JP5180455B2 - マグネタイト粒子粉末 - Google Patents

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Description

本発明は、熱負荷に対して優れた飽和磁化値の耐熱性を有していることを特徴とし、さらに残留磁化が低く、樹脂中への充填特性に優れるなどの諸特性のバランスが取れたマグネタイト粒子粉末、特に磁性粉含有型樹脂キャリアに好適なマグネタイト粒子粉末に関する。
マグネタイト粒子粉末は、静電複写磁性トナー用材料粉、静電潜像現像用キャリア用材料粉等において汎用されているが、近年の電子写真技術の発達により、特にデジタル技術を用いた複写機、プリンターが急速に発達し、要求される特性がより高度なものになってきている。
近年、複写機、プリンターの高画質化に伴い、トナーの小粒径化が進んでおり、磁性キャリアを用いた印刷方式の場合、キャリアの小粒径化とトナーに与える負荷の低減が望まれている。
キャリアの小粒径化とトナーに与える負荷の低減を達成し得る手法として、磁性粉を樹脂で含有したキャリアが注目されてきている。
磁性粉含有樹脂キャリアは、従来のフェライトキャリアと比較し、磁性粉が小粒径であるため、該キャリアの製造工程中における熱処理工程や、現像機内の撹拌ストレスなどによる熱負荷により、飽和磁化値が低下することが指摘されている。飽和磁化値が現像機内で安定していないとトナーの搬送性、帯電量が不均一となり、画質の低下に繋がる。
マグネタイト粒子粉末に何らかの耐熱性を与える手段としては、マグネタイト以外の成分を含有させるなどの技術が一般的である。たとえば、特許文献1には、Si及び/又はAlの酸化物が含有されていることを特徴とする多面体を呈するマグネタイト粒子粉末に関する開示があり、この技術によれば、Si及び/又はAlがマグネタイト中に存在することで、粒子粉末の黒色度についての耐熱性を向上できるとしている。
また、磁性粉含有樹脂キャリアは、フェライトキャリアと比較すると、流動性に劣るなどの短所はあるものの、比重が軽いためトナーに与える負荷が低減されるなどの長所もある。いずれにしてもキャリアには、各種特性のバランス、具体的には、残留磁化が低く、流動性に優れ、樹脂中への充填特性や分散特性に優れ、かつ電気抵抗が高いことなどが求められている。
上記課題に対して、特許文献2には、AlとFeの複合酸化鉄層にて被覆された事を特徴とする酸化鉄粒子に関する開示があり、この技術によれば、流動性、分散性、ハンドリング性、環境変化に対する吸湿安定性等に優れ、かつ抵抗を任意に調整できるとしている。
一方、特許文献3には、多面体粒子中にP、Al又はSiを含有することを特徴とする酸化鉄粒子に関して、残留磁束密度が低いマグネタイト粒子粉末である旨の開示がある。
特開平5−286723号公報 特開2000−239021号公報 特開平10−101339号公報
磁性粉含有樹脂キャリアは、飽和磁化値の安定性、特に熱負荷を受けた際の低下抑制が求められることは上記したとおりである。それに対し、特許文献1においては、粒子粉末の黒色度についての耐熱性が言及されているものの、この程度のマグネタイト粒子粉末では、飽和磁化値の耐熱性向上は困難である。
また、特許文献1開示の技術において、マグネタイト以外の成分をさらに増やせば、飽和磁化値の耐熱性は向上するものの、本来の飽和磁化値そのものの低下を招く。また、平均粒子径が0.2μm以下であることに起因して、さらに飽和磁化値の耐熱性が劣るのみならず、残留磁化値の増大による流動性の悪化を免れない。
また、特許文献2においては、AlとFeの複合酸化鉄層により、流動性、分散性、ハンドリング性、環境変化に対する吸湿安定性等に優れ、かつ抵抗を任意に調整できるものの、飽和磁化値の耐熱性については不充分である。
さらに特許文献3においては、Al成分を粒子中に含有させているため、飽和磁化値が低下しやすく、Alの存在下でマグネタイト粒子を生成するため、粒度分布がブロードになり易いという欠点がある。また、飽和磁化値の耐熱性についても不充分である。
