JP2004258429A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Abstract
【課題】低温で定着できるにもかかわらず、保存性がよく、特に異なる環境下で長期間に亘って耐久印刷を行っても、転写性が良く、印字濃度の低下やカブリの発生がない静電荷像現像用トナーを提供すること。
【解決手段】結着樹脂、着色剤、帯電制御剤及び極性基含有スチレン系熱可塑性エラストマーを含有する着色粒子と、外添剤とからなる静電荷像現像用トナー。
【選択図】 なし
【解決手段】結着樹脂、着色剤、帯電制御剤及び極性基含有スチレン系熱可塑性エラストマーを含有する着色粒子と、外添剤とからなる静電荷像現像用トナー。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法等によって形成される静電潜像を現像するための静電荷像現像用トナーに関する。本発明は特に低温で定着できるにもかかわらず、高温での保存性がよく、長期間に亘って耐久印刷を行っても、転写性が良く、印字濃度の低下やカブリの発生がない静電荷像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置や静電記録装置等の画像形成装置において、感光体上に形成される静電潜像は、先ず、トナーにより現像される。次いで、形成されたトナー像は、必要に応じて紙等の転写材上に転写された後、加熱、加圧または溶剤蒸気など種々の方式により定着される。
このような画像形成装置で最も大量のエネルギーを要する工程は、定着工程であり、この定着にはエネルギー効率のよい熱圧力定着方式が広く用いられている。
【0003】
近年、画像形成装置におけるランニングコストの削減や高速化への要求が高くなっている。これらの要求に応えるために、トナーに対しても高機能を有するものが求められており、前記定着方式で使用されるトナーとして、低温定着性を有するトナーが提案されている。
低温定着性に優れたトナーを得るために、結着樹脂に熱可塑性エラストマーを添加することは、既に知られている。例えば、特開平6−175389号公報には、定着成分を含有する芯物質とこれを覆う外郭とからなるカプセルトナーにおいて、芯物質に熱可塑性エラストマーを含有させたトナーが開示されている。特開平7−271096号公報には、熱可塑性エラストマーを含有する結着剤および着色剤からなり、200℃における貯蔵弾性率が8.0×105〜1.0×104(dyn/cm2)である静電荷像現像用トナーが開示されている。また、特開平11−52611号公報には、エチレン性二重結合の水添率が55%以上または臭素化率が10g/100g以下である水添石油樹脂からなるトナー用バインダー樹脂を含有する静電荷像現像用トナーが開示されている。しかしながら、これらのトナーは、高速で画像を形成する場合、耐久性が悪くなるという問題がある。
【0004】
特開平9−190011号公報には、熱可塑性樹脂と、着色剤と、軟化点が110℃以下の水添石油樹脂とを含有する熱溶融性芯材と、その芯材の表面に親水性樹脂からなる外殻を設けた熱圧力定着用カプセルトナーが記載されている。
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記のトナーを用いても、高速で画像を形成する場合、定着温度を十分に低くすることができず、更に耐久性が悪くなるということが分かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、低温で定着できるにもかかわらず、保存性がよく、特に異なる環境下で長期間に亘って耐久印刷を行っても、転写性が良く、印字濃度の低下やカブリの発生がない静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、この目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、特定のスチレン系熱可塑性エラストマーを着色粒子に含有させることにより、上記目的が達成されることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、極性基含有スチレン系熱可塑性エラストマーを含有する着色粒子と、外添剤とからなる静電荷像現像用トナーが提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
本発明の静電荷像現像用トナーは、着色粒子と外添剤とからなる。
着色粒子は、結着樹脂、着色剤及び極性基含有スチレン系熱可塑性エラストマーを含有しており、必要に応じて、帯電制御剤、離型剤、磁性材料等を含有していてもよい。
【0008】
結着樹脂の具体例としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、環化イソプレンゴム等の従来からトナーに広く用いられている樹脂を挙げることができる。結着樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、通常、5,000〜50,000、好ましくは、7,000〜30,000である。
【0009】
着色剤としては、カーボンブラックやチタンホワイトなどのトナー分野で用いられている各種顔料及び染料を使用することができる。黒色着色剤としては、カーボンブラック、ニグロシンベースの染顔料類;コバルト、ニッケル、四三酸化鉄、酸化鉄マンガン、酸化鉄亜鉛、酸化鉄ニッケル等の磁性粉;等を挙げることができる。カラートナー用着色剤としては、一般に、イエロー、マゼンタ、シアンなどの各色の顔料が使用される。
こうした着色剤の量は、結着樹脂100重量部に対して、通常、0.1〜50重量部、好ましくは1〜20重量部である。
【0010】
本発明において、極性基含有スチレン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとソフトセグメントとからなり、通常、ハードセグメントはポリスチレン、ソフトセグメントはポリブタジエンまたはポリイソプレンからなるスチレン系熱可塑性エラストマーに、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、水酸基等の極性基が結合しているものである。具体的には、極性基含有スチレン−ブタジエン−スチレンブロックポリマー、極性基含有スチレン−イソプレン−スチレンブロックポリマー、極性基含有スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックポリマー、極性基含有スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックポリマー等が例示される。
これらの極性基の中でも、水酸基を含有しているスチレン系熱可塑性エラストマーが好ましい。水酸基含有スチレン系熱可塑性エラストマーは、その水酸基価が、通常、0.1〜20mgKOH/gであり、0.3〜10mgKOH/gであると好ましい。
【0011】
この極性基含有スチレン系熱可塑性エラストマーを得る方法としては、1)公知の方法で、スチレンと、ブタジエンまたはイソプレンとを重合して得られたスチレン系熱可塑性エラストマーの重合活性末端に、それと化学反応可能な、極性基を有する化合物を添加して合成する方法、2)市販のスチレン系熱可塑性エラストマーを有機溶媒に溶解し、それに極性基を含有する化合物を触媒等と共に添加して、化学反応させて合成する方法が挙げられる。
【0012】
また、極性基含有スチレン系熱可塑性エラストマーのソフトセグメント部分が水素添加されている方が、環境安定性が高くなるので好ましい。ソフトセグメント部分の水添率は、特に限定されず、通常、70%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上である。
【0013】
本発明で好ましく用いられる水酸基含有スチレン系熱可塑性エラストマーの水素添加物は、上記の方法に準じて得られる水酸基含有スチレン系熱可塑性エラストマーを水素添加して合成してもよいが、市販のものを使用してもよい。市販のものとしては、例えば、セプトンHG−252、ハイブラーHG−664(クラレ社製)が挙げられる。
【0014】
極性基含有スチレン系熱可塑性エラストマーの量は、結着樹脂100重量部に対して、通常、0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部、更に好ましくは1〜10重量部である。この極性基含有スチレン系熱可塑性エラストマーは、着色粒子が後述するコアシェル型着色粒子であれば、コア層に含有することが好ましい。
【0015】
帯電制御剤としては、従来からトナーに使用されている帯電制御剤を用いることができる。帯電制御剤の中でも、結着樹脂との相溶性が高く、無色であり高速でのカラー連続印刷においても帯電性が安定したトナーを得ることができるので帯電制御樹脂が好ましい。帯電制御樹脂は、特開昭63−60458号公報、特開平3−175456号公報、特開平3−243954号公報、特開平11−15192号公報などの記載に準じて製造される4級アンモニウム(塩)基含有共重合体や、特開平1−217464号公報、特開平3−15858号公報などの記載に準じて製造されるスルホン酸(塩)基含有共重合体を用いる。
