JP4780856B2 - 粒状マグネタイト粒子及びその製造方法 - Google Patents

粒状マグネタイト粒子及びその製造方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、マグネタイト粒子及びその製造方法に関し、詳しくは結晶子径が大きく、耐酸化性、特に高温高湿下での耐候性に優れている、特に静電複写磁性トナー用材料粉、静電潜像現像用キャリア用材料粉、塗料用黒色顔料粉等の用途に主に用いられるマグネタイト粒子及びその製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術及び発明が解決しようとする課題】
磁性トナー用材料粉や塗料用黒色顔料粉として用いられる酸化鉄系材料として、マグネタイトを主成分とする粒子がよく知られている。磁性トナーとして又は顔料として製造中、もしくはこれを使用中において求められる粉体特性の一つに、耐酸化性に優れていることが挙げられる。磁性粉の場合、この耐酸化性はほぼ、含有Fe2+品位低下抑制に依存している。この改善を目的とする公知技術の代表例としては、特開平8−298206号公報を挙げることができ、該公報には亜鉛やケイ素の化合物被覆による酸化鉄粒子の開示がある。
【0003】
しかし、前記技術のように、鉄元素以外の成分を含んでいる場合、磁気特性や黒色度等の特性低下を招いたり、重金属の添加の場合、環境保護の面から見ても好ましくない弊害が生じたりする。とはいえ、従来の鉄元素を主成分とする酸化鉄粒子では、含有するFe2+の低下による前記耐酸化性、特に黒色度の経時劣化等の問題を解消し得ず、非磁性鉄酸化物では、前記耐酸化性には優れるものの、磁性を要求されるトナー用材料粉には不向きであった。
【0004】
更に、酸化鉄粒子に求められる特性として、粒度分布が均一であること、保磁力が低いこと等も重要である。
【0005】
酸化鉄粒子の粒度分布が不良だと、粒径のバラツキが大きく、酸化鉄粒子を樹脂と混練した際の着色力に大きな影響を与える。また、保磁力が高いと酸化鉄粒子の磁気凝集が著しくなり、分散性等に悪影響を及ぼす。
【0006】
以上のように、従来の技術では、磁性粉の耐酸化性の改善を鉄元素以外の成分添加に依存しているのが現状で、このような手段に依存しない酸化鉄粒子及びその製造方法は未だ提供されていない。また、それに加えて、粒度分布の均一性、低保磁力といった特性をも改善された酸化鉄粒子及びその製造方法は未だ提供されていない。
【0007】
本発明の目的は、鉄元素以外の成分添加に依存せずとも、耐酸化性、特に高温高湿下での耐候性に優れているマグネタイト粒子及びその製造方法を提供することにある。更に、それに加えて、粒度分布の均一性、低保磁力といった特性をも改善されたマグネタイト粒子及びその製造方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは、鋭意検討の結果、粒状マグネタイト粒子の結晶子径を大きくすることにより、マグネタイト粒子の耐酸化性を向上すると共に、製造時の諸条件を制御することにより、粒度分布の均一性や低保磁力といった特性をも改善でき、上記目的が達成し得ることを知見した。
【0009】
本発明の粒状マグネタイト粒子は、上記知見に基づきなされたもので、TEM投影写真による一次粒子の平均粒子径(Xμm)と、X線回折による結晶子径(Yμm)とが式(1)の関係にあり、該結晶子径が0.07〜0.2μmであることを特徴とする。
0.4X≦Y≦0.8X(X=0.05〜1)・・・(1)
【0010】
また、本発明のマグネタイト粒子の製造方法は、短軸径が0.1μm以上のα−FeOOHと、水酸化第一鉄とをモル比1.5:1〜2:1の割合で混合し、鉄元素に対して1当量以上のアルカリ存在下、100〜150℃の温度範囲で水熱合成させることを特徴とする。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明の実施の形態について説明する。
