JP3123045B2 - 重合トナーの製造方法 - Google Patents

重合トナーの製造方法

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JP3123045B2
JP3123045B2 JP06038718A JP3871894A JP3123045B2 JP 3123045 B2 JP3123045 B2 JP 3123045B2 JP 06038718 A JP06038718 A JP 06038718A JP 3871894 A JP3871894 A JP 3871894A JP 3123045 B2 JP3123045 B2 JP 3123045B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、電子写真法、静電記録
法等によって形成される静電荷像を現像するためのトナ
ーの製造方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】従来より、電子写真装置や静電記録装置
等で形成された電気的潜像は、次いでトナーにより現像
されてトナー画像を形成し、該トナー像は必要に応じて
紙等の転写材に転写された後、該転写材に加熱、加圧、
溶剤蒸気など種々の方式により定着されて複写物を与え
る。
【0003】従来、このような目的に用いるトナーは、
一般に、熱可塑性樹脂中に着色剤、帯電制御剤、オフセ
ット防止剤等を加熱溶融、混合して均一に分散させて組
成物とした後、該組成物を粉砕、分級することにより製
造されてきた。
【0004】この製造方法(粉砕法)によれば、ある程
度優れたトナーを製造し得るが、該方法においては、あ
る種の制限、すなわちトナー用材料の選択に制限があ
る。例えば、上記加熱溶融、混合により生成した組成物
が、経済的に使用可能な製造装置で粉砕、分級し得るも
のでなくてはならない。この要請から、加熱溶融、混合
した組成物を充分に脆くせざるを得ない。このため、実
際に上記組成物を粉砕する際に、広範囲の粒子径分布が
形成され易く、良好な解像度と階調性のある複写画像を
得ようとすると、5μm以下の微粉および20μm以上
の粗粉を分級により除去しなければならず、収率が非常
に低くなるという欠点がある。
【0005】また、この粉砕法においては、着色剤、帯
電制御剤、オフセット防止剤等の固体微粒子を上記熱可
塑性樹脂中に均一に分散することが困難であり、この固
体微粒子の分散の程度によっては、かぶりの増大、画像
濃度の低下の原因になるため、この分散の程度に充分な
注意を払わなければならない。
【0006】粉砕法におけるこれら固体微粒子分散の不
均一さは、トナーの流動性、摩擦帯電性等に大きく影響
し、トナーの現像性、耐久性能などの特性を左右する。
【0007】一方、これらの粉砕法の問題点を克服する
ために、懸濁重合によるトナーの製造方法が提案されて
いる。この懸濁重合法においては、重合性単量体、着色
剤、帯電制御剤、オフセット防止剤、重合開始剤等を均
一に溶解又は分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤
を含有する水または水を主体とする水系分散媒中に投入
し、高剪断力を有する混合装置を用いて分散、造粒した
後、重合させてトナー粒子を形成する。
【0008】この懸濁重合法においては、重合性単量体
を主成分とする液滴(単量体組成物粒子)の重合前の分
散安定並びに重合中の粒子の分散安定のために、通常、
分散安定剤を分散媒中に含有させる必要がある。この分
散安定剤は、一般に保護コロイド膜を形成させ、立体障
害による反撥力を発現させる水溶性高分子と、静電気的
な反撥力を発現させて分散安定化をはかる難水溶性無機
物質との二つに大別される。
【0009】前者としては、ポリビニルアルコール、メ
チルセルロース、ゼラチン等の水溶性高分子からなる分
散安定剤が知られている。これらの分散安定剤を使用し
た懸濁重合によるトナーの製造方法に関する提案がなさ
れている。しかしながら、この方法では、重合によって
得られた粒子は微小粒径のものを多く含むため、粒径分
布が広いものになってしまう。加えて、粒子表面に付着
した分散安定剤の除去が困難であるため、電気特性(電
気抵抗、帯電性)が極めて悪く、トナーとして実用に耐
えるものは得られていないのが現状である。
【0010】一方、後者の難水溶性無機物質からなる分
散安定剤としては、リン酸カルシウム、硫酸バリウム、
硫酸カルシウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸
マグネシウム等の難水溶性塩類;タルク、珪酸等の無機
高分子物質;酸化アルミニウム、酸化チタン等の金属酸
化物;水酸化アルミニウム、水酸化第二鉄等の金属水酸
化物;等の分散安定剤が知られている。これらの分散安
定剤を使用した懸濁重合によるトナーの製造方法に関す
る提案もされている(特公昭58ー49863号、特公
昭59ー18697号、特公昭59ー33910号、特
公昭63ー45101号公報、特開昭61−22354
号等)。
【0011】上記した難水溶性無機物質を用いる方法で
は、比較的粒径分布が狭くなる可能性があるが、トナー
として使用可能な粒径に制御するためには、分散安定剤
の使用量が多くなったり、分散安定助剤として用いる界
面活性剤(乳化剤)のため、微小粒子の発生が見られる
等の粒径分布制御上の問題がある。更には、重合後の酸
