JP5617528B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法及びトナー - Google Patents
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Description
懸濁重合法は、重合性単量体、重合開始剤、着色剤などを成分とする組成物を水系媒体中に懸濁分散した後に重合してトナー粒子を製造する方法である。乳化重合凝集法は、重合開始剤及び乳化剤を含有する水性媒体中に重合性単量体を乳化し、攪拌下に重合性単量体を重合して重合体一次粒子を得て、これに着色剤並びに必要に応じて帯電制御剤等を添加して重合体一次粒子を凝集させ、さらに得られた凝集粒子を熟成させてトナー粒子を製造する方法である。また、溶解懸濁法は結着樹脂を有機溶剤に溶解し、着色剤などを添加分散して得られる溶液相を、分散剤等を含有した水相において機械的な剪断力で分散し液滴を形成し、液滴から有機溶剤を除去してトナー粒子を製造する方法である。
乳化重合凝集法は、重合性単量体の重合とトナー粒子の造粒とを製造工程内で行うため、別途製造した結着樹脂を用いて造粒する溶解懸濁法に比べてトナー製造に要するエネルギーが小さい利点があり、また、小粒径トナーを調整し易く、粒度分布や粒径の制御が行い易い。
その目的を達成するため、オフセット防止剤としてワックスが使用されている。しかしながら、トナー中のワックス含有量には限界があり、過剰に使用するとトナーからの漏れ
出しが発生し、耐ブロッキング性を悪化させてしまう。その為、ワックスによる低温定着性の改良には限界がある。
これら結晶性ポリエステル樹脂を、相溶性の悪い非晶性樹脂に分散含有させた場合、たとえば非晶性樹脂がスチレン系樹脂の場合、結晶性ポリエステル成分の分散ドメインが充分に小さく分散しないため、得られたトナーは結晶性樹脂の欠点である脆性や現像時に部材への付着性が発現したり、また加熱時の弾性が急激に低下するために、定着の温度幅が非常に小さくなったりする問題があった。
これら結晶、非晶性ポリエステル樹脂をそれぞれ水中に微小に分散したものを混合する場合は、非晶性ポリエステル樹脂を水中に分散するのに過大なエネルギーや有機溶剤の助力が必要となるのでコストが高くなり、分散助剤にアルカリを使用すると、加水分解により性能が劣化するなどの問題があった。さらに、この非晶性ポリエステル樹脂が良好な定着性を得るように分子量を設計するのに従来多く使用されてきた錫系触媒には環境を汚染する欠点があり、良好な定着性を補佐して安全な樹脂が得られていない現状である。
(1)少なくとも結着樹脂、着色剤及びワックスを含むトナーの製造方法において、該結着樹脂が長鎖(メタ)アクリル酸エステルを重合する第1工程、第1工程において得られた重合体の存在下にビニル系単量体を重合する第2工程を経て製造されることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
(2)長鎖アクリル酸エステルのエステル部分に、炭素数22以上の成分が少なくとも含まれていることを特徴とする前記(1)に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(3)第1工程に供する長鎖(メタ)アクリル酸エステルの分散体の体積平均径が、0.03μm〜1μmであることを特徴とする前記(1)又は(2)に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(4)少なくとも第2工程の重合時に、ラジカル重合開始剤を用いること特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(5)第1工程において得られた長鎖(メタ)アクリル酸エステル重合体が、結着樹脂中、1質量%以上、50質量%以下含まれることを特徴とする前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(6) 第1工程及び第2工程を、懸濁重合法、乳化重合凝集法、又は溶解懸濁重合法のいずれかにより行うことを特徴とする(1)乃至(5)のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
(7)前記(1)乃至(6)のいずれかに記載の方法で製造された静電荷像現像用トナー。
(8)トナーの融点(Tm)が、Tm≦80℃であることを特徴とする前記(7)に記載の静
電荷像現像用トナー。
(9)トナーの融点(Tm)が、Tm≧40℃であることを特徴とする前記(7)又は(8)に記載の静電荷像現像用トナー。
湿式法としては、懸濁重合法、乳化重合凝集法、溶融懸濁法等の方法が挙げられる。
懸濁重合法としては、通常、結着樹脂モノマーに着色剤、ワックスを溶解させた後、そのモノマー溶液を水性媒体中で機械的せん断力によりモノマー滴として懸濁させ、重合を行って得られる。
溶融懸濁法としては、通常、溶媒中に結着樹脂、ワックス等を溶解して油相を得、その油相を水系媒体中に油滴として懸濁させた後、溶媒を除去して得られる。
において得られた重合体の存在下に、ビニル系単量体を重合する第2工程を経て製造される。
第1工程は、単量体(長鎖(メタ)アクリル酸エステル)溶液を調製し、この単量体溶液を水系媒体(例えば、界面活性剤水溶液)中に油滴分散させた後、この系を重合処理することにより、樹脂粒子の分散液を調製するものである。また、必要に応じて単量体にワックス等の結晶性物質を溶解させて単量体溶液を調整してもよい。
)を添加し、樹脂粒子の存在下で単量体を重合処理することにより、樹脂粒子を形成するものである。
本発明の結着樹脂を得る第1工程と第2工程において用いられる単量体は、単独で用いても複数種類を混合して用いてもよい。
