JP2005263619A - 疎水性磁性酸化鉄粒子 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 本発明は、磁性酸化鉄を基体粒子とし、その表面にシラン化合物を被覆した疎水性磁性酸化鉄粒子であって、シラン化合物のトルエン中への溶出率が30%以下であることを特徴とする疎水性磁性酸化鉄粒子であり、トルエン溶出率、分散性、分散安定性及び撥水性に優れ、特に重合トナー用を始めとする静電複写磁性トナー用材料粉として好適である。
【選択図】 なし
Description
例えば、特開2003−131422号公報(特許文献1)には以下のように記載されている。
以上の様な粉砕法によるトナーの問題点を克服するため、更には上記のごとき要求を満たすため、懸濁重合法トナーを始めとする、湿式プロセスで製造する各種重合法の開発が盛んである。
このような重合法トナーは湿式プロセスで製造されるものであり、トナーに用いる磁性酸化鉄粒子も自ずと粉砕法トナーに適用するものとは異なる特性が要求される。
例えば、特開昭59−200254号公報(特許文献2)、特開昭59−200256号公報(特許文献3)、特開昭59−200257号公報(特許文献4)、特開昭59−224102号公報(特許文献5)等に磁性体の各種シランカップリング剤処理技術が提案されており、特開昭63−250660号公報(特許文献6)、特開平10−239897号公報(特許文献7)では、ケイ素元素含有磁性粒子をシランカップリング剤で処理する技術が開示されている。
磁性酸化鉄の磁気特性については、飽和磁化はできるだけ高く、その一方で、磁気凝集に影響する残留磁化はできるだけ小さいものが好ましい。しかしながら、磁性酸化鉄、特に強磁性体の残留磁化と飽和磁化は通常連動しており、飽和磁化が大きくなると残留磁化も大きくなるという性質のため、これを満足するものはなかった。
前記のシラン化合物は、RaSiX4−a(R;炭素数4以上18以下のアルキル基,a;1〜3の整数,X;メトキシ基またはエトキシ基)で表されるシラン化合物が好ましい。
次に本発明の疎水性磁性酸化鉄の基体粒子となる磁性酸化鉄は、マグネタイト、マグヘマイト等であり、これらを1種または2種以上併用して用いる。その粒子形状は多面体、八面体、六面体、球形、針状、鱗片状などその形状は限定されないが、比較的残留磁化が低く、磁気凝集が小さいことに起因して、粒子同士の絡みが少なく、分散性に優れた球状であることが好ましい。また、リン、アルミニウム、珪素、コバルト、ニッケル、銅、マグネシウム、マンガン等の元素を含んでもよい。また、これらの磁性酸化鉄は、窒素吸着法によるBET比表面積が2〜50m2/gが好ましく、5〜30m2/gが特に好ましい。
湿式法のマグネタイト粒子は基本的に第一鉄塩水溶液と水酸化アルカリとの中和反応することにより水酸化第一鉄沈殿を生成させ、必要によっては水酸化第一鉄沈殿の生成前、生成中もしくは生成後にSi、Al、P、Mg等の成分を添加し、pH、温度および空気吹き込み量を調整しながら酸化反応を進めることによりマグネタイト粒子が得られる。第一鉄塩水溶液と水酸化アルカリとの比率、pH、酸化速度、鉄濃度、添加成分の種類や量によって、得られるマグネタイト粒子の大きさや形状を任意に調整することができる。得られる形状は多面体、八面体、六面体、球形、針状、鱗片状などであり、大きさは実用的には体積基準における一次の累積平均粒子径が0.05〜0.5μmのものが好ましい。
磁性酸化鉄粒子は磁性を有するため、水系分散媒中で一次粒子の状態を維持するのは困難であり、二次粒径を出来る限り小さくするということが肝要である。
前記の基体となる磁性酸化鉄を水中に懸濁させ、所定量のシラン化合物を添加し、1〜48時間撹拌保持後、固液分離、洗浄、乾燥、粉砕する。
