JP2009063736A - 正荷電制御剤および正荷電トナー - Google Patents

正荷電制御剤および正荷電トナー Download PDF

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Abstract

【課題】結着剤としてポリエステル樹脂を用いた場合でも長時間経過後に帯電性が低下しにくいトナーが得られる正荷電制御剤を提供する。
【解決手段】本発明の正荷電制御剤は、カチオン性共重合体(A)とポリスチレン(B)とが溶融混合または溶解混合されたものであり、カチオン性共重合体(A)が、スチレン単量体(M1)および/または(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(M2)と、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート単量体の4級アンモニウム塩(M3)とを共重合して得た共重合体であり、カチオン性共重合体(A)とポリスチレン(B)との合計質量を100質量%とした際に、ポリスチレン(B)の含有量が10〜90質量%である。
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法において静電荷像を可視像とする正荷電トナーおよび、それに用いられる正荷電制御剤に関する。
電子写真用トナーとして、着色剤、結着剤、正荷電制御剤などを主成分として含むものが広く使用されている。
正荷電制御剤としては無色透明のものが求められている。無色透明な正荷電制御剤としては、例えば、特許文献1に、スチレン単量体および/またはα−メチルスチレン単量体と、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート単量体の4級アンモニウム塩とを共重合した共重合体が開示されている。
特公平8−3658号公報
正荷電制御剤として特許文献1に記載された共重合体を用い、結着剤としてスチレンアクリル樹脂を用いた場合には、帯電初期の帯電性に優れ、しかも長時間経過しても帯電性は低下しにくい正荷電トナーが得られた。ところが、結着剤としてポリエステル樹脂を用いた場合には、得られるトナーは帯電初期の帯電性に優れるものの、長時間経過後に帯電性が低下しやすかった。そのため、長時間経過後では、いわゆるカブリやトナー飛散が発生しやすくなる傾向にあった。
本発明は、前記事情を鑑みてなされたものであり、結着剤としてポリエステル樹脂を用いた場合でも長時間経過後に帯電性が低下しにくいトナーが得られる正荷電制御剤を提供することを目的とする。また、長時間経過後でも帯電性が低下しにくい正荷電トナーを提供することを目的とする。
本発明は、以下の態様を包含する。
[1] カチオン性共重合体(A)とポリスチレン(B)とが溶融混合または溶解混合された正荷電制御剤であって、
カチオン性共重合体(A)が、スチレン単量体(M1)および/または(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(M2)と、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート単量体の4級アンモニウム塩(M3)とを共重合して得た共重合体であり、
カチオン性共重合体(A)とポリスチレン(B)との合計質量を100質量%とした際に、ポリスチレン(B)の含有量が10〜90質量%であることを特徴とする正荷電制御剤。
[2] ポリスチレンの質量平均分子量が1000〜10000であることを特徴とする[1]に記載の正荷電制御剤。
[3] 前記ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート単量体の4級アンモニウム塩(M3)が、下記式(1)で示される化合物であることを特徴とする[1]または[2]に記載の正荷電制御剤。
(式(1)中、Rは水素原子またはメチル基、Rはアルキレン基、R〜Rは各々独立してアルキル基を示す。)
Figure 2009063736
[4] 結着剤100質量部に対し、[1]〜[3]のいずれかに記載の正荷電制御剤を1〜20質量部含有することを特徴とする正帯電トナー。
本発明の正荷電制御剤によれば、結着剤としてポリエステル樹脂を用いた場合でも長時間経過後に帯電性が低下しにくいトナーが得られる。
本発明の正荷電トナーは、長時間経過後でも帯電性が低下しにくい。
<正荷電制御剤>
本発明の正荷電制御剤は、カチオン性共重合体(A)とポリスチレン(B)とが溶融混合または溶解混合されたものである。
カチオン性共重合体(A)は、スチレン単量体(M1)および/または(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(M2)と、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート単量体の4級アンモニウム塩(M3)とを共重合して得た共重合体である。
スチレン単量体(M1)としては、例えば、スチレン、α−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−クロロスチレンなどが挙げられるが、これらのうちではスチレンが好ましい。
