JP7238480B2 - 静電潜像現像剤用キャリア、それを用いた二成分現像剤、補給用現像剤、画像形成装置並びに画像形成方法 - Google Patents
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Description
一方、近年のマシン高寿命化に伴い、長期印刷の際には劣化したトナーがキャリア表面に付着するトナースペントが問題になっている。トナースペントによるキャリア劣化の中で特に問題になるのが、キャリア帯電能力の低下である。キャリア帯電能力の低下は、所謂トナー飛散を発生させ、機内を汚染することでセンサー誤検知などの不具合原因となる。
1)芯材粒子と、前記芯材粒子の表面を被覆する樹脂層と、を備える静電潜像現像剤用キャリアであって、
前記樹脂層は、樹脂と、微粒子とを含み、
前記微粒子は、硫酸バリウムを含み、かつ
前記静電潜像現像剤用キャリアの体積平均粒子径が、55μm以上80μm以下の範囲であることを特徴とする静電潜像現像剤用キャリア。
硫酸バリウム、酸化マグネシウム、水酸化マグネシウムは負帯電トナーとの帯電性に優れるため、初期から長期間使用後までの間、キャリアに優れた帯電性能を付与することを目的として用いられる。これらの帯電性能付与微粒子は、いずれも正帯電性を持つ材料であるため、特に負帯電トナーに対して優れた帯電能力を発揮する。これらの中でも、特に硫酸バリウムは負帯電性トナーに対する帯電能力が高いことや、白色であり樹脂層に含まれる樹脂(被覆樹脂)から脱離した場合でもトナーの色味への影響が少ないことから、好適に用いられる。
帯電性能付与微粒子は、円相当径が450nm以上850nm以下であることがさらに好ましい。
続いて、本発明のキャリアについてさらに説明する。
本発明のキャリアは、体積平均粒子径が40μm以上80μm以下であることが必要である。本発明においては、長期間に渡る十分な帯電制御が可能であり、経時エッジキャリア付着などの不具合を防止し、かつ異常画像の発生を抑制できるキャリアを得ることを目的として、樹脂層中に帯電性能付与微粒子を含有させているが、上述した通り、長期使用によって帯電性能付与微粒子凸部の間に存在する凹部にはトナー樹脂やワックス、添加剤などがスペントする。これらのスペント物は樹脂層よりも抵抗が高いため、結果的に経時でキャリア抵抗が上昇する。キャリア抵抗の上昇はエッジキャリア付着悪化の原因となり、白抜けなどの異常画像発生につながるが、キャリアの体積平均粒子径を40μm以上とすることで、経時でのエッジキャリア付着悪化に耐えられるキャリアとなることを見出した。また、キャリアの体積平均粒子径が80μm以下であることにより、画像細部の再現性が向上し、精細な画像を形成でき、またゴースト現像発生を防止できる。よって、キャリアの体積平均粒子径は40μm以上80μm以下とすることが重要である。
なお、キャリアの体積平均粒子径は、例えば、マイクロトラック粒度分布計モデルHRA9320-X100(日機装社製)を用いて測定することができる。
本発明では、上述した帯電性能付与微粒子と合わせて、抵抗の制御や長期間使用した際の樹脂層の削れを抑制する目的で、樹脂層中に導電性微粒子を含ませてもよい。導電性微粒子は酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化珪素、酸化ジルコニウムなどの基体に二酸化スズや酸化インジウムを層として形成したフィラー、カーボンブラックなどを使用できるが、酸化アルミニウム、二酸化チタンが好ましい。非導電性のフィラーとしては酸化アルミニウム、二酸化チタン、酸化亜鉛、二酸化珪素、酸化ジルコニウムなどの基体が使用できる。
本発明のキャリアにおいて、樹脂層に含まれる樹脂は、公知のものから適宜選択することができ、とくに制限されないが、該樹脂は、A成分とB成分とを含むラジカル共重合体を加水分解し、シラノール基を生成し、触媒を用いて縮合することにより架橋、被覆した後、加熱処理して得られるものが好ましい。
R1:水素原子、またはメチル基
m:1~8の整数であり、-(CH2)m-は炭素原子数1~8のメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基
R2:炭素原子数1~4のメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、及びブチル基等のアルキル基
R3:炭素数1~8のメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、及びブチル基等のアルキル基、または炭素数1~4のメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基
R1:水素原子、またはメチル基
m:1~8の整数であり、-(CH2)m-は炭素原子数1~8のメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基
R2:炭素原子数1~4のメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、及びブチル基等のアルキル基
X:A成分において、Xは10~90モル%であり、より好ましくは、30~70モル%である。
下式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Prはプロピル基である。
