JP4088279B2 - 酸化鉄粒子及びその製造方法 - Google Patents

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本発明は、酸化鉄粒子及びその製造方法に関し、詳しくは粒子の表面に、鉄とケイ素とAlとを有する複合酸化物の薄膜を被覆することにより、磁気特性のバランスや粉体の流動性がよく、かつ粉体の低温低湿下及び高温高湿下での吸湿性や電気抵抗の環境依存性が少なく、特に静電複写磁性トナー用材料粉、静電潜像現像用キャリア用材料粉、塗料用黒色顔料粉等の用途に主に用いられる酸化鉄粒子及びその製造方法に関する。
最近、乾式電子写真複写機、プリンター等の磁性トナー用材料粉又は黒色顔料粉として、水溶液反応によるマグネタイト粒子が広く使用されている。磁性トナーとしては各種の一般的現像特性が要求されるが、近年、電子写真技術の発達により、特にデジタル技術を用いた複写機、プリンターが急速に発達し、要求特性がより高度になってきた。
すなわち、従来の文字以外にもグラフィックや写真等の出力も要求されており、特にプリンターの中には1インチあたり1200ドット以上の能力のものも現れ、感光体上の潜像はより緻密になってきている。そのため、現像での細線再現性の高さ、各環境下でも問題なく使用できること等が強く要求されている。
特に、静電複写機の磁性トナーに用いられている酸化鉄粒子の1種であるマグネタイト粒子は、その製造方法として湿式法と乾式法とが知られているが、そのうち湿式法の製造方法においては、第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを中和混合して得られる水酸化第一鉄スラリーを、特定の条件下で酸化反応を行うのが主流となっている。
この湿式法において、粉体の諸特性を改良する目的で様々な添加元素の使用と添加方法について検討されてきた。特に、ケイ素を使用することで電気的な特性と同時に粉体の流動性について改善することが示されている。例えば、特許文献1、特許文献2、特許文献3、特許文献4等に開示されているマグネタイト粒子及びその製造方法が代表的なものとして挙げられる。
このうち、特許文献1においては、酸化ケイ素の微粉末やシリコンオイル等を有機溶媒によって希釈後、付着処理を施す磁性粉末を開示しているが、この磁性粉末では機械的な手段によるため粒子上のケイ素成分の均一性に問題があり、ケイ素成分による効果が充分に期待できない。
また、特許文献2によると、磁性酸化鉄中のケイ素元素の存在率が鉄元素を基準として0.1〜1.5重量%、かつ該磁性酸化鉄の鉄元素溶解率が約10重量%迄に存在するケイ素元素の含有率が約0.7重量%以下、該磁性酸化鉄の鉄元素溶解率が約90乃至100重量%の間に存在するケイ素元素の含有率が0.2〜5重量%、前者と後者の比が1.0以上であるケイ素元素を有する磁性酸化鉄について開示している。しかし、この磁性酸化鉄では、粒子全体量から換算して、表面から内部10重量%に至るまでのケイ素含有量はSi/Feのモル比(%)が0.2%程度に過ぎず、やはり粉体の流動性において問題がある。
また、特許文献3においては、予め反応前の水酸化アルカリ又は水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩反応水溶液のいずれかに水可溶性ケイ酸塩をFeに対しSi換算で0.1〜5.0原子%添加するマグネタイト粒子の製造方法を開示しているが、このマグネタイト粒子では反応前にケイ酸塩を添加するため、粒子表面近傍のケイ素含有量は著しく低く、粉体の流動性において問題がある。
さらに、特許文献4には、鉄−亜鉛酸化物の薄膜が被覆され、その上に鉄−ケイ素酸化物の薄膜が被覆され、黒色を呈し、磁気特性もバランス良く向上し、かつ粉体の凝集による流動性不良を改善して分散性を向上させた酸化鉄粒子について開示されているが、最表面層にケイ素成分を存在させているために、温度や湿度が変化したときの吸湿性や電気抵抗の変化が大きくなってしまうので、環境依存性に対して劣ったものとなってしまう。
特開昭54−139544号公報 特開昭62−278131号公報 特公平3−9045号公報 特開平8−48524号公報
