JP4183497B2 - 黒色複合酸化物粒子及びその製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は黒色複合酸化物粒子及びその製造方法に関し、詳しくは、特定の金属成分を特定量含む複合酸化物を含有していて黒色度に優れている黒色複合酸化物粒子及びその製造方法に関する。該黒色複合酸化物粒子は主として塗料用、インキ用、トナー用、ゴム・プラスチック用の黒色顔料として好適であり、特に、カーボンブラック代替の非磁性トナー用や高温混練を要するエンジニアリングプラスチックスの着色用に好適である。
【0002】
【従来の技術】
塗料用、インキ用、トナー用、ゴム・プラスチック用等として用いられる黒色顔料は、黒色度、色相、着色力、隠ぺい力等の特性に優れ、かつ安価であることが求められており、カーボンブラックやマグネタイトをはじめとする酸化鉄系顔料、その他複合酸化物顔料がそれぞれ用途に応じて利用されている。
【0003】
昨今、上記のいずれの分野においても高性能化、高品質化の要求のみにとどまらず、例えば、前記カーボンブラックにおいては、環境問題や人体に与える影響等が考慮されており、それで使用が差し控えられている。一方、マグネタイトをはじめとする酸化鉄系顔料においては、カーボンブラックのような問題は少ないものの、その黒色性は含有されているFe2+の結合状態(FeOの品位)に左右され、しかもFe2+(FeO)が酸化されてFe3+(Fe2 O3 )になる、即ち経時劣化が生じるという問題点がある。
【0004】
上記のような問題点を改善する黒色顔料に関する技術として、昨今、各種金属成分を含有する複合酸化物系顔料が注目されており、例えば、銅、クロム、鉄、マンガン等からなる群から選ばれた二種以上の金属を主金属成分とする複合酸化物系黒色顔料が提案されている(例えば、特許文献1及び2参照。)。
【0005】
【特許文献1】
特開平9−124972号公報
【特許文献2】
特開平9−237570号公報
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
しかし、上記の複合酸化物系顔料においても、依然その主金属成分が、昨今環境負荷物質の排出・移動登録制度(PRTR)の国内法成立に伴い、特定化学物質として指定されている銅、クロム、マンガン等の、環境負荷物質と位置付けられた材料を用いる技術である。
とはいえ、黒色顔料の重要な特性である黒色性一つをとっても、上記の環境負荷物質を極力排して優れた黒色顔料を得ることは困難であり、満足のゆく黒色顔料は未だ見出されていないのが実情である。
【0007】
従って、本発明の目的は、主に塗料用、インキ用、トナー用、ゴム・プラスチック用の黒色顔料として好適であり、環境負荷が小さく、かつ黒色度に優れた黒色複合酸化物粒子及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は、環境負荷の小さい原料を精査し、複合酸化物系黒色顔料として黒色度に優れた材料について鋭意検討した結果、金属成分としてFe、Mg及びAlを特定の量比で含む特定の複合酸化物を含有する黒色複合酸化物粒子を見出し、本発明を完成させた。
【0009】
即ち、本発明の黒色複合酸化物粒子は、金属成分としてFe、Mg及びAlを含み、Feの量が30〜55質量%であってFe3+/Fe2+の原子数比が0.8〜10であり、Mgの量が1〜10質量%であり、Alの量が1〜10質量%である複合酸化物を含有することを特徴とする。
【0010】
また、本発明の黒色複合酸化物粒子の製造方法は、炭酸ナトリウムを含むアルカリ性水溶液の温度を80℃以上、pHを10以上の状態に維持しながら、該水溶液に、第一鉄塩、第二鉄塩、水溶性マグネシウム塩及び水溶性アルミニウム塩の混合水溶液を徐々に添加し、1時間以上の攪拌混合を実施することを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
