JP2002296834A - トナー、トナーの製造方法及び画像形成方法 - Google Patents

トナー、トナーの製造方法及び画像形成方法

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JP2002296834A
JP2002296834A JP2001094562A JP2001094562A JP2002296834A JP 2002296834 A JP2002296834 A JP 2002296834A JP 2001094562 A JP2001094562 A JP 2001094562A JP 2001094562 A JP2001094562 A JP 2001094562A JP 2002296834 A JP2002296834 A JP 2002296834A
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colorant
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Fuminari Koyama
文成 小山
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 電子写真に於いて、トナー粒子中に顔料が均
一に分散していることにより、鮮明な画像を得ることの
でき、また異なる環境下に置かれても帯電性が変化しな
いトナー、トナーの製造方法及び該トナーを用いた画像
形成方法を提供する。 【解決手段】 結着樹脂、着色剤、負帯電制御樹脂及び
正帯電制御樹脂を含有し、加熱溶融して膜厚20μmに
したトナーの面積100μm×100μm中に観察され
る長径0.2μm以上の着色剤粒子数が、50個以下で
あるトナーを使用する。負または正帯電制御樹脂と着色
剤とを混合、混練して得られる負または正帯電制御樹脂
組成物と、逆極性の帯電制御樹脂若しくは帯電制御樹脂
組成物樹脂、及び重合性単量体とを混合して重合性単量
体組成物を得、それを分散安定剤を含有する水系媒体中
に添加して、懸濁あるいは乳化させた後、重合してトナ
ーを製造する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、一成分方式、二成
分方式にかかわらずに、鮮明な色調と、安定した帯電
と、優れた転写性を有する電子写真用トナー、トナーの
製造方法及び該トナーを用いた画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真法は、光導電性感光体よりなる
静電潜像担持体に、帯電、露光により静電潜像を形成
し、次いで、着色剤を含有するトナーによってこの静電
潜像を現像し、得られたトナー像を転写紙などの支持体
に転写、定着して可視画像を得る方法である。静電潜像
を現像するトナーとしては、従来、ポリスチレンなどの
結着樹脂中に着色剤(カーボンブラック、染料、顔料
等)を分散させ、1〜10μm程度に粉砕した粒子をト
ナーとして用いる粉砕トナーや、着色剤を重合性単量体
に分散、溶解させた後、水系分散媒体中で乳化あるいは
懸濁させ、重合し、必要に応じて会合させて得られる重
合トナー等が挙げられる。
【0003】電子写真法においても最近はカラー化が進
み、カラー画像形成装置に対応するカラートナーが求め
られている。カラー画像形成装置には、複数の画像形成
部を備え、各画像形成部でそれぞれ色の異なるトナー像
を形成し、イエロー、マゼンタ、シアン、ブラックなど
のカラートナー像を同一の記録媒体に順次重ね転写して
カラー印刷を行うことが知られている。粉砕トナーや重
合トナー等のいずれを使用するにしても、カラートナー
として使用されるには以下のようなことが要求される。
【0004】(1)多色重ねをするためにトナーは透明
性が高いこと。 (2)色を再現させるために分光反射特性が優れるこ
と。 (3)トナーの正または負の帯電を精密に制御するこ
と。 (4)低温定着が可能であること。 (5)カラートナーの製造が容易であること。
【0005】これらの要求に応えるために種々の検討が
行われている。例えば特開昭61−149969号公報
には、アミン含有単量体の均質重合体等の帯電強化用添
加剤と、顔料とを、クロロホルム等のハロゲン化炭化水
素中、ロールミルで混合して調製した帯電強化用添加剤
で処理された顔料を、樹脂粒子と溶融混合後、粉砕する
トナー組成物が開示されている。特開昭62−1195
49号公報には、結着樹脂を溶剤に溶解し、この溶液中
に着色剤、帯電制御剤を加え、攪拌混合後、凍結乾燥法
により溶剤を除去し、次いで得られたトナーを粉砕分級
するトナー製造方法が開示されている。特開平03−1
55568号公報には、結着樹脂と、染料及び顔料の少
なくとも1つと、有機溶剤とを混合混練し、染料あるい
は顔料のマスターバッチを製造し、このマスターバッチ
をさらに結着樹脂、及び必要に応じてその他の添加剤と
を混合、混練、粉砕分級するトナーの製造方法が開示さ
れている。また、特開平4−242752号公報には、
結着樹脂中で顔料を加熱、加圧混練して得られた樹脂分
散型顔料を、結着樹脂と溶融・混練し、分散するカラー
トナーの製造方法、及び結着樹脂中に存在する円形相当
径で0.3μm以上の顔料粒子の個数割合が0.1%以
下で分散しているカラートナーが開示されている。
【0006】しかしながらこれらの方法によっても、前
記カラートナーの種々の要求を同時に満足することは相
当に困難である。特に、安定した帯電性を有し、透明性
に優れ、かつ分光反射特性の良好なカラートナーを製造
することは困難であった。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、電子
写真に於いて、鮮明な画像を得ることのでき、異なる環
境下に置かれても帯電性が変化しないトナー、トナーの
製造方法及び該トナーを用いた画像形成方法を提供する
ことにある。特にカラートナーに適用した場合、カラー
画像の鮮明な色調の再現に必要な透明性等の分光特性に
優れ、カブリが少なく、印字濃度を高くすることがで
き、更に耐久印字性にも優れたトナー、トナーの製造方
法及び該トナーを用いた画像形成方法を提供することに
ある。
【0008】
【課題を解決するための手段】本発明者は、上記目的を
達成するために鋭意研究した結果、負または正帯電制御
樹脂と着色剤とを混合、混練した負または正帯電制御樹
脂組成物と、逆極性の帯電制御樹脂若しくは帯電制御樹
脂組成物とを組み合わせ、且つ着色粒子を特定範囲の条
件に微分散させることによって、前記目的を達成できる
ことを見いだし、本発明を完成するに到った。
【0009】かくして、本発明によれば、(1)結着樹
脂、着色剤、負帯電制御樹脂及び正帯電制御樹脂を含有
し、加熱溶融して膜厚20μmにしたトナーの面積10
0μm×100μm中に観察される長径0.2μm以上
の着色剤粒子数が、50個以下であるトナー、(2)結
着樹脂、着色剤、負帯電制御樹脂及び正帯電制御樹脂を
含有し、加熱溶融して膜厚20μmにしたトナーの面積
100μm×100μm中に観察される長径0.2μm
以上の着色剤粒子数が、50個以下である負帯電性トナ
ー、(3)結着樹脂、着色剤、負帯電制御樹脂及び正帯
電制御樹脂を含有し、加熱溶融して膜厚20μmにした
トナーの面積100μm×100μm中に観察される長
径0.2μm以上の着色剤粒子数が、50個以下である
正帯電性トナー、
【0010】(4)結着樹脂、着色剤及び帯電制御樹脂
を含有するトナーの製造方法であって、負帯電制御樹脂
と着色剤とを混合して負帯電制御樹脂組成物(A)を得
る工程、得られた負帯電制御樹脂組成物を正帯電制御樹
脂と共に結着樹脂中に包含させる工程を有するトナーの
製造方法、(5)結着樹脂、着色剤及び帯電制御樹脂を
含有するトナーの製造方法であって、正帯電制御樹脂と
着色剤とを混合して正帯電制御樹脂組成物(B)を得る
工程、得られた正帯電制御樹脂組成物を負帯電制御樹脂
と共に結着樹脂中に包含させる工程を有するトナーの製
造方法、(6)結着樹脂、着色剤及び帯電制御樹脂を含
有するトナーの製造方法であって、負帯電制御樹脂と着
色剤とを混合して負帯電制御樹脂組成物(A)を得る工
程、正帯電制御樹脂と着色剤とを混合して正帯電制御樹
脂組成物(B)を得る工程、得られた負帯電制御樹脂組
成物と正帯電制御樹脂組成物を結着樹脂中に包含させる
工程を有するトナーの製造方法、
【0011】(7)負帯電制御樹脂組成物を正帯電制御
樹脂と共に結着樹脂中に包含させる工程が、負帯電制御
樹脂組成物(A)と正帯電制御樹脂及び重合性単量体と
を混合して得られる重合性単量体組成物を、分散安定剤
を含有する水系媒体中に添加して、懸濁あるいは乳化さ
せた後、重合することである(4)記載のトナーの製造
方法、(8)正帯電制御樹脂組成物を負帯電制御樹脂と
共に結着樹脂中に包含させる工程が、負帯電制御樹脂と
正帯電制御樹脂組成物(B)及び重合性単量体とを混合
して得られる重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有
する水系媒体中に添加して、懸濁あるいは乳化させた
後、重合することである(5)記載のトナーの製造方
法、(9)負帯電制御樹脂組成物と正帯電制御樹脂組成
物を結着樹脂中に包含させる工程が、負帯電制御樹脂組
成物(A)と正帯電制御樹脂組成物(B)及び重合性単
量体とを混合して得られる重合性単量体組成物を、分散
安定剤を含有する水系媒体中に添加して、懸濁あるいは
乳化させた後、重合することである(6)記載のトナー
の製造方法、(10)静電潜像が記録された感光体表面
に(1)〜(3)記載のトナーを付着させて可視像に
し、該可視像を転写材に転写する画像形成方法、が提供
される。
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明について詳述する。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤、負帯
電制御樹脂及び正帯電制御樹脂を含有する。
【0013】結着樹脂としては、従来トナーに広く用い
られている樹脂、例えば、ポリスチレン、ポリp−クロ
ルスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレンおよびそ
の置換体の重合体;スチレン−p−クロルスチレン共重
合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−
アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチ
ル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、ス
チレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタ
クリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチ
ル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、ス
チレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビ
ニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ブタジエン共
重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マ
レイン酸エステル共重合体等のスチレン共重合体;ポリ
メチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニ
ル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ポ
リウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビニルブ
チラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、
テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族または脂環族炭
化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パ
ラフィンワックス等が挙げられ、これらは単独あるいは
混合して使用できる。
【0014】着色剤としては、カーボンブラック、オイ
ルブラック、チタンブラック、チタンホワイトの他、あ
らゆる顔料および/または染料を用いることができる。
黒色のカーボンブラックは、一次粒径が20〜40nm
であるものが好適に用いられる。20nmより小さいと
カーボンブラックの凝集してトナー中に均一に分散せ
ず、かぶりの多いトナーになることがある。一方、40
nmより大きいと、カーボンブラック製造時に生成する
ベンズピレン等の多価芳香族炭化水素化合物の量がトナ
ー中に多く残留することにより、環境安全上の問題が起
こることがある。
【0015】フルカラートナーを得る場合、通常、イエ
ロー着色剤、マゼンタ着色剤およびシアン着色剤を使用
する。イエロー着色剤としては、アゾ系顔料、縮合多環
系顔料等の化合物が用いられる。具体的にはC.I.ピ
グメントイエロー3、12、13、14、15、17、
62、65、73、83、90、93、97、120、
138、155、180および181等が挙げられる。
マゼンタ着色剤としては、アゾ系顔料、縮合多環系顔料
等の化合物が用いられる。具体的にはC.I.ピグメン
トレッド48、57、58、60、63、64、68、
81、83、87、88、89、90、112、11
4、122、123、144、146、149、16
3、170、184、185、187、202、20
6、207、209、251、C.I.ピグメントバイ
オレット19等が挙げられる。シアン着色剤としては、
銅フタロシアニン化合物およびその誘導体、アントラキ
ノン化合物等が利用できる。具体的にはC.I.ピグメ
ントブルー2、3、6、15、15:1、15:2、1
5:3、15:4、16、17、および60等が挙げら
れる。こうした着色剤の使用量は、結着樹脂100重量
部に対して1〜10重量部である。
【0016】負帯電制御樹脂は、市販のものを使用でき
るが、特開昭63−88564号公報、特開平1−21
7466号公報、特開平4−362656号公報等に開
示されているもの及びこれらの公報の記載に準じて合成
したものを使用することもできる。そのような樹脂とし
て、重合体の側鎖に、カルボキシル基またはその塩、
フェノール基またはその塩、チオフェノール基また
はその塩及びスルホン酸基またはその塩から選ばれる
置換基を有する樹脂等が挙げられる。重合体の側鎖に含
有される置換基から形成される塩としては、亜鉛、マグ
ネシウム、アルミニウム、ナトリウム、カルシウム、ク
ロム、鉄、マンガン、コバルト等の金属との塩およびア
ンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、イミダゾリウ
ムイオン等の有機塩基との塩が挙げられる。これらの中
でも、重合体の側鎖にスルホン酸基及びその塩を有する
ものが好ましく、ビニル単量体単位を有する重合体鎖の
側鎖にスルホン酸基及びその塩を有するものがより好ま
しい。具体的には、スルホン酸基またはその塩を含有す
るモノビニル単量体とこれと共重合可能な他のモノビニ
ル単量体を共重合する。共重合可能な他のモノビニル単
量体としては、エチレン性不飽和カルボン酸エステル単
量体、芳香族ビニル単量体、エチレン性不飽和ニトリル
単量体等が挙げられる。
【0017】スルホン酸基またはその塩を含有するモノ
ビニル単量体としては、スチレンスルホン酸、スチレン
スルホン酸ナトリウム、スチレンスルホン酸カリウム、
2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、
ビニルスルホン酸ナトリウム、メタリルスルホン酸アン
モニウム等が挙げられる。エチレン性不飽和カルボン酸
エステル単量体としては、例えば、(メタ)アクリル酸
メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル
酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アク
リル酸−2−エチルヘキシル、等が挙げられる。芳香族
ビニル単量体としては、例えば、スチレン、メチルスチ
レン、ビニルトルエン、クロロスチレン、ヒドロキシメ
チルスチレン等を挙げられる。エチレン性不飽和ニトリ
ル単量体としては、例えば、(メタ)アクリロニトリ
ル、フマロニトリル、α−クロロアクリロニトリル、α
−シアノエチルアクリロニトリル等が挙げられる。
【0018】スルホン酸基またはその塩を含有するモノ
ビニル単量体単位の量は、負帯電制御樹脂中に、通常
0.5〜15重量%、好ましくは1〜10重量%であ
る。この量が少ないと、着色剤の分散を十分に行うこと
ができずに彩度、透明性が低下するようになり、逆に多
いと、高温高湿下での帯電量の低下が大きく、カブリが
発生することがある。
【0019】負帯電制御樹脂の重量平均分子量は、通常
2000〜30000、好ましくは4000〜2500
0、さらに好ましくは6000〜20000である。こ
れよりも小さいと混練時の粘度が低くなり、着色剤の分
散を十分に行うことができずに彩度、透明性が低下する
ことがあり、逆に高いと粘度が高くなり過ぎて、分散を
十分に行うことができずに彩度、透明性が低下すること
がある。また、ガラス転移温度は、通常40〜80℃、
好ましくは45〜75℃、さらに好ましくは45〜70
℃である。これよりも低いとトナーの保存性が悪くな
り、逆に高いと定着性が低下することがある。
【0020】正帯電制御樹脂は、市販のものを使用でき
るが、特開昭61−172155号公報、特開昭63−
60458号公報等に開示されているもの及びこれらの
公報の記載に準じて合成したものを使用することもでき
る。そのような樹脂として、具体的には、−NH、−
NHCH、−N(CH、−NHC、−
N(C、−NHCOH等のアミノ基
を含有する樹脂、及びそれらがアンモニウム塩化された
官能基を含有する樹脂が挙げられる。上記の樹脂は、
アミノ基を含有するモノビニル単量体とそれと共重合可
能なモノビニル単量体を共重合することによって、
で得られた共重合体をアンモニウム塩化することによっ
て、アンモニウム塩基を含有するモノビニル単量体と
それと共重合可能なモノビニル単量体とを共重合するこ
と等によって得ることができる。アミノ基を含有するモ
ノビニル単量体として、具体的には、(メタ)アクリル
アミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N,N−
ジメチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)
アクリルアミド等の(メタ)アクリルアミド系単量体;
(メタ)アクリル酸3−(ジメチルアミノ)プロピル等
の(メタ)アクリル酸系誘導体;アリルアミン;2−ア
ミノスチレン、4−アミノスチレン等のスチレン系誘導
体;等が挙げられる。アンモニウム化剤としては、通常
使用されている、沃化メチル、沃化エチル、臭化メチ
ル、臭化エチル等のハロゲン化アルキル;パラトルエン
スルホン酸メチル、パラトルエンスルホン酸エチル、パ
ラトルエンスルホン酸プロピル等のパラトルエンスルホ
ン酸アルキルエステル;等を使用することができる。
【0021】アミノ基及びアンモニウム塩基等の官能基
を有するモノビニル単量体単位の量は、正帯電制御樹脂
中に、通常0.5〜15重量%、好ましくは1〜10重
量%である。この量が少ないと、着色剤の分散を十分に
行うことができずに彩度、透明性が低下するようにな
り、逆に多いと、高温高湿下での帯電量の低下が大き
く、カブリが発生することがある。
【0022】正帯電制御樹脂の重量平均分子量は、通常
2000〜30000、好ましくは4000〜2500
0、さらに好ましくは6000〜20000である。こ
れよりも小さいと混練時の粘度が低くなり、着色剤の分
散を十分に行うことができずに彩度、透明性が低下する
ことがあり、逆に高いと粘度が高くなり過ぎて、分散を
十分に行うことができずに彩度、透明性が低下すること
がある。また、ガラス転移温度は、通常40〜100
℃、好ましくは45〜80℃、さらに好ましくは45〜
70℃である。これよりも低いとトナーの保存性が悪く
なり、逆に高いと定着性が低下することがある。
【0023】これらの正及び負帯電制御樹脂は、その合
計で結着樹脂100重量部に対して、通常0.01〜3
0重量部、好ましくは0.3〜25重量部であり、多く
の場合、1〜20重量部程度で良好な結果を得ることが
できる。
【0024】また、本発明のトナーには、離型剤、磁性
材料等を含有することができる。離型剤としては、例え
ば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、
低分子量ポリブチレンなどの低分子量ポリオレフィンワ
ックス類や分子末端酸化低分子量ポリプロピレン、分子
末端をエポキシ基に置換した低分子量末端変性ポリプロ
ピレンおよびこれらと低分子量ポリエチレンのブロック
ポリマー、分子末端酸化低分子量ポリエチレン、分子末
端をエポキシ基に置換した低分子量ポリエチレンおよび
これらと低分子量ポリプロピレンのブロックポリマーな
どの末端変性ポリオレフィンワックス類;キャンデリ
ラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、ホホバなどの植物系
天然ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペ
トロラクタムなどの石油系ワックスおよびその変性ワッ
クス;モンタン、セレシン、オゾケライト等の鉱物系ワ
