JP5626569B2 - 二成分現像剤用キャリア - Google Patents

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Description

本発明は、芯材粒子の表面に被覆層が形成されているキャリアとその製法、現像剤、現像剤入り容器、画像形成方法及びプロセスカートリッジに関する。
電子写真方式による画像形成では、光導電性物質等の静電潜像担持体上に静電潜像を形成し、この静電潜像に対して、帯電したトナーを付着させてトナー像を形成した後、トナー像を記録媒体に転写し、定着され、出力画像となる。近年、電子写真方式を用いた複写機やプリンタの技術は、モノクロからフルカラーへの展開が急速になりつつあり、フルカラーの市場は拡大する傾向にある。
フルカラー画像形成では、一般に、イエロー、マゼンタ、シアンの3色のカラートナー又はこれに黒色を加えた4色のカラートナーを積層させて全ての色の再現を行う。したがって、色再現性に優れ、鮮明なフルカラー画像を得るためには、定着されたトナー像の表面を平滑にして光散乱を減少させる必要がある。このような理由から、従来のフルカラー複写機等の画像光沢は、10〜50%の中〜高光沢のものが多かった。
一般に、乾式のトナー像を記録媒体に定着させる方法としては、平滑な表面を持ったローラやベルトを加熱し、トナーと圧着する接触加熱定着方法が多用されている。このような方法は、熱効率が高く、高速定着が可能であり、カラートナーに光沢や透明性を与えることが可能である反面、加熱定着部材の表面と溶融状態のトナーとを加圧下で接触させた後、剥離するために、トナー像の一部が定着ローラ表面に付着して別の画像上に転移する、いわゆるオフセット現象が生じる。
このようなオフセット現象を防止することを目的として、離型性に優れたシリコーンゴムやフッ素樹脂で定着ローラの表面を形成し、さらにその定着ローラ表面にシリコーンオイル等のトナー固着防止用オイルを塗布する方法が一般に採用されている。しかしながら、このような方法は、トナーのオフセットを防止する点では極めて有効であるが、オイルを供給するための装置が必要であり、定着装置が大型化するという問題がある。
このため、モノクロ画像形成では、溶融したトナーが内部破断しないように、溶融時の粘弾性が大きく、離型剤を含有するトナーを用いることにより、定着ローラにオイルを塗布しないオイルレスシステム、或いはオイルの塗布量を微量とするシステムが採用される傾向にある。
一方、フルカラー画像形成においても、モノクロ画像形成と同様に、定着装置の小型化、構成の簡素化の目的で、オイルレスシステムが採用される傾向がある。しかしながら、フルカラー画像形成では、定着されたトナー像の表面を平滑にするために、溶融時のトナーの粘弾性を低下させる必要があるため、光沢のないモノクロ画像形成の場合よりもオフセットが発生しやすく、オイルレスシステムの採用が困難になる。また、離型剤を含有するトナーを用いると、トナーの付着性が高まり、記録媒体への転写性が低下する。さらに、トナーのフィルミングが発生して、帯電性が低下することにより、耐久性が低下するという問題がある。
一方、キャリアとしては、トナーのフィルミングの防止、均一な表面の形成、表面の酸化の防止、感湿性の低下の防止、現像剤の寿命の延長、感光体の表面への付着の防止、感光体のキズあるいは摩耗からの保護、帯電極性の制御、帯電量の調節等の目的で、キャリア芯材表面に、表面エネルギーの低い樹脂、例えばフッ素樹脂、シリコーン樹脂などをコートすることによりキャリアの長寿命化がはかられてきた。
低表面エネルギーの樹脂を被覆したキャリアの例としては、特許文献1の特開昭55−127569号公報開示の常温硬化型シリコーン樹脂と正帯電性窒素樹脂で被覆したキャリア、特許文献2の特開昭55−157751号公報開示の変性シリコーン樹脂を少なくとも1種含有した被覆材をコートしたキャリア、特許文献3の特開昭56−140358号公報開示の常温硬化型シリコーン樹脂およびスチレン・アクリル樹脂を含有した樹脂被覆層を有するキャリア、特許文献4の特開昭57−96355号公報開示の核粒子表面を2層以上のシリコーン樹脂でコートし、層間に接着性がないようにしたキャリア、特許文献5の特開昭57−96356号公報開示の核粒子表面にシリコーン樹脂を多層塗布したキャリア、特許文献6の特開昭58−207054号公報開示の炭化ケイ素を含有するシリコーン樹脂で表面を被覆したキャリア、特許文献7の特開昭61−110161号公報開示の20dyn/cm以下の臨界表面張力を示す材料で被覆した正帯電性キャリア、特許文献8の特開昭62−273576号公報開示のフッ素アルキルアクリレートを含有する被覆材でコートしたキャリアと、含クロムアゾ染料を含くむトナーからなる現像剤のようなものがあげられる。
また、縮合反応性のシラノール基又はその前駆体(例えばハロシリル基、アルコキシシリル基等の加水分解性基等)を有するシロキサン系材料を含む塗工液を、チタン系触媒を用いてポリシロキサン材料に縮合させてなる被覆層をキャリア芯材粒子表面に設けることは従来公知であり、例えば、特許文献9の特開2001−92189号公報には、有機チタン系触媒を含有するシリコーン系樹脂を芯材粒子の周囲に被覆してなるものが開示されており、チタン系触媒の例としてジイソプロポキシビス(アセチルアセトンネート)が、テトライソプロポキシチタン、イソプロポキシ(2−エチルヘキサンジオラト)チタン、ビス(アクリロイルオキシ)イソプロポキシイソステアロイルオキシチタン、ビス(2,4−ペンタンジオナト)(1,3−プロパンジオナト)チタン等と同効なものとして羅列されている。また、特許文献10の特開平06−222621号公報には、オルガノポリシロキサンと、オルガノシランと、チタン(例えば前記テトライソプロポキシチタン)、錫(例えばジブチル錫ジアセテート)、亜鉛、コバルト、鉄、アルミニウム系化合物及びアミン類からなる群の中から選択される少なくとも1種である硬化触媒からなる被覆性組成物を主成分とするコーティング剤を、芯材粒子の表面に被覆してなるものが開示されている。さらに、特許文献11の特開2006−337828号公報には、芯材粒子の表面が、4級アンモニウム塩触媒、アルミニウム触媒又はチタン触媒(具体的には前記ジイソプロポキシビス(アセチルアセトンネート))を含有するシリコーン樹脂又は変性シリコーン樹脂で被覆されているものが開示されている。
しかしながら、近年は高画質化のためにトナーが小粒径化する傾向にあり、また、プリント速度の高速化も相まって、キャリアへのトナースペントが一段と生じ易くなっている。
更にトナーにワックスを含有させてメンテナンスを容易にした現像剤の場合には、トナースペント量が非常に多くなり、トナー帯電量の低下、トナー飛散および地肌汚れに対する余裕度が低下しているのが現状である。
フルカラー電子写真システムでは、キャリアのトナースペントやコート被膜削れ・剥がれが起こると、キャリア抵抗や現像剤の汲み上げ量が変化し、画像濃度、特にハイライト部の濃度が変化し、また、被膜の削れによるフィラーの離脱などによって、カラートナー(特にイエロートナー)が色汚れし、高画質が維持できないのが現状である。
また、被覆層を形成する際にブロッキングが発生したり、耐久性が低下したりするという問題がある。
本発明は、上記の従来技術が有する問題に鑑み、トナースペント性、被膜の耐摩耗性(削れ・剥がれ)に優れるキャリア、該キャリアを有する現像剤及び該現像剤を有する現像剤入り容器並びに該現像剤を用いる画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供することを目的とする。
本発明の上記課題は、下記(1)〜(21)によって解決される。
(1)磁性を有する芯材粒子とその表面を被覆する樹脂層とからなる静電潜像現像剤用キャリアであって、該樹脂層は、少なくとも下記一般式(1)で表されるモノマー成分A由来のA部位と下記一般式(2)で表されるモノマー成分B由来のB部位とを含む共重合体を加熱処理して得られた樹脂を含有するものであって、該樹脂層は、前記共重合体を加水分解し、シラノール基を生成し、有機チタン系触媒を用いて縮合することにより得られる架橋物を含有することを特徴とする静電潜像現像剤用キャリア。
Figure 0005626569
Figure 0005626569
(式中において、R、m、R、R、X、及びYは以下に該当するものを示す。)
:水素原子、またはメチル基
m:炭素原子数1〜8のアルキレン基
:炭素原子数1〜4のアルキル基
は、炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基
X:10〜90モル%
Y:10〜90モル%。
(2)前記共重合体は、下記一般式(5)で表される共重合体を含むことを特徴とする前記(1)項に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
Figure 0005626569
(式中において、R、m、R、R、X、Y、及びZは以下に該当するものを示す。

:水素原子、またはメチル基
m:炭素原子数1〜8のアルキレン基
:炭素原子数1〜4のアルキル基
:炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基
X:10〜40モル%
Y:10〜40モル%
Z:30〜80モル%
60モル%<Y+Z<90モル%。
(3)前記有機チタン系触媒は、チタンアルコキシドであることを特徴とする前記(1)項又は(2)項に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(4)前記有機チタン系触媒は、チタンキレートであることを特徴とする前記(1)項又は(2)項に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(5)前記被覆層を被覆して、しかる後に加熱処理して得られたことを特徴とする前記(1)項乃至(4)項のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(6)前記加熱処理時の熱処理温度が100〜350℃であることを特徴とする前記(1)項乃至(5)項のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(7)前記被覆層は、導電性粒子をさらに含有することを特徴とする前記(1)項乃至(6)項のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(8)前記導電性粒子が少なくとも硫酸バリウムを含む導電性微粒子であることを特徴とする前記(7)項に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(9)X線光電子分光(XPS)により測定される全元素に対するBaとSiとの含有量の比、Ba/Siが、0.01以上0.08以下であることを特徴とするに前記(1)項乃至(8)項のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(10)前記導電性粒子が表面に炭素を有する酸化スズ微粒子であることを特徴とする前記(7)項に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(11)体積固有抵抗が1×10Ω・cm以上1×1017Ω・cm以下であることを特徴とする前記(1)項乃至(10)項のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(12)前記被覆層は、平均膜厚が0.05μm以上4μm以下であることを特徴とする前記(1)項乃至(11)項のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(13)前記芯材粒子は、重量平均粒径が20μm以上65μm以下であることを特徴とする前記(1)項乃至(12)項のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(14)1kOeの磁場における磁化が40Am/kg以上90Am/kg以下であることを特徴とする前記(1)項乃至(13)項のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(15)前記(1)項乃至(14)項のいずれかに記載のキャリア及びトナーを有することを特徴とする現像剤。