この共重合体に含有される4級アンモニウム(塩)基またはスルホン酸(塩)基を有する単量体単位は、共重合体中に0.5〜15重量%、好ましくは1〜10重量%である。含有量がこの範囲にあると、トナーの帯電量が制御し易く、カブリの発生を少なくすることができる。
【0016】
帯電制御樹脂の重量平均分子量は、通常2,000〜50,000、好ましくは4,000〜40,000、さらに好ましくは6,000〜30,000である。重量平均分子量がこの範囲にあることにより、トナーの彩度や透明性を維持することができる。
帯電制御樹脂のガラス転移温度は、通常40〜80℃、好ましくは45〜75℃、さらに好ましくは45〜70℃である。ガラス転移温度がこの範囲にあることにより、トナーの保存性と定着性をバランスよく向上させることができる。
帯電制御樹脂の量は、結着樹脂100重量部に対して、通常0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
【0017】
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリブチレンなどのポリオレフィンワックス類;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、ホホバなどの植物系天然ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラクタムなどの石油系ワックスおよびその変性ワックス;フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックス;ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ジペンタエリスリトールヘキサミリステートなどの多官能エステル化合物;などが挙げられる。これらは1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0018】
これらの離型剤のうち、合成ワックス及び多官能エステル化合物が好ましい。これらの中でも、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、昇温時の吸熱ピーク温度が30〜150℃、好ましくは40〜100℃、更に好ましくは50〜80℃の範囲にある多官能エステル化合物が、定着時の定着−剥離性バランスが良いので好ましい。特に、分子量が1000以上であり、25℃でスチレン100重量部に対し5重量部以上溶解し、酸価が10mg/KOH以下であるものは定着温度低下に顕著な効果を示すので更に好ましい。吸熱ピーク温度は、ASTM D3418−82によって測定される値である。
離型剤の量は、結着樹脂100重量部に対して、通常0.5〜50重量部、好ましくは1〜20重量部である。
【0019】
また、磁性材料としては、例えば、マグネタイト、γ−酸化鉄、フェライト、鉄過剰型フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金およびその混合物等が挙げられる。
【0020】
着色粒子は、粒子の内部(コア層)と外部(シェル層)に異なる二つの重合体を組み合わせて得られる、所謂コアシェル型(または、「カプセル型」ともいう。)の粒子とすることができる。コアシェル型粒子では、内部(コア層)の低軟化点物質をそれより高い軟化点を有する物質で被覆することにより、定着温度の低温化と保存時の凝集防止とのバランスを取ることができるので好ましい。
コアシェル型粒子のコア層とシェル層との重量比率は特に限定されないが、通常、80/20〜99.9/0.1で使用される。
シェル層の割合を上記範囲にすることにより、トナーの保存性と低温での定着性を兼備することができる。
【0021】
コアシェル型粒子のシェル層の平均厚みは、通常、0.001〜1.0μm、好ましくは0.003〜0.5μm、より好ましくは0.005〜0.2μmであると考えられる。厚みが大きくなると定着性が低下し、小さくなると保存性が低下することがある。なお、コアシェル型のトナー粒子を形成するコア粒子はすべての表面がシェル層で覆われている必要はなく、コア粒子の表面の一部がシェル層で覆われていればよい。
【0022】
着色粒子は、体積平均粒径(dv)が通常2〜20μmであり、好ましくは3〜12μm、更に好ましくは4〜10μmである。粒径が小さいと流動性が低下して、転写性が低下したり、カスレが発生したりし、また印字濃度が低下することがあり、逆に大きいとカブリやトナー飛散が発生し、画像の解像度が低下することがある。
体積平均粒径(dv)と個数平均粒径(dp)の比である粒径分布(dv/dp)が1.0〜1.3であり、1.0〜1.2であると更に好ましい。粒径分布が大きいとカスレが発生したり、転写性、印字濃度及び解像度の低下を起こしたりすることがある。
上記の体積平均粒径及び粒径分布は、例えば、分級することによって上記範囲とすることができる。
着色粒子の体積平均粒径及び粒径分布は、例えば、マルチサイザー(ベックマン・コールター社製)などを用いて測定することができる。
【0023】
着色粒子は、粒子の絶対最大長を直径とした円の面積(Sc)を粒子の実質投影面積(Sr)で割って得られる平均球形度(Sc/Sr)が、好ましくは1〜1.3であり、より好ましくは1.0〜1.2であり、更に好ましくは1.0〜1.15である。平均球形度が1.3より大きくなると、転写性が低下することがある。
この平均球形度は、例えば、転相乳化法、溶解懸濁法及び重合法等を用いることにより容易に上記範囲に調整することができる。
ここで、平均球形度は、着色粒子の電子顕微鏡写真を撮影し、その写真を画像処理解析装置ルーゼックスIID(ニレコ社製)により、フレーム面積に対する粒子の面積率を最大2%、トータル処理粒子数を100個の条件で測定し、得られた100個の着色粒子の球形度を平均した値である。
【0024】
本発明のトナーを構成する外添剤としては、無機粒子や有機樹脂粒子が挙げられる。外添剤として添加するこれらの粒子は、トナー粒子よりも平均粒径が小さい。例えば、無機粒子としては、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムなどが挙げられ、有機樹脂粒子としては、メタクリル酸エステル重合体粒子、アクリル酸エステル重合体粒子、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体粒子、スチレン−アクリル酸エステル共重合体粒子、コアがスチレン重合体で、シェルがメタクリル酸エステル重合体で形成されたコアシェル型粒子などが挙げられる。これらのうち、シリカ粒子や酸化チタン粒子が好適であり、この表面を疎水化処理した粒子が好ましく、疎水化処理されたシリカ粒子が特に好ましい。外添剤の量は、特に限定されないが、トナー100重量部に対して、通常、0.1〜6重量部である。
【0025】
本発明のトナーは、誘電体損測定器による体積固有抵抗値(log(Ω・cm))が、通常、10〜13、好ましくは10.5〜12.5のものである。体積固有抵抗値が小さいと、カブリが発生することがあり、逆に大きいと、トナー飛散、カブリ、フィルミングまたはクリーニング不良が発生することがある。
【0026】
本発明に使用することのできる着色粒子は、その製法によって特に限定されず、例えば、粉砕法、転相乳化法及び重合法によって得ることができる。また、重合法によって得られた着色粒子は更に会合させることもできる。これらの中でも、重合法により得られた着色粒子は、実質的に球状となり、極性基含有スチレン系熱可塑性エラストマーを着色粒子中に均一に分散できるので、転写性や定着性が良好となり、高解像度の画質や印刷の高速化に対応できるトナーが得られるので好ましい。
【0027】
以下、重合法による着色粒子の製造方法について説明する。
本発明のトナーを構成する着色粒子は、分散安定剤を含有する水分散媒体中に、結着樹脂成分となる重合性単量体、着色剤及び極性基含有スチレン系熱可塑性エラストマーとを含有する重合性単量体組成物を分散させ、重合開始剤を添加した後、所定温度に昇温して重合し、洗浄・脱水を行った後に乾燥することによって得られる。
【0028】
結着樹脂を得るための重合性単量体として、モノビニル単量体、架橋性単量体、マクロモノマー等を挙げることができる。この重合性単量体が重合され、結着樹脂成分となる。
モノビニル単量体としては、具体的にはスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル系単量体;エチレン、プロピレン、ブチレン等のモノオレフィン単量体;等が挙げられる。
モノビニル単量体は、単独で用いても、複数の単量体を組み合わせて用いても良い。これらモノビニル単量体のうち、芳香族ビニル単量体単独、芳香族ビニル単量体と(メタ)アクリル系単量体との併用などが好適に用いられる。
【0029】
モノビニル単量体と共に、架橋性単量体を用いるとホットオフセットが有効に改善される。架橋性単量体は、2個以上のビニル基を有する単量体である。具体的には、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、およびこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等のジエチレン性不飽和カルボン酸エステル;N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル等のビニル基を2個有する化合物、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルやトリメチロールプロパントリアクリレート等のビニル基を3個以上有する化合物等を挙げることができる。これらの架橋性単量体は、単独で用いても、あるいは2種以上組み合わせて用いても良い。