洗、水洗処理による分散安定剤、界面活性剤の除去が不
充分である場合には、充分な電気的性質が発現されない
といった問題点もあり、トナーとして実用に供し得るよ
うな優れた特性を有するトナーが得られていないのが現
状である。
【0012】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、以上
の如き問題点を解決した重合トナーの製造方法を提供す
ることにある。
【0013】本発明の他の目的は、極めてシャープなト
ナー粒径分布と良好な電気的性質とに基づき、解像度、
カブリ等の画質特性に優れたトナーを製造可能な静電荷
像現像用トナーの製造方法を提供することにある。
【0014】
【課題を解決するための手段】本発明者らは、鋭意研究
の結果、水溶性多価金属塩と水酸化アルカリ金属との水
相中での反応に基づき生成する難水溶性の水酸化金属塩
コロイドを分散安定剤として用いることが、従来の難水
溶性無機物質を分散安定剤として用いた場合に比べ、よ
り粒径分布がシャープな懸濁重合トナーを与えるのみな
らず、トナー粒子表面に残留する分散安定剤の量を少な
くすることを可能とし、前記目的の達成に極めて効果的
であることを見いだした。
【0015】本発明らは更に研究を進めた結果、上記し
たような水相中での反応に基づく水酸化金属塩コロイド
を分散安定剤として用いる重合トナーの製造において
は、重合性単量体を主成分とするトナー構成成分の液滴
を(トナーに適した粒径まで)分割ないし造粒する手段
として、高剪断攪拌に基づく連続式分散機を用いること
が、上記トナーの粒径分布を更にシャープにできる点か
ら、特に効果的であることを見い出した。
【0016】本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法
は、上記知見に基づくものであり、より詳しくは、水溶
性多価金属塩と水酸化アルカリ金属との水相中の反応に
より生成する、個数粒径分布のD50が0.5μm以下、
90が1μm以下である難水溶性の水酸化金属塩コロイ
ドのみを分散安定剤として含有する水系分散媒中に、少
なくとも重合性単量体と着色剤とを含むトナー構成成分
を溶解ないし分散した均一混合溶液を加え、その後、懸
濁重合させることにより、体積平均粒径が2〜20μ
m、粒径分布(体積平均粒径/個数平均粒径の比)が
1.6以下である粒子を得ることを特徴とするものであ
る。
【0017】
【0018】本発明によれば、更に、前記水溶性多価金
属塩と水酸化アルカリ金属とを水相中で反応させて、難
水溶性の水酸化金属塩コロイドを生成させる際の水溶性
多価金属塩に対する水酸化アルカリ金属の化学当量比A
が、 0.4 ≦ A ≦ 1.0 の関係を満たす上記した静電荷像現像用トナーの製造方
法が提供される。
【0019】本発明によれば、更に、前記水溶性多価金
属塩が、マグネシウム金属塩、カルシウム金属塩、又は
アルミニウム金属塩からなる上記した静電荷像現像用ト
ナーの製造方法が提供される。
【0020】本発明によれば、更に、前記難水溶性の水
酸化金属塩コロイドのみを分散安定剤として含有する水
系分散媒中に、前記トナー構成成分を溶解ないし分散
し;且つ水系分散媒中で、トナー構成成分の液滴をトナ
ーに適した粒径まで分割する手段として、高剪断攪拌を
利用した連続式分散機を用いる重合トナーの製造方法が
提供される。
【0021】上記した本発明のトナーの製造方法におい
ては、水溶性多価金属塩と水酸化アルカリ金属とを水相
(水性相)中で反応させて、該水相中で難水溶性の水酸
化金属塩(ないし水酸化物)コロイドを生成させ、該コ
ロイド粒子の乾燥・固体化を行うことなく、該水相にト
ナー構成成分を含む均一混合液(単量体組成物)を加
え、懸濁重合を行っている。本発明において、水相中に
得られる難水溶性の水酸化金属塩コロイドの粒径分布
は、市販の難水溶性金属塩を水相中に分散した場合と比
較して極めてシャープ(例えば、該コロイド粒子の個数
粒径分布のD50を0.5μm以下、D90を1μm以下に
できる)である。したがって、次の工程において、重合
性単量体と着色剤と(必要に応じて、帯電制御剤等他の
成分)を含むトナー構成成分を溶解、分散した均一混合
液を上記水相に加え、高剪断撹拌により小液滴を形成す
る際に、比較的少量の難水溶性の水酸化金属塩コロイド
を用いた場合にも上記小液滴は充分に分散・安定化され
ることになる。上述したようにシャープな粒径分布を有
し、しかも少量の難水溶性の水酸化金属塩コロイドは、
重合後に行われる酸洗い、水洗いにより容易に除去する
ことが可能である。
【0022】本発明においては、水溶性多価金属塩と水
酸化アルカリ金属とを水相で反応せしめ難水溶性の水酸
化金属塩コロイドを生成させる際に、水溶性多価金属塩
(化学当量a)に対する水酸化アルカリ金属(化学当
量b)の化学当量比A (=b/a)は、0.4 ≦
A ≦1.0とすることが好ましい。このような本発明
の好ましい態様においては、重合後のトナー粒子表面の
水酸化金属塩コロイドの酸洗浄の際に、過剰の水酸化ア
ルカリ金属がないことから、酸洗浄が容易であり、更
に、余剰の水溶性多価金属塩のバッファー効果により、
水系媒体中に生成させた上記コロイドによる分散安定効
果を高めることができ、且つ、その後に引き続き行われ
る重合工程においては、重合により生成した粒子の合
一、並びに凝集を効果的に防止することができる。
【0023】本発明においては、前記した難水溶性の水