従って、本発明の目的は、黒色度の度合いを損なわず、磁気特性もバランスよく向上させ、特に小粒径の酸化鉄粒子において問題とされる凝集による流動性不良を改善せしめ、さらに低温低湿下及び高温高湿下において吸湿性や電気抵抗の環境依存性が小さい酸化鉄粒子及びその製造方法を提供することにある。
本発明者らは、鋭意検討の結果、酸化鉄粒子表面に、鉄とケイ素と共に、Alを有する複合酸化物の薄膜を被覆することによって、上記目的が達成されることを知見した。
本発明は、上記知見に基づきなされたもので、粒子表面が、鉄とケイ素とAlを有する複合酸化物の薄膜で被覆されたことを特徴とする酸化鉄粒子を提供するものである。
また、本発明は、本発明の酸化鉄粒子の好ましい製造方法として、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩スラリーを酸化することにより得られた酸化鉄粒子を含むスラリー又は酸化鉄粒子を水分散させたスラリーに、水可溶性ケイ酸塩とAlを含有する第一鉄塩水溶液を添加し、pH6〜9に維持しながら酸化し、粒子表面を被覆することを特徴とする酸化鉄粒子の製造方法を提供するものである。
さらにまた、本発明は、本発明の酸化鉄粒子の好ましい製造方法として、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩スラリーを酸化することにより得られた酸化鉄粒子を含むスラリー又は酸化鉄粒子を水分散させたスラリーに、水可溶性ケイ酸塩を含有する第一鉄塩水溶液を添加し、pH6〜9に維持しながら酸化した後、さらにAlを含有する第一鉄塩水溶液を添加し、pH6〜9に維持しながら酸化し、粒子表面を被覆することを特徴とする酸化鉄粒子の製造方法を提供するものである。
本発明の酸化鉄粒子は、酸化鉄コア粒子の表面を鉄とケイ素とAlとを有する複合酸化物の薄膜で被覆しているために、磁気特性や流動性のみならず、吸湿性や電気抵抗の環境依存性が少なく、静電複写磁性トナー用材料粉、静電潜像現像用キャリア用材料粉、塗料用黒色顔料粉等の用途に好適である。また、本発明の製造方法によって、上記酸化鉄粒子が簡便に、かつ工業的規模で製造できる。
以下、本発明の実施の形態を説明する。
本発明でいう酸化鉄粒子とは、好ましくはマグネタイトを主成分とするものである。以下の説明では、酸化鉄粒子としてその代表的なものであるマグネタイト粒子について説明する。また、酸化鉄粒子又はマグネタイト粒子という時にはその内容によって個々の粒子又はその集合のいずれも意味する。
本発明のマグネタイト粒子は、その粒子表面が、鉄とケイ素とAlとを有する複合酸化物の薄膜で被覆されている。すなわち、芯材(コア材)となるマグネタイトコア粒子の表面に上記複合酸化物の薄膜が被覆されている。ここで複合酸化物とは、鉄成分をケイ素成分やその他の元素成分の存在下で酸化することによって、ケイ素やその他の元素を取り込み又は結合した酸化物を指す。
複合酸化鉄を形成するケイ素の存在量は、酸化鉄粒子総量の鉄の含有量に対し、Si/Feのモル比(%)で0.4〜2%であることが望ましく、0.6〜1.4%がさらに望ましい。この値が0.4%未満では粉体としての凝集性が強くなってしまう。また、この値が2%を超える場合、流動性の改善はできるものの、ケイ素成分の露出が多くなりすぎ、水洗時の濾布への目詰まりにより、作業性が困難となったり、磁性体としての飽和磁化が低下してしまうといった問題が発生する。
このケイ素と同時に含有されるAlの含有量は、表面に存在するケイ素に対してそのモル比で1〜100%であるのが好ましい。その含有量が1%未満では、添加元素に求められる環境依存性を改善する効果が得られず、また100%を超えると、ケイ素成分で得られる流動性が失われてしまうばかりでなく、磁性体としての充分な磁気特性が得られない。
本発明で使用するAlがマグネタイト粒子の環境依存性を改善する理由については必ずしも明らかではないが、本発明者らはこれらの元素はそのもの単独で、あるいは鉄と複合酸化物の状態となった場合には、粒子表面のケイ素成分と特異的に作用し、ケイ素成分の水との結合活性点の活性度を低下させるためだと推定した。