使用量は、モノビニル単量体100重量部当たり、通常、10重量部以下、好ましくは、0.1〜2重量部である。
【0030】
また、モノビニル単量体と共に、マクロモノマーを用いると、保存性と低温での定着性とのバランスが良好になるので好ましい。マクロモノマーは、分子鎖の末端に重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合を有するもので、数平均分子量が、通常、1,000〜30,000のオリゴマーまたはポリマーである。
また、マクロモノマーは、前記モノビニル単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度よりも、高いガラス転移温度を有する重合体を与えるものが好ましい。
マクロモノマーの使用量は、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好適には0.03〜5重量部、さらに好適には0.05〜1重量部である。
【0031】
分散安定剤としては、例えば、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機塩、酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄等の無機水酸化物;ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ゼラチン等水溶性高分子;アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を挙げることができ、これらは、単独で用いても、2種類以上を組み合わせても良い。
これらのうち、特に難水溶性の無機水酸化物のコロイドを含有する分散安定剤は、重合体粒子の粒径分布を狭くすることができ、また分散安定剤の洗浄後の残存性が少なく、画像を鮮明に再現できるので好ましい。
【0032】
分散安定剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部の割合で使用する。この割合が上記範囲にあることで、充分な重合安定性が得られ、重合凝集物の生成が抑制され、所望の粒径のトナーを得ることができるので好ましい。
【0033】
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ジ−t−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の過酸化物類などを例示することができる。また、これら重合開始剤と還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤を挙げることができる。
【0034】
こうした中でも特に、使用される重合性単量体に可溶な油溶性の重合開始剤を選択することが好ましく、必要に応じて水溶性の重合開始剤をこれと併用することもできる。上記重合開始剤は、重合性単量体100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜15重量部、更に好ましくは0.5〜10重量部用いる。
【0035】
また、重合に際して、分子量調整剤を使用することが好ましい。分子量調整剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類;四塩化炭素、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類;などを挙げることができる。これらの分子量調整剤は、重合開始前、あるいは重合途中に添加することができる。分子量調整剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いられる。
【0036】
着色粒子の好ましい製造方法としては、重合性単量体、着色剤、極性基含有スチレン系熱可塑性エラストマー、帯電制御剤及び離型剤をボールミルなどのメディア型分散機を用いて均一に混合して、重合性単量体組成物を得、分散安定剤を含有する水分散媒体中に該組成物を添加した後、攪拌して液滴を形成し、次いで重合開始剤を添加した後、高速回転する攪拌機を用いて、所望の着色粒子の粒径となるように攪拌速度及び時間を調整して、更に小さな液滴を形成する。液滴を形成するときの温度は、水分散媒体の温度は、通常10〜40℃、好ましくは20〜30℃の範囲内に調整して行う。
次に、分散して液滴が分離や沈降しない程度の攪拌を維持しながら、所定の温度に昇温して重合を開始し、一定時間重合を継続した後、反応を停止して着色粒子の水分散液を得る。その後、必要に応じて水分散液からトナー定着時に臭気の問題となる未反応の重合性単量体を除去し、更に重合時に使用した分散安定剤を着色粒子から除去するために、洗浄と脱水を繰り返し行った後、乾燥することによって、着色粒子を得る。重合性単量体組成物の重合温度は、通常、40〜100℃、好ましくは50〜90℃であり、重合時間は、1〜20時間、好ましくは2〜10時間である。また、乾燥温度は、通常、20〜60℃、好ましくは30〜50℃である。
【0037】
好ましい着色粒子であるコアシェル型着色粒子を製造する方法としては、スプレイドライ法、界面反応法、in situ重合法、相分離法などの方法が挙げられる。具体的には、粉砕法、重合法、会合法又は転相乳化法により得られた着色粒子をコア粒子として、それに、シェル層を被覆することによりコアシェル型着色粒子が得られる。この製造方法の中でも、in situ重合法や相分離法が、製造効率の点から好ましい。
【0038】
in situ重合法によるコアシェル型着色粒子の製造方法を以下に説明する。
コア粒子が分散している水系分散媒体中に、シェルを形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)と重合開始剤を添加し、重合することでコアシェル型着色粒子を得ることができる。
シェルを形成する具体的な方法としては、コア粒子を得るために行った重合反応の反応系にシェル用重合性単量体を添加して継続的に重合する方法、または別の反応系で得たコア粒子を仕込み、これにシェル用重合性単量体を添加して段階的に重合する方法などを挙げることができる。
【0039】
シェル用重合性単量体としては、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートなどのガラス転移温度が80℃を超える重合体を形成する単量体をそれぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0040】
シェル用重合性単量体を添加する際に、水溶性の重合開始剤を添加することがコアシェル型着色粒子を得やすくなるので好ましい。シェル用重合性単量体の添加の際に水溶性重合開始剤を添加すると、シェル用重合性単量体が移行したコア粒子の外表面近傍に水溶性重合開始剤が進入し、コア粒子表面に重合体(シェル)を形成しやすくなると考えられる。
【0041】
水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス−(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)プロピオンアミド)等のアゾ系開始剤などを挙げることができる。水溶性重合開始剤の量は、シェル用重合性単量体100重量部に対して、通常、0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部である。
【0042】
本発明のトナーは、上記した着色粒子と外添剤とを、ヘンシェルミキサーなどの混合機に入れて撹拌することによって、着色粒子の表面に外添剤を付着または一部埋め込ませて製造することができる。
【0043】
【実施例】
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、部および%は、特に断りのない限り重量基準である。
本実施例では、以下の方法で評価した。
【0044】
1.着色粒子特性
(1)体積平均粒径と粒径分布
着色粒子の体積平均粒径(dv)及び粒径分布即ち体積平均粒径と個数平均粒径(dp)との比(dv/dp)は、マルチサイザー(ベックマン・コールター社製)により測定した。このマルチサイザーによる測定は、アパーチャー径:100μm、媒体:イソトンII、濃度10%、測定粒子個数:100000個の条件で行った。
【0045】
2.トナー特性
(1)体積固有抵抗値
トナーの体積固有抵抗値は、トナー約3gを直径5cmの錠剤成型器に入れ、約100kgの荷重を1分間かけて試験片を作製し、それを誘電体損測定器(安藤電気社製、機種名「TRS−10型」)を用い、温度30℃、周波数1kHzの条件下で測定した。
【0046】
(2)流動性