(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(M2)としては、例えば、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、アミル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートなどが挙げられるが、これらのうちではブチル(メタ)アクリレートや2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの4級アンモニウム塩(M3)は、充分に正荷電できることから、上記式(1)で示される化合物が好ましい。
式(1)中、Rは水素原子またはメチル基、Rはアルキレン基、R〜Rは各々独立してアルキル基を示す。ここで、アルキレン基としては、例えば、メチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基などが挙げられ、これらのうちではエチレン基が好ましい。アルキル基としては、例えば、メチル基、エチル基、プロピル基、n−ブチル基、t−ブチル基などが挙げられるが、これらのうちではメチル基が好ましい。
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートとしては、例えば、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジプロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、ジブチルアミノエチル(メタ)アクリレートなどが挙げられる。これらのうちでは、安価であることから、ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレートが好ましい。
該共重合体(A)を製造する方法としては、例えば、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートを常法にしたがって、パラトルエンスルホン酸アルキルエステルを用いて第4級化して、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの4級アンモニウム塩(M3)とした後、これとスチレン単量体(M1)および/または(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(M2)とを混合し、重合開始剤の存在下に共重合させる方法が挙げられる。
パラトルエンスルホン酸アルキルエステルとしては、例えば、パラトルエンスルホン酸メチル、パラトルエンスルホン酸エチル、パラトルエンスルホン酸プロピルなどが挙げられる。これらのうちでは、容易に4級化できることから、パラトルエンスルホン酸メチルが好ましい。
パラトルエンスルホン酸アルキルエステルの使用量は、これと反応させるジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの単位1モル当り、0.8〜1.5モルであることが好ましく、1.0〜1.2モルであることがより好ましい。
共重合の方法としては、溶液重合、懸濁重合、塊状重合、乳化重合など、いずれの方法を用いてもよいが、得られる共重合体の質量平均分子量の制御が比較的容易であること、また、反応操作が容易であることなどから、溶液重合が好ましい。
溶液重合で使用する溶剤としては、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどのケトン系溶剤、ノルマルブタノール、イソブタノールなどのアルコール系溶剤、酢酸エチル、酢酸イソブチルなどのエステル系溶剤、トルエン、キシレンなどの芳香族炭化水素溶剤などが挙げられる。これらのうちでは、共重合体の溶解性の点から、ケトン系溶剤、アルコール系溶剤が好ましい。
重合開始剤としては、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、t−アミルパーオキシ2−エチルヘキサノエート、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、ジベンゾイルパーオキサイドなどの過酸化物系開始剤、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)などのアゾ系開始剤などが使用される。
重合開始剤は、単量体の合計質量を100質量部とした際の0.5〜20質量部であることが好ましい。
カチオン性共重合体(A)においては、スチレン単量体(M1)単位と(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(M2)とジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの4級アンモニウム塩(M3)単位の合計質量を100質量%とした際に、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの4級アンモニウム塩(M3)単位の含有量が0.5〜35質量%であることが好ましく、1〜30質量%であることがより好ましい。
ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレートの4級アンモニウム塩(M3)単位の含有量が0.5質量%以上であれば、帯電性を充分に確保でき、35質量%以下であれば、結着剤に対する相溶性が向上し、耐湿性も向上する。