シラン化合物を添加するときの水系分散媒のpHは、用いるシラン化合物の種類、シラン化合物の加水分解の有無ならびに基体磁性酸化鉄の等電点により異なるが、基体磁性酸化鉄の二次粒径を小さくするためには、基体磁性酸化鉄の等電点から2pH程度離れているところを選択するのが好ましい。例えば、基体とする磁性酸化鉄がマグネタイト粒子の場合当該pHは4〜6、または9〜11であり、pHが4より低いとマグネタイト粒子が溶解するので好ましくない。一方、シラン化合物をそのまま添加する場合は、加水分解の促進に有利な酸性領域を選択した方が好ましい。すなわち、基体とする磁性酸化鉄粒子がマグネタイト粒子であり、かつシラン化合物をそのまま添加する場合における水系分散媒のpHは4〜6が好ましい。シラン化合物の被覆量が全体の80%を超えてからは分散安定性を良くするためにpHを7〜10、好ましくは8〜9に高めるのが良い。
マグネタイトスラリーを分散機等による機械的・物理的に撹拌し、さらにマグネタイトスラリーのpHを等電点から離れた領域に調整し、マグネタイト粒子同士の静電反発を利用しながらシラン化合物の表面処理を行う。湿式法であれば、酸化終了して得られたスラリー状態のマグネタイト粒子を湿式のまま乾燥工程を経ずに表面処理することが効率的であるが、乾式法で得られたものであっても、これを表面処理するために水分散媒中に懸濁させる際に機械的撹拌による分散と粒子同士の静電反発を利用による分散で二次粒径を小さくすることができ、結果として表面処理剤の均一処理が達成できる。
以下に、各特性の測定方法について説明する。
(TEMによる体積基準における累積平均粒子径(μm)の測定)
透過型電子顕微鏡(JEOL製「JEM−200CX」(商品名))を用い、倍率30,000倍にて試料粒子の形状観察、及び300個の粒子について円相当径の粒子径測定を行い、一次粒子の体積基準における累積平均粒子径(d50%)を算出した。
(比表面積(m2/g)の測定)
島津-マイクロメリティクス製「GEMINI2375」を用いてB.E.T.一点法(定圧法)で測定した。
(シラン化合物の被覆量(mg/m2)の測定)
まず測定溶液の作製手順を述べる。500℃で焼成した、シラン化合物を被覆した試料粉末の1gを10mlの濃塩酸中で加熱溶解した後、純水を加えて全量を100mlとした(母液)。母液から20mlを分取し、純水を加えて全量を100mlとした溶液(測定用)を作製した。さらに母液から20mlを分取し、原子吸光分析用のシリカ標準液を所定量添加した後、純水を加えて全量を100mlとした溶液(標準化用)を作製した。
5」(商品名))を用いて標準添加法にて測定溶液中のSi量(mg)を求め、粉末中の
Si量(%)を算出した。基体粉末についてもシラン化合物を被覆した試料粉末と同様の手順で測定溶液を作製し、ICP発光分析装置分析により粉末中のSi量(%)を求めた。
まず、50mlのスクリュー管瓶に試料粉末を20.0g、続けて試薬一級トルエンを13.0g計りとった。スクリュー管瓶に蓋をして10sec間手で軽く振とうした後、水を入れた超音波洗浄機(KAIJO DENKI CO.LTD製「ULTRASONIC CLEANER CA−2481」(商品名))にセットし、60分間超音波を照射した。その後、遠心分離器(株式会社 久保田製作所製「テーブルトップ遠心機 5420」(商品名))を用いて2,000rpmで15分間遠心分離を行った後、速やかに上澄みを取り除き、沈降物をスパチュラを用いて時計皿に取り出した。時計皿に取り出した沈降物を90℃に調整した乾燥機内に1時間入れてトルエンを揮散させた。コーヒーミルで解砕したものを(1)に示す手順に従い、トルエン溶出前後のシラン化合物被覆量を求め、次式によりトルエン溶出率を算出した。
目開き1mmのふるいで通過したものを疎水化度測定用試料粉末とした。試験粉末0.10gを容量50mlビーカーの水10mlに添加した。これをマグネチックスターラーで100rpmで撹拌しながら、メタノールをマイクロチューブポンプ(TOKYO RIKAKIKAI CO.LTD製「MICRO TUBE PUMP MP−3」(商品名))を用いて液中に液底部より徐々に添加した。液面に浮遊した試験粉末が確認されなくなった点を試験の終点とした。疎水化度は、試験終点までに添加したメタノールの体積と水10ml混合液中のメタノールの体積百分率として表した。
(水分量の測定)
