JP7251295B2 - 現像剤、その製造方法、画像形成装置、現像剤収容ユニットおよび画像形成方法 - Google Patents

現像剤、その製造方法、画像形成装置、現像剤収容ユニットおよび画像形成方法 Download PDF

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Description

本発明は、現像剤、その製造方法、画像形成装置、現像剤収容ユニットおよび画像形成方法に関する。
電子写真方式による画像形成では、光導電性物質等の静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、この静電潜像に対して、帯電したトナーを付着させてトナー像を形成した後、トナー像を記録媒体に転写し、定着され、出力画像となる。近年、電子写真方式を用いた複写機やプリンタの技術は、モノクロからフルカラーへの展開が急速になりつつあり、フルカラーの市場は拡大する傾向にある。
フルカラー画像形成においては、定着装置の小型化、構成の簡素化の目的で、トナーの表面に添加剤微粒子を付着させている。しかし、この添加剤はトナーから脱離し、感光体を傷つけることによる画像異常を発生させる問題がある。さらに、トナーのフィルミングが発生して、帯電性が低下することにより、トナーの飛散が発生するという問題がある。
一方、キャリアとしては、トナーのフィルミングの防止、均一な表面の形成、表面の酸化の防止、感湿性の低下の防止、現像剤の寿命の延長、感光体の表面への付着の防止、感光体のキズあるいは摩耗からの保護、帯電極性の制御、帯電量の調節等の目的で、カーボンブラックを含有する樹脂が表面に形成された被覆層を有するキャリアが知られている。
しかしながら、初期は良好な画像を形成することができるが、コピー枚数が増加するに連れて、被覆層が削れて画質が低下するという問題がある。また、被覆層が削れたり、被覆層からカーボンブラックが脱離したりすることにより、色汚れが発生するという問題がある。カーボンブラックの代替材料としては、一般に、酸化チタン、酸化亜鉛等が知られているが、体積固有抵抗を低下させる効果が不充分である。
そして、これらのトナーとキャリアを混合し、現像剤として使用する際、機内の温度上昇に伴い、保存性が悪化してしまう問題がある。
そこで、特許文献1には、酸化チタンを添加剤として使用するトナーと硫酸バリウムの微粒子を含む樹脂層を有するキャリアを使用した現像剤が開示されている。特許文献2には、針状導電粉としてアンチモンドープ酸化スズ(ATO)を含有する被覆層が形成された現像剤が開示されている。特許文献3には、基体粒子の表面に二酸化スズ層と二酸化スズを含む酸化インジウム層が積層された導電性粒子を含有する被覆層が形成されたキャリアを使用した現像剤が開示されている。特許文献4には、金属酸化物導電性粒子である第一の導電性粒子と、金属酸化物粒子及び/又は金属塩粒子の表面が導電処理された第二の導電性粒子とを含む被覆層を有するキャリアを使用した現像剤が開示されている。さらに、特許文献5には、トナーの表面に添加剤として、シリカ微粒子のみを含有したトナーを使用した現像剤が開示されている。特許文献6には、硫酸バリウムを含んだ被覆層を有するキャリアを使用した現像剤や、特許文献7には、特定の共重合体からなる樹脂と硫酸バリウムを含んだ被覆層を有するキャリアが開示されている。また、特許文献8及び9には、硫酸バリウムを含んだ被覆層を有するキャリアであって、X線光電子分光分析(XPS)による測定において、Ba/Si比が0.01~0.08であるキャリアが開示されている。さらにまた、特許文献10には、キャリアに含有させる導電性粒子の基体として硫酸バリウムを使用したキャリアが開示されている。
しかし、上記特許文献1に開示された技術では、トナー添加剤として使用している酸化チタンがキャリアにスペントし、現像剤としての帯電能力が低下することでトナー飛散が発生してしまうという問題がある。上記特許文献2に開示された技術では、ATOの色調が青みを帯びているため、カーボンブラックと同様、色汚れが発生するという問題がある。上記特許文献3に開示された技術では、レアメタルを含有する導電性粒子であるため、コスト、永続的使用可能性等の点で問題がある。上記特許文献4に開示された技術では、キャリアの帯電能力の低下に対して一定の効果があるが、外添剤が多いトナーを使用し、高画像面積で連続通紙を行なった場合には、やはり帯電能力の低下が起こり、帯電効果が充分であるとはいえない。また、上記特許文献5~10に開示された技術は、高画像面積でトナーを収支させた場合、キャリアの帯電能力の低下に対して一定の効果がある。しかしながら、近年は消費電力低減のためにトナーが低温定着化する傾向にあり、また、プリント速度の高速化の要求もある。キャリア粒子表面にトナー膜が形成されるスペント化が一段と生じ易くなっている。さらに、高画質化の要求からトナーは多くの添加剤を含有する傾向にあり、これらがキャリアにスペントして、トナー帯電量の低下、トナー飛散および地肌汚れに対する問題が生じている。さらに、トナーの低温定着化のために荷電微粒子等の量を減らしているため、補給時のトナーが現像剤に十分に混ざらないために帯電せず、トナー飛散してしまうといった問題も発生している。こういった新たな問題に対しては上述した各特許文献に記載のキャリア及びトナーを使用した現像剤では十分な効果を発揮することはできない。
一方、近年市場が拡大している商用印刷市場、いわゆるプロダクションプリンティングの分野では、これまで以上の高画質化が求められている。すなわち、一枚の画像内での濃度変動や濃度ムラ、何万枚という印刷を実施する上での画像間の濃度変動、トナー飛散、離脱した外添剤が感光体表面に蓄積し異常画像を発生させる、いわゆるメダカの発生を抑制することは、マシン本体のみで対応することは技術的にきわめて難しい。このため、トナーの帯電量を一定に制御することがこれまで以上に求められている。しかし、上述した各特許文献に記載のキャリア及びトナーを使用した現像剤では該要求を満足することはできない。
本発明は、プロダクションプリンティングの分野において求められる画質に対して、長期ランニング後も十分な帯電制御が可能であり、高温高湿環境下でも十分な保存性を保つことが可能であり、長期ランニング後にメダカを発生させることなく、かつ低温定着トナーを使用した高速機においても低画像面積率の印字密度での連続通紙を可能にする現像剤の提供を目的とする。
上記課題は、下記構成1)により解決される。
1)少なくともトナーおよびキャリアを含む現像剤であって、
前記トナーは、シリカ粒子およびトナー母体を含み、酸化チタンを含まず、
前記トナー母体100質量部に対する前記シリカ粒子の割合が、1.5質量部以上5質量部未満であり、
前記キャリアは、少なくとも1種類の微粒子を含む樹脂層を有するキャリアであり、
前記微粒子の少なくとも1種類は、硫酸バリウム微粒子からなり、
前記キャリアのX線光電子分光分析(XPS)によるBa検出量が0.3atomic%以上であり、
前記硫酸バリウム微粒子の円相当径が400nm以上900nm以下であり、かつ
前記キャリアの、画像面積率40%、100万枚ランニング後の帯電低下率が20%~30%である
ことを特徴とする現像剤。
本発明によれば、プロダクションプリンティングの分野において求められる画質に対して、長期ランニング後も十分な帯電制御が可能であり、高温高湿環境下でも十分な保存性を保つことが可能であり、長期ランニング後にメダカを発生させることなく、かつ低温定着トナーを使用した高速機においても低画像面積率の印字密度での連続通紙を可能にする現像剤を提供することができる。
図1は、本発明のキャリアの体積固有抵抗を測定する際に用いられるセルを示す図である。 図2は、本発明で用いるプロセスカートリッジの一例を示す図である。
以下、本発明の実施形態をさらに詳しく説明する。
本発明の現像剤は、少なくともトナーおよびキャリアを含み、必要に応じてその他の成分を含む。
また本発明は、下記の形態<2>~<11>を包含する。
<2>
前記シリカ粒子は、平径粒径が5nm以上30nm以下である小粒径シリカ粒子と、平径粒径が70nm以上150nm以下である大粒径シリカ粒子とを含有することを特徴とする、<1>に記載の現像剤。
<3>
前記トナー母体100質量部に対する前記大粒径シリカ粒子の割合が、2質量部以上3質量部以下であり、前記トナー母体100質量部に対する前記小粒径シリカ粒子の割合が、1質量部以上2質量部以下であることを特徴とする、<2>に記載の現像剤。
<4>
前記トナーが結晶性樹脂を有することを特徴とする、<1>~<3>のいずれかに記載の現像剤。
<5>
前記現像剤の流動性変化率が13%以下であることを特徴とする、<1>~<4>のいずれかに記載の現像剤。
<6>
前記硫酸バリウム微粒子は、微粒子の表面にBaが存在していることを特徴とする、<1>~<5>のいずれかに記載の現像剤。
<7>
前記樹脂層における前記硫酸バリウム微粒子の含有量が、前記樹脂層に含まれる樹脂に対し、50質量%以上100質量%未満であることを特徴とする、<1>~<6>のいずれかに記載の現像剤。
<8>
少なくともトナーおよびキャリアを含む現像剤の製造方法であって、
前記トナーが、シリカ粒子およびトナー母体を含むように構成し、
前記トナー母体100質量部に対する前記シリカ粒子の割合を、1.5質量部以上5質量部未満に設定し、
前記キャリアは、少なくとも1種類の微粒子を含む樹脂層を有するキャリアとなるように構成し、
前記微粒子の少なくとも1種類を、硫酸バリウム微粒子に設定し、
前記キャリアのX線光電子分光分析(XPS)によるBa検出量が0.3atomic%以上となるように構成し、
前記硫酸バリウム微粒子の円相当径を400nm以上900nm以下に設定し、かつ
前記キャリアの、画像面積率40%、100万枚ランニング後の帯電低下率が20%~30%である
