JP2505773B2 - 画像形成方法及び装置 - Google Patents

画像形成方法及び装置

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JP2505773B2 JP61258947A JP25894786A JP2505773B2 JP 2505773 B2 JP2505773 B2 JP 2505773B2 JP 61258947 A JP61258947 A JP 61258947A JP 25894786 A JP25894786 A JP 25894786A JP 2505773 B2 JP2505773 B2 JP 2505773B2
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Description

【発明の詳細な説明】 (産業上の利用分野) 本発明は電子写真装置、同プリンタ等の静電的に画像
を形成する画像形成方法及び画像形成装置に関するもの
である。
(従来の技術) 表面に光導電層を備えた感光体の、該光導電層を一様
かつ特定極性に帯電し、これに適時の画像信号書き込み
手段で光像を投射して静電潜像を形成し、ついで、これ
に該潜像と反対極性に帯電した微粒状のトナーを静電的
に付与してトナー像を形成したのち、このトナーを紙を
主とするシート状の転写材にトナーと反対極性の電化を
印加して静電的にトナー像を転写材に転写し、さらにこ
の転写材を定着部位に移送して、圧力あるいは熱と圧力
をこれに加えてトナー像を転写材に定着固定する画像形
成方法及びその様に構成した画像形成装置は従来から広
範に実用されている。
このような画像形成装置はトナー像を静電的に転写材
に担持されているために転写後にも相当量のトナーが感
光体表面に残り(転写率は80〜90%程度)、画像濃度が
低くなることを免れなかった。また、静電的にトナーを
移動するためにトナーの飛散を完全に阻止することが困
難で、このため画像の鮮明さを損ったり、装置内各部を
汚損するおそれがあった。
このような問題点を回避するために、たとえば、特開
昭55−134872号公報あるいは米国特許第4195927号明細
書にみるように、圧力を用いた転写手段が提案されてい
る。
しかしながらこの種のものは転写、定着を行うために
200Kg/cm2程度の圧力を用いるので、感光体表面のトナ
ー像を直接転写材に転写することが困難で、中間転写体
たる誘電体層に一旦静電潜像を転写する必要があり、こ
のために装置の大型化、機構の複雑化を招いたり、また
静電潜像の転写を行うために画像の解像度の低下を生来
するなどの不都合があった。
また、米国特許第3591276号明細書、同第3669706号明
細書などにみるように、感光体に形成した潜像を顕像化
し、これをシリコンゴム層を有する中間転写体に転写し
た後、この転写像を、熱を加えることによって転写材に
転写するようなものが提案されている。
ところが、このようなものは、トナーの融点近傍ある
いは以上となるように熱を加える必要がありかつ、従来
から用いられているトナーが画像性を維持するため適当
な粒径に微粉砕が可能なものでなければならず、又ブロ
ツキングと呼ばれる凝固を発生しないようにするため必
然的にトナーのメイン樹脂は高融点のものにならざるを
えなかった。この転写・定着時に多量の熱量が必要とな
り、またこの熱が中間転写体を介して感光体を昇温させ
るため、感光体の特性を損うという問題点があった。
(発明の目的) 本発明は以上のような事態に対処すべくなされたもの
であって、高い転写効率と低い消費熱量を有し、長期に
わたって良質の画像を安定的に得られるような画像形成
方法及び装置を提供することを目的とするものである。
(課題を解決する技術手段その作用) 上記の目的を達成するために、本発明に於いては導電
性基体上に光導電層をもうけた感光体の該光導電層に形
成した静電潜像を粉体トナーで顕像とし、前期感光体に
圧接する中間転写体にこの顕像を転写し前記中間転写体
と、圧接している加圧体との間を通過する転写材を、前
記感光体と中間転写体との圧接力よりも大きい圧接力で
中間転写体に圧接する加圧体との前記感光体と前記中間
転写体との接触面の温度よりも高い温度で中間転写材上
の間を通過させるとともに、トナー像を前記転写材へ転
写・定着を行うもので、かつ該トナーが、重合性単量体
から形成された重合体100重量部に対して軟化点50〜120
℃の低軟化点化合物50〜3000重量部を内包している重合
トナーであり、該圧接力をトナーに加えることで熱流動
性を増加せしめ、前述転写・定着時の温度をより低下せ
しめたことを特徴とするものである。
第1図は本発明の実施例を示す画像形成装置の概略側
面図であって、表面に光導電層をもうけた感光体1は、
不図示の駆動源によって矢印A方向に回転する。符号2
は、表面にウレタンゴム、フツ素ゴム、またはシリコン
ゴムなどを成膜した鋼などの剛性材料で回転円筒上に構
成した中間転写体で、その軸受け端部に配したバネ(不
図示)など適宜の手段で前記感光体に圧接して従動回転
する。
前記中間転写体2には、表面に適宜膜厚の樹脂をコー
テイングした剛性材料からなる回転円筒状の加圧体3が
圧接しており、これら両者の圧接力は、前述の、感光体
と中間転写体との間のそれよりも大となっていて、さら
に、この加圧体内部にはこれを加熱するためのヒーター
12が配されている。
前記感光体1の表面にもうけた光導電層としては比較
的耐圧性の大きいアモルフアスシリコン、有機半導体を
用いるのが好適であり、さらにその表面に表面エネルギ
ーが35ダイン/cm以下の物質、たとえばシリコン樹脂、
フツ素樹脂またはこれらの官能器を有するブロツクポリ
マーなどを直接塗布するか混合して感光体を形成するの
が好適である。このとき形成される表面層の厚みは2μ
m以下好ましくは1μmで、表面粗さは0.5μmRMS以