明らかではないが、以下のような機構により本発明の効果が発現していると考えられる。まず、長鎖(メタ)アクリル酸エステルを最初に重合することにより、単一の融点を持つ重合体が得られる。その後に、第2工程としてビニル系単量体を重合するため、長鎖(メタ)アクリル酸エステルとビニル系単量体の共重合により生成すると考えられる低融点成分の生成を抑えることができる。
本発明において、長鎖(メタ)アクリル酸エステルは単独でも、混合して用いても良いが、長鎖(メタ)アクリル酸エステルのエステル部分の炭素数の平均が、トナー融点を好ましい範囲とするために、18以上であることが好ましく、19以上であることが更に好ましく、20以上であることが特に好ましい。
ましい傾向がある。エステル部分の炭素数が小さすぎると、低融点となり耐ブロッキング性に劣る傾向がある。
長鎖(メタ)アクリル酸エステルのエステル部分の炭素数は、DSC、NMR、MS等で測定することが可能である。
本発明に用いる長鎖(メタ)アクリル酸エステルは、特に限定されないが、ベヘニルアクリレート、ステアリルアクリレート、ベヘニルメタクリレート、ステアリルメタクリレート、セチルアクリレート、セチルメタクリレート、ミリスチルアクリレート、ミリスチルメタクリレート、イコシルアクリレート、イコシルメタクリレート、テトラコシルアクリレート、テトラコシルメタクリレート等の単量体が低温定着を達成するために好ましい。
本発明に用いる長鎖(メタ)アクリル酸エステル重合体の100℃における貯蔵弾性率は
、105Pa以下であることが好ましい。また、104Pa以下であることがさらに好ましい。貯蔵弾性率が高すぎると、低温定着の効果が得られない場合がある。
本発明の結着樹脂の製造工程である第1工程に供する長鎖(メタ)アクリル酸エステルは、必要に応じ、溶融、水及び界面活性剤等と混合した後に高圧機械乳化を行なうことが好ましい。また、高圧機械乳化は、ワックスと共に行ってもよい。高圧機械乳化を行うことで、長鎖(メタ)アクリル酸エステルやワックスの分散体の径を小さくすることができる。重合前の分散体の径が小さくなることで、分散体の比表面積が大きくなり、グラフト反応が進行しやすい傾向がある。
本発明の高圧機械乳化に用いる装置は特に限定されないが、ポンプ圧が5MPa以上、さ
らに好ましく10MPa以上の装置を用いることが好ましい。
本発明の第2工程に供する長鎖(メタ)アクリル酸エステル重合体の量は、結着樹脂100質量部中に1質量部以上になるように仕込むことが好ましく、より好ましくは2質量部以上、さらに好ましくは5質量部以上である。また、結着樹脂100質量部中に50質量部以下になるように仕込むこと好ましく、より好ましくは45質量部以下、さらに好ましくは、40質量部以下である。結着樹脂中の長鎖(メタ)アクリル酸エステル重合体の含有量が少なすぎると、低温定着性等の性能が十分でない場合があり、多すぎると、定着
画像強度が悪化し、折り曲げや引っかきによって画像欠損が生じてしまう場合がある。
例えば、単量体としては、酸性基を有する重合性単量体(以下、単に酸性単量体と称すことがある)、塩基性基を有する重合性単量体(以下、単に塩基性単量体と称することがある)、酸性基も塩基性基も有さない重合性単量体(以下、その他の単量体と称することがある)のいずれの重合性単量体も使用することができる。
本発明において、結着樹脂を製造する工程に用いられる重合開始剤は第1工程及び第2工程で特に限定されないが、必要に応じて公知の重合開始剤を用いることができ、重合開始剤を1種又は2種以上組み合わせて使用する事ができる。重合開始剤には、ラジカル重合開始剤とイオン重合開始剤があるが、水中での使用においてラジカル重合開始剤が好ま
しく、また、結着樹脂を得る第2工程においてラジカル重合開始剤を用いると、水素引き抜きによるグラフト反応が起こりやすいため特に好ましい。
特に、過酸化水素及び有機重合開始剤は、結着樹脂を得る第2工程においては、水素引き抜きによるグラフト反応が起こりやすいケトンパーオキサイド、及び過酸化水素を含むハイドロパーオキサイドが好ましい。さらには、過酸化水素を含むハイドロパーオキサイドが最も好ましい。
本発明では、必要に応じて公知の連鎖移動剤を使用することができる。連鎖移動剤の具体的な例としては、t−ドデシルメルカプタン、2−メルカプトエタノール、ジイソプロピルキサントゲン、四塩化炭素、トリクロロブロモメタン等があげられる。連鎖移動剤は単独または2種類以上の併用でもよく、通常は、重合性単量体に対して0〜5質量%用いられる。
その他、反応系には、pH調整剤、重合度調節剤、消泡剤等を適宜添加することができる。
本発明において、結着樹脂を乳化重合で重合する場合、用いる乳化剤としては公知のものが使用できるが、カチオン性界面活性剤、アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤の中から選ばれる一種又は二種以上の乳化剤を併用して用いることができる。
上、10質量部以下で用いられることが好ましい。また、これらの乳化剤に、例えば、部分或いは完全ケン化ポリビニルアルコール等のポリビニルアルコール類、ヒドロキシエチルセルロース等のセルロース誘導体類等の一種或いは二種以上を保護コロイドとして併用することができる。
をそれぞれ用いるのが好ましい。着色剤は、重合体一次粒子100質量部に対して3質量部以上、20質量部以下となるように用いることが好ましい。
うち、2価以上の多価の金属カチオンを有する無機塩が好ましい。
凝集に要する時間は装置形状や処理スケールにより最適化されるが、トナーの粒径が目的とする粒径に到達するためには、前記した所定の温度で通常、少なくとも30分以上保持することが望ましい。所定の温度へ到達するまでの昇温は、一定速度で昇温しても良いし、段階的に昇温することもできる。