(16)前記トナーは、カラートナーであることを特徴とする前記(15)項に記載の現像剤。
(17)キャリア1質量部に対してトナーを2〜50重量部の配合割合で含有する補給用現像剤であって、該キャリアが前記(1)項乃至(14)項のいずれかに記載のキャリアであることを特徴とする補給用現像剤。
(18)芯材粒子の表面に被覆層を形成する工程を有するキャリアの製造方法であって、前記被覆工程は、下記一般式(1)で表されるモノマー成分A由来のA部位と下記一般式(2)で表されるモノマー成分B由来のB部位とを含む共重合体を加水分解し、シラノール基を生成し、有機チタン系触媒を用いて縮合することにより得られる架橋物を含有する前記被覆層を形成する工程であることを特徴とするキャリアの製造方法。

Figure 0005626569
Figure 0005626569
(式中において、R、m、R、R、X、及びYは以下に該当するものを示す。)
:水素原子、またはメチル基
m:炭素原子数1〜8のアルキレン基
:炭素原子数1〜4のアルキル基
は、炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基
X:10〜90モル%
Y:10〜90モル%。
(19)前記(15)項乃至(17)項のいずれかに記載の現像剤を有することを特徴とする現像剤入り容器。
(20)静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程と、該静電潜像担持体上に形成され
た静電潜像を、前記(15)乃至(17)項のいずれかに記載の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する工程と、該静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する工程と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程とを有することを特徴とする画像形成方法。
(21)静電潜像担持体、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、前記(15)項
乃至(17)項のいずれかに記載の現像剤を用いて現像する手段が少なくとも一体に支持されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
本発明によれば、トナースペント性、被膜の耐摩耗性(削れ・剥がれ)に優れるキャリア、該キャリアを有する現像剤及び該現像剤を有する現像剤入り容器並びに該現像剤を用いる画像形成方法及びプロセスカートリッジを提供することができる。
本発明のキャリアの体積固有抵抗を測定する際に用いられるセルを示す図である。 本発明のプロセスカートリッジの一例を示す図である。
次に、本発明を実施するための形態を図面と共に詳細に説明する。
本発明の静電潜像現像剤用キャリアは、磁性を有する芯材粒子とその表面を被覆する樹脂層とからなり、磁性を有する芯材粒子と該芯材粒子表面を被覆する被覆層とからなる静
電潜像現像剤用キャリアであって、該被覆層は、下記一般式(3)、(5)で示した共重合体を加水分解し、シラノール基を生成し、有機チタン系触媒を用いて縮合することにより得られる架橋物を含有することを特徴とする静電潜像現像剤用キャリアである。
即ち、本発明のキャリアは、後述のモノマーA成分およびモノマーB成分(但し、量比等の理解を容易にするため各成分由来の部位で表示)をラジカル共重合して得られる二元系のアクリル系共重合体(下記一般式(3)の共重合体)、または、モノマーA成分、モノマーB成分およびモノマーC成分(下記一般式(4))をラジカル共重合して得られる三元系のアクリル系共重合体(一般式(5)の共重合体)、を加水分解し、シラノール基を生成し、有機チタン系触媒を用いて縮合することにより架橋、被覆した後、加熱処理して得られる静電潜像現像用キャリアである。
Figure 0005626569
Figure 0005626569
(式中において、R、m、R、R、X、Y、及びZは以下に該当するものを示す。)
:水素原子、またはメチル基。
m:炭素原子数1〜8のメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基。
:炭素原子数1〜4のメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、及びブチル基等のアルキル基。
:炭素数1〜8のメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、及びブチル基等のアルキル基、または炭素数1〜4のメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基。
[モノマーA成分]
Figure 0005626569
前A成分(A部位)の式中、
:水素原子、またはメチル基、
m:炭素原子数1〜8のメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基、
:炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基、である。
また、A成分において、X=10〜90モル%であり、より好ましくは、30〜70モル%である。
A成分は、側鎖にメチル基が多数存在する原子団・トリス(トリメチルシロキシ)シランを有しており、樹脂全体に対してA成分の比率が高くなると表面エネルギーが小さくなり、トナーの樹脂成分、ワックス成分などの付着が少なくなる。A成分が10モル%未満だと十分な効果が得られず、トナー成分の付着が急増する。また、90モル%より多くなると、B成分(B部位)、およびC成分(C部位)が減り、架橋が進まず、強靭性が不足すると共に、芯材と樹脂層の接着性が低下し、キャリア被膜の耐久性が悪くなる。
は炭素原子数1〜4のアルキル基であり、このようなモノマー成分としては、次式で示されるトリス(トリアルキルシロキシ)シラン化合物が例示される。
下式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Prはプロピル基である。
CH=CMe−COO−C−Si(OSiMe
CH=CH−COO−C−Si(OSiMe
CH=CMe−COO−C−Si(OSiMe
CH=CMe−COO−C−Si(OSiEt
CH=CH−COO−C−Si(OSiEt
CH=CMe−COO−C−Si(OSiEt
CH=CMe−COO−C−Si(OSiPr
CH=CH−COO−C−Si(OSiPr
CH=CMe−COO−C−Si(OSiPr
モノマーA成分の製造方法は特に限定されないが、トリス(トリアルキルシロキシ)シランを白金触媒の存在下にアリルアクリレートまたはアリルメタクリレートと反応させる方法や、特開平11−217389号公報に記載されている、カルボン酸と酸触媒の存在下で、メタクリロキシアルキルトリアルコキシシランとヘキサアルキルジシロキサンとを反応させる方法などにより得られる。
[モノマーB成分]
Figure 0005626569
前B成分(B部位)の式中、
:水素原子、またはメチル基、
m:炭素原子数1〜8のメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基、
:炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基、
:炭素数1〜8のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基など)、又は炭素数1〜4のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基)、を示す。
即ち、B成分は、ラジカル重合性の2官能、又は3官能性のシラン化合物であり、Y=10〜90モル%であるが、より好ましくは30〜70モル%である。
B成分が10モル%未満だと、強靭さが十分得られない。一方、90モル%より多いと、被膜は固くて脆くなり、膜削れが発生し易くなる。また、環境特性が悪化する。加水分解した架橋成分がシラノール基として多数残り、環境特性(湿度依存性)を悪化させていることも考えられる。
このようなB成分としては、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−アクリロキシプロピルトリエトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジメトキシシラン、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン、3−メタクリトキシプロピルトリ(イソプロペキシ)シラン、3−アクリロキシプロピルトリ(イソプロペキシ)シランが例示される。
上記三元系のアクリル系共重合体の場合には、上記A成分、B成分に加え、さらに次のC成分が共重合し、次の一般式(3)で表される共重合体となり、これが加水分解する。
C成分としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルが好ましく、具体的には、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、3−(ジメチルアミノ)プロピルメタクリレート、3−(ジメチルアミノ)プロピルアクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチルアクリレートが例示される。