ックス;フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワ
ックス;ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペ
ンタエリスリトールテトラパルミテート、ジペンタエリ
スリトールヘキサミリステートなどの多官能エステル化
合物などが挙げられる。これらは1種あるいは2種以上
を組み合わせて使用することができる。
【0025】これらのうち、合成ワックス(特にフィッ
シャートロプシュワックス)、末端変性ポリオレフィン
ワックス類、石油系ワックス、多官能エステル化合物な
どが好ましい。多官能エステル化合物のなかでも示差走
査熱量計により測定されるDSC曲線において、昇温時
の吸熱ピーク温度が30〜200℃、好ましくは40〜
160℃、更に好ましくは50〜120℃の範囲にある
ペンタエリスリトール多価エステルや、同吸熱ピーク温
度が50〜80℃の範囲にあるジペンタエリスリトール
多価エステルなどの多官能エステル化合物が、トナーと
しての定着−剥離性バランスの面で特に好ましく、その
中でも、分子量が1000以上であり、スチレン100
重量部に対し25℃で5重量部以上溶解し、酸価が10
mg/KOH以下のものは定着温度低下に顕著な効果を
示すので更に好ましい。吸熱ピーク温度は、ASTM
D3418−82によって測定された値である。上記離
型剤は、結着樹脂100重量部に対して、通常0.5〜
50重量部、好ましくは1〜20重量部を用いる。
【0026】磁性材料としては、例えば、マグネタイ
ト、γ−酸化鉄、フェライト、鉄過剰型フェライト等の
酸化鉄;鉄、コバルト、ニッケルのような金属あるいは
これらの金属とアルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグ
ネシウム、錫、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマ
ス、カドミウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタ
ン、タングステン、バナジウムのような金属との合金お
よびその混合物等が挙げられる。
【0027】本発明のトナーは、加熱溶融して膜厚20
μmにしたトナーの面積100μm×100μm中に観
察される長径0.2μm以上の着色剤粒子数が、50個
以下、好ましくは30個以下、さらに好ましくは20個
以下である。この数が多いとカラー画像の鮮明な色調の
再現に必要な透明性等の分光特性が悪くなり、カブリが
多くなり、印字濃度が低くなることがある。分光特性
は、市販のプリンターで色別にベタの印字を行い、その
色調を分光色差計で測定する。
【0028】本発明のトナーの体積平均粒径(dv)は
特に限定されないが、通常2〜10μm、好ましくは2
〜9μm、より好ましくは3〜8μmである。また、体
積平均粒径(dv)/個数平均粒径(dp)も特に限定
されないが、通常1.7以下、好ましくは1.5以下、
より好ましくは1.3以下である。
【0029】本発明のトナーは、その長径rlと短径r
sとの比(rl/rs)が、通常、1〜1.2、好まし
くは1〜1.1のものである。この比が大きくなると、
感光体上のトナー画像を紙等の転写材に転写する転写性
が低下し、また、画像形成装置のトナー収納部に該トナ
ーを納めたときにトナー同志の摩擦が大きくなるので外
添剤が剥離したりして、耐久性が低下する傾向になる。
【0030】本発明のトナーは、ブローオフ帯電量が、
負帯電性トナーの場合、通常−40〜−120μc/gで
あり、好ましくは−60〜−100μc/gである。これ
が−40μc/gより小さいとカブリが発生することがあ
り、逆に−120μc/gより大きいと流動性が低下して
カスレが発生することがある。また、正帯電性トナーの
場合、通常+20〜+100μc/gであり、好ましくは
+40〜+80μc/gである。これが+20μc/gより
小さいとカブリが発生することがあり、逆に+100μ
c/gより大きいと流動性が低下してカスレが発生するこ
とがある。ここで、トナーが負帯電性となるか、または
正帯電性となるかは、トナー中に含有される負及び正帯
電制御樹脂のモル当量数の割合で決まる。負帯電性トナ
ーを得る場合には、負帯電制御樹脂中(組成物中に含有
される場合を含む)の負帯電性をもたらす官能基(例え
ば、スルホン酸基)のモル当量数を、正帯電制御樹脂中
(組成物中に含有される場合を含む)の正帯電性をもた
らす官能基(例えば、第4級アンモニウム塩基)のモル
当量数より多くなるように、各帯電制御樹脂の使用割合
を調整する。正帯電性トナーを得る場合には、正帯電制
御樹脂中の正帯電性をもたらす官能基のモル当量数が、
負帯電制御樹脂中の負帯電性をもたらす官能基のモル当
量数より多くなるように、各帯電制御樹脂の使用割合を
調整する。
【0031】本発明のトナーは、誘電体損測定器による
体積固有抵抗値が、通常11.0〜12.0(log
(Ω・cm))、好ましくは11.2〜11.8(lo
g(Ω・cm))である。体積固有抵抗値が小さいとカ
ブリが発生することがあり、逆に大きいと帯電性を制御
できなくなることがある。また、本発明のトナーは、フ
ローテスターによる軟化温度(以下、Tsということが
ある。)が、通常、50〜80℃、好ましくは60〜7
0℃であり、流動開始温度(以下、Tfbということが
ある。)が、通常90〜150℃、好ましくは100〜
130℃である。軟化温度が低いと保存性が低下するこ
とがあり、逆に高いと定着性が低下することがある。流
動開始温度が低いとホットオフセット耐性が低下するこ
とがあり、逆に高いと定着性が低下することがある。示
差走査熱量計(以下、DSCということがある。)によ
るガラス転移温度は、通常0〜80℃、好ましくは40
〜60℃である。ガラス転移温度が低いと保存性が低下
することがあり、逆に高いと定着性が低下することがあ
る。
【0032】トナー粒子は、粒子の内部(コア層)と外
部(シェル層)に異なる二つの重合体を組み合わせて得
られる、所謂コアシェル型(カプセル型ともいう)の粒
子であってもよい。コアシェル型トナーでは、内部(コ
ア層)の低軟化点物質をそれより高い軟化点を有する物
質で内包化することにより、定着温度の低温化と保存時
の凝集防止とのバランスを取ることができるので好まし
い。コアシェル型トナーを得るための方法としては、ス
プレイドライ法、界面反応法、in situ重合法、
相分離法などの方法を採用することができる。特にin
situ重合法や相分離法は、製造効率がよいので好
ましい。また、コアシェル型トナーのコア粒子は、粉砕
法により得られたものであっても、重合法、会合法又は
転相乳化法により得られたものであっても良い。
【0033】コアシェル型粒子のコア層を構成する重合
体のガラス転移温度は、通常0〜80℃、好ましくは4
0〜60℃である。ガラス転移温度が高すぎると定着温
度が高くなりことがあり、逆に低すぎると、保存性が低
下することがある。
【0034】コアシェル型粒子のシェル層を構成する重
合体のガラス転移温度は、コア層を構成するる重合体の
ガラス転移温度よりも高くなるように設定する必要があ
る。シェル層を構成する重合体のガラス転移温度は、重
合トナーの保存性を向上させるために、通常50〜13
0℃、好ましくは60〜120℃、より好ましくは80
〜110℃である。これより低いと保存性が低下するこ
とがあり、逆に高いと定着性が低下することがある。コ
ア相を構成する重合体のガラス転移温度とシェル層を構
成する重合体のガラス転移温度の差は、通常10℃以
上、好ましくは20℃以上、より好ましくは30℃以上
である。この差より小さいと保存性と定着性のバランス
が低下することがある。
【0035】コアシェル型トナーの場合、コア粒子の体
積平均粒径は特に限定されないが、通常2〜10μm、
好ましくは2〜9μm、より好ましくは3〜8μmであ
る。また、体積平均粒径(dv)/個数平均粒径(d
p)も特に限定されないが、通常1.7以下、好ましく
は1.5以下、より好ましくは1.3以下である。
【0036】コアシェル型トナーのコア層とシェル層と
の重量比率は特に限定されないが、通常80/20〜9
9.9/0.1で使用される。シェル層の割合が上記割
合より小さいと保存性が悪くなり、逆に、上記割合より
大きいと低温で定着し難くなることがある。
【0037】コアシェル型トナーのシェル層の平均厚み
は、通常0.001〜1μm、好ましくは0.003〜
0.5μm、より好ましくは0.005〜0.2μmで
ある。厚みが大きくなると定着性が低下し、小さくなる
と保存性が低下する恐れがある。なお、コアシェル型の
着色粒子を形成するコア粒子はすべての表面がシェル層
で覆われている必要はい。コアシェル型トナーのコア粒
子径およびシェル層の厚みは、電子顕微鏡により観察で
きる場合は、その観察写真から無作為に選択した粒子の
大きさおよびシェル厚みを直接測ることにより測定する
ことができ、電子顕微鏡でコア層とシェル層とを観察す
ることが困難な場合は、コア粒子の粒径及び着色粒子製
造時に用いたシェル層を形成する単量体の量から算定す
ることができる。
【0038】本発明のトナーは、トナー粒子の表面に外
添剤が付着されていてもよい。外添剤としては、無機粒
子、有機樹脂粒子、好ましくは無機粒子と有機樹脂粒子
の併用、無機粒子の中でも更に好ましくはシリカ粒子、
酸化チタン粒子が挙げられ、更に好ましくは前記無機粒
子が疎水化処理されたものが挙げられる。外添剤の量
は、特に限定されないが、トナー粒子100重量部に対
して、合計量で通常0.1〜6部である。外添剤をトナ
ー粒子に付着させるには、通常、外添剤と前記重合体粒
子とをヘンシェルミキサーなどの混合器に仕込み、撹拌
して行う。
【0039】本発明のトナーは、その製法によって限定
されない。例えば、結着樹脂成分となる熱可塑性樹脂
中に、着色剤、負及び正帯電制御樹脂、離型剤等を溶融
混合して均一に分散させて組成物とした後、該組成物を
粉砕、分級することによりトナーを得る粉砕法、結着
樹脂原料である重合性単量体中に着色剤、負及び正帯電
制御樹脂、離型剤等を溶解あるいは分散させ、重合開始
剤を添加後、分散安定剤を含有する水系分散媒体中に懸
濁させ、所定温度まで加温して重合を開始し、重合終了
後に濾過、洗浄、脱水、乾燥することによりトナーを得
る重合法、乳化重合や懸濁重合により得た結着樹脂の
粒子と、着色剤並びに負及び正帯電制御樹脂を含有して
なる粒子とを、会合させた粒子を、濾過、乾燥すること
によりトナーを得る会合法、親水性基含有樹脂を結着
樹脂とし、それに着色剤、負及び正帯電制御樹脂等を添
加して有機溶媒に溶解させた後、該樹脂を中和して転
相、その後乾燥することによりトナーを得る転相乳化法
等により製造することができるが、ドット再現性の良好
な画質を与えるトナーを得る観点から、重合法により得
られたトナーを使用することが好ましい。
【0040】本発明のトナーの製造方法では、i)負帯
電制御樹脂組成物と正帯電制御樹脂とを組み合わせたも
