JP5773581B2 - 被覆マグネタイト粒子の製造方法 - Google Patents
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アルカリを用いた第一鉄塩の中和反応によって生じた水酸化第一鉄コロイド溶液に、酸化性ガスを吹き込んでマグネタイトのコア粒子を生成させる工程において、液中に鉄イオン(II)が実質的に存在しなくなるまで酸化性ガスの吹き込みを行い、
液中に鉄イオン(II)が実質的に存在しなくなったら、引き続き液中に不活性ガスの吹き込みを行い、生成したマグネタイトのコア粒子のエージングを行い、次いで、
マグネタイトのコア粒子の表面を、R1 xSi(OR2)4-x(式中R1は、同一の又は異なる炭素数2〜10のアルキル基を表し、R2は、R1と同じ鎖長であるか又はそれよりも短鎖のアルキル基を表す。xは1〜3の整数を表す。xが2又は3である場合、R1は、その炭素数が上述の範囲であることを条件として、同種のアルキル基でもよく、あるいは異種のアルキル基でもよい。)で表される有機シランから生成したシラン化合物で被覆することを特徴とする被覆マグネタイト粒子の製造方法を提供するものである。
鉄溶解率(質量%)=〔採取サンプル中の鉄濃度(mg/L)〕/〔コア粒子が完全に溶解したときの鉄の濃度(mg/L)〕×100
このようにして鉄の溶解率が10質量%であるサンプルを特定し、その特定されたサンプルに含まれる二価の鉄の量を以下の方法で求める。すなわち、採取した濾液のうちの残りの濾液25mLに、脱イオン水約75mLを加えて試料を調製する。その試料に、指示薬としてのジフェニルアミンスルホン酸ナトリウムを加え、0.1N重クロム酸カリウムを用いて酸化還元滴定する。試料が青紫色に着色したところを終点として滴定量を求め、以下の式から鉄の全量に対する二価の鉄の割合(質量%)を求める。
コア粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して撮影された像から測定する。具体的には、SEM写真(倍率40,000倍)を用い、写真上の粒径を同軸方向に200個以上計測し、その個数平均から求める。
東芝ケミカル社製ブローオフ粉体帯電量測定装置を用いる。被覆マグネタイト粒子2g及びフェライトキャリア(パウダーテック社製F−150)198gを、500mLポリビン中に秤取り、V型ブレンダー(筒井理化学器械株式会社製の透視式混合器S−3ミクロ型)によって10分間振とうを行い摩擦帯電させ、測定用混合試料を調製する。振とう条件は45rpmとする。次に、測定ホルダーに、ステンレスメッシュ(400mesh:sus304)をセットし、測定用混合試料から測定試料約0.2gを正確に測定ホルダーに秤取り、測定ホルダーを測定装置にセットする。装置の0点を確認し、測定タイマーを30秒にセットした後、測定を開始する。測定終了後の値を読みとりその値を初期帯電量として記録する。
被覆マグタイト粒子3gを30mLのガラス容器に取り、ここにテトラヒドロフラン(THF)を20mL投入する。超音波ホモジナイザ(BRANSON社製SONIFIER450)を用いて30秒間超音波を照射して洗浄を行う。次いで、磁石で被覆マグネタイト粒子を沈降させ、上澄み液を除去する。その後50℃で3時間乾燥してから解砕する。このようにして得られた試料について、上述した初期帯電量の測定と同様の測定を行う。
前記の溶媒洗浄後帯電量の測定において、50℃で3時間乾燥して得られた被覆マグネタイト粒子中に含まれるカーボンの量を、炭素分析装置(堀場製作所製、EMIA−110)を用いて測定する。シラン化合物の溶出率は、次式から求める。
溶出率(質量%)=((a−b)/a)×100
式中、aはTHF洗浄前の被覆マグネタイト粒子に含まれるカーボンの質量であり、bはTHF洗浄後の被覆マグネタイト粒子に含まれるカーボンの質量である。
水蒸気吸着量測定装置BELSORP18(日本ベル株式会社製)を用いて、25℃、相対圧0.9における被覆マグネタイト粒子1g当たりの水蒸気吸着量を測定する。