ことを特徴とする現像剤の製造方法。
<9>
静電潜像担持体と、
前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を<1>~<7>のいずれかに記載の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
<10>
<1>~<7>のいずれかに記載の現像剤を収容した現像剤収容ユニット。
<11>
静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、<1>~<7>のいずれかに記載の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像工程とを含むことを特徴とする画像形成方法。
<トナー>
本発明におけるトナーは、シリカ粒子およびトナー母体を含む。好ましくは、本発明におけるトナーは、平径粒径が5nm以上30nm以下である小粒径シリカ粒子と、平径粒径が70nm以上150nm以下である大粒径シリカ粒子とを含有する。以下、シリカ粒子が前記大粒径シリカおよび小粒径シリカから構成される場合を例に取り説明する。このようなトナーの構成により、他の添加剤によるキャリアへのスペント(キャリア表面への付着)が抑制され、現像剤の帯電量の低下を抑制することができる。加えて本発明におけるトナーは、トナー母体100質量部に対する大粒径シリカ粒子および小粒径シリカ粒子の割合が、1.5質量部以上5質量部未満であることを特徴としている。シリカ粒子は現像剤の流動性、保存性及び帯電性に大きな影響を与え、さらに画像品質として長期ランニング後に発生するメダカに大きな影響を与える。トナー母体100質量部に対する大粒径シリカ粒子および小粒径シリカ粒子の割合が、1.5質量部以上の場合、現像剤の流動性が良化し、保存性と帯電特性が良化する。また、トナー母体100質量部に対する大粒径シリカ粒子および小粒径シリカ粒子の割合が、5質量部未満の場合、トナー母体から遊離するシリカ粒子量が抑制され、画像中にメダカを発生させない。
<大粒径シリカと小粒径シリカの割合>
上述のように、トナー母体100質量部に対する前記大粒径シリカ粒子および小粒径シリカ粒子の割合は、1.5質量部以上5質量部未満であることが好適であるが、現像剤の流動性、保存性および長期ランニング後のさらなるメダカ抑制を確保するならば、トナー母体100質量部に対する前記大粒径シリカ粒子の割合が、2質量部以上3質量部以下であり、トナー母体100質量部に対する前記小粒径シリカ粒子の割合が、1質量部以上2質量部以下であることが望ましい。トナー母体100質量部に対する前記大粒径シリカ粒子の割合が、2質量部以上の場合、トナー同士の間隔が広くなり、トナー同士が固着しにくく保存性が良化する。さらに、トナー母体100質量部に対する前記大粒径シリカ粒子の割合が、3質量部以下である場合、長期ランニング後にメダカを発生させる核が発生しにくくなり、メダカの発生を抑制する。また、トナー母体100質量部に対する前記小粒径シリカ粒子の割合が、1質量部以上の場合、トナーの流動性が向上し、帯電能力が向上する。さらに、トナー母体100質量部に対する前記小粒径シリカ粒子の割合が、2質量部以下の場合、長期ランニング後のメダカが成長せず、メダカの発生量を抑制させることができる。
<大粒径シリカおよび小粒径シリカの平均粒径>
本発明では、大粒径シリカ粒子の平均粒径が5nm以上30nm以下であり、小粒径シリカの平均粒径が70n以上150nm以下である。大粒径シリカの平均粒径が5nm以上である場合、トナー同士の間隔が広くなり、トナー同士が固着しにくく保存性が良化する。大粒径シリカの平均粒径が30nm以下の場合、長期ランニング後にメダカを発生させる核が発生しにくくなり、メダカの発生を抑制する。小粒径シリカの平均粒径が70nm以上の場合、トナー同士の間隔が広くなり、トナー同士が固着しにくく保存性が良化する。さらに、小粒径シリカの平均粒径が150nm以下の場合、トナーの流動性が向上し、帯電性能が良化する。
<<大粒径シリカおよび小粒径シリカの平均粒径の評価方法>>
大粒径シリカおよび小粒径シリカの平均粒径の測定は、これらのシリカを適切な溶剤(テトラヒドロフラン(THF)等)に分散させた後、基板上で溶剤を除去して乾固させたサンプルを、電界放射型走査電子顕微鏡(FE-SEM、加速電圧:5kV~8kV、観察倍率:8,000倍~10,000倍)にて視野中の粒子径を計測して行った。
<結晶性樹脂>
前記トナー母体は、結晶性樹脂を含むことが望ましい。結晶性樹脂を含む場合、トナーの保存性を保ったまま、低温定着性を維持することが可能となる。
前記トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有することができ、モノクロトナー及びカラートナーのいずれであってもよい。また、定着ローラにトナー固着防止用オイルを塗布しないオイルレスシステムに適用させるために、前記トナーは、離型剤を含有してもよい。トナーは、一般に、フィルミングが発生しやすいが、本発明のキャリアとトナーは、フィルミングを抑制することができるため、本発明の現像剤は、長期に亘り、良好な品質を維持することができる。
また、カラートナー、特に、イエロートナーは、一般に、キャリアの被覆層の削れによる色汚れが発生するという問題があるが、本発明のキャリアは、高耐久化が図られているため、本発明の現像剤は、色汚れの発生を抑制することができる。前記トナーには、必要に応じて、帯電制御剤、外添剤、流動性向上剤、クリーニング性向上剤、磁性材料などを含有させてもよい。
前記トナーは、粉砕法、重合法等の公知の方法を用いて製造することができる。例えば、粉砕法を用いてトナーを製造する場合、まず、トナー材料を混練することにより得られる溶融混練物を冷却した後、粉砕し、分級して、母体粒子を作製する。次に、転写性、耐久性をさらに向上させるために、母体粒子に外添剤を添加し、トナーを作製する。
前記結着樹脂としては、特に限定されないが、ポリスチレン、ポリp-スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単独重合体;スチレン-p-クロロスチレン共重合体、スチレン-プロピレン共重合体、スチレン-ビニルトルエン共重合体、スチレン-アクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリル酸エチル共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、スチレン-メタクリル酸メチル共重合体、スチレン-メタクリル酸エチル共重合体、スチレン-メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン-α-クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン-アクリロニトリル共重合体、スチレン-ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン-ビニルメチルケトン共重合体、スチレン-ブタジエン共重合体、スチレン-イソプレン共重合体、スチレン-マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
圧力定着用の結着樹脂としては、特に限定されないが、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等のポリオレフィン;エチレン-アクリル酸共重合体、エチレン-アクリル酸エステル共重合体、スチレン-メタクリル酸共重合体、エチレン-メタクリル酸エステル共重合体、エチレン-塩化ビニル共重合体、エチレン-酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂等のオレフィン共重合体;エポキシ樹脂、ポリエステル、スチレン-ブタジエン共重合体、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル-無水マレイン酸共重合体、マレイン酸変性フェノール樹脂、フェノール変性テルペン樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
前記着色剤(顔料又は染料)としては、特に限定されないが、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等の黄色顔料;モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK等の橙色顔料;ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等の赤色顔料;ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等の紫色顔料;コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等の青色顔料;クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ等の緑色顔料;カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物等の黒色顔料等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
前記離型剤としては、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、パラフィンワックス、アミド系ワックス、多価アルコールワックス、シリコーンワニス、カルナウバワックス、エステルワックス等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
