JP2007086502A - 静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤ならびに画像形成方法 - Google Patents

静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤ならびに画像形成方法 Download PDF

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Abstract

【課題】良好な低温定着特性のみならず、トナー強度、画像耐久性を確保し、長期に渡り帯電安定性を有し、感光体表面を汚染しない高画質を達成する静電荷像現像用トナーを提供する。
【解決手段】結着樹脂、着色剤を含有する静電荷像現像用トナーであって、結着樹脂は、結晶性樹脂及び非晶性樹脂のうち少なくとも1つを含み、トナーのASTM法によるDSC測定における1回目の昇温において吸熱ピーク(Tm1)を55〜100℃の範囲に少なくとも1つ以上有し、1回目の昇温後の冷却時において該吸熱ピークTm1のうち最低温のピークよりも1〜35℃の範囲に凝結ピーク(Tc1)を有し、該吸熱ピーク(Tm1)熱量Q1と、凝結ピーク(Tc1)熱量Gと、2回目の昇温時において現われる吸熱ピーク(Tm2)熱量Q2とが下記式の関係にある静電荷像現像用トナーである。
0.5×Q1<G<0.8×Q1
0.3×Q1<Q3<0.6×Q1
【選択図】なし

Description

本発明は、電子写真法、静電記録法等により形成する静電潜像を現像剤で現像する際に用いられる静電荷像現像用トナー(以下、「トナー」と略す場合がある)及びその製造方法、静電荷像現像剤ならびに画像形成方法に関する。
電子写真法においては帯電、露光工程により感光体上に静電荷像を形成し、トナーを含む現像剤で静電潜像を現像し、転写、定着工程を経て可視化される。現像剤には、トナーとキャリアからなる二成分現像剤と、磁性トナーまたは非磁性トナーを単独で用いる一成分現像剤とがある。トナーの製造には、通常、熱可塑性樹脂を顔料、帯電制御剤、ワックスなどの離型剤とともに溶融混練して、冷却した後、微粉砕し、さらに分級する、いわゆる混練粉砕製法が使用されている。
通常の混練粉砕製法では、トナー粒子の形状は不定形であり、またトナー粒子の表面構造は、使用材料の粉砕性や粉砕工程の条件により微妙に変化するので、トナー粒子の形状及び表面構造を意図的に制御することは困難である。
近年、トナー形状及び表面構造の制御を意図的に行うことが可能な手段として、湿式製法による電子写真用トナーの製造方法が提案されている。湿式製法には、形状制御が可能な湿式球形化法、表面組成制御が可能な懸濁造粒法、内部組成の制御が可能な懸濁重合法、乳化重合凝集法等がある。
一方、エネルギの省力化への要求の高まりに伴い、複写機においてある程度の使用電力を占める定着工程の省電力化を図るため、また定着領域の拡大を図るためには、トナーの定着温度をより低温化させる必要がある。トナー定着温度を低温化させることは、省電力化と定着領域の拡大に加えて、複写機等の電源入力時における定着ロール表面の定着可能温度までの待ち時間、いわゆるウォームアップタイムの短時間化、定着ロールの長寿命化を可能にする。
ところで、トナー定着温度の低温化は、同時にトナーのガラス転移点の低下をもたらすことになり、トナーの保存性を悪化させるという問題があり、両立を図ることが困難であった。低温定着化とトナー保存性の両立を図るためには、トナーのガラス転移点をより高温に保ったまま、高温領域でトナー粘度が急速に低下する、いわゆるシャープメルト性をもつことが必要となる。
しかし、トナーに使用される樹脂は、通常はガラス転移点や分子量などに変動幅があるため、シャープメルト性を得るためには、極端に樹脂の組成、分子量をそろえる必要がある。このような樹脂を得るためには、特殊な製法を用いたり、樹脂をクロマトグラフ等で処理をしたりすることにより樹脂の分子量を整える必要が生ずるため、樹脂の作製コストが非常に高くなり、かつ、その際に不要な樹脂が副生されるので、環境保護の観点からも好ましくない。
トナーの定着温度を低下させる方法として、結着樹脂に結晶性樹脂を用いることが提案されている(例えば、特許文献1〜19参照)。
これらの方法は、定着温度を低下させることはできるものの、温度変化に対する樹脂粘度の傾きが大きいため、トナーの作製時、例えば混練時に十分な粘性が得られず、樹脂に対する着色剤、離型剤等の分散性が安定せず、発色性や定着性にむらのあるトナーを生じ易くなり、また、混練物の粉砕が困難になるため、小粒径のトナーが得られ難くなるという問題を生ずる。この問題を解決するためには、例えば、増粘剤、粉砕助剤等の助剤を添加する方法があるが、それらの助剤は樹脂中に分散して、結着樹脂の結晶性を崩すため好ましくない。
このような観点から、過剰な温度、混練エネルギを必要としない、前記湿式製法によるトナー粒子作製技術が盛んに検討されている。特に、省エネルギの観点から、トナー定着温度の低下を狙い、更に前記湿式製法での作製技術による検討が盛んになっている。
特開昭62−129867号公報 特開昭62−170971号公報 特開昭62−170972号公報 特開昭62−205365号公報 特開昭62−276565号公報 特開昭62−276566号公報 特開昭63−038949号公報 特開昭63−038950号公報 特開昭63−038951号公報 特開昭63−038952号公報 特開昭63−038953号公報 特開昭63−038954号公報 特開昭63−038955号公報 特開昭63−038956号公報 特開平05−001217号公報 特開平06−148936号公報 特開平06−194874号公報 特開平05−005056号公報 特開平05−112715号公報
しかしながら、結着樹脂の分子量、分子量分布、溶融粘度、結晶性樹脂の含有などの手段によりシャープメルト性を達成することで、結果的に樹脂強度を低下させることになり、トナー強度の低下、画像強度の低下などを招く場合がある。特に、樹脂強度の低下は長期に渡る使用により、トナー保管性、画像耐久性を悪化させるだけでなく、現像、転写など電子写真主要工程の制御安定性に大きく影響する。
また、結晶性樹脂の添加は特に結着樹脂への結晶性樹脂等の内包性などを低下させることもあり、粒子サイズ、粒子形状制御など粒子作製安定性を損なう場合があり、製造性に劣る。
更に、樹脂強度が低下した場合、内包材料の露出が起こりやすくなり、帯電性変動による、現像性変化が発生しやすくなり、長期にわたる帯電安定性、高画質を得ることが困難となる場合がある。
特に、近年、廃トナーレスの観点から、クリーナーレス、トナーリサイクル方式、長寿命感光体を用いたメンテナンスフリー画像形成方法が提案されているが、特に、トナーリサイクル方式による画像形成方法においては、トナー粒子強度、粒子サイズ、形状均一性、帯電変動抑制は必須であり、上記シャープメルト性を達成しようとする場合に妨げとなる場合が多い。
更に、長寿命システム達成のため、表面保護層を設けた感光体においては、比較的高い当接圧で感光体表面をクリーニングする必要があることから、トナー成分の感光体表面への付着、内包材料露出による帯電変動が起こりやすくなることが多い。
本発明は、良好な低温定着特性のみならず、トナー強度、画像耐久性を確保し、長期に渡り帯電安定性を有し、感光体表面を汚染しない高画質を達成する静電荷像現像用トナー及びその製造方法、静電荷像現像剤ならびに画像形成方法である。
本発明は、結着樹脂、着色剤を含有する静電荷像現像用トナーであって、前記結着樹脂は、結晶性樹脂及び非晶性樹脂のうち少なくとも1つを含み、前記トナーのASTM法によるDSC測定における1回目の昇温において吸熱ピーク(Tm1)を55〜100℃の範囲に少なくとも1つ以上有し、1回目の昇温後の冷却時において該吸熱ピークTm1のうち最低温のピークよりも1.0〜35℃低温側の範囲に凝結ピーク(Tc1)を有し、該吸熱ピーク(Tm1)熱量Q1と、凝結ピーク(Tc1)熱量Gと、2回目の昇温時において現われる吸熱ピーク(Tm2)熱量Q2とが下記式の関係にある。
0.5×Q1<G<0.8×Q1
0.3×Q1<Q2<0.6×Q1
また、前記静電荷像現像用トナーにおいて、前記結着樹脂は、結晶性樹脂を含み、数平均分子量Mnが8000以下であり、ガラス転移温度Tgが40℃〜100℃の範囲である樹脂成分を前記トナー全重量に対して1〜50重量%含有することが好ましい。
また、前記静電荷像現像用トナーにおいて、前記樹脂成分が、ポリテルペン系樹脂であることが好ましい。
また、本発明は、前記静電荷像現像用トナーの製造方法であって、結着樹脂粒子分散液と、着色剤粒子分散液とを撹拌混合し、前記結着樹脂粒子と前記着色剤粒子を含有する凝集粒子分散液を調製する工程と、前記結着樹脂の融点以上の温度に加熱して前記凝集粒子を一体化する工程と、を含む。
また、本発明は、前記静電荷像現像用トナーを含有する静電荷像現像剤である。
更に、本発明は、潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用い、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を含む画像形成方法であって、前記現像剤は、前記静電荷像現像剤である。
本発明では、結着樹脂、着色剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、結着樹脂は、結晶性樹脂及び非晶性樹脂のうち少なくとも1つを含み、トナーが特定の熱特性を備えることにより、良好な低温定着特性のみならず、トナー強度、画像耐久性を確保し、長期に渡り帯電安定性を有し、感光体表面を汚染しない高画質を達成する静電荷像現像用トナーを提供し、さらにその製造方法、静電荷像現像剤ならびに画像形成方法を提供することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。
<静電荷像現像用トナー>
本発明者らは、湿式製法等により得られる静電荷像現像用トナーにおいて、ASTM法におけるDSC(示差走査熱分析)測定により、特定の温度範囲に昇温1回目の吸熱ピークを有し、該吸熱ピークから特定の温度差を有して凝結ピークを有し、かつ、1回目、2回目の吸熱ピーク熱量及び凝結ピーク熱量を特定の範囲に規定することにより、低温定着性を狙った結着樹脂を用いた場合でもシャープメルト性を維持しつつトナー強度、長期にわたる帯電安定性を改善できることを見出した。更に、結着樹脂として結晶性樹脂を併用した場合にも分散改善作用を示し、内包性の良好なトナー粒子が得られることから、粒子サイズ、形状ばらつきのないトナーが得られることを見出した。これら、低温定着性を達成しながら、強度の高い、帯電安定性を達成したトナーを用いることで、例えば、表面層にシロキサン架橋構造を有する高硬度の電子写真感光体、トナーリサイクル方式による画像形成方法による長期に渡る高画質を得ることが可能となった。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーは、結着樹脂、着色剤を含有し、結着樹脂は、結晶性樹脂及び非晶性樹脂のうち少なくとも1つを含み、当該トナーのASTM法によるDSC測定における1回目の昇温において吸熱ピーク(Tm1)を55〜100℃の範囲に少なくとも1つ以上有し、1回目の昇温後の冷却時において該吸熱ピークTm1のうち最低温のピークよりも1〜35℃低温側の範囲に凝結ピーク(Tc1)を有し、該吸熱ピーク(Tm1)熱量Q1と、凝結ピーク(Tc1)熱量Gと、2回目の昇温時において現われる吸熱ピーク(Tm2)の熱量Q2とが下記式の関係にある。
0.5×Q1<G<0.8×Q1
0.3×Q1<Q2<0.6×Q1
一般に結晶性樹脂は、融点を有するため特定温度における粘度の低下が大きく、樹脂分子が熱的に活動を開始してから定着可能領域までの温度差を小さくすることができるため、優れた低温定着性を付与することができる。他方、非結晶性樹脂は、ガラス転移点で樹脂分子が熱的に活動を開始してから、緩やかに粘度が低下するため定着可能領域までの温度差が大きく、低温定着性を確保することができない。その点から、低温定着性を確保するには結着樹脂は結晶性樹脂を主成分として、非晶性樹脂と併用することが好ましいと言える。
トナーの保存耐久性、画質耐久性を向上させるためにはできるだけ高分子量の結晶性樹脂を使用することが望ましいが、従来、トナーの結着樹脂として結晶性樹脂と非晶性樹脂とを併用する場合、樹脂同士の相溶性の問題から高分子量(重量平均分子量Mwが20000以上)の結晶性樹脂を使用することができないという問題があった。この樹脂同士の相溶性が悪い場合は、結晶性樹脂の内包性が低下し、帯電特性、耐久性などの低下、更に感光体へのフィルミングなど、信頼性の高いシステムにおいては長期に渡り使用が困難になるというという問題があった。しかし、低温定着を達成するためには高分子量の結晶性樹脂を使用した上で、当該樹脂同士の相溶性の改善が必須であると考え、検討を行った。そして、トナーに使用する当該樹脂同士の相溶性とトナーのASTM法におけるDSC(示差走査熱分析)測定における熱特性との間に相関関係があることを見出し、本発明に至った。すなわち、当該樹脂同士の相溶性が悪いと、熱特性において、冷却時に現われる結晶性樹脂の凝結ピークGは大きく現われる。特に、DSCによる凝結ピークGと1回目の吸熱ピークQ1との関係において、Gが0.8×Q1の値以上の場合は、トナー中での相分離状態を表し、低温定着性が得られない。また、0.5×Q1の値以下の場合は、トナー中での相溶が残存している状態を表し、トナー保存性、耐久性、画像保存性などが損なわれる場合があり好ましくない。
