JP5657281B2 - 被覆マグネタイト粒子及びその製造方法 - Google Patents
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前記シラン化合物は、R 1 x Si(OR 2 ) 4-x (式中R 1 は、同一の又は異なる炭素数2〜10のアルキル基を表し、R 2 は、R 1 と同じ鎖長であるか又はそれよりも短鎖のアルキル基を表す。xは1〜3の整数を表す。xが2又は3である場合、R 1 は、その炭素数が上述の範囲であることを条件として、同種のアルキル基でもよく、あるいは異種のアルキル基でもよい。)で表される有機シランから生成した化合物であり、
コア粒子の表面に存在する鉄以外の金属元素の割合が、被覆マグネタイト粒子の質量に対して0.2質量%以下であり、かつコア粒子の内部には鉄及び鉄以外の金属元素が1種又は2種以上含有されており、コア粒子の内部に含まれている金属元素の量が被覆マグネタイト粒子の質量に対して0.3〜5質量%である被覆マグネタイト粒子を提供するものである。
アルカリを用いた第一鉄塩の中和反応によって生じた水酸化第一鉄コロイド溶液に、酸化性ガスを吹き込んでマグネタイトのコア粒子を生成させる工程において、反応の開始前、開始時又は反応途中に金属元素の水溶性化合物を添加し、かつこの工程の最後に、不純物金属の含有量が鉄に対して0.5質量%以下である第一鉄塩を追加添加して、該コア粒子の表面に高純度マグネタイトの層を形成し、次いで、
マグネタイトのコア粒子の表面を、シラン化合物で被覆することを特徴とする被覆マグネタイト粒子の製造方法を提供するものである。
鉄溶解率(%)=〔採取サンプル中の鉄濃度(mg/l)〕/〔コア粒子が完全に溶解したときの鉄の濃度(mg/l)〕×100
このようにして鉄の溶解率が5%であるサンプルを特定し、溶解開始時のサンプルからその特定されたサンプルまでに含まれる鉄以外の金属元素の量を積算する。各サンプルに含まれる鉄以外の金属元素の量は、ICPによって測定する。このようにして求められた量が、コア粒子の表面に存在する鉄以外の金属元素の量である。また、コア粒子の内部に存在する鉄以外の金属元素の量は、コア粒子を全溶解したサンプル中の鉄以外の金属元素の量から、コア粒子の表面に存在する鉄以外の金属元素の量を減じることで算出される。
コア粒子を走査型電子顕微鏡(SEM)で観察して撮影された像から測定する。具体的には、SEM写真(倍率40,000倍)を用い、写真上の粒径を同軸方向に200個以上計測し、その個数平均から求める。
被覆マグネタイト粒子0.2gとスチレン(関東化学社製)10ccを試験管に入れ、超音波ホモジナイザー(BRANSON社製SONIFIER450)を用いて60秒間超音波を照射する。次いで溶液安定性評価装置(フォーマルアクション社製タービスキャンMA2000)を用いて沈降速度を測定する。
水蒸気吸着量測定装置BELSORP18(日本ベル株式会社製)を用いて、25℃、相対圧0.9における被覆マグネタイト粒子1g当たりの水蒸気吸着量を測定した。
Fe2+を1.8mol/L含有する硫酸第一鉄水溶液70リットルと、Si品位13.4%のケイ酸ナトリウム314gと、水酸化ナトリウム10.6kgとを混合して全量を140リットルとした。この硫酸第一鉄は、工業用グレードのものであり、不純物金属として割合が高い順にマンガン、チタン、マグネシウム、亜鉛、アルミニウム及び銅をそれらの合計で、鉄に対して約3%含むものであった(他の不純物金属も含まれていたが、それらの量は微量なので、不純物金属の合計量に実質的な影響を及ぼさない。)。この液を90℃に維持した状態下に、空気を20リットル/分の量で吹き込んだ。この間、水酸化ナトリウム水溶液を添加することで、液のpHを6.5に維持した。液中に存在する鉄(II)イオンが75%消費された時点で、空気の吹き込み量を10リットル/分に下げた。そして、そのまま空気の吹き込みを継続した。空気の吹き込みは、液中に存在する鉄(II)イオンの量が仕込みの鉄の量に対して1%になるまで行った。この時点で空気の吹き込みを終了させ、引き続き液温を90℃に維持した状態で、高純度の硫酸第一鉄水溶液(Fe2+濃度1.8mol/L)を5リットル添加した。この硫酸第一鉄水溶液は、純鉄(純度99%)を高純度硫酸に溶解して得られたものであり、不純物金属の量は硫酸第一鉄中の鉄に対して0.3%であった。液のpHを6に調整した後、空気の吹き込みを再開して再度湿式酸化を行った。この湿式酸化は、液中に鉄(II)イオンが実質的に存在しなくなるまで行った。その後、コア粒子を、ハレルホモジナイザを用いて水洗し、次いで乾燥及び粉砕を常法に従い行った。このようにして、球状のコア粒子を得た。得られたコア粒子の特性を以下の表1に示す。また、コア粒子に含まれている鉄以外の金属の量(被覆マグネタイト粒子基準)を同表に示す。なお、コア粒子に含まれている鉄以外の金属の量の順序は、原料に用いた工業用グレードの硫酸第一鉄に含まれている鉄以外の金属の量の順序と異なっている。この理由は、マグネタイトの製造中のpHに依存して各金属の歩留りが異なるからである。
