JP2010230917A - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用現像剤および画像形成装置 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用現像剤および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】高速の画像形成装置において用いた場合でも高い耐摩擦性および折り曲げ特性を有する静電荷像現像用トナーを提供する。
【解決手段】結晶性樹脂と非晶性樹脂と離型剤と着色剤とを含有し、トナー中の結晶性樹脂の含有量が15重量%以上75重量%以下、離型剤の含有量が3重量%以上25重量%以下であり、結晶性樹脂の融解温度Tmが25℃以上70℃以下であり、非晶性樹脂のガラス転移温度Tgが60℃以上90℃以下であり、離型剤は炭素数分布が22以上33以下の範囲を有するアルコール成分を含有する静電荷像現像用トナーである。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用現像剤および画像形成装置に関する。
電子写真法など静電荷像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。電子写真法においては、帯電、露光工程により像保持体上に静電潜像を形成し(潜像形成工程)、静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と呼ぶ場合がある。)を含む静電荷像現像用現像剤(以下、単に「現像剤」と呼ぶ場合がある。)で静電潜像を現像し(現像工程)、転写工程、定着工程を経て可視化される。ここで用いられる現像剤には、トナーとキャリアからなる2成分現像剤と、磁性トナーまたは非磁性トナーを単独で用いる1成分現像剤とがあるが、そのトナーの製法は、通常、熱可塑性樹脂などの結着樹脂を顔料などの着色剤、帯電制御剤、ワックスなどの離型剤等とともに溶融混練し、冷却後、粉砕し、さらに分級する混練粉砕法が使用されている。
画像の高画質化の要求によりトナー形状およびトナー表面構造の制御を意図的に行うことが可能な手段として、湿式製法によるトナーの製造方法が提案されており、特に高画質化を狙うために粒径をできるだけ均一化する方法として、例えば、懸濁重合法、乳化重合凝集法等がある。
また、湿式製法として、あらかじめ有機溶剤に溶解または分散させた結着樹脂や着色剤を水系媒体中に分散懸濁させ、その懸濁液を加熱または減圧することにより有機溶剤を除去して粒子化し、トナー粒子を得る溶解懸濁法が知られている。この製法には、得られるトナーの粒径の均一性が高い、トナー中の残存モノマがほとんどない、界面活性剤を使用しなくてもよいなどの利点がある。
一方で、電子写真法においても省エネルギ化の観点から、複写機、レーザプリンタなどでの消費エネルギ削減を目的としてトナーの低温定着性が強く求められている。このような低温定着性を実現するために、結晶性樹脂を含むトナーが知られている。
低温定着が可能なトナーを用いることで、定着に必要とする熱エネルギ量が低減することにより、高速プロセス定着が可能となった。そこで昨今、小ロットの印刷市場に電子写真法を用いる場合が増えつつあり、オリジナルの画像を保管しておき、必要に応じてオリジナルの画像を都度複写して用いる場合がある。このような場合、オリジナルの画像には高い保管性や繰り返し使用するために高い耐摩擦性が求められる。また、複写において例えば210mm/s以上の高速出力を達成するには、出力以上の高速入力が求められ、自動給紙装置において、画像には従来より耐摩擦性が求められる。画像は自動給紙装置を通過するため、表面にある程度の硬度と同時に高い折り曲げ特性を有することが求められる。
例えば、特許文献1には、結着樹脂、着色剤および離型剤を少なくとも含有する静電潜像現像用トナーであって、離型剤が炭化水素成分を含み、炭化水素成分に含まれる直鎖炭化水素成分が炭素数分布を持ち、平均炭素数をNとしたとき、N−4からN+4の範囲の成分が炭化水素成分全体の80重量%以上であり、かつ、N−10以下の成分およびN+10以上の成分が炭化水素成分全体の0.05重量%以下である静電潜像現像用トナーが記載されている。
特開2006−84661号公報
本発明は、高速の画像形成装置において用いた場合でも高い耐摩擦性および折り曲げ特性を有する静電荷像現像用トナー、その静電荷像現像用トナーの製造方法、そのトナーを含む静電荷像現像用現像剤およびその現像剤を用いた画像形成装置である。
本発明は、結晶性樹脂と非晶性樹脂と離型剤と着色剤とを含有し、トナー中の前記結晶性樹脂の含有量が15重量%以上75重量%以下、前記離型剤の含有量が3重量%以上25重量%以下であり、前記結晶性樹脂の融解温度Tmが25℃以上70℃以下であり、前記非晶性樹脂のガラス転移温度Tgが60℃以上90℃以下であり、前記離型剤は炭素数分布が22以上33以下の範囲を有するアルコール成分を含有する静電荷像現像用トナーである。
また、静電荷像現像用トナーにおいて、前記前記結晶性樹脂の酸価をAVc、前記非晶性樹脂の酸価をAVa、前記離型剤の酸価をAVwとしたときに、AVa>AVc≧AVwの関係であることが好ましい。
また、静電荷像現像用トナーにおいて、前記離型剤がカルナウバワックスであることが好ましい。
また、本発明は、前記結晶性樹脂と前記非晶性樹脂と前記離型剤と前記着色剤とを、水を含む溶媒に分散させて製造する前記静電荷像現像用トナーの製造方法である。
また、本発明は、前記結晶性樹脂と前記非晶性樹脂と前記離型剤と前記着色剤とを、有機溶剤を含む溶媒に分散させて製造する前記静電荷像現像用トナーの製造方法である。
また、本発明は、前記静電荷像現像用トナーと、キャリアとを含有する静電荷像現像用現像剤である。
また、本発明は、像保持体と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、前記現像されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段と、を含み、前記現像剤は、前記静電荷像現像用現像剤である画像形成装置である。
本発明の請求項1によれば、本構成を有さない場合に比較して、高速の画像形成装置において用いた場合でも高い耐摩擦性および折り曲げ特性を有する静電荷像現像用トナーを提供する。
本発明の請求項2によれば、結晶性樹脂、非晶性樹脂、離型剤の酸価が本関係にない場合に比較して、高速の画像形成装置において用いた場合でもより高い耐摩擦性および折り曲げ特性を有する静電荷像現像用トナーを提供する。
本発明の請求項3によれば、離型剤がカルナウバワックスではない場合に比較して、高速の画像形成装置において用いた場合でもより高い耐摩擦性および折り曲げ特性を有する静電荷像現像用トナーを提供する。
本発明の請求項4によれば、本構成を有さない場合に比較して、高速の画像形成装置において用いた場合でも高い耐摩擦性および折り曲げ特性を有するトナーを製造する静電荷像現像用トナーの製造方法を提供する。
本発明の請求項5によれば、本構成を有さない場合に比較して、高速の画像形成装置において用いた場合でも高い耐摩擦性および折り曲げ特性を有するトナーを製造する静電荷像現像用トナーの製造方法を提供する。
本発明の請求項6によれば、本構成を有さない場合に比較して、高速の画像形成装置において用いた場合でも高い耐摩擦性および折り曲げ特性を有する静電荷像現像用現像剤を提供する。
本発明の請求項7によれば、本構成を有さない場合に比較して、高速で画像形成した場合でも高い耐摩擦性および折り曲げ特性を有する画像を形成する画像形成装置を提供する。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<静電荷像現像用トナー>
本発明の実施形態に係る静電荷像現像用トナーは、結晶性樹脂と非晶性樹脂と離型剤と着色剤とを含有する。本実施形態に係るトナーにおいて、トナー中の結晶性樹脂の含有量が15重量%以上75重量%以下、離型剤の含有量が3重量%以上25重量%以下であり、結晶性樹脂の融解温度Tmが25℃以上70℃以下であり、非晶性樹脂のガラス転移温度Tgが60℃以上90℃以下であり、離型剤は炭素数分布が22以上33以下の範囲を有するアルコール成分を含有する。
高い耐摩擦性を得るためには、硬度の高い物質をフィラーとして定着像表面に展開することが考えられるが、フィラーとして例えば大粒径のシリカのような結着樹脂と大きく屈折率の異なる材料を用いた場合、透過光の分散により透過度が悪化して色の彩度が制限されてしまう場合がある。
一方、結晶性を有し、かつ低融解温度である結晶性樹脂を用いた場合、低融解温度のため、定着時に結晶性樹脂が低エネルギで粘度の低い液状となり、定着像表面に展開され、高硬度の定着像表面が得られ、耐摩擦性に優れる画像が得られる。
しかしながら、結晶性樹脂の結晶構造は粘性や弾性に乏しく、画像の折り曲げに対して結晶性樹脂層が破断して、ひび割れや欠落が生じてしまうことがある。トナー中の離型剤の量を多くして滑り性の向上を図っても、高速プロセスの場合、繰り返して自動給紙装置を通過させると摩擦により離型剤層が摩滅してしまい、その結果、対向する用紙に離型剤成分が奪われて離型剤層が失われ、画像の画質劣化や対向用紙に色汚染などが発生することがある。
本発明者らは、所定の炭素数分布を有するアルコール成分を含有する離型剤と、低融解温度の結晶性樹脂とを用いることにより、画像の定着像表面上に離型剤層を設け、硬度の高い結晶性樹脂が海島構造を形成しやすくなるため、耐折り曲げ性や繰り返し使用可能な耐久性のある、耐摩擦性に優れた定着像が得られることを見出した。
トナーの定着像表面に離型剤と結晶性樹脂との海島構造が形成され、硬度のある結晶性樹脂が耐摩擦効果を発揮し、離型剤が結晶性樹脂を受容することで定着像としての粘度を生じさせることで、耐摩擦性に優れ、例えば210mm/s以上のプロセス速度を有する自動紙送り装置を用いても、再度の使用に耐えうる耐久性に優れた定着像が得られる。
本実施形態に係るトナーにおいて、トナー中の結晶性樹脂の含有量は、15重量%以上75重量%以下であり、20重量%以上60重量%以下であることが好ましい。トナー中の結晶性樹脂の含有量が15重量%未満であると、定着像となった時、非晶性樹脂中に部分的としても埋没してしまい結晶性の効果が十分に発揮されず、75重量%を超えると、トナー保管時に室温が結晶性樹脂の融解温度を超えた場合、液体化で体積が膨張し非晶性樹脂の弾性でも吸収しきれなくなりトナー表面に露出してしまう。液体化した結晶性樹脂は他のトナーと融着したり、外添剤を埋没させたり、また部材へと融着を引き起こし帯電性、フィルミングなどのトラブルの発生原因となる。
結晶性樹脂の融解温度Tmは、25℃以上70℃以下であり、35℃以上60℃以下であることが好ましい。結晶性樹脂の融解温度Tmが25℃未満であると、定着後、通常の室内環境においても、高温の雰囲気で定着画像が溶融してしまう。結晶性樹脂の融解温度Tmが70℃を超えると、結晶性を持つため、定着時に被転写体の凸部との接触による固化が過剰に早く起こってしまい、被転写体の凹部へ溶融したトナーが流れ込むことができず、定着が充分に行われない。
非晶性樹脂のガラス転移温度Tgは、60℃以上90℃以下であり、63℃以上80℃以下であることが好ましい。非晶性樹脂のガラス転移温度Tgが60℃未満であると、トナー粒子間の摩擦の熱で融着したり、フィルミング等が発生する。また、非晶性樹脂のガラス転移温度Tgが90℃を超えると、低融解温度の結晶性樹脂を用いても非晶性樹脂の溶融が不充分で定着画像中に拡散せずドメイン構造となってしまう。そうした場合、低融解温度の結晶性樹脂で構成される定着画像部分は、硬度は有しても、摩擦熱や直射日光等にさらされた場合、定着画像が溶融してしまう。
本実施形態において、離型剤はアルコール成分を含有し、アルコール成分が22以上33以下の範囲を含む炭素数分布を有する。離型剤は、炭素数分布が22以上33以下の範囲を有するアルコール成分を含有すればよいが、炭素数分布が22以上33以下の範囲を有するアルコール成分を離型剤全体に対して40重量%以上70重量%以下含有することが好ましい。炭素数分布が22以上33以下の範囲を有するアルコール成分が40重量%未満であると、結晶性樹脂と離型剤が非晶性樹脂に対して海島構造をもっても、それぞれが相溶せず界面が出来てしまい、その結果、トナー粒子が容易に砕けたり、定着しても離型剤が結晶性樹脂を受容せず、結晶性樹脂と離型剤との界面がひび割れ発生の主要因となる場合があり、70重量%を超えると、定着後に固化しえない場合がある。
さらに、離型剤は、アルコール成分を含む炭化水素成分を含有し、炭化水素成分の炭素数分布の平均をNとしたとき、N±2内にある直鎖炭化水素成分が炭化水素成分全体の50重量%以下であることが好ましく、20重量%以上45重量%以下であることがより好ましい。N±2内にある直鎖炭化水素成分が炭化水素成分全体の50重量%を超えると、離型剤が結晶性樹脂に相溶出来ない場合があり、20重量%未満であると、N−2以下の成分が多量であると結晶性樹脂に溶解してしまい離型剤としての機能を発揮できず、N+2以上の成分が多量であると離型剤に部分的に相溶出来ず、界面を生じてひび割れ発生の主要因となる場合がある。
