JP5626569B2 - 二成分現像剤用キャリア - Google Patents
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Description
更にトナーにワックスを含有させてメンテナンスを容易にした現像剤の場合には、トナースペント量が非常に多くなり、トナー帯電量の低下、トナー飛散および地肌汚れに対する余裕度が低下しているのが現状である。
(1)磁性を有する芯材粒子とその表面を被覆する樹脂層とからなる静電潜像現像剤用キャリアであって、該樹脂層は、少なくとも下記一般式(1)で表されるモノマー成分A由来のA部位と下記一般式(2)で表されるモノマー成分B由来のB部位とを含む共重合体を加熱処理して得られた樹脂を含有するものであって、該樹脂層は、前記共重合体を加水分解し、シラノール基を生成し、有機チタン系触媒を用いて縮合することにより得られる架橋物を含有することを特徴とする静電潜像現像剤用キャリア。
R1:水素原子、またはメチル基
m:炭素原子数1〜8のアルキレン基
R2:炭素原子数1〜4のアルキル基
R3は、炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基
X:10〜90モル%
Y:10〜90モル%。
(2)前記共重合体は、下記一般式(5)で表される共重合体を含むことを特徴とする前記(1)項に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
)
R1:水素原子、またはメチル基
m:炭素原子数1〜8のアルキレン基
R2:炭素原子数1〜4のアルキル基
R3:炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基
X:10〜40モル%
Y:10〜40モル%
Z:30〜80モル%
60モル%<Y+Z<90モル%。
(4)前記有機チタン系触媒は、チタンキレートであることを特徴とする前記(1)項又は(2)項に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(5)前記被覆層を被覆して、しかる後に加熱処理して得られたことを特徴とする前記(1)項乃至(4)項のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(6)前記加熱処理時の熱処理温度が100〜350℃であることを特徴とする前記(1)項乃至(5)項のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(7)前記被覆層は、導電性粒子をさらに含有することを特徴とする前記(1)項乃至(6)項のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(8)前記導電性粒子が少なくとも硫酸バリウムを含む導電性微粒子であることを特徴とする前記(7)項に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(9)X線光電子分光(XPS)により測定される全元素に対するBaとSiとの含有量の比、Ba/Siが、0.01以上0.08以下であることを特徴とするに前記(1)項乃至(8)項のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(10)前記導電性粒子が表面に炭素を有する酸化スズ微粒子であることを特徴とする前記(7)項に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(11)体積固有抵抗が1×109Ω・cm以上1×1017Ω・cm以下であることを特徴とする前記(1)項乃至(10)項のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(12)前記被覆層は、平均膜厚が0.05μm以上4μm以下であることを特徴とする前記(1)項乃至(11)項のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(13)前記芯材粒子は、重量平均粒径が20μm以上65μm以下であることを特徴とする前記(1)項乃至(12)項のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(14)1kOeの磁場における磁化が40Am2/kg以上90Am2/kg以下であることを特徴とする前記(1)項乃至(13)項のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(15)前記(1)項乃至(14)項のいずれかに記載のキャリア及びトナーを有することを特徴とする現像剤。
(16)前記トナーは、カラートナーであることを特徴とする前記(15)項に記載の現像剤。
(17)キャリア1質量部に対してトナーを2〜50重量部の配合割合で含有する補給用現像剤であって、該キャリアが前記(1)項乃至(14)項のいずれかに記載のキャリアであることを特徴とする補給用現像剤。
(18)芯材粒子の表面に被覆層を形成する工程を有するキャリアの製造方法であって、前記被覆工程は、下記一般式(1)で表されるモノマー成分A由来のA部位と下記一般式(2)で表されるモノマー成分B由来のB部位とを含む共重合体を加水分解し、シラノール基を生成し、有機チタン系触媒を用いて縮合することにより得られる架橋物を含有する前記被覆層を形成する工程であることを特徴とするキャリアの製造方法。
R1:水素原子、またはメチル基
m:炭素原子数1〜8のアルキレン基
R2:炭素原子数1〜4のアルキル基
R3は、炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基
X:10〜90モル%
Y:10〜90モル%。
(20)静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程と、該静電潜像担持体上に形成され
た静電潜像を、前記(15)乃至(17)項のいずれかに記載の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する工程と、該静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する工程と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程とを有することを特徴とする画像形成方法。