従って、マグネタイト以外の成分をさらに増やすことなく飽和磁化値の耐熱性を向上させ、しかもマグネタイト粒子の各種特性のバランスを取ることは困難であった。
本発明は、上記従来技術における問題点を解消しうるマグネタイト粒子粉末を提供することを目的とする。
本発明者らは、鋭意検討の結果、特定の粒子形状と特定の表面処理層を有するマグネタイト粒子粉末であれば、上記課題を解決できることを見出し、本発明を完成させた。
すなわち、本発明のマグネタイト粒子粉末は、粒子の基本形状が10〜18面体を呈し、平均粒子径が0.25μm〜2μmであり、かつ粒子表面にAlとFeの複合酸化物層を有することを特徴とする。
本発明のマグネタイト粒子粉末は、熱負荷に対して優れた飽和磁化値の耐熱性を有していることを特徴とし、さらに残留磁化が低く、樹脂中への充填特性に優れるなどの諸特性のバランスが取れていることから、特に磁性粉含有型樹脂キャリアの製造に好適である。
発明を実施するための形態
本発明でいうマグネタイト粒子とは、好ましくはマグネタイト(Fe3 4 )を主成分とするものであって、中間組成のベルトライド化合物(FeOx・Fe2 3 、0<X<1)、及びこれらの単独又は複合化合物にFe以外のSi、Al、Mn、Ni、Zn、Cu、Mg、Ti、Co、Zr、W、Mo、P等を少なくとも1種以上含むスピネルフェライト粒子等を必要な特性に応じて選択したものも包含される。
本発明のマグネタイト粒子粉末は、粒子形状が10〜18面体を呈し、平均粒子径が0.25μm〜2μmであり、かつ粒子表面にAlとFeの複合酸化物層を有することを特徴としている。
まず、本発明のマグネタイト粒子においては、粒子表面にAlとFeの複合酸化物層を有している。この理由は、より粒子表面部の耐熱性を向上することもさることながら、芯材粒子の磁性など低下させずに、磁性をはじめとするマグネタイト粒子の特性を損なわないためである。従って、後述の実施例でも明らかなように、AlとFeの複合酸化物層中のAl:Feモル比は高く、Al:Fe=1:100〜100:1が好ましく、5:100〜75:25がさらに好ましい。
また、通常、湿式酸化法により生成されるマグネタイト粒子の形状は、球形、六面体、八面体などの粒状を呈するが、本発明のマグネタイト粒子粉末は、粒子形状が10〜18面体粒子であり、具体的には、6面体の8カ所の角が取れた14面体形状を中心とした角欠け多面体を呈するものである。本発明のマグネタイト粒子粉末は、基本的にはこの10〜18面体粒子からなるものが理想的だが、個数比率で80%以上を含む粉末は、本発明の効果を十分発揮できるものと考えられ、この範囲内の粉末も含めるものとする。
ここで、マグネタイト粒子粉末の飽和磁化値の耐熱性を改善するためには、粒子表面がAlとFeの複合酸化物層で覆われていることに加え、粒子の基本形状が10〜18面体であることを兼ね備えていなければならない。つまり、粒子表面がAlとFeの複合酸化物層で覆われているだけでは、飽和磁化値の耐熱性の改善が不十分であり、粒子の基本形状を10〜18面体とするだけでは、全くその改善が認められないということである。
上記両条件を兼ね備えていると、なぜ飽和磁化値の耐熱性の改善がより向上するのかは定かではないが、粒子の形状と表面性が起因しているものと推測される。例えば、八面体、六面体、針状粒子の様に鋭角な頂点を持つ粒子には、AlとFeの複合酸化物層が均一に形成しにくく、特に複合酸化物層、芯材部共に薄い鋭角部分が熱負荷を受け易い。また球状粒子は、湿式法におけるマグネタイト製造条件に起因して、微粒子の集合体粒子となりやすく、粒子表面の平滑性に欠け、したがってAlとFeの複合酸化物層をその粒子表面に均一成長させにくく、複合酸化物層の成長が不十分な部分から熱負荷がかかるという現象が生じていることが推測される。これに対し、10〜18面体の多面体粒子は、粒子形状は鋭角な頂点を持たない。また、湿式法におけるマグネタイト製造条件に起因して、粒子表面の平滑性が得られやすいことから、粒子表面に均一なAlとFeの複合酸化物層を形成でき、好都合である。