結晶性樹脂と離型剤とが定着像表面で海島構造を形成するためには、離型剤と結晶性樹脂とが部分相溶することが望ましい。合成系の離型剤の場合、構成成分がほぼ均一であるため、離型剤成分が結晶性樹脂と溶解性が高い場合には海島構造はほとんど形成されず、両者の長所である耐折り曲げ性や耐摩擦性が損なわれてしまう場合がある。また、結晶性樹脂と離型剤とがほとんど相溶しない場合、定着像表面は離型剤と結晶性樹脂とが分離した部位が占めるようになり、結晶性樹脂部位は耐折り曲げ性に劣り、離型剤部位は耐摩擦性に劣ってしまうと考えられる。離型剤が炭素数分布が22以上33以下の範囲を有するアルコール成分を含有することにより結晶性樹脂と離型剤とが部分相溶することで、離型剤中の結晶性樹脂のドメインを保ちつつ離型剤と共連れし、定着像表面に海島構造が形成されると考えられる。
離型剤としては、炭素数分布が22以上33以下の範囲を有するアルコール成分を含有するものであればよく、特に制限はないが、このような成分を含有する天然系ワックスが好ましく、植物系ワックスがより好ましい。天然系ワックスとしては、例えば、カルナウバワックス、ライスワックスなどが挙げられ、炭素数分布の広さ、二山分布を有するなどの点からカルナウバワックスが好ましい。
離型剤の含有量は、3重量%以上25重量%以下であり、5重量%以上20重量%以下であることが好ましい。3重量%未満であると、離型剤添加の効果がなく、25重量%を超えると、帯電性への悪影響が現れやすくなり、また現像機内部においてトナーが破壊されやすくなるため離型剤やトナー樹脂のキャリアへのスペント化が生じ、帯電が低下しやすくなる等の影響が現れるばかりでなく、例えばカラートナーを用いた場合、定着時の画像表面への染み出しが不十分になり易く、画像中に離型剤が在留しやすくなってしまうため、透明性が悪化する。
離型剤の融解温度Tmwは60℃以上120℃以下が好ましく、結着樹脂の融解温度Tm以下であることがより好ましい。離型剤の融解温度が60℃未満では離型剤の変化温度が低すぎ、耐ブロッキング性が劣ったり、複写機内温度が高まった時に現像性が悪化したりする場合がある。一方、120℃を超える場合には、離型剤の変化温度が高過ぎ、結晶性樹脂の低温定着性を損ねてしまう場合がある。
結晶性樹脂の酸価をAVc、非晶性樹脂の酸価をAVa、離型剤の酸価をAVwとしたときに、AVa>AVc≧AVwの関係であることが好ましい。このような関係にない場合、トナー表面に結晶性樹脂や離型剤が露出してしまう場合がある。
結晶性樹脂の酸価AVcは、3mgKOH/g以上25mgKOH/g以下であることが好ましく、5mgKOH/g以上20mgKOH/g以下であることがより好ましい。結晶性樹脂の酸価AVcが3mgKOH/g未満であると、非晶性樹脂と相溶性が小さく、定着後の像において結晶性樹脂と非晶性樹脂とで界面が出来てしまい、物理的衝撃で容易に界面部での破壊が発生するため、像強度の低下を発生させる場合があり、25mgKOH/gを超えると、表面露出によるキャリアや現像剤担持体および感光体に融着し、白ぬけ等を発生させる場合がある。
非晶性樹脂の酸価AVaは、15mgKOH/g以上65mgKOH/g以下であることが好ましく、20mgKOH/g以上50mgKOH/g以下であることがより好ましい。非晶性樹脂の酸価AVaが15mgKOH/g未満であると、結晶性樹脂、離型剤と酸価の差がつき難く、離型剤や結晶性樹脂がトナー表面に露出する場合があり、65mgKOH/gを超えると、親水性にすぎ、トナー化した場合、高湿環境下で帯電低下を引き起こす場合がある。
離型剤の酸価AVwは、3mgKOH/g以上20mgKOH/g以下であることが好ましく、5mgKOH/g以上15mgKOH/g以下であることがより好ましい。離型剤の酸価AVwが3mgKOH/g未満であると、非晶性樹脂と相溶性が小さく、定着後の像において結晶性樹脂と離型剤とで界面が出来てしまい、物理的衝撃で容易に界面部での破壊が発生するため、像強度の低下を発生させる場合があり、20mgKOH/gを超えると、表面露出によるキャリアや現像剤担持体および感光体に融着し、白ぬけ等を発生させる場合がある。
本発明の実施形態に係る静電荷像現像用トナーは、結晶性樹脂と非晶性樹脂と離型剤と着色剤とを含有する。
本実施形態に係るトナーは、後述するような、有機溶媒中に結晶性樹脂、非晶性樹脂、離型剤、着色剤などの各材料を分散し、水系溶媒において乳化し、脱溶剤してトナーを作製する方法において、トナー中に含有する結晶性樹脂、非晶性樹脂、離型剤の酸価を上記の通りAVa>AVc≧AVwとして、トナー表面を非晶性樹脂で覆う構造とすることが好ましい。これにより、トナー表面に結晶性樹脂および離型剤が露出するのを防ぎ、フィルミング発生を抑制し、帯電安定性が良好となる。
本実施形態において、「結晶性樹脂」の「結晶性」とは、樹脂またはトナーの示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを指す。具体的には、自動接線処理システムを備えた島津製作所社製の示差走査熱量計(装置名:DSC−60型)を用いた示差走査熱量測定(DSC)において、10℃/minの昇温速度で昇温したときのオンセット点から吸熱ピークのピークトップまでの温度が10℃以内であるときに「明確な」吸熱ピークであるとする。また、シャープメルト製の観点から、前記オンセット点から吸熱ピークのピークトップまでの温度は、10℃以内であることが好ましく、6℃以内であることがより好ましい。DSC曲線におけるベースラインの平坦部の任意の点およびベースラインからの立ち下がり部の平坦部の任意の点を指定し、その両点間の平坦部の接線の交点が「オンセット点」として自動接線処理システムにより自動的に求められる。また、吸熱ピークは、トナーとしたときに、40℃以上50℃以下の幅を有するピークを示す場合がある。
また、結着樹脂として用いる「非晶性樹脂」とは、樹脂またはトナーの示差走査熱量測定(DSC)において、オンセット点から吸熱ピークのピークトップまでの温度が10℃を超えるとき、あるいは明確な吸熱ピークが認められない樹脂であることを指す。具体的には、自動接線処理システムを備えた島津製作所社製の示差走査熱量計(装置名:DSC−60型)を用いた示差走査熱量測定(DSC)において、10℃/minの昇温速度で昇温したときのオンセット点から吸熱ピークのピークトップまでの温度が10℃を超えるとき、あるいは明確な吸熱ピークが認められないときに「非晶性」であるとする。また、前記オンセット点から吸熱ピークのピークトップまでの温度は、12℃を超えることが好ましく、明確な吸熱ピークが認められないことがより好ましい。DSC曲線における「オンセット点」の求め方は上記「結晶性樹脂」の場合と同様である。
結晶性樹脂としては、結晶性を有し、上記の通り融解温度Tmが25℃以上70℃以下のものであれば、如何なる組成のものも用いてもよい。具体的には、結晶性ポリエステル樹脂、結晶性ビニル系樹脂などが挙げられるが、定着時の紙への接着性や帯電性、および好ましい範囲での融解温度調整の観点から結晶性ポリエステル樹脂が好ましい。また適度な融解温度をもつ脂肪族系の結晶性ポリエステル樹脂がより好ましい。
結晶性ビニル系樹脂としては、(メタ)アクリル酸アミル、(メタ)アクリル酸ヘキシル、(メタ)アクリル酸ヘプチル、(メタ)アクリル酸オクチル、(メタ)アクリル酸ノニル、(メタ)アクリル酸デシル、(メタ)アクリル酸ウンデシル、(メタ)アクリル酸トリデシル、(メタ)アクリル酸ミリスチル、(メタ)アクリル酸セチル、(メタ)アクリル酸ステアリル、(メタ)アクリル酸オレイル、(メタ)アクリル酸ベヘニル等の長鎖アルキル、アルケニルの(メタ)アクリル酸エステルを用いたビニル系樹脂が挙げられる。なお、本明細書において、”(メタ)アクリル”なる記述は、”アクリル”および”メタクリル”のいずれをも含むことを意味するものである。
一方、結晶性ポリエステル樹脂は、酸(ジカルボン酸)成分とアルコール(ジオール)成分とから合成されるものであり、本実施形態において、「酸由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前には酸成分であった構成部位を指し、「アルコール由来構成成分」とは、ポリエステル樹脂の合成前にはアルコール成分であった構成部位を指す。
前記ポリエステル樹脂が結晶性でない場合、すなわち非晶性である場合には、良好な低温定着性を確保しつつ、耐トナーブロッキング性、画像保存性が保たれない傾向にある。また、結晶性ポリエステル主鎖に対して他成分を共重合したポリマの場合、他成分が50重量%以下の場合、この共重合体も結晶性ポリエステル樹脂と呼ぶ。
[酸由来構成成分]
酸由来構成成分は、脂肪族ジカルボン酸が好ましく、特に直鎖型のカルボン酸が好ましい。例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,11−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、あるいはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、これらに限定されない。脂肪族ジカルボン酸の中では、入手容易性を考慮すると、セバシン酸、1,10−デカンジカルボン酸が好ましい。
酸由来構成成分としては、前述の脂肪族ジカルボン酸由来構成成分のほか、二重結合を持つジカルボン酸由来構成成分、スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分等の構成成分が含まれていることが好ましい。なお、前記二重結合を持つジカルボン酸由来構成成分には、二重結合を持つジカルボン酸に由来する構成成分のほか、二重結合を持つジカルボン酸の低級アルキルエステルまたは酸無水物等に由来する構成成分も含まれる。また、前記スルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分には、スルホン酸基を持つジカルボン酸に由来する構成成分のほか、スルホン酸基を持つジカルボン酸の低級アルキルエステルまたは酸無水物等に由来する構成成分も含まれる。
二重結合を持つジカルボン酸は、その二重結合を利用して樹脂全体を架橋させ得る点で、定着時のホットオフセットを防ぐために好適に用いられる。このようなジカルボン酸としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でも、コストの点で、フマル酸、マレイン酸等が好ましい。
スルホン酸基を持つジカルボン酸は、顔料等の着色剤の分散を良好にする点で有効である。また、樹脂全体を水に乳化あるいは懸濁して、粒子を作製する際にスルホン酸基があれば、後述するように、界面活性剤を使用しないで乳化あるいは懸濁が行われる。このようなスルホン酸基を持つジカルボン酸としては、例えば、2−スルホテレフタル酸ナトリウム塩、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩、スルホコハク酸ナトリウム塩等が挙げられるがこれらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でもコストの点で、5−スルホイソフタル酸ナトリウム塩等が好ましい。
これらの脂肪族ジカルボン酸由来構成成分以外の酸由来構成成分(二重結合を持つジカルボン酸由来構成成分および/またはスルホン酸基を持つジカルボン酸由来構成成分)の、酸由来構成成分における含有量としては、1構成モル%以上20構成モル%以下が好ましく、2構成モル%以上10構成モル%以下がより好ましい。
前記含有量が、1構成モル%未満の場合には、顔料分散がよくなかったり、乳化粒子径が大きくなり、凝集によるトナー径の調整が困難となる場合がある。一方、20構成モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融解温度が降下して、画像の保存性が悪くなったり、乳化粒子径が小さ過ぎて水に溶解し、ラテックスが生じない場合がある。なお、本明細書において「構成モル%」とは、ポリエステル樹脂における各構成成分(酸由来構成成分、アルコール由来構成成分)を1単位(モル)したときの百分率を指す。
[アルコール由来構成成分]
アルコール由来構成成分としては脂肪族ジオールが好ましく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール等が挙げられるが、この限りではない。脂肪族ジオールの中では、樹脂の融解温度、抵抗等を考慮すると、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオールが好ましい。
前記アルコール由来構成成分は、脂肪族ジオール由来構成成分の含有量が80構成モル%以上であることが好ましく、必要に応じてその他の成分を含んでもよい。前記アルコール由来構成成分としては、前記脂肪族ジオール由来構成成分の含有量が90構成モル%以上であることがより好ましい。
