JP2010060685A - 静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用現像剤および画像形成装置 - Google Patents

静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用現像剤および画像形成装置 Download PDF

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Abstract

【課題】長時間、現像機内で撹拌された後においても機内汚染を防止することができる静電荷像現像用トナーを提供する。
【解決手段】非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、着色剤を含有し、トナー表面に硝酸アンモニウムを50ppm以上200ppm以下の範囲で有する静電荷像現像用トナーである。
【選択図】なし

Description

本発明は、静電荷像現像用トナー、静電荷像現像用トナーの製造方法、静電荷像現像用現像剤および画像形成装置に関する。
電子写真法など静電荷像を経て画像情報を可視化する方法は、現在様々な分野で利用されている。電子写真法においては、帯電、露光工程により像保持体上に静電潜像を形成し(潜像形成工程)、静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と呼ぶ場合がある。)を含む静電荷像現像用現像剤(以下、単に「現像剤」と呼ぶ場合がある。)で静電潜像を現像し(現像工程)、転写工程、定着工程を経て可視化される。ここで用いられる現像剤には、トナーとキャリアからなる2成分現像剤と、磁性トナーまたは非磁性トナーを単独で用いる1成分現像剤とがあるが、そのトナーの製法は、通常、熱可塑性樹脂などの結着樹脂を顔料などの着色剤、帯電制御剤、ワックスなどの離型剤等とともに溶融混練し、冷却後、粉砕し、さらに分級する混練粉砕法が使用されている。
通常の混練粉砕製法で作製されたトナーにおいては、トナー粒子の形状は不定形であり、またトナー粒子の表面構造は、使用材料の粉砕性や粉砕工程の条件により微妙に変化するので、トナー粒子の形状および表面構造などを意図的に制御することは困難である。
これに対して、近年、トナーの形状および表面構造などの制御を意図的に行うことが可能な手段として、湿式製法を利用したトナーの製造方法が提案されている。湿式製法としては、形状制御が可能な湿式球形化法、表面組成制御が可能な懸濁造粒法、内部組成の制御が可能な懸濁重合法、乳化重合凝集法などがある。
一方、エネルギーの省力化への要求の高まりに伴い、複写機などの画像形成装置において、ある程度の使用電力を占める定着工程の省電力化と定着領域の拡大とを図るためには、トナーの定着温度をより低温化させることが求められている。トナーの定着温度を低温化させることは、いわゆるウォームアップタイムの短時間化、定着ロールの長寿命化を可能にする。
ところで、トナーの定着温度の低温化は、同時にトナーのガラス転移温度の低下をもたらすことになり、トナーの保存性を悪化させることがあるため、定着温度の低温化と保存性との両立を図ることは困難であった。低温定着化とトナー保存性の両立を図るためには、トナーのガラス転移温度をより高温に保ったまま、高温領域でトナー粘度が急速に低下する、いわゆるシャープメルト性をもつことが求められる。
シャープメルト性を有するトナーを用いると、特に、消費するトナーが少ない場合、あるいは、カラー機にてモノクロドキュメントを長時間連続出力し、カラートナーが長時間消費されない場合などにおいて、繰り返し現像機内でトナーが撹拌されるため、撹拌による剪断熱によってトナー表面が軟化し、外添剤の埋まりこみが発生して、トナー粒子の流動性が低下してしまう可能性がある。その結果、流動性の低下によるクラウド発生やトナーの凝集体形成に起因するぼた落ち発生などによる機内汚染が生じる場合がある。
機内汚染を防止するために、例えば、特許文献1では、結着樹脂、着色剤および離型剤を含有し、個数平均粒子径変動、平均円形度、円形度変動が所定の範囲の着色粒子と、真比重、平均一次粒子径、アルコキシ基量、平均炭素量が所定の範囲の単分散球状シリカおよび平均一次粒子径が所定の範囲の無機化合物からなる外添剤とを有する静電潜像現像用トナーが提案されている。
特開2005−3726号公報
本発明は、長時間、現像機内で撹拌された後においても機内汚染を防止することができる静電荷像現像用トナー、その静電荷像現像用トナーの製造方法、その静電荷像現像用トナーを含む静電荷像現像用現像剤およびその静電荷像現像用現像剤を用いた画像形成装置である。
本発明は、非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、着色剤を含有し、トナー表面に硝酸アンモニウムを50ppm以上200ppm以下の範囲で有する静電荷像現像用トナーである。
また、本発明は、前記静電荷像現像用トナーの製造方法であって、非晶性ポリエステル樹脂粒子を分散した非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液と、結晶性ポリエステル樹脂粒子を分散した結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液と、着色剤粒子を分散した着色剤粒子分散液とを混合し、前記非晶性ポリエステル樹脂粒子、前記結晶性ポリエステル樹脂粒子および前記着色剤粒子を含む凝集粒子を形成する凝集工程と、凝集系内のpHを調整して前記凝集粒子の凝集の成長を停止させる停止工程と、前記凝集粒子を前記非晶性ポリエステル樹脂粒子の融点および前記結晶性ポリエステル樹脂粒子のガラス転移温度以上の温度に加熱して、融合させる融合工程と、前記融合して得られたトナー粒子を少なくとも水を用いて洗浄する洗浄工程と、前記洗浄したトナー粒子を硝酸アンモニウム水溶液中に分散、撹拌してトナー表面に硝酸アンモニウムを付着させる付着工程と、を含む静電荷像現像用トナーの製造方法である。
また、本発明は、前記静電荷像現像用トナーと、キャリアとを含有する静電荷像現像用現像剤である。
また、本発明は、像保持体と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、前記現像されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段と、を含み、前記現像剤は、前記静電荷像現像用現像剤である画像形成装置である。
本発明の請求項1によれば、トナー表面に硝酸アンモニウムを50ppm以上200ppm以下の範囲で有さない場合に比較して、長時間、現像機内で撹拌された後においても機内汚染を防止することが可能な静電荷像現像用トナーを提供することができる。
本発明の請求項2によれば、本構成を有さない場合に比較して、長時間、現像機内で撹拌された後においても機内汚染を防止することが可能な静電荷像現像用トナーの製造方法を提供することができる。
本発明の請求項3によれば、トナーが表面に硝酸アンモニウムを50ppm以上200ppm以下の範囲で有さない場合に比較して、長時間、現像機内で撹拌された後においても機内汚染を防止することが可能な静電荷像現像用現像剤を提供することができる。
本発明の請求項4によれば、トナーが表面に硝酸アンモニウムを50ppm以上200ppm以下の範囲で有さない場合に比較して、長時間、現像機内で撹拌された後においても機内汚染を防止することが可能な画像形成装置を提供することができる。
本発明の実施の形態について以下説明する。本実施形態は本発明を実施する一例であって、本発明は本実施形態に限定されるものではない。
<静電荷像現像用トナー>
本実施形態に係るトナーは、非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、着色剤を含有し、トナー粒子の表面に硝酸アンモニウムを50ppm以上200ppm以下の範囲で有する。
本実施形態に係るトナーはトナー表面に硝酸アンモニウムを有することにより、外部添加剤(外添剤)を外添した外添トナーの状態において、例えば、現像機内における長時間の撹拌による剪断熱を受けた場合に、
(1)トナー表面に存在する硝酸アンモニウムが剪断熱によって乾燥する、
(2)乾燥した硝酸アンモニウムが空気中の湿気(水分)を吸湿する際に吸熱し、トナー表面を冷却する、
と推定される。
以降、上記(1)→(2)→(1)→(2)というサイクルを繰り返すことによってトナー表面が冷却され、剪断熱によるトナー表面の軟化、外添剤のトナー表面への埋まりこみを防止し、トナーの良流動性を長期間保つことができると考えられる。その結果、流動性低下に起因するクラウド発生やトナーの凝集体形成に起因するぼた落ち発生などによる機内汚染を防止することができる。
