JP2012058488A - トナーおよびその製造方法、並びに画像形成方法 - Google Patents

トナーおよびその製造方法、並びに画像形成方法 Download PDF

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健司 林
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裕昭 小畑
Kazuyoshi Goan
一賀 午菴
Michiaki Ishikawa
美知昭 石川
Anju Hori
杏朱 堀
Koji Shibata
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Abstract

【課題】 優れた低温定着性が得られながら耐ドキュメントオフセット性が得られるトナーおよびその製造方法、並びに当該トナーを用いた画像形成方法の提供。
【解決手段】 本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子よりなるトナーであって、前記トナー粒子は、熱を受けてラジカルを発生するラジカル発生剤を含有し、前記トナー粒子を構成する結着樹脂が、不飽和結合を有する重合体を含有してなり、かつ、ガラス転移点(Tg)が25〜55℃の範囲であるものであることを特徴とする。
【選択図】 なし

Description

本発明は、トナーおよびその製造方法、並びに当該トナーを用いた画像形成方法に関する。
電子写真方式の画像形成装置は、近年、カラー化と高速化が大幅に進み、商業印刷分野での成長が期待されている。
一方、近年、地球温暖化防止の観点から、省エネルギー化が検討されており、最もエネルギーを消費する定着工程において定着温度を低くする検討がなされている。
一般に、トナーについて定着温度の低下を実現させるには、トナーをガラス転移点温度または軟化点温度の低い樹脂により作製することにより溶融温度を低いものとする方法が提案されている。しかしながら、トナーのガラス転移点温度を低いものとした場合には、トナーとしての保管安定性および定着した後の画像保存性(ドキュメントオフセット性)が低下するといった問題が生じる。
前述の商業印刷分野も視野に入れると、ドキュメントオフセット性は極めて重要な課題である。
かかる課題に対して、トナーを構成するメイン樹脂中に低ガラス転移点温度樹脂を内包させる方法や、熱溶融性芯材をカプセル化する方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照。)。
しかしながら、前者においては、メイン樹脂が溶けにくい構成とされているため、十分な低温定着性を確保することは難しいという問題があった。特に熱付与が小さくなる高速系の画像形成装置で顕著である。
また、後者においては、保管安定性は向上されるものの、トナーを定着する際に、表面を構成するシェル樹脂が定着性を阻害するため、シェル層を非常に薄くしなければならず、トナー作製上、問題があった。特に、圧力が低い定着装置においては、シェル層を薄くしても前述の問題に対して十分な効果が発揮されない、という問題があった。
特開平11−194538号公報 特開平10−123749号公報
本発明は、以上のような事情を考慮してなされたものであって、その目的は、優れた低温定着性が得られながら耐ドキュメントオフセット性が得られるトナーおよびその製造方法、並びに当該トナーを用いた画像形成方法を提供することにある。
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子よりなるトナーであって、
前記トナー粒子は、熱を受けてラジカルを発生するラジカル発生剤を含有し、
前記トナー粒子を構成する結着樹脂が、不飽和結合を有する重合体を含有してなり、かつ、ガラス転移点(Tg)が25〜55℃、好ましくは28〜51℃の範囲であるものであることを特徴とする。
本発明において、不飽和結合とは、芳香環以外の炭素原子間の二重結合あるいは三重結合をいう。
本発明のトナーにおいては、前記ラジカル発生剤が、アゾ化合物または有機過酸化物であることが好ましく、また、前記ラジカル発生剤が、10時間半減期を示す温度が(結着樹脂のガラス転移点+65℃〜結着樹脂のガラス転移点+100℃)であるものであることが好ましい。
また、本発明のトナーにおいては、前記不飽和結合を有する重合体が、不飽和結合を有する多価カルボン酸より得られるポリエステル樹脂であることが好ましい。
本発明のトナーの製造方法は、上記のトナーを製造する方法であって、
水系媒体中において、熱を受けてラジカルを発生するラジカル発生剤および不飽和結合を有する重合体を含有してなる結着樹脂を含む樹脂微粒子を凝集・融着させることにより、トナー粒子を形成する凝集、融着工程、および形成されたトナー粒子を洗浄した後に乾燥する乾燥工程を経ることを特徴とする。
本発明のトナーの製造方法においては、前記凝集、融着工程および乾燥工程において、ラジカル発生剤の温度が、(当該ラジカル発生剤に係る10時間半減期を示す温度−10℃)よりも低い温度となるよう制御されることが好ましい。
本発明の画像形成方法は、画像支持体上に、上記のトナーによってトナー像を形成した後、外部から熱を与えて定着温度を制御することにより、定着画像を形成する工程を含む画像形成方法であって、前記定着温度が、前記トナーに含有されるラジカル発生剤に係る10時間半減期温度以上の温度であることを特徴とする。
本発明のトナーによれば、トナー粒子中に熱を受けてラジカルを発生するラジカル発生剤が含有されていると共に、トナー粒子を構成する結着樹脂が不飽和結合を有する重合体を含有してなるものであるために、結着樹脂が優れた低温定着性を有するものであっても定着時に熱を与えることによって結着樹脂の硬化が生じて定着画像が堅牢なものとなり、これにより、高い耐ドキュメントオフセット性が得られる。
また、本発明のトナーの製造方法によれば、上記のトナーを確実に得ることができる。
さらに、本発明の画像形成方法によれば、用いるトナーが、トナー粒子中に熱を受けてラジカルを発生するラジカル発生剤が含有されていると共に、トナー粒子を構成する結着樹脂が不飽和結合を有する重合体を含有してなるものであるために、定着時に熱を与えることによって結着樹脂の硬化が生じて定着画像が堅牢なものとなる。
以下、本発明について具体的に説明する。
〔トナー〕
本発明のトナーは、少なくとも結着樹脂、着色剤および熱を受けてラジカルを発生するラジカル発生剤を含有するトナー粒子よりなり、結着樹脂が、不飽和結合を有する重合体を含有してなり、かつ、ガラス転移点(Tg)が25〜55℃の範囲であるものであることを特徴とするものである。
本発明に係るトナー粒子は、コア樹脂および着色剤を含有するコア粒子と、その外周面を被覆するシェル樹脂よりなるシェル層とよりなるコア−シェル構造のものとされていてもよい。このコア−シェル構造のトナー粒子においては、コア樹脂とシェル樹脂は異なるものであっても同一のものであってもよい。
コア−シェル構造のトナー粒子とは、シェル層がコア粒子を完全に被覆している形態のみならず、コア粒子の一部を被覆しているものであってもよい。また、シェル層を構成するシェル樹脂の一部がコア粒子中にドメインなどを形成しているものであってもよい。さらに、シェル層は、組成の異なる樹脂よりなる2層以上の多層構造を有するものであってもよい。
〔ラジカル発生剤〕
本発明に係るトナー粒子に含有されるラジカル発生剤は、アゾ化合物または有機過酸化物よりなるものであることが好ましく、具体的には、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミド、2,2’−アゾビス(4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、1,1’−アゾビス(1−アセトキシ−1−フェニルエタン)、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチル2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオネート)、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)、2,2’−アゾビス(2−メチルプロピオン酸)ジエチル、1,1’−アソビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)などのアゾ化合物;
1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ[4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル]プロパン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド、1,1,3,3−テトラメチルブチルハイドロパーオキサイド、クメンハイドロパーオキサイド、t−ブチルハイドロパーオキサイド、2,3−ジメチル−2,3−ジフェニルブタンなどの有機過酸化物が好ましい。