前記含有量が、80構成モル%未満では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融解温度が降下するため、耐トナーブロッキング性、画像保存性および、低温定着性が悪化してしまう場合がある。一方、必要に応じて含まれるその他の成分としては、二重結合を持つジオール由来構成成分、スルホン酸基を持つジオール由来構成成分等の構成成分が挙げられる。
前記二重結合を持つジオールとしては、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブテン−1,8−ジオール等が挙げられる。一方、前記スルホン酸基を持つジオールとしては、1,4−ジヒドロキシ−2−スルホン酸ベンゼンナトリウム塩、1,3−ジヒドロキシメチル−5−スルホン酸ベンゼンナトリウム塩、2−スルホ−1,4−ブタンジオールナトリウム塩等が挙げられる。
これらの直鎖型脂肪族ジオール由来構成成分以外のアルコール由来構成成分を加える場合(二重結合を持つジオール由来構成成分、および/または、スルホン酸基を持つジオール由来構成成分)の、アルコール由来構成成分における含有量としては、1構成モル%以上20構成モル%以下が好ましく、2構成モル%以上10構成モル%以下がより好ましい。前記含有量が、1構成モル%未満の場合には、顔料分散が不良となったり、乳化粒子径が大きくなり、凝集によるトナー径の調整が困難となる場合がある。一方、20構成モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融解温度が降下して、画像の保存性が悪くなったり、乳化粒子径が小さ過ぎて水に溶解し、ラテックスが生じない場合がある。
前記ポリエステル樹脂の製造方法としては特に制限はなく酸成分とアルコール成分を反応させる一般的なポリエステル重合法で製造すればよく、例えば、直接重縮合、エステル交換法等が挙げられ、モノマの種類によって使い分けて製造すればよい。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、通常1/1程度である。
前記ポリエステル樹脂の製造は、例えば、重合温度180℃以上230℃以下の間で行えばよく、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させてもよい。モノマが、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤留去しながら行ってもよい。共重合反応において相溶性の悪いモノマが存在する場合はあらかじめ相溶性の悪いモノマと、そのモノマと重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させてもよい。
前記ポリエステル樹脂の製造時に使用してもよい触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物、リン酸化合物、およびアミン化合物等が挙げられる。
また、本実施形態における結着樹脂の主成分である結晶性樹脂の融解温度、分子量等の調整の目的で上記の重合性単量体以外に、より短鎖のアルキル基、アルケニル基、芳香環等を有する化合物を使用してもよい。具体例としては、ジカルボン酸の場合、コハク酸、マロン酸、シュウ酸等のアルキルジカルボン酸類、およびフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ホモフタル酸、4,4’−ビ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類、ジピコリン酸、ジニコチン酸、キノリン酸、2,3−ピラジンジカルボン酸等の含窒素芳香族ジカルボン酸類が挙げられ、ジオール類の場合、コハク酸、マロン酸、アセトンジカルボン酸、ジグリコール酸等の短鎖アルキルのジオール類が挙げられ、短鎖アルキルのビニル系重合性単量体の場合、(メタ)アクリル酸メチル、(メタ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、(メタ)アクリル酸ブチル等の短鎖アルキル、アルケニルの(メタ)アクリル酸エステル類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類、ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン類、エチレン、プロピレン、ブタジエン、イソプレン等のオレフィン類等が挙げられる。これらの重合性単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
本実施形態においては、静電荷像現像用トナー用の樹脂として共重合可能なものであれは、親水性極性基を有する化合物を用いてもよい。具体例としては、仮に用いる樹脂がポリエステルである場合、スルホニル−テレフタル酸ナトリウム塩、3−スルホニルイソフタル酸ナトリウム塩等の芳香環に直接スルホニル基が置換したジカルボン酸化合物が挙げられ、また樹脂がビニル系樹脂の場合は、(メタ)アクリル酸、イタコン酸等の不飽和脂肪族カルボン酸類、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、脂肪酸変性グリシジル(メタ)アクリレート、ジンクモノ(メタ)アクリレート、ジンクジ(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、ポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリル酸とアルコール類等とのエステル類、オルト、メタ、パラ位のいずれかにスルホニル基を有するスチレンの誘導体、スルホニル基含有ビニルナフタレン等のスルホニル基置換芳香族ビニル等が挙げられる。
結晶性樹脂の重量平均分子量Mwは8,000以下であることが好ましく、4,000以上6,000以下の範囲であることがより好ましい。結晶性が高く、かつ低分子の結着樹脂を含むと高い硬度を有するトナーとなり、擦摺性に優位である。結晶性樹脂の重量平均分子量Mwが8,000を超えると、トナー重量あたりの結晶性樹脂の分子数が少なくなり、結晶性樹脂の分子間の結合由来の定着画像硬度が低下する場合があり、また、トナー溶融時の粘度が増大する場合がある。
本実施形態に係るトナーにおいて用いられる非晶性樹脂としては特に制限されないが、具体的には、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル等のアクリル系単量体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のメタクリル系単量体;さらにアクリル酸、メタクリル酸、スチレンスルフォン酸ナトリウム等のエチレン系不飽和酸単量体;さらにアクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロペニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン、ブタジエンなどのオレフィン類単量体の単独重合体、それらの単量体を2種以上組み合せた共重合体、またはそれらの混合物、さらには、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂等、非ビニル縮合系樹脂、または、それらと前記ビニル系樹脂との混合物、これらの共存下でビニル系単量体を重合して得られるグラフト重合体等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの樹脂の中でもスチレン系樹脂やアクリル系樹脂が特に好ましい。
非晶性樹脂の重量平均分子量(Mw)は10,000以上50,000以下の範囲であることが好ましく、15,000以上45,000以下の範囲であることがより好ましい。Mwが10,000未満であると、高温定着時にオフセットが発生したり、画像強度が悪化する場合があり、50,000を超えると低温定着性が悪化したり、定着画像の光沢が低下したりする場合がある。非晶性樹脂の数平均分子量(Mn)は、5,000以上40,000以下の範囲であることが好ましく、8,000以上35,000以下の範囲であることがより好ましい。Mnが5,000未満であると、定着画像の強度低下を生じる場合があり、40,000を超えると低温定着性が悪化したり、定着画像の光沢が低下したりする場合がある。
本実施形態のトナーに用いられる着色剤としては染料および顔料でもかまわないが、耐光性や耐水性の観点から顔料が好ましい。好ましい顔料としては、カーボンブラック、アニリンブラック、アニリンブルー、カルコイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマリンブルー、デュポンオイルレッド、キノリンイエロー、メチレンブルークロライド、フタロシアンブルー、マラカイトグリーンオキサート、ランプブラック、ローズベンガル、キナクリドン、ベンジジンイエロー、C.I.ピグメント・レッド48:1、C.I.ピグメント・レッド57:1、C.I.ピグメント・レッド122、C.I.ピグメント・レッド185、C.I.ピグメント・イエロー12、C.I.ピグメント・イエロー17、C.I.ピグメント・イエロー180、C.I.ピグメント・イエロー97、C.I.ピグメント・イエロー74、C.I.ピグメント・ブルー15:1、C.I.ピグメント・ブルー15:3等の公知の顔料を使用すればよい。また、着色剤として磁性粉を使用してもよい。磁性粉としては、コバルト、鉄、ニッケルなどの強磁性金属、コバルト、鉄、ニッケル、アルミニウム、鉛、マグネシウム、亜鉛、マンガンなどの金属の合金、酸化物などの公知の磁性体を使用すればよい。
これらは単独で使用可能な他、2種類以上組み合わせて使用してもよい。これら着色剤の含有量としては結着樹脂100重量部に対して、0.1重量部以上40重量部以下が好ましく、1重量部以上30重量部以下がさらに好ましい。
なお、前記着色剤の種類を適宜選択することにより、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナー等の各色トナーが得られる。
その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよく、例えば、無機粒子、帯電制御剤、離型剤等の公知の各種添加剤等が挙げられる。
本実施形態のトナーには必要に応じて無機粒子を添加してもよい。前記無機粒子としてはシリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、あるいはこれらの表面を疎水化処理したもの等公知の無機粒子を単独または二種以上を組み合わせて使用すればよいが、発色性やOHP透過性等透明性を損なわないという観点から屈折率が結着樹脂よりも小さいシリカ粒子が好ましい。またシリカ粒子は種々の表面処理を施されてもよく、例えばシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、シリコーンオイル等で表面処理したものが好ましい。
これら無機粒子を添加することによりトナーの粘弾性を調整してもよく、画像光沢度や紙への染み込みを調整してもよい。無機粒子はトナー原料100重量部に対して0.5重量%以上20重量%以下含有されることが好ましく、1重量%以上15重量%以下がさらに好ましい。
本実施形態のトナーには必要に応じて帯電制御剤を添加してもよい。帯電制御剤としてはクロム系アゾ染料、鉄系アゾ染料、アルミニウムアゾ染料、サリチル酸金属錯体などを使用すればよい。
<静電荷像現像用トナーの製造方法>
本実施形態に係るトナーの製造方法としては、混練粉砕法、懸濁重合法、溶解懸濁法、乳化重合凝集法などの既知の如何なる製造方法を用いてもよいが、結晶性樹脂と非晶性樹脂と離型剤と着色剤とを、水を含む溶媒に分散させて製造する、溶解懸濁法、乳化重合凝集法などの湿式製法で作製することが好ましい。また、結晶性樹脂と非晶性樹脂と離型剤と着色剤とを、有機溶剤を含む溶媒に分散させて製造する溶解懸濁法で作製することが好ましい。
(溶解懸濁法)
以下、溶解懸濁法によるトナーの製造方法の一例について説明する。
[混合液調製工程]
まず、結晶性樹脂および非晶性樹脂を含む結着樹脂と離型剤と着色剤とを有機溶剤中に溶解または分散させて混合液を調製する(混合液調製工程)。この混合液調製工程においては、少なくとも結着樹脂、離型剤および着色剤を含むトナー材料を有機溶剤中に溶解もしくは分散させて、トナー材料の混合液を得るものである。
そのトナー材料には、結着樹脂、離型剤および着色剤の他に、必要に応じてトナー粒子に通常添加される帯電制御剤等を適宜配合してもよい。トナー材料の混合液は、結着樹脂にあらかじめ着色剤、離型剤もしくは帯電制御剤等を混練させたものを、有機溶剤中に溶解もしくは分散させてもよいし、または結着樹脂を有機溶剤中に溶解させた後、着色剤、離型剤および帯電制御剤等をボールミル、サンドミル等のメディア入り分散機または高圧分散機等を用いて分散させてもよいし、あらかじめ有機溶剤中に着色剤、離型剤もしくは帯電制御剤等をメディア入り分散機、高圧分散機または超音波分散機等を用いて分散した後、結着樹脂を溶解させてもよい。この混合工程においては、結着樹脂が有機溶剤中に溶解して離型剤、着色剤が溶解または分散している限り、如何なる方法により混合したものでもよい。
