JP4248219B2 - 酸化鉄粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、酸化鉄粒子及びその製造方法に関し、詳しくは粒子表面がAlとMgを含む複合酸化鉄層にて被覆されていることにより、高電気抵抗、高飽和磁化、かつその劣化が抑制されている、特に静電複写磁性キャリア用材料粉や磁性トナー用材料粉の用途に好適な酸化鉄粒子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
最近、電子複写機、プリンタ等の磁性キャリア用材料粉や磁性トナー用材料粉として、水溶液反応によるマグネタイト粒子が広く利用されている。このような用途においては、各種の一般的現像特性が要求されるが、近年、電子写真技術の発達により、特にデジタル技術を用いた複写機、プリンターが急速に発達し、要求特性がより高度なものになってきた。
【0003】
すなわち、従来の文字以外にもグラフィックや写真等の出力も要求されており、複写機、プリンターの中には1インチ当たり1200ドット以上の能力のものも現れ、感光体上の潜像はより緻密になってきている。そのため、現像での細線再現性に優れ、かつ安定した画像が得られることが強く要求されている。
【0004】
上記磁性キャリアや磁性トナーに要求される特性を満足する上で、酸化鉄粒子に要求される重要な特性としては、高電気抵抗であることが挙げられ、本出願人が先に、そのような酸化鉄粒子に関する技術を開示している(特許文献1参照)。特許文献1には、酸化鉄粒子の表面を、AlとFeの複合酸化物層にて被覆する技術が開示されており、同特許文献に開示の発明によれば、高電気抵抗の酸化鉄粒子が得られる。しかし、同特許文献に開示の発明による酸化鉄粒子は、高抵抗化は達成できるものの、それにはAlを含んだ複合酸化鉄層の厚みを厚くする必要があり、その結果飽和磁化が低くなるという欠点があった。
【0005】
一方、高飽和磁化、かつその劣化が抑制されていることも、静電複写用途において、安定した画像を得る上で、酸化鉄粒子に要求される特性として重要である。飽和磁化が高い酸化鉄粒子を用いた磁性キャリアは、二成分系現像の際の磁気ローラー上での安定した磁気ブラシ形成を実現できる。また、飽和磁化が高い酸化鉄粒子を用いた磁性トナーは、磁性トナーによるマグネットロール上での安定したトナー層形成に寄与するため、現像の際のカブリが抑制されるものと考えられる。しかし、従来技術による酸化鉄粒子の飽和磁化においては経時劣化、耐環境劣化が問題となっている。上記特許文献1でも耐環境性については配慮されているものの、粒子表面の複合酸化鉄層はAlのみ使用しており、高飽和磁化、かつその飽和磁化が劣化抑制された酸化鉄粒子という点では不十分なものであった。
【0006】
【特許文献1】
特開2000−239021号公報
【0007】
従って、本発明の目的は、高電気抵抗、高飽和磁化、かつその劣化が抑制されている、特に静電複写磁性キャリア用材料粉や静電複写磁性トナー用材料粉の用途に好適な酸化鉄粒子及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は検討の結果、酸化鉄粒子の表面を、AlとMgを含む複合酸化物層にて被覆することにより上記目的を達成し得ることを知見した。
【0009】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、粒子表面がAlとMgを含む複合酸化鉄層にて被覆されており、該複合酸化鉄層中のAl及びMg総含有量が、酸化鉄粒子全体に対して0.1〜2.5質量%であり、複合酸化鉄層中のMg含有量が、酸化鉄粒子全体に対して0.05〜1質量%、複合酸化鉄層中のAl含有量が、酸化鉄粒子全体に対して0.05〜1.7質量%、かつ複合酸化鉄層中のMg含有比率が、酸化鉄粒子全体のMg量に対して20%以上であることを特徴とする酸化鉄粒子を提供するものである。
