JP3233753B2 - トナーおよびその製造方法 - Google Patents

トナーおよびその製造方法

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JP3233753B2 JP27228493A JP27228493A JP3233753B2 JP 3233753 B2 JP3233753 B2 JP 3233753B2 JP 27228493 A JP27228493 A JP 27228493A JP 27228493 A JP27228493 A JP 27228493A JP 3233753 B2 JP3233753 B2 JP 3233753B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、トナーおよびその製造
方法に関するものである。詳しく述べると本発明は、電
子写真法、静電記録法、静電印刷法等において形成され
る静電潜像を現像するためのトナーおよびその製造方法
に関するものである。
【0002】
【従来の技術】電子写真法において、受像シート上に形
成されたトナー画像を、シート上に永久定着する方法と
しては加熱ローラー定着法が広く普及している。この方
法は、加熱ローラー表面と、被定着シートの画像面が圧
接触するので、トナー画像を被定着シートに熱溶着する
際の熱効率が優れ、迅速定着が行なえるので、電子写真
複写機には極めて好適である。しかしながら、該方法
は、上記のごとき利点があるとはいえ、オフセット現象
の発生という重大な問題がある。これは、定着時に像を
形成するトナーの一部が熱ローラー表面に付着し、これ
がつぎの被定着シート上に転移して画像を汚すという現
象である。
【0003】オフセット現象を防止する対策としては、
ローラーの材質を選択する以外に、熱ローラーへ離型剤
としてシリコーンオイル等を塗布したり、あるいは低分
子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、パラフィ
ンワックス等の低軟化点ワックスを離型剤としてトナー
中に含有させたり、溶融トナー間の凝集力を高めるため
に分子量分布を広げるなどの対策が行なわれている。
【0004】また近年、加熱ローラー定着法において低
消費電力化、高速定着化が望まれており、これに対して
トナー結着樹脂のTgの低下および低溶融粘性化が有効
であると言われている。しかしながら、トナー結着樹脂
のTgの低下は、ブロッキング等の貯蔵安定性の低下、
またトナーの流動性の低下の原因となり、また低溶融粘
性化は、オフセット現象をより顕著なものとする。
【0005】これらの問題を解決するために、例えば、
特開平2−5071号公報には、アクリル酸ステアリ
ル、メタクリル酸ステアリルなどのようなモノマーを構
成単位として含有する結晶性アクリル酸エステルまたは
結晶性メタクリル酸エステルのオリゴマーをトナー組成
中に添加することが提唱されている。また米国特許第4
514487号には、同様に、アクリル酸ステアリルの
オリゴマーあるいはアクリル酸ステアリル含有コポリマ
ーのオリゴマーの存在下に結着樹脂を構成する重合性単
量体を重合させて得られるトナーが開示されている。
【0006】確かに、このような結晶性アクリル酸エス
テルまたは結晶性メタクリル酸エステル等のオリゴマー
は、融点が低く、溶融粘性が低いため、得られるトナー
の最低定着温度を低くすることは可能である。しかしな
がら、トナー製造時において、トナー結着樹脂中にこれ
らのオリゴマーを添加し溶融混練する際、トナー結着樹
脂と前記オリゴマーとの溶融粘度の差が大きいものであ
るため、トナー結着樹脂中への前記オリゴマーの分散が
不十分なものとなり、トナー結着樹脂のマトリックス中
に存在する前記オリゴマーのドメインは比較的大きなも
のとなってしまう。 このように、トナー粒子中におけ
る前記オリゴマーの分散ドメインが大きいものである
と、前記オリゴマーの存在による耐オフセット性の発現
が十分なものとならず、また流動性の低下および耐ブロ
ッキング性の低下が見られ、さらに流動性の低下に伴な
いトナーの帯電の立ち上がりが遅いなどの問題が生じる
ものであった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】従って、本発明は、改
良されたトナーおよびその製造方法を提供することを目
的とするものである。本発明はまた、耐オフセット性、
流動性、帯電性および貯蔵安定性に優れたトナーおよび
その製造方法を提供することを目的とするものである。
【0008】
【課題を解決するための手段】上記諸目的は、トナー粒
子中において、結着樹脂のマトリックスに、結晶性アク
リル酸エステルポリマー、結晶性メタクリル酸エステル
ポリマー、ならびに結晶性アクリル酸エステルおよび結
晶性メタクリル酸エステルの少なくとも一方を含有する
コポリマーからなる群から選ばれてなるオフセット防止
剤が複数のドメインを形成して存在し、さらにこのドメ
イン中に前記結着樹脂が複数のドメインを形成して存在
する海−島−海構造を有することを特徴とするトナーに
