JP2013148798A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】同一分子内に重合性官能基および重合開始基を有するイニマーを用いて形成される単独重合体または前記イニマーとビニル系単量体とを用いて形成される共重合体であるハイパーブランチポリマーを含有することを特徴とする。このハイパーブランチポリマーが、末端変性型のものであることが好ましく、また、リビングラジカル重合法により得られたものであることが好ましい。
【選択図】なし
Description
このような装置に対応した低温定着性の静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)は、実用上いくつかの問題が生じる。具体的には、低温定着性トナーを高速大量印刷用の画像形成装置において用いる場合においては、定着時にトナーの粘度が大幅に低下するほどに溶融が進行すると、溶融したトナーの一部が定着部材に移行し、ホットオフセット現象が発生するという問題が生じる。
例えば、特許文献1および2では、トナーの結着樹脂として結晶性樹脂を用いることが提案されている。
また例えば、特許文献3では、トナーの結着樹脂として、分子量分布の広い樹脂、具体的には溶剤に溶解しない成分を含む部分的に架橋したポリエステル樹脂を用いることが提案されている。
ハイパーブランチポリマーは、ABx型分子(AおよびBは、互いに異なる官能基aおよびbを有する有機基であり、官能基aおよびbは、互いに化学的に縮合反応、付加反応を起こすことができるものである。xは2以上の整数である。)の重合により合成されることが知られている(非特許文献1および2参照)。ABx型分子の重合時には、AB型分子(1分子中にAおよびBの有機基を各1つ有する化合物)を共重合させることも知られている(例えば特許文献4参照)。
しかしながら、ABxモノマーやABモノマーは適用できる種類が限定されており、ゲル化を抑制しながら、ガラス転移点や分子量を上げることは非常に困難であった。
本発明の静電荷像現像用トナーは、少なくとも結着樹脂として、同一分子内に重合性官能基および重合開始基を有するイニマー単独重合体またはこのイニマーとビニル系単量体との共重合体であるハイパーブランチポリマーを含有するトナー粒子よりなるものである。
なお、本発明において、トナーとは、トナー粒子の集合体のことをいう。
また、本発明のトナーにおいては、トナー粒子に対して、流動化剤などの外添剤が外部添加されていてもよい。
本発明のトナーを構成するトナー粒子には、結着樹脂としてハイパーブランチポリマーが含有されるが、その他の樹脂が含有されていてもよい。
本発明のトナーにおいて、ハイパーブランチポリマーは、同一分子内に重合性官能基および重合開始基を有するイニマーを用いて重合し形成される単独重合体またはこのイニマーとビニル系単量体とを用いて重合し形成される共重合体とされる。本発明におけるハイパーブランチポリマーは、高度に分岐したポリマーであって、重合中に枝分かれを繰り返しながら生長していくポリマーである。末端基を樹脂の外側に多数有するが、ゲル化は起こさず、熱可塑性を示すものである。
ここで、重合開始基とは、重合開始部位として機能する官能基をいう。
原子移動ラジカル重合法(ATRP)は、遷移金属錯体を触媒、有機ハロゲン化合物を重合開始剤とするラジカル重合法である。
本発明に係るハイパーブランチポリマーをATRPにより生成する場合においては、イニマーを構成する重合開始基としては、例えば、公知のATRPの重合開始部位として機能する官能基を利用することができるが、化合物の安定性、入手容易性、ハロゲン原子の脱離の容易性から、ベンジルクロライド基、ベンジルブロマイド基、2−クロロプロピオン酸エステル、2−ブロモプロピオン酸エステルなどが挙げられる。
以上のような重合開始基を有するイニマーとしては、ビニル基とATRP重合開始部位として機能する官能基(重合開始基)とを有する化合物であれば特に限定されないが、下記式(4)で表わされる化合物が好ましく用いられる。
重合方法は特に制限されず、慣用の方法、例えば、塊状重合、溶液重合、懸濁重合、または乳化重合などが採用できるが、ゲル化や多分散度の増加を抑制する観点から溶液重合が好ましい。
式(1)で表わされるジチオカルバメート化合物を用いた熱重合法は、当該ジチオカルバメート化合物を50〜250℃で加熱することにより重合させる方法である。
式(1)で表わされるジチオカルバメート化合物は、上記式(4)で表わされる化合物と下記式(6)で表わされる化合物との求核置換反応により得ることができる。
ヒドロキシル基含有(メタ)アクリレート類としては、例えば、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートなどのヒドロキシアルキル(メタ)アクリレート類、ポリアルキレンオキシドの片末端がヒドロキシル基でもう一方が(メタ)アクリレート化された化合物であるポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートなどが挙げられ、これらのなかでも、ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートおよびポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレートが好ましい。ポリエチレングリコールモノ(メタ)アクリレート、エチレングリコ-ルモノ(t−ブチルジメチルシリル)エーテルのアルカリ金属塩を開始剤として、エチレンオキシド(EO)をリビング重合させ、p−ビニルベンジルクロリドまたはメタクリロイルクロリドによる重合性官能基の導入後、t−ブチルジメチルシリルを脱離基とし下記式(6)で表わされる化合物と反応させることによっても得ることができる。ポリプロピレングリコールモノ(メタ)アクリレートも同様の方法によっても得ることができる。そのなかでも、式(1)で表わされるジチオカルバメート化合物としては、化合物の安定性、入手容易性、反応性から、N,N−ジエチルジチオカルバミルメチルスチレン、1−メタクロイルオキシ−2−(2−(N,N−ジエチルジチオカルバミル)プロピロイルオキシ)エタン、1−(N,N−ジエチルジチオカルバミル)−2−メタクロイルオキシエタン、α−メタクロイル−ω−(N,N−ジエチルジチオカルバミル)ジ(オキシエチレン)が好ましく用いられる。