【0010】
また、本発明は、上記酸化鉄粒子の好ましい製造方法として、
酸化鉄粒子を含み、かつマグネシウムイオンを含有するスラリーに、水可溶性アルミニウム塩と第一鉄塩とアルカリの水溶液を添加混合し、pH5〜9、60〜98℃にて酸化反応を行うことを特徴とする酸化鉄粒子の製造方法を提供するものである。
【0011】
さらに、本発明は、上記酸化鉄粒子の別の好ましい製造方法として、
酸化鉄粒子を含むスラリーに、水可溶性アルミニウム塩と第一鉄塩とアルカリの水溶液を添加混合し、pH5〜9、60〜98℃にて酸化反応を行う工程を含み、下記(1)〜(3)のいずれかの時点で、水可溶性マグネシウム塩を添加することを特徴とする酸化鉄粒子の製造方法を提供するものである。
(1)上記第一鉄塩を上記酸化鉄粒子を含むスラリーに添加する前に、該第一鉄塩に添加
(2)上記酸化鉄粒子を含むスラリーに、水可溶性アルミニウム塩と第一鉄塩とアルカリの水溶液を添加混合中、又は添加後混合後であって、酸化反応を開始する前の該スラリーに添加
(3)上記酸化反応中に、上記酸化鉄粒子を含むスラリーに添加
【0012】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明でいう酸化鉄粒子とは、好ましくはマグネタイトを主成分とするものであり、ケイ素、アルミニウム等の各種の有効元素を含有するものも包含される。以下の説明では、酸化鉄粒子としてその代表的なものであるマグネタイト粒子について説明する。また、酸化鉄粒子又はマグネタイト粒子という時には、その内容によって個々の粒子又はその集合のいずれも意味する。
【0013】
本発明のマグネタイト粒子は、粒子表面がAlとMgを含む複合酸化鉄層にて被覆されているものである。芯材(コア材)となるマグネタイトコア粒子は、通常は湿式法で製造されるものであるが、乾式法で製造されたものでもよい。また、このマグネタイトコア粒子中には、上記のように、ケイ素、アルミニウム等の各種の有効元素を含有していてもよい。
【0014】
本発明の、粒子表面がAlとMgを含む複合酸化鉄層にて被覆されているマグネタイト粒子が何故、高電気抵抗であるかについては不明だが、従来技術で挙げた特許文献1に記載のAlとFeの複合酸化物層にて被覆されたマグネタイト粒子と比べても、同等の電気抵抗を得るために複合酸化鉄層中に含有させるAl元素量が少なくてすみ、それにより、飽和磁化の劣化を少なくすることができる。
【0015】
これに対し、粒子表面に、Al及びMg(さらにFe添加する場合も含む)の中和処理を行ったものでは、そのAl自体に吸湿性があるのみならず、要求される高電気抵抗特性が得られない。
【0016】
本発明のマグネタイト粒子においては、上記複合酸化鉄層中のAl及びMg総含有量(つまり、上記複合酸化鉄層中のAlの含有量とMgの含有量との総和)が、マグネタイト粒子全体に対して0.1〜2.5質量%であることが重要である。Al及びMg総含有量が0.1質量%未満の場合には目的とする高電気抵抗化等の効果が少なく、2.5質量%を超えるとマグネタイト粒子に通常要求される磁気特性、特に飽和磁化の低下を招く。なお、この複合酸化鉄層中のAl及びMg総含有量は、マグネタイト粒子全体に対して0.7〜2.2質量%であれば、電気抵抗と磁気特性のバランスが取れており、より好ましい。また、複合酸化鉄層を形成するAl及びMgとFeのモル比は、好ましくは(Al+Mg):Fe=1:100〜100:1、さらに好ましくは5:100〜75:25である。