また、本発明のマグネタイト粒子粉末は、平均粒径が0.25μm〜2μmである。平均粒子径が0.25μm未満であると、充分な飽和磁化値を確保できず、飽和磁化値の耐熱性の改善に影響を及ぼすばかりか、残留磁化値も高くなり好ましくない。また、平均粒子径が2μmを超えると、キャリア製造の際、あるいは使用中に、キャリア表面からマグネタイト粒子粉末が脱落するおそれがあるので好ましくない。
また、本発明のマグネタイト粒子粉末は、複合酸化物層中に、Al元素がマグネタイト粒子全体に対して、Alに換算して0.05質量%〜5質量%含有していることが好ましい。Al元素の含有量がこのような範囲にあると、磁気特性をはじめとする諸特性を損なうことなく、飽和磁化値の耐熱性を確保することができる。
また、本発明のマグネタイト粒子粉末は、マグネタイト粒子表面が、1種又は2種以上のケイ素、アルミニウム、またはチタニウム含有のカップリング剤、またはシリコーンオイルで被覆されていることが好ましい。この被覆が存在することで、耐熱性や樹脂中への分散特性を向上させることができる。
シランカップリング剤としては、ビニルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメトキシシラン、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピリトリメトキシシラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n−ヘキシルトリエトキシシラン、n−オクチルトリメトキシシラン、n−オクチルトリエトキシシラン、n−デシルトリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げることができる。
アルミネートカップリング剤としては、エチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、メチルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、エチルアセテートアルミニウムジブチレート、アルキルアセトアセテートアルミニウムジイソプロピレート、アルミニウムモノアセチルアセテートビス(エチルアセトアセテート)等を挙げることができる。
チタネートカップリング剤としては、イソプロピルトリイソステアロイルチタネート、イソプロピルトリドデシルベンゼンスルホニルチタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)オキシアセテートチタネート、イソプロピルトリス(ジオクチルピロホスフェート)チタネート、ビス(ジオクチルピロホスフェート)エチレンチタネート等を挙げることができる。
シリコーンオイルとしては、ジメチルシリコーンオイル、メチルハイドロジェンシリコーンオイル、および変性シリコーンを挙げることができる。変性される官能基としては、アミノ基、エポキシ基、カルボキシル基、カルビノール基、メタクリル基、メルカプト基、フェノール基、ポリエーテル基、メチルスチリル基、アルキル基、高級脂肪酸エステル基、高級アルコキシル基、フッ素変性基等を挙げることができ、これらを1種または2種以上含んでいても良い。また、変性基がシリコーンに導入される構造としては、側鎖型、両末端型、片末端型、側鎖両末端型等が挙げられるが、本発明においては特に限定されるものではない。
上記カップリング剤およびシリコーンオイルの被覆量は、1質量%〜10質量%が好ましい。カップリング剤の被覆量がこのような範囲にあると、粒子表面が露出することなく、樹脂との親和性が確保でき、磁気特性の低下等、マグネタイト粒子の諸特性を損なうこともない。
また、本発明のマグネタイト粒子粉末は、250℃で1時間熱処理した後の79.6kA/m下での飽和磁化が75Am/kg以上であり、かつ熱処理前後の飽和磁化の維持率が90%以上であることが好ましい。このようなマグネタイト粒子粉末であれば、過酷な条件下でも安定した現像特性を発揮する、耐久性に優れた磁性キャリアが得られる。
また、本発明のマグネタイト粒子粉末は、79.6kA/m下での残留磁化値が3Am/kg以下であることが好ましい。残留磁化値がこのような範囲にあると、磁気凝集が抑制され、キャリア製造の際、キャリアの流動性が向上する。
