JP3594513B2 - マグネタイト粒子 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、マグネタイト粒子に関し、詳しくは外部磁場の変化に対する磁気特性の依存性を改善し、特に静電複写磁性トナー用材料粉、静電潜像現像用キャリア用材料粉、塗料用黒色顔料粉等の用途に主に用いられるマグネタイト粒子に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
最近、乾式電子写真複写機、プリンター等の磁性トナー用材料又は黒色顔料用として、水溶液反応によるマグネタイト粒子が広く使用されている。磁性トナーとしては各種の一般的現像特性が要求されるが、近年、電子写真技術の発達により、特にデジタル技術を用いた複写機、プリンターが急速に発達し、要求特性がより高度になってきた。
【0003】
すなわち、従来の文字以外にもグラフィックや写真等の出力も要求されており、特にプリンターの中には1インチあたり1200ドット以上の能力のものも現れ、感光体上の潜像はより緻密になってきている。そのため、現像での細線再現性の高さが強く要求されている。
【0004】
このような、一成分トナーとして使われている磁性体として、マグネタイト粒子が好まれて使用されているが、その理由としては磁気特性的に好適であることはもちろんのこと、粉体の黒色性、電気的に半導体であること等が挙げられる。磁気特性として望ましいものとして、例えば特開平3−67265号公報によれば、飽和磁化(1kOe)が60〜80emu/g、好ましくは65〜75emu/g、保磁力が40〜70Oe、好ましくは45〜65emu/g、さらに残留磁化は10emu/g以下、好ましくは8emu/g以下である磁性粉が、細線再現性のためには望ましいとされている。また、細線再現性を高めるための保磁力について、特開昭59−220747号公報には、トナーに用いる磁性体の保磁力が60Oe未満と小さいものが、凝集性も小さく、流動性が高く鮮鋭で優れた画像が得られると記載されている。従って、これらの記載から磁性粉としては、飽和磁化が残留磁化に対して高いことが望まれていることが予測される。
【0005】
また、最近の複写機やプリンターの小型化が進む中で、マシンの中に使用されているマグネットロールについても小型化が要求されている。マグネットロールを小型化することにより、磁石としての能力が小さくなり、これによってトナーに与えられる磁場も小さくなり、より低磁場側での磁性体としての要求が厳しくなってきた。
【0006】
磁性粉としての外部磁場における低磁場側での磁気特性については、様々な改良が行われてきた。例えば、特開平5−105453号公報では、鉄を主成分とする磁性粒子粉末及びその製法について開示されている。同公報によれば、この磁性粒子粉末は、鉄を主成分とし、低磁場側における飽和磁束密度が、測定磁場0.5kOeで38emu/g以上、かつ測定磁場1.0kOeで65emu/g以上であり、その製法は立方状、球状又は多面体状の酸化鉄粒子、マグネタイト粒子又は含水酸化鉄粒子を、還元ガス中、500〜700℃の温度で還元し金属鉄粒子とした後、酸素を含有するガス中、350〜500℃で酸化して金属鉄粒子表面層に酸化第二鉄を形成させ、次いで300〜450℃の還元ガス中で再還元して上記金属鉄粒子表面層にマグネタイト層を形成させ、さらに水蒸気を同伴した不活性ガスで処理するものである。また、同公報によれば、現状のマグネタイト粉末は、飽和磁束密度が、測定磁場0.5kOeで34emu/g前後、測定磁場1.0kOeで60emu/g前後であって、充分高いとはいえないとされている。そこで、同公報では鉄を主成分とする粒子にて低磁場でも充分な飽和磁化が得られ、0.5kOeで38emu/g以上、1kOeで65emu/g以上の磁性粉を製造できるとしている。
