JP2017181743A - 静電荷像現像用トナーおよび画像形成方法 - Google Patents
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Abstract
Description
トナー母体粒子とは、少なくとも結着樹脂、離型剤、および着色剤を有する粒子であって、必要に応じて、その他の添加剤(内添剤)を含有する粒子である。トナー母体粒子に外添剤が添加されることによって、トナーが完成される。
本発明に係る結着樹脂に含まれる樹脂は、特に制限されず、結晶性樹脂および非晶性樹脂が挙げられる。中でも、結晶性樹脂を含むことが好ましい。結晶性樹脂を含むことにより、低温定着性が確保されうる。
本発明において、結晶性樹脂とは、示差走査熱量計「ダイヤモンドDSC」(パーキンエルマー社製)を用いて測定されるDSC曲線において、明確な吸熱ピークを有するものをいう。結晶性樹脂としては、結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリウレタン樹脂、結晶性ポリウレア樹脂、結晶性ポリアミド樹脂、結晶性ポリエーテル樹脂などが挙げられるが、帯電性や低温定着性の観点から、特に、結晶性ポリエステル樹脂を用いることが好ましい。よって、本発明の好ましい形態によれば、前記結晶性樹脂が、結晶性ポリエステル樹脂である。以下、結晶性ポリエステル樹脂について説明する。
結晶性ポリエステル樹脂は、2価以上のカルボン酸(多価カルボン酸成分)と、2価以上のアルコール(多価アルコール成分)との重縮合反応によって得られる公知のポリエステル樹脂であって、結晶性を有する樹脂をいう。
本発明においては、トナー母体粒子中、非晶性樹脂の構造を一部含有するハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂を使用することが好ましい。ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂を使用することにより、後述するように結着樹脂として用いられうる非晶性樹脂との親和性が向上させることができるという利点を有する。つまり、本発明によれば、結晶性ポリエステル樹脂が、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂であることがより好ましい。
結晶性ポリエステル重合セグメントとは、結晶性ポリエステル樹脂に由来する部分を指す。すなわち、結晶性ポリエステル樹脂を構成するものと同じ化学構造の分子鎖を指す。
非晶性重合セグメントとは、非晶性樹脂に由来する部分を指す。すなわち、非晶性樹脂を構成するものと同じ化学構造の分子鎖を指す。非晶性重合セグメントは、本発明に係る結着樹脂に非晶性樹脂が含まれる場合に、その非晶性樹脂とハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂との親和性に寄与し得る。ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂が非晶性重合セグメントを含有することは、例えば、NMR測定、メチル化反応P−GC/MS測定を用いて化学構造を特定することによって確認することができる。
本発明に係る結着樹脂に含まれるハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂の製造方法は、上記結晶性ポリエステル重合セグメントと、非晶性重合セグメントとを化学結合させた構造の重合体を形成することが可能な方法であれば、特に制限されるものではない。ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂の具体的な製造方法としては、例えば、以下に示す方法が挙げられる。
この方法では、先ず、上述した非晶性重合セグメントを構成する単量体(好ましくは、スチレン単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体といったビニル単量体)を付加反応させて非晶性重合セグメントを形成する。次に、非晶性重合セグメントの存在下で、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とを重合反応させて結晶性ポリエステル重合セグメントを形成する。このとき、多価カルボン酸成分と多価アルコール成分とを縮合反応させると共に、非晶性重合セグメントに対し、多価カルボン酸成分または多価アルコール成分を付加反応させることにより、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂が形成される。