酸化金属塩コロイドを分散安定剤として含有する水系分
散媒中に、前記トナー構成成分を溶解ないし分散し;且
つ水系分散媒体中で、トナー構成成分の液滴をトナーに
適した粒径まで分割ないし造粒(例えば、高剪断撹拌等
により分割)する手段として、キャビテーション、また
は渦巻流もしくは乱流を利用した連続式分散機を用いる
ことにより、更にシャープなトナーの粒径分布を得るこ
とができる。
【0024】上述したように、本発明においては、重合
後に通常行われる酸洗い、水洗いによる上記水酸化金属
塩コロイドの除去が容易であるため、生成したトナーの
電気的性質は極めて良好なものとなる。
【0025】更に、本発明により得られるトナーは、平
均粒径が2〜20μmと小粒径で、かつ粒径分布(体積
平均粒径/個数平均粒径の比)が1.6以下と極めて狭
いため、該トナーの解像度、カブリ等の画質特性は極め
て良好なものとなる。
【0026】以下、本発明を詳細に説明する。
【0027】(水溶性多価金属塩) 本発明で使用可能な水溶性多価金属塩としては、マグネ
シウム、カルシウム、アルミニウム、鉄、銅、マンガ
ン、ニッケル、スズ等の多価金属の塩酸塩、硫酸塩、硝
酸塩、酢酸塩等が挙げられる。中でもマグネシウム、カ
ルシウム、アルミニウム塩の使用が、分散安定化の観点
で特に好ましい。
【0028】(水酸化アルカリ金属) 本発明で使用可能な水酸化アルカリ金属としては、水酸
化リチウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等のア
ルカリ金属の水酸化物が挙げられる。
【0029】前記した水溶性多価金属塩ならびに水酸化
アルカリ金属の水分散媒(水相)中の濃度は、所望の粒
径(トナー粒径)により選択されるものであるが、生成
する難水溶性の水酸化金属塩として、重合性単量体10
0重量部に対し、0.1〜20重量部(更には1〜10
重量部)の範囲であることが好ましい。また、水溶性多
価金属塩と水酸化アルカリ金属との反応比率は、水溶性
多価金属塩(化学当量a)に対する水酸化アルカリ金属
(化学当量b)の化学当量比A(すなわちb/a)で
0.4 ≦ A ≦1.0の範囲(更には0.6 ≦
A ≦0.8の範囲)であることが好ましい。
【0030】(難水溶性水酸化金属塩コロイド) 本発明においては、上記水溶性多価金属塩と水酸化アル
カリ金属との水相中の反応より生成する難水溶性の水酸
化金属塩コロイドは、シャープな粒径分布を有すること
が好ましい。より具体的には、上記水酸化金属塩コロイ
ドは、その個数粒径分布のD50が0.5μm以下(更に
は0.4μm以下)であることが好ましく、また個数粒
径分布のD90が1μm以下(更には0.8μm以下)で
あることが好ましい。上記D50が0.5μmを越える
か、あるいはD90が1μmを越えると、難水溶性水酸化
金属塩コロイドの粒径分布が比較的ブロードとなるた
め、重合により得られるトナーの粒径分布もブロードな
ものとなり易く、また、重合後の酸洗い、水洗いによる
難水溶性水酸化金属塩コロイドの除去の容易性も低下し
易くなる。
【0031】ここに、上記D50とは、微粒子径測定装置
(例えばマイクロトラック粒径分布測定器)により測定
した個数粒径分布の累積値50%に対応する粒径の値で
あり、上記D90とは、個数粒径分布の累積値90%に対
応する粒径の値である。
【0032】(トナー構成成分の溶解・分散) 本発明において、重合性単量体及び着色剤(必要に応じ
て、帯電制御剤等)を含むトナー構成成分を溶解、分散
した混合液を水分散液媒中に小液滴として分散させるた
めには、通常、高剪断の撹拌が必要であるが、これはホ
モミキサー、ホモジナイザー等の任意の高剪断撹拌手段
により行うことができる。
【0033】本発明において、難水溶性の水酸化金属塩
コロイドを分散安定剤として含有する水系分散媒中に、
重合性単重体を主成分とするトナー構成成分を加えて、
トナーに適した粒径の液滴まで高剪断撹拌により分割な
いし造粒する手段としては、キャビテーション、または
渦巻流もしくは乱流を利用して剪断力を生じさせる手段
を用いることが好ましい。
【0034】ここに「キャビテーション」とは、物体
(ローターやタービン翼等)が液体中において高速度で
運動(例えば、勢い良く回転)する際に、このような高
速運動する物体の表面(例えば、後ろの表面)の周囲
に、ベルヌーイの定理による圧力の低下に基づき、気泡
が生ずる現象をいう。このキャビテーションが生じる
と、この際に発生する超音波等に基づいて、強い剪断力
が得られる。
【0035】キャビテーションを利用した連続式分散機
としては、例えば、固定子(ステーター)と回転子(ロ
ーター)とを備えた連続式のものが好ましく用いられ
る。このような連続式分散機の具体例としては、例え
ば、スラッシャー((株)三井三池製作所製)、TK式
ハイラインミル(特殊機化工業(株)製)、マイルダー
((株)荏原製作所製)、TK式ホモミックラインフロ
ー(特殊機化工業(株)製)、TK式パイプラインホモ
ミキサー(特殊機化工業(株)製)等が挙げられるが、
これ以外でも、同様な方式を用いてキャビテーションを
生じさせるものであれば本発明に使用可能である。
【0036】一方、渦巻流または乱流を利用した分散機
の例としては、例えば、狭隘な液体通路(ノズル、スリ
ット等)から高速で分散液を噴出させ、該液体の勢いに
より、渦巻流を起こさせる方式を用いる分散機;あるい
は、高速で流れる液体と、槽内に具備した固定羽根また