カチオン性共重合体(A)は、質量平均分子量が1500〜100000であることが好ましく、3000〜50000であることがより好ましい。カチオン性共重合体(A)の質量平均分子量がこのような範囲であると、高湿度環境下であっても帯電性が低下しにくく、定着時に定着ロールの表面にトナーが付着し残留するといったオフセットが発生しにくい。また、トナーとした際における結着剤との相溶性、分散性が良好であるとともに、トナーをキャリアとともに使用した場合でも、トナー粒子がつぶれるようなスペント化が進行しにくい。
ポリスチレン(B)は、スチレン単量体の単独重合体である。スチレン単量体としては、カチオン性共重合体(A)を形成するスチレン単量体(M1)と同様のものが使用される。
ポリスチレン(B)の質量平均分子量は1000〜10000であることが好ましく、2000〜8000であることがより好ましい。ポリスチレン(B)の質量平均分子量が1000以上であれば、容易にポリスチレン(B)を製造でき、10000以下であれば、トナーのコールドオフセットが起こりにくい。
カチオン性共重合体(A)とポリスチレン(B)とを溶融混合する方法(以下、この方法のことを溶融混合法ということがある。)としては、カチオン性共重合体(A)とポリスチレン(B)とを熱混練する方法などが挙げられる。
熱混練する際には、例えば、プラストミル、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダー等の熱混練機が用いられる。
溶融混合の際の加熱温度は90〜170℃であることが好ましい。加熱温度が90℃以上であれば、カチオン性共重合体(A)とポリスチレン(B)とを充分に溶融混合させることができる。ただし、170℃を超えると、カチオン性共重合体(A)またはポリスチレン(B)が劣化するおそれがある。
カチオン性共重合体(A)とポリスチレン(B)とを溶解混合する方法(以下、この方法のことを溶解混合法ということがある。)は、具体的には、カチオン性共重合体(A)とポリスチレン(B)とを溶媒に溶解させた後に溶媒を除去する方法である。
カチオン性共重合体(A)とポリスチレン(B)とを溶解させる際に使用される溶媒としては、例えば、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ノルマルブタノール、イソブタノール、酢酸エチル、酢酸イソブチル、トルエン、キシレンなどが挙げられる。
溶解時には、溶解を促進するために、80〜140℃に加熱することが好ましい。
溶媒除去時には、除去を促進するために、減圧することが好ましい。
正荷電制御剤は、カチオン性共重合体(A)とポリスチレン(B)との合計質量を100質量%とした際に、ポリスチレン(B)の含有量が10〜90質量%であり、20〜80質量%であることが好ましい。ポリスチレン(B)が10質量%以上であることにより、長時間経過後の帯電性の低下を防止でき、90質量%以下であることにより、充分な帯電性を確保できる。
正荷電制御剤には、必要に応じて、公知の4級アンモニウム塩や、ニグロシン系化合物などが含まれていてもよい。
正荷電制御剤の体積固有抵抗は4×1010〜40×1010Ω・cmであることが好ましい。正荷電制御剤の体積固有抵抗が4×1010Ω・cm以上であれば、充分な帯電性を発揮できるが、40×1010Ω・cmを超えると、帯電性が過剰になる傾向にある。
ここで、体積固有抵抗は以下の方法で測定された値である。
まず、正荷電制御剤の粉体を、直径20mm、厚さ3mmの円筒状のペレットに加圧成型する。次いで、このペレットを測定試料として、コンダクタンスG(1/Ω)を測定周波数1kHzで測定する。このコンダクタンスGから体積固有抵抗ρ(Ω・cm)を下記式より求める。
ρ=(1/G)×(S/L)
S:ペレットの断面積(cm
L:ペレットの長さ(cm)
以上説明した正荷電制御剤を用いることにより、結着剤として電荷が漏れやすいポリエステルを用いても長時間経過後に帯電性が低下しにくいトナーが得られる。これは、以下の理由によるものと考えられる。すなわち、カチオン性共重合体(A)とポリスチレン(B)とが溶融混合または溶解混合されたことにより、カチオン性共重合体(A)の分子鎖とポリスチレン(B)の分子鎖が絡み合い、ポリスチレン(B)がカチオン性共重合体(A)の近傍に存在するようになる。ここで、ポリスチレン(B)は電気抵抗が高いため、これがカチオン性共重合体(A)の近傍に存在することにより、電荷が漏れ出ることを防止できる。そのため、長時間経過しても帯電性が低下しにくいものと考えられる。
なお、ポリスチレン(B)がカチオン性共重合体(A)に共重合したものでは、長時間経過後に帯電性が低下する。また、カチオン性共重合体(A)とポリスチレン(B)とを溶融混合しない場合および溶解混合しない場合でも、長時間経過後に帯電性が低下する。これらのことより、カチオン性共重合体(A)とポリスチレン(B)とを溶融混合または溶解混合して、それらの分子鎖を絡み合わせることが必要であることがわかる。
<正荷電トナー>
本発明の正帯電トナーは、結着剤100質量部に対し、上記正荷電制御剤を1〜20質量部含有するものである。
正荷電トナーにおける正荷電制御剤の含有量が0.1質量部未満であると、帯電初期の段階から充分な帯電性が得られず、カブリが発生しやすい。一方、正荷電制御剤の含有量が20質量部を超えると、ホットオフセット性が低くなり、また、帯電初期での帯電性が高くなりすぎて、画像濃度の低下を引き起こすことがある。
結着剤としては、例えば、ポリエステル樹脂、スチレン−アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シクロオレフィン樹脂などが挙げられ、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用できる。これらのうち、ポリエステル樹脂は体積固有抵抗が低く、電荷が漏れ出て帯電性が低下しやすい性質がある。そのため、結着剤がポリエステル樹脂である場合には、長時間経過後の帯電性の低下を防止する正荷電制御剤の効果がとりわけ発揮される。