これらの内ではアルキルメタクリレートが好ましく、特にメチルメタクリレートが好ましい。また、これらの化合物の1種類を単独で使用してもよく、2種類以上の混合物を使用してもよい。
[モノマーC成分]
Figure 0005626569
(上式中、R、Rは、A成分、B成分と同様な意味を有する。)
[三元系のアクリル系共重合体]
Figure 0005626569
そして、この三元系のアクリル系共重合体の場合、C成分(C部位)が加わったことに伴い、各成分の比(X,Y,Z)は前記二元系のアクリル系共重合体の場合と、当然、異なり、各成分の比(X,Y,Z)としては、Z=30〜80モル%である。更に好ましくは、35〜75モル%であり、且つ、60モル%<Y+Z<90モル%であり、更に好ましくは、70モル%<Y+Z<85モル%である。即ち、Xは10〜40モル%である。
C成分は、被膜に可とう性を付与し、かつ、芯材と被膜との接着性を良好にしている。
C成分が30モル%未満だと十分な接着性が得られず、80モル%より大きくなると、X、およびYのいずれかが10以下となるため、キャリア被膜の撥水性、硬さと可とう性(膜削れ)を両立させることが難しくなる。
被膜の架橋による高耐久化技術としては、特許第3691115号記載のものがある。
つまり、特許第3691115号明細書記載のものは、磁性粒子表面を、少なくとも末端にビニル基を有するオルガノポリシロキサンと、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基およびイミド基からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有するラジカル共重合性単量体との共重合体をイソシアネート系化合物により架橋させた熱硬化性樹脂で被覆したことを特徴とする静電荷像現像用キャリアであるが、被膜の剥がれ・削れにおいて十分な耐久性が得られていないのが現状である。
その理由は十分明らかになっているとは言えないが、前述の共重合体をイソシアネート系化合物により架橋させた熱硬化性樹脂の場合、構造式からも分かるように、共重合体樹脂中のイソシアネート化合物と反応(架橋)する単位重量当りの官能基(活性水素含有基)が少なく、架橋点において、二次元、あるいは三次元的な緻密な架橋構造を形成することができない。そのために長時間使用すると、被膜剥がれ・削れなどが生じ(被膜の耐磨耗性が小さく)易く、十分な耐久性が得られていないと推察される。
被膜の剥がれ・削れが生じると、キャリア抵抗低下による画像品質の変化、キャリア付着が起こる。また被膜の剥がれ・削れは、現像剤の流動性を低下させ、汲み上げ量低下を引き起こし、画像濃度低下、TCアップに伴う時汚れ、トナー飛散の原因となっている。
本発明においては、樹脂単位重量当たりでみても、二官能、あるいは三官能の架橋可能な官能基(点)を多数(単位重量当り、2倍〜3倍多い)有した共重合樹脂であり、これを更に、縮重合により架橋させたものであるため、被膜が極めて強靭で削れ難く、高耐久化がはかれていると考えられる。
また、イソシアネート化合物による架橋より、本発明におけるシロキサン結合による架橋の方が結合エネルギーが大きく熱ストレスに対しても安定しているため、被膜の経時安定性が保たれていると推察される。
架橋性モノマーB成分の縮重合触媒としては、チタン系触媒、スズ系触媒、ジルコニウム系触媒、アルミニウム系触媒が揚げられるが、本発明では、これら各種触媒のうち、優れた結果を齎らすチタン系触媒の中でも、特にチタンアルコキシドとチタンキレートが触媒として最も好ましい結果を奏するという知見を基礎とするものである。これは、シラノール基の縮合反応を促進する効果が大きく、且つ触媒が失活しにくいためであると考えられる。チタンアルコキシド系触媒の例としては、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)が挙げられ(化学式は構造式2)、チタンキレート系触媒の例としては、チタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)が挙げられる(化学式は構造式3)。
Figure 0005626569
Figure 0005626569
なお、被覆層は、シラノール基及び/又は加水分解性官能基を有するシリコーン樹脂、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)触媒、必要に応じて、シラノール基及び/又は加水分解性官能基を有するシリコーン樹脂以外の樹脂、溶媒を含む被覆層用組成物を用いて形成することができる。具体的には、被覆層用組成物で芯材粒子を被覆しながら、シラノール基を縮合させることにより形成してもよいし、被覆層用組成物で芯材粒子を被覆した後に、シラノール基を縮合させることにより形成してもよい。被覆層用組成物で芯材粒子を被覆しながら、シラノール基を縮合させる方法としては、特に限定されないが、熱、光等を付与しながら、被覆層用組成物で芯材粒子を被覆する方法等が挙げられる。また、被覆層用組成物で芯材粒子を被覆した後に、シラノール基を縮合させる方法としては、特に限定されないが、被覆層用組成物で芯材粒子を被覆した後に、加熱する方法等が挙げられる。
シラノール基及び/又は加水分解性官能基を有するシリコーン樹脂以外の樹脂としては、特に限定されないが、アクリル樹脂、アミノ樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体のターポリマー等のフルオロターポリマー、シラノール基又は加水分解性官能基を有さないシリコーン樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、芯材粒子及び導電性粒子との密着性が強く、脆性が低いことから、アクリル樹脂が好ましい。
アクリル樹脂は、ガラス転移点が20〜100℃であることが好ましく、25〜80℃がさらに好ましい。このようなアクリル樹脂は、適度な弾性を有しているため、現像剤を摩擦帯電させる際に、トナーとキャリアの摩擦あるいはキャリア同士の摩擦による被覆層への強い衝撃を伴う場合に、衝撃を吸収することができ、被覆層を破損することなく、維持することができる。
また、被覆層は、アクリル樹脂とアミノ樹脂の架橋物を含有することがさらに好ましい。
これにより、適度な弾性を維持したまま、被覆層同士の融着を抑制することができる。
アミノ樹脂としては、特に限定されないが、キャリアの帯電付与能力を向上させることができるため、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂が好ましい。また、適度にキャリアの帯電付与能力を制御する必要がある場合には、メラミン樹脂及び/又はベンゾグアナミン樹脂と、他のアミノ樹脂を併用してもよい。
アミノ樹脂と架橋し得るアクリル樹脂としては、ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を有するものが好ましく、ヒドロキシル基を有するものがさらに好ましい。これにより、芯材粒子や導電性粒子との密着性をさらに向上させることができ、導電性粒子の分散安定性も向上させることができる。このとき、アクリル樹脂は、水酸基価が10mgKOH/g以上であることが好ましく、20mgKOH/g以上がさらに好ましい。
本発明において、被覆層用組成物は、導電性粒子を含有することが好ましい。これにより、キャリアの体積固有抵抗を調整することができる。導電性粒子としては、特に限定されないが、カーボンブラック、ITO、酸化錫、酸化亜鉛、硫酸バリウム等の金属酸化物、金属塩等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
導電性粒子の添加量は、シリコーン樹脂に対して、0.1〜1000質量%であることが好ましい。導電性粒子の添加量が0.1質量%未満であると、キャリアの体積固有抵抗を調整する効果が不十分となることがあり、1000質量%を超えると、導電性微粒子を保持することが難しくなり、キャリアの表面層が破壊され易くなる。
前記静電潜像現像用キャリアは、前記被覆層中に硫酸バリウムを含有することが特に好ましい。前記硫酸バリウムを前記被覆層中に含ませることで、トナーとの帯電性が高く、表層に外添剤やトナー樹脂がスペントしにくくなる。これは、硫酸バリウムが前記被覆層の樹脂に比べて硬度が高いため、付着した添加剤や樹脂が他のキャリアとの摩擦によって外れやすいためと考えられる。このため、前記静電潜像現像用キャリアは、長時間の高画像面積での出力後も帯電性を保つことができる。
更に、前記硫酸バリウムを含有させることにより別の効果も期待することができる。
低画像面積(トナーの収支が少ない状態)で長時間動作しているとキャリア被覆層が削れて芯材が露出し、キャリアの抵抗が下がり、キャリアが現像されて画像上に白斑点のような異常画像を発生させる問題がある。
しかしながら、硫酸バリウム粒子を樹脂中に分散させて存在させることによって、前記被覆層の強度が上がり、削れにくいキャリアコート膜となる。これによって、トナーの収支が少ない状態で長時間現像器を動作しても、前記被覆層の削れ量は少なく、樹脂のみを被覆した被覆層よりもはるかに長い期間キャリアを使用することができる。
ここで、X線光電子分光(XPS)により測定した全元素に対するBaとSiの含有量の比、Ba/Siが、0.01以上0.08以下であることが好ましい。
前記Ba/Siが0.01未満であると、Baによる帯電能力が十分でないため、帯電を保つことができず、地汚れやトナー飛散等の問題が発生する。また、前記硫酸バリウムが少ないために被覆層の削れが起こりやすくなり、キャリア付着の問題が起こりやすくなる。
一方、前記Ba/Siが0.08を超えると、帯電量が高すぎるために十分な現像能力を得ることができない。また、前記樹脂に対する前記硫酸バリウム量が多すぎるために分散粒子径が悪化し、前記硫酸バリウムが凝集した状態で前記被覆層に存在するため、前記硫酸バリウムが外れやすく、地汚れやトナー飛散といった問題を引き起こす。
なお、前記Ba/Si比としては、0.03以上が好ましい。これは印刷業などのより高画像面積率における使用が見込まれる場合、0.03未満であると十分な帯電量が得られなくなることがあるためである。
また、前記X線光電子分光(XPS)により測定した全元素に対するBaの含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、0.2atomic%(個数)〜1.2atomic%(個数)であることが好ましい。
前記Baの含有量が、0.2atomic%(個数)未満であると、前記Baによる帯電能力が十分でないため、帯電を保つことができず、地汚れやトナー飛散等の問題が発生することがあり、1.2atomic%(個数)を超えると、帯電量が高すぎるために十分な現像能力を得ることができないことがある。