下、好ましくは0.2μmRMS程度とするのがよい。感光体
の芯金はアルミニウム、アルミニウム合金、銅合金など
の導電性材料で形成し、その肉あつは中間転写体との接
触圧に充分耐えられるようにする。
中間転写体2は、鋼などの剛性材料からなる芯金の表
面をシリコンゴム、フツ素ゴムあるいはウレタンゴムな
どの樹脂で被覆し、被覆している樹脂の厚みは、圧接時
の圧力によって1〜5μmの範囲内で適宜定めるものと
する。
さらに、前記加圧体の内部に内装した熱源としては、
ハロゲンランプ、面状発熱体など適宜のものが使用で
き、不図示の制御手段によって加圧体の表面温度が使用
されるトナーの転写・定着に必要な温度になるべく維持
されるようになっている。
前記感光体1の周縁にはよく知られているように、光
導電層を一様に帯電させるための一次帯電器5、この帯
電面に画像情報を与えて静電潜像を形成させるための露
光部6、該潜像を顕像化するためにトナーを供給する現
像器7、転写後、感光体表面に残る残留トナーを除去す
るクリーナー4、残留電荷を除去するイレーズランプ4
b、除電帯電器4aなどが配設されている。
このような構成の画像形成手段は従来から周知である
ので詳述はしないが、現像器7の位置で形成されたトナ
ー像は感光体1の回転にともなって中間転写体2との圧
接ニツプ部N1に至る。
この位置で感光体上のトナー像は中間転写体に圧力転
写される。
このようにして中間転写体に転移したトナー像は、該
転写体の回転にともなって、加圧体3との圧接ニツプ部
N2に至る。
一方、カセツトなどのリザーバ9から取り出されて搬
送路13に送出された転写紙は一旦レジストローラ10の位
置で待機し、ついで中間転写体上を進行するトナー像と
タイミングを合せてニツプ部N2に於いてトナー像に接触
し、圧力と熱の作用でトナー像を受容したのち、排出ロ
ーラーを経て装置外に排出される。
なお図中、符号8は残留トナーを除去するためのクリ
ーナーである。
次に、ニツプ部N1,N2の位置に於ける圧力について述
べると、N1に於ける圧力は0.1Kg/cm2以下にすると転写
率が60%以下になり実用的でない。また、100Kg/cm2
上では感光体の特性変化や摩耗が大きくなって耐久性に
欠けるので好ましくない。好ましくは1Kg/cm2以上30Kg/
cm2以下が良い。ニツプ部N2に於ける圧力は高い程転写
率は向上するが、極端に高いと、たとえば300Kg/cm2
上になると転写紙が透明化したり、光沢が増して見にく
くなり好ましくない。反面この圧力が10Kg/cm2以下では
転写率が60%以下になり実用的でない。また、ニツプ部
N1での転写圧がニツプ部N2におけるそれよりも高い場合
ニツプ部N2における転写率が低下するため好ましくな
い、実用的にはニツプ部N1の転写圧はニツプ部N2のそれ
よりも30Kg/cm2以上低いことが好ましい。
さらにニツプ部N1及びN2での温度範囲を示すと、ニツ
プ部N1では、中間体が高温で感光体に接触した場合、半
導体である感光体は暗抵抗が減少し、帯電位が減少する
傾向を示す。この為、ニツプ部N1における温度は30℃〜
50℃に保つことが良く、好ましくは40±5℃である。こ
の為にニップ部N2を中間体が通過後不図示のフアン等の
冷却手段を取ることが好ましい。さらにニツプ部N2にお
ける温度は使用するトナーの内部ワツクスの軟化点温度
迄昇温される条件であって、かつ十分な圧力が加えられ
ていれば十分な転写定着が可能である。この条件は、転
写定着時の中間転写体と加圧・加熱ローラーの接触幅
(ニツプ巾)と温度、中間転写体の移動速度(プロセス
速度)に依存している。すなわち、内部ワツクスの軟化
点温度を69℃とすると、ニツプ部の温度は69℃以上必要
であり、プロセス速度をたかだか600mm/secとしニツプ
巾を3〜4mmとすれば最高で160℃あれば十分であり、好
ましくは170℃である。
第2図は本発明による画像形成装置の他の実施態様を
模式的に示したものであって、このものにおいては、中
間転写体がエンドレスベルト状に形成され、感光体1に
当接するローラ2aと加圧体3に当接するローラ2bに捲回
されている。
このようなものが前述の実施例のものと同様の作用を
奏することは直ちに理解できるところであろう。
次に、本発明に於いて用いることのできるトナーにつ
いて詳述する。
本発明に使用されるトナーは、少なくとも重合体単量
体および着色剤を有する単量体組成物から懸濁重合法の
如き重合法によって重合開始剤を使用して水性媒体中で
生成される重合トナーにおいて、重合性単量体から形成
された重合体100重量部に対して軟化点50〜120℃の低軟
化点化合物50〜3000重量部を含有していることを特徴と
する重合トナーである。
本発明に係る重合トナーは、現像に使用され、通常体
積平均粒径約0.1〜約30μの粒径を有し水性媒体中での
重合によって重合性単量体から発生された重合体100重
量部に対して軟化点50〜120℃の低軟化点化合物を50〜3
000重量部含有している。重合トナーは、上述の如く従
来の重合トナーと比較して低軟化点化合物を多量に含有
しているにもかかわらず耐ブロツキング性に優れてい
る。これは、低軟化点化合物が重合性単量体から重合さ
れ重合体に良好に内包化されており、低軟化点化合物が
重合トナー粒子表面に表出していないためである。本発
明において、低軟化点化合物が重合体に実質的に内包化
されているか否かの確認は、得られた重合トナーを溶融
混練し、冷却して固形化して後に幅砕し、分級して重合
トナーと同程度の平均粒径を有する粉砕粉末を調製し、
調製された粉砕粉末の耐ブロツキング性と原料となった
重合トナーの耐ブロツキング性を比較することによって
なされる。耐ブロツキング性は、直径約5cmの100ml容器
に試料1〜5gを入れ温度50℃、相対湿度約60±5%の環
境下に一日放置した後の20メツシ篩(テイラーメツシ