ポリエステル樹脂は、ジカルボン酸成分とグリコール成分とが縮合重合したものである。
ジカルボン酸成分としては、例えば、マイレン酸、フマール酸、メサコニン酸、シトラコン酸、イタコン酸、グルタコン酸、フタール酸、イソフタール酸、テレフタール酸、ジクロヘキサンジカルボン酸、コハク酸、アジピン酸、セバチン酸、マロン酸、リノレイン酸などや、これらの酸無水物または、低級アルコールエステルが挙げられる。
グリコール成分としては、例えば、エチレングリコール、プロピレングリコール、ブチレングリコール、ネオペンチルグリコール、ヘキサンジオール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ポリエチレングリコール、ジメチロールベンゼン、シクロヘキサンジメタノール、ビスフェノールA、水素化ビスフェノールAなどが挙げられる。
また、ポリエステル樹脂は、トナーの特性をより良好とするために、そのグリコール成分の一部を、ソルビトール、ヘキサテトロール、ジペンタエリスリトール、グリセロール、蔗糖などの3価または、4価のアルコールに置き換えたり、カルボン酸成分の一部を、ベンゼントリカルボン酸、シクロヘキサントリカルボン酸、ナフタレントリカルボン酸、ブタントリカルボン酸、トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価または、4価のカルボン酸に置き換えたりして、部分的に三次元架橋構造をもたせてもよい。または、エポキシ基やウレタン結合などを適宜導入して部分的架橋構造やグラフト状としてもよい。
スチレン−アクリル樹脂は、スチレン単量体と(メタ)アクリル酸アルキルエステルとを共重合した共重合体である。スチレン単量体および(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、カチオン性共重合体を形成するスチレン単量体(M1)および(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(M2)と同様のものが使用される。ただし、(メタ)アクリル酸アルキルエステルとしては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレートが好ましい。スチレン単量体および(メタ)アクリル酸アルキルエステルは1種単独または、2種以上を組合わせて使用できる。
また、スチレン−アクリル樹脂は、必要に応じて、第3の単量体単位を少量、好ましくはスチレン−アクリル樹脂中、3質量%以下の範囲で含有していてもよい。このような第3の単量体としては、共重合性不飽和基を1分子中に2個以上有する化合物であればよく、例えば、エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ブタンジオールジ(メタ)アクリレートなどのアルキレンまたはジ−もしくはポリ−アルキレングリコールジ(メタ)アクリレート;トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレートのような多価アルコールのポリ(メタ)アクリレート類;アリル(メタ)アクリレート;ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレンなどが挙げられる。これらの単量体を用いることにより、部分的に三次元架橋構造を有する樹脂とすることができる。
エポキシ樹脂としては、1分子中に平均して2個以上のエポキシ基を有するものを含み、また、軟化温度が好ましくは50〜170℃、より好ましくは60〜150℃、分子量が700〜8000、より好ましくは900〜6000、エポキシ当量が150〜4000、より好ましくは200〜3500のものが好適である。このようなエポキシ樹脂としては、例えばビスフェノールA型エポキシ樹脂、水素化ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ノボラック型エポキシ樹脂、ポリアルキレンエーテル型エポキシ樹脂、環状脂肪族型エポキシ樹脂などが挙げられる。
正荷電トナーは、必要に応じて、着色剤を含有することができる。着色剤としては、特に制限はなく、例えば、カーボンブラック、フタロシアニン系染料、ニグロシン染料(C.I.No.50415B)、アニリンブルー(C.I.No.50405)、カルコオイルブルー(C.I.No.azoee Blue 3)、クロムイエロー(C.I.No.14090)、ウルトラマリンブルー(C.I.No.77103)、デュポンオイルレッド(C.I.No.26105)、キノリンイエロー(C.I.No.47005)、メチレンブルークロライド(C.I.No.52015)、フタロシアニンブルー(C.I.No.74160)、マラカイトグリーンオクサレート(C.I.No.42000)、ランプブラック(C.I.No.77266)、ローズベンガル(C.I.No.45435)などが挙げられ、これらを1種単独で、または、2種以上組み合わせて使用できる。
これら着色剤の含有量は、結着剤100質量部に対して1〜20質量部であることが好ましく、2〜7質量部であることが好ましい。着色剤の含有量が1質量部以上であれば、充分な濃度の可視像を形成でき、20質量部以下であれば、トナーとしての性能低下を防止できる。