ラジカル発生剤としては、これらの中でも、特に、2,2’−アゾビス[N−(2−プロペニル)−2−メチルプロピオンアミド]、1−[(1−シアノ−1−メチルエチル)アゾ]ホルムアミド、2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド、2,2’−アゾビス(N−シクロヘキシル−2−メチルプロピオンアミドなどのアゾ化合物;1,1−ジ(t−ヘキシルパーオキシ)シクロヘキサン、1,1−ジ(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキサン、2,2−ジ[4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)シクロヘキシル]プロパン、t−ヘキシルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシマレイン酸、t−ブチルパーオキシ−3,5,5−トリメチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシラウレート、t−ブチルパーオキシイソプロピルモノカーボネート、t−ブチルパーオキシ2−エチルヘキシルモノカーボネート、t−ヘキシルパーオキシベンゾエート、2,5−ジ−メチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルパーオキシアセテート、2,2−ジ−(t−ブチルパーオキシ)ブタン、t−ブチルパーオキシベンゾエート、n−ブチル4,4−ジ−(t−ブチルパーオキシ)バレレート、ジ(2−t−ブチルパーオキシイソプロピル)ベンゼン、ジクミルパーオキサイド、ジ−t−ヘキシルパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン、t−ブチルクミルパーオキサイド、ジ−t−ブチルパーオキサイド、p−メンタンハイドロパーオキサイド、2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキシン−3、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイドなどの有機過酸化物が好ましい。
これらのアゾ化合物および有機過酸化物の中でも、例えば10時間半減期温度が90〜150℃であるものがより好ましく、95〜130℃であるものがさらに好ましく、95〜120℃であるものが特に好ましい。
ラジカル発生剤が、10時間半減期温度が150℃を超えるものである場合は、定着時に受ける熱によっては十分な量のラジカルを発生させることができず、従って結着樹脂の硬化を満足に生じさせることができないために定着画像を十分に堅牢なものとすることができないおそれがある。また、10時間半減期温度が90℃未満のものである場合は、製造工程においてラジカルが発生して結着樹脂の硬化が生じてしまうことにより、トナー粒子の形状の制御が困難になって高い画質の画像を形成することのできるトナー粒子が得られないこと、得られたトナー粒子が十分な低温定着性を得られないものとなること、および、定着時に発生させることのできるラジカルの量が十分に残らないために定着画像を十分に堅牢なものとすることができないことなどの問題が生じるおそれがある。
本発明において、化合物の10時間半減期温度とは、10時間後に当該化合物の質量が初期から半減する温度をいう。
化合物の10時間半減期温度は、測定対象化合物を濃度が0.1モル/Lとなるようにトルエンに溶解させた溶液を調製し、これを容器に密封し、所定の温度に保持して測定対象化合物を熱分解し、この際の時間と測定対象化合物の濃度変化との関係を測定することにより、求められるものである。
具体的には、まず、所定の一定温度において、
式1:log(a/x)=(k/2.303)t
〔式1中、xは測定対象化合物の時間tにおける濃度(モル/L)、aは測定対象化合物の初期濃度(モル/L)、kは温度により定まる分解速度定数である。〕
に基づいてk値を求め、これを
式2:t1/2(半減期)=(ln2)/k
に代入して半減期を求め、得られた半減期が10時間となる温度を算出することにより、化合物の10時間半減期温度が求められる。
本発明に係るトナー粒子中におけるラジカル発生剤の含有割合は、トナー粒子を構成する結着樹脂に係る不飽和結合に対して0.5〜10モル当量であることが好ましく、より好ましくは0.5〜5モル当量である。
本発明のトナー粒子中におけるラジカル発生剤の含有割合が結着樹脂に係る不飽和結合に対して上記の範囲であることにより、十分な低温定着性が得られながら、画像欠陥の生じない堅牢な定着画像を得ることができる。
〔結着樹脂〕
本発明に係るトナー粒子を構成する結着樹脂は、不飽和結合を有する重合体(以下、「不飽和重合体」ともいう。)を含むものである。
結着樹脂を構成する不飽和重合体としては、不飽和結合を有する樹脂であれば特に限定されずに用いることができるが、特に、不飽和結合を有するポリエステル樹脂を用いることが好ましい。
このような不飽和結合を有するポリエステル樹脂(以下、「不飽和ポリエステル樹脂」ともいう。)は、不飽和結合が含有されていない非ラジカル重合性の多価アルコール、不飽和結合が含有されてなるラジカル重合性の多価アルコール、不飽和結合が含有されていない非ラジカル重合性の多価カルボン酸、不飽和結合が含有されてなるラジカル重合性の多価カルボン酸を、合成に係る多価アルコールおよび多価カルボン酸の少なくともいずれかに、ラジカル重合性のものが含まれるよう組み合わせて用い、これらを重縮合させることによって合成することができる。
非ラジカル重合性の多価アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−ドデカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオールなどの脂肪族ジオール;ビスフェノールA、ビスフェノールFなどのビスフェノール類;およびこれらのエチレンオキサイド付加物、プロピレンオキサイド付加物などのビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物などを挙げることができ、また、3価以上の多価アルコールとしては、グリセリン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトールなどが挙げられる。さらに、製造コストや環境性から、シクロヘキサンジメタノールやネオペンチルアルコールなどを用いることが好ましい。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ラジカル重合性の多価アルコールとしては、例えば、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブテン−1,8−ジオール、9−オクタデゼン−7,12ジオールなどのラジカル重合性不飽和二重結合を有するもの;2−ブチン−1,4ジオール、3−ブチン−1,4ジオールなどのラジカル重合性不飽和三重結合を有するものなどを挙げることができる。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
非ラジカル重合性の多価カルボン酸としては、例えば、シュウ酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸などの脂肪族ジカルボン酸;これらの低級アルキルエステルや酸無水物;フタル酸、テレフタル酸、イソフタル酸、オルトフタル酸、t−ブチルイソフタル酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、4,4’−ビフェニルジカルボン酸などの芳香族ジカルボン酸;トリメリット酸、ピロメリット酸などの3価以上の多価カルボン酸などが挙げられる。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
ラジカル重合性の多価カルボン酸としては、例えば、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸、シトラコン酸、グルタコン酸、イソドデセニルコハク酸、n−ドデセニルコハク酸、n−オクテニルコハク酸などの不飽和脂肪族ジカルボン酸;およびこれらの酸無水物または酸塩化物;コーヒー酸などの不飽和芳香族カルボン酸などを挙げることができ、特に、優れたラジカル重合性を示すことから、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸を用いることが好ましい。これらは、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて用いることができる。
不飽和ポリエステル樹脂の合成に供されるラジカル重合性の多価アルコールおよび多価カルボン酸の合計の割合は、全多価アルコールおよび全多価カルボン酸の合計100モル%に対し、2〜60モル%とされることが好ましく、より好ましくは5〜50モル%である。
不飽和ポリエステル樹脂の合成に供されるラジカル重合性の多価アルコールおよび多価カルボン酸の合計の割合が上記の範囲であることにより、トナーの合成中の反応温度を低くすることが可能になり、さらに、十分な低温定着性が得られながら、画像欠陥の生じない堅牢な定着画像を得ることができる。
結着樹脂としては、不飽和重合体以外の熱可塑性樹脂(以下、「その他の熱可塑性樹脂」ともいう。)をさらに含有してもよい。