(21)静電潜像担持体、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、前記(15)項
乃至(17)項のいずれかに記載の現像剤を用いて現像する手段が少なくとも一体に支持されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
本発明の静電潜像現像剤用キャリアは、磁性を有する芯材粒子とその表面を被覆する樹脂層とからなり、磁性を有する芯材粒子と該芯材粒子表面を被覆する被覆層とからなる静
電潜像現像剤用キャリアであって、該被覆層は、下記一般式(3)、(5)で示した共重合体を加水分解し、シラノール基を生成し、有機チタン系触媒を用いて縮合することにより得られる架橋物を含有することを特徴とする静電潜像現像剤用キャリアである。
即ち、本発明のキャリアは、後述のモノマーA成分およびモノマーB成分(但し、量比等の理解を容易にするため各成分由来の部位で表示)をラジカル共重合して得られる二元系のアクリル系共重合体(下記一般式(3)の共重合体)、または、モノマーA成分、モノマーB成分およびモノマーC成分(下記一般式(4))をラジカル共重合して得られる三元系のアクリル系共重合体(一般式(5)の共重合体)、を加水分解し、シラノール基を生成し、有機チタン系触媒を用いて縮合することにより架橋、被覆した後、加熱処理して得られる静電潜像現像用キャリアである。
R1:水素原子、またはメチル基。
m:炭素原子数1〜8のメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基。
R2:炭素原子数1〜4のメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、及びブチル基等のアルキル基。
R3:炭素数1〜8のメチル基、エチル基、プロピル基、イソプロピル基、及びブチル基等のアルキル基、または炭素数1〜4のメトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基等のアルコキシ基。
R1:水素原子、またはメチル基、
m:炭素原子数1〜8のメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基、
R2:炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基、である。
また、A成分において、X=10〜90モル%であり、より好ましくは、30〜70モル%である。
R2は炭素原子数1〜4のアルキル基であり、このようなモノマー成分としては、次式で示されるトリス(トリアルキルシロキシ)シラン化合物が例示される。
下式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Prはプロピル基である。
CH2=CMe−COO−C3H6−Si(OSiMe3)3
CH2=CH−COO−C3H6−Si(OSiMe3)3
CH2=CMe−COO−C4H8−Si(OSiMe3)3
CH2=CMe−COO−C3H6−Si(OSiEt3)3
CH2=CH−COO−C3H6−Si(OSiEt3)3
CH2=CMe−COO−C4H8−Si(OSiEt3)3
CH2=CMe−COO−C3H6−Si(OSiPr3)3
CH2=CH−COO−C3H6−Si(OSiPr3)3
CH2=CMe−COO−C4H8−Si(OSiPr3)3
R1:水素原子、またはメチル基、
m:炭素原子数1〜8のメチレン基、エチレン基、プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基、
R2:炭素原子数1〜4の脂肪族炭化水素基であり、メチル基、エチル基、プロピル基、及びブチル基、
R3:炭素数1〜8のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、ブチル基など)、又は炭素数1〜4のアルコキシ基(メトキシ基、エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基)、を示す。
B成分が10モル%未満だと、強靭さが十分得られない。一方、90モル%より多いと、被膜は固くて脆くなり、膜削れが発生し易くなる。また、環境特性が悪化する。加水分解した架橋成分がシラノール基として多数残り、環境特性(湿度依存性)を悪化させていることも考えられる。
C成分としては、アクリル酸エステル、メタクリル酸エステルが好ましく、具体的には、メチルメタクリレート、メチルアクリレート、エチルメタクリレート、エチルアクリレート、ブチルメタクリレート、ブチルアクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジメチルアミノ)エチルアクリレート、3−(ジメチルアミノ)プロピルメタクリレート、3−(ジメチルアミノ)プロピルアクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチルメタクリレート、2−(ジエチルアミノ)エチルアクリレートが例示される。
これらの内ではアルキルメタクリレートが好ましく、特にメチルメタクリレートが好ましい。また、これらの化合物の1種類を単独で使用してもよく、2種類以上の混合物を使用してもよい。
C成分は、被膜に可とう性を付与し、かつ、芯材と被膜との接着性を良好にしている。
C成分が30モル%未満だと十分な接着性が得られず、80モル%より大きくなると、X、およびYのいずれかが10以下となるため、キャリア被膜の撥水性、硬さと可とう性(膜削れ)を両立させることが難しくなる。
つまり、特許第3691115号明細書記載のものは、磁性粒子表面を、少なくとも末端にビニル基を有するオルガノポリシロキサンと、ヒドロキシル基、アミノ基、アミド基およびイミド基からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有するラジカル共重合性単量体との共重合体をイソシアネート系化合物により架橋させた熱硬化性樹脂で被覆したことを特徴とする静電荷像現像用キャリアであるが、被膜の剥がれ・削れにおいて十分な耐久性が得られていないのが現状である。
その理由は十分明らかになっているとは言えないが、前述の共重合体をイソシアネート系化合物により架橋させた熱硬化性樹脂の場合、構造式からも分かるように、共重合体樹脂中のイソシアネート化合物と反応(架橋)する単位重量当りの官能基(活性水素含有基)が少なく、架橋点において、二次元、あるいは三次元的な緻密な架橋構造を形成することができない。そのために長時間使用すると、被膜剥がれ・削れなどが生じ(被膜の耐磨耗性が小さく)易く、十分な耐久性が得られていないと推察される。