【0017】
また、複合酸化鉄層中のMg含有量は、マグネタイト粒子全体に対して0.05〜1質量%であることが重要である。このMg含有量が0.05質量%未満の場合、高電気抵抗化の効果が少なく、また、1質量%を超える場合、更なる高電気抵抗化の効果が認められない。特に、この複合酸化鉄層中のMg含有量は、0.2〜0.6質量%であれば、電気抵抗と磁気特性のバランスが取れており、より好ましい。
【0018】
また、複合酸化鉄層中のAl含有量は、マグネタイト粒子全体に対して0.05〜1.7質量%であることが重要である。このAl含有量が0.05%未満の場合、電気抵抗値が低く、1.7質量%を超える場合、電気抵抗は高いものの飽和磁化が低いものとなる。特に、この複合酸化鉄層中のAl含有量は、0.4〜0.8質量%であれば、電気抵抗と磁気特性のバランスが取れており、より好ましい。
【0019】
また、本発明のマグネタイト粒子においては、上記複合酸化鉄層中のMg含有比率が、マグネタイト粒子全体のMg量に対して20%以上であることも重要である。Mgが粒子表面の複合酸化鉄層中に少ない、具体的には上記Mg含有比率が20%未満の場合、高抵抗化の効果が得られないばかりか、耐環境劣化、特に高温高湿下での性能劣化が著しい。このMg含有比率が、40%以上であると、得られるマグネタイト粒子の電気抵抗が更に高まり(例えば1×107Ω・cm以上)、より好ましい。Mg含有比率は高ければ高いほど好ましく、95%程度であればマグネタイト粒子の高抵抗化を十分に実現でき、また高温高湿下での性能劣化を十分に防止できる。
【0020】
この複合酸化鉄層中のMg含有比率を求める方法を具体的に説明すると、以下の通りである。
まず、最終的に生成した粒子粉末20gに見合う、複合酸化鉄層形成を行う前のマグネタイト粒子と複合酸化鉄層を形成後のマグネタイト粒子をそれぞれ酸に完全溶解し、ICPで定量し、その質量差を粒子の複合酸化鉄層及びその外側部分のMg量とする(A)。
【0021】
一方、0.01mol/lのフタル酸水素カリウム水溶液(25℃でpHは4.01)100mlにマグネタイト粒子粉末20gを懸濁させ、25℃で3時間、撹拌する。撹拌後、0.1μm開孔径のメンブランフィルターで濾過し、得られた濾液中のマグネシウム量をICPで分析し、液量との積で、粒子より溶出したMg量(複合酸化鉄層より外側部分のMg量)を求める(B)。
【0022】
以上の結果より、下記式▲1▼にて粒子全体のMg量に対する複合酸化鉄層中のMg含有比率を求める。
粒子全体のMg量に対する複合酸化鉄層中のMg含有比率(%)=(A−B)/(マグネタイト粒子粉末20g中の全Mg量)×100 ・・・ ▲1▼
【0023】
また、本発明のマグネタイト粒子においては、BET法による比表面積が7〜15m2 /gであることが好ましい。
【0024】
近年、磁性トナーは解像度の改良のため、その粒径が小さくなる傾向にあり、こういうトナーに対しては使用されるマグネタイトも小粒径化することが好ましい。しかし、小粒径化されたマグネタイト粒子は磁気特性等を始めとする諸特性の安定性に欠けるが、本発明のマグネタイト粒子は小粒径でありながら、特に飽和磁化の安定性に優れた特徴を有する。マグネタイトのような粒子の大きさを示す尺度として、BET法による比表面積がある。本発明のマグネタイト粒子のBET法による比表面積は7〜15m2 /gであることが望ましく、一次粒子径としては約0.15〜0.3μmであることが好ましい。
【0025】
また、本発明のマグネタイト粒子においては、電気抵抗が1×105 Ω・cm以上、特に1×106Ω・cm以上で、79.6kA/mにおける飽和磁化値が65Am2 /kg以上、特に67Am2 /kg以上で、かつ60℃90%RH雰囲気下、1週間経過後の飽和磁化値劣化率が6%以下、特に4%以下であることが好ましい。