より達成される。
【0009】本発明の好ましい実施態様において、前記
オフセット防止剤の溶融粘度は140℃で50cP〜1
5 cPである。また前記オフセット防止剤は、トナー
組成中に0.5〜30重量%含有されているものである
ことが望ましい。また前記オフセット防止剤の重量平均
分子量は35000〜500000であることが望まし
い。さらに前記オフセット防止剤は融点が50℃以上、
好ましくは60℃以上であることが望ましい。
【0010】上記諸目的はまた、結着樹脂および着色剤
を少なくとも含有するトナーの製造方法であって、重合
により前記結着樹脂を形成する重合性単量体中で、前記
結晶性アクリル酸エステルポリマー、結晶性メタクリル
酸エステルポリマー、ならびに結晶性アクリル酸エステ
ルおよび結晶性メタクリル酸エステルの少なくとも一方
を含有するコポリマーからなる群から選ばれてなるオフ
セット防止剤を溶解し、少なくとも前記重合性単量体お
よび前記オフセット防止剤を含有する重合性組成物を水
性媒体中で懸濁重合することを特徴とするトナーの製造
方法によっても達成される。
【0011】
【作用】本発明に係わるトナーは、代表的には懸濁重合
により得られるものであり、オフセット防止剤として、
結晶性アクリル酸エステルホモポリマー、結晶性メタク
リル酸エステルホモポリマー、あるいは、結晶性アクリ
ル酸エステルモノマーおよび結晶性メタクリル酸エステ
ルモノマーの少なくとも一方を含有するコポリマーを含
有するものである。なお以下これらのホモポリマーおよ
びコポリマーを「結晶性(メタ)アクリル酸エステル系
ポリマー」と記する。
【0012】前記結晶性(メタ)アクリル酸系ポリマー
は、重合により結着樹脂を形成する重合性単量体、例え
ばスチレン系モノマー、スチレン/アクリル系モノマー
などに溶解し、またその重合後の結着樹脂に対して実質
的に相溶性を有しないものであり、特に結着樹脂の重合
度がある所定の大きさ以上となると、急激に析出してく
るものである。このため、懸濁重合によりトナー粒子を
製造する場合に、重合性単量体中にこれらの結晶性(メ
タ)アクリル酸エステル系ポリマーを添加すると、重合
開始時は重合性単量体中に溶解して均一に混合され、重
合の進行とともに結着樹脂のマトリックス中に析出し
て、結着樹脂とは明瞭な境界を有するドメインを形成す
るため、結着樹脂中への分散が容易でかつその分散性が
高いものとなる。なお、このように懸濁重合法によりト
ナーを得た場合、図1に模式的に示すようにトナー粒子
は、結着樹脂のマトリックス1中に前記結晶性(メタ)
アクリル酸エステル系ポリマーの複数のドメイン2が形
成され、さらにこのドメイン2内に結着樹脂が複数のド
メイン3を形成して存在する海−島−海構造を有するこ
ととなる。このような海−島−海構造が形成される機構
は明らかではないが、いずれにしろ、トナー粒子におけ
る前記結晶性(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーの
分散性は良好なものである。
【0013】本発明に係わるトナーにおいて含有される
前記結晶性(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーは、
比較的低融点のものであり、また長鎖アルキル基を有す
るものであるから、高い離型性を有し、トナーの耐オフ
セット性は良好なものとなる。また前記したように、本
発明に係わるトナー粒子において、前記結晶性(メタ)
アクリル酸エステル系ポリマーの分散性は良好でそのド
メインは十分小さいものであるために、トナー粒子の流
動性に関する結晶性(メタ)アクリル酸エステル系ポリ
マーの影響はほとんどなく、流動性が良好であり、この
ため帯電の立ち上りが良好なものとなる。
【0014】以下、本発明を実施態様に基づきより詳細
に説明する。本発明のトナーにオフセット防止剤として
用いられる結晶性(メタ)アクリル酸エステル系ポリマ
ーとしては、例えば、下記一般式(I)で示される単量
体を構成単位として含有する、好ましくは100〜50
モル%、より好ましくは100〜60モル%、さらに好
ましくは100〜70モル%含有するものが挙げられ
る。
【0015】
【化2】
【0016】上記一般式(I)で示される単量体として
具体的には、例えば、アクリル酸ステアリル、メタクリ
ル酸ステアリル、アクリル酸ヘキサデシル、メタクリル
酸ヘキサデシル、アクリル酸ヘプタデシル、メタクリル
酸ヘプタデシル、アクリル酸ノナデシル、メタクリル酸
ノナデシル、アクリル酸アラキル、メタクリル酸アラキ
ル、アクリル酸ベヘニル、メタクリル酸ベヘニル、アク
リル酸ペンタシル、メタクリル酸ペンタシル、アクリル
酸ヘプタシル、メタクリル酸ヘプタシル、アクリル酸ノ
ナシル、メタクリル酸ノナシル、アクリル酸ドテリアシ
ル、メタクリル酸ドテリアシル等がある。このうち特に
好ましくは、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ベヘニ
ル、メタクリル酸ベヘニル、アクリル酸ペンタシル、メ
タクリル酸ペンタシル等である。