は槽内の特殊形状との相互作用に基づき、乱流を生じさ
せる方式を用いる分散機が好適に使用可能である。この
ような渦巻流または乱流を利用した分散機(連続処理方
式のもの)の具体例としては、例えば、ハイドロシャー
(ゴーリン・コーポレーション製)、スタテックミキサ
ーPSM(ベッツホルド社製)、TK式ソィスカリン
(特殊機化工業(株)製)等の旋回渦巻流方式の分散
機、スルザーミキサー(スルザーブラザー(株)製)、
ハイ・ミキサー(東レ(株)製)、ノリタケスタテック
ミキサー(ノリタケ(株)製)等のラインミキサータイ
プの乱流方式の分散機が挙げられる。
【0037】以下、それぞれのトナー構成成分について
説明する。
【0038】(重合性単量体) 本発明で使用される重合性単量体としては、例えば、ス
チレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p
−クロロスチレン等の芳香族ビニル単量体類;アクリロ
ニトリル等の不飽和ニトリル類;メチル(メタ)アクリ
レート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)
アクリレート、エチルヘキシル(メタ)アクリレート、
ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)ア
クリレート等の不飽和アクリル酸エステル類および不飽
和メタアクリル酸エステル類;ブタジエン、イソプレン
等の共役ジオレフィン類;等を例示することができる。
上記の単量体は単独で、あるいは必要に応じて2種以上
混合して使用することができる。
【0039】(添加剤) 本発明においては、上記重合性単量体と組み合わせて、
必要に応じて任意の油溶性開始剤、分子量調整剤、架橋
性単量体、離型剤等の各種の添加剤を使用することがで
きる。
【0040】(油溶性開始剤) 油溶性開始剤としては、使用される単量体に可溶なもの
を特に制限なく使用することができる。より具体的に
は、例えば、メチルエチルパーオキシド、ジ−t−ブチ
ルパーオキシド、アセチルパーオキシド、ジクミルパー
オキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオ
キシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエ
ート、ジ−イソ−プロピルパーオキシジカーボネート、
ジ−t−ブチルジパーオキシイソフタレート等の過酸化
物類;2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニ
トリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、
1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリ
ル)等のアゾ化合物;を例示することができる。
【0041】上記油溶性開始剤は、重合性単量体100
重量部に対して、0.1〜20重量部(更には1〜10
重量部)用いることが好ましい。
【0042】(分子量調整剤) 本発明で必要に応じて使用される分子量調整剤として
は、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシル
メルカプタン、n−オクチルメルカプタン等のメルカプ
タン類;四塩化炭素、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水
素類;を例示することができる。これらの分子量調整剤
は、重合開始以前、あるいは、重合の途中で反応系中に
添加することができる。
【0043】上記分子量調整剤は、重合性単量体100
重量部に対して、0.01〜10重量部(更には0.1
〜5重量部)用いることが好ましい。
【0044】(架橋性単量体) 本発明で必要に応じて使用される架橋性単量体として
は、例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジ
(メタ)アクリレート、グリシジル(メタ)アクリレー
ト、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート
等の多官能性単量体類を例示することができる。これら
の架橋性単量体は、重合開始以前、あるいは、重合の途
中で反応系中に添加することができる。
【0045】上記架橋性単量体は、重合性単量体100
重量部に対して、0.01〜10重量部(更には0.1
〜5重量部)用いることが好ましい。
【0046】(離型剤) 本発明で必要に応じて使用される離型剤としては、例え
ば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、
低分子量ポリブチレン等の低分子量ポリオレフィン類を
例示することができる。
【0047】上記離型剤は、重合性単量体100重量部
に対して、0.1〜20重量部(更には1〜10重量
部)用いることが好ましい。
【0048】(着色剤) 本発明で使用される着色剤としては、例えば、カーボン
ブラック、ニグロシンベース、アニリンブルー、カルコ
オイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブル
ー、オリエントオイルリッド、フタロシアニンブルー、
マラカイトグリーンオクサレート等の染、顔料類;ある
いは鉄、コバルト、ニッケル、三二酸化鉄、四三酸化