更に相溶性が悪い場合は、1回目の昇温時の吸熱ピークの温度に対してその差が1℃未満と近いところに現われる。また、相溶が残存する場合は、1回目の昇温時の吸熱ピークの温度に対してその差が35℃を超える低温側に現われ、結晶性が失われていることを表す。更に、2回目の昇温時の吸熱ピークQ2も、非結晶性樹脂と結晶性樹脂の相溶が悪い場合は、0.6×Q1の値以上となり、相溶性が残存している場合は0.3×Q1以下の値となり、低温定着性と保存性、耐久性などのバランスが得られなくなる。以上のように、熱特性において低温定着性を維持しつつ保存性、耐久性を獲得するためには吸熱ピーク熱量Q1、Q2、凝結ピーク熱量Gを適切な範囲に制御する必要があることがわかった。
なお、本実施形態において、「結晶性樹脂」の「結晶性」とは、樹脂またはトナーの示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを指す。具体的には、自動接線処理システムを備えた島津製作所社製の示差走査熱量計(装置名:DSC−60型)を用いた示差走査熱量測定(DSC)において、10℃/minの昇温速度で昇温したときのオンセット点から吸熱ピークのピークトップまでの温度が10℃以内であるときに「明確な」吸熱ピークであるとする。また、シャープメルト製の観点から、前記オンセット点から吸熱ピークのピークトップまでの温度は、10℃以内であることが好ましく、6℃以内であることがより好ましい。DSC曲線におけるベースラインの平坦部の任意の点及びベースラインからの立ち下がり部の平坦部の任意の点を指定し、その両点間の平坦部の接線の交点が「オンセット点」として自動接線処理システムにより自動的に求められる。また、吸熱ピークは、トナーとしたときに、40〜50℃の幅を有するピークを示す場合がある。
また、結着樹脂として用いる「非晶性樹脂」とは、樹脂またはトナーの示差走査熱量測定(DSC)において、オンセット点から吸熱ピークのピークトップまでの温度が10℃を超えるとき、あるいは明確な吸熱ピークが認められない樹脂であることを指す。具体的には、自動接線処理システムを備えた島津製作所社製の示差走査熱量計(装置名:DSC−60型)を用いた示差走査熱量測定(DSC)において、10℃/minの昇温速度で昇温したときのオンセット点から吸熱ピークのピークトップまでの温度が10℃を超えるとき、あるいは明確な吸熱ピークが認められないときに「非晶性」であるとする。また、前記オンセット点から吸熱ピークのピークトップまでの温度は、12℃を超えることが好ましく、明確な吸熱ピークが認められないことがより好ましい。DSC曲線における「オンセット点」の求め方は上記「結晶性樹脂」の場合と同様である。
本実施形態で用いる結晶性樹脂は、低温定着性とトナーの保存安定性を確保するために、55〜100℃の範囲に融点を有するものが適当である。融点が55℃を下回ると、トナーの保存が困難になり、100℃を超えると低温定着性の効果を享受することができない場合がある。結晶性樹脂の好ましい融点の範囲は65〜100℃であり、より好ましい範囲は70〜90℃である。前記樹脂の融点は、JIS K−7121:87に示す方法で求めた。
更に本実施形態に係るトナーはASTM法よるDSC(示差走査熱分析)測定において、1回目の吸熱ピークに対して、冷却時の凝結ピークが特定の温度範囲で存在し、かつ2回目の吸熱ピーク熱量が1回目の熱量に対して特定の範囲であることにより、低温定着性に優れ、結晶性樹脂の有する、帯電特性、帯電安定性、保存安定性や製造性等の問題を補うことができると考えられる。
上記、更に詳細なメカニズムについては不明な点が多いものの、1回目の吸熱に対して、凝結温度が規定の範囲(1〜35℃の範囲)とすることで、トナー製造時の冷却工程における安定性が確保される。また、トナー定着後の画像排出時の融着、剥離部材による傷跡、画像保存性などが改善される。1回目の吸熱ピークに対する凝結温度が1℃の範囲より下回る場合、トナー製造性には大きな問題がないものの、画像の強度が低下することがあり、定着時の前記問題が発生する。一方、凝結温度が35℃の範囲を超える場合、トナー製造時の冷却工程で、結晶性樹脂の表面露出などの問題が発生する場合があり好ましくない。上記範囲の、更に好ましい範囲は、18〜33℃である。
更に、吸熱量に関しても、1回目の昇温時と凝結時、2回目の昇温時で特定の関係にあることが好ましい。1回目の吸熱量Q1と凝結ピーク熱量Gの関係が、上記範囲より下回る場合、結晶性樹脂と非晶性樹脂もしくは、離型剤と結着樹脂が相溶していることを表し、十分な定着特性、トナー耐久性が得られない場合がある。また、1回目の吸熱量Q1と凝結ピーク熱量Gの関係が、上記範囲を超える場合、結晶性樹脂と非晶性樹脂、もしくは離型剤と結着樹脂が非相溶で加熱時でも分離していることを表し、トナー造粒時の遊離による内包性不良、帯電性不良、保存性不良などの懸念や、粒子内部での不均一構造による定着像透明性、色再現性などに支障をきたす場合があり好ましくない。また、1回目の吸熱量Q1と2回目の吸熱量Q2の関係が、上記範囲より下回る場合、相溶状態が維持されたままの状態を表し、トナー耐久性、画像耐久性などが悪化する場合がある。また、1回目の吸熱量Q1と2回目の吸熱量Q2の関係が、上記範囲を超える場合、結晶性樹脂と非結晶性樹脂の相溶性が悪いことを表し、低温定着性が得られない、トナー内包性が低下し帯電部材、感光体、転写部材へのフィルミングなどの問題があり長期に渡り安定した使用が困難となる場合がある。また、上記式は以下の式であることが好ましい。
0.6×Q1<G<0.8×Q1
0.4×Q1<Q2<0.6×Q1
更に、湿式製法、特に、乳化凝集法などによりでトナー粒子中に上記樹脂の数平均分子量Mn(スチレン換算)が8000以下で、DSCによるガラス転移温度Tg(オンセット)が40℃〜100℃の範囲である樹脂成分をトナー粒子全重量に対して1〜50重量%含有する導入することにより上記熱特性を実現することができるため好ましい。数平均分子量が8000を超える場合は、トナー粘度が上がりすぎる場合があり、低温定着性が損なわれる懸念がある。Mnの範囲のより好ましい範囲は500〜5000であり、更に好ましい範囲は700〜1500である。ガラス転移温度Tgに関しては、40℃未満であるとトナー保存性、帯電性、画像保存性が低下する場合がある。Tgが100℃を超える場合、トナー粒子への該樹脂成分の取り込み性の悪化、形状制御性の悪化、低温定着性の悪化などが起きる場合があり、好ましくない。Tgの範囲のより好ましい範囲は50〜90℃であり、更に好ましい範囲は60〜80℃である。樹脂成分の含有量がトナー粒子全重量に対して1重量%未満であると、相溶化剤として作用しない場合があり、50重量%を超えると、低分子量成分により画質耐久性が低下する場合がある。樹脂成分の含有量のより好ましい範囲は5〜30重量%であり、更に好ましい範囲は10〜20重量%である。
上記範囲の樹脂成分を含有させることによりトナー粒子内での均一分散が可能となり、結着樹脂、結晶性樹脂、離型剤、着色剤の機能を損なわないで、トナー粒子に強度、耐久性、帯電安定性などについての改質効果を付与することが可能となる。
上記熱特性を実現するための具体的な材料として、含有する数平均分子量8000以下の樹脂成分が、ロジン類、ポリテルペン系樹脂、脂肪族系炭化水素樹脂、脂環族系炭化水素樹脂、芳香族炭化水素樹脂であることが好ましい。これらの材料は一般的には、相溶化剤、可塑剤、粘着付与剤として用いられる。
ロジン類としては、例えば、ガムロジン、ウッドロジン、トール油ロジン及びこれらを加工、変性したものを用いることができる。変性ロジンとしては、亜鉛、カルシウム、マグネシウムなどとの金属塩、グリセリン、ペンタエリスリトール、ベンジルアルコールなどのアルコールによりエステル化したロジンであるエステルゴム、ロジン−マレイン酸樹脂、ロジン変性フェノール樹脂、ロジン変性アルキッド樹脂、水添ロジン樹脂などが使用可能である。
ポリテルペン系樹脂としては、芳香族変性テルペン樹脂、テルペンフェノール樹脂等が挙げられる。また、ポリテルペン系樹脂として、テルペン類即ちモノテルペン類、セスキテルペン類、ジテルペン類、トリテルペン類、テトラテルペン類、プロトスタン、ラノスタン、オイファン、ダマラン骨格、ククルビタン等の四環性トリテルペノイド類、オレアナン、ウルサン、ルバン、ホバン、フリーデラン、シクロアルタン等の五環性トリテルペノイド類、及びステロイド骨格等の環構造であってもよい。
脂肪族系炭化水素樹脂としては、特に制限はなく、通常、石油類の分解、精製の際に生成する沸点−20〜100℃の留分に含有される脂肪族不飽和炭化水素を原料とするものが用いられる。この脂肪族系不飽和炭化水素を含有する留分は、通常、炭素数4〜5のアルケン類、ジエン類、脂肪族系飽和炭化水素を含有するものである。炭素数4〜5のアルケン類としては、例えば、2−メチル−1−ブテン、2−メチル−2−ブテン、1−ペンテン、2−ペンテン、1−ブテン、2−ブテン、イソブテン等が挙げられる。炭素数4〜5のジエン類としては、例えば、ピペリレン、イソプレン、シクロペンタジエン、ブタジエン等が挙げられる。また、炭素数4〜5の脂肪族系飽和炭化水素としては、例えば、2−メチルブタン、2,2−ジメチルプロパン、シクロプロパン、シクロペンタン、ブタン等が挙げられる。
脂環族系炭化水素樹脂としては、例えば、シクロペンタジエン系樹脂、ノルボルネン系樹脂等が挙げられる。
芳香族炭化水素樹脂としては、例えば、スチレン、インデン、クマロン等の重合性芳香族化合物の共重合体構造を有するもの等が挙げられる。
以上の樹脂成分の中で、上記熱特性を実現するためには、結晶性樹脂と非晶性樹脂との相溶性を良好に改善することができる点、比較的画像強度が高い点等から特にポリテルペン系樹脂が好ましい。
上記数平均分子量以外に、湿式製法で分散してトナー中に導入する場合は、樹脂成分の体積平均粒径、SP値(溶解性パラメーター)、造粒温度などの制御因子により結着樹脂と適度に相溶して取り込ませることができる。樹脂成分の体積平均粒径の好ましい範囲は100〜500nm、より好ましい範囲は150〜350nmである。100nm未満であると、凝集工程時における樹脂成分の自己凝集による均一分散性の低下が生じる場合があり、500nmを超えると樹脂成分の内包性が低下する場合がある。SP値はFedors法により求めた結晶性樹脂と非晶性樹脂との差が0.2〜1.5の範囲が好ましい。0.2未満であると相溶性が進行しトナーの粒度制御が困難になる場合があり、1.5を超えると樹脂成分の内包性が低下する場合がある。
樹脂成分の体積平均粒径が100nm未満の場合、相溶が進行しすぎる場合があり、トナー粘度低下、Tg低下を引き起こし、保存安定性、帯電性、画像保存性などが悪化する場合がある。また、500nmを超える場合は、樹脂製分がトナー中に取り込まれにくくなる、表面近傍に集中するなど状態となり、トナー構造均一性などが損なわれ、帯電性、定着性、トナー耐久性など低下する可能性があり好ましくない。なお、樹脂成分の体積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)を用いて測定することができる。
結晶性樹脂と非晶性樹脂とのSP値差が、0.2未満であると相溶が進行しすぎて好ましくなく、1.5を超える場合は結晶性樹脂製分がトナー中に取り込まれにくくなる、表面近傍に集中するなど状態となり好ましくない。
造粒時に過剰な温度がかかる場合も同様に相溶が進行しすぎる場合がある、低すぎる場合も、トナー形状制御などに支障をきたす。
前記結晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は10000〜30000の範囲であることが好ましく、20000〜30000の範囲であることがより好ましい。Mwが10000未満であると、画像耐久性の低下、酸価上昇による内包性の低下を生じる場合があり、30000を超えると非晶性樹脂の相溶性が低下する場合がある。結晶性樹脂の数平均分子量(Mn)は、2000以上であることが好ましく、4000以上であることがより好ましい。数平均分子量(Mn)が、2000未満であると、定着時にトナーが紙等の記録媒体の表面へしみ込んで定着ムラを生じたり、定着画像の折り曲げ耐性に対する強度が低下してしまい、好ましくない。
本実施形態における結着樹脂の主成分を構成する結晶性樹脂としては、結晶性を持つ樹脂であれば特に制限はなく、具体的には、結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ビニル系樹脂が挙げられるが、定着時の紙への接着性や帯電性、および好ましい範囲での融点調整の観点から結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。また、適度な融点をもつ脂肪族系の結晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。
結晶性ビニル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等の長鎖アルキル、アルケニルの(メタ)アクリル酸エステルを用いたビニル系樹脂が挙げられる。尚、本明細書において、”(メタ)アクリル”なる記述は、”アクリル”および”メタクリル”のいずれをも含むことを意味するものである。
一方、結晶性ポリエステル樹脂は、酸(ジカルボン酸)成分(以下、「酸由来構成成分」と称する場合がある)と、アルコール(ジオール)成分(以下、「アルコール由来構成成分」と称する場合がある)とから合成されるものである。以下、酸由来構成成分、およびアルコール由来構成成分について、さらに詳しく説明する。尚、本実施形態では、結晶性ポリエステル主鎖に対して、他成分を50質量%以下の割合で共重合した共重合体も結晶性ポリエステルとする。
<酸由来構成成分>