また、正荷電トナーは、トナー特性の改良、耐オフセット性の向上を目的として、高級脂肪酸類または、高級脂肪酸の金属塩類、天然または、合成のワックス類、高級脂肪酸エステル類または、その部分ケン化物類、アルキレンビス脂肪酸アミド類、フッ素樹脂、シリコーン樹脂などの離型性成分を含有することできる。離型性成分の含有量は結着剤100質量部に対して1〜10質量部であることが好ましい。離型性成分の含有量が1質量部以上であれば、充分な離型性を発揮し、10質量部以下であれば、トナーとしての性能低下を防止できる。
また、正荷電トナーは、流動性、保存安定性を確保する目的で、コロイダルシリカ、疎水性シリカなどにより表面処理されてもよい。シリカの添加量は正荷電トナー100質量部に対して0.1〜3質量部であることが好ましい。シリカの添加量が0.1質量部以上であれば、流動性および保存安定性を充分に確保でき、3質量部以下であれば、トナーとしての性能低下を防止できる。
正荷電トナーの平均粒径は3〜20μmであることが好ましい。このような平均粒径であれば、帯電性がさらに優れ、キャリアと撹拌混合した際にもスペント化しにくいトナーとすることができる。
正荷電トナーは、例えば、以下の製造方法により製造できる。すなわち、まず、結着剤と正荷電制御剤と必要に応じて他の成分を混合機にて充分に混合した後、熱混練機中で溶融混練し、冷却固化する。次いで、固化したものを粉砕機で粉砕し、得られた粉砕物を分級し、所定の平均粒径の粒子を回収して、正荷電トナーを得る。
混合機としては、例えば、ヘンシェルミキサー、ボールミルなどが使用され、熱混練機としては、例えば、加熱ロール、ニーダー、エクストルーダーなどが使用され、粉砕機としては、例えば、ハンマーミル、ジェットミルなどが使用される。
また、正荷電トナーの他の製造方法として、例えば、各成分が溶融または分散している有機溶剤溶液を噴霧乾燥法などで200℃以下の条件で乾燥する方法、結着剤を形成する単量体の混合物中に他の各成分を混合して懸濁液とし、これを共重合する方法、結着剤を形成する単量体の混合物を乳化重合した後、他の各成分を混合して凝集する方法などが挙げられる。
以上説明した正荷電トナーでは、上記正荷電制御剤を含有するため、長時間経過後でも帯電性が低下しにくい。そのため、長時間経過後でも、いわゆるカブリやトナー飛散が発生しにくい。
以下、本発明を実施例により具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されない。なお、例中「部」とは「質量部」を、「%」とは「質量%」を示す。
(製造例1)カチオン性共重合体(A−1)
撹拌機、コンデンサ、温度計、窒素導入管を付した2Lフラスコに反応溶剤としてイソブタノール180gを入れ、さらにジエチルアミノエチルメタクリレート18gとパラトルエンスルホン酸メチル18gを加えて、窒素下、80℃で1時間撹拌し、4級化反応を行った。その後、窒素を流しながらスチレン210gとブチルアクリレート72g、過酸化物系開始剤としてt−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート(アルケマ吉富製)12gを加え、95℃(重合温度)まで昇温し、3時間撹拌した後、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート6gをさらに加え、3時間撹拌し、重合体溶液を得た。
この重合体溶液を加熱減圧乾燥(品温140℃、10kPa以下になるまで減圧)し、溶剤分を除去し、解砕してカチオン性共重合体(A−1)を得た。
カチオン性共重合体(A−1)におけるスチレン単量体(M1)と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(M2)と、ジアルキルアミノアルキル(メタ)クリレート単量体の4級アンモニウム塩(M3)の共重合比(%)は(M1)+(M2):(M3)=88.7:11.3であった。
(製造例2)カチオン性共重合体(A−2)
ジエチルアミノエチルメタクリレートの量を25gに、パラトルエンスルホン酸メチルの量を25gに、スチレンの量を196gに、ブチルアクリレートの量を72gに変更したこと以外は製造例1と同様にして、カチオン性共重合体(A−2)を得た。
カチオン性共重合体(A−2)におけるスチレン単量体(M1)と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(M2)と、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート単量体の4級アンモニウム塩(M3)の共重合比(%)は(M1)+(M2):(M3)=83.0:17.0であった。
(製造例3)カチオン性共重合体(A−3)
ブチルアクリレートを2−エチルヘキシルアクリレートに変更したこと以外は製造例1と同様にして、カチオン性共重合体(A−3)を得た。
(製造例4)カチオン性共重合体(A−4)
撹拌機、コンデンサ、温度計、窒素導入管を付した2Lフラスコに反応溶剤としてイソブタノール180gを入れ、さらにジエチルアミノエチルメタクリレート18gとスチレン210gとブチルアクリレート72g、アゾ系開始剤として2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)(和光純薬製V−59)12gを加え、95℃(重合温度)まで昇温し、攪拌し、窒素を流しながら3時間反応させた。