【0026】
その理由は、本発明のマグネタイト粒子を、磁性キャリア用材料粉や磁性トナー用材料粉として用いた場合、高度な現像性や効率の良い紙への転写性に起因して、細線再現性に優れ、かつカブリ等の少ない、安定した画像が得られるような磁性キャリアや磁性トナーとするためには、マグネタイト粒子が、高電気抵抗、高飽和磁化、かつその劣化が抑制されているという特徴を有することが望ましいからである。
【0027】
このように、本発明においては、磁性キャリア用材料粉や磁性トナー用材料粉として好適なマグネタイト粒子の特徴を、特定のAl及びMgを含む複合酸化鉄層で被覆され、特定値以上の高電気抵抗、高飽和磁化、かつ特定値以下の飽和磁化値劣化率を示すことで表わした。
【0028】
また、本発明のマグネタイト粒子においては、Znが含有されていることが好ましく、その含有量が、マグネタイト粒子全体に対して0.5〜5質量%、特に0.7〜1.5質量%であることがより好ましい。
【0029】
本発明のマグネタイト粒子は、上記の通り、粒子表面がAlとMgを含む複合酸化鉄層にて被覆されていることにより高抵抗、高飽和磁化、かつその劣化の抑制を実現することができるが、粒子内にZn成分を添加することにより、マグネタイト粒子の高電気抵抗化、特に飽和磁化の向上を図ることができる。このZn含有量が0.5質量%未満の場合には、上記効果が少なく、5質量%を超える場合には、添加に見合った効果が得られないばかりか、黒色性の低下等の不具合を生じることがある。
【0030】
次に、本発明のマグネタイト粒子の好ましい製造方法について述べる。
本発明のマグネタイト粒子の製造方法は、マグネタイト粒子を含み、かつマグネシウムイオンを含有するスラリーに、水可溶性アルミニウム塩と第一鉄塩とアルカリの水溶液を添加混合し、pH5〜9、60〜98℃にて酸化反応を行い、該粒子の表面にAlとMgを含む複合酸化鉄層を形成することを特徴とする(以下、製造方法Aという)。
【0031】
また、本発明のマグネタイト粒子の製造方法は、マグネタイト粒子を含むスラリーに、水可溶性アルミニウム塩と第一鉄塩とアルカリの水溶液を添加混合し、pH5〜9、60〜98℃にて酸化反応を行い、該粒子の表面にAlとMgを含む複合酸化鉄層を形成する工程を含み、下記(1)〜(3)のいずれかの時点で、水可溶性マグネシウム塩を添加することを特徴とする(以下、製造方法Bという)。
(1)上記第一鉄塩を上記酸化鉄粒子を含むスラリーに添加する前に、該第一鉄塩に添加
(2)上記酸化鉄粒子を含むスラリーに、水可溶性アルミニウム塩と第一鉄塩とアルカリの水溶液を添加混合中、又は添加後混合後であって、酸化反応を開始する前の該スラリーに添加
(3)上記酸化反応中に、上記酸化鉄粒子を含むスラリーに添加
【0032】
上記製造方法において、マグネタイト粒子を含むスラリー中のマグネタイト粒子(コア粒子)の形状は、八面体、六面体、球形等の粒状であれば、何ら限定されるものではない。
【0033】
ここで用いられる水可溶性アルミニウム塩としては、硫酸アルミニウム、塩化アルミニウム、硝酸アルミニウム等が挙げられる。
【0034】
また、用いられる水可溶性マグネシウム塩としては、硫酸マグネシウム、塩化マグネシウム、硝酸マグネシウム等が挙げられる。
【0035】
本発明に用いられる第一鉄塩は、硫酸第一鉄、塩化第一鉄等の水可溶性塩ならば特に限定されない。アルカリ溶液は、水酸化ナトリウム水溶液や水酸化カリウム水溶液等の水酸化アルカリ水溶液を用いることができる。さらに、酸化は、酸素含有ガス、好ましくは空気を吹き込むことによってなされる。
【0036】