【0007】
また、高磁場側での安定性については、例えば、特公平7−72807号公報のように、10kOeの飽和磁化が90emu/gを超え、200emu/g未満であり、1kOeでの飽和磁化と10kOeでの飽和磁化との比が1/2〜1である500℃以上で加熱処理されたフェライトを使用した磁性トナーが開示されている。
【0008】
しかしながら、上述した特開昭59−220747号公報や特開平5−105453号公報では、鉄又は鉄合金を主成分としており、電気抵抗がマグネタイトのようなフェライトに比べ大幅に低いため、トナーの帯電安定性や一成分トナー用における顔料としての黒色性については充分なものとはいえない。
【0009】
また、特公平7−72807号公報に記載のフェライトでは、高磁場側での磁気特性が酸化鉄を主成分とするフェライトよりも非常に高いので、トナーとしたときのクーロン力が作用しにくくなるばかりでなく、フェライトを生産するときに、加熱処理を必要としていることにより、工業的生産という見地からは、コストがかかるため好ましい生産方法とはいえない。
【0010】
また、マグネットロールが小型化するにつれ、磁場を安定的にトナーに与える能力についても難しくなり、従って、外部磁場を多少変化させても安定的な画像を出力できるような磁性体が求められているが、外部磁場を変化させた場合、磁性体としての磁気特性は一般的には変化し易く、特に、マグネタイトのような軟磁性体については、外部磁場依存性を小さくするような改良がなされた提案はなかった。
【0011】
従って、本発明の目的は、外部磁場が変化しても飽和磁化、残留磁化、保磁力といった磁気特性の影響が小さく、かつ飽和磁化が残留磁化に対し高いマグネタイト粒子を提供し、特に磁性トナーの安定な画像特性を得ることにある。
【0012】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、外部磁場の変化に対して磁気特性の変化が小さく、さらに飽和磁化が残留磁化に対して高いマグネタイト粒子を見出し、本発明の上記目的が達成し得ることを知見した。
【0013】
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、Mn、Ti及びMgを総量に対して、それぞれ0.1〜5重量%含有し、かつ該Mn、Ti及びMgがマグネタイト粒子に均一に含有されたマグネタイト粒子であって、
上記マグネタイト粒子は、第一鉄塩水溶液をアルカリ水溶液と混合中和して得られた水酸化第一鉄スラリーを酸化しながら、Mn、Ti及びMgを、マグネタイト粒子を生成させる際の消費未反応Fe 2+ が反応開始時の全Fe 2+ に対して5〜95atm%の範囲で且つ50atm%以上の範囲幅で添加することで得られ、また
上記マグネタイト粒子は、外部磁場を0.5kOe、1kOe、10kOeと変化させたときの飽和磁化をそれぞれσs(0.5kOe)、σs(1kOe)、σs(10kOe)としたとき、σs(0.5kOe)が35〜45emu/g、σs(1kOe)が55〜75emu/g、σs(10kOe)が70〜92emu/gであり、σs(0.5kOe)/σs(1kOe)が0.60以上0.99未満、かつσs(1kOe)/σs(10kOe)が0.70以上0.99未満であることを特徴とするマグネタイト粒子を提供するものである。
【0014】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明において、マグネタイト粒子という時にはその内容によって個々の粒子またはその集合のいずれも意味する。
【0015】
まず、本発明のマグネタイト粒子は、外部磁場を0.5kOe、1kOe、10kOeと変化させたときの飽和磁化をそれぞれσs(0.5kOe)、σs(1kOe)、σs(10kOe)としたとき、σs(0.5kOe)/σs(1kOe)が0.60以上0.99未満、好ましくは0.60以上0.90未満であり、かつσs(1kOe)/σs(10kOe)が0.70以上0.99未満、好ましくは0.70以上0.90未満である。
