JP6627965B2 - 静電潜像現像剤用キャリア、二成分現像剤、補給用現像剤、画像形成装置、及びトナー収容ユニット - Google Patents
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Description
キャリアとしては、トナーのフィルミングの防止、均一な表面の形成、表面の酸化の防止、感湿性の低下の防止、現像剤の寿命の延長、感光体の表面への付着の防止、感光体のキズあるいは摩耗からの保護、帯電極性の制御、帯電量の調節等の目的で、被覆層として、カーボンブラックを含有する樹脂が表面に形成されているものが知られている。
しかしながら、初期は良好な画像を形成することができるが、コピー枚数が増加するに連れて、被覆層が削れて画質が低下するという問題がある。また、被覆層が削れたり、被覆層からカーボンブラックが脱離したりすることにより、色汚れが発生するという問題がある。カーボンブラックの代替材料としては、一般に、酸化チタン、酸化亜鉛等が知られているが、体積固有抵抗を低下させる効果が不充分である。
特許文献7にはマグネタイト微粒子を含むコート層を有するキャリアが開示されている。
特許文献8には酸素欠損型酸化スズ被覆硫酸バリウム粉末(三井金属製、商品名パストラン4310)をコート層に含有するキャリアが開示されている。
前記特許文献8に記載のキャリアは、バリウム粒子が樹脂処方量に対して少なく、また、乾燥時間が明記されていない。
一方で、近年市場が拡大しているプロダクションプリンティングの分野では、これまで以上の高画質化が求められている。一枚の画像内での濃度変動や濃度ムラ、何万枚という印刷を実施する上での画像間の濃度変動などに対してマシン本体のみで対応することは技術的にきわめて難しい。このため、トナーの帯電量を一定に制御することがこれまで以上に求められており、上記の様な従来のキャリアでは要求特性を満たすことができない。
プロダクションプリンティング分野、従来より普及しているMFP(マルチファンクションプリンター)分野の両方において、装置導入時から寿命相当まで、一度もサービスマンがメンテナンスすることなく、安定した画像が出力されるような耐久性の高い装置の提供すなわち、優れた帯電性、及び耐久性を兼ね備えた現像剤、及びキャリアが市場では求められている。
即ち、上記課題は、本発明の下記(1)によって解決される。
(1)芯材粒子とその表面を被覆する樹脂層とを有する静電潜像現像剤用キャリアであって、前記樹脂層内に金属化合物微粒子を含有し、
前記金属化合物微粒子が、マグネシウム化合物微粒子、またはバリウム化合物微粒子を含み、かつキャリア表面のマグネシウムの露出量、またはバリウムの露出量B(atomic%)が
10.0≧B≧1.2
であることを特徴とする静電潜像現像剤用キャリア。
本発明は、下記(1)に関するものであるが、本発明の実施の形態には、次の(2)〜8)も含まれるので、これらについても併せて説明する。
(1)芯材粒子とその表面を被覆する樹脂層とを有する静電潜像現像剤用キャリアであって、前記樹脂層内に金属化合物微粒子を含有し、
前記金属化合物微粒子が、マグネシウム化合物微粒子、またはバリウム化合物微粒子を含み、かつキャリア表面のマグネシウムの露出量、またはバリウムの露出量B(atomic%)が
10.0≧B≧1.2
であることを特徴とする静電潜像現像剤用キャリア。
(2)前記露出量B(atomic%)が
8.0≧B≧3.0
であることを特徴とする前記(1)に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(3)前記金属化合物微粒子がバリウム化合物微粒子であることを特徴とする前記(1)または(2)に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(4)前記マグネシウム化合物微粒子およびバリウム化合物微粒子の体積平均粒径D50をC(nm)とすると、
500≦C≦1,000
であることを特徴とする前記(1)乃至(3)のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。
(5)前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア及びトナーを有することを特徴とする二成分現像剤。
(6)キャリア及びトナーを含む補給用現像剤であって、キャリア1質量部に対してトナーを2質量部〜50質量部含有し、前記キャリアが前記(1)乃至(4)のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリアであることを特徴とする補給用現像剤。
(7)前記(5)に記載の二成分現像剤と、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体を帯電させる帯電手段と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する露光手段と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、前記二成分現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、該静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
(8)前記(5)に記載の二成分現像剤、または前記(6)に記載の補給用現像剤を収容したことを特徴とするトナー収容ユニット。
マグネシウム、及びバリウムは、プラス帯電しやすい金属元素のうち、安定した状態でキャリア樹脂層内に存在することが出来る。
前記露出量Bが上記(1)で示す範囲内であれば、実機内で受けるハザードで膜削れが発生しても、プラス帯電微粒子が内側から露出し続けるため、経時の帯電能力が低下せず、トナー飛散などの画像品質問題が発生しない。
またトナー成分のフィルミングにより、キャリア表面が多少汚染されたとしても、適切な大きさの微粒子を使用することにより帯電サイトが保持できるため、キャリアの帯電能力が保持され続ける効果がある。