ユ)に残留する長粒径約1mm以上の凝集塊状物の有無に
よって測定可能である。
本発明においては、複数の低軟化点化合物を混合して
使用しても良い。使用する複数の低軟化点化合物の軟化
点(40〜130℃)および使用量をそれぞれ(T1,W1)、
(T2,W2)……(Tn−1,Wn−1)、(Tn,Wn)とした場
合、下記条件を満すことが好ましい。
尚、低軟化点化合物の使用量は、添加した重合性単量
体がほぼ100%重合して重合体を生成した場合を仮定し
ての値であり、重合体100重量部に対して50≦W1+W2…
…Wn−1+Wn≦3000の条件を満している。重合体100重
量部とは、換言すれば重合トナーを形成する重合体を生
成するために有効に使用される重合性単量体100重量部
を意味する。したがって、水性媒体に溶解する量および
未反応量を配慮して、重合性単量体を100重量部以上使
用して重合体100重量部が生成される場合もある。上記
条件からはずれて、0.05以下の値となった場合には低軟
化点化合物の使用量が多すぎて、耐ブロツキング性が低
下し、重合トナーの機械的強度が不足する傾向が高ま
る。反対に、0.8以上の値となる場合には低温定着性お
よび/又は低圧定着性の改善の程度が少なくなる。本発
明に係る重合トナーは、次の製造方法により生成するこ
とが出来る。すなわち、少なくとも重合性単量体、低軟
化点50〜120℃を有する低軟化点化合物および着色剤を
含有する単量体組成物を、高温に加温された水性媒体中
で分散造粒し、造粒工程が実質的に終了した後に、造粒
された単量体組成物粒子を含有する重合温度に調整され
た水性媒体中へ重合開始剤を添加して、懸濁重合する方
法である。この場合、水性媒体の造粒工程時における液
温は、低軟化点化合物の軟化点よりも高温にする方が、
造粒の容易さ及び粒度分布をシヤープにする点で好まし
い。
上記製造方法においては、重合性単量体を重合するた
めの重合開始剤が単量体組成物を造粒後に水性媒体中に
添加されている。そのため、単量体組成物の分散媒体で
ある水性媒体の温度を従来より高温にして造粒をおこな
うことが可能である。さらに、造粒後に分級工程を設け
て所定粒度を有する単量体組成物粒子と規定外の粒度を
有する単量体組成物粒子とを分級し、その後に重合開始
剤を添加して重合をおこなうことが可能であり、一方分
別された規定外の粒度を有する単量体組成物粒子を重合
工程前に他の単量体組成物と混合し、再度分散造粒して
再利用することも可能である。また、造粒工程中は重合
開始剤の分散温度を考慮することなく、水性媒体の温度
を高温にすることが可能であるため、単量体組成物中に
パラフインまたは低分子量ポリオレフインの如き実質的
に重合性単量体に不溶な低軟化点化合物であっても多量
に添加して造粒することができ、多量に添加されている
場合でも高温で造粒することができるため、シヤープな
粒度分布を有する低温定着および/又は低圧定着可能な
省エネルギー用の重合トナーを製造し得る。
水溶性の重合開始剤を使用した場合、生成される重合
トナーは耐湿性が低下し、高温高湿時における現像特性
および耐ブロツキング性が劣化してしまうので、環境特
性に優れた重合トナーを製造するためには実質的に非水
溶性の重合開始剤を使用することが好ましい。実質的に
非水溶性の重合開始剤を使用する場合、従来の如く単量
体組成物に予め溶解混合している系では、各単量体組成
物粒子に均等に重合開始剤が分配されることが予想され
るが、上記製造方法の如く水性媒体中で単量体組成物を
造粒後、実質的に非水溶性の重合開始剤を添加する系に
おいても、各粒子に良好に重合反応が生ずるということ
は驚くべきことである。
上記製造方法で使用される重合開始剤は、実質的に非
水溶性であることが上述の如く好ましい。本発明におけ
る実質的に非水溶性の重合開始剤とは、室温にて水100g
に対して1g以下の溶解度を有するものであり、好ましく
は水100gに対して0.5g以下、特に好ましくは水100gに対
して0.2g以下の低溶解度を有するものである。水100gに
対して1g以上の溶解度を有する場合には、重合終了後に
重合トナー粒子表面に残存する重合開始剤の分解生成物
が、重合トナーの耐湿性を低下させるので好ましくな
い。また、上記製造方法で使用する重合開始剤は重合性
単量体に可溶であり、通常使用する量範囲(単量体100
重量部に対して重合開始剤2〜5重量部)では良好に重
合性単量体に溶解する特性を有する。上記製造方法に使
用可能な重合開始剤として、2,2′−アゾビス−(2,4−
ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチ
ロニトリル、1,1′−アゾビズ(シクロヘキサン−1−
カルボニトリル)、2,2′−アゾビス−4−メトキシ−
2,4−ジメチルバレロニトリル、その他のアゾビスイソ
ブチロニトリル(AIBN)の如きアゾ系またはジアゾ系重
合開始剤;ベンゾイルパーオキサイド、メチルエチルケ
トンパーオキサイド、イソプロピルパーオキシカーボネ
ート、キユメンハイドロパーオキサイド、2,4−ジクロ
リベンゾイルパーオキサイド、ラウロイルパーオキサイ
ドの如き過酸化物系重合開始剤が挙げられる。上記の製
造方法において、重合開始剤は重合温度(通常50℃以
上)と同等またはそれ以下の融点を有するものが好まし
い。また、重合体の分子量および分子量分布を調節する
目的でまたは反応時間を調節する目的等で二種類または
それ以上の重合開始剤を混合して使用することも好まし
い。その場合、少なくとも1種は、重合時の水性媒体中
の液温に相当する温度またはそれ以下の温度の融点を有
するものを使用することが好ましい。何故ならば、重合
反応時の液温で重合開始剤が油状化しているので、水性
媒体へ添加後に分散されている各単量体組成物粒子へ重
合開始剤または重合開始剤から生成するラジカルがより
良好に付与されるからである。ちなみに、後述の実施例