本発明のマグネタイト粒子は、マグネタイト粒子、もしくはマグネタイト(Fe3 4 )が主成分であれば、マグヘマイト(γ−Fe2 3 )やその中間組成のベルトライド化合物(FeOx・Fe2 3 、0<x<1)、及びこれらの単独又は複合化合物にFe以外のSi、Al、Mn、Ni、Zn、Cu、Mg、Ti、Co、Zr、W、Mo、P等を少なくとも1種以上含むスピネルフェライト粒子等を必要な特性に応じ、かつ前記対環境性を考慮した上で添加されていても良いが、黒色度の高いFe2+含有量の高い方がより好ましい。
さらに、本発明のマグネタイト粒子は、分散性を向上させるために、SiやAl、あるいは有機処理剤等による表面処理を施したものであっても良い。
【0012】
本発明のマグネタイト粒子は、TEM投影写真による一次粒子の平均粒子径(Xμm)と、X線回折による結晶子径(Yμm)とが式▲1▼の関係にあることが重要である。また、磁性トナー用材料粉や塗料用黒色顔料粉として用いられるマグネタイト粒子は昨今平均粒径小なるものが求められていることにより、好ましくはX=0.1〜0.5である。
0.4X≦Y≦0.8X(X=0.05〜1)・・・▲1▼
【0013】
一般的に、粒径が大きいと粒子の結晶子径は大きくなる傾向があるが、本発明のマグネタイト粒子においては、粒径に比して結晶子径が大きいとより好ましい。
【0014】
前記▲1▼式において、0.4X>Yの場合、粒径に比して結晶子径が大きいと言えず、耐酸化性改善効果が乏しい。また、0.8X<Yの場合、耐酸化性の効果は期待できるものの、製造に時間を要し、かつ著しく不経済であり、工業的でない。
【0015】
また、本発明のマグネタイト粒子は、X線回折による結晶子径が0.07〜0.2μmである。
【0016】
マグネタイト粒子の結晶子径が大きいと、何故耐酸化性に優れているかについては定かではないが、マグネタイト粒子が高温高湿な酸化雰囲気にさらされる場合、結晶子径が大きいと結晶粒界が少ない為、酸素の粒界拡散が進みにくく、その結果耐酸化性に優れるということが予測される。
【0017】
前記結晶子径が0.07μm未満の場合、耐酸化性不良となり、0.2μmを超えるマグネタイト粒子は、耐酸化性の効果は期待できるものの、製造に時間を要し、かつ著しく不経済であり、工業的でない。
【0018】
また、本発明のマグネタイト粒子は、湿度90%、温度60℃で7日間暴露したときのFeO劣化率が10%以下であるのが好ましい。
【0019】
前記FeO劣化率が10%を超える場合、耐酸化性が不良と言わざるを得ず、黒色度等も経時の際、劣化が著しい。
【0020】
また、本発明のマグネタイト粒子は、式▲2▼で得られる変動係数が10〜30%であるのが好ましい。
変動係数 =SEM写真によるフェレ径の標準偏差/SEM写真によるフェレ径の平均粒子径 ×100 ・・・▲2▼
【0021】
この変動係数は、マグネタイト粒子の粒度分布を示す指標であり、小さいほど分布がシャープであり、大きいほど分布がブロードである。
【0022】
前記変動係数が10%未満の場合、粒度分布上は優れているものの、かえって樹脂やビヒクル等へのマグネタイト粒子粉末の充填性を下げることとなり、30%を超える場合、分布がブロードな故に、前記充填性が不良となるのみならず、顔料系の用途の場合、色ムラを生じる。
【0023】
また、本発明のマグネタイト粒子は、球状、六面体、八面体等粒状であれば任意であるが、特に黒色度に優れた八面体形状であり、かつ磁気凝集が抑制された8kA/m以下の保磁力を有するのが好ましい。
【0024】
次に、本発明のマグネタイト粒子の好ましい製造方法について説明する。