B>10.0では、プラス帯電する微粒子が多すぎてキャリア帯電が上昇する。そのため、実機帯電量も上昇し、エッジ部でのキャリア付着が悪化する。また低温低湿環境下などの高帯電になりやすい温湿度環境下において、現像能力不足による画像濃度(ID)低下が発生する。
1.2>Bでは、プラス帯電する粒子が少なすぎてキャリア帯電が低下する。そのため、実機帯電量も低下し、トナー飛散が発生する。
また、さらに好ましくは、
8.0≧B≧3.0
である。
金属化合物微粒子の露出量Bの制御の仕方として、例えば金属化合物微粒子の含有量、及びキャリアの乾燥時間によって制御できる。
キャリアの乾燥時間とは、例えば金属化合物微粒子を含む分散液を芯粒子表面にスピラコーター(岡田精工社製)によりコーティングし、終了後に乾燥させる工程を意味する。
詳細は分かっていないが、バリウム化合物微粒子を使用したキャリアを作製した場合、マグネシウム化合物微粒子を使用したキャリアよりも帯電の安定性が向上することが検討の結果明らかとなっている。帯電安定性が向上する場合として、例えば、高温高湿環境と低温低湿環境における帯電量の差がマグネシウム化合物微粒子を使用した場合よりも小さくなるといったことが挙げられる。バリウム化合物微粒子やマグネシウム化合物微粒子以外の、帯電安定性が低い微粒子を使用した場合、市場での使用状況によっては帯電能力のロバスト性が低いために、トナー飛散、エッジ部でのキャリア付着、ベタ画像におけるキャリア付着、ID低下など、さまざまな画像品質問題が発生する。
500≦C≦1,000・・・・(2)
であることが好ましい。
トナー成分のフィルミングにより、キャリア表面が多少汚染されるような状況下で、前記体積平均粒径D50が(2)の範囲であれば、キャリア表面上の帯電性を有する金属化合物微粒子がトナーフィルミングに埋もれず、帯電サイトが保持できるため、キャリアの帯電能力が保持され続ける効果がある。
C<500では、微粒子の粒径が小さすぎるため、トナーのフィルミングに帯電サイトが覆われるため、キャリアの帯電能力が保持できず、低下していく虞がある。
1000<Cでは、微粒子の粒径が大きすぎるため、樹脂にて微粒子が保持出来なくなり外れてしまう虞がある。したがって、微粒子離脱によって帯電保持能力の低下が発生しトナー飛散が発生する虞がある。また、樹脂膜削れが加速するため、芯材露出による抵抗低下が発生し、キャリア付着が発生する虞がある。
具体的な測定方法は、測定モード:Al:1486.6eV、励起源:モノクローム(Al)、検知方式:スペクトルモード、マグネットレンズ:OFFにて実施した。まず、広域スキャンによって検出元素を特定し、その次に、検出元素毎にナロースキャンにてピークを検出させた。その後、付属のピーク解析ソフトにてatomic%を算出した。
A部分(及びそのためのモノマーA成分):
R1:水素原子、またはメチル基
m:1〜8の整数であり、(CH2)mはメチレン基、エチレン基、
プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基、
R2:炭素原子数1〜4のアルキル基であり、メチル基、エチル基、
プロピル基、及びブチル基
X:10〜90モル%
ただし、X、Yは共重合体における構造式1で表されるA部分と構造式2で表されるB部分の組成比を表す。
A部分(モノマーA成分)は、側鎖にアルキル基が多数存在する原子団・トリス(トリアルキルシロキシ)シランを有しており、樹脂全体に対してA部分(モノマーA成分)の比率が高くなると表面エネルギーが小さくなり、トナーの樹脂成分、ワックス成分などの付着が少なくなる。A部分(モノマーA成分)が10モル%以上であると十分な効果が得られ、トナー成分の付着が少なくなる。また、90モル%以下であると、B部分(モノマーB成分)、強靭性が不足することがないと共に、芯材と樹脂層の接着性が向上し、キャリア被膜の耐久性が良くなる。
下式中、Meはメチル基、Etはエチル基、Prはプロピル基である。
CH2=CMe−COO−C3H6−Si(OSiMe3)3
CH2=CH−COO−C3H6−Si(OSiMe3)3
CH2=CMe−COO−C4H8−Si(OSiMe3)3
CH2=CMe−COO−C3H6−Si(OSiEt3)3
CH2=CH−COO−C3H6−Si(OSiEt3)3
CH2=CMe−COO−C4H8−Si(OSiEt3)3
CH2=CMe−COO−C3H6−Si(OSiPr3)3
CH2=CH−COO−C3H6−Si(OSiPr3)3
CH2=CMe−COO−C4H8−Si(OSiPr3)3
R1:水素原子、またはメチル基
m :1〜8の整数であり、(CH2)mはメチレン基、エチレン基、
プロピレン基、ブチレン基等のアルキレン基
R2:炭素原子数1〜4のアルキル基であり、メチル基、エチル基、
プロピル基、及びブチル基
R3:炭素数1〜8のアルキル基(メチル基、エチル基、プロピル基、
ブチル基など)、又は炭素数1〜4のアルコキシ基(メトキシ基、
エトキシ基、プロポキシ基、ブトキシ基)。
B成分が10モル%以上であると、強靭さが十分得られる。一方、90モル%以下である、被膜は固くて脆くなることがなく、膜削れが発生しにくくなる。また、環境特性が悪化することがない。加水分解した架橋成分がシラノール基として多数残ると、環境特性(湿度依存性)を悪化させていることも考えられる。
特許第3691115号公報には、磁性粒子表面を、少なくとも末端にビニル基を有するオルガノポリシロキサンとヒドロキシル基、アミノ基、アミド基およびイミド基からなる群から選択される少なくとも1つの官能基を有するラジカル共重合性単量体との共重合体をイソシアネート系化合物により架橋させた熱硬化性樹脂で被覆した静電荷像現像剤用キャリアが記載されているが、被膜の剥がれ・削れにおいて十分な耐久性が得られていないのが現状である。
被膜の剥がれ・削れが生じると、キャリア抵抗低下による画像品質の変化、キャリア付着が起こる。また、被膜の剥がれ・削れは、現像剤の流動性を低下させ、汲み上げ量低下を引き起こし、画像濃度低下、TCアップに伴う地汚れ、トナー飛散の原因となっている。
本発明においては、十分な可とう性を付与し、かつ、芯材と樹脂層、及び樹脂層と金属化合物微粒子との接着性を良好にするため、前記共重合体は、さらに下記構造式4で表されるC部分を含むことができる。