で使用している2,2−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロ
ニトリル)はメソ体(m.p.55〜57℃)とdl体(m.p.74〜
77℃)との混合物であり、該混合物は約45℃で溶解を始
め約70℃で溶解が終了する。重合開始剤の使用量は、重
合単量体100重量部に対して0.1〜20重量部、好ましくは
1〜10重量部である。0.1重量部以下では、各単量体組
成物粒子へ均等に重合開始剤を付与することが困難であ
り、20重量部以上では多過ぎて重合生成物の分子量が低
くなり過ぎるとともに重合反応が不均一に発生する傾向
が高まる。
懸濁重合反応は、通常重合温度50℃以上でおこなわ
れ、重合開始剤の分解速度を考慮して上限温度が設定さ
れる。設定重合温度が高すぎると、重合開始剤が急激に
分解されてしまうので好ましくない。上記製造方法にお
いては、懸濁造粒時には重合開始剤を単量体組成物中に
存在させる必要がないため、造粒時の水性媒体の液温を
例えば75℃以上にして単量体組成物の溶融粘度を低下さ
せることにより、造粒を容易におこなうことが可能であ
る。
形成された単量体組成物粒子が所定粒度を有している
ことを確認して後に、該粒子を含む水性媒体の液温を重
合温度(例えば55〜70℃)に下げて後に、重合開始剤を
添加する。水性媒体の液温を下げることにより、単量体
組成物粒子の保形成も向上し、粒子同志の合一も抑制さ
れる。重合反応時間は、重合開始剤の種類および重合温
度で変動するが、通常は、2〜30時間である。
上記の製造方法においては、高温での分散造粒が可能
であるので、低軟化点化合物を単量体組成物に添加剤と
して多量に加えてもトナーとして使用可能な重合生成物
を製造することが可能である。本発明に係る重合トナー
においては、低軟化点化合物は結着樹脂としての役割を
も有することが可能である。本発明における低軟化点化
合物とは、環球法(JIS K 2531等参照)で測定した
軟化点は、トナーの耐ブロッキング性,トナー粒子の保
形性,トナーの定着温度及びトナーを定着圧力を低下さ
せる効果を考慮すると、前述の如く50〜120℃が良い。
低軟化点化合物としては、パラフイン、ワツクス、低分
子量ポリオレフイン、芳香族基を有する変性ワツクス、
脂環基を有する炭化水素化合物、天然ワツクス、炭素数
12以上の長鎖炭化水素鎖〔CH3CH2 11又はCH2 12
以上の脂肪族炭素鎖〕を有する長鎖カルボン酸、そのエ
ステル等を例示し得る。異なる低軟化点化合物を混合し
て用いても良い。具体的には、パラフインワツクス(日
本石油製)、パラフインワツクス(日本精蝋製)、マイ
クロワツクス(日本石油製)、マイクロクリスタリンワ
ツクス(日本精蝋製)、硬質パラフインワツクス(日本
精蝋製)、PE−130(ヘキスト製)、三井ハイワツクス1
10P(三井石油化学製)、三井ハイワツクス220P(三井
石油化学製)、三井ハイワツクス660P(三井石油化学
製)、三井ハイワツクス210P(三井石油化学製)、三井
ハイワツクス320P(三井石油化学製)、三井ハイワツク
ス410P(三井石油化学製)、三井ハイワツクス420P(三
井石油化学製)、ハイレツツT−100X(三井石油化学
製)、ハイレツツT−200X(三井石油化学製)、ハイレ
ツツT−300X(三井石油化学製)、:ペトロジン80(三
井石油化学製)、ペトロジン100(三井石油化学製)、
ペトロジン120(三井石油化学製)、タツクエースA−1
00(三井石油化学製)、タツクエースF−100(三井石
油化学製)、タツクエースB−60(三井石油化学製)、
変性ワツクスJC−1141(三井石油化学製)、変性ワツク
スJC−2130(三井石油化学製)、変性ワツクスJC−4020
(三井石油化学製)、変性ワツクスJC−1142(三井石油
化学製)、変性ワツクスJC−5020(三井石油化学製);
密ロウ、カルナバワツクス、モンタンワツクス等を挙げ
ることができる。尚、100℃以上の軟化点の低軟化点化
合物を使用する場合には、加圧下で水性媒体の液温を10
0℃以上にして分散造粒するのが好ましい場合もある。
上記低軟化点化合物は、重合トナーの定着温度および
/又は定着圧を下げるための重合性単量体100重量部に
対して50〜3,000重量部混合される。特に70〜1,000重量
部混合されるのが好ましい。50重量部以下では定着ロー
ラの定着温度または定着圧力を下げるには不充分であ
り、3,000重量部以上では耐ブロツキング性および耐久
性が低下する傾向が強まる。
本発明に係る重合トナーを形成するために適用出来る
重合性単量体は、反応基としてCH2=C<基を有するモ
ノマーであり、スチレン、o−メチルスチレン、m−メ
チルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシスチ
レン、p−フエニルスチレン、p−クロルスチレン、3,
4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメ
チルスチレン、p−n−ブチルスチレン、p−tert−ブ
チルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オ
クチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デ
シルスチレン、p−n−ドデシルスチレン、等のスチレ
ンおよびその誘導体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニ
ル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類;アクリ
ル酸、メタクリル酸、マレイン酸、マレイン酸ハースエ
ステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メ