本製造方法で重要な点は、複合酸化鉄層形成を行う酸化反応時や酸化反応後保持時に、AlとMgとFeが反応スラリー中に塩として共存していることにある。このような条件で処理することによる、本発明の効果に与える影響ははっきりと解明はされていないが、前記3元素により構成される複合酸化鉄層の形成に好都合であることが、後述の実施例のデータから読み取れる。
【0037】
具体的な製造条件については、出発原料であるマグネタイト粒子を含むスラリー中のマグネタイト粒子、いわゆるコアマグネタイト粒子を形成させる際の原料中、コアマグネタイト粒子の形成中、AlとMgとFeの複合酸化鉄層形成反応前のスラリー中(製造方法A)に水可溶性マグネシウム塩を添加し、添加以降のスラリーをpH5〜9の条件に維持する方法がある。また、上記複合酸化鉄層形成反応の際の上記(1)〜(3)のいずれの時点で、水可溶性マグネシウム塩を添加し、添加以降のスラリーをpH5〜9の条件に維持する方法もある(製造方法B(1)〜(3))。
【0038】
上記いずれの場合においても、AlとMgとFeの複合酸化鉄層形成時には、一貫してpH5〜9を維持し続けることが重要である。これはマグネシウム元素の持つ特徴を利用したもので、汎用的な湿式製造方法の場合、中和混合後のスラリーがpH5〜9の中性雰囲気である場合には、Mg成分はマグネタイトコアにほとんど取り込まれず、AlとFeの複合酸化鉄層中に残存させることができるからである。このpHが5未満では、ゲーサイト発生等の不具合が生じ、pHが9を超える場合には、Mg成分がマグネタイト粒子内部に取り込まれて、Mgが残存しないため、本発明のマグネタイト粒子を製造できない。
【0039】
また、製造方法A、Bいずれの場合も、酸化反応後のスラリーのpHを9〜12に調整した状態において、得られたスラリーを少なくとも5時間保持後、後処理を行う方法を採用すれば、MgがAlとFeの複合酸化鉄層中に、より取り込まれ易くなり一層好ましい。
【0040】
この保持の際のpHが9未満の場合には、Mg成分が安定して粒子表面に形成されたAlとFeの複合酸化鉄層中に取り込まれるのを阻害することとなり、pHが12を超える場合には、効果は差はないが、アルカリ過多で不経済である。
【0041】
これらの方法によって製造された複合酸化鉄被覆マグネタイト粒子を含むスラリーは、常法の固液分離、洗浄、乾燥後、必要に応じて粉砕、分級、圧密等の物理的な処理を施し、粉体として得ることができる。
【0042】
更に、以上、説明した本発明のマグネタイト粒子の製造方法において、第一鉄塩水溶液に、さらに水可溶性亜鉛塩を添加混合したり、出発原料となるスラリー中のマグネタイト粒子に亜鉛を含有させたりすることにより、最終的に得られるマグネタイト粒子内にZn成分を含有させることができる。このようにZn成分を含有することにより、上述のように、マグネタイト粒子の高電気抵抗化、特に飽和磁化の向上を図ることができる。
【0043】
【実施例】
以下、実施例等に基づいて本発明を具体的に説明する。
【0044】
〔実施例1〕
表1に示されるように、Mg0.9mol/lの硫酸マグネシウム水溶液1リットルを添加した、Fe2+2.0mol/lの硫酸第一鉄水溶液50リットルと3.6Nの水酸化ナトリウム水溶液50リットルとを混合撹拌した。この時のpHは6.5であった。そのスラリーを85℃、pHを6〜7 に維持しながら65リットル/minの空気を吹き込み反応を一旦終了させた(コアマグネタイト粒子の生成)。
【0045】