本実施形態に係るトナーの表面に存在する硝酸アンモニウムの量は、50ppm以上200ppm以下の範囲であり、80ppm以上150ppm以下の範囲が好ましい。硝酸アンモニウムの量が50ppmよりも少ないと、トナー表面の冷却効果が不十分でトナー表面への外添剤埋まりこみが発生し、流動性低下によって機内汚染が発生してしまう。また、200ppmよりも多いと、冷却効果による外添剤埋まりこみ抑制効果は得られるものの、吸湿した硝酸アンモニウム自体がトナーの流動性を悪化させてしまい、機内汚染を防止することができない。
ここで、トナー表面に硝酸アンモニウムを50ppm以上200ppm以下の範囲で有することは、ノニオン系界面活性剤を添加した水系媒体中にトナーを分散させ、超音波を印加した抽出液について、イオンクロマトグラフにより分析することができる。本実施形態に係るトナーは、イオンクロマトグラフ分析において、アンモニウムイオンを50ppm以上200ppm以下の範囲で有し、硝酸イオンを50ppm以上200ppm以下の範囲で有する。
本実施形態に係るトナーにおける、トナー粒子の体積平均粒径D50vとしては、3μm以上8μm以下が好ましく、4μm以上7μm以下がより好ましい。トナー粒子の体積平均粒径D50vが3μm未満であると帯電性が不十分になり、現像性が低下する場合があり、8μmを超えると、画像の解像性が低下する場合がある。
本実施形態に係るトナーにおける、トナー粒子の平均円形度は0.940以上0.980以下の範囲にあることが好ましく、0.950以上0.970以下の範囲にあることがより好ましい。平均円形度が0.940を下回ると、形状がより不定形側となり、転写性、耐久性、流動性などが低下する場合がある。また、平均円形度が0.980を上回ると、球形粒子の割合が多くなりクリーニング性が悪化する場合がある。
以下、本実施形態に係るトナーを構成する成分について詳細に説明する。
本実施形態に係るトナーを構成する成分としては、既述したように、非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂および着色剤が挙げられるが、必要に応じて離型剤などの他の成分を含んでいてもよい。
(結着樹脂)
本実施形態に係るトナーでは、低温定着性、トナー強度などの観点から、結着樹脂として結晶性ポリエステル樹脂と非晶性ポリエステル樹脂とが組み合わされて用いられる。
本実施形態において、「結晶性樹脂」の「結晶性」とは、樹脂またはトナーの示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱量変化ではなく、明確な吸熱ピークを有することを指す。具体的には、自動接線処理システムを備えた島津製作所社製の示差走査熱量計(装置名:DSC−60型)を用いた示差走査熱量測定(DSC)において、10℃/minの昇温速度で昇温したときのオンセット点から吸熱ピークのピークトップまでの温度が10℃以内であるときに「明確な」吸熱ピークであるとする。また、シャープメルト製などの観点から、前記オンセット点から吸熱ピークのピークトップまでの温度は、10℃以内であることが好ましく、6℃以内であることがより好ましい。DSC曲線におけるベースラインの平坦部の任意の点およびベースラインからの立ち下がり部の平坦部の任意の点を指定し、その両点間の平坦部の接線の交点が「オンセット点」として自動接線処理システムにより自動的に求められる。また、吸熱ピークは、トナーとしたときに、40℃以上50℃以下の幅を有するピークを示す場合がある。
また、結着樹脂として用いる「非晶性樹脂」とは、樹脂またはトナーの示差走査熱量測定(DSC)において、オンセット点から吸熱ピークのピークトップまでの温度が10℃を超えるとき、あるいは明確な吸熱ピークが認められない樹脂であることを指す。具体的には、自動接線処理システムを備えた島津製作所社製の示差走査熱量計(装置名:DSC−60型)を用いた示差走査熱量測定(DSC)において、10℃/minの昇温速度で昇温したときのオンセット点から吸熱ピークのピークトップまでの温度が10℃を超えるとき、あるいは明確な吸熱ピークが認められないときに「非晶性」であるとする。また、前記オンセット点から吸熱ピークのピークトップまでの温度は、12℃を超えることが好ましく、明確な吸熱ピークが認められないことがより好ましい。DSC曲線における「オンセット点」の求め方は上記「結晶性樹脂」の場合と同様である。
[結晶性ポリエステル樹脂]
本実施形態に係るトナーの結着樹脂に用いる結晶性ポリエステル樹脂としては、公知の結晶性ポリエステル樹脂を用いることができる。
結晶性ポリエステル樹脂は、融点を有するため、特定温度における粘度の低下が大きく、定着時にトナーが加熱された際に、結晶性ポリエステル分子が熱的に活動を開始してから定着可能領域までの温度差を小さくすることができるため、優れた低温定着性を付与することができる。トナー粒子中の結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、1重量%以上10重量%以下の範囲であることが好ましく、2重量%以上8重量%以下の範囲であることがより好ましい。
結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)の範囲は、45℃以上110℃以下の範囲であることが好ましく、50℃以上100℃以下の範囲であることがより好ましく、55℃以上90℃以下の範囲がさらに好ましい。ガラス転移温度(Tg)が45℃よりも低いとトナーの保存が困難となる場合があり、一方、110℃よりも高いと低温定着性の効果を享受することができない場合がある。結晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、ASTMD3418−8に準拠した方法で求める。
結晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は、5,000以上であることが好ましく、10,000以上であることがより好ましい。重量平均分子量(Mw)が5,000未満であると、低温域での定着性には優れるものの、樹脂として柔らかく、トナーのブロッキングなどが発生し、保存性が劣化する場合がある。
結晶性ポリエステル樹脂の数平均分子量(Mn)は、2,000以上であることが好ましく、4,000以上であることがより好ましい。数平均分子量(Mn)が2,000未満であると、定着時にトナーが紙などの記録媒体の表面へしみ込んで定着ムラを生じたり、定着画像の耐折り曲げ強度が低下してしまう場合がある。
結晶性ポリエステル樹脂は、酸(ジカルボン酸)成分と、アルコール(ジオール)成分とから合成されるものである。以下、酸(ジカルボン酸)成分と、アルコール(ジオール)成分について、さらに詳しく説明する。なお、結晶性ポリエステルの主鎖に対して、他成分を50重量%以下の割合で共重合した共重合体も結晶性ポリエステル樹脂とする。
上記酸(ジカルボン酸)成分としては、脂肪族ジカルボン酸が好ましく、特に直鎖型のジカルボン酸が好ましい。例えば、蓚酸、マロン酸、コハク酸、グルタル酸、アジピン酸、ピメリン酸、スベリン酸、アゼリン酸、セバシン酸、1,9−ノナンジカルボン酸、1,10−デカンジカルボン酸、1,10−ウンデカンジカルボン酸、1,12−ドデカンジカルボン酸、1,13−トリデカンジカルボン酸、1,14−テトラデカンジカルボン酸、1,16−ヘキサデカンジカルボン酸、1,18−オクタデカンジカルボン酸など、あるいはその低級アルキルエステルや酸無水物が挙げられるが、これらに限定されるものではない。
酸(ジカルボン酸)成分としては、前述の脂肪族ジカルボン酸成分のほか、二重結合を持つジカルボン酸成分、スルホン酸基を持つジカルボン酸成分等の構成成分が含まれていてもよい。なお、前記二重結合を持つジカルボン酸成分には、二重結合を持つジカルボン酸に由来する構成成分のほか、二重結合を持つジカルボン酸の低級アルキルエステルまたは酸無水物等に由来する構成成分も含まれる。また、前記スルホン酸基を持つジカルボン酸成分には、スルホン酸基を持つジカルボン酸に由来する構成成分のほか、スルホン酸基を持つジカルボン酸の低級アルキルエステルまたは酸無水物等に由来する構成成分も含まれる。
二重結合を持つジカルボン酸は、その二重結合を利用して樹脂全体を架橋させ得る点で、定着時のホットオフセットを防ぐために好適に用いることができる。このようなジカルボン酸としては、例えば、フマル酸、マレイン酸、3−ヘキセンジオイック酸、3−オクテンジオイック酸等が挙げられるが、これらに限定されない。また、これらの低級アルキルエステル、酸無水物等も挙げられる。これらの中でも、コストなどの点で、フマル酸、マレイン酸等が好ましい。
これらの脂肪族ジカルボン酸成分以外の酸(ジカルボン酸)成分(二重結合を持つジカルボン酸成分など)の、酸(ジカルボン酸)成分における含有量としては、1構成モル%以上20構成モル%以下が好ましく、2構成モル%以上10構成モル%以下がより好ましい。
前記含有量が、1構成モル%未満の場合には、トナー中の顔料の分散性がよくない場合がある。また、乳化重合凝集法を利用してトナーを作製する場合に、分散液中の乳化粒子径が大きくなり、凝集によるトナー径の調整が困難となる場合がある。