前記Ba/Si比を調整する方法としては、特に制限はないが、前記硫酸バリウムの含有量を調整することが有効である。
前記硫酸バリウムの含有量としては、前記シリコーン樹脂100質量部に対して、2質量部〜12質量部が好ましく、4量部〜10質量部がより好ましく、6質量部〜10質量部が特に好ましい。
前記含有量が、2質量部未満であると、表面に存在するバリウム量が減少し、十分な帯電能力を得ることができないため、地汚れやトナー飛散等の問題が発生することがあり、12質量部を超えると、樹脂中の硫酸バリウム量が飽和してしまい、コート膜がもろくなることがある。
また、前記硫酸バリウムをキャリアコート液(被覆層用組成物)に分散する際には、より細かく分散できる工程にすることが重要である。これは、同じ処方量であっても細かく分散した方が前記硫酸バリウムの表面積が大きくなるため、前記キャリアコート表面に占める表面積も当然大きくなるためである。また、前記被覆層の強度も上がるため、より強いストレスを掛けてもキャリア抵抗が下がることがない。
ここで、前記BaとSiの含有量の比、Ba/Siの測定は、X線電子分光装置(XPS)を使用して測定する。詳細は以下に記述する。
測定装置 :Kratos社製 AXIS−ULTRA
測定光源 :Al(モノクロメータ)
測定出力 :90W(15kV、6mA)
測定領域 :900×600μm
パスエネルギー :(wide scan)160eV、(narrow scan)40eV
エネルギーstep:(Wide scan)1.0eV、(narrow scan)0.2eV
相対感度係数 :Kratosの相対感度係数を使用
磁性体のため、MAGNET CONTROLLERをOFFの状態で測定を行う。
前記測定は、試料を深さ0.3mmの円筒形の穴の空いたチップに入れて表面の平らな部分を測定する。測定結果は、atomic%(個数)で表され、この測定値の比を使用する。
更に、前記被覆層に含まれる前記硫酸バリウムの平均粒子径Dと、該被覆層の厚みhとの比、1.0<D/h<2.0であることが好ましい。
前記D/hが1.0未満であると、前記硫酸バリウムの微粒子は、結着樹脂中に埋もれてしまうため、キャリア表面に、凸となる硫酸バリウムが減少し、十分なトナースペントの抑制効果を得ることができないことがある。また、凸となる粒子が少ないために前記結着樹脂層が削られやすく、キャリアを長時間攪拌した際の抵抗低下が大きくなる問題点ある場合がある。
前記D/hが2.0を超えると、前記硫酸バリウムと前記結着樹脂との接触面積が少ないため、充分な拘束力が得られず、前記硫酸バリウムが脱離し易くなることがある。前記硫酸バリウムが脱離した場合には抵抗低下を引き起こしてしまうことがある。
前記被覆層における樹脂部の厚みhの測定方法としては、特に制限はなく、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、キャリア断面を観察し、キャリア表面を覆う被覆層の樹脂部の厚みを測定し、その平均値からを求めることができる。具体的には、芯材表面と粒子との間に存在する樹脂部の厚みのみを測定する。粒子間に存在する樹脂部の厚みや、無機微粒子上の樹脂部の厚みは測定には含めない。前記キャリア断面の任意の50点測定の平均を求め厚みh(μm)とすることができる。
前記硫酸バリウムの平均粒子径(D)の測定方法としては、特に制限はなく、例えば、自動粒度分布測定装置CAPA−700(堀場製作所製)にて体積平均粒子径を測定する。
測定の前処理として、ジューサーミキサーにアミノシラン(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)30mlにトルエン溶液300mlを入れる。試料6.0gを加え、ミキサー回転速度をlowにセットし3分間分散する。1,000mlビーカーに予め用意されたトルエン溶液500mlの中に分散液を適量加えて希釈する。希釈液はホモジナイザーにて常に攪拌を続ける。この希釈溶液を超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA−700にて測定する。
測定条件
回転速度:2,000rpm
最大粒度:2.0μm
最小粒度:0.1μm
粒度間隔:0.1μm
分散媒粘度:0.59mPa・s
分散媒密度:0.87g/cm
粒子密度:硫酸バリウムの密度は乾式自動嵩密度計アキュピック1330(島津製作所社製)を用い測定した真比重値を入力
また、本発明に用いる別な導電性微粒子としては、前記のように酸化スズ、例えば表面に炭素を有する酸化スズ微粒子を用いることができる。
酸化スズ微粒子の表面に炭素が付着していると、酸化スズの抵抗値の径時安定性がもたらされる。表面炭素量と導電性酸化スズ抵抗の関係は明らかではないが、表面の炭素量が多すぎると、導電性酸化スズの抵抗値の径時安定性が劣る。更に、キャリア膜削れ等によりトナーへ混入した際に、カーボンブラック同様に色汚れの問題があるので、表面炭素量は極微量である必要がある。導電性微粒子中の炭素量は、高周波燃焼−赤外吸収法(LECO社製,IR−412型)を用いて定量分析可能である。
表面に炭素を有する酸化スズ微粒子(導電性微粒子)は、例えば、酸化スズ微粉末をエタノールに浸漬した後、窒素雰囲気下で保持することによって表面改質処理を行って、得ることができる。
本発明において、被覆層用組成物は、シランカップリング剤を含有することが好ましい。これにより、導電性粒子を安定に分散させることができる。
シランカップリング剤としては、特に限定されないが、r−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、r−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、r−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−r−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、r−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、r−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、r−クロルプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、r−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、r−クロルプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロルシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、1,3−ジビニルテトラメチルジシラザン、メタクリルオキシエチルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
シランカップリング剤の市販品としては、AY43−059、SR6020、SZ6023、SH6026、SZ6032、SZ6050、AY43−310M、SZ6030、SH6040、AY43−026、AY43−031、sh6062、Z−6911、sz6300、sz6075、sz6079、sz6083、sz6070、sz6072、Z−6721、AY43−004、Z−6187、AY43−021、AY43−043、AY43−040、AY43−047、Z−6265、AY43−204M、AY43−048、Z−6403、AY43−206M、AY43−206E、Z6341、AY43−210MC、AY43−083、AY43−101、AY43−013、AY43−158E、Z−6920、Z−6940(東レ・シリコーン社製)等が挙げられる。
シランカップリング剤の添加量は、シリコーン樹脂に対して、0.1〜10質量%であることが好ましい。シランカップリング剤の添加量が0.1質量%未満であると、芯材粒子や導電性粒子とシリコーン樹脂の接着性が低下して、長期間の使用中に被覆層が脱落することがあり、10質量%を超えると、長期間の使用中にトナーのフィルミングが発生することがある。
本発明において、被覆層は、平均膜厚が0.05〜4μmであることが好ましい。平均膜厚が0.05μm未満であると、被覆層が破壊されやすくなり、膜が削れてしまうことがあり、4μmを超えると、被服層は磁性体でないため、画像にキャリア付着し易くなる。
本発明において、芯材粒子としては、磁性体であれば、特に限定されないが、鉄、コバルト等の強磁性金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;各種合金や化合物;これらの磁性体を樹脂中に分散させた樹脂粒子等が挙げられる。中でも、環境面への配慮から、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Srフェライト等が好ましい。
本発明において、芯材粒子は、重量平均粒径が20〜65μmであることが好ましい。
重量平均粒径が20μm未満であると、キャリア付着が発生することがあり、65μmを超えると、画像細部の再現性が低下し、精細な画像を形成できなくなることがある。
なお、重量平均粒径は、マイクロトラック粒度分布計モデルHRA9320―X100(日機装社製)を用いて測定することができる。
また、本発明のキャリアは、1kOe(10/4π[A/m])の磁場における磁化が、40〜90Am/kgであることが好ましい。この磁化が40Am/kg未満であると、画像にキャリアが付着することがあり、90Am/kgを超えると、磁性穂が硬くなり、画像カスレが発生することがある。
なお、磁化は、VSM−P7−15(東英工業社製)を用いて測定することができる。
本発明のキャリアは、体積固有抵抗が1×10〜1×1017Ω・cmであることが好ましい。体積固有抵抗が1×10Ω・cm未満であると、非画像部でキャリア付着が発生することがあり、1×1017Ω・cmを超えると、エッジ効果が許容できないレベルになることがある。
なお、体積固有抵抗は、図1に示すセルを用いて測定することができる。具体的には、まず、表面積2.5cm×4cmの電極(1a)及び電極(1b)を、0.2cmの距離を隔てて収容したフッ素樹脂製容器(2)からなるセルに、キャリア(3)を充填し、落下高さ1cm、タッピングスピード30回/分で、10回のタッピングを行う。次に、電極(1a)及び(1b)の間に1000Vの直流電圧を印加して30秒後の抵抗値r[Ω]を、ハイレジスタンスメーター4329A(横河ヒューレットパッカード社製)を用いて測定し、下式1から、体積固有抵抗[Ω・cm]を算出することができる。
Figure 0005626569
本発明の現像剤は、本発明のキャリア及びトナーを有する。