このスラリーにAl濃度0.6mol/lの硫酸アルミニウム水溶液を3リットルとFe2+濃度1.4mol/lの硫酸第一鉄水溶液5リットルと水酸化ナトリウム水溶液とを混合し、pH8に調整した。スラリー温度は80℃であった。次いで65リットル/minの空気を吹き込み再度酸化し反応を終了させた(複合酸化鉄層の形成)。得られた生成粒子について、通常の濾過、洗浄、乾燥を行い、マグネタイト粒子を得た。
【0046】
また、下記に示す方法にて、得られたマグネタイト粒子のAl、Mg、Zn含有量、フタル酸水素カリウム水溶液による溶出Mg量、電気抵抗、比表面積、飽和磁化、60℃、90%RH雰囲気下、1週間経過後の飽和磁化劣化率について評価した。これらの結果を表2に示す。
【0047】
<測定方法>
(1)粒子全体に対する複合酸化鉄層中のAl、Mg含有量
最終的に生成した粒子粉末20gに見合う、複合酸化鉄層形成を行う前のマグネタイト粒子と複合酸化鉄層を形成後のマグネタイト粒子をそれぞれ酸に完全溶解し、ICPで定量し、その質量差を粒子の複合酸化鉄層及びその外側部分の元素量とした。(A)。
一方、0.01mol/Lのフタル酸水素カリウム水溶液(25℃でpHは4.01)100mlにマグネタイト粒子粉末20gを懸濁させ、25℃で3時間、撹拌した。撹拌後、0.1μm開孔径のメンブランフィルターで濾過し、得られた濾液中のマグネシウム量をICPにて分析し、液量との積で、粒子より溶出した元素量(複合酸化鉄層より外側部分の元素量)を求めた(B)。
以上の結果より、下記式▲2▼にて粒子全体に対する複合酸化鉄層中の元素含有量を求めた。
粒子全体に対する複合酸化鉄層中の元素含有量(%)=(A−B)/20×100 ・・・ ▲2▼
(2)Zn含有量分析
サンプルを溶解し、ICPにて測定した。
(3)粒子全体のMg量に対する複合酸化鉄層中のMg含有比率
(1)のA及びB値より、式▲1▼にて算出した。
(4)電気抵抗
試料10gをホルダーに入れ600kg/cm2 の圧力を加えて25mmφの錠剤型に成形後、電極を取り付け150kg/cm2 の加圧状態で測定する。測定に使用した試料の厚さ、及び断面積と抵抗値から算出して、マグネタイト粒子の電気抵抗値を求めた。
(5)比表面積
島津−マイクロメリティックス製2200型BET計にて測定した。
(6)飽和磁化
東英工業製振動試料型磁力計VSM−P7を使用し、負荷磁場796kA/m、79.6kA/mにて測定した。
(7)60℃、90%RH雰囲気下、1週間経過後の飽和磁化劣化率
環境室内に60℃、90%RHの雰囲気下で試料を1週間曝露した後、上記(4)と同様の方法で796kA/mでの飽和磁化を測定した。曝露前飽和磁化と曝露後飽和磁化との差を曝露前飽和磁化で除し、百分率で算出し、飽和磁化劣化率を求めた。
【0048】
〔実施例2〕
表1に示されるように、複合酸化鉄層の形成が終わったスラリーに、水酸化ナトリウム溶液を滴下し、pHを10に調整した後、2時間保持(スラリー保持)した以外は、実施例1と同様にマグネタイト粒子を製造した。また、実施例1と同様に各種性状及び特性を評価した結果を表2に示す。
【0049】
〔実施例3〕
表1に示されるように、保持時間を10時間とした以外は、実施例2と同様にマグネタイト粒子を製造した。また、実施例1と同様に各種性状及び特性を評価した結果を表2に示す。
【0050】
〔実施例4〕
表1に示されるように、各添加剤の濃度や使用量を変更した以外は、実施例3と同様にマグネタイト粒子を製造した。また、実施例1と同様に各種性状及び特性を評価した結果を表2に示す。
【0051】
〔実施例5〕
表1に示されるように、コアマグネタイト粒子製造の際の反応前スラリーに硫酸亜鉛を添加した以外は、実施例3と同様にマグネタイト粒子を製造した。また、実施例1と同様に各種性状及び特性を評価した。
【0052】
〔実施例6〕