【0017】また、このような一般式(I)で示される
単量体と共重合可能な単量体としては、例えば、スチレ
ン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メ
チルスチレン、α−メチルスチレン、p−メトキシスチ
レン、p−tert−ブチルスチレン、p−フェニルス
チレン、o−クロルスチレン、m−クロルスチレン、p
−クロルスチレン等のスチレン系モノマー;アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、ア
クリル酸イソブチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸
n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリ
ル酸フェニル、α−クロルアクリル酸メチル、メタクリ
ル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸n−
ブチル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸n−オ
クチル、メタクリル酸ドデシル、メタクリル酸2−エチ
ルヘキシル等の非晶性アクリル酸エステル系または非晶
性メタアクリル酸エステル系モノマー;アクリロニトリ
ル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル
酸系モノマー;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチ
ルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル
系モノマー;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケト
ン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン系モノマ
ー;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾール、N
−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビ
ニル化合物系モノマー;その他、エチレン、プロピレ
ン、ブチレン、塩化ビニル、酢酸ビニルなどの各種ビニ
ル系モノマーなどが挙げられる。
【0018】そして、このような結晶性(メタ)アクリ
ル酸エステル系ポリマーの重量平均分子量としては、3
5000〜500000、より好ましくは35000〜
450000、さらに好ましくは35000〜4000
00程度のものとされる。すなわち、重量平均分子量が
35000未満であると、溶融粘度が低くすぎて、所望
のオフセット防止効果が得られず、またトナー粒子中に
おける結晶性(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーの
良好な分散性およびトナーの良好な貯蔵安定性が得られ
ない虞れがあり、一方、重量平均分子量が500000
を越えるものであると、溶融粘度が高すぎて、溶融特性
が低下し、耐オフセット性が発揮できなくなる虞れが大
きいためである。
【0019】また、このような結晶性(メタ)アクリル
酸エステル系ポリマーの溶融粘度は、B型粘度計で測定
した140℃での粘度が、50cP〜1×105 cP、
より好ましくは100cp〜1×104 cPであること
が望ましい。すなわち、溶融粘度が140℃で50cP
未満であると、耐オフセット効果、トナー粒子中におけ
るこれらの結晶性ポリマーの良好な分散性、およびトナ
ーの良好な貯蔵安定性が得られない虞れがあり、一方、
1×105 cPを越えるものであると、溶融特性が低下
し耐オフセット効果を発揮しなくなる虞れがあるためで
ある。
【0020】さらに結晶性(メタ)アクリル酸エステル
系ポリマーの融点は、少なくとも35℃以上である必要
があり、一般的には50℃以上、より好ましくは60℃
以上であることが望ましい。すなわち、ポリマーの融点
が35℃未満であると比較的穏やかな環境下においても
トナーの貯蔵安定性が保証できなくなるためであり、あ
る程度過酷な条件を考慮すると50℃以上は必要と考え
られるためである。一方、良好な耐オフセット性を得る
との観点から、その上限値は、120℃、より好ましく
は100℃程度であることが望まれる。本発明において
使用される結晶性(メタ)アクリル酸エステル系ポリマ
ーの融点の最も好ましい範囲としては60〜100℃で
ある。なお、本明細書において述べられる「融点(T
m)」とは、示査走査熱量測定法(DSC)に従い、例
えばDSC−7(パーキン エルマー社製)等の示査走
査熱量測定装置を用い、試料約20mgを一定の昇温速
度(10℃/min)で加熱したときの融解ピーク値
(最大値)である。
【0021】本発明のトナーにおいて、このような結晶
性(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーは、後述する