本発明の黒色複合酸化物粒子を構成する複合酸化物は金属成分としてFe、Mg及びAlを含む。
従来の技術で述べたように、マグネタイト(Fe3 O4 )をはじめとする酸化鉄系顔料においては、カーボンブラックのような問題は少ないものの、その黒色性は含有されているFe2+の結合状態(FeOの品位)に左右され、しかもFe2+(FeO)が酸化されてFe3+(Fe2 O3 )になる、即ち経時劣化が生じるという欠点を有する。
【0012】
一方、本発明で複合酸化物の金属成分として着目したMgについては、単独の酸化物では黒色を示さないが、酸化鉄と複合化した場合、例えばマグネシウムフェライト(MgFe2 O4 )においては、黄味を帯びた褐色を呈することが知られている。
また、本発明で複合酸化物の金属成分として着目したAlについては、酸化鉄と複合化した場合、FeとAlが共存するヘルシナイト(FeAl2 O4 )という黒味のある複合酸化物が生成することが知られている。
【0013】
本発明の黒色複合酸化物粒子を構成する複合酸化物においては、上記のマグネタイト、マグネシウムフェライト及びヘルシナイトがそれぞれ単独で混在しているのではなく、スピネル系の特徴を有すFe−Mg固溶型の組成中にAlがアモルファス状態で存在していると考えられ、特定の組成を有することにより黒色顔料に要求される黒色度を発現できると考えられる。
【0014】
例えば、後記の実施例1で得た本発明の黒色複合酸化物粒子についてX線回折測定を行った結果を示す図1から明らかなように、本発明の黒色複合酸化物粒子については、マグネタイト、マグネシウムフェライト及びヘルシナイトの固有のメインピーク値からずれていながらも、スピネル型粒子の範疇を逸脱するものではなく、上記の推測が裏付けられている。
【0015】
本発明の黒色複合酸化物粒子を構成する複合酸化物においては、Feの量が30〜55質量%であってFe3+/Fe2+の原子数比が0.8〜10であり、Mgの量が1〜10質量%であり、Alの量が1〜10質量%であることが重要である。
【0016】
複合酸化物中のFeの量が30質量%未満である場合には、複合酸化物粒子中のFe成分の量が少なすぎて鉄系酸化物の特徴が薄れ、黒色度が低下する傾向がある。また、複合酸化物中のFeの量が55質量%を超える場合には、マグネタイト系の複合酸化鉄に近似するため、黒色度が高くても、Fe2+(FeO)が酸化されてFe3+(Fe2 O3 )になる、即ち経時劣化が生じるおそれがある。この複合酸化物中のFeの量は、顏料としての黒色度と経時安定性との両立を追求しつつも、トナーとして用いる場合の磁化の影響を抑制し、更に印字部に十分な黒色度をもたせることを考慮すると、35〜45質量%であることが好ましい。
【0017】
また、複合酸化物中のFeがFe2+及びFe3+の両方の状態で存在する必要があり、黒色複合酸化物粒子の黒色度や製造の容易性などを考慮すると、そのFe3+/Fe2+の原子数比が0.8〜10である必要があり、更にFe2+の量がFeOとして計算して8〜20質量%であることが好ましい。本発明の黒色複合酸化物粒子の黒色度は、基本的にはFe2+の量に依存するものではないが、複合酸化物中のFe2+の量がFeOとして計算して8質量%未満である場合には影響を免れない。また、複合酸化物中のFe2+の量がFeOとして計算して20質量%を超える場合には、黒色度が高くても、Fe2+(FeO)が酸化されてFe3+(Fe2 O3 )になる、即ち経時劣化が生じるおそれがある。
【0018】