被膜の剥がれ・削れが生じると、キャリア抵抗低下による画像品質の変化、キャリア付着が起こる。また被膜の剥がれ・削れは、現像剤の流動性を低下させ、汲み上げ量低下を引き起こし、画像濃度低下、TCアップに伴う時汚れ、トナー飛散の原因となっている。
また、イソシアネート化合物による架橋より、本発明におけるシロキサン結合による架橋の方が結合エネルギーが大きく熱ストレスに対しても安定しているため、被膜の経時安定性が保たれていると推察される。
これにより、適度な弾性を維持したまま、被覆層同士の融着を抑制することができる。
アミノ樹脂としては、特に限定されないが、キャリアの帯電付与能力を向上させることができるため、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂が好ましい。また、適度にキャリアの帯電付与能力を制御する必要がある場合には、メラミン樹脂及び/又はベンゾグアナミン樹脂と、他のアミノ樹脂を併用してもよい。
導電性粒子の添加量は、シリコーン樹脂に対して、0.1〜1000質量%であることが好ましい。導電性粒子の添加量が0.1質量%未満であると、キャリアの体積固有抵抗を調整する効果が不十分となることがあり、1000質量%を超えると、導電性微粒子を保持することが難しくなり、キャリアの表面層が破壊され易くなる。
低画像面積(トナーの収支が少ない状態)で長時間動作しているとキャリア被覆層が削れて芯材が露出し、キャリアの抵抗が下がり、キャリアが現像されて画像上に白斑点のような異常画像を発生させる問題がある。
しかしながら、硫酸バリウム粒子を樹脂中に分散させて存在させることによって、前記被覆層の強度が上がり、削れにくいキャリアコート膜となる。これによって、トナーの収支が少ない状態で長時間現像器を動作しても、前記被覆層の削れ量は少なく、樹脂のみを被覆した被覆層よりもはるかに長い期間キャリアを使用することができる。
前記Ba/Siが0.01未満であると、Baによる帯電能力が十分でないため、帯電を保つことができず、地汚れやトナー飛散等の問題が発生する。また、前記硫酸バリウムが少ないために被覆層の削れが起こりやすくなり、キャリア付着の問題が起こりやすくなる。
一方、前記Ba/Siが0.08を超えると、帯電量が高すぎるために十分な現像能力を得ることができない。また、前記樹脂に対する前記硫酸バリウム量が多すぎるために分散粒子径が悪化し、前記硫酸バリウムが凝集した状態で前記被覆層に存在するため、前記硫酸バリウムが外れやすく、地汚れやトナー飛散といった問題を引き起こす。
なお、前記Ba/Si比としては、0.03以上が好ましい。これは印刷業などのより高画像面積率における使用が見込まれる場合、0.03未満であると十分な帯電量が得られなくなることがあるためである。
前記Baの含有量が、0.2atomic%(個数)未満であると、前記Baによる帯電能力が十分でないため、帯電を保つことができず、地汚れやトナー飛散等の問題が発生することがあり、1.2atomic%(個数)を超えると、帯電量が高すぎるために十分な現像能力を得ることができないことがある。
前記Ba/Si比を調整する方法としては、特に制限はないが、前記硫酸バリウムの含有量を調整することが有効である。
前記含有量が、2質量部未満であると、表面に存在するバリウム量が減少し、十分な帯電能力を得ることができないため、地汚れやトナー飛散等の問題が発生することがあり、12質量部を超えると、樹脂中の硫酸バリウム量が飽和してしまい、コート膜がもろくなることがある。
測定装置 :Kratos社製 AXIS−ULTRA
測定光源 :Al(モノクロメータ)
測定出力 :90W(15kV、6mA)
測定領域 :900×600μm2
パスエネルギー :(wide scan)160eV、(narrow scan)40eV
エネルギーstep:(Wide scan)1.0eV、(narrow scan)0.2eV
相対感度係数 :Kratosの相対感度係数を使用
磁性体のため、MAGNET CONTROLLERをOFFの状態で測定を行う。
前記測定は、試料を深さ0.3mmの円筒形の穴の空いたチップに入れて表面の平らな部分を測定する。測定結果は、atomic%(個数)で表され、この測定値の比を使用する。
前記D/hが1.0未満であると、前記硫酸バリウムの微粒子は、結着樹脂中に埋もれてしまうため、キャリア表面に、凸となる硫酸バリウムが減少し、十分なトナースペントの抑制効果を得ることができないことがある。また、凸となる粒子が少ないために前記結着樹脂層が削られやすく、キャリアを長時間攪拌した際の抵抗低下が大きくなる問題点ある場合がある。
前記D/hが2.0を超えると、前記硫酸バリウムと前記結着樹脂との接触面積が少ないため、充分な拘束力が得られず、前記硫酸バリウムが脱離し易くなることがある。前記硫酸バリウムが脱離した場合には抵抗低下を引き起こしてしまうことがある。
前記硫酸バリウムの平均粒子径(D)の測定方法としては、特に制限はなく、例えば、自動粒度分布測定装置CAPA−700(堀場製作所製)にて体積平均粒子径を測定する。
測定の前処理として、ジューサーミキサーにアミノシラン(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)30mlにトルエン溶液300mlを入れる。試料6.0gを加え、ミキサー回転速度をlowにセットし3分間分散する。1,000mlビーカーに予め用意されたトルエン溶液500mlの中に分散液を適量加えて希釈する。希釈液はホモジナイザーにて常に攪拌を続ける。この希釈溶液を超遠心式自動粒度分布測定装置CAPA−700にて測定する。
測定条件
回転速度:2,000rpm
最大粒度:2.0μm
最小粒度:0.1μm
粒度間隔:0.1μm
分散媒粘度:0.59mPa・s
分散媒密度:0.87g/cm3
粒子密度:硫酸バリウムの密度は乾式自動嵩密度計アキュピック1330(島津製作所社製)を用い測定した真比重値を入力
酸化スズ微粒子の表面に炭素が付着していると、酸化スズの抵抗値の径時安定性がもたらされる。表面炭素量と導電性酸化スズ抵抗の関係は明らかではないが、表面の炭素量が多すぎると、導電性酸化スズの抵抗値の径時安定性が劣る。更に、キャリア膜削れ等によりトナーへ混入した際に、カーボンブラック同様に色汚れの問題があるので、表面炭素量は極微量である必要がある。導電性微粒子中の炭素量は、高周波燃焼−赤外吸収法(LECO社製,IR−412型)を用いて定量分析可能である。