酸由来構成成分は、脂肪族ジカルボン酸が好ましく、特に直鎖型のカルボン酸が望ましい。例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、或いはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、これらに限定されない。脂肪族ジカルボン酸の中では、入手容易性を考慮すると、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸が好ましい。
酸由来構成成分としては、前述の脂肪族ジカルボン酸由来構成成分のほか、二重結合を持つジカルボン酸由来構成成分、スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分等の構成成分が含まれていることが好ましい。尚、前記二重結合を持つジカルボン酸由来構成成分には、二重結合を持つジカルボン酸に由来する構成成分のほか、二重結合を持つジカルボン酸の低級アルキルエステルまたは酸無水物等に由来する構成成分も含まれる。また、前記スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分には、スルホン酸基を持つジカルボン酸に由来する構成成分のほか、スルホン酸基を持つジカルボン酸の低級アルキルエステルまたは酸無水物等に由来する構成成分も含まれる。
二重結合を持つジカルボン酸は、その二重結合を利用して樹脂全体を架橋させ得る点で、定着時のホットオフセットを防ぐために好適に用いることができる。このようなジカルボン酸としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でも、コストの点で、フマル酸、マレイン酸等が好ましい。
スルホン酸基を持つジカルボン酸は、顔料等の色材の分散を良好にできる点で有効である。また、樹脂全体を水に乳化或いは懸濁して、微粒子を作製する際にスルホン酸基があれば、後述するように、界面活性剤を使用しないで乳化或いは懸濁が可能である。このようなスルホン酸基を持つジカルボン酸としては、例えば、2−スルホテレフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、スルホコハク酸ナトリウム塩等が挙げられるがこれらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でもコストの点で、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩等が好ましい。
これらの脂肪族ジカルボン酸由来構成成分以外の酸由来構成成分(二重結合を持つジカルボン酸由来構成成分および/またはスルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分)の、酸由来構成成分における含有量としては、1〜20構成モル%が好ましく、2〜10構成モル%がより好ましい。
前記含有量が、1構成モル%未満の場合には、顔料分散が良くなかったり、乳化粒子径が大きくなり、凝集によるトナー径の調整が困難となる場合がある。一方、20構成モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下して、画像の保存性が悪くなったり、乳化粒子径が小さ過ぎて水に溶解し、ラテックスが生じない場合がある。尚、本明細書において「構成モル%」とは、ポリエステル樹脂における各構成成分(酸由来構成成分、アルコール由来構成成分)を1単位(モル)したときの百分率を指す。
<アルコール由来構成成分>
アルコール由来構成成分としては脂肪族ジオールが望ましく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール等が挙げられるが、この限りではない。脂肪族ジオールの中では、樹脂の融点、抵抗等を考慮すると、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
前記アルコール由来構成成分は、脂肪族ジオール由来構成成分の含有量が80構成モル%以上であることが好ましく、必要に応じてその他の成分を含む。前記アルコール由来構成成分としては、前記脂肪族ジオール由来構成成分の含有量が90構成モル%以上であることがより好ましい。
前記含有量が、80構成モル%未満では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下するため、耐トナーブロッキング性、画像保存性および、低温定着性が悪化してしまう場合がある。一方、必要に応じて含まれるその他の成分としては、二重結合を持つジオール由来構成成分、スルホン酸基を持つジオール由来構成成分等の構成成分が挙げられる。
前記二重結合を持つジオールとしては、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブテン−1,8−ジオール等が挙げられる。一方、前記スルホン酸基を持つジオールとしては、1,4−ジヒドロキシ−2−スルホン酸ベンゼンナトリウム塩、1,3−ジヒドロキシメチル−5−スルホン酸ベンゼンナトリウム塩、2−スルホ−1,4−ブタンジオールナトリウム塩等が挙げられる。
これらの直鎖型脂肪族ジオール由来構成成分以外のアルコール由来構成成分を加える場合(二重結合を持つジオール由来構成成分、および/または、スルホン酸基を持つジオール由来構成成分)の、アルコール由来構成成分における含有量としては、1〜20構成モル%が好ましく、2〜10構成モル%がより好ましい。前記含有量が、1構成モル%未満の場合には、顔料分散が不良となったり、乳化粒子径が大きくなり、凝集によるトナー径の調整が困難となる場合がある。一方、20構成モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下して、画像の保存性が悪くなったり、乳化粒子径が小さ過ぎて水に溶解し、ラテックスが生じない場合がある。
前記ポリエステル樹脂の製造方法としてはとくに制限はなく酸成分とアルコール成分を反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができ、例えば、直接重縮合、エステル交換法等が挙げられ、モノマの種類によって使い分けて製造する。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、通常1/1程度である。
前記ポリエステル樹脂の製造は、重合温度180〜230℃の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマが、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマが存在する場合はあらかじめ相溶性の悪いモノマと、そのモノマと重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
前記ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物、リン酸化合物、およびアミン化合物等が挙げられ、具体的には、以下の化合物が挙げられる。
例えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
また、本実施形態における結着樹脂の主成分である結晶性樹脂の融点、分子量等の調整の目的で上記の重合性単量体以外に、より短鎖のアルキル基、アルケニル基、芳香環等を有する化合物を使用することもできる。具体例としては、ジカルボン酸の場合、コハク酸、マロン酸、シュウ酸等のアルキルジカルボン酸類、およびフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ホモフタル酸、4,4’−ビ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類、ジピコリン酸、ジニコチン酸、キノリン酸、2,3−ピラジンジカルボン酸等の含窒素芳香族ジカルボン酸類が挙げられ、ジオール類の場合、コハク酸、マロン酸、アセトンジカルボン酸、ジグリコール酸等の短鎖アルキルのジオール類が挙げられ、短鎖アルキルのビニル系重合性単量体の場合、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等の短鎖アルキル、アルケニルの(メタ)アクリル酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン類、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類等が挙げられる。これらの重合性単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態においては、静電荷像現像用トナー用の樹脂として共重合可能なものであれは、親水性極性基を有する化合物を用いることができる。具体例としては、仮に用いる樹脂がポリエステルである場合、スルホニル−テレフタル酸ナトリウム塩、3−スルホニルイソフタル酸ナトリウム塩等の芳香環に直接スルホニル基が置換したジカルボン酸化合物が挙げられ、また樹脂がビニル系樹脂の場合は、(メタ)アクリル酸、イタコン酸等の不飽和脂肪族カルボン酸類、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、脂肪酸変性グリシジル(メタ)アクリレート、ジンクモノ(メタ)アクリレート、ジンクジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸とアルコール類等とのエステル類、オルト、メタ、パラ位のいずれかにスルホニル基を有するスチレンの誘導体、スルホニル基含有ビニルナフタレン等のスルホニル基置換芳香族ビニル等が挙げられる。
また、本実施形態における結晶性樹脂には、高温度領域における定着時の光沢むら、発色むら、ホットオフセット等を防止する目的で、必要に応じて架橋剤を添加することもできる。架橋剤の具体例としては、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン等の芳香族の多ビニル化合物類、フタル酸ジビニル、イソフタル酸ジビニル、テレフタル酸ジビニル、ホモフタル酸ジビニル、トリメシン酸ジビニル/トリビニル、ナフタレンジカルボン酸ジビニル、ビフェニルカルボン酸ジビニル等の芳香族多価カルボン酸の多ビニルエステル類、ピリジンジカルボン酸ジビニル等の含窒素芳香族化合物のジビニルエステル類、ピロール、チオフェン等の不飽和複素環化合物類、ピロムチン酸ビニル、フランカルボン酸ビニル、ピロール−2−カルボン酸ビニル、チオフェンカルボン酸ビニル等の不飽和複素環化合物カルボン酸のビニルエステル類、ブタンジオールメタクリレート、ヘキサンジオールアクリレート、オクタンジオールメタクリレート、デカンジオールアクリレート、ドデカンジオールメタクリレート等の直鎖多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、2−ヒドロキシ、1,3−ジアクリロキシプロパン等の分枝、置換多価アルコールの(メタ)アクリル酸エステル類、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ポリプロピレンポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート類、コハク酸ジビニル、フマル酸ジビニル、マレイン酸ビニル/ジビニル、ジグリコール酸ジビニル、イタコン酸ビニル/ジビニル、アセトンジカルボン酸ジビニル、グルタル酸ジビニル、3,3’−チオジプロピオン酸ジビニル、trans−アコニット酸ジビニル/トリビニル、アジピン酸ジビニル、ピメリン酸ジビニル、スベリン酸ジビニル、アゼライン酸ジビニル、セバシン酸ジビニル、ドデカン二酸ジビニル、ブラシル酸ジビニル等の多価カルボン酸の多ビニルエステル類等が挙げられる。
また、特に結晶性樹脂がポリエステルである場合、フマル酸、マレイン酸、イタコン酸、trans−アコニット酸等の不飽和の多カルボン酸類を、ポリエステル中に共重合させ、その後樹脂中の多重結合部分同士、または他のビニル系化合物を用いて架橋させる方法を用いてもよい。本実施形態において、これらの架橋剤は1種単独で用いてもよく、2種以上を併用して用いてもよい。
これら架橋剤により架橋させる方法としては、重合性単量体の重合時に架橋剤と共に重合し架橋させる方法でもよいし、不飽和部分は樹脂中に残留させ、樹脂を重合させた後、あるいはトナー作製の後、不飽和部分を架橋反応により架橋させる方法でもよい。
用いる樹脂がポリエステルである場合、重合性単量体は、縮重合により重合することができる。前記縮重合用の触媒としては、公知のものを使用することができ、具体例としては、チタンテトラブトキサイド、ジブチルスズオキサイド、二酸化ゲルマニウム、三酸化アンチモン、酢酸スズ、酢酸亜鉛、二硫化スズ等が挙げられる。用いる樹脂が、ビニル系樹脂である場合、重合性単量体は、ラジカル重合により重合することができる。
