JPH08248677A - フルカラー用現像剤および静電潜像現像方法 - Google Patents

フルカラー用現像剤および静電潜像現像方法

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JPH08248677A
JPH08248677A JP7047344A JP4734495A JPH08248677A JP H08248677 A JPH08248677 A JP H08248677A JP 7047344 A JP7047344 A JP 7047344A JP 4734495 A JP4734495 A JP 4734495A JP H08248677 A JPH08248677 A JP H08248677A
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JP
Japan
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toner
developing
electrostatic latent
latent image
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Application number
JP7047344A
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English (en)
Inventor
Shuji Murakami
修司 村上
Junichi Tamaoki
順一 玉置
Osamu Maeda
治 前田
Kunio Toda
邦夫 戸田
Ichiro Izumi
一郎 出水
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Minolta Co Ltd
Original Assignee
Minolta Co Ltd
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 環境安定性および耐スペント性に優れ、トナ
ー帯電量の変動幅が小さく、交流および直流バイアスを
重畳した現像方法に適したフルカラー用現像剤を提供す
ること。 【構成】 静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、
交流成分および直流成分を重畳した現像バイアスの下で
現像することにより、所定の色毎にトナー像を形成する
フルカラー画像形成方法に使用されるフルカラー用現像
剤であって、特定の酸価、Mn、Mw/Mn、ガラス転移
点および軟化点を有するポリエステル樹脂と着色剤とか
らなる着色樹脂粒子に、平均1次粒径10〜90nmで疎
水化剤により疎水化処理されたアナターゼ型チタニアを
外添してなるトナーと、磁性芯粒子をオルガノポリシロ
キサンを含む単量体を重合してなる樹脂で被覆したキャ
リアとからなることを特徴とするフルカラー用現像剤。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は、フルカラー静電式複写
機やフルカラーレーザービームプリンター等のフルカラ
ー画像形成装置に用いるフルカラー用現像剤および静電
潜像現像方法に関する。
【0002】
【従来の技術】電子写真方式は、複写機、プリンター、
ファクシミリ等に幅広く用いられており、近年複数色の
カラートナーを重ね合わせることにより多色画像を再現
するフルカラー画像形成装置が採用されるに至ってい
る。
【0003】フルカラー画像形成装置においては、例え
ば、光ビームを照射する等のデジタル書き込みにより一
様に帯電された感光体上に静電潜像を形成し、この潜像
をマゼンタトナー、シアントナー、イエロートナーおよ
びブラックトナーから選択されるトナーで現像し、この
トナー像を中間転写体上に転写する工程を各トナーに対
して順次行った後、中間転写体上に重ね合わされたトナ
ー像を記録紙上に転写し定着することにより、あるいは
同様にして感光体上に形成された静電潜像をマゼンタト
ナー、シアントナー、イエロートナーおよびブラックト
ナーから選択されるトナーで現像し、このトナー像を中
間転写体上に保持された記録紙に転写する工程を各トナ
ーに対して順次行った後、記録紙上に重ね合わされたト
ナー像を定着することにより多色画像を形成している。
【0004】フルカラー画像形成は、主に絵、写真、グ
ラフィック画像等を再現するのに使用され、上述したよ
うに複数色のカラートナーの重ね合わせにより多色画像
の再現が行われるため、ベタ画像を形成する頻度が通常
の白黒画像を形成する場合に比べて高く、現像性に優れ
た現像方法を用いることが必要となる。このような現像
方法としては現像剤を保持・搬送する現像剤担持体に、
現像バイアスとして直流成分に交流成分を重畳したバイ
アスを印加する現像方法が知られている。
【0005】このような現像方法においては、現像剤は
現像領域で交流バイアスの印加によって振動するため、
現像領域に供給されるトナーの帯電量が不十分である場
合にはトナーカブリが生じてしまう。特にブラックトナ
ーを使用したフルカラー画像形成方法において、ブラッ
クトナーのカブリが生じるとフルカラー画像の画像品位
が著しく低下してしまう。従って、このような現像方法
をフルカラー画像形成方法に適用するためには、現像剤
として環境変動、特に湿度変化が生じた場合にも帯電量
変動幅の小さい現像剤を使用する必要がある。トナーと
キャリアを用いる2成分現像剤においては、長期間使用
する間にトナー成分がキャリア表面に固着してキャリア
の帯電能力を低下させる現象(スペント)が生じる。スペ
ントが生じるとトナーの帯電量が低下するため、上述し
た現像方式に用いる現像剤として耐スペント性に優れて
いることが必要となる。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】本発明は上述した問題
を解決したフルカラー用現像剤を提供することを目的と
する。
【0007】即ち、本発明は環境安定性および耐スペン
ト性に優れ、トナー帯電量の変動幅が小さく、交流およ
び直流バイアスを重畳した現像方法に適したフルカラー
用現像剤を提供することを目的とする。
【0008】また、本発明はフルカラー画像形成に適し
た静電潜像現像方法を提供することを目的とする。
