JP3904057B2 - 静電荷像現像用トナー及びその製造方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及びその製造方法 Download PDF

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Description

<技術分野>
本発明は、着色剤としてカーボンブラックを含有する静電荷像現像用トナーに関し、さらに詳しくは、流動性、保存性、帯電性、画質の環境性、画質の耐久性などの諸特性に優れ、しかも人体や環境に対する悪影響が抑制され、安全性が顕著に改善された静電荷像現像用トナー、及びその製造方法に関する。
<従来技術>
従来より、電子写真装置や静電記録装置等の画像形成装置においては、均一かつ一様に帯電させた感光体上に像露光を行って静電潜像(静電荷像)を形成し、この静電潜像を現像剤により現像している。具体的には、この静電潜像に現像剤を付着させて現像剤像(可視像)を形成している。次いで、必要に応じて、この現像剤像を紙等の転写材上に転写した後、加熱、加圧、溶剤蒸気など種々の方式により定着している。
現像剤の主成分は、結着樹脂と着色剤とを含有する着色微粒子からなる静電荷像現像用トナーである。現像剤には、トナーとキャリア粒子とからなる二成分現像剤と、実質的にトナーのみからなり、キャリア粒子を使用しない一成分現像剤とがある。一成分現像剤には、磁性粉を含有する磁性一成分現像剤と、磁性粉を含有しない非磁性一成分現像剤とがある。一般に現像剤では、トナーの流動性を高めるために、コロイダルシリカなどの流動化剤を独立して添加することが多い。
トナーの製造方法には、大別すると粉砕法と重合法とがある。粉砕法では、合成樹脂と着色剤と必要に応じてその他の添加剤とを溶融混合した後、粉砕し、次いで、所望の粒径の粒子が得られるように分級して着色粒子(粉砕法トナー)を得ている。重合法では、着色剤と重合性単量体とを含み、必要に応じて帯電制御剤などの各種添加剤を均一に溶解ないしは分散せしめた重合性単量体組成物を調製し、次いで、分散安定剤を含有する水系分散媒体中に攪拌機を用いて分散して、重合性単量体組成物の微細な液滴(油滴)を形成させ、しかる後、昇温して懸濁重合することにより、所望の粒径を有する着色重合体粒子(重合法トナー)を得ている。重合法トナーには、懸濁重合法によるもの以外に、例えば、乳化重合法、分散重合法などによるものもある。
電子写真複写機などの画像形成装置により形成される画像には、年々、精細さの向上が求められている。従来、トナーとしては、粉砕法により得られたトナーが主流であった。粉砕法によると、粒径分布の広い着色粒子が形成されやすいため、満足できる現像特性を得るには、粉砕品を分級して、ある程度狭い粒径分布に調整する必要がある。これに対して、重合法トナーは、重合工程において、重合性単量体組成物の液滴の粒径と粒径分布を制御することにより、粉砕や分級を行うことなく、均一な粒径のトナーを得ることが可能である。
重合法の中でも、懸濁重合法によれば、真球に近い球形で、乳化剤等に起因する残留イオンが少ないトナーを得ることができる。形状が球形のトナーは、現像特性に優れており、高画質の画像を形成することができる。残留イオンが少ないトナーは、環境安定性が良好であり、環境温度や湿度が変化しても、安定した画質を得ることができる。しかしながら、実際には、重合性単量体組成物中に着色剤を均一に分散させ、かつ、均一な分散状態を維持しながら重合を行うことは困難である。また、水系分散媒体中で、重合性単量体組成物の液滴の粒径が均一になるように制御し、そして、該液滴を安定して分散させながら重合を行うことは困難である。
例えば、着色剤として代表的なカーボンブラックは、凝集しやすく、重合性単量体組成物中に均一に分散させ、かつ、均一な分散状態を維持させることが難しい。また、カーボンブラックは、水系分散媒体中での重合性単量体組成物の液滴の分散安定性に悪影響を及ぼしやすく、その結果、粒径分布の狭いトナーを得ることが困難になる。
一方、高画質化への要求の高まりとともに、電子写真複写機やプリンターから排出されるガスや揮発成分などによる環境汚染の防止に対する要求も高まっている。例えば、これらの画像形成装置は、オゾンを発生しやすい。そこで、オゾンの発生を防止するために、帯電手段や転写手段を従来のコロナ放電装置から帯電ローラやベルトなどに変えるなどの工夫がなされている。また、重合法トナーでは、残存するモノマー、触媒残渣、溶媒などによる臭気が問題となる。そこで、例えば、重合開始剤の種類を選択するなどして、臭気や揮発成分の発生を抑制する工夫がなされている。
しかしながら、着色剤に起因する環境汚染の問題については、十分な対策がなされていない。具体的に、着色剤として汎用されているカーボンブラックには、発ガン性であることが知られているベンゾ(a)ピレンなどの多環式芳香族炭化水素化合物類が微量含まれている。画像形成装置からの現像剤の飛散により、トナー中に含まれているこれらの微量成分による人体や環境への悪影響が懸念される。そのため、カーボンブラックを含有するトナーの安全性の改善が重要な課題となっている。カーボンブラックを含有するトナーの安全性を高めるには、トナー中の多環式芳香族炭化水素類の含有量をできるだけ低減することが有効であると考えられる。
ところが、本発明者らが検討した結果、多環式芳香族炭化水素類の含有量の少ないカーボンブラックを使用すると、印字品質に優れたトナーを得ることが困難であることが判明した。特に、懸濁重合法によりトナーを製造する場合、単に多環式芳香族炭化水素類の含有量の少ないカーボンブラックを用いただけでは、重合性単量体組成物中でのカーボンブラックの分散性や水系分散媒体中での重合性単量体組成物の液滴の分散安定性が低下し、高精細な画像を与えるトナーを得ることが困難となる。
従来より、重合法トナーにおいて、カーボンブラックの分散性の改良や揮発成分の低減に関して、種々の提案がなされている。
例えば、(1)特開昭56−106250号公報には、重合性単量体を、揮発成分が6重量%以下のカーボンブラックの存在下で重合する静電荷像現像用トナーの製造方法が提案されている。この公報には、揮発成分として、カルボキシル基、フェノール性水酸基、スルホン酸基、カルボニル基などのカーボンブラックに結合した基、このような基またはイオン性の活性基を有する付着物、または活性吸着ガスが挙げられている。この公報には、このような揮発成分の含有量が1.0〜5.0重量%のカーボンブラックを用いた実施例が示されている。
(2)特開昭57−181553号公報には、重合性単量体に対するカーボンブラックの分散性を向上させるために、DBP吸油量が70〜280ml/100g、好ましくは100〜250ml/100gで、かつ、pHが6.0以上のカーボンブラックを含有する重合性単量体を重合して静電荷像現像用トナーを製造する方法が開示されている。
(3)特開昭61−22353号公報には、トナー中にカーボンブラックを均一に安定分散させるために、950℃、7分間加熱乾燥下での揮発分が1〜2重量%で、かつ、pHが3〜4のカーボンブラックの存在下で、懸濁重合法により静電荷像現像用トナーを製造する方法が開示されている。