このようなその他の熱可塑性樹脂としては、具体的には、ラジカル重合性不飽和二重結合を有さないポリエステル樹脂、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、オレフィン系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエーテル系樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスルフォン系樹脂、ポリウレタン系樹脂などを挙げることができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。これらの中では、特にポリエステル樹脂およびスチレン−アクリル系樹脂が好ましい。
その他の熱可塑性樹脂が例えばスチレン−アクリル系樹脂などのビニル系重合体である場合、これを得るための重合性単量体としては、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレンあるいはスチレンスチレン誘導体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステル誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル誘導体;エチレン、プロピレン、イソブチレンなどのオレフィン類;フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのフッ化ビニル類;プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類;ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸またはメタクリル酸誘導体などのビニル系単量体を挙げることができる。これらのビニル系単量体は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが好ましい。イオン性解離基を有する重合性単量体は、例えばカルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基などの置換基を構成基として有するものであって、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。
さらに、重合性単量体として、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどの多官能性ビニル類を用いて架橋構造の熱可塑性樹脂を得ることもできる。
本発明に係るトナー粒子を構成する結着樹脂は、優れた低温定着性が達成される観点から、ガラス転移点が25〜55℃のものであり、好ましくは28〜51℃のものとされる。
結着樹脂のガラス転移点(Tg)は、示差走査カロリメーター「Diamond DSC」(パーキンエルマー社製)を用いて測定されるものである。具体的には、結着樹脂4.50mgをアルミニウム製パン「KITNO.0219−0041」に封入し、これを「Diamond DSC」のサンプルホルダーにセットし、リファレンスの測定には空のアルミニウム製パンを使用し、測定温度0〜200℃で、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分の測定条件で、Heat−cool−Heatの温度制御を行い、その2nd.Heatにおけるデータを取得し、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1の吸熱ピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線との交点をガラス転移点(Tg)として示す。なお、1st.Heat昇温時は200℃にて1分間保持する。
また、本発明に係るトナー粒子を構成する結着樹脂は、軟化点が好ましくは60〜120℃、より好ましくは70〜110℃である。
結着樹脂の軟化点が上記の範囲であることにより、ドキュメントオフセット現象などの画像欠陥の発生が抑制されると共に低温定着性に優れたトナーを得ることができる。
結着樹脂の軟化点温度は、以下のように測定されるものである。
まず、20℃、50%RHの環境下において、結着樹脂1.1gをシャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、成型器「SSP−10A」(島津製作所製)によって3820kg/cm2 の力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作成し、次いで、この成型サンプルを、24℃、50%RHの環境下において、フローテスター「CFT−500D」(島津製作所製)により、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒間、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出し、昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度Toffsetが、トナーの軟化点温度とされる。
結着樹脂の分子量は、THF可溶分のゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)による数平均分子量(Mn)が好ましくは1,500〜20,000、より好ましくは2,000〜18,000、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比Mw/Mnが好ましくは1.5〜6.0、より好ましくは1.7〜5.5である。
GPCによる分子量は、以下のように測定されるものである。すなわち、装置「HLC−8220GPC」(東ソー社製)およびカラム「TSKguardcolumn+TSKgelSuperHZM−M3連」(東ソー社製)を用い、カラム温度を40℃に保持しながら、キャリア溶媒としてテトラヒドロフラン(THF)を流速0.35ml/minで流し、測定試料を室温において超音波分散機を用いて5分間処理を行う溶解条件で濃度1mg/mlになるようにテトラヒドロフランに溶解させ、次いで、ポアサイズ0.2μmのメンブランフィルターで処理して試料溶液を得、この試料溶液10μLを上記のキャリア溶媒と共に装置内に注入し、屈折率検出器(RI検出器)を用いて検出し、測定試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて測定した検量線を用いて算出する。検量線測定用の標準ポリスチレン試料キットとしては、Polymer Laboratories社製のEasiCal PS−1を用い、分子量が5.8×102 、3.0×103 、1.1×104 、3.0×104 、6.0×104 、1.5×105 、3.0×105 、8.5×105 、2.5×106 、7.5×106 の10点の標準ポリスチレン試料を測定し、検量線を作成した。また、検出器には屈折率検出器を用いた。
〔着色剤〕
本発明に係るトナー粒子に含有される着色剤としては、一般に知られている染料および顔料を用いることができる。
例えば、黒色のトナー用の着色剤としては、カーボンブラック、磁性体、鉄・チタン複合酸化物ブラックなどを使用することができ、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどが挙げられ、また、磁性体としてはフェライト、マグネタイトなどが挙げられる。
イエローのトナー用の着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162など、また、顔料としてC.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185などを使用することができ、これらの混合物も使用することができる。
マゼンタのトナー用の着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122など、顔料としてC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222などを使用することができ、これらの混合物も使用することができる。
シアンのトナー用の着色剤としては、染料としてC.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95など、顔料としてC.I.ピグメントブルー1、同7、同15、同15:3、同60、同62、同66、同76などを使用することができ、これらの混合物も使用することができる。
着色剤の含有割合は、トナー中に1〜10質量%であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量%である。着色剤の含有量がトナー中に1質量%未満である場合は、得られるトナーが着色力の不足したものとなるおそれがあり、一方、着色剤の含有量がトナー中の10質量%を超える場合は、着色剤の遊離やキャリアなどへの付着が発生し、帯電性に影響を与える場合がある。
〔トナーの粒径〕
本発明のトナーの粒径は、体積基準のメジアン径で4〜10μmであることが好ましく、さらに好ましくは6〜9μmとされる。この平均粒径は、使用する凝集剤(塩析剤)の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成によって制御することができる。