その後、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキサノエート6gを添加し、さらに3時間反応させ、次いで、パラトルエンスルホン酸メチル18gを添加し、1時間攪拌して、4級化反応を行った。3時間撹拌し、重合体溶液を得た。
この重合体溶液を加熱減圧乾燥(品温140℃、10kPa以下になるまで減圧)し、溶剤分を除去して、カチオン性共重合体(A−4)を得た。
カチオン性共重合体(A−4)におけるスチレン単量体(M1)と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(M2)と、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート単量体の4級アンモニウム塩(M3)の共重合比(%)は(M1)+(M2):(M3)=88.7:11.3であった。
(製造例5)カチオン性共重合体(A−5)
ジエチルアミノエチルメタクリレートの量を9gに、パラトルエンスルホン酸メチルの量を9gに、スチレンの量を264gに、ブチルアクリレートの量を36gに変更したこと以外は製造例1と同様にして、カチオン性共重合体(A−5)を得た。
カチオン性共重合体(A−5)におけるスチレン単量体(M1)と、(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(M2)と、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート単量体の4級アンモニウム塩(M3)の共重合比(%)は(M1)+(M2):(M3)=94.3:5.7であった。
(製造例6)ポリスチレン(B−2)
攪拌機、温度計、窒素導入管を付した1Lのオートクレーブに純水250gと部分鹸化ポリビニルアルコール(日本合成化学工業社製ゴーセノールGH−20)0.2gを仕込んだ。次いで、その中に、スチレンモノマー100gと過酸化物系開始剤ベンゾイルパーオキサイド(日本油脂社製ナイパーBW)15gとを含む混合物を添加し、攪拌し、130℃に昇温して、懸濁重合を1時間行った。反応後、ろ過、洗浄、脱水、乾燥して、ポリスチレン(B−2)を得た。このポリスチレン(B−2)の質量平均分子量は8000であった。
(製造例7)ポリスチレン(B−3)
ベンゾイルパーオキサイドを9gに変更したこと以外は製造例6と同様にしてポリスチレン(B−3)を得た。このポリスチレン(B−3)の質量平均分子量は18,000であった。
(製造例8)
カチオン性共重合体(A−1)500gと、ヤスハラケミカル社製ポリスチレン(商品名SX−100、質量平均分子量2500)であるポリスチレン(B−1)500gと、溶媒であるメチルエチルケトン1000gとを、5Lのフラスコに仕込み、攪拌しながら昇温した。溶媒が還流し始めたら、その溶媒をフラスコから排出させながら、さらに昇温した。品温が140℃になったところで、フラスコ内を絶対圧力が10kPa以下になるまで減圧し、溶媒を除去して、溶融した樹脂成分を得た。この溶融した樹脂成分を取り出し、冷却し、さらに粉砕して、正荷電制御剤(1)を得た。
(製造例9)
カチオン性共重合体(A−1)の量を700g、ポリスチレン(B−1)の量を300gに変更したこと以外は製造例8と同様にして、正荷電制御剤(2)を得た。
(製造例10)
カチオン性共重合体(A−1)の量を300g、ポリスチレン(B−1)の量を700gに変更したこと以外は製造例8と同様にして、正荷電制御剤(3)を得た。
(製造例11)
カチオン性共重合体(A−1)25gとポリスチレン(B−1)25gとを、60ccラボプラストミル(東洋精機製作所製)により120℃で溶融混練した。その後、混練物を取り出し、粉砕して、正荷電制御剤(4)を得た。
(製造例12)
カチオン性共重合体(A−1)のイソブタノール溶液516gに、ポリスチレン(B−1)318gを添加した後、攪拌しながら、品温140℃、絶対圧力10kPa以下になるまで加熱減圧し、溶媒を除去して、樹脂成分を得た。その樹脂成分を粉砕して、正荷電制御剤(5)を得た。
(製造例13)
カチオン性共重合体(A−1)の代わりにカチオン性共重合体(A−2)を用いたこと以外は製造例8と同様にして、正荷電制御剤(6)を得た。
(製造例14)
カチオン性共重合体(A−1)の代わりにカチオン性共重合体(A−3)を用いたこと以外は製造例8と同様にして、正荷電制御剤(7)を得た。
(製造例15)
カチオン性共重合体(A−1)の代わりにカチオン性共重合体(A−4)を用いたこと以外は製造例8と同様にして、正荷電制御剤(8)を得た。
(製造例16)
ポリスチレン(B−1)の代わりにポリスチレン(B−2)を用いたこと以外は製造例8と同様にして、正荷電制御剤(9)を得た。
(製造例17)
ポリスチレン(B−1)の代わりにポリスチレン(B−3)を用いたこと以外は製造例8と同様にして、正荷電制御剤(10)を得た。
(製造例18)
カチオン性共重合体(A−1)の量を950g、ポリスチレン(B−1)の量を50gに変更したこと以外は製造例8と同様にして、正荷電制御剤(11)を得た。
(製造例19)
カチオン性共重合体(A−1)の量を50g、ポリスチレン(B−1)の量を950gに変更したこと以外は製造例8と同様にして、正荷電制御剤(12)を得た。
カチオン性共重合体(A−1),(A−2),(A−5)および正電荷制御剤(1)〜(12)について、体積固有抵抗を以下のように測定した。測定結果を表1に示す。
[体積固有抵抗]