また、複合酸化物中のMgの量が1質量%未満である場合には、Feの量が相対的に多くなり、マグネタイト系の複合酸化鉄に近似するため、黒色度が高くても、Fe2+(FeO)が酸化されてFe3+(Fe2 O3 )になる、即ち経時劣化が生じるおそれがある。また、複合酸化物中のMgの量が10質量%を超える場合には、マグネシウムフェライト系の複合酸化鉄が析出したり、スピネル型粒子以外の非黒色粒子が析出することがあり、黒色度や色相が低下するおそれがある。この複合酸化物中のMgの量は、顏料としての黒色度と経時安定性との両立を追求しつつも、トナーとして用いる場合の磁化の影響を抑制し、更に印字部に十分な黒色度をもたせることを考慮すると、2〜7質量%であることが好ましい。
【0019】
また、複合酸化物中のAlの量が1質量%未満である場合には、Feの量が相対的に多くなり、マグネタイト系の複合酸化鉄に近似するため、黒色度が高くても、Fe2+(FeO)が酸化されてFe3+(Fe2 O3 )になる、即ち経時劣化が生じるおそれがある。また、複合酸化物中のAlの量が10質量%を超える場合には、ヘルシナイト系の複合酸化鉄のみならず、Alを主成分とした非黒色粒子が析出することがあり、黒色度や色相が低下するおそれがある。この複合酸化物中のAlの量は、顏料としての黒色度と経時安定性との両立を追求しつつも、トナーとして用いる場合の磁化の影響を抑制し、更に印字部に十分な黒色度をもたせることを考慮すると、5〜9質量%であることが好ましい。
【0020】
本発明の黒色複合酸化物粒子においては、環境負荷の低い物質で構成することも目的としているので、その点ではSi、Ti、Ca等を含有することもできるが、黒色度を重視すれば、Fe、Mg及びAlを含むの複合酸化物からなることが好ましい。
【0021】
また、本発明の黒色複合酸化物粒子を構成する複合酸化物においては、結晶水の存在及びその量は黒色度の点では必須要件ではないと考えられ、通常の製造法では必然的に生じるものであり、敢えて除去する必要がない。複合酸化物の組成の測定においては、Fe、Mg及びAlが全て酸化状態で存在しているとしても、それらの合計が100質量%にならないので、結晶水を含むもの、即ち含水複合酸化物であるとして組成を表示する。
【0022】
本発明の黒色複合酸化物粒子を構成する複合酸化物は下記の組成式で表されるものであることが好ましい:
Fe2+ a Fe3+ b Mgc Ald Oe ・nH2 O
式中、a+b+c+d=1、
0.08≦a≦0.59、
0.13≦b≦0.80、
0.02≦c≦0.42、
0.02≦d≦0.40、
e=a+1.5b+c+1.5d、
0≦n≦5.1。
更に、0.05≦c/(a+b)≦0.5なる条件及び/又は0.15≦d/(a+b)≦0.6なる条件を満足することが一層好ましい。
【0023】
上記の組成式で表される複合酸化物又は含水複合酸化物において、a、b、c及びdの値を上記の範囲内にすることが好ましい理由も、c/(a+b)及びd/(a+b)の値を上記の範囲内にすることが一層好ましい理由も、複合酸化物中のFe、Mg及びAlの量を限定した理由で述べたことと実質的に同じである。
【0024】
本発明の黒色複合酸化物粒子においては、Fe、Mg及びAl以外の金属成分、例えば、Cr、Mn、Co、Nl、Cu、Znの総含有量が1質量%以下であることが好ましい。これらの物質は工業的には原料中の不可避成分として酸化鉄粒子中に含有されることが多いが、環境負荷が高いので、量的に低い方が好ましいことは言うまでもない。
【0025】
本発明の黒色複合酸化物粒子においては、平均粒径が0.01〜1μmであることが好ましい。この平均粒径が0.01μm未満である場合には、粉体の色が赤味を帯びて、黒色度に乏しくなるおそれがあり、平均粒径が1μmを超える場合には、トナー用等の微細粒子が要求される用途分野には不向きとなる。また、BET法による比表面積が3〜150m2 /g程度であることが好ましい。
【0026】