水分量は平沼産業株式会社製「平沼微量水分測定装置AQ−6」(商品名)で測定したもので、100℃で蒸発する水分量である。また、30℃、相対湿度81%に調整した環境試験機(株式会社カトー製)内に、試験粉末の5gを入れた秤量瓶を置き、1週間経時したものの水分量と試験する前の水分量との差を、高温高湿下での吸着水分量とした。
(スチレン・nブチルアクリレート分散媒中の粒度分布の測定)
スチレン(シグマアルドリッチジャパン株式会社製SAJ一級)の32gおよびn−ブチルアクリレート(東京化成工業株式会社製試薬)の8gを150mLのガラス瓶に量りとり、これをディスパーマット装置(VMA−GETZMANN製)に備え付けの器具で固定した。ディスパーマット装置に30mmφのノコギリ歯状ディスクを取り付け600rpmで撹拌した状態で、試料粉末の36gを約1分かけて投入し、続けて4,000rpmまで回転数を上げて30分間保持することにより、粒度分布測定用の分散スラリーを調製した。分散スラリーの粒度分布を粒度分布測定装置(日機装製「マイクロトラックUPA」(商品名))を用いて測定し、体積基準における累積平均粒子径(d50%)(μm)を求め、さらに前記数1の式に従いd84%とd16%からSD値(μm)を算出した。
(トルエン中での分散安定性)
100mlポリビーカーに試験粉末の1.5g、トルエン50mlをこの順番で入れ、スパチュラでかき混ぜてスラリー化した。このスラリーが入った100mlポリビーカーをステンレス製容器内の中央部に置き、分散中の温度上昇を抑制する目的でステンレス製容器内に氷水を入れた。次に超音波ホモジナイザー(CHO−ONPA KOGYO製「ULTRA SONICGENERATOR」(商品名))をスラリー中に浸せきし、5分間分散した。分散終了スラリーを50mLスクリュー管瓶に移し、静置観察した。2時間静置後、スクリュー管瓶の背面から懐中電灯を当てることにより、光が透過する場合を分散安定性が×、光が透過しない場合は分散安定性が○とした。
(P2O5及びSiO2含有量分析(重量%))
試験粉末を溶解し、ICP(Nippon Jarrell−Ash製「ICAP−575」(商品名))にてPおよびSi含有量を測定し、それぞれP2O5及びSiO2含有量に換算した。
(磁気特性の測定)
振動試料型磁力計(東英工業製「VSM−3」(商品名))を使用し、外部磁場79.6kA/mにて飽和磁化:σs(Am2/kg)、及び残留磁化:σr(Am2/kg)を測定した。以下に操作の詳細を示す。まず、標準試料を使用し、振動試料型磁力計の+398kA/m印加時の磁化量を5EMUに調整した。内容量が0.05655cm3のセルに、試料粉末を充填密度として2.20〜2.40g/cm3の範囲になるように充填した。外部磁場を+79.6kA/mに設定し、外部磁場が0A/mから試料への印加を行った。+63.7kA/m付近より印加速度を下げ、+78kA/m以上では印加速度を最低の20min/Full−scaleにし、+79.6kA/m以上に印加しないようにした。+79.6kA/mの印加はGAUSS METERの出力値が +1.000 Vであることで確認した。+79.6kA/m印加させた状態の磁化量(+σs)としてMAIN AMPLIFIERの出力値(V)を読み取った。磁化量は時間経過とともに緩やかに変化するので、出力値の読み取りは+79.6kA/mの印加を確認した時点で速やかに行った。+σs値を読み取った後、減磁させた。外部磁場が0A/mであることを確認し、磁場を反転して−79.6kA/mまで印加させた。外部磁場0A/mにおける残留磁化量の+σr値を求めた。それぞれは外部磁場変化に伴う磁化量の推移をレコーダーに出力し紙面上より目視で読み取った。+σrを求める際の印加速度は7min/Fullscaleにした。+σr値が読み取り可能と判断した後、印加速度を速くして−79.6kA/mまで印加させ、−79.6kA/m印加させた状態の磁化量(−σs)としてMAIN AMPLIFIERの出力値を読み取った。+σsの読み取り操作と同様に、−63.4kA/m以上は印加速度を下げ、−78kA/m以上の印加速度は最低の20min/Fullscaleにし、79.6kA/m以上に印加しないようにした。−79.6kA/mの確認をGAUSS METERの出力値で行う点及び−σsとしてMAIN AMPLIFIERの出力値の読み取りを速やかに行う点は+σsと同様である。−σs値を読み取った後、減磁させた。外部磁場0A/mを確認し、磁場を反転して+79.6kA/mまで印加させた。外部磁場0A/mにおける残留磁化量の−σr値を求めた。これらも外部磁場変化に伴う磁化量の推移をレコーダーに出力し紙面上より目視で読み取った。また、印加速度は7min/Fullscaleに設定した。