R1:水素原子、またはメチル基
R4:炭素原子数1〜4のアルキル基、またはアミノ基で置換されて
いても良い炭素数1〜4のアルキル基
C成分は、アクリロイル基、またはメタアクリロイル基を有するラジカル重合性アクリル系化合物である。
C部分(モノマーC成分)が80モル%以下であると、x、およびyのいずれかが10モル%以下となることがなく、キャリア被膜の撥水性、硬さと可とう性(膜削れ)を両立させることができる。
上記式のアリール基において、その炭素数は6〜20、好ましくは6〜14である。このアリール基には、ベンゼン由来のアリール基(フェニル基)の他、ナフタレンやフェナントレン、アントラセン等の縮合多環式芳香族炭化水素由来のアリール基及びビフェニルやターフェニル等の鎖状多環式芳香族炭化水素由来のアリール基等が包含される。なお、アリール基は、各種の置換基で置換されていてもよい。
上述のように、種々のシリコーン樹脂が使用可能であるが、中でも、メチルシリコーン樹脂は、低トナースペント性、帯電量の環境変動が小さいことなどの理由から特に好ましい。
アミノ樹脂と架橋し得るアクリル樹脂としては、ヒドロキシル基及び/又はカルボキシル基を有するものが好ましく、ヒドロキシル基を有するものがさらに好ましい。これにより、芯材粒子や導電性微粒子との密着性を向上させることができ、導電性微粒子の分散安定性も向上させることができる。このとき、アクリル樹脂は、水酸基価が10mgKOH/g以上であることが好ましく、20mgKOH/g以上がさらに好ましい。
これは、架橋成分B部分に由来するシラノール基の縮合反応を促進する効果が大きく、且つ触媒が失活しにくいためであると考えられる。チタンアルコキシド系触媒の例としては、下記構造式5で表されるチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)が挙げられ、また、チタンキレート系触媒の例としては、下記構造式6で表されるチタンジイソプロポキシビス(トリエタノールアミネート)が挙げられる。
具体的には、樹脂層用組成物で芯材粒子を被覆しながら、シラノール基を縮合させることにより形成してもよいし、樹脂層用組成物で芯材粒子を被覆した後に、シラノール基を縮合させることにより形成してもよい。
したがって、前記共重合樹脂は、重量平均分子量が5,000〜100,000であることが好ましく、10,000〜70,000であることがより好ましく、30,000〜40,000であることがさらに好ましい。5,000より小さいと、樹脂層の強度が不足し、100,000であると、液粘度が高くなり、キャリア製造性が悪くなる。
アミノシランカップリング剤としては、特に限定されないが、r−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、r−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−r−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン等が挙げられ、二種以上併用してもよい。
過去の検討から樹脂層が薄すぎると膜削れが大きく、厚過ぎるとトナースペントしやすくなる傾向がある。これはキャリアの膜削れとトナースペントは背中合わせの関係で、少なからず両方発生しているが、どちらが優位になるかによって決まる。
平均膜厚が0.30μm以上であると、使用により樹脂被覆層が破壊されにくくなり、膜が削れてしまうことがない。また0.90μm以下とすることで、高抵抗のトナー樹脂によるトナースペントがしにくく、キャリアの抵抗が上昇せず、エッジ部分におけるキャリア付着が発生しにくくなる虞がある。
カーボンブラックは、少ない添加量で導電性を発現するので好適であるが、この導電性カーボンブラックが樹脂被覆層から脱離した場合に、トナーがカラートナーであるときには着色汚染してしまう。このような場合には、導電性微粒子としてアンチモンをドープさせた導電性酸化チタン、酸素欠損型リンドープスズ(ITO)、酸素欠損型タングステンドープスズ(WTO)などを用いればよい。
トナーは、結着樹脂と着色剤を含有するが、モノクロトナー及びカラートナーのいずれであってもよい。また、定着ローラにトナー固着防止用オイルを塗布しないオイルレスシステムに適用するために、トナー粒子は、離型剤を含有してもよい。このようなトナーは、一般に、フィルミングが発生しやすいが、本発明のキャリアは、フィルミングをしても、帯電サイトが保持できるため、本発明の現像剤は、長期に亘り、良好な品質を維持することができる。
例えば、粉砕法を用いてトナーを製造する場合、まず、トナー材料を混練することにより得られる溶融混練物を冷却した後、粉砕し、分級して、母体粒子を作製する。次に、転写性、耐久性をさらに向上させるために、母体粒子に外添剤を添加し、トナーを作製する。
このとき、トナー材料を混練する装置としては、特に限定されないが、バッチ式の2本ロール;バンバリーミキサー;KTK型2軸押出し機(神戸製鋼所社製)、TEM型2軸押出し機(東芝機械社製)、2軸押出し機(KCK社製)、PCM型2軸押出し機(池貝鉄工社製)、KEX型2軸押出し機(栗本鉄工所社製)等の連続式の2軸押出し機;コ・ニーダ(ブッス社製)等の連続式の1軸混練機等が挙げられる。
さらに、粉砕された溶融混練物を分級する際には、風力式分級機等を用いることができる。なお、母体粒子の平均粒径が5μm〜20μmとなるように分級することが好ましい。
なお、本発明において使用される画像形成装置の構成としては、特に限定されるものではなく、同様の機能を有していれば、他の構成を有する画像形成装置を使用することも可能である。
前記現像装置内用現像剤としては、現像剤中のトナーの濃度が、3質量%〜11質量%であることが望ましい。
現像剤収容容器とは、現像剤を収容した容器をいう。
現像器は、現像剤を収容し現像する手段を有するものをいう。
プロセスカートリッジとは、少なくとも静電潜像担持体と現像手段とを一体とし、現像剤を収容し、画像形成装置に対して着脱可能であるものをいう。前記プロセスカートリッジは、更に帯電手段、露光手段、クリーニング手段のから選ばれる少なくとも一つを備えてもよい。