一方、20構成モル%を超えると、結晶性ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下して、トナーの保存性が悪くなる場合がある。また、乳化重合凝集法を利用してトナーを作製する場合に、分散液中の乳化粒子径が小さ過ぎて水に溶解し、ラテックスが生じない場合がある。なお、本明細書において「構成モル%」とは、ポリエステル樹脂における各構成成分(酸(ジカルボン酸)成分、アルコール(ジオール)成分)を1単位(モル)したときの百分率を指す。
一方、前記アルコール(ジオール)成分としては脂肪族ジオールが好ましく、例えば、エチレングリコール、1,3−プロパンジオール、1,4−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,7−ヘプタンジオール、1,8−オクタンジオール、1,9−ノナンジオール、1,10−デカンジオール、1,11−ウンデカンジオール、1,12−ドデカンジオール、1,13−トリデカンジオール、1,14−テトラデカンジオール、1,18−オクタデカンジオール、1,20−エイコサンジオール等が挙げられるが、この限りではない。
アルコール(ジオール)成分は、脂肪族ジオール成分の含有量が80構成モル%以上であることが好ましく、必要に応じてその他の成分を含む。アルコール(ジオール)成分としては、脂肪族ジオール成分の含有量が90構成モル%以上であることがより好ましい。
前記含有量が、80構成モル%未満では、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下するため、耐トナーブロッキング性、トナー保存性および低温定着性が悪化してしまう場合がある。
一方、必要に応じて含まれるその他の成分としては、二重結合を持つジオール成分、スルホン酸基を持つジオール成分等の構成成分が挙げられる。
前記二重結合を持つジオールとしては、2−ブテン−1,4−ジオール、3−ブテン−1,6−ジオール、4−ブテン−1,8−ジオール等が挙げられる。一方、前記スルホン酸基を持つジオールとしては、1,4−ジヒドロキシ−2−スルホン酸ベンゼンナトリウム塩、1,3−ジヒドロキシメチル−5−スルホン酸ベンゼンナトリウム塩、2−スルホ−1,4−ブタンジオールナトリウム塩等が挙げられる。
これらの直鎖型脂肪族ジオール成分以外のアルコール(ジオール)成分を加える場合、(二重結合を持つジオール成分、および/または、スルホン酸基を持つジオール成分)の、アルコール(ジオール)成分における含有量としては、1構成モル%以上20構成モル%以下が好ましく、2構成モル%以上10構成モル%以下がより好ましい。前記含有量が、1構成モル%未満の場合には、顔料分散が不良となったり、乳化粒子径が大きくなり、凝集によるトナー径の調整が困難となる場合がある。一方、20構成モル%を超えると、ポリエステル樹脂の結晶性が低下し、融点が降下して、トナーの保存性が悪くなったり、乳化粒子径が小さ過ぎて水に溶解し、ラテックスが生じない場合がある。
結晶性ポリエステル樹脂の製造方法としては特に制限はなくカルボン酸成分とアルコール成分を反応させる一般的なポリエステル重合法で製造することができ、例えば、直接重縮合、エステル交換法等が挙げられ、モノマの種類によって使い分けて製造する。前記酸成分とアルコール成分とを反応させる際のモル比(酸成分/アルコール成分)としては、反応条件等によっても異なるため、一概には言えないが、通常1/1程度である。
結晶性ポリエステル樹脂の製造は、重合温度180℃以上230℃以下の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。モノマが、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤留去しながら行う。共重合反応において相溶性の悪いモノマが存在する場合はあらかじめ相溶性の悪いモノマと、そのモノマと重縮合予定のカルボン酸成分またはアルコール成分とを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
結晶性ポリエステル樹脂の製造時に使用可能な触媒としては、ナトリウム、リチウム等のアルカリ金属化合物;マグネシウム、カルシウム等のアルカリ土類金属化合物;亜鉛、マンガン、アンチモン、チタン、スズ、ジルコニウム、ゲルマニウム等の金属化合物;亜リン酸化合物、リン酸化合物、およびアミン化合物等が挙げられ、具体的には、以下の化合物が挙げられる。
例えば、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
また、結晶性ポリエステル樹脂の融点、分子量等の調整の目的で上記の重合性単量体以外に、より短鎖のアルキル基、アルケニル基、芳香環等を有する化合物を使用することもできる。具体例としては、ジカルボン酸の場合、コハク酸、マロン酸、シュウ酸等のアルキルジカルボン酸類、およびフタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ホモフタル酸、4,4’−ジ安息香酸、2,6−ナフタレンジカルボン酸、1,4−ナフタレンジカルボン酸等の芳香族ジカルボン酸類、ジピコリン酸、ジニコチン酸、キノリン酸、2,3−ピラジンジカルボン酸等の含窒素芳香族ジカルボン酸類が挙げられ、ジオール類の場合、コハク酸、マロン酸、アセトンジカルボン酸、ジグリコール酸等の短鎖アルキルのジオール類が挙げられる。これらの重合性単量体は、1種単独で用いてもよいし、2種以上を併用してもよい。
また、結晶性ポリエステル樹脂末端の極性基を封鎖し、トナー帯電特性の環境安定性を改善する目的において単官能単量体が結晶性ポリエステル樹脂に導入される場合がある。
単官能単量体としては、安息香酸、クロロ安息香酸、ブロモ安息香酸、スルホ安息香酸モノアンモニウム塩、スルホ安息香酸モノナトリウム塩、シクロヘキシルアミノカルボニル安息香酸、n−ドデシルアミノカルボニル安息香酸、tert−ブチル安息香酸、ナフトエ酸、4−メチル安息香酸、3−メチル安息香酸、サリチル酸、チオサリチル酸、フェニル酢酸、酢酸、プロピオン酸、酪酸、イソ酪酸、オクタンカルボン酸、ラウリル酸、ステアリル酸、およびこれらの低級アルキルエステル等のモノカルボン酸類;または脂肪族アルコール、芳香族アルコール、脂環族アルコール等のモノアルコール;などを用いることができる。
[非晶性ポリエステル樹脂]
本実施形態に係るトナーに用いる非晶性ポリエステル樹脂としては、公知の非晶性ポリエステル樹脂を用いることができる。
非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)の範囲は、50℃以上80℃以下の範囲が好ましく、55℃以上65℃以下の範囲がより好ましい。ガラス転移温度(Tg)が50℃よりも低いとトナーの保存が困難となる場合があり、80℃よりも高いと低温定着性の効果を享受することができない場合がある。
非晶性ポリエステル樹脂の重量平均分子量(Mw)は8,000以上30,000以下の範囲であることが好ましいが、低温定着性と機械強度などの観点から、重量平均分子量(Mw)は8,000以上16,000以下の範囲であることがより好ましい。そして、低温定着性、混合性などの観点から、第三成分を共重合してもよい。
非晶性ポリエステル樹脂の製造方法は、前述した結晶性ポリエステル樹脂の製造方法と同様に、特に制限はなく、一般的なポリエステル重合方法で製造することができる。
非晶性ポリエステル樹脂の合成に用いる酸(ジカルボン酸)成分としては、結晶性ポリエステル樹脂に関して挙げた種々のジカルボン酸を同様に用いることができる。アルコール(ジオール)成分としても、非晶性ポリエステル樹脂の合成に用いる種々のジオールを用いることができるが、結晶性ポリエステル樹脂に関して挙げた脂肪族ジオールに加えて、ビスフェノールA、ビスフェノールAエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールAプロピレンオキサイド付加物や水素添加ビスフェノールA、ビスフェノールS、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSプロピレンオキサイド付加物等を用いることができる。トナー製造性、耐熱性、透明性などの観点から、ビスフェノールS、ビスフェノールSエチレンオキサイド付加物、ビスフェノールSプロピレンオキサイド付加物等のビスフェノールS誘導体を用いることが特に好ましい。また、酸(ジカルボン酸)成分、アルコール成分とも複数の成分を含んでもよく、特に、ビスフェノールSは耐熱性を高める効果をもつ。
また、前述した結晶性ポリエステル樹脂と同様に、非晶性ポリエステル樹脂の融点、分子量調整などの目的で、より短鎖のアルキル基、アルケニル基、芳香環等を有する化合物を使用することもでき、結晶性ポリエステル樹脂に関して挙げた種々のジカルボン酸類、ジオール類を用いることができる。
