JP3544513B2 - マグネタイト粒子及びその製造方法 - Google Patents

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、主に静電複写磁性トナー用材料粉、静電複写キャリア用材料粉、もしくは塗料用黒色顔料粉等に好適なマグネタイト粒子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
水溶液反応によるマグネタイト粒子を始めとしてマグネタイト粒子は各種分野、特に乾式電子複写機、プリンタ等の磁性トナー用材料粉、静電複写キャリア用材料粉、もしくは塗料用黒色顔料粉等の原材料として広く利用されている。これらの用途のうち、磁性トナー用途においては、各種の一般的現像特性が要求され、近年、電子写真技術の発達により、特にデジタル技術を用いた複写機、プリンターが急速に発達し、要求特性がより高度なものになってきた。
【0003】
複写機、プリンターの中には、1インチ当たり1200ドット以上の能力のものも現れ、感光体上の潜像はより緻密になってきており、現像における細線再現性の向上もそうした重要な要求特性の一つである。
【0004】
こうした画像特性の向上のためには、マグネタイト粒子の磁気凝集が小さいこと好ましい旨が、特開平3−122658号公報や特開平6−130718号公報に記載されている。
【0005】
この磁気凝集を小さくする手段として、マグネタイト粒子の残留磁化を小さくする技術が種々開示されているが、その代表的な手段としては、上記特開平6−130718号公報に記載のように、マグネタイト粒子の形状を球状とする提案等が挙げられる。
【0006】
上記特開平6−130718号公報に記載の技術によれば、確かに球状粒子は流動性に優れる等の長所も併せ持つので磁気凝集の改善には効果がある。しかし、一方でトナー製造の際の粉砕時等にトナーから遊離粉が脱落する等の短所も備えている。
【0007】
一方、八面体形状のマグネタイト粒子はそうした欠点を補う性格を有するものであるが、従来品では残留磁化が大きいことに起因して磁気凝集も大きく、上記現像での細線再現性の向上に対応し得るものが得られなかった。
【0008】
従って、本発明の目的は、FeO含有量が高く、耐熱性や色味を損なわず、また残留磁化が低く、磁気凝集の小さい八面体形状のマグネタイト粒子及びその製造方法を提供することにある。
【0009】
【課題を解決するための手段】
上述のように、従来技術による八面体形状のマグネタイト粒子は残留磁化が大きいことに起因して磁気凝集も大きいが、本発明者等は、このような課題を解決するためには、粒子内部の特性を保ちつつ、粒子表面の磁気を弱めたマグネタイト粒子が好適ではないかと推論した。
【0010】
本発明者等は、かかる推論について鋭意検討の結果、粒子内部の特性を損なわず、かつ残留磁化を下げる手段として粒子表面に特定の二重被覆を設けることにより、上記目的が達成し得ることを知見した。
【0011】
本発明は、上記知見に基づいてなされたもので、粒子形状が八面体を呈し、平均粒径が0.05〜0.5μm、FeO含有量が24重量%以上であり、外部磁場10kOe(=796kA/m)における残留磁化σr(emu/g=Am 2 /kg)が平均粒径d(μm)との間に下記式(1)を満足し、
粒子内部にケイ素を含有し、その含有量がマグネタイト粒子総量に対しSiに換算して0.1〜3重量%であり、かつ粒子表層部に、亜鉛と鉄の化合物からなる下層被覆とケイ素と鉄の化合物からなる上層被覆を有することを特徴とするマグネタイト粒子を提供するものである。
σr≦−26d+16 ──── (1)
【0012】
また、本発明のマグネタイト粒子の好ましい製造方法として、ケイ酸塩水溶液を含む第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液を混合して得られたスラリーのpHを10以上に維持しながら酸素含有ガスを通気して第1段の酸化反応を行い、酸化反応終了後、得られたマグネタイト粒子を含むスラリーに亜鉛を含む第一鉄塩水溶液を添加し、pH6〜9に調整して第2段の酸化反応を行い、さらにケイ酸塩を含む第一鉄塩水溶液を添加し、pH6〜9に調整して第3段の酸化反応を行い、得られたマグネタイト粒子を酸化性雰囲気中で加熱処理することを特徴とするマグネタイト粒子の製造方法を提供するものである。