ような結着樹脂および着色剤を少なくとも含有するトナ
ー組成中に、0.5〜30重量%、より好ましくは1〜
15重量%配合されることが望ましい。この配合量が
0.5重量%より少ないと、得られるトナーの耐オフセ
ット性を十分に改善することが困難であり、一方、配合
量が30重量%を越えるものであると、トナーの熱定着
性、流動性、帯電立ち上がりなどが低下してしまう虞れ
が大きいためである。
【0022】本発明のトナーの結着樹脂としては、従来
このような懸濁重合によるトナーにおいて用いられる各
種樹脂を用いることができるが、その重合性単量体が重
合温度域において上記したような結晶性(メタ)アクリ
ル酸エステル系ポリマーを溶解可能であり、かつ重合後
のポリマー状態においてはこれらに対し実質的に相溶性
を示さないものであることが望ましく、前記したような
重合性単量体の単独または共重合体、特にスチレン系樹
脂またはスチレン/アクリル系樹脂、望ましくは重量平
均分子量2000〜5×105 程度のスチレン系樹脂ま
たはスチレン/アクリル系樹脂が望ましい。
【0023】本発明のトナーにおいて用いられる着色剤
としては、当業者に周知の染料および顔料のいずれを用
いることも可能であり、有機および無機の如何を問わな
い。その具体例としては、例えばカーボンブラック、ニ
グロシン染料、アニリンブルー、カルコオイルブルー、
クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイ
ルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロリ
ド、フタロシアニンブルー、マラカイドグリーンオキザ
レート、ランプブラック、オイルブラック、アゾオイル
ブラック、ローズベンガル等が挙げられ、必要であれば
これら2種以上を併用して用いてもよい。
【0024】また、磁性トナーを得ようとする場合に用
いられる磁性粉としては、例えば鉄、コバルト、ニッケ
ル等の強磁性金属の粉体、マグネタイト、ヘマタイト、
フェライト等の金属化合物の粉体等が挙げられる。これ
ら磁性粉は着色剤としても機能するので、単独で用いて
もよいが、もちろん前記したような着色剤と併用すると
ができる。
【0025】これら着色剤および/または磁性粉はその
まま用いても良いが、適当な方法で表面を処理した着色
剤および/または磁性粉を用いると該着色剤および/ま
たは磁性粉が均一に分散したトナーが得られ、高画質の
画像が形成されるので好ましい。例えば、着色剤として
カーボンブラックを用いた場合は、特開昭63−12
7,767号および特開昭63−265,913号に記
載のカーボンブラックグラフトポリマーが好適である。
また、カーボンブラック以外の着色剤を用いる場合も、
特開平1−118,573号に記載の方法により得られ
る表面処理された着色剤が好適である。
【0026】該着色剤および/または該磁性粉の添加量
は使用する着色剤および/または磁性粉の種類や得よう
とするトナーの種類に応じて広い範囲とすることができ
るが、好ましくはトナー組成中に1〜70重量%、より
好ましくは1〜60重量%である。
【0027】本発明のトナーにおいては、さらに必要に
応じて、電荷制御剤、流動化剤、ワックス類などの従来
周知のトナー用添加剤を、トナー粒子の内部あるいは外
表面部位に添加することが可能である。
【0028】電荷制御剤としては、例えば、ニグロシ
ン、モノアゾ染料、亜鉛、ヘキサデシルサクシネート、
ナフトエ酸のアルキルエステルまたはアルキルアミド、
ニトロフミン酸、N,N−テトラメチルジアミンベンゾ
フェノン、N,N−テトラメチルベンジジン、トリアジ
ン、サリチル酸金属錯体などを挙げることができる。
【0029】また、流動化剤としては、シリカ、酸化ア
ルミニウム、酸化チタン、フッ化マグネシウム等が挙げ
られる。
【0030】ワックス類としては、環状法軟化点80〜
180℃の重合体、融点60〜70℃の高融点パラフィ
ンワックス、脂肪酸エステル類、およびその部分ケン化
物類、高級脂肪酸類、脂肪酸金属類、高級アルコール類
等が挙げられ、このうち、ポリエチレン、ポリプロピレ
ン等のポリオレフィン系ワックス類が望ましい。しかし
ながら、本発明のトナーにこのようなワックス類を添加
する場合、その添加量が多くなると、トナーの流動性、
帯電立ち上がりなどの特性を大きく損ねてしまう虞れが
大きいので、その添加量は、トナー中に配合される前記
結晶性(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーの配合量
に対し、100重量%以下、より望ましくは50重量%
以下とすることが望ましい。
【0031】本発明に係わるトナーは、代表的には、前
記したような重合後結着樹脂を形成する重合性単量体
に、前記結晶性(メタ)アクリル酸エステル系ポリマー
を添加し、必要に応じて重合開始温度ないしそれ以下の
温度まで加熱して、結晶性(メタ)アクリル酸エステル
系ポリマーを前記重合性単量体中に溶解し、その後この
混合物を水性媒体中に懸濁して重合を行なうことにより
製造され得る。
【0032】着色剤および/または磁性粉は、通常、懸