なお、この画像形成ステーション10は、画像形成装置1本体に着脱可能なプロセスカートリッジ10として用いることができる。
画像形成動作が開始されると、イエロー画像形成ステーション10Yでは、静電潜像担持体である感光体11は、帯電手段である帯電装置12により表面を一様に帯電される。
電気的に接地された芯金上に有機感光体層を形成した各感光体11Y、11C、11M、11Kは、各コロナ放電による帯電装置12Y,12C,12M,12Kで表面を均一に負帯電された後、各レーザーダイオードからなる発光手段を備える露光装置30Y,30C,30M,30Kにより、各色に対応する画像部分に光照射が行われ、各感光体11Y、11C、11M、11K上に静電潜像が形成される。
そして、帯電後の感光体11には光書き込みの露光装置30からの露光によりフルカラー原稿のイエロー成分画像の静電潜像が形成され、その静電潜像は現像手段であるイエロー現像装置13Yによりイエロートナーで顕像化される。また、所定の時間差でシアン画像形成ステーション、マゼンタ画像形成ステーション、ブラック画像形成ステーション10においても同様の画像形成動作が行われ、シアン,マゼンタ,ブラックの各色のトナー像が各感光体11上に形成される。各画像形成ステーション10Y,10C,10M,10Kにおいて感光体11上に形成されたトナー像Y,C,M,Bkを、中間転写ベルト21上で1つのフルカラー画像として重ねまとめるために、この中間転写ベルト21の裏面側には各画像形成ステーション10の感光体11の対向位置に一次転写ローラ23を配置し、一次転写ローラ23に所定の転写バイアスを印加することによって、各画像形成ステーション10のトナー像を順次中間転写ベルト21に重ねて転写させる。
フルカラートナー像の記録紙への転写後に中間転写ベルト21の表面に残留したトナーや紙粉等の付着物は、中間転写ベルトクリーニング装置22のクリーニングブラシローラやクリーニングブレードにより除去され、先述の感光体廃トナーと同様に廃トナー収容部に搬送される。中間転写ベルト21、転写バイアス電源、ベルト駆動軸などを内包する転写ユニット内に設置されたテンションローラ211(転写ローラ25への対向ローラ)、212、213がカム機構によって転写ベルトにテンションを与えるもしくは解除することにより、中間転写ベルト21は各画像形成ステーション10の感光体11と接触した状態と離間した状態に変更可能になっている。
これにより機械動作時には各画像形成ステーション10の感光体11が回転するのに先立って接触状態に、機械停止時には感光体11から離間した状態にしている。中間転写ベルト21へトナー像を転写した後、感光体表面は光除電ユニットで除電され、クリーニング装置19において、最初に(クリーニングユニット内において感光体回転方向において上流位置)で感光体回転方向とカウンター方向にブラシローラを接触回転させて感光体上の残トナー及び付着物を掻き乱して感光体11との付着力を弱め、その下流位置においてゴム弾性体でできたブレードを感光体11に接触させて、先述の乱されたトナーや付着物を除去している。
また、記録紙は、給紙装置2内に配置されている複数の給紙カセット40から、画像形成装置1の制御により選択された記録紙がピックアップローラ42により、給紙カセット40から1枚ずつ引き出される。そして、搬送ローラ43によって画像形成部3まで搬送される。そして、レジストローラ44で、中間転写ベルト21上のトナー像とのタイミングを計り、二次転写ローラ25の方に送り出される。
その後、トナー像が転写された記録紙は定着装置50に搬送され加熱・加圧されて記録紙上のトナー像が定着されフルカラー画像が出力される。
また、両面印刷を行う場合には画像定着装置から排紙トレイ48へと送られる前に、両面搬送部32へと送り戻される。その後、再度先レジストローラ44へと送られ第2面の印刷が行われる。
また、クリーニング装置19は、感光体11に対してクリーニングブレードを有する。さらに、クリーニングされたトナーを回収する回収羽根、フィルム等とそのトナーを搬送する回収コイルとを備えている。クリーニングブレードは、金属、樹脂、ゴム等の材質からなるが、フッ素ゴム、シリコーンゴム、ブチルゴム、ブタジエンゴム、イソプレンゴム、ウレタンゴム等のゴムが好ましく用いられ、この中でも特にウレタンゴムが好ましい。
このほかに、フッ素樹脂、シリコーン樹脂の樹脂、及びステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウム等のステアリン酸金属化合物を潤滑剤として感光体11上に塗布する潤滑剤塗布装置を併せて設けてもよい。図1において、24は搬送ベルト、47は排出ローラである。
図2は、本発明のプロセスカートリッジの構成の一例を示す概略図である。図2に示すように、このプロセスカートリッジ10は、感光体11の周囲に、帯電装置12、現像装置13、クリーニング装置19を配置している。プロセスカートリッジ10は、少なくとも感光体11とその他のプロセス装置を備えていればよい。上部に配置される露光装置30から照射されたレーザ光Lによって、感光体11上に潜像が形成される。プロセスカートリッジ10は、複写機、プリンタ等の画像形成装置の本体に対して着脱可能である。
(芯材製造例1)
MnCO3、Mg(OH)2、およびFe2O3粉を秤量し混合して混合粉を得た。この混合粉を、加熱炉により900℃、3時間、大気雰囲気下で仮焼し、得られた仮焼物を冷却後、粉砕して、ほぼ粒径7μm径の粉体とした。この粉体を1質量%の分散剤を水と共に加えてスラリーとし、このスラリーをスプレードライヤに供給して造粒し、平均粒径約40μmの造粒物を得た。この造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1250℃、5時間焼成した。得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、体積平均粒径が約35μmの球形フェライト粒子C1を得た。
体積平均粒径は、マイクロトラック粒度分布計モデルHRA9320−X100(日機装社製)を用いて水中にて、物質屈折率2.42、溶媒屈折率1.33、濃度を約0.06に設定して測定した。