シランカップリング剤としては、特に限定されないが、r−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、r−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、r−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−r−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、r−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、r−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、r−クロルプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、r−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、r−クロルプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロルシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、1,3−ジビニルテトラメチルジシラザン、メタクリルオキシエチルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライド等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
シランカップリング剤の添加量は、シリコーン樹脂に対して、0.1〜10質量%であることが好ましい。シランカップリング剤の添加量が0.1質量%未満であると、芯材粒子や導電性粒子とシリコーン樹脂の接着性が低下して、長期間の使用中に被覆層が脱落することがあり、10質量%を超えると、長期間の使用中にトナーのフィルミングが発生することがある。
本発明において、芯材粒子は、重量平均粒径が20〜65μmであることが好ましい。
重量平均粒径が20μm未満であると、キャリア付着が発生することがあり、65μmを超えると、画像細部の再現性が低下し、精細な画像を形成できなくなることがある。
なお、重量平均粒径は、マイクロトラック粒度分布計モデルHRA9320―X100(日機装社製)を用いて測定することができる。
なお、磁化は、VSM−P7−15(東英工業社製)を用いて測定することができる。
なお、体積固有抵抗は、図1に示すセルを用いて測定することができる。具体的には、まず、表面積2.5cm×4cmの電極(1a)及び電極(1b)を、0.2cmの距離を隔てて収容したフッ素樹脂製容器(2)からなるセルに、キャリア(3)を充填し、落下高さ1cm、タッピングスピード30回/分で、10回のタッピングを行う。次に、電極(1a)及び(1b)の間に1000Vの直流電圧を印加して30秒後の抵抗値r[Ω]を、ハイレジスタンスメーター4329A(横河ヒューレットパッカード社製)を用いて測定し、下式1から、体積固有抵抗[Ω・cm]を算出することができる。
トナーは、結着樹脂と着色剤を含有するが、モノクロトナー及びカラートナーのいずれであってもよい。また、定着ローラにトナー固着防止用オイルを塗布しないオイルレスシステムに適用するために、トナーは、離型剤を含有してもよい。このようなトナーは、一般に、フィルミングが発生しやすいが、本発明のキャリアは、フィルミングを抑制することができるため、本発明の現像剤は、長期に亘り、良好な品質を維持することができる。
さらに、カラートナー、特に、イエロートナーは、一般に、キャリアの被覆層の削れによる色汚れが発生するという問題があるが、本発明の現像剤は、色汚れの発生を抑制することができる。
また、冷却した溶融混練物を粉砕する際には、ハンマーミル、ロートプレックス等を用いて粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機、機械式の微粉砕機等を用いて微粉砕することができる。なお、平均粒径が3〜15μmとなるように粉砕することが好ましい。
さらに、粉砕された溶融混練物を分級する際には、風力式分級機等を用いることができる。なお、母体粒子の平均粒径が5〜20μmとなるように分級することが好ましい。
本発明の画像形成方法は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程と、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、本発明の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する工程と、静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する工程と、記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程とを有する。
補給用現像剤の混合比率は、キャリア1質量部に対してトナーを2〜50質量部の配合割合とすることが好ましい。トナーが2質量部未満の場合には、補給キャリア量が多すぎ、キャリア供給過多となり現像装置中のキャリア濃度が高くなりすぎるため、現像剤の帯電量が増加しやすい。又、現像剤帯電量が上がる事により、現像能力が下がり画像濃度が低下してしまう。また50質量部を超えると、補給用現像剤中のキャリア割合が少なくなるため、画像形成装置中のキャリアの入れ替わりが少なくなり、キャリア劣化に対する効果が期待できなくなる。
[樹脂合成実施例1](2元系共重合体合成例1)