CH2=CMe-COO-C3H6-Si(OSiMe3)3
CH2=CH-COO-C3H6-Si(OSiMe3)3
CH2=CMe-COO-C4H8-Si(OSiMe3)3
CH2=CMe-COO-C3H6-Si(OSiEt3)3
CH2=CH-COO-C3H6-Si(OSiEt3)3
CH2=CMe-COO-C4H8-Si(OSiEt3)3
CH2=CMe-COO-C3H6-Si(OSiPr3)3
CH2=CH-COO-C3H6-Si(OSiPr3)3
CH2=CMe-COO-C4H8-Si(OSiPr3)3
R1:水素原子、またはメチル基
m:1~8の整数であり、-(CH2)m-は炭素原子数1~8のメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基
R2:炭素原子数1~4の脂肪族炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基
R3:炭素数1~8のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基など)、又は炭素数1~4のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基)
Xは10~40モル%である。
Yは10~40モル%である。
Zは30~80モル%であり、かつ、60モル%<Y+Z<90モル%である。
特許第3691115号公報には、磁性粒子表面を、少なくとも末端にビニル基を有するオルガノポリシロキサンとヒドロキシル基、アミノ基、アミド基およびイミド基からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有するラジカル共重合性単量体との共重合体をイソシアネート系化合物により架橋させた熱硬化性樹脂で被覆した静電荷像現像用キャリアが記載されているが、被膜の剥がれ・削れにおいて十分な耐久性が得られていないのが現状である。
これにより、適度な弾性を維持したまま、樹脂層同士の融着を抑制することができる。
アミノ樹脂としては、特に限定されないが、キャリアの帯電付与能力を向上させることができるため、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂が好ましい。また、適度にキャリアの帯電付与能力を制御する必要がある場合には、メラミン樹脂及び/又はベンゾグアナミン樹脂と、他のアミノ樹脂を併用してもよい。
アミノ樹脂と架橋し得るアクリル樹脂としては、ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を有するものが好ましく、ヒドロキシル基を有するものがさらに好ましい。これにより、芯材粒子や導電性微粒子との密着性をさらに向上させることができ、導電性微粒子の分散安定性も向上させることができる。このとき、アクリル樹脂は、水酸基価が10mgKOH/g以上であることが好ましく、20mgKOH/g以上がさらに好ましい。
これにより、導電性微粒子を安定に分散させることができる。
シランカップリング剤としては、特に限定されないが、r-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、r-(2-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、r-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-r-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、r-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、r-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、r-クロルプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、r-アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、r-クロルプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロルシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、1,3-ジビニルテトラメチルジシラザン、メタクリルオキシエチルジメチル(3-トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
シランカップリング剤の市販品としては、AY43-059、SR6020、SZ6023、SH6026、SZ6032、SZ6050、AY43-310M、SZ6030、SH6040、AY43-026、AY43-031、sh6062、Z-6911、sz6300、sz6075、sz6079、sz6083、sz6070、sz6072、Z-6721、AY43-004、Z-6187、AY43-021、AY43-043、AY43-040、AY43-047、Z-6265、AY43-204M、AY43-048、Z-6403、AY43-206M、AY43-206E、Z6341、AY43-210MC、AY43-083、AY43-101、AY43-013、AY43-158E、Z-6920、Z-6940(東レ・シリコーン社製)等が挙げられる。