目開きが各々150μm、75μmおよび45μmの3種の篩を、この順に上から重ね、一番上の篩上に、測定するトナーを約4g精秤して載せる。次いで、この重ねた3種の篩を、粉体測定機(ホソカワミクロン社製、商品名「パウダーテスター」)を用いて、振動強度目盛4の条件で、15秒間振動した後、各篩上に残ったトナーの重量を測定する。各測定値を以下の式▲1▼、▲2▼および▲3▼に入れて、流動性の値を算出する。1サンプルにつき3回測定し、その平均値を求めた。算出式:
▲1▼a=〔(目開き150μmの篩上に残ったトナー重量(g))/精秤したトナー量(g)〕×100
▲2▼b=〔(目開き75μmの篩上に残ったトナー重量(g))/精秤したトナー量(g)〕×100×0.6
▲3▼c=〔(目開き45μmの篩上に残ったトナー重量(g))/精秤したトナー量(g)〕×100×0.2
流動性(%)=100−(a+b+c)
【0047】
(3)保存性
トナー試料を密閉可能な容器に入れて、密閉した後、該容器を温度が60℃の恒温水槽の中に沈め、6時間経過した後に取り出して、42メッシュの篩上に容器内のトナーの凝集構造を破壊しないように移す。上述した粉体測定機(で振動の強度を4.5に設定して、30秒間振動した後、篩い上に残ったトナーの重量を測定し、凝集したトナーの重量とした。この凝集したトナーの重量と試料の重量とから、トナーの保存性(重量%)を算出した。この数値が小さい方が、保存性が高い。
【0048】
3.画質評価
(1)定着温度
市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(24枚機)を、定着ロール部の温度を変化できるように改造して、定着ロールの温度を変化させて、5℃刻みで、それぞれの温度でのトナーの定着率を測定し、温度と定着率の関係を求める定着試験を行った。
定着率は、定着ロールの温度が安定したところで、上記改造プリンターを用いて印字用紙にベタ印字を行い、印字した用紙のベタ領域について、テープ剥離操作前後の印字濃度の比率から計算した。すなわち、テープ剥離前の画像濃度をID前、テープ剥離後の画像濃度をID後として、定着率は、次式から算出した。
定着率(%)=(ID後/ID前)×100
ここで、テープ剥離操作とは、試験用紙の測定部分に前述した粘着テープを貼り、一定圧力で押圧して付着させ、その後、一定速度で紙に沿った方向に粘着テープを剥離する一連の操作である。
この定着試験において、定着率80%に該当する定着ロールの温度を、トナーの定着温度とした。
【0049】
(2)環境安定性
前述の改造プリンターを用いて、温度35℃、湿度80%のH/H環境および温度10℃、湿度20%のL/L環境の各環境下で、初期から5%濃度で連続印字を行い、1,000枚ごとに黒ベタで印字を行い、マクベス式反射濃度計で測定した印字濃度が1.3以上で、かつ、白色度計(日本電色製)で測定した感光体上の非画像部のカブリが5%以下の画質を維持できる連続印字枚数を調べ、画質の環境安定性を評価した。最終印字枚数は5,000枚である。表中、5,000以上としているものは、5,000枚でも、印字濃度が1.3以上で、かつカブリが5%以下であることを示す。
(3)耐久性
前述の改造プリンターも用いて、温度23℃、湿度50%のN/N環境下で、上記した環境安定性と同様にして、画質の耐久性を評価した。最終印字枚数は5,000枚である。表中、5,000以上としているものは、5,000枚でも、印字濃度が1.3以上で、かつカブリが5%以下であることを示す。
【0050】
(実施例1)
スチレン80.5部、n−ブチルアクリレート19.5部、ジビニルベンゼン0.5部及びポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名「AA6」)0.3部からなるコア用重合性単量体、カーボンブラック(三菱化学社製、商品名「#25B」)7部、帯電制御樹脂(藤倉化成社製、商品名「FCA−626−NS」;重量平均分子量24,000、ガラス転移温度60℃)1部、ジペンタエリスリトールヘキサミリステート10部、t−ドデシルメルカプタン1.2部、および水酸基含有スチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ社製、商品名「セプトンHG−252」)1部を室温下、ビーズミルで分散させ、コア用重合性単量体組成物を得た。
他方、イオン交換水250部に塩化マグネシウム10.2部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム6.2部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイドの分散液を調製した。
【0051】
上記により得られた水酸化マグネシウムコロイド分散液に、コア用重合性単量体組成物を投入し、液滴が安定するまで攪拌し、そこにt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製、商品名「パーブチルO」)5部を添加した後、次いで、15,000rpmで回転するエバラマイルダー(荏原製作所社製、商品名「MDN303V」)を滞留時間3秒で通過させ、通過させた分散液を、元の撹拌槽内に噴出速度0.5m/sで戻し循環させコア用重合性単量体組成物の液滴を形成した。
【0052】
上記コア用重合性単量体組成物が分散されて液滴が形成された水酸化マグネシウムコロイド分散液に四ホウ酸ナトリウム十水和物を1部添加し、攪拌翼を装着した反応器に入れ、昇温して85℃で重合を行い、重合転化率がほぼ100%に達した後、シェル用重合性単量体としてのメタクリル酸メチル1.5部及び水溶性開始剤2,2’−アゾビス−〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオアミド〕(和光純薬社製、商品名「VA−086」)0.2部を水20部に溶解した水溶液を重合反応器に添加して、4時間重合を継続した後、反応を停止し、コアシェル型着色粒子の水分散液を得た。
上記により得た着色粒子の水分散液を攪拌しながら、硫酸を添加しpHを4以下にして酸洗浄を行い、濾過により水を分離した。さらに洗浄と脱水を数回繰り返し行って、固形分を濾過分離した後、乾燥機にて45℃で2昼夜乾燥を行い、体積平均粒径(dv)が9.3μm、粒径分布(dv/dp)が1.11、平均球形度が1.14のコアシェル型着色粒子を得た。
【0053】
得られたコアシェル型着色粒子100部に、外添剤としてシリカ(日本アエロジル社製、商品名「RX100」)1部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて10分間、回転数1400rpmで混合し、トナーを得た。
得られたトナーの特性及び画質評価の結果を表1に示す。
【0054】
(実施例2)
実施例1において、水酸基含有スチレン系熱可塑性エラストマーの添加量を5部に変えた以外は、実施例1と同様にして着色粒子及びトナーを得た。得られた着色粒子及びトナーの特性、画質評価の結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例2において、水酸基含有スチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ社製、商品名「セプトンHG−252」)を、他の水酸基含有スチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ社製、商品名「ハイブラーHG−664」)に変えた以外は、実施例1と同様にして着色粒子及びトナーを得た。得られた着色粒子及びトナーの特性、画質評価の結果を表1に示す。
【0055】
(比較例1)
実施例1において、水酸基含有スチレン系熱可塑性エラストマーの代わりに、極性基を含有していないスチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ社製、商品名「セプトン4033」)を使用した以外は、実施例2と同様にして着色粒子及びトナーを得た。得られた着色粒子及びトナーの特性、画質評価の結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、水酸基含有スチレン系熱可塑性エラストマーの代わりに、極性基を含有していないスチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ社製、商品名「セプトン2007」)を使用した以外は、実施例2と同様にして着色粒子及びトナーを得た。得られた着色粒子及びトナーの特性、画質評価の結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
表1のトナーの評価結果から、以下のことがわかる。
本発明で規定する極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマーを使用した比較例1のトナーは、保存性、H/H環境で環境安定性及び耐久性が悪い。
同様に、本発明で規定する極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマーを使用した比較例2のトナーは、保存性が悪く、定着温度が高く、更にH/H環境で環境安定性及び耐久性も悪い。