また、前述した結晶性ポリエステル樹脂と同様に、非晶性ポリエステル樹脂末端の極性基を封鎖し、トナー帯電特性の環境安定性を改善する目的において単官能単量体が非晶性ポリエステル樹脂に導入される場合がある。単官能単量体としては、結晶性ポリエステル樹脂に関して挙げた種々の化合物を用いることができる。
(離型剤)
本実施形態に係るトナーには離型剤を含有させてもよい。用いられる離型剤としては、公知の離型剤であれば特に限定されないが、例えば、カルナウバワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス等の天然ワックス、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリエチレン、サゾールワックス、マイクロクリスタリンワックス、フィッシャートロプシュワックス、パラフィンワックス、モンタンワックス等の合成あるいは鉱物・石油系ワックス、脂肪酸エステル、モンタン酸エステル等のエステル系ワックスなどが挙げられるが、これに限定されるものではない。また、これらの離型剤は、1種単独で用いてもよく2種以上併用してもよい。
離型剤の融点は、保存性などの観点から、50℃以上であることが好ましく、60℃以上であることがより好ましい。また、耐オフセット性などの観点から、110℃以下であることが好ましく、100℃以下であることがより好ましい。
離型剤の含有量は、結着樹脂100重量部に対して、3重量部以上20重量部以下の範囲であることが好ましく、5重量部以上18重量部以下の範囲であることがより好ましい。離型剤の含有量が3重量部未満であると離型剤添加の効果がほとんどなく、高温でのホットオフセットを引き起こす場合がある。一方、20重量部を超えると、帯電性に悪影響を及ぼす他、トナーの機械的強度が低下するため、現像機内でのストレスで破壊されやすくなり、キャリア汚染などを引き起こす場合がある。
(着色剤)
本実施形態に係るトナーに用いる着色剤としては、公知のものが使用できる。例えば、黒色顔料としては、カーボンブラック、酸化銅、二酸化マンガン、アニリンブラック、活性炭、非磁性フェライト、マグネタイト等が挙げられる。
黄色顔料としては、例えば、黄鉛、亜鉛黄、黄色酸化鉄、カドミウムイエロー、クロムイエロー、ハンザイエロー、ハンザイエロー10G、ベンジジンイエローG、ベンジジンイエローGR、スレンイエロー、キノリンイエロー、パーメネントイエローNCG等が挙げられる。
橙色顔料としては赤色黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、バルカンオレンジ、ベンジジンオレンジG、インダスレンブリリアントオレンジRK、インダスレンブリリアントオレンジGK等が挙げられる。
赤色顔料としては、ベンガラ、カドミウムレッド、鉛丹、硫化水銀、ウオッチヤングレッド、パーマネントレッド4R、リソールレッド、ブリリアンカーミン3B、ブリリアンカーミン6B、デイポンオイルレッド、ピラゾロンレッド、ローダミンBレーキ、レーキレッドC、ローズベンガル、エオキシンレッド、アリザリンレーキ等が挙げられる。
青色顔料としては、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、アニリンブルー、ウルトラマリンブルー、カルコオイルブルー、メチレンブルークロライド、フタロシアニンブルー、フタロシアニングリーン、マラカイトグリーンオクサレレートナーなどが挙げられる。
紫色顔料としては、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ等が挙げられる。
緑色顔料としては、酸化クロム、クロムグリーン、ピグメントグリーン、マラカイトグリーンレーキ、ファイナルイエローグリーンG等が挙げられる。
白色顔料としては、亜鉛華、酸化チタン、アンチモン白、硫化亜鉛等が挙げられる。
体質顔料としては、バライト粉、炭酸バリウム、クレー、シリカ、ホワイトカーボン、タルク、アルミナホワイト等が挙げられる。
また、染料としては、塩基性、酸性、分散、直接染料等の各種染料、例えば、ニグロシンなどが挙げられる。さらに、これらの単独、もしくは混合し、さらには固溶体の状態で使用できる。
これらの着色剤は、公知の方法で分散されるが、例えば、回転せん断型ホモジナイザやボールミル、サンドミル、アトライタ等のメディア式分散機、高圧対向衝突式の分散機等が好ましく用いられる。
さらに、これらの着色剤は、極性を有する界面活性剤を用い、前記ホモジナイザによって水系に分散されてもよい。
着色剤は、色相角、彩度、明度、耐候性、トナー中での分散性などの観点から選択される。該着色剤の添加量は、結着樹脂100重量部に対して1重量部以上20重量部以下の範囲で添加されることが好ましい。
黒色着色剤として磁性体を用いた場合は、他の着色剤とは異なり、30重量部以上100重量部以下の範囲で添加されることが好ましい。
また、トナーを磁性トナーとして用いる場合は、磁性粉を含有させてもよい。このような磁性粉としては、磁場中で磁化される物質が用いられ、鉄、コバルト、ニッケルなどの強磁性の粉末、もしくはフェライト、マグネタイト等の化合物が挙げられる。
本実施形態では、水層中でトナーを得るため、磁性体の水層移行性や溶解性、酸化性に注意を払うことが望ましく、磁性体に表面改質、例えば疎水化処理等を施しておくことが好ましい。
(その他の成分−各種添加剤)
本実施形態に係るトナーに用いられるその他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択でき、例えば、無機粒子、帯電制御剤等の公知の各種添加剤等を挙げることができる。
無機粒子としては、シリカ粒子、酸化チタン粒子、アルミナ粒子、酸化セリウム粒子、あるいはこれらの表面を疎水化処理した物等、公知の無機粒子を単独または2種以上を組み合わせて使用することができる。発色性を損なわないなどの観点から、屈折率が結着樹脂よりも小さいシリカ粒子が好ましく用いられる。また、シリカ粒子は種々の表面処理を施されてもよく、例えばシラン系カップリング剤、チタン系カップリング剤、シリコーンオイル等で表面処理したものが好ましく用いられる。
これらの無機粒子の添加量は、トナー全重量の0.5重量%以上20重量%以下の範囲であることが好ましく、1重量%以上15重量%以下の範囲であることがより好ましい。
本実施形態に係るトナーには、必要に応じて無機粒子や有機粒子等、既知の外部添加剤(外添剤)を添加することができる。
無機粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、塩化セリウム、ベンガラ、酸化クロム、酸化セリウム、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。中でも、シリカ粒子や酸化チタン粒子が好ましく、疎水化処理された粒子が特に好ましい。
無機粒子は、一般に流動性などを向上させる目的で使用される。無機粒子の体積平均粒径としては、1nm以上200nm以下の範囲にあることが好ましく、その添加量としては、トナー100重量部に対して、0.01重量部以上20重量部以下の範囲にあることが好ましい。
有機粒子は、一般にクリーニング性や転写性などを向上させる目的で使用され、具体的には例えば、ポリスチレン、ポリメチルメタクリレート、ポリフッ化ビニリデン等が挙げられる。
<静電荷像現像用トナーの製造方法>
本実施形態に係るトナーは、乳化重合凝集法(凝集・合一法)などの湿式製法で製造することが好ましい。
本実施形態に係る静電荷像現像用トナーの製造方法は、例えば、非晶性ポリエステル樹脂粒子を分散した非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液と、結晶性ポリエステル樹脂粒子を分散した結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液と、着色剤粒子を分散した着色剤粒子分散液とを混合し、非晶性ポリエステル樹脂粒子、結晶性ポリエステル樹脂粒子および着色剤粒子を含む凝集粒子を形成する凝集工程と、凝集系内のpHを調整して凝集粒子の凝集の成長を停止させる停止工程と、凝集粒子を非晶性ポリエステル樹脂粒子の融点および結晶性ポリエステル樹脂粒子のガラス転移温度以上の温度に加熱して、融合させる融合工程と、融合して得られたトナー粒子を少なくとも水を用いて洗浄する洗浄工程と、洗浄したトナー粒子を硝酸アンモニウム水溶液中に分散、撹拌してトナー表面に硝酸アンモニウムを付着させる付着工程と、を含むことが好ましい。硝酸アンモニウムを付着させたトナー粒子を乾燥する乾燥工程をさらに有していてもよい。また、必要に応じて、凝集工程の後に、同じまたは異なる樹脂粒子を添加し、凝集粒子の表面に付着させるシェル層形成工程を有してもよい。
以下、静電荷像現像用トナーの製造方法の一例における各工程について詳細に説明する。なお、本実施形態に係るトナーの製造方法はこれに限定されるものではない。
[凝集工程]