本発明の現像剤を、現像装置内の余剰の現像剤を排出しながら画像形成を行う画像形成装置に使用すると、極めて長期間、安定した画像品質を得ることができる。つまり、現像装置内の劣化したキャリアと、補給用現像剤中の劣化していないキャリアを入れ替える画像装置において、本発明の現像剤は、長期に渡って帯電量を安定に保ち、安定した画像を形成するのに貢献することができる。特に高画像面積印字時の画像方式において効果を発揮する。高画像面積印字時は、キャリアへのトナースペントによるキャリア帯電劣化が主なキャリア劣化であるが、本発明のキャリア及びトナーを用いることで、スペント、削れによる影響を抑えることができるからである。
補給用現像剤として使用する際の現像剤のキャリアとトナーとの混合比率は、キャリア1質量部に対してトナーを2質量部~50質量部であることが好ましい。トナーが2質量部以上であると、補給キャリア量の過多を抑えることができ、現像装置中のキャリア濃度が高くなることによる、現像剤の帯電量の増加を抑制することができる。また、現像剤帯電量が増加することにより、現像能力が下がり画像濃度が低下するという問題も防ぐことができる。 また50質量部以下であると、補給用現像剤中のキャリア割合の減少を防ぐことができ、画像形成装置中のキャリアの入れ替わりが少なくなることによる、キャリアの劣化が生じるという問題を防ぐことができる。
なお、補給用現像剤の用途以外の形態において、現像剤のキャリアとトナーとの混合比率は、キャリア1質量部に対してトナーが2質量部~12質量部であることができる。
(キャリア)
本発明のキャリアは、樹脂層を有する。好ましくは、本発明のキャリアは、芯材と、芯材を被覆する樹脂層からなる。
前記樹脂層中には、少なくとも1種類の微粒子が含有されており、本発明では、前記微粒子の少なくとも1種類は、硫酸バリウム微粒子である。
本発明のキャリアは、X線光電子分光分析(XPS)によるBa分析において、Ba検出量が0.3atomic%以上を示す。
また、前記硫酸バリウム微粒子の円相当径は、400nm以上900nm以下である。
上記要件を満たす、本発明のキャリアは、所望の画質に対して十分な帯電制御が可能であり、かつ現像領域に安定した現像剤量を供給することが可能であり、かつ低温定着トナーを使用した高速機においても低画像面積率の印字密度での連続通紙を可能にするキャリアとなる。
本発明では、樹脂層中に少なくとも硫酸バリウムの微粒子を有し、樹脂層表面のBa検出量が、XPS分析において0.3atomic%以上であることが重要である。硫酸バリウムは、トナーの帯電性を高くでき、表層にある硫酸バリウムは長時間の高画像面積での出力後も帯電性を保つことが出来る。加えて、硫酸バリウムの円相当径が400nm以上900nm以下であることも重要である。硫酸バリウムを前記の粒子径とすることによって、キャリアの樹脂層表面に対し、硫酸バリウムが凸の状態で存在することになる。硫酸バリウムにより凸部が形成されたキャリアの表面は、現像器内において、トナー、キャリア、現像スクリュ等との摩擦によって、常にストレスが与えられるため、一時的にトナー樹脂やワックス、添加剤などがスペントしても、すぐに上記ストレスによってスペントされた膜は削られる。よって、硫酸バリウムは常時露出した状態を保つことが出来る。
一方、硫酸バリウムの凸部の間に存在する凹部には、トナー樹脂、ワックス、添加剤などがスペントするが、これらに覆われることによって電気的にはトナーと同帯電性となるため、これ以上スペント物が堆積することがない。これらのスペント物によって凹部となるキャリア表層は、トナーを帯電することは出来ないが、凹部となっているためにトナーとの摩擦確率も低く、トナー帯電に対する寄与が小さい。このため、硫酸バリウムが凸部を形成している部位がキャリアの帯電能力を決定するため、長期に渡って安定した帯電能力を保持することが出来る。
また、硫酸バリウムの粒子径を前記範囲とすることによって、キャリアの表層に凹凸形状を形成することができ、これによってキャリアの嵩密度が安定する。通常、キャリア表面が削れたり、キャリア表層にトナー成分がスペントすることによって、キャリアの嵩密度が変動し、現像スリーブ上に汲み上げる現像剤量が変化するために現像領域への現像剤供給量が変化して現像能力が変動するといった問題が発生する。しかしながら、円相当径が400nm以上900nm以下の硫酸バリウムを樹脂層に含有することによって、スペント物は凹部に溜まるためキャリアの嵩密度変動が少ないという効果を得ることが出来る。加えて、硫酸バリウムの微粒子を樹脂層中に分散させることによって、樹脂層の膜強度を上げることが出来るため、樹脂層の削れ量を減らすことが出来る。このため、スペント、削れのいずれによる嵩密度変動も起こりにくく、長期に渡って安定した現像能力を確保することが出来る。
<樹脂層>
前記樹脂層は、樹脂と、硫酸バリウムの微粒子とを含有してなる。また、前記樹脂層には、硫酸バリウムの微粒子の他に、各種導電性微粒子を含有してもよく、さらに、キャリアの経時での安定性や耐久性を向上させる等のために、シランカップリング剤を含有してもよい。
前記樹脂層は、膜の欠損箇所がなく、平均膜厚が0.80μm~1.50μmであることが好ましい。 平均膜厚が0.80μm以上であると、硫酸バリウムの微粒子を十分に保持することができ、樹脂層から硫酸バリウムの微粒子の離脱を防ぐことができる。また、1.50μm以下であると、樹脂層の中に硫酸バリウムの微粒子が取り込まれてしまい、十分な帯電能力を発揮することができないという問題を防ぐことができる。
<<硫酸バリウムの微粒子>>
前記硫酸バリウムの微粒子の円相当径は、上述した理由により400nm以上900nm以下であることが重要であるが、安定した帯電能力、現像能力を確保するためには、円相当径は600nm以上であることがより好ましい。なお、硫酸バリウムの円相当径が900nmを超えると、樹脂層の膜厚に対して硫酸バリウムの微粒子の大きさが大きすぎ、樹脂層から離脱しやすくなるため、900nm以下がよい。
前記硫酸バリウムの微粒子は、微粒子の表面にBaが存在しているとよい。表面にBaが存在する態様で、前記硫酸バリウムの微粒子が前記樹脂層中に含まれていることが好ましい。上述したように、表層に露出した硫酸バリウムが安定した帯電能力に寄与するため、硫酸バリウム表層を例えばスズの様な物質で覆うと硫酸バリウムが表層に露出しないために十分な帯電能力を確保することが出来ない。このため、安定した帯電能力を発揮することが難しい。また、硫酸バリウムが表層に露出することによって、補給されたトナーを取り込みやすくなるという効果がある。これは、硫酸バリウムがトナーと摩擦帯電しやすいことによるものと考えられ、低温定着のために荷電粒子を減らしているトナーに対しては特に顕著な効果がある。なお、ここでいう表面にバリウムが存在する態様とは、硫酸バリウムがスズなどの物質に覆われておらず、微粒子表面の90%以上が硫酸バリウムであることを意味する。これは硫酸バリウムの単一粒子であってもよい。
前記硫酸バリウムの微粒子の含有量は、前記樹脂層に含まれる樹脂に対し、50質量%以上100質量%未満であるとよい。
50質量%以上であれば、硫酸バリウムの露出部が少ないことによるトナーを十分に帯電させることが出来ないという問題を防ぐことができる。また、100質量%未満であれば、キャリアの帯電能力が高すぎるために初期の帯電調整が難しくなるという問題を防ぐことができる。
<<樹脂>>
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、下記モノマーA成分(A成分ともいう)と下記モノマーB成分(B成分ともいう)とを含む共重合体を加熱処理して得られた樹脂が挙げられる。
Figure 0007251295000001
Figure 0007251295000002
(式中において、R、m、R、R、X、及びYは以下に該当するものを示す。)
は、水素原子、またはメチル基
mは、1~8の整数、従って、(CHは、炭素原子数1~8のメチレン基、エチレン基、プロピレン基、及びブチレン基等のアルキレン基を表す
は、炭素原子数1~4のメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、及びブチル基等のアルキル基
は、炭素数1~8のメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、及びブチル基等のアルキル基、または炭素数1~4のメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、及びブトキシ基等のアルコキシ基
X=10モル%~90モル%であり、より好ましくは、30~70モル%である。
Y=10モル%~90モル%であり、より好ましくは、30~70モル%である。
前記A成分は、側鎖にメチル基が多数存在する原子団・トリス(トリメチルシロキシ)シランを有しており、樹脂全体に対してA成分の比率が高くなると表面エネルギーが小さくなり、トナーの樹脂成分、ワックス成分などの付着が少なくなる。A成分が10モル%以上あれば十分な効果が得られ、トナー成分の付着の急増を防止できる。また、90モル%以下であれば、前記成分B、および後述する成分Cが減ることにより、架橋が進まず、強靭性が不足すると共に、芯材と樹脂層の接着性が低下し、キャリア被膜の耐久性が悪くなるといった問題を防ぐことができる。
は炭素原子数1~4のアルキル基であり、このようなA成分としては、次式で示されるトリス(トリアルキルシロキシ)シラン化合物が例示される。
下式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Prはプロピル基である。
CH=CMe-COO-C-Si(OSiMe
CH=CH-COO-C-Si(OSiMe