シランカップリング剤の添加量は、シリコーン樹脂に対して、0.1~10質量%であることが好ましい。シランカップリング剤の添加量が0.1質量%未満であると、芯材粒子や導電性微粒子とシリコーン樹脂の接着性が低下して、長期間の使用中に被覆層が脱落することがあり、10質量%を超えると、長期間の使用中にトナーのフィルミングが発生することがある。
本発明において、芯材粒子の材料としては、磁性体であれば特に限定されないが、鉄、コバルト等の強磁性金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;各種合金や化合物;これらの磁性体を樹脂中に分散させた樹脂粒子等が挙げられる。中でも、環境面への配慮から、Mn系フェライト、Mn-Mg系フェライト、Mn-Mg-Srフェライト等が好ましい。また、本発明においてキャリアの体積平均粒子径は、ほとんど芯材粒子の体積平均粒子径に依存して決まるため、40μm以上80μm以下の大きさの芯材粒子が好適に用いられる。
本発明の二成分現像剤は、本発明のキャリア及びトナーを有する。
トナーは、結着樹脂と着色剤を含有するが、モノクロトナー及びカラートナーのいずれであってもよい。また、定着ローラにトナー固着防止用オイルを塗布しないオイルレスシステムに適用するために、トナー粒子は、離型剤を含有してもよい。このようなトナーは、一般に、フィルミングが発生しやすいが、本発明のキャリアは、フィルミングを抑制することができるため、本発明の二成分現像剤は、長期に亘り、良好な品質を維持することができる。
さらに、カラートナー、特に、イエロートナーは、一般に、キャリアの被覆層の削れによる色汚れが発生するという問題があるが、本発明の二成分現像剤は、色汚れの発生を抑制することができる。
このとき、トナー材料を混練する装置としては、特に限定されないが、バッチ式の2本ロール;バンバリーミキサー;KTK型2軸押出し機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出し機(東芝機械社製)、2軸押出し機(KCK社製)、PCM型2軸押出し機(池貝鉄工社製)、KEX型2軸押出し機(栗本鉄工所社製)等の連続式の2軸押出し機;コ・ニーダ(ブッス社製)等の連続式の1軸混練機等が挙げられる。
さらに、粉砕された溶融混練物を分級する際には、風力式分級機等を用いることができる。なお、母体粒子の平均粒径が5~20μmとなるように分級することが好ましい。
また、母体粒子に外添剤を添加する際には、ミキサー類を用いて混合攪拌することにより、外添剤が解砕されながら母体粒子の表面に付着する。
圧力定着用の結着樹脂としては、特に限定されないが、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等のポリオレフィン;エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸エステル共重合体、エチレン-塩化ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂等のオレフィン共重合体;エポキシ樹脂、ポリエステル、スチレン-ブタジエン共重合体、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル-無水マレイン酸共重合体、マレイン酸変性フェノール樹脂、フェノール変性テルペン樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
本発明の補給用現像剤は、本発明のキャリアおよびトナーを含み、現像装置内の余剰の現像剤を排出しながら画像形成を行う画像形成装置に適用することで、極めて長期に渡って安定した画像品質が得られる。つまり、現像装置内の劣化したキャリアと、補給用現像剤中の劣化していないキャリアを入れ替え、長期間に渡って帯電量を安定に保ち、安定した画像が得られる。本方式は、特に高画像面積印字時に有効である。高画像面積印字時は、キャリアへのトナースペントによるキャリア帯電劣化が主なキャリア劣化であるが、本方式を用いることで、高画像面積時には、キャリア補給量も多くなるため、劣化したキャリアが入れ替わる頻度があがる。これにより、極めて長期間に渡って安定した画像を得られる。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体を帯電させる帯電手段と、前記潜像担持体上に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段とを有しており、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなるものであり、現像剤として本発明の現像剤を用いるものである。
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程と、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、現像剤を用いて現像してトナー像を形成する工程と、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する工程と、記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程とを有するものであり、現像剤として本発明の現像剤を用いるものである。