前記ラジカル重合用開始剤としては、乳化重合可能なものであれば、特に制限はない。具体的には、過酸化水素、過酸化アセチル、過酸化クミル、過酸化tert−ブチル、過酸化プロピオニル、過酸化ベンゾイル、過酸化クロロベンゾイル、過酸化ジクロロベンゾイル、過酸化ブロモメチルベンゾイル、過酸化ラウロイル、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム、ペルオキシ炭酸ジイソプロピルテトラリンヒドロペルオキシド、1−フェニル−2−メチルプロピル−1−ヒドロペルオキシド、過トリフェニル酢酸−tert−ブチルヒドロペルオキシド、過蟻酸tert−ブチル、過酢酸tert−ブチル、過安息香酸tert−ブチル、過フェニル酢酸tert−ブチル、過メトキシ酢酸tert−ブチル、過N−(3−トルイル)カルバミン酸tert−ブチル等の過酸化物類、2,2’−アゾビスプロパン、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスプロパン、1,1’−アゾ(メチルエチル)ジアセテート、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)塩酸塩、2,2’−アゾビス(2−アミジノプロパン)硝酸塩、2,2’−アゾビスイソブタン、2,2’−アゾビスイソブチルアミド、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルプロピオン酸メチル、2,2’−ジクロロ−2,2’−アゾビスブタン、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル、2,2’−アゾビスイソ酪酸ジメチル、1,1’−アゾビス(1−メチルブチロニトリル−3−スルホン酸ナトリウム)、2−(4−メチルフェニルアゾ)−2−メチルマロノジニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸、3,5−ジヒドロキシメチルフェニルアゾ−2−メチルマロノジニトリル、2−(4−ブロモフェニルアゾ)−2−アリルマロノジニトリル、2,2’−アゾビス−2−メチルバレロニトリル、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸ジメチル、2,2’−アゾビス−2、4−ジメチルバレロニトリル、1,1’−アゾビスシクロヘキサンニトリル、2,2’−アゾビス−2−プロピルブチロニトリル、1,1’−アゾビス−1−クロロフェニルエタン、1,1’−アゾビス−1−シクロヘキサンカルボニトリル、1,1’−アゾビス−1−シクロへプタンニトリル、1,1’−アゾビス−1−フェニルエタン、1,1’−アゾビスクメン、4−ニトロフェニルアゾベンジルシアノ酢酸エチル、フェニルアゾジフェニルメタン、フェニルアゾトリフェニルメタン、4−ニトロフェニルアゾトリフェニルメタン、1,1’−アゾビス−1,2−ジフェニルエタン、ポリ(ビスフェノールA−4,4’−アゾビス−4−シアノペンタノエート)、ポリ(テトラエチレングリコール−2,2’−アゾビスイソブチレート)等のアゾ化合物類、1,4−ビス(ペンタエチレン)−2−テトラゼン、1,4−ジメトキシカルボニル−1,4−ジフェニル−2−テトラゼン等が挙げられる。
前記重合開始剤は、前記架橋工程における架橋反応の開始剤としても、使用することが可能である。
本実施形態に係るトナーにおいて用いられる非晶性樹脂としては特に制限されないが、具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル系単量体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル系単量体;さらにアクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルフォン酸ナトリウム等のエチレン系不飽和酸単量体;さらにアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン類単量体の単独重合体、それらの単量体を2種以上組み合せた共重合体、又はそれらの混合物、さらには、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、又は、それらと前記ビニル系樹脂との混合物、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等を挙げることができる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの樹脂の中でもスチレン系樹脂やアクリル系樹脂が特に好ましい。
非晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は10000〜50000の範囲であることが好ましく、15000〜45000の範囲であることがより好ましい。Mwが10000未満であると、高温定着時にオフセットが発生したり、画像強度が悪化する場合があり、50000を超えると低温定着性が悪化したり、定着画像の光沢が低下したりする場合がある。非晶性樹脂の数平均分子量(Mn)は、5000〜40000の範囲であることが好ましく、8000〜35000の範囲であることがより好ましい。Mnが5000未満であると、定着画像の強度低下を生じる場合があり、40000を超えると低温定着性が悪化したり、定着画像の光沢が低下したりする場合がある。
本実施形態に係るトナーの体積平均粒径D50vは3〜8μmの範囲が好ましい。3μmを下回ると帯電性が不十分となり周囲への飛散が起こって画像かぶりを引き起こすので好ましくない。一方、8μmを超えると画像の解像度が低下し、高画質を達成することが困難となる。
また、平均体積粒度分布指標GSDvが1.25以下であることが好ましい。平均体積粒度分布指標GSDvは、GSDv=(D84v/D16v)1/2、の式によって求められる。ここで、D84vは粒径の体積分布における小径側からの累積84%となる粒径値であり、D16vは粒径の体積分布における累積16%となる粒径値である。GSDvが、1.25を超えると画像の鮮明度、解像度が低下するので好ましくない。
また、小粒径側個数粒度分布指標GSDp−underが1.27以下であることが好ましい。小粒径側平均個数粒度分布指標GSDp−underは、GSDp−under=(D50p/D16p)、の式によって求められる。ここで、D16pは粒径の個数分布における小径側からの累積16%となる粒径値であり、D50pは粒径の累積50%となる粒径値である。GSDp−underが1.27を超えると小粒径トナーの比率が高くなるため、初期性能の他に信頼性の点からも極めて大きな影響を有する。即ち、従来より知られているように、小径トナーの付着力が大きいため、静電気的制御が困難となりやすく、2成分現像剤を用いる場合はキャリア上に残留しやすい。この場合、繰り返し機械力を与えられると、キャリア汚染を招き、結果としてキャリアの劣化を促進する。また、小粒径トナーは付着力が大きいため、現像効率の低下も発生し、結果として画質欠陥が生じる。特に転写工程では、感光体上に現像されたトナーのうち、小径成分の転写が困難になりやすく、結果的に転写効率が悪くなり、排トナーの増加や、画質不良などが生じる。これらの問題が生じた結果、静電気的に制御されないトナーや逆極トナーが増加しこれらが周囲を汚染するようになる。とりわけ帯電ロールには感光体等を介してこれらの制御されないトナーが蓄積されるため、帯電不良を引き起こすので好ましくない。
体積平均粒径、平均体積粒度分布指標の測定は、コールタカウンタ[TA−II]型(ベックマン−コールター社製)を用いて、100μmのアパーチャ径で測定することにより得ることができる。この時、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒以上分散させた後に行う。
トナーの平均円形度は0.94〜0.99の間であることが好ましい。平均円形度が0.94未満であると形状が不定形側になり、転写性、耐久性、流動性などが低下し好ましくない。また0.99を超える場合、球形粒子の割合が多くなりクリーニング性が困難となるので好ましくない。
トナーの平均円形度はフロー式粒度形状測定装置(FPIA2100、シスメック社製)を用いて以下の条件で測定することができる。測定サンプルをイオン交換水中に入れ、固形分濃度を1〜5%程度にし超音波分散機にて分散した後、3000個のサンプルを測定機に送り、1個ずつのトナーの円形度を計算し、平均化する。円形度は円相当周囲長/周囲長で求められる。
また、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの、下記式で表される形状係数SF1は110〜140の範囲、好ましくは115〜130の範囲である。
SF1=(ML/A)×(π/4)×100
〔ただし、上記式において、MLはトナーの最大長(μm)を表し、Aはトナーの投影面積(μm)を表す。〕
トナーの形状係数SF1が110より小さい、または140を越えると、長期に渡って、優れた帯電性、クリーニング性、転写性を得ることができない場合がある。
なお、形状係数SF1はルーゼックス画像解析装置(株式会社ニレコ製、FT)を用いて次のように測定した。まず、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個のトナーについて最大長(ML)と投影面積(A)を測定し、個々のトナーについて、(ML/A)×(π/4)×100を算出し、これを平均した値を形状係数SF1として求めた。
本実施形態のトナーのTgは特に制限はないが40〜70℃の範囲が好適に選択される。40℃未満であるとトナー保存性、定着画像保存性、実機内での耐久性などに問題が生じる場合がある。70℃を超える場合には、定着温度が高くなる、造粒時に必要な温度が高くなるなどの問題がある。
なお、Tgは例えばDSC測定機(示差熱分析装置:DSC−7 パーキンエルマー社製)を用いてASTMD3418−8に準拠して測定される。装置の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いる。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行う。
本実施形態の静電荷像現像用トナーの帯電量は絶対値で10〜40μC/Gの範囲が好ましく、15〜35μC/Gの範囲がより好ましい。10μC/Gを下回ると、背景部汚れが発生し易くなり、40μC/Gを超えると、画像濃度が低下し易くなる。
静電荷像現像用トナーの夏場(28℃、85%RH)における帯電量と、冬場(10℃、30%RH)における帯電量との比率は0.5〜1.5が好ましく、0.7〜1.3がより好ましい。この比率が、前記の範囲を外れると、トナーの環境依存性が強くなり、帯電性の安定性に欠け、実用上好ましくない。
<静電荷像現像用トナーの製造方法>
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの製造方法は、従来の混練粉砕法や、着色剤、離型剤等を重合性単量体とともに懸濁させ、重合性単量体を重合する懸濁重合法、樹脂、着色剤、離型剤等のトナー構成材料を有機溶媒に溶解させ、水系溶媒中に懸濁状態で分散させた後に有機溶媒を除去する溶解懸濁法、樹脂を乳化重合により作製し、顔料、離型剤等の分散液とともにヘテロ凝集させ、その後融合・合一する乳化重合凝集法等の湿式製法などがあるが、これらに限定されることはない。これらの中で、懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化重合凝集法等の湿式製法が好ましく、トナー粒径制御性、狭粒度分布、形状制御性、狭形状分布、内部分散制御性の点から乳化重合凝集法が最適である。
本実施形態における静電荷像現像用トナーを乳化重合凝集法などヘテロ凝集法で行う場合は、樹脂微粒子分散液(結着樹脂粒子分散液)、着色剤分散液(着色剤粒子分散液)、結晶性樹脂分散液、離型剤分散液、及び無機微粒子分散液等を混合し凝集粒子分散液を形成した後、前記樹脂微粒子の融点(ガラス転移点)以上の温度に加熱せしめ融合したトナーであることが好ましい。
本実施形態で用いる樹脂微粒子分散液は、乳化重合法およびそれに類似の不均一分散系における重合法で容易に得ることができる。また、予め溶液重合法や隗状重合法等で均一に重合した重合体を、その重合体が溶解しない溶媒中へ安定剤とともに添加して機械的に混合分散する方法など任意の方法で得ることができる。
例えば、ビニル系単量体を用いる場合は、イオン性界面活性剤などを用い、好ましくはイオン性界面活性剤とノニオン性界面活性剤を併用して乳化重合法やシード重合法により、樹脂微粒子分散液を作製することができる。
ここで用いる界面活性剤は、硫酸エステル塩系、スルホン酸塩系、リン酸エステル系、せっけん系等のアニオン界面活性剤;アミン塩型、4級アンモニウム塩型等のカチオン系界面活性剤;ポリエチレングリコール系、アルキルフェノールエチレンオキサイド付加物系、アルキルアルコールエチレンオキサイド付加物系、多価アルコール系等の非イオン性界面活性剤、及び、種々のグラフトポリマ等を挙げることができるが、特に制限されるものではない。
乳化重合で樹脂微粒子分散液を作製する場合は、少量の不飽和酸、例えばアクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、スチレンスルフォン酸等を単量体成分の一部として添加することにより、微粒子表面に保護コロイド層を形成することができ、ソープフリー重合が可能になるので特に好ましい。
前記樹脂粒子の体積平均粒径は、1μm以下であることが望ましく、より望ましくは0.01〜1μmの範囲である。樹脂粒子の体積平均粒径が1μmを越えると、最終的に得られる静電荷像現像用トナーの粒度分布が広くなったり、遊離粒子の発生が生じ、性能や信頼性の低下につながる。一方、樹脂粒子の体積平均粒径が前記範囲内にあると、前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中での分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点が有利である。なお、樹脂粒子の体積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)を用いて測定することができる。