攪拌器、コンデンサー、温度計、窒素導入管、滴下装置を備えたフラスコにトルエン500gを投入して、窒素ガス気流下で90℃まで昇温した。次に、3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランのサイラプレーン TM−0701T(チッソ社製)211g(500mmol)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン124.0g(500mmol)及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.58g(3mmol)の混合物を1時間で滴下した。さらに、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.06g(0.3mmol)をトルエン15gに溶解した溶液を加えた後、90〜100℃で3時間混合して樹脂1を得た。樹脂1は、重量平均分子量が35000であった。また、不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈した樹脂1の溶液は、粘度が8.5mm2/秒であり、比重が0.91であった。
3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン124.0g(500mmol)の代わりに、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン130g(500mmol)を用いた以外は、樹脂1と同様にして、樹脂2を得た。樹脂2は、重量平均分子量が33000であった。また、不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈した樹脂2の溶液は、粘度が8.6mm2/秒であり、比重が0.92であった。
3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランのサイラプレーン TM−0701T(チッソ社製)及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの添加量を、それぞれ379.8g(900mmol)及び24.8g(100mmol)に変更した以外は、樹脂1と同様にして、樹脂3を得た。樹脂3は、重量平均分子量が34000であった。また、不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈した樹脂3の溶液は、粘度が8.7mm2/秒であり、比重が0.90であった。
3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランのサイラプレーン TM−0701T(チッソ社製)及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの添加量を、それぞれ42.2g(100mmol)及び223.2g(900mmol)に変更した以外は、樹脂1と同様にして、樹脂4を得た。樹脂4は、重量平均分子量が37000であった。また、不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈した樹脂4の溶液は、粘度が8.4mm2/秒であり、比重が0.92であった。
3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランのサイラプレーン TM−0701T(チッソ社製)211g(500mmol)及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン124.0g(500mmol)の代わりに、4−アクリロキシブチルトリス(トリイソプロピルシロキシ)シラン168.5g(250mmol)及び3−メタクリロキシプロピルトリイソプロポキシシラン83g(250mmol)を用いた以外は、樹脂1と同様にして、樹脂5を得た。樹脂5は、重量平均分子量が39000であった。また、不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈した樹脂5の溶液は、粘度が8.9mm2/秒であり、比重が0.94であった。
攪拌器、コンデンサー、温度計、窒素導入管、滴下装置を備えたフラスコにトルエン300gを投入して、窒素ガス気流下で90℃まで昇温した。次に、3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランのサイラプレーン TM−0701T(チッソ社製)84.4g(200mmol)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン37.2g(150mmol)、メタクリル酸メチル65.0g(650mmol)及び2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.58g(3mmol)の混合物を1時間で滴下した。さらに、2,2’−アゾビス(2−メチルブチロニトリル)0.06g(0.3mmol)をトルエン15gに溶解した溶液を加えた後、90〜100℃で3時間混合して樹脂6を得た。樹脂6は、重量平均分子量が34000であった。また、不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈した樹脂6の溶液は、粘度が8.7mm2/秒であり、比重が0.91であった。
3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランのサイラプレーン TM−0701T(チッソ社製)及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの添加量を、それぞれ422g(1000mmol)及び0g(0mmol)に変更した以外は、樹脂1と同様にして、樹脂7を得た。樹脂7は、重量平均分子量が37000であった。また、不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈した樹脂7の溶液は、粘度が8.4mm2/秒であり、比重が0.91であった。
3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランのサイラプレーン TM−0701T(チッソ社製)及び3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシランの添加量を、それぞれ0g(0mmol)及び248g(1000mmol)に変更した以外は、樹脂1と同様にして、樹脂8を得た。樹脂8は、重量平均分子量が33000であった。また、不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈した樹脂8の溶液は、粘度が8.7mm2/秒であり、比重が0.90であった。