体積基準のメジアン径が上記の範囲にあることにより、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドットなどの画質が向上する。
トナーの体積基準のメジアン径は「コールターカウンターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にデータ処理用のコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した測定装置を用いて測定・算出されるものである。具体的には、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を調製し、このトナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を100μmにし、測定範囲である2〜60μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径が体積基準のメジアン径とされる。
〔トナーの平均円形度〕
本発明のトナーは、このトナーを構成する個々のトナー粒子について、転写効率の向上の観点から式(円形度=円相当径から求めた円の周囲長/粒子投影像の周囲長)から算出される平均円形度が0.930〜0.99であることが好ましく、より好ましくは0.950〜0.985である。
以上のようなトナーによれば、トナー粒子中に熱を受けてラジカルを発生するラジカル発生剤が含有されていると共に、トナー粒子を構成する結着樹脂が不飽和結合を有する重合体を含有してなるものであるために、結着樹脂が低温定着性を有するものであっても定着時に熱を与えることによって結着樹脂の硬化が生じて定着画像が堅牢なものとなり、これにより、高い耐ドキュメントオフセット性が得られる。
〔トナーの製造方法〕
以上のようなトナーを製造するための本発明のトナーの製造方法は、水系媒体中において、熱を受けてラジカルを発生するラジカル発生剤および不飽和結合を有する重合を含有してなる結着樹脂を含む樹脂微粒子を凝集・融着させることにより、トナー粒子を形成する工程を経る方法であって、具体的には、乳化重合凝集法、ミニエマルション重合凝集法などを挙げることができる。
本発明のトナーの製造方法においては、すべての工程におけるラジカル発生剤の温度が、(当該ラジカル発生剤に係る10時間半減期を示す温度−10℃)よりも低い温度となるよう制御されることが好ましい。具体的には、加熱を要する塩析、凝集、融着工程、および乾燥工程におけるラジカル発生剤の温度を制御すればよい。
これにより、製造工程におけるラジカルの発生を十分に抑制することができて結着樹脂の硬化を抑制することができ、従って、トナー粒子の形状の制御を容易に行うことができると共に、得られたトナー粒子が十分な低温定着性および耐ドキュメントオフセット性を示すものとなる。
乳化重合凝集法は、乳化重合法によって製造された結着樹脂よりなる微粒子(以下、「結着樹脂微粒子」という。)の分散液と、着色剤微粒子の分散液とを、必要に応じて他の離型剤微粒子などのトナー粒子構成成分の分散液も共に混合し、pH調整による微粒子表面の反発力と電解質体よりなる凝集剤の添加による凝集力とのバランスを取りながら緩慢に凝集させ、平均粒径および粒度分布を制御しながら会合を行うと同時に、加熱撹拌することで微粒子間の融着を行って形状制御を行うことにより、トナー粒子を製造する方法である。
この結着樹脂微粒子としては、組成の異なる結着樹脂よりなる2層以上の構成とすることもでき、この場合、常法に従った乳化重合処理(第1段重合)により調製した第1樹脂微粒子の分散液に、重合開始剤と重合性単量体とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)する方法を採用することができる。
コア−シェル構造のトナー粒子は、まず、コア粒子を形成すべき結着樹脂の微粒子と着色剤微粒子とを会合、凝集、融着させてコア粒子を作製し、次いで、コア粒子の分散液中にシェル層を形成すべき樹脂の微粒子を添加し、前記コア粒子の表面にこのシェル樹脂微粒子を凝集、融着させることによりコア粒子の表面を被覆するシェル層を形成することにより、製造することができる。
本発明のトナーを乳化重合凝集法によって得る製造工程の一例を具体的に示すと、
(1)着色剤を含有する着色剤微粒子が水系媒体中に分散されてなる着色剤微粒子の分散液を得る着色剤微粒子分散液調製工程、
(2−1)結着樹脂を構成する不飽和重合体を合成し、これを水系媒体中に微粒子状に分散させて、不飽和重合体に係る結着樹脂微粒子が分散されてなる不飽和重合体微粒子分散液調製工程、
(2−2)結着樹脂を構成する熱可塑性樹脂を形成すべき重合性単量体にラジカル発生剤を溶解あるいは分散させ、さらに必要に応じて離型剤、荷電制御剤などのトナー粒子構成材料を溶解あるいは分散させて重合性単量体溶液を調製し、これを水系媒体中に添加し、機械的エネルギーを加えて油滴を形成し、次いで当該油滴中において重合反応を行うことにより、熱可塑性樹脂に係る結着樹脂微粒子を得る熱可塑性樹脂微粒子重合工程、
(3)不飽和重合体に係る結着樹脂微粒子、熱可塑性樹脂に係る結着樹脂微粒子および着色剤微粒子が存在している水系媒体中に、凝集剤を添加し、温度調節することにより、塩析を進行させると同時に凝集・融着を行い、トナー粒子を形成する塩析、凝集、融着工程、
(4)水系媒体からトナー粒子を濾別し、当該トナー粒子から界面活性剤などを除去する濾過、洗浄工程、
(5)洗浄処理されたトナー粒子を乾燥する乾燥工程、
から構成され、必要に応じて
(6)乾燥処理されたトナー粒子に外添剤を添加する工程、
を追加することができる。
このようなトナーの製造方法においてラジカル発生剤をトナー粒子中に導入する具体的な方法としては、上記のように熱可塑性樹脂と分子レベルで混在させた結着樹脂微粒子の分散液を調製する方法に限定されず、不飽和重合体と分子レベルで混在させた微粒子を作製し、この微粒子を塩析、凝集、融着工程に供して凝集させる方法や、熱可塑性樹脂に係る結着樹脂微粒子とは別個に、ラジカル発生剤のみよりなる微粒子を作製し、この微粒子を塩析、凝集、融着工程に供して凝集させる方法などを採用することもできる。
ここに、「水系媒体」とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランを例示することができ、得られる樹脂を溶解しないアルコール系有機溶媒が好ましい。
着色剤微粒子分散液調製工程においては、水系媒体中に着色剤を添加し、これに機械的エネルギーを作用させることによって水系媒体中に着色剤微粒子を分散させた着色剤微粒子の分散液が調製される。
機械的エネルギーによる油滴分散を行うための分散機としては、特に限定されるものではなく、高速回転するローターを備えた撹拌装置「クレアミックス」(エム・テクニック社製)、超音波分散機、機械式ホモジナイザー、マントンゴーリンおよび圧力式ホモジナイザーなどを挙げることができる。
着色剤微粒子分散液調製工程において調製される分散液中の着色剤微粒子は、その体積基準のメジアン径が20〜1,000nmの範囲であることが好ましく、より好ましくは20〜140nm、特に好ましくは30〜100nmである。
着色剤微粒子の体積基準のメジアン径を20〜1,000nmに制御する方法としては、例えば上述の機械的エネルギーの大きさを調整することなどにより、制御することができる。
〔界面活性剤〕
着色剤微粒子分散液調製工程および/または不飽和重合体微粒子分散液調製工程および/または熱可塑性樹脂微粒子重合工程においては、水系媒体中に微粒子を安定に分散させるために、当該水系媒体中に界面活性剤を添加してもよく、このような界面活性剤としては、従来公知の種々のアニオン系界面活性剤、カチオン系界面活性剤、ノニオン系界面活性剤などを用いることができる。
アニオン系界面活性剤としては、例えば、オレイン酸ナトリウムなどの高級脂肪酸塩類;ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウムなどのアルキルアリールスルホン酸塩類;ラウリル硫酸ナトリウムなどのアルキル硫酸エステル塩類;ポリエトキシエチレンラウリルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル硫酸エステル塩類;ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル硫酸ナトリウムなどのポリオキシエチレンアルキルアリールエーテル硫酸エステル塩類;モノオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ジオクチルスルホコハク酸ナトリウム、ポリオキシエチレンラウリルスルホコハク酸ナトリウムなどのアルキルスルホコハク酸エステル塩、およびその誘導体類などを挙げることができる。
また、カチオン系界面活性剤としては、例えば脂肪族アミン塩、脂肪族4級アンモニウム塩、ベンザルコニウム塩、塩化ベンゼトニウム、ピリジニウム塩、イミダゾリニウム塩などを挙げることができる。