共重合体を得るためのコモノマーであるビニル系単量体としては、特に限定されないが、例えば、スチレン、メタアクリル酸メチル、メタアクリル酸エチル、メタアクリル酸n−ブチル、メタアクリル酸イソプロピル、メタアクリル酸イソブチル、メタアクリル酸t−ブチル、メタアクリル酸n−オクチル、メタアクリル酸2−エチルヘキシル、メタアクリル酸ステアリル、メタアクリル酸ラウリル、メタアクリル酸フェニル、メタアクリル酸ジエチルアミノエチル、メタアクリル酸ジメチルアミノエチルなどのメタアクリル酸エステル誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル誘導体;アクリルアミドなどのアクリル酸又はメタアクリル酸誘導体、酢酸ビニル、酪酸ビニルなどのビニル系単量体から誘導される化合物を挙げることができる。これらのビニル系単量体は単独でイニマーと共重合させることもできるし、組み合わせて用いることもできる。
分岐構造に由来する機能を発現させるためには、イニマーとコモノマー共重合比は、イニマーが5〜100%であることが好ましい。
具体的には、結着樹脂として、末端が変性されていないハイパーブランチポリマー(以下、「未変性型ハイパーブランチポリマー」ともいう。)を単独で用いても、未変性型ハイパーブランチポリマーと後述する他の樹脂と組み合わせて用いても、末端変性型ハイパーブランチポリマーを単独で用いても、末端変性型ハイパーブランチポリマーと他の樹脂とを組み合わせて用いても、未変性型ハイパーブランチポリマーと末端変性型ハイパーブランチポリマーとを組み合わせて用いてもよい。本発明のトナーにおいては、トナー粒子とした際の表面性や帯電性、モルフォロジーなどを制御性の観点から、末端変性型ハイパーブランチポリマーを単独で、または、末端変性型ハイパーブランチポリマーと他の樹脂とを組み合わせて用いることが好ましい。
分岐度が1.2未満である場合は、当該ハイパーブランチポリマーが強度および流動性に劣るものとなって、結着樹脂中の他の成分の分子鎖との絡み合いが不十分となり、従って、ドキュメントオフセット現象の発生を十分に抑制することができないおそれがある。一方、分岐度が10を超える場合は、当該ハイパーブランチポリマーがゲル状となり易く、トナーの製造工程において形状制御性が低いために得られるトナーを所望の形状のものとすることができず、その結果、得られるトナーが転写性の低いものとなって、形成される画像の画質が低くなるおそれがある。
多分散度が過大である場合は、ハイパーブランチポリマーの一部がゲルを形成していると考えられ、形成したゲルによって溶融粘度が上昇し、低温定着性が阻害されるおそれがある。
リニア換算質量平均分子量(MwL)が過小である場合は、耐ホットオフセット性や耐ドキュメントオフセット性を十分に得ることができないおそれがある。一方、リニア換算質量平均分子量(MwL)が過大である場合は、低温定着性を阻害するおそれがある。
−測定条件−
〔GPC法〕
装置:東ソー(株)、HLC−8220GPC
カラム:Shodex KF−804L+KF−803L
カラム温度:40℃
溶媒:テトラヒドロフラン
検出器:UV−254nm、RI
〔GPC/MALLS法〕
装置:Wyatt DAWN HELEOS
測定温度:40℃
ハイパーブランチポリマーの含有割合が上記範囲内であることにより、低温定着性および耐ホットオフセット性を有しながらも、耐ドキュメントオフセット性を確実に得ることができる。
本発明のトナーを構成するトナー粒子には、ハイパーブランチポリマーと共に他の樹脂が含有されていてもよく、他の樹脂としては、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂などが挙げられる。
具体的には、装置「HLC−8220」(東ソー社製)およびカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.2mL/分で流し、試料(樹脂)を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mLになるようにTHFに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒と共に装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出される。検量線測定用のポリスチレンとしては10点用いる。
多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−ドデカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどの脂肪族ジオール;ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのビスフェノール類;およびこれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物などのビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などが挙げられる。また、3価以上の多価アルコールとしては、例えば、グリセリン、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパン、ソルビトールなどが挙げられる。不飽和基を有する多価アルコールとしては、例えば、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブテンー1,8−ジオール、9−オクタデゼン−7,12ジオールなどの不飽和二重結合を有するもの;2−ブチン−1,4−ジオール、3−ブチン−1,4−ジオールなどの不飽和三重結合を有するものなどが挙げられる。これらの多価アルコールは、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