CH=CMe-COO-C-Si(OSiMe
CH=CMe-COO-C-Si(OSiEt
CH=CH-COO-C-Si(OSiEt
CH=CMe-COO-C-Si(OSiEt
CH=CMe-COO-C-Si(OSiPr
CH=CH-COO-C-Si(OSiPr
CH=CMe-COO-C-Si(OSiPr
前記A成分の製造方法は特に限定されないが、トリス(トリアルキルシロキシ)シランを白金触媒の存在下にアリルアクリレートまたはアリルメタクリレートと反応させる方法や、特開平11-217389号公報に記載されているように、カルボン酸と酸触媒の存在下で、メタクリロキシアルキルトリアルコキシシランとヘキサアルキルジシロキサンとを反応させる方法などにより得ることができる。
前記B成分は、ラジカル重合性の2官能(Rがアルキル基の場合)、又は3官能性(Rもアルコキシ基の場合)のシラン化合物であり、B成分が10モル%以上あれば、強靭さが十分得られる。一方、90モル%以下であれば、被膜は固くて脆くなり、膜削れが発生し易くなるという問題を防ぐことができる。また、環境特性の悪化も防ぐことができる。加水分解した架橋成分がシラノール基として多数残ると、環境特性(湿度依存性)を悪化させることも考えられるからである。
このようなB成分としては、3-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3-メタクリトキシプロピルトリ(イソプロペキシ)シラン、3-アクリロキシプロピルトリ(イソプロペキシ)シランが例示される。
本発明では、上記モノマーA成分と上記モノマーB成分とをラジカル共重合して得られる下記の共重合体を加水分解し、シラノール基を生成し、触媒を用いて縮合することにより得られる架橋物を、芯材に被覆した後、加熱処理して樹脂層を形成するのが好ましい。
Figure 0007251295000003
ここで、式中において、R、m、R、R、X、及びYは上述したとおりである。
さらにまた、本発明では、前記A成分及び前記B成分に、C成分としてアクリル系化合物(モノマー)を加えてもよい。
このようなモノマーC成分(C成分ともいう)を加えたものとして、下記の共重合体が挙げられる。
Figure 0007251295000004
ここで、式中において、R、m、R、及びRは上述したとおりである。
上記共重合体において、X=10モル%~40モル%で、Y=10モル%~40モル%で、Z=30 モル%~80モル%であり、かつ、60モル%<Y+Z<90モル%である。
前記C成分は、下記式で示される。式中、R、及びRは上述したとおりである。
Figure 0007251295000005
前記C成分は、樹脂層に可撓性を付与し、かつ、芯材と樹脂層との接着性を良好にするものであるが、C成分が30モル%以上であれば、十分な接着性が得られ、80モル%以下であれば、前記A成分及び前記B成分のいずれかが10モル%以下となることを防ぎ、キャリア被膜の撥水性、硬さと可撓性(膜削れ)を両立させることできる。
C成分のアクリル系化合物(モノマー)としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルが好ましく、具体的には、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2-(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2-(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、3-(ジメチルアミノ)プロピルメタクリレート、3-(ジメチルアミノ)プロピルアクリレートが例示される。
これらのうち、アルキルメタクリレートがより好ましく、メチルメタクリレートが特に好ましい。 また、これらの化合物の1種類を単独で使用してもよく、2種類以上の混合物を使用してもよい。
樹脂層の架橋による高耐久化技術として、例えば、特許第3691115号がある。特許第3691115号には、磁性粒子表面を、少なくとも末端にビニル基を有するオルガノポリシロキサンと、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基、及びイミド基からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有するラジカル共重合性単量体との共重合体をイソシアネート系化合物により架橋させた熱硬化性樹脂で被覆した静電荷像現像用キャリアが記載されているが、開示の技術では、樹脂層の剥がれ・削れにおいて十分な耐久性が得られているとはいえない。その理由は明らかになってはいないが、上記共重合体をイソシアネート系化合物により架橋させた熱硬化性樹脂の場合、構造式からも分かるように、共重合体樹脂中のイソシアネート化合物と反応(架橋)する単位重量当りの官能基(アミノ基、ヒドロキシ基、カルボキシル基、メルカプト基等の活性水素含有基)が少なく、架橋点において、ニ次元、あるいは三次元的な緻密な架橋構造を形成することが出来ない。そのために長時間使用すると、被膜剥がれ・削れなどが生じやすく(樹脂層の耐磨耗性が小さい)、十分な耐久性が得られていないものと推察される。
樹脂層の剥がれ・削れが生じると、キャリア抵抗低下による画像品質の変化、キャリア付着が起こる。 また、樹脂層の剥がれ・削れは、現像剤の流動性を低下させ、汲み上げ量低下を引き起こし、画像濃度低下、TCアップに伴う時汚れ、トナー飛散の原因となる。
一方、上記樹脂で形成される本発明の樹脂層は、樹脂単位重量当たりでみても、二官能、あるいは三官能の架橋可能な官能基(点)を多数(単位重量当り、2倍~3倍多い)有した共重合樹脂をもとに形成されたものであり、更に、これを縮重合により架橋させて形成されたものであるため、樹脂層が極めて強靭で削れ難く、高耐久化が図れていると考えられる。
また、イソシアネート化合物による架橋より、本発明のシロキサン結合による架橋の方が結合エネルギーが大きく熱ストレスに対しても安定しているため、樹脂層の経時安定性が保たれていると考えられる。
上述したように、前記共重合体を加水分解し、シラノール基を生成させ、縮重合させ樹脂層を形成するのが、好ましい態様であるが、その縮重合させる際に使用する触媒としては、チタン系触媒、スズ系触媒、ジルコニウム系触媒、アルミニウム系触媒等が挙げられる。
本発明では、これら触媒のなかで、チタン系触媒を用いることが好ましく、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)を用いることが特に好ましい。これは、シラノール基の縮合反応を促進する効果が大きく、且つ触媒が失活しにくいためであると考えられる。
樹脂層を形成するために使用する樹脂としては、上記した樹脂の他に、シリコン樹脂、アクリル樹脂、または、これらを併用して使用することができる。アクリル樹脂は接着性が強く脆性が低いので耐磨耗性に非常に優れた性質を持つが、その反面、表面エネルギーが高いため、スペントし易いトナーとの組み合わせでは、トナー成分スペントが蓄積することによる帯電量低下など不具合が生じる場合がある。その場合、表面エネルギーが低いためトナー成分のスペントがし難く、膜削れが生じるためのスペント成分の蓄積が進み難い効果が得られるシリコン樹脂を併用することで、この問題を解消することができる。一方、シリコン樹脂は接着性が弱く脆性が高いので、耐磨耗性に劣るという面がある。 そこで、これら2種の樹脂を併用する場合には、スペントし難く、耐摩耗性を有する樹脂層が形成できるよう、両樹脂のバランスを考慮するとよい。
前記シリコン樹脂としては、一般的に知られているシリコン樹脂全般を指し、例えば、オルガノシロサン結合のみからなるストレートシリコンや、アルキド、ポリエステル、エポキシ、アクリル、ウレタンなどで変性したシリコン樹脂などが挙げられる。市販品としてのストレートシリコン樹脂としては、例えば、信越化学製のKR271、KR255、KR152、東レ・ダウコーニング・シリコン社製のSR2400、SR2406、SR2410等が挙げられる。この場合、シリコン樹脂単体で用いることも可能であるが、架橋反応する他成分、帯電量調整成分等を同時に用いることも可能である。さらに、変性シリコン樹脂としては、信越化学製のKR206(アルキド変性)、KR5208(アクリル変性)、ES1001N(エポキシ変性)、KR305(ウレタン変性)、東レ・ダウコーニング・シリコン社製のSR2115(エポキシ変性)、SR2110(アルキド変性)などが挙げられる。
前記樹脂層の形成方法としては、例えば、以下の方法が挙げられる。
前記樹脂層は、前記共重合体と前記硫酸バリウムの微粒子に加え、シラノール基及び/又は加水分解性官能基を有するシリコーン樹脂、触媒、必要に応じてシラノール基及び/又は加水分解性官能基を有するシリコーン樹脂以外の樹脂、溶媒等を含む樹脂層用組成物を用いて形成することができる。具体的には、該樹脂層用組成物で芯材を被覆しながら、シラノール基を縮合させることにより形成してもよいし、該樹脂層組成物で芯材を被覆した後に、シラノール基を縮合させることにより形成してもよい。該樹脂層組成物で芯材粒子を被覆しながら、シラノール基を縮合させる方法としては、特に限定されないが、熱、光等を付与しながら、該樹脂層組成物で芯材を被覆する方法等が挙げられる。また、該樹脂層組成物で芯材を被覆した後に、シラノール基を縮合させる方法としては、特に限定されないが、該樹脂層組成物で芯材を被覆した後に、加熱する方法等が挙げられる。
<<その他の含有成分>>
前記樹脂層を構成する成分として、上述した樹脂や、及び硫酸バリウムの微粒子の成分の他に、導電性微粒子やシランカップリング剤等の他の成分を含有させてもよい。
前記樹脂層には、キャリアの体積固有抵抗を調整するために、導電性微粒子を含有させてもよい。