本発明の黒色複合酸化物粒子においては、JIS K5101−1991に準拠した粉体の黒色度及び色相において、色差計によるL値が22以下であり、a値が0.5以下であり、b値が0.5以下であることが好ましい。これらのL、a及びbの値が上記の条件を満たさない場合には、黒色度が低く、色相も赤味や黄味が強く、黒色顔料として不具合である。
【0027】
本発明の黒色複合酸化物粒子においては、非磁性トナー用途をはじめとする磁性を要求しない分野での利用、代替を考慮すると、負荷磁場79.6kA/mにおける飽和磁化値が50Am2 /kg以下であることが好ましい。この飽和磁化値は、トナーが受ける磁場の影響を抑制し、高画質の印刷物を追求する場合には、40Am2 /kg以下であることが一層好ましい。
【0028】
本発明の黒色複合酸化物粒子においては、体積抵抗率が高めであると、トナーに使用した場合に、かぶり、中抜け、白斑、ハケスジ等がない高画質な印刷物が得られるので、体積抵抗率が1×106 Ωcm以上であることが好ましい。この体積抵抗率は、帯電させたトナーの電荷を逃さず、高画質の印刷物を追求する場合には、5×106 Ωcm以上であることが一層好ましい。
【0029】
また、本発明の黒色複合酸化物粒子においては、該粒子の質量を基準にして0.5〜5質量%となる量の、シランカップリング剤、シリル化剤及び反応性シリコーンオイルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物で表面処理されていることが好ましい。このような表面処理を施した黒色複合酸化物粒子は、撥水性が付与されており、有機溶媒中での分散性が向上しており、特に重合トナー作成用途に好適である。上記の表面処理量が5質量%を超える場合には、黒色複合酸化物粒子が凝集体を形成し、表面処理の効果を十分活かすことができないだけでなく、黒色複合酸化物粒子表面ではなく凝集体に対して表面処理が行われるようになり、樹脂中での分散性が悪くなる傾向がある。その結果、帯電量分布が広くて性能の劣るトナーとなってしまう。上記の表面処理剤の付与量は、トナーの帯電制御を正確且つ確実に行い、十分な黒色度を持ったトナーを得るためには4質量%以下であることが一層好ましい。
【0030】
なお、上記のシランカップリング剤で表面処理した場合には、帯電制御効果が大きく、特にアミノシランカップリング剤を使用すると、黒色複合酸化物粒子を正帯電させる効果があり、正帯電性トナーの製造に好適である。
上記のシリル化剤で表面処理した場合には、黒色複合酸化物粒子を負帯電させる効果があり、負帯電性トナーの製造に好適である。
上記の反応性シリコーンオイルで表面処理した場合には、トナー製造における溶融混練前の材料混合時の混合性が向上する。
また、本発明の黒色複合酸化物粒子の形状は粒状(球状、六面体状、八面体状等)であれば特に限定されるものではない。
【0031】
以上に述べたような黒色複合酸化物粒子を含有するトナーであれば、カーボンブラックや、Cu、Cr、Mn等の環境負荷の高い物質を含んでおらず、しかも黒色度に優れた黒色複合酸化物粒子を用いているので、環境問題や人体に与える影響の低減等に十分対応できるものである。
なお、トナーに含有される黒色複合酸化物粒子の量は、印字部に十分な黒色度を持たせることを考慮すると、5質量%以上でることが好ましい。
【0032】
更に、上記のトナーに含有される黒色複合酸化物粒子の体積抵抗率が十分高いと、トナーに帯電した電荷が減衰しにくくなり、複写紙白地にトナーが飛ぶことで発生する白地かぶり、感光体かぶりが、体積抵抗率の低いカーボンブラック等を用いた時よりも改善される。
【0033】
また、電子写真方式による画像形成装置で上記のトナーを用いると、トナーに含まれる黒色複合酸化物粒子の体積抵抗率が高いので、通常の直流の現像バイアスのみで行う現像において、かぶり、中抜け、白斑、ハケスジ等がない高画質な印刷物が得られる。