鉄、酸化鉄マンガン、酸化鉄亜鉛、酸化鉄ニッケル等の
磁性粒子を例示することができる。
【0049】上記着色剤のうち、染顔料類は重合性単量
体100重量部に対して、0.1〜20重量部(更には
1〜10重量部)用いることが好ましい。また、磁性粒
子は、重合性単量体100重量部に対して1〜100重
量部、(更には、5〜50重量部)用いることが好まし
い。
【0050】(帯電制御剤) 本発明においては、分散質(単量体組成物)を構成する
成分として、上記着色剤、重合性単量体に加えて、得ら
れるトナーの帯電性を良好にする目的で帯電制御剤を添
加することが望ましい。このような帯電制御剤として
は、各種の正帯電性又は負帯電性の帯電制御剤を用いる
ことが可能である。より具体的には、例えば、スピロン
ブラックTRH(保土ヶ谷化学社製)、T−77(保土
ケ谷化学社製)、ボントロンS−34(オリエント化学
工業製)等の帯電制御剤を用いることができる。
【0051】上記帯電制御剤は、重合性単量体100重
量部に対して、0.01〜10重量部(更には0.1〜
5重量部)用いることが好ましい。
【0052】(滑剤・分散助剤) 本発明においては、着色剤のトナー粒子中への均一分散
化を目的として、オレイン酸、ステアリン酸等の滑剤、
および/又は、シラン系またはチタン系のカップリング
剤等の分散助剤を上記分散質中に存在させても良い。こ
のような滑剤ないし分散助剤は、着色剤の重量を基準と
して、1/1000〜1/50程度用いることが好まし
い。
【0053】(水系分散媒) 本発明においては、水相を構成する水系分散媒として
は、水又は水を主成分とする水性液体を用いることがで
きる。本発明において、少なくとも上記着色剤と重合性
単量体とを含む分散質と、水系分散媒との割合は特に限
定されないが、分散媒中での液滴の形成のしやすさ、な
らびに重合反応中での粒子の分散安定性の点からは、系
中の分散質濃度、すなわち、分散質の重量/(分散質の
重量+分散媒の重量)は5〜50重量%程度(更には2
0〜30重量%程度)の範囲であることが好ましい。
【0054】(トナー粒子) 上述したような分散質(単量体組成物)の重合反応終了
後、例えば、通常行う酸洗い、水洗いにより粒子表面に
残留している難水溶性水酸化金属塩を除去した後、脱
水、乾燥することによりトナー粒子を得ることができ
る。本発明によれば、体積平均粒径が2〜20μmで、
粒径分布(体積平均粒径/個数平均粒径の比)が1.6
以下であるような粒径分布がシャープなトナー粒子を得
ることができる。
【0055】
【実施例】以下に実施例を挙げて本発明を更に具体的に
説明するが、これらの実施例により本発明が限定される
ものではない。なお、以下の実施例、比較例中の「部」
および「%」は特に記した場合を除き重量基準である。
【0056】実施例1 スチレン 70部 n−ブチルメタアクリレート 30部 カーボンブラック 5部 (プリンテックス150T、デグサ社製) 帯電制御剤 1部 (スピロンブラックTRH、保土ヶ谷化学社製) ジビニルベンゼン 0.3部 2,2’−アゾビスイソブチロニトリル 2部 上記成分を、高剪断力を有する混合機であるTK式ホモ
ミキサー(特殊機化工社製)により6000rpmの回
転数で撹拌、混合して、均一分散した重合性単量体組成
物を調製した。
【0057】次に、イオン交換水250部に塩化マグネ
シウム(水溶性多価金属塩)9.8部を溶解した水溶液
に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム(水酸化ア
ルカリ金属)6.9部を溶解した水溶液を撹拌下で徐々
に添加して水酸化マグネシウムコロイド(難水溶性の水
酸化金属塩コロイド)分散液を調製した。この際の水酸
化ナトリウムの添加量(水溶性多価金属塩に対する水酸
化アルカリ金属の化学当量比)Aは0.84であった。
【0058】生成した上記コロイドの粒径分布をマイク
ロトラック粒径分布測定器(日機装社製)で測定したと
ころ、粒径はD50(個数粒径分布の50%累積値)が
0.38μm、D90(個数粒径分布の90%累積値)が
0.82μmであった。
【0059】このマイクロトラック粒径分布測定器によ
る測定においては、以下に示すパラメータを用いた。
【0060】 測定レンジ:0.12〜704μm 測定時間 :30秒 媒 体:イオン交換水 次いで、上記により得た水酸化マグネシウムコロイド分
散液に上記重合性単量体組成物を投入し、TK式ホモミ
キサーを用いて8000rpmで高剪断撹拌して、重合
性単量体組成物の液滴(単量体組成物粒子)を造粒し
た。この造粒した重合性単量体組成物水分散液を、撹拌
翼を装着した反応器に入れ、65℃で8時間撹拌して重
合反応を行い、重合体(トナー粒子)の水分散液を得
た。
【0061】重合反応終了後のトナー粒子の粒径をコー
ルターカウンター(目科機社製)により測定したとこ
ろ、その体積平均粒径(dv)は5.8μmで、その粒
径分布すなわち体積平均粒径と個数平均粒径(dp)と
の比(dv/dp)は1.32であった。
【0062】このコールターカウンターによる測定にお
いては、以下に示すパラメータを用いた。
【0063】 アパーチャ径:100μm 媒 体 :イソトンII 濃 度 :15% 測定粒子個数:50,000個 次に,上記により得た重合体の水分散液を撹拌しなが
ら、硫酸により系のpHを4以下として酸洗浄(25
℃、10分間)を行い、ろ過により水を分離した後、新
たにイオン交換水500部を加えリスラリー化して、水