前記導電性微粒子としては、特に限定されないが、カーボンブラック、ITO、PTO、WTO、酸化錫、酸化亜鉛、ポリアニリン等の導電性高分子が挙げられる。これらは、二種以上併用してもよい。
前記樹脂層には、微粒子を安定に分散させるために、シランカップリング剤を含有させてもよい。
前記シランカップリング剤としては、特に限定されないが、r-(2-アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、r-(2-アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、r-メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N-β-(N-ビニルベンジルアミノエチル)-r-アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、r-グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、r-メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、r-クロルプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、r-アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル[3-(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、r-クロルプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロルシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、3-アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3-アミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、1,3-ジビニルテトラメチルジシラザン、メタクリルオキシエチルジメチル(3-トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド等が挙げられる。 これらは、二種以上併用してもよい。
前記シランカップリング剤の市販品としては、例えば、AY43-059、SR6020、SZ6023、SH6026、SZ6032、SZ6050、AY43-310M、SZ6030、SH6040、AY43-026、AY43-031、sh6062、Z-6911、sz6300、sz6075、sz6079、sz6083、sz6070、sz6072、Z-6721、AY43-004、Z-6187、AY43-021、AY43-043、AY43-040、AY43-047、Z-6265、AY43-204M、AY43-048、Z-6403、AY43-206M、AY43-206E、Z6341、AY43-210MC、AY43-083、AY43-101、AY43-013、AY43-158E、Z-6920、Z-6940(東レ・シリコーン社製)等が挙げられる。
前記シランカップリング剤の添加量は、樹脂に対して、0.1質量%~10質量%であることが好ましい。シランカップリング剤の添加量が0.1質量%以上であると、芯材や導電性微粒子と樹脂との接着性が低下して、長期間の使用中に樹脂層が脱落するという問題を防ぐことができ、10質量%以下であると、長期間の使用中にトナーのフィルミングが発生するという問題を防ぐことができる。
<芯材>
前記芯材としては、磁性体であれば、特に限定されないが、鉄、コバルト等の強磁性金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;各種合金や化合物;これらの磁性体を樹脂中に分散させた樹脂粒子等が挙げられる。 中でも、環境面への配慮から、Mn系フェライト、Mn-Mg系フェライト、Mn-Mg-Srフェライト等が好ましい。
<キャリアの特性>
上述したように、本発明のキャリアは、X線光電子分光分析(XPS)によるBa分析において、Ba検出量が、0.3atomic%以上を示す。
Ba検出量は、0.3atomic%~2.0atomic%であるとより好ましく、0.3atomic%~1.5atomic%であると更に好ましい。
本発明のキャリアは、体積平均粒径が28μm以上40μm以下であるとよい。 キャリア粒子の体積平均粒径が28μm以上であると、キャリア付着の発生を防ぐことができ、40μm以下であると、画像細部の再現性の低下や、精細な画像が形成できないといった問題を抑制することができる。
本発明のキャリアは、体積固有抵抗が8~16(LogΩ・cm)であるとよい。 体積固有抵抗が8(LogΩ・cm)以上であると、非画像部でのキャリア付着の発生を防止でき、16(LogΩ・cm)以下であると、エッジ効果を確保することができる。
<キャリアの各種特性の測定方法>
キャリアの上記各特性は、以下の方法により測定することができる。
<<X線光電子分光分析(XPS)によるBa分析>>
キャリア表面におけるBaの検出量は、AXIS ULTRA(島津製作所/KRATOS製)にて測定することができる。
ビーム照射領域は、おおよそ900μm×600μm程度で、キャリア25個×17個の範囲を検出する。 また、侵入深さは、0nm~10nmであり、キャリアの表面付近の状態が測定できる。
具体的な測定条件は、測定モード:Al:1486.6eV、励起源:モノクローム(Al)、検知方式:スペクトルモード、マグネットレンズ:OFFとする。
そして、広域スキャンによって検出元素を特定し、次に、検出元素毎にナロースキャンにてピークを検出する。 その後、付属のピーク解析ソフトにて全検出元素に対するBa(atomic%)を算出する。
<<円相当径の測定方法>>
硫酸バリウムの微粒子の円相当径は、以下の方法により測定する。
キャリアを包埋樹脂(Devcon社製、2液混合、30分硬化型エポキシ樹脂)に混ぜ込み、一晩以上置いて硬化させ、機械研磨により大まかな断面試料を作製する。これにクロスセクションポリッシャー(JEOL製 SM-09010)を用い、加速電圧5.0kV、ビーム電流120μAの条件で断面の仕上げを行う。 これを、走査型電子顕微鏡(Carl Zeiss製 Merlin)を用いて、加速電圧0.8kV、倍率30000倍の条件で撮影する。 撮影した画像をTIFF画像に取り込み、Media Cybernetics社製のImage-Pro Plusを用いて、硫酸バリウム100粒子の円相当径を測定し、その平均値を求める。
<<キャリアの体積平均粒径の測定方法>>
キャリアの体積平均粒径は、例えば、マイクロトラック粒度分布計モデルHRA9320-X100(日機装社製)を用いて測定することができる。
<<キャリアの体積固有抵抗の測定方法>>
キャリアの体積固有抵抗は、図1に示すセルを用いて測定することができる。 具体的には、まず、表面積2.5cm×4cmの電極(1a)及び電極(1b)を、0.2cmの距離を隔てて収容したフッ素樹脂製容器(2)からなるセルに、キャリア(3)を充填し、落下高さ1cm、タッピングスピード30回/分で、10回のタッピングを行う。 次に、電極(1a)及び(1b)の間に1000Vの直流電圧を印加して30秒後の抵抗値r[Ω]を、ハイレジスタンスメーター4329A(横河ヒューレットパッカード社製)を用いて測定し、下記式から、体積固有抵抗[Ω・cm]を算出することができる。
Figure 0007251295000006
キャリアの体積固有抵抗(LogΩ・cm)は、上記測定により得られた体積固有抵抗[Ω・cm]の常用対数値である。
本発明におけるキャリアは、画像面積率40%(A4サイズの用紙を使用)、100万枚ランニング後の帯電低下率が20%~30%であることが必要であり、25%~30%であるのがより好ましい。帯電低下率とは、ランニング前の初期剤帯電量をQsとし、40%画像面積率、100万枚のランニング後の現像剤の帯電量をQeとしときに、下記式から算出することができる。帯電低下率が30%以下であると、長期ランニング後に現像剤の帯電量を低下することがなく、トナー飛散を抑制することができる。
キャリアの帯電量は、キャリアとトナーを質量比95:5で10分間混合し、摩擦帯電させたサンプルを、ブローロフ装置(TB-200:東芝ケミカル社製)を用いて測定することができる。
Figure 0007251295000007
なお、前記帯電低下率を20%~30%に制御するには、トナー添加剤として、シリカ微粒子のみを使用する等の手段が挙げられる。
本発明の現像剤は、流動性変化率が13%以下であることが望ましい。
流動性変化率は、JIS Z2502で用いられる流動度測定器(蔵持科学機器制作所製)において、ロート支持器に支持されたロートにトナー濃度10質量%の現像剤を80gセットし、径3mmの穴から現像剤を受器内に自重落下させ、流出開始から終了までの時間(秒)を計測することにより算出できる。
具体的には、ランニング前の現像剤80gが落下する時間をTsとし、40%画像面積率、100万枚のランニング後の現像剤80gが落下する時間をTeとしときに、下記式から算出することができる。流動性変化率が13%以下であると、長期ランニング後に現像剤の帯電量を低下することがなく、トナー飛散を抑制することができる。
Figure 0007251295000008