【0034】
更に、より高画質な印刷物を追求する場合には、直流の現像バイアスの他に交番又は交流バイアスを重畳した現像バイアスを使用した画像形成装置で上記のトナーを用いることが好適である。特に、現在主流となっている負帯電トナーを用いる反転現像方式では、高画質の印刷物を追求しているので、非常に帯電の立ち上がりが早く、帯電量が減衰しにくく、帯電量分布の狭いトナーが求められており、本発明のトナーを以てすれば、直流バイアスのみの現像と同様の高画質な印刷物が得られる。
【0035】
次に、本発明の黒色複合酸化物粒子の製造方法について述べる。
本発明の黒色複合酸化物粒子の製造方法においては、炭酸ナトリウムを含むアルカリ性水溶液の温度を80度以上、pHを10以上の状態に維持しながら、該水溶液に、第一鉄塩、第二鉄塩、水溶性マグネシウム塩、及び水溶性アルミニウム塩の混合水溶液を徐々に添加し、1時間以上の攪拌混合を実施する。
【0036】
本発明の製造方法で用いる第一鉄塩、第二鉄塩、水溶性マグネシウム塩、及び水溶性アルミニウム塩の混合水溶液は、水可溶性塩もしくは金属や金属酸化物を酸で溶解させたもの等を使用して調製できる。この混合水溶液を調製する際に、鉄塩として第一鉄塩及び第二鉄塩を併用することが重要であり、Fe3+/Fe2+の原子数比を0.01〜4とすることが好ましい。この原子数比が0.01未満である場合には、本発明の黒色複合酸化物粒子を製造する酸化反応が進みにくく、効率的でない。また、この原子数比が4を超える場合には、アルカリとの中和反応時に茶褐色の微粒マグヘマイトが大量に発生するので好ましくない。
【0037】
一方、中和、酸化に用いるアルカリ性水溶液は、炭酸ナトリウムを含むことが重要である。この炭酸ナトリウムを添加することにより、酸化物核粒子の急激な発生を抑制することができ、目的とする適度な粒度の黒色複合酸化物粒子を製造することができる。炭酸ナトリウムを含むアルカリ性水溶液のpHを調整するのに用いるアルカリ性物質は、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム、アンモニア水等、強塩基、弱塩基にかかわらず、中和作用を有するものであれば特に限定されることはない。
【0038】
まず、炭酸ナトリウムを含むアルカリ性水溶液は、温度を80℃以上、pHを10以上の状態に維持することが重要である。この理由は、80℃以上の温度は反応を速やかに行うためであり、10以上のpHは反応を速やかに行うと同時に、アルカリが消費され、pHが低下して、析出した黒色複合酸化物粒子が再溶解することを抑制するためである。但し、液温度は、コストに見合った効果を考慮すれば、100℃以下が好ましい。また、アルカリ濃度は、pHを10以上の状態に維持するのに必要な量を添加すればよいが、コストを考慮して100g/L以下とするのが好ましい。
【0039】
このようにして用意した炭酸ナトリウムを含むアルカリ性水溶液に、やはり用意した第一鉄塩、第二鉄塩、水溶性マグネシウム塩及び水溶性アルミニウム塩の混合水溶液を徐々に添加し、中和、酸化を伴う脱水縮合反応を行うが、この際、1時間以上の攪拌混合を実施することが重要である。中和、酸化を伴う脱水縮合反応は、上記のFe3+/Fe2+の原子数比にも依存するが、比較的短時間で進むものの、組成が偏析のない状態で安定化する必要がある。攪拌混合が不十分であると、目的とする黒色度や色相を有する黒色複合酸化物粒子が得られにくい。
【0040】
なお、攪拌混合効果を高めるために、攪拌混合中の反応スラリーに、各種気体を吹き込むことも可能であり、こうした攪拌混合効果を高めることにより、反応時間を短縮させ、コストを削減することができる。使用可能な気体は空気、水蒸気、酸素、各種不活性ガス(窒素、ヘリウム、アルゴン等)等であり、必要に応じて使い分ければ良い。特に水蒸気については高圧(1気圧超)でスラリー中に送り込むことで、圧力容器を使用した場合と同様の効果を得ることができる。