まず、正荷電制御剤の粉体を、直径20mm、厚さ3mmの円筒状のペレットに加圧成型した。次いで、このペレットを測定試料として、コンダクタンスG(1/Ω)を、固体用電極(安藤電気社製SE−70)及び誘電体損測定器(安藤電気社製TR−10C)により測定周波数1kHzで測定した。このコンダクタンスGから体積固有抵抗ρ(Ω・cm)を下記式より求めた。
ρ=(1/G)×(S/L)
S:ペレットの断面積(cm
L:ペレットの長さ(cm)
Figure 2009063736
上記カチオン性共重合体、ポリスチレンおよび正荷電制御剤を用いた正荷電トナーの実施例および比較例を以下に示す。
(実施例1)
スチレンアクリル共重合体樹脂(藤倉化成社製FSR−018)100部、正荷電制御剤(1)5部、カーボンブラック(三菱化学社製MA#100)4部、ビスコール550P(三洋化成工業社製)3部を配合した。これにより得た混合物を、ラボプラストミル(東洋精機製作所製)にて溶融混練し、ジェットミル(日本ニューマチック工業製)にて粉砕後、分級して粒径5〜15μmの正荷電トナーを製造した。この正荷電トナーに、外添剤としてシリカ(日本エアロジル製RA200H)0.9部を均一に塗布した。
(実施例2)
ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業社製DZ200)100部、正荷電制御剤(1)8部、銅フタロシアニン系油溶性染料(保土ヶ谷化学工業社製スピリオンブルー2BNH)4部、カルナウバワックス(加藤洋行社製)4部を配合した。これにより得た混合物を、ラボプラストミル(東洋精機製作所製)にて溶融混練し、ジェットミル(日本ニューマチック工業製)にて粉砕後、分級して粒径5〜15μmの正荷電トナーを製造した。この正荷電トナーに、外添剤としてシリカ(日本エアロジル製RA200H)0.9部を均一に塗布した。
(実施例3)
正荷電制御剤(1)を正荷電制御剤(2)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、正荷電トナーを得た。
(実施例4)
正荷電制御剤(1)を正荷電制御剤(3)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、正荷電トナーを得た。
(実施例5)
正荷電制御剤(1)を正荷電制御剤(4)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、正荷電トナーを得た。
(実施例6)
正荷電制御剤(1)を正荷電制御剤(5)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、正荷電トナーを得た。
(実施例7)
正荷電制御剤(1)を正荷電制御剤(6)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、正荷電トナーを得た。
(実施例8)
正荷電制御剤(1)を正荷電制御剤(7)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、正荷電トナーを得た。
(実施例9)
正荷電制御剤(1)を正荷電制御剤(8)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、正荷電トナーを得た。
(実施例10)
正荷電制御剤(1)を正荷電制御剤(9)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、正荷電トナーを得た。
(実施例11)
正荷電制御剤(1)の配合量を5部に変更したこと以外は実施例2と同様にして、正荷電トナーを得た。
(実施例12)
正荷電制御剤(1)を正荷電制御剤(10)に変更したこと以外は実施例1と同様にして、正荷電トナーを得た。
(比較例1)
正荷電制御剤(1)を正荷電制御剤(11)に変更したこと以外は実施例11と同様にして、正荷電トナーを得た。
(比較例2)
正荷電制御剤(1)を正荷電制御剤(12)に変更したこと以外は実施例11と同様にして、正荷電トナーを得た。
(比較例3)
正荷電制御剤(2)の配合量を0.7部に変更したこと以外は実施例2と同様にして、正荷電トナーを得た。
(比較例4)
正荷電制御剤(1)の配合量を22部に変更したこと以外は実施例2と同様にして、正荷電トナーを得た。
(比較例5)
ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業社製DZ200)100部、カチオン性共重合体(A−1)2.5部、ポリスチレン(B−1)2.5部、銅フタロシアニン系油溶性染料(保土ヶ谷化学工業社製スピリオンブルー2BNH)4部を配合した。これにより得た混合物を、ラボプラストミル(東洋精機製作所製)にて溶融混練し、ジェットミル(日本ニューマチック工業製)にて粉砕後、分級して粒径5〜15μmの正荷電トナーを製造した。この正荷電トナーに、外添剤としてシリカ(日本エアロジル製RA200H)0.9部を均一に塗布した。
(比較例6)
ポリエステル樹脂(大日本インキ化学工業社製DZ200)100部、カチオン性共重合体(A−2)2.5部、銅フタロシアニン系油溶性染料(保土ヶ谷化学工業社製スピリオンブルー2BNH)4部を配合した。これにより得た混合物を、ラボプラストミル(東洋精機製作所製)にて溶融混練し、ジェットミル(日本ニューマチック工業製)にて粉砕後、分級して粒径5〜15μmの正荷電トナーを製造した。この正荷電トナーに、外添剤としてシリカ(日本エアロジル製RA200H)0.9部を均一に塗布した。
(比較例7)
正荷電制御剤(1)をカチオン性共重合体(A−5)に変更したこと以外は実施例11と同様にして、正荷電トナーを得た。