トナー材料の溶解もしくは分散に用いる有機溶剤としては、酢酸メチル、酢酸エチル等のエステル系溶剤、メチルエチルケトン、メチルイソプロピルケトン等のケトン系溶剤、ヘキサン、シクロヘキサン等の脂肪族炭化水素系溶剤、ジクロロメタン、クロロホルム、トリクロロエチレン等のハロゲン化炭化水素系溶剤等が挙げられる。これらの有機溶剤は、結着樹脂を溶解するものであって、かつ、水に溶解する割合が0重量%以上30重量%以下程度のものであり、沸点が100℃以下であることが好ましい。なお、スチレンやアクリル酸等の重合性単量体は用いないのが好ましい。また、工業化を行うにあたり、作業上の安全性、コストおよび生産性等をも考慮すると、酢酸エチルを用いることが特に好ましい。これら有機溶剤はトナー材料の混合液の粘度が20℃において1mPa・s以上10,000mPa・s以下の範囲となるように用いられることが好ましく、1mPa・s以上2,000mPa・s以下の範囲となるように用いられることがより好ましい。最終的に得られたトナーに若干含まれる場合がある有機溶剤にも上記のものが考えられる。
[懸濁液調製工程]
次に、混合液調製工程で得られた混合液を、水系媒体中に分散懸濁させて懸濁液を調製する(懸濁液調製工程)。
水系媒体としては、水中に無機分散剤を分散させたものを用いることが好ましい。また、トナー粒子の粒度分布をほぼ均一にするためには、水中に無機分散剤を分散させるとともに、水に溶解する高分子分散剤を添加することが好ましい。この無機分散剤は、ボールミルのようなメディア入り分散機、高圧分散機または超音波分散機等を用いて水中に分散させればよい。また、高分子分散剤は、水中にほぼ均一に溶解していれば如何なる方法によって添加してもよい。また、用いる水は、通常、イオン交換水、蒸留水または純水などである。
無機分散剤としては、親水性分散剤を用いることが好ましく、具体的には、シリカ、アルミナ、チタニア、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウム、リン酸三カルシウム、粘土、珪藻土、ベントナイト等が挙げられるが、炭酸カルシウムが好ましい。また、これらの無機分散剤は、その粒子表面がカルボキシル基を有する重合体で被覆されているものがより好ましい。このような重合体で被覆されたものは親油親水バランスを最適化するため、トナー材料の混合液の懸濁液調製工程において分散粒子がほとんど合一せず、粒度分布がシャープなトナー粒子が得られる。
上記カルボキシル基を有する重合体としては、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸またはα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸のカルボキシル基がアルカリ金属、アルカリ土類金属、アンモニウム、アミン等により中和されたアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩、アミン塩等から選ばれる少なくとも1種と、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルと、の共重合物、あるいは、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸とα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルとの共重合物の上記のようなアルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩、アンモニウム塩またはアミン塩等が含まれる。これらは1種のみで用いてもよく、2種以上混合して用いてもよい。
α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸の代表的なものとしては、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸等のα,β−不飽和モノカルボン酸、マレイン酸、フマル酸、イタコン酸等のα,β−不飽和ジカルボン酸から選ばれる少なくとも1種が挙げられる。また、α,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルの代表的なものとしては、アクリル酸、メタクリル酸その他のアルキルエステル類、アルコキシ基を有するアクリレートおよびメタクリレート類、シクロヘキシル基を有するアクリレートおよびメタクリレート類、ヒドロキシ基を有するアクリレートおよびメタクリレート類、ポリアルキレングリコールモノアクリレート類およびポリアルキレングリコールモノメタクリレート類等が挙げられる。これらに代表されるα,β−モノエチレン性不飽和カルボン酸エステルより選ばれるものが好ましい。
無機分散剤としては、体積平均粒子径が1nm以上1,000nm以下の範囲のものが好ましく用いられるが、5nm以上500nm以下の範囲のものがより好ましく、10nm以上300nm以下の範囲のものがさらに好ましい。この体積平均粒子径が1nm未満では、無機分散剤を分散させることが困難となる場合があり、1,000nmを超えるとトナー粒子径との差が小さくなるため、油相成分を安定に分散維持させることが困難となる場合がある。その無機分散剤の使用量は、トナー100重量部に対して1重量以上300重量部以下の範囲が好ましく、4重量部以上100重量部以下の範囲がより好ましい。1重量部より少ないと分散性と安定性が不安定になりやすく、300重量部を超えると水相成分の粘度が高くなり、分散懸濁の安定性が低下しやすくなる。
高分子分散剤としては、親水性のものを用いることが好ましく、カルボキシル基を有するものの中でヒドロキシプロポキシル基、メトキシル基等の親油基を持たないものが好ましい。具体的には、カルボキシメチルセルロース、カルボキシエチルセルロース等の水溶性のセルロースエーテルが用いられるが、特にカルボキシメチルセルロースが好ましい。これらのセルロース類は、エーテル化度が0.6以上1.5以下の範囲であり、平均重合度が50以上3,000以下の範囲のものであることが好ましい。また、そのカルボキシル基は、ナトリウム、カリウム、マグネシウム等の金属塩であってもよい。トナー粒子の粒度分布をシャープにするために、高分子分散剤の使用量をトナー材料の混合液の粘度(トナー材料と有機溶剤の比率等により異なる。)によって変えてもよい。例えば、トナー材料の混合液の粘度が比較的低い場合には、水系媒体の粘度を高くしなくてもよく、高分子分散剤の添加量も少なくてよい。これに対して、トナー材料の混合液の粘度が高い場合には、高分子分散剤の添加量も多くして水系媒体の粘度を高くしてもよい。水系媒体の粘度は、20℃において概ね1mPa・s以上3,000mPa・s以下の範囲となるように調整されることが好ましく、1mPa・s以上1,000mPa・s以下の範囲となるように調整されることがより好ましい。
懸濁液調製工程に使用される装置としては、例えば、一般に乳化機、分散機として市販されているものが挙げられ、特に限定されるものではない。例えば、ウルトラタラックス(IKA社製)、ポリトロン(キネマティカ社製)、TKオートホモミクサ(特殊機化工業社製)、ナショナルクッキングミキサ(松下電器産業社製)等のバッチ式乳化機、エバラマイルダ(荏原製作所社製)、TKパイプラインホモミクサ、TKホモミックラインフロ(特殊機化工業社製)、コロイドミル(神鋼パンテック社製)、スラッシャ、トリゴナル湿式微粉砕機(三井三池化工機製)、キャビトロン(ユーロテック社製)、ファインフローミル(太平洋機工社製)等の連続式乳化機、クレアミックス(エムテクニック社製)、フィルミックス(特殊機化工業社製)等のバッチまたは連続両用乳化機、マイクロフルイダイザ(みづほ工業社製)、ナノメーカ、ナノマイザ(ナノマイザ社製)、APV ゴウリン(ゴウリン社製)等の高圧乳化機、膜乳化機(冷化工業社製)等の膜乳化機、バイブロミキサ(冷化工業社製)等の振動式乳化機、超音波ホモジナイザ(ブランソン社製)等の超音波乳化機等が挙げられる。
[溶剤除去工程]
次に、懸濁液調製工程で得られた懸濁液から有機溶剤を除去してトナー分散液を得る(溶剤除去工程)。この溶剤除去工程においては、懸濁液調製工程で得られた分散懸濁液中の有機溶剤を除去してトナー分散液を得るものである。この工程において得られるトナー分散液は、乾燥させることなく、トナー材料および無機分散剤等が分散した液体であればよい。また、この懸濁液の有機溶剤除去は懸濁液調製工程の直後に行ってもよいが、得られるトナー粒子の粒度分布をより均一にするには、粒度分布を安定させるため、懸濁液調製工程終了後、1分以上後に有機溶剤除去を行うことが好ましい。この溶剤除去工程では、懸濁液調製工程で得られた懸濁液を例えば0℃以上100℃以下の範囲に冷却または加熱することにより、懸濁液の液滴中に含まれる有機溶剤を除去することが好ましい。その有機溶剤除去の具体的な方法には、次のいずれかの方法を行うことが好ましい。
(1)懸濁液に気流を吹き付けて、懸濁液面上の気相を強制的に更新する。この場合には、懸濁液に気体を吹き込んでもよい。
(2)圧力を例えば10mmHg以上760mmHg未満に減圧する。この場合には、気体のパージにより懸濁液面上の気相を強制的に更新してもよいし、さらに懸濁液に気体を吹き込んでもよい。
このようにして得られたトナーに無機分散安定剤や前述した有機の分散安定剤(高分子分散剤)がトナー表面に付着したまま残留していると、残留付着物の吸湿性のために、トナーとしての帯電性の湿度依存性や粉体流動性が悪化してしまう場合がある。したがって、トナーの帯電性や粉体流動性に対する影響を極力なくすため、できる限りこうした無機および有機の分散安定剤を取り除くことが好ましい。得られたトナーは、少量の残存溶剤を乾燥により除去した後に、塩酸、硝酸、蟻酸、酢酸等の、無機分散安定剤を水溶化する酸類で洗浄するのが好ましい。これによりトナー表面に残存する無機分散安定剤が除去される。また、高分子分散剤は、水洗等により除けばよい。上記酸処理後のトナーは、必要により水酸化ナトリウム等のアルカリで中和してもよい。必要に応じてろ過、デカンテーション、遠心分離等の適当な方法により回収され、必要により水等でさらに水洗されてもよい。
[乾燥工程]
次に、溶剤除去工程で得られたトナー分散液を乾燥してトナーを得る(乾燥工程)。この乾燥工程においては、溶剤除去工程で得られたトナー分散液の水分などを除去し、静電荷像現像用トナーを得るものである。この乾燥工程においてトナーの水分を3重量%以下まで除去する時間が10分未満とすることが好ましい。このように急速に乾燥することにより、内部汚染がトナー表面に滲み出すのが防止される。また、乾燥機として気流乾燥機を用い、また30秒以内に乾燥することがより好ましい。
乾燥工程に使用される装置としては、例えば、一般に乾燥器または乾燥機として市販されているものが挙げられ、特に限定されるものではない。
気流乾燥機を用いる場合には、乾燥効率などを考慮し、気流乾燥機の出口温度T0は、通常は50℃以上150℃以下になるように設定して乾燥される。低融解温度の結晶性ポリエステル樹脂(融解温度Tm)、および非晶性ポリエステル樹脂(ガラス転移温度Tg)を使用する場合、Tg−5>T0>Tm、かつT0>30であることが好ましい。出口温度T0が30℃以下またはTm以下である場合には、内部からの溶剤成分などの乾燥速度が小さくなるために乾燥が十分に進まず、乾燥補助効果が出にくい。一方、気流乾燥機の出口温度T0が(Tg−5)℃以上である場合には、得られるトナー粒子の表面が軟質化して、トナー粒子の凝集体が発生しやすくなる。さらに高い温度で処理した場合、気流乾燥機本体内壁および気流ノズル内壁部などにトナー粒子が融着し、連続処理が困難となることがある。
気流乾燥機に供給するトナーは、泥状、塊状あるいは粉粒状など、いずれの場合であってもよい。気流乾燥機に供給するトナーの水分含有量は、20重量%以上95重量%以下の範囲が好ましい。また、乾燥工程において得られるトナーの水分含有量は、0.01重量%以上10重量%以下の範囲であることが好ましい。なお、気流乾燥機とは、泥状、塊状あるいは粉粒状などの物質を気流により分散、乾燥し、気流とともに空気輸送する装置をいう。
また、必要に応じて、残存するごく少量のトナーの有機溶剤などの成分を除去する工程、さらに篩分して静電荷像現像用トナーを作製する工程を含んでもよい。有機溶剤除去、篩分の工程では、いかなる方法であってもよく、トナーが凝集や粉砕をなるべく起こさない方法であることが好ましい。
(乳化重合凝集法)
次に、乳化重合凝集法の一例を説明する。
乳化重合凝集法は、結着樹脂を乳化し乳化粒子(液滴)を形成する乳化工程と、該乳化粒子(液滴)の凝集体を形成する凝集工程と、該凝集体を結着樹脂の融解温度以上の温度で融合させ熱合一させる合一工程とを有する。または、前記凝集工程と合一工程の代わりに、結着樹脂の融解温度以上の温度で凝集させることにより凝集と合一とを同時に行う、いわゆる会合工程としても構わない。