トナーは、結着樹脂と着色剤を含有するが、モノクロトナー及びカラートナーのいずれであってもよい。また、定着ローラにトナー固着防止用オイルを塗布しないオイルレスシステムに適用するために、トナーは、離型剤を含有してもよい。このようなトナーは、一般に、フィルミングが発生しやすいが、本発明のキャリアは、フィルミングを抑制することができるため、本発明の現像剤は、長期に亘り、良好な品質を維持することができる。
さらに、カラートナー、特に、イエロートナーは、一般に、キャリアの被覆層の削れによる色汚れが発生するという問題があるが、本発明の現像剤は、色汚れの発生を抑制することができる。
トナーは、粉砕法、重合法等の公知の方法を用いて製造することができる。例えば、粉砕法を用いてトナーを製造する場合、まず、トナー材料を混練することにより得られる溶融混練物を冷却した後、粉砕し、分級して、母体粒子を作製する。次に、転写性、耐久性をさらに向上させるために、母体粒子に外添剤を添加し、トナーを作製する。
このとき、トナー材料を混練する装置としては、特に限定されないが、バッチ式の2本ロール;バンバリーミキサー;KTK型2軸押出し機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出し機(東芝機械社製)、2軸押出し機(KCK社製)、PCM型2軸押出し機(池貝鉄工社製)、KEX型2軸押出し機(栗本鉄工所社製)等の連続式の2軸押出し機;コ・ニーダ(ブッス社製)等の連続式の1軸混練機等が挙げられる。
また、冷却した溶融混練物を粉砕する際には、ハンマーミル、ロートプレックス等を用いて粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機、機械式の微粉砕機等を用いて微粉砕することができる。なお、平均粒径が3〜15μmとなるように粉砕することが好ましい。
さらに、粉砕された溶融混練物を分級する際には、風力式分級機等を用いることができる。なお、母体粒子の平均粒径が5〜20μmとなるように分級することが好ましい。
また、母体粒子に外添剤を添加する際には、ミキサー類を用いて混合攪拌することにより、外添剤が解砕されながら母体粒子の表面に付着する。
結着樹脂としては、特に限定されないが、ポリスチレン、ポリp−スチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の単独重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロロメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体;ポリメタクリル酸メチル、ポリメタクリル酸ブチル、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリエステル、ポリウレタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は芳香族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
圧力定着用の結着樹脂としては、特に限定されないが、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン等のポリオレフィン;エチレン−アクリル酸共重合体、エチレン−アクリル酸エステル共重合体、スチレン−メタクリル酸共重合体、エチレン−メタクリル酸エステル共重合体、エチレン−塩化ビニル共重合体、エチレン−酢酸ビニル共重合体、アイオノマー樹脂等のオレフィン共重合体;エポキシ樹脂、ポリエステル、スチレン−ブタジエン共重合体、ポリビニルピロリドン、メチルビニルエーテル−無水マレイン酸共重合体、マレイン酸変性フェノール樹脂、フェノール変性テルペン樹脂等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
着色剤(顔料又は染料)としては、特に限定されないが、カドミウムイエロー、ミネラルファストイエロー、ニッケルチタンイエロー、ネーブルスイエロー、ナフトールイエローS、ハンザイエローG、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローGR、キノリンイエローレーキ、パーマネントイエローNCG、タートラジンレーキ等の黄色顔料;モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、インダンスレンブリリアントオレンジRK、ベンジジンオレンジG、インダンスレンブリリアントオレンジGK等の橙色顔料;ベンガラ、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ピラゾロンレッド、ウォッチングレッドカルシウム塩、レーキレッドD、ブリリアントカーミン6B、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、アリザリンレーキ、ブリリアントカーミン3B等の赤色顔料;ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等の紫色顔料;コバルトブルー、アルカリブルー、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー部分塩素化物、ファーストスカイブルー、インダンスレンブルーBC等の青色顔料;クロムグリーン、酸化クロム、ピグメントグリーンB、マラカイトグリーンレーキ等の緑色顔料;カーボンブラック、オイルファーネスブラック、チャンネルブラック、ランプブラック、アセチレンブラック、アニリンブラック等のアジン系色素、金属塩アゾ色素、金属酸化物、複合金属酸化物等の黒色顔料等が挙げられ、二種以上を併用してもよい。
離型剤としては、特に限定されないが、ポリエチレン、ポリプロピレン等のポリオレフィン、脂肪酸金属塩、脂肪酸エステル、パラフィンワックス、アミド系ワックス、多価アルコールワックス、シリコーンワニス、カルナウバワックス、エステルワックス等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
また、トナーは、帯電制御剤をさらに含有してもよい。帯電制御剤としては、特に限定されないが、ニグロシン;炭素数が2〜16のアルキル基を有するアジン系染料(特公昭42−1627号公報参照);C.I.Basic Yello 2(C.I.41000)、C.I.Basic Yello 3、C.I.Basic Red 1(C.I.45160)、C.I.Basic Red 9(C.I.42500)、C.I.Basic Violet 1(C.I.42535)、C.I.Basic Violet 3(C.I.42555)、C.I.Basic Violet 10(C.I.45170)、C.I.Basic Violet 14(C.I.42510)、C.I.Basic Blue 1(C.I.42025)、C.I.Basic Blue 3(C.I.51005)、C.I.Basic Blue 5(C.I.42140)、C.I.Basic Blue 7(C.I.42595)、C.I.Basic Blue 9(C.I.52015)、C.I.Basic Blue 24(C.I.52030)、C.I.Basic Blue25(C.I.52025)、C.I.Basic Blue 26(C.I.44045)、C.I.Basic Green 1(C.I.42040)、C.I.Basic Green 4(C.I.42000)等の塩基性染料;これらの塩基性染料のレーキ顔料;C.I.Solvent Black 8(C.I.26150)、ベンゾイルメチルヘキサデシルアンモニウムクロライド、デシルトリメチルクロライド等の4級アンモニウム塩;ジブチル、ジオクチル等のジアルキルスズ化合物;ジアルキルスズボレート化合物;グアニジン誘導体;アミノ基を有するビニル系ポリマー、アミノ基を有する縮合系ポリマー等のポリアミン樹脂;特公昭41−20153号公報、特公昭43−27596号公報、特公昭44−6397号公報、特公昭45−26478号公報に記載されているモノアゾ染料の金属錯塩;特公昭55−42752号公報、特公昭59−7385号公報に記載されているサルチル酸;ジアルキルサルチル酸、ナフトエ酸、ジカルボン酸のZn、Al、Co、Cr、Fe等の金属錯体;スルホン化した銅フタロシアニン顔料;有機ホウ素塩類;含フッ素4級アンモニウム塩;カリックスアレン系化合物等が挙げられるが、二種以上併用してもよい。なお、ブラック以外のカラートナーにおいては、白色のサリチル酸誘導体の金属塩等が好ましい。
外添剤としては、特に限定されないが、シリカ、酸化チタン、アルミナ、炭化珪素、窒化珪素、窒化ホウ素等の無機粒子;ソープフリー乳化重合法により得られる平均粒径が0.05〜1μmのポリメタクリル酸メチル粒子、ポリスチレン粒子等の樹脂粒子が挙げられ、二種以上併用してもよい。中でも、表面が疎水化処理されているシリカ、酸化チタン等の金属酸化物粒子が好ましい。さらに、疎水化処理されているシリカ及び疎水化処理されている酸化チタンを併用し、疎水化処理されているシリカよりも疎水化処理されている酸化チタンの添加量を多くすることにより、湿度に対する帯電安定性に優れるトナーが得られる。
[画像形成装置、画像形成方法]
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程と、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、本発明の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する工程と、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する工程と、記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程とを有する。
図2に、本発明のプロセスカートリッジの一例を示す。プロセスカートリッジ(10)は、感光体(11)、感光体(11)を帯電する帯電装置(12)、感光体(11)上に形成された静電潜像を本発明の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像装置13及び感光体(11)上に形成されたトナー像を記録媒体に転写した後、感光体(11)上に残留したトナーを除去するクリーニング装置(14)が一体に支持されており、プロセスカートリッジ(10)は、複写機、プリンタ等の画像形成装置の本体に対して着脱可能である。