【0009】
【課題を解決するための手段】本発明は、シアン現像
剤、マゼンタ現像剤、イエロー現像剤およびブラック現
像剤から選択される現像剤を使用して、静電潜像担持体
上に形成された静電潜像を、周波数2000〜7000
Hz、ピーク・ツウ・ピーク電圧が1000〜3000
Vの交流成分および直流成分を重畳した現像バイアスの
下で現像することにより、所定の色毎にトナー像を形成
する工程を含むフルカラー画像形成方法に使用されるフ
ルカラー用現像剤であって、前記各現像剤が、酸価1〜
30mgKOH/g、Mn3000〜6000、Mw/Mn2
〜6、ガラス転移点50〜70℃及び軟化点90〜11
0℃であるポリエステル樹脂と着色剤とからなる着色樹
脂粒子に、平均1次粒径10〜90nmで疎水化剤により
疎水化処理されたアナターゼ型チタニアを外添してなる
トナーと、磁性芯粒子をオルガノポリシロキサンを含む
単量体を重合してなる樹脂で被覆したキャリアとからな
るフルカラー用現像剤に関する。
【0010】また、本発明はシアン現像剤、マゼンタ現
像剤、イエロー現像剤およびブラック現像剤を使用した
フルカラー画像形成方法における静電潜像現像方法にお
いて、内部に磁石体を有しており静電潜像担持体に対向
配置された非磁性の現像剤担持体に、酸価1〜30mgK
OH/g、Mn3000〜6000、Mw/Mn2〜6、ガ
ラス転移点50〜70℃及び軟化点90〜110℃であ
るポリエステル樹脂と着色剤とからなる着色樹脂粒子
に、平均1次粒径10〜90nmで疎水化剤により疎水化
処理されたアナターゼ型チタニアを外添してなるトナー
と、磁性芯粒子をオルガノポリシロキサンを含む単量体
を重合してなる樹脂で被覆したキャリアとからなる現像
剤を供給する工程、前記現像剤担持体表面に担持された
前記現像剤を現像領域に搬送する工程、現像領域におい
て静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、周波数2
000〜7000Hz、ピーク・ツウ・ピーク電圧が1
000〜3000Vの交流成分および直流成分を重畳し
た現像バイアスの下で前記現像剤を用いて現像する工程
からなる静電潜像現像方法に関する。
【0011】本発明のフルカラー画像形成方法における
静電潜像現像方法は磁気ブラシ現像方法であり、回転駆
動される感光体等の静電潜像担持体表面に対向して、磁
石体を内蔵した非磁性材料よりなる現像剤担持体を配置
し、現像剤担持体に供給された現像剤を、磁石体の磁力
で現像剤担持体の外周面に保持しつつ、現像剤担持体と
感光体とが近接する現像領域に搬送するものである。
【0012】現像剤担持体には、現像バイアスとして直
流成分と交流成分とが重畳されて印加されており、現像
剤は、現像剤担持体と感光体との間に形成される振動電
界による振動・撹拌作用を受けながら、現像領域におい
て感光体表面に保持された静電潜像が現像される。
【0013】現像バイアスとして印加する交流成分は、
周波数(f)が2000〜7000Hz、ビーク・トゥ・ピ
ーク(peak to peak)電圧(Vp-p)が1000〜300
0Vの範囲で重畳される。周波数が2000Hzより小
さいと画像上ハーフトーン部のキメが劣化し、かぶりも
悪くなる。7000Hzより大きいと現像効率が低下す
る。また、ピーク・トゥ・ピーク電圧が1000Vより
小さいと現像効率が低下し、キャリアかぶりが発生す
る。3000Vより大きいと画像上ハーフトーン部のキ
メが劣化する。
【0014】現像領域における静電潜像の現像は、静電
潜像担持体と磁気ブラシとを接触させた状態で行う接触
現像方式、または静電潜像担持体と磁気ブラシとを非接
触に保った状態で行う非接触飛翔現像方式等を用いて行
われる。
【0015】ところが、上述した現像方式を用いて静電
潜像の現像を行うと、トナー飛散、トナーカブリ、スペ
ント等の問題が生じる。そこで、本発明においては、以
下に説明する現像剤を使用してそのような問題を解消す
る。
【0016】本発明に使用するシアントナー、マゼンタ
トナー、イエロートナーおよびブラックトナーを構成す
るバインダー樹脂としてのポリエステル樹脂は、アルコ
ール成分としてエーテル化ジフェノール類、酸成分とし
て芳香族ジカルボン酸類から構成され、酸価が1〜30
mgKOH/g、好ましくは2〜25mgKOH/g、数平均
分子量(Mn)が3000〜6000、好ましくは350
0〜5500、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(M
n)の比(Mw/Mn)が2〜6、好ましくは0.5〜5.
5、ガラス転移点が50〜70℃、好ましくは55〜6
5℃および軟化点が90〜110℃、好ましくは90〜
105℃であるポリエステル樹脂を使用している。
【0017】バインダー樹脂の酸価が30mgKOH/g
より高いとトナーの環境安定性、特に湿度変化に対する
荷電量の安定性が損なわれ、1mgKOH/gより低いと
着色剤の分散性が悪くなり、荷電の不均一によってかぶ
りが発生し易くなる。Mnが3000より小さいとフル
カラーのベタ画像が折り曲げた際に画像部が剥離し画像
欠損が発生し(折り曲げ定着性が劣化し)、Mnが600
0より大きいと定着時の熱溶融性が低下して定着強度が
低下する。また、Mw/Mnが2より小さいと高温オフセ
ットが発生し易くなり、6より大きいと定着時のシャー
プメルト特性が低下して、トナーの透光性並びにフルカ
ラー画像形成時の混色性が低下してしまう。また、ガラ
ス転移点が50℃より低いとトナーの耐熱性が不十分と
なって、保管時にトナーの凝集が発生し易くなり、70
℃より高いと定着性が低下するとともにフルカラー画像
形成時の混色性が低下する。軟化点が90℃より低いと
高温オフセットが生じやすくなり、110℃より高いと
定着強度、透光性、混色性およびフルカラー画像の光沢
性が低下する。
【0018】ポリエステル樹脂を構成するアルコール成
分としてエーテル化ジフェノール類、酸成分として芳香
族ジカルボン酸類を含有するものが使用可能である。エ
ーテル化ジフェノール類としては、例えば、ポリオキシ
プロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェ
ニル)プロパン、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−
ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン等を挙げること
ができる。
【0019】また、上記エーテル化ジフェノール類とと
もに、例えばエチレングリコール、ジエチレングリコー
ル、トリエチレングリコール、1,2−プロピレングリ
コール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタン
ジオール、ネオペンチルグリコール等のジオール類、ソ
ルビトール、1,2,3,6−ヘキサンテトロール、1,4
−ソルビタン、ペンタエリスリトール、ジベンタエリス
リトール、トリペンタエリスリトール、1,2,4−ブタ
ントリオール、1,2,5−ペンタントリオール、グリセ
ロール、2−メチルプロパントリオール、2−メチル−
1,2,4−ブタントリオール、トリメチロールエタン、
トリメチロールプロパン、1,3,5−トリヒドロキシメ
チルベンゼン等を使用してもよい。
【0020】芳香族ジカルボン酸類としては、テレフタ
ル酸、イソフタル酸等の芳香族ジカルボン酸、その酸無
水物またはその低級アルキルエステル等が使用可能であ
る。
【0021】また、フマール酸、マレイン酸、コハク
酸、炭素数4〜18のアルキルまたはアルケニルコハク
酸等の脂肪族ジカルボン酸、その酸無水物またはその低
級アルキルエステル等の脂肪族ジカルボン酸を使用して
もよい。
【0022】さらに1,2,4−ベンゼントリカルボン酸
(トリメリット酸)、1,2,5−ベンゼントリカルボン
酸、2,5,7−ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−
ナフタレントリカルボン酸、1,2,4−ブタントリカル
ボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−
ジカルボキシル−2−メチル−2−メチレンカルボキシ
プロパン、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、
テトラ(メチレンカルボキシル)メタン、1,2,7,8−
オクタンテトラカルボン酸、ピロメリット酸、これらの
無水物、低級アルキルエステル等の多価カルボン酸類を
ポリエステル樹脂の酸価の調整、樹脂強度の向上の目的
で透光性等を損なわない範囲で少量使用してもよい。な
お、ブラックトナーに用いる場合には特に透光性等に配
慮する必要はない。
【0023】本発明のフルカラー用トナーに用いる着色
剤としては以下のものを例示することができるがこれら
に限定されるものではない。
【0024】マゼンタ着色剤としては、C.I.ピグメ
ントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、1
0、11、12、13、14、15、16、17、1
8、19、21、22、23、30、31、32、3
7、38、39、40、41、48、49、50、5
1、52、53、54、55、57、58、60、6
3、64、68、81、83、87、88、89、9
0、112、114、122、123、163、18
4、202、206、207、209等のマゼンタ顔
料、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、2
4、25、27、30、49、81、82、83、8
4、100、109、121、C.I.ディスパースレ
ッド9、C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、
13、14、15、17、18、22、23、24、2
7、29、32、34、35、36、37、38、3
9、40等のマゼンタ染料等が挙げられる。
【0025】シアン着色剤としては、C.I.ピグメン
トブルー2、3、15、16、17、C.I.バットブ
ルー6、C.I.アシッドブルー45等のシアン顔料が
挙げられる。
【0026】イエロー着色剤としては、C.I.ピグメ
ントイエロー1、2、3、4、5、6、7、10、1
1、12、13、14、15、16、17、23、6
5、73、83、C.I.バットイエロー1、3、20
等のイエロー顔料、C.I.ソルベントイエロー79、
162等のイエロー染料等が挙げられる。黒色着色剤と
してはカーボンブラックが挙げられる。
【0027】これらの着色剤はマスターバッテ処理によ
り着色剤の分散性を向上させたものが好適である。着色
剤の含有量はバインダー樹脂100重量部に対して2〜
15重量部が好ましく、この範囲で使用することにより
特にOHPフィルムに対して十分な光透過性を満足させ
ることができる。
【0028】本発明のトナーには上記着色剤以外に、荷
電制御剤等の所望の添加剤を添加してもよい。
【0029】荷電制御剤としては、フルカラートナーの
色調、光透過性に悪影響を及ぼさない無色、白色あるい
は淡色の荷電制御剤が使用可能であり、例えばサリチル
酸誘導体の亜鉛錯体等のサリチル酸金属錯体、カリック
スアレン系化合物、ホウ素化合物、含フッ素4級アンモ
ニウム塩系化合物等の荷電制御剤を使用することが好ま
しい。上記サリチル酸金属錯体としては例えば特開昭5
3−127726号公報、特開昭62−145255号
公報等に記載のものが、カリックスアレン系化合物とし
ては例えば特開平2−201378号公報等に記載のも
のが、ホウ素化合物としては例えば特開平2−2219
67号公報等に記載のものが、また含フッ素4級アンモ
ニウム塩系化合物としては例えば特開平3−1162号
公報等に記載のものが使用可能である。
【0030】また、トナーの帯電量の調節および帯電の
立ち上がり性を向上させるために、サリチル酸金属錯体
やカリックスアレン系化合物等の荷電制御剤に対して、
含フッ素4級アンモニウム塩系化合物を併用してもよ
い。
【0031】このような荷電制御剤を添加する場合は、
結着樹脂100重量部に対して0.1〜10重量部、好
ましくは0.5〜5.0重量部使用することが好まし
い。
【0032】本発明に係るトナーはバインダー樹脂、着
色剤および所望によりその他の成分を所定量使用し従来
から知られている方法により製造できるが、混練・粉砕
法により製造することが、製造コストおよび製造安定性
の観点から好ましい。混練・粉砕法は、樹脂および着色
剤等のトナー成分をヘンシェルミキサー等の混合機で混