(4)特開昭63−11957号公報には、重合性単量体中でのカーボンブラックの分散を均一にするために、個数平均粒子径が40〜300mμ(nm)のカーボンブラックと重合性単量体とを含む混合液を懸濁重合する静電荷像現像用トナーの製造方法が開示されている。
(5)特開昭63−19662号公報には、トナー粒子中に分散したカーボンブラックの数平均粒子径が20〜500mμ(nm)であって、かつ、カーボンブラック粒子の分散の標準偏差値が70以下の球状トナー粒子が開示されている。該公報には、球状トナーを懸濁重合法により製造すること、そして、それによって、重合性単量体中に分散しているカーボンブラックの再凝集のないトナーの得られることが記載されている。この公報の実施例には、数平均粒子径が88〜144mμ(nm)のカーボンブラックを含有する球状トナーが示されている。
このように、従来より、着色剤として使用するカーボンブラックについて、種々の提案がなされているが、印字品質と環境汚染の防止とを両立させる点では、いまだ不十分である。また、従来技術では、カーボンブラック中に含まれる発ガン性の多環式芳香族炭化水素化合物類に関する認識が十分ではなく、当然のことながら、その対応策も不十分であった。
例えば、カーボンブラック中の揮発成分の含有量が少なくても、カーボンブラックのpHが低い場合には、水系分散媒体中での重合性単量体液滴の分散が不安定になりやすい。特に、分散安定剤として難水溶性無機分散剤を用いた場合には、該分散安定剤が十分に機能しない。また、カーボンブラック中の揮発成分の含有量が少なくても、カーボンブラックのDBP吸油量が大きい場合には、重合性単量体組成物中でカーボンブラックの凝集が生じやすくなる。したがって、これらの場合、印字品質に優れたトナーを得ることは困難である。さらに、カーボンブラック中の揮発成分の含有量が少なくても、カーボンブラックの粒径が大きい場合などは、多環式芳香族炭化水素類の含有量が十分に小さなものとはならず、トナーの安全性に不安が残る。
カーボンブラックの粒径が小さいと、揮発成分や多環式芳香族炭化水素類の含有量が低くなる傾向にある。しかし、カーボンブラックのpHが低い場合やDBP吸油量が大きい場合には、前記と同様の問題が生じやすい。また、カーボンブラックの粒径が小さい場合であっても、高度の安全性を得るには、多環式芳香族炭化水素類の含有量をできるだけ低減することが望ましい。
カーボンブラックのpHが大きい場合であっても、DBP吸油量が大きすぎると、重合性単量体組成物中でカーボンブラックの凝集が生じやすくなり、かぶりが発生しやすくなる。また、カーボンブラックのpHが大きくても、揮発性成分の含有量が大きかったり、粒径が大きい場合には、トナーの安全性に不安が残る。
このように、従来技術では、着色剤としてカーボンブラックを用いた静電荷像現像用トナーにおいて、印字品質と安全性とを高度にバランスさせることは、未解決の課題であった。
<発明の開示>
本発明の目的は、着色剤としてカーボンブラックを用いた静電荷像現像用トナーであって、良好な印字品質を有し、しかも安全性の高いトナーを提供することにある。
より具体的に、本発明の目的は、流動性、保存性、帯電性、画質の環境性、画質の耐久性などの諸特性に優れ、しかも人体や環境に対する悪影響が抑制され、安全性が顕著に改善された静電荷像現像用トナー、及びその製造方法を提供することにある。
本発明の他の目的は、良好な印字品質を有し、かつ、安全性の高いトナーを懸濁重合法により提供することにある。
本発明者らは、前記従来技術の問題点を克服するために鋭意研究を行った結果、一次粒径が28〜60nm、DBP吸油量が40〜75ml/100g、かつ、pHが6.0〜10.0であるカーボンブラックを用いることにより、印字品質と安全性とが高度にバランスしたトナーの得られることを見いだした。
これらの特性値を備えたカーボンブラックを使用すると、懸濁重合法を採用した場合でも、重合性単量体組成物中でのカーボンブラックの分散性が良好で、かつ、水系分散媒体中での重合性単量体組成物液滴の分散安定性が良好であり、印字品質と安全性に優れた重合法トナーを得ることができる。また、高度の安全性の観点から、使用するカーボンブラックは、多環式芳香族炭化水素化合物類の合計含有量が15ppm以下、特に10ppm以下のものであることが望ましい。本発明は、これらの知見に基づいて完成するに至ったものである。
本発明によれば、着色剤としてカーボンブラックを含有する静電荷像現像用トナーにおいて、カーボンブラックが、
(1)一次粒径が28〜60nmの範囲内、
(2)DBP吸油量が40〜75ml/100gの範囲内、かつ、
(3)pHが6.0〜10.0の範囲内
のものであることを特徴とする静電荷像現像用トナーが提供される。
また、本発明によれば、少なくとも重合性単量体とカーボンブラックとを含有する重合性単量体組成物を懸濁重合する静電荷像現像用トナーの製造方法において、カーボンブラックとして、
(1)一次粒径が28〜60nmの範囲内、
(2)DBP吸油量が40〜75ml/100gの範囲内、かつ、
(3)pHが6.0〜10.0の範囲内
のものを使用することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法が提供される。
<発明を実施するための最良の形態>
以下に、本発明を詳述する。
1.静電荷像現像用トナー
本発明の静電荷像現像用トナーは、結着樹脂とカーボンブラックとを含有する着色粒子であって、着色剤として特定のカーボンブラックを用いること以外は、通常のトナーの製造方法に従って製造される。
トナー製造方法の代表的なものとしては、(1)合成樹脂(結着樹脂)と着色剤を所望により使用される添加剤(例えば、帯電制御剤)と共に溶融混練し、次いで、粉砕した後、分級し、着色粒子を得る方法(粉砕法)、及び(2)着色剤と重合性単量体とを含み、必要に応じて帯電制御剤などの各種添加剤を均一に溶解ないしは分散せしめた重合性単量体組成物を調製し、次いで、分散安定剤を含有する水系分散媒体中に攪拌機を用いて分散し、重合性単量体組成物の微細な液滴(油滴)を形成させ、しかる後、懸濁重合して、生成する重合体(結着樹脂)中に着色剤が分散した着色重合体粒子を得る方法(重合法)がある。本発明のトナーは、前記の特性値を有するカーボンブラックを用いること以外は、これらの常法に従って製造することができる。
(カーボンブラック)
本発明では、着色剤としてカーボンブラックを使用する。本発明で用いられるカーボンブラックは、
(1)一次粒径が28〜60nmの範囲内、
(2)DBP吸油量が40〜75ml/100gの範囲内、かつ、
(3)pHが6.0〜10.0の範囲内
の特性値を有するものである。これらの特性値は、印字品質と安全性とのバランスの観点から、相互に関連性を持つものである。以下に、これらの特性値について詳述する。
(1)一次粒径
本発明で用いられるカーボンブラックの一次粒径は、28〜60nmの範囲内である。