製造例1において、高純度の硫酸第一鉄水溶液(Fe2+濃度1.8mol/L)の添加量を、5リットルから3リットルに減量した。これ以外は製造例1と同様にして球状のコア粒子を得た。得られたコア粒子の特性を以下の表1に示す。
実施例1において、高純度硫酸第一鉄を用いた再度の湿式酸化を行わない以外は、実施例1と同様にして球状のコア粒子を得た。得られたコア粒子の特性を以下の表1に示す。
実施例1で用いた高純度硫酸第一鉄のみを用い、実施例1と同様の操作を行った。ただし、高純度硫酸第一鉄を用いた再度の湿式酸化を行わなかった。得られたコア粒子の特性を以下の表1に示す。
ハイスピードミキサー(LFS−2型)に、製造例1及び2並びに比較製造例1及び2で得られたマグネタイト粒子1kgをそれぞれ投入して、30℃、2000rpmにて攪拌しながら、予め加水分解を行った有機シラン(シランカップリング剤)20gを含む液を5分間滴下して、5分間攪拌した。その後、110℃に加温した後、1時間熱処理を行い、被覆マグネタイト粒子の粉末を得た。使用した有機シランは、表2に示すとおりである。コア粒子の表面を被覆するシラン化合物の量を、上述の方法で測定したところ、同表に示す結果が得られた。
得られた被覆マグネタイト粒子について、上述した方法で、コア粒子の表面に存在する鉄以外の金属の割合を測定した。また、上述した方法で、被覆マグネタイト粒子の水蒸気吸着量及び沈降速度を測定した。更に、被覆マグネタイト粒子を大気下に60℃・90%RHで7日間保存した後の水蒸気吸着量及び沈降速度も測定し、保存前に対する変化率を算出した。更に、被覆マグネタイト粒子の耐熱性を、FeO含有量を尺度として評価した。FeO含有量の測定方法は以下のとおりである。これらの結果を以下の表3に示す。
被覆マグネタイトを1g秤量し、これを300ccのコニカルビーカーに入れる。更に脱イオン水100cc及び濃硫酸20ccを加え、ウォーターバスで加熱しながら被覆マグネタイト粒子を全溶解させる。溶解した液に、指示薬としてのジフェニルアミンスルホン酸ナトリウムを加え、0.1N重クロム酸カリウムを用いて酸化還元滴定する。試料が青紫色に着色したところを終点として滴定量を求め、以下の式から鉄の全量に対する二価の鉄の割合であるFeO含有量(質量%)を求める。
Claims (6)
- マグネタイトのコア粒子の表面がシラン化合物によって被覆されてなる被覆マグネタイト粒子において、
前記シラン化合物は、R 1 x Si(OR 2 ) 4-x (式中R 1 は、同一の又は異なる炭素数2〜10のアルキル基を表し、R 2 は、R 1 と同じ鎖長であるか又はそれよりも短鎖のアルキル基を表す。xは1〜3の整数を表す。xが2又は3である場合、R 1 は、その炭素数が上述の範囲であることを条件として、同種のアルキル基でもよく、あるいは異種のアルキル基でもよい。)で表される有機シランから生成した化合物であり、
コア粒子の表面に存在する鉄以外の金属元素の割合が、被覆マグネタイト粒子の質量に対して0.2質量%以下であり、かつコア粒子の内部には鉄及び鉄以外の金属元素が1種又は2種以上含有されており、コア粒子の内部に含まれている金属元素の量が被覆マグネタイト粒子の質量に対して0.3〜5質量%である被覆マグネタイト粒子。 - 前記の金属元素が、遷移金属元素、アルカリ土類金属元素又は第13族金属元素の1種又は2種以上である請求項1記載の被覆マグネタイト粒子。
- シラン化合物が、炭素数2〜10のアルキル基を有する請求項1又は2記載の被覆マグネタイト粒子。
- 水蒸気吸着量が0.01〜1mg/粉1gである請求項1ないし3のいずれかに記載の被覆マグネタイト粒子。
- スチレン中での沈降速度が0.4mm/min以下であり、この沈降速度に対する、大気下に60℃・90%RHで7日間保存後の沈降速度の変化率(〔(保存後の沈降速度−保存前の沈降速度)/保存後の沈降速度〕×100)が20%以下である請求項1ないし4のいずれかに記載の被覆マグネタイト粒子。
- 請求項1記載の被覆マグネタイト粒子の製造方法であって、
アルカリを用いた第一鉄塩の中和反応によって生じた水酸化第一鉄コロイド溶液に、酸化性ガスを吹き込んでマグネタイトのコア粒子を生成させる工程において、反応の開始前、開始時又は反応途中に金属元素の水溶性化合物を添加し、かつこの工程の最後に、不純物の含有量が鉄に対して0.5質量%以下である第一鉄塩を追加添加して、該コア粒子の表面に高純度マグネタイトの層を形成し、次いで、
マグネタイトのコア粒子の表面を、シラン化合物で被覆することを特徴とする被覆マグネタイト粒子の製造方法。
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