タクリル酸プロピル、メタクリル酸n−ブチル、メタク
リル酸イソブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタク
リル酸ドデシル、メタクリル酸−2−エチルヘキシル、
メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸フエニル、メタ
クリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸ジエチル
アミノエチルなどのα−メチレン脂肪族モノカルボン酸
エステル類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸n−ブチル、アクリル酸−イソブチル、アクリ
ル酸プロピル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸ド
デシル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ス
テアリル、アクリル酸2−クロルエチル、アクリル酸フ
エニルなどのアクリル酸エステル類;ビニルメチルエー
テル、ビニルエチルエーテル、ビニルイソブチルエーテ
ルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニ
ルヘキシルケトン、メチルイソプロペニルケトンなどビ
ニルケント類;N−ビニルピロール、N−ビニルカルバゾ
ール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンな
どのN−ビニル化合物;ビニルナフタリン類;アクリロ
ニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどの
アクリル酸もしくはメタクリル酸誘導体などのビニル基
の如き反応性の二重結合を有する単量体がある。これら
を単独あるいは二種以上用いても良い。必要に応じて、
架橋剤を使用しても良い。架橋剤として、ジビニルベン
ゼン、ジビニルナフタレン、ジエチレングリコールジメ
タクリレート、エチレングリコールジメタクリレートを
例示し得る。架橋剤の添加剤は、通常重合性単量体100
重量部に対して0.1〜5重量部使用される。また、これ
らの重合性単量体の重合性を単量体組成物中に少量添加
しても良い。上記した単量体の中で、スチレン、アルキ
ル基の如き置換基を有するスチレン、またはスチレンと
他の単量体との混合単量体から生成された重合トナー
は、現像性、耐久性を考慮した重合好ましい。
又、単量体の重合時に添加剤として極性基を有する極
性重合体、極性共重合体または環化ゴムを添加して重合
性単量体を重合すると好ましい重合トナーを得ることが
できる。極性重合体、極性共重合体または環化ゴムは、
重合性単量体100重量部に対して0.5〜50重量部、好まし
くは1〜40重量部を添加するのが良い。0.5重量%以下
では、充分な凝似カプセル構造をとることが難しく、50
重量部以上では、重合性単量体の量が不足して重合トナ
ーとしての特性が低下する傾向が強くなる。極性重合
体、極性共重合体または環化ゴムを加えた重合性単量体
組成物を該極性重合体と逆荷電性の分散剤を分散せしめ
た水性媒体の水相中に懸濁させ、重合させることが好ま
しい。即ち、重合性単量体組成物中に含まれるカチオン
性又はアニオン性重合性、カチオン性又はアニオン性共
重合体またはアニオン性環化ゴムは、水性媒体中に分散
している逆荷電性のアニオン性又はカチオン性分散剤と
トナーとなる粒子表面で静電気的に引き合い、粒子表面
を分散剤が覆うことにより粒子同志の合一を防ぎ、安定
化せしめると共に、添加した極性重合体、極性共重合体
または環化ゴムがトナーとなる粒子表層部に集まる為、
一種の殻のような形態となり、得られた粒子は擬似的な
カプセルとなる。そして、粒子表層部に集まった比較的
高分子量の極性重合体、極性共重合体または環化ゴムは
多量の低軟化点化合物をトナー粒子内部に内包するの
で、本発明の重合トナー粒子にブロツキング性、現像
性、耐摩耗性の優れた性質を付与する。本発明に使用し
得る極性重合体(極性共重合体及び環化ゴムを包含す
る)及び逆荷電性分散剤を以下に例示する。尚、極性重
合体はGPCで測定した重量平均分子量が5,000〜500,000
のものが重合性単量体に良好に溶解し、耐久性も有する
ので好ましく使用される。(I)カチオン性重合体とし
ては、ジメチルアミノエチルメタクリレート、ジエチル
アミノエチルアクリレート等含窒素単量体の重合体、ス
チレンと該含窒素単量体との共重合体もしくはスチレ
ン、不飽和カルボン酸エステル等と該含窒素単量体との
共重合体がある。
(II)アニオン性重合体としてはアクリロニトリル等の
ニトリル系単量体、塩化ビニル等の含ハロゲン系単量
体、アクリル酸等の不飽和カルボン酸、不飽和二塩基
酸、不飽和二塩基酸の無水物の重合体またはスチレンと
該単量体との共重合体がある。
分散剤としては、水性媒体中で単量体組成物粒子を分
散安定化する能力を有し、水に難溶性の無機微粉末が好
ましい。水性媒体中への分散剤の添加量は水を基準とし
て0.1〜50重量%(好ましくは1〜20重量%)添加する
のが良い。
(III)アニオン性分散剤としては、アエロジル#200,
#300(日本アエロジル社製)等のコロイダルシリカが
ある。
(IV)カチオン性分散剤としては酸化アルミニウム、水
酸化マグネシウム、カツプリング剤処理による疎水性シ
リカ、アミノアルキル変性コロイダルシリカ等の親水性
正帯電性シリカ微粉末等がある。
上述の極性重合体または共重合体のかわりにアニオン
性を有する環化ゴムを使用しても良い。
磁性重合トナーを生成するには、単量体組成物に磁性
粒子を添加する。この場合、磁性粒子は着色剤の役割を
もかねている。本発明に用い得る磁性粒子としては、磁