以下、プロセスカートリッジ(10)を搭載した画像形成装置を用いて画像を形成する方法について説明する。まず、感光体(11)が所定の周速度で回転駆動され、帯電装置(12)により、感光体(11)の周面が正又は負の所定電位に均一に帯電される。次に、スリット露光方式の露光装置、レーザービームで走査露光する露光装置等の露光装置(不図示)から感光体(11)の周面に露光光が照射され、静電潜像が順次形成される。さらに、感光体(11)の周面に形成された静電潜像は、現像装置(13)により、本発明の現像剤を用いて現像され、トナー像が形成される。次に、感光体(11)の周面に形成されたトナー像は、感光体(11)の回転と同期されて、給紙部(不図示)から感光体(11)と転写装置(不図示)の間に給紙された転写紙に、順次転写される。さらに、トナー像が転写された転写紙は、感光体(11)の周面から分離されて定着装置(不図示)に導入されて定着された後、複写物(コピー)として、画像形成装置の外部へプリントアウトされる。一方、トナー像が転写された後の感光体(11)の表面は、クリーニング装置(14)により、残留したトナーが除去されて清浄化された後、除電装置(不図示)により除電され、繰り返し画像形成に使用される。
本発明のキャリアを、キャリアとトナーから成る補給用現像剤とし、現像装置内の余剰の現像剤を排出しながら画像形成を行う画像形成装置に適用することで、極めて長期に渡って安定した画像品質が得られる。つまり、現像装置内の劣化したキャリアと、補給用現像剤中の劣化していないキャリアを入れ替え、長期間に渡って帯電量を安定に保ち、安定した画像が得られる。本方式は、特に高画像面積印字時に有効である。高画像面積印字時は、キャリアへのトナースペントによるキャリア帯電劣化が主なキャリア劣化であるが、本方式を用いることで、高画像面積時には、キャリア補給量も多くなるため、劣化したキャリアが入れ替わる頻度があがる。これにより、極めて長期間に渡って安定した画像を得られる。
補給用現像剤の混合比率は、キャリア1質量部に対してトナーを2〜50質量部の配合割合とすることが好ましい。トナーが2質量部未満の場合には、補給キャリア量が多すぎ、キャリア供給過多となり現像装置中のキャリア濃度が高くなりすぎるため、現像剤の帯電量が増加しやすい。又、現像剤帯電量が上がる事により、現像能力が下がり画像濃度が低下してしまう。また50質量部を超えると、補給用現像剤中のキャリア割合が少なくなるため、画像形成装置中のキャリアの入れ替わりが少なくなり、キャリア劣化に対する効果が期待できなくなる。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。なお、「部」は、重量部を表わす。
[樹脂の合成例]
[樹脂合成実施例1](2元系共重合体合成例1)
攪拌器、コンデンサー、温度計、窒素導入管、滴下装置を備えたフラスコにトルエン500gを投入して、窒素ガス気流下で90℃まで昇温した。次に、3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランのサイラプレーン TM−0701T(チッソ社製)211g(500mmol)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン124.0g(500mmol)及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.58g(3mmol)の混合物を1時間で滴下した。さらに、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.06g(0.3mmol)をトルエン15gに溶解した溶液を加えた後、90〜100℃で3時間混合して樹脂1を得た。樹脂1は、重量平均分子量が35000であった。また、不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈した樹脂1の溶液は、粘度が8.5mm/秒であり、比重が0.91であった。
[樹脂合成実施例2](2元系共重合体合成例2)
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン124.0g(500mmol)の代わりに、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン130g(500mmol)を用いた以外は、樹脂1と同様にして、樹脂2を得た。樹脂2は、重量平均分子量が33000であった。また、不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈した樹脂2の溶液は、粘度が8.6mm/秒であり、比重が0.92であった。
[樹脂合成実施例3](2元系共重合体合成例3)
3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランのサイラプレーン TM−0701T(チッソ社製)及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの添加量を、それぞれ379.8g(900mmol)及び24.8g(100mmol)に変更した以外は、樹脂1と同様にして、樹脂3を得た。樹脂3は、重量平均分子量が34000であった。また、不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈した樹脂3の溶液は、粘度が8.7mm/秒であり、比重が0.90であった。
[樹脂合成実施例4](2元系共重合体合成例4)
3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランのサイラプレーン TM−0701T(チッソ社製)及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの添加量を、それぞれ42.2g(100mmol)及び223.2g(900mmol)に変更した以外は、樹脂1と同様にして、樹脂4を得た。樹脂4は、重量平均分子量が37000であった。また、不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈した樹脂4の溶液は、粘度が8.4mm/秒であり、比重が0.92であった。
[樹脂合成実施例5](2元系共重合体合成例5)
3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランのサイラプレーン TM−0701T(チッソ社製)211g(500mmol)及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン124.0g(500mmol)の代わりに、4−アクリロキシブチルトリス(トリイソプロピルシロキシ)シラン168.5g(250mmol)及び3−メタクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン83g(250mmol)を用いた以外は、樹脂1と同様にして、樹脂5を得た。樹脂5は、重量平均分子量が39000であった。また、不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈した樹脂5の溶液は、粘度が8.9mm/秒であり、比重が0.94であった。
[樹脂合成実施例6](3元系共重合体合成例1)
攪拌器、コンデンサー、温度計、窒素導入管、滴下装置を備えたフラスコにトルエン300gを投入して、窒素ガス気流下で90℃まで昇温した。次に、3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランのサイラプレーン TM−0701T(チッソ社製)84.4g(200mmol)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン37.2g(150mmol)、メタクリル酸メチル65.0g(650mmol)及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.58g(3mmol)の混合物を1時間で滴下した。さらに、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.06g(0.3mmol)をトルエン15gに溶解した溶液を加えた後、90〜100℃で3時間混合して樹脂6を得た。樹脂6は、重量平均分子量が34000であった。また、不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈した樹脂6の溶液は、粘度が8.7mm/秒であり、比重が0.91であった。
[樹脂合成実施例7](比較用樹脂合成例1)
3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランのサイラプレーン TM−0701T(チッソ社製)及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの添加量を、それぞれ422g(1000mmol)及び0g(0mmol)に変更した以外は、樹脂1と同様にして、樹脂7を得た。樹脂7は、重量平均分子量が37000であった。また、不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈した樹脂7の溶液は、粘度が8.4mm/秒であり、比重が0.91であった。
[樹脂合成実施例8](比較用樹脂合成例2)
3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランのサイラプレーン TM−0701T(チッソ社製)及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの添加量を、それぞれ0g(0mmol)及び248g(1000mmol)に変更した以外は、樹脂1と同様にして、樹脂8を得た。樹脂8は、重量平均分子量が33000であった。また、不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈した樹脂8の溶液は、粘度が8.7mm/秒であり、比重が0.90であった。
[樹脂合成実施例9](比較用樹脂合成例3)
攪拌器、コンデンサー、温度計、窒素導入管、滴下装置を備えたフラスコにメチルエチルケトン100部を投入して、窒素雰囲気下、80℃まで昇温した。次に、メタクリル酸メル32.6部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル2.5部、3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン64.9部及び1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)1部をメチルエチルケトン100部に溶解させた溶液を2時間で滴下し、5時間熟成させ、樹脂9を得た。樹脂9は、重量平均分子量が45000であった。また、不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈した樹脂9の溶液は、粘度が9.4mm/秒であり、比重が0.94であった。
[樹脂合成実施例10](比較用樹脂合成例4)