洗浄を行った。その後、再度脱水、水洗浄を数回繰り返
し行って固形分を濾過分離した後、乾燥器(50℃)に
て一昼夜乾燥を行いトナーを得た。
【0064】上記により得られたトナー粒子(100
部)に疎水化処理したコロイダルシリカ(商品名:R−
972、日本アエロジル社製)0.3部を添加し、ヘン
シェルミキサーを用いて混合してトナーを調製した。
【0065】このようにして得られたトナーの体積固有
抵抗を、誘電体損測定器(商品名:TRS−10型、安
藤電気社製)を用い温度30℃、周波数1kHzの条件
下で測定したところ、その体積固有抵抗は1.0×10
11Ω・cmであった。
【0066】上記により得たトナーを用い、図1に示す
市販の非磁性一成分現像方式のプリンターにより温度2
3℃、湿度50%の常温常湿の環境下で画像評価を行っ
たところ、画像濃度が高く、カブリ、ムラのない解像度
の極めて良好な画像が得られた。
【0067】更に、温度35℃、湿度85%の高温高湿
の環境下で同様の画像評価を行ったところ、常温常湿環
境下と同様に良好な画像が得られた。
【0068】実施例2 上記実施例1において、塩化マグネシウムの量を4.9
部とし、水酸化ナトリウムの量を3.4部とした以外
は、実施例1と同様に単量体組成物の重合および酸洗
浄、水洗浄を行いトナー粒子を得た。
【0069】この際の水酸化ナトリウムの添加量(化学
当量比)Aは0.84であり、生成したコロイドの粒径
はD50が0.31μm、D90が0.72μmであった。
また、得られたトナー粒子の体積平均粒径は8.3μm
で、その粒径分布(dv/dp)は1.22であった。
【0070】上記トナー粒子に実施例1と同様に疎水化
処理したコロイダルシリカを混合してトナーを調製し
た。実施例1と同様に評価した該トナーの体積固有抵抗
は1.07×1011Ω・cmであった。
【0071】上記トナーを用いて、実施例1と同様に画
像評価を行ったところ、常温常湿環境下、および高温高
湿環境下ともに、画像濃度が高く、カブリ、ムラのない
鮮明な画像が得られた。
【0072】実施例3 実施例1において、塩化マグネシウムの量を8.2部、
水酸化ナトリウムの量を3.4部とした以外は、実施例
1と同様に単量体組成物の重合および酸洗浄、水洗浄を
行いトナー粒子を得た。
【0073】この際の水酸化ナトリウムの添加量(化学
当量比)Aは0.50であり、生成したコロイドの粒径
はD50が0.30μm、D90が0.75μmであった。
また、得られたトナーの体積平均粒径は8.5μmで、
その粒径分布(dv/dp)は1.30であった。
【0074】上記トナー粒子に実施例1と同様に疎水化
処理したコロイダルシリカを混合してトナーを調製し
た。実施例1と同様に評価した該トナーの体積固有抵抗
は1.12×1011Ω・cmであった。
【0075】上記トナーを用いて、実施例1と同様に画
像評価を行ったところ、常温常湿環境下、高温高湿環境
下ともに、画像濃度が高く、カブリ、ムラのない鮮明な
画像が得られた。
【0076】実施例4 スチレン 85部 ブチルメタアクリレート 15部 カーボンブラック 5部 (BP−130、キャボット社製) 帯電制御剤 1部 (スピロンブラックTRH、保土ヶ谷化学社製) 低分子量ポリプロピレン 2部 (ビスコール550P、三洋化成社製) ジビニルベンゼン 0.3部 ラウロイルパーオキシド 3部 上記成分を高速ビーズミルを用いて混合、分散して、均
一な重合性単量体組成物を調製した。
【0077】次に、イオン交換水250部に塩化マグネ
シウム(水溶性多価金属塩)4.9部を溶解した水溶液
に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム3.4部を
溶解した水溶液を撹拌下で徐々に添加して、水酸化マグ
ネシウムコロイド分散液を調製した。この際の水酸化ナ
トリウムの添加量(化学当量比)Aは0.84であっ
た。また、生成した上位コロイドのマイクロトラック粒
径分布測定器で測定した粒径は、D50が0.30μm、
90が0.85μmであった。
【0078】次いで、上記により得た水酸化マグネシウ
ムコロイド分散液に、上記重合性単量体組成物を投入
し、TK式ホモミキサーを用いて8000rpmで高剪
断撹拌して、重合性単量体組成物の液滴を造粒した。こ
の造粒した重合性単量体組成物水分散液を、撹拌翼を装
着した反応器に投入し、65℃で8時間撹拌して重合反
応を行い重合体(トナー粒子)の水分散液を得た。この
ようして得たトナー粒子の粒径をコールターカウンター
により評価したところ、体積平均粒径は8.9μmであ
り、その粒径分布(dv/dp)は1.32であった。
【0079】次に、上記重合体の水分散液を実施例1と
同様にして酸洗浄、水洗浄、脱水して、乾燥トナー粒子
を得た。
【0080】上記トナー粒子に、実施例1と同様に疎水
化処理したコロイダルシリカを混合してトナーを調製し
た。実施例1と同様に評価した該トナーの体積固有抵抗
は3.47×1011Ω・cmであった。
【0081】上記トナーを用いて実施例1と同様に画像
評価を行ったところ、常温常湿下、高温高湿下ともに、
画像濃度が高く、カブリ、ムラのない鮮明な画像が得ら
れた。
【0082】実施例5 実施例4において、水溶性多価金属塩として硫酸アルミ
ニウム13.0部を用い、且つ水酸化ナトリウムの量を
7.7部とした以外は、実施例4と同様に単量体組成物
の重合、酸洗浄、水洗浄および脱水を行いトナー粒子を
得た。