樹脂微粒子として重合体一次粒子のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有する樹脂微粒子を用いた場合、定着性を損なうことなく、耐ブロッキング性の一層の向上が実現できるので好ましい。該樹脂微粒子の体積平均粒径は、0.02μm以上が好ましく、0.05μm以上が更に好ましい。また、3μm以下、さらに1.5μm以下が好ましい。樹脂微粒子としては、前述の重合体一次粒子に用いられる重合性単量体と同様なモノマーを乳化重合して得られたもの等を用いることができる。
凝集工程で得られた粒子凝集体の安定性を増すために、凝集工程の後の熟成工程において凝集粒子内の融着を行うことが好ましい。熟成工程の温度は、好ましくは重合体一次粒子のTg以上、より好ましくはTgより5℃高い温度以上であり、また、好ましくはTgより80℃高い温度以下、より好ましくはTgより50℃高い温度以下である。また、熟成工程に要する時間は、目的とするトナーの形状により異なるが、重合体一次粒子のガラス転移温度以上に到達した後、通常0.1〜10時間、好ましくは1〜6時間保持することが望ましい。
がある。
洗浄に用いる液体としては水が用いられるが、酸またはアルカリの水溶液で洗浄することもでき、硝酸、塩酸、硫酸等の無機酸やクエン酸等の有機酸を用いることが好ましい。また、温水や熱水で洗浄することもでき、これらの方法を併用することもできる。このような洗浄工程を経ることによって、懸濁安定剤や乳化剤、未反応の残存モノマー等を低減、除去することが出来るため好ましい。洗浄工程は、洗浄する液体を、例えば濾過、デカンテーション等することによって着色粒子を濃厚スラリー或いはウエットケーキ状とし、これに新たに洗浄するための液体を加えてトナーを分散する操作を繰り返すことが好ましい。洗浄後の着色粒子は、ウエットケーキ状で回収することが、引き続き行われる乾燥工程における取り扱いの面で好ましい。
本発明のトナー母粒子の体積中位径は、3μm以上が好ましく、さらに4μm以上がより好ましい。また、10μm以下が好ましく、さらに9μm以下がより好ましく、7μ以下が更に好ましい。
子の中から適宜選択して使用することができる。
無機微粒子としては、炭化ケイ素、炭化ホウ素、炭化チタン、炭化ジルコニウム、炭化ハフニウム、炭化バナジウム、炭化タンタル、炭化ニオブ、炭化タングステン、炭化クロム、炭化モリブデン、炭化カルシウム等の各種炭化物、窒化ホウ素、窒化チタン、窒化ジルコニウム等の各種窒化物、ホウ化ジルコニウム等の各種ホウ化物、酸化チタン、酸化カルシウム、酸化マグネシウム、酸化亜鉛、酸化銅、酸化アルミニウム、酸化セリウム、シリカ、コロイダルシリカ等の各種酸化物、チタン酸カルシウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸ストロンチウム等の各種チタン酸化合物、リン酸カルシウム等のリン酸化合物、二硫化モリブデン等の硫化物、フッ化マグネシウム、フッ化炭素等のフッ化物、ステアリン酸アルミニウム、ステアリン酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ステアリン酸マグネシウム等の各種金属石鹸、滑石、ベントナイト、各種カーボンブラックや導電性カーボンブラック、マグネタイト、フェライト等を用いることができる。有機微粒子としては、スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、エポキシ系樹脂、メラミン系樹脂等の微粒子を用いることができる。
また、外添微粒子は、異なる二種以上を併用することもでき、表面処理されたものと表面処理されていないものを併用することや、異なる表面処理がされたものを併用することもでき、正帯電性のものと負帯電性のものを適宜組み合わせて使用することもできる。
外添微粒子の添加方法としては、ヘンシェルミキサー等の高速攪拌機を用いる方法や、圧縮剪断応力を加えることの出来る装置による方法等が挙げられる。
本発明の外添後のトナーの融点(Tm)は、80℃以下であることが好ましく、70℃以下であることが更に好ましい。また、40℃以上であることが好ましく、50℃以上であることが更に好ましい。融点が本範囲であると低温定着と耐ブロッキング性を両立できる傾向にある。
ましく、10dyn/cm2以上であることが好ましい。
本発明の外添後のトナーの融点(Tm)より100℃高い温度における貯蔵弾性率をG´
(Tm+100℃)とすると、G´(Tm+100℃)は1×105dyn/cm2以下であるこ
とが好ましく、1dyn/cm2以上であることが好ましい。
が好ましい。
本発明の製造方法により得られる静電荷像現像用トナーは、トナーをキャリアとともに用いる二成分系現像剤、又は、キャリアを使用しない磁性もしくは非磁性一成分系現像剤のいずれの形態で用いてもよい。二成分系現像剤として用いる場合、キャリアとしては、鉄粉、マグネタイト粉、フェライト粉等の磁性物質またはそれらの表面に樹脂コーティングを施したものや磁性キャリア等公知のものを用いることができる。樹脂コーティングキャリアの被覆樹脂としては一般的に知られているスチレン系樹脂、アクリル系樹脂、スチレンアクリル共重合系樹脂、シリコーン樹脂、変性シリコーン樹脂、フッ素樹脂、またはこれらの混合物等が利用できる。
各粒子径及び円形度、電気伝導度、熱特性等は次のように測定した。
<体積平均径測定(MV)>
1ミクロン未満の体積平均径(MV)を有す粒子の体積平均径(MV)は、日機装株式会社製型式Microtrac Nanotrac150(以下ナノトラックと略す)および同社解析ソフトMicrotrac Particle Analyzer Ver10.1.2-019EEを用い、電気伝導度が0.5μS/cmのイオン交換水を溶媒とし、溶媒屈折率:1.333、測定時間:600秒、測定回数:1回の測定条件で取り扱い説明書に記載された方法で測定した。その他の設定条件は、粒子屈折率:1.59、透過性:透過、形状:真球形、密度:1.04とした。