さらに、ノニオン系界面活性剤としては、例えば、ポリオキシエチレンラウリルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルエーテル類、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテルなどのポリオキシエチレンアルキルフェニルエーテル類、ソルビタンモノラウレート、ソルビタンモノステアレート、ソルビタントリオレエートなどのソルビタン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンソルビタンモノラウレートなどのポリオキシエチレンソルビタン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレンモノラウレート、ポリオキシエチレンモノステアレートなどのポリオキシエチレン高級脂肪酸エステル類;オレイン酸モノグリセライド、ステアリン酸モノグリセライドなどのグリセリン高級脂肪酸エステル類;ポリオキシエチレン−ポリオキシプロピレン−ブロックコポリマーなどを挙げることができる。
〔離型剤〕
本発明に係るトナー粒子中に離型剤を含有させる場合に用いる離型剤としては、特に限定されるものではなく、例えば、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックス、カルナウバワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス、蜜蝋ワックスなどを挙げることができる。
トナー粒子中に離型剤を含有させる方法としては、上述のように熱可塑性樹脂に係る結着樹脂微粒子を離型剤を含有するものとして構成する方法や、不飽和重合体に係る結着樹脂微粒子を離型剤を含有するものとして構成する方法、さらに、トナー粒子を形成する塩析、凝集、融着工程において、水系媒体中に離型剤微粒子が分散されてなる分散液を添加し、不飽和重合体に係る結着樹脂微粒子と熱可塑性樹脂に係る結着樹脂微粒子と着色剤微粒子と離型剤微粒子とを塩析、凝集、融着させる方法などを挙げることができ、これらの方法を組み合わせてもよい。
トナー粒子中における離型剤の含有割合としては、結着樹脂100質量部に対して通常0.5〜5質量部とされ、好ましくは1〜3質量部とされる。離型剤の含有割合が結着樹脂100質量部に対して0.5質量部未満であると、十分なオフセット防止効果が得られず、一方、結着樹脂100質量部に対して5質量部より大きいと、得られるトナーが透光性や色再現性の低いものとなる。
〔荷電制御剤〕
本発明に係るトナー粒子中に荷電制御剤を含有させる場合に用いる荷電制御剤としては、摩擦帯電により正または負の帯電を与えることのできる物質であり、かつ、無色のものであれば特に限定されず、公知の種々の正帯電性の荷電制御剤および負帯電性の荷電制御剤を用いることができる。
トナー粒子中における荷電制御剤の含有割合としては、結着樹脂100質量部に対して0.01〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量部である。
トナー粒子中に荷電制御剤を含有させる方法としては、上記に示した離型剤を含有させる方法と同様の方法を挙げることができる。
〔重合開始剤〕
熱可塑性樹脂微粒子重合工程において使用される重合開始剤としては、水溶性の重合開始剤であって、その10時間半減期温度が、用いるラジカル発生剤に係る10時間半減期温度(A)未満、好ましくは(A−10℃)未満であるものであれば、適宜のものを使用することができる。重合開始剤の具体例としては、例えば過硫酸塩(過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウムなど)、アゾ化合物(4,4’−アゾビス4−シアノ吉草酸およびその塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩など)、有機過酸化物などが挙げられる。
〔連鎖移動剤〕
熱可塑性樹脂微粒子重合工程においては、熱可塑性樹脂の分子量を調整することを目的として、一般的に用いられる連鎖移動剤を用いることができる。連鎖移動剤としては特に限定されるものではなく、例えば2−クロロエタノール、オクチルメルカプタン、ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタンなどのメルカプタンおよびスチレンダイマーなどを挙げることができる。
不飽和重合体微粒子重合工程および熱可塑性樹脂微粒子重合工程において調製される分散液中の結着樹脂微粒子は、その体積基準のメジアン径が50〜300nmの範囲であることが好ましい。
〔凝集剤〕
塩析、凝集、融着工程において使用される凝集剤としては、例えばアルカリ金属塩およびアルカリ土類金属塩を挙げることができる。凝集剤を構成するアルカリ金属としては、リチウム、カリウム、ナトリウムなどが挙げられ、凝集剤を構成するアルカリ土類金属としては、マグネシウム、カルシウム、ストロンチウム、バリウムなどが挙げられる。これらのうち、カリウム、ナトリウム、マグネシウム、カルシウム、バリウムが好ましい。前記アルカリ金属またはアルカリ土類金属の対イオン(塩を構成する陰イオン)としては、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオンなどが挙げられる。
〔外添剤〕
上記のトナー粒子は、そのままで本発明のトナーを構成することができるが、流動性、帯電性、クリーニング性などを改良するために、当該トナー粒子に、いわゆる後処理剤である流動化剤、クリーニング助剤などの外添剤を添加して本発明のトナーを構成してもよい。
後処理剤としては、例えば、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子などよりなる無機酸化物微粒子や、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子などの無機ステアリン酸化合物微粒子、あるいは、チタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛などの無機チタン酸化合物微粒子などが挙げられる。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって、耐熱保管性の向上、環境安定性の向上のために、表面処理が行われていることが好ましい。
これらの種々の外添剤の添加量は、その合計が、トナー100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部とされる。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
〔現像剤〕
本発明のトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。本発明のトナーを二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄、フェライト、マグネタイトなどの金属、それらの金属とアルミニウム、鉛などの金属との合金などの従来から公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散してなるバインダー型キャリアなど用いてもよい。
コートキャリアを構成する被覆樹脂としては、特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
キャリアの体積基準のメジアン径としては20〜100μmであることが好ましく、更に好ましくは20〜60μmとされる。キャリアの体積基準のメジアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
好ましいキャリアとしては、耐スペント性の観点から、被覆樹脂としてシリコーン系樹脂、オルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂(グラフト樹脂)またはポリエステル樹脂を用いたコートキャリアが挙げられ、特に、耐久性、耐環境安定性および耐スペント性の観点から、オルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合樹脂(グラフト樹脂)に、イソシアネートを反応させて得られた樹脂で被覆したコートキャリアを好ましく挙げられる。
〔画像形成方法〕
本発明の画像形成方法は、上述のようなトナーによって画像支持体上にトナー像を形成した後、外部から熱を与えて定着温度を制御することにより、定着画像を形成する工程を含む方法であり、具体的には、例えば感光体上に形成された静電潜像を現像してトナー像を得、このトナー像を画像支持体に転写して未定着画像を得、その後、当該未定着画像に加熱定着方式の定着処理によって外部から熱を与えてトナー像を画像支持体に定着させることにより、定着画像を得る方法である。
この画像形成方法において、定着温度は、トナーの結着樹脂を構成する熱可塑性樹脂を軟化させることができる温度あって、さらに、用いるトナーに含有されるラジカル発生剤に係る10時間半減期温度(A)以上の温度とされ、好ましくは(A+10℃)以上の温度である。
本発明において、定着温度とは、定着装置から排紙された時点の画像表面をサーモグラフィーによって測定されるものである。
本発明のトナーを用いた画像形成方法における加熱定着方式の定着装置としては、公知の種々のものを採用することができ、具体的には、例えば、熱ローラ方式の加熱定着装置が挙げられる。
熱ローラ方式の定着装置は、一般に、加熱ローラと、これに当接する加圧ローラとによるローラ対を備え、加熱ローラおよび加圧ローラ間に付与された圧力によって加圧ローラが変形されることにより、この変形部にいわゆる定着ニップ部が形成されてなるものである。