多価カルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸などの脂肪族カルボン酸;これら脂肪族カルボン酸の低級アルキルエステルや酸無水物;フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、オルトフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族カルボン酸;トリメット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸などが挙げられる。不飽和基を有する多価カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸などの不飽和脂肪族カルボン酸;およびこれらの酸無水物または酸塩化物;コーヒー酸などの不飽和芳香族カルボン酸などが挙げられる。これらの多価カルボン酸は、単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
本発明において、結着樹脂としてポリエステル樹脂を用いる場合においては、フタル酸が縮重合されたものであることが好ましい。
本発明のトナーを構成するトナー粒子には、着色剤が含有されていてもよい。着色剤としては、例えば、カーボンブラック、黒色酸化鉄、染料、その他の顔料などの公知の種々の着色剤を用いることができる。
カーボンブラックとしては、例えば、チャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどが挙げられ、黒色酸化鉄としては、例えば、マグネタイト、ヘマタイト、三酸化チタン鉄などが挙げられる。
染料としては、例えば、C.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95などが挙げられる。
顔料としては、例えば、C.I.ピグメントレッド5、同48:1、同48:3、同53:1、同57:1、同81:4、同122、同139、同144、同149、同150、同166、同177、同178、同222、同238、同269、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同156、同158、同180、同185、C.I.ピグメントグリーン7、C.I.ピグメントブルー15:3、同60などが挙げられる。
各色のトナーを得るための着色剤は、各色について、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
着色剤の含有割合が過少である場合は、得られるトナーに所望の着色力が得られないおそれがあり、一方、着色剤の含有割合が過多である場合は、着色剤の遊離やキャリアなどへの付着が発生し、帯電性に影響を与える場合がある。
本発明のトナーを構成するトナー粒子には、必要に応じて離型剤が含有されていてもよい。離型剤としては、公知の種々のワックスを用いることができる。このようなワックスとしては、具体的には、低分子量のポリプロピレン、ポリエチレン、または、酸化型のポリプロピレン、ポリエチレンなどのポリオレフィン系ワックスが挙げられる。
離型剤の含有割合は、結着樹脂100質量部に対して1〜30質量部とされることが好ましく、より好ましくは1〜20質量部である。
本発明のトナーを構成するトナー粒子には、必要に応じて磁性粉が含有されていてもよい。磁性粉としては、例えば、マグネタイト、γ−ヘマタイト、各種フェライトなどが挙げられる。
磁性粉の含有割合は、結着樹脂100質量部に対して30〜200質量部とされることが好ましく、より好ましくは60〜200質量部である。
本発明のトナーを構成するトナー粒子には、必要に応じて荷電制御剤が含有されていてもよい。荷電制御剤としては、摩擦帯電により正または負の帯電を与えることのできる物質であれば特に限定されず、公知の種々の正帯電制御剤および負帯電制御剤を用いることができる。
荷電制御剤の含有割合は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜30質量部とされることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量部である。
本発明のトナーは、そのままトナーとして用いることができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、トナー粒子に対し、いわゆる流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加した状態で用いることができる。
流動化剤としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、酸化亜鉛、酸化鉄、酸化銅、酸化鉛、酸化アンチモン、酸化イットリウム、酸化マグネシウム、チタン酸バリウム、フェライト、ベンガラ、フッ化マグネシウム、炭化ケイ素、炭化ホウ素、窒化ケイ素、窒化ジルコニウム、マグネタイト、ステアリン酸マグネシウムなどよりなる無機微粒子などが挙げられる。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、トナー粒子の表面への分散性向上、環境安定性向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
クリーニング助剤としては、例えば、ポリスチレン微粒子、ポリメチルメタクリレート微粒子などが挙げられる。
外添剤としては種々のものを組み合わせて用いることができる。
本発明のトナーは、粒径が体積基準のメディアン径で3〜9μmであることが好ましく、より好ましくは5〜7μmである。
トナーの体積基準のメディアン径が上記範囲内にあることにより、転写効率が高くなってハーフトーン画像の画質が向上し、さらに、細線やドットなどの画質が向上する。