の、ii)正帯電制御樹脂組成物と負帯電制御樹脂とを
組み合わせたもの、又はiii)負帯電制御樹脂組成物
と正帯電制御樹脂組成物とを組み合わせたもののいずれ
かを結着樹脂中に包含させる。特に、iii)の負帯電
制御樹脂組成物と正帯電制御樹脂組成物とを組み合わせ
たものは、顔料を均一に分散できることから好ましい。
【0041】本発明で使用する負及び/または正帯電制
御樹脂組成物は、それぞれ負または正帯電制御樹脂と着
色剤とを混合することにより得られる。着色剤の使用量
は、帯電制御樹脂100重量部に対して、通常10〜2
00重量部、好ましくは20〜150重量部である。
【0042】
本発明に使用する負及び/または正帯電制御樹
脂組成物の製造には、必要に応じて有機溶剤を用いる。
有機溶剤を用いる場合は、それぞれ負または正帯電制御
樹脂を溶解又は膨潤させて混練することができるが、有
機溶剤を用いない場合は、樹脂が柔らかくなる程度の温
度まで、加温して混練する必要がある。また、有機溶剤
を用いる時、特に有機溶剤の沸点が低い場合には、加温
すると有機溶剤が蒸発することがあるので、室温で、あ
るいは冷却して行なう方が好ましい。尚、トナー中に有
機溶剤が残存していると臭気の問題が発生することがあ
るので、有機溶剤は、帯電制御樹脂組成物の製造時又は
トナーの製造時のいずれかで除去されることが好まし
い。有機溶剤の量は、帯電制御樹脂100重量部に対し
て0〜100重量部、好ましくは5〜80重量部、さら
に好ましくは10〜60重量部であり、この範囲にある
と分散性と加工性のバランスが優れている。また、この
時、有機溶剤は、一度に全量を添加しても、あるいは混
練状態を確認しながら、何回かに分割して添加しても良
い。
【0043】有機溶剤を用いる場合は、その溶解度係数
(以下、SP値という。)が8〜15[cal/c
1/2であり、沸点が50〜150℃の範囲のも
のが好ましい。SP値が8[cal/cm1/2
り小さいと極性が小さくなって帯電制御樹脂を溶解させ
ることができないことがあり、また逆にSP値が15
[cal/cm1/2より大きいと極性が高くなっ
て帯電制御樹脂を溶解させることができないことがあ
る。一方、沸点が50℃より低いと混練により発生する
熱で有機溶剤が蒸発することがあり、逆に150℃より
高いと混練後、有機溶剤を除去することが困難になるこ
とがある。有機溶剤としては、具体的に(SP値/沸
点)、メタノール(14.5/65℃)、エタノール
(10.0/78.3℃)、プロパノール(11.9/
97.2℃)、ジエチルケトン(8.8/102℃)、
ジ−n−プロピルケトン(8.0/144℃)、ジ−i
so−プロピルケトン(8.0/124℃)、メチル−
n−プロピルケトン(8.3/102℃)、メチル−
iso−プロピルケトン(8.5/95℃)、メチル−
n−ブチルケトン(8.5/127℃)、メチル− i
so−ブチルケトン(8.4/117℃)、トルエン
(8.9/110℃)、テトラヒドロフラン(9.1/
65℃)、メチルエチルケトン(9.3/80℃)、ア
セトン(9.9/56℃)、シクロヘキサノン(9.9
/156℃)などが挙げられ、これらは単独で用いて
も、2種以上を混合しても用いても良い。この中でも帯
電制御樹脂への溶解性、混練後の除去を考慮して、ジエ
チルケトン、メチル−n−プロピルケトン、メチル−n
−ブチルケトン、トルエン/メタノール混合溶媒、トル
エン/エタノール混合溶媒、トルエン/プロパノール混
合溶媒、メチルエチルケトン/メタノール混合溶媒が好
ましい。
【0044】混練は、ロール、プラスチコーダー(ブラ
ベンダー社製)、ラボプラストミル(東洋精機社製)、
ニーダー、一軸押出機、二軸押出機、バンバリー、ブス
・コニーダー等を用いて行うことができる。有機溶剤を
用いる場合は、臭気、毒性の問題が有るので、有機溶剤
が漏れない密閉系の混練機が好ましい。また、混練機に
はトルクメーターが設置されていることが、トルクのレ
ベルで分散性を管理することができるので好ましい。
【0045】本発明に使用する負または正帯電制御樹脂
組成物は、該組成物に有機溶剤を添加して、5%の樹脂
溶液とした後、塗布、乾燥して得られる膜厚30μmの
フィルムの単位面積100μm×100μm中に観察さ
れる長径0.2μm以上の着色剤粒子数が、通常20個
以下、好ましくは10個以下、さらに好ましくは5個以
下である。この数が多いとカラー画像の鮮明な色調の再
現に必要な透明性等の分光特性に悪くなり、カブリが多
くなり、印字濃度が低くなることがある。分光特性は、
市販のプリンターで色別にベタの印字を行い、その色調
を分光色差計で測定する。
【0046】本発明の製造方法では、i)負帯電制御樹
脂組成物と正帯電制御樹脂とを組み合わせたもの、i
i)正帯電制御樹脂組成物と負帯電制御樹脂とを組み合
わせたもの、又はiii)負帯電制御樹脂組成物と正帯
電制御樹脂組成物を組み合わせたもののいずれかを包含
させることによって行なわれるが、その組み合わせ割合
は、トナーを負帯電性のトナーとするか、あるいは正帯
電性のトナーにするかによって異なる。負帯電性トナー
を得る場合には、負帯電制御樹脂中(組成物中に含有さ
れる場合を含む)の負帯電性をもたらす官能基(例え
ば、スルホン酸基)のモル当量数が、正帯電制御樹脂中
(組成物中に含有される場合を含む)の正帯電性をもた
らす官能基(例えば、第4級アンモニウム塩基)のモル
当量数より多くなるように、各帯電制御樹脂の組み合わ
せ割合を調整する。正帯電性トナーを得る場合には、正
帯電制御樹脂中の正帯電性をもたらす官能基のモル当量
数が、負帯電制御樹脂中の負帯電性をもたらす官能基の
モル当量数より多くなるように、各帯電制御樹脂の組み
合わせ割合を調整する。
【0047】工業的な規模でトナーを製造する場合に
は、負及び正帯電制御樹脂の間での官能基比を調整する
方法が簡単である。官能基比は、「帯電制御樹脂中の官
能基を有する構造単位の重量%とトナー中の該帯電制御
樹脂量との積を帯電制御樹脂中の官能基を有する構造単
位の分子量で除したもの」の比として算出することがで
きる。より具体的には、(負帯電制御樹脂中の官能基を
有する構造単位の重量%)×(トナー中の負帯電制御樹
脂量)/(負帯電制御樹脂中の官能基を有する構造単位
の分子量)=Aとし、(正帯電制御樹脂中の官能基を有
する構造単位の重量%)×(トナー中の正帯電制御樹脂
量)/(正帯電制御樹脂中の官能基を有する構造単位の
分子量)=Bとすると、官能基比は、A:Bで算出する
ことができる。各帯電制御樹脂中の官能基を有する構造
単位の重量%は、帯電制御樹脂の製造に用いる官能基を
有する単量体の量から推定することができる。また、ト
ナー中の各帯電制御樹脂量は、トナー中の結着樹脂(重
合性単量体)100重量部に対する該帯電制御樹脂の重
量部から算出することができる。
【0048】負帯電トナーを得る場合には、官能基比
(A:B)が通常1:0.005〜1:0.9、好まし
くは1:0.01〜1:0.8、より好ましくは1:
0.05〜1:0.7となるように、各帯電制御樹脂の
使用割合を決定する。正帯電トナーを得る場合には、官
能基比(B:A)が通常1:0.005〜1:0.9、
好ましくは1:0.01〜1:0.8、より好ましくは
1:0.05〜1:0.7となるように、各帯電制御樹
脂の使用割合を決定する。この官能基比において、一方
の比率が小さすぎると、連続印字をした場合、帯電制御
能力が不十分で、印字耐久性や印字濃度が低下する、カ
ブリが発生するなどの不具合を生じることがある。一方
の比率が大きすぎると、帯電性が不十分となり、カブリ
などの問題を生じることがある。
【0049】本発明では、負帯電制御樹脂と正帯電制御
樹脂とを併用することにより、望ましくは前記官能基比
で併用することにより、粒径分布がシャープで、流動性
と保存性に優れ、低温低湿下及び高温高湿下のいずれの
環境においても帯電性があまり変化せず、さらには、連
続印字を行っても画質の低下やカブリの発生が抑制され
るトナーを得ることができる。
【0050】負帯電制御樹脂及び正帯電制御樹脂の合計
の使用割合は、結着樹脂または結着樹脂を得るために使
用する重合性単量体100重量部に対して、通常0.0
1〜30重量部、好ましくは0.3〜25重量部であ
り、多くの場合、1〜20重量部程度で良好な結果を得
ることができる。
【0051】負帯電制御樹脂及び正帯電制御樹脂を包含
させる方法としては、結着樹脂に前述したi)〜ii
i)のいずれかと、及び必要に応じてその他の添加剤等
を溶融混練した後、冷却後所望の粒径分布となるように
粉砕・分級する粉砕法;適当な水系媒体中で、結着樹脂
の原料となる重合性単量体、前述したi)〜iii)の
いずれか、及び必要に応じてその他の添加剤とを含む重
合性単量体組成物を重合する重合法等が挙げられる。重
合法においては、重合性単量体組成物の重合を、乳化重
合、懸濁重合、析出重合、ソープフリー重合のいずれで
も行なうことができるが、着色剤を均一に含有させ、帯
電性、転写性を向上させることができる点から、懸濁重
合法が好ましい。
【0052】結着樹脂を得るための重合性単量体とし
て、モノビニル単量体、架橋性単量体、マクロモノマー
等を挙げることができる。この重合性単量体が重合さ
れ、重合体粒子中の結着樹脂成分となる。モノビニル単
量体としては、具体的にはスチレン、ビニルトルエン、
α−メチルスチレン等の芳香族ビニル単量体;(メタ)
アクリル酸;(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アク
リル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)
アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸2−エチルヘキ
シル、(メタ)アクリル酸シクロヘキシル、(メタ)ア
クリル酸イソボニル、(メタ)アクリル酸ジメチルアミ
ノエチル、(メタ)アクリルアミド等の(メタ)アクリ
ル酸の誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン等のモ
ノオレフィン単量体;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル
等のビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエ
チルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケト
ン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン;2
−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピ
ロリドン等の含窒素ビニル化合物;等が挙げられる。モ
ノビニル単量体は、単独で用いても、複数の単量体を組
み合わせて用いても良い。これらモノビニル単量体のう
ち、芳香族ビニル単量体単独、芳香族ビニル単量体と