本発明の現像剤の製造方法は、前記トナーが、シリカ粒子およびトナー母体を含むように構成し、前記トナー母体100質量部に対する前記シリカ粒子の割合を、1.5質量部以上5質量部未満に設定し、前記キャリアは、少なくとも1種類の微粒子を含む樹脂層を有するキャリアとなるように構成し、前記微粒子の少なくとも1種類を、硫酸バリウム微粒子に設定し、前記キャリアのX線光電子分光分析(XPS)によるBa検出量が0.3atomic%以上となるように構成し、前記硫酸バリウム微粒子の円相当径を400nm以上900nm以下に設定し、かつ前記キャリアの、画像面積率40%、100万枚ランニング後の帯電低下率が20%~30%であることを特徴とする。当該製造方法における各要件については、本発明の現像剤の説明における各要件と同様である。
(画像形成装置及び画像形成方法)
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を本発明の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段とを有し、更に必要に応じてその他の手段、例えば、転写手段、定着手段、クリーニング手段、除電手段、リサイクル手段、制御手段などを有してなる。
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、本発明の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像工程とを有し、更に必要に応じてその他の工程、例えば、転写工程、定着工程、クリーニング工程、除電工程、リサイクル工程、制御工程などを含む。
本発明の画像形成方法は、本発明の画像形成装置により好適に実施することができる。
前記静電潜像形成手段は、前記静電潜像担持体を帯電させる帯電手段と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光手段とを有しているとよい。
また、本発明の画像形成装置は、前記静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段と、前記静電潜像担持体をクリーニングするクリーニング手段とをさらに有しているとよい。
また、本発明の現像剤収容ユニットは、本発明の現像剤を収容する。
ここで、現像剤収容ユニットの態様としては、現像剤入り容器、現像器、プロセスカートリッジがある。
前記現像剤入り容器とは、現像剤を収容した容器のことをいう。
前記現像器は、現像剤を収容し現像する手段を有するものをいう。
前記プロセスカートリッジとは、少なくとも静電潜像担持体と本発明の現像剤を有する現像手段とを一体とし、画像形成装置に対して着脱可能であるものをいう。また、前記プロセスカートリッジは、静電潜像担持体と現像手段の他に、帯電手段、露光手段、クリーニング手段の少なくとも一つと一体で形成されてもよい。
図2に、プロセスカートリッジの一例を示す。
プロセスカートリッジ(10)は、感光体(11)、感光体(11)を帯電する帯電装置(12)、感光体(11)上に形成された静電潜像を本発明の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像装置及び感光体(11)上に形成されたトナー像を記録媒体に転写した後、感光体(11)上に残留したトナーを除去するクリーニング装置(14)が一体に支持されており、プロセスカートリッジ(10)は、複写機、プリンター等の画像形成装置の本体に対して着脱可能である。
以下、プロセスカートリッジ(10)を搭載した画像形成装置を用いて画像を形成する方法について説明する。まず、感光体(11)が所定の周速度で回転駆動され、帯電装置(12)により、感光体(11)の周面が正又は負の所定電位に均一に帯電される。次に、スリット露光方式の露光装置、レーザービームで走査露光する露光装置等の露光装置(不図示)から感光体(11)の周面に露光光が照射され、静電潜像が順次形成される。さらに、感光体(11)の周面に形成された静電潜像は、現像装置(13)により、本発明の現像剤を用いて現像され、トナー像が形成される。次に、感光体(11)の周面に形成されたトナー像は、感光体(11)の回転と同期されて、給紙部(不図示)から感光体(11)と転写装置(不図示)の間に給紙された転写紙に、順次転写される。さらに、トナー像が転写された転写紙は、感光体(11)の周面から分離されて定着装置(不図示)に導入されて定着された後、複写物(コピー)として、画像形成装置の外部へプリントアウトされる。一方、トナー像が転写された後の感光体(11)の表面は、クリーニング装置(14)により、残留したトナーが除去されて清浄化された後、除電装置(不図示)により除電され、繰り返し画像形成に使用される。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。 なお、「部」は、質量部を表わす。
(トナー製造実施例1)
-ポリエステル樹脂Aの合成-
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物65部、ビスフェノールAのプロピオンオキシド3モル付加物86部、テレフタル酸274部及びジブチルスズオキシド2部を投入し、常圧下、230℃で15時間反応させた。次に、5mmHg~10mmHgの減圧下、6時間反応させて、ポリエステル樹脂Aを合成した。得られたポリエステル樹脂Aは、数平均分子量(Mn)が2,300、重量平均分子量(Mw)が8,000、ガラス転移温度(Tg)が58℃、酸価が25mgKOH/g、水酸基価が35mgKOH/gであった。
-プレポリマー(活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)の合成-
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部、及びジブチルチンオキサイド2部を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。 次いで、10mmHg~15mmHgの減圧下で、5時間反応させて、中間体ポリエステルを合成した。
得られた中間体ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が9,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が0.5、水酸基価が49であった。
次に、冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記中間体ポリエステル411部、イソホロンジイソシアネート89部、及び酢酸エチル500部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、プレポリマー(前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)を合成した。
得られたプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は、1.60質量%であり、プレポリマーの固形分濃度(150℃、45分間放置後)は50質量%であった。
-ケチミン(前記活性水素基含有化合物)の合成-
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン30部及びメチルエチルケトン70部を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、ケチミン化合物(前記活性水素基含有化合物)を合成した。得られたケチミン化合物(前記活性水素機含有化合物)のアミン価は423であった。
-マスターバッチの作製-
水1,000部、DBP吸油量が42mL/100g、pHが9.5のカーボンブラックPrintex35(デグサ社製)540部、及び1,200部のポリエステル樹脂Aを、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。次に、二本ロールを用いて、得られた混合物を150℃で30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを作製した。
-水系媒体の調製-
イオン交換水306部、リン酸三カルシウムの10質量%懸濁液265部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0部を混合攪拌し、均一に溶解させて、水系媒体を調製した。
-臨界ミセル濃度の測定-
界面活性剤の臨界ミセル濃度は以下の方法で測定した。 表面張力計Sigma(KSV Instruments社製)を用いて、Sigmaシステム中の解析プログラムを用いて解析を行なった。 界面活性剤を水系媒体に対して0.01質量%ずつ滴下し、攪拌、静置後の界面張力を測定した。得られた表面張力カーブから、界面活性剤の滴下によっても界面張力が低下しなくなる界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度として算出した。水系媒体に対するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの臨界ミセル濃度を表面張力計Sigmaで測定を行ったところ、水系媒体の質量に対して0.05質量%であった。
-トナー材料液の調製-
ビーカー内に、ポリエステル樹脂Aを70部、プレポリマーを10部及び酢酸エチル100部を入れ、攪拌して溶解させた。離型剤としてパラフィンワックス5部(日本精鑞社製 HNP-9 融点75℃)、MEK-ST(日産化学工業社製)2部、及びマスターバッチ10部を加えて、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/時、ディスクの周速度6m/秒で、粒径0.5mmのジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスした後、前記ケチミン2.7部を加えて溶解させ、トナー材料液を調製した。
-乳化乃至分散液の調製-