合する工程、この混合物を溶融・混練する工程、この混
練物を冷却後粗粉砕する工程、この粗粉砕粒子を微粉砕
する工程、得られた微粉砕粒子を分級する工程によりな
る。
【0033】そして、本発明に係るトナーは、体積平均
粒径を5〜10μmに調整することが画像の高精細再現
性の観点から好ましい。
【0034】以上のようにして得られたトナーには外添
剤として平均1次粒径10〜90nmで、疎水化剤により
表面処理されたアナターゼ型チタニアを添加する。
【0035】通常トナーの外添剤としては、疎水性シリ
カが使用されているが、疎水性シリカを用いた場合に
は、特にトナー帯電量の環境安定性に対して悪影響を及
ぼすという問題がある。上記チタニアを外添剤として使
用することにより、現像剤の環境安定性(特に湿度変化
に対するトナー帯電量の安定性)の向上を達成すること
ができる。外添剤として疎水性シリカを併用した場合に
も環境安定性を向上させることができる。また、このよ
うに特定のチタニアを外添剤としてトナーの表面に存在
させることにより、熱的に安定なチタニアが立体障害と
なって、周囲の温度の変動(温度上昇)によるトナーの凝
集を防止し耐熱保管性を向上させることができる。トナ
ー同志の凝集力が弱くなり交流バイアスに対する効果が
大きくなる。
【0036】本発明においては、平均1次粒径10〜9
0nmのアナターゼ型チタニアを使用する。通常アナター
ゼ型チタニアは200nm程度の平均1次粒径を有した針
状または棒状の粒子であるが、本発明に用いるものはチ
タニア粒子が針状の粒子まで結晶成長していないもので
あり、その形状が略薄片状〜略薄円柱状を有している。
このような形状および粒径に起因してトナーに対する付
着性や混合分散性に優れてすると考えられる。
【0037】上記アナターゼ型チタニアを製造する場合
には、公知の湿式法による製造方法において、結晶化温
度を低温にして結晶成長を抑えることにより製造すれば
よい。このようなアナターゼ型チタニアとして、市販の
ものでは例えばSTT30(チタン工業社製)、STT3
0A(チタン工業社製)等を使用することができる。
【0038】アナターゼ型チタニアの粒径が10nmより
小さい場合には、耐熱保管性を向上させる効果が小さく
なるため好ましくない。また90nmより大きい場合に
は、トナーへの付着性が低下し、その結果耐熱保管性が
低下したり、トナーの荷電量が低下したりするため好ま
しくない。
【0039】また、上記チタニアの疎水化度は30〜8
0%、好ましくは40〜80%であることが望ましい。
疎水化度が30%より低い場合には耐環境性が劣化し、
80%を越えるものは製造上安定して得ることが困難で
ある。
【0040】本発明において、アナターゼ型チタニアを
疎水化剤で表面処理するのは、トナーの環境安定性、特
に湿度の影響によるトナー荷電量の変化を抑制するため
である。
【0041】疎水化剤としてはシランカップリング剤、
チタネートカップリング剤、シリコンオイル、シリコン
ワニス等が使用可能である。シランカップリング剤とし
ては、例えばトリメチルシラン、トリメチルクロルシラ
ン、ジメチルジクロルシラン、メチルトリクロルシラ
ン、アリルジメチルクロルシラン、ベンジルジメチルク
ロルシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエ
トキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、ジメチ
ルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、トリ
メチルメトキシシラン、ヒドロキシプロピルトリメトキ
シトラン、フェニルトリメトキシシラン、n−ヘキシル
メトキシシラン、n−ヘキシルトリメトキシシラン、n
−ヘキサデシルトリメトキシシラン、n−オクタデシル
トリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、ビニ
ルトリエトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピル
トリメトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン等が
使用可能であり、シリコンオイルとしては、例えばジメ
チルポリシロキサン、メチルハイドロジェンポリシロキ
サン、メチルフェニルポリシロキサン等が使用可能であ
る。
【0042】疎水化剤は上記チタニア100重量部に対
して1〜20重量部、好ましくは2〜15重量部用いる
ことが好ましい。1重量部より少ないと疎水化の効果が
なく、20重量部を越えると処理後のチタニアが凝集し
易くなる。
【0043】上記疎水化剤を用いてチタニアを表面処理
するには、例えば疎水化剤を溶剤で希釈し、チタニアに
上記希釈液を加えて混合し、この混合物を加熱・乾燥し
た後解砕する乾式法、チタニアを水系中に分散してスラ
リー状にした上で疎水化剤を添加混合し、これを加熱・
乾燥した後解砕する湿式法等により行うことができる。
特にチタニアに対する疎水化剤の表面処理の均一性、チ
タニア粒子の凝集防止性等の観点から水系中のチタニア
の疎水化処理を行うことが好ましい。
【0044】チタニアは、トナー粒子に対して0.1〜
3.0重量%、好ましくは0.2〜2.0重量%混合添
加することが望ましい。0.1重量%より少ないと環境
安定性向上の効果が不十分となり、3.0重量%より多
いと感光体上へのトナー成分の斑点状の固着の原因とな
る。
【0045】本発明に係るトナーにおいては、上記チタ
ニアとともに疎水性シリカを流動性を向上させるために
添加混合させても良い。
【0046】上記チタニアにおいて、平均1次粒径が1
0〜35nm程度の粒子では、流動性に優れているため特
に疎水性シリカを併用する必要はないが、これにより粒
径の大きいものについては疎水性シリカを併用すること
が好ましい。疎水性シリカはシラン系、チタネート系、
アルミニウム系、ジルコアルミネート系等の各種のカッ
プリング剤およびシリコンオイル等の疎水化剤で疎水化
処理されているものである。疎水性シリカとしては、流
動性向上の観点からBET比表面積が50〜250[m2
/g]のものを使用することが好ましい。
【0047】疎水性シリカの添加量は、トナーに対して
0.1〜3.0重量%、好ましくは0.2〜2.0重量
%添加することが好ましい。
