量%である請求項6に記載のマ
グネタイト粒子。 - マグネタイト粒子を含むスラリーに、得られるマグネタイト粒子中のアルミニウム含有量
が0.05〜2質量%となる量の水可溶性アルミニウム塩と第一鉄塩とアルカリの水溶液
を添加混合し、pH5〜9、60〜98℃にて酸化した後、pH9〜12に調整した状態
において、複合酸化鉄層中のCa含有量が、マグネタイト粒子全体に対して0.05〜1
質量%となるように、水可溶性カルシウム塩を添加し少なくとも5時間保持後、後処理を
行う事を特徴とするマグネタイト粒子の製造方法。 - 上記マグネタイト粒子を含むスラリー中の酸化鉄粒子にZnが含有されている請求項8記
載のマグネタイト粒子の製造方法。
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