【0016】
また、本発明のマグネタイト粒子は、外部磁場を0.5kOe、1kOe、10kOeと変化させたときの残留磁化をそれぞれσr(0.5kOe)、σr(1kOe)、σr(10kOe)としたとき、σr(0.5kOe)/σr(1kOe)が0.60以上0.99未満、好ましくは0.60以上0.90未満であり、かつσr(1kOe)/σr(10kOe)が0.70以上0.99未満、好ましくは0.80以上0.99未満である。
【0017】
さらに、本発明のマグネタイト粒子は、外部磁場を0.5kOe、1kOe、10kOeと変化させたときの保磁力をそれぞれHc(0.5kOe)、Hc(1kOe)、Hc(10kOe)としたとき、Hc(0.5kOe)/Hc(1kOe)が0.60以上0.99未満、好ましくは0.60以上0.90未満であり、かつHc(1kOe)/Hc(10kOe)が0.70以上0.99未満、好ましくは0.80以上0.99未満である。
【0018】
本発明のマグネタイト粒子は酸化鉄が主成分であるから、上述の特開平5−105453号公報に記載の鉄を主成分とする磁性粒子とは異なり、電気抵抗も高く、また黒色度に優れたものである。
【0019】
磁性体の磁場を変化させ測定するに際し、外部磁場が10kOeの場合は、磁性体としての充分な外部磁場を与えられたときの磁性体に対しての能力を評価する上で必要な測定条件の一つである。また、外部磁場が1kOeと0.5kOeの場合は、マグネットロール上の磁場がこのレベルにあることが知られており、この領域での外部磁場依存性についての評価が磁性体について求められているためである。
【0020】
本発明のマグネタイト粒子は、外部磁場10kOeでの飽和磁化が、70〜92emu/g、好ましくは75〜92emu/gである。また、外部磁場1kOeでの飽和磁化が、55〜75emu/g、好ましくは58〜72emu/gである。さらに外部磁場0.5kOeでの飽和磁化が、35〜45emu/g、好ましくは38〜42emu/gである。
【0021】
本発明のマグネタイト粒子は、外部磁場10kOeでの残留磁化が、好ましくは2〜20emu/g、さらに好ましくは3〜15emu/gである。また、外部磁場1kOeでの残留磁化が、好ましくは2〜15emu/g、さらに好ましくは3〜13emu/gである。さらに外部磁場0.5kOeでの残留磁化が、好ましくは1.5〜12emu/g、さらに好ましくは2〜10emu/gである。
【0022】
本発明のマグネタイト粒子は、外部磁場10kOeでの保磁力が、好ましくは20〜200Oe、さらに好ましくは30〜150Oeである。また、外部磁場1kOeでの保磁力が、好ましくは20〜150Oe、さらに好ましくは30〜130Oeである。さらに外部磁場0.5kOeでの残留磁化が、好ましくは15〜120Oe、さらに好ましくは20〜100Oeである。
【0023】
また、本発明のマグネタイト粒子は、外部磁場10kOeでの飽和磁化と残留磁化との比σs(10kOe)/σr(10kOe)が5以上であることが望ましい。一般的に湿式反応によるマグネタイト粒子の製造においては、反応条件を変えることで粒子の形状が、八面体、六面体、球形等に変化し、飽和磁化や残留磁化の値も変化するが、本発明ではすべての粒子形状について上記のように外部磁場10kOeでの飽和磁化と残留磁化との比が5以上であることが望ましい。
【0024】
この飽和磁化と残留磁化との比は、粒子形状によって好ましい範囲が異なり、基本的に八面体形状を有するマグネタイト粒子は、好ましくは5以上、さらに好ましくは6以上、基本的に六面体形状を有するマグネタイト粒子は、好ましくは8以上、さらに好ましくは12以上、基本的に球形を有するマグネタイト粒子は、好ましくは10以上、さらに好ましくは15以上である。