【0013】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明のマグネタイト粒子は、粒子形状が八面体を呈し、その平均粒径が0.05〜0.5μm、マグネタイト粒子中のFeO含有量が24重量%以上である。
【0014】
マグネタイト粒子の平均粒径が0.05μm未満では、残留磁化を低くすることが困難となり、また平均粒径が0.5μmを超えると、トナーとしたときの濃度が低下する。また、FeO含有量が24重量%未満では、飽和磁化が低下すると共に、黒色度も劣ったものとなる。
【0015】
また、本発明のマグネタイト粒子は、外部磁場10kOe(=796kA/m)における残留磁化σr(emu/g=Am 2 /kg)が平均粒径d(μm)との間に下記式(1)を満足することが必要である。
σr≦−26d+16 ──── (1)
【0016】
従来の八面体形状のマグネタイト粒子においては、上記の通り残留磁化が大きいが、この事実は、後述する図1にも示されている。この大きな残留磁化を下げるにあたっては、マグネタイト粒子にマグネタイト以外の添加成分を含有させたり、乾式処理を行って粒子表面の磁性を調整する等の手段が有効であるが、従来技術によるマグネタイト粒子にそのような手段を直接加えると、他の重要な特性が損なわれる。
【0017】
例えば、添加成分を含有させる手段としてケイ素成分を含有させたり、被覆したりすると耐熱性や流動性は向上するものの、ケイ素成分が過剰な場合には、磁気特性のバランスが崩れたり、耐環境性の不良を招いたりすることがある。また、乾式処理の手段として不活性ガス下で処理すると飽和磁化や黒色度の低下を抑えることはできるものの、コスト高の上、粒子表面の磁化が大きくなり磁気凝集が起こりやすくなるといった不具合が生じる。
【0018】
本発明のマグネタイト粒子は、上記の一般的な特性を損なうことなく、残留磁化が小さいことが特徴である。
【0019】
従って、上記式(1)を満たさないマグネタイト粒子では、従来の八面体形状のマグネタイト粒子レベルの大きな残留磁化を有することとなり、磁気凝集の改善がなされない。
【0020】
本発明のマグネタイト粒子は、空気中で150℃、2時間の熱処理を行う前後のFeO含有量の低下率(FeO劣化率)は20%以下が好ましく、15%以下がさらに好ましく、10%以下が特に好ましい。FeO劣化率が20%を超えると色味に劣り、耐熱性に劣ったものとなる。ここにおけるFeO劣化率は、下記で示される。
【0021】
FeO劣化率=[(加熱前FeO含有量−加熱後FeO含有量)/加熱前FeO含有量]×100
【0022】
また、本発明のマグネタイト粒子は、空気中で150℃、2時間の熱処理を行う前後において、下記に示す色相の変化ΔEが0.5以下が好ましく、0.4以下がさらに好ましい。色相の変化ΔEが0.5を超えると、耐熱性に劣ったものとなる。
【0023】
【数1】
Figure 0003544513
【0024】
また、本発明のマグネタイト粒子は、粒子内部にケイ素を含有し、その含有量がマグネタイト粒子総量に対しSiに換算して0.1〜3重量%であり、かつ粒子表層部に、亜鉛と鉄の化合物からなる下層被覆とケイ素と鉄の化合物からなる上層被覆を有する。
【0025】
この粒子内部のケイ素含有量は、飽和磁化等の特性を低下させずに残留磁化を低下させるために重要であり、マグネタイト粒子総量に対しSiに換算して0.1重量%未満では上記効果が得られないし、3重量%を超える場合には、飽和磁化が低下する。
【0026】
また、粒子表層部に亜鉛と鉄の化合物からなる下層被覆とケイ素と鉄の化合物からなる上層被覆が存在しない場合には、耐熱性に欠けるため、残留磁化は低いものの、飽和磁化や黒色度等の他の特性を安定させることが難しい。