図1に、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す。プロセスカートリッジ(10)は、感光体(11)、感光体(11)を帯電する帯電装置(12)、感光体(11)上に形成された静電潜像を本発明の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像装置(13)及び感光体(11)上に形成されたトナー像を記録媒体に転写した後、感光体(11)上に残留したトナーを除去するクリーニング装置(14)が一体に支持されており、プロセスカートリッジ(10)は、複写機、プリンタ等の画像形成装置の本体に対して着脱可能である。
以下、プロセスカートリッジ(10)を搭載した画像形成装置を用いて画像を形成する方法について説明する。まず、感光体(11)が所定の周速度で回転駆動され、帯電装置(12)により、感光体(11)の周面が正又は負の所定電位に均一に帯電される。次に、スリット露光方式の露光装置、レーザービームで走査露光する露光装置等の露光装置(不図示)から感光体(11)の周面に露光光が照射され、静電潜像が順次形成される。さらに、感光体(11)の周面に形成された静電潜像は、現像装置(13)により、本発明の現像剤を用いて現像され、トナー像が形成される。次に、感光体(11)の周面に形成されたトナー像は、感光体(11)の回転と同期されて、給紙部(不図示)から感光体(11)と転写装置(不図示)の間に給紙された転写紙に、順次転写される。さらに、トナー像が転写された転写紙は、感光体(11)の周面から分離されて定着装置(不図示)に導入されて定着された後、複写物(コピー)として、画像形成装置の外部へプリントアウトされる。一方、トナー像が転写された後の感光体(11)の表面は、クリーニング装置(14)により、残留したトナーが除去されて清浄化された後、除電装置(不図示)により除電され、繰り返し画像形成に使用される。
[帯電性能付与微粒子C1]
硫酸バリウム粒子(堺化学工業製 円相当径650nm)を帯電性能付与微粒子C1として用いる。
酸化マグネシウム(タテホ化学工業製 円相当径550nm)を帯電性能付与微粒子C2として用いる。
水酸化マグネシウム(堺化学工業製 円相当径610nm)を帯電性能付与微粒子C3として用いる。
硫酸バリウム粒子(堺化学工業製 円相当径450nm)を帯電性能付与微粒子C4として用いる。
硫酸バリウム粒子(堺化学工業製 円相当径350nm)を帯電性能付与微粒子C5として用いる。
硫酸バリウム粒子(堺化学工業製 円相当径850nm)を帯電性能付与微粒子C6として用いる。
硫酸バリウム粒子(堺化学工業製 円相当径950nm)を帯電性能付与微粒子C7として用いる。
アルミナ粒子(住友化学製 円相当径600nm)を帯電性能付与微粒子C8として用いる。
[導電性微粒子製造例1]
酸化アルミニウム(住友化学製AKP-30)100gを水1リットルに分散させ懸濁液とし、この液を70℃に加温した。その懸濁液に塩化第二錫135gと五酸化りん4.0gを2N塩酸1.7リットルに溶かした溶液と12質量%アンモニア水とを懸濁液のPHが7~8になるように2時間40分かけて滴下した。滴下後、懸濁液を濾過、洗浄して得られたケーキを110℃で乾燥した。次にこの乾燥粉末を窒素気流中で500℃1時間処理し、導電性微粒子P1を得た
[樹脂合成例1]
撹拌機付きフラスコにトルエン300gを投入して、窒素ガス気流下で90℃まで昇温した。次いでこれに、CH2=CMe-COO-C3H6-Si(OSiMe3)3(式中、Meはメチル基である。)で示される3-メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン84.4g(200ミリモル:サイラプレーンTM-0701T/チッソ株式会社製)、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン39g(150ミリモル)、メタクリル酸メチル65.0g(650ミリモル)、および、2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル0.58g(3ミリモル)の混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル0.06g(0.3ミリモル)をトルエン15gに溶解した溶液を加えて(2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリルの合計量0.64g=3.3ミリモル)、90~100℃で3時間混合してラジカル共重合させてメタクリル系共重合体R1を得た。
[キャリア製造実施例1]