1ミクロン以上の体積中位径(Dv50)を有す粒子の体積中位径(Dv50)は、ベックマン・コールター社製マルチサイザーIII(アパーチャー径100μm:以下、マルチサイザ
ーと略す)を用い、同社アイソトンIIを分散媒として、分散質濃度0.03%になるように分散させて測定した。
本発明における「平均円形度」は、以下のように測定し、以下のように定義する。すなわち、トナー母粒子を分散媒(アイソトンII、ベックマンコールター社製)に、5720〜7140個/μLの範囲になるように分散させ、フロー式粒子像分析装置(シスメックス社製、FPIA3000)を用いて、以下の装置条件にて測定を行い、その値を「平均円形度」と定義する。本発明においては、同様の測定を3回行い、3個の「平均円形度」の相加平均値を、「平均円形度」として採用する。
・モード :HPF
・HPF分析量 :0.35μL
・HPF検出個数:8,000〜10,000個
以下は、上記装置で測定され、上記装置内で自動的に計算されて表示されるものであるが、「円形度」は下記式で定義される。
そして、HPF検出個数である8,000〜10,000個を測定し、この個々の粒子の円形度の算術平均(相加平均)が「平均円形度」として装置に表示される。
<熱特性>
セイコー電子工業(株)社製熱分析装置DSC220CUを用い、同社の取り扱い説明書に記載された方法で30℃から120℃まで10℃/minの速度で昇温させた際の吸熱曲線のメインピークより、融点・融解熱量・融解ピーク半値幅を測定し、続いて120℃から30℃まで10℃/minの速度で降温させた際の発熱曲線より、結晶化温度・結晶化ピーク半値幅を測定した。
重合体一次粒子分散液のTHF可溶成分を、以下の条件でゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)により測定した。
装置:東ソー社製GPC装置 HLC−8020、カラム:ポリマーラボラトリー 社製PL−gel Mixed−B 10μ、溶媒:THF、試料濃度:0.1質量%、検量線:標準ポリスチレン
<トナーの損失弾性率、貯蔵弾性率>
トナーの損失弾性率、貯蔵弾性率を、以下の条件で測定した。
測定試料は、トナー約0.25gを熱プレス機(50℃、10kg、5min)を用いて直径約8mm高さ
約5mmの円柱状試料に成型した。
ベヘニルアクリレートを100部とし、パラフィンワックス(日本精蝋(株),HNP-9、融点82℃)25部、20%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS20D、以下20%DBS水溶液と略す)5.5部、脱塩水359部を9
0℃に加熱して、ホモミキサー(特殊機化工業社製 マークIIfモデル)を用い10分間攪拌した。次いで、90℃加熱下で、高圧乳化機(ゴーリン社製、LAB60−10TBS型)を用いて20MPaの加圧条件で循環乳化を開始し、ナノトラックで粒子径を測定し体積平均粒径(MV)が500nm以下になるまで分散して乳化液A1を作製した。最終粒径(MV)は、277nmであった。
<第1工程>
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に、乳化液A1 194.8部、脱塩水197部(第2工程で添加するモノマー類であるスチレンとアクリル酸ブチルの和を100部とした)を仕込み、攪拌しながら窒素気流下で90℃に昇温した。
<第2工程>
第1工程の液に、下記のモノマー類・乳化剤溶液の混合物を5時間かけて添加した。モ
ノマー類・乳化剤溶液の混合物の滴下開始と同時に、下記の開始剤水溶液1の滴下も開始した。その後、開始剤水溶液2をさらに2時間かけて添加した。その後、攪拌下で内温90℃のまま1時間保持した。
スチレン 76.3部
アクリル酸ブチル 23.7部
アクリル酸 1.5部
ヘキサンジオールジアクリレート 1.0部
トリクロロブロモメタン 1.0部
[乳化剤水溶液]
20%DBS水溶液 1.0部
脱塩水 67.3部
[開始剤水溶液1]
8%過酸化水素水溶液 17.2部
8%L−(+)アスコルビン酸水溶液 17.2部
[開始剤水溶液2]
8%L−(+)アスコルビン酸水溶液 14.2部
重合反応終了後冷却し、乳白色の重合体一次粒子分散液C1を得た。これをナノトラックを用いて測定した体積平均粒径(MV)は245nmであった。重量平均分子量(Mw)は、75,000であった。
攪拌装置(ダブルヘリカル翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた混合器に重合体一次粒子分散液C1 80部(固形分)を仕込み、内温26℃として、20%DBS水溶液0.05部(固形分)を加えて均一に混合した。さらに、第一硫酸鉄の5%水溶液(FeSO4・7H2Oとして0.53部)を5分かけて添加し、5分間攪
拌を続けて均一に混合した。続けて、シアン顔料分散液(大日精化社製 EP700)4.4部(固形分)を5分かけて添加して均一に混合した後、脱塩水100部を滴下した。この間、内温は26℃に保った。その後、40分かけて内温51℃に昇温し、更に30分かけて53℃まで昇温した。ここでマルチサイザーを用いて体積中位粒径(Dv50)を測定したところ、4.9μmであった。その後、重合体一次粒子分散液C1を3分かけて20部(固形分)添加してそのまま30分保持し、続いて20%DBS水溶液6部(固形分)を10分かけて添加してから、60分かけて95℃に昇温して30分保持した。
マルチサイザーIIIを用いて測定したトナー母粒子E1の体積中位粒径(Dv50)は5.
5μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.971であった。
<現像用トナーF1の製造>
協立理工株式会社サンプルミルKR−3内に、トナー母粒子E1 100部を投入し、
続いて体積平均一次粒径80nmのコロイダルシリカ2.04部、体積平均一次粒径30nmの大粒径シリカ0.36部を添加し計5分間攪拌・混合した。その後、アルミナ処理をした体積平均一次粒径250nmのチタニア粒子0.30部、体積平均一次粒径10nmの小粒径シリカ0.76部を添加して計6分間攪拌・混合し、篩別する事により現像用
トナーF1を得た。
組成をベヘニルアクリレート100部とし、ステアリルアクリレート100部、20%DBS水溶液2.2部、脱塩水798部とした以外はA1と同様の方法で、乳化液A2を作
製した。最終粒径(MV)は、360nmであった。
<乳化液A3の調製>
組成をパラフィンワックス(日本精蝋(株),HNP-9、融点82℃)100部、ステアリルアクリレート6.91部、デカグリセリンデカベヘネート(酸価3.2 水酸基価27)3.3部、20%DBS水溶液1.415部、脱塩水255.9部とした以外はA1と同様
の方法で、乳化液A3を作製した。最終粒径(MV)は、225nmであった。
乳化液A1の代わりに乳化液A2 181.6部及び乳化液A3 41.8部とし、水の量を199部とした以外はC1と同様の方法で、重合体一次粒子分散液C2を得た。体
積平均粒径(MV)は230nmであり、重量平均分子量(Mw)は、57,000であった。
重合体一次粒子分散液C1の代わりにC2を用い、40分かけて内温52℃に昇温し、更に60分かけて55℃まで昇温した以外はE1と同様の方法でトナー母粒子E2を得た。体積中位粒径(Dv50)は5.4μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.972であった。
トナー母粒子E1の代わりにE2を用いた以外はF1と同様の方法で現像トナーF2を
得た。
トナーF2のG'(50)は2.16x109dyn/cm2、G'(Tm+50) は2.27x105dyn/cm2、G'(Tm+100)は2.87x104dyn/cm2であった。
<重合体一次粒子分散液C3の調製>
第1工程の8%過酸化水素水溶液及び8%L−(+)アスコルビン酸水溶液を加えない以外はC1と同様の方法で、重合体一次粒子分散液C3を得た。体積平均粒径(MV)は234nmであり、重量平均分子量(Mw)は、40,000であった。
重合体一次粒子分散液C1の代わりにC3を用いた以外はE1と同様の方法でトナー母粒子E3を製造したが、乾燥時に凝集してしまい、トナー母粒子として使用可能なレベルではなかった。
[比較例2]
<重合体一次粒子分散液C4の調製>
攪拌装置(3枚翼)、加熱冷却装置、濃縮装置、及び各原料・助剤仕込み装置を備えた反応器に乳化液A1 100部を仕込み、攪拌しながら窒素気流下で90℃に昇温した。その後、攪拌を続けたまま8%過酸化水素水溶液及び8%L−(+)アスコルビン酸水溶液を4.16部加え重合体一次粒子分散液C4を得た。
乳化液A1の代わりに乳化液A3を34.4部とし、第1工程における8%過酸化水素水溶液及び8%L−(+)アスコルビン酸水溶液を添加しない以外はC1と同様の方法で、重合体一次粒子分散液C5を得た。体積平均粒径(MV)は210nmであり、重量平均分子量(Mw)は、55,000であった。
重合体一次粒子分散液C1の代わりにC4を20部及びC5を80部の混合液を用いた以外はE1と同様の方法でトナー母粒子E4を得た。体積中位粒径(Dv50)は7.2μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.924であった。
<現像用トナーF4の製造>
トナー母粒子E1の代わりにE4を用いた以外はF1と同様の方法で現像トナーF4を製造したが、シリカ微粒子がトナー母粒子に弾かれてしまい、現像用トナーとして使用可能なレベルではなかった。
組成をベヘニルアクリレート100部とし、DBS水溶液1.1部、脱塩水399部とし
た以外はA1と同様の方法で、乳化液A4を作製した。最終粒径(MV)は、321nmであった。
<重合体一次粒子分散液C6の調製>
乳化液A2の代わりに乳化液A4 181.6部とした以外はC2と同様の方法で、重
合体一次粒子分散液C6を得た。体積平均粒径(MV)は242nmであり、重量平均分子量(Mw)は、61,200であった。
重合体一次粒子分散液C1の代わりにC6を用い、60分かけて内温54℃に昇温し、更に40分かけて56℃まで昇温した以外はE1と同様の方法でトナー母粒子E5を得た。体積中位粒径(Dv50)は5.5μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.971であった。
トナー母粒子E1の代わりにE5を用いた以外はF1と同様の方法で現像トナーF5を
得た。
トナーF5のG'(50)は2.55x109dyn/cm2、G'(Tm+50) は1.27x105dyn/cm2、G'(Tm+100)は2.76x104dyn/cm2であった。
ワックス1としてHiMic−1090(日本精蝋製:融点89℃)28.5部に、デカグリセリンデカベヘネート(酸価3.2 水酸基価27)1.5部、20%ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム水溶液(第一工業製薬社製、ネオゲンS20D、以下20%DBS水溶液と略す)2.8部、脱塩水67.3部を加えて100℃に加熱し、高圧乳化機
(ゴーリン社製、LAB60−10TBS型)を用いて10MPaの加圧条件で1次循環乳化を行った。続いて、LA950で粒子径を数分おきに測定し、メジアン径が500nm前後まで下がったら更に圧力条件を25MPaに上げて引き続き2次循環乳化を行った。メジアン径が230nm以下になるまで分散して乳化液A5を作製した。ワックス分散体の体積中位径は、227nmであった。