乳化工程において、結晶性樹脂の乳化粒子(液滴)は、水系媒体と、スルホン化等した結晶性樹脂および必要に応じて着色剤を含む混合液(ポリマ液)と、を混合した溶液に、剪断力を与えることにより形成される。
その際、結晶性樹脂の融解温度Tm以上の温度に加熱することで、ポリマ液の粘性を下げて乳化粒子を形成する。また、乳化粒子の安定化や水系媒体の増粘のため、分散剤を使用してもよい。以下、かかる乳化粒子の分散液のことを、「樹脂粒子分散液」という場合がある。分散剤としては、前述の高分子分散剤を用いればよい。
前記分散剤の使用量としては、前記コア粒子の結着樹脂100重量部に対して、0.01重量部以上20重量部以下が好ましい。
前記乳化粒子を形成する際に用いる乳化機としては、例えば、ホモジナイザー、ホモミキサー、加圧ニーダー、エクストルーダー、メディア分散機等が挙げられる。結晶性樹脂の乳化粒子(液滴)の大きさとしては、その平均粒子径(体積平均粒径)で0.005μm以上1μm以下が好ましく、0.01μm以上0.4μm以下がより好ましい。0.005μm未満では水中にほとんど溶解してしまうため、粒子作製が困難になり、また1μmを超えると所望の粒径である1.5μm以上5.0μm以下のトナー粒子を得ることが困難になる場合がある。
前記着色剤の分散方法としては、任意の方法、例えば回転せん断型ホモジナイザーや、メディアを有するボールミル、サンドミル、ダイノミルなどの一般的な分散方法を使用すればよい。
必要に応じて、界面活性剤を使用してこれら着色剤の水分散液を調製してもよい。以下、かかる着色剤の分散液のことを、「着色粒子分散液」という場合がある。分散に用いる界面活性剤や分散剤としては、結晶性ポリエステル樹脂を分散させる際に用い得る分散剤と同様のものを用いればよい。
またこの乳化粒子を形成する前に、樹脂に着色剤を混入させてもよい。樹脂に着色剤を混入させる方法としては、ディスパーザー等を用いた溶融分散等が挙げられる。
前記凝集工程においては、得られた乳化粒子を、結晶性樹脂の融解温度Tm付近の温度、または非晶性樹脂のガラス転移点Tg以下の温度に加熱して凝集し凝集体を形成する。
乳化粒子の凝集体の形成は、撹拌下、乳化液のpHを酸性にすることによって行えばよい。前記pHとしては、2以上6以下が好ましく、2.5以上5以下がより好ましい。この際、凝集剤を使用するのも有効である。
前記凝集工程に用いられる凝集剤は、前記分散剤に用いる界面活性剤と逆極性の界面活性剤、無機金属塩の他、2価以上の金属錯体が好適に用いられる。特に、金属錯体を用いた場合には界面活性剤の使用量が低減し、帯電特性が向上するため特に好ましい。
前記無機金属塩としては、例えば、塩化カルシウム、硝酸カルシウム、塩化バリウム、塩化マグネシウム、塩化亜鉛、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウムなどの金属塩、および、ポリ塩化アルミニウム、ポリ水酸化アルミニウム、多硫化カルシウム等の無機金属塩重合体などが挙げられる。その中でも特に、アルミニウム塩およびその重合体が好適である。よりシャープな粒度分布を得るためには、無機金属塩の価数が1価より2価、2価より3価、3価より4価の方が、また、同じ価数であっても重合タイプの無機金属塩重合体の方がより適している。
また、前記凝集粒子が所望の粒径になったところで、非晶性樹脂粒子を追添加することで、コア凝集粒子の表面を非晶性樹脂で被覆した構成のトナーとしてもよい。結晶性樹脂がトナー表面に露出しにくくなるため、帯電性や現像性の観点で望ましい構成である。追添加する場合、追添加前に凝集剤を添加したり、pH調整を行ってもよい。
融合・合一工程においては、前記凝集工程に準じた撹拌条件下で、凝集粒子の懸濁液のpHを3以上9以下の範囲に上昇させることにより凝集の進行を止め、前記結晶性樹脂の融解温度Tm以上の温度で加熱を行うことにより凝集粒子を融合させる。また、前記非晶性樹脂で被覆した場合には、該非晶性樹脂も融合しコア粒子を被覆する。前記加熱の時間としては、融合がされる程度行えばよく、0.5時間以上3時間以下程度行えばよい。それ以上時間をかけると凝集粒子に含まれる離型剤がトナー表面ヘ露出し易くなってしまう。したがって、定着性には効果的であるが、トナーの保存安定性に対して悪影響を及ぼすため、長時間加熱するのは好ましくない。
その後、結晶性樹脂の結晶化温度以下まで降温して、粒子を固化する際、降温速度によって粒子形状および表面性が変化する。例えば、速い速度で降温した場合には球形化および表面が平滑化しやすく、逆にゆっくり降温した場合は、粒子形状が不定形化し、粒子表面に凹凸が生じやすい。そのため、少なくとも1℃/分以上の速度で、好ましくは3℃/分以上の速度で結晶性樹脂の結晶化温度以下まで降温するのが好ましい。1℃/分以上の速度で降温して結着樹脂を結晶化することで粒子形状を所望のBET比表面積2以上5以下および形状係数SF1を110以上140以下の範囲にしたトナー母粒子が得られる。
融合して得た粒子は、ろ過などの固液分離工程や、必要に応じて洗浄工程、乾燥工程を経てトナー母粒子とすればよい。この場合、トナーとして十分な帯電特性、信頼性を確保するために、洗浄工程において、十分に洗浄することが好ましい。
乾燥工程では、通常の振動型流動乾燥法、スプレードライ法、凍結乾燥法、フラッシュジェット法など、任意の方法を採用すればよい。トナー母粒子は、乾燥後の含水分率を1.5重量%以下、好ましくは1.0重量%以下に調整することが好ましい。
前記合一工程、または会合工程においては、結晶性樹脂が融解温度Tm以上に加熱されている時に、あるいは合一が終了した後に、架橋反応を行わせてもよい。架橋反応を行わせる場合には、例えば、結着樹脂として2重結合成分を共重合させた不飽和スルホン化結晶性ポリエステル樹脂を用い、この樹脂に例えば、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート等の重合開始剤を用いてラジカル反応を起こさせ架橋構造を導入する。
重合開始剤は、乳化工程前にあらかじめポリマに混合しておいてもよいし、凝集工程で凝集塊に取り込ませてもよい。さらには、合一や会合工程、あるいは合一や会合工程の後に導入してもよい。この場合には、有機溶剤に重合開始剤を溶解した液を、粒子分散液(樹脂粒子分散液等)に加えてもよい。これらの重合開始剤には、重合度を制御する目的で、公知の架橋剤、連鎖移動剤、重合禁止剤等を添加してもよい。
以上説明したトナーの製造方法により、トナー粒子形状および表面の平滑性などが制御される。トナーの粒子形状としては、球形に近いほうが好ましい。球形にすることで非静電的付着力が減少するため転写性が向上し、さらにトナー表面の帯電量が均一になり帯電の維持性も向上する。
本実施形態のトナーにはトナー粒子表面に流動化剤や助剤等の外添剤を添加処理してもよい。外添剤としては、表面を疎水化処理したシリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、カーボンブラック等の無機粒子やポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、シリコーン樹脂等のポリマ粒子等、公知の粒子を使用すればよい。該外添剤の粒径は30nm以上200nm以下、さらに好ましくは30nm以上180nm以下の体積平均1次粒子径を有することが好ましい。トナーが小粒径化することによって、感光体との非静電的付着力が増大するため、転写不良等が引き起こされ、重ね合わせ画像等の転写ムラを生じさせる原因となるため、体積平均1次粒子径が30nm以上200nm以下の大径の外添剤を添加し、転写性を改善させることが好ましい。体積平均1次粒子径が30nmより小さいと、初期的なトナーの流動性は良好であるが、トナーと感光体との非静電的付着力が十分に低減されず、転写効率が低下して画像のぬけや、画像の均一性を悪化させてしまい、また経時による現像機内でのストレスによって粒子がトナー表面に埋め込まれ、帯電性が変化しコピー濃度の低下や背景部へのカブリ等の問題を引き起こす場合がある。また、体積平均1次粒子径が200nmより大きいと、トナー表面から脱離しやすく、また流動性の悪化にもつながる場合がある。
<静電荷像現像用トナーの物性>
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの体積平均粒径としては、4μm以上8μm以下の範囲が好ましく、5μm以上7μm以下の範囲がより好ましく、また、個数平均粒径としては、3μm以上7μm以下の範囲が好ましく、4μm以上6μm以下の範囲がより好ましい。
前記体積平均粒径および個数平均粒径の測定は、コールターマルチサイザII型(ベックマン−コールター社製)を用いて、100μmのアパーチャ径で測定することにより行われる。この時、測定はトナーを電解質水溶液(アイソトン水溶液)に分散させ、超音波により30秒分散させた後に行う。
また、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの体積平均粒度分布指標GSDvは、1.27以下であり、好ましくは1.25以下である。GSDvが1.27を超えると粒度分布が狭くならず、解像性が低下し、トナー飛散やかぶり等の画像欠陥の原因となる場合がある。
なお、体積平均粒径D50vおよび体積平均粒度分布指標GSDvは、以下のようにして求める。前述のコールターマルチサイザII型(ベックマン−コールター社製)で測定されるトナーの粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積16%となる粒径を体積D16v、数D16p、累積50%となる粒径を体積D50v、数D50p、累積84%となる粒径を体積D84v、数D84pと定義する。この際、D50vは体積平均粒径を表し、体積平均粒度分布指標(GSDv)は(D84v/D16v)1/2として求められる。なお、(D84p/D16p)1/2は数平均粒度分布指標(GSDp)を表す。
また、本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの、下記式で表される形状係数SF1は好ましくは110以上140以下の範囲、より好ましくは115以上130以下の範囲である。
SF1=(ML2/A)×(π/4)×100
〔ただし、上記式において、MLはトナーの最大長(μm)を表し、Aはトナーの投影面積(μm2)を表す。〕
トナーの形状係数SF1が110より小さい、または140を超えると、長期にわたって、優れた帯電性、クリーニング性、転写性が得られないことがある。
なお、形状係数SF1はルーゼックス画像解析装置(株式会社ニレコ製、FT)を用いて次のように測定する。まず、スライドグラス上に散布したトナーの光学顕微鏡像をビデオカメラを通じてルーゼックス画像解析装置に取り込み、50個のトナーについて最大長(ML)と投影面積(A)を測定し、個々のトナーについて、(ML2/A)×(π/4)×100を算出し、これを平均した値を形状係数SF1として求める。
<静電荷像現像用現像剤>
本実施形態において、静電荷像現像用現像剤は、前記本実施形態の静電荷像現像用トナーを含有する以外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとればよい。本実施形態における静電荷像現像用現像剤は、静電荷像現像用トナーを、単独で用いると一成分系の静電荷像現像用現像剤となり、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像用現像剤となる。
例えばキャリアを用いる場合のそのキャリアとしては、特に制限はなく、それ自体公知のキャリアが挙げられ、例えば、特開昭62−39879号公報、特開昭56−11461号公報等に記載された樹脂被覆キャリア等の公知のキャリアが挙げられる。
キャリアの具体例としては、以下の樹脂被覆キャリアが挙げられる。該キャリアの核体粒子としては、通常の鉄粉、フェライト、マグネタイト造型物などが挙げられ、その体積平均粒径は、30μm以上200μm以下程度の範囲である。