本実施形態のトナーに用いられる離型剤微粒子としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリブテン等の低分子量ポリオレフィン類;シリコーン類、オレイン酸アミド、エルカ酸アミド、リシノール酸アミド、ステアリン酸アミド等のような脂肪酸アミド類;カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、木ロウ、ホホバ油等のような植物系ワックス;ミツロウのごとき動物系ワックス;モンタンワックス、オゾケライト、セレシン、パラフィンワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス等のような鉱物系、石油系のワックス、及びそれらの変性物などを挙げることができる。
これらのワックス類は、水中にイオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基などの高分子電解質とともに分散し、融点以上に加熱するとともに、強い剪断力を付与できるホモジナイザや圧力吐出型分散機を用いて微粒子化し、1μm以下の粒子の分散液を作成することができる。また、これらの離型剤樹脂微粒子はその他の樹脂微粒子成分と共に混合溶媒中に一度に添加してもよいし、分割して多段に添加してもよい。
離型剤の融点は、保存性の観点から、60℃以上であることが好ましく、70℃以上であることがより好ましい。また、低温での耐オフセット性の観点から、110℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましい。さらには、高温での耐オフセット性の観点から、融点が100℃以上の離型剤を併用して用いることもできる。
これらの離型剤の添加量としては、トナーに対して0.5〜50重量%の範囲が適当である。好ましくは1〜30重量%の範囲、より好ましくは5〜15重量%の範囲が適当である。0.5重量%を下回ると、離型剤の添加効果がなく、50重量%を超えると、定着時の画像表面への染み出しが不十分になり易く、画像中に離型剤が在留しやすくなり、透明性が悪化するので好ましくない。
本実施形態のトナーに用いられる着色剤としては、カーボンブラック、クロムイエロー、ハンザイエロー、ベンジジンイエロー、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デュポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、リソールレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレートなどの種々の顔料や、アクリジン系、キサンテン系、アゾ系、ベンゾキノン系、アジン系、アントラキノン系、チオインジコ系、ジオキサジン系、チアジン系、アゾメチン系、インジコ系、フタロシアニン系、アニリンブラック系、ポリメチン系、トリフェニルメタン系、ジフェニルメタン系、チアゾール系などの各種染料などを1種又は2種以上を併せて使用することができる。
着色剤の含有量としては、結着樹脂100重量部に対して、1〜30重量部の範囲であることが好ましいが、また、必要に応じて表面処理された着色剤を使用したり、顔料分散剤を使用することも有効である。前記着色剤の種類を適宜選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等を得ることができる。
本実施形態における着色剤粒子の体積平均粒径は、0.8μm以下であることが望ましく、より望ましくは0.05〜0.5μmである。着色剤粒子の体積平均粒径が0.8μmを越えると、最終的に得られる静電荷像現像用トナーの粒度分布が広くなったり、遊離粒子が発生し、性能や信頼性の低下につながる。着色剤粒子の体積平均粒径が0.05μmより小さいと、トナー中での着色性が低下するだけでなく、乳化凝集法の特徴の一つである形状制御性が損なわれ、真球に近い形状のトナーが得られなくなる。
また、0.8μm以上の粒子個数%は、10%未満が好ましく、実質的には0%が好ましい。このような粗大粒子の存在は、凝集工程の安定性を損なわせ粗大着色粒子の遊離のみならず、粒度分布を広化させる。0.05μm以下の粒子個数%は、5個数%以下が好ましい。このような微小粒子の存在は、融合工程での形状制御性を損なわせ、平均円形度0.940以下のいわゆる滑らかなものが得られなくなる。これに対して、着色剤粒子の平均粒径、粗大粒子、微小粒子が前記範囲内にあると、前記欠点がない上、トナー間の偏在が減少し、トナー中での分散が良好となり、性能や信頼性のバラツキが小さくなる点が有利である。
なお、着色剤粒子の体積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)を用いて測定することができる。なお前記着色剤の添加量は、前記トナー粒子に対し、1〜20質量%の範囲に設定するのが好ましい。
これらの分散方法としては、任意の方法、例えば回転せん断型ホモジナイザや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなど、任意の方法を採用することができ、なんら制限されるものではない。
本実施形態においては、前記着色剤としては、ロジン、ポリマ等により表面改質処理することができる。前記表面改質処理がなされた着色剤は、着色剤分散液中で十分に安定化されており、該着色剤が着色剤分散液中で所望の平均粒径に分散された後、樹脂粒子分散液との混合時、凝集工程等においても着色剤同士が凝集することがなく、良好な分散状態を維持できる点で有利である。一方、過剰な表面改質処理がなされた着色剤は、凝集工程において樹脂粒子と凝集せずに遊離してしまうことがある。このため、前記表面改質処理は、適宜選択した最適な条件下で行われる。
前記ポリマとしては、アクリロニトリル重合体、メチルメタクリレート重合体等が挙げられる。
前記表面改質の条件としては、一般に、着色剤(顔料)存在下にモノマを重合させる重合法、ポリマ溶液中に着色剤(顔料)を分散させ、該ポリマの溶解度を低下させて着色剤(顔料)表面に析出させる相分離法等を用いることができる。
また、磁性トナーとして用いる場合は磁性粉を含有させるが、ここで使用する磁性粉としては、フェライトやマグネタイト、還元鉄、コバルト、ニッケル、マンガン等の金属、合金又はこれら金属を含む化合物などを挙げることができる。さらに必要に応じて、4級アンモニウム塩、ニグロシン系化合物やトリフェニルメタン系顔料など、通常使用される種々の帯電制御剤を添加してもよい。
本実施形態のトナーにおいては、必要に応じて無機微粒子を含有させることもできる。中心粒子径が5〜30nmの無機微粒子と、中心粒子径が30〜100nmの範囲である無機微粒子とが0.5〜10重量%の範囲で含有されることが、耐久性の点でより好ましい。
前記無機微粒子は、シリカ、疎水化処理シリカ、酸化チタン、アルミナ、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、コロイダルシリカ、カチオン表面処理コロイダルシリカ、アニオン表面処理コロイダルシリカ等が用いられる。これらの無機微粒子は、予め超音波分散機などを用いてイオン性界面活性剤の存在下分散処理されるが、この分散処理が不要なコロイダルシリカの使用がより好ましい。
前記無機微粒子の添加量が、0.5%重量未満では、該無機微粒子の添加によってもトナー溶融時に十分なタフネスが得られず、オイルレス定着における剥離性を改善できないばかりでなく、トナー溶融時の微粒子のトナー中での粗な分散が粘性のみを増加させ、結果として曳糸性を悪化させることにより、オイルレス剥離性を損なう場合がある。また、10重量%を超えると十分なタフネスは得られるものの、トナー溶融時の流動性を大きく低下させ、画像光沢性を損なう場合がある。
本実施形態のトナーをヘテロ凝集法により作製する場合に用いられる凝集剤としては、特に制限がないが、樹脂粒子分散液や着色粒子分散液に用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤の他、2価以上の無機金属塩、金属錯体を好適に用いることができる。特に、無機金属塩、金属錯体を用いた場合には界面活性剤の使用量を低減でき、帯電特性が向上するため好ましい。
これらの無機金属塩、金属錯体としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、及び、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。その中でも特に、アルミニウム塩及びその重合体が好適である。よりシャープな粒度分布を得るためには、無機金属塩の価数が1価より2価、2価より3価、3価より4価、同じ価数であっても重合タイプの無機金属塩重合体の方がより適している。
さらに、本実施形態のトナーは、従来の混練粉砕型トナーと同様に種々の外添剤などを配合して現像剤として用いることができる。外添剤としてのシリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウムなどの無機微粒子、流動性助剤やクリーニング助剤としてのシリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウムなどの無機粒子、ビニル系樹脂、ポリエステル、シリコーンなどの樹脂微粒子を乾燥状態で剪断力を加えてトナー粒子表面に添加することも可能である。
<静電荷像現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像剤は、前記の静電荷像現像用トナーを含有させたものであり、目的に応じて他の成分を配合することができる。本実施形態の静電荷像現像剤は、前記の静電荷像現像用トナーを単独で用いると一成分系の静電荷像現像剤として調製され、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像剤として調製される。キャリアには特に制限はなく、それ自体公知のキャリアが挙げられ、例えば、特開昭62−39879号公報、特開昭56−11461号公報等に記載された樹脂被覆キャリア等の公知のキャリアを使用することができる。
樹脂被覆キャリアの核体粒子としては、鉄粉、フェライト、マグネタイトなどの造型物が挙げられ、その平均粒子径は30〜200μm程度である。被覆樹脂としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のα−メチレン脂肪酸モノカルボン酸類、ジメチルアミノエチルメタクリレート等の含窒素アクリル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類、2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン類、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類、エチレン、プロピレン等のオレフィン類、弗化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン等のビニル系フッ素含有モノマ等の単独重合体、又は2種類以上のモノマからなる共重合体、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等のシリコーン類、ビスフェノール、グリコール等を含有するポリエステル類、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上併用してもよい。
被覆樹脂量は、核体粒子100重量部に対して0.1〜10重量部の範囲、好ましくは0.5〜3.0重量部の範囲である。キャリアの製造には、加熱型ニーダー、加熱型ヘンシェルミキサー、UMミキサーなどを使用することができ、被覆樹脂の量によっては、加熱型流動転動床、加熱型キルンなどを使用することができる。静電荷像現像剤におけるトナーとキャリアとの混合比には特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
<画像形成方法>
本実施形態の画像形成方法について詳細に説明する。本実施形態の画像形成方法は、潜像担持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用い、前記潜像担持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記潜像担持体表面に形成されたトナー画像を被記録体の表面に転写する転写工程と、被記録体表面に転写されたトナー画像を熱定着する定着工程と、潜像担持体表面に残ったトナーをクリーニングするクリーニング工程と、クリーニング工程で回収されたトナーを再度現像工程に戻して再利用するトナーリサイクル工程とを含むものであって、前記現像剤に用いるトナーとして、本実施形態の電子写真用トナーを用いるものである。
前記潜像形成工程とは、潜像担持体の表面を、帯電手段により一様に帯電した後、レーザ光学系やLEDアレイなどで潜像担持体に露光し、静電潜像を形成する工程である。前記帯電手段としては、コロトロン、スコロトロンなどの非接触方式の帯電器、及び、潜像担持体表面に接触させた導電性部材に電圧を印加することにより、潜像担持体表面を帯電させる接触方式の帯電器が挙げられ、いかなる方式の帯電器でもよい。しかし、オゾンの発生量が少なく、環境に優しく、かつ耐刷性に優れるという効果を発揮するという観点から、接触帯電方式の帯電器が好ましい。前記接触帯電方式の帯電器においては、導電性部材の形状はブラシ状、ブレード状、ピン電極状、ローラ状等の何れでもよく制限を受けるものではない。また、本実施形態の画像形成方法は、潜像形成工程においてなんら特別の制限を受けるものではない。