(樹脂合成例1)
撹拌機付きフラスコにトルエン300gを投入して、窒素ガス気流下で90℃まで昇温した。次いでこれに、CH2=CMe−COO−C3H6−Si(OSiMe3)3(式中、Meはメチル基である。)で示される3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン84.4g(200ミリモル:サイラプレーン TM−0701T/チッソ株式会社製)、3−メタクリロキシプロピルメチルジエトキシシラン 39g(150ミリモル)、メタクリル酸メチル65.0g(650ミリモル)、および、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.58g(3ミリモル)の混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.06g(0.3ミリモル)をトルエン15gに溶解した溶液を加えて(2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリルの合計量0.64g=3.3ミリモル)、90℃〜100℃で3時間混合してラジカル共重合させてメタクリル系共重合体1を得た。
得られたメタクリル系共重合体の重量平均分子量は33,000であった。次いで、このメタクリル系共重合体溶液の不揮発分が24質量%になるようにトルエンで希釈した。
このようにして得られた共重合体溶液の粘度は8.8mm2/sであり、比重は0.91であった。
不揮発分(%)=加熱後の質量×100/加熱前の質量
[トナー1]
−ポリエステル樹脂Aの合成−
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAのエチレンオキシド2モル付加物65部、ビスフェノールAのプロピオンオキシド3モル付加物86部、テレフタル酸274部及びジブチルスズオキシド2部を投入し、常圧下、230℃で15時間反応させた。次に、5mmHg〜10mmHgの減圧下、6時間反応させて、ポリエステル樹脂を合成した。得られたポリエステル樹脂Aは、数平均分子量(Mn)が2,300、重量平均分子量(Mw)が8,000、ガラス転移温度(Tg)が58℃、酸価が25mgKOH/g、水酸基価が35mgKOH/gであった。
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部、及びジブチルチンオキサイド2部を仕込み、常圧下で、230℃にて8時間反応させた。次いで、10mmHg〜15mHgの減圧下で、5時間反応させて、中間体ポリエステルを合成した。
得られた中間体ポリエステルは、数平均分子量(Mn)が2,100、重量平均分子量(Mw)が9,600、ガラス転移温度(Tg)が55℃、酸価が0.5、水酸基価が49であった。
次に、冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、前記中間体ポリエステル411部、イソホロンジイソシアネート89部、及び酢酸エチル500部を仕込み、100℃にて5時間反応させて、プレポリマー(活性水素基含有化合物と反応可能な重合体)を合成した。
得られたプレポリマーの遊離イソシアネート含有量は、1.60質量%であり、プレポリマーの固形分濃度(150℃、45分間放置後)は50質量%であった。
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、イソホロンジアミン30部及びメチルエチルケトン70部を仕込み、50℃にて5時間反応を行い、ケチミン化合物(活性水素基含有化合物)を合成した。得られたケチミン化合物(活性水素機含有化合物)のアミン価は423であった。
水1,000部、DBP吸油量が42mL/100g、pHが9.5のカーボンブラックPrintex35(デグサ社製)540部、及び1,200部のポリエステル樹脂Aを、ヘンシェルミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。次に、二本ロールを用いて、得られた混合物を150℃で30分間混練した後、圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)で粉砕して、マスターバッチを作製した。
イオン交換水306部、リン酸三カルシウムの10質量%懸濁液265部及びドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム1.0部を混合攪拌し、均一に溶解させて、水系媒体を調製した。
界面活性剤の臨界ミセル濃度は以下の方法で測定した。表面張力計Sigma(KSV Instruments社製)を用いて、Sigmaシステム中の解析プログラムを用いて解析を行なった。界面活性剤を水系媒体に対して0.01質量%ずつ滴下し、攪拌、静置後の界面張力を測定した。得られた表面張力カーブから、界面活性剤の滴下によっても界面張力が低下しなくなる界面活性剤濃度を臨界ミセル濃度として算出した。水系媒体に対するドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムの臨界ミセル濃度を表面張力計Sigmaで測定を行ったところ、水系媒体の質量に対して0.05質量%であった。
ビーカー内に、ポリエステル樹脂Aを70部、プレポリマーを10部及び酢酸エチル100部を入れ、攪拌して溶解させた。離型剤としてパラフィンワックス5部(日本精鑞社製HNP−9 融点75℃)、MEK−ST(日産化学工業社製)2部、及びマスターバッチ10部を加えて、ビーズミルのウルトラビスコミル(アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/時、ディスクの周速度6m/秒で、粒径0.5mmのジルコニアビーズを80体積%充填した条件で3パスした後、前記ケチミン化合物2.7部を加えて溶解させ、トナー材料液を調製した。
前記水系媒体相150部を容器に入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業社製)を用い、回転数12,000rpmで攪拌し、これに前記トナー材料液100部を添加し、10分間混合して乳化乃至分散液(乳化スラリー)を調製した。