凝集工程においては、まず、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液、結晶性ポリエステル樹脂粒子などの樹脂粒子分散液、着色剤粒子分散液、離型剤粒子分散液などを準備する。
樹脂粒子分散液は、公知の転相乳化方法を用いるか、あるいは樹脂のガラス転移温度以上に加熱して機械的せん断力によって乳化させる方法などを用いて調製することができる。この際、イオン性界面活性剤を添加してもよい。
着色剤粒子分散液は、例えば、イオン性界面活性剤を用いて、イエロー、シアン、マゼンタ、ブラック等の所望の色の着色剤粒子を溶媒中に分散させることにより調整することができる。
離型剤粒子分散液は、例えば、離型剤を、水中に高分子電解質(例えば、イオン性界面活性剤や高分子酸や高分子塩基など)とともに分散し、離型剤の融点以上に加熱するとともに、強い剪断をかけられるホモジナイザや圧力吐出型分散機により粒子化することにより調整することができる。
次に、樹脂粒子分散液と着色剤粒子分散液と離型剤粒子分散液とを混合し、樹脂粒子と着色剤粒子と必要に応じて離型剤粒子とをヘテロ凝集させ、所望のトナー径にほぼ近い径を持つ凝集粒子(コア凝集粒子)を形成する。
[シェル層形成工程]
シェル層形成工程においては、コア凝集粒子の表面に、樹脂粒子を含む樹脂粒子分散液を用いて樹脂粒子を付着させ、所望の厚みの被覆層(シェル層)を形成することにより、コア凝集粒子表面にシェル層が形成されたコア/シェル構造を持つ凝集粒子(コア/シェル凝集粒子)を得る。
なお、凝集工程、シェル層形成工程は、段階的に複数回に分けて繰り返し実施したものであってもよい。
ここで、凝集工程およびシェル層形成工程において用いられる、樹脂粒子、着色剤粒子、離型剤粒子の体積平均粒径は、トナー径および粒度分布を所望の値に調整するのを容易とするために、1μm以下であることが好ましく、100nm以上300nm以下の範囲であることがより好ましい。
体積平均粒径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(LA−700:堀場製作所製)を用いて測定する。測定法としては分散液となっている状態の試料を固形分で約2gになるように調整し、これにイオン交換水を添加して、約40mLにする。これをセルに適当な濃度になるまで投入し、約2分間待って、セル内の濃度がほぼ安定になったところで測定する。得られたチャンネルごとの体積平均粒径を、体積平均粒径の小さい方から累積し、累積50%になったところを体積平均粒径とする。
[停止工程]
停止工程においては、凝集系内のpHを調整することにより、凝集粒子の凝集成長を停止させる。具体的には凝集系内のpHを6以上9以下の範囲に調整することにより、凝集粒子の成長を停止させる。
[融合工程]
融合工程(融合・合一工程)においては、まず、凝集工程および必要に応じて行われたシェル形成工程を経て得られた凝集粒子を含有する溶液中にて、凝集粒子中に含まれる非晶性ポリエステル樹脂粒子の融点および結晶性ポリエステル樹脂粒子のガラス転移温度以上の温度に加熱して、融合・合一することによりトナー粒子を得る。
[洗浄工程]
洗浄工程においては、融合工程にて得られたトナー粒子の分散液にイオン交換水による置換洗浄を少なくとも施し、固液分離を行う。固液分離方法には特に制限はないが、生産性などの点から、吸引濾過、加圧濾過等が好ましく用いられる。
[付着工程]
硝酸アンモニウムの付着工程においては、洗浄工程を経たトナー粒子を硝酸アンモニウム水溶液中に分散させ、撹拌することによりトナー粒子表面に硝酸アンモニウムを付着させ、その後、固液分離を行う。固液分離方法には特に制限はないが、生産性などの点から、吸引濾過、加圧濾過等が好ましく用いられる。なお、硝酸アンモニウムの付着は乾式法によって行ってもよいが、トナー表面への硝酸アンモニウムの付着の均一性などの観点から、湿式法が好ましい。
硝酸アンモニウム水溶液中の硝酸アンモニウムの濃度は、トナー表面に付着させる硝酸アンモニウムの量に基づいて決めればよく特に制限はないが、トナー表面の硝酸アンモニウム量を50ppm以上200ppm以下の範囲とするためには、例えば、8ppm以上32ppm以下の濃度とすればよい。撹拌時の温度は、例えば、15℃以上35℃以下の範囲である。その他、撹拌時間、撹拌速度などは適宜設定すればよい。
[乾燥工程]
乾燥工程においては、固液分離されたウェットケーキを乾燥し、トナー粒子を得る。乾燥方法には特に制限はないが、生産性などの点から、凍結乾燥、フラッシュジェット乾燥、流動乾燥、振動型流動乾燥等が好ましく用いられる。
<静電荷像現像用現像剤>
本実施形態に係る静電荷像現像用現像剤は、上述した本実施形態の静電荷像現像用トナーを含有する以外は特に制限はなく、目的に応じて適宜の成分組成をとることができる。本実施形態に係る静電荷像現像用現像剤は、静電荷像現像用トナーを、単独で用いると一成分系の静電荷像現像用現像剤(以下「一成分現像剤」ともいう)となり、また、キャリアと組み合わせて用いると二成分系の静電荷像現像用現像剤(以下「二成分現像剤」ともいう)となる。
以下、本実施形態に係る静電荷像現像用現像剤について説明する。
キャリアとしては、特に制限はなく、公知のキャリアを用いることができる。キャリアとしては例えば、芯材表面に被覆樹脂を被覆した樹脂被覆層を有する樹脂コートキャリアを挙げることができる。またキャリアは、マトリックス樹脂に導電材料などが分散された樹脂分散型キャリアであってもよい。
キャリアに使用される被覆樹脂、マトリックス樹脂としては、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリスチレン、ポリビニルアセテート、ポリビニルアルコール、ポリビニルブチラール、ポリ塩化ビニル、ポリビニルエーテル、ポリビニルケトン、塩化ビニル−酢酸ビニル共重合体、スチレン−アクリル酸共重合体、オルガノシロキサン結合からなるストレートシリコーン樹脂またはその変性品、フッ素樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、フェノール樹脂、エポキシ樹脂等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
導電材料としては、金属(例えば、金、銀、銅等)やカーボンブラック、酸化チタン、酸化亜鉛、硫化バリウム、ホウ酸アルミニウム、チタン酸カリウム、酸化スズ、カーボンブラック等を例示することができるが、これらに限定されるものではない。
また、キャリアの芯材としては、磁性金属(例えば、鉄、ニッケル、コバルト等)、磁性酸化物(例えば、フェライト、マグネタイト等)、ガラスビーズ等が挙げられるが、キャリアを磁気ブラシ法に用いるためには、キャリアの芯材は磁性材料であることが好ましい。キャリアの芯材の体積平均粒径としては、10μm以上500μm以下の範囲が好ましく、30μm以上100μm以下の範囲がより好ましい。
またキャリアの芯材の表面に樹脂被覆するには、被覆樹脂、および必要に応じて各種添加剤を適当な溶媒に溶解した被覆層形成用溶液により被覆する方法が挙げられる。溶媒としては、特に限定されるものではなく、使用する被覆樹脂、塗布適正等を勘案して適宜選択すればよい。
具体的な樹脂被覆方法としては、(1)キャリアの芯材を被覆層形成用溶液中に浸漬する浸漬法、(2)被覆層形成用溶液をキャリアの芯材表面に噴霧するスプレー法、(3)キャリアの芯材を流動エアーにより浮遊させた状態で被覆層形成用溶液を噴霧する流動床法、(4)ニーダコータ中でキャリアの芯材と被覆層形成溶液とを混合し、溶剤を除去するニーダコータ法などが挙げられる。
キャリアを含んだ現像剤における、上述したトナーとキャリアの混合比(重量比)としては、トナー:キャリア=1:100以上30:100以下程度の範囲が好ましく、3:100以上20:100以下程度の範囲がより好ましい。
<画像形成装置>
本実施形態に係る画像形成装置は、像保持体と、像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、現像されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段と、を含み、現像剤として、前記静電荷像現像用現像剤が用いられる。また、本実施形態に係る画像形成装置は、上記した手段以外の手段、例えば、像保持体を帯電する帯電手段、被転写体表面に転写されたトナー画像を定着する定着手段、像保持体表面に残存したトナーを除去するクリーニング手段等を含むものであってもよい。
本実施形態に係る画像形成装置の一例の概略を図1に示し、その構成について説明する。画像形成装置1は、帯電部10と、露光部12と、像保持体である電子写真感光体14と、現像部16と、転写部18と、クリーニング部20と、定着部22とを備える。