【0048】本発明の現像剤は以上のようにして得られ
るトナーとキャリアから構成される。キャリアとしては
磁性芯粒子を、オルガノポリシロキサンを含む単量体を
重合してなる樹脂で被覆したキャリアを使用する。この
ようなキャリアは、優れた環境安定性および耐スペント
性を有している。
【0049】被覆樹脂としては、オルガノポリシロキサ
ンを単独で重合させた樹脂、オルガノポリシロキサンと
ビニル系単量体とを共重合(グラフト重合)させた樹脂、
オルガノポリシロキサンとビニル系単量体との共重合体
をイソシアネート系架橋剤またはメラミン系架橋剤によ
り架橋させた樹脂等が使用可能である。これらの中でも
オルガノポリシロキサンとビニル系単量体とを共重合さ
せた樹脂が芯粒子との接着性の点で好ましく、さらにこ
の樹脂を架橋させた樹脂が接着性と耐久性等の観点から
好ましい。
【0050】オルガノポリシロキサンとしては、例えば
下記化学式[I]または[II]で示されるものが好ましく
使用される。
【化1】
【0051】
【化2】
【0052】式中、R1は水素原子またはメチル基、好
ましくはメチル基である。R2は炭素数1〜3のアルキ
ル基またはフェニル基、好ましくは製造の容易性、経済
性の観点からメチル基である。
【0053】化学式(II)におけるnは2以上の整
数、好ましくは2〜500、より好ましくは2〜64の
整数である。またp、qおよびrはそれぞれp≧0、q
≧0、r≧0の整数、好ましくは0≦p+q+r≦50
0、より好ましくは0≦p+q+r≦64である。
【0054】特に好ましいオルガノポリシロキサンは3
−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキ
シ)シランである。
【0055】オルガノポリシロキサンと共重合させるた
めに使用できるビニル系単量体としては、例えばアクリ
ル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸ブチル、ア
クリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸β−ヒド
ロキシエチル等のアクリル酸エステル系単量体、メタク
リル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸ブチ
ル、メタクリル酸−2−ヒドロキシエチル、メタクリル
酸グリシジル等のメタクリル酸エステル系単量体、スチ
レン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体等が単
独あるいは混合して使用可能である。
【0056】オルガノポリシロキサンとビニル系単量体
とを共重合させる場合、オルガノポリシロキサンを全単
量体の5〜80重量%、好ましくは10〜70重量%、
より好ましくは30〜60重量%の割合で使用する。そ
の量が少なすぎるとオルガノポリシロキサンの含有効果
(耐スペント性、単環境性)が十分に得られず、多すぎ
ても耐摩耗性が低下する。
【0057】ラジカル共重合させる方法としては、従来
公知の懸濁重合法、乳化重合法、溶融重合法などが適宜
使用できるが、生産性より考慮すれば、溶融重合法によ
るのが好適である。そしてその溶融重合法に使用する溶
剤や重合開始剤などは従来用いられていたものをいずれ
も用いることができる。
【0058】架橋させる場合に使用する架橋剤としては
イソシアネート系化合物が好ましく、具体的なイソシア
ネート系化合物としては、ヘキサメチレンジイソシアネ
ート(HMDI)、イソホロンジイソシアネート(IPD
I)、トリレンジイソシアネート(TDI)、ジフェニル
メタンジイソシアネート(MDI)、キシリレンジイソシ
アネート(XDI)等のジイソシアネート、下記(化3)〜
(化7)で表わされる3〜6官能のポリイソシアネートを
例示することができる。
【0059】
【化3】
【0060】
【化4】
【0061】
【化5】
【0062】
【化6】
【0063】
【化7】
【0064】上記(化3)〜(化7)中、R1は水素原
子、メチル基およびエチル基の中から選ばれる一種類の
基を示し、R2は−(CH2)6−、
【化8】 の中から選ばれる一種またはそれ以上の基を示す(但
し、R2は同一式中で同じでもよく、異なっていてもよ
い)。
【0065】上記のようなイソシアネート系化合物と共
重合体は共重合体中のOHとイソシアネート系化合,物
中のNCOとのモル比OH/NCOが0.1〜20、好
ましくは0.5〜2、より好ましくは約1となるように
混合する。その比が20より大きいと架橋が不十分とな
り易く、また0.1より小さいと帯電性に悪影響を及ぼ
す場合がある
【0066】上記イソシアネート系化合物はイソシアネ
ート基がフェノール、アミド、アルコール、アミン等で
全部あるいは一部マスクされているものを使用してもよ
い。
【0067】共重合体を被覆させるキャリアの芯材とし
ては、静電潜像担持体へのキャリア付着(飛散)防止の点
から小さくとも20μm(平均粒径)の大きさのものを使
用し、キャリアスジ等の発生防止等画質の低下防止の点
から大きくとも100μmのものを使用する。
【0068】具体的芯材としては、電子写真用二成分キ
ャリアとして公知のもの、例えばフェライト、マグネタ
イト、鉄、ニッケル、コバルト等の金属、これらの金属
と亜鉛、アンチモン、アルミニウム、鉛、スズ、ビスマ
ス、ベリリウム、マンガン、セレン、タングステン、ジ
ルコニウム、バナジウム等の金属との合金あるいは混合
物、酸化鉄、酸化チタン、酸化マグネシウム等の金属酸
化物、窒化クロム、窒化バナジウム等の窒化物、炭化ケ
イ素、炭化タングステン等の炭化物との混合物および強
磁性フェライト、ならびにこれらの混合物を適用するこ
とができる。
【0069】樹脂の被覆量は芯材に対して0.3〜5重
量%、好ましくは0.5〜3重量%である。0.3重量%
より少ないと芯材を均一に被覆することができず、耐環
境性が悪化する。また5重量%より多い被覆は被覆に見
合うだけの効果が得られない。資源節約の観点からも好
ましくない。
【0070】被覆の方法は、共重合体とイソシアネート
系化合物の溶解液に浸漬する方法、その液をスプレーす
る転動流動化法、その他にもスプレードライ法等種々適
用可能である。
【0071】樹脂を被覆されたキャリア芯材は高温環境
下で熱硬化させる。硬化条件は用いる共重合体および架