前記水系媒体150部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数12,000rpmで攪拌し、これに前記トナー材料の溶解乃至分散液100部を添加し、10分間混合して乳化乃至分散液(乳化スラリー)を調製した。
-有機溶剤の除去-
攪拌機及び温度計をセットしたコルベンに、前記乳化スラリー100部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら30℃にて12時間脱溶剤した。
-洗浄-
前記脱溶剤した乳化スラリー100部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。 得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液20部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて30分間)した後減圧濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。更に得られた濾過ケーキに10質量%塩酸20部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。
-界面活性剤量調整-
上記洗浄により得られた濾過ケーキに、イオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した際のトナー分散液の電気伝導度を測定し、事前に作成した界面活性剤濃度の検量線より、トナー分散液の界面活性剤濃度を算出した。その値から、界面活性剤濃度が狙いの界面活性剤濃度0.05質量%になるように、イオン交換水を追加し、トナー分散液を得た。
-表面処理工程-
前記所定の界面活性剤濃度に調整されたトナー分散液を、TK式ホモミキサーで5000rpmで混合しながら、ウォーターバスで加熱温度T1=55℃で10時間加熱を行なった。その後トナー分散液を25℃まで冷却し、濾過を行なった。更に得られた濾過ケーキに、イオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。
-乾燥-
得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子1を得た。
-外添処理-
さらに、トナー母体粒子1を100部に対して、大粒径シリカとして、平均粒径100nmの疎水性シリカ1.9部と、小粒径シリカとして、平均粒径20nmの疎水性シリカ微粉体を0.9部とをヘンシェルミキサーにて混合し、トナー1を得た。得られたトナー1に対し、上述した測定方法を用い、各特性を評価した。測定結果を下記表1に示す(以下で記載するトナー2~15の測定結果も表1に示す)。
(トナー製造実施例2)
疎水性シリカの処方量を2.5部に変更した以外は、トナー製造実施例1と同様の方法で、トナー製造実施例2にあたるトナー2を得た。
(トナー製造実施例3)
疎水性シリカ微粉体の処方量を1.5部に変更した以外は、トナー製造実施例1と同様の方法で、トナー製造実施例3にあたるトナー3を得た。
(トナー製造実施例4)
疎水性シリカ微粉体の処方量を2.0部に変更し、疎水性シリカ微粉体の処方量を2.1部に変更した以外は、トナー製造実施例1と同様の方法で、トナー製造実施例4にあたるトナー4を得た。
(トナー製造実施例5)
疎水性シリカの処方量を3.1部に変更し、疎水性シリカ微粉体の処方量を1.0部に変更した以外は、トナー製造実施例1と同様の方法で、トナー製造実施例5にあたるトナー5を得た。
(トナー製造実施例6)
疎水性シリカの処方量を2.5部に変更し、疎水性シリカ微粉体の処方量を1.5部に変更し、疎水性シリカ微粉体の平均粒径を31nmに変更した以外は、トナー製造実施例1と同様の方法で、トナー製造実施例6にあたるトナー6を得た。
(トナー製造実施例7)
疎水性シリカの平均粒径を151nmに変更し、疎水性シリカ微粉体の平均粒径を20nmに変更した以外は、トナー製造実施例6と同様の方法で、トナー製造実施例7にあたるトナー7を得た。
(トナー製造実施例8)
疎水性シリカ微粉体の平均粒径を4nmに変更した以外は、トナー製造実施例6と同様の方法で、トナー製造実施例8にあたるトナー8を得た。
(トナー製造実施例9)
疎水性シリカの平均粒径を69nmに変更した以外は、トナー製造実施例7と同様の方法で、トナー製造実施例9にあたるトナー9を得た。
(トナー製造実施例10)
疎水性シリカの粒径を100nmに変更した以外は、トナー製造実施例9と同様の方法で、トナー製造実施例10にあたるトナー10を得た。
(トナー製造実施例11)
結晶性ポリエステルの合成
窒素導入管、脱水管、攪拌器及び熱伝対を装備した反応槽の中に1,4-ブタンジオール2070部、フマル酸2535部、無水トリメリット酸291部、ハイドロキノン4.9部を入れ、160℃で5時間反応させた後、200℃に昇温して1時間反応させ、さらに8.3kPaにて1時間反応させて結晶性ポリエステルを得た。
結晶性ポリエステル分散液の作製
前記結晶性ポリエステルを酢酸エチル55部に加え、60℃で3時間加熱溶融した後、外部熱交換器で30℃以下になるまで冷却し、晶析液を作製する。該晶析液をビーズミル装置(LMZ60、アシザワファインテック製)を用いて、20時間循環粉砕して、分散粒径0.5μmの結晶性ポリエステル分散液を得た。ビーズミル装置は、ジルコニアビーズ充填率70%、ビーズ径0.5mm、アジテーター周速7.0m/s、循環流量20kg/minの条件で運転した。
前記トナー材料液に対して、前記結晶性ポリエステル分散液を3部投入したこと以外は、トナー製造実施10と同様の方法で、トナー製造実施例11にあたるトナー11を得た。
(トナー製造比較例1)
トナーの添加剤として、酸化チタン微粒子をトナー母体100に対して0.3部投入した以外は、トナー製造実施例11と同様の方法で、トナー製造比較例にあたるトナー13を得た。
(トナー製造比較例2)
疎水性シリカの処方量を1.0部に変更し、疎水性シリカ微粉体の処方量を0.4部に変更した以外は、トナー製造実施例11と同様の方法で、トナー製造比較例2にあたるトナー14を得た。
(トナー製造比較例3)
疎水性シリカの処方量を3.0部に変更し、疎水性シリカ微粉体の処方量を2.1部に変更した以外は、トナー製造実施例11と同様の方法で、トナー製造比較例2にあたるトナー15を得た。
(樹脂合成例1)
撹拌機付きフラスコにトルエン300gを投入して、窒素ガス気流下で90℃まで昇温した。次いでこれに、CH=CMe-COO-C-Si(OSiMe(式中、Meはメチル基である。 )で示される3-メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン84.4g(200ミリモル:サイラプレーン TM-0701T/チッソ株式会社製)、3-メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン 39g(150ミリモル)、メタクリル酸メチル65.0g(650ミリモル)、および、2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル0.58g(3ミリモル)の混合物を1時間かけて滴下した。 滴下終了後、さらに、2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリル0.06g(0.3ミリモル)をトルエン15gに溶解した溶液を加えて(2,2’-アゾビス-2-メチルブチロニトリルの合計量0.64g=3.3ミリモル)、90℃~100℃で3時間混合してラジカル共重合させてメタクリル系共重合体R1を得た。
(キャリア製造実施例1)
合成例1で得られた重量平均分子量35,000のメタクリル系共重合体R1[固形分100質量%]:20部、シリコン樹脂(SR2410 東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)の溶液[固形分20質量%]:100部、アミノシラン[固形分100質量%]:3.0部、微粒子として硫酸バリウム微粒子(堺化学製、円相当径700nm):20部、酸素欠損型スズ微粒子(三井金属製、一次粒子径30nm):60部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC-750(マツモトファインケミカル社製)2部を、トルエンで希釈して、固形分20質量%の樹脂溶液を得た。
芯材として重量平均粒径が35μmのMnフェライト粒子を用いて、流動床型コーティング装置に微粒化ノズルを使用して芯材表面に上記樹脂溶液を塗布した。 樹脂層の平均膜厚が1.00μmになるように、上記樹脂溶液を塗布し、流動槽内の温度は60℃に制御した中で、塗布、及び塗布した膜の乾燥を行った。 得られたキャリアを電気炉中にて、210℃/1時間焼成し、キャリア1を得た。
得られたキャリア1に対し、上述した測定方法を用い、各特性を評価した。測定結果を下記表1に示す(以下で記載するキャリア2~6の測定結果も表1に示す)。
(キャリア製造実施例2)
硫酸バリウム微粒子の処方量を36質量部に変更した以外は、キャリア製造実施例1と同様の方法で、キャリア製造実施例2にあたるキャリア2を得た。
(キャリア製造比較例1)
硫酸バリウム微粒子をアルミナ微粒子(円相当径600nm)に変更した以外は、キャリア製造実施例1と同様の方法で、キャリア製造比較例1にあたるキャリア3を得た。
(キャリア製造比較例2)
硫酸バリウム微粒子を酸素欠損型酸化スズ被覆硫酸バリウム微粒子(円相当径400nm)に変更し、酸素欠損型スズ微粒子を使用しないことに変更した以外は、キャリア製造実施例1と同様の方法で、キャリア製造比較例2にあたるキャリア4を得た。
(キャリア製造比較例3)