【0083】この際の水酸化ナトリウムの添加量(化学
当量比)Aは0.84であり、生成したコロイドの粒径
は、D50が0.45μm、D90が0.93μmであっ
た。また、得られたトナーの体積平均粒径は7.2μm
であり、その粒径分布(dv/dp)は1.28であっ
た。
【0084】上記トナー粒子に、実施例1と同様に疎水
化処理したコロイダルシリカを混合してトナーを調製し
た。実施例1と同様に評価した該トナーの体積固有抵抗
は1.03×1011Ω・cmであった。
【0085】上記トナーを用いて実施例1と同様に画像
評価を行ったところ、常温常湿下、高温高湿下ともに、
画像濃度が高く、カブリ、ムラのない鮮明な画像が得ら
れた。
【0086】実施例6 実施例1において、TK式ホモミキサーに代えて、旋回
渦巻流方式のハイドロシャー(ゴーリン・コーポレーシ
ョン製)を用いて単量体組成物を分散させた以外は、実
施例1と同様にして単量体組成物を重合させた。即ち、
トナー構成成分を含む重合性単量体組成物の液滴と分散
剤とを含有する水系分散媒体の混合液を、圧力10kg
/cm2 (ゲージ圧)で、上記ハイドロシャーに3回通
過させて、該単量体組成物を懸濁、分散させた。このよ
うにして得た単量体組成物の液滴を、実施例1と同様の
方法により懸濁重合して、トナーを得た。
【0087】得られたトナー粒子の体積平均粒径(d
v)は5.9μmで、その粒径分布(dv/dp)は
1.20であった。
【0088】上記トナー粒子に、実施例1と同様に疎水
化処理したコロイダルシリカを混合してトナーを調製し
た。実施例1と同様に評価した該トナーの体積固有抵抗
は、2.1×1011Ω・cmであった。
【0089】上記トナーを用いて実施例1と同様に画像
評価を行ったところ、実施例1と同様に良好な結果が得
られた。すなわち、常温常湿下、高温高湿下ともに、画
像濃度が高く、カブリ、ムラのない鮮明な画像が得られ
た。
【0090】実施例7 実施例6において、前記ハイドロシャーに代えて、連続
式分散機マイルダー((株)荏原製作所製)を用いた以
外は、実施例6と同様にして単量体組成物を重合させ
た。即ち、トナー構成成分を含む重合性単量体組成物の
液滴と分散剤とを含有する水系分散媒体の混合液を、フ
ィード量120L/hr、回転数15,000rpmの
条件で、上記マイルダーに3回通過させ、単量体組成物
を懸濁、分散させた。このようにして得た重合性単量体
組成物の液滴を、実施例1と同様の方法により懸濁重合
し、トナーを得た。
【0091】得られたトナー粒子の体積平均粒径(d
v)は6.1μmで、その粒径分布(dv/dp)は
1.19であった。
【0092】上記トナー粒子に、実施例1と同様に疎水
化処理したコロイダルシリカを混合してトナーを調製し
た。実施例1と同様に評価した該トナーの体積固有抵抗
は、2.6×1011Ω・cmであった。
【0093】上記トナーを用いて実施例1と同様に画像
評価を行ったところ、実施例1と同様に良好な結果が得
られた。すなわち、常温常湿下、高温高湿下ともに、画
像濃度が高く、カブリ、ムラのない鮮明な画像が得られ
た。
【0094】実施例8 実施例7において、前記連続式分散機マイルダーに代え
て、ノリタケスタテックミキサー(ノリタケ(株)製)
を用いたラインミキサータイプの乱流方式で、単量体組
成物を分散させた以外は、実施例7と同様に単量体組成
物を重合させた。
【0095】即ち、トナー構成成分を含む重合性単量体
組成物の液滴と分散剤とを含有する水系分散媒体の混合
液を、平均管内流速3m/秒の条件で、上記ノリタケス
タテックミキサーに3回通過させ、単量体組成物を懸
濁、分散させた。このようにして得た単量体組成物の液
滴を、実施例1と同様の方法により懸濁重合し、トナー
を得た。
【0096】得られたトナー粒子の体積平均粒径(d
v)は5.8μmで、その粒径分布(dv/dp)は
1.23であった。
【0097】上記トナー粒子に、実施例1と同様に疎水
化処理したコロイダルシリカを混合してトナーを調製し
た。実施例1と同様に評価した該トナーの体積固有抵抗
は、2.0×1011Ω・cmであった。
【0098】上記トナーを用いて実施例1と同様に画像
評価を行ったところ、実施例1と同様に良好な結果が得
られた。すなわち、常温常湿下、高温高湿下ともに、画
像濃度が高く、カブリ、ムラのない鮮明な画像が得られ
た。
【0099】比較例1 実施例1において、塩化マグネシウムと水酸化ナトリウ
ムとを水相中で反応させて水酸化マグネシウム(難水溶
性水酸化金属塩)を生成させる代わりに、市販の水酸化
マグネシウム(試薬1級、和光純薬社製)5部をイオン
交換水300部に加えてTKホモミキサー(6000r
pm)で分散させて用いた以外は、実施例1と同様にし
て単量体組成物の重合を行ったが、反応途中における分
散安定性が悪く、重合体粒子同士が固化してトナー粒子
が得られなかった。
【0100】上記で用いた水酸化マグネシウムの粒径
は、D50が1.5μm、D90が5.3μmであった。
【0101】比較例2 比較例1において、市販の水酸化マグネシウムの量を2
5部とした以外は、比較例1と同様にして単量体組成物
の重合を行った後、実施例1と同様に酸洗浄、水洗浄お
よび脱水を行いトナー粒子を得た。
【0102】得られたトナー粒子の体積平均粒径は1
9.5μmで、その粒径分布(dv/dp)は2.9で
あった。
【0103】このトナー粒子を分級して、その体積平均
粒径を11.3μm、粒径分布(dv/dp)を1.3