加熱ローラは、一般に、アルミニウムなどよりなる中空の金属ローラよりなる芯金の内部に、ハロゲンランプなどよりなる熱源が配設されてなり、当該熱源によって芯金が加熱され、加熱ローラの外周面が所定の定着温度に維持されるように当該熱源ヘの通電が制御されて温度調節されるものである。
また、加圧ローラは、例えばウレタンゴム、シリコンゴムなどの軟質ゴムからなる弾性層を有するものである。
さらに、加圧ローラは、芯金を有するものとして構成した場合に、その内部に、加熱ローラと同様にハロゲンランプなどよりなる熱源を配設して当該熱源によって芯金を加熱し、加圧ローラの外周面が所定の定着温度に維持されるように当該熱源ヘの通電が制御されて温度調節されるものとして構成してもよい。
このような熱ローラ方式の定着装置においては、ローラ対を回転させて定着ニップ部に未定着画像を挟持搬送させることによって、加熱ローラによる加熱と、定着ニップ部における圧力の付与とを行い、これにより、トナー像が画像支持体に定着される。
〔画像支持体〕
本発明の画像形成方法に使用される画像支持体としては、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙あるいはコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
このような画像形成方法によれば、用いるトナーが、トナー粒子中に熱を受けてラジカルを発生するラジカル発生剤が含有されていると共に、トナー粒子を構成する結着樹脂が不飽和結合を有する重合体を含有してなるものであるために、定着時に熱を与えることによって結着樹脂の硬化が生じて定着画像が堅牢なものとなる。
以上、本発明のトナーの実施形態について説明したが、上記実施形態に限定されるものではなく、種々の変更を加えることができる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。なお、以下において、ポリエステル樹脂の分子量およびガラス転移点、トナーの分子量およびガラス転移点の測定は、上述の方法と同様の方法によって行った。
また、分散液中の微粒子の体積基準のメジアン径の測定は、「マイクロトラックUPA−150」(日機装社製)を用いて動的光散乱法で測定して求めた値である。
具体的には、まず、50mLのメスシリンダーに測定用樹脂微粒子を数滴滴下し、純水を25mL加え、超音波洗浄機「US−1」(as one社製)を用いて3分間分散させ測定用試料を作製する。次いで、測定用試料3mLを「マイクロトラックUPA−150」のセル内に投入し、Sample Loadingの値が0.1〜100の範囲にあることを確認し、下記測定条件にて測定した。
測定条件:
・Transparency(透明度):Yes
・Refractive Index(屈折率):1.59
・Particle Density(粒子比重):1.05gm/cm3
・Spherical Particles(球形粒子):Yes
溶媒条件:
・Refractive Index(屈折率):1.33
・Viscosity(年度):Hight(temp) 0.797×10-3Pa・S
・Low(temp) 1.002×10-3Pa・S
〔ポリエステル樹脂の合成例A−1〕
撹拌装置、窒素導入管、温度センサー、精留塔を備えた反応容器に、
多価カルボン酸
・フマル酸:2質量部
・テレフタル酸:32.4質量部
・アジピン酸:1.3質量部
・5−スルホイソフタル酸:0.5質量部
多価アルコール
・2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンプロピレンオキサイド2モル付加物:76質量部
・2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンエチレンオキサイド2モル付加物:24質量部
を仕込み、反応系の温度を1時間かけて190℃に上昇させ、反応系内が均一に撹拌されていることを確認した後、触媒としてTi(OBu)4 を、多価カルボン酸全量に対して0.003質量%となる量を投入し、さらに、生成される水を留去しながら反応系の温度を同温度から6時間かけて240℃に上昇させ、さらに240℃に維持した状態で6時間脱水縮合反応を継続して重合反応を行うことにより、ポリエステル樹脂〔A−1〕を得た。
得られたポリエステル樹脂〔A−1〕は、数平均分子量(Mn)が3,000、ガラス転移点(Tg)が49℃であった。
〔ポリエステル樹脂の合成例A−2〕
ポリエステル樹脂の合成例A−1において、フマル酸2質量部の代わりにイタコン酸2質量部を用いたことの他は同様にして、ポリエステル樹脂〔A−2〕を得た。
得られたポリエステル樹脂〔A−2〕は、数平均分子量(Mn)が3,100、ガラス転移点(Tg)が48℃であった。
〔ポリエステル樹脂の合成例A−3〕
ポリエステル樹脂の合成例A−1において、用いる多価カルボン酸単量体の種類と量を以下の通りに変更したことの他は同様にして、ポリエステル樹脂〔A−3〕を得た。
多価カルボン酸
・フマル酸:2質量部
・テレフタル酸:33.8質量部
・5−スルホイソフタル酸:0.64質量部
得られたポリエステル樹脂〔A−3〕は、数平均分子量(Mn)が2,900、ガラス転移点(Tg)が54℃であった。
〔ポリエステル樹脂の合成例A−4〕
ポリエステル樹脂の合成例A−1において、用いる多価カルボン酸単量体の種類と量を以下の通りに変更したことの他は同様にして、ポリエステル樹脂〔A−4〕を得た。
多価カルボン酸
・テレフタル酸:34.7質量部
・イソフタル酸:6質量部
・アジピン酸:2.3質量部
・5−スルホイソフタル酸:0.64質量部
得られたポリエステル樹脂〔A−4〕は、数平均分子量(Mn)が3,200、ガラス転移点(Tg)が56℃であった。
〔不飽和重合体微粒子分散液の調製例A−1〕
ポリエステル樹脂〔A−1〕400質量部を酢酸エチル1700質量部に投入し、反応系を70℃まで昇温させて溶解、混合することにより、不飽和重合体溶液〔A−1〕を調製した。
一方、別の反応槽に、イオン交換水2000質量部にドデシル硫酸ナトリウム4.8質量部を溶解させた水系媒体中に、「TKホモミキサー Mark II 2.5型」(プライミクス社製)によって撹拌回転数を調整して撹拌しながら不飽和重合体溶液〔A−1〕を投入し、撹拌することにより、水系媒体中に不飽和重合体溶液〔A−1〕が油滴として分散された分散液を調製し、その後、50℃で減圧溜去して酢酸エチルを除去することにより、体積基準のメジアン径が240nmであるポリエステル樹脂微粒子が分散された不飽和重合体微粒子分散液〔A−1〕を調製した。
〔不飽和重合体微粒子分散液の調製例A−2〕
不飽和重合体微粒子分散液の調製例A−1において、ポリエステル樹脂〔A−1〕の代わりにポリエステル樹脂〔A−2〕を用いたことの他は同様にして、体積基準のメジアン径が220nmであるポリエステル樹脂微粒子が分散された不飽和重合体微粒子分散液〔A−2〕を調製した。
〔不飽和重合体微粒子分散液の調製例A−3〕
不飽和重合体微粒子分散液の調製例A−1において、ポリエステル樹脂〔A−1〕の代わりにポリエステル樹脂〔A−3〕を用いたことの他は同様にして、体積基準のメジアン径が230nmであるポリエステル樹脂微粒子が分散された不飽和重合体微粒子分散液〔A−3〕を調製した。
〔不飽和重合体微粒子分散液の調製例A−4〕
ポリエステル樹脂〔A−4〕300質量部、ペンタエリスリトールテトラベヘン酸エステル50質量部、ラジカル発生剤2,5−ジ−メチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン「パーヘキサ25Z」(日油社製、10時間半減期温度:99.7℃)50質量部を、トルエン1700質量部に投入し、反応系を70℃まで昇温させて溶解、混合することにより、不飽和重合体溶液〔A−4〕を調製した。
一方、別の反応槽に、イオン交換水2000質量部にドデシル硫酸ナトリウム4.8質量部を溶解させた水系媒体を調製し、これを70℃まで昇温させ、これの中に、「TKホモミキサー Mark II 2.5型」(プライミクス社製)によって撹拌回転数を調整して撹拌しながら不飽和重合体溶液〔A−4〕を投入し、撹拌することにより、水系媒体中に不飽和重合体溶液〔A−4〕が油滴として分散された分散液を調製し、その後、50℃で減圧溜去してトルエンを除去することにより、体積基準のメジアン径が260nmであるポリエステル樹脂微粒子が分散された不飽和重合体微粒子分散液〔A−4〕を調製した。
〔不飽和重合体微粒子分散液の調製例A−5〕
不飽和重合体微粒子分散液の調製例A−4において、ポリエステル樹脂〔A−4〕の使用量を300質量部から309.6質量部に変更すると共に、ラジカル発生剤として2,2’−アゾビス(N−ブチル−2−メチルプロピオンアミド)「VAm−110」(和光純薬工業製、10時間半減期温度:110℃)40.4質量部を用いたことの他は同様にして、体積基準のメジアン径が240nmであるポリエステル樹脂微粒子が分散された不飽和重合体微粒子分散液〔A−5〕を調製した。
〔不飽和重合体微粒子分散液の調製例A−6〕
不飽和重合体微粒子分散液の調製例A−4において、ポリエステル樹脂〔A−4〕の使用量を300質量部から312.4質量部に変更すると共に、ラジカル発生剤として2,5−ジメチル−2,5−ジ(t−ブチルパーオキシ)ヘキサン「パーヘキサ25B」(日油製、10時間半減期温度:117.9℃)37.6質量部を用いたことの他は同様にして、体積基準のメジアン径が230nmであるポリエステル樹脂微粒子が分散された不飽和重合体微粒子分散液〔A−6〕を調製した。