乳化液A3の代わりに乳化液A5 41.8部とした以外はC2と同様の方法で、重合
体一次粒子分散液C7を得た。体積平均粒径(MV)は268nmであり、重量平均分子量(Mw)は、55,900であった。
<トナー母粒子E6の製造>
重合体一次粒子分散液C1の代わりにC8を用い、45分かけて内温52℃に昇温し、更に50分かけて55℃まで昇温した以外はE1と同様の方法でトナー母粒子E6を得た。体積中位粒径(Dv50)は5.7μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.971であった。
トナー母粒子E1の代わりにE6を用いた以外はF1と同様の方法で現像トナーF6を
得た。
トナーF6のG'(50)は2.77x109dyn/cm2、G'(Tm+50) は1.65x105dyn/cm2、G'(Tm+100)は3.00x104dyn/cm2であった。
乳化液A4を180.4部、乳化液A5を43.5部とし、水の量を227部とし、スチレンを79.7部、アクリル酸ブチルの代わりにアクリル酸2−エチルヘキシルを20.3部とした以外はC7と同様の方法で、重合体一次粒子分散液C8を得た。体積平均粒
径(MV)は233nmであり、重量平均分子量(Mw)は、75,800であった。
重合体一次粒子分散液C1の代わりにC8を用い、50分かけて内温52℃に昇温し、更に20分かけて54℃まで昇温した以外はE1と同様の方法でトナー母粒子E7を得た。体積中位粒径(Dv50)は5.5μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.970であった。
トナー母粒子E1の代わりにE7を用いた以外はF1と同様の方法で現像トナーF7を
得た。
トナーF7のG'(50)は3.12x109dyn/cm2、G'(Tm+50) は8.38x104dyn/cm2、G'(Tm+100)は7.96x103dyn/cm2であった。
乳化液A4を72.1部とし、乳化液A5の代わりに乳化液A3を39.9部とし、水の量を248部とし、トリクロロブロモメタンを1.3部とした以外はC8と同様の方法
で、重合体一次粒子分散液C9を得た。体積平均粒径(MV)は236nmであり、重量平均分子量(Mw)は、59,300であった。
重合体一次粒子分散液C1の代わりにC9を用い、20分かけて内温51℃に昇温し、更に30分かけて52℃まで昇温した以外はE1と同様の方法でトナー母粒子E8を得た。体積中位粒径(Dv50)は5.6μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.969であった。
トナー母粒子E1の代わりにE8を用いた以外はF1と同様の方法で現像トナーF8を
得た。
トナーF8のG'(50)は3.48x109dyn/cm2、G'(Tm+50) は8.19x104dyn/cm2、G'(Tm+100)は7.06x103dyn/cm2であった。
乳化液A4を71.8部とし、乳化液A3の代わりに乳化液A5を39.7部とし、水の量を247部とし、トリクロロブロモメタンを1.0部とし、ヘキサンジオールジアクリレートを0.75部とした以外はC9と同様の方法で、重合体一次粒子分散液C10を
得た。体積平均粒径(MV)は242nmであり、重量平均分子量(Mw)は、60,500であった。
重合体一次粒子分散液C1の代わりにC10を用い、50分かけて内温53℃に昇温し、更に10分かけて54℃まで昇温した以外はE1と同様の方法でトナー母粒子E9を得た。体積中位粒径(Dv50)は5.8μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.972であった。
トナー母粒子E1の代わりにE9を用いた以外はF1と同様の方法で現像トナーF9を
得た。
トナーF9のG'(50)は3.76x109dyn/cm2、G'(Tm+50) は1.36x105dyn/cm2、G'(Tm+100)は7.85x103dyn/cm2であった。
乳化液A4を33.3部、乳化液A3を36.2部とし、水の量を247部とし、第1工程の8%過酸化水素水溶液及び8%L−(+)アスコルビン酸水溶液の代わり1%V-50(和光純薬工業製 2,2'-アゾビス(2-アミジノプロパン)二塩酸塩)水溶液を22.5部
とした以外はC6と同様の方法で、重合体一次粒子分散液C11を得た。体積平均粒径(
MV)は232nmであり、重量平均分子量(Mw)は、65,200であった。
重合体一次粒子分散液C1の代わりにC11を用い、50分かけて内温54℃に昇温した以外はE1と同様の方法でトナー母粒子E10を得た。体積中位粒径(Dv50)は5.8μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.977であった。
<現像用トナーF10の製造>
トナー母粒子E1の代わりにE10を用いた以外はF1と同様の方法で現像トナーF1
0を得た。
第1工程の8%過酸化水素水溶液及び8%L−(+)アスコルビン酸水溶液の代わりにトリクロロブロモメタン1部及び1%V-50(和光純薬工業製 2,2'-アゾビス(2-アミジノ
プロパン)二塩酸塩)水溶液22.5部とし、第2工程のヘキサンジオールジアクリレー
トを0.5部とした以外はC1と同様の方法で、重合体一次粒子分散液C12を得た。体
積平均粒径(MV)は263nmであり、重量平均分子量(Mw)は、40,000であ
った。
重合体一次粒子分散液C1の代わりにC12を用い、40分かけて内温51℃に昇温し、更に50分かけて54℃まで昇温した以外はE1と同様の方法でトナー母粒子E11を得た。体積中位粒径(Dv50)は5.5μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.976であった。
トナー母粒子E1の代わりにE11を用いた以外はF1と同様の方法で現像トナーF1