具体的には、試料(トナー)0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、分散液を調製し、この分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒径が体積基準のメディアン径とされる。
本発明のトナーは、平均円形度が、転写効率の向上とクリーニング性との両立の観点から、0.930〜1.000であることが好ましく、より好ましくは0.95〜0.98である。
具体的には、試料(トナー)を界面活性剤含有水溶液にてなじませ、超音波分散処理を1分間行って分散させた後、「FPIA−2100」(Sysmex社製)により、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3,000〜10,000個の適正濃度で撮影を行い、個々のトナーについて下記式(T)に従って円形度を算出し、各トナー粒子の円形度を加算し、全トナー粒子数で除することにより算出される。
式(T):円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子役影像の周囲長)
本発明のトナーは、ガラス転移点が20〜50℃であることが好ましく、より好ましくは30〜45℃である。
本発明のトナーは、軟化点が90〜120℃であることが好ましく、より好ましくは90〜100℃である。
本発明に係るトナーを作製する方法としては、混練粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル伸長法、分散重合法などが挙げられる。
これらの中でも、高画質化、高安定性に有利となる粒子径の均一性、形状の制御性、コアシェル構造形成の容易性の観点より、乳化凝集法を採用することが好ましい。
乳化凝集法は、界面活性剤や分散安定剤によって分散された樹脂微粒子の分散液を、必要に応じて着色剤微粒子などのトナー粒子構成成分の分散液と混合し、凝集剤を添加することによって所望のトナーの粒子径となるまで凝集させ、その後または凝集と同時に、樹脂微粒子間の融着を行い、形状制御を行うことにより、トナー粒子を製造する方法である。
ここで、樹脂微粒子は、任意に離型剤、荷電制御剤などの内添剤を含有したものとしてもよく、組成の異なる樹脂によりなる2層以上の構成とする複数層で形成された複合粒子とすることもできる。
また、凝集時に、異種の樹脂微粒子を添加し、コアシェル構造のトナー粒子とすることもトナー構造設計の観点から好ましい。
樹脂微粒子は、例えば、乳化重合法、ミニエマルション重合法、転相乳化法などにより製造、またはいくつかの製法を組み合わせて製造することができる。
本発明のトナーは、磁性または非磁性のトナーのみよりなる一成分現像剤であっても、トナーとキャリアとが混合されてなる二成分現像剤であってもよい。
本発明のトナーを二成分現像剤として用いる場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。
樹脂被覆型キャリアにおいて用いられる被覆樹脂としては、特に限定されないが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。
分散型キャリアにおいて用いられるバインダー樹脂としては、特に限定されないが、例えば、スチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などが挙げられる。
キャリアの体積基準のメディアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザー回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
本発明のトナーは、一般的な電子写真方式による画像形成方法に好適に用いることできる。
5,000mLの反応フラスコにN,N−ジエチルジチオカルバミルメチルスチレン(以下、「S−DC」という。)595g、キシレン255g、二硫化テトラエチルチウラム(関東化学社製)11.9g(S−DCの質量に対して2質量%)を入れ、撹拌して溶解した。撹拌しながら窒素置換を施し、反応フラスコをオイルバスに入れ、フラスコ内の温度が120℃になるまで加熱し、120±5℃に達した時点で重合を開始した。12時間後反応フラスコをオイルバスから出し、室温まで冷却した後シクロヘキサノン5.1kgを入れた。このときの転化率は91%だった。この反応液を29.8kgのメタノールを用いて再沈精製を実施し、減圧濾過を行い、白色固体を得た。得られた固体をシクロヘキサノン4.5kgで再溶解し、メタノール25kgを用いて再沈精製を行い、減圧濾過、真空乾燥を実施して白色粉末のハイパーブランチポリマー〔A1〕512gを得た。
得率は86%であった。GPC法によって測定されるリニア換算質量平均分子量(MwL)は21,000、GPC/MALLS法によって測定される質量平均分子量(MwB)は40,000、分岐度は1.90、多分散度は2.4であった。
ハイパーブランチポリマーの作製例1において、「S−DC」を「α−メタクロイル−ω−(N,N−ジエチルジチオカルバミル)ジ(オキシエチレン)(以下、「MA−EO2−DC」という。)に変更した以外は同様にして、重合、精製を行い、白色粉末のハイパーブランチポリマー〔A2〕502gを得た。
転化率は90%、得率は84%であった。GPC法によって測定されるリニア換算質量平均分子量(MwL)は29,500、GPC/MALLS法によって測定される質量平均分子量(MwB)は61,300、分岐度は2.08、多分散度は2.4であった。