前記現像工程とは、潜像担持体表面に、少なくともトナーを含む現像剤層を表面に形成させた現像剤担持体を接触若しくは近接させて、前記潜像担持体表面の静電潜像にトナーの粒子を付着させ、潜像担持体表面にトナー画像を形成する工程である。現像方式は、既知の方式を用いて行うことができるが、本実施形態に用いられる二成分現像剤による現像方式としては、カスケード方式、磁気ブラシ方式などがある。本実施形態の画像形成方法は、現像方式に関し、特に制限を受けるものではない。
前記転写工程とは、潜像担持体表面に形成されたトナー画像を、被記録体に転写して転写画像を形成する工程である。本実施形態における転写工程は、紙等の被記録体にトナー画像を直接転写する場合、ドラム上、ベルト上の中間転写体に転写後、紙等の被記録体に転写する場合いずれも用いることができ、特に制限を受けるものではない。
潜像担持体からのトナー画像を紙等に転写する転写装置としては、コロトロンが利用できる。コロトロンは用紙を均一に帯電する手段としては有効であるが、被記録体である用紙に所定の電荷を与えるために、数kVという高圧を印加しなければならず、高圧電源を必要とする。また、コロナ放電によってオゾンが発生するため、ゴム部品や潜像担持体の劣化を引き起こすので、弾性材料からなる導電性の転写ロールを潜像担持体に圧接して、用紙にトナー画像を転写する接触転写方式が好ましい。本実施形態の画像形成方法においては、転写装置に関し、特に制限を受けるものではない。
前記クリーニング工程とは、ブレード、ブラシ、ロール等を潜像担持体表面に直接接触させ、潜像担持体表面に付着しているトナー、紙粉、ゴミなどを除去する工程である。
最も一般的に採用されている方式は、ポリウレタン等のゴム製のブレードを潜像担持体に圧接させるブレードクリーニング方式である。これに対し、内部に磁石を固定配置し、その外周に回転可能な円筒状の非磁性体のスリーブを設け、そのスリーブ表面に磁性キャリアを担持させてトナーを回収する磁気ブラシ方式や、半導電性の樹脂繊維や動物の毛をロール状に回転可能にし、トナーと反対極性のバイアスをそのロールに印加してトナーを除去する方式でもよい。前者の磁気ブラシ方式では、クリーニングの前処理用コロトロンを設置してもよい。本実施形態の画像形成方法においては、クリーニング方式については特に制限を受けるものではない。
前記定着工程とは、被記録体表面に転写されたトナー画像を定着装置にて定着する工程である。定着装置としては、ヒートロールを用いる加熱定着装置が好ましく用いられる。加熱定着装置は、円筒状芯金の内部に加熱用のヒータランプを備え、その外周面に耐熱性樹脂被膜層あるいは耐熱性ゴム被膜層により、いわゆる離型層を形成した定着ローラと、この定着ローラに対し圧接して配置され、円筒状芯金の外周面あるいはベルト状基材表面に耐熱弾性体層を形成した加圧ローラあるいは加圧ベルトと、で構成される。未定着トナー画像の定着プロセスは、定着ローラと加圧ローラあるいは加圧ベルトとの間に未定着トナー画像が形成された被記録体を挿通させて、トナー中の結着樹脂、添加剤等の熱溶融による定着を行う。本実施形態の画像形成方法においては、定着方式については特に制限を受けるものではない。
なお、本実施形態の画像形成方法において、フルカラー画像を作製する場合には、複数の潜像担持体がそれぞれ各色の現像剤担持体を有しており、その複数の潜像担持体及び現像剤担持体それぞれによる潜像形成工程、現像工程、転写工程及びクリーニング工程からなる一連の工程により、同一の被記録体表面に前記工程ごとの各色トナー画像が順次積層形成され、その積層されたフルカラーのトナー画像を、定着工程で熱定着する画像形成方法が好ましく用いられる。そして、前記電子写真用現像剤を、上記画像形成方法に用いることにより、例えば、小型、カラー高速化に適したタンデム方式においても、安定した現像、転写、定着性能を得ることができる。
トナーリサイクルを行うための方式としては特に限定されるものでは無いが、例えば、クリーニング部で回収されたトナーを搬送コンベアあるいは搬送スクリューによって補給用トナーホッパー、現像器あるいは補給用トナーと中間室によって混合して現像器へ供給する方法等をあげることができる。好ましくは現像器へ直接戻す方式あるいは中間室にて補給用トナーとリサイクルトナーを混合して供給する方式をあげることができる。
電子写真画像形成装置としては、感光体と、現像器、クリーニング器等の構成要素をプロセスカートリッジとして一体に結合して構成し、このユニットを装置本体に対して着脱自在に構成しても良い。又、帯電器、像露光器、現像器、転写又は分離器、及びクリーニング器の少なくとも1つを感光体とともに一体に支持してプロセスカートリッジを形成し、装置本体に着脱自在の単一ユニットとし、装置本体のレールなどの案内手段を用いて着脱自在の構成としても良い。
トナー画像を転写する被記録体としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、前記被転写体の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
(静電荷像現像用現像剤の作製)
<結晶性樹脂粒子分散液(1)の調製>
セバシン酸(和光純薬(株)製) 1900重量部
ヘキサンジオール(和光純薬(株)製) 1100重量部
イソフタル酸−5−スルホン酸ナトリウム(和光純薬(株)製)55.0重量部
ジブチルスズ(和光純薬(株)製) 0.113重量部
上記成分をフラスコ内で混合し、減圧雰囲気下で240℃に加熱して6時間脱水縮合し樹脂を得た。冷却後この結晶性ポリエステル樹脂である結晶性樹脂(1)150重量部を蒸留水850重量部中に入れ、85℃に加熱しながらホモジナイザ(IKAジャパン社製:ウルトラタラックス)で混合撹拌した後、室温まで冷却し、結晶性樹脂粒子分散液(1)を得た。得られた樹脂粒子の融点は66℃であった。樹脂の融点は、示差熱分析装置(DSC−7、パーキンエルマー社製)を用いてJIS K−7121:87に示す方法で求めた。得られた結晶性樹脂(1)の重量平均分子量(Mw)は25000であった。また、Fedors法により求めた樹脂のSP値は9.38であった。
<結晶性樹脂粒子分散液(2)の調製>
セバシン酸(和光純薬(株)製) 1900重量部
エチレングリコール(和光純薬(株)製) 1500重量部
イソフタル酸−5−スルホン酸ナトリウム(和光純薬(株)製) 60重量部
ジブチルスズ(和光純薬(株)製) 0.2重量部
上記成分をフラスコ内で混合し、減圧雰囲気下で240℃に加熱して6時間脱水縮合し樹脂を得た。冷却後この結晶性ポリエステル樹脂である結晶性樹脂(2)150重量部を蒸留水850重量部中に入れ、85℃に加熱しながらホモジナイザ(IKAジャパン社製:ウルトラタラックス)で混合撹拌した後、室温まで冷却し、結晶性樹脂粒子分散液(2)を得た。得られた樹脂粒子の融点は75℃であった。得られた結晶性樹脂(2)の重量平均分子量(Mw)は30000であった。また、Fedors法により求めた樹脂のSP値は9.52であった。
<非晶性樹脂粒子分散液(1)の調製>
スチレン(和光純薬社製) 73重量部
アクリル酸ブチル(和光純薬社製) 27重量部
ドデシルメルカプタン(和光純薬社製) 2.0重量部
βカルボキシエチルアクリレート(ローディア日華製) 2重量部
デカンジオールジアクリル酸エステル(新中村化学社製) 0.5重量部
前記成分を混合溶解して溶液を調製し、他方、非イオン性界面活性剤(日本油脂社製、ノニオンP−213)1重量部、及びアニオン性界面活性剤(日本油脂社製、ニューレックスR)1重量部をイオン交換水120重量部に溶解し、これに前記溶液を加えてフラスコ中で分散し乳化して10分間ゆっくりと混合しながら、過硫酸アンモニウム(和光純薬社製)1.2重量部を溶解したイオン交換水50重量部を投入し、次いで、系内を窒素で置換した後、フラスコ内を撹拌しながら内容物が70℃になるまでオイルバスで加熱し、そのまま6時間乳化重合を継続した。その後、この反応液を室温まで冷却し、非晶性樹脂粒子分散液(1)を得た。この非晶性樹脂粒子分散液(1)の一部を80℃のオーブン上に放置して水分を除去し、残留物の特性を測定したところ、残留物(非晶性樹脂(1))のMwが40000、Tgが52℃であった。また、Fedors法により求めた樹脂のSP値は10.00であった。
<非晶性樹脂粒子分散液(2)の作製>
加熱乾燥した二口フラスコに、ジオール成分として、ポリオキシエチレン(2,0)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン94重量部、ポリオキシプロピレン(2,2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパン192重量部(構成モル比:35/65)と、ジカルボン酸成分として、テレフタル酸114重量部、n−ドデセニルコハク酸28重量部、トリメリット酸19重量部(構成モル比:80/10/10)と、ジブチル錫オキサイド0.12重量部(全酸成分モル数に対して0.0005モル)と、を入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち昇温した後、150〜230℃で約12時間共縮重合反応させ、その後、210〜250℃で徐々に減圧して、非晶性ポリエステル樹脂である非晶性樹脂(2)を350重量部合成した。この樹脂のMwは15000、Tgは65℃であった。冷却後この樹脂150重量部を酢酸エチル100重量部に溶解させた後、蒸留水850重量部中に入れ、70℃に加熱しながらホモジナイザ(IKAジャパン社製:ウルトラタラックス)で混合撹拌した後、室温まで冷却し、非晶性樹脂粒子分散液(2)を得た。また、Fedors法により求めた樹脂のSP値は10.41であった。
<着色剤分散液の調製>
フタロシアニン顔料(大日精化社製、PVFASTBLUE) 25重量部
アニオン界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンRK) 2重量部
イオン交換水 125重量部
前記成分を混合し溶解した後、ホモジナイザ(IKA社製、ウルトラタラックス)で分散して着色剤分散液を得た。
<離型剤粒子分散液(1)の調製>
パラフィンワックス(日本精蝋社製、HNP0190、融点85℃)100重量部
アニオン界面活性剤(日本油脂社製、ニューレックスR) 3重量部
イオン交換水 400重量部
前記成分を混合し溶解した後、ホモジナイザ(IKA社製、ウルトラタラックス)で分散した後、圧力吐出型ホモジナイザで分散処理し、離型剤粒子分散液(1)を得た。
<離型剤粒子分散液(2)の調製>
エステルワックス(クラリアント社製 LICOWAX−E) 100重量部
アニオン界面活性剤(日本油脂社製、ニューレックスR) 2重量部
イオン交換水 300重量部
前記成分を混合し溶解した後、ホモジナイザ(IKA社製、ウルトラタラックス)で分散した後、圧力吐出型ホモジナイザで分散処理し、離型剤粒子分散液(2)を得た。
<数平均分子量8000以下の樹脂成分粒子分散液(1)の調整>
水添石油樹脂(脂環族系炭化水素樹脂)(荒川化学製 アルコンM100、Tg57℃、Mn1000)100部を酢酸エチル100重量部に溶解させた後、イオン交換水500重量部中に入れ、70℃に加熱しながらホモジナイザ(IKAジャパン社製:ウルトラタラックス)で5分間混合撹拌した後、室温まで冷却し、樹脂成分粒子分散液(1)を得た。レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)による体積平均粒径は300nmであった。レーザ回折式粒度分布測定は固形分濃度0.1〜1.0%の範囲で300秒間試料をレーザ照射し測定した。樹脂成分のTgは、示差熱分析装置(DSC−7、パーキンエルマー社製)を用いてJIS K−7121:87に示す方法で求めた。なお室温から150℃まで10℃/分で加熱しオンセット部分を接線交点法により求めた。また樹脂成分のMw、Mnはゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)HLC−8120(東ソー社製)を用いTHFを溶媒としてスチレン換算して求めた。なおカラムの温度は40℃、測定間隔は300msごと、試料濃度と試料量は、1%、10mgとした。
<数平均分子量8000以下の樹脂成分粒子分散液(2)の調整>
テルペンフェノール樹脂(ヤスハラケミカル製 YSポリスターS145、Tg87℃、Mn1050)100重量部を酢酸エチル100重量部に溶解させた後、イオン交換水500重量部中に入れ、70℃に加熱しながらホモジナイザ(IKAジャパン社製:ウルトラタラックス)で5分間混合撹拌した後、室温まで冷却し、樹脂成分粒子分散液(2)を得た。レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)による体積平均粒径は280nmであった。
<数平均分子量8000以下の樹脂成分粒子分散液(3)の調整>
芳香族テルペン樹脂(ヤスハラケミカル製 YSレジンPX1250、Tg69℃、Mn1100)100重量部を酢酸エチル100重量部に溶解させた後、イオン交換水500重量部中に入れ、70℃に加熱しながらホモジナイザ(IKAジャパン社製:ウルトラタラックス)で5分間混合撹拌した後、室温まで冷却し、樹脂成分粒子分散液(3)を得た。レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)による体積平均粒径は350nmであった。
<数平均分子量8000以下の樹脂成分粒子分散液(4)の調整>
芳香族テルペン樹脂(ヤスハラケミカル製 YSレジンPX1250、Tg45℃、Mn1350)100重量部を酢酸エチル100重量部に溶解させた後、イオン交換水500重量部中に入れ、70℃に加熱しながらホモジナイザ(IKAジャパン社製:ウルトラタラックス)で5分間混合撹拌した後、室温まで冷却し、樹脂成分粒子分散液(4)を得た。レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)による体積平均粒径は300nmであった。