3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランのサイラプレーン TM−0701T(チッソ社製)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン及びメタクリル酸メチルの添加量を、それぞれ211g(500mmol)、0g(0mmol)及び50.0g(500mmol)に変更した以外は、樹脂6と同様にして、樹脂10を得た。樹脂10は、重量平均分子量が34000であった。また、不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈した樹脂10の溶液は、粘度が8.7mm/秒であり、比重が0.91であった。
[樹脂合成実施例11](比較用樹脂合成例5)
3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランのサイラプレーン TM−0701T(チッソ社製)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン及びメタクリル酸メチルの添加量を、それぞれ0g(0mmol)、124.0g(500mmol)及び50.0g(500mmol)に変更した以外は、樹脂6と同様にして、樹脂11を得た。樹脂11は、重量平均分子量が32000であった。また、不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈した樹脂11の溶液は、粘度が8.5mm/秒であり、比重が0.89であった。
[酸化スズ微粒子製造例]
BET表面積5m/gの酸化スズ微粉末をエタノールに浸漬した後、窒素雰囲気下で加熱し、250℃の温度下で1時間保持することによって表面改質処理を行い、酸化スズ微粒子1を得た。
[キャリア製造例]
[キャリア製造実施例1]
合成例1で得られた重量平均分子量35,000のメタクリル系共重合体(100部)、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)4部を、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。
芯材として重量平均粒径が35μmのMnフェライト粒子を用いて、芯材表面において平均膜厚が0.20μmになるように、流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアAを得た。
[キャリア製造実施例2]
樹脂を合成実施例2の樹脂に替える以外は、キャリア製造実施例1と全く同じ方法で、キャリア製造実施例2にあたるキャリアBを得た。
[キャリア製造実施例3]
樹脂を合成実施例3の樹脂に替える以外は、キャリア製造実施例1と全く同じ方法で、キャリア製造実施例3にあたるキャリアCを得た。
[キャリア製造実施例4]
樹脂を合成実施例4の樹脂に替える以外は、キャリア製造実施例1と全く同じ方法で、キャリア製造実施例4にあたるキャリアDを得た。
[キャリア製造実施例5]
樹脂を合成実施例5の樹脂に替える以外は、キャリア製造実施例1と全く同じ方法で、キャリア製造実施例5にあたるキャリアEを得た。
[キャリア製造実施例6]
樹脂を合成実施例6の樹脂に替える以外は、キャリア製造実施例1と全く同じ方法で、キャリア製造実施例6にあたるキャリアFを得た。
[キャリア製造実施例7]
触媒をチタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)TC−400(マツモトファインケミカル社製)に替える以外は、キャリア製造実施例1と全く同じ方法で、キャリア製造実施例7にあたるキャリアGを得た。
[キャリア製造実施例8]
触媒をチタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)TC−400(マツモトファインケミカル社製)に替える以外は、キャリア製造実施例2と全く同じ方法で、キャリア製造実施例8にあたるキャリアHを得た。
[キャリア製造実施例9]
触媒をチタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)TC−400(マツモトファインケミカル社製)に替える以外は、キャリア製造実施例3と全く同じ方法で、キャリア製造実施例9にあたるキャリアIを得た。
[キャリア製造実施例10]
触媒をチタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)TC−400(マツモトファインケミカル社製)に替える以外は、キャリア製造実施例4と全く同じ方法で、キャリア製造実施例10にあたるキャリアJを得た。
[キャリア製造実施例11]
触媒をチタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)TC−400(マツモトファインケミカル社製)に替える以外は、キャリア製造実施例5と全く同じ方法で、キャリア製造実施例11にあたるキャリアKを得た。
[キャリア製造実施例12]
触媒をチタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)TC−400(マツモトファインケミカル社製)に替える以外は、キャリア製造実施例6と全く同じ方法で、キャリア製造実施例12にあたるキャリアLを得た。
[キャリア製造実施例13]
合成例6で得られた重量平均分子量が34,000のメタクリル系共重合体(100部)、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)4部と導電性微粒子として酸素欠損型酸化スズ被覆硫酸バリウム粉末(三井金属製、商品名パストラン4310)80部とを、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。
芯材として重量平均粒径が35μmのMnフェライト粒子を用いて、芯材表面において平均膜厚が0.20μmになるように、流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアMを得た。
[キャリア製造実施例14]
導電性微粒子を酸化スズ微粒子合成例で得られた酸化スズ微粒子1に替える以外は、キャリア製造実施例6と全く同じ方法で、キャリア製造実施例12にあたるキャリアNを得た。
[キャリア製造比較例1]
樹脂を合成比較例1の樹脂7に替える以外は、キャリア製造実施例1と全く同じ方法で、キャリア製造比較例1にあたるキャリアOを得た。
[キャリア製造比較例2]
樹脂を合成比較例2の樹脂8に替える以外は、キャリア製造実施例1と全く同じ方法で、キャリア製造比較例2にあたるキャリアPを得た。
[キャリア製造比較例3]
樹脂合成比較例3で得られた樹脂9に対して、架橋剤としてイソホロンジイソシアネート/トリメチロールプロパンアダクト(IPDI/TMP系:NCO%=6.1%)をOH/NCOモル比率が(OHは合成例10の樹脂中OH)1/1となるように調整した後MEKで希釈して固形比3重量%であるコート樹脂溶液を調合した。
芯材として重量平均粒径が35μmのMnフェライト粒子を用いて、芯材表面において平均膜厚が0.20μmになるように、流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアQを得た。
[キャリア製造比較例4]
樹脂を合成比較例4の樹脂10に替える以外は、キャリア製造実施例1と全く同じ方法で、キャリア製造比較例4にあたるキャリアRを得た。
[キャリア製造比較例5]
樹脂を合成比較例5の樹脂11に替える以外は、キャリア製造実施例1と全く同じ方法で、キャリア製造比較例5にあたるキャリアSを得た。
[キャリア製造比較例6]
2官能乃至3官能のモノマーから作成された重量平均分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)30部を加える以外はキャリア製造実施例1と全く同じ方法で、キャリア製造比較例6のキャリアTを得た。
[キャリア特性評価]
以下、キャリアの特性の評価方法を示す。
[芯材粒子の重量平均粒径]
マイクロトラック粒度分布計モデルHRA9320−X100(日機装社製)を用いて、芯材粒子の粒度分布を測定した。
[1kOeの磁場における磁化]
キャリア約0.15gを、内径が2.4mm、高さが8.5mmのセルに充填した後、VSM−P7−15(東英工業社製)を用いて、1kOeの磁場において、磁化を測定した。
[体積固有抵抗]
体積固有抵抗は、図1に示すセルを用いて測定した。具体的には、まず、表面積2.5cm×4cmの電極(1a)及び電極(1b)を、0.2cmの距離を隔てて収容したフッ素樹脂製容器(2)からなるセルに、キャリア(3)を充填し、落下高さ1cm、タッピングスピード30回/分で、10回のタッピングを行った。次に、電極(1a)及び(1b)の間に1000Vの直流電圧を印加して30秒後の抵抗r[Ω]を、ハイレジスタンスメーター4329A(横川ヒューレットパッカード社製)を用いて測定し、つぎの[数式1]から、体積固有抵抗[Ωcm]を算出した。
Figure 0005626569
[被覆層の平均膜厚]
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、キャリアの断面を観察して、被覆層の平均膜厚を測定した。得られたキャリアの特性を表1に示す。
Figure 0005626569
[Ba/Siの測定]
キャリアMにおけるBaとSiの含有量の比、Ba/Siの測定は、X線電子分光装置(XPS)を使用して測定した。詳細は以下に記述する。
測定装置 :Kratos社製 AXIS−ULTRA
測定光源 :Al(モノクロメータ)
測定出力 :90W(15kV、6mA)
測定領域 :900×600(μm
パスエネルギー :(wide scan)160eV、(narrow scan)40eV
エネルギーstep:(wide scan)1.0eV,(narrow scan)0.2eV
相対感度係数 :Kratosの相対感度係数を使用
磁性体のため、MAGNET CONTROLLERをOFFの状態で測定を行う。
前記測定は、試料を深さ0.3mmの円筒形の穴の空いたチップに入れて表面の平らな部分を測定した。なお、測定結果は、atomic%(個数)で表され、この測定値の比を使用してBa/Siを算出した。キャリアMのBa/Siは、0.077であった。
[トナー製造例]
[ポリエステル樹脂Aの合成例]
温度計、攪拌機、冷却器および窒素導入管の付いた反応槽中にビスフェノールAのPO付加物(水酸基価 320)443部、ジエチレングリコール135部、テレフタル酸422部およびジブチルチンオキサイド2.5部を入れて、200℃で酸価が10になるまで反応させて、[ポリエステル樹脂A]を得た。本樹脂のTgは63℃、ピーク個数平均分子量6000であった。
[ポリエステル樹脂Bの合成例]