1を得た。
トナーF11のG'(50)は3.01x109dyn/cm2、G'(Tm+50) は7.44x104dyn/cm2、G'(Tm+100)は7.84x103dyn/cm2であった。
乳化液A4の代わりに乳化液A2を71.9部とし、乳化液A3を40.6部とし、水の量を246部とし、ヘキサンジオールジアクリレートを0.7部とした以外はC11と
同様の方法で、重合体一次粒子分散液C13を得た。体積平均粒径(MV)は219nmであり、重量平均分子量(Mw)は、70,000であった。
重合体一次粒子分散液C1の代わりにC13を用い、60分かけて内温54℃に昇温した以外はE1と同様の方法でトナー母粒子E10を得た。体積中位粒径(Dv50)は5.6μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.969であった。
<現像用トナーF12の製造>
トナー母粒子E1の代わりにE12を用いた以外はF1と同様の方法で現像トナーF1
2を得た。
第1工程にトリクロロブロモメタン1部を加え、乳化液A2を132.8部とし、乳化
液A3を35.9部とし、水の量を331部とし、第2工程のヘキサンジオールジアクリレートを1.0部とした以外はC13と同様の方法で、重合体一次粒子分散液C14を得
た。体積平均粒径(MV)は245nmであり、重量平均分子量(Mw)は、51,000であった。
重合体一次粒子分散液C1の代わりにC14を用い、30分かけて内温54℃に昇温した以外はE1と同様の方法でトナー母粒子E13を得た。体積中位粒径(Dv50)は5.8μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.981であった。
<現像用トナーF13の製造>
トナー母粒子E1の代わりにE13を用いた以外はF1と同様の方法で現像トナーF1
3を得た。
組成をベヘニルアクリレート100部とし、ステアリルアクリレート400部、20%DBS水溶液5.5部、脱塩水1990部とした以外はA1と同様の方法で、乳化液A6を
作製した。最終粒径(MV)は、210nmであった。
<重合体一次粒子分散液C15の調製>
乳化液A2の代わりに乳化液A6を224.7部とし、乳化液A3を50.4部とし、水の量を226部とし、第2工程のヘキサンジオールジアクリレートを0.5部とした以外はC14と同様の方法で、重合体一次粒子分散液C15を得た。体積平均粒径(MV)
は207nmであり、重量平均分子量(Mw)は、41,800であった。
重合体一次粒子分散液C1の代わりにC15を用い、40分かけて内温50℃に昇温し、更に50分かけて54℃まで昇温した以外はE1と同様の方法でトナー母粒子E14を得た。体積中位粒径(Dv50)は5.3μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.970であった。
トナー母粒子E1の代わりにE14を用いた以外はF1と同様の方法で現像トナーF1
4を得た。
トナーF14のG'(50)は3.39x109dyn/cm2、G'(Tm+50) は2.28x105dyn/cm2、G'(Tm+100)は4.91x103dyn/cm2であった。
組成をベヘニルアクリレート100部とし、ステアリルアクリレート900部、20%DBS水溶液11部、脱塩水4140部とした以外はA1と同様の方法で、乳化液A7を作
製した。最終粒径(MV)は、190nmであった。
<重合体一次粒子分散液C16の調製>
乳化液A6の代わりに乳化液A7を224.7部とした以外はC15と同様の方法で、
重合体一次粒子分散液C16を得た。体積平均粒径(MV)は218nmであり、重量平均分子量(Mw)は、48,900であった。
重合体一次粒子分散液C1の代わりにC16を用い、40分かけて内温50℃に昇温し、更に70分かけて54℃まで昇温した以外はE1と同様の方法でトナー母粒子E15を得た。体積中位粒径(Dv50)は5.1μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.972であった。
トナー母粒子E1の代わりにE15を用いた以外はF1と同様の方法で現像トナーF1
5を得た。
トナーF15のG'(50)は2.65x109dyn/cm2、G'(Tm+50) は2.34x105dyn/cm2、G'(Tm+100)は5.69x103dyn/cm2であった。
乳化液A2を71.8部とし、乳化液A3を40.5部とし、水の量を249部とし、第2工程のヘキサンジオールジアクリレートを0.7部とし、トリクロロブロモメタンを
0.9部とした以外はC14と同様の方法で、重合体一次粒子分散液C17を得た。体積
平均粒径(MV)は216nmであり、重量平均分子量(Mw)は、58,800であった。
重合体一次粒子分散液C1の代わりにC17を用い、40分かけて内温54℃に昇温した以外はE1と同様の方法でトナー母粒子E16を得た。体積中位粒径(Dv50)は5.6μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.973であった。
<現像用トナーF16の製造>
トナー母粒子E1の代わりにE16を用いた以外はF1と同様の方法で現像トナーF1
6を得た。
トナーF16のG'(50)は4.34x109dyn/cm2、G'(Tm+50) は2.66x105dyn/cm2、G'(Tm+100)は6.87x103dyn/cm2であった。
<重合体一次粒子分散液C18の調製>
乳化液A2を0部とし、乳化液A3を34.4部とし、水の量を256部とし、第2工程のヘキサンジオールジアクリレートを0.7部とし、第1工程における8%過酸化水素水溶液及び8%L−(+)アルコルビン酸水溶液を添加しない以外はC2と同様の方法で、
重合体一次粒子分散液C18を得た。体積平均粒径(MV)は250nmであり、重量平均分子量(Mw)は、64,000であった。