濁重合時、前記重合性単量体中に分散もしくは溶解させ
ておくが、場合によってはそれらを存在させずに重合し
て得られた球状重合体粒子に着色剤および/または磁性
粉を適当な方法によって付与してもよい。また、電荷制
御剤等の必要に応じてトナー粒子内部に配合されるその
他の添加剤も、通常、懸濁重合時に前記重合性単量体中
に分散もしくは溶解させておいてもよい。または懸濁重
合後適当な方法で添加してもよい。
【0033】この懸濁重合は、粒子径の規制を行なった
後、あるいは粒子径の規制を行ないながら反応を行うこ
とが好ましいが、特に粒子径の規制を行なった後に反応
を行なうことが好ましい。この粒子径の規制は、例えば
所定の成分を水性媒体に分散させた懸濁液をT.K.ホ
モキミサーあるいはエバラマイルダー等のラインミキサ
ーに1回ないし数回通過させることにより行なわれる。
懸濁重合反応は、通常40〜130℃、好ましくは50
〜90℃の範囲の温度で0.5〜30時間、好ましくは
2〜10時間行なわれる。
【0034】懸濁重合に用いる安定剤としては、ポリビ
ニルアルコール、デンプン、メチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、
ポリアクリル酸ナトリウム、ポリメタクリル酸ナトリウ
ム等の水溶性高分子;アニオン性界面活性剤、カチオン
性界面活性剤、両性イオン界面活性剤、ノニオン性界面
活性剤等の界面活性剤等があり、その他硫酸バリウム、
硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸マグネシウム、リ
ン酸カルシウム、タルク、粘土、ケイソウ土、金属酸化
物粉末等が用いられる。
【0035】アニオン性界面活性剤としては、オレイン
酸ナトリウム、ヒマシ油カリ等の脂肪酸塩、ラウリル硫
酸ナトリウム、ラウリル硫酸アンモニウム等のアルキル
硫酸エステル塩、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウ
ム等のアルキルベンゼンスルホン酸塩、アルキルナフタ
レンスルホン酸塩、アルカンスルホン酸塩、ジアルキル
スルホコハク酸塩、アルキルリン酸エステル塩、ナフタ
レンスルホン酸ホルマリン縮合物、ポリオキシエチレン
アルキルフェニルエーテル硫酸エステル塩、ポリオキシ
エチレンアルキル硫酸エステル塩等がある。
【0036】ノニオン性界面活性剤としては、ポリオキ
シエチレンアルキルエーテル、ポリオキシエチレンアル
キルフェニルエーテル、ポリオキシエチレン脂肪酸エス
テル、ソルビタン脂肪酸エステル、ポリオキシソルビタ
ン脂肪酸エステル、ポリオキシエチレンアルキルアミ
ン;グリセリン脂肪酸エステル、オキシエチレン−オキ
シプロピレンブロックポリマー等がある。
【0037】カチオン性界面活性剤としては、ラウリル
アミンアセテート、ステアリルアミンアセテート等のア
ルキルアミン塩、ラウリルトリメチルアンモニウムクロ
ライド等の第四級アンモニウム塩等がある。
【0038】両性イオン界面活性剤としては、ラウリル
ジメチルアミンオキサイド等がある。
【0039】これら安定剤は、得られる球状樹脂粒子の
粒子径が3.5〜20μm、好ましくは4〜15μmの
範囲となるように、その組成や使用量を適宜調節して使
用すべきものである。例えば、安定剤として水溶性高分
子を用いる場合は、重合性単量体に対して0.01〜2
0重量%、好ましくは0.1〜10重量%の範囲とする
のが好適である。界面活性剤の場合は、重合性単量体成
分に対して0.01〜10重量%、好ましくは、0.1
〜5重量%の範囲とするのが好適である。
【0040】重合に用いる重合開始剤としては、通常懸
濁重合に用いられる油溶性の過酸化物系あるいはアゾ系
開始剤が利用できる。一例を挙げると、例えば、過酸化
ベンゾイル、過酸化ラウロイル、過酸化オクタノイル、
オルソクロロ過酸化ベンゾイル、オルソメトキシ過酸化
ベンゾイル、メチルエチルケトンパーオキサイド、ジイ
ソプロピルパーオキシジカーボネート、キュメンハイド
ロパーオキサイド、シクロヘキサノンパーオキサイド、
t−ブチルハイドロパーオキサイド、ジイソプロピルベ
ンゼンハイドロパーオキサイド等の過酸化物系開始剤、
2,2´−アゾビスイソブチロニトリル、2,2´−ア
ゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2
´−アゾビス−2,3−ジメチルブチロニトリル、2,
2´−アゾビス−(2−メチルブチロニトリル)、2,
2´−アゾビス−2,3,3−トリメチルブチロニトリ
ル、2,2´−アゾビス−2−イソプロピルブチロニト
リル、1,1´−アゾビス−(シクロヘキサン−1−カ
ルボニトリル)、2,2´−アゾビス−(4−メトキシ
−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2−(カルバモ
イルアゾ)イソブチロニトリル、4,4´−アゾビス−
4−シアノバレリン酸、ジメチル−2,2´−アゾビス
イソブチレート等がある。該重合開始剤は、重合性単量
体に対して、0.01〜20重量%、特に、0.1〜1