温度計、攪拌機、冷却器および窒素導入管の付いた反応槽中にビスフェノールAのPO付加物(水酸基価 320)443部、ジエチレングリコール135部、テレフタル酸422部およびジブチルチンオキサイド2.5部を入れて、230℃で酸価が7になるまで反応させて、[ポリエステル樹脂B]を得た。本樹脂のTgは65℃、ピーク個数平均分子量16000であった。
ポリエステル樹脂A・・・・40部
ポリエステル樹脂B・・・・60部
カルナバワックス・・・・1部
カーボンブラック(#44 三菱化学社製)・・・・10部
上記のトナー構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、一軸混練機(Buss社製の小型ブス・コ・ニーダー)にて以下の条件で混練を行い(設定温度:入口部100℃、出口部50℃で、フィード量:2kg/Hr)、[母体トナーA1]を得た。
更に、[母体トナーA1]を混練後圧延冷却し、パルペライザーで粉砕し、更に、I式ミル(日本ニューマチック社製IDS−2型にて、平面型衝突板を用い、エアー圧力:6.8atm/cm、フィード量:0.5kg/hrの条件)にて微粉砕を行い、更に分級を行って(アルピネ社製の132MP)、[母体トナー粒子1]を得た。
(外添剤処理)
「母体トナー粒子1」100部に対し、外添剤として疎水性シリカ微粒子(R972:日本アエロジル社製)を1.0部添加し、ヘンシェルミキサーで混合してトナー粒子を得た(以下「トナー1」という)。
[現像剤の作成]
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。なお、「部」は、重量部を表わす。
キャリア製造例で得られたキャリアA〜R(93部)に対して、トナー製造例で得られたトナー1(7.2μm)を7.0部を加えて、ボールミルで20分攪拌して、現像剤A〜Rを作成した。
[現像剤特性評価]
得られた現像剤を用いて、デジタルフルカラー複合機Imagio Neo C600(リコー社製)を用いて、画像評価を実施した。具体的には、まず、実施例及び比較例の現像剤A〜Hと、実施例のトナー1を用いて、画像面積率20%で、初期及び10万枚のランニング後のキャリアの帯電量及び体積固有抵抗を測定し、帯電量の低下量及び体積固有抵抗の変化量を算出した。
なお、初期のキャリアの帯電量(Q1)は、キャリアA〜Tと、実施例のトナー1を、質量比93:7で混合し、摩擦帯電させたサンプルを、ブローオフ装置TB−200(東芝ケミカル社製)を用いて測定した。また、ランニング後のキャリアの帯電量(Q2)は、ブローオフ装置を用いてランニング後の現像剤中の各色のトナーを除去したキャリアを用いた以外は、上記と同様にして測定した。なお、帯電量の変化量の目標値は10μC/g以下である。
一方、初期のキャリアの体積固有抵抗(LogR1)は、上記[体積固有抵抗]と同様にして測定したキャリアの体積固有抵抗の常用対数値である。ランニング後のキャリアの体積固有抵抗(LogR2)は、ブローオフ装置を用いてランニング後の現像剤中の各色のトナーを除去したキャリアを用いた以外は、上記と同様にして測定した。なお、体積固有抵抗の目標値は絶対値で1.5[Log(Ωcm)]以下である。現像剤評価結果を表2に示す。
Figure 0005626569
(図1)
1a 電極
1b 電極
2 フッ素樹脂製容器
3 キャリア
(図2)
10 プロセスカートリッジ
11 感光体
12 帯電装置
13 現像装置
14 クリーニング装置
特開昭55−127569号公報 特開昭55−157751号公報 特開昭56−140358号公報 特開昭57−96355号公報 特開昭57−96356号公報 特開昭58−207054号公報 特開昭61−110161号公報 特開昭62−273576号公報 特開2001−92189号公報 特開平06−222621号公報 特開2006−337828号公報

Claims (21)

  1. 磁性を有する芯材粒子とその表面を被覆する樹脂層とからなる静電潜像現像剤用キャリアであって、該樹脂層は、少なくとも下記一般式(1)で表されるモノマーA成分由来のA部位と下記一般式(2)で表されるモノマーB成分由来のB部位とを含む共重合体を加熱処理して得られた樹脂を含有するものであって、該樹脂層は、前記共重合体を加水分解し、シラノール基を生成し、有機チタン系触媒を用いて縮合することにより得られる架橋物を含有することを特徴とする静電潜像現像剤用キャリア。
    Figure 0005626569
    Figure 0005626569
    (式中において、R、m、R、R、X、及びYは以下に該当するものを示す。)
    :水素原子、またはメチル基
    m:炭素原子数1〜8のアルキレン基
    :炭素原子数1〜4のアルキル基
    は、炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基
    X:10〜90モル%
    Y:10〜90モル%。
  2. 前記共重合体は、下記一般式(5)で表される共重合体を含むことを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
    Figure 0005626569
    (式中において、R、m、R、R、X、Y、及びZは以下に該当するものを示す。)
    :水素原子、またはメチル基
    m:炭素原子数1〜8のアルキレン基
    :炭素原子数1〜4のアルキル基
    :炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基
    X:10〜40モル%
    Y:10〜40モル%
    Z:30〜80モル%
    60モル%<Y+Z<90モル%。
  3. 前記有機チタン系触媒は、チタンアルコキシドであることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
  4. 前記有機チタン系触媒は、チタンキレートであることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
  5. 前記被覆層を被覆して、しかる後に加熱処理して得られたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
  6. 前記加熱処理時の熱処理温度が100〜350℃であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
  7. 前記被覆層は、導電性粒子をさらに含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
  8. 前記導電性粒子が少なくとも硫酸バリウムを含む導電性微粒子であることを特徴とする請求項7に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
  9. X線光電子分光(XPS)により測定される全元素に対するBaとSiとの含有量の比、Ba/Siが、0.01以上0.08以下であることを特徴とするに請求項1乃至8のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
  10. 前記導電性粒子が表面に炭素を有する酸化スズ微粒子であることを特徴とするに請求項7に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
  11. 体積固有抵抗が1×10Ω・cm以上1×1017Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
  12. 前記被覆層は、平均膜厚が0.05μm以上4μm以下であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
  13. 前記芯材粒子は、重量平均粒径が20μm以上65μm以下であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
  14. 1kOeの磁場における磁化が40Am/kg以上90Am/kg以下であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
  15. 請求項1乃至14のいずれかに記載のキャリア及びトナーを有することを特徴とする現像剤。
  16. 前記トナーは、カラートナーであることを特徴とする請求項15に記載の現像剤。
  17. キャリア1質量部に対してトナーを2〜50重量部の配合割合で含有する補給用現像剤であって、該キャリアが請求項1乃至14項のいずれかに記載のキャリアであることを特徴とする補給用現像剤。
  18. 芯材粒子の表面に被覆層を形成する工程を有するキャリアの製造方法であって、前記被覆工程は、下記一般式(1)で表されるモノマーA成分由来のA部位と下記一般式(2)で表されるモノマーB成分由来のB部位とを含む共重合体を加水分解し、シラノール基を生成し、有機チタン系触媒を用いて縮合することにより得られる架橋物を含有する前記被覆層を形成する工程であることを特徴とするキャリアの製造方法。
    Figure 0005626569
    Figure 0005626569
    (式中において、R、m、R、R、X、及びYは以下に該当するものを示す。)
    :水素原子、またはメチル基
    m:炭素原子数1〜8のアルキレン基
    :炭素原子数1〜4のアルキル基
    は、炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基
    X:10〜90モル%
    Y:10〜90モル%。
  19. 請求項15乃至17のいずれかに記載の現像剤を有することを特徴とする現像剤入り容器。
  20. 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、請求項15乃至17のいずれかに記載の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する工程と、該静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する工程と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程とを有することを特徴とする画像形成方法。
  21. 静電潜像担持体、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、請求項15乃至17のいずれかに記載の現像剤を用いて現像する手段が少なくとも一体に支持されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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