画像形成装置1において、電子写真感光体14の周囲には、電子写真感光体14の表面を帯電する帯電手段である帯電部10と、帯電された電子写真感光体14を露光し画像情報に応じて静電潜像を形成する潜像形成手段である露光部12と、静電潜像をトナーにより現像してトナー画像を形成する現像手段である現像部16と、電子写真感光体14の表面に形成されたトナー画像を被転写体24の表面に転写する転写手段である転写部18と、転写後の電子写真感光体14表面上に残存したトナーを除去するクリーニング手段であるクリーニング部20とがこの順で配置されている。また、被転写体24に転写されたトナー画像を定着する定着手段である定着部22が転写部18の左側に配置されている。
本実施形態に係る画像形成装置1の動作について説明する。まず、帯電部10により電子写真感光体14の表面が均一に帯電される(帯電工程)。次に、露光部12により電子写真感光体14の表面に光が当てられ、光の当てられた部分の帯電電荷が除去され、画像情報に応じて静電荷像(静電潜像)が形成される(潜像形成工程)。その後、静電荷像が現像部16により現像され、電子写真感光体14の表面にトナー画像が形成される(現像工程)。例えば、電子写真感光体14として有機感光体を用い、露光部12としてレーザビーム光を用いたデジタル式電子写真複写機の場合、電子写真感光体14の表面は、帯電部10により負電荷を付与され、レーザビーム光によりドット状にデジタル潜像が形成され、レーザビーム光の当たった部分に現像部16でトナーを付与され可視像化される。この場合、現像部16にはマイナスのバイアスが印加されている。次に転写部18で、用紙等の被転写体24がこのトナー画像に重ねられ、被転写体24の裏側からトナーとは逆極性の電荷が被転写体24に与えられ、静電気力によりトナー画像が被転写体24に転写される(転写工程)。転写されたトナー画像は、定着部22において定着部材により熱および圧力が加えられ、被転写体24に融着されて定着される(定着工程)。一方、転写されずに電子写真感光体14の表面に残存したトナーはクリーニング部20で除去される(クリーニング工程)。この帯電からクリーニングに至る一連のプロセスで一回のサイクルが終了する。なお、図1において、転写部18で用紙等の被転写体24に直接トナー画像が転写されているが、中間転写体等の転写体を介して転写されても良い。
以下、図1の画像形成装置1における帯電手段、像保持体、露光手段、現像手段、転写手段、クリーニング手段、定着手段について説明する。
(帯電手段)
帯電手段である帯電部10としては、例えば、図1に示すようなコロトロンなどの帯電器が用いられるが、導電性または半導電性の帯電ロールを用いても良い。導電性または半導電性の帯電ロールを用いた接触型帯電器は、電子写真感光体14に対し、直流電流を印加するか、交流電流を重畳させて印加してもよい。例えばこのような帯電部10により、電子写真感光体14との接触部近傍の微小空間で放電を発生させることにより電子写真感光体14表面を帯電させる。なお、通常は、−300V以上−1000V以下に帯電される。また前記の導電性または半導電性の帯電ロールは単層構造あるいは多重構造でも良い。また、帯電ロールの表面をクリーニングする機構を設けてもよい。
(像保持体)
像保持体は、少なくとも潜像(静電荷像)が形成される機能を有する。像保持体としては、電子写真感光体が好適に挙げられる。電子写真感光体14は、円筒状の導電性の基体外周面に有機感光体等を含む塗膜を有する。塗膜は、基体上に、必要に応じて下引き層、および、電荷発生物質を含む電荷発生層と、電荷輸送物質を含む電荷輸送層とを含む感光層がこの順序で形成されたものである。電荷発生層と電荷輸送層の積層順序は逆であってもよい。これらは、電荷発生物質と電荷輸送物質とを別個の層(電荷発生層、電荷輸送層)に含有させて積層した積層型感光体であるが、電荷発生物質と電荷輸送物質との双方を同一の層に含む単層型感光体であってもよく、好ましくは積層型感光体である。また、下引き層と感光層との間に中間層を有していてもよい。また、有機感光体に限らずアモルファスシリコン感光膜等他の種類の感光層を使用してもよい。
(露光手段)
露光手段である露光部12としては、特に制限はなく、例えば、像保持体表面に、半導体レーザ光、LED光、液晶シャッタ光等の光源を、所望の像様に露光できる光学系機器等が挙げられる。
(現像手段)
現像手段である現像部16は、像保持体上に形成された潜像をトナーを含む現像剤により現像してトナー画像を形成する機能を有する。そのような現像装置としては、上述の機能を有している限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、静電荷像現像用トナーをブラシ、ローラ等を用いて電子写真感光体14に付着させる機能を有する公知の現像器等が挙げられる。電子写真感光体14には、通常直流電圧が使用されるが、さらに交流電圧を重畳させて使用してもよい。
(転写手段)
転写手段である転写部18としては、例えば、図1に示すような被転写体24の裏側からトナーとは逆極性の電荷を被転写体24に与え、静電気力によりトナー画像を被転写体24に転写するもの、あるいは被転写体24の表面に被転写体24を介して直接接触して転写する導電性または半導電性のロール等を用いた転写ロールおよび転写ロール押圧装置を用いることができる。転写ロールには、像保持体に付与する転写電流として、直流電流を印加してもよいし、交流電流を重畳させて印加してもよい。転写ロールは、帯電すべき画像領域幅、転写帯電器の形状、開口幅、プロセススピード(周速)等により、任意に設定することができる。また、低コスト化のため、転写ロールとして単層の発泡ロール等が好適に用いられる。転写方式としては、紙等の被転写体24に直接転写する方式でも、中間転写体を介して被転写体24に転写する方式でもよい。
中間転写体としては、公知の中間転写体を用いることができる。中間転写体に用いられる材料としては、ポリカーボネート樹脂(PC)、ポリフッ化ビニリデン(PVDF)、ポリアルキレンフタレート、PC/ポリアルキレンテレフタレート(PAT)のブレンド材料、エチレンテトラフロロエチレン共重合体(ETFE)/PC、ETFE/PAT、PC/PATのブレンド材料等が挙げられるが、機械的強度などの観点から熱硬化ポリイミド樹脂を用いた中間転写ベルトが好ましい。
(クリーニング手段)
クリーニング手段であるクリーニング部20については、像保持体上の残留トナーを清掃するものであれば、ブレードクリーニング方式、ブラシクリーニング方式、ロールクリーニング方式を採用したもの等、適宜選定して差し支えない。これらの中でもクリーニングブレードを用いることが好ましい。また、クリーニングブレードの材質としてはウレタンゴム、ネオプレンゴム、シリコーンゴム等が挙げられる。中でも、耐摩耗性に優れていることから、特にポリウレタン弾性体を用いることが好ましい。ただし、転写効率の高いトナーを使用する場合にはクリーニング部20を使用しない態様もありえる。
(定着手段)
定着手段(画像定着装置)である定着部22としては、被転写体24に転写されたトナー像を加熱、加圧あるいは加熱加圧により定着するものであり、定着部材を具備する。
(被転写体)
トナー画像を転写する被転写体(用紙)24としては、例えば、電子写真方式の複写機、プリンタ等に使用される普通紙、OHPシート等が挙げられる。定着後における画像表面の平滑性をさらに向上させるには、被転写体の表面もできるだけ平滑であることが好ましく、例えば、普通紙の表面を樹脂等でコーティングしたコート紙、印刷用のアート紙等を好適に使用することができる。
以下、実施例および比較例を挙げ、本発明をより具体的に詳細に説明するが、本発明は、以下の実施例に限定されるものではない。
<各種特性の測定方法>
まず、実施例、比較例で用いたトナー等の各種物性、特性の測定方法について説明する。
(トナー粒径および粒度分布測定方法)
トナーの粒径および粒度分布測定は、測定装置としてはコールターマルチサイザーII型(ベックマン−コールター社製)を用い、電解液はISOTON−II(ベックマン−コールター社製)を使用した。測定法としては、分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸ナトリウム)の5%水溶液2mL中に測定試料を0.5mg以上50mg以下加える。これを電解液100mL以上150mL以下中に添加した。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1分間分散処理を行い、コールターマルチサイザーII型により、アパーチャ径として100μmアパーチャを用いて、2μm以上60μm以下の粒子の粒度分布を測定して、前述のようにして体積平均粒径、GSDv、GSDpを求めた。測定する粒子数は50,000であった。
なお、体積平均粒径D50vは、以下のようにして求めることができる。前述のコールターマルチサイザーII型で測定されるトナーの粒度分布を基にして分割された粒度範囲(チャネル)に対して体積、数をそれぞれ小径側から累積分布を描いて、累積50%となる粒径を体積D50vと定義する。この際、D50vは体積平均粒径を表す。
(トナー平均円形度測定方法)