攪拌機及び温度計をセットしたコルベンに、前記乳化スラリー100部を仕込み、攪拌周速20m/分で攪拌しながら30℃にて12時間脱溶剤し、分散スラリーを得た。
前記分散スラリー100部を減圧濾過した後、濾過ケーキにイオン交換水100部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。得られた濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液20部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて30分間)した後減圧濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。得られた濾過ケーキにイオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過する操作を2回行った。更に得られた濾過ケーキに10質量%塩酸20部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。
上記洗浄により得られた濾過ケーキに、イオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した際のトナー分散液の電気伝導度を測定し、事前に作成した界面活性剤濃度の検量線より、トナー分散液の界面活性剤濃度を算出した。その値から、界面活性剤濃度が狙いの界面活性剤濃度0.05質量%になるように、イオン交換水を追加し、トナー分散液を得た。
前記所定の界面活性剤濃度に調整されたトナー分散液を、TK式ホモミキサーで5000rpmで混合しながら、ウォーターバスで加熱温度T1=55℃で10時間加熱を行なった。その後トナー分散液を25℃まで冷却し、濾過を行なった。更に得られた濾過ケーキに、イオン交換水300部を添加し、TK式ホモミキサーで混合(回転数12,000rpmにて10分間)した後濾過した。
得られた最終濾過ケーキを循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥し、目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体粒子1を得た。
さらに、トナー母体粒子1を100部に対して、平均粒径100nmの疎水性シリカ3.0部と、平均粒径20nmの酸化チタン0.5部と、平均粒径15nmの疎水性シリカ微粉体を1.5部とをヘンシェルミキサーにて混合し、[トナー1]を得た。
このときの[トナー1]の体積平均粒径は5.2μmであった。
[粉砕トナーの作製]
結晶性ポリエステル樹脂 4部
非結晶性樹脂1 35部
非結晶性樹脂2 55部
複合樹脂 10部
着色剤:カーボンブラック 14部
離型剤:カルナウバワックス(融点:81℃) 6部
帯電制御剤:モノアゾ金属錯体
クロム系錯塩染料(ボントロンS−34 オリエント化学工業(株)製)
2部
具体的には、アルコール成分及びカルボン酸成分の単量体を、常圧下、170℃〜260℃、無触媒の条件でエステル化反応せしめた後、反応系に全カルボン酸成分に対し400ppmの三酸化アンチモンを加え3Torrの真空下でグリコールを系外へ除去しながら250℃で重縮合を行い、結晶性の樹脂を得た。尚、架橋反応は撹拌トルクが10kg・cm(100ppm)となるまで実施し、反応は反応系の減圧状態を解除して停止させた。
芳香族ジオール成分及びエチレングリコール、テレフタル酸またはイソフタル酸の単量体を、常圧下、170℃〜260℃、無触媒の条件でエステル化反応せしめた後、反応系に全カルボン酸成分に対し400ppmの三酸化アンチモンを加え3Torrの真空下でグリコールを系外へ除去しながら250℃で重縮合を行い樹脂を得た。尚、架橋反応は撹拌トルクが10kg・cm(100ppm)となるまで実施し、反応は反応系の減圧状態を解除して停止させた。
上記非結晶性樹脂1,2はX線回折パターンにより、回折ピークが存在せず、非結晶性であることを確認した。
縮重合系モノマーである、テレフタル酸0.8mol、フマル酸0.6mol、無水トリメリット酸0.8mol、ビスフェノールA(2,2)プロピレンオキサイド1.1mol、ビスフェノールA(2,2)エチレンオキサイド0.5mol、及びエステル化触媒としてジブチル錫オキシド9.5molを、窒素導入管、脱水管、攪拌器、滴下ロート、及び熱電対を装備した5リットル容器の四つ口フラスコ内に入れ、窒素雰囲気下、135℃まで加熱した。
撹拌を行いながら、さらに付加重合系モノマーである、スチレン10.5mol、アクリル酸3mol、2−エチルヘキシルアクリレート1.5mol、重合開始剤としてt−ブチルハイドロパーオキサイド0.24molを滴下ロートに入れ、混合物を5時間かけて滴下し、6時間反応を行った。
続けて、210℃まで3時間かけて昇温を行い、210℃、10kPaにて所望の軟化点まで反応を行い、合成した。
得られた複合樹脂の軟化温度は115℃、ガラス転移温度は58℃、酸価は25mgKOH/gであった。
(実施例1)
・前記メタクリル系共重合体1[固形分24質量%]
22.0部
・シリコン樹脂溶液[固形分41質量%]
(SR2410:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)
220.0部
・チタン触媒[固形分57質量%]
(TC−754:マツモトファインケミカル社製)
23.2部
・アミノシラン[固形分100質量%]
(SH6020:東レ・ダウコーニング・シリコーン社製)
1.8部
・硫酸バリウム微粒子(体積平均粒径D50:740nm)
126部
・酸素欠損型タングステンドープスズ微粒子
(体積平均粒径D50:250nm) 165.6部
・オクタン 1,300部