カーボンブラックの一次粒径が上記範囲より小さすぎると、結着樹脂または重合性単量体中でのカーボンブラックの分散が十分ではなく、このようなカーボンブラックを含むトナーを用いた現像剤では、かぶりの多い画像しか得られない。逆に、カーボンブラックの一次粒径が大きすぎると、多環式芳香族炭化水素化合物類の含有量が多くなり、安全上の問題を解決することができない。このような理由から、本発明で用いられるカーボンブラックの一次粒径は、選択された小さな大きさである28〜60nmの範囲内であることが必要である。この一次粒径は、好ましくは30〜60nm、最も好ましくは32〜58nmの範囲内である。
本発明において、カーボンブラックの一次粒径は、電子顕微鏡写真によって観察されたカーボンブラック100個の粒径の平均値として算出された値(平均一次粒径)である。
(2)DBP吸油量
本発明で用いられるカーボンブラックのDBP吸油量は、40〜75ml/100gの範囲内である。
カーボンブラックの一次粒径が前記範囲内にあって、DBP吸油量が多すぎると、結着樹脂または重合性単量体中でカーボンブラックが凝集しやすく、分散が不十分となり、このようなカーボンブラックを含むトナーを用いた現像剤では、かぶりのある画像しか得られない。このような理由から、本発明で用いられるカーボンブラックのDBP吸油量は、40〜75ml/100gの範囲内にあることが必要である。このDBP吸油量は、印字品質をさらに高める上で、好ましくは40〜69ml/100g、最も好ましくは45〜68ml/100gの範囲内である。
DBP吸油量とは、アブソープトメーターを使用し、カーボンブラックにDBP(ジブチルフタレート)を添加した時の最大トルクの70%から求めた100g当たりのDBP吸油量として測定された値である。
(3)pH
本発明で使用するカーボンブラックのpHは、6.0〜10.0の範囲内である。
カーボンブラックの一次粒径が前記範囲内にあって、そのpHが小さすぎると、カーボンブラックを含有する重合単量体液滴の分散が不安定になり、粒径分布の狭い重合法トナー(着色重合体粒子)が得られず、このようなトナーを用いた現像剤では、シャープな画像が得られない。カーボンブラックのpHが高すぎると、同様に、重合単量体液滴の分散が不安定になり、粒径分布の狭い重合法トナーが得られず、その結果、シャープな画像が得られないという問題が生じる。
カーボンブラックのpHとは、カーボンブラックと蒸留水の混合液について、ガラス電極メーターで測定した値である。
カーボンブラックのpHは、カーボンブラックを酸やアルカリに浸漬処理するなどの方法により、所望の範囲内に調整することも可能である。カーボンブラックのpHは、好ましくは6.1〜9.8である。
これらの特性値(1)〜(3)を有するカーボンブラックを着色剤として使用すると、画像特性に優れ、かつ、安全性の高い現像剤が得られる。
(4)多環式芳香族炭化水素化合物類
本発明で使用するカーボンブラックは、より高度の安全性を有する静電荷像現像用トナーを得るには、多環式芳香族炭化水素化合物類の合計含有量が好ましくは15ppm以下、特に好ましくは10ppm以下であることが望ましい。
ここで、多環式芳香族炭化水素化合物類(Polycyclic Aromatic Hydrocarbons;以下、「PAH」ということがある)とは、一般にカーボンブラック中に含有され、発ガン性が問題とされている以下の16種類の化合物をいう。即ち、ナフタレン、アセナフチレン、アセナフテン、フルオレン、フェナントレン、アントラセン、フルオランテン、ピレン、ベンゾ(a)アントラセン、クリセン、ベンゾ(b)フルオランテン、ベンゾ(k,j)フルオランテン、ベンゾ(a)ピレン、ジベンゾ(a,h)アントラセン、インデノ(1,2,3−cd)ピレン、及びベンゾ(g,h,l)ペリレンである。
カーボンブラック中の多環式芳香族炭化水素化合物類(PAH)の合計含有量は、カーボンブラック約10gを精秤〔(W)g〕し、全ガラス製のソックスレー抽出装置で、48時間トルエン溶液で抽出した値である。より具体的には、抽出により得られた抽出液を濃縮後、液体クロマトグラフィーで分析することにより、16種類の多環式芳香族炭化水素化合物のそれぞれについて含有量を測定し、そして、それらの値を合計することにより、PAHの合計含有量を得ることができる。例えば、液体クロマトグラフィーにより、ある化合物の測定値を(W1i)gとすると、その化合物の含有量iは、式
(i)=(W1i)/(W)×10 (単位:ppm)
により算出することができる。これを16種類の化合物について算出し、それらの値を合計することにより、カーボンブラック中の多環式芳香族炭化水素化合物類の合計の含有量(ppm)を算出することができる。
前述したように、これらのPAHは、発ガン性がある。発ガン性の危険を避けるためには、使用するカーボンブラック中のPAHの合計含有量は、好ましくは15ppm、特に好ましくは10ppm以下であるのが望ましい。
PAHの含有量は、カーボンブラックの一次粒径と一定の相関関係を有している。カーボンブラックの一次粒径が小さいと、表面積が大きくなるため、カーボンブラック精製工程などの加熱によりPAHが揮発しやすくなる。また、カーボンブラックの一次粒径が小さいと、カーボンブラック粒子内部に保持されるPAH量も少なくなる。ただし、カーボンブラックの一次粒径が小さい場合であっても、PAHの含有量が大きいことがあり、その場合には、PAHを加熱除去するなどして、その含有量をさらに低減させることが好ましい。
カーボンブラックは、結着樹脂または重合性単量体100重量部に対して、通常0.1〜20重量部、好ましくは0.5〜15重量部、より好ましくは1〜10重量部の割合で用いられる。トナーの調色などを目的として、カーボンブラックと共に、顔料や染料などのその他の着色剤を併用してもよい。
2.静電荷像現像用トナーの製造方法
前記したとおり、本発明の静電荷像現像用トナーは、粉砕法及び重合法のいずれの方法によっても製造することができる。粉砕法の場合には、着色剤として、単に、前記の如き特性値を有する特定のカーボンブラックを使用すればよい。
本発明の静電荷像現像用トナーは、重合法により製造する場合、着色剤として特定のカーボンブラックを使用することにより、重合性単量体組成物中でのカーボンブラックの分散性、及び水系分散媒体中での重合性単量体組成物液滴の分散性が特に改善され、それによって、保存性、帯電性、画質の環境性、画質の耐久性などの諸特性に優れた重合法トナーを得ることができる。そこで、以下、重合法を中心に本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法について、使用する各成分と共に詳述する。
(重合性単量体)
本発明で用いる重合性単量体として、モノビニル系単量体を挙げることができる。具体的には、スチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;アクリル酸、メタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアクリル酸またはメタクリル酸の誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン等の含窒素ビニル化合物;等が挙げられる。これらのモノビニル系単量体は、それぞれ単独で用いてもよいし、複数の単量体を組み合わせて用いてもよい。これらのモノビニル系単量体のうち、スチレン系単量体、及びアクリル酸またはメタクリル酸の誘導体が好適に用いられる。