攪拌器、コンデンサー、温度計、窒素導入管、滴下装置を備えたフラスコにメチルエチルケトン100部を投入して、窒素雰囲気下、80℃まで昇温した。次に、メタクリル酸メル32.6部、メタクリル酸2−ヒドロキシエチル2.5部、3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン64.9部及び1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)1部をメチルエチルケトン100部に溶解させた溶液を2時間で滴下し、5時間熟成させ、樹脂9を得た。樹脂9は、重量平均分子量が45000であった。また、不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈した樹脂9の溶液は、粘度が9.4mm2/秒であり、比重が0.94であった。
3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランのサイラプレーン TM−0701T(チッソ社製)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン及びメタクリル酸メチルの添加量を、それぞれ211g(500mmol)、0g(0mmol)及び50.0g(500mmol)に変更した以外は、樹脂6と同様にして、樹脂10を得た。樹脂10は、重量平均分子量が34000であった。また、不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈した樹脂10の溶液は、粘度が8.7mm2/秒であり、比重が0.91であった。
3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シランのサイラプレーン TM−0701T(チッソ社製)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン及びメタクリル酸メチルの添加量を、それぞれ0g(0mmol)、124.0g(500mmol)及び50.0g(500mmol)に変更した以外は、樹脂6と同様にして、樹脂11を得た。樹脂11は、重量平均分子量が32000であった。また、不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈した樹脂11の溶液は、粘度が8.5mm2/秒であり、比重が0.89であった。
BET表面積5m2/gの酸化スズ微粉末をエタノールに浸漬した後、窒素雰囲気下で加熱し、250℃の温度下で1時間保持することによって表面改質処理を行い、酸化スズ微粒子1を得た。
[キャリア製造実施例1]
合成例1で得られた重量平均分子量35,000のメタクリル系共重合体(100部)、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)4部を、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。
芯材として重量平均粒径が35μmのMnフェライト粒子を用いて、芯材表面において平均膜厚が0.20μmになるように、流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアAを得た。
樹脂を合成実施例2の樹脂に替える以外は、キャリア製造実施例1と全く同じ方法で、キャリア製造実施例2にあたるキャリアBを得た。
樹脂を合成実施例3の樹脂に替える以外は、キャリア製造実施例1と全く同じ方法で、キャリア製造実施例3にあたるキャリアCを得た。
樹脂を合成実施例4の樹脂に替える以外は、キャリア製造実施例1と全く同じ方法で、キャリア製造実施例4にあたるキャリアDを得た。
樹脂を合成実施例5の樹脂に替える以外は、キャリア製造実施例1と全く同じ方法で、キャリア製造実施例5にあたるキャリアEを得た。
樹脂を合成実施例6の樹脂に替える以外は、キャリア製造実施例1と全く同じ方法で、キャリア製造実施例6にあたるキャリアFを得た。
触媒をチタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)TC−400(マツモトファインケミカル社製)に替える以外は、キャリア製造実施例1と全く同じ方法で、キャリア製造実施例7にあたるキャリアGを得た。
触媒をチタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)TC−400(マツモトファインケミカル社製)に替える以外は、キャリア製造実施例2と全く同じ方法で、キャリア製造実施例8にあたるキャリアHを得た。
触媒をチタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)TC−400(マツモトファインケミカル社製)に替える以外は、キャリア製造実施例3と全く同じ方法で、キャリア製造実施例9にあたるキャリアIを得た。
触媒をチタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)TC−400(マツモトファインケミカル社製)に替える以外は、キャリア製造実施例4と全く同じ方法で、キャリア製造実施例10にあたるキャリアJを得た。
触媒をチタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)TC−400(マツモトファインケミカル社製)に替える以外は、キャリア製造実施例5と全く同じ方法で、キャリア製造実施例11にあたるキャリアKを得た。
触媒をチタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)TC−400(マツモトファインケミカル社製)に替える以外は、キャリア製造実施例6と全く同じ方法で、キャリア製造実施例12にあたるキャリアLを得た。
合成例6で得られた重量平均分子量が34,000のメタクリル系共重合体(100部)、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)4部と導電性微粒子として酸素欠損型酸化スズ被覆硫酸バリウム粉末(三井金属製、商品名パストラン4310)80部とを、トルエンで希釈して、固形分10wt%の樹脂溶液を得た。
芯材として重量平均粒径が35μmのMnフェライト粒子を用いて、芯材表面において平均膜厚が0.20μmになるように、流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアMを得た。
導電性微粒子を酸化スズ微粒子合成例で得られた酸化スズ微粒子1に替える以外は、キャリア製造実施例6と全く同じ方法で、キャリア製造実施例12にあたるキャリアNを得た。