5,000mLの反応フラスコにアニソール1000g、トリス(2−ピリジルメチル)アミン(関東化学社製)0.76g、CuBr2 0.57gを入れ、撹拌して溶解した。撹拌しながらビニルベンジルクロライド(以下、「VBC」という。)608gを加えた後、窒素置換を実施した。2−エチルヘキサン酸スズ(以下、「Sn(2EH)2」という。)2.10gを室温で加えた後、反応フラスコをオイルバスに入れ、フラスコ内の温度が100℃になるまで加熱し、100±5℃に達した時点で重合を開始とした。12時間後反応フラスコをオイルバスから出し、室温まで冷却した後、シクロヘキサノン4.1kgを入れた。このときの転化率は93%だった。この反応液を29.8kgのメタノールを用いて再沈精製を実施し、減圧濾過を行い、淡黄色固体を得た。得られた固体をシクロヘキサノン4.5kgで再溶解し、メタノール25kgを用いて再沈精製を行い、減圧濾過、真空乾燥を実施し、白色粉末のハイパーブランチポリマー〔A3〕535gを得た。
得率は88%であった。GPC法によって測定されるリニア換算質量平均分子量(MwL)は25,500、GPC/MALLS法によって測定される質量平均分子量(MwB)は74,500、分岐度は2.92、多分散度は2.8であった。
ハイパーブランチポリマーの作製例3において、「VBC」を1−メタクロイルオキシ−2−(2−ブロモプロピロイルオキシ)エタン(以下、「MA−Et−BPO」という。)に変更した以外は同様にして重合、精製を行い、白色粉末のハイパーブランチポリマー〔A4〕530gを得た。
転化率は92%、得率は87%であった。GPC法によって測定されるリニア換算質量平均分子量(MwL)は41,000、GPC/MALLS法によって測定される質量平均分子量(MwB)は71,000、分岐度は1.73、多分散度は2.2であった。
ハイパーブランチポリマーの作製3において、「VBC」に代えてα-メタクロイル−ω−(2−ブロモプロピロイルオキシ)ジ(オキシエチレン)(以下、「MA−EO2−BPO」という。)を152g、メタクリル酸メチル(以下、「MMA」という。)を304g、アクリル酸ブチル(以下、「BA」という。)を152g用いて重合した。反応温度を90±5℃とした以外は同様にして重合、精製を行い、白色粉末ハイパーブランチポリマー〔A5〕515gを得た。
転化率は90%、得率は85%であった。GPC法によって測定されるリニア換算質量平均分子量(MwL)は17,500、GPC/MALLS法によって測定される質量平均分子量(MwB)は54,500、分岐度は3.11、多分散度は2.1であった。
ハイパーブランチポリマーの作製例1に従って12時間反応させるところまでは同様の操作を行い、反応フラスコの温度を90℃まで冷却した。90℃に到達したのちMMA80gとBA20gとの混合物を約30分間かけて滴下した。滴下終了後90℃±5℃で12時間反応させた。室温まで冷却後、ハイパーブランチポリマー〔A1〕同様に再沈精製を行い、白色粉末の末端変性型ハイパーブランチポリマー〔B1〕591gを得た。
転化率は90%、得率は85%であった。GPC法によって測定されるリニア換算質量平均分子量(MwL)は29,000、GPC/MALLS法によって測定される質量平均分子量(MwB)は49,000、分岐度は1.67、多分散度は2.4であった。
ハイパーブランチポリマーの作製例6において、ハイパーブランチポリマー〔A1〕をハイパーブランチポリマー〔A2〕に変更した以外は同様にして、重合、精製を行い、白色粉末の末端変性型ハイパーブランチポリマー〔B2〕601gを得た。
転化率は91%、得率は86%であった。GPC法によって測定されるリニア換算質量平均分子量(MwL)は38,000、GPC/MALLS法によって測定される質量平均分子量(MwB)は68,700、分岐度は1.80、多分散度は2.5であった。
ハイパーブランチポリマーの作製例7において、MMA80gとBA20gとの混合物をスチレン(以下、「ST」という。)80gとBA20gとの混合物に変更した以外は同様にして、重合、精製を行い、白色粉末の末端変性型ハイパーブランチポリマー〔B3〕603gを得た。
転化率は92%、得率は87%であった。GPC法によって測定されるリニア換算質量平均分子量(MwL)は39,000、GPC/MALLS法によって測定される質量平均分子量(MwB)は67,900、分岐度は1.74、多分散度は2.5であった。
ハイパーブランチポリマーの作製例3に従って、12時間反応させるところまでは同様の操作を行い、反応フラスコの温度を90℃まで冷却した。90℃に到達したのちMMA80gとBA20gとの混合物を約30分間かけて滴下した。滴下終了後90℃±5℃で12時間反応させた。室温まで冷却後、ハイパーブランチポリマー〔A3〕同様に再沈精製を行い、白色粉末の末端変性型ハイパーブランチポリマー〔B4〕606gを得た。
転化率は92%、得率は86%であった。GPC法によって測定されるリニア換算質量平均分子量(MwL)は33,200、GPC/MALLS法によって測定される質量平均分子量(MwB)は92,000、分岐度は2.77、多分散度は2.6であった。
ハイパーブランチポリマーの作製例9において、ハイパーブランチポリマー〔A3〕をハイパーブランチポリマー〔A4〕に変更した以外は同様にして、重合、精製を行い、白色粉末の末端変性型ハイパーブランチポリマー〔B5〕601gを得た。
転化率は91%、得率は85%であった。GPC法によって測定されるリニア換算質量平均分子量(MwL)は58,000、GPC/MALLS法によって測定される質量平均分子量(MwB)は100,700、分岐度は1.73、多分散度は2.4であった。
ハイパーブランチポリマーの作製例9において、ハイパーブランチポリマー〔A3〕をハイパーブランチポリマー〔A5〕に変更した以外は同様にして、重合、精製を行い、白色粉末の末端変性型ハイパーブランチポリマー〔B6〕598gを得た。
転化率は91%、得率は84%であった。GPC法によって測定されるリニア換算質量平均分子量(MwL)は24,500、GPC/MALLS法によって測定される質量平均分子量(MwB)は71,800、分岐度は2.93、多分散度は2.0であった。
撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた反応容器に、多価カルボン酸として、フマル酸4.2質量部、テレフタル酸78質量部、多価アルコールとして、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンプロピレンオキサイド2モル付加物152質量部、2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンエチレンオキサイド2モル付加物48質量部を仕込み、1時間を要して190℃まで上げ、反応系内が均一に攪拌されていることを確認した後、触媒Ti(OBu)4 (多価カルボン酸全量に対し、0.006質量%)を投入した。
更に、生成する水を留去しながら同温度から6時間を要して240℃まで温度を上げ、240℃でさらに6時間脱水縮合反応を継続し重合を行い、ポリエステル樹脂〔1〕を得た。得られたポリエステル樹脂〔1〕の分子量をGPC法にて測定したところ、質量平均分子量(Mw)は15,300(東ソー社製 HLC−8 120GPC、スチレン標準物質で換算)であった。
還流管、撹拌装置、温度センサー、窒素導入管、滴下装置および減圧装置を備えた加圧可能な反応容器に、溶媒としてメタノール250質量部、2−ブタノン150質量部および2−プロパノール100質量部、重合性モノマーとしてスチレン55.0質量部、メタクリル酸メチル5.0質量部、アクリル酸ブチル33質量部、メタクリル酸7.0質量部、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート2.0質量部を添加して撹拌しながら還流温度まで加熱した。重合開始剤であるt−ブチルペルオキシ−2−エチルヘキサノエート1質量部を2−ブタノン20質量部で希釈した溶液を30分かけて滴下して5時間撹拌を継続して終了した。この反応液を3000質量部のメタノールを用いて沈殿精製を実施し、減圧濾過を行い、白色固体を得た。得られた固体をシクロヘキサノン400質量部で再溶解し、メタノール2500質量部を用いて再沈精製を行い、減圧濾過、真空乾燥を実施し、白色粉末のスチレン−アクリル系樹脂〔1〕を得た。得られたスチレン−アクリル系樹脂〔1〕の分子量をGPC法にて測定したところ、質量平均分子量(Mw)は22,000であった。Mw/Mnは3.2であった。
ポリエステル樹脂〔1〕をハンマーミルで粗粉砕したものとハイパーブランチポリマー〔A1〕とを用い、結着樹脂粒子分散液〔1〕を調製した。
撹拌動力を与えるアンカー翼の備えられた反応容器に、メチルエチルケトン180質量部、イソプロピルアルコール(IPA)60質量部を添加、窒素を送気し、系内の空気を置換した。次いで、系内オイルバス装置により60℃に加熱しながらポリエステル樹脂〔1〕261質量部とハイパーブランチポリマー〔A1〕30質量部とをゆっくりと添加し、撹拌しながら溶解させた。次いで、これに10%アンモニア水20質量部を添加したのち、定量ポンプを用い、攪拌しながらこれに脱イオン水1500質量部を投入した。乳化系内が乳白色を呈し、且つ撹拌粘度が低下した時点を乳化終了とした。
遠心力に基づく差圧によって樹脂粒子分散液を汲み上げ、反応槽内壁上に濡れ壁を形成する撹拌翼、還流装置および真空ポンプによる減圧装置が備えられた3Lセパラブルフラスコへ乳化系を移し、反応槽内壁温度を58℃、反応槽内圧8kPa[abs]の減圧下で撹拌した。還流量が650質量部に達した際、これを終点とし、反応槽内圧を常圧にして、撹拌しながら常温まで冷却した。得られた結着樹脂粒子分散液〔1〕中に分散する結着樹脂粒子の体積基準のメディアン径は162nmであった。
結着樹脂粒子分散液の調製例1において、ハイパーブランチポリマー〔A1〕をハイパーブランチポリマー〔A2〕に変更した以外は同様にして、結着樹脂粒子分散液〔2〕を調製した。得られた結着樹脂粒子分散液〔2〕中に分散する結着樹脂粒子の体積基準のメディアン径は167nmであった。
結着樹脂粒子分散液の調製例1において、ハイパーブランチポリマー〔A1〕をハイパーブランチポリマー〔A3〕に変更した以外は同様にして、結着樹脂粒子分散液〔3〕を調製した。得られた結着樹脂粒子分散液〔3〕中に分散する結着樹脂粒子の体積基準のメディアン径は177nmであった。
結着樹脂粒子分散液の調製例1において、ハイパーブランチポリマー〔A1〕をハイパーブランチポリマー〔A4〕に変更した以外は同様にして、結着樹脂粒子分散液〔4〕を調製した。得られた結着樹脂粒子分散液〔4〕中に分散する結着樹脂粒子の体積基準のメディアン径は169nmであった。
結着樹脂粒子分散液の調製例1において、ハイパーブランチポリマー〔A1〕をハイパーブランチポリマー〔A5〕に変更した以外は同様にして、結着樹脂粒子分散液〔5〕を調製した。得られた結着樹脂粒子分散液〔5〕中に分散する結着樹脂粒子の体積基準のメディアン径は182nmであった。
結着樹脂粒子分散液の調製例1において、ハイパーブランチポリマー〔A1〕をハイパーブランチポリマー〔B1〕に変更した以外は同様にして、結着樹脂粒子分散液〔6〕を調製した。得られた結着樹脂粒子分散液〔6〕中に分散する結着樹脂粒子の体積基準のメディアン径は189nmであった。
結着樹脂粒子分散液の調製例1において、ハイパーブランチポリマー〔A1〕をハイパーブランチポリマー〔B2〕に変更した以外は同様にして、結着樹脂粒子分散液〔7〕を調製した。得られた結着樹脂粒子分散液〔7〕中に分散する結着樹脂粒子の体積基準のメディアン径は172nmであった。
結着樹脂粒子分散液の調製例1において、ハイパーブランチポリマー〔A1〕をハイパーブランチポリマー〔B3〕に変更した以外は同様にして、結着樹脂粒子分散液〔8〕を調製した。得られた結着樹脂粒子分散液〔8〕中に分散する結着樹脂粒子の体積基準のメディアン径は181nmであった。
結着樹脂粒子分散液の調製例1において、ハイパーブランチポリマー〔A1〕をハイパーブランチポリマー〔B4〕に変更した以外は同様にして、結着樹脂粒子分散液〔9〕を調製した。得られた結着樹脂粒子分散液〔9〕中に分散する結着樹脂粒子の体積基準のメディアン径は197nmであった。