【0025】
本発明のマグネタイト粒子は、その平均粒径が好ましくは0.05〜1μm、さらに好ましくは0.1〜0.8μmである。この範囲より小さなマグネタイト粒子では、磁性体としての充分な飽和磁化を有することができず、また、空気中で自然に酸化され易いため、磁気特性や黒色度を保持することが難しい。また、この範囲より大きいマグネタイト粒子では、トナー粒子中に偏在したり、トナー粒子からマグネタイト粒子が過度に突出したりするので好ましくない。また、BET法にて測定した比表面積については、好ましくは1〜30m2 /g、さらに好ましくは2〜25m2 /gである。
【0026】
また、本発明のマグネタイト粒子は、マグネタイト総量中のFeO含有率として18〜31重量%であるのが好ましい。FeO含有率が18重量%未満だと充分な飽和磁化が得られないばかりでなく、粉体の色も赤みがかかったものとなり、黒色粉としては好ましいものとはいえない。
【0027】
また、マグネタイト粒子の形状については、反応する際のpHや添加元素によって、球形、六面体、八面体等に変わることが知られているが、本発明のマグネタイト粒子は、いずれの形状でもよい。
【0028】
次に、本発明のマグネタイト粒子の好ましい製造方法について説明する。
一般的に湿式法によるマグネタイト粒子の製造において用いられる第一鉄塩としては、硫酸第一鉄、塩化第一鉄等が挙げられるが、工業的には鉄産廃液やスクラップ原料の酸溶解品、酸化チタン製造時の副産物等が用いられることが多く、通常このような第一鉄塩には原料由来の不可避成分が含まれている。
【0029】
このような不可避成分としては、主にMn、Ti、Mg、Co、Ni、Si、Cr、Al等が挙げられるが、これら不可避成分は第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを混合中和する際に、pHによる沈殿生成領域が異なることに起因して、酸化反応に供せられる水酸化第一鉄スラリーの沈殿中に均一に分布しないばかりか、偏析を生じせしめることがあり、殊に生成したマグネタイト粒子の磁気特性の安定性に影響を及ぼし易い。これはマグネタイト粒子の製造のための原料である第一鉄塩水溶液やアルカリ水溶液に、諸特性向上のために予め上記成分を添加する場合も同様である。
【0030】
すなわち、マグネタイト粒子の諸特性向上のために、酸化反応前に上記成分を添加する方法や酸化反応中に上記成分を一括添加する方法を採用したのでは、水酸化物生成のpHが各成分毎に異なるので、マグネタイト粒子中の上記成分の均一分布が難しく、変化する磁場に対する磁気安定性を得ることはできない。
【0031】
このため、外部磁場の変化に対応する磁気安定性を得るためには、マグネタイト粒子中に全体になるべく均一に添加元素を取り込ませる必要がある。
【0032】
本発明者等は、磁場に対する磁気安定性への影響を極力小さくするために、磁気特性の改良に有効なMn、Ti、Mg、Co、Ni、Si、Cr、Al等をマグネタイト粒子中に一様に含有させることをまず念頭に置き、さらにトナー用磁性粉として好適な磁気特性をもたらすこれら成分の好ましい添加量を見出した。
【0033】
以下に、本発明の好ましい製造例を挙げる。
本発明のマグネタイト粒子は、第一鉄塩水溶液をアルカリ水溶液と混合中和し、得られた水酸化第一鉄スラリーを酸化することで得られるマグネタイト粒子の製造に際して、Mn、Ti及びMgを必須成分とし、さらに、これに加えて、Co、Ni、Si、Cr、Al、Cu、Zn、Zr、Sn、P等の元素を用いて、各元素毎の添加量としては各元素に換算して、マグネタイト粒子総量に対して0.1〜5重量%、かつ添加元素合計で10重量%以下の量で、マグネタイト粒子を生成させる際の消費未反応Fe2+が反応開始時の全Fe2+に対して5〜95atm%の範囲で、酸化反応を行いながら均一に添加することにより、得ることができる。