樹脂を合成比較例1の樹脂7に替える以外は、キャリア製造実施例1と全く同じ方法で、キャリア製造比較例1にあたるキャリアOを得た。
樹脂を合成比較例2の樹脂8に替える以外は、キャリア製造実施例1と全く同じ方法で、キャリア製造比較例2にあたるキャリアPを得た。
樹脂合成比較例3で得られた樹脂9に対して、架橋剤としてイソホロンジイソシアネート/トリメチロールプロパンアダクト(IPDI/TMP系:NCO%=6.1%)をOH/NCOモル比率が(OHは合成例10の樹脂中OH)1/1となるように調整した後MEKで希釈して固形比3重量%であるコート樹脂溶液を調合した。
芯材として重量平均粒径が35μmのMnフェライト粒子を用いて、芯材表面において平均膜厚が0.20μmになるように、流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリアQを得た。
樹脂を合成比較例4の樹脂10に替える以外は、キャリア製造実施例1と全く同じ方法で、キャリア製造比較例4にあたるキャリアRを得た。
樹脂を合成比較例5の樹脂11に替える以外は、キャリア製造実施例1と全く同じ方法で、キャリア製造比較例5にあたるキャリアSを得た。
2官能乃至3官能のモノマーから作成された重量平均分子量15,000のメチルシリコーンレジン(固形分25%)30部を加える以外はキャリア製造実施例1と全く同じ方法で、キャリア製造比較例6のキャリアTを得た。
以下、キャリアの特性の評価方法を示す。
マイクロトラック粒度分布計モデルHRA9320−X100(日機装社製)を用いて、芯材粒子の粒度分布を測定した。
キャリア約0.15gを、内径が2.4mm、高さが8.5mmのセルに充填した後、VSM−P7−15(東英工業社製)を用いて、1kOeの磁場において、磁化を測定した。
体積固有抵抗は、図1に示すセルを用いて測定した。具体的には、まず、表面積2.5cm×4cmの電極(1a)及び電極(1b)を、0.2cmの距離を隔てて収容したフッ素樹脂製容器(2)からなるセルに、キャリア(3)を充填し、落下高さ1cm、タッピングスピード30回/分で、10回のタッピングを行った。次に、電極(1a)及び(1b)の間に1000Vの直流電圧を印加して30秒後の抵抗r[Ω]を、ハイレジスタンスメーター4329A(横川ヒューレットパッカード社製)を用いて測定し、つぎの[数式1]から、体積固有抵抗[Ωcm]を算出した。
透過型電子顕微鏡(TEM)を用いて、キャリアの断面を観察して、被覆層の平均膜厚を測定した。得られたキャリアの特性を表1に示す。
キャリアMにおけるBaとSiの含有量の比、Ba/Siの測定は、X線電子分光装置(XPS)を使用して測定した。詳細は以下に記述する。
測定装置 :Kratos社製 AXIS−ULTRA
測定光源 :Al(モノクロメータ)
測定出力 :90W(15kV、6mA)
測定領域 :900×600(μm2)
パスエネルギー :(wide scan)160eV、(narrow scan)40eV
エネルギーstep:(wide scan)1.0eV,(narrow scan)0.2eV
相対感度係数 :Kratosの相対感度係数を使用
磁性体のため、MAGNET CONTROLLERをOFFの状態で測定を行う。
前記測定は、試料を深さ0.3mmの円筒形の穴の空いたチップに入れて表面の平らな部分を測定した。なお、測定結果は、atomic%(個数)で表され、この測定値の比を使用してBa/Siを算出した。キャリアMのBa/Siは、0.077であった。
[ポリエステル樹脂Aの合成例]
温度計、攪拌機、冷却器および窒素導入管の付いた反応槽中にビスフェノールAのPO付加物(水酸基価 320)443部、ジエチレングリコール135部、テレフタル酸422部およびジブチルチンオキサイド2.5部を入れて、200℃で酸価が10になるまで反応させて、[ポリエステル樹脂A]を得た。本樹脂のTgは63℃、ピーク個数平均分子量6000であった。
温度計、攪拌機、冷却器および窒素導入管の付いた反応槽中にビスフェノールAのPO付加物(水酸基価 320)443部、ジエチレングリコール135部、テレフタル酸422部およびジブチルチンオキサイド2.5部を入れて、230℃で酸価が7になるまで反応させて、[ポリエステル樹脂B]を得た。本樹脂のTgは65℃、ピーク個数平均分子量16000であった。
ポリエステル樹脂B・・・・60部
カルナバワックス・・・・1部
カーボンブラック(#44 三菱化学社製)・・・・10部
上記のトナー構成材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製のヘンシェル20Bで1500rpmで3分間)で混合し、一軸混練機(Buss社製の小型ブス・コ・ニーダー)にて以下の条件で混練を行い(設定温度:入口部100℃、出口部50℃で、フィード量:2kg/Hr)、[母体トナーA1]を得た。
更に、[母体トナーA1]を混練後圧延冷却し、パルペライザーで粉砕し、更に、I式ミル(日本ニューマチック社製IDS−2型にて、平面型衝突板を用い、エアー圧力:6.8atm/cm2、フィード量:0.5kg/hrの条件)にて微粉砕を行い、更に分級を行って(アルピネ社製の132MP)、[母体トナー粒子1]を得た。
「母体トナー粒子1」100部に対し、外添剤として疎水性シリカ微粒子(R972:日本アエロジル社製)を1.0部添加し、ヘンシェルミキサーで混合してトナー粒子を得た(以下「トナー1」という)。
以下、実施例及び比較例を挙げて、本発明をさらに具体的に説明するが、本発明は、これらに限定されるものではない。なお、「部」は、重量部を表わす。
キャリア製造例で得られたキャリアA〜R(93部)に対して、トナー製造例で得られたトナー1(7.2μm)を7.0部を加えて、ボールミルで20分攪拌して、現像剤A〜Rを作成した。
得られた現像剤を用いて、デジタルフルカラー複合機Imagio Neo C600(リコー社製)を用いて、画像評価を実施した。具体的には、まず、実施例及び比較例の現像剤A〜Hと、実施例のトナー1を用いて、画像面積率20%で、初期及び10万枚のランニング後のキャリアの帯電量及び体積固有抵抗を測定し、帯電量の低下量及び体積固有抵抗の変化量を算出した。
なお、初期のキャリアの帯電量(Q1)は、キャリアA〜Tと、実施例のトナー1を、質量比93:7で混合し、摩擦帯電させたサンプルを、ブローオフ装置TB−200(東芝ケミカル社製)を用いて測定した。また、ランニング後のキャリアの帯電量(Q2)は、ブローオフ装置を用いてランニング後の現像剤中の各色のトナーを除去したキャリアを用いた以外は、上記と同様にして測定した。なお、帯電量の変化量の目標値は10μC/g以下である。