本発明では、上述のモノビニル系単量体と共に架橋性単量体を併用すると、保存性やホットオフセット性が改善された重合法トナーを得ることができる。架橋性単量体としては、2つ以上の重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合を有する単量体を使用することができる。具体的には、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等のジエチレン性不飽和カルボン酸エステル;N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル等のジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物;等を挙げることができる。これらの架橋性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
架橋性単量体を使用する場合、その使用割合は、モノビニル系単量体100重量部に対して、通常0.01〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部である。
本発明では、上述のモノビニル系単量体と共に、マクロモノマーを併用すると、保存性と低温定着性とのバランスが良好な重合法トナーを得ることができる。マクロモノマー(マクロマーともいう)は、分子鎖末端に重合可能な官能基(例えば、炭素−炭素二重結合のような不飽和基)を有する比較的長い線状分子である。マクロモノマーとしては、分子鎖の末端にビニル重合性官能基を有し、数平均分子量が、通常、1,000〜30,000のオリゴマーまたはポリマーが好ましい。数平均分子量が小さすぎるマクロモノマーを用いると、重合体粒子の表面部分が柔らかくなり、保存性が低下するようになる。逆に、数平均分子量が大きすぎるマクロモノマーを用いると、マクロモノマー成分の溶融性が悪くなり、定着性が低下するようになる。
マクロモノマーの分子鎖末端のビニル重合性官能基としては、アクリロイル基、メタクリロイル基などを挙げることができ、共重合のしやすさの観点からメタクリロイル基が好適である。
マクロモノマーは、前記モノビニル系単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度(Tg)よりも高いガラス転移温度を有するものが好適である。ただし、モノビニル系単量体を重合して得られる重合体とマクロモノマーとの間のTgの高低は、相対的なものである。例えば、モノビニル系単量体がTg=70℃の重合体を形成するものである場合には、マクロモノマーは、Tgが70℃を越えるものであればよい。モノビニル系単量体がTg=20℃の重合体を形成するものである場合には、マクロモノマーは、例えば、Tg=60℃のものであってもよい。なお、Tgは、通常の示差走査熱量計(DSC)等の測定機器で測定される値である。
本発明に用いるマクロモノマーの具体例としては、スチレン、スチレン誘導体、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を単独でまたは2種以上を重合して得られる重合体;ポリシロキサン骨格を有するマクロモノマー;特開平3−203746号公報の第4頁〜第7頁に開示されているものなどを挙げることができる。これらマクロモノマーのなかでも、親水性のもの、特にメタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルを単独で、あるいは、これらを組み合わせて重合して得られる重合体が好適である。
マクロモノマーを使用する場合、その使用割合は、モノビニル系単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜5重量部、より好ましくは0.05〜1重量部である。マクロモノマーの使用量が少なすぎると、保存性と定着性とのバランスを向上させる効果が小さく、多すぎると、定着性が低下する。
(帯電制御剤)
本発明の静電荷像現像用トナーは、非磁性一成分現像剤であることが好ましい。その場合、トナーの帯電特性を改善するために、通常、帯電制御剤が使用される。
本発明では、一般的に用いられる正帯電性または負帯電性の帯電制御剤を用いることができる。帯電制御剤として、例えば、カルボキシル基または含窒素基を有する有機化合物の金属錯体、含金属染料、ニグロシン等が挙げられる。より具体的には、スピロンブラックTRH(保土ヶ谷化学社製)、T−77(保土ヶ谷化学社製)、ボントロンS−34(オリエント化学社製)、ボントロンE−84(オリエント化学社製)、ボントロンN−01(オリエント化学社製)、コピーブルー−PR(ヘキスト社製)等の帯電制御剤を用いることができる。
また、帯電制御剤として、4級アンモニウム塩含有樹脂、スルホン酸基含有樹脂などの帯電制御樹脂を好ましく使用することができる、これらの中でも、スチレンなどの重合性単量体に可溶性の帯電制御樹脂が特に好ましい。
前記した4級アンモニウム塩含有樹脂は、例えば、以下の方法により得ることができる。
(1)ビニル芳香族炭化水素単量体、(メタ)アクリレート単量体、及びN,N−二置換アミノのアルキル(メタ)アクリレート〔以下、アミノ基含有(メタ)アクリレート単量体という〕を重合開始剤の存在下で共重合させた後、4級化剤を用いてアミノ基を4級化する方法。
(2)ビニル芳香族炭化水素単量体、(メタ)アクリレート単量体、及びアミノ基含有(メタ)アクリレート単量体をハロゲン化有機化合物で4級アンモニウム塩基化したハロゲン化4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単量体を重合開始剤の存在下で共重合させた後、有機酸と反応させて塩とする方法(例えば、特開平3−175456号公報)。
(3)ビニル芳香族炭化水素単量体、(メタ)アクリレート単量体、及び4級アンモニウム塩基含有(メタ)アクリレート単量体を重合開始剤の存在下で共重合させる方法。
(4)ビニル芳香族炭化水素単量体とハロゲン化アルキル(メタ)アクリレート単量体との共重合体と、ビニル芳香族炭化水素単量体とアミノ基含有(メタ)アクリレート単量体との共重合体とを混合し、ポリマー間で4級化する方法。
これらの中でも、(3)の方法により、ビニル芳香族炭化水素単量体、(メタ)アクリレート単量体、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチルベンジルクロライド塩(DML)を共重合して得られる4級アンモニウム塩含有樹脂が好ましく用いられる。DMLの共重合割合は、全単量体基準で、通常0.1〜10重量%である。
4級アンモニウム塩含有樹脂のテトラヒドロフランを用いたゲル・パーミエーション・クロマトグラフィー(GPC)によって測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、通常2,000〜40,000であり、ガラス転移温度(Tg)は、通常30〜100℃である。