また、本発明中のマグネタイト粒子粉末は、TAP密度が1.5g/cm〜3g/cmであることが好ましい。TAP密度がこのような範囲にあると、キャリア製造の際、樹脂中にマグネタイト粒子粉末を高充填することができ、その際の分散性も阻害されることがない。
また、本発明中のマグネタイト粒子粉末は、飽和磁化が79.6kA/m以下で70Am/kg以上が好ましく、さらには75Am/kg以上が好ましい。飽和磁化がこのような範囲にあると、キャリアとして十分な飽和磁化が確保できる。
また、本発明のマグネタイト粒子粉末は、粉体の電気抵抗が10Ωcm〜1015Ωcmであることが好ましい。電気抵抗がこのような範囲にあると、キャリア化して使用した際、マグネタイト粒子が帯電のリークポイントとなることなく、安定した帯電特性を得ることができ、適度な抵抗高さにより、チャージアップ等の不具合も生じない。
また、本発明のマグネタイト粒子粉末は、マグネタイト粒子粉末100gに対するアマニ油の吸油量が5mL/100g〜17mL/100gであることが好ましい。吸油量がこのような範囲にあると、樹脂中への分散性と充填性のバランスが保たれる。
また、本発明のマグネタイト粒子粉末は、炭酸アルカリを含む水酸化第一鉄含有スラリーに、酸素含有ガスを通気するマグネタイト粒子粉末製造方法により作製された後、炭酸アルカリが液中に存在した状態で、AlとFeからなる複合酸化膜層で被覆されることが好ましい。炭酸アルカリが反応液中に存在することで、均一にAlとFeの複合酸化膜被覆ができ、その結果飽和磁化値の耐熱性が向上する。
次に、本発明のマグネタイト粒子粉末の好ましい製造方法について、具体的に説明する。
本発明のマグネタイト粒子粉末は、炭酸アルカリを含む水酸化第一鉄含有スラリーに、酸素含有ガスを通気することにより得られたマグネタイト粒子粉末を含むスラリーに、水可溶性アルミニウム塩と第一鉄塩とを添加混合し、さらに酸素含有ガスを通気して、マグネタイト粒子表面にAlとFeの複合酸化鉄層を被覆することで製造できる。
先ず、第一鉄塩水溶液、アルカリ金属水酸化物及びアルカリ金属炭酸塩を含むアルカリ水溶液を別々に用意し、両者を混合・攪拌して水酸化第一鉄含有スラリーを得る。上記第一鉄塩としては水溶性の塩であればその種類に特に制限はなく、例えば硫酸鉄や塩化鉄などを用いることができ、アルカリ金属水酸化物としては、水酸化ナトリウムや水酸化カリウムなどを用いることができ、アルカリ金属炭酸塩としては、炭酸ナトリウムや炭酸カリウムなどを用いることができる。
中和・混合の際、第一鉄塩とアルカリ金属水酸化物とアルカリ金属炭酸塩とのモル比を好ましくは1:1〜3:0.05〜0.5、更に好ましくは1:1.4〜2.5:0.05〜0.3とし、且つ第一鉄塩に対して、アルカリ水酸化物及びアルカリ炭酸塩の総量を好ましくは等量以上、更に好ましくは2等量以上とすることが有利である。この条件によって、多面体の粒子を容易に生成させることができる。なお、ここでいう「等量」とは第一鉄塩から水酸化第一鉄を1モル生成させるために必要な酸塩基についての等量のことである。
上記水酸化第一鉄含有スラリーに、酸素含有ガスを吹き込み酸化反応を開始させる。反応の際のpHは、多面体形状の粒子を確実に生成させるために、弱アルカリ領域である8〜11とすることが好ましい。また、このときの反応液の温度は70℃〜95℃程度であることが好ましい。スラリー中の未反応Fe(2価)量がほぼ消費された時点で酸素含有ガス吹き込みを一旦終了させる。
次に、得られたマグネタイト粒子粉末を含むスラリーに、水可溶性アルミニウム塩と第一鉄塩とアルカリの水溶液を添加混合し、さらに酸素含有ガスを通気して、マグネタイト粒子表面にAlとFeの複合酸化鉄層を被覆する。上記第一鉄塩は前述した硫酸鉄や塩化鉄などを用いることができ、水可溶性アルミニウム塩としては硫酸アルミニウム、アルミン酸ナトリウム、硝酸アルミニウムなどを用いることができる。
この被覆の際のスラリーpHは5〜12が好ましく、適宜アルカリや酸を用いて調整すれば良い。このようなpH領域にて制御すると、反応スピード落とすことなく、無駄な中和剤の消費もなく、反応を進めることができる。また、被覆反応の際のスラリー温度は60〜98℃が好ましい。酸化する方法としては、酸素含有ガス吹き込みが経済的で好ましいが、液体の酸化剤を使用しても良い。