(等電点の測定)
基体粒子の等電点をZETAR−METERINC.製のZETA−METERを用いて測定した。
(基体粒子スラリーの体積基準における累積平均粒子径の測定)
基体粒子の分散スラリーの粒度分布を粒度分布測定装置(日機装製「マイクロトラックHRA」(商品名))を用いて測定し、体積基準における累積平均粒子径(μm)を求めた。
製造例Aの基体粒子を用いた。基体の等電点を測定したところpH8.0であった。基体スラリーのpHを5.0に調整し、TKホモミキサー(6,000rpm)で30分間分散した。分散スラリーの平均粒子径は0.72μmであった。分散スラリーの温度を40℃、基体濃度を100g/Lに調整後、塩酸:水=1:9(体積比)の希塩酸でスラリーpHを5.0に調整し、30分間保持した。スラリーpHを5.0に再調整後、基体マグネタイト重量に対して1.75%(有効被覆量1.45%)相当量の、予め加水分解処理を施したシラン化合物のn−デシルトリメトキシシラン液を添加し、同pH下で5時間撹拌保持した。撹拌機はTKホモミキサーを用いた。次にローラーポンプを用いて100g/Lの水酸化ナトリウム水溶液を2時間連続添加してpH8.0に調整し1時間保持した。なお、処理の開始から終了までスラリーの温度は40℃を維持した。処理終了スラリーはフィルタープレスを用いてろ過し、純水を使用してろ液の電気伝導度が200μS/cm以下となるまで洗浄した。洗浄ケーキを90℃で2時間乾燥後、続けて130℃で1時間熱処理を行った。熱処理物をTASM−1型サンプルミルを用いて粉砕した。
(実施例2)
基体粒子を表1に示すBに変更し、シラン化合物のn−デシルトリメトキシシラン液の添加量を1.44%とした以外は実施例1と同様の操作で疎水性磁性体酸化鉄粒子を得た。
(実施例3)
基体粒子を表1に示すCに変更し、シラン化合物のn−デシルトリメトキシシラン液の添加量を1.81%とした以外は実施例1と同様の操作で疎水性磁性体酸化鉄粒子を得た
(実施例4)
基体粒子を表1に示すDに変更し、シラン化合物のn−デシルトリメトキシシラン液の添加量を1.55%とした以外は実施例1と同様の操作で疎水性磁性体酸化鉄粒子を得た。
(実施例5)
基体粒子を表1に示すDに変更し、シラン化合物のn−デシルトリメトキシシランの添加量を1.18%とした以外は実施例1と同様の操作で疎水性磁性酸化鉄粒子を得た。
(実施例6)
基体粒子を表1に示すDに変更し、シラン化合物をn−オクチルトリエトキシシランに変更し、その添加量を1.87%とした以外は実施例1と同様の操作で疎水性磁性酸化鉄粒子を得た。
(実施例7)
基体粒子を表1に示すDに変更し、シラン化合物をn−ヘキシルトリメトキシシランに変更し、その添加量を1.64%とした以外は実施例1と同様の操作で疎水性磁性酸化鉄粒子を得た。
(実施例8)
基体粒子を表1に示すDに、シラン化合物をn−ヘキシルトリメトキシシランの原液に、添加量を1.64%に、添加後の保持時間を20時間にそれぞれ変更する以外は、実施例1と同様の方法で疎水性磁性酸化鉄粒子を得た。
(実施例9)
基体粒子を表1に示すEに変更し、シラン化合物をn−ヘキシルトリメトキシシランに変更し、その添加量を1.74%とした以外は実施例1と同様の操作で疎水性磁性酸化鉄粒子を得た。
(実施例10)
基体粒子を表1に示すFに変更し、シラン化合物をn−ヘキシルトリメトキシシランに変更し、その添加量を1.78%とした以外は実施例1と同様の操作で疎水性磁性酸化鉄粒子を得た。
(実施例11)