また、本発明のマグネタイト粒子は、10kOeの外部磁場における飽和磁化が好ましくは75emu/g以上、さらに好ましくは80〜92emu/gである。また、粒子中のFeO含有率が18重量%以上であることが望ましい。FeO含有率が18重量%未満では、充分な磁気特性が得られないばかりでなく、黒色粉体としての色相も赤みを帯びたものとなってしまう。
本発明のマグネタイト粒子は、10℃、20%RHと35℃、85%RHの各環境下で4時間曝露された後の吸湿率(重量%)をそれぞれΔWLL、ΔWHHとし、比表面積をA(m2/g)としたときに、下記式(1)を満足することが望ましい。
(ΔWHH−ΔWLL)/A≦0.05 ・・・・・ (1)
マグネタイト粒子は、環境の変化に対して粒子の吸湿率の変化が小さいことが望ましい。吸湿性は、粒子の比表面積が大きくなればなるほど比例的に増加することが推定でき、Alの含有効果を単位面積当たりで評価することで、吸湿の環境依存性がどの程度であるかが明らかになる。各環境における吸湿率の差を比表面積で除した値が、上記式(1)に示されるように0.05以下が好ましく、さらに好ましくは0.04以下である。(ΔWHH−ΔWLL)/Aが0.05を超えると、電気抵抗等に対する吸湿性の影響が大きくなり、静電複写磁性トナー用材料粉又は静電潜像現像用キャリア用材料粉用マグネタイト粒子としての環境安定性が損なわれる恐れがある。
また、本発明のマグネタイト粒子は、10℃、20%RHと35℃、85%RHの各環境下で24時間曝露された後の体積電気抵抗の測定値(Ω・cm)をそれぞれΔRLL、ΔRHHとしたときに、下記式(2)を満足することが必要である。
1≦ΔRLL/ΔRHH≦10 ・・・・・ (2)
マグネタイト粒子は、環境の変化に対して体積電気抵抗の変化が小さいことが望ましい。一般に湿度が高くなれば電気抵抗が低下することが知られているが、鉄とケイ素の複合酸化鉄を表面に被覆したマグネタイト粒子にAlを含有させることで、環境変化に対する電気抵抗の変化を小さく抑えられる。本発明ではいずれの環境でも電気抵抗として1×106Ω・cm以下であり、なおかつ環境依存性の小さいマグネタイト粒子が好ましい。ΔRLL/ΔRHHの値は、上記式(2)に示されるように1〜10であり、好ましくは1〜8である。ΔRLL/ΔRHHの値が1未満の場合には出力画像の環境安定性が損なわれる恐れがある。また、ΔRLL/ΔRHHの値が10を超えると静電複写磁性トナー用材料粉又は静電潜像現像用キャリア用材料粉用マグネタイト粒子としての環境安定性、ひいては出力画像の環境安定性が損なわれる恐れがある。さらに好ましい環境依存性としては以下の条件を同時に満たすものが良い。
1≦ΔRLL/ΔRNN≦3、かつ1≦ΔRNN/ΔRHH≦3
〔但し、RNNは23℃、55%RH環境下で測定した粉体の電気抵抗値(Ω・cm)である〕
また、本発明のマグネタイト粒子は、反射率(60度)が85%以上であることが望ましい。反射率(60度)が85%未満では樹脂への分散性に問題が生じる。
本発明におけるマグネタイトコア粒子には、Zn、Mn、Co、Si、Al、Ti、Mg等の元素を含有したものも包含される。また、酸化時の条件を変えることで粒子の形状を八面体、六面体、球形と変えられることも知られているが、本発明のマグネタイト粒子は、いずれの形状のものにも適用可能である。
また、マグネタイト粒子表面の複合酸化物は、鉄とケイ素とAlとを含有していれば良いが、ケイ素とAlが共に鉄成分に取り込まれ又は結合した複合酸化鉄であることが好ましい。
次に、本発明の好ましい製造方法について説明する。
本発明のマグネタイト粒子の製造方法は、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩スラリーを酸化することにより得られた酸化鉄粒子を含むスラリー又は酸化鉄粒子を水分散させたスラリーに、水可溶性ケイ酸塩とAlを含有する第一鉄塩水溶液を添加し、pH6〜9に維持しながら酸化し、粒子表面を被覆することを特徴とする。
また、本発明のマグネタイト粒子の他の製造方法は、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩スラリーを酸化することにより得られた酸化鉄粒子を含むスラリー又は酸化鉄粒子を水分散させたスラリーに、水可溶性ケイ酸塩を含有する第一鉄塩水溶液を添加し、pH6〜9に維持しながら酸化した後、さらにAlを含有する水溶液を添加してpHを調整し、粒子表面を被覆することを特徴とする。