スルホン酸基含有樹脂としては、ビニル系単量体とSOX(X=H、アルカリ金属)基含有(メタ)アクリルアミド単量体との共重合体などが挙げられる。ビニル系単量体としては、ビニル芳香族炭化水素単量体、(メタ)アクリレート単量体などが挙げられる。SOX基含有(メタ)アクリルアミド単量体は、スルホン酸基またはスルホン酸塩基含有(メタ)アクリレート単量体であり、例えば、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、2−アクリルアミド−2−フェニルプロパンスルホン酸などの酸、あるいは、これらの酸のナトリウム塩、カリウム塩などの金属塩が挙げられる。これらの各単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
SOX基含有(メタ)アクリルアミド単量体の共重合割合は、全単量体基準で、通常0.1〜10重量%である。重合方法としては、溶液重合、バルク重合、懸濁重合などが挙げられる。スルホン酸基含有樹脂のテトラヒドロフランを用いたGPCによって測定されるポリスチレン換算の重量平均分子量(Mw)は、通常2,000〜25,000である。
帯電制御剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜5重量部の割合で使用される。
(分散安定剤)
懸濁重合は、通常、分散安定剤を含有する水系分散媒体中で行われる。分散安定剤としては、従来より使用されている各種の分散安定剤を使用することができるが、それらの中でも、得られる重合法トナーの特性の観点から、無機分散剤が好ましい。無機分散剤としては、難水溶性無機分散剤が好ましく、難水溶性金属化合物のコロイドがより好ましい。難水溶性金属化合物のコロイドの中でも、重合法トナーの粒径分布を狭くすることができ、画像の鮮明性が向上するため、難水溶性金属水酸化物のコロイドが好ましい。
難水溶性金属化合物としては、例えば、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどの硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩;リン酸カルシウムなどのりん酸塩;酸化アルミニウム、酸化チタンなどの金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄などの金属水酸化物;などを挙げることができる。
これらの中でも、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄等の金属水酸化物は、カチオン性分散剤であり、重合法トナー表面に吸着され難く、その結果、トナーの粒子形状が整い画質に優れる上、耐久性に優れるため好ましい。分散安定剤として、重合法トナーの粒径分布を狭くすることができる点で、難水溶性金属化合物のコロイドが特に好ましく用いられる。難水溶性金属水酸化物のコロイドは、その製法による制限はないが、水溶性多価金属化合物のコロイド、特に水溶性多価金属化合物と水酸化アルカリ金属との水相中での反応により生成する難水溶性金属水酸化物のコロイドが好ましい。
本発明で用いられる難水溶性金属化合物のコロイドは、個数粒径分布D50(個数粒径分布の50%累積値)が0.5μm以下で、D90(個数粒径分布の90%累積値)が1μm以下であることが好ましい。コロイド粒径が大きくなりすぎると、重合反応系の安定性が崩れ、また、得られるトナーの保存性が低下する。
分散安定剤(特に無機分散剤)は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部の割合で用いられる。この使用割合が少なすぎると、十分な重合安定性を得ることが困難であり、重合凝集物が生成しやすくなる。この使用割合が大きすぎると、水系分散媒体の粘度が上昇し、得られる重合法トナー粒径の分布が広くなるので、好ましくない。
(添加剤)
本発明においては、重合性単量体を重合するための重合開始剤、分子量調整剤などの重合副資材、離型剤、滑剤、分散助剤等の各種添加剤を使用することができる。これらの各添加剤成分は、通常、重合性単量体組成物中に含有させて使用するが、場合によっては、水系分散媒体中に添加してもよい。例えば、重合開始剤は、最初から重合性単量体組成物中に含有させると、早期重合が生じやすくなるが、重合性単量体組成物の液滴形成の過程で水系分散媒体中に添加すると、液滴中に移行し、特性が均一なトナーを製造しやすくなる。
<重合開始剤>
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなどの過硫酸塩;4,4−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2−アゾビス−2−メチル−N−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチルプロピオアミド、2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,1′−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)などのアゾ化合物;メチルエチルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、アセチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレートなどの過酸化物類;などを例示することができる。また、これら重合開始剤と還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤を挙げることができる。
これらの重合開始剤うち、油溶性ラジカル開始剤が好ましく、特に、10時間半減期の温度が60〜80℃、好ましくは65〜80℃で、かつ、分子量が250以下の有機過酸化物から選択される油溶性ラジカル開始剤、特にt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートが、印字時の臭気が少ないこと、臭気などの揮発成分による環境破壊が少ないことから好適である。
重合開始剤の使用量は、水系分散媒体基準で、通常0.001〜3重量%である。重合開始剤の使用割合が小さすぎると、重合速度が遅くなり、大きすぎると、分子量が低くなり、また、経済的ではないので好ましくない。
<分子量調整剤>
本発明では、分子量調整剤を使用することができる。分子量調整剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン等のメルカプタン類;四塩化炭素、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類;などを挙げることができる。これらの分子量調整剤は、重合開始前、あるいは重合途中に添加することができる。分子量調整剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いられる。
<離型剤>