後述の比較例でも明らかなとおり、Fe2+を含有する第一鉄塩水溶液をアルカリ水溶液で中和して得られた水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液に酸素含有ガスを通気して酸化することによりマグネタイト粒子を製造する方法は、マグネタイト粒子の製造方法としてごく一般的であるが、このような手段で得られたマグネタイト粒子の結晶子径は60Å程度以下であり、耐酸化性は十分でない。
【0025】
また、前記製法で得られるようなマグネタイト粒子等、結晶子径の小さいマグネタイト粒子を熱処理により、結晶子径を大きくする手段も考えられるが、高温で処理する場合、酸化防止の為、たとえ不活性ガス雰囲気中で処理したとしても、粒子の燒結を防ぎ得ず、低温で処理したのでは、結晶子径を高めるのに相当時間を要し、経済的でない。
【0026】
本発明者等は、前記したような弊害を回避すると同時に、得られる粒子の粒度分布も均一になり易い水熱合成法を採用し、その条件を特定することにより、目的とするマグネタイト粒子が得られることを知見したのである。
【0027】
即ち、本発明のマグネタイト粒子の製造方法は、短軸径が0.1μm以上のα−FeOOHと、水酸化第一鉄とをモル比1.5:1〜2:1の割合で混合し、鉄元素に対して1当量以上のアルカリ存在下、100〜150℃の温度範囲で水熱合成させることを特徴とする。
【0028】
まず、本発明においては、反応効率と出発原料に用いるα−FeOOH粒子の短軸径は0.1〜0.3μmであることが重要である。
このα−FeOOH粒子の短軸径が小さいと、マグネタイト生成速度が速くなり、生成マグネタイト粒子の結晶子径を大きくする間もなく反応が進んでしまうので好ましくない。従って、短軸径は0.1μ以上である必要があるが、α−FeOOH粒子の短軸径の大きさは0.3μm程度以下のものが形成され易いので、0.1〜0.3μmで特定される。また、長軸も余り大きいと反応に関わる比表面積が大きくなるので長軸:短軸比は3:1〜10:1程度が好ましい。
【0029】
また、出発原料にα−FeOOHと水酸化第一鉄とを併用することも重要である。
前記した従来のアルカリ中和−酸化法による反応では、水酸化第一鉄粒子内部に複数のマグネタイト粒子核が連続的に生成し、成長していく内、隣接した粒子同士が会合し、大きな生成粒子を作り易く、その結果大き目の粒子によるブロードな分布を形成し易い。これに対し、α−FeOOHと水酸化第一鉄を出発原料とする反応では、前記両者から反応スラリー中に溶出したイオンが水酸化第一鉄粒子外部で衝突し反応するため、会合粒子が少なく、均一な粒度分布の粒子が得られると考えられる。
【0030】
更に、前記アルカリ中和−酸化法による反応で得られたマグネタイト粒子は、ブドウ房状の大きな会合粒子を形成し易く、形状磁気異方性が発生し、比較的ハードな磁気特性を示す。それに対し、α−FeOOHと水酸化第一鉄を出発原料とする反応で得られるマグネタイト粒子は、前記会合粒子に起因する異方性が少ない為、保磁力が比較的低い特徴を有するものである。
【0031】
また、α−FeOOHと水酸化第一鉄のモル比を1.5:1〜2:1の割合とすることも重要である。
前記α−FeOOHのモル比が1.5未満で、水酸化第一鉄が過剰の場合、過剰の水酸化第一鉄がヘマタイト化し、マグネタイトの純度が下がり好ましくなく、前記α−FeOOHのモル比が2を超え、α−FeOOHが過剰の場合、生成粒子中にα−FeOOHが残りマグネタイトの純度が下がるので好ましくない。
【0032】
また、反応スラリー中のアルカリ量を鉄元素に対して1当量以上とすることも重要である。