本発明に係るトナー母体粒子は、非晶性樹脂を含むことが好ましい。非晶性樹脂は、上記の好ましい結晶性樹脂であるハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂の非晶性重合セグメントと同種の樹脂または非晶性ポリエステル樹脂で構成されると好ましい。ここで、「同種の樹脂で構成される」とは、同種の樹脂のみからなる形態であってもよいし、または、同種の樹脂のみならず、他の非晶性樹脂を含む形態であってもよい。ただし、同種の樹脂と他の非晶性樹脂とを含む形態の場合、当該同種の樹脂の含有量は、非晶性樹脂全量に対して15質量%以上であることが好ましく、20質量%以上であるとより好ましい。
ビニル樹脂としては、ビニル化合物を重合したものであれば特に制限されないが、例えば、(メタ)アクリル酸エステル樹脂、スチレンアクリル共重合体、エチレン・酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。これらは1種を単独で用いてもよく、2種以上を組み合わせて用いてもよい。上記のビニル樹脂のなかでも、乳化凝集法における製造性(つまり、均一な凝集性を持つラテックスが作られることで、所望の粒度分布を有するトナーが得られる)や、熱定着時の可塑性を考慮すると、スチレンアクリル共重合体が好ましい。
本発明でいうスチレンアクリル共重合体とは、少なくともスチレン単量体と(メタ)アクリル酸エステル単量体とを用いて、重合を行うことにより形成されるものである。ここで、スチレン単量体とは、CH2=CH−C6H5の構造式で表されるスチレンの他、スチレン構造中に公知の側鎖や官能基を有する構造のものも含まれる。
エチレン、プロピレン、イソブチレン等
(2)ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等
(3)ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等
(4)ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等
(5)N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等
(6)その他
ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体等。
非晶性ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸成分(またはその誘導体)および多価アルコール成分(またはその誘導体)を原料として重縮合反応によって得られたものであって、明瞭な融点を有さないものをいう。
装置:HLC−8020(東ソー株式会社製)
カラム:GMHXL×2、G2000HXL×1
検出器:RIおよびUVの少なくとも一方
溶出液流速:1.0ml/分
試料濃度:0.01g/20ml
試料量:100μl
検量線:標準ポリスチレンにて作製。
本発明のトナー母体粒子は、離型剤(ワックス)を含有する。離型剤としては、炭化水素系ワックス類、エステル系ワックス類、天然物系ワックス類、アミド系ワックス類等が挙げられる。本発明のトナーでは、離型剤が、エステル系ワックスまたは炭化水素系ワックスを含有することが好ましい。これらの離型剤は本発明のトナーに好適であり、これらを使用することにより、トナーの定着分離性を向上させ得る。
本発明においては、静電荷像現像用トナーを製造するために、着色剤を使用する。該着色剤としては、無彩色着色剤および有彩色着色剤のいずれも制限なく用いることができる。
本発明のトナー母体粒子は、荷電制御剤を含有してもよい。
本発明のトナー母体粒子の粒径は、体積基準のメジアン径(D50)で3〜8μmであることが好ましい。この粒径は、後述する製造方法において、凝集剤の濃度や融着時間、さらには重合体自体の組成等によって制御することができる。体積基準のメジアン径(D50)が3〜8μmであることにより、細線の再現性や、写真画像の高画質化が達成できると共に、トナーの消費量を、大粒径トナーを用いた場合に比して削減することができる。なお、体積基準のメジアン径(D50)は、例えば、「コールターマルチサイザー3」(ベックマン・コールター株式会社製)により測定できる。
本発明のトナー母体粒子の下記式(3)で示される平均円形度は、通常、0.91以上である。よって、本発明の好ましい形態によれば、平均円形度が、0.91以上である。転写効率の向上や帯電安定性の観点から、0.920〜0.995であることが好ましく、0.930〜0.975であることがより好ましい。
本発明に係るトナーは、外添剤粒子を含んでもよい。外添剤としては特に制限されないが、数平均一次粒径が2〜800nm程度の無機粒子が好ましい。外添剤の種類は特に限定されるものではなく、例えば、以下に例示する公知の無機粒子、および、滑剤等が挙げられる。これら外添剤は、単独でもまたは2種以上組み合わせても使用することができる。
本発明の静電荷像現像用トナーは、温度20℃相対湿度50%RHの環境下において、1kHzから100kHzまでの周波数の範囲で測定して得られる誘電正接tanδの最大値をtanδmaxとし、最小値をtanδminとしたとき、下記式(1)を満たす。なお、誘電正接tanδは、実施例に記載の方法により測定することができる。