チタン触媒を除く原材料を加えて、0.5mmZrビーズ1000部とともに、ペイントシェイカーで1時間分散した後、メッシュでビーズを除去し、10分静置させて樹脂被覆膜形成溶液を得た。芯材として平均粒径;35μm球形フェライト粒子C1(真比重5.5):5000部を用い、上記被覆膜形成溶液にチタン触媒を加えた溶液を芯粒子表面にスピラコーター(岡田精工社製)によりコーター内温度70℃にてコーティングを実施し、コーティング終了後、コーティング時と同じ70℃にて20分間乾燥させた。
得られたキャリアを窒素雰囲気下において電気炉中にて210℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き63μmの篩を用いて解砕し[キャリア1]を得た。
このとき[キャリア1]のバリウムの露出量Bは4.1(atomic%)であった。
[キャリア1]、[トナー1]をトナー濃度7wt%にて軽量し、タービュラーミキサーを用いて81rpmで5分間攪拌し、評価用現像剤の[現像剤1]を作製した。
実施例1の乾燥時間0分に変更した以外は、キャリア1と全く同様にして[キャリア2]及び[現像剤2]を得た。このとき[キャリア2]のバリウムの露出量Bは0.1(atomic%)であった。
実施例1の硫酸バリウム微粒子(体積平均粒径D50:740nm)を90.0部、酸素欠損型タングステンドープスズ微粒子(体積平均粒径D50:250nm)を165.6部、乾燥時間7分に変更した以外は、キャリア1と全く同様にして[キャリア3]及び[現像剤3]を得た。このとき[キャリア3]のバリウムの露出量Bは1.2(atomic%)であった。
実施例1の硫酸バリウム微粒子(体積平均粒径D50:740nm)を300.0部、酸素欠損型タングステンドープスズ微粒子(体積平均粒径D50:250nm)を300.0部、乾燥時間30分に変更した以外は、キャリア1と全く同様にして[キャリア4]及び[現像剤4]を得た。このとき[キャリア4]のバリウムの露出量Bは9.9(atomic%)であった。
実施例1の硫酸バリウム微粒子(体積平均粒径D50:740nm)を80.0部、酸素欠損型タングステンドープスズ微粒子(体積平均粒径D50:250nm)を165.5部、乾燥時間7分に変更した以外は、キャリア1と全く同様にして[キャリア5]及び[現像剤5]を得た。このとき[キャリア5]のバリウムの露出量Bは1.1(atomic%)であった。
実施例1の硫酸バリウム微粒子(体積平均粒径D50:740nm)を300.0部、酸素欠損型タングステンドープスズ微粒子(体積平均粒径D50:250nm)を300.0部、乾燥時間35分に変更した以外は、キャリア1と全く同様にして[キャリア6]及び[現像剤6]を得た。このとき[キャリア6]のバリウムの露出量Bは10.8(atomic%)であった。
実施例1の硫酸バリウム微粒子(体積平均粒径D50:740nm)を110.0部、酸素欠損型タングステンドープスズ微粒子(体積平均粒径D50:250nm)を165.5部、乾燥時間15分に変更した以外は、キャリア1と全く同様にして[キャリア7]及び[現像剤7]を得た。このとき[キャリア7]のバリウムの露出量Bは3.0(atomic%)であった。
実施例1の硫酸バリウム微粒子(体積平均粒径D50:740nm)を250.0部、酸素欠損型タングステンドープスズ微粒子(体積平均粒径D50:250nm)を250.0部、乾燥時間30分に変更した以外は、キャリア1と全く同様にして[キャリア8]及び[現像剤8]を得た。このとき[キャリア8]のバリウムの露出量Bは8.0(atomic%)であった。
実施例1の硫酸バリウム微粒子(体積平均粒径D50:740nm)を103.0部、酸素欠損型タングステンドープスズ微粒子(体積平均粒径D50:250nm)を165.5部、乾燥時間13分に変更した以外は、キャリア1と全く同様にして[キャリア9]及び[現像剤9]を得た。このとき[キャリア9]のバリウムの露出量Bは2.8(atomic%)であった。
実施例1の硫酸バリウム微粒子(体積平均粒径D50:740nm)を270.0部、酸素欠損型タングステンドープスズ微粒子(体積平均粒径D50:250nm)を250.0部、乾燥時間31分に変更した以外は、キャリア1と全く同様にして[キャリア10]及び[現像剤10]を得た。このとき[キャリア10]のバリウムの露出量Bは8.4(atomic%)であった。
実施例1の硫酸バリウム微粒子を水酸化マグネシウム(体積平均粒径D50:800nm)に変更した以外は、キャリア1と全く同様にして[キャリア11]及び[現像剤11]を得た。このとき[キャリア11]のマグネシウムの露出量Bは4.3(atomic%)であった。
実施例1の硫酸バリウム微粒子のD50を740nmから500nmに変更した以外は、キャリア1と全く同様にして[キャリア12]及び[現像剤12]を得た。このとき[キャリア12]のバリウムの露出量Bは4.0(atomic%)であった。
実施例1の硫酸バリウム微粒子のD50を740nmから1000nmに変更した以外は、キャリア1と全く同様にして[キャリア13]及び[現像剤13]を得た。このとき[キャリア13]のバリウムの露出量Bは4.1(atomic%)であった。
実施例1の硫酸バリウム微粒子のD50を740nmから489nmに変更した以外は、キャリア1と全く同様にして[キャリア14]及び[現像剤14]を得た。このとき[キャリア14]のバリウムの露出量Bは4.2(atomic%)であった。
実施例1の硫酸バリウム微粒子のD50を740nmから1030nmに変更した以外は、キャリア1と全く同様にして[キャリア15]及び[現像剤15]を得た。このとき[キャリア15]のバリウムの露出量Bは4.1(atomic%)であった。
実施例1の[キャリア1]と混合させるトナーを[トナー1]から[トナー2]に変更した[現像剤16]を作成した。
<キャリア付着(ベタ部)評価>
得られた現像剤を用いて、高速機であるRICOH Pro C9110(リコー製オンデマンドプリンティング機)を用いて画像評価を実施する。実施例及び比較例の現像剤1〜16を用いて、画像面積率0.5%、A4用紙で600,000枚を印刷した後、下記の条件にて評価した。
キャリア付着が発生すると、感光体ドラムや定着ローラーの傷の原因となり、画像品質の低下を招く。感光体上にキャリア付着が発生しても、一部のキャリアしか紙に転写しないため、以下の方法で評価している。