本発明では、トナー中に離型剤を含有させることができる。離型剤としては、例えば、ペンタエリスリトールテトラステアラートのごとき多官能エステル化合物;低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリブチレンなどの低分子量ポリオレフィン類;パラフィンワックス類;などを挙げることができる。これらの内、多官能エステル化合物、特にペンタエリスリトールと炭素数10〜30個のカルボン酸からなるエステル化物、具体的には、ペンタエリスリトールテトラステアラートやペンタエリスリトールテトラミリステートが好適である。離型剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.1〜40重量部、好ましくは1〜20重量部の割合で使用される。離型剤の使用割合が小さすぎると、低温定着性の改善効果が小さく、大きすぎると、トナーの耐ブロッキング性(保存性)が低下する。
<滑剤・分散助剤>
本発明では、カーボンブラックの均一分散などを目的として、オレイン酸、ステアリン酸、各種ワックス類、ポリエチレン、ポリプロピレン等のオレフィン系の各種滑剤;シラン系またはチタン系カップリング剤等の分散助剤;などを使用してもよい。このような滑剤や分散剤は、着色剤(カーボンブラック)の重量を基準として、通常、1/1000〜1/1程度の割合で使用される。
(懸濁重合)
本発明のトナーの製造方法では、重合性単量体とカーボンブラックと、必要に応じて、帯電制御剤、架橋性単量体、分子量調整剤、その他の添加剤などを混合し、ボールミル等を用いて均一に分散させて、重合性単量体組成物(混合液)を調製する。この混合液を、分散安定剤を含有する水系分散媒体中に投入して懸濁させる。この懸濁液を攪拌して、重合性単量体組成物の液滴を形成する。
重合性単量体組成物中に予め重合開始剤を添加していない場合には、重合性単量体組成物の一次液滴を形成してから、水系分散媒体中に重合開始剤を添加し、高剪断力を有する混合装置を用いて、一次液滴をさらにトナーの大きさの二次液滴になるまで小さく分散させ、同時に、重合開始剤を液滴中に移行させる。高剪断力を有する混合装置としては、特に限定されないが、例えば、高速回転する回転子と、それを取り囲みかつ小孔または櫛歯を有する固定子との間隙に液体を流通させる方式の混合装置を挙げることができる。
水系分散媒体中における重合性単量体組成物(混合液)の分散状態は、重合性単量体組成物の液滴(二次液滴)の体積平均粒径が、通常0.1〜20μm、好ましくは、0.5〜10μmとなる状態である。この液滴が大きすぎると、生成するトナー粒子が大きくなりすぎて、画像の解像度が低下するようになる。
当該液滴の体積平均粒径/数平均粒径は、通常1〜3、好ましくは1〜2である。該液滴の粒径分布が広すぎると、得られるトナーの定着温度にばらつきが生じ、かぶり、フィルミングなどの不具合が生じやすくなる。該液滴は、その体積平均粒径±1μmの範囲に50体積%以上、好ましくは60体積%以上が存在する粒径分布のものであることが望ましい。
本発明においては、重合性単量体組成物の分散液を調製した後、重合反応器に仕込み、重合することが好ましい。具体的には、分散液調製用の容器で重合性単量体組成物を水系分散媒体中に添加して重合性単量体組成物分散液を調製し、該分散液を別の容器(重合反応用容器)に移送し、そこで重合することが好ましい。従来の懸濁重合法のごとく、分散液を重合反応器で調製し、そのまま重合反応をさせる方法では、反応器内にスケールが生起し、粗大粒子が多量に生成しやすくなる。
分散安定剤を含有する水系分散媒体中で重合性単量体組成物の微小な液滴を造粒した後、通常、30〜200℃、好ましくは35〜120℃の温度に昇温し、懸濁重合を行う。重合反応は、重合転化率が通常80%以上、好ましくは85%以上、より好ましくは90%以上となるまで行う。重合転化率が低すぎると、未反応の重合性単量体が残存し、トナーを熱定着したときに、この残存単量体が揮発して、作業環境を悪化させる。
本発明のトナーは、結着樹脂(重合体)中に各成分が均一に分散したトナーとして得ることができるが、所望により、コア・シェル構造を付与してもよい。重合法トナーを製造する場合、コア・シェル構造を形成するには、例えば、水系分散媒体中で、重合性単量体と着色剤(カーボンブラック)とを含有する重合性単量体組成物の液滴の重合を行い、次いで、該重合性単量体から形成される重合体のTgよりも高Tgの重合体を形成することができる重合性単量体を添加し、さらに重合を継続して、シェル層を形成する方法が好適である。この方法により形成されたコア・シェル構造のトナーは、耐ブロッキング性(保存性)と低温定着性とのバランスに優れている。
本発明の製造方法によれば、体積平均粒径が、通常0.5〜20μm、好ましくは1〜10μmの着色重合体粒子(重合法トナー)が得られる。この重合法トナーの体積平均粒径(dv)/個数平均粒径(dp)は、通常1.7以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.4以下である。
3.現像剤
本発明の静電荷像現像用トナーは、そのままで非磁性一成分現像剤として使用することができるが、通常は、流動化剤や研磨剤などの外添剤と組み合わせて現像剤とされる。このような外添剤は、トナーの表面に付着して、トナーの流動性を高めたり、あるいは、研磨作用により、感光体上などへのトナーのフィルミングの形成を防止する作用を担う。本発明のトナーは、所望により、キャリアと組み合わせて、二成分現像剤として使用することも可能である。
(外添剤)
本発明の現像剤の製造に用いられる外添剤としては、無機粒子や有機樹脂粒子が挙げられる。無機粒子としては、例えば、二酸化ケイ素、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムなどが挙げられる。有機樹脂粒子としては、メタクリル酸エステル重合体粒子、アクリル酸エステル重合体粒子、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体粒子、スチレン−アクリル酸エステル共重合体粒子、コアがメタクリル酸エステル共重合体でシェルがスチレン重合体で形成されたコアシェル型粒子などが挙げられる。
これらのうち、無機酸化物粒子、特に二酸化ケイ素粒子が好適である。また、これらの粒子表面を疎水化処理することができる。疎水化処理された二酸化ケイ素粒子が特に好適である。外添剤の添加量は、特に限定されないが、トナー100重量部に対して、通常、0.1〜6重量部である。
外添剤は2種以上を組み合わせて用いてもよい。外添剤を組み合わせて用いる場合には、平均粒径の異なる2種の無機酸化物粒子または有機樹脂粒子を組み合わせる方法が好適である。より具体的には、平均粒径5〜20nm、好ましくは7〜18nmの粒子(好適には無機酸化物粒子)と、平均粒径20nm超過2μm以下、好ましくは30nm〜1μmの粒子(好適には無機酸化物粒子)とを組み合わせて、トナーに付着させることが好適である。外添剤粒子の平均粒径は、透過型電子顕微鏡で該粒子を観察し、無作為に100個選んで、それらの粒子径を測定した値の平均値である。
前記2種の外添剤粒子の量は、トナー100重量部に対して、平均粒径5〜20nmの粒子が、通常0.1〜3重量部、好ましくは0.2〜2重量部、平均粒径20nm超過2μm以下の粒子が、通常0.1〜3重量部、好ましくは0.2〜2重量部である。平均粒径5〜20nm粒子と平均粒径20nm超過2μm以下粒子との重量比は、通常、1:5〜5:1、好ましくは10:3〜3:10の範囲である。