重合体一次粒子分散液C1の代わりにC18を用い、50分かけて内温55℃に昇温した以外はE1と同様の方法でトナー母粒子E17を得た
。体積中位粒径(Dv50)は5.7μmであり、フロー式粒子分析装置で測定した平均円形度は0.970であった。
トナー母粒子E1の代わりにE17を用いた以外はF1と同様の方法で現像トナーF1
7を得た。
トナーF17のG'(50)は4.37x109dyn/cm2、G'(Tm+50) は2.75x104dyn/cm2、G'(Tm+100)は2.51x103dyn/cm2であった。
<画質評価>
得られたトナーを、印刷速度210mm/s、非磁性一成分、保証枚数10000枚(5%印字時)で現像ゴムローラー、金属ブレード、帯電ローラー(PCR)で帯電する有機感光体、ベルト転写、熱定着方式を用いたベルト定着機を搭載したフルカラープリンタを用いて、印字率5%で、6000枚の連続印字を行った。
画像形成装置を用いて、印字前及び印字後の、それぞれの標準紙( OKIエクセレントホワイト)における白地部分の色差を、X−Rite938(X−Rite社製)にて測定し、△Eの大きさにより下記の基準で判定した。
◎(良好) :△E<0.8
○(わずかに発生):0.8≦△E<1.2
×(発生) :1.2≦△E
<定着試験>
未定着のトナー像付着量100%(付着量0.3〜0.4mg/cm2)を担持した記
録紙(OKIエクセレントホワイト)を用意し、加熱ローラの表面温度を100℃から195℃まで5℃刻みで変化させ、定着ニップ部に搬送し、243mm/secの速度で排出されたときの定着状態を観察した。定着時に加熱ローラにトナーのオフセットあるいは用紙巻き付きが生じず、定着後の記録紙上のトナーが十分に記録紙に接着している温度領域を定着温度領域とする。定着機は熱定着方式を用いたベルト定着機を使用して、シリコーンオイルの塗布なしで評価した。
記録紙(OKIエクセレントホワイト)への未定着トナーの付着量100%(付着量0.3〜0.4mg/cm2)の定着紙を使って、テープ剥離法よりテープ剥離強度を評価する。評価方法は、定着後の記録紙上のトナー定着範囲中央部分にメンディングテープを貼り付け、テープの上におもり(2Kg、接触面円盤直径9cm)をゆっくり1往復してから、テープを剥がした。テープ剥がした前後の画像濃度をX−Rite938(X−Rite社製)にて測定し、濃度変化(テープ剥がした後の濃度/テープ剥がした前の濃度×100%)を記録する。
濃度変化=98% 剥離強度不足 ×
濃度変化>98% 剥離強度 ○
<定着強度評価2>折り曲げ法
記録紙(OKIエクセレントホワイト)への未定着トナーの付着量200%(付着量0.7〜0.8mg/cm2)の定着紙を使って、折り曲げ法より折り曲げ強度を評価する。評価方法は、定着後の記録紙上のトナー定着範囲が内側になるように軽く折って、おもり(2Kg、接触面円盤直径9cm)を使って折り目の上にゆっくり1往復する。更に定着紙を開き、布(フェルト)で包んだおもり(2Kg、接触面円盤直径9cm)を使って、折り目の上にゆっくり2往復させ、折り目の幅を1〜10十段階で評価する。
1〜6 折り曲げ強度不足 ×
7〜10 折り曲げ強度可 ○
<耐ブロッキング性>
現像用トナー5gを内径3cm、高さ6cmの円筒形の容器に入れ、40gの荷重をのせ、50℃、40%RHの環境下に24時間放置した後、トナーを容器から取り出し、上から荷重をかけることで凝集の程度を確認した。
◎(良好) :50g未満の荷重で崩れる。
○(実用可) :凝集しているが500g未満の荷重で崩れる。
△(不十分) :凝集しており、500g以上1500g未満の荷重で崩れる。
×(使用不可):凝集しており、1500g以上の荷重をかけないと崩れない。
表1から明らかなように、実施例1〜14は何れも低温定着性、耐ブロッキング性、定着強度が全て良好であった。一方、第1工程を実施しなかった比較例1、及び、第1工程に相当する反応の重合体と第2工程に相当する反応の重合体を混合した比較例2はトナー母粒子又は現像用トナーとして用いることができなかった。また、第1工程を実施しなかった比較例3はトナーとしての評価は可能であったが、定着温度が実施例と比較して高く、定着強度評価でも温度が高かった。
Claims (7)
- 少なくとも結着樹脂、着色剤及びワックスを含むトナーの製造方法において、
該結着樹脂が長鎖(メタ)アクリル酸エステルを重合する第1工程、第1工程において得られた重合体の存在下にビニル系単量体を重合する第2工程を経て製造され、
前記第1工程に供する長鎖(メタ)アクリル酸エステルの分散体の体積平均径が、0.03μm以上0.5μm以下であり、
第1工程及び第2工程を、乳化重合法により行うことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 長鎖アクリル酸エステルのエステル部分に、炭素数22以上の成分が少なくとも含まれていることを特徴とする請求項1記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 少なくとも第2工程の重合時に、ラジカル重合開始剤を用いること特徴とする請求項1又は2のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 第1工程において得られた長鎖(メタ)アクリル酸エステル重合体が、結着樹脂中、1質量%以上、50質量%以下含まれることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 請求項1乃至4のいずれかに記載の方法で製造された静電荷像現像用トナー。
- トナーの融点(Tm)が、Tm≦80℃であることを特徴とする請求項5に記載の静電荷像
現像用トナー。 - トナーの融点(Tm)が、Tm≧40℃であることを特徴とする請求項5又は6に記載の静電荷像現像用トナー。
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