これに対して、本発明のトナーは、低温で定着できるにもかかわらず、保存性が良く、異なる環境下でも画質の低下がなく、耐久性も高いことが分かる。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、低温で定着できるにもかかわらず、保存性がよく、特に異なる環境下で長期間に亘って耐久印刷を行っても、転写性が良く、印字濃度の低下やカブリの発生がない静電荷像現像用トナーが提供される。
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真法、静電記録法等によって形成される静電潜像を現像するための静電荷像現像用トナーに関する。本発明は特に低温で定着できるにもかかわらず、高温での保存性がよく、長期間に亘って耐久印刷を行っても、転写性が良く、印字濃度の低下やカブリの発生がない静電荷像現像用トナーに関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置や静電記録装置等の画像形成装置において、感光体上に形成される静電潜像は、先ず、トナーにより現像される。次いで、形成されたトナー像は、必要に応じて紙等の転写材上に転写された後、加熱、加圧または溶剤蒸気など種々の方式により定着される。
このような画像形成装置で最も大量のエネルギーを要する工程は、定着工程であり、この定着にはエネルギー効率のよい熱圧力定着方式が広く用いられている。
【0003】
近年、画像形成装置におけるランニングコストの削減や高速化への要求が高くなっている。これらの要求に応えるために、トナーに対しても高機能を有するものが求められており、前記定着方式で使用されるトナーとして、低温定着性を有するトナーが提案されている。
低温定着性に優れたトナーを得るために、結着樹脂に熱可塑性エラストマーを添加することは、既に知られている。例えば、特開平6−175389号公報には、定着成分を含有する芯物質とこれを覆う外郭とからなるカプセルトナーにおいて、芯物質に熱可塑性エラストマーを含有させたトナーが開示されている。特開平7−271096号公報には、熱可塑性エラストマーを含有する結着剤および着色剤からなり、200℃における貯蔵弾性率が8.0×105〜1.0×104(dyn/cm2)である静電荷像現像用トナーが開示されている。また、特開平11−52611号公報には、エチレン性二重結合の水添率が55%以上または臭素化率が10g/100g以下である水添石油樹脂からなるトナー用バインダー樹脂を含有する静電荷像現像用トナーが開示されている。しかしながら、これらのトナーは、高速で画像を形成する場合、耐久性が悪くなるという問題がある。
【0004】
特開平9−190011号公報には、熱可塑性樹脂と、着色剤と、軟化点が110℃以下の水添石油樹脂とを含有する熱溶融性芯材と、その芯材の表面に親水性樹脂からなる外殻を設けた熱圧力定着用カプセルトナーが記載されている。
しかしながら、本発明者が検討した結果、上記のトナーを用いても、高速で画像を形成する場合、定着温度を十分に低くすることができず、更に耐久性が悪くなるということが分かった。
【0005】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、低温で定着できるにもかかわらず、保存性がよく、特に異なる環境下で長期間に亘って耐久印刷を行っても、転写性が良く、印字濃度の低下やカブリの発生がない静電荷像現像用トナーを提供することにある。
【0006】
【課題を解決するための手段】
本発明者は、この目的を達成すべく鋭意研究を行った結果、特定のスチレン系熱可塑性エラストマーを着色粒子に含有させることにより、上記目的が達成されることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに至った。
かくして、本発明によれば、極性基含有スチレン系熱可塑性エラストマーを含有する着色粒子と、外添剤とからなる静電荷像現像用トナーが提供される。
【0007】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳述する。
本発明の静電荷像現像用トナーは、着色粒子と外添剤とからなる。
着色粒子は、結着樹脂、着色剤及び極性基含有スチレン系熱可塑性エラストマーを含有しており、必要に応じて、帯電制御剤、離型剤、磁性材料等を含有していてもよい。
【0008】
結着樹脂の具体例としては、ポリスチレン、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、ポリエステル樹脂、エポキシ樹脂、環化イソプレンゴム等の従来からトナーに広く用いられている樹脂を挙げることができる。結着樹脂の重量平均分子量は、特に限定されないが、通常、5,000〜50,000、好ましくは、7,000〜30,000である。
【0009】
着色剤としては、カーボンブラックやチタンホワイトなどのトナー分野で用いられている各種顔料及び染料を使用することができる。黒色着色剤としては、カーボンブラック、ニグロシンベースの染顔料類;コバルト、ニッケル、四三酸化鉄、酸化鉄マンガン、酸化鉄亜鉛、酸化鉄ニッケル等の磁性粉;等を挙げることができる。カラートナー用着色剤としては、一般に、イエロー、マゼンタ、シアンなどの各色の顔料が使用される。
こうした着色剤の量は、結着樹脂100重量部に対して、通常、0.1〜50重量部、好ましくは1〜20重量部である。
【0010】
本発明において、極性基含有スチレン系熱可塑性エラストマーは、ハードセグメントとソフトセグメントとからなり、通常、ハードセグメントはポリスチレン、ソフトセグメントはポリブタジエンまたはポリイソプレンからなるスチレン系熱可塑性エラストマーに、シアノ基、ニトロ基、アミノ基、水酸基等の極性基が結合しているものである。具体的には、極性基含有スチレン−ブタジエン−スチレンブロックポリマー、極性基含有スチレン−イソプレン−スチレンブロックポリマー、極性基含有スチレン−エチレン−ブチレン−スチレンブロックポリマー、極性基含有スチレン−エチレン−プロピレン−スチレンブロックポリマー等が例示される。
これらの極性基の中でも、水酸基を含有しているスチレン系熱可塑性エラストマーが好ましい。水酸基含有スチレン系熱可塑性エラストマーは、その水酸基価が、通常、0.1〜20mgKOH/gであり、0.3〜10mgKOH/gであると好ましい。
【0011】
この極性基含有スチレン系熱可塑性エラストマーを得る方法としては、1)公知の方法で、スチレンと、ブタジエンまたはイソプレンとを重合して得られたスチレン系熱可塑性エラストマーの重合活性末端に、それと化学反応可能な、極性基を有する化合物を添加して合成する方法、2)市販のスチレン系熱可塑性エラストマーを有機溶媒に溶解し、それに極性基を含有する化合物を触媒等と共に添加して、化学反応させて合成する方法が挙げられる。
【0012】
また、極性基含有スチレン系熱可塑性エラストマーのソフトセグメント部分が水素添加されている方が、環境安定性が高くなるので好ましい。ソフトセグメント部分の水添率は、特に限定されず、通常、70%以上、好ましくは80%以上、更に好ましくは90%以上である。
【0013】
本発明で好ましく用いられる水酸基含有スチレン系熱可塑性エラストマーの水素添加物は、上記の方法に準じて得られる水酸基含有スチレン系熱可塑性エラストマーを水素添加して合成してもよいが、市販のものを使用してもよい。市販のものとしては、例えば、セプトンHG−252、ハイブラーHG−664(クラレ社製)が挙げられる。
【0014】
極性基含有スチレン系熱可塑性エラストマーの量は、結着樹脂100重量部に対して、通常、0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部、更に好ましくは1〜10重量部である。この極性基含有スチレン系熱可塑性エラストマーは、着色粒子が後述するコアシェル型着色粒子であれば、コア層に含有することが好ましい。
【0015】
帯電制御剤としては、従来からトナーに使用されている帯電制御剤を用いることができる。帯電制御剤の中でも、結着樹脂との相溶性が高く、無色であり高速でのカラー連続印刷においても帯電性が安定したトナーを得ることができるので帯電制御樹脂が好ましい。帯電制御樹脂は、特開昭63−60458号公報、特開平3−175456号公報、特開平3−243954号公報、特開平11−15192号公報などの記載に準じて製造される4級アンモニウム(塩)基含有共重合体や、特開平1−217464号公報、特開平3−15858号公報などの記載に準じて製造されるスルホン酸(塩)基含有共重合体を用いる。
この共重合体に含有される4級アンモニウム(塩)基またはスルホン酸(塩)基を有する単量体単位は、共重合体中に0.5〜15重量%、好ましくは1〜10重量%である。含有量がこの範囲にあると、トナーの帯電量が制御し易く、カブリの発生を少なくすることができる。
【0016】
帯電制御樹脂の重量平均分子量は、通常2,000〜50,000、好ましくは4,000〜40,000、さらに好ましくは6,000〜30,000である。重量平均分子量がこの範囲にあることにより、トナーの彩度や透明性を維持することができる。
帯電制御樹脂のガラス転移温度は、通常40〜80℃、好ましくは45〜75℃、さらに好ましくは45〜70℃である。ガラス転移温度がこの範囲にあることにより、トナーの保存性と定着性をバランスよく向上させることができる。
帯電制御樹脂の量は、結着樹脂100重量部に対して、通常0.01〜20重量部、好ましくは0.1〜10重量部である。
【0017】