一方、初期のキャリアの体積固有抵抗(LogR1)は、上記[体積固有抵抗]と同様にして測定したキャリアの体積固有抵抗の常用対数値である。ランニング後のキャリアの体積固有抵抗(LogR2)は、ブローオフ装置を用いてランニング後の現像剤中の各色のトナーを除去したキャリアを用いた以外は、上記と同様にして測定した。なお、体積固有抵抗の目標値は絶対値で1.5[Log(Ωcm)]以下である。現像剤評価結果を表2に示す。
1a 電極
1b 電極
2 フッ素樹脂製容器
3 キャリア
(図2)
10 プロセスカートリッジ
11 感光体
12 帯電装置
13 現像装置
14 クリーニング装置
Claims (21)
- 磁性を有する芯材粒子とその表面を被覆する樹脂層とからなる静電潜像現像剤用キャリアであって、該樹脂層は、少なくとも下記一般式(1)で表されるモノマーA成分由来のA部位と下記一般式(2)で表されるモノマーB成分由来のB部位とを含む共重合体を加熱処理して得られた樹脂を含有するものであって、該樹脂層は、前記共重合体を加水分解し、シラノール基を生成し、有機チタン系触媒を用いて縮合することにより得られる架橋物を含有することを特徴とする静電潜像現像剤用キャリア。
R1:水素原子、またはメチル基
m:炭素原子数1〜8のアルキレン基
R2:炭素原子数1〜4のアルキル基
R3は、炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基
X:10〜90モル%
Y:10〜90モル%。
- 前記有機チタン系触媒は、チタンアルコキシドであることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 前記有機チタン系触媒は、チタンキレートであることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 前記被覆層を被覆して、しかる後に加熱処理して得られたことを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 前記加熱処理時の熱処理温度が100〜350℃であることを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 前記被覆層は、導電性粒子をさらに含有することを特徴とする請求項1乃至6のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 前記導電性粒子が少なくとも硫酸バリウムを含む導電性微粒子であることを特徴とする請求項7に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- X線光電子分光(XPS)により測定される全元素に対するBaとSiとの含有量の比、Ba/Siが、0.01以上0.08以下であることを特徴とするに請求項1乃至8のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 前記導電性粒子が表面に炭素を有する酸化スズ微粒子であることを特徴とするに請求項7に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 体積固有抵抗が1×109Ω・cm以上1×1017Ω・cm以下であることを特徴とする請求項1乃至10のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 前記被覆層は、平均膜厚が0.05μm以上4μm以下であることを特徴とする請求項1乃至11のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 前記芯材粒子は、重量平均粒径が20μm以上65μm以下であることを特徴とする請求項1乃至12のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 1kOeの磁場における磁化が40Am2/kg以上90Am2/kg以下であることを特徴とする請求項1乃至13のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 請求項1乃至14のいずれかに記載のキャリア及びトナーを有することを特徴とする現像剤。
- 前記トナーは、カラートナーであることを特徴とする請求項15に記載の現像剤。
- キャリア1質量部に対してトナーを2〜50重量部の配合割合で含有する補給用現像剤であって、該キャリアが請求項1乃至14項のいずれかに記載のキャリアであることを特徴とする補給用現像剤。
- 芯材粒子の表面に被覆層を形成する工程を有するキャリアの製造方法であって、前記被覆工程は、下記一般式(1)で表されるモノマーA成分由来のA部位と下記一般式(2)で表されるモノマーB成分由来のB部位とを含む共重合体を加水分解し、シラノール基を生成し、有機チタン系触媒を用いて縮合することにより得られる架橋物を含有する前記被覆層を形成する工程であることを特徴とするキャリアの製造方法。
R1:水素原子、またはメチル基
m:炭素原子数1〜8のアルキレン基
R2:炭素原子数1〜4のアルキル基
R3は、炭素数1〜8のアルキル基、または炭素数1〜4のアルコキシ基
X:10〜90モル%
Y:10〜90モル%。 - 請求項15乃至17のいずれかに記載の現像剤を有することを特徴とする現像剤入り容器。
- 静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、請求項15乃至17のいずれかに記載の現像剤を用いて現像してトナー像を形成する工程と、該静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する工程と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる工程とを有することを特徴とする画像形成方法。
- 静電潜像担持体、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、請求項15乃至17のいずれかに記載の現像剤を用いて現像する手段が少なくとも一体に支持されていることを特徴とするプロセスカートリッジ。
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