0重量%の範囲で使用されるのが好ましい。このように
して重合性単量体成分を懸濁重合させて樹脂微粒子を得
る際に、重合度を調整するための連鎖移動剤等公知の添
加剤を適宜配合してもよい。
【0041】懸濁重合終了後に、水性媒体中に存在する
トナー粒子は水性媒体より分離され、乾燥される。な
お、水性媒体より分離する際、必要に応じて凝集剤を用
いて凝集処理を行ない、分離乾燥後、解砕処理を行なう
ことも可能である。
【0042】凝集剤としては、例えば、塩酸等の無機
酸、酢酸等の有機酸、これらの酸とアルカリ土類金属、
アルミニウムなどからなる水溶性金属塩の公知凝集剤、
あるいは特開平5−40365号において述べるような
水不溶性微粒子および/または結着樹脂に対して非溶媒
である有機溶媒などを用いることができる。
【0043】こうして得られるトナー粒子は平均粒子径
が3.5〜20μm、好ましくは4〜15μmの範囲に
ある。最後にこのようにして得られたトナー粒子に、必
要に応じて、例えば流動化剤などのトナー粒子表面部位
に添加される添加剤の付着処理などを行なう。
【0044】
【実施例】以下、実施例による本発明を詳細に説明する
が本発明は以下の実施例によって限定されるものではな
い。なお、以下実施例および比較例中の「部」は、特に
ことわらない限りすべて重量による。
【0045】実施例1 攪拌機、不活性ガス導入管、還流冷却管および温度計を
備えた反応釜に、ポリビニルアルコール1部を溶解した
脱イオン水2,000部を仕込んだ。そこへ予め調整し
ておいたスチレン585部、ブチルメタクリレート39
0部およびグリシジルメタクリレート25部からなる重
合性単量体にベンゾイルパーオキサイド80部を溶解し
た混合物を仕込み、高速で撹拌して均一な懸濁液とし
た。次いで、窒素ガスを吹き込みながら80℃に加熱
し、この温度で5時間撹拌を続けて重合反応を行なった
後水を除去して反応性基としてエポキシ基を有する重合
体を得た。
【0046】反応性基としてエポキシ基を有する重合体
400部とカーボンブラックMA−100R(三菱化成
工業株式会社製)180部と電荷制御剤(Aizen Spilon
Black TRH 保土ケ谷化学工業株式会社製)20部とを加
圧ニーダーを用いて160℃、100rpmの条件下に
混練して反応した後、冷却しかつ粉砕して着色剤として
の電荷制御剤含有カーボンブラックグラフトポリマーを
得た。
【0047】攪拌機を備えた混合機にスチレン80.5
部、アクリル酸n−ブチル15部およびジビニルベンゼ
ン0.42部からなる重合性単量体を仕込み、ついでポ
リアクリル酸ベヘニル(融点(DSC法ピーク温度)6
9℃、分子量Mw 50000、溶融粘度(140℃)
200cP)1.5部を添加した。これに上記で得られ
た電荷制御剤含有カーボンブラックグラフトポリマー5
0部、アゾビスイソブチロニトリル2部、2,2´−ア
ゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル4部を添加
し、溶解させ、重合性単量体組成物とした。これに予め
調整しておいたアニオン性界面活性剤 ハイテノールN
−08(第一工業製薬(株)製)0.4部を溶解した脱
イオン水500部を仕込み、混合攪拌により均一な懸濁
液とした。この懸濁液をエバラマイルダーMDN−30
3((株)荏原製作所製)に15000rpmで1回通
過させ、微細に粒子規制された懸濁液を得た。この懸濁
液を前記と同様の反応釜に仕込み、次いで窒素ガスを吹
き込みながら、75℃に加熱し、この温度で4時間撹拌
を続けて懸濁重合反応を行なった後、重合率99.9
%、体積算術粒子径が4.9μm、粒子径の変動係数が
14.2%の着色球状微粒子の懸濁液(1)を得た。7
5℃に保たれた着色球状微粒子の懸濁液(1)に、塩化
アルミニウム0.2部を添加後、そのままの温度で1時
間湿式融着加熱処理を行なったところ、粒子同士が融着
してなるブロック状物を形成した。これを瀘過し、洗浄
した後、減圧乾燥機を用いて50℃で8時間乾燥し、粟
おこしの形状を呈したブロック状物を得た。このブロッ
ク状物を超音速ジェット粉砕機(日本ニューマチック工
業(株)製)を用いて解砕し、着色微粒子(1)を得
た。得られた着色微粒子(1)をコールターカウンター
(アパーチャ100μm)で測定した結果、体積算術平
均径が5.1μmで、粒子径の変動係数が13.1%で
あった。
【0048】なお、このようにして得られた着色微粒子
(1)をエポキシ系樹脂に分散させ硬化させたものをマ
イクロトームを用いて0.05mmの厚さにスライス
し、この試料を透過型電子顕微鏡(TEM)写真を用い
て観察したところ、図1に模式的に示すように、結着樹
脂のマトリックス1中に前記結晶性ポリアクリル酸ベヘ
ニルのドメイン2が形成され、さらにこのドメイン2が
結着樹脂のドメイン3を内包した海−島−海構造を形成
していることが明らかとなった。
【0049】この着色微粒子(1)100部にアエロジ
ルR972(日本アエロジル製)0.5部を添加し、静
電荷現像用トナー(1)とした。この静電荷像現像用ト
ナー(1)を用いて市販の複写機(タイプ4060、