離型剤としては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリブチレンなどのポリオレフィンワックス類;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、ホホバなどの植物系天然ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラクタムなどの石油系ワックスおよびその変性ワックス;フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックス;ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラパルミテート、ジペンタエリスリトールヘキサミリステートなどの多官能エステル化合物;などが挙げられる。これらは1種あるいは2種以上を組み合わせて使用することができる。
【0018】
これらの離型剤のうち、合成ワックス及び多官能エステル化合物が好ましい。これらの中でも、示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、昇温時の吸熱ピーク温度が30〜150℃、好ましくは40〜100℃、更に好ましくは50〜80℃の範囲にある多官能エステル化合物が、定着時の定着−剥離性バランスが良いので好ましい。特に、分子量が1000以上であり、25℃でスチレン100重量部に対し5重量部以上溶解し、酸価が10mg/KOH以下であるものは定着温度低下に顕著な効果を示すので更に好ましい。吸熱ピーク温度は、ASTM D3418−82によって測定される値である。
離型剤の量は、結着樹脂100重量部に対して、通常0.5〜50重量部、好ましくは1〜20重量部である。
【0019】
また、磁性材料としては、例えば、マグネタイト、γ−酸化鉄、フェライト、鉄過剰型フェライト等の酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいはこれらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タングステン、バナジウムのような金属との合金およびその混合物等が挙げられる。
【0020】
着色粒子は、粒子の内部(コア層)と外部(シェル層)に異なる二つの重合体を組み合わせて得られる、所謂コアシェル型(または、「カプセル型」ともいう。)の粒子とすることができる。コアシェル型粒子では、内部(コア層)の低軟化点物質をそれより高い軟化点を有する物質で被覆することにより、定着温度の低温化と保存時の凝集防止とのバランスを取ることができるので好ましい。
コアシェル型粒子のコア層とシェル層との重量比率は特に限定されないが、通常、80/20〜99.9/0.1で使用される。
シェル層の割合を上記範囲にすることにより、トナーの保存性と低温での定着性を兼備することができる。
【0021】
コアシェル型粒子のシェル層の平均厚みは、通常、0.001〜1.0μm、好ましくは0.003〜0.5μm、より好ましくは0.005〜0.2μmであると考えられる。厚みが大きくなると定着性が低下し、小さくなると保存性が低下することがある。なお、コアシェル型のトナー粒子を形成するコア粒子はすべての表面がシェル層で覆われている必要はなく、コア粒子の表面の一部がシェル層で覆われていればよい。
【0022】
着色粒子は、体積平均粒径(dv)が通常2〜20μmであり、好ましくは3〜12μm、更に好ましくは4〜10μmである。粒径が小さいと流動性が低下して、転写性が低下したり、カスレが発生したりし、また印字濃度が低下することがあり、逆に大きいとカブリやトナー飛散が発生し、画像の解像度が低下することがある。
体積平均粒径(dv)と個数平均粒径(dp)の比である粒径分布(dv/dp)が1.0〜1.3であり、1.0〜1.2であると更に好ましい。粒径分布が大きいとカスレが発生したり、転写性、印字濃度及び解像度の低下を起こしたりすることがある。
上記の体積平均粒径及び粒径分布は、例えば、分級することによって上記範囲とすることができる。
着色粒子の体積平均粒径及び粒径分布は、例えば、マルチサイザー(ベックマン・コールター社製)などを用いて測定することができる。
【0023】
着色粒子は、粒子の絶対最大長を直径とした円の面積(Sc)を粒子の実質投影面積(Sr)で割って得られる平均球形度(Sc/Sr)が、好ましくは1〜1.3であり、より好ましくは1.0〜1.2であり、更に好ましくは1.0〜1.15である。平均球形度が1.3より大きくなると、転写性が低下することがある。
この平均球形度は、例えば、転相乳化法、溶解懸濁法及び重合法等を用いることにより容易に上記範囲に調整することができる。
ここで、平均球形度は、着色粒子の電子顕微鏡写真を撮影し、その写真を画像処理解析装置ルーゼックスIID(ニレコ社製)により、フレーム面積に対する粒子の面積率を最大2%、トータル処理粒子数を100個の条件で測定し、得られた100個の着色粒子の球形度を平均した値である。
【0024】
本発明のトナーを構成する外添剤としては、無機粒子や有機樹脂粒子が挙げられる。外添剤として添加するこれらの粒子は、トナー粒子よりも平均粒径が小さい。例えば、無機粒子としては、シリカ、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化錫、チタン酸バリウム、チタン酸ストロンチウムなどが挙げられ、有機樹脂粒子としては、メタクリル酸エステル重合体粒子、アクリル酸エステル重合体粒子、スチレン−メタクリル酸エステル共重合体粒子、スチレン−アクリル酸エステル共重合体粒子、コアがスチレン重合体で、シェルがメタクリル酸エステル重合体で形成されたコアシェル型粒子などが挙げられる。これらのうち、シリカ粒子や酸化チタン粒子が好適であり、この表面を疎水化処理した粒子が好ましく、疎水化処理されたシリカ粒子が特に好ましい。外添剤の量は、特に限定されないが、トナー100重量部に対して、通常、0.1〜6重量部である。
【0025】
本発明のトナーは、誘電体損測定器による体積固有抵抗値(log(Ω・cm))が、通常、10〜13、好ましくは10.5〜12.5のものである。体積固有抵抗値が小さいと、カブリが発生することがあり、逆に大きいと、トナー飛散、カブリ、フィルミングまたはクリーニング不良が発生することがある。
【0026】
本発明に使用することのできる着色粒子は、その製法によって特に限定されず、例えば、粉砕法、転相乳化法及び重合法によって得ることができる。また、重合法によって得られた着色粒子は更に会合させることもできる。これらの中でも、重合法により得られた着色粒子は、実質的に球状となり、極性基含有スチレン系熱可塑性エラストマーを着色粒子中に均一に分散できるので、転写性や定着性が良好となり、高解像度の画質や印刷の高速化に対応できるトナーが得られるので好ましい。
【0027】
以下、重合法による着色粒子の製造方法について説明する。
本発明のトナーを構成する着色粒子は、分散安定剤を含有する水分散媒体中に、結着樹脂成分となる重合性単量体、着色剤及び極性基含有スチレン系熱可塑性エラストマーとを含有する重合性単量体組成物を分散させ、重合開始剤を添加した後、所定温度に昇温して重合し、洗浄・脱水を行った後に乾燥することによって得られる。
【0028】
結着樹脂を得るための重合性単量体として、モノビニル単量体、架橋性単量体、マクロモノマー等を挙げることができる。この重合性単量体が重合され、結着樹脂成分となる。
モノビニル単量体としては、具体的にはスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)アクリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル、(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリル系単量体;エチレン、プロピレン、ブチレン等のモノオレフィン単量体;等が挙げられる。
モノビニル単量体は、単独で用いても、複数の単量体を組み合わせて用いても良い。これらモノビニル単量体のうち、芳香族ビニル単量体単独、芳香族ビニル単量体と(メタ)アクリル系単量体との併用などが好適に用いられる。
【0029】
モノビニル単量体と共に、架橋性単量体を用いるとホットオフセットが有効に改善される。架橋性単量体は、2個以上のビニル基を有する単量体である。具体的には、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、およびこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等のジエチレン性不飽和カルボン酸エステル;N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル等のビニル基を2個有する化合物、ペンタエリスリトールトリアリルエーテルやトリメチロールプロパントリアクリレート等のビニル基を3個以上有する化合物等を挙げることができる。これらの架橋性単量体は、単独で用いても、あるいは2種以上組み合わせて用いても良い。
使用量は、モノビニル単量体100重量部当たり、通常、10重量部以下、好ましくは、0.1〜2重量部である。
【0030】