【0034】
ここで、各元素量が0.1重量%未満の場合には、添加元素による各磁気特性への効果が充分に得られない。また、5重量%を超える場合には、トナー用磁性粉に求められる磁気特性の不良、特に飽和磁化の低下を招く。
【0035】
また、添加元素の添加時期は、マグネタイト粒子を生成させる際の消費未反応Fe2+が反応開始時の全Fe2+に対して5〜95atm%の範囲で、且つこの範囲においてなるべく広い範囲にわたって徐々に添加する。具体的には範囲幅は50atm%以上とする。
【0036】
本発明のマグネタイト粒子の製造に用いられる第一鉄塩としては、水溶性のものであればよく、例えば硫酸第一鉄や塩化第一鉄が使用できる。アルカリとしては水酸化ナトリウムや水酸化カリウム、炭酸ナトリウム、アンモニア等が利用できる。酸化反応を行うときには、スラリーの温度を60〜98℃、好ましくは80〜90℃に保つ。酸化には通常酸化性ガスが用いられ、経済的にも好ましくは空気を使用するが、液体の酸化剤を使用してもよい。
【0037】
このようにして得られた生成粒子は、通常の濾過、洗浄、乾燥、粉砕工程を経てマグネタイト粒子が得られる。このようにして得られたマグネタイト粒子に対して湿式工程又は乾式工程のいずれかによって無機及び/又は有機表面処理を行うことでマグネタイト粒子にさらなる特性を付与してもよい。
【0038】
【実施例】
以下、実施例等に基づいて本発明を具体的に説明する。
【0039】
〔実施例1〕
表1に示されるように、2.0mol/lのFe2+を含有する硫酸第一鉄水溶液50リットルと4.0mol/lの水酸化ナトリウム51リットルを混合中和し、温度90℃を保ちながら65リットル/分で空気を通じ、生成粒子を得た。酸化反応途中、酸化率が5〜95atm%の間にマンガンイオン、チタンイオン及びマグネシウムイオンを含有する水溶液をマグネタイト粒子総量に対して1.0重量%、0.5重量%及び0.4重量%になる量を徐々に添加した。得られた生成粒子を濾過、洗浄、乾燥、粉砕してマグネタイト粒子を得た。なお、水酸化第一鉄水溶液を調製する際に原料とした硫酸第一鉄には不可避成分としてマンガンが含まれており、その品位はマグネタイト粒子総量に対して0.5重量%程度のマンガンを含むものであった。
【0040】
このマグネタイト粒子について下記の測定方法にて粒子形状と平均粒径、添加元素含有量、FeO含有量、磁気特性を評価した。その結果を表2に示す。なお、表2中の飽和磁化(σs)、残留磁化(σr)の単位はemu/gであり、保磁力(Hc)の単位はOeである。
【0041】
(1)粒子形状と平均粒径
走査型電子顕微鏡にて粒子形状を観察した。平均粒径はフェレ径を100個の粒子について測定し、平均値を求めた。
(2)添加元素含有量
サンプルを溶解し、ICPにて測定した。
(3)FeO含有量
サンプルを硫酸にて溶解し、過カンガン酸カリウム標準溶液を使用して酸化還元滴定にて測定した。
(4)磁気特性
東英工業製振動型磁力計VSM−P7にて測定した。
【0042】
〔実施例2〜5〕
表1に示されるように、反応条件及び添加剤の種類と添加条件を変えた以外は、実施例1と同様にしてマグネタイト粒子を得た。得られたマグネタイト粒子を実施例1と同様に測定し、その結果を表2に示す。
【0043】
〔比較例1〕
表3に示されるように、2.0mol/lのFe2+を含有する硫酸第一鉄水溶液50リットルと4.0mol/lの水酸化ナトリウム52リットルを混合中和し、温度90℃を保ちながら65リットル/分で空気を通じ、生成粒子を得た。酸化反応途中には何も添加剤を加えなかった。得られた生成粒子を濾過、洗浄、乾燥、粉砕してマグネタイト粒子を得た。得られたマグネタイト粒子を実施例1と同様に測定し、その結果を表4に示した。