また、上記樹脂被覆キャリアの被覆樹脂としては、例えば、スチレン、パラクロロスチレン、α−メチルスチレン等のスチレン類;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−プロピル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸n−プロピル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸2−エチルヘキシル等のα−メチレン脂肪酸モノカルボン酸類;ジメチルアミノエチルメタクリレート等の含窒素アクリル類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のビニルニトリル類;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン等のビニルピリジン類;ビニルメチルエーテル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルイソプロぺニルケトン等のビニルケトン類;エチレン、プロピレン等のオレフィン類;弗化ビニリデン、テトラフルオロエチレン、ヘキサフルオロエチレン等のビニル系フッ素含有モノマ;などの単独重合体、または2種類以上のモノマからなる共重合体、さらに、メチルシリコーン、メチルフェニルシリコーン等を含むシリコーン樹脂類、ビスフェノール、グリコール等を含有するポリエステル類、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、ポリアミド樹脂、セルロース樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリカーボネート樹脂等が挙げられる。これらの樹脂は、1種単独で用いてもよいし、あるいは2種以上併用してもよい。被覆樹脂の被覆量としては、前記核体粒子100重量部に対して0.1重量部以上10重量部以下程度の範囲が好ましく、0.5重量部以上3.0重量部以下の範囲がより好ましい。
キャリアの製造には、加熱型ニーダ、加熱型ヘンシェルミキサ、UMミキサなどを使用すればよく、前記被覆樹脂の量によっては、加熱型流動転動床、加熱型キルンなどを使用してもよい。
静電荷像現像用現像剤における前記本実施形態の静電荷像現像用トナーとキャリアとの混合比としては特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよい。
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、現像されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段と、を含み、現像剤として、前記静電荷像現像用現像剤が用いられる。また、本実施形態に係る画像形成装置は、上記した手段以外の手段、例えば、像保持体を帯電する帯電手段、被転写体表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段、像保持体表面に残存したトナーを除去するクリーニング手段等を含むものであってもよい。
本実施形態に係る画像形成装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。画像形成装置1は、帯電部10と、露光部12と、像保持体である電子写真感光体14と、現像部16と、転写部18と、クリーニング部20と、定着部22とを備える。
画像形成装置1において、電子写真感光体14の周囲には、電子写真感光体14の表面を帯電する帯電手段である帯電部10と、帯電された電子写真感光体14を露光し画像情報に応じて静電潜像を形成する潜像形成手段である露光部12と、静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成する現像手段である現像部16と、電子写真感光体14の表面に形成されたトナー画像を被転写体24の表面に転写する転写手段である転写部18と、転写後の電子写真感光体14表面上に残存したトナーを除去するクリーニング手段であるクリーニング部20とがこの順で配置されている。また、被転写体24に転写されたトナー画像を定着する定着手段である定着部22が転写部18の左側に配置されている。
本実施形態に係る画像形成装置1の動作について説明する。まず、帯電部10により電子写真感光体14の表面が均一に帯電される(帯電工程)。次に、露光部12により電子写真感光体14の表面に光が当てられ、光の当てられた部分の帯電電荷が除去され、画像情報に応じて静電荷像(静電潜像)が形成される(潜像形成工程)。その後、静電荷像が現像部16により現像され、電子写真感光体14の表面にトナー画像が形成される(現像工程)。例えば、電子写真感光体14として有機感光体を用い、露光部12としてレーザビーム光を用いたデジタル式電子写真複写機の場合、電子写真感光体14の表面は、帯電部10により負電荷を付与され、レーザビーム光によりドット状にデジタル潜像が形成され、レーザビーム光の当たった部分に現像部16でトナーを付与され可視像化される。この場合、現像部16にはマイナスのバイアスが印加されている。次に転写部18で、用紙等の被転写体24がこのトナー画像に重ねられ、被転写体24の裏側からトナーとは逆極性の電荷が被転写体24に与えられ、静電気力によりトナー画像が被転写体24に転写される(転写工程)。転写されたトナー画像は、定着部22において定着部材により熱および圧力が加えられ、被転写体24に融着されて定着される(定着工程)。一方、転写されずに電子写真感光体14の表面に残存したトナーはクリーニング部20で除去される(クリーニング工程)。この帯電からクリーニングに至る一連のプロセスで一回のサイクルが終了する。なお、図1において、転写部18で用紙等の被転写体24に直接トナー画像が転写されているが、中間転写体等の転写体を介して転写されてもよい。
以下、図1の画像形成装置1における帯電手段、像保持体、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、定着手段について説明する。
(帯電手段)
帯電手段である帯電部10としては、例えば、図1に示すようなコロトロンなどの帯電器が用いられるが、導電性または半導電性の帯電ロールを用いてもよい。導電性または半導電性の帯電ロールを用いた接触型帯電器は、電子写真感光体14に対し、直流電流を印加するか、交流電流を重畳させて印加してもよい。例えばこのような帯電部10により、電子写真感光体14との接触部近傍の微小空間で放電を発生させることにより電子写真感光体14表面を帯電させる。なお、通常は、−300V以上−1000V以下に帯電される。また前記の導電性または半導電性の帯電ロールは単層構造あるいは多重構造でもよい。また、帯電ロールの表面をクリーニングする機構を設けてもよい。
(像保持体)
像保持体は、少なくとも潜像(静電荷像)が形成される機能を有する。像保持体としては、電子写真感光体が好適に挙げられる。電子写真感光体14は、円筒状の導電性の基体外周面に有機感光体等を含む塗膜を有する。塗膜は、基体上に、必要に応じて下引き層、および、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを含む感光層がこの順序で形成されたものである。電荷発生層と電荷輸送層の積層順序は逆であってもよい。これらは、電荷発生物質と電荷輸送物質とを別個の層(電荷発生層、電荷輸送層)に含有させて積層した積層型感光体であるが、電荷発生物質と電荷輸送物質との双方を同一の層に含む単層型感光体であってもよく、好ましくは積層型感光体である。また、下引き層と感光層との間に中間層を有していてもよい。また、有機感光体に限らずアモルファスシリコン感光膜等他の種類の感光層を使用してもよい。
(露光手段)
露光手段である露光部12としては、特に制限はなく、例えば、像保持体表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光源を、所望の像様に露光する光学系機器等が挙げられる。
(現像手段)
現像手段である現像部16は、像保持体上に形成された潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー画像を形成する機能を有する。そのような現像装置としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択すればよいが、例えば、静電荷像現像用トナーをブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体14に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。電子写真感光体14には、通常直流電圧が使用されるが、さらに交流電圧を重畳させて使用してもよい。
(転写手段)
転写手段である転写部18としては、例えば、図1に示すような被転写体24の裏側からトナーとは逆極性の電荷を被転写体24に与え、静電気力によりトナー画像を被転写体24に転写するもの、あるいは被転写体24の表面に被転写体24を介して直接接触して転写する導電性または半導電性のロール等を用いた転写ロールおよび転写ロール押圧装置を用いればよい。転写ロールには、像保持体に付与する転写電流として、直流電流を印加してもよいし、交流電流を重畳させて印加してもよい。転写ロールは、帯電すべき画像領域幅、転写帯電器の形状、開口幅、プロセススピード(周速)等により、任意に設定すればよい。また、低コスト化のため、転写ロールとして単層の発泡ロール等が好適に用いられる。転写方式としては、紙等の被転写体24に直接転写する方式でも、中間転写体を介して被転写体24に転写する方式でもよい。
中間転写体としては、公知の中間転写体を用いればよい。中間転写体に用いられる材料としては、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンフタレート、PC/ポリアルキレンテレフタレート(PAT)のブレンド材料、エチレンテトラフロロエチレン共重合体(ETFE)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料等が挙げられるが、機械的強度の観点から熱硬化ポリイミド樹脂を用いた中間転写ベルトが好ましい。
(クリーニング手段)
クリーニング手段であるクリーニング部20については、像保持体上の残留トナーを清掃するものであれば、ブレードクリーニング方式、ブラシクリーニング方式、ロールクリーニング方式を採用したもの等、適宜選定して差し支えない。これらの中でもクリーニングブレードを用いることが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。中でも、耐摩耗性に優れていることから、特にポリウレタン弾性体を用いることが好ましい。ただし、転写効率の高いトナーを使用する場合にはクリーニング部20を使用しない態様であってもよい。
(定着手段)
定着手段(画像定着装置)である定着部22としては、被転写体24に転写されたトナー像を加熱、加圧あるいは加熱加圧により定着するものであり、定着部材を具備する。
(被転写体)
トナー画像を転写する被転写体(用紙)24としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、被転写体の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を使用してもよい。
上記本実施形態に係るトナーを含む現像剤を用いることにより、高速(例えば、プロセス速度210mm/sec以上600mm/sec以下)の画像形成装置において用いた場合でも高い耐摩擦性および折り曲げ特性を有する画像が形成される。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<結晶性ポリエステル樹脂分散液Aの調製>
ペンタンジオール52mol%、コハク酸48mol%、触媒としてジブチルスズオキシド0.08mol%の割合でフラスコ内にて混合し、減圧雰囲気下、220℃まで加熱し、6時間脱水縮合反応を行うことで、結晶性ポリエステル樹脂Aを得た。ついでこの結晶性ポリエステル樹脂A 80重量部および脱イオン水720重量部をステンレスビーカに入れ、温浴につけ、50℃に加熱した。結晶性ポリエステル樹脂Aが溶融した時点で、ホモジナイザ(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて、7,000rpmで撹拌した。ついでpHを7.0に調整した後、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20重量%)1.8重量部およびロジン変性マレイン酸20重量部(酸価7.7mgKOH/g)を滴下しながら、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社)で分散処理し、乳化分散を行った。マイクロトラック(日機装(株)製、マイクロトラックUPA9340)を用いて粒径測定を行い、体積平均粒径161nmの結晶性ポリエステル樹脂分散液A(固形分20重量%)を得た。乳化分散前の結晶性ポリエステル樹脂の融解温度Tmは36℃であった。
結晶性ポリエステル樹脂の融解温度は、ASTMD3418−8に準拠して、示差走査熱量計(島津製作所社製:DSC60、自動接線処理システム付き)を用い、室温から150℃まで昇温速度10℃/分の条件下で測定し、極大ピークより求めた。
ゲルパーミエーションクロマトグラフィ(GPC)による分子量測定(ポリスチレン換算)で求めた乳化分散前の結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は5,800であった。またフェノールフタレインによる呈色反応より求めた結晶性ポリエステル樹脂Aの酸価AVcは9.2mgKOH/gであった。
<結晶性ポリエステル樹脂分散液Bの調製>