上記したように、本発明のトナーは、乳化凝集法によるトナーの製造時に用いられる凝集停止剤の量などを調節して、トナーに含まれる第1族元素の量を制御することにより製造することができる。かような本発明のトナーにおいて、蛍光X線分析による第1族元素のNet強度(以下、単にNet強度とも称する)は、0.50以上であることが好ましく、0.70以上であることがより好ましい。このような範囲であれば、上記式(1)を満たす本発明のトナーがより得られやすくなる。Net強度の上限は特に制限されないが、3.0以下であることが好ましい。Net強度の上限がかような範囲であることにより、高温高湿(HH)環境下においても、良好な帯電性が得られる。
本発明において、トナー母体粒子の体積基準の粒度分布における変動係数(CV値、以下単に「CV値」とも称する)は16〜19%であることが好ましい。CV値は、トナー母体粒子の粒度分布における分散度を体積基準で表したものであり、下記式(4)で表される。CV値が小さいほど、粒度分布がシャープであることを表し、トナー母体粒子の大きさがそろっていることを示す。
次に、本発明のトナーの製造方法について説明する。本発明のトナー母体粒子の製造方法は、特に制限されず、混練粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル伸長法、分散重合法など公知の方法が挙げられる。
本発明において、「水系媒体」とは、少なくとも水が50質量%以上含有されたものをいい、水以外の成分としては、水に溶解する有機溶剤を挙げることができ、例えばメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、ジメチルホルムアミド、メチルセルソルブ、テトラヒドロフランなどが挙げられる。
凝集粒子形成工程において使用する凝集剤としては、特に限定されるものではないが、電荷中和反応と架橋作用とにより粒子を成長させるものとして金属塩から選択されるものが好適である。金属塩としては、例えばナトリウム、カリウム、リチウムなどのアルカリ金属の塩などの一価の金属塩;カルシウム、マグネシウム、マンガン、銅などの二価の金属塩;鉄、アルミニウムなどの三価の金属塩などが挙げられる。具体的な金属塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン、硫酸アルミニウム、ポリ塩化アルミニウム、酢酸亜鉛などを挙げることができ、これらの中で、より少量で凝集を進めることができることから、二価の金属塩を用いることが特に好ましい。これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
凝集粒子の成長を停止させる凝集停止剤としては凝集作用を緩和させる化合物や塩が用いられる。例えば塩化ナトリウム、多価有機酸もしくはその塩、またはアミノ酸、ポリホスホン酸もしくはこれらの塩を使用することができる。また系内のpHを変化させることによって凝集作用を緩和させる方法も用いることができる。pHを調整するためにはフマル酸ナトリウム水溶液、水酸化ナトリウム水溶液、塩酸などを用いることができる。さらには、pHを調整するとともにキレート剤を併用し、金属イオンによる架橋作用を緩和させることも有効である。キレート剤としてはHIDA(ヒドロキシエチルイミノ二酢酸)、HEDTA(ヒドロキシエチルエチレンジアミン三酢酸)、HEDP(ヒドロキシエチリデンジホスホン酸)、HIDS(3−ヒドロキシ−2,2’−イミノジコハク酸)等が挙げられる。
(2)水系媒体中に、必要に応じて離型剤、荷電制御剤などの内添剤を含有した、結着樹脂粒子(結晶性樹脂粒子および/または非晶性樹脂粒子)が分散されてなる分散液を調製する、結着樹脂粒子分散液調製工程
(3)結着樹脂粒子および着色剤粒子、ならびに必要に応じてその他のトナー構成成分の粒子を、水系媒体中において、凝集、融着させて凝集粒子を成長させる凝集、融着工程
(4)水系媒体中に特定の凝集停止剤を添加して凝集を停止させて凝集粒子の成長を停止させる凝集停止剤添加工程
(5)凝集粒子を熱エネルギーにより熟成させて形状を制御し、トナー母体粒子を得る熟成工程
を含む。
(7)洗浄処理されたトナー母体粒子を乾燥する乾燥工程
続いて、
(8)乾燥処理されたトナー母体粒子に外添剤を添加する外添剤添加工程
を経て、静電荷像現像用トナーを作製することができる。
本発明のトナーは、例えば磁性体を含有させて一成分磁性トナーとして使用する場合、いわゆるキャリアと混合して二成分現像剤として使用する場合、非磁性トナーを単独で使用する場合などが考えられ、いずれも好適に使用することができる。
本発明のトナーは、特に制限されないが、以下の工程を有する画像形成方法に好適に用いられる:
(1)像担持体の表面を帯電し、露光することにより像担持体上に静電荷像を形成する静電荷像形成工程