トナーの平均円形度はフロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子株式会社製)により計測した。具体的な測定方法としては、予め不純固形物を除去した水100mL以上150mL以下中に、分散剤として界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1mL以上0.5mL以下加え、さらに測定試料を0.1g以上0.5g以下程度加える。測定試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1分間以上3分間以下分散処理を行い、分散液濃度を3,000個/μL以上10,000個/μL以下として前記装置によりトナーの平均円形度を測定した。
(トナー表面の硝酸アンモニウム量測定方法)
トナー表面の硝酸アンモニウム量は、アンモニウムイオン、硝酸イオンとして、以下の方法で検出、定量した。トナー固形分量に対し20重量%に相当するノニオン系界面活性剤(第一工業製薬製、ノイゲンET−115)を添加した200倍量の水系媒体中にトナーを分散させ、30℃±1℃で制御された恒温槽中にて超音波を30分印加した後、イオンクロマトグラフを用いて、アンモニウムイオン量、硝酸イオン量を定量した。イオンクロマトグラフとしては、日本ダイオネクス(株)製ICS−2000を用い、以下の条件で分析した。
陽イオン分離カラム:日本ダイオネクス(株)製 IonPacCS12A
陽イオンガードカラム:日本ダイオネクス(株)製 IonPacCG12A
溶離液:メタンスルフォン酸 20mM
流速:1mL/min
温度:35℃
検出法:電気伝導度法(サプレッサ式)
(樹脂の重量平均分子量、分子量分布測定方法)
結着樹脂等の分子量、分子量分布は以下の条件で行った。GPCは「HLC−8120GPC、SC−8020(東ソー(株)社製)装置」を用い、カラムは「TSKgel、SuperHM−H(東ソー(株)社製6.0mmID×15cm)」を2本用い、溶離液としてTHF(テトラヒドロフラン)を用いた。実験条件としては、試料濃度0.5%、流速0.6mL/min、サンプル注入量10μL、測定温度40℃、IR検出器を用いて実験を行った。また、検量線は東ソー社製「polystylene標準試料TSK standard」:「A−500」、「F−1」、「F−10」、「F−80」、「F−380」、「A−2500」、「F−4」、「F−40」、「F−128」、「F−700」の10サンプルから作製した。
(樹脂粒子、着色剤粒子等の体積平均粒径)
樹脂粒子、着色剤粒子等の体積平均粒子径は、レーザ回折式粒度分布測定装置(堀場製作所製、LA−700)で測定した。
(樹脂の融点、ガラス転移温度の測定方法)
結晶性ポリエステル樹脂の融点および非晶性ポリエステル樹脂のガラス転移温度(Tg)は、ASTMD3418−8に準拠して、示差走査熱量計(パーキンエルマー社製:DSC−7)を用い、測定された主体極大ピークより求めた。この装置(DSC−7)の検出部の温度補正はインジウムと亜鉛との融点を用い、熱量の補正にはインジウムの融解熱を用いた。サンプルは、アルミニウム製パンを用い、対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行った。
<各分散液の調製>
[結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1の調整]
加熱乾燥した三口フラスコに、1,12−ドデカンジカルボン酸265重量部、および1,10−デカンジオール170重量部と、触媒としてテトラブトキシチタネートを0.035重量部とを入れた後、減圧操作により容器内の空気を減圧し、さらに窒素ガスにより不活性雰囲気下とし、機械撹拌にて180℃で6時間還流を行った。その後、減圧蒸留にて220℃まで徐々に昇温を行い、2.5時間撹拌し、粘稠な状態となったところで減圧蒸留を停止、空冷し結晶性ポリエステル樹脂1を得た。
得られた結晶性ポリエステル樹脂1の重量平均分子量(Mw)を前述の方法にて測定したところ13,000であった。また、得られた結晶性ポリエステル樹脂1の融点を、前述の測定方法により示差走査熱量計(DSC)を用いて測定したところ73℃であった。ついで、この結晶性ポリエステル樹脂1を180重量部および、脱イオン水580重量部をステンレスビーカに入れ、温浴につけ、95℃に加熱した。結晶性ポリエステル樹脂1が溶融した時点で、ホモジナイザ(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて8,000rpmで撹拌し、同時に希アンモニア水を添加しpHを7.0に調整した。ついでアニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンR)0.8重量部を希釈した水溶液20重量部を滴下しながら、乳化分散を行い、体積平均粒径が0.24μmの結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1(樹脂粒子濃度:12.5重量%)を調製した。
[非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1の調製]
加熱乾燥した二口フラスコに、アジピン酸ジメチル74重量部、テレフタル酸ジメチル183重量部、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物216重量部、エチレングリコール41重量部と、触媒としてテトラブトキシチタネート0.037重量部とを入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち、撹拌しながら昇温した後、160℃で約7時間共縮重合反応させ、その後、10Torrまで徐々に減圧しながら220℃まで昇温し4時間保持した。一旦常圧に戻し、無水トリメリット酸9重量部を加え、再度10Torrまで徐々に減圧し、1時間保持することにより非晶性ポリエステル樹脂1を合成した。
得られた非晶性ポリエステル樹脂1のガラス転移温度を、前述の測定方法により示差走査熱量系(DSC)を用いて測定したところ、59℃であった。得られた非晶性ポリエステル樹脂1の分子量を前述の測定方法によりGPCを用いて測定したところ、重量平均分子量(Mw)は12,000であった。
次いで、この非晶性ポリエステル樹脂1を115重量部と、脱イオン水180重量部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンR)5重量部とを混合して120℃に加熱した後、ホモジナイザ(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザで分散処理を1時間行うことにより、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1(樹脂粒子濃度:40重量%)を調整した。
[非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液2の調製]
加熱乾燥した二口フラスコに、アジピン酸ジメチル71重量部、テレフタル酸ジメチル192重量部、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物206重量部、ビフェノール34重量部、エチレングリコール27重量部と、触媒としてテトラブトキシチタネート0.036重量部とを入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち、昇温した後、160℃で約10時間共縮重合反応させ、その後、10Torrまで徐々に減圧しながら220℃まで昇温し、8時間保持することにより非晶性ポリエステル樹脂2を合成した。
得られた非晶性ポリエステル樹脂2のガラス転移温度を、前述の測定方法により示差走査熱量系(DSC)を用いて測定したところ、63℃であった。得られた非晶性ポリエステル樹脂2の分子量を前述の測定方法によりGPCを用いて測定したところ、重量平均分子量(Mw)は15,000であった。
次いで、この非晶性ポリエステル樹脂2を115重量部と、脱イオン水180重量部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンR)5重量部とを混合して120℃に加熱した後、ホモジナイザ(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザで分散処理を1時間行うことにより、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液2(樹脂粒子濃度:40重量%)を調整した。
[非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液3の調製]