〔熱可塑性樹脂微粒子分散液の調製例A〕
(1)第1段重合:
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、アニオン系界面活性剤(C1021(OCH2 CH2 2 SO3 Na)3質量部をイオン交換水2600質量部に溶解させた界面活性剤溶液を仕込み、80℃に加熱した後、スチレン201.4質量部、n−ブチルアクリレート107.1質量部、メタクリル酸21.4質量部、n−オクチルメルカプタン3.25質量部および離型剤(ペンタエリスリトールテトラベヘン酸エステル)94.5質量部、ラジカル発生剤(2,5−ジ−メチル−2,5−ジ(ベンゾイルパーオキシ)ヘキサン「パーヘキサ25Z」(日油社製、10時間半減期温度:99.7℃)94.5質量部からなる単量体混合液を80℃に加温して溶解させた単量体溶液を添加し、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により、30分間混合分散させることにより、乳化液を調製した。
次いで、この乳化液に、重合開始剤(過硫酸カリウム;KPS)11.2質量部をイオン交換水290質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、この系を80℃で3時間にわたって加熱、撹拌することによって重合(第1段重合)を行うことにより、ラテックス〔a1〕を調製した。
(2)第2段重合:
上記のラテックス〔a1〕に、重合開始剤(過硫酸カリウム;KPS)3.19質量部をイオン交換水130質量部に溶解させた開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン166.2質量部、n−ブチルアクリレート71.2質量部、n−オクチルメルカプタン4.16質量部からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたって加熱、撹拌することによって重合(第2段重合)を行った後、28℃まで冷却することにより、多層構造を有する複合樹脂微粒子が分散された熱可塑性樹脂微粒子分散液〔A〕を得た。
〔熱可塑性樹脂微粒子分散液の調製例B〕
熱可塑性樹脂微粒子分散液の調製例Aの第1段重合において用いる単量体を、スチレン181.4質量部、n−ブチルアクリレート125.4質量部およびメタクリル酸21.4質量部に変更すると共に、第2段重合において用いる単量体を、スチレン154.3質量部、n−ブチルアクリレート83.1質量部に変更したことの他は同様にして、体積基準のメジアン径が220nmである熱可塑性樹脂微粒子が分散されてなる熱可塑性樹脂微粒子分散液〔B〕を得た。熱可塑性樹脂のガラス転移点(Tg)は24℃であった。
〔着色剤微粒子分散液の調製例〕
n−ドデシル硫酸ナトリウム23質量部をイオン交換水320質量部に溶解させた溶液を撹拌しながら、「C.I.Pigment Blue 15:3」50質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クリアミックスCLM−0.8S」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理することにより、体積基準のメジアン径が158nmである着色剤微粒子が分散された着色剤微粒子分散液〔1〕を得た。
〔実施例1:トナーの製造例1〕
温度計、冷却管、窒素導入装置および撹拌装置を取り付けたセパラブルフラスコに、不飽和重合体微粒子分散液〔A−1〕300質量部(固形分換算)と、不飽和重合体微粒子分散液〔A−4〕100質量部(固形分換算)と、着色剤微粒子分散液〔1〕165質量部と、イオン交換水1500質量部とを投入し、液温を30℃に調整してこれを保った状態で水酸化ナトリウム水溶液(25質量%)を添加してpHを10に調整した。
次いで、塩化マグネシウム6水和物54.3質量部をイオン交換水54.3質量部に溶解させた水溶液を添加し、その後、液温を60℃に昇温させて、ポリエステル樹脂微粒子と着色剤微粒子の凝集反応を開始した。
凝集反応開始後、定期的にサンプリングを行って、粒度分布測定装置「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)を用いて、凝集粒子の体積基準のメジアン径が6.5μmになった時点で、エチレンジアミン四酢酸を20.1質量部添加した。この時点における凝集粒子の平均円形度は0.90であった。そして、液温を80℃まで昇温させ、フロー式粒子像分析装置「FPIA−2100」(シスメックス社製)によって測定される凝集粒子の平均円形度が0.96に達したところで6℃/分の条件で30℃まで冷却し、反応を完結させてトナー粒子を得た。
次いで、生成したトナー粒子の分散液をバスケット型遠心分離機「MARK III 型」(型式番号60×40)(松本機会製作社製)により固液分離し、トナー粒子のウェットケーキを形成し、このウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が15μS/cmになるまでイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥し、乾燥したトナー粒子を24℃の環境雰囲気に放置して冷却することにより、トナー粒子〔1X〕を得た。なお、乾燥処理は温度40℃、湿度20%RHの気流を吹き付けて行った。
このトナー粒子〔1X〕100質量部に対し、疎水性シリカ1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサーによって回転翼の周速24m/sで20分間混合し、その後、400メッシュのフルイを用いて粗大粒子を除去することにより、トナー〔1〕を得た。
このトナー〔1〕のガラス転移点(Tg)は48℃であった。また、このトナー〔1〕を構成するトナー粒子の体積基準のメジアン径は6.5μmであり、平均円形度は0.97であった。
〔実施例2:トナーの製造例2〕
トナーの製造例1において、不飽和重合体微粒子分散液〔A−1〕の代わりに不飽和重合体微粒子分散液〔A−2〕を用いたことの他は同様にして、トナー〔2〕を製造した。
このトナー〔2〕のガラス転移点(Tg)は49℃であった。また、このトナー〔2〕を構成するトナー粒子の体積基準のメジアン径は6.6μm、平均円形度は0.96であった。
〔実施例3:トナーの製造例3〕
トナーの製造例1において、不飽和重合体微粒子分散液〔A−4〕の代わりに不飽和重合体微粒子分散液〔A−5〕を用いたことの他は同様にして、トナー〔3〕を製造した。
このトナー〔3〕のガラス転移点(Tg)は47℃であった。また、このトナー〔3〕を構成するトナー粒子の体積基準のメジアン径は6.6μm、平均円形度は0.96であった。
〔実施例4:トナーの製造例4〕
トナーの製造例1において、不飽和重合体微粒子分散液〔A−4〕の代わりに不飽和重合体微粒子分散液〔A−6〕を用いたことの他は同様にして、トナー〔4〕を製造した。
このトナー〔4〕のガラス転移点(Tg)は48℃であった。また、このトナー〔4〕を構成するトナー粒子の体積基準のメジアン径は6.5μm、平均円形度は0.96であった。
〔実施例5:トナーの製造例5〕
トナーの製造例1において、不飽和重合体微粒子分散液〔A−1〕の代わりに不飽和重合体微粒子分散液〔A−3〕を用いたことの他は同様にして、トナー〔5〕を製造した。
このトナー〔5〕のガラス転移点(Tg)は54℃であった。また、このトナー〔5〕を構成するトナー粒子の体積基準のメジアン径は6.4μm、平均円形度は0.96であった。
〔実施例6:トナーの製造例6〕
トナーの製造例1において、不飽和重合体微粒子分散液〔A−1〕の代わりに熱可塑性樹脂微粒子分散液〔A〕を用いたことの他は同様にして、トナー〔6〕を製造した。
このトナー〔6〕のガラス転移点(Tg)は37℃であった。また、このトナー〔6〕を構成するトナー粒子の体積基準のメジアン径は6.4μm、平均円形度は0.96であった。
〔実施例7:トナーの製造例7〕
トナーの製造例1において、不飽和重合体微粒子分散液〔A−1〕の代わりに熱可塑性樹脂微粒子分散液〔B〕を用いたことの他は同様にして、トナー〔7〕を製造した。
このトナー〔7〕のガラス転移点(Tg)は26℃であった。また、このトナー〔7〕を構成するトナー粒子の体積基準のメジアン径は6.6μm、平均円形度は0.97であった。
〔実施例8:トナーの製造例8〕
温度計、冷却管、窒素導入装置及び撹拌装置を設けたセパラブルフラスコに、不飽和重合体微粒子分散液〔A−1〕300質量部(固形分換算)、イオン交換水1500質量部、着色剤微粒子分散液〔1〕165質量部を投入し、液温を30℃に調整してこれを保った状態で水酸化ナトリウム水溶液(25質量%)を添加してpHを10に調整した。
次いで、塩化マグネシウム6水和物54.3質量部をイオン交換水54.3質量部に溶解させた水溶液を添加し、その後、液温を60℃に昇温させて、ポリエステル樹脂微粒子と着色剤微粒子の凝集反応を開始した。