表1に示されるように、各添加剤の濃度や使用量を変更した以外は、実施例5と同様にマグネタイト粒子を製造した。また、実施例1と同様に各種性状及び特性を評価した結果を表2に示す。
【0053】
〔実施例7〕
表1に示されるように、コアマグネタイト粒子製造の際のpHを変え、各添加剤の濃度や使用量を変更し、複合酸化鉄層の形成の際に用いる硫酸第一鉄水溶液中に硫酸マグネシウムを添加した以外は、実施例3と同様にマグネタイト粒子を製造した。また、実施例1と同様に各種性状及び特性を評価した結果を表2に示す。
【0054】
〔実施例8〕
表1に示されるように、複合酸化鉄層の形成反応開始前のスラリーに、硫酸マグネシウムを添加した以外は、実施例5と同様にマグネタイト粒子を製造した。また、実施例1と同様に各種性状及び特性を評価した結果を表2に示す。
【0055】
〔比較例1〕
表1に示されるように、硫酸マグネシウムの添加を行わなかった以外は、実施例1と同様にマグネタイト粒子を製造した。また、実施例1と同様に各種性状及び特性を評価した結果を表2に示す。
【0056】
〔比較例2〕
表1に示されるように、硫酸アルミニウムの添加量を変えた以外は、比較例1と同様にマグネタイト粒子を製造した。また、実施例1と同様に各種性状及び特性を評価した結果を表2に示す。
【0057】
〔比較例3〕
表1に示されるように、スラリー保持を行った以外は、比較例2と同様にマグネタイト粒子を製造した。また、実施例1と同様に各種性状及び特性を評価した結果を表2に示す。
【0058】
〔比較例4〕
表1に示されるように、コアマグネタイト粒子生成スラリーのpHを調整後、硫酸マグネシウムを添加し、スラリー保持を行い、マグネタイト粒子を製造した。また、実施例1と同様に各種性状及び特性を評価した結果を表2に示す。
【0059】
〔比較例5〕
表1に示されるように、硫酸第一鉄を添加し、pH10にて複合酸化鉄層の形成反応を行った以外は、比較例4と同様にマグネタイト粒子を製造した。また、実施例1と同様に各種性状及び特性を評価した結果を表2に示す。
【0060】
〔比較例6及び7〕
表1に示されるように、各添加剤の濃度や使用量を変更した以外は、実施例3と同様にマグネタイト粒子を製造した。また、実施例1と同様に各種性状及び特性を評価した結果を表2に示す。
【0061】
【表1】
Figure 0004248219
【0062】
【表2】
Figure 0004248219
【0063】
表2から明らかなように、実施例1〜8のマグネタイト粒子は、高電気抵抗で、飽和磁化が大きく、また高温高湿下曝露後の飽和磁化劣化率が低かった。
【0064】
これに対し、比較例1〜3のマグネタイト粒子は、Mgを含有せずに、FeとAlで粒子表面層に複合酸化鉄層を形成させたものである。比較例1は電気抵抗が低く、また、比較例2は電気抵抗は高いが、飽和磁化が低いものとなった。また、比較例3は比較例2のスラリーについて、pH10で10時間の保持を行ったものであるが、得られた特性は比較例2と大差なく、Mgが共存しない複合酸化鉄においては、本発明の効果が得られないことがわかった。
【0065】
また、比較例4はAlを添加していないため、その大部分はpH4に調整されたフタル酸水素カリウム溶液に対し溶解してしまうことから明らかなように、添加しているMgは複合化されておらず、従って電気抵抗が低く、高温高湿下曝露後の飽和磁化劣化率も著しく劣っていた。このことより、Mgを含む複合酸化鉄層はAlが存在しないと不具合であり、本発明の効果を発揮しないことが確認された。
【0066】
また、比較例5は、Mgが添加されており、かつ複合酸化鉄層中のMg含有比率が高いものの、Alを複合酸化鉄層中に含んでいないことに起因して、得られた特性は比較例4と大差なかった。
【0067】