場の中に置かれて磁化される物質が用いられ、例えば
鉄、コバルト、ニツケルなどの強磁性金属の粉末もしく
はマグネタイト、ヘマタイト、フエライトなどの合金や
化合物の粉末があげられる。粒径が0.05〜5μm、好ま
しくは0.1〜1μmである磁性微粒子が用いられる。こ
の磁性粒子の含有量はトナー重量に対し、10〜60重量
%、好ましくは20〜50重量%が良い。又、これら磁性微
粒子はシランカツプリング剤、チタンカツプリング剤、
等の処理剤あるいは適当な反応性の樹脂等で処理されて
いても良い。この場合磁性微粒子の表面積、表面に存在
する水酸基の密度にもよるが、5重量%以下(好ましく
は0.1〜3重量%)の処理量で十分な重合性単量体及び
低軟化点化合物への分散性が得られ、トナー物性に対し
ても悪影響を及ぼさない。重合トナーは着色剤を含有し
ており、着色剤としては従来より知られている染料、カ
ーボンブラツク、カーボンブラツクの表面を樹脂で被覆
しているグラフト化カーボンブラツクの如き顔料が使用
可能である。着色剤は、重合体および低軟化点化合物を
基準にして0.5〜30重量%含有される。トナー中には必
要に応じて荷電制御剤、流動性改質剤を添加(内添)し
ても良い。荷電制御剤および流動性改質剤はトナー粒子
と混合(外添)して用いても良い。荷電制御剤としては
カルボキシル基又は含窒素基を有する有機化合物の金属
錯体、含金属染料、ニグロシン等がある。流動性改質剤
または潜像担持体(感光体)表面のクリーニング補助剤
としてはコロイダルシリカ、脂肪酸金属塩などがある。
又、増量の目的で炭酸カルシウム、微粉状シリカ等の充
填剤を0.5〜20重量%の範囲でトナー中に配合してもよ
い。さらにトナー粒子相互の凝集を防止して流動性を向
上するために、テフロン微粉末またはステアリン酸亜鉛
粉末のような流動性向上剤を配合してもよい。熱ロール
定着時の離型性を良くする低分子量炭化水素系化合物
(例えば重量平均分子量500〜5000)やカルナバワツク
ス等を低軟化点化合物とした場合、例えば、炭化水素化
合物では疎水性であり低分子量であるため、重合により
生成したポリマーとは混ざりにくく、極性重合体、極性
共重合体または環化ゴムに比べ粒子表面には出にくく重
合トナーの内部に押し込まれる形となる。その結果、多
量の低軟化点化合物を含有していても、内包化されてい
るため耐久性、耐ブロツキング性に優れる。そして定着
時に内部より出て、定着性およびオフセツト性を顕著に
改善する。換言すればオフセツト剤および定着剤として
の役割をはたす。本発明に係る重合トナーを二成分現像
剤に適用する場合、通常のトナーとキヤリアー配合比で
適用可能であり、例えばトナー1重量部に対してキヤリ
アー1〜500重量部を混合して使用される。
懸濁方法は、着色剤(本発明においては磁性体も内包
している)、重合性単量体100重量部に対して低軟化点
化合物50〜3000重量部及び添加剤等を均一に溶解、又は
分散せしめた単量体組成物を、0.1〜50重量%の懸濁安
定剤(例えば、難溶性無機分散剤)を含有する水性媒体
(例えば、重合温度よりも5℃以上、好ましくは10℃〜
30℃以上の温度に加温されている)中に通常の撹拌機又
はホモミキサー、ホモジナイザ等により分散せしめる。
好ましくは溶解または軟化された単量体組成物の粒子が
所望のトナー粒子のサイズ、一般に30μm以下(例えば
体積平均粒径0.1〜20μm)の大きさを有する様に撹拌
速度、時間および水性媒体の温度を調整する。その後、
分散安定剤の作用によりほぼその状態が維持される様、
撹拌を粒子の沈降が防止される程度に行いながら、水性
媒体の液温を重合温度まで下げる。重合温度は50℃以
上、好ましくは55〜80℃、特に好ましくは60〜75℃の温
度に設定し、撹拌しながら実質的に非水溶性の重合開始
剤を添加し重合を行う。反応終了後、生成したトナー粒
子を洗浄、分散安定剤の除去、濾過、デカンテーシヨ
ン、遠心等の如き適当な方法により回収し乾燥すること
により本発明の重合トナーが得られる。懸濁重合法にお
いては、通常重合性単量体及び低軟化点化合物100重量
部に対し水200〜3000重量部を水性分散媒として使用す
る。
また、適当な安定化剤、例えばポリビニルアルコー
ル、ゼラチン、メチルセルロース、メチルハイドプロピ
ルセルロース、エチルセルロース、カルボキシメチルセ
ルロースのナトリウム塩、ポリアクリル酸およびそれら
の塩、デンプン、ガムアルギン酸塩、ゼイン、カゼイ
ン、リン酸三カルシウム、タルク、硫酸バリウム、ベン
トナイト、水酸化アルミニウム、水酸化第2鉄、水酸化
チタン、水酸化ナトリウム等のいずれか1種または混合
物を水性媒体に本発明の製造方法に悪影響を与えない程
度に含有されたものも使用しても良い。
又、前記無機分散安定剤の均一な分散のために、界面
活性剤を本発明の製造方法に悪影響を与えない程度に使
用してもよい。これは上記分散安定化剤の初期の作用を
促進するためのものであり、その具体例としては、ドデ
シルベンゼンスルホン酸ナトリウム、テトラデシル硫酸
ナトリウム、ペンタデシル硫酸ナトリウム、オクチル硫
酸ナトリウム、アリル−アルキル−ポリエーテルスルホ
ン酸ナトリウム、オレイン酸ナトリウム、ラウリン酸ナ
トリウム、カプリン酸ナトリウム、カプリル酸ナトリウ
ム、カプロン酸ナトリウム、ステアリン酸カリウム、オ
レイン酸カルシウム、3,3−ジスルホンジ、フエニル尿
素−4,4−ジアゾ−ビス−アミノ−8−ナフトール−6
−スルホン酸ナトリウム、オルト−カルボキシベンゼン
−アゾ−ジメチルアニリン、2,2,5,5−テトラメチル−
トリフエニルメタン−4,4−ジアゾ−ビス−β−ナフト
ール−ジスルホン酸ナトリウム、その他を挙げることが
できる。しかしながら、親水性の有機安定剤または界面
活性剤を使用した場合には重合トナーの耐湿性が低下す
ることに留意する必要がある。