(株)リコー製)による5000枚の画像出しを行なっ
たところ、オフセットもなく良好な画像が得られた。ま
た、この着色微粒子(1)の耐熱性を評価するために、
着色微粒子(1)20gをサンプル管に採取、密栓後、
温度60℃下で24時間放置した後、凝集度を調べた。
得られた結果を表1に示す。
【0050】実施例2 実施例1と同様の方法で得られたエポキシ基を有する重
合体200部と粉体状の磁性体であるマピコBL−20
0(チタン工業(株)製)380部と電荷制御剤(アイ
ゼンスピロンブラックTRH)20部とを加圧ニーダー
を用いて160℃、100rpmの条件下で混練した
後、冷却し粉砕してポリマー処理磁性体を得た。ポリマ
ー処理磁性体500部およびポリメタクリル酸ベヘニル
(融点(DSC法ピーク温度)62℃、分子量Mw=1
80000、溶融粘度(140℃)3900cP)6部
とする以外は実施例1と同様の方法で懸濁重合を行な
い、重合率99.8%、体積算術平均径5.45μm、
粒子径の変動係数が22.6%の着色球状微粒子の懸濁
液(2)を得た。この着色懸濁微粒子の懸濁液(2)を
実施例1と同様の方法で湿式融着加熱処理、瀘過、洗
浄、乾燥、超音速ジェット粉砕機による解砕を行ない、
体積算術平均径5.25μm、粒子径の変動係数が1
9.4%の着色微粒子(2)を得た。
【0051】この着色微粒子(2)100部にアエロジ
ルR972 0.5部を添加し、静電荷像現像用トナー
(2)とした。この静電荷像現像用トナー(2)を用い
て市販の複写機(NP−5000、キャノン(株)製)
による5000枚の画像出しを行なったところ、オフセ
ットもなく良好な画像が得られた。また、この着色微粒
子(2)の耐熱性を実施例1と同様にして評価した。得
られた結果を表1に示す。
【0052】実施例3 実施例1において、ポリアクリル酸ベヘニル1.5部の
代わりにポリアクリル酸ステアリル(融点(DSC法ピ
ーク温度)53℃、分子量Mw=95000、溶融粘度
(140℃)444cP)4.5部を用いる以外は、実
施例1と同様の方法で懸濁重合を行ない、重合率99.
7%、体積算術平均径5.0μm、粒子径の変動係数が
14.3%の着色球状微粒子の懸濁液(3)を得た。こ
の着色懸濁微粒子の懸濁液(3)に対し、実施例1と同
様の操作を行なうことで、体積算術平均径5.2μm、
粒子径の変動係数が13.5%の着色微粒子(3)を得
た。
【0053】この着色微粒子(3)100部にアエロジ
ルR972 0.5部を添加し、静電荷像現像用トナー
(3)とした。この静電荷像現像用トナー(3)を用い
て実施例1と同様の試験を行なったところ、オフセット
もなく良好な画像が得られた。また、この着色微粒子
(3)の耐熱性を実施例1と同様にして評価した。得ら
れた結果を表1に示す。
【0054】実施例4 実施例1において、ポリアクリル酸ベヘニル1.5部の
代わりにポリメタクリル酸ステアリル(融点(DSC法
ピーク温度)37.8℃、分子量Mw=256000、
溶融粘度(140℃)6800cP)1部を用いる以外
は、実施例1と同様の方法で懸濁重合を行ない、重合率
99.8%、体積算術平均径4.9μm、粒子径の変動
係数が14.1%の着色球状微粒子の懸濁液(4)を得
た。この着色懸濁微粒子の懸濁液(4)に対し、実施例
1と同様の操作を行なうことで、体積算術平均径5.0
μm、粒子径の変動係数が13.0%の着色微粒子
(4)を得た。
【0055】この着色微粒子(4)100部にアエロジ
ルR972 0.5部を添加し、静電荷像現像用トナー
(4)とした。この静電荷像現像用トナー(4)を用い
て実施例1と同様の試験を行なったところ、オフセット
もなく良好な画像が得られた。また、この着色微粒子
(4)の耐熱性を実施例1と同様にして評価した。得ら
れた結果を表1に示す。
【0056】比較例1 実施例1の重合性単量体組成物をカーボンブラックMA
600 15部、電荷制御剤(アイゼンスピロンブラッ
クTRH)1.7部、低分子量ポリプロピレン(ビスコ
ール550P、三洋化成工業(株)製)7.5部をスチ
レン105.8部、アクリル酸n−ブチル20部、ジビ
ニルベンゼン0.45部からなる重合性単量体にボール
ミルで200時間混合分散を行なったものに、アゾビス
イソブチロニトリル2.5部、2,2´−アゾビス
(2,4−ジメチルバレロニトリル)5部を溶解させた
重合性単量体組成物とする以外は実施例1と同様の操作
を行ない、比較用着色微粒子(a)を得、その後この比
較用着色微粒子(a)に実施例1と同様にアエロジルR
972を添加し、比較用静電荷像現像用トナー(a)と
した。
【0057】この比較用静電荷像現像用トナー(a)を
用いて市販の複写機(タイプ4060、(株)リコー
製)による画像出しを行なったが、10枚目でオフセッ
トが発生した。画像には白場汚染がみられ、複写機内を
確認したところ機内にトナー飛散が見られた。また、こ
の比較用着色微粒子(a)の耐熱性を実施例1と同様に
して評価した。得られた結果を表1に示す。
【0058】比較例2 実施例3のポリアクリル酸ステアリル4.5部の代わり
にアクリル酸ステアリルオリゴマー(融点(DSCピー