外添剤のトナーへの付着は、通常、外添剤とトナーとをヘンシェルミキサーなどの混合機に入れて、攪拌することにより行う。
4.画像形成装置
本発明の現像剤が適用される画像形成装置は、通常、非磁性一成分現像方式の電子写真複写機やプリンターなどの画像形成装置である。
このような画像形成装置は、一般に、感光体(感光体ドラム)、感光体の表面を帯電する手段、感光体の表面に静電潜像を形成する手段、現像剤を収容する手段、現像剤を供給して感光体表面の静電潜像を現像し現像剤像を形成する手段、現像剤像を感光体表面から転写材上に転写する手段、及び定着手段などを有するものであり、必要に応じて、感光体上に残存する現像剤を除去するためのクリーニング手段などをも備えている。
<実施例>
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、部及び%は、特に断りのない限り重量基準である。
各種特性の評価方法は、以下のとおりである。
(カーボンブラック特性)
(1)一次粒径(nm)
電子顕微鏡写真によって観察されたカーボンブラック100個の粒径の平均値として算出された値である。
(2)DBP吸油量(ml/100g)
アブソープトメーターを使用し、カーボンブラックにDBPを添加した時の最大トルクの70%から求めた100g当たりのDBP吸油量である。
(3)pH
カーボンブラックと蒸留水との混合液について、ガラス電極メーターで測定したpH値である。
(4)PAH含有量(ppm)
カーボンブラック約10gを精秤〔(W)g〕し、全ガラス製のソックスレー抽出装置で、48時間トルエン溶液で抽出した。抽出液を濃縮後、液体クロマトグラフィーで分析し、i番目のPAH化合物の測定値(W1i)gを用いて、以下の2つの式
(i)=(W1i)/(W)×10 (単位:ppm)
PAH量=Σ(i) (i=1〜16)
によって算出した値である。
分析条件
カラム:Vydac ODS、
流動相:水/アセトニトリル、アセトニトリルの濃度勾配=60+(t/5.85)(式中、t=0−20)で20分間、その後、アセトニトリル濃度=100%で2分間
液温:35℃、
流速:2ml/min、
検出器:紫外/蛍光検出器。
(流動性)
篩3種(目開き:150、75、45μm)をこの順に上から重ね、一番上の篩上に測定する現像剤を4g精秤して載せる。この3種の篩を、粉体測定機(細川ミクロン社製;商品名「REOSTAT」)を用いて、振動強度4の条件で、15秒間振動した後、篩を通過した現像剤の重量を測定し、以下の各式に入れて、abcの各数値を算出した。次いで、この各数値を用いて、下記式から流動性(%)を算出した。1サンプルにつき3回測定し、その平均値を流動性の指標とした。
算出式:
a=〔150μm篩に残った現像剤重量(g)/4g〕×100
b=〔75μm篩に残った現像剤重量(g)/4g〕×100×0.6
c=〔45μm篩に残った現像剤重量(g)/4g〕×100×0.2
流動性(%)=100−(a+b+c)
(保存性)
現像剤を密閉した容器に入れて、密閉した後、55℃の温度に保持した恒温水槽の中に沈めた。一定時間経過した後、容器から静かに現像剤を取り出し、42メッシュの篩の上にできるだけ構造を破壊しないように移し、粉体測定機(細川ミクロン社製;商品名「REOSTAT」)を用いて、振動強度4.5の条件で、30秒間振動した。篩上に残った現像剤の重量を測定し、凝集現像剤の重量とした。全現像剤に対する凝集現像剤の重量の割合(重量%)を算出した。1サンプルにつき3回測定し、その平均値を保存性の指標とした。
(電気抵抗)
現像剤の電気抵抗(体積固有抵抗)は、誘電体測定器(安藤電気社製、商品名「TRS−10型」)を用いて、温度30℃、周波数1kHzの条件で測定した。
(画質の環境依存性)
非磁性一成分現像方式のプリンター(4枚機)に現像剤を入れ、温度35℃×相対湿度(RH)80%(H/H)環境下、及び10℃×20RH%(L/L)環境下で、それぞれ初期から連続印字を行い、印字濃度が反射濃度計(マクベス社製)で1.3以上、非画像部のかぶりが白色度計(日本電色社製)で10%以下の画質を維持できる連続印字枚数を調べ、以下の基準で画質の環境性を評価した。
○:上記画質を維持できる連続印字枚数が1000枚以上、
△:上記画質を維持できる連続印字枚数が1000枚未満、500枚以上、
×:上記画質を維持できる連続印字枚数が500枚未満。
(画質の耐久性)
前述のプリンターに現像剤を入れ、23℃×50RH%室温環境下で初期から連続印字を行い、印字濃度が反射濃度計(マクベス社製)で1.3以上、非画像部のかぶりが白色度計(日本電色社製)で10%以下の画質を維持できる連続印字枚数を調べ、以下の基準で画質の耐久性を評価した。
○:上記画質を維持できる連続印字枚数が10000枚以上、
△:上記画質を維持できる連続印字枚数が10000枚未満、5000枚以上、
×:上記画質を維持できる連続印字枚数5000枚未満。
[実施例1]
(1)スチレン・離型剤分散液の調製
スチレン90部及び離型剤(シェル・MDS社製;商品名「FT−100」)10部を、メディヤ型湿式粉砕機に投入して、湿式粉砕を行い、離型剤が均一に分散しスチレン・離型剤分散液を調製した。この分散液中の離型剤の体積平均粒径は、D50が3.2μmで、D90が7.2μmであった。また、この分散液の固形分濃度は、10.1%であった。体積平均粒径は、スチレンに試料を加えて、超音波をかけて分散液とし、次いで、スチレンを満たした測定セルに分散液を滴下し、SALD−2000J(島津製作所製)で測定した。
(2)重合性単量体組成物(混合液)の調製
次いで、上記(1)で得られたスチレン・離型剤分散液20部、スチレン65部、n−ブチルアクリレート17部、カーボンブラック(表1に記載のカーボンブラックA)7部、帯電制御剤(保土谷化学社製:スピロンブラックTRH)1.0部、及びジビニルベンゼン0.3部を通常の攪拌装置で攪拌・混合した後、メディヤ型分散機により、均一分散し、重合性単量体組成物(混合液)を得た。
(3)難水溶性金属水酸化物のコロイド溶液の調製
イオン交換水250部に塩化マグネシウム(水溶性多価金属塩)10.2部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム(水酸化アルカリ金属)6.2部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド(難水溶性金属水酸化物のコロイド)分散液を調製した。
生成した上記コロイドの粒径分布をマイクロトラック粒径分布測定器(日機装社製)で測定したところ、粒径は、D50(個数粒径分布の50%累積値)が0.37μmで、D90(個数粒径分布の90%累積値)が0.81μmであった。このマイクロトラック粒径分布測定器による測定は、測定レンジ=0.12〜704μm、測定時間=30秒間、媒体=イオン交換水の条件で行った。
(4)懸濁重合