上記実施例1〜12および比較例1〜7の正電荷トナーについて、オフセット性、帯電性を以下のように評価した。評価結果を表2,3に示す。
[ホットオフセット性]
正荷電トナーとフェライトキャリアとを混合したディベロッパーを紙の上面に載せ、紙の下面より磁石を当て、さらにその磁石を水平に直線状に移動させた。これにより、フェライトキャリアを移動させて、フェライトキャリアに付着していた正荷電トナーを紙に写した。その後、紙の上面からフェライトキャリアおよび紙に写らなかった正荷電トナーを吹き払った。この操作を終えた後の紙には、直線状に正荷電トナーが付着していた。
そのトナーが付着した紙を複数枚用意し、これらを、京セラ製プリンターECOSYS FS−1550の定着ロールを通過させた。なお、この定着ロールは、温度を制御できるように改造されており、230℃に調整されている。
定着ロール通過後にホットオフセットの発生を目視により観察し、ホットオフセットが見られなかったものを○とし、ホットオフセットが見られたものを×とした。
ここで、ホットオフセットとは、定着ロールを通過した際に、融解したトナーが定着ロールに移行し、あらたな紙を通した際に、定着ロールに付着したトナーが、そのあらたな紙に転写される現象のことである。
[コールドオフセット性]
定着ロールの温度を140℃に設定したこと以外はホットオフセット性の評価と同様の操作を行った。定着ロール通過後にコールドオフセットが見られなかったものを○とし、コールドオフセットが見られたものを×とした。
ここで、コールドオフセットとは、紙に付着したトナーの上部のみが融解し、紙が定着ロールに巻き付いてしまう現象のことである。
[帯電性]
キャリア(パウダーテック社製F921−60)100部に対し、正荷電トナー5部を配合し、温度22℃、相対湿度60%の5分間摩擦帯電させた。その後、ブローオフ粉体帯電量測定装置(東芝ケミカル社製)を用いて帯電量を測定した。また、1000分間摩擦帯電させたものについても帯電量を測定した。5分間摩擦帯電させた際の帯電量は初期帯電性の指標になり、1000分間摩擦帯電させた際の帯電量は長時間経過後の帯電性の指標になる。帯電量は20〜70μC/gであれば実用性を有する。帯電量が20μC/g以上であれば、カブリが生じにくく、70μC/g以下であれば、画像濃度の低下を防止できる。
Figure 2009063736
Figure 2009063736
結着剤100質量部に対し、カチオン性共重合体(A)とポリスチレン(B)とが溶融混合または溶解混合された正荷電制御剤を1〜20部含有する実施例1〜12の正帯電トナーでは、初期の帯電性が高く、しかも長時間経過後でも充分な帯電性を有していた。さらに、ポリスチレン(B)の質量平均分子量が1000〜10000であった実施例1〜11の正電荷トナーでは、ホットオフセットおよびコールドオフセットがいずれも見られなかった。
これに対し、正荷電制御剤におけるポリスチレン(B)の含有量が10部未満であった比較例1の正荷電トナーでは、長時間経過後の帯電性が低かった。
正荷電制御剤におけるポリスチレン(B)の含有量が90部を超えていた比較例2の正荷電トナーでは、初期の帯電性および長時間経過後の帯電性が共に低かった。
正荷電制御剤量が1部未満であった比較例3の正荷電トナーでは、初期の帯電性および長時間経過後の帯電性が共に低かった。
正荷電制御剤量が20部を超えていた比較例4の正荷電トナーでは、帯電性が高すぎて画像濃度の低下が見られた。したがって、比較例4の正荷電トナーは実用性の低いものである。
カチオン性共重合体(A)とポリスチレン(B)とが溶融混合および溶解混合されていない正荷電制御剤を含有する比較例5の正荷電トナーでは、長時間経過後の帯電性が低かった。
正荷電制御剤がポリスチレン(B)を含まない比較例6の正荷電トナーでは、長時間経過後の帯電性が低かった。
ポリスチレンが共重合されたカチオン性共重合体を正荷電制御剤として用いた比較例7の正荷電トナーでは、長時間経過後の帯電性が低かった。

Claims (4)

  1. カチオン性共重合体(A)とポリスチレン(B)とが溶融混合または溶解混合された正荷電制御剤であって、
    カチオン性共重合体(A)が、スチレン単量体(M1)および/または(メタ)アクリル酸アルキルエステル単量体(M2)と、ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート単量体の4級アンモニウム塩(M3)とを共重合して得た共重合体であり、
    カチオン性共重合体(A)とポリスチレン(B)との合計質量を100質量%とした際に、ポリスチレン(B)の含有量が10〜90質量%であることを特徴とする正荷電制御剤。
  2. ポリスチレンの質量平均分子量が1000〜10000であることを特徴とする請求項1に記載の正荷電制御剤。
  3. 前記ジアルキルアミノアルキル(メタ)アクリレート単量体の4級アンモニウム塩(M3)が、下記式(1)で示される化合物であることを特徴とする請求項1または2に記載の正荷電制御剤。
    Figure 2009063736
    (式(1)中、Rは水素原子またはメチル基、Rはアルキレン基、R〜Rは各々独立してアルキル基を示す。)
  4. 結着剤100質量部に対し、請求項1〜3のいずれかに記載の正荷電制御剤を1〜20質量部含有することを特徴とする正帯電トナー。
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