(メタ)アクリル酸の誘導体との併用などが好適に用い
られる。
【0053】モノビニル単量体と共に、架橋性単量体及
び重合体を用いるとホットオフセット改善に有効であ
る。架橋性単量体は、重合可能な炭素−炭素不飽和二重
結合を2以上有する単量体である。具体的には、ジビニ
ルベンゼン、ジビニルナフタレン、およびこれらの誘導
体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメ
タクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート
等のジエチレン性不飽和カルボン酸エステル;N,N−
ジビニルアニリン、ジビニルエーテル等のビニル基を2
個有する化合物、ペンタエリスリトールトリアリルエー
テルやトリメチロールプロパントリアクリレート等のビ
ニル基を3個以上有する化合物等を挙げることができ
る。架橋性重合体は、重合体中に2個以上のビニル基を
有する重合体のことであり、具体的には、分子内に2個
以上の水酸基を有するポリエチレン、ポリプロピレン、
ポリエステル及びポリエチレングリコール等の重合体
と、アクリル酸やメタクリル酸等の不飽和カルボン酸単
量体を縮合反応することにより得られるエステルを挙げ
ることができる。これらの架橋性単量体及び架橋性重合
体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて
用いることができる。使用量は、モノビニル単量体10
0重量部当たり、通常10重量部以下、好ましくは、
0.1〜2重量部である。
【0054】また、モノビニル単量体と共に、マクロモ
ノマーを用いると、保存性と低温定着性とのバランスが
良好になるので好ましい。マクロモノマーは、分子鎖の
末端にビニル重合性官能基を有するもので、数平均分子
量が、通常、1,000〜30,000のオリゴマーま
たはポリマーである。数平均分子量が小さいものを用い
ると、重合体粒子の表面部分が柔らかくなり、保存性が
低下するようになる。逆に数平均分子量が大きいものを
用いると、マクロモノマーの溶融性が悪くなり、定着性
および保存性が低下するようになる。マクロモノマー分
子鎖の末端に有るビニル重合性官能基としては、アクリ
ロイル基、メタクリロイル基などを挙げることができ、
共重合のしやすさの観点からメタクリロイル基が好まし
い。
【0055】マクロモノマーは、前記モノビニル単量体
を重合して得られる重合体のガラス転移温度よりも高い
ガラス転移温度を有するものが好ましい。本発明に用い
るマクロモノマーの具体例としては、スチレン、スチレ
ン誘導体、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステ
ル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を単独で
または2種以上を重合して得られる重合体、ポリシロキ
サン骨格を有するマクロモノマーなどを挙げることがで
きるが、その中でも、親水性のもの、特にメタクリル酸
エステルまたはアクリル酸エステルを単独でまたはこれ
らを組み合わせて重合して得られる重合体が好ましい。
マクロモノマーを使用する場合、その量は、モノビニル
単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重
量部、好適には0.03〜5重量部、さらに好適には
0.05〜1重量部である。マクロモノマーの量が少な
いと、保存性が向上しない。マクロモノマーの量が極端
に多くなると定着性が低下するようになる。
【0056】分散安定剤としては、例えば、硫酸バリウ
ム、硫酸カルシウムなどの硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩;リン酸カ
ルシウムなどのリン酸塩;酸化アルミニウム、酸化チタ
ン等の金属酸化物;などの金属化合物や、水酸化アルミ
ニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄等の金属水
酸化物;ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ゼ
ラチン等水溶性高分子;アニオン性界面活性剤、ノニオ
ン性界面活性剤、両性界面活性剤等を挙げることがで
き、これらは、単独で用いても、2種類以上を組み合わ
せても良い。これらのうち、金属化合物、特に難水溶性
の金属水酸化物のコロイドを含有する分散安定剤は、重
合体粒子の粒径分布を狭くすることができ、また分散安
定剤の洗浄後の残存性が少なく、画像を鮮明に再現でき
るので好ましい。
【0057】難水溶性金属水酸化物のコロイドを含有す
る分散安定剤は、その製法による制限はないが、水溶性
多価金属化合物の水溶液のpHを7以上に調整すること
によって得られる難水溶性の金属水酸化物のコロイド、
特に水溶性多価金属化合物と水酸化アルカリ金属との水
相中の反応により生成する難水溶性の金属水酸物のコロ
イドを用いることが好ましい。
【0058】難水溶性金属水酸化物のコロイドは、個数
粒径分布D50(個数粒径分布の50%累積値)が0.
5μm以下で、D90(個数粒径分布の90%累積値)
が1μm以下であることが好ましい。コロイドの粒径が
大きくなると重合の安定性が崩れ、またトナーの保存性
が低下する
【0059】分散安定剤は、重合性単量体100重量部
に対して、通常、0.1〜20重量部の割合で使用す
る。この割合が0.1重量部より少ないと、充分な重合
安定性を得ることが困難であり、重合凝集物が生成し易
くなる。逆に、20重量部を超えると、重合後のトナー
粒径が細かくなり過ぎ、実用的でない。
【0060】重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過
硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4’−アゾビス
(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾビス(2
−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンア
ミド、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジ
ヒドロクロライド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメ
チルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロ
ニトリル等のアゾ化合物;ジ−t−ブチルパーオキシ
ド、ジクミルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、
ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−
エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−
エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレー
ト、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−
t−ブチルパーオキシイソフタレート、1,1’,3,
3’−テトラメチルブチルパーオキシ−2−エチルヘキ
サノエート、t−ブチルパーオキシイソブチレート等の
過酸化物類などを例示することができる。また、これら
重合開始剤と還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤
を挙げることができる。
【0061】こうした中でも特に、使用される重合性単
量体に可溶な油溶性の重合開始剤を選択することが好ま
しく、必要に応じて水溶性の重合開始剤をこれと併用す
ることもできる。上記重合開始剤は、重合性単量体10
0重量部に対して、0.1〜20重量部、好ましくは
0.3〜15重量部、更に好ましくは0.5〜10重量
部用いる。重合開始剤は、重合性単量体組成物中に予め
添加することができるが、懸濁重合の場合は造粒工程終
了後の懸濁液、乳化重合の場合は乳化工程終了後の乳化
液に、重合反応系に直接添加することもできる。
【0062】また、重合に際して、分子量調整剤を添加
することが好ましい。分子量調整剤としては、例えば、
t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタ
ン、n−オクチルメルカプタン、2,2,4,6,6−
ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン
類;四塩化炭素、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素
類;などを挙げることができる。これらの分子量調整剤
は、重合開始前、あるいは重合途中に添加することがで
きる。分子量調整剤は、重合性単量体100重量部に対
して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1
〜5重量部の割合で用いられる。
【0063】本発明の製造方法において、好ましい製造
方法である懸濁重合法によるトナーの製造方法は、分散
安定剤を含有する水系分散媒体中で、重合性単量体、負
帯電制御樹脂組成物または負帯電制御樹脂、正帯電制御
樹脂組成物若しくは正帯電制御樹脂(但し、どちらか一
方は帯電制御樹脂組成物を使用する。)、その他の添加
剤を含有する重合性単量体組成物を懸濁させ、重合開始
剤を用いて重合する。その他の添加剤としては、前述し
た離型剤、磁性材料、分子量調整剤等が挙げられる。
【0064】本発明のトナーは、上述した製造方法によ
り得られたものをそのまま使用することもできるが、コ
アシェル型トナーとすることもできる。コアシェル型ト
ナーを製造する方法としては、スプレイドライ法、界面
反応法、in situ重合法、相分離法などの方法が
挙げられ、粉砕法、重合法、会合法又は転相乳化法によ
り得られたトナーをコア粒子として、それに、シェル層
を被覆することによりコアシェル型トナーが得られる。
この時、in situ重合法や相分離法が、製造効率
の点から好ましい。
【0065】in situ重合法によるコアシェル型
トナーの製造方法を以下に説明する。コア粒子が分散し
ている水系分散媒体中に、シェルを形成するための重合
性単量体(シェル用重合性単量体)と重合開始剤を添加
し、重合することでコアシェル型トナーを得ることがで
きる。シェルを形成する具体的な方法としては、コア粒
子を得るために行った重合反応の反応系にシェル用重合
性単量体を添加して継続的に重合する方法、または別の
反応系で得たコア粒子を仕込み、これにシェル用重合性
単量体を添加して段階的に重合する方法などを挙げるこ
とができる。シェル用重合性単量体は反応系中に一括し