【0041】
また、上記の1時間以上の攪拌混合が終了した後の反応スラリーを、100℃以上の温度で、加圧下に、例えば1気圧超の圧力容器中で加熱処理することにより、黒色複合酸化物粒子の結晶性が向上し、耐熱性が改善されるので、このように加熱処理することが好ましい。
このようにして得られた黒色複合酸化物粒子を含む反応スラリーを冷却した後、希酸等でpH7以下に中和し、常法の洗浄、脱水、乾燥を経ることにより、最終的な黒色複合酸化物粒子を得ることができる。
【0042】
【実施例】
以下に、実施例及び比較例により本発明を具体的に説明する。
実施例1
4mol/Lの炭酸ナトリウム水溶液5Lに12.5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHが11となるように調整し、かつ液温を90℃に昇温させてその温度に維持した。一方、硫酸第一鉄0.25mol/L、硫酸第二鉄0.5mol/L、硫酸マグネシウム0.5mol/L、硫酸アルミニウム0.25mol/Lを含む混合硫酸塩水溶液2Lを用意し、上記の炭酸ナトリウムを含むアルカリ性水溶液中に、混合攪拌しながら、30分間で投入した。
【0043】
投入の終了後に、混合攪拌を6時間継続した。この投入及び混合攪拌の継続の間、反応液の当初の温度とpHを維持するように調整した。このようにして得られた黒色複合酸化物粒子を含むスラリーを自然に冷却させた後、希硫酸を用いてpH6に中和し、その後、常法の洗浄、脱水、乾燥を経て、最終的な黒色複合酸化物粒子を得た。
得られた黒色複合酸化物粒子についてX線回折測定を行った結果を図1に示す。また、得られた黒色複合酸化物粒子について下記の方法で諸特性を評価した。それらの結果は第2表に示す通りであった。
【0044】
<評価方法>
(1)Fe、Mg、及びAlの量
試料を溶解し、ICPにて測定した。
(2)Fe2+の量(FeOとして)
サンプルを硫酸にて溶解し、過マンガン酸カリウム標準溶液にて酸化還元滴定にて測定した。
【0045】
(3)平均粒径
SEM(走査型電子顕微鏡)で10万倍の写真を撮影し、200個の粒子のフェレ径を測定した。
(4)比表面積
島津−マイクロメリティックス製2200型BET計にて測定した。
【0046】
(5)磁気特性
東英工業製振動試料型磁力計VSM−P7を使用し、外部磁場79.6kA/mにて測定した。
(6)黒色度及び色相
粉体の黒色度及び色相の測定はJIS K5101−1991に準拠して行った。
試料2.0gにヒマシ油1.4ccを加え、フーバー式マーラーで練り込んだ。この練り込んだサンプル2.0gにラッカー7.5gを加え、さらに練り込んだ後,これをミラーコート紙上に4mil のアプリケーターを用いて塗布し、乾燥した後、色差計(東京電色社製、カラーアナライザーTC−1800型)にて、黒色度(L値)及び色相(a値、b値)を測定した。
【0047】
(7)耐熱性試験
試料を時計皿に入れ、通風型乾燥機(タバイエスペック製オーブン、PH−201型)にて、150℃で1時間保持し、上記の(6)と同様の方法で黒色度(L値)及び色相(a値、b値)を測定した。
【0048】
実施例2〜6、比較例1〜6
実施例1で用いた製造条件を第1表に示すように変更した以外は、実施例1と同様の方法で複合酸化物粒子を得た。なお、実施例1で用いた製造条件も第1表に示す。
得られた複合酸化物粒子について、実施例1と同様に諸特性を評価した。それらの結果は第2表に示す通りであった。
【0049】
【表1】
【0050】
【表2】
【0051】
【表3】
【0052】
第2表のデータからも明らかなように、実施例1〜6の本発明の黒色複合酸化物粒子は、L値が十分に低く、黒色度に優れ、色相にも優れている。また、経時劣化の加速試験である耐熱性試験の結果も優れており、飽和磁化が低く、非磁性用途にも好適であることが判る。