結着樹脂粒子分散液の調製例1において、ハイパーブランチポリマー〔A1〕をハイパーブランチポリマー〔B5〕に変更した以外は同様にして、結着樹脂粒子分散液〔10〕を調製した。得られた結着樹脂粒子分散液〔10〕中に分散する結着樹脂粒子の体積基準のメディアン径は191nmであった。
結着樹脂粒子分散液の調製例1において、ハイパーブランチポリマー〔A1〕をハイパーブランチポリマー〔B6〕に変更した以外は同様にして、結着樹脂粒子分散液〔11〕を調製した。得られた結着樹脂粒子分散液〔11〕中に分散する結着樹脂粒子の体積基準のメディアン径は184nmであった。
結着樹脂粒子分散液の調製例1において、ポリエステル樹脂〔1〕を添加せず、また、ハイパーブランチポリマー〔A1〕をハイパーブランチポリマー〔A2〕291質量部に変更した以外は同様にして、結着樹脂粒子分散液〔12〕を調製した。得られた結着樹脂粒子分散液〔12〕中に分散する結着樹脂粒子の体積基準のメディアン径は201nmであった。
結着樹脂粒子分散液の調製例12において、ハイパーブランチポリマー〔A2〕をハイパーブランチポリマー〔A5〕に変更した以外は同様にして、結着樹脂粒子分散液〔13〕を調製した。得られた結着樹脂粒子分散液〔13〕中に分散する結着樹脂粒子の体積基準のメディアン径は194nmであった。
結着樹脂粒子分散液の調製例12において、ハイパーブランチポリマー〔A2〕をハイパーブランチポリマー〔B1〕に変更した以外は同様にして、結着樹脂粒子分散液〔14〕を調製した。得られた結着樹脂粒子分散液〔14〕中に分散する結着樹脂粒子の体積基準のメディアン径は204nmであった。
結着樹脂粒子分散液の調製例12において、ハイパーブランチポリマー〔A2〕をハイパーブランチポリマー〔B2〕に変更した以外は同様にして、結着樹脂粒子分散液〔15〕を調製した。得られた結着樹脂粒子分散液〔15〕中に分散する結着樹脂粒子の体積基準のメディアン径は189nmであった。
結着樹脂粒子分散液の調製例12において、ハイパーブランチポリマー〔A2〕をハイパーブランチポリマー〔B6〕に変更した以外は同様にして、結着樹脂粒子分散液〔16〕を調製した。得られた結着樹脂粒子分散液〔16〕中に分散する結着樹脂粒子の体積基準のメディアン径は209nmであった。
結着樹脂粒子分散液の調製例7において、ポリエステル樹脂〔1〕をスチレン−アクリル系樹脂〔1〕に変更した以外は同様にして、結着樹脂粒子分散液〔17〕を調製した。得られた結着樹脂粒子分散液〔17〕中に分散する結着樹脂粒子の体積基準のメディアン径は194nmであった。
結着樹脂粒子分散液の調製例8において、ポリエステル樹脂〔1〕をスチレン−アクリル系樹脂〔1〕に変更した以外は同様にして、結着樹脂粒子分散液〔18〕を調製した。得られた結着樹脂粒子分散液〔18〕中に分散する結着樹脂粒子の体積基準のメディアン径は199nmであった。
結着樹脂粒子分散液の調製例11において、ハイパーブランチポリマー〔B6〕30質量部を5質量部に変更した以外は同様にして、結着樹脂粒子分散液〔19〕を調製した。得られた結着樹脂粒子分散液〔19〕中に分散する結着樹脂粒子の体積基準のメディアン径は179nmであった。
結着樹脂粒子分散液の調製例1において、ハイパーブランチポリマー〔A1〕を添加せず、ポリエステル樹脂〔1〕291質量部に変更した以外は同様にして、結着樹脂粒子分散液〔20〕を調製した。得られた結着樹脂粒子分散液〔20〕中に分散する結着樹脂粒子の体積基準のメディアン径は165nmであった。
結着樹脂粒子分散液の調製例17において、ハイパーブランチポリマー〔B1〕を添加せず、スチレン−アクリル系樹脂〔1〕291質量部に変更した以外は同様にして、結着樹脂粒子分散液〔21〕を調製した。得られた結着樹脂粒子分散液〔21〕中に分散する結着樹脂粒子の体積基準のメディアン径は184nmであった。
着色剤としてC.I.ピグメントブルー15:3(DIC社製)50質量部、イオン性界面活性剤「ネオゲンRK」(第一工業製薬社製)5質量部およびイオン交換水195質量部を混合溶解し、ホモジナイザー「ウルトラタラックス」(IKA社製)を用いて10分間分散処理を行って、着色剤粒子分散液〔1〕を調製した。得られた着色剤粒子分散液〔1〕中に分散する着色剤粒子の体積基準のメディアン径は185nmであった。
パラフィンワックス「FNP92」(融点91℃、日本精蝋社製)50質量部、イオン性界面活性剤「ネオゲンRK」(第一工業製薬社製)およびイオン交換水195質量部を60℃に加熱して、ホモジナイザー「ウルトラタラックスT50」(IKA社製)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザーで分散処理を行って、離型剤粒子分散液〔1〕を調製した。得られた離型剤粒子分散液〔1〕中に分散する離型剤粒子の体積基準のメディアン径は、170nmであった。
撹拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入装置を備えた反応容器に、結着樹脂粒子分散液〔1〕900質量部、着色剤粒子分散液〔1〕60質量部および離型剤粒子分散液〔1〕60質量部を丸型ステンレス製フラスコ中に投入し、ホモジナイザー「ウルトラタラックス」(IKA社製)で混合撹拌した。これに、ポリ塩化ナトリウム(浅田化学社製)0.41質量部を添加し、ウルトラタラックスで分散処理を継続した。加熱用オイルバスでフラスコ内を撹拌しながら47℃まで加熱した。47℃で60分間保持した。
その後、0.5Mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを、温度47℃において、8.0に調整した後、フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら90℃まで加熱し、3時間保持した。
反応終了後、冷却し、濾過、脱イオン水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。
これを更に40℃のイオン交換水3Lに再分散し、300rpmで15分間撹拌・洗浄した。