硫酸バリウム微粒子の円相当径を910nmに変更した以外は、キャリア製造実施例1と同様の方法で、キャリア製造比較例4にあたるキャリア5を得た。
(キャリア製造比較例4)
硫酸バリウム微粒子の円相当径を390nmに変更した以外は、キャリア製造実施例1と同様の方法で、キャリア製造比較例5にあたるキャリア6を得た。
<現像剤の作製>
キャリア製造実施例1で得られた[キャリア1](930部)、及びトナー1(70部)を混合して、タービュラーミキサーを用いて81rpmで5分間攪拌し、評価用の[現像剤1]を作製した。 また、補給用現像剤は、トナー濃度が95質量%となるように、上記キャリア及び上記トナーを用いて作製した。
<現像剤特性評価>
得られた現像剤を用いて、株式会社リコー製 RICOH Pro C7110S(株式会社リコー製のデジタルカラー複写機・プリンタ複合機)を用いて画像評価を実施した。まず、上記マシンを環境評価室(10℃15%の低温低湿環境)に入れて一日放置し、その後、実施例1の現像剤1と、トナー1を用いて、下記特性をを評価した。
実施例1の評価結果を表2に示す。
-40%画像面積率、100万枚のランニング後の評価-
次にランニング評価を実施した。株式会社リコー製 RICOH Pro C7110S(株式会社リコー製のデジタルカラー複写機・プリンタ複合機)に実施例の現像剤1と、トナー1を用いて、初期と画像面積率40%で(A4サイズの用紙を使用)、100万枚のランニング後のキャリアの帯電量を測定し、帯電量の変化率を算出した。
<<トナー飛散>>
100万枚ランニング後に現像剤担持体下部に溜まったトナーの量を吸引、回収し、トナー重量を測定した。 評価基準を以下に示す。
〔評価基準〕
◎:0mg以上50mg未満(大変良好)
〇:50mg以上100mg未満(良好)
△:100mg以上250mg未満(使用可能)
×:250mg以上(不良)
<メダカの評価方法>
トナー1の7部と重量平均粒径35μmのキャリア1の93部とを均一混合し、評価用の二成分現像剤とした。現像剤を30℃・85%RHの高温高湿環境下で、2時間以上調湿した。同環境下において該現像剤を用い市販複写機(imagio MP C4002、リコー社製)で50000枚コピーした時の感光体上のメダカと、転写された画像の画質について下記基準により評価した。
◎:感光体のメダカはなく、画質も良好。
○:感光体に微量のメダカがあるものの、画像上にはほとんど無し。
△:感光体にメダカがあるものの、画像上にはほとんど無し。
×:感光体へのメダカが多く、画像にメダカが入るなど画質低下が顕著。
<保存性>
現像剤を40℃、湿度70%RHの環境下で2週間保管した後、200メッシュの篩を用いて1分間篩い、金網上のトナーの残存率を測定し、下記基準により評価した。なお、トナーの残存率が、小さいほど、保存性に優れている。なお、「◎」、「○」及び「△」を合格とし、「×」を不合格として判定した。
[評価基準]
◎:残存率0.1%未満
○:残存率0.1%以上0.5%未満
△:残存率0.5%以上1.0%未満
×:残存率1.0%以上
<低温定着性>
市販のデジタルフルカラープリンター(imagio MPC6000、A4サイズ横カラー50枚/分間、株式会社リコー製)の定着部を改造した装置を用いて、記録紙(タイプ6200、株式会社リコー製)に複写テストを行った。具体的には、定着温度を変化させてコールドオフセット温度(定着下限温度)を求めた。定着下限温度の評価条件は、紙送りの線速度を260mm/秒間~280mm/秒間、面圧を1.2kgf/cm、ニップ幅を11mmとした。低温定着性の評価は、下記基準により評価した。定着下限温度は、低い程、低温定着性に優れる。
[評価基準]
◎:非常に良好、○:良好、△:許容、×:実用上使用できないレベル、である。◎、○、△を合格とし、×を不合格とした。
◎:定着下限温度が120℃未満
○:定着下限温度が120℃以上130℃未満
△:定着下限温度が130℃以上140℃未満
×:定着下限温度が140℃以上150℃未満
(実施例2~11)
実施例1において、トナー1をそれぞれトナー2~11に変え、それに伴い現像剤1をそれぞれ現像剤2~11に変えた以外は、実施例1と同様と同様の方法で現像剤2~11の評価を行った。実施例2~11の評価結果を表2に示す。
(実施例12)
実施例1において、キャリア1をキャリア2に変え、それに伴い現像剤1を現像剤12に変えた以外は、実施例1と同様と同様の方法で現像剤12の評価を行った。 実施例12の評価結果を表2に示す。
(比較例1~3)
実施例12において、トナー11をそれぞれトナー13~15に変え、それに伴い現像剤1をそれぞれ現像剤13~15に変えた以外は、実施例12と同様と同様の方法で現像剤13~15の評価を行った。 比較例1~3の評価結果を表2に示す。
(比較例4~7)
実施例11において、キャリア1をそれぞれキャリア3から6に変え、それに伴い現像剤1をそれぞれ現像剤16~19に変えた以外は、実施例11と同様と同様の方法で現像剤16~19の評価を行った。比較例4から7の評価結果を表2に示す。
Figure 0007251295000009
Figure 0007251295000010
各表の結果から、各実施例の現像剤は、長期ランニング後も十分な帯電制御が可能であり、保存性に優れ、長期ランニング後のメダカの発生を抑制し、かつ低温定着性にも優れることが認められた。
1a、1b 電極
2 容器
3 キャリア
10 プロセスカートリッジ
11 感光体
12 帯電装置
13 現像装置
14 クリーニング装置
特開2016-212254号公報 特開平11-202560号公報 特開2006-39357号公報 特開2010-117519号公報 特許第6127537号公報 特開2011-145388号公報 特許第5626569号公報 特許第5534409号公報 特開2011-209678号公報 特開2006-079022号公報

Claims (11)

  1. 少なくともトナーおよびキャリアを含む現像剤であって、
    前記トナーは、シリカ粒子およびトナー母体を含み、酸化チタンを含まず、
    前記トナー母体100質量部に対する前記シリカ粒子の割合が、1.5質量部以上5質量部未満であり、
    前記キャリアは、少なくとも1種類の微粒子を含む樹脂層を有するキャリアであり、
    前記微粒子の少なくとも1種類は、硫酸バリウム微粒子からなり、
    前記キャリアのX線光電子分光分析(XPS)によるBa検出量が0.3atomic%以上であり、
    前記硫酸バリウム微粒子の円相当径が400nm以上900nm以下であり、かつ
    前記キャリアの、画像面積率40%、100万枚ランニング後の帯電低下率が20%~30%である
    ことを特徴とする現像剤。
  2. 前記シリカ粒子は、平径粒径が5nm以上30nm以下である小粒径シリカ粒子と、平径粒径が70nm以上150nm以下である大粒径シリカ粒子とを含有することを特徴とする、請求項1に記載の現像剤。
  3. 前記トナー母体100質量部に対する前記大粒径シリカ粒子の割合が、2質量部以上3質量部以下であり、前記トナー母体100質量部に対する前記小粒径シリカ粒子の割合が、1質量部以上2質量部以下であることを特徴とする、請求項2に記載の現像剤。
  4. 前記トナーが結晶性樹脂を有することを特徴とする、請求項1~3のいずれかに記載の現像剤。
  5. 前記現像剤の流動性変化率が13%以下であることを特徴とする、請求項1~4のいずれかに記載の現像剤。
  6. 前記硫酸バリウム微粒子は、微粒子の表面にBaが存在していることを特徴とする、請求項1~5のいずれかに記載の現像剤。
  7. 前記樹脂層における前記硫酸バリウム微粒子の含有量が、前記樹脂層に含まれる樹脂に対し、50質量%以上100質量%未満であることを特徴とする、請求項1~6のいずれかに記載の現像剤。
  8. 少なくともトナーおよびキャリアを含む現像剤の製造方法であって、
    前記トナーが、シリカ粒子およびトナー母体を含み、酸化チタンを含まないように構成し、
    前記トナー母体100質量部に対する前記シリカ粒子の割合を、1.5質量部以上5質量部未満に設定し、
    前記キャリアは、少なくとも1種類の微粒子を含む樹脂層を有するキャリアとなるように構成し、
    前記微粒子の少なくとも1種類を、硫酸バリウム微粒子に設定し、
    前記キャリアのX線光電子分光分析(XPS)によるBa検出量が0.3atomic%以上となるように構成し、
    前記硫酸バリウム微粒子の円相当径を400nm以上900nm以下に設定し、かつ
    前記キャリアの、画像面積率40%、100万枚ランニング後の帯電低下率が20%~30%である
    ことを特徴とする現像剤の製造方法。
  9. 静電潜像担持体と、
    前記静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成手段と、
    前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を請求項1~7のいずれかに記載の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
  10. 請求項1~7のいずれかに記載の現像剤を収容した現像剤収容ユニット。
  11. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する静電潜像形成工程と、
    前記静電潜像担持体上に形成された前記静電潜像を、請求項1~7のいずれかに記載の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像工程とを含むことを特徴とする画像形成方法。
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