【0044】
〔比較例2〜3〕
表3に示されるように、反応条件を変えた以外は、比較例1と同様にしてマグネタイト粒子を得た。得られたマグネタイト粒子を実施例1と同様に測定し、その結果を表4に示す。
【0045】
〔比較例4〜8〕
表3に示されるように、反応条件及び添加剤の種類と添加条件を変えた以外は、実施例1と同様にしてマグネタイト粒子を得た。得られたマグネタイト粒子を実施例1と同様に測定し、その結果を表4に示す。
【0046】
【表1】
【0047】
【表2】
【0048】
【表3】
【0049】
【表4】
【0050】
表2と表4の対比から明らかなように、実施例1〜5のマグネタイト粒子は、磁気特性の外部磁場依存性が小さく、また、飽和磁化と残留磁化の比が高いものとなる。これに比べて、比較例1〜8のマグネタイト粒子は、外部磁場依存性が高く、特に低磁場側での外部磁場依存性が高い。
【0051】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のマグネタイト粒子は外部磁場依存性が小さく、また、飽和磁化と残留磁化の比が高いために、特に静電複写磁性トナー用材料粉、静電潜像現像用キャリア用材料粉、塗料用黒色顔料粉等の用途に好適である。
Claims (4)
- Mn、Ti及びMgを総量に対して、それぞれ0.1〜5重量%含有し、かつ該Mn、Ti及びMgがマグネタイト粒子に均一に含有されたマグネタイト粒子であって、
上記マグネタイト粒子は、第一鉄塩水溶液をアルカリ水溶液と混合中和して得られた水酸化第一鉄スラリーを酸化しながら、Mn、Ti及びMgを、マグネタイト粒子を生成させる際の消費未反応Fe 2+ が反応開始時の全Fe 2+ に対して5〜95atm%の範囲で且つ50atm%以上の範囲幅で添加することで得られ、また
上記マグネタイト粒子は、外部磁場を0.5kOe、1kOe、10kOeと変化させたときの飽和磁化をそれぞれσs(0.5kOe)、σs(1kOe)、σs(10kOe)としたとき、σs(0.5kOe)が35〜45emu/g、σs(1kOe)が55〜75emu/g、σs(10kOe)が70〜92emu/gであり、σs(0.5kOe)/σs(1kOe)が0.60以上0.99未満、かつσs(1kOe)/σs(10kOe)が0.70以上0.99未満であることを特徴とするマグネタイト粒子。 - 外部磁場を0.5kOe、1kOe、10kOeと変化させたときの残留磁化をそれぞれσr(0.5kOe)、σr(1kOe)、σr(10kOe)としたとき、σr(0.5kOe)が1.5〜12emu/g、σr(1kOe)が2〜15emu/g、σr(10kOe)が2〜20emu/gであり、σr(0.5kOe)/σr(1kOe)が0.60以上0.99未満、かつσr(1kOe)/σr(10kOe)が0.70以上0.99未満である請求項1に記載のマグネタイト粒子。
- 外部磁場を0.5kOe、1kOe、10kOeと変化させたときの保磁力をそれぞれHc(0.5kOe)、Hc(1kOe)、Hc(10kOe)としたとき、Hc(0.5kOe)が15〜120Oe、Hc(1kOe)が20〜150Oe、Hc(10kOe)が20〜200Oeであり、Hc(0.5kOe)/Hc(1kOe)が0.60以上0.99未満、かつHc(1kOe)/Hc(10kOe)が0.70以上0.99未満である請求項1又は2に記載のマグネタイト粒子。
- 10kOeの外部磁場での飽和磁化と残留磁化の比σs(10kOe)/σr(10kOe)が5以上であり、σs(10kOe)が70〜92emu/g、σr(10kOe)が2〜20emu/gである請求項1、2又は3に記載のマグネタイト粒子。
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