【0027】
この亜鉛と鉄の化合物からなる下層被覆における亜鉛の含有量は、マグネタイト粒子総量に対しZnに換算して0.1〜1重量%であることが好ましく、0.2〜0.7重量%であればさらに好ましい。また、下層被覆中の亜鉛の比率は下層被覆中の鉄に対して7〜50モル%であることが好ましく、10〜40モル%であればさらに好ましい。
【0028】
また、ケイ素と鉄の化合物からなる上層被覆におけるケイ素の含有量は、マグネタイト粒子総量に対しSiに換算して0.05〜0.5重量%であることが好ましく、0.1〜0.4重量%であればさらに好ましい。また、上層被覆中のケイ素の比率は上層被覆中の鉄に対して10〜80モル%であることが好ましく、20〜50モル%であればさらに好ましい。
【0029】
本発明のマグネタイト子は、Fe、Si、Zn以外のAl、Mn、Ni、Cu、Mg、Ti、Co、Zr、W、Mo、P等を少なくとも1種以上含んでいてもよい。
【0030】
さらに、分散性を向上させるために、Al成分等を含有した、あるいは有機処理剤等による表面処理被覆を有するマグネタイト粒子であってもよい。
【0031】
また、本発明におけるマグネタイト粒子表面の被覆は、芯(コア)粒子表面に亜鉛と鉄の化合物及びケイ素と鉄の化合物が存在しているだけでも相応の効果があると考えられるが、被覆層である方が好ましいことは言うまでもない。
【0032】
また、上記亜鉛と鉄の化合物及びケイ素と鉄の化合物は、形態によらず効果を発揮するが、鉄成分が亜鉛及びケイ素存在下で酸化することにより、亜鉛及びケイ素を取り込むか、または結合した酸化鉄、いわゆる複合酸化鉄であることがより好ましい。
【0033】
次に、本発明のマグネタイト粒子の製造方法について述べる。
本発明のマグネタイト粒子の製造方法は、ケイ酸塩水溶液を含む第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液を混合して得られたスラリーのpHを10以上に維持しながら酸素含有ガスを通気して第1段の酸化反応を行い、酸化反応終了後、得られたマグネタイト粒子を含むスラリーに亜鉛を含む第一鉄塩水溶液を添加し、pH6〜9に調整して第2段の酸化反応を行い、さらにケイ酸塩を含む第一鉄塩水溶液を添加し、pH6〜9に調整して第3段の酸化反応を行い、得られたマグネタイト粒子を酸化性雰囲気中で加熱処理することを特徴とする。
【0034】
本発明のマグネタイト粒子は残留磁化を下げるためにケイ素成分を含んでいる必要がある。また、八面体形状を呈していなければならないので、ケイ酸塩水溶液を含む第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液を混合して得られたスラリーのpHを10以上に維持しながら酸素含有ガスを通気して第1段の酸化反応を行うことが重要である。従って、この条件を満たさない場合、八面体形状を呈し、かつ残留磁化の低いマグネタイト粒子を製造することはできない。
【0035】
また、上記芯粒子を含むスラリーに亜鉛を含む第一鉄塩水溶液を添加し、pH6〜9に調整して酸化反応を行い、さらにケイ酸塩を含む第一鉄塩水溶液を添加し、pH6〜9に調整して酸化反応を行う二重被覆により、空気中での乾式処理の併用も可能な耐熱性をマグネタイト粒子に与えることができる。
【0036】
ここで、二重被覆を行わなかったり、被覆の順序を変えたりすると、残留磁化を低くする効果が小さくなったり、マグネタイト粒子の色相や流動性が劣るものとなる。
【0037】
また、酸化性雰囲気中で加熱処理することにより、粒子表面の磁化をより弱くすることができ、その結果、磁気凝集の小さいマグネタイト粒子を得ることが可能である。この際の処理条件は酸化性雰囲気中で温度100〜300℃で、1〜6時間程度処理する方法が製造コスト面からみても好ましい。
【0038】
【実施例】
以下、実施例等により本発明を具体的に説明する。
【0039】
〔実施例1〕