【0053】
これに比べて、本発明の範囲外の比較例1〜6の複合酸化物粒子は、飽和磁化値が大きくて非磁性用途には不向きあったり、L値、a値、b値が高かったりして黒色度及び色相がいずれも不良であり、経時劣化の加速試験である耐熱性試験の結果も不良であった。
【0054】
実施例7
実施例1に記載の製造方法で得た黒色複合酸化物粒子15質量部、バインダー樹脂(三洋化成(株)製、TB−1000F)100質量部、荷電制御剤(オリエント化学(株)製、ボントロンS−34)5質量部及びワックス(三洋化成(株)製、ビスコール550P)2質量部をヘンシェルミキサーで混合し、更に2軸ニーダーで180℃で溶融混練した。この混合、溶融混練を二度繰り返して実施した。得られた混練物を冷却ローラーにて板状に成形し、混練物のプレートを得た。得られたプレートをバンタムミルにて粉砕した後、ジェットミルにて微粉砕を行い、その後、風力分級機(日清エンジニアリング(株)製、ターボクラシファイアTC−15M)にて平均粒径8μmのトナー粒子を得た。
【0055】
このトナー粒子4質量部に対してキャリア(パウダーテック(株)製、EF96−150)96質量部を混合して現像剤を作成した。得られた現像剤をデジタル/反転現像式コピー機(シャープ(株)製、AR−S400)に用いて、初期画像評価及びA4用紙50000枚印刷後の耐久試験評価を実施した。この試験において下記の評価を実施した。得られた結果は第3表に示す通りであった。
【0056】
(8)画像濃度
A4用紙中央部に1インチ角の黒ベタ画像を印刷したものをマクベス反射濃度計(グレダグマクベス社製)を用いて画像濃度を測定した。
(9)かぶり評価
上記(8)における印刷物の白地部について、色差計(日本電色工業(株)製、Z−300A)を用いてZ値を測定し、(印刷後のZ値)−(印刷前のZ値)で数値化した。
【0057】
(10)トナー帯電量
初期画像評価用の絵出し終了後、直ちに評価用複写機より現像剤0.2gをサンプリングし、帯電量測定装置(東芝ケミカル(株)製、TB−200型)を用いて、ブローオフ法にて帯電量を測定した。また、A4用紙50000枚印刷後についても画像評価用の絵出し終了後、直ちに評価用複写機より現像剤0.2gをサンプリングし、上記と同様にして帯電量を測定した。なお、帯電量は次式で計算される:
帯電量(μC/g)=(測定装置の表示)×(トナー濃度)/0.2
ここで、トナー濃度とは、画像評価後の現像剤量と、現像剤からトナーのみを吸引して計算したトナー量から(トナー量、g)/(現像剤量、g)で計算した。
【0058】
実施例8〜10
実施例1に記載の製造方法で得た黒色複合酸化物粒子を、粒子の質量を基準にしてそれぞれ1質量%のn−ヘキシルトリメトキシシラン(東芝GEシリコーン社製、TSL8241)(実施例8)、ヘキサメチルジシラザン(東芝GEシリコーン社製、TSL8802)(実施例9)又はγ−アミノプロピルトリメトキシシラン(東芝GEシリコーン社製、TSF484)(実施例10)で表面処理したものを、実施例7で用いた黒色複合酸化物粒子の代わりに用いた以外は実施例7と同様にして現像剤を調製し、実施例8及び9については実施例7と同様に評価した。また、実施例10については、コピー機としてシャープ(株)製のSF−2035を用いて評価した。得られた結果は第3表に示す通りであった。
【0059】
【表4】
第 3 表
【0060】
当業界においては、画像濃度が1.4以上であり、かぶり評価が0.4以下であれば、良好な現像剤とされており、第3表のデータからも明らかなように、本発明のトナーは良好なものであった。また、本発明のトナーを用いた場合にはトナーの飛散がなく、白斑、ハケスジ等の画像欠陥も認められなかった。