て添加しても、またはプランジャポンプなどのポンプを
使用して連続的もしくは断続的に添加してもよい。
【0066】シェル用重合性単量体としては、スチレ
ン、アクリロニトリル、メチルメタクリレートなどのガ
ラス転移温度が80℃を超える重合体を形成する単量体
をそれぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて使用
することができる。
【0067】シェル用重合性単量体を添加する際に、水
溶性のラジカル開始剤を添加することがコアシェル型ト
ナーを得やすくなるので好ましい。シェル用重合性単量
体の添加の際に水溶性ラジカル開始剤を添加すると、シ
ェル用重合性単量体が移行したコア粒子の外表面近傍に
水溶性ラジカル開始剤が進入し、コア粒子表面に重合体
(シェル)を形成しやすくなるからであると考えられ
る。
【0068】水溶性ラジカル開始剤としては、過硫酸カ
リウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4’−
アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2’−アゾ
ビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、
2,2’−アゾビス−2−メチル−N−1,1’−ビス
(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチルプロピオ
アミド等のアゾ系開始剤;クメンパーオキシド等の油溶
性開始剤とレドックス触媒の組み合せ;などを挙げるこ
とができる。水溶性ラジカル開始剤の量は、シェル用単
量体100重量部に対して、通常、1〜50重量%、好
ましくは2〜20重量%である。
【0069】本発明の製造方法によって得られるトナー
は、その体積平均粒径が、通常、1〜20μm、好まし
くは2〜15μmで、粒径分布(体積平均粒径/個数平
均粒径)が、通常、1.7以下、好ましくは1.5以
下、さらに好ましくは1.3以下のシャープな球形の微
粒子である。トナーの体積平均粒径が大きすぎると、解
像度が低下し易くなることがあり、トナーの粒径分布が
大きくても、大粒径のトナーの割合が多くなり、解像度
が低下し易くなることがある。
【0070】本発明の製造方法によって得られるトナー
は、その長径rlと短径rsとの比(rl/rs)が、
通常、1〜1.2、好ましくは1〜1.1のものであ
る。この比が大きくなると、感光体上のトナー画像を紙
等の転写材に転写する転写性が低下することがあり、ま
た、画像形成装置のトナー収納部に該トナーを納めたと
きにトナー同志の摩擦が大きくなるので外添剤が剥離し
たりして、耐久性が低下することがある。
【0071】本発明の画像形成方法は、静電潜像が記録
された感光体表面に前記のトナーを付着させて可視像に
し、該可視像を転写材に転写することによって画像を形
成することができる。
【0072】以下、画像形成方法を、図面を参照して詳
細に説明する。尚、以下の説明は非磁性一成分現像方式
についてのものであるが、本発明の画像形成方法は、こ
れに限定されず、磁性一成分現像方式、非磁性二成分現
像方式、磁性二成分現像方式でも良い。図1に示すよう
に、画像形成装置には、感光体としての感光ドラム1が
矢印A方向に回転自在に装着してある。感光ドラム1は
導電性支持ドラム体の外周面に光導電層を設けたもので
ある。光導電層は、たとえば、有機系感光体、セレン感
光体、酸化亜鉛感光体、アモルファスシリコン感光体な
どで構成される。
【0073】感光ドラム1の周囲には、その周方向に沿
って、帯電手段としての帯電ロール3、潜像形成手段と
してのレーザー光照射装置4、現像手段としての現像ロ
ール7、転写手段としての転写ロール5及びクリーニン
グ装置13が配置されている。
【0074】帯電ロールは感光ドラムの表面をプラスま
たはマイナスに一様に帯電するためのものであり、帯電
ロールに電圧を印加し、且つ帯電ロールを感光ドラムに
接触させることにより、感光ドラムの表面を帯電させて
いる。帯電ロール3はコロナ放電による帯電手段に置き
換えることも可能である。
【0075】レーザー光照射装置4は、画像信号に対応
した光を感光ドラムの表面に照射し、一様に帯電された
感光ドラムの表面に所定のパターンで、光を照射して、
光が照射された部分に静電潜像を形成する(反転現像の
場合)、または光が照射されない部分に静電潜像を形成
する(正規現像の場合)ためのものである。その他の潜
像形成手段としては、LEDアレイと光学系とから構成
されるものが挙げられる。
【0076】現像ロールは感光ドラム1の静電潜像にト
ナーを付着させ、可視像を形成するためのものであり、
反転現像においては光照射部にのみトナーを付着させ、
正規現像においては、光非照射部にのみトナーを付着さ
せるように、現像ロールと感光ドラムとの間にバイアス
電圧が印加される。
【0077】トナー10が収容される現像装置11内
に、現像ロール7と供給ロール9とが設けられている。
現像ロールは感光ドラムに一部接触するように近接して
配置され、感光ドラムと反対方向Bに回転するようにな
っている。供給ロール9は現像ロール7に接触して現像
ロールと同じ方向Cに回転し、現像ロールの外周にトナ
ーを供給するようになっている。トナーの供給が円滑に
行えるように供給ロールにも、通常、電圧が印加されて
いる。
【0078】現像ロールの周囲において、供給ロールと
の接触点から感光ドラムとの接触点までの間の位置に、
層厚規制手段としての現像ロール用ブレード8が配置し
てある。このブレード8は、導電性ゴムやステンレス鋼
で構成されており、トナーへの電荷注入を行うため、|
200V|〜|600V|の電圧が印加されている。そ
のために、ブレード8の電気抵抗率は10の6乗Ωcm
以下であることが好ましい。
【0079】画像形成装置の現像装置11には、前述の
トナー10が収容されている。転写ロール5は、現像ロ
ールにより形成された感光ドラム表面のトナー像を転写
材6に転写するためのものである。転写材としては、
紙、OHPシート等が挙げられる。転写手段としては、
転写ロール以外にコロナ放電装置や、転写ベルトなどを
挙げることができる。
【0080】転写材に転写されたトナー像は、定着手段
2によって、転写材に固定される。定着手段としては、
通常、加熱手段と圧着手段とからなる。転写材に転写さ
れたトナーを加熱手段により加熱しトナーを溶融させ、
溶融したトナーを圧着手段により転写材の表面に押し付
け固定する。
【0081】クリーニング装置13は、感光ドラムの表
面に残留した転写残りトナーを清掃するためのものであ
り、例えば、清掃用ブレードなどで構成される。なお、
このクリーニング装置は、現像ロールによる現像と同時
にクリーニングを行う方式を採用する場合には、必ずし
も設置することを要しない。
【0082】また、本発明の画像形成方法は、カラート
ナーにも適用できる。マゼンタ、シアン、イエローの3
色、またはこれに黒を加えた4色のトナーを用いること
によって、カラー画像を形成することができる。
【0083】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例の
みに限定されるものではない。なお、部及び%は、特に
断りのない限り重量基準である。
【0084】実施例及び比較例における物性の測定方法
は、以下のとおりである。 (1)トナー粒径 重合体粒子の体積平均粒径(dv)及び粒径分布即ち体
積平均粒径と個数平均粒径(dp)との比(dv/d
p)はマルチサイザー(ベックマン・コールター社製)
により測定した。このマルチサイザーによる測定は、ア
パーチャー径:100μm、媒体:イソトンII、測定粒
子個数:100000個の条件で行った。 (2)トナー形状 トナーの形状は走査型電子顕微鏡で写真を撮り、その写
真をネクサス9000型の画像処理装置で読み込み、ト
ナーの長径を短径で割った値(rl/rs)を測定し
た。この時のトナーの測定個数は100個で行った。
【0085】(3)体積固有抵抗値 トナーの体積固有抵抗値は、トナー約3gを直径5cm
の錠剤成型器に入れ、約100kg/cmの荷重を1
分間かけて試験片を作製し、それを誘電体損測定器(T
RS−10型:安藤電気社製)を用い、温度30℃、周
波数1kHzの条件下で測定した。 (4)吸引ブロー帯電量 温度10℃及び湿度20%(L/L)、温度35℃及び
湿度80%(H/H)環境下における帯電量を測定し、
その環境変動の状況を評価した。トナーの帯電量は、前
記環境下で、非磁性1成分現像方式のプリンター(マイ
クロライン12n:沖データ社製)にトナーを入れ、1
昼夜放置後、ハーフトーンの印字パターンを5枚印字し
た後、次に黒ベタ印字を行なう途中で印字を停止させ
た。その後、ブレードと感光体の間にある現像ローラ上
のトナーを吸引式帯電量測定装置に吸引し、帯電量と吸
引量から単位重量当たりの帯電量を測定した。 (5)ブローオフ帯電量 100cmのボールミルポットにキャリアTEFV−
150/250、57gとトナー3gを投入して、30
分間攪拌、混合した後、ブローオフ帯電量測定装置TB
−200(東芝ケミカル製)を使用して、単位重量当た
りの帯電量を測定した。
【0086】(6)着色剤分散性1 負帯電制御樹脂組成物の一部を取り出した後、負帯電制
御樹脂を溶解するトルエンを添加して、負帯電制御樹脂
組成物の5%溶液にした。ガラス板上に間隙が30μm
のドクターブレードで混合溶液を塗布、乾燥させ、シ−
トを作製した。このシートを光学顕微鏡にて観察し、1
00μm平方に存在する、長径が0.2μm以上の着色
剤粒子の個数を数えた。 (7)着色剤分散性2 スライドグラスに適量のトナーをのせ、その上からカバ
ーグラスを掛け、それをホットプレートにて170℃ま
で加熱してトナーを溶融させ、次に、カバーグラスで力
を加え、トナーを押し潰した。膜厚計(K−402B:
アンリツ社製)で測定したトナーの厚みが20μmの部
分を、光学顕微鏡にて観察し、100μm平方に存在す
る、長径が0.2μm以上の着色剤粒子の個数を数え
た。
【0087】(8)画質評価 非磁性1成分現像方式のプリンター(マイクロライン1
2n:沖データ社製)で色別にベタの印字を行い、色調
は分光色差計(SE2000:日本電色社製)で測定し
た。色調は、この数字の絶対値が大きいほど彩度が鮮や
かになる。印字濃度はカラー反射型濃度計(404A:
X−ライト社製)でベタの印字を測定した。非画像部の
カブリはミノルタカメラ社製、商品名:CM−100
0)で測定した。
【0088】1)負帯電制御樹脂組成物(A)の製造 (参考例1)スチレン単位82%、アクリル酸ブチル単
位11%及び2−アクリルアミド−2−メチルプロパン
スルホン酸単位7%からなる負帯電制御樹脂(重量平均
分子量2万、ガラス転移温度65℃)100部に、メチ
ルエチルケトン24部、メタノール6部を分散させ、2
5℃に冷却しながらロールにて混練した。帯電制御樹脂
がロールに巻き付いたところで、マゼンタ顔料(C.