橋剤の種類にもよるが、温度140〜180℃、好まし
く150〜170℃で0.5〜2時間程度処理すればよ
い。形成された被膜は膜強度、耐衝撃性に優れ、芯材と
の接着性にも優れている。
【0072】トナーはキャリアに対して3〜15重量
%、好ましくは5〜10重量%の割合で混合され現像剤
とされる。以下本発明をさらに実施例を用いて説明す
る。
【0073】
【実施例】
(キャリア製造例)撹拌器、コンデンサー、温度計、窒素
導入管、滴下装置を備えた容量500mlのフラスコにメ
チルエチルケトンを100重量部仕込んだ。別に窒素雰
囲気下80℃でメチルメタクリレートを36.7重量
部、2−ヒドロキシエチルメタクリレートを5.1重量
部、3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシ
ロキシ)シランを58.2重量部および1,1'−アゾビ
ス(シクロヘキサン−1−カルボニトリルを1重量部
を、メチルエチルケトン100重量部に溶解させて得ら
れた溶液を2時間にわたり反応容器中に滴下し5時間熟
成させた。
【0074】得られた樹脂に対して、架橋剤としてイソ
ホロンジイソシアネート/トリメチロールプロパンアダ
クト(IPDI/TMP系:NCO%=6.1%)をOH
/NCOモル比率が1/1となるように調整した後メチ
ルエチルケトンで希釈して固形比3重量%であるコート
樹脂溶液を調整した。
【0075】コア材として焼成フェライト粉F−300
(平均粒径:50μm、パウダーテック社製)を用い、上記
コート樹脂溶液をコア材に対する被覆樹脂量が1.5重
量%になるようにスピラコーター(岡田精工社製)により
塗布・乾燥した。得られたキャリアを熱風循環式オーブ
ン中にて160℃で1時間放置して焼成した。冷却後フ
ェライト粉バルクを目開き106μmと75μmのスクリ
ーンメッシュを取り付けたフルイ振とう器を用いて解砕
し、樹脂被覆キャリアを得た。
【0076】(ポリエステル樹脂A〜Eの製造)2リット
ルの4つ口フラスコに還流冷却器、水分離装置、窒素ガ
ス導入管、温度計、撹拌装置を取り付けマントルヒータ
ー中に設置した。フラスコにポリオキシプロピレン(2,
2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(PO)、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4
−ヒドロキシフェニル)プロパン(EO)、フマール酸(F
A)およびテレフタル酸(TPA)を、モル比が5.0:
5.0:5.0:4.0となるように仕込み、フラスコ内
に窒素を導入しながら加熱・撹拌して反応させた。酸価
を測定しながら反応の進行を追跡し、所定の酸価に達し
た時点で反応を終了し表1に示されるポリエステル樹脂
A〜Eを得た。
【0077】なお酸価の測定は以下のようにして行っ
た。樹脂10gを秤量し、トルエン50mlに溶解した。
0.1%のブロムチモールブルーとフェノールレッドの
混合指示薬を用い、あらかじめ標定されたN/10水酸
化カリウム/アルコール溶液で滴定し、N/10水酸化
カリウム/アルコールの消費量から酸価を以下の式に従
って計算した。 酸価=5.61(mg)×KOH(ml)×N/樹脂量(g)
【0078】(ポリエステル樹脂Fの製造)2リットルの
4つ口フラスコに還流冷却器、水分離装置、窒素ガス導
入管、温度計、撹拌装置を取り付け、マントルヒーター
中に設置した。フラスコ内にポリオキシプロピレン(2,
2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン
(PO、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−
ヒドロキシフェニル)プロパン(EO)およびテレフタル
酸(TPA)を、モル比が2.0:8.0:9.0となるよ
うに仕込み、フラスコ内に窒素を導入しながら加熱・撹
拌して反応させた。酸価を測定しながら反応の進行を追
跡し、所定の酸価に達した時点で反応を終了し表1に示
されるポリエスルテ樹脂Fを得た。
【0079】得られたポリエステル樹脂A〜Fの数平均
分子量(Mn)、重量平均分子量(Mw)、ガラス転移
点(Tg)、軟化点(Tm)を以下のように測定して結
果を表1に示した。
【0080】
【表1】
【0081】分子量の測定 測定装置はゲルパーミエーションクロマトグラフィー
(807−IT型:日本分光工業社製)を使用した。カラ
ムを40℃に保ち、キャリア溶媒としてテトラヒドロフ
ランを1kg/cm2で流しながら、試料30mgをテトラヒ
ドロフラン20mlに溶解した溶液0.5mlをキャリア溶
媒とともに導入し、ポリスチレン換算により分子量を求
めた。
【0082】ガラス転移点(Tg)の測定 測定装置は示差走査熱量計(DSC−200:セイコー電
子社製)を使用した。試料10mgを精密に秤量しアルミ
ニウムパンに入れ、リファレンスとしてアルミナをアル
ミニウムパンに入れたものを使用した。昇温速度30℃
/分で常温から200℃まで昇温した後冷却し、昇温速
度10℃/分で20〜120℃の間で測定を行なった。
この昇温過程で30〜80℃の範囲におけるメイン吸熱
ピークのショルダー値をガラス転移点(Tg)とした。
【0083】軟化点(Tm)の測定 測定装置はフローテスター(CFT−500:島津製作所
社製)を使用した。試料1.0gを秤量し、この試料をダ
イ:1.0mm×1.0mmに乗せ、昇温速度:3.0℃/
分、予熱時間:180秒、加重:30kg、測定温度範囲:
60〜140℃の条件でフローテスター測定を行った。
試料が1/2流出したときの温度を軟化点(Tm)とし
た。
【0084】(疎水性チタニアA製造例)平均1次粒径5
0nmのチタニア(STT30;チタン工業社製)を水系中
で混合・撹拌しながら、n−ヘキシルメトキシシランを
固型分換算でチタニアの20重量%となるように添加混
合し、乾燥・解砕して疎水化度60%の疎水性チタニア
Aを得た。
【0085】(疎水性チタニアB製造例)平均1次粒径1
5nmのチタニア(MT150A:テイカ社製)100重量
部に対してジメチルポリシロキサン(25℃における粘
度が500センチストークス)5重量部をキシレン50
重量部で希釈した溶液でスプレー塗布した。乾燥後、得
られたチタニアを解砕して、疎水化度60%の疎水性チ
タニアBを得た。