又、水に易溶性の重合性単量体は水中で乳化重合を同
時におこし、できた懸濁重合物を小さな乳化重合粒子で
汚染するので水溶性の重合禁止剤、例えば金属塩等を加
えて水相での乳化重合を防ぐこともよい。又、水性媒体
の粘度をまして重合時の粒子の合一を防ぐために、水に
グリセリン、グリコールなどを添加する事も可能であ
る。又、易溶性重合性単量体の水への溶解度減少のため
にNaCl、KCl、Na2SO4などの塩類を水性媒体に加えても
良い。また単量体組成物中の極性重合体または環化ゴム
の極性基のイオン化を高めるために塩酸の如きブレンス
テツド酸を水性媒体へ添加することも可能である。特
に、塩酸の如き、ブレンステツド酸を水性媒体中に添加
することは、アニオン性重合体、アニオン性共重合性ま
たは環化ゴムの効果の効果をより高める上で、有効であ
る。
本発明の重合トナーは、公知の乾式静電荷像現像法に
適用できる。例えば、カスケード法、磁気ブラシ法、マ
イクロトーニング法などの二成分現像法;導電性一成分
現像法、絶縁性一成分現像法、ジヤンピング現像法など
の磁性トナーを使用する一成分現像法;粉末雲法および
フアーブラシ法;トナー担持体上に静電気的力によって
保持されることによって現像部へ搬送され、現像される
非磁性一成分現像法;電界カーテン法により現像部へ搬
送され現像される電界カーテン現像法などに適用可能で
ある。乾式現像法に特に好ましく適用できるが、場合に
より乾式現像法のトナーとしても使用され得る。
〔実施例〕
以下、実施例に基づいて本発明を詳細に説明する。
実施例1 スチレンモノマー 2000重量部 環化ゴム(アルベツクスCR450,ヘキストジヤパン社製)
400重量部 ボントロンE81(荷電制御剤,オリエント化学工業製)8
0重量部 カーボンブラツク(STERING R,米国キヤボツト社製)6
00重量部 パラフインワツクス155゜F(軟化点69℃) 3500重量部 上記成分をアトライターにより温度80℃で4時間混合
して単量体組成物を調製した。得られた単量体組成物25
4重量部を、アミノ変性シリカ(アエロジル200の100重
量部をアミノプロピルトリエトキシシラン5重量部で処
理したもの)20重量部および0.1N塩酸25重量部を含有す
る85℃加温された蒸留水1200重量部の水性媒体へTKホモ
ミキサーの撹拌下に投入し、投入後15分間10,000rpmで
撹拌して、分散造粒した。
造粒後液温を60℃に下げ、重合開始剤として2,2′−
アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)3重量部
および2,2′−アゾビスイソブチロニトリル1.5重量部を
水性媒体へ添加して、30分間撹拌した。さらに、撹拌を
バドル刃撹拌に変えて60℃で10時間撹拌し重合を完結さ
せた。
得られた重合トナー含有の水性媒体を冷却し、脱水
し、水酸化ナトリウム溶液で洗浄してアミノ変性シリカ
を溶解除去し、水洗し、脱水し、乾燥して(必要に応じ
て分級して微粒子状の不用成分粒子を除去し)体積平均
粒径6.5μm(100μmのアパーチヤーを使用してコール
ターカウンターで測定)の重合トナーを得た。得られた
重合トナーは、ポリスチレン100重量部に対してパラフ
インワツクス約180重量部を含有していた。また、得ら
れたトナーは50℃の環境に一日放置してもブロツキング
は発生しなかった。このことから、パラフインワツクス
は重合トナー粒子内部に内包化していることが知見され
た。
得られた重合トナー10重量部、ステアリン酸亜鉛粉末
0.1重量部,疎水性シリカ(アエロジルR972,日本アエロ
ジル社製)0.1重量部、および平均粒径40μmの絶縁性
キヤリアー粒子(四三酸化鉄75重量部とエポキシ樹脂25
重量部から形成)90重量部を混合して現像剤を調製し、
下記条件で現像,転写,定着をおこなった。
感光体 ……アモルフアスシリコン感光体 転写速度 ……270mm/sec 静電潜像形成条件 暗電位 ……+450V スリーブ径 ……32mm(周速270mm/sec) 磁性体のN,S磁極のスリーブ表面の垂直方向の磁束密度
……1000ガウス 現像剤層の厚さ ……0.2mm スリーブと感光体表面との距離 ……300μm 現像バイアス ……+200v(DC) 3.0KHz,1.4KVpp(AC) 転写条件(ドラムから中間転写体) 中間転写体材質 ……RTVシリコンゴム(肉厚1mm) 中間転写体表面粗さ ……4μmRMS 転写圧 ……1Kg/cm2 中間転写体温度 ……50℃ 転写・定着条件(中間体転写体から転写紙) 転写圧 ……30Kg/cm2 加圧・加熱ローラ温度 ……110℃ ニツプ巾 ……3mm 結果を下記に示す。
実施例2 パラフイン155゜F3500重量部のかわりに、パラフイン
ワツクス140゜F(軟化点60℃)500重量部およびパラフ
イン155゜(軟化点69℃)2000重量部を使用し、分散造
粒時の水性媒体の液温を90℃にする以外は実施例1と同
様にして体積平均粒径5.8μの重合トナーを生成し得ら
れた重合トナーは、ポリスチレン100重量部に対してパ
ラフインワツクス約125重量部を含有していた。
実施例3 上記成分をアトライターで4時間混合して単量体組成
物を調製した。別途アミノ変性シリカ20重量部、0.1N塩
酸25重量部および蒸留水1200重量部からなる水性媒体を
75℃に保温し、TKホモミキサーの撹拌下で上記単量体組
成物254重量部を水性媒体へ投入し、投入後10,000rpmで
30分間撹拌し、造粒後水性媒体を60℃に冷却した。重合
開始剤として、2,2′−アゾビス−(2,4−ジメチルバレ
ロニトリル)5重量部および2,2′−アゾビスイソブチ
ロニトリル2重量部を添加後さらに30分間撹拌した。そ
の後、通常の撹拌機により回転数100rpmで撹拌しながら
60℃で10時間反応させた。その後実施例1と同様にして
後処理したところ粒度分布のシヤープな体積平均粒径5.