凝集反応開始後、定期的にサンプリングを行って、粒度分布測定装置「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)を用いて、凝集粒子の体積基準のメジアン径が6.0μmになった時点で、不飽和重合体微粒子分散液〔A−4〕100質量部(固形分換算)を添加して凝集を継続し、定期的にサンプリングを行って遠心分離機でトナーを分離し、上澄みが透明になった時点でエチレンジアミン四酢酸を20.1質量部添加した。この時点における凝集粒子の平均円形度は0.92であった。そして、液温を80℃まで昇温させ、凝集粒子の平均円形度が0.96に達したところで6℃/分の条件で30℃まで冷却し、反応を完結させて体積基準のメジアン径が6.5μmのトナー粒子を得た。
次いで、生成したトナー粒子の分散液をバスケット型遠心分離機「MARK III 型」(型式番号60×40)(松本機会製作社製)により固液分離し、トナー粒子のウェットケーキを形成し、このウェットケーキを、前記バスケット型遠心分離機で濾液の電気伝導度が15μS/cmになるまでイオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥し、乾燥したトナー粒子を24℃の環境雰囲気に放置して冷却することにより、トナー粒子〔8X〕を得た。なお、乾燥処理は温度40℃、湿度20%RHの気流を吹き付けて行った。
このトナー粒子〔8X〕100質量部に対し、疎水性シリカ1.0質量部を添加し、ヘンシェルミキサーによって回転翼の周速24m/sで20分間混合し、その後、400メッシュのフルイを用いて粗大粒子を除去することにより、トナー〔8〕を得た。
このトナー〔8〕のガラス転移点(Tg)は49℃であった。また、このトナー〔8〕を構成するトナー粒子の体積基準のメジアン径は6.4μm、平均円形度は0.95であった。
〔実施例9:トナーの製造例9〕
トナーの製造例8において、不飽和重合体微粒子分散液〔A−1〕の代わりに熱可塑性樹脂微粒子分散液〔A〕を用いたことの他は同様にして、トナー〔9〕を製造した。
このトナー〔9〕のガラス転移点(Tg)は38℃であった。また、このトナー〔9〕を構成するトナー粒子の体積基準のメジアン径は6.6μm、平均円形度は0.96であった。
〔比較例1:比較用トナーの製造例1〕
トナーの製造例1において、不飽和重合体微粒子分散液〔A−1〕300質量部(固形分換算)および不飽和重合体微粒子分散液〔A−4〕100質量部(固形分換算)の代わりに、不飽和重合体微粒子分散液〔A−3〕400質量部(固形分換算)を使用したことの他は同様にして、比較用のトナー〔10〕を製造した。
〔比較例2:比較用トナーの製造例2〕
比較用トナーの製造例1において、不飽和重合体微粒子分散液〔A−3〕の代わりに、熱可塑性樹脂微粒子分散液〔A〕400質量部(固形分換算)を使用したことの他は同様にして、比較用のトナー〔11〕を製造した。
〔比較例3:比較用トナーの製造例3〕
比較用トナーの製造例1において、不飽和重合体微粒子分散液〔A−3〕の代わりに、不飽和重合体微粒子分散液〔A−1〕400質量部(固形分換算)を使用したことの他は同様にして、比較用のトナー〔12〕を製造した。
〔比較例4:比較用トナーの製造例4〕
比較用トナーの製造例1において、不飽和重合体微粒子分散液〔A−3〕の代わりに、不飽和重合体微粒子分散液〔A−4〕400質量部(固形分換算)を使用したことの他は同様にして、比較用のトナー〔13〕を製造した。
〔現像剤の製造例1〜13〕
上記のトナー〔1〕〜〔9〕および比較用のトナー〔10〕〜〔13〕の各々に、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを、トナーの濃度が6質量%になるようV型混合機を用いて混合することにより、現像剤〔1〕〜〔9〕および比較用の現像剤〔10〕〜〔13〕を得た。
(1)低温定着性の評価
それぞれ、現像剤〔1〕〜現像剤〔13〕を用いて下限定着温度を調査した。
具体的には、画像形成装置「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)において、定着装置を定着用ヒートローラの表面温度を80〜150℃の範囲で変更することができるように改造したものを用い、常温常湿環境(温度20℃湿度50%RH)下において、画像支持体として秤量350gの紙を用いて画像濃度が0.8のベタ画像を形成し、得られたベタ画像を折り機を用いて折り、これに0.35MPaの空気を吹きつけ、折り目を限度見本を参照してランク5〜ランク1の5段階に評価する剥離実験を、設定される定着温度を150℃、145℃・・・と5℃刻みで低下させるよう変更しながら繰り返し行い、初めてランク3に評価された剥離実験における定着用ヒートローラの表面温度を定着下限温度とした。結果を表1に示す。
−評価基準−
ランク5:折れ目に全く剥離なし。
ランク4:一部、折り目に従って剥離あり。
ランク3:折り目に従って細い線状の剥離あり。
ランク2:折り目に従って太い剥離あり。
ランク1:画像に大きな剥離あり。
(2)耐ドキュメントオフセット性の評価
それぞれ、現像剤〔1〕〜現像剤〔13〕を用いて耐ドキュメントオフセット性の評価を行った。
具体的には、画像形成装置「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に専用フィニッシャー「FS−608」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)を装填したものを用い、中綴じ印刷20部(1部5枚)の自動製品作成テストを50回繰り返して行った。この自動製品作成テストにおいては、1ページ当りの画素率を50%に設定し、また画像支持体として坪量64gの紙を用い、また、定着温度は150℃に設定した。
得られた中綴じ印刷物を、室温となるまで自然冷却した後、中綴じ印刷物の全ページを目視して確認し、以下の評価基準に従って評価した。結果を表1に示す。なお、ランク3およびランク4である場合に実用上十分な耐ドキュメントオフセット性が得られると判断され、ランク1およびランク2である場合は実用に耐えないと判断される。
−評価基準−
ランク1:最も画像部の画像欠損が大きいページについて、その画像部において白抜けなどの画像欠損が生じており、かつ、非画像部においても明らかな画像移行が生じている。
ランク2:中綴じ印刷物について、紙揃えに乱れが生じて一部のページに画像が傾いた状態で小口が裁断されている。あるいは、最も画像部の画像欠損が大きいページについて、例えば画像部の所々に画像接着の痕跡としての光沢むらの発生があるなどの実用上問題となる画像欠損および画像移行が生じている。
ランク3:中綴じ印刷物について、互いに画像部が重なりあったページをめくる際にパリッと音がするものの、最も画像部の画像欠損が大きいページについて、画像部および非画像部に通常の使用において、実用上の問題となるような画像欠損および画像移行がない。
ランク4:どのページにおいても、画像部および非画像部ともに全く画像欠損および画像移行がない。
Figure 2012058488

Claims (7)

  1. 少なくとも結着樹脂および着色剤を含有するトナー粒子よりなるトナーであって、
    前記トナー粒子は、熱を受けてラジカルを発生するラジカル発生剤を含有し、
    前記トナー粒子を構成する結着樹脂が、不飽和結合を有する重合体を含有してなり、かつ、ガラス転移点(Tg)が25〜55℃の範囲であるものであることを特徴とするトナー。
  2. 前記ラジカル発生剤が、アゾ化合物または有機過酸化物であることを特徴とする請求項1に記載のトナー。
  3. 前記トナー粒子を構成する結着樹脂が、不飽和結合を有する重合体を含有してなり、かつ、ガラス転移点(Tg)が28〜51℃の範囲であるものであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載のトナー。
  4. 前記不飽和結合を有する重合体が、不飽和結合を有する多価カルボン酸より得られるポリエステル樹脂であることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載のトナー。
  5. 請求項1〜請求項4のいずれかに記載のトナーを製造する方法であって、
    水系媒体中において、熱を受けてラジカルを発生するラジカル発生剤および不飽和結合を有する重合体を含有してなる結着樹脂を含む樹脂微粒子を凝集・融着させることにより、トナー粒子を形成する凝集、融着工程、および形成されたトナー粒子を洗浄した後に乾燥する乾燥工程を経ることを特徴とするトナーの製造方法。
  6. 前記凝集、融着工程および乾燥工程において、ラジカル発生剤の温度が、(当該ラジカル発生剤に係る10時間半減期を示す温度−10℃)よりも低い温度となるよう制御されることを特徴とする請求項5に記載のトナーの製造方法。
  7. 画像支持体上に、請求項1〜請求項4のいずれかに記載のトナーによってトナー像を形成した後、外部から熱を与えて定着温度を制御することにより、定着画像を形成する工程を含む画像形成方法であって、前記定着温度が、前記トナーに含有されるラジカル発生剤に係る10時間半減期温度以上の温度であることを特徴とする画像形成方法。

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WO2019107087A1 (ja) * 2017-11-28 2019-06-06 三洋化成工業株式会社 樹脂粒子及びトナーの製造方法

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