Fe2+を1.8mol/L含有する硫酸第一鉄水溶液70リットルと、ケイ酸ナトリウム314g(マグネタイトに対してケイ素換算で0.4%)と、水酸化ナトリウム10.6kgとを混合して全量を140リットルとした。この液を90℃に維持した状態下に、空気を20リットル/分の量で吹き込んだ。この間、水酸化ナトリウム水溶液を添加することで、液のpHを6.5に維持した。液中に存在する鉄(II)イオンが75%消費された時点で、空気の吹き込み量を10リットル/分に下げた。そして、そのまま空気の吹き込みを継続した。空気の吹き込みは、液中に存在する鉄(II)イオンの量が仕込みの鉄の量に対して1%になるまで行った。この時点で空気の吹き込みを終了させ、引き続き液温を90℃に維持した状態で、窒素ガスを液中に吹き込んだ。窒素ガスの吹き込み量は5リットル/分とした。吹き込みを1時間行い、これによってコア粒子をエージングさせた。その後、コア粒子を、ハレルホモジナイザを用いて水洗し、次いで乾燥及び粉砕を常法に従い行った。このようにして、球状のコア粒子を得た。得られたコア粒子の特性を以下の表1に示す。
製造例1において、窒素ガスの吹き込み時間を30分とした以外は実施例1と同様にして球状のコア粒子を得た。得られたコア粒子の特性を以下の表1に示す。
実施例1において、窒素ガスの吹き込みを行わない以外は実施例1と同様にして球状のコア粒子を得た。得られたコア粒子の特性を以下の表1に示す。
ハイスピードミキサー(LFS−2型)に、製造例1及び製造例2並びに比較製造例1で得られたマグネタイト粒子1kgをそれぞれ投入して、30℃、2000rpmにて攪拌しながら、予め加水分解を行った有機シラン(シランカップリング剤)20gを含む液を5分間滴下して、5分間攪拌した。その後、110℃に加温した後、1時間熱処理を行い、被覆マグネタイト粒子の粉末を得た。使用した有機シラン及びその使用量は、表2に示すとおりである。
得られた被覆マグネタイト粒子について、コア粒子の表面に存在する二価の鉄の割合、シラン化合物の被覆量(カーボン換算)、マグネタイトの結晶子径を測定した。また、上述した方法で、水蒸気吸着量及び有機溶媒へのシラン化合物の溶出率を測定した。更に、上述した方法で、帯電量及び帯電量変化率を測定した。これらの結果を以下の表3に示す。被覆マグネタイト粒子におけるコア粒子の表面に存在する二価の鉄の割合の測定方法は、シラン化合物を被覆する前のコア粒子の表面に存在する二価の鉄の割合の測定方法と同様である。ただし、シラン化合物を被覆した後は、被覆マグネタイト粒子の表面が疎水性になっており、該粒子は水に分散しづらいので、界面活性剤としてTritonX−100を用いて被覆マグネタイト粒子を水に分散させた。
Claims (1)
- マグネタイトのコア粒子の表面がシラン化合物によって被覆されてなり、コア粒子の表面に存在する二価の鉄の割合を、コア粒子の表面に存在する鉄の全量に対して20〜30%とし、かつシラン化合物が有するアルキル基として炭素数2〜10のものを用いた被覆マグネタイト粒子の製造方法であって、
アルカリを用いた第一鉄塩の中和反応によって生じた水酸化第一鉄コロイド溶液に、酸化性ガスを吹き込んでマグネタイトのコア粒子を生成させる工程において、液中に鉄イオン(II)が実質的に存在しなくなるまで酸化性ガスの吹き込みを行い、
液中に鉄イオン(II)が実質的に存在しなくなったら、引き続き液中に不活性ガスの吹き込みを行い、生成したマグネタイトのコア粒子のエージングを行い、次いで、
マグネタイトのコア粒子の表面を、R1 xSi(OR2)4-x(式中R1は、同一の又は異なる炭素数2〜10のアルキル基を表し、R2は、R1と同じ鎖長であるか又はそれよりも短鎖のアルキル基を表す。xは1〜3の整数を表す。xが2又は3である場合、R1は、その炭素数が上述の範囲であることを条件として、同種のアルキル基でもよく、あるいは異種のアルキル基でもよい。)で表される有機シランから生成したシラン化合物で被覆することを特徴とする被覆マグネタイト粒子の製造方法。
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