ク温度)53℃、分子量Mw 10000、溶融粘度
(140℃)20cP)4.5部を用いる以外は、実施
例3と同様の操作を行ない、比較用着色微粒子(b)を
得た。この比較用着色微粒子(b)に実施例3と同様に
アエロジルR972を添加し、比較用静電荷像現像用ト
ナー(b)を得、このトナーを用いて市販の複写機(タ
イプ4060、(株)リコー製)による画像出しを行な
ったところ2枚目でオフセットが発生した。
【0059】比較例3 実施例3のポリアクリル酸ステアリルを添加しない以外
は実施例3と同様の操作を行ない、比較用着色微粒子
(c)を得た。この比較用着色微粒子(c)に実施例1
と同様にアエロジルR972を添加し、比較用静電荷像
現像用トナーを得、このトナーを用いて市販の複写機
(タイプ4060、(株)リコー製)による画像出しを
行なったところ2枚目でオフセットが発生した。
【0060】
【表1】
【0061】
【発明の効果】以上述べたように本発明のトナーは、結
着樹脂のマトリックスに、結晶性アクリル酸エステルポ
リマー、結晶性メタクリル酸エステルポリマー、ならび
に結晶性アクリル酸エステルおよび結晶性メタクリル酸
エステルの少なくとも一方を含有するコポリマーからな
る群から選ばれてなるオフセット防止剤が複数のドメイ
ンを形成して存在し、さらにこのドメイン中に前記結着
樹脂が複数のドメインを形成して存在する海−島−海構
造を有し、トナー粒子中における前記オフセット防止剤
の分散性が良好なものであるために、良好な耐オフセッ
ト性と良好な流動性、貯蔵安定性および帯電特性とを有
するものとなる。
【図面の簡単な説明】
【図1】は、本発明のトナーの粒子内構造を模式的に示
す断面図である。
【符号の説明】
1…結着樹脂マトリックス、 2…結晶性(メタ)アクリル酸エステル系ポリマーのド
メイン、 3…結着樹脂のドメイン。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (56)参考文献 特開 平4−69664(JP,A) 特開 平2−5071(JP,A) 特開 昭59−3446(JP,A) 特開 昭63−38953(JP,A) 特開 平3−59569(JP,A) 特開 平2−161471(JP,A) 特開 昭63−265913(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/08

Claims (8)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 着色剤、結着樹脂およびオフセット防止
    剤を少なくとも含有するトナー粒子中において、結着樹
    脂のマトリックスに、結晶性アクリル酸エステルポリマ
    ー、結晶性メタクリル酸エステルポリマー、ならびに結
    晶性アクリル酸エステルおよび結晶性メタクリル酸エス
    テルの少なくとも一方を含有するコポリマーからなる群
    から選ばれてなる重量平均分子量が35000〜500
    000のオフセット防止剤が複数のドメインを形成して
    存在し、さらにこのドメイン中に前記結着樹脂が複数の
    ドメインを形成して存在する海−島−海構造を有するこ
    とを特徴とするトナー。
  2. 【請求項2】 前記オフセット防止剤の溶融粘度が14
    0℃で50cP〜105cPである請求項1に記載のト
    ナー。
  3. 【請求項3】 トナー組成中に前記オフセット防止剤が
    0.5〜30重量%含有されているものである請求項1
    または2に記載のトナー。
  4. 【請求項4】 前記オフセット防止剤の融点が60℃以
    上である請求項1〜4のいずれかに記載の重合トナー。
  5. 【請求項5】 前記オフセット防止剤が、下記一般式
    (I)で示される単量体を構成単位として100〜50
    モル%含有するものである請求項1〜のいずれかに記
    載のトナー。 【化1】
  6. 【請求項6】 結着樹脂がスチレン樹脂およびスチレン
    /アクリル樹脂のいずれかである請求項1〜のいずれ
    かに記載のトナー。
  7. 【請求項7】 着色剤としてグラフトカーボンブラック
    グラフトポリマーを含有するものである請求項1〜
    いずれかに記載のトナー。
  8. 【請求項8】 請求項1のトナーの製造方法であって、
    重合により前記結着樹脂を形成する重合性単量体中で、
    前記結晶性アクリル酸エステルポリマー、結晶性メタク
    リル酸エステルポリマー、ならびに結晶性アクリル酸エ
    ステルおよび結晶性メタクリル酸エステルの少なくとも
    一方を含有するコポリマーからなる群から選ばれてなる
    重量平均分子量が35000〜500000のオフセッ
    ト防止剤を溶解し、少なくとも前記重合性単量体および
    オフセット防止剤を含有する重合性組成物を水性媒体中
    で懸濁重合することを特徴とするトナーの製造方法。
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