こうして得られたAl+Fe複合酸化鉄層を被覆したマグネタイト粒子を含むスラリーを常法の洗浄、乾燥、解砕を加え、本発明のマグネタイト粒子粉末を得る。
本発明のマグネタイト粒子粉末の特性評価は以下の通り行う。
(a)粒子形状及び平均粒子径
走査型電子顕微鏡を用い、倍率20000倍にて粒子形状観察、及び200個の粒子についてフェレ径の測定を行い、平均粒子径を求めた。
(b)アルミニウム含有量
試料を溶解し、ICPにて測定した。
(c)複合酸化鉄層中のAl:Feモル比
まず、複合酸化鉄層形成を行う前のマグネタイト粒子と複合酸化鉄層を形成後のマグネタイト粒子をそれぞれ酸に完全溶解し、ICPで鉄元素を定量し、(複合酸化鉄層を形成後のマグネタイト粒子中Fe量−複合酸化鉄層形成を行う前のマグネタイト粒子中Fe量)/(複合酸化鉄層を形成後のマグネタイト粒子中Fe量)×100にて複合酸化鉄層に相当する目標の鉄元素溶解率を求めておく。
3.8リットルの脱イオン水に試料25gを加え、50℃に保ちながら、攪拌速度200rpmで攪拌する。このスラリー中に特級塩酸試薬424mlを溶解した塩酸水溶液1250mlを加え、溶解を開始する。溶解開始からすべて溶解して透明になるまで、10分毎に20mlサンプリングし、0.1μmメンブランフィルターで濾過し、濾液を採取する。採取した濾液をICPによってアルミニウム、鉄元素の定量を行う。複合酸化鉄層に相当する鉄元素溶解率に達した時点の〔採取サンプル中のアルミニウム、または鉄濃度(mg/l)/全溶解後のアルミニウム、または鉄濃度(mg/l)〕×100にて各々の質量%を求め、各々の原子量で除し、モル比を計算した。
(d)磁気特性
東英工業社製振動型磁力計VSM−P7型を使用し、外部磁場796kA/m下で測定した。
(e)飽和磁化値の耐熱性
試料10gをるつぼに入れ、アドバンテック社製箱形炉FUW−230PAを用いて、250℃で1時間熱処理を行い、熱処理後の飽和磁化を(4)の方法にて測定した。熱処理後の飽和磁化を、熱処理前の飽和磁化で除して、100倍し、維持率(%)を求めた。
(f)TAP密度
Hosokawa Micron製、「Powder Tester TypePT−E」(商品名)を用いて測定した。
(g)粉体抵抗
試料10gをホルダーに入れ600kg/cm2 の圧力を加えて25mmφの錠剤型に成形後、電極を取り付け150kg/cm2 の加圧状態で測定する。測定に使用した試料の厚さ、及び断面積と抵抗値から算出して、マグネタイト粒子の電気抵抗値を求めた。
(h)吸油量
JIS K 5101(1978)に記載されている方法でアマニ油を使用して測定した。
以下、実施例等により本発明を具体的に説明する。
〔コアマグネタイト粒子製造例1〕
硫酸第一鉄水溶液と、水酸化ナトリウム及び炭酸ナトリウムを含むアルカリ水溶液を用意し、表1に示す比率で混合し、水酸化第一鉄含有スラリーを生成させた。このときのpHは10.3、液温は80℃であり、空気を吹き込み、酸化反応を行った。
〔コアマグネタイト粒子製造例2〕
硫酸第一鉄、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムの使用量を変えて、pHを6.5とした以外は、コアマグネタイト粒子製造例1と同様に行った。
〔コアマグネタイト粒子製造例3〕
硫酸第一鉄、水酸化ナトリウム、炭酸ナトリウムの使用量を変えて、pHを12.1とした以外は、コアマグネタイト粒子製造例1と同様に行った。
〔実施例1〕
製造例1で得られたコアマグネタイト粒子を含むスラリーにAl濃度0.3mol/Lの硫酸アルミニウム水溶液を3リットルとFe2+濃度0.9mol/lの硫酸第一鉄水溶液4リットルと水酸化ナトリウム水溶液とを混合し、pH9.0に調整した。スラリー温度は80℃であった。次いで空気を吹き込み再度酸化し反応を終了させた。得られたマグネタイト粒子は通常の方法で洗浄、乾燥、解砕を行い、マグネタイト粒子粉末を得た。
〔実施例2〕