【0086】(疎水性チタニアCの製造例)平均1次粒
径200nmのチタニア(KA−30:チタン工業社製)
100重量部に対してジメチルポリシロキサン(25℃
における粘度が500センチストークス)2重量部をキ
シレン50重量部で希釈した溶液でスプレー塗布した。
乾燥後、得られたチタニアを解砕して、疎水化度20%
の疎水性チタニアCを得た。
【0087】(実施例1)ポリエステル樹脂Aとシアン
顔料(C.I.ピグメントブルー15−3;東洋インキ
製造社製)を樹脂:顔料が7:3(重量比)になるように加
圧ニーダーに仕込み、混練した。混練物をフェザーミル
により粉砕し、顔料マスターバッチとした。
【0088】 ・ポリエステル樹脂A 93重量部 ・上記顔料マスターバッチ 10重量部 ・荷電制御剤(サリチル酸亜鉛錯体:E−84:オリエント化学社製) 2重量部
【0089】以上の材料をヘンシェルミキサーで混合し
た後、混合物を2軸押出混練機で混練した。得られた混
練物を冷却した後、フェザーミルで粗粉砕、ジェットミ
ルで微粉砕し、さらに分級することにより体積平均粒径
8.0μmのトナー粒子を得た。
【0090】得られたトナー粒子に対して外添剤として
疎水性シリカ(H1303;HDK社製)0.4重量%お
よび疎水性チタニア(平均1次粒径15nm、疎水化度6
5%)(STT30A;チタン工業社製)0.6重量%を
ヘンシェルミキサーにより添加混合処理を行いシアント
ナー1を得た。
【0091】得られたシアントナー1を6重量部と上記
樹脂被覆キャリア94重量部を混合し、現像剤とした。
この現像剤をフルカラー複写機CF70(ミノルタ社製)
を用いて、現像バイアスとして印加する直流成分として
400V、交流成分として周波数が5KHz、ピークツ
ウピーク電圧が2KVで重畳して画像を形成し評価し
た。
【0092】評価は透光性、耐熱保管性、かぶり、粒状
性、現像性、キャリアカブリについて以下のように行っ
た。 (透光性)OHPフィルム上にベタ画像を形成し、オーバ
ーヘッドプロジェクターで投影した場合の色の鮮やかさ
を目視により評価した。色再現性に優れているものを
○、実用上使用可能であるものを△、彩度の劣るものを
×とした。
【0093】(耐熱保管性)トナー5gをガラスビンに入
れ、50℃の環境下に24時間置いたとき、トナー凝集
の生じたものを×、僅かに生じたもの実用上問題のない
ものを△、トナー凝集のみられないものを○とした。
【0094】(かぶり)上記複写機を用いて形成した画像
を目視により評価し、画像にかぶりがほとんど発生しな
かったものを○、かぶりが若干生じているものの実用上
問題のないものを△、かぶりが多く実用上問題のあるも
のを×とした。
【0095】(画像の粒状性)上記複写機を用いて形成し
たハーフ画像を目視により評価し、ハーフ画像が完全に
再現されており滑らかなものを○、ハーフ画像の再現性
が不十分であり画像にざらつき(がさつき)のあるものを
×、若干ざらつきがあるものの実用上問題のないものを
△とした。
【0096】(現像性)上記複写機を用いて10℃15%
の環境下における紙上の付着量が0.7mg/cm2以上で
あるものを○、0.5mg/cm2以上0.7mg/cm2未満で
あるものを△、0.5mg/cm2未満のものを×とした。
【0097】(キャリアかぶり)上記複写機を用いて形成
したハーフ画像を目視により評価し、A4紙上に現像さ
れたキャリアの個数を数え、5個以下のものを○、10
個以上5個未満のものを△、10個を越えるものを×と
した。以上の結果を下記表3に示した。
【0098】(実施例2)ポリエステル樹脂Aに代えて
ポリエステル樹脂Bを使用する以外はシアントナーの製
造と同様にしてシアントナー2を得た。得られたシアン
トナー2を用いて実施例1と同じ設定条件の複写機を用
い実施例1と同様にして評価を行った。結果を表3に示
した。
【0099】(実施例3)ポリエステル樹脂Aに代えて
ポリエステル樹脂Cを、シアン顔料(C.I.ビグメン
トブルー15−3:東洋インキ製造社製)をマゼンタ顔料
(C.I.ピグメントレッド184;大日本インキ化学
工業社製)に代えて使用する以外はシアントナー1の製
造と同様にしてマゼンタトナー1を得た。得られたマゼ
ンタトナー1を用いて実施例1と同じ設定条件の複写機
を用い実施例1と同様にして評価を行った。結果を表3
に示した。
【0100】(実施例4)疎水性チタニア(STT30
A;チタン工業社製)0.6重量%に代えてチタニアA
0.9重量%を使用する以外はシアントナー1の製造と
同様にしてシアントナー3を得た。得られたシアントナ
ー3を用いて実施例1と同じ設定条件の複写機を用い実
施例1と同様にして評価を行った。結果を表3に示し
た。
【0101】(実施例5)シアントナー1を用い、交流
成分として周波数が2.5KHz、ピークツウピーク電
圧が1KVとした以外実施例1と同様にして画像を形成
し、評価を行った。結果を表3に示した。
【0102】(実施例6)シアントナー1を用い、交流
成分として周波数が6KHz、ピークツウピーク電圧が
3KVとした以外実施例1と同様にして画像を形成し、
評価を行った。結果を表3に示した。
【0103】(比較例1)ポリエステル樹脂Aに代えて
ポリエステル樹脂Dを、疎水性チタニア(STT30
A;チタン工業社製)0.6重量%に代えてチタニアB
1.0重量%を使用する以外はシアントナー1の製造と
同様にしてシアントナー4を得た。得られたシアントナ
ー4を用いて実施例1と同じ設定条件の複写機を用い実
施例1と同様にして評価を行った。結果を表3に示し
た。
【0104】(比較例2)ポリエステル樹脂Aに代えて
ポリエステル樹脂Eを、疎水性チタニア(STT30
A;チタン工業社製)0.6重量%に代えてチタニアB
1.0重量%を使用する以外はシアントナー1の製造と
同様にしてシアントナー5を得た。得られたシアントナ
ー5を用いて実施例1と同じ設定条件の複写機を用い実
施例1と同様にして評価を行った。結果を表3に示し
た。
【0105】(比較例3)ポリエステル樹脂Aに代えて
ポリエステル樹脂Fを、疎水性チタニア(STT30
A;チタン工業社製)0.6重量%に代えてチタニアB
1.0重量%を使用する以外はシアントナー1の製造と
同様にしてシアントナー6を得た。得られたシアントナ
ー6を用いて実施例1と同じ設定条件の複写機を用い実
施例1と同様にして評価を行った。結果を表3に示し