5μmの重合トナーが得られた。得られた重合トナー
は、ポリスチレン100重量部に対してパラフインワツク
ス約55重量部を含有していた。
比較例1 上記成分をアトライターにより温度60℃で4時間混合
して単量体組成物を調製した。
得られた単量体組成物254重量部に2,2′−アゾビス−
(2,4−ジメチルバレロニトリル)を6重量部及び2,2′
−アゾビスイソブチロニトリルを3重量部添加し混合し
たものを、アミノ変成シリカ(アエロジル200の100重量
部をアミノプロピルトリエトキシシラン5重量部で処理
したもの)20重量部および0.1N塩酸25重量部を含有する
60℃に加温された蒸留水1200重量部の水性媒体へTKホモ
ミキサーの撹拌下に投入し、投入後15分間10,000rpmで
撹拌して、分散造粒した。
さらに、撹拌をバトル刃撹拌に変えて60℃で10時間撹
拌し、重合を完結させた。次いで、実施例1と同様にし
て後処理して体積平均粒径5.3μmの重合トナーを得
た。得られた重合トナーは、ポリスチレン100重量部に
対してパラフインワツクス約20重量部を含有していた。
得られた重合トナー10重量部、ステアリン酸亜鉛粉末0.
1重量部、疎水性シリカ(アアエロジルR972,日本アエロ
ジル社製)0.1重量部および平均粒径40μmのキヤリア
ー粒子(実施例1と同様のもの)90重量部を混合して現
像剤を調製した。調製した現像剤を使用して実施例1と
同様にして現像、転写、定着をおこなったところ、定着
温度190℃以上で実用に供し得る定着画像が得られた。
尚、定着ローラ温度100℃,120℃,140℃いずれの場合
も、定着が不充分であり、実用に供し得る定着画像は得
られなかった。
比較例2 上記成分をアトライターにより温度60℃で4時間混合
して単量体組成物を調製した。
得られた単量体組成物254重量部に2,2′−アゾビス−
(2,4−ジメチルバレロニトリル)を0.5重量部及び2,
2′−アゾビスイソブチロニトリルを0.2重量部添加し混
合したものを、アミノ変性シリカ(アエロジル200の100
重量部をアミノプロピルトリエトキシシラン5重量部で
処理したもの)20重量部および0.1N塩酸25重量部を含有
する60℃に加温された蒸留水1200重量部の水性媒体へTK
ホモミキサーの撹拌下に投入し、投入後15分間10,000rp
mで撹拌して、分散造粒した。
さらに、撹拌をバドル刃撹拌に変えて60℃で10時間撹
拌し、重合をおこなった。次いで、実施例1と同様にし
て後処理したところ粒径が100μm以上の粒子が多数で
あり、そのままでは静電荷像現像用トナーとして実用に
供し得なかった。そのため、分級して体積平均粒径約8
μmの粒子を得たが、耐ブロツキング性が不充分であっ
た。
(発明の効果) 本発明は以上のような装置と現像材を用いているか
ら、転写にあたって静電的な転写手段をとらないのでト
ナーの転写材への付着力の弱さに基く画像の乱れや鮮明
度の低下を阻止でき、感光体に、転写時に過大な圧力が
かかることを回避できるとともに、現像材が常圧時の融
点よりもはるかに低い温度で転写並びに定着可能となる
ため、感光体の昇温を充分に押えて特性の変化を生じに
くくするので、その寿命を大幅に増大せしめることが可
能で、長期に渡って良質の画像を安定的に得ることがで
きる。
【図面の簡単な説明】
第1図は本発明の実施例たる画像形成装置を示す概略側
面図、 第2図は本発明の他の実施例を模式的に示す側面図であ
る。 1……感光体、20……中間転写体、3……加圧体、N1,N
2……ニップ部。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 福本 博 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (72)発明者 大西 敏一 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キ ヤノン株式会社内 (56)参考文献 特開 昭59−77468(JP,A) 特開 昭56−138742(JP,A)

Claims (2)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】感光体に形成した静電潜像を、トナーを有
    する現像剤を用いて現像してトナー画像を形成し、形成
    されたトナー画像を感光体に圧接している中間転写体に
    圧力転写し、さらにこの転写されたトナー画像を、該中
    間転写体と該中間転写体に圧接している加圧体間を通過
    する転写材に転写かつ定着させ定着画像を得る画像形成
    方法に於いて、該トナー画像を形成するトナー粒子が重
    合性単量体から形成された重合体100重量部に対して軟
    化点50〜120℃の低軟化点化合物50〜3000重量部を内包
    している重合トナー粒子であり、該中間転写体へ転写さ
    れた画像を、該中間転写体と前記加圧体間を通過する転
    写材に、前記感光体と前記中間転写体との圧接力よりも
    大きい圧力と高い温度の条件下で転写かつ定着すること
    を特徴とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】静電潜像を形成するための感光体と、感光
    体表面に形成されたトナー画像を圧力転写するための中
    間転写体とを具備する画像形成装置において、重合性単
    量体から形成された重合体100重量部に対して軟化点50
    〜120℃の低軟化点化合物50〜3000重量部を内包してい
    る重合トナー粒子から形成されている該中間軟化体上の
    トナー画像を、通過する転写材へ転写するための該中間
    転写体に圧接している加圧体が具備されており、該加圧
    体が該感光体と該中間転写体との圧接力よりも大きい圧
    接力で該中間転写体と圧接しており、且つ、重合トナー
    粒子を加熱定着するための加熱手段を内包していること
    を特徴とする画像形成装置。
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