硫酸アルミニウムのAl濃度を0.6mol/Lとした以外は、実施例1と同様に行った。
〔実施例3〕
硫酸アルミニウムのAl濃度を0.9mol/Lとした以外は、実施例1と同様に行った。
〔実施例4〕
実施例2で得られたマグネタイト粒子粉末100質量部とγ−アミノプロピルトリエトキシシラン3質量部をヘンシェルミキサー、FM20B型(三井三池化工機株式会社製)に投入し、50℃に加温しながら、回転数2000rpmで30分間処理した。90℃で2時間熱処理した後、粉砕し、マグネタイト粒子粉末を得た。
〔実施例5〕
処理剤をγ−グリシドキシプロピルトリメトキシシランとした以外は、実施例4と同様に行った。
〔実施例6〕
処理剤をメチルハイドロジェンポリシロキサンとした以外は、実施例4と同様に行った。
〔比較例1〕
製造例1にて得られたコアマグネタイト粒子を洗浄、ろ過、乾燥、粉砕し、マグネタイト粒子粉末を得た。
〔比較例2〕
製造例2で得られたコアマグネタイト粒子を洗浄、ろ過、乾燥、粉砕し、マグネタイト粒子粉末を得た。
〔比較例3〕
製造例2で得られたコアマグネタイト粒子を用いた以外は、実施例2と同様に行った。
〔比較例4〕
製造例3で得られたコアマグネタイト粒子を洗浄、ろ過、乾燥、粉砕し、マグネタイト粒子粉末を得た。
〔比較例5〕
製造例3で得られたコアマグネタイト粒子を用いた以外は、実施例2と同様に行った。
得られたマグネタイト粒子粉末の特性を表2に示す。
表2を見て分かるように、実施例のマグネタイト粒子粉末は、飽和磁化値の耐熱性に優れており、その他特性においても、高飽和磁化、低残留磁化、高TAP密度、高粉体抵抗、低吸油量で、諸特性のバランスが取れていることがうかがえる。
それに比べ、比較例のマグネタイト粒子粉末は、実施例のそれと比べ、飽和磁化値の耐熱性を示す維持率が90%以下と低く、耐熱性に劣ることが分かった。ここで注目すべき点は、実施例2と比較例1、比較例3、および比較例5を比較した際の耐熱性の差である。AlとFeの複合酸化物層のない比較例1は言うに及ばず、AlとFeの複合酸化物層を有するマグネタイト粒子粉末であっても、非10〜18面体品である比較例3および比較例5では、明らかに飽和磁化値の耐熱性が劣っている。つまり、単にAlとFeの複合酸化物層を有するマグネタイト粒子粉末というだけでなく、形状を10〜18面体とすることにより、飛躍的に飽和磁化値の耐熱性が向上するということである。また、その他諸特性についても、実施例と比べ劣るデータが認められ、特性バランスが取れていないことが認められた。






























Claims (7)

  1. 粒子の基本形状が10〜18面体を呈し、平均粒子径が0.25μm〜2μmであり、かつ粒子表面にAlとFeの複合酸化物層を有することを特徴とするマグネタイト粒子粉末。
  2. 前記複合酸化物層中に、Al元素がマグネタイト粒子全体に対して、Alに換算して0.05質量%〜5質量%含有していることを特徴とする請求項1に記載のマグネタイト粒子粉末。
  3. 前記複合酸化物層中のAl:Feモル比がAl:Fe=1:100〜100:1であることを特徴とする請求項1乃至2に記載のマグネタイト粒子粉末。
  4. マグネタイト粒子表面が、1種又は2種以上のケイ素、アルミニウム、またはチタニウム含有のカップリング剤、またはシリコーンオイルで被覆されていることを特徴とする請求項1乃至3に記載のマグネタイト粒子粉末。
  5. 250℃で1時間熱処理した後の79.6kA/m下での飽和磁化が75Am/kg以上であり、かつ熱処理前後の飽和磁化の維持率が90%以上であることを特徴とする請求項1乃至4に記載のマグネタイト粒子粉末。
  6. 79.6kA/m下での残留磁化が3Am/kg以下であることを特徴とする請求項1乃至5に記載のマグネタイト粒子粉末。
  7. TAP密度が1.5g/cm〜3.0g/cm以下であることを特徴とする請求項1乃至6に記載のマグネタイト粒子粉末。




















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