さらに、本発明のマグネタイト粒子の他の製造方法は、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩スラリーを酸化することにより得られた酸化鉄粒子を含むスラリー又は酸化鉄粒子を水分散させたスラリーに、水可溶性ケイ酸塩を含有する第一鉄塩水溶液を添加し、pH6〜9に維持しながら酸化した後、さらにAlを含有する第一鉄塩水溶液を添加し、pH6〜9に維持しながら酸化し、粒子表面を被覆することを特徴とする。
これら本発明のマグネタイト粒子の製造方法において、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩スラリーは、第一鉄塩水溶液とアルカリ水溶液とを中和混合して得られる。ここで用いられる第一鉄塩としては、硫酸第一鉄、塩化第一鉄等が挙げられる。アルカリとしては水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウム、水酸化カリウム等が用いられる。
また、本発明のマグネタイト粒子の製造方法においては、マグネタイト粒子を水分散させたスラリーを出発原料として被覆工程を行っても良く、その際に使用されるマグネタイト粒子は湿式法、乾式法いずれにより作成されたものでも良い。
本発明に使用されるAlの化合物は水溶液として使用できるものであれば何ら限定されず、例えば塩化物、硫酸塩、アルミン酸ナトリウム等を用いることができ、さらにこれらの成分を同時に使用することもできる。
これらの製造方法において、酸化する方法としては、酸素含有ガスを通気すればよく、経済的にも好ましくは空気を使用する。また、液体の酸化剤を使用してもよい。また、この酸化の際の液温は、好ましくは70〜98℃である。
このようなマグネタイトコア粒子表面に複合酸化物の薄膜を被覆した後、通常の濾過、洗浄、乾燥、粉砕工程を経て、マグネタイト粒子が得られる。
以下、実施例等に基づき本発明を具体的に説明する。
〔実施例1〕
(マグネタイトコア粒子の製造)
表1に示されるように、Fe2+2.0mol/lを含む硫酸第一鉄水溶液50リットルと4.0mol/lの水酸化ナトリウム水溶液52リットルとを混合撹拌し、水酸化第一鉄スラリーを得た。このときのpHは11.2であった。このスラリーを85℃に維持しながら65リットル/minの空気を吹き込み反応を終了させた。
(複合酸化鉄薄膜の被覆)
次いで、Fe2+1.0mol/lとSi成分が0.44mol/l及びAl成分がこのSiに対して60mol%となるように添加した水溶液2.3リットルを別に用意し、上述の反応スラリーに加え、pHを8.5に調整した後、再び20リットルの空気を吹き込み反応を終了させた。得られた生成粒子を通常の濾過、洗浄、乾燥、粉砕工程にて処理し、マグネタイト粒子を得た。
このようにして得られたマグネタイト粒子について、以下に示す方法で特性、物性を評価し、その結果を表2に示す。
〔測定方法〕
(1)添加元素含有量
サンプルを溶解し、ICPにて測定した。
(2)FeO含有量
サンプルを硫酸にて溶解し、過マンガン酸カリウム標準溶液にて酸化還元滴定により測定した。
(3)飽和磁化
東英工業製振動型磁力計VSM−P7を使用し、外部磁場10kOeにて測定した。
(4)比表面積
島津−マイクロメリッテクス製2200型BET計にて測定した。
(5)各環境下での吸湿率
マグネタイト粒子を乾燥機で105℃、1時間にて予備乾燥させ(このときの乾燥重量をW1とする)、環境室内にて10℃、20%RHと35℃、85%RHの環境下にそれぞれ4時間曝露し吸湿させた(このときの吸湿重量をW2とする)。それぞれの重量測定から以下の式にて吸湿率(重量%)を算出した(ΔWLL:10℃、20%RHでの吸湿率、ΔWHH:35℃、85%RHでの吸湿率)。
ΔW:吸湿率(重量%)={(W2−W1)/W1}×100
また、この粒子の比表面積をA(m2/g)としたとき、単位比表面積あたりの吸湿率の変化は下記式(1)にて示した。
(ΔWHH−ΔWLL)/A … … … (1)