反応が始まるとアルカリが消費され、アルカリが不足すると反応が停止するので、未反応のα−FeOOHと水酸化第一鉄が残留してしまうのみならず、水酸化第一鉄のヘマタイト化が起こりやすくなり好ましくない。
1当量以上が好ましいが、経済的な面を考慮すると、1〜2.5当量がより好ましい。
【0033】
また、反応温度100〜150℃であることも重要である。
反応温度が100℃未満の場合、結晶子径を大きくする上で不利なばかりか、反応がなかなか進行せず、非効率である。反応温度が150℃を超える場合、反応速度が速いことに起因して得られるマグネタイト粒子の粒度分布が広くなり、好ましくない。
【0034】
以下、実施例等に基づき本発明を具体的に説明する。
〔実施例1〕
α−FeOOH粒子(短軸径0.2μm、長軸:短軸比=4:1)及び水酸化第一鉄を水中に分散させたスラリーに水酸化ナトリウム水溶液を添加して、α−FeOOH粒子0.95mol/l、水酸化第一鉄0.5mol/lに対し、NaOHが1.01当量となるように反応用スラリーを調製した。この反応用スラリーをオートクレーブ中で、昇温温度3℃/分で120℃まで昇温し、加圧圧力2MPaにて60分間反応を行った。
得られたマグネタイトスラリーは通常の方法で、濾過、洗浄、乾燥、粉砕を行い、マグネタイト粒子を得た。
【0035】
下記に示す方法にて、得られたマグネタイト粒子の形状、平均粒径、変動係数、結晶子径、磁気特性、FeO品位、FeO耐候性について評価し、その結果を表1に示す。
<評価方法>
(1)粒子形状、平均粒径、及び変動係数
透過型電子顕微鏡(TEM)で粒子形状を観察し、3万倍の写真を撮影、200個の粒子のフェレ径を測定して平均粒径を算出した。このデータをもとに、試料の個数平均径及びその標準偏差を求め、式▲2▼により、変動係数を求めた。
(2)結晶子径
X線回折装置RINT2000型(リガク製)を用いて(311)面、(440)面、(220)面、(511面)の回折線より結晶子径を算出した。
(3)磁気特性
東英工業製振動試料型磁力計VSM−P7を使用し、外部磁場796kA/m及び79.6kA/mにて測定した。
(4)FeO品位
過マンガン酸カリウム標準液による酸化還元滴定法によった。
(5)FeO耐候性試験
マグネタイト粒子を時計皿に載せ、恒温恒湿槽(タバイエスペック製EX−III 型)にて、温度60℃、湿度90%RHにて7日間曝露した後、上記(4)の方法に従ってFeO品位の測定を行い、FeO劣化率を下記式に基づいて算定した。
FeO劣化率(%)=(曝露前FeO(重量%)−曝露後FeO(重量%))/曝露前FeO(重量%)×100
【0036】
【表1】
Figure 0004780856
【0037】
〔実施例2〜3〕
表1に示すように、各種製造条件を変更した以外は、実施例1と同様にマグネタイト粒子を製造した。実施例1と同様に各種性状及び特性を評価し、その結果を表2に示す。
【0038】
【表2】
Figure 0004780856
【0039】
〔比較例1〕
Fe2+を2.0mol/l含有する硫酸第一鉄水溶液50リットルと4.0mol/lの水酸化ナトリウム45リットルとを混合撹拌し、水酸化第一鉄コロイドを含む第一鉄塩水溶液を得た。この反応水溶液の温度を60℃に保ちながら、10リットル/minの空気を通気し、酸化反応を行った。得られたマグネタイト粒子スラリーを通常の濾過、洗浄、乾燥、粉砕工程により処理し、マグネタイト粒子を得た。得られたマグネタイト粒子について、実施例1と同様に各種性状及び特性を評価した。その結果を表2に示す。
【0040】
〔比較例2〕
水酸化ナトリウムを51リットルとした以外は、比較例2と同様の方法でマグネタイト粒子を得た。実施例1と同様に各種特性、物性を評価し、その結果を表2に示す。
【0041】
〔比較例3〕
水酸化ナトリウムを52リットルとした以外は、比較例2と同様の方法でマグネタイト粒子を得た。実施例1と同様に各種特性、物性を評価し、その結果を表2に示す。