2官能または3官能のモノマーから作成された重量分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)33質量部、樹脂合成例1で得られた樹脂R1(固形分25%)11質量部、帯電性能付与微粒子C1を22質量部、導電性微粒子P1を11質量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC-750(マツモトファインケミカル社製)2質量部、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)0.3質量部を、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を体積平均粒子径が55μmのMnフェライト粒子1000質量部に流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアAを得た。
樹脂層の平均膜厚は、0.35μmであった。
キャリア製造実施例1において、帯電性能付与微粒子としてC2を22質量部用いた以外は全く同様にして、キャリアBを得た。
キャリア製造実施例1において、帯電性能付与微粒子としてC3を22質量部用いた以外は全く同様にして、キャリアCを得た。
キャリア製造実施例1において、体積平均粒子径が42μmのMnフェライト粒子用いた以外は全く同様にして、キャリアDを得た。
キャリア製造実施例1において、体積平均粒子径が78μmのMnフェライト粒子用いた以外は全く同様にして、キャリアEを得た。
キャリア製造実施例1において、帯電性能付与微粒子としてC4を22質量部用いた以外は全く同様にして、キャリアFを得た。
キャリア製造実施例1において、帯電性能付与微粒子としてC5を22質量部用いた以外は全く同様にして、キャリアGを得た。
キャリア製造実施例1において、帯電性能付与微粒子としてC6を22質量部用いた以外は全く同様にして、キャリアHを得た。
キャリア製造実施例1において、帯電性能付与微粒子としてC7を22質量部用いた以外は全く同様にして、キャリアIを得た。
キャリア製造実施例1において、帯電性能付与微粒子としてC1を7質量部用いた以外は全く同様にして、キャリアJを得た。
キャリア製造実施例1において、帯電性能付与微粒子としてC1を4質量部用いた以外は全く同様にして、キャリアKを得た。
キャリア製造実施例1において、帯電性能付与微粒子としてC1を32質量部用いた以外は全く同様にして、キャリアLを得た。
キャリア製造実施例1において、帯電性能付与微粒子としてC1を36質量部用いた以外は全く同様にして、キャリアMを得た。
キャリア製造実施例1において、帯電性能付与微粒子C1を用いなかった以外は全く同様にして、キャリアaを得た。
キャリア製造実施例1において、帯電性能付与微粒子としてC8を22質量部用いた以外は全く同様にして、キャリアbを得た。
キャリア製造実施例1において、体積平均粒子径が37μmのMnフェライト粒子用いた以外は全く同様にして、キャリアcを得た。
キャリア製造実施例1において、体積平均粒子径が83μmのMnフェライト粒子用いた以外は全く同様にして、キャリアdを得た。
[ポリエステル樹脂Aの合成例]
温度計、攪拌機、冷却器および窒素導入管の付いた反応槽中にビスフェノールAのPO付加物(水酸基価 320)443部、ジエチレングリコール135部、テレフタル酸422部およびジブチルチンオキサイド2.5部を入れて、200℃で酸価が10になるまで反応させて、[ポリエステル樹脂A]を得た。本樹脂のTgは63℃、ピーク個数平均分子量6000であった。
温度計、攪拌機、冷却器および窒素導入管の付いた反応槽中にビスフェノールAのPO付加物(水酸基価 320)443部、ジエチレングリコール135部、テレフタル酸422部およびジブチルチンオキサイド2.5部を入れて、230℃で酸価が7になるまで反応させて、[ポリエステル樹脂B]を得た。本樹脂のTgは65℃、ピーク個数平均分子量16000であった。
・ポリエステル樹脂A・・・・40部
・ポリエステル樹脂B・・・・60部
・カルナバワックス・・・・1部
・カーボンブラック(#44 三菱化学社製)・・・・15部
上記のトナー構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、一軸混練機(Buss社製の小型ブス・コ・ニーダー)にて以下の条件で混練を行い(設定温度:入口部100℃、出口部50℃で、フィード量:2kg/Hr)、[母体トナーA1]を得た。
「母体トナー粒子1」100部に対し、外添剤として疎水性シリカ微粒子(R972:日本アエロジル社製)を1.0部添加し、ヘンシェルミキサーで混合してトナー粒子を得た(以下「トナー1」という)。
キャリア製造例で得られたキャリアA~M、a~d(93部)に対して、トナー製造例で得られたトナー1(7.2μm)を7.0部加えて、ボールミルで20分攪拌して、現像剤A~M、a~dを作成した。
得られた現像剤を用いて、ランニング評価を実施した。リコー社製 RICOH Pro C9100(リコー製デジタルカラー複写機・プリンタ複合機)に実施例及び比較例の現像剤A~M、a~dを用いて、画像面積率40%で1万枚、及び100万枚のランニング後のトナー飛散、地肌かぶり、エッジキャリア付着、ゴースト画像を評価した。
本発明の目的の一つに、帯電性能付与微粒子によって、使用開始から長期間に渡って安定した帯電能力が得られるということがある。その狙いを評価する方法の一つとして、トナー飛散評価がある。
1万枚、及び100万枚ランニング後に現像剤担持体下部に溜まったトナーの量を吸引、回収し、トナー重量を測定した。評価基準を以下に示す。