Fe2+を2.0mol/l含有する水溶液50リットルに水溶性ケイ酸塩としてSi4+を0.288mol/l含有する水溶液を20リットル添加し、NaOHを5.0mol/l含有する水溶液42リットルと撹拌混合した。得られたスラリー中の残留NaOHは3.2g/lであった。このスラリーの温度を90℃に維持しながら空気を65リットル/min通気することで酸化を行い、マグネタイトコア粒子を得た(第1段酸化反応)。
【0040】
得られたスラリーにFe2+を0.28mol/l含有する硫酸第一鉄水溶液とZn2+を0.11mol/l含有する硫酸亜鉛水溶液との混合水溶液2.25リットルを添加し、混合スラリーのpHを8.5、温度90℃に維持しながら空気を通気して酸化を行い、表面を亜鉛と鉄の化合物にて被覆した(第2段酸化反応)。
【0041】
さらに、こうして得られたスラリーにFe2+を1.01mol/l含有する硫酸第一鉄水溶液とSi4+を0.44mol/l含有するケイ酸ナトリウム水溶液との混合水溶液2.25リットルを添加し、混合スラリーのpHを8.5、温度90℃に維持しながら空気を通気して酸化を行い、表面をケイ素と鉄の化合物にて被覆した(第3段酸化反応)。
【0042】
こうして得られたマグネタイト粒子のスラリーを常法の濾過、洗浄後、乾燥を行い、マグネタイト粒子を得る。ここでいう乾燥とは、100℃以下で洗浄ケーキ中の水分を飛ばし、粉体中の水分減量が100℃、1時間で0.5重量%未満となったところまでをいう。その後、150℃の空気中で2時間保持して熱処理を行った後、粉砕を行った。
【0043】
こうして得られた被覆層を有するマグネタイト粒子について、下記に示す方法で平均粒径、マグネタイト粒子全体に対する粒子内部及びトータルのケイ素品位、亜鉛及び熱処理前後におけるFeO品位、FeO劣化率、磁気特性、粉体の色相及び鏡面反射率の評価をそれぞれ行い、また式(1)値を求めた。結果を表2及び3に示す。また、平均粒径と残留磁化の関係についてグラフ化したものを図1に示す。また、熱処理時間(加熱処理温度150度)とFeO劣化率の関係を図2に示す。
【0044】
〔測定方法〕
(1)平均粒径
走査型電子顕微鏡で観察し、100個の粒子のフェレ径を測定して求めた。
(2)マグネタイト粒子総量に対する粒子内部のケイ素品位
試料0.9gを秤量し、1N−NaOH溶液25mlを加える。液を撹拌しながら45℃に加温し、粒子表面のケイ素成分を溶解する。濾過により得られた未溶解物を十分洗浄、乾燥して秤量後、塩酸−フッ酸混合液に溶解し、ICPにて測定した。
(3)トータルケイ素品位
試料を塩酸−フッ酸混合液に溶解し、ICPにて測定した。
(4)亜鉛品位
試料を酸溶解後、ICPにて測定した。
(5)FeO品位
過マンガン酸カリウム標準液による酸化還元滴定法によった。
(6)FeO劣化率
空気中で150℃、2時間の熱処理を行う前後のFeO品位から下式に基づいて求めた。
FeO劣化率=[(加熱前FeO品位−加熱後FeO品位)/加熱前FeO品位]×100
(7)磁気特性
東英工業製振動試料型磁力計VSM−P7を使用し、外部磁場10kOe(=796kA/m)及び1kOe(=79.6kA/m)にて熱処理後の試料を測定した。
(8)式(1)の値
(1)及び(7)の評価で得られた平均粒径と残留磁化値により計算した。
(9)粉体の色相
マグネタイト粒子2.0gにヒマシ油1.4ccを加え、フーバー式マーラーで練り込む、この練り込んだサンプル2.0gにラッカー7.5gを加え、さらに練り込んだ後、これをミラーコート紙上に4milのアプリケータを用いて塗布し、乾燥後、色差計(東京電色社製カラーアナライザーTC−1800型)にて測定した。
(10)鏡面反射率
スチレンアクリル系樹脂(TB−100F)を(樹脂:トルエン=1:2)にて溶解した液を60g、熱処理後の試料10g、直径1mmのガラスビーズ90gを内容積140mlのビンに入れ、蓋をした後、ペイントシェーカー(トウヨウセイキ社製)にて30分混合した。これをガラス板上に4milのアプリケーターを用いて塗布し、乾燥後、色差計にて黒色度、ムラカミ式GLOSS METER(GM−3M)にて60度の反射率を測定した。