I.ピグメントレッド122:クライアント社製)10
0部を徐々に添加して、1時間混練を行い、負帯電制御
樹脂組成物(A1)を製造した。この時、ロール間隙
は、初期1mmであり、その後徐々に間隙を広げ、最後
は3mmまで広げ、有機溶剤(メチルエチルケトン/メ
タノール=4/1混合溶剤)は、負帯電制御樹脂の混練
状態に合わせ何回かに分けて追加した。負帯電制御樹脂
組成物(A1)の一部を取り出した後、トルエンを加え
て溶解させ、トルエンの負帯電制御樹脂組成物(A1)
の5%溶液にした。ガラス板上に間隙が30μmのドク
ターブレードで混合溶液を塗布、乾燥させ、シ−トを作
製した。このシートを光学顕微鏡にて観察したところ、
100μm平方に存在する、長径が0.2μm以上の着
色剤粒子は存在しなかった。
【0089】(参考例2〜4)使用した顔料を、それぞ
れ、イエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー18
0:クラリアント社製)及びシアン顔料(C.I.ピグ
メントブルー15−3:クラリアント社製)を使用した
こと、また、有機溶剤を使用せず100℃で加熱溶融し
たこと以外は参考例1と同様にして、負帯電制御樹脂組
成物(A2)〜(A4)を得た。この時の着色剤分散性
1の結果を表1に示す。
【0090】2)正帯電制御樹脂組成物(B)の製造 (参考例5)スチレン単位83%、アクリル酸ブチル単
位15%及びN,N−ジエチル−N−メチル−2−(メ
タクリロイルオキシ)エチルアンモニウムP−トルエン
スルホン酸単位2%からなる正帯電制御樹脂(重量平均
分子量1.2万、ガラス転移温度67℃)100部に、
メチルエチルケトン24部、メタノール6部を分散さ
せ、25℃に冷却しながらロールにて混練した。帯電制
御樹脂がロールに巻き付いたところで、マゼンタ顔料
(C.I.ピグメントレッド122:クライアント社
製)100重量部を徐々に添加して、1時間混練を行
い、正帯電制御樹脂組成物(B1)を製造した。この
時、ロール間隙は、初期1mmであり、その後徐々に間
隙を広げ、最後は3mmまで広げ、有機溶剤(メチルエ
チルケトン/メタノール=4/1混合溶剤)は、正帯電
制御樹脂の混練状態に合わせ何回かに分けて追加した。
正帯電制御樹脂組成物(B1)の一部を取り出した後、
トルエンを加えて溶解させ、トルエンの正帯電制御樹脂
組成物(B1)の5%溶液にした。ガラス板上に間隙が
30μmのドクターブレードで混合溶液を塗布、乾燥さ
せ、シ−トを作製した。このシートを光学顕微鏡にて観
察したところ、100μm平方に存在する、長径が0.
2μm以上の着色剤粒子は存在しなかった。
【0091】(参考例6〜8)使用した顔料を、それぞ
れ、イエロー顔料(C.I.ピグメントイエロー18
0:クラリアント社製)及びシアン顔料(C.I.ピグ
メントブルー15−3:クラリアント社製)を使用した
こと、また、有機溶剤を使用せず100℃で加熱溶融し
たこと以外は参考例5と同様にして、負帯電制御樹脂組
成物(B2)〜(B4)を得た。この時の着色剤分散性
1の結果を表1に示す。
【0092】
【表1】
【0093】(実施例1)スチレン80.5部及びアク
リル酸ブチル19.5部からなるコア用重合性単量体組
成物と、参考例1で得られた負帯電制御樹脂組成物(A
1)3.5部、参考例5で得られた正帯電制御樹脂組成
物(B1)8.5部、TDM3部及びジペンタエリスリ
トールヘキサミリステート10部とを攪拌、混合して、
均一分散し、コア用単量体組成物を得た。一方、イオン
交換水250部に塩化マグネシウム(水溶性多価金属
塩)9.8部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部
に水酸化ナトリウム6.9部を溶解した水溶液を撹拌下
で、徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド分散
液を調整した。生成した前記コロイドの粒径分布を液滴
の個数平均粒径 D50(個数粒径分布の50%累積
値)とD90(個数粒径分布の90%累積値)は、粒径
分布測定装置(SALD2000A型:島津製作所社
製)により測定した。この粒径分布測定器による測定
は、屈折率が1.55−0.20i、超音波照射時間が
5分間、液滴測定時の分散媒に10%食塩水を使用する
条件下で行った。得られた水酸化マグネシウムコロイド
分散液に、上記コア用重合性単量体組成物及び重合開始
剤のt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート
5部を投入し、プロペラ式撹拌機を用いて撹拌混合し
て、組成物分散液を得、次いで、回転子回転数21,0
00rpmで稼働している造粒装置(クレアミックスC
LM−0.8S:エムテクニック社製)に、ポンプを用
いて、供給し、コア用重合性単量体組成物の液滴を造粒
した。
【0094】この造粒した組成物水分散液を、攪拌翼を
装着した反応器に移した。組成物水分散液を加熱し、重
合を開始した。この時、水分散液温度が90℃で一定に
なるように、重合反応器ジャケット温度と重合反応溶液
内温度とを測定し、カスケード制御法などを用いてジャ
ケット温度をコントロールして制御した。重合転化率が
ほぼ100%に達したときに、サンプリングし、コアの
粒径を測定した結果、7.3μmであった。その後、メ
タクリル酸メチル2部を添加し、さらに、2,2’−ア
ゾビス(2−メチル−N−(2−ハイドロキシエチル)
−プロピオンアミド)(VA−086:和光純薬社製)
0.2部をイオン交換水100部に溶解した開始剤溶液
を反応槽に添加、8時間重合を継続した後、反応を停止
し、pH9.5のトナー粒子の水分散液を得た。
【0095】前記により得たトナー粒子の水分散液を攪
拌しながら、硫酸により系のpHを5以下にして酸洗浄
(25℃、10分間)を行い、濾過により水を分離した
後、新たにイオン交換水500部を加えて再スラリー化
し水洗浄を行った。その後、再度、脱水と水洗浄を数回
繰り返し行って、固形分を濾過分離した後、乾燥機にて
45℃で2昼夜乾燥を行い、トナー粒子を得た。乾燥し
たトナー粒子を取り出し、測定した体積平均粒径(d
v)は7.3μmであり、体積平均粒径(dv)/個数
平均粒径(dp)は1.21、rl/rsは1.1であ
った。また、単位面積中に存在する顔料粒子の数は1個
であった。
【0096】前記により得られた重合体粒子100部
に、疎水化処理されたコロイダルシリカ(RX−20
0:日本アエロジル社製)0.6部を添加し、ヘンシェ
ルミキサーを用いて混合してトナーを調製した。このよ
うにして得られたトナーの特性及び画質評価の結果を表
2に示す。
【0097】(実施例2〜4)負帯電樹脂組成物と正帯
電樹脂組成物を表2に示すように変えた他は、実施例1
と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの特性及び
画質評価の結果を表2に示す。
【0098】(比較例1)参考例1において、負帯電制
御樹脂の代わりにスチレン単位84%、アクリル酸ブチ
ル単位16%からなる結着樹脂(重量平均分子量1.3
万、ガラス転移温度64℃)100部を使用して樹脂組
成物(C1)を作製した。このときの顔料分散性1の結
果は、26個であった。該樹脂組成物を用いて顔料が実
施例と同様に6部配合されるように、該樹脂組成物を1
2部使用し、更に参考例1で使用した負帯電制御樹脂6
部を使用した他は、実施例1と同様にしてトナーを得
た。得られたトナーの特性及び画質評価の結果を表2に
示す。
【0099】(比較例2)本比較例では、顔料を帯電制
御樹脂に混合せずに、重合性単量体中に分散させた。具
体的には、コア用重合性単量体組成物を作製するまでを
以下の様に変更する他は、実施例1と同様してトナーを
得た。負帯電制御樹脂20部、有機溶剤としてスチレン
80部及びマゼンタ顔料(C.I.ピグメントレッド1
84;クライアント社製)20部を添加し混合した後、
該混合液を、オーバーフロー型の横置円筒式メディア型
分散機を用いて、撹拌体の先端速度を約9m/s、滞留
時間を0.1時間で、メディアとして直径1.5mm、
密度7.4g/cmのスチール製ビーズを、充填量7
5容積%で充填し、メディア型分散機を通過する混合液
の供給量を、分散機内のみかけ線速で、0.16m/
分、分散機内温度約35℃の条件で、分散して粘度の高
い負帯電制御樹脂組成物(D1)を得た。
【0100】負帯電制御樹脂組成物の一部を取り出した
後、トルエンを加えて溶解させ、トルエンとスチレンの
負帯電制御樹脂組成物の5%混合溶液にした。ガラス板
上に間隙が30μmのドクターブレードで混合溶液を塗
布、乾燥させ、シ−トを作製した。このシートを光学顕
微鏡にて観察したところ、100μm平方に存在する、
長径が0.2μm以上の着色剤粒子の数は126個であ
った。上記負帯電制御樹脂組成物(D1)36部(負帯
電制御樹脂6部+顔料6部+スチレン24部)とスチレ
ン56.5部とアクリル酸ブチル19.5部、TDM3