【0042】
〔比較例4〜9〕
表1に示すように、各種製造条件を変更した以外は、実施例1と同様にマグネタイト粒子を製造した。実施例1と同様に各種性状及び特性を評価し、その結果を表2に示す。
【0043】
表2から明らかなとおり、実施例のマグネタイト粒子の結晶子径は、粒状であれば何れの粒子形状であっても大きいことにより、FeO耐候性試験におけるFeO劣化率が低く、耐酸化性に優れていることがうかがえる。
【0044】
これに比べ、比較例1〜3のマグネタイト粒子は、従来法であるアルカリ中和−酸化法により製造されているので、結晶子径が小さく、FeO耐候性試験におけるFeO劣化率が大きく、耐酸化性に劣った。また、粒度分布もブロードであった。
【0045】
また、比較例4のマグネタイト粒子は、反応温度が高い為、反応速度が速いことに起因して、粒子の成長が均一でない。従って、粒度分布もブロードで保磁力も大きかった。また、FeO劣化率が大きく、耐酸化性に劣っていた。
【0046】
また、比較例5のマグネタイト粒子は、反応温度が低い為、反応速度が遅く、実施例レベルの平均粒径を得るのに相当時間がかかることがうかがえる。また、結晶子径も小さい為、FeO劣化率が大きく、耐酸化性に劣っており、保磁力も大きかった。
【0047】
また、比較例6のマグネタイト粒子は、α−FeOOH粒子の短軸径が小さい為、反応速度が速いことに起因して、結晶子径が小さい。従って、FeO劣化率が大きく、耐酸化性に劣っており、また、粒度分布もブロードで保磁力も大きかった。
【0048】
また、比較例7〜9のマグネタイト粒子は、いずれもマグネタイト粒子の生成が不完全であった。また、結晶子径が小さく、かつFeOも低く、静電複写磁性トナー用材料粉、静電潜像現像用キャリア用材料粉、塗料用黒色顔料粉等の用途に適さないものであった。
【0049】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明のマグネタイト粒子は、結晶子径が大きく、耐酸化性、特に高温高湿下での耐候性に優れている。更に、それに加えて、粒度分布の均一性、低保磁力といった特性をも改善されていることにより、静電複写磁性トナー用材料粉、静電潜像現像用キャリア用材料粉、塗料用黒色顔料粉等の用途に好適である。
また、本発明のマグネタイト粒子の製造方法によれば、結晶子径が大きく、粒度分布に優れたマグネタイト粒子を効率的に製造することができる。

Claims (5)

  1. TEM投影写真による一次粒子の平均粒子径(Xμm)と、X線回折による結晶子径(Yμm)とが式(1)の関係にあり、該結晶子径が0.07〜0.2μmであることを特徴とする粒状マグネタイト粒子。
    0.4X≦Y≦0.8X(X=0.05〜1)・・・(1)
  2. 湿度90%、温度60で7日間暴露したときのFeO劣化率が10%以下であることを特徴とする請求項1に記載のマグネタイト粒子。
  3. 式(2)で得られる変動係数が10〜30%であることを特徴とする請求項1又は2に記載のマグネタイト粒子。
    変動係数 =SEM写真によるフェレ径の標準偏差/SEM写真によるフェレ径 の平均粒子径 ×100 ・・・(2)
  4. 粒子形状が八面体であり、且つ、保磁力が8kA/m以下であることを特徴とする請求項1〜3のいずれか一項に記載のマグネタイト粒子。
  5. 短軸径が0.1〜0.3μmのα−FeOOHと、水酸化第一鉄とをモル比1.5:1〜2:1の割合で混合し、鉄元素に対して1当量以上のアルカリ存在下、100〜150の温度範囲で水熱合成させることを特徴とするマグネタイト粒子の製造方法。
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