また、モノビニル単量体と共に、マクロモノマーを用いると、保存性と低温での定着性とのバランスが良好になるので好ましい。マクロモノマーは、分子鎖の末端に重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合を有するもので、数平均分子量が、通常、1,000〜30,000のオリゴマーまたはポリマーである。
また、マクロモノマーは、前記モノビニル単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度よりも、高いガラス転移温度を有する重合体を与えるものが好ましい。
マクロモノマーの使用量は、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好適には0.03〜5重量部、さらに好適には0.05〜1重量部である。
【0031】
分散安定剤としては、例えば、硫酸バリウム、硫酸カルシウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸カルシウム等の無機塩、酸化アルミニウム、酸化チタン等の無機酸化物、水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄等の無機水酸化物;ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ゼラチン等水溶性高分子;アニオン性界面活性剤、ノニオン性界面活性剤、両性界面活性剤等を挙げることができ、これらは、単独で用いても、2種類以上を組み合わせても良い。
これらのうち、特に難水溶性の無機水酸化物のコロイドを含有する分散安定剤は、重合体粒子の粒径分布を狭くすることができ、また分散安定剤の洗浄後の残存性が少なく、画像を鮮明に再現できるので好ましい。
【0032】
分散安定剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部の割合で使用する。この割合が上記範囲にあることで、充分な重合安定性が得られ、重合凝集物の生成が抑制され、所望の粒径のトナーを得ることができるので好ましい。
【0033】
重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4’−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ジ−t−ブチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、1,1,3,3−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の過酸化物類などを例示することができる。また、これら重合開始剤と還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤を挙げることができる。
【0034】
こうした中でも特に、使用される重合性単量体に可溶な油溶性の重合開始剤を選択することが好ましく、必要に応じて水溶性の重合開始剤をこれと併用することもできる。上記重合開始剤は、重合性単量体100重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは0.3〜15重量部、更に好ましくは0.5〜10重量部用いる。
【0035】
また、重合に際して、分子量調整剤を使用することが好ましい。分子量調整剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類;四塩化炭素、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類;などを挙げることができる。これらの分子量調整剤は、重合開始前、あるいは重合途中に添加することができる。分子量調整剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いられる。
【0036】
着色粒子の好ましい製造方法としては、重合性単量体、着色剤、極性基含有スチレン系熱可塑性エラストマー、帯電制御剤及び離型剤をボールミルなどのメディア型分散機を用いて均一に混合して、重合性単量体組成物を得、分散安定剤を含有する水分散媒体中に該組成物を添加した後、攪拌して液滴を形成し、次いで重合開始剤を添加した後、高速回転する攪拌機を用いて、所望の着色粒子の粒径となるように攪拌速度及び時間を調整して、更に小さな液滴を形成する。液滴を形成するときの温度は、水分散媒体の温度は、通常10〜40℃、好ましくは20〜30℃の範囲内に調整して行う。
次に、分散して液滴が分離や沈降しない程度の攪拌を維持しながら、所定の温度に昇温して重合を開始し、一定時間重合を継続した後、反応を停止して着色粒子の水分散液を得る。その後、必要に応じて水分散液からトナー定着時に臭気の問題となる未反応の重合性単量体を除去し、更に重合時に使用した分散安定剤を着色粒子から除去するために、洗浄と脱水を繰り返し行った後、乾燥することによって、着色粒子を得る。重合性単量体組成物の重合温度は、通常、40〜100℃、好ましくは50〜90℃であり、重合時間は、1〜20時間、好ましくは2〜10時間である。また、乾燥温度は、通常、20〜60℃、好ましくは30〜50℃である。
【0037】
好ましい着色粒子であるコアシェル型着色粒子を製造する方法としては、スプレイドライ法、界面反応法、in situ重合法、相分離法などの方法が挙げられる。具体的には、粉砕法、重合法、会合法又は転相乳化法により得られた着色粒子をコア粒子として、それに、シェル層を被覆することによりコアシェル型着色粒子が得られる。この製造方法の中でも、in situ重合法や相分離法が、製造効率の点から好ましい。
【0038】
in situ重合法によるコアシェル型着色粒子の製造方法を以下に説明する。
コア粒子が分散している水系分散媒体中に、シェルを形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)と重合開始剤を添加し、重合することでコアシェル型着色粒子を得ることができる。
シェルを形成する具体的な方法としては、コア粒子を得るために行った重合反応の反応系にシェル用重合性単量体を添加して継続的に重合する方法、または別の反応系で得たコア粒子を仕込み、これにシェル用重合性単量体を添加して段階的に重合する方法などを挙げることができる。
【0039】
シェル用重合性単量体としては、スチレン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートなどのガラス転移温度が80℃を超える重合体を形成する単量体をそれぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
【0040】
シェル用重合性単量体を添加する際に、水溶性の重合開始剤を添加することがコアシェル型着色粒子を得やすくなるので好ましい。シェル用重合性単量体の添加の際に水溶性重合開始剤を添加すると、シェル用重合性単量体が移行したコア粒子の外表面近傍に水溶性重合開始剤が進入し、コア粒子表面に重合体(シェル)を形成しやすくなると考えられる。
【0041】
水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;2,2’−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、2,2’−アゾビス−(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)エチル)プロピオンアミド)等のアゾ系開始剤などを挙げることができる。水溶性重合開始剤の量は、シェル用重合性単量体100重量部に対して、通常、0.1〜50重量部、好ましくは1〜30重量部である。
【0042】
本発明のトナーは、上記した着色粒子と外添剤とを、ヘンシェルミキサーなどの混合機に入れて撹拌することによって、着色粒子の表面に外添剤を付着または一部埋め込ませて製造することができる。
【0043】
【実施例】
以下に、実施例および比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、部および%は、特に断りのない限り重量基準である。
本実施例では、以下の方法で評価した。
【0044】
1.着色粒子特性
(1)体積平均粒径と粒径分布
着色粒子の体積平均粒径(dv)及び粒径分布即ち体積平均粒径と個数平均粒径(dp)との比(dv/dp)は、マルチサイザー(ベックマン・コールター社製)により測定した。このマルチサイザーによる測定は、アパーチャー径:100μm、媒体:イソトンII、濃度10%、測定粒子個数:100000個の条件で行った。
【0045】
2.トナー特性
(1)体積固有抵抗値
トナーの体積固有抵抗値は、トナー約3gを直径5cmの錠剤成型器に入れ、約100kgの荷重を1分間かけて試験片を作製し、それを誘電体損測定器(安藤電気社製、機種名「TRS−10型」)を用い、温度30℃、周波数1kHzの条件下で測定した。
【0046】
(2)流動性
目開きが各々150μm、75μmおよび45μmの3種の篩を、この順に上から重ね、一番上の篩上に、測定するトナーを約4g精秤して載せる。次いで、この重ねた3種の篩を、粉体測定機(ホソカワミクロン社製、商品名「パウダーテスター」)を用いて、振動強度目盛4の条件で、15秒間振動した後、各篩上に残ったトナーの重量を測定する。各測定値を以下の式▲1▼、▲2▼および▲3▼に入れて、流動性の値を算出する。1サンプルにつき3回測定し、その平均値を求めた。算出式:
▲1▼a=〔(目開き150μmの篩上に残ったトナー重量(g))/精秤したトナー量(g)〕×100
▲2▼b=〔(目開き75μmの篩上に残ったトナー重量(g))/精秤したトナー量(g)〕×100×0.6
▲3▼c=〔(目開き45μmの篩上に残ったトナー重量(g))/精秤したトナー量(g)〕×100×0.2
流動性(%)=100−(a+b+c)
【0047】
(3)保存性
トナー試料を密閉可能な容器に入れて、密閉した後、該容器を温度が60℃の恒温水槽の中に沈め、6時間経過した後に取り出して、42メッシュの篩上に容器内のトナーの凝集構造を破壊しないように移す。上述した粉体測定機(で振動の強度を4.5に設定して、30秒間振動した後、篩い上に残ったトナーの重量を測定し、凝集したトナーの重量とした。この凝集したトナーの重量と試料の重量とから、トナーの保存性(重量%)を算出した。この数値が小さい方が、保存性が高い。
【0048】
3.画質評価
(1)定着温度
市販の非磁性一成分現像方式のプリンター(24枚機)を、定着ロール部の温度を変化できるように改造して、定着ロールの温度を変化させて、5℃刻みで、それぞれの温度でのトナーの定着率を測定し、温度と定着率の関係を求める定着試験を行った。
定着率は、定着ロールの温度が安定したところで、上記改造プリンターを用いて印字用紙にベタ印字を行い、印字した用紙のベタ領域について、テープ剥離操作前後の印字濃度の比率から計算した。すなわち、テープ剥離前の画像濃度をID前、テープ剥離後の画像濃度をID後として、定着率は、次式から算出した。
定着率(%)=(ID後/ID前)×100
ここで、テープ剥離操作とは、試験用紙の測定部分に前述した粘着テープを貼り、一定圧力で押圧して付着させ、その後、一定速度で紙に沿った方向に粘着テープを剥離する一連の操作である。
この定着試験において、定着率80%に該当する定着ロールの温度を、トナーの定着温度とした。
【0049】
(2)環境安定性
前述の改造プリンターを用いて、温度35℃、湿度80%のH/H環境および温度10℃、湿度20%のL/L環境の各環境下で、初期から5%濃度で連続印字を行い、1,000枚ごとに黒ベタで印字を行い、マクベス式反射濃度計で測定した印字濃度が1.3以上で、かつ、白色度計(日本電色製)で測定した感光体上の非画像部のカブリが5%以下の画質を維持できる連続印字枚数を調べ、画質の環境安定性を評価した。最終印字枚数は5,000枚である。表中、5,000以上としているものは、5,000枚でも、印字濃度が1.3以上で、かつカブリが5%以下であることを示す。
(3)耐久性
前述の改造プリンターも用いて、温度23℃、湿度50%のN/N環境下で、上記した環境安定性と同様にして、画質の耐久性を評価した。最終印字枚数は5,000枚である。表中、5,000以上としているものは、5,000枚でも、印字濃度が1.3以上で、かつカブリが5%以下であることを示す。
【0050】
(実施例1)
スチレン80.5部、n−ブチルアクリレート19.5部、ジビニルベンゼン0.5部及びポリメタクリル酸エステルマクロモノマー(東亜合成化学工業社製、商品名「AA6」)0.3部からなるコア用重合性単量体、カーボンブラック(三菱化学社製、商品名「#25B」)7部、帯電制御樹脂(藤倉化成社製、商品名「FCA−626−NS」;重量平均分子量24,000、ガラス転移温度60℃)1部、ジペンタエリスリトールヘキサミリステート10部、t−ドデシルメルカプタン1.2部、および水酸基含有スチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ社製、商品名「セプトンHG−252」)1部を室温下、ビーズミルで分散させ、コア用重合性単量体組成物を得た。
他方、イオン交換水250部に塩化マグネシウム10.2部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム6.2部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイドの分散液を調製した。
【0051】
上記により得られた水酸化マグネシウムコロイド分散液に、コア用重合性単量体組成物を投入し、液滴が安定するまで攪拌し、そこにt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製、商品名「パーブチルO」)5部を添加した後、次いで、15,000rpmで回転するエバラマイルダー(荏原製作所社製、商品名「MDN303V」)を滞留時間3秒で通過させ、通過させた分散液を、元の撹拌槽内に噴出速度0.5m/sで戻し循環させコア用重合性単量体組成物の液滴を形成した。
【0052】
上記コア用重合性単量体組成物が分散されて液滴が形成された水酸化マグネシウムコロイド分散液に四ホウ酸ナトリウム十水和物を1部添加し、攪拌翼を装着した反応器に入れ、昇温して85℃で重合を行い、重合転化率がほぼ100%に達した後、シェル用重合性単量体としてのメタクリル酸メチル1.5部及び水溶性開始剤2,2’−アゾビス−〔2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオアミド〕(和光純薬社製、商品名「VA−086」)0.2部を水20部に溶解した水溶液を重合反応器に添加して、4時間重合を継続した後、反応を停止し、コアシェル型着色粒子の水分散液を得た。
上記により得た着色粒子の水分散液を攪拌しながら、硫酸を添加しpHを4以下にして酸洗浄を行い、濾過により水を分離した。さらに洗浄と脱水を数回繰り返し行って、固形分を濾過分離した後、乾燥機にて45℃で2昼夜乾燥を行い、体積平均粒径(dv)が9.3μm、粒径分布(dv/dp)が1.11、平均球形度が1.14のコアシェル型着色粒子を得た。
【0053】
得られたコアシェル型着色粒子100部に、外添剤としてシリカ(日本アエロジル社製、商品名「RX100」)1部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて10分間、回転数1400rpmで混合し、トナーを得た。
得られたトナーの特性及び画質評価の結果を表1に示す。
【0054】
(実施例2)
実施例1において、水酸基含有スチレン系熱可塑性エラストマーの添加量を5部に変えた以外は、実施例1と同様にして着色粒子及びトナーを得た。得られた着色粒子及びトナーの特性、画質評価の結果を表1に示す。
(実施例3)
実施例2において、水酸基含有スチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ社製、商品名「セプトンHG−252」)を、他の水酸基含有スチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ社製、商品名「ハイブラーHG−664」)に変えた以外は、実施例1と同様にして着色粒子及びトナーを得た。得られた着色粒子及びトナーの特性、画質評価の結果を表1に示す。
【0055】
(比較例1)
実施例1において、水酸基含有スチレン系熱可塑性エラストマーの代わりに、極性基を含有していないスチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ社製、商品名「セプトン4033」)を使用した以外は、実施例2と同様にして着色粒子及びトナーを得た。得られた着色粒子及びトナーの特性、画質評価の結果を表1に示す。
(比較例2)
実施例1において、水酸基含有スチレン系熱可塑性エラストマーの代わりに、極性基を含有していないスチレン系熱可塑性エラストマー(クラレ社製、商品名「セプトン2007」)を使用した以外は、実施例2と同様にして着色粒子及びトナーを得た。得られた着色粒子及びトナーの特性、画質評価の結果を表1に示す。
【0056】
【表1】
【0057】
表1のトナーの評価結果から、以下のことがわかる。
本発明で規定する極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマーを使用した比較例1のトナーは、保存性、H/H環境で環境安定性及び耐久性が悪い。
同様に、本発明で規定する極性基を含有しないスチレン系熱可塑性エラストマーを使用した比較例2のトナーは、保存性が悪く、定着温度が高く、更にH/H環境で環境安定性及び耐久性も悪い。
これに対して、本発明のトナーは、低温で定着できるにもかかわらず、保存性が良く、異なる環境下でも画質の低下がなく、耐久性も高いことが分かる。
【0058】
【発明の効果】
本発明によれば、低温で定着できるにもかかわらず、保存性がよく、特に異なる環境下で長期間に亘って耐久印刷を行っても、転写性が良く、印字濃度の低下やカブリの発生がない静電荷像現像用トナーが提供される。
Claims (3)
- 極性基含有スチレン系熱可塑性エラストマーを含有する着色粒子と、外添剤とからなる静電荷像現像用トナー。
- 極性基含有スチレン系熱可塑性エラストマーの極性基が水酸基である請求項1記載の静電荷像現像用トナー。
- 着色粒子がコアシェル型着色粒子である請求項1または2記載の静電荷像現像用トナー。
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