【0045】
〔実施例2〜4及び比較例1〜6〕
表1に示されるように、各種製造条件を変更した以外は、実施例1と同様にマグネタイト粒子を製造した。また、実施例1と同様に各種性状及び特性を評価した結果を表2に示す。また、熱処理時間(加熱処理温度150度)とFeO劣化率の関係を図2に示す。
【0046】
【表1】
Figure 0003544513
【0047】
【表2】
Figure 0003544513
【0048】
【表3】
Figure 0003544513
【0049】
表2〜3及び図1に示されるように、実施例1〜4のマグネタイト粒子は、比較例1〜5のマグネタイト粒子に比較してFeO含有量が高く、耐熱性や色味を損なわず、また粒径に対応した残留磁化が低い。また、図2に示されるように、実施例1、2、4のマグネタイト粒子は、比較例1〜3、5のマグネタイト粒子に比較して熱処理時間に対するFeO劣化率が小さい。さらに、実施例1〜4のマグネタイト粒子は、比較例1〜5のマグネタイト粒子に比較して、鏡面反射率による分散性が向上しており、磁気凝集が改善されたものと推定される。
【0050】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のマグネタイト粒子は、八面体形状で、FeO含有量が高く、耐熱性や色味を損なわず、また残留磁化が低く、磁気凝集が小さい。また、本発明の製造方法によって、上記マグネタイト粒子が、簡便に、かつ工業的規模で得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】図1は、実施例及び比較例における平均粒径と残留磁化(σr)の関係を示すグラフ。
【図2】図2は、実施例及び比較例における熱処理時間とFeO劣化率の関係を示すグラフ(熱処理温度150℃)。

Claims (4)

  1. 粒子形状が八面体を呈し、平均粒径が0.05〜0.5μm、FeO含有量が24重量%以上であり、外部磁場10kOe(=796kA/m)における残留磁化σr(emu/g=Am 2 /kg)が平均粒径d(μm)との間に下記式(1)を満足し、
    粒子内部にケイ素を含有し、その含有量がマグネタイト粒子総量に対しSiに換算して0.1〜3重量%であり、かつ粒子表層部に、亜鉛と鉄の化合物からなる下層被覆とケイ素と鉄の化合物からなる上層被覆を有することを特徴とするマグネタイト粒子。
    σr≦−26d+16 ──── (1)
  2. 空気中で150℃、2時間の熱処理を行う前後において、FeO含有量の低下率が20%以下、かつ粉体の色相の変化ΔEが0.5以下である請求項1に記載のマグネタイト粒子。
  3. 亜鉛と鉄の化合物からなる下層被覆における亜鉛の含有量が、マグネタイト粒子総量に対しZnに換算して0.1〜1重量%であり、下層被覆中の亜鉛の比率が下層被覆中の鉄に対して7〜50モル%であり、
    ケイ素と鉄の化合物からなる上層被覆におけるケイ素の含有量が、マグネタイト粒子総量に対しSiに換算して0.05〜0.5重量%であり、上層被覆中のケイ素の比率が上層被覆中の鉄に対して10〜80モル%である請求項1又は2に記載のマグネタイト粒子。
  4. 請求項1記載のマグネタイト粒子の製造方法であって、ケイ酸塩水溶液を含む第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液を混合して得られたスラリーのpHを10以上に維持しながら酸素含有ガスを通気して第1段の酸化反応を行い、酸化反応終了後、得られたマグネタイト粒子を含むスラリーに亜鉛を含む第一鉄塩水溶液を添加し、pH6〜9に調整して第2段の酸化反応を行い、さらにケイ酸塩を含む第一鉄塩水溶液を添加し、pH6〜9に調整して第3段の酸化反応を行い、得られたマグネタイト粒子を酸化性雰囲気中で加熱処理することを特徴とするマグネタイト粒子の製造方法。
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