600,000枚印刷後にベタ画像を所定の現像条件(帯電電位(Vd):−600V、画像部(ベタ原稿)にあたる部分の感光後の電位:−100V、現像バイアス:DC−500V)にて作像中に電源をOFFにする等の方法で作像を中断し、転写後の感光体上のキャリア付着の個数を数えて評価を実施した。なお、評価する領域は感光体上の10mm×100mmの領域とした。◎はキャリア付着の個数が0個である状態、○はキャリア付着の個数が1〜2個の状態、△はキャリア付着の個数が3〜4個の状態、×はキャリア付着の個数が5個以上の状態となる。◎、○、△を合格とし、×を不合格とした。
得られた現像剤を用いて、RICOH Pro C6003(リコー製デジタルカラー複写機・プリンタ複合機)を用いて画像評価を実施する。
トナー飛散1は、実施例及び比較例の現像剤1〜16を用いて、画像面積率5%、にてA4用紙で600,000枚を印刷した後、現像ユニット側面の状態を目視で評価した。表中記載の記号は、◎:大変良好、○:良好、△:使用可能 ×:不良 とした。
◎はPCUユニット全体においてトナー飛散が無い状態。○は現像ユニットがトナーで汚れているが機外への飛散が無い状態、△は現像ユニット、及びフィルターがトナーで汚れているが機外への飛散が無い状態、×は機外へのトナー飛散がある状態とした。
トナー飛散2もトナー飛散1の画像面積を20%に変更する以外は同様に評価する。
600,000枚を印刷した後、現像ユニット側面の状態を目視で評価した。表中記載の記号はトナー飛散1と同じである。
得られた現像剤を用いて、RICOH Pro C9110(リコー製オンデマンドプリンティング機)を用いて画像評価を実施する。10℃15%にて実機及び現像剤を調温湿し、画像面積率0.5%、A4用紙で100枚印刷したのち、全ベタ(100%画像面積率)を2枚出力し、1枚につき5箇所のID測定をし、2枚の平均値を算出する。
◎はID:1.6以上〜1.8未満、○はID:1.4以上〜1.6未満、△はID:1.2以上〜1.4未満、×はID:1.2未満とした。◎、○、△を合格とし、×を不合格とした。
得られた現像剤を用いて、RICOH Pro C9110(リコー製オンデマンドプリンティング機)を用いて画像評価を実施する。10℃15%にて実機及び現像剤を調温湿し、画像面積率0.5%、A4用紙で100枚印刷したのち、下記の条件にて評価を行った。
キャリア付着が発生すると、感光体ドラムや定着ローラーの傷の原因となり、画像品質の低下を招く。
100枚印刷後に感光体上の副走査方向に2ドットライン(100lpi/inch)の画像を形成し、その画像を所定の現像条件(帯電電位(Vd):−600V、画像部(ベタ原稿)にあたる部分の感光後の電位:−100V、現像バイアス:DC−400V、転写バイアス:0V)にて作像中に電源をOFFにする等の方法で作像を中断し、転写後の感光体上のキャリア付着の個数を数えて評価を実施した。なお、評価する領域は感光体上の10mm×100mmの領域とした。◎はキャリア付着の個数が0個である状態、○はキャリア付着の個数が1〜8個の状態、△はキャリア付着の個数が9〜20個の状態、×はキャリア付着の個数が21個以上の状態となる。◎、○、△を合格とし、×を不合格とした。
2 給紙装置
3 画像形成部
4 スキャナ部
5 原稿自動搬送装置(ADF)
10 画像形成ステーション(プロセスカートリッジ)
11 感光体
12 帯電装置
13 現像装置
19 クリーニング装置
20 転写装置
21 中間転写ベルト
22 中間転写ベルトクリーニング装置
23 一次転写ローラ
24 搬送ベルト
25 二次転写ローラ
30 露光装置
32 両面搬送部
40 給紙カセット
42 ピックアップローラ
43 搬送ローラ
44 レジストローラ
47 排出ローラ
48 排紙トレイ
50 定着装置
Claims (8)
- 芯材粒子とその表面を被覆する樹脂層とを有する静電潜像現像剤用キャリアであって、
前記樹脂層内に金属化合物微粒子を含有し、
前記金属化合物微粒子が、マグネシウム化合物微粒子及び酸素欠損型タングステンドープスズ微粒子、またはバリウム化合物微粒子及び酸素欠損型タングステンドープスズ微粒子を含み、かつキャリア表面のマグネシウムの露出量、またはバリウムの露出量B(atomic%)が
10.0≧B≧1.2
であることを特徴とする静電潜像現像剤用キャリア。 - 前記露出量B(atomic%)が
8.0≧B≧3.0
であることを特徴とする請求項1に記載の静電潜像現像剤用キャリア。 - 前記金属化合物微粒子がバリウム化合物微粒子及び酸素欠損型タングステンドープスズ微粒子であることを特徴とする請求項1または2に記載の静電潜像現像剤用キャリア。
- 前記マグネシウム化合物微粒子およびバリウム化合物微粒子の体積平均粒径D50をC(nm)とすると、
500≦C≦1,000
であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア。 - 請求項1乃至4のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリア及びトナーを有することを特徴とする二成分現像剤。
- キャリア及びトナーを含む補給用現像剤であって、キャリア1質量部に対してトナーを2質量部〜50質量部含有し、前記キャリアが請求項1乃至4のいずれかに記載の静電潜像現像剤用キャリアであることを特徴とする補給用現像剤。
- 請求項5に記載の二成分現像剤と、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体を帯電させる帯電手段と、該静電潜像担持体上に静電潜像を形成する露光手段と、該静電潜像担持体上に形成された静電潜像を、前記二成分現像剤を用いて現像してトナー像を形成する現像手段と、該静電潜像担持体上に形成されたトナー像を記録媒体に転写する転写手段と、該記録媒体に転写されたトナー像を定着させる定着手段とを有することを特徴とする画像形成装置。
- 請求項5に記載の二成分現像剤、または請求項6に記載の補給用現像剤を収容したことを特徴とするトナー収容ユニット。
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