0mg以上~50mg未満 : ◎(大変良好)
50mg以上~100mg未満 : ○(良好)
100mg以上~250mg未満 : △(使用可能)
250mg以上 : ×(不良)
本発明の目的の一つに、帯電性能付与微粒子によって、使用開始から長期間に渡って安定した帯電能力が得られるということがある。その狙いを評価する方法の一つとして、地肌かぶり評価がある。
1万枚、及び100万枚ランニング後に白紙画像を現像中に停止させ、現像後の感光体上のトナーをテープ転写し、未転写のテープの画像濃度との差(ΔID)を938スペクトロデンシトメーター(X-Rite社製)により測定を行なった。評価基準を以下に示す。
0以上~0.005未満 : ◎(大変良好)
0.005以上~0.01未満 : ○(良好)
0.01以上~0.02未満 : △(使用可能)
0.02以上 : ×(不良)
マシンを環境評価室(10℃15%の低温低湿環境)に入れて一日放置した後、エッジキャリア付着を評価した。現像条件(帯電電位(Vd):-630V、現像バイアス:DC-500V)にて170μm×170μmを1マスとして、ベタ部と白紙を縦横交互に配置させた画像をA3サイズで出力し、1マス1マスの境目にあるキャリア付着による画像の白抜け個数をカウントした。評価基準を以下に示す。
0個 : ◎(大変良好)
1~3個 : ○(良好)
4~10個 : △(使用可能)
11個以上 : ×(不良)
ゴースト画像は画像面積率8%のA4サイズの図2に示すような画像チャートに示す縦帯チャートを印刷し、スリーブ一周分(a)と一周後(b)の濃度差をX-Rite938(X-Rite社製)により、センター、リア、フロントの3箇所測定の平均濃度差をΔIDとし、以下ランク分けした。◎、○、△を合格とし×を不合格とした。図2において、上図は縦帯チャートにおける正常な画像を示し、下図は画像部(a1)、(a2)および(a3)に対する、課題となるゴースト画像(b1)、(b2)および(b3)をそれぞれ示している。
◎:0.01≧ΔID (非常に良好)
○:0.01<ΔID≦0.03 (良好)
△:0.03<ΔID≦0.06 (許容)
×:0.06<ΔID (実用上使用できないレベル)
11 感光体
12 帯電装置
13 現像装置
14 クリーニング装置
Claims (8)
- 芯材粒子と、前記芯材粒子の表面を被覆する樹脂層と、を備える静電潜像現像剤用キャリアであって、
前記樹脂層は、樹脂と、微粒子とを含み、
前記微粒子は、硫酸バリウムを含み、かつ
前記静電潜像現像剤用キャリアの体積平均粒子径が、55μm以上80μm以下の範囲であることを特徴とする静電潜像現像剤用キャリア。 - 前記微粒子の円相当径が、400nm以上900nm以下であることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 前記微粒子の添加量が、前記樹脂に対して50質量%以上300質量%以下であることを特徴とする請求項1または2に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 請求項1~3のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリアおよびトナーを有することを特徴とする二成分現像剤。
- キャリアおよびトナーを含む補給用現像剤であって、前記キャリア1質量部に対して前記トナーを2~50質量部含有し、前記キャリアが請求項1~3のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリアであることを特徴とする補給用現像剤。
- 静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体を帯電させる帯電手段と、前記潜像担持体上に静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、請求項4に記載の二成分現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
- 静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体の表面を帯電させる帯電部材と、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を請求項4に記載の二成分現像剤を用いて現像する現像部と、前記静電潜像担持体をクリーニングするクリーニング部材とを有することを特徴とするプロセスカートリッジ。
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程と、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、請求項4に記載の二成分現像剤を用いて現像してトナー像を形成する工程と、
前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する工程と、前記記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程とを有することを特徴とする画像形成方法。
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