(2)像担持体上に形成された静電荷像をトナーが含有される現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程
(3)像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写工程
(4)記録媒体上に転写されたトナー像を熱ローラ方式で定着処理する定着工程。
本発明の画像形成方法が適用される画像形成装置としては、例えば、1つの像担持体と、この像担持体の周囲に配置された各色の現像剤が充填された複数の現像器とを有し、各色に応じたトナー像を像担持体上に形成し、逐次中間転写体などにトナー像を転写して重ね合わせ、一括して記録媒体上に転写して熱ローラ方式で定着させ、可視画像(定着画像)を形成するサイクル方式のものが挙げられる。
<実施例1>
〔離型剤を含有する非晶性樹脂(ビニル樹脂)粒子〔M1〕の分散液〔MD1〕の調製〕
(第1段重合)
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム8gをイオン交換水3Lに溶解させた溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの攪拌速度で攪拌しながら、内温を80℃に昇温させた後、過硫酸カリウム10gをイオン交換水200gに溶解させた溶液を添加し、再度液温を80℃とし、
スチレン 480g
n−ブチルアクリレート 250g
メタクリル酸 68g
からなる単量体混合液を1時間かけて滴下後、80℃で2時間加熱、攪拌することにより重合を行い、樹脂粒子〔a1〕が分散されてなる樹脂粒子分散液〔A1〕を調製した。
攪拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム6gをイオン交換水1850mlに溶解させた溶液を仕込み、80℃に加熱後、上記の樹脂粒子分散液〔A1〕260gを加えた。
スチレン 175g
n−ブチルアクリレート 80g
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 3.8g
離型剤:ベヘン酸ベヘニル(融点73℃) 86.5g
を80℃で溶解、混合させた単量体溶液を、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス(登録商標)」(エム・テクニック株式会社製)により15分間混合分散させて、乳化粒子(油滴)を含む分散液を調製した。
上記の樹脂粒子分散液〔A2〕に、過硫酸カリウム5gをイオン交換水100mlに溶解させた溶液を添加し、82℃の温度条件下に、
スチレン 303.5g
n−ブチルアクリレート 118.5g
メタクリル酸 70g
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 8g
からなる単量体混合液を90分かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたって加熱攪拌することにより重合を行った後、28℃まで冷却し、これにより、ビニル単量体を主成分とし、離型剤を含有する非晶性樹脂粒子〔M1〕の分散液〔MD1〕を調製した。
ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂(c1)の合成
下記の付加重合系樹脂の原料モノマー(単量体)、両反応性モノマー(単量体)およびラジカル重合開始剤を滴下ロートに入れた。
n−ブチルアクリレート 9質量部
アクリル酸 4質量部
重合開始剤(ジーt−ブチルパーオキサイド) 7質量部
さらに、下記の重縮合系の原料モノマーを、窒素導入管、脱水管、攪拌器および熱電対を装備した四つ口フラスコに入れ、170℃に加熱し溶解させた。
1,6−ヘキサンジオール 196質量部
次いで、攪拌下で付加重合系樹脂の原料モノマーを90分かけて滴下し、60分間熟成を行った後、減圧下(8kPa)にて未反応の付加重合モノマーを除去した。その後、エステル化触媒としてTi(O−n−Bu)4を0.8質量部投入し、235℃まで昇温、常圧下(101.3kPa)にて5時間、さらに減圧下(8kPa)にて1時間反応を行った。次に200℃まで冷却した後、減圧下(20kPa)にて1時間反応させることにより、ハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂(c1)を得た。得られたハイブリッド結晶性ポリエステル樹脂(c1)の重量平均分子量(Mw)は6,800であり、融点は77℃であった。
ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に攪拌溶解し、ここへ着色剤であるC.I.ピグメントブルー15:3を25質量部、徐々に添加した。この分散液を、クレアミックス(登録商標)WモーションCLM−0.8(エム・テクニック株式会社製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子分散液〔Cy〕を調製した。着色剤粒子分散液〔Cy〕における着色剤粒子の体積基準のメジアン径を、「MICROTRAC UPA 50」(Honeywell社製)を用いて下記条件にて測定したところ、150nmであった:
〔測定条件〕
サンプル屈折率:1.59
サンプル比重:1.05(球状粒子換算)
溶媒屈折率:1.33
溶媒粘度:30℃にて0.797mPa・s、20℃にて1.002mPa・s
測定セルにイオン交換水を入れ、ゼロ点調整を行った。
攪拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入装置を取り付けたフラスコに、
・イオン交換水400質量部と、
・離型剤を含有する非晶性樹脂粒子〔M1〕の分散液〔MD1〕522質量部(固形分換算)と、
・着色剤粒子分散液〔Cy〕36質量部(固形分換算)と、
・結晶性樹脂粒子分散液[C1]42質量部(固形分換算)と、
を仕込み、液温を25℃に調整した後、濃度25質量%の水酸化ナトリウム水溶液を加えてpHを10.5に調整した。
着色剤として、C.I.ピグメントブルー15:3の代わりにC.I.ピグメントレッド122を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、トナー〔2〕を作製した。
着色剤として、C.I.ピグメントブルー15:3の代わりにC.I.ピグメントイエロー74を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、トナー〔3〕を作製した。
凝集停止剤水溶液として、塩化ナトリウム164.7質量部をイオン交換水658.8質量部に溶解させた水溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、トナー〔4〕を作製した。
凝集停止剤水溶液として、塩化ナトリウム115.3質量部をイオン交換水461.1質量部に溶解させた水溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、トナー〔5〕を作製した。
〔トナーの製造例1〕において、分散液〔MD1〕の量を558質量部(固形分換算)とし、分散液[C1]の量を6質量部(固形分換算)としたこと以外は、実施例1と同様にして、トナー〔6〕を作製した。
〔トナーの製造例1〕において、分散液〔MD1〕の量を510質量部(固形分換算)とし、分散液[C1]の量を54質量部(固形分換算)としたこと以外は、実施例1と同様にして、トナー〔7〕を作製した。
〔トナーの製造例1〕において、分散液〔MD1〕の量を498質量部(固形分換算)とし、分散液[C1]の量を66質量部(固形分換算)としたこと以外は、実施例1と同様にして、トナー〔8〕を作製した。
〔着色剤粒子分散液〔Bk〕の調製〕
ドデシル硫酸ナトリウム90gをイオン交換水1600gに攪拌溶解し、この溶液を攪拌しながら、カーボンブラック(ファーネスブラック)「リーガル(登録商標)330R」(キャボット社製)420gを徐々に添加した。次いで、攪拌装置「クレアミックス(登録商標)」(エム・テクニック株式会社製)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子〔Bk〕が分散されてなる着色剤粒子分散液〔Bk〕を調製した。着色剤粒子分散液〔Bk〕における着色剤粒子〔Bk〕の体積基準のメジアン径を電気泳動光散乱光度計「ELS−800」(大塚電子株式会社製)を用いて測定したところ、120nmであった。
分散液〔MD1〕の量を492質量部(固形分換算)とし、分散液[C1]の量を54質量部(固形分換算)としたこと以外は、実施例9と同様にして、トナー〔10〕を作製した。
凝集停止剤水溶液として、塩化ナトリウム245.5質量部をイオン交換水368.9質量部に溶解させた水溶液を用いたこと以外は、実施例1と同様にして、トナー〔11〕を作製した。
着色剤として、C.I.ピグメントブルー15:3の代わりにC.I.ピグメントレッド122を用いたこと以外は、比較例1と同様にして、トナー〔12〕を作製した。
<誘電正接(tanδ)、ε’>
測定試料として、トナー2gを、100kgf/cm2の荷重を10秒かけて成形した40mmφの円盤状のサンプル(厚さ:約2mm)を使用した。なお、円盤状のサンプルの厚さは、ノギスで測定した。誘電正接tanδは、温度20℃、相対湿度50%RHの環境下において、LCRメーター 65120P(株式会社東陽テクニカ製)を用いて測定した。付属ソフトであるWITNESS−6000を使用し、測定周波数を1kHzから100kHzまで、1ケタのポイント数を5、および平均化回数を3にそれぞれ設定し、円盤状のサンプルの厚さを入力して測定を行った。また、ε’は、周波数100kHzでの値を測定した。