9に調整した。
【0104】上記トナー粒子に実施例1と同様にコロイ
ダルシリカを混合してトナーとした後、このトナーを実
施例1と同様に評価したところ、体積固有抵抗は1.2
3×1010Ω・cmであった。
【0105】更に、このトナーを用いて実施例1と同様
に画像評価を行ったところ、常温常湿下、高温高湿下と
もに、画像濃度が低く、カブリ、ムラが多い不鮮明な画
像しか得られなかった。
【0106】上述したように本発明によれば、水溶性多
価金属塩と水酸化アルカリ金属塩を水相中で(好ましく
は一定の割合で)反応させることにより生成する、個数
粒径分布のD50が0.5μm以下、D90が1μm以下で
ある難水溶性の水酸化金属塩コロイドのみを分散安定剤
として用いて、水系分散媒中で単量体組成物の懸濁重合
を行う静電荷像現像用トナーの製造方法が提供される。
本発明においては、上記難水溶性水酸化金属塩コロイド
の粒径分布をシャープにする(個数粒径分布のD50
0.5μm以下、D90が1μm以下とする)ことができ
るため、分散安定剤である上記難水溶性無機塩の使用量
が極めて少量である場合にも、分散安定性の良好な懸濁
重合を行うことが可能となる。したがって本発明によれ
ば、着色剤を含有し、小粒径で粒径分布が極めて狭く、
しかも電気的性質、現像性に優れたトナーを得ることが
できる。
【0107】本発明においては、上記難水溶性水酸化金
属塩コロイドの粒径分布をシャープにする(例えば、個
数粒径分布のD50を0.5μm以下、D90を1μm以下
とする)ことができるため、分散安定剤である上記難水
溶性無機塩の使用量が極めて少量である場合にも、分散
安定性の良好な懸濁重合を行うことが可能となる。した
がって本発明によれば、着色剤を含有し、小粒径で粒径
分布が極めて狭く、しかも電気的性質、現像性に優れた
トナーを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】非磁性一成分現像剤が適用可能な電子写真装置
の一例を示す模式断面図である。
【符号の説明】
1…感光体、2…現像ロール、3…現像ブレード(ゴム
製)、4…現像剤、5…現像剤容器、6…攪拌棒、7…
クリーニングブレード、8…リサイクルスクリュー、9
…チャージャ線、10…光信号・光画像、11…転写チ
ャージャ線、12…定着ロール、13…現像剤支持部材
(紙等)代理人弁理士 長谷川 芳樹同 吉井
一男
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (72)発明者 斉藤 純 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1 号 日本ゼオン株式会社研究開発センタ ー内 (72)発明者 小川 徳大 神奈川県川崎市川崎区夜光一丁目2番1 号 日本ゼオン株式会社研究開発センタ ー内 (56)参考文献 特開 平1−150154(JP,A) 特開 平2−223960(JP,A) 特開 平1−223470(JP,A) (58)調査した分野(Int.Cl.7,DB名) G03G 9/087

Claims (6)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 水溶性多価金属塩と水酸化アルカリ金属
    との水相中の反応により生成する、個数粒径分布のD50
    が0.5μm以下、D90が1μm以下である難水溶性の
    水酸化金属塩コロイドのみを分散安定剤として含有する
    水系分散媒中に、少なくとも重合性単量体と着色剤とを
    含むトナー構成成分を溶解ないし分散した均一混合溶液
    を加え、その後、懸濁重合させることにより、体積平均
    粒径が2〜20μm、粒径分布(体積平均粒径/個数平
    均粒径の比)が1.6以下である粒子を得ることを特徴
    とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  2. 【請求項2】 前記水溶性多価金属塩と水酸化アルカリ
    金属塩とを水相中で反応させて、難水溶性の水酸化金属
    塩コロイドを生成させる際の水溶性多価金属塩に対する
    水酸化アルカリ金属の化学当量比Aが、 0.4 ≦ A ≦ 1.0 の関係を満たす請求項1記載の静電荷像現像用トナーの
    製造方法。
  3. 【請求項3】 前記水溶性多価金属塩が、マグネシウム
    金属塩、カルシウム金属塩、又はアルミニウム金属塩か
    らなる請求項1又は2記載の静電荷像現像用トナーの製
    造方法。
  4. 【請求項4】 前記難水溶性の水酸化金属塩コロイドの
    みを分散安定剤として含有する水系分散媒中に、前記ト
    ナー構成成分を溶解ないし分散し;且つ水系分散媒中
    で、トナー構成成分の液滴をトナーに適した粒径まで分
    割する手段として、高剪断攪拌を利用した連続式分散機
    を用いる請求項1、2又は3記載の静電荷像現像用トナ
    ーの製造方法。
  5. 【請求項5】 キャビテーションに基づく高剪断攪拌を
    利用して、前記液滴を分割する請求項4記載の静電荷像
    現像用トナーの製造方法。
  6. 【請求項6】 過巻流又は乱流に基づく高剪断攪拌を利
    用して、前記液滴を分割する請求項4記載の静電荷像現
    像用トナーの製造方法。
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