上記(3)により得られた水酸化マグネシウムコロイドの分散液に、上記(2)により得られた重合性単量体組成物を投入し、液滴(一次液滴)が安定するまで攪拌し、次いで、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート7部を添加した。その後、TK式ホモミキサーを用いて12,000rpmの回転数で高剪断攪拌して、重合性単量体組成物の微細な液滴(二次液滴)を造粒した。この造粒した重合性単量体組成物の水分散液を、攪拌翼を装着した反応器に入れ、90℃で重合反応を開始させ、8時間継続した後、反応を停止し、pH9.5の着色重合体粒子の水分散液を得た。
上記により得られた着色重合体粒子の水分散液を攪拌しながら、硫酸により系のpHを約5.5にして酸洗浄(25℃、10分間)を行った。次いで、濾過、脱水し、脱水後、洗浄水を振りかけて水洗浄を行った。その後、乾燥器(45℃)にて2昼夜乾燥を行い、乾燥した着色重合体粒子(重合法トナー)を得た。
(5)現像剤の調製
上記により得られた着色重合体粒子100部に、疎水化処理した平均粒子径14nmのシリカ(デグサ社製;商品名「R202」)0.8部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合して非磁性一成分現像剤を製造した。このようにして得られた現像剤の体積平均粒径(dv)は、7.1μmであった。
画像評価では、高温高湿(H/H)下及び低温低湿(L/L)下のいずれにおいても、色調が良好で、画像濃度が高く、かぶりの無い、極めて良好な画像が得られた。評価結果を表1に示した。
[実施例2]
実施例10カーボンブラックAを、表1に示すカーボンブラックBに代えた他は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
[比較例1]
実施例1においてのカーボンブラックAを、表1に示すカーボンブラック1に代えた他は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
[比較例2]
実施例1のカーボンブラックAを、表1に示すカーボンブラック2に代えた他は実施例1と同様に実施した。結果を表1に示す。
Figure 0003904057
[実施例3]
実施例1のカーボンブラックAを、表2に示すカーボンブラックCに代えた他は実施例1と同様に実施した。結果を表2に示す。
[実施例4]
実施例1のカーボンブラックAを、表2に示すカーボンブラックDに代えた他は実施例1と同様に実施した。結果を表2に示す。
[比較例3]
実施例1のカーボンブラックAを、表2に示すカーボンブラック3に代えた他は実施例1と同様に実施した。結果を表2に示す。
Figure 0003904057
[実施例5]
実施例1のカーボンブラックAを、表3に示すカーボンブラックEに代えた他は実施例1と同様に実施した。結果を表3に示す。
[比較例4]
実施例1のカーボンブラックAを、表3に示すカーボンブラック4に代えた他は実施例1と同様に実施した。結果を表3に示す。
Figure 0003904057
以上の表1〜3の結果から、カーボンブラックの一次粒径、DBP吸油量、及びpHが、本発明の線に沿って選択されたものを用いると、印字特性に優れ、かつ、安全性に優れたトナーの得られることが分かる。
<産業上の利用可能性>
本発明によれば、カーボンブラック中に含有する多環式芳香族炭化水素化合物類の含有量が少なく、安全性が顕著に優れ、しかも印字特性に優れた静電荷像現像用トナーが提供される。本発明の静電荷像現像用トナーは、非磁性一成分現像方式の印刷機や複写機において好適に使用することができる。

Claims (17)

  1. 少なくとも重合性単量体とカーボンブラックとを含有する重合性単量体組成物を懸濁重合して得られた、非磁性一成分現像方式に適用される静電荷像現像用トナーにおいて、カーボンブラックが、
    (1)一次粒径が28〜60nmの範囲内、
    (2)DBP吸油量が40〜75ml/100gの範囲内、
    (3)pHが6.0〜10.0の範囲内、かつ、
    (4)多環式芳香族炭化水素化合物類の合計含有量が10ppm以下のものであることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. カーボンブラックの一次粒径が、30〜60nmの範囲内である請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  3. カーボンブラックのDBP吸油量が、40〜69ml/100gの範囲内である請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  4. カーボンブラックのDBP吸油量が、45〜68ml/100gの範囲内である請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  5. カーボンブラックのpHが、6.1〜9.8の範囲内である請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  6. 懸濁重合が、分散安定剤を含有する水系分散媒体中で行われたものである請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
  7. 分散安定剤が、難水溶性無機分散剤である請求項8記載の静電荷像現像用トナー。
  8. 少なくとも重合性単量体とカーボンブラックとを含有する重合性単量体組成物を懸濁重合する、非磁性一成分現像方式に適用される静電荷像現像用トナーの製造方法において、カーボンブラックとして、
    (1)一次粒径が28〜60nmの範囲内、
    (2)DBP吸油量が40〜75ml/100gの範囲内、
    (3)pHが6.0〜10.0の範囲内、かつ、
    (4)多環式芳香族炭化水素化合物類の合計含有量が10ppm以下のものを使用することを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  9. カーボンブラックの一次粒径が、30〜60nmの範囲内である請求項10記載の製造方法。
  10. カーボンブラックのDBP吸油量が、40〜69ml/100gの範囲内である請求項10記載の製造方法。
  11. カーボンブラックのDBP吸油量が、45〜68ml/100gの範囲内である請求項10記載の製造方法。
  12. カーボンブラックのpHが、6.1〜9.8の範囲内である請求項10記載の製造方法。
  13. 懸濁重合を、分散安定剤を含有する水系分散媒体中で行う請求項10記載の製造方法。
  14. 分散安定剤が、難水溶性無機分散剤である請求項16記載の製造方法。
  15. 難水溶性無機分散剤が、難水溶性金属化合物のコロイドである請求項17記載の製造方法。
  16. 難水溶性金属化合物のコロイドが、難水溶性金属水酸化物のコロイドである請求項18記載の製造方法。
  17. 請求項1〜5、8、及び9のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーと外添剤とを含有する非磁性一成分現像剤。
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