蛍光X線分析装置「XRF−1700」(株式会社島津製作所製)を用いて、金属量のNet強度を測定した。Net強度の具体的な測定方法としては、トナー2gを荷重15tにて10秒間加圧してペレット化し、定性定量分析にて(下記測定条件参照)測定を行った。なお、測定には2θテーブルより、測定したいナトリウム元素のKαピーク角度を決定して用いた:
−測定条件−
スリット:標準
アッテネータ:なし
分光結晶(Na=TAP)
検出器(Na=FPC)。
キャリア9.25g、およびトナー0.75gを20ccサンプル瓶に計量し、一晩の間、25℃50%RHにて調湿した。その後振とう機において、200ストロークで1分間振とうさせて二成分現像剤を得た。得られた二成分現像剤0.05gを、平行平板(アルミ)電極間にしゅう動させながら配置し、電極間ギャップが0.5mm、DCバイアスが1.0kV、ACバイアスが4.0kV、2.0kHzの条件でトナーを現像させた際のトナーの電荷量と質量とを測定し、単位質量当たりの電荷量Q/m(μC/g)を帯電量とした。本評価は帯電量の立ち上がりを評価したものであり、45μC/g以上を合格とした。
市販の複合プリンター「bizhub PRO(登録商標)C500」(コニカミノルタ株式会社製)を改造して、温度20℃、相対湿度50%RHの環境下において、コニカミノルタ株式会社製CFペーパー上に出力した。現像バイアスを調整することにより、紙面上のトナー付着量を4.5g/m2に合わせ、画像濃度を5点測定した。画像濃度の最大値と最小値との濃度差が0.1以下を◎、0.1を超えて0.3未満を○、0.3以上を×とし、0.3未満を合格とした。
画像形成装置として、市販のフルカラー複合機「bizhub PRO(登録商標)C6500」(コニカミノルタ株式会社製)を、定着上ベルトおよび定着下ローラの表面温度を変更可能に改造したものを用いた。記録材「NPi上質紙128g/m2」(日本製紙株式会社製)上に、トナー付着量11.3g/m2のベタ画像を、定着温度200℃にて、定着速度300mm/secで出力する試験を、定着温度を5℃刻みで減少させるよう変更しながら、コールドオフセットが発生するまで繰り返し行い、コールドオフセットが発生しなかった定着上ベルトの最低の表面温度を調査し、これを定着下限温度として低温定着性を評価した。各試験において、定着温度とは定着上ベルトの表面温度をいい、定着下ローラの表面温度は、常に定着上ベルトより20℃低い温度に設定した。定着下限温度が低いほど低温定着性に優れることを示す。本評価においては、145℃以下である場合を合格とした。
Claims (9)
- 少なくとも結着樹脂、離型剤、および着色剤を有するトナー母体粒子を含む静電荷像現像用トナーであって、
温度20℃相対湿度50%RHの環境下において、1kHzから100kHzまでの周波数の範囲で測定して得られる誘電正接tanδの最大値をtanδmaxとし、最小値をtanδminとしたとき、下記式(1)を満たす、静電荷像現像用トナー。
- 周波数100kHzで測定される誘電正接tanδ100kHzが、下記式(2)を満たす、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 周波数100kHzにおける比誘電率ε’が2.0以上である、請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記結着樹脂が結晶性ポリエステル樹脂を含む、請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 蛍光X線分析による第1族元素のNet強度が、0.70以上である、請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記結着樹脂がビニル樹脂を含む、請求項1〜5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記着色剤は、有彩色着色剤である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記着色剤は、無彩色着色剤である、請求項1〜6のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナー。
- 像担持体の表面を帯電し、露光することにより像担持体上に静電荷像を形成する静電荷像形成工程、
像担持体上に形成された静電荷像をトナーが含有される現像剤により現像してトナー像を形成する現像工程、
像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写工程、および
記録媒体上に転写されたトナー像を熱ローラ方式で定着処理する定着工程、
を有する画像形成方法であって、
前記トナーが、請求項1〜8のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーである、画像形成方法。
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