これを更に5回繰り返し、濾液のpHが、温度40℃において、7.01、電気伝導度9.8μS/cm、表面張力が71.1Nmとなったところで、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5Aろ紙を用いて固液分離を行った。次いで真空乾燥を40℃で12時間継続し、トナー粒子よりなるトナー〔1〕を得た。得られたトナー〔1〕の体積基準のメディアン径は5.4μmであった。
トナーの製造例1において、結着樹脂粒子分散液〔1〕をそれぞれ結着樹脂粒子分散液〔2〕〜〔21〕に変更した以外は同様にしてトナー〔2〕〜〔21〕を得た。
得られたトナー〔1〕〜〔21〕を、画像形成装置「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に充填し下記評価を行った。
なお、当該画像形成装置内の定着装置は、加熱ローラの表面温度を120〜200℃の範囲で、5℃刻みで変更できるように改造したものを用いた。結果を表2に示す。
常温常湿(20℃、55%RH)の環境下において、定着ローラ温度を100℃以上の領域で5℃刻みに変化可能に評価機を改造し、以下の折り目定着性評価を持って、低温定着性を評価した。定着ローラ温度の温度設定を100℃以上の領域で5℃刻みに上昇させて、折り目を測定し、折り目の定着率が80%を超えた時点の温度を最低定着温度とする。最低定着温度160℃以下を合格とする。
折り目定着性(強度)は、用紙上の折り目におけるトナー画像の定着率を評価した。具体的には、トナーの定着画像を内面に向けて折り曲げた時、折り曲げ部分におけるトナー剥がれの程度を定着率として評価した。
測定方法は、ベタ画像部(画像濃度が0.8)を、画像面を内側にして折り、3回指で擦った後、画像を開いて「JKワイパー(株式会社クレシア製)」で3回ふき取り、ベタ画像の折り目個所の折り曲げ前後の画像濃度から下記式により算出した値である。
定着率(%)=(折り曲げ後画像濃度)/(折り曲げ前画像濃度)×100
常温常湿(30℃、80%RH)の環境下において、定着ローラ温度を100℃〜200℃の領域で5℃刻みに変化可能に評価機を改造し、以下の評価を持って、耐ホットオフセット性を評価した。定着ローラ温度の温度設定を上昇させて搬送方向に対して垂直方向に5cm幅のベタシアン帯状画像を有するA4画像を縦送りで搬送して定着し、定着後の画像を目視にて確認した。
画像表面の荒れや、微小な光沢ムラが観察された温度をホットオフセット温度とした。
定着可能温度幅 = ホットオフセット温度 − 最低定着温度
で表わされる定着可能温度幅が35℃以上のものを合格とした。
画像形成装置「bizhub PRO C6500」に専用フィニッシャー「FS−608」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を装填し、坪量64g紙を用い、1ページ当たりの画素率を50%に設定して、中綴じ印刷20部(1部5枚)の自動製本作成テストを50回繰り返した。印刷物が室温になるまで自然冷却した後、全ページを目視で確認し、最も定着画像の画像欠損度の大きいページについて、以下の評価基準に従って評価した。ランク3,4を合格レベルとした。
−評価基準−
ランク1:互いの画像部が接着したため、白ぬけなど画像欠損が激しく、非画像部へ明らかな画像の移行が見られる。
ランク2:紙揃えに乱れが生じ、一部のページの画像が傾いた状態で小口が裁断されている。また、画像部に画像の接着の痕跡に対応する光沢むらが発生している。
ランク3:紙揃えの乱れやページの画像が傾いた状態で小口が裁断されたページはなく、光沢ムラに関しても実用上問題の無いレベル。
ランク4:画像部、非画像ともに全く画像欠損や画像移行が見られない。
Claims (5)
- 同一分子内に重合性官能基および重合開始基を有するイニマーを用いて形成される単独重合体または前記イニマーとビニル系単量体とを用いて形成される共重合体であるハイパーブランチポリマーを含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
- 前記ハイパーブランチポリマーが、末端変性型のものであることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
- 前記ハイパーブランチポリマーが、リビングラジカル重合法により得られたものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記リビングラジカル重合法が、原子移動ラジカル重合法(ATRP)により行われることを特徴とする請求項3に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記リビングラジカル重合法が、下記式(1)で表わされるジチオカルバメート化合物を用いた熱重合法により行われることを特徴とする請求項3に記載の静電荷像現像用トナー。
〔上記式(1)中、R1 は、水素原子またはメチル基を示し、R2 およびR3 は、各々独立に、炭素数1〜5のアルキル基、炭素数1〜5のヒドロキシアルキル基または炭素数7〜12のアリールアルキル基を示す。R2 およびR3 は、互いに結合し、窒素原子と共に環を形成してもよい。A1 は、下記式(2)および/または下記式(3)で表わされる基を示す。〕
〔上記式(2)中、A2 は、エーテル結合またはエステル結合を含んでいてもよい、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状または環状のアルキレン基を示し、X1 〜X4 は、各々独立に、水素原子、炭素数1〜20のアルキル基、炭素数1〜20のアルコキシ基、ハロゲン原子、ニトロ基、ヒドロキシ基、アミノ基、カルボキシル基またはシアノ基を示す。〕
〔上記式(3)中、A3 は、エーテル結合またはエステル結合を含んでいてもよい、炭素数1〜30の直鎖状、分岐状または環状のアルキレン基を示す。〕
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