た。
【0106】(比較例4)疎水性シリカ(H1303:H
DK社製)0.4重量%および疎水性チタニア(STT3
0A:チタン工業社製)0.6重量%に代えてチタニアC
のみを1.0重量%を使用する以外はシアントナー1の
製造と同様にしてシアントナー7を得た。得られたシア
ントナー7を用いて実施例1と同じ設定条件の複写機を
用い実施例1と同様にして評価を行った。結果を表3に
示した。
【0107】(比較例5)疎水性シリカ(H1303:H
DK社製)0.4重量%および疎水性チタニア(STT3
0A:チタン工業社製)0.6重量%に代えてチタニアA
のみを1.0重量%を使用する以外はシアントナー2の
製造と同様にしてシアントナー8を得た。得られたシア
ントナー8を用いて交流成分を印加しなかった以外は実
施例2と同じ設定条件で画像を形成し実施例2と同様に
して評価を行った。結果を表3に示した。
【0108】(比較例6)シアントナー8を用いて交流
成分として周波数が1.5KHz、ピークツウピーク電
圧が2KVとした以外実施例1と同様にして画像を形成
し、評価を行った。結果を表3に示した。
【0109】(比較例7)シアントナー8を用いて交流
成分として周波数が8KHz、ピークツウピーク電圧が
2KVとした以外実施例2と同様にして画像を形成し、
評価を行った。結果を表3に示した。
【0110】(比較例8)シアントナー8を用いて交流
成分として周波数が5KHz、ピークツウピーク電圧が
0.5KVとした以外実施例2と同様にして画像を形成
し、評価を行った。結果を表3に示した。
【0111】(比較例9)シアントナー8を用いて交流
成分として周波数が5KHz、ピークツウピーク電圧が
0.5KVとした以外実施例2と同様にして画像を形成
し、評価を行った。結果を表3に示した。
【0112】実施例1〜6および比較例1〜9において
使用した樹脂の種類、チタニアの量(重量%)、シリカ
(重量%)、周波数(KHz)およびピークツウピーク
電圧(KV)を下記表2にまとめた。
【0113】
【表2】
【0114】
【表3】
【0115】
【発明の効果】本発明のフルカラー用現像剤は環境安定
性および耐スペント性に優れ、トナー帯電量の変動幅が
小さく、交流および直流バイアスを重畳した現像方法に
適している。
───────────────────────────────────────────────────── フロントページの続き (51)Int.Cl.6 識別記号 庁内整理番号 FI 技術表示箇所 G03G 15/09 G03G 9/10 352 (72)発明者 前田 治 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 戸田 邦夫 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内 (72)発明者 出水 一郎 大阪府大阪市中央区安土町二丁目3番13号 大阪国際ビル ミノルタ株式会社内

Claims (2)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 シアン現像剤、マゼンタ現像剤、イエロ
    ー現像剤およびブラック現像剤から選択される現像剤を
    使用して、静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、
    周波数2000〜7000Hz、ピーク・トゥ・ピーク
    電圧が1000〜3000Vの交流成分および直流成分
    を重畳した現像バイアスの下で現像することにより、所
    定の色毎にトナー像を形成する工程を含むフルカラー画
    像形成方法に使用されるフルカラー用現像剤であって、
    前記各現像剤が、酸価1〜30mgKOH/g、Mn300
    0〜6000、Mw/Mn2〜6、ガラス転移点50〜7
    0℃及び軟化点90〜110℃であるポリエステル樹脂
    と着色剤とからなる着色樹脂粒子に、平均1次粒径10
    〜90nmで疎水化剤により疎水化処理されたアナターゼ
    型チタニアを外添してなるトナーと、磁性芯粒子をオル
    ガノポリシロキサンを含む単量体を重合してなる樹脂で
    被覆したキャリアとからなることを特徴とするフルカラ
    ー用現像剤。
  2. 【請求項2】 シアン現像剤、マゼンタ現像剤、イエロ
    ー現像剤およびブラック現像剤を使用したフルカラー画
    像形成方法における静電潜像現像方法において、内部に
    磁石体を有しており静電潜像担持体に対向配置された非
    磁性の現像剤担持体に、酸価1〜30mgKOH/g、Mn
    3000〜6000、Mw/Mn2〜6、ガラス転移点5
    0〜70℃及び軟化点90〜110℃であるポリエステ
    ル樹脂と着色剤とからなる着色樹脂粒子に、平均1次粒
    径10〜90nmで疎水化剤により疎水化処理されたアナ
    ターゼ型チタニアを外添してなるトナーと、磁性芯粒子
    をオルガノポリシロキサンを含む単量体を重合してなる
    樹脂で被覆したキャリアとからなる現像剤を供給する工
    程、前記現像剤担持体表面に担持された前記現像剤を現
    像領域に搬送する工程、現像領域において静電潜像担持
    体上に形成された静電潜像を、周波数2000〜700
    0Hz、ピーク・トゥ・ピーク電圧が1000〜300
    0Vの交流成分および直流成分が重畳した現像バイアス
    の下で前記現像剤を用いて現像する工程からなる静電潜
    像現像方法。
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JP2012047917A (ja) * 2010-08-26 2012-03-08 Ricoh Co Ltd 静電潜像現像剤用キャリア及び静電潜像現像剤
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JP2012063438A (ja) * 2010-09-14 2012-03-29 Ricoh Co Ltd 静電潜像現像剤用キャリア、二成分現像剤、現像剤入り容器、画像形成方法及びプロセスカートリッジ

Cited By (6)

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