比較例6はAlとMgの総量が多いため、電気抵抗値は高いものであるが、飽和磁化の低いものであった。また、比較例7はAlとMgの総量が少ないため、飽和磁化は高いが、電気抵抗が低いものであった。
【0068】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明の酸化鉄粒子は、粒子表面がAlとMgを含む複合酸化鉄層にて被覆されており、該複合酸化鉄層中のAl及びMg総含有量が、酸化鉄粒子全体に対して0.1〜2.5質量%であり、複合酸化鉄層中のMg含有量が、酸化鉄粒子全体に対して0.05〜1質量%、複合酸化鉄層中のAl含有量が、酸化鉄粒子全体に対して0.05〜1.7質量%、かつ複合酸化鉄層中のMg含有比率が、酸化鉄粒子全体のMg量に対して20%以上であることに起因して、高電気抵抗、高飽和磁化、かつその劣化が抑制されている。従って、静電複写磁性キャリア用材料粉や静電複写磁性トナー用材料粉の用途に好適である。
また、本発明の製造方法によって、上記酸化鉄粒子が簡便に生産性をもって製造できる。

Claims (9)

  1. 粒子表面がAlとMgを含む複合酸化鉄層にて被覆されており、該複合酸化鉄層中のAl及びMg総含有量が、酸化鉄粒子全体に対して0.1〜2.5質量%であり、複合酸化鉄層中のMg含有量が、酸化鉄粒子全体に対して0.05〜1質量%、複合酸化鉄層中のAl含有量が、酸化鉄粒子全体に対して0.05〜1.7質量%、かつ複合酸化鉄層中のMg含有比率が、酸化鉄粒子全体のMg量に対して20%以上であることを特徴とする酸化鉄粒子。
  2. BET法による比表面積が7〜15m2 /gである請求項1記載の酸化鉄粒子。
  3. 電気抵抗が1×105 Ω・cm以上、79.6kA/mにおける飽和磁化値が65Am2 /kg以上、かつ60℃、90%RH雰囲気下、1週間経過後の飽和磁化値劣化率が6%以下である請求項1又は2に記載の酸化鉄粒子。
  4. 粒子内部にZnを含有している請求項1〜3のいずれかに記載の酸化鉄粒子。
  5. 上記Zn含有量が、酸化鉄粒子全体に対して0.5〜5質量%である請求項4に記載の酸化鉄粒子。
  6. 請求項1〜5のいずれかに記載の酸化鉄粒子の製造方法であって、
    酸化鉄粒子を含み、かつマグネシウムイオンを含有するスラリーに、水可溶性アルミニウム塩と第一鉄塩とアルカリの水溶液を添加混合し、pH5〜9、60〜98℃にて酸化反応を行うことを特徴とする酸化鉄粒子の製造方法。
  7. 請求項1〜5のいずれかに記載の酸化鉄粒子の製造方法であって、
    酸化鉄粒子を含むスラリーに、水可溶性アルミニウム塩と第一鉄塩とアルカリの水溶液を添加混合し、pH5〜9、60〜98℃にて酸化反応を行う工程を含み、下記(1)〜(3)のいずれかの時点で、水可溶性マグネシウム塩を添加することを特徴とする酸化鉄粒子の製造方法。
    (1)上記第一鉄塩を上記酸化鉄粒子を含むスラリーに添加する前に、該第一鉄塩に添加
    (2)上記酸化鉄粒子を含むスラリーに、水可溶性アルミニウム塩と第一鉄塩とアルカリの水溶液を添加混合中、又は添加後混合後であって、酸化反応を開始する前の該スラリーに添加
    (3)上記酸化反応中に、上記酸化鉄粒子を含むスラリーに添加
  8. 酸化反応後のスラリーのpHを9〜12に調整した状態において、得られたスラリーを少なくとも5時間保持後、固液分離、洗浄及び乾燥を行うことを特徴とする請求項6又は7記載の酸化鉄粒子の製造方法。
  9. 上記酸化鉄粒子を含むスラリー中の酸化鉄粒子にZnが含有されている請求項6〜8のいずれかに記載の酸化鉄粒子の製造方法。
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