【0061】
【発明の効果】
本発明に係わる黒色複合酸化物粒子は、環境負荷が小さく、黒色度に優れており、かつ経時劣化が小さいことから、塗料用、インキ用、トナー用、ゴム・プラスチック用の黒色顔料として好適である。特に、カーボンブラックや環境負荷物質含有酸化物顔料代替の非磁性トナー用黒色顔料や高温混練を要するエンジニアリングプラスチックスの着色用黒色顔料に好適である。また、このような黒色複合酸化物粒子を用いたトナーは、カーボンブラックや、Cu、Cr、Mn等の環境負荷の高い物質を含んでおらず、しかも黒色度に優れた黒色複合酸化物粒子を用いているので、環境問題や人体に与える影響の低減等に十分対応でき、且つ高画質な印刷物が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 実施例1で得られた黒色複合酸化物粒子のX線回折図である。
Claims (15)
- 金属成分としてFe、Mg及びAlを含み、Feの量が30〜55質量%であってFe3+/Fe2+の原子数比が0.8〜10であり、Mgの量が1〜10質量%であり、Alの量が1〜10質量%である複合酸化物を含有することを特徴とする黒色複合酸化物粒子。
- Fe2+の量がFeOとして計算して8〜20質量%である請求項1記載の黒色複合酸化物粒子。
- 複合酸化物が含水複合酸化物である請求項1又は2記載の黒色複合酸化物粒子。
- 下記の組成式で表される複合酸化物を含有する請求項1、2又は3記載の黒色複合酸化物粒子:
Fe2+ a Fe3+ b Mgc Ald Oe ・nH2 O
式中、a+b+c+d=1、
0.08≦a≦0.59、
0.13≦b≦0.80、
0.02≦c≦0.42、
0.02≦d≦0.40、
e=a+1.5b+c+1.5d、
0≦n≦5.1。 - 0.05≦c/(a+b)≦0.5なる条件を満足する請求項4記載の黒色複合酸化物粒子。
- 0.15≦d/(a+b)≦0.6なる条件を満足する請求項4又は5記載の黒色複合酸化物粒子。
- Fe、Mg及びAl以外の金属成分の総量が1質量%以下である請求項1〜6の何れかに記載の黒色複合酸化物粒子。
- 平均粒径が0.01〜1μmである請求項1〜7の何れかに記載の黒色複合酸化物粒子。
- JIS K5101−1991に準拠した粉体の黒色度及び色相において、色差計によるL値が22以下であり、a値が0.5以下であり、b値が0.5以下である請求項1〜8の何れかに記載の黒色複合酸化物粒子。
- 負荷磁場79.6kA/mにおける飽和磁化値が50Am2 /kg以下である請求項1〜9の何れかに記載の黒色複合酸化物粒子。
- 体積抵抗率が1×106 Ωcm以上である請求項1〜10の何れかに記載の黒色複合酸化物粒子。
- 粒子の質量を基準にして0.5〜5質量%となる量の、シランカップリング剤、シリル化剤及び反応性シリコーンオイルからなる群より選ばれる少なくとも1種の化合物で表面処理されている請求項1〜11の何れかに記載の黒色複合酸化物粒子。
- 炭酸ナトリウムを含むアルカリ性水溶液の温度を80℃以上、pHを10以上の状態に維持しながら、該水溶液に、第一鉄塩、第二鉄塩、水溶性マグネシウム塩及び水溶性アルミニウム塩の混合水溶液を徐々に添加し、1時間以上の攪拌混合を実施することを特徴とする請求項1〜12の何れかに記載の黒色複合酸化物粒子の製造方法。
- 上記の第一鉄塩、第二鉄塩、水溶性マグネシウム塩及び水溶性アルミニウム塩の混合水溶液中のFe3+/Fe2+のモル比が0.01〜4である混合水溶液を用いる請求項13記載の製造方法。
- 請求項13記載の1時間以上の攪拌混合を実施した後に、その反応スラリーを100℃以上の温度で、加圧下に加熱処理する請求項13又は14記載の製造方法。
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