部、ジペンタエリスリトール=ヘキサミリステート10
部を攪拌、混合してコア用単量体組成物を得た。以下、
実施例1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの
特性及び画質評価の結果を表2に示す。
【0101】(比較例3)実施例1と同様な負帯電性ト
ナーを製造するに当たり、負帯電制御樹脂組成物または
負帯電制御樹脂と、正帯電制御樹脂組成物または正帯電
制御樹脂(但し、どちらか一方は帯電制御樹脂組成物を
使用する。)を組み合わせないで、負帯電制御樹脂組成
物(A5)のみを使用して、トナーとしたときの着色剤
量と帯電量が同等となるように帯電制御樹脂の官能基量
を調整して、トナーを製造した。具体的には、負帯電制
御樹脂として、スチレン単位88.7%、アクリル酸ブ
チル単位11%及び2−アクリルアミド−2−メチルプ
ロパンスルホン酸単位1.3%からなる負帯電制御樹脂
(重量平均分子量1.9万、ガラス転移温度63℃)を
使用した他は、参考例1と同様にして、負帯電制御樹脂
組成物(A5)を製造した。この負帯電制御樹脂組成物
12部を使用した他は、実施例1と同様にしてトナーを
得た。得られたトナーの特性及び画質評価の結果を表2
に示す。
【0102】(比較例4)実施例3と同様のトナーを製
造するにあたり、負帯電制御樹脂組成物または負帯電制
御樹脂と、正帯電制御樹脂組成物若しくは正帯電制御樹
脂(但し、どちらか一方は帯電制御樹脂組成物を使用す
る。)を組み合わせないで、正帯電制御樹脂組成物(B
5)のみを使用して、トナーとしたときの着色剤量と帯
電量が同等となるように帯電制御樹脂の官能基量を調整
して、トナーを製造した。具体的には、正帯電制御樹脂
として、スチレン単位83%、アクリル酸ブチル単位1
5.6%及びN,N−ジエチル−N−メチル−2−(メ
タクリロイルオキシ)エチルアンモニウムP−トルエン
スルホン酸単位1.4%(重量平均分子量1.3万、ガ
ラス転移温度66℃)を使用した他は、参考例5と同様
にして、正帯電制御樹脂組成物(B5)を製造した。こ
の正帯電制御樹脂組成物12部を使用した他は、実施例
1と同様にしてトナーを得た。得られたトナーの特性及
び画質評価の結果を表2に示す。
【0103】
【表2】
【0104】表2より、以下のことがわかる。帯電制御
樹脂を使用しないで通常の結着樹脂を用いて顔料を混練
した比較例1のトナーは、異なる環境では帯電性が変化
し、色調の再現に必要な透明性等の分光特性が悪く、印
字濃度も低く、カブリも多い。顔料を重合性単量体中で
分散させた比較例2のトナーは、異なる環境では帯電性
が変化し、色調の再現に必要な透明性等の分光特性が悪
く、印字濃度も低く、カブリも多い。負帯電制御樹脂組
成物のみを使用した比較例3のトナーは、異なる環境で
は帯電性が変化し、印字濃度が低く、カブリも多い正帯
電制御樹脂組成物のみを使用した比較例4のトナーは、
異なる環境では帯電性が変化し、印字濃度が低く、カブ
リも多い
【0105】これに対して、本発明の実施例1〜4のト
ナーは、異なる環境下に置かれても帯電性が変化せず、
カラー画像の鮮明な色調の再現に必要な透明性等の分光
特性に優れ、印字濃度が高く、カブリも少なくできるこ
とが分かる。
【0106】
【発明の効果】本発明によって、電子写真に於いて、ト
ナー粒子中に顔料が均一に分散していることにより、鮮
明な画像を得ることのでき、また異なる環境下に置かれ
ても帯電性が変化しないトナー、トナーの製造方法及び
該トナーを用いた画像形成方法を提供することができ
る。特にカラートナーに適用した場合、カラー画像の鮮
明な色調の再現に必要な透光性等の分光特性に優れ、印
字濃度を高く、カブリが少なくすることができ、更に転
写性にも優れたトナー、トナーの製造方法及び該トナー
を用いた画像形成方法を提供することができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】 本発明の画像形成方法に使用する画像形成装
置の一態様を示す図
【符号の説明】
1・・感光ドラム 3・・帯電ロール 4・・レーザー光照射装置 5・・転写ロール 7・・現像ロール 8・・現像ロール用ブレード 9・・供給ロール 10・・トナー 11・・現像装置 13・・クリーニング装置

Claims (10)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 結着樹脂、着色剤、負帯電制御樹脂及び
    正帯電制御樹脂を含有し、加熱溶融して膜厚20μmに
    したトナーの面積100μm×100μm中に観察され
    る長径0.2μm以上の着色剤粒子数が、50個以下で
    あるトナー。
  2. 【請求項2】 結着樹脂、着色剤、負帯電制御樹脂及び
    正帯電制御樹脂を含有し、加熱溶融して膜厚20μmに
    したトナーの面積100μm×100μm中に観察され
    る長径0.2μm以上の着色剤粒子数が、50個以下で
    ある負帯電性トナー。
  3. 【請求項3】 結着樹脂、着色剤、負帯電制御樹脂及び
    正帯電制御樹脂を含有し、加熱溶融して膜厚20μmに
    したトナーの面積100μm×100μm中に観察され
    る長径0.2μm以上の着色剤粒子数が、50個以下で
    ある正帯電性トナー。
  4. 【請求項4】 結着樹脂、着色剤及び帯電制御樹脂を含
    有するトナーの製造方法であって、負帯電制御樹脂と着
    色剤とを混合して負帯電制御樹脂組成物(A)を得る工
    程、得られた負帯電制御樹脂組成物を正帯電制御樹脂と
    共に結着樹脂中に包含させる工程を有するトナーの製造
    方法。
  5. 【請求項5】 結着樹脂、着色剤及び帯電制御樹脂を含
    有するトナーの製造方法であって、正帯電制御樹脂と着
    色剤とを混合して正帯電制御樹脂組成物(B)を得る工
    程、得られた正帯電制御樹脂組成物を負帯電制御樹脂と
    共に結着樹脂中に包含させる工程を有するトナーの製造
    方法。
  6. 【請求項6】 結着樹脂、着色剤及び帯電制御樹脂を含
    有するトナーの製造方法であって、負帯電制御樹脂と着
    色剤とを混合して負帯電制御樹脂組成物(A)を得る工
    程、正帯電制御樹脂と着色剤とを混合して正帯電制御樹
    脂組成物(B)を得る工程、得られた負帯電制御樹脂組
    成物と正帯電制御樹脂組成物を結着樹脂中に包含させる
    工程を有するトナーの製造方法。
  7. 【請求項7】 負帯電制御樹脂組成物を正帯電制御樹脂
    と共に結着樹脂中に包含させる工程が、負帯電制御樹脂
    組成物(A)と正帯電制御樹脂及び重合性単量体とを混
    合して得られる重合性単量体組成物を、分散安定剤を含
    有する水系媒体中に添加して、懸濁あるいは乳化させた
    後、重合することである請求項4記載のトナーの製造方
    法。
  8. 【請求項8】 正帯電制御樹脂組成物を負帯電制御樹脂
    と共に結着樹脂中に包含させる工程が、負帯電制御樹脂
    と正帯電制御樹脂組成物(B)及び重合性単量体とを混
    合して得られる重合性単量体組成物を、分散安定剤を含
    有する水系媒体中に添加して、懸濁あるいは乳化させた
    後、重合することである請求項5記載のトナーの製造方
    法。
  9. 【請求項9】 負帯電制御樹脂組成物と正帯電制御樹脂
    組成物を結着樹脂中に包含させる工程が、負帯電制御樹
    脂組成物(A)と正帯電制御樹脂組成物(B)及び重合
    性単量体とを混合して得られる重合性単量体組成物を、
    分散安定剤を含有する水系媒体中に添加して、懸濁ある
    いは乳化させた後、重合することである請求項6記載の
    トナーの製造方法。
  10. 【請求項10】 静電潜像が記録された感光体表面に請
    求項1〜3記載のトナーを付着させて可視像にし、該可
    視像を転写材に転写する画像形成方法。
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* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2004083964A1 (ja) * 2003-03-17 2004-09-30 Zeon Corporation 静電荷像現像用トナー
US7344814B2 (en) 2002-11-28 2008-03-18 Zeon Corporation Toner and image-forming method therewith
JP2009063736A (ja) * 2007-09-05 2009-03-26 Fujikura Kasei Co Ltd 正荷電制御剤および正荷電トナー
JP2015172744A (ja) * 2014-02-19 2015-10-01 日本ゼオン株式会社 トナー

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