<数平均分子量8000以下の樹脂成分粒子分散液(5)の調整>
ロジン系樹脂(荒川化学社製、パインクリスタルKE100、Tg80℃、Mn910)100重量部を酢酸エチル100重量部に溶解させた後、イオン交換水500重量部中に入れ、70℃に加熱しながらホモジナイザ(IKAジャパン社製:ウルトラタラックス)で5分間混合撹拌した後、室温まで冷却し、樹脂成分粒子分散液(5)を得た。レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)による体積平均粒径は260nmであった。
<数平均分子量8000以下の樹脂成分粒子分散液(6)の調整>
脂環族炭化水素樹脂(日本ゼオン社製、クイントン1345、Tg80℃、Mn500)100重量部を酢酸エチル100重量部に溶解させた後、イオン交換水500重量部中に入れ、70℃に加熱しながらホモジナイザ(IKAジャパン社製:ウルトラタラックス)で5分間混合撹拌した後、室温まで冷却し、樹脂成分粒子分散液(6)を得た。レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)による体積平均粒径は250nmであった。
<数平均分子量8000以下の樹脂成分粒子分散液(7)の調整>
芳香族炭化水素樹脂(三井化学社製、FMR、Tg75℃、Mn1190)100重量部を酢酸エチル100重量部に溶解させた後、イオン交換水500重量部中に入れ、70℃に加熱しながらホモジナイザ(IKAジャパン社製:ウルトラタラックス)で5分間混合撹拌した後、室温まで冷却し、樹脂成分粒子分散液(7)を得た。レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)による体積平均粒径は300nmであった。
<数平均分子量8000以下の樹脂成分粒子分散液(8)の調整>
ノルボルネン樹脂(ティコナ製、Tg57℃、Mn5000)100重量部を酢酸エチル100重量部に溶解させた後、イオン交換水500重量部中に入れ、70℃に加熱しながらホモジナイザ(IKAジャパン社製:ウルトラタラックス)で5分間混合撹拌した後、室温まで冷却し、樹脂成分粒子分散液(8)を得た。レーザ回折式粒度分布測定装置(日機装社製マイクロトラック)による体積平均粒径は320nmであった。
<トナー母粒子(1)、トナー(1)及び現像剤(1)の製造>
結晶性樹脂粒子分散液(1) 70重量部
非晶性樹脂粒子分散液(1) 75重量部
着色剤分散液 42重量部
離型剤粒子分散液(1) 36重量部
数平均分子量8000以下の樹脂成分粒子分散液(1) 20重量部
硫酸アルミニウム(和光純薬社製) 0.5重量部
イオン交換水 300重量部
上記成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容してpH2.2に調整し、ホモジナイザ(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、加熱用オイルバス中で62℃まで撹拌しながら加熱した。62℃で120分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、体積平均粒径が約5.6μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。更に30分62℃で加熱撹拌を保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、体積平均粒径が約6.4μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。この凝集粒子分散液のpHは2.2であった。そこに、炭酸ナトリウム(和光純薬社製)を0.5重量%に希釈した水溶液を穏やかに添加してpHを5.5に調整した後、撹拌を継続しながら90℃まで加熱し、3時間保持した。その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥してトナー母粒子(1)を得た。
得られたトナー母粒子(1)の体積平均粒径は6.4μmであった。このトナー粒子100重量部に対して、メタチタン酸(平均粒径40nm、I−ブチルトリメトキシシラン処理)1重量部、シリカ微粒子(日本アエロジル社製疎水性シリカ:RX50)1.0重量%をヘンシェルミキサーで周速30m/sec×15分間ブレンドを行った後、45μmの目開きのシーブを用いて粗大粒子を除去し、静電荷像現像用トナー(1)を得た。
静電荷像現像用トナー(1)について、示差走査熱量分析装置(パーキンエルマー社製DSC−7型)を用いて、ASTM法によるDSC(示差走査熱分析)測定を窒素フロー(20mL/分)下、サンプル量10mg、アルミニウムセルを用い、基準サンプル側には空アルミニウムセルを用い室温から150℃の範囲で10℃/分の昇温範囲で行った。1回目の昇温における吸熱ピーク(Tm1)のトップ温度(℃)、1回目の150℃までの昇温後の20℃までの冷却時(冷却速度10℃/min)における凝結ピーク(Tc1)のトップ温度(℃)、吸熱ピーク(Tm1)の熱量Q1(J/g)と、凝結ピーク(Tc1)の熱量G(J/g)と、2回目の150℃までの昇温時において現われる吸熱ピーク(Tm2)の熱量Q2(J/g)とを求めた。結果を表1に示す。
更に、フェライト粒子(パウダーテック社製、体積平均粒径50μm)100重量部とポリメチルメタクリレート樹脂(三菱レイヨン社製、分子量95000)2.5重量部とを、トルエン500重量部と共に加圧式ニーダーに入れ、常温で15分間撹拌混合した後、減圧混合しながら70℃まで昇温し、トルエンを留去した後、冷却し、105μmの篩を用いて分級することにより、フェライトキャリア(樹脂被覆キャリア)を作製した。このフェライトキャリアと、上記静電荷像現像用トナー(1)とをVブレンダーに入れ、20分間撹拌し、その後212μmで篩分してトナー濃度が7重量%である二成分系の静電荷像現像剤作製例(1)を作製した。
<トナー母粒子(2)、トナー(2)及び現像剤(2)の製造>
結晶性樹脂粒子分散液(1) 70重量部
非晶性樹脂粒子分散液(1) 75重量部
着色剤分散液 42重量部
離型剤粒子分散液(1) 36重量部
数平均分子量8000以下の樹脂成分粒子分散液(2) 20重量部
硫酸アルミニウム(和光純薬社製) 0.5重量部
イオン交換水 300重量部
上記成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容してpH2.2に調整し、ホモジナイザ(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、加熱用オイルバス中で55℃まで撹拌しながら加熱した。55℃で120分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、体積平均粒径が約5.4μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。更に30分57℃で加熱撹拌を保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、平均粒径が約6.2μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。この凝集粒子分散液のpHは2.2であった。そこに、炭酸ナトリウム(和光純薬社製)を0.5重量%に希釈した水溶液を穏やかに添加してpHを5.5に調整した後、撹拌を継続しながら90℃まで加熱し、3時間保持した。その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥してトナー母粒子(2)を得た。
得られたトナー母粒子(2)の体積平均粒径は6.2μmであった。以下、トナー(1)、現像剤(1)と同様にトナー(2)、現像剤(2)を作製した。トナー(2)のDSCをトナー(1)と同様に測定した。トナー(2)のDSCチャートを図1に示す。なお、Fedors法により求めたSP値の結晶性樹脂と非晶性樹脂との差は0.62であった。
<トナー母粒子(3)、トナー(3)及び現像剤(3)の製造>
結晶性樹脂粒子分散液(2) 70重量部
非晶性樹脂粒子分散液(1) 75重量部
着色剤分散液 42重量部
離型剤粒子分散液(2) 36重量部
数平均分子量8000以下の樹脂成分粒子分散液(3) 20重量部
硫酸アルミニウム(和光純薬社製) 0.5重量部
イオン交換水 300重量部
上記成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容してpH2.2に調整し、ホモジナイザ(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、加熱用オイルバス中で55℃まで撹拌しながら加熱した。55℃で90分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、体積平均粒径が約5.2μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。更に30分56℃で加熱撹拌を保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、体積平均粒径が約6.2μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。この凝集粒子分散液のpHは2.2であった。そこに、炭酸ナトリウム(和光純薬社製)を0.5重量%に希釈した水溶液を穏やかに添加してpHを5.5に調整した後、撹拌を継続しながら90℃まで加熱し、3時間保持した。その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥してトナー母粒子(3)を得た。
得られたトナー母粒子(3)の体積平均粒径は6.2μmであった。以下、トナー(1)、現像剤(1)と同様にトナー(3)、現像剤(3)を作製した。トナー(3)のDSCをトナー(1)と同様に測定した。なお、Fedors法により求めたSP値の結晶性樹脂と非晶性樹脂との差は0.48であった。
<トナー母粒子(4)、トナー(4)及び現像剤(4)の製造>
結晶性樹脂粒子分散液(1) 70重量部
非晶性樹脂粒子分散液(2) 75重量部
着色剤分散液 42重量部
離型剤粒子分散液(1) 36重量部
数平均分子量8000以下の樹脂成分粒子分散液(4) 20重量部
硫酸アルミニウム(和光純薬社製) 0.5重量部
イオン交換水 300重量部
上記成分を丸型ステンレス製フラスコ中に収容してpH2.2に調整し、ホモジナイザ(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、加熱用オイルバス中で57℃まで撹拌しながら加熱した。57℃で90分間保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、体積平均粒径が約5.8μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。更に30分59℃で加熱撹拌を保持した後、光学顕微鏡にて観察すると、体積平均粒径が約6.2μmである凝集粒子が形成されていることが確認された。この凝集粒子分散液のpHは2.2であった。そこに、炭酸ナトリウム(和光純薬社製)を0.5重量%に希釈した水溶液を穏やかに添加してpHを5.5に調整した後、撹拌を継続しながら90℃まで加熱し、3時間保持した。その後、反応生成物をろ過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、真空乾燥機を用いて乾燥してトナー母粒子(4)を得た。
得られたトナー母粒子(4)の体積平均粒径は6.2μmであった。以下、トナー(1)、現像剤(1)と同様にトナー(4)、現像剤(4)を作製した。トナー(4)のDSCをトナー(1)と同様に測定した。なお、Fedors法により求めたSP値の結晶性樹脂と非晶性樹脂との差は1.03であった。
<トナー母粒子(5)、トナー(5)及び現像剤(5)の製造>
結晶性樹脂粒子分散液(1) 70重量部
非晶性樹脂粒子分散液(1) 75重量部
着色剤分散液 42重量部
離型剤粒子分散液(1) 36重量部
数平均分子量8000以下の樹脂成分粒子分散液(5) 20重量部
硫酸アルミニウム(和光純薬社製) 0.5重量部
イオン交換水 300重量部
とした以外は、トナー(2)、現像剤(2)と全て同様の条件にて作製した。得られたトナー母粒子(5)の体積平均粒径は5.9μmであった。トナー(5)のDSCをトナー(1)と同様に測定した。
<トナー母粒子(6)、トナー(6)及び現像剤(6)の製造>
結晶性樹脂粒子分散液(1) 70重量部
非晶性樹脂粒子分散液(1) 75重量部
着色剤分散液 42重量部
離型剤粒子分散液(1) 36重量部
数平均分子量8000以下の樹脂成分粒子分散液(6) 20重量部
硫酸アルミニウム(和光純薬社製) 0.5重量部
イオン交換水 300重量部
とした以外は、トナー(2)、現像剤(2)と全て同様の条件にて作製した。得られたトナー母粒子(6)の体積平均粒径は6.8μmであった。トナー(6)のDSCをトナー(1)と同様に測定した。
<トナー母粒子(7)、トナー(7)及び現像剤(7)の製造>
結晶性樹脂粒子分散液(1) 70重量部
非晶性樹脂粒子分散液(1) 75重量部
着色剤分散液 42重量部
離型剤粒子分散液(1) 36重量部
数平均分子量8000以下の樹脂成分粒子分散液(7) 20重量部
硫酸アルミニウム(和光純薬社製) 0.5重量部
イオン交換水 300重量部