コハク酸の量を50mol%とし、脱水縮合反応を5時間とした以外は結晶性ポリエステル樹脂分散液Aの調製と同様に行い、結晶性ポリエステル樹脂分散液B(固形分20重量%)を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂Bの重量平均分子量(Mw)は13,200であり、体積平均粒径は158nm、融解温度Tmは26.1℃、酸価AVcは5.0mgKOH/gであった。
<結晶性ポリエステル樹脂分散液Cの調製>
コハク酸の量を43mol%とし、脱水縮合反応を15時間とした以外は結晶性ポリエステル樹脂分散液Aの調製と同様に行い、結晶性ポリエステル樹脂分散液C(固形分20重量%)を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂Cの重量平均分子量(Mw)は26,300であり、体積平均粒径は171nm、融解温度Tmは68.5℃、酸価AVcは6.2mgKOH/gであった。
<結晶性ポリエステル樹脂分散液Dの調製>
コハク酸の量を50mol%とし、脱水縮合反応を4.5時間とした以外は結晶性ポリエステル樹脂分散液Aの調製と同様に行い、結晶性ポリエステル樹脂分散液D(固形分20重量%)を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂Dの重量平均分子量(Mw)は12,800であり、体積平均粒径は145nm、融解温度Tmは23.7℃、酸価AVcは5.9mgKOH/gであった。
<結晶性ポリエステル樹脂分散液Eの調製>
コハク酸の量を41mol%とし、脱水縮合反応を17時間とした以外は結晶性ポリエステル樹脂分散液Aの調製と同様に行い、結晶性ポリエステル樹脂分散液E(固形分20重量%)を得た。得られた結晶性ポリエステル樹脂Eの重量平均分子量(Mw)は28,100であり、体積平均粒径は182nm、融解温度Tmは72.4℃、酸価AVcは5.5mgKOH/gであった。
<非晶性ポリエステル樹脂分散液Aの調製>
撹拌機、温度計、コンデンサ、窒素ガス導入管を備えた反応容器中に、テレフタル酸ジメチル23mol%、イソフタル酸30mol%、ドデセニルコハク酸無水物15mol%、トリメリット酸無水物9mol%、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物5mol%、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物45mol%の割合で投入し、反応容器中を乾燥窒素ガスで置換した後、触媒としてジブチルスズオキシド0.06mol%の割合で加え、窒素ガス気流下、約190℃で約9時間撹拌反応させ、さらに温度を約270℃に上げて約5.0時間撹拌反応させた後、反応容器内を10.0mmHgまで減圧し、減圧下で約0.5時間撹拌反応させて、非晶性ポリエステル樹脂Cを得た。得られた非晶性ポリエステル樹脂Cのガラス転移温度(Tg)は71℃であった。また重量平均分子量(Mw)は41,300、樹脂の酸価AVaは26.8mgKOH/gであった。
得られた非晶性ポリエステル樹脂A 160重量部、イオン交換水 640重量部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株)、ネオゲンRK、20重量%)8.0重量部を予備分散し、アンモニアによりpHを7.5に調整した。ついでキャビトロンCD1010(株式会社ユーロテック製)を高温高圧型に改造した分散機を用い、回転子の回転速度が60Hz、圧力が5kg/cm2、熱交換器による加熱140℃の条件で分散を行い、体積平均粒径182nmの非晶性ポリエステル樹脂分散液A(固形分20重量%)を得た。
<非晶性ポリエステル樹脂分散液Bの調製>
ドデセニルコハク酸無水物を10.5mol%とし、窒素ガス気流下の270℃反応時間を4.5時間とした以外は非晶性ポリエステル樹脂分散液Aの調製と同様に行い、非晶性ポリエステル樹脂分散液Bを得た。非晶性ポリエステル樹脂Bの重量平均分子量(Mw)は37,700、体積平均粒径は160nm、ガラス転移温度Tgは58.9℃、酸価AVaは20.3mgKOH/gであった。
<非晶性ポリエステル樹脂分散液Cの調製>
ドデセニルコハク酸無水物を13mol%とし、窒素ガス気流下の270℃反応時間を7.0時間とした以外は非晶性ポリエステル樹脂分散液Aの調製と同様に行い、非晶性ポリエステル樹脂分散液Cを得た。非晶性ポリエステル樹脂Cの重量平均分子量(Mw)は43,200、体積平均粒径は165nm、ガラス転移温度Tgは88.6℃、酸価AVaは22.3mgKOH/gであった。
<非晶性ポリエステル樹脂分散液Dの調製>
ドデセニルコハク酸無水物を16mol%とし、窒素ガス気流下の270℃反応時間を4.0時間とした以外は非晶性ポリエステル樹脂分散液Aの調製と同様に行い、非晶性ポリエステル樹脂分散液Dを得た。非晶性ポリエステル樹脂Dの重量平均分子量(Mw)は32,800、体積平均粒径は167nm、ガラス転移温度Tgは57.1℃、酸価AVaは23.4mgKOH/gであった。
<非晶性ポリエステル樹脂分散液Eの調製>
ドデセニルコハク酸無水物を12mol%とし、窒素ガス気流下の270℃反応時間を7.5時間とした以外は非晶性ポリエステル樹脂分散液Aの調製と同様に行い、非晶性ポリエステル樹脂分散液Eを得た。非晶性ポリエステル樹脂Eの重量平均分子量(Mw)は44,400、体積平均粒径は160nm、ガラス転移温度Tgは92.5℃、酸価AVaは21.8mgKOH/gであった。
<着色剤粒子分散液の調製>
フタロシアニン顔料(大日精化社製、PVFASTBLUE) 90重量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンSC) 10重量部
イオン交換水 260重量部
以上を撹拌槽で混合し、これを分散圧力196MPaに設定したアルティマイザHJP−25008(株式会社スギノマシン製)を用いて分散処理し、着色剤粒子分散液(着色剤濃度20重量%)を調製した。着色剤分散液における着色剤の数平均粒径は125nmであった。
<離型剤分散液Aの調製>
カルナウバワックス(炭素数分布14以上34以下、炭素数分布22以上33以下のアルコール成分を61重量%含有、直鎖炭化水素成分(N±2)を36重量%含有、融解温度82℃) 50重量部
アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製、ネオゲンSC) 7.5重量部
イオン交換水 200重量部
以上を110℃に加熱して、ホモジナイザ(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて分散した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザ(ゴーリン社)で分散処理し、体積平均粒径が220nm、酸価AVwが4.4mgKOH/gの離型剤分散液A(離型剤固形分濃度20重量%)を調製した。
<離型剤分散液Bの調製>
離型剤として、カルナウバワックス(炭素数分布14以上34以下、炭素数分布22以上33以下のアルコール成分を46重量%含有、直鎖炭化水素成分(N±2)を40重量%含有、融解温度88℃)を用いた以外は、離型剤分散液Aと同様にして、体積平均粒径が228nm、酸価AVwが3.8mgKOH/gの離型剤分散液B(離型剤固形分濃度20重量%)を調製した。
<離型剤分散液Cの調製>
離型剤として、カルナウバワックス(炭素数分布14以上34以下、炭素数分布22以上33以下のアルコール成分を60重量%含有、直鎖炭化水素成分(N±2)を23重量%含有、融解温度65℃)を用いた以外は、離型剤分散液Aと同様にして、体積平均粒径が241nm、酸価AVwが5.2mgKOH/gの離型剤分散液C(離型剤固形分濃度20重量%)を調製した。
<離型剤分散液Dの調製>
離型剤として、ライスワックス(炭素数分布20以上34以下、炭素数分布22以上33以下のアルコール成分を43重量%含有、直鎖炭化水素成分(N±2)を47重量%含有、融解温度109℃)を用いた以外は、離型剤分散液Aと同様にして、体積平均粒径が220nm、酸価AVwが4.6mgKOH/gの離型剤分散液D(離型剤固形分濃度20重量%)を調製した。
<離型剤分散液Eの調製>
離型剤として、カルナウバワックス(炭素数分布14以上34以下、炭素数分布22以上33以下のアルコール成分を53重量%含有、直鎖炭化水素成分(N±2)を57重量%含有、融解温度92℃)を用いた以外は、離型剤分散液Aと同様にして、体積平均粒径が218nm、酸価AVwが3.8mgKOH/gの離型剤分散液E(離型剤固形分濃度20重量%)を調製した。
<離型剤分散液Fの調製>
離型剤として、カルナウバワックス(炭素数分布14以上34以下、炭素数分布22以上33以下のアルコール成分を44重量%含有、直鎖炭化水素成分(N±2)を23重量%含有、融解温度68℃)を用いた以外は、離型剤分散液Aと同様にして、体積平均粒径が237nm、酸価AVwが9.2mgKOH/gの離型剤分散液F(離型剤固形分濃度20重量%)を調製した。
<離型剤分散液Gの調製>
離型剤として、FTワックス(炭素数分布34以上80以下、炭素数分布22以上33以下のアルコール成分を含有しない、直鎖炭化水素成分(N±2)を31重量%含有、融解温度90℃)を用いた以外は、離型剤分散液Aと同様にして、体積平均粒径が240nm、酸価AVwが1.2mgKOH/gの離型剤分散液G(離型剤固形分濃度20重量%)を調製した。
(実施例1)
<トナー1の作製>
[混合液調製工程]
結晶性ポリエステル樹脂分散液A 10重量部
非晶性ポリエステル樹脂分散液A 30重量部
着色剤粒子分散液 5重量部
離型剤分散液A 5重量部
酢酸エチル 60重量部
上記成分をTKオートホモミクサ(特殊機化工業社製)を用いて周速20m/sで撹拌混合し、重合性単量体組成物混合液を作製した。
[懸濁液調製工程]
炭酸カルシウム 20重量部
イオン交換水 160重量部
上記の成分を混合分散させて水相を得た。
この水相180重量部をオートホモミクサにより周速度20m/sで撹拌している中に、重合性単量体組成物混合液110重量部を投入し、3分間撹拌した後、停止して、懸濁液を得た。
[溶剤除去工程・洗浄工程・乾燥工程]
上記懸濁液を窒素雰囲気下で、50℃に加熱し、飽和蒸気圧の98%に減圧して、24時間撹拌してトナー組成物を得た。これに塩酸を加えてpH値を1にして1時間撹拌して炭酸カルシウムを溶解した後、水洗、脱水を繰り返し、乾燥して、トナー母粒子を得た。
[トナーの作製]
トナー100重量部に対して疎水性シリカPM20(トクヤマ社製)3.0重量部をヘンシェルミキサにて外添してトナー1を得た。
<現像剤1の作製>
ポリメチルメタクリレート(綜研化学社製)を1重量%被覆した体積平均粒径D50vが45μmのフェライトキャリアに対し、トナー濃度が5重量%となるようにガラス瓶に秤量し、ボールミル台上で5分間混合し現像剤1を得た。
<トナー中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量の測定方法>
トナー中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、示差走査熱量計(島津製作所社製:DSC60、自動接線処理システム付き)を用い、ASTM法にて融解温度領域の吸熱量から同重量の結晶性樹脂の吸熱量を100として求めた。
<トナー中の離型剤の含有量の測定方法>
トナー中の離型剤の含有量は、示差走査熱量計(島津製作所社製:DSC60、自動接線処理システム付き)を用い、ASTM法にて融解温度領域の吸熱量から同重量の離型剤の吸熱量を100として求めた。
<トナー中の結晶性ポリエステル樹脂の融解温度Tm、非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移点Tg、離型剤の融解温度Tmwの測定方法>
トナー中の結晶性ポリエステル樹脂の融解温度Tm、非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移点Tg、離型剤の融解温度Tmwは、示差走査熱量計(島津製作所社製:DSC60、自動接線処理システム付き)を用い、ASTM法にて吸熱ピークを測定することより求めた。
<トナー中の結晶性ポリエステル樹脂の酸価AVc、非晶性ポリエステル樹脂の酸価AVa、離型剤の酸価AVwの測定方法>
はじめに、トナー粒子の酸価を測定した。トナー粒子0.1gを精秤し、テトラヒドロフラン80mLに溶解させた。指示薬としてフェノールフタレインを加え、0.1N KOHエタノール溶液を用いて滴定し、30秒間色が持続したところを終点として、使用した0.1N KOHエタノール溶液量より、酸価を算出した。トナー中の結晶性樹脂の酸価AVcは、OHPに定着後、70℃で結晶性樹脂を溶融分離し、トナーと同様に酸価AVcを算出した。非晶性樹脂の酸価AVaは、上記トナー全体の酸価と結晶性樹脂の含有量および酸価、離型剤含有量および酸価から算出した。離型剤の酸価AVwは、結晶性樹脂と同様に、OHPに定着後、120℃で結晶性樹脂と離型剤成分を溶融分離し、得られたものから、さらに70℃で結晶性樹脂を溶融分離後、トナーと同様にしてAVwを測定した。