基体粒子を表1に示すGに変更し、シラン化合物をn−ヘキシルトリメトキシシランに変更し、その添加量を1.86%とした以外は実施例1と同様の操作で疎水性磁性酸化鉄粒子を得た。
(実施例12)
基体粒子を表1に示すHに変更し、シラン化合物をn−ヘキシルトリメトキシシランに
変更し、その添加量を1.49%とした以外は実施例1と同様の操作で疎水性磁性酸化鉄粒子を得た。
(実施例13)
基体粒子を表1に示すDに変更し、シラン化合物をn−ブチルトリメトキシシランに変更し、その添加量を2.32%とした以外は実施例1と同様の操作で疎水性磁性酸化鉄粒子を得た。
(実施例14)
基体粒子を表1に示すDに変更し、シラン化合物をn−ヘキサデシルトリメトキシシランに変更し、その添加量を0.95%とした以外は実施例1と同様の操作で疎水性磁性酸化鉄粒子を得た。
(実施例15)
基体粒子を表1に示すDに変更し、シラン化合物をn−ヘキシルトリメトキシシランに変更し、その添加量を0.77%とした以外は実施例1と同様の操作で疎水性磁性酸化鉄粒子を得た。
(実施例16)
基体粒子を表1に示すDに変更し、シラン化合物をメチルトリメトキシシランに変更し、その添加量を2.69%とした以外は実施例1と同様の操作で疎水性磁性酸化鉄粒子を得た。
(実施例17)
基体粒子を表1に示すIに変更し、シラン化合物をn−ヘキシルトリメトキシシランに変更し、その添加量を1.34%とした以外は実施例1と同様の操作で疎水性磁性酸化鉄粒子を得た。
(実施例18)
基体粒子を表1に示すIに変更し、シラン化合物をn−オクチルトリエトキシシランに変更し、その添加量を1.23%とした以外は実施例1と同様の操作で疎水性磁性酸化鉄粒子を得た。
(比較例1)
基体粒子を表1に示すDに変更し、シラン化合物をn−ヘキシルトリメトキシシランに変更し、その添加量を2.88%とした以外は実施例1と同様の操作で疎水性磁性酸化鉄粒子を得た。
(比較例2)
基体粒子を表1に示すDに変更し、シラン化合物をビニルトリメトキシシランに変更し、その添加量を2.05%とした以外は実施例1と同様の操作で疎水性磁性酸化鉄粒子を得た。
(比較例3)
基体粒子を表1に示すDに変更し、シラン化合物をγ−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランに変更し、その添加量を1.56%とした以外は実施例1と同様の操作で疎水性磁性酸化鉄粒子を得た。
比較例2および比較例3の磁性酸化鉄粒子はシラン化合物の種類が適切でないために、トルエン溶出率、疎水化度、分散安定性、ならびに粒度分布が劣る粒子であった。
[発明の効果]
以上説明したように、本発明の疎水性酸化鉄粒子は、基体粒子の表面に、特定のシラン化合物の適正量を均一に被覆することによって、トルエン溶出率、分散性、分散安定性及び撥水性に優れた酸化鉄粒子であり、特に重合トナー用を始めとする静電複写磁性トナー用材料粉として好適である。
Claims (6)
- 磁性酸化鉄を基体粒子とし、その表面にシラン化合物を被覆した疎水性磁性酸化鉄粒子であって、シラン化合物のトルエン中への溶出率が30%以下であることを特徴とする疎水性磁性酸化鉄粒子。
- 前記シラン化合物がRaSiX4−a(R;炭素数4以上18以下のアルキル基,a;1〜3の整数,X;メトキシ基またはエトキシ基)で表されることを特徴とする請求項1の疎水性磁性酸化鉄粒子。
- 前記シラン化合物の被覆量が、前記基体粒子の単位表面積当たり1.0〜2.5mg/m2であることを特徴とする請求項1または2の疎水性磁性酸化鉄粒子。
- 疎水化度が60〜85%、水分量が0.15重量%以下であって、高温高湿下(30℃、相対湿度81%)で吸着水分量が0.05重量%以下であることを特徴とする請求項1〜3の疎水性磁性酸化鉄粒子。
- 前記基体粒子がPをP2O5換算で0.15〜0.5重量%、SiをSiO2換算で0.7〜2.0重量%含有する球状マグネタイト粒子であって、印加磁場79.6kA/mの飽和磁化が67Am2/kg以上、残留磁化が4Am2/kg以下であることを特徴とする請求項1〜5の疎水性磁性酸化鉄粒子。
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