とした以外は、トナー(2)、現像剤(2)と全て同様の条件にて作製した。得られたトナー母粒子(7)の体積平均粒径は5.1μmであった。トナー(7)のDSCをトナー(1)と同様に測定した。
<トナー母粒子(8)、トナー(8)及び現像剤(8)の製造>
結晶性樹脂粒子分散液(1) 70重量部
非晶性樹脂粒子分散液(1) 75重量部
着色剤分散液 42重量部
離型剤粒子分散液(1) 36重量部
数平均分子量8000以下の樹脂成分粒子分散液(8) 20重量部
硫酸アルミニウム(和光純薬社製) 0.5重量部
イオン交換水 300重量部
とした以外は、トナー(2)、現像剤(2)と全て同様の条件にて作製した。得られたトナー母粒子(8)の体積平均粒径は7.0μmであった。トナー(8)のDSCをトナー(1)と同様に測定した。
<トナー母粒子(9)、トナー(9)及び現像剤(9)の製造>
結晶性樹脂粒子分散液(1) 70重量部
非晶性樹脂粒子分散液(1) 75重量部
着色剤分散液 42重量部
離型剤粒子分散液(1) 36重量部
数平均分子量8000以下の樹脂成分粒子分散液(2) 6重量部
硫酸アルミニウム(和光純薬社製) 0.5重量部
イオン交換水 300重量部
とした以外は、トナー(2)、現像剤(2)と全て同様の条件にて作製した。得られたトナー母粒子(9)の体積平均粒径は5.8μmであった。トナー(9)のDSCをトナー(1)と同様に測定した。
<トナー母粒子(10)、トナー(10)及び現像剤(10)の製造>
結晶性樹脂粒子分散液(1) 70重量部
非晶性樹脂粒子分散液(1) 75重量部
着色剤分散液 42重量部
離型剤粒子分散液(1) 36重量部
数平均分子量8000以下の樹脂成分粒子分散液(2) 3重量部
硫酸アルミニウム(和光純薬社製) 0.5重量部
イオン交換水 300重量部
とした以外は、トナー(2)、現像剤(2)と全て同様の条件にて作製した。得られたトナー母粒子(10)の体積平均粒径は5.2μmであった。トナー(10)のDSCをトナー(1)と同様に測定した。
<トナー母粒子(11)、トナー(11)及び現像剤(11)の製造>
結晶性樹脂粒子分散液(1) 70重量部
非晶性樹脂粒子分散液(1) 75重量部
着色剤分散液 42重量部
離型剤粒子分散液(1) 36重量部
分子量10000以下の樹脂成分粒子分散液(2) 260重量部
硫酸アルミニウム(和光純薬社製) 0.5重量部
イオン交換水 300重量部
とした以外は、トナー(2)、現像剤(2)と全て同様の条件にて作製した。得られたトナー母粒子(11)の体積平均粒径は5.9μmであった。トナー(11)のDSCをトナー(1)と同様に測定した。
<トナー母粒子(12)、トナー(12)及び現像剤(12)の製造>
結晶性樹脂粒子分散液(1) 70重量部
非晶性樹脂粒子分散液(1) 75重量部
着色剤分散液 42重量部
離型剤粒子分散液(1) 36重量部
分子量10000以下の樹脂成分粒子分散液(2) 335重量部
硫酸アルミニウム(和光純薬社製) 0.5重量部
イオン交換水 300重量部
とした以外は、トナー(2)、現像剤(2)と全て同様の条件にて作製した。得られたトナー母粒子(12)の体積平均粒径は6.3μmであった。トナー(12)のDSCをトナー(1)と同様に測定した。
<トナー母粒子(13)、トナー(13)及び現像剤(13)の製造>
結晶性樹脂粒子分散液(1) 145重量部
着色剤分散液 42重量部
離型剤粒子分散液(1) 36重量部
硫酸アルミニウム(和光純薬社製) 0.5重量部
イオン交換水 300重量部
とした以外は、トナー(1)、現像剤(1)と全て同様の条件にて作製した。得られたトナー母粒子(13)の体積平均粒径は6.8μmであった。トナー(13)のDSCをトナー(1)と同様に測定した。
<トナー母粒子(14)、トナー(14)及び現像剤(14)の製造>
結晶性樹脂粒子分散液(1) 70重量部
非晶性樹脂粒子分散液(1) 75重量部
着色剤分散液 42重量部
離型剤粒子分散液(1) 36重量部
硫酸アルミニウム(和光純薬社製) 0.5重量部
イオン交換水 300重量部
とした以外は、トナー(2)、現像剤(2)と全て同様の条件にて作製した。得られたトナー母粒子(14)の体積平均粒径は6.2μmであった。トナー(14)のDSCをトナー(1)と同様に測定した。トナー(14)のDSCチャートを図2に示す。
<トナー母粒子(15)、トナー(15)及び現像剤(15)の製造>
非晶性樹脂(2) 110重量部
フタロシアニン顔料(大日精化社製、PVFASTBLUE) 25重量部
カルナウバワックス(東亜化成社製、融点80℃) 5重量部
上記混合物をエクストルーダで混練し、ジェットミルで粉砕した後、風力式分級機で分級し、体積平均粒径10.3μmのトナー母粒子(15)を得た。以下、トナー(1)、現像剤(1)と同様にトナー(15)、現像剤(15)を作製した。トナー(13)のDSCをトナー(1)と同様に測定した。
<電子写真用感光体の作製>
(感光体1)
円筒上のAl基板をセンタレス研磨装置により研磨し、表面粗さをRz=0.6μmとした。洗浄工程としてこのシリンダ−を脱脂処理、2wt%水酸化ナトリウム溶液で1分間エッチング処理、中和処理、更に純水洗浄を順に行った。次に、陽極酸化処理工程として10wt%硫酸溶液によりシリンダ表面に陽極酸化膜(電流密度1.0A/dm)を形成した。水洗後、1wt%酢酸ニッケル溶液80℃に20分間浸漬して封孔処理を行った。更に純水洗浄、乾燥処理を行った。このようにして、アルミニウムシリンダ−表面に7μmの陽極酸化膜を形成した。
このアルミニウム基材上にX線回折スペクトルにおけるブラッグ角(2θ±0.2°)が、27.2°に強い回折ピークを持つチタニルフタロシアニンの1重量部をポリビニルブチラール(エスレックBM−S、積水化学)1重量部、および酢酸n−ブチル100重量部と混合し、ガラスビーズとともにペイントシェーカで1時間処理して分散した後、得られた塗布液を前記下引き層上に浸漬コートし、100℃で10分間加熱乾燥して膜厚約0.15μmの電荷発生層を形成した。
下記構造のベンジジン化合物(化合物1)2重量部、高分子化合物(化合物2)(粘度平均分子量39,000)2.5重量部をクロロベンゼン20重量部に溶解させた塗布液を前記電荷発生層上に浸漬コーティング法で塗布し、110℃、40分の加熱を行って膜厚20μmの電荷輸送層を形成した。これを感光体1とする。
Figure 2007086502
(感光体2)
感光体1上に下記に示す構成材料を、メチルアルコール5重量部、イオン交換樹脂(アンバーリスト15E)0.5重量部を加え、室温で撹拌することにより24時間保護基の交換反応を行った。
化合物3 2重量部
メチルトリメトキシシラン 2重量部
テトラエトキシシラン 0.5重量部
コロイダルシリカ 0.4重量部
Me(MeO)-Si-(CH-Si-Me(OMe) 0.5重量部
(ヘプタデカフルオロ−1,1,2,2−テトラヒドロデシル)メチルジメトキシシラン 0.1重量部
ヘキサメチルシクロトリシロキサン 0.3重量部
その後、n−ブタノール10重量部、蒸留水0.3重量部を添加し、15分加水分解を行った。加水分解したものからイオン交換樹脂を濾過分離した液に対し、アルミニウムトリスアセチルアセトナート(Al(aqaq))を0.1重量部、アセチルアセトン0.1重量部、3,5−ジ−t−ブチル−4−ヒドロキシトルエン(BHT)0.4重量部、エスレックBX−L(積水化学社製)0.5重量部を加え、このコーティング液を前記電荷輸送層の上にリング型浸漬塗布法により塗布し、室温で30分風乾した後、170℃で1時間加熱処理して硬化し、膜厚約3μmの表面層を形成した。これを感光体2とする。
Figure 2007086502
<静電荷像現像剤の実機評価>
(実施例1〜16、比較例1〜3)
感光体、及び現像剤の組み合わせを表1に示した組み合わせで富士ゼロックス製プリンタDocuCentreColor400CP解像機にて高温高湿(28℃、85%RH)の環境下で5000枚の画像形成テストし、次いで低温低湿(10℃、15%RH)の環境下にて5000枚の画像形成テストした後、以下の項目を評価した。結果を表2に示す。
なお、低温定着性は、実機走行前に、定着機の温度制御を外部電源コントロールにて行い一定の反射濃度(X−Rite404濃度計で濃度1.5〜1.8)となるように定着像を採取し、定着像の折り曲げによる画像欠陥を官能評価して判定した。
○:良好
△:やや画像欠陥が多めだが、実用上問題ない
×:画像欠陥多く実用に耐えない
トナー強度は、外添剤埋め込まれは、高温高湿、低温低湿走行後の現像剤を採取して、走査型電子顕微鏡(SEM)にてトナー粒子表面の添加微粒子の状態を観察して官能評価した。
○:良好
×:トナー割れ/変形/外添剤埋没目立つレベル
転写性は、500枚(初期)、以後1000枚、2000枚と1000枚毎に、未転写サンプルを採取して、感光体上のトナー残留重量を測定して判定した。
○:良好
△:1000枚以降で大きく低下
×:初期で低下
帯電維持性(高温高湿)は、初期(500枚走行)の帯電量と5000枚走行後での現像剤帯電量の差を区分して表した。帯電量測定器は東芝社(製)ブローオフトライボ測定器TB200を使用した。
具体的には、
○:初期との帯電量差の絶対値が5μc/G以下で問題ないレベル
×:初期との帯電量差の絶対値が5μc/Gを超え実使用上問題あり。
を表している。なお、比較例3は初期より低帯電であり、帯電量差は小さいものの、問題があるため×と判断した。
画像耐久性は、実機走行前に、一定の反射濃度(X−Rite404濃度計で濃度1.5〜1.8)となるように定着像を採取し、定着像の引っかき試験装置(HEIDON−14D:HEIDON社製)による画像欠陥を官能評価して判定した。測定条件は次の通りである。速度は1500mm/分、移動幅30mmであった。
○:良好
×:画像欠陥多く実用に耐えないレベル
感光体表面ディフェクトは、表面層の傷、フィルミング、画像への影響(筋、黒点)などを評価した。
○:良好
△:実用上問題ないが感光体には傷あり
×:筋、濃度むらなど画像への影響あり
Figure 2007086502
Figure 2007086502
表2からわかるように、トナーのASTM法によるDSC測定における1回目の昇温において吸熱ピーク(Tm1)を55〜100℃の範囲に少なくとも1つ以上有し、1回目の昇温後の冷却時において該吸熱ピークTm1のうち最低温のピークよりも1〜35℃の範囲に凝結ピーク(Tc1)を有し、該吸熱ピーク(Tm1)熱量Q1と、凝結ピーク(Tc1)熱量Gと、2回目の昇温時において現われる吸熱ピーク(Tm2)熱量Q2とが前記式の関係にある実施例1〜16は、低温定着性、トナー強度、外添埋め込まれ、転写性、画像耐久性、帯電維持性(高温高湿)、感光体表面ディフェクト共に良好な結果であった。これに対して、これらの熱特性を満たさない比較例1〜3は、良好な結果は得られなかった。
本発明の実施例におけるトナー(2)のDSCチャートを示す図である。 本発明の比較例におけるトナー(14)のDSCチャートを示す図である。

Claims (6)

  1. 結着樹脂、着色剤を含有する静電荷像現像用トナーであって、
    前記結着樹脂は、結晶性樹脂及び非晶性樹脂のうち少なくとも1つを含み、
    前記トナーのASTM法によるDSC測定における1回目の昇温において吸熱ピーク(Tm1)を55〜100℃の範囲に少なくとも1つ以上有し、1回目の昇温後の冷却時において該吸熱ピークTm1のうち最低温のピークよりも1〜35℃低温側の範囲に凝結ピーク(Tc1)を有し、該吸熱ピーク(Tm1)熱量Q1と、凝結ピーク(Tc1)熱量Gと、2回目の昇温時において現われる吸熱ピーク(Tm2)熱量Q2とが下記式の関係にあることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
    0.5×Q1<G<0.8×Q1
    0.3×Q1<Q2<0.6×Q1
  2. 請求項1に記載の静電荷像現像用トナーであって、
    前記結着樹脂は、結晶性樹脂を含み、
    数平均分子量Mnが8000以下であり、ガラス転移温度Tgが40℃〜100℃の範囲である樹脂成分を前記トナー全重量に対して1〜50重量%含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  3. 請求項2に記載の静電荷像現像用トナーであって、
    前記樹脂成分が、ポリテルペン系樹脂であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  4. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
    結着樹脂粒子分散液と、着色剤粒子分散液とを撹拌混合し、前記結着樹脂粒子と前記着色剤粒子を含有する凝集粒子分散液を調製する工程と、
    前記結着樹脂の融点以上の温度に加熱して前記凝集粒子を一体化する工程と、
    を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  5. 請求項1〜4のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーを含有することを特徴とする静電荷像現像剤。
  6. 潜像保持体表面に静電潜像を形成する潜像形成工程と、現像剤担持体に担持された現像剤を用い、前記潜像保持体表面に形成された静電潜像を現像してトナー画像を形成する現像工程と、前記潜像保持体表面に形成されたトナー画像を被転写体表面に転写する転写工程と、前記被転写体表面に転写されたトナー画像を定着する定着工程と、を含む画像形成方法であって、
    前記現像剤は、請求項5に記載の静電荷像現像剤であることを特徴とする画像形成方法。
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