<トナー中の離型剤の炭素数分布、炭素数分布22以上33以下のアルコール成分の含有量、直鎖炭化水素成分(N±2)の含有量の測定方法>
トナー中の離型剤の炭素数分布、炭素数分布22以上33以下のアルコール成分の含有量、直鎖炭化水素成分(N±2)の含有量は、酸価の測定と同様に、120℃で結晶性樹脂および離型剤混合物を溶融分離し、70℃にて結晶性樹脂成分を分離後、ガスクロマトグラフィにより測定した。
<画像形成・評価>
得られた現像剤を用い、富士ゼロックス社製DocuCenterColor400改造機(定着機構成はヒートロールとベルト、ニップ幅:16mm、定着温度180℃)で、富士ゼロックス社製J紙のA4全スキュー(斜め線)で50枚現像した。
得られた画像50枚を富士ゼロックス社製700 Digital Color Press改造機の自動原稿読み取り装置(ロール圧30g/cm)のプロセススピードが220mm/秒となるように調整して、連続50枚通紙を行った。これを10回繰り返し、10回通紙した画像および用紙の背面汚れの有無を評価した。
[画質確認]
50枚のうち2枚目、25枚目、49枚目を40倍ルーペで観察し、像欠けの有無を確認した。以下の基準で評価した。結果を表1,2に示す。
○:像欠けなし
△:部分的に濃度が低い部分見られるが、像の欠けは無し
×:像欠け発生
[背面汚れ]
50枚のうち5枚目、10枚目、15枚目、20枚目、25枚目、30枚目、35枚目、40枚目、45枚目を目視および40倍ルーペで観察し、背面汚れの有無を確認した。以下の基準で評価した。結果を表1,2に示す。
○:汚れなし
△:目視では確認できないが、ルーペで確認できる
×:目視で確認できる
(実施例2)
離型剤分散液として、離型剤分散液Aの代わりに離型剤分散液Bを用いた以外は実施例1と同様にして、トナーおよび現像剤を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例3)
離型剤分散液として、離型剤分散液Aの代わりに離型剤分散液Cを用いた以外は実施例1と同様にして、トナーおよび現像剤を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例4)
樹脂分散液として、結晶性ポリエステル樹脂分散液Aの代わりに結晶性ポリエステル樹脂分散液Bを用いた以外は実施例1と同様にして、トナーおよび現像剤を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例5)
樹脂分散液として、結晶性ポリエステル樹脂分散液Aの代わりに結晶性ポリエステル樹脂分散液Cを用いた以外は実施例1と同様にして、トナーおよび現像剤を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例6)
樹脂分散液として、非晶性ポリエステル樹脂分散液Aの代わりに非晶性ポリエステル樹脂分散液Bを用いた以外は実施例1と同様にして、トナーおよび現像剤を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例7)
樹脂分散液として、非晶性ポリエステル樹脂分散液Aの代わりに非晶性ポリエステル樹脂分散液Cを用いた以外は実施例1と同様にして、トナーおよび現像剤を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例8)
結晶性ポリエステル樹脂分散液Aを7.5重量部とした以外は実施例1と同様にして、トナーおよび現像剤を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例9)
結晶性ポリエステル樹脂分散液Aを37.5重量部とし、非晶性ポリエステル樹脂分散液Aを2.5重量部とした以外は実施例1と同様にして、トナーおよび現像剤を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例10)
離型剤分散液Aを1.5重量部とし、非晶性ポリエステル樹脂分散液Aを33.5重量部とした以外は実施例1と同様にして、トナーおよび現像剤を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例11)
離型剤分散液Aを12.5重量部とし、非晶性ポリエステル樹脂分散液Aを22.5重量部とした以外は実施例1と同様にして、トナーおよび現像剤を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例12)
離型剤分散液として、離型剤分散液Aの代わりに離型剤分散液Dを用いた以外は実施例1と同様にして、トナーおよび現像剤を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表1に示す。
(実施例13)
離型剤分散液として、離型剤分散液Aの代わりに離型剤分散液Eを用いた以外は実施例1と同様にして、トナーおよび現像剤を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例14)
離型剤分散液として、離型剤分散液Aの代わりに離型剤分散液Fを用いた以外は実施例1と同様にして、トナーおよび現像剤を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例15)
結晶性ポリエステル樹脂分散液Aの代わりに結晶性ポリエステル樹脂分散液Cを、離型剤分散液Aの代わりに離型剤分散液Fを用いた以外は実施例1と同様にして、トナーおよび現像剤を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
(実施例16)
結晶性ポリエステル樹脂分散液A 10重量部
非晶性ポリエステル樹脂分散液A 25重量部
着色剤粒子分散液 5重量部
離型剤分散液A 5重量部
2Lの円筒ステンレス容器中に、10℃に温度調節された上記に示す割合で原料を入れ、液温を10℃に保ちつつホモジナイザ(IKA社製、ウルトラタラックスT50)により4,000rpmでせん断力を加えながら10分間分散して混合した。次いで、これに凝集剤(浅田化学社製、ポリ塩化アルミニウム)の10%硝酸水溶液を原料固形分に対して1.8重量部を徐々に滴下して、ホモジナイザの回転数を5,000rpmにして15分間分散して混合し、原料分散液とした。その後、撹拌装置、温度計を備えた重合釜に原料分散液を移し、マントルヒータにて加熱し始め、35℃にて凝集粒子の成長を促進させた。またこの際、0.3Nの硝酸や1Nの水酸化ナトリウム水溶液で原料分散液のpHを2.4以上2.7以下の範囲に制御した。上記pH範囲で2.0時間ほど保持し、凝集粒子を形成した。トナー粒径を確認したところ3.6μmであった。非晶性ポリエステル樹脂分散液Aを5重量部追加し、さらに0.5時間保持した。
コールター−マルチサイザー−II型(アパーチャ径:100μm、ベックマン−コールター社製)を用いて測定した凝集粒子の体積平均粒径は4.2μmであった。その後、凝集粒子を融合させるためにNaOH水溶液を滴下してpHを7.5に上げた後、90℃まで昇温させた。その後3時間融合させ、光学顕微鏡で凝集粒子が融合したのを確認した後、0.5℃/分の降温速度で冷却した。
その後20μmメッシュで篩分した。次にろ過で固液分離工程を行い、トナー固形分量に対して20℃/20倍量のイオン交換水に分散し、20min撹拌してろ過を行った。この工程を5回繰り返した。この後、凍結真空乾燥機で乾燥を行いトナー母粒子を得た。得られたトナー粒子の体積平均粒径(D50v)は4.1μmであった。
実施例1と同様にして、トナーおよび現像剤を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例1)
離型剤分散液として、離型剤分散液Aの代わりに離型剤分散液Gを用いた以外は実施例1と同様にして、トナーおよび現像剤を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例2)
樹脂分散液として、結晶性ポリエステル樹脂分散液Aの代わりに結晶性ポリエステル樹脂分散液Dを用いた以外は実施例1と同様にして、トナーおよび現像剤を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例3)
樹脂分散液として、結晶性ポリエステル樹脂分散液Aの代わりに結晶性ポリエステル樹脂分散液Eを用いた以外は実施例1と同様にして、トナーおよび現像剤を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例4)
樹脂分散液として、非晶性ポリエステル樹脂分散液Aの代わりに非晶性ポリエステル樹脂分散液Dを用いた以外は実施例1と同様にして、トナーおよび現像剤を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例5)
樹脂分散液として、非晶性ポリエステル樹脂分散液Aの代わりに非晶性ポリエステル樹脂分散液Eを用いた以外は実施例1と同様にして、トナーおよび現像剤を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例6)
結晶性ポリエステル樹脂分散液Aを7.0重量部とし、非晶性ポリエステル樹脂分散液Aを33.0重量部とした以外は実施例1と同様にして、トナーおよび現像剤を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例7)
結晶性ポリエステル樹脂分散液Aを38.0重量部とし、非晶性ポリエステル樹脂分散液Aを2.0重量部とした以外は実施例1と同様にして、トナーおよび現像剤を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例8)
離型剤分散液Aを1.0重量部とし、非晶性ポリエステル樹脂分散液Aを34.0重量部とした以外は実施例1と同様にして、トナーおよび現像剤を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
(比較例9)
離型剤分散液Aを13.0重量部とし、非晶性ポリエステル樹脂分散液Aを22.0重量部とした以外は実施例1と同様にして、トナーおよび現像剤を得た。実施例1と同様にして評価を行った。結果を表2に示す。
Figure 2010230917
Figure 2010230917
表1,2に示すように、実施例1〜16のトナーを用いると、高速の画像形成装置において用いた場合でも、高い耐摩擦性および折り曲げ特性が得られた。
1 画像形成装置、10 帯電部、12 露光部、14 電子写真感光体、16 現像部、18 転写部、20 クリーニング部、22 定着部、24 被転写体。

Claims (7)

  1. 結晶性樹脂と非晶性樹脂と離型剤と着色剤とを含有し、
    トナー中の前記結晶性樹脂の含有量が15重量%以上75重量%以下、前記離型剤の含有量が3重量%以上25重量%以下であり、
    前記結晶性樹脂の融解温度Tmが25℃以上70℃以下であり、
    前記非晶性樹脂のガラス転移温度Tgが60℃以上90℃以下であり、
    前記離型剤は炭素数分布が22以上33以下の範囲を有するアルコール成分を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 前記結晶性樹脂の酸価をAVc、前記非晶性樹脂の酸価をAVa、前記離型剤の酸価をAVwとしたときに、AVa>AVc≧AVwの関係であることを特徴とする、請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
  3. 前記離型剤がカルナウバワックスであることを特徴とする請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナー。
  4. 前記結晶性樹脂と前記非晶性樹脂と前記離型剤と前記着色剤とを、水を含む溶媒に分散させて製造することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  5. 前記結晶性樹脂と前記非晶性樹脂と前記離型剤と前記着色剤とを、有機溶剤を含む溶媒に分散させて製造することを特徴とする、請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
  6. 請求項1〜3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用トナーと、キャリアとを含有することを特徴とする静電荷像現像用現像剤。
  7. 像保持体と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、前記現像されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段と、を含み、
    前記現像剤は、請求項6に記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
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