(6)各環境下での電気抵抗
マグネタイト粒子を環境室内にて10℃、20%RHと35℃、85%RHの環境下にそれぞれ24時間曝露した。このサンプル10gをホルダーに入れ、600kg/cm2の圧力を加えて25mmφの錠剤型に成形後、電極を取り付け150kg/cm2の加圧状態で電気抵抗を測定した。測定に使用した試料の厚さ及び断面積と抵抗値からマグネタイトの体積抵抗値(Ω・cm)を求めた(ΔRLL:10℃、20%RHでの体積電気抵抗、ΔRHH:35℃、85%RHでの体積電気抵抗)。
また、電気抵抗の環境依存性については、下記式(2)にて示した。
ΔRLL/ΔRHH … … … (2)
(7)反射率
スチレンアクリル系樹脂(TB−1000F)をトルエン(樹脂:トルエン=1:2)にて溶解した液を60g、試料10g、直径1mmのガラスビーズ90gを内容積140mlのビンに入れ、蓋をした後、ペイントシェーカー(トウヨウセイキ社製)にて30分混合した。これをガラス板上に4milのアプリケーターを用いて塗布し、乾燥後、ムラカミ式GLOSS METER(GM−3M)にて60度の反射率を測定した。
〔実施例2〜4〕
表1に示すように、製造条件を変えてマグネタイト粒子を製造し、得られたマグネタイト粒子を実施例1と同様に評価し、その結果を表2に示す。
〔比較例1〜2〕
表1に示すように、製造条件を変えてマグネタイト粒子を製造し、得られたマグネタイト粒子を実施例1と同様に評価し、その結果を表2に示す。
Figure 0004088279
Figure 0004088279
表2から明らかなように、実施例1〜4のマグネタイト粒子は、磁気特性に優れ、低温低湿や高温高湿でも吸湿性や電気抵抗の環境依存性が小さいものとなっている。それに対して、比較例1のマグネタイト粒子は、反射率に劣り、また比較例2のマグネタイト粒子は、Alでの表面処理を行わなかったため、環境変化に対する吸湿変化が大きく、また電気抵抗の変化も大きいものであった。

Claims (7)

  1. 粒子表面が、鉄とケイ素とAlとを有する複合酸化物の薄膜で被覆されており、
    10℃、20%RHと35℃、85%RHの各環境下で24時間曝露された後の体積電気抵抗の測定値(Ω・cm)をそれぞれΔRLL、ΔRHHとしたときに、下記式(2)を満足することを特徴とする酸化鉄粒子。
    1≦ΔRLL/ΔRHH≦10 ・・・・・ (2)
  2. 上記複合酸化物を形成するケイ素の存在量が、酸化鉄粒子総量の鉄の含有量に対し、Si/Feのモル比(%)で0.4〜2%である請求項1に記載の酸化鉄粒子。
  3. 10kOeの外部磁場における飽和磁化が75emu/g以上、FeO含有率が18重量%以上である請求項1又は2に記載の酸化鉄粒子。
  4. 10℃、20%RHと35℃、85%RHの各環境下で4時間曝露された後の吸湿率(重量%)をそれぞれΔWLL、ΔWHHとし、比表面積をA(m2/g)としたときに、下記式(1)を満足する請求項1、2又は3に記載の酸化鉄粒子。
    (ΔWHH−ΔWLL)/A≦0.05 ・・・・・ (1)
  5. 反射率(60度)が85%以上である請求項1〜4のいずれかに記載の酸化鉄粒子。
  6. 水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩スラリーを酸化することにより得られた酸化鉄粒子を含むスラリー又は酸化鉄粒子を水分散させたスラリーに、水可溶性ケイ酸塩とAlを含有する第一鉄塩水溶液を添加し、pH6〜9に維持しながら酸化し、粒子表面を被覆することを特徴とする酸化鉄粒子の製造方法。
  7. 水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩スラリーを酸化することにより得られた酸化鉄粒子を含むスラリー又は酸化鉄粒子を水分散させたスラリーに、水可溶性ケイ酸塩を含有する第一鉄塩水溶液を添加し、pH6〜9に維持しながら酸化した後、さらにAlを含有する第一鉄塩水溶液を添加し、pH6〜9に維持しながら酸化し、粒子表面を被覆することを特徴とする酸化鉄粒子の製造方法。
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