加熱乾燥した二口フラスコに、アジピン酸ジメチル72重量部、テレフタル酸ジメチル188重量部、ビスフェノールAエチレンオキシド付加物211重量部、エチレングリコール40重量部と、触媒としてテトラブトキシチタネート0.036重量部とを入れ、容器内に窒素ガスを導入して不活性雰囲気に保ち、撹拌しながら昇温した後、160℃で約5時間共縮重合反応させ、その後、10Torrまで徐々に減圧しながら220℃まで昇温し、3時間保持した。一旦常圧に戻し、無水トリメリット酸18重量部を加え、再度10Torrまで徐々に減圧し、1時間保持することにより非晶性ポリエステル樹脂3を合成した。
得られた非晶性ポリエステル樹脂3のガラス転移温度を、前述の測定方法により示差走査熱量系(DSC)を用いて測定したところ、55℃であった。得られた非晶性ポリエステル樹脂3の分子量を前述の測定方法によりGPCを用いて測定したところ、重量平均分子量(Mw)は8,000であった。
次いで、この非晶性ポリエステル樹脂3を115重量部と、脱イオン水180重量部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬(株):ネオゲンR)5重量部とを混合して120℃に加熱した後、ホモジナイザ(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分に分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザで分散処理を3時間行うことにより、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液3(樹脂粒子濃度:40重量%)を調整した。
[着色剤分散液の調整]
シアン顔料(大日精化(株)製、Pigment Blue 15:3(銅フタロシアニン))100重量部と、アニオン系界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンR)15重量部と、イオン交換水300重量部とを混合し、ホモジナイザ(IKA社製:ウルトラタラックスT50)を用いて10分間分散した後、循環式超音波分散機(日本精機製作所製、RUS−600TCVP)にかけることによって着色剤分散液を得た。
得られた、着色剤分散液内における着色剤(シアン顔料)の体積平均粒径を、前述の測定方法によりレーザ回折粒度測定器を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.17μmであった。また、シアン着色剤分散液の固形分比率は24重量%であった。
[離型剤分散液の調整]
フィッシャートロプシュワックスFNP92(融点92℃:日本精鑞社製)95重量部と、アニオン性界面活性剤(第一工業製薬社製:ネオゲンR)3.6重量部と、イオン交換水360重量部とを混合し、100℃に加熱して、ホモジナイザ(IKA社製:ウルトラタラックスT50)にて十分分散後、圧力吐出型ゴーリンホモジナイザで分散処理し、離型剤分散液を得た。
得られた、離型剤分散液内における離型剤の体積平均粒径を、前述の測定方法によりレーザ回折粒度測定器を用いて測定したところ、体積平均粒径は0.24μmであった。また、離型剤分散液の固形分比率は20重量%であった。
<実施例1>
[トナー粒子1の製造]
結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1を104.4重量部と、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1を336.1重量部と、着色剤分散液45.4重量部と、離型剤分散液115.3重量部と、脱イオン水484重量部とを丸型ステンレス製フラスコ中に入れて、ウルトラタラックスT50で十分に混合、分散した。次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.37重量部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。さらに加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら52℃まで加熱した。52℃で3時間保持した後、ここに非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1を緩やかに175重量部追加した。その後、0.5N水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを8.5にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら90℃まで加熱し、3時間保持した。反応終了後、冷却し、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これをさらに30℃のイオン交換水3リットルに再分散し、15分間、300rpmで撹拌、洗浄した。これをさらに5回繰り返し、濾液のpHが6.85、電気伝導度8.2μS/cm、表面張力が7.05Nmとなったところで洗浄を終了、固液分離を施しトナーケーキを得た。
30℃のイオン交換水2リットルに硝酸アンモニウム0.042重量部を加えた水溶液に、固液分離によって得られたケーキを分散し、15分間、300rpmで撹拌した。その後、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5Aろ紙を用いて固液分離を行い、次いで真空乾燥を12時間実施し、トナー粒子1を得た。
得られたトナー粒子1のガラス転移温度を前述の方法にて測定したところ、54.0℃であった。トナー粒子1の表面硝酸アンモニウム量を前述の方法により測定したところ、130ppmであった。トナー粒子1の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、5.8μmであった。また、トナー粒子1の平均円形度を、前述の測定方法により測定したところ、0.959であった。
[外添トナーの製造]
上記トナー粒子50重量部に対して、疎水性シリカ(キャボット社製、TS720)を0.21重量部添加して、サンプルミルにてブレンドし、外添トナー1を製造した。
[現像剤の調整]
ポリメチルメタアクリレート(総研化学社製)を1重量%被覆した体積平均粒径50μmのフェライトキャリアに対し、トナー濃度が5重量%となるよう上記外添トナー1を秤量し、ボールミルで5分間撹拌、混合して現像剤1を調整した。
[評価方法]
(機内汚染の評価)
得られた現像剤を、富士ゼロックス社製DPC2220改造機を用いて、現像機内で現像剤の撹拌を24時間実施した後、1,000枚、3,000枚、5,000枚の走行テストを実施したのちに機内汚染を以下の基準で目視評価した。
◎:機内汚染なし
○:若干の機内汚染があるものの、問題ない範囲である
×:機内汚染あり
機内汚染の評価は、1,000枚、3,000枚、5,000枚いずれにおいても評価◎であり、機内汚染はほとんどなかった。評価結果を表1に示す。
<実施例2>
[トナー粒子2の製造]
結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1を34.8重量部と、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液2を357.9重量部と、シアン着色剤分散液45.4重量部と、離型剤分散液115.3重量部と、脱イオン水532重量部とを丸型ステンレス製フラスコ中に入れて、ウルトラタラックスT50で十分に混合、分散した。次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.37重量部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。さらに加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら52℃まで加熱した。52℃で4時間保持した後、ここに非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液2を緩やかに175重量部追加した。その後、0.5N水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを8.5にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら90℃まで加熱し、2時間保持した。反応終了後、冷却し、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これをさらに30℃のイオン交換水3リットルに再分散し、15分間、300rpmで撹拌、洗浄した。これをさらに5回繰り返し、濾液のpHが6.98、電気伝導度8.0μS/cm、表面張力が6.95Nmとなったところで洗浄を終了、固液分離を施し、トナーケーキを得た。
30℃のイオン交換水2リットルに硝酸アンモニウム0.059重量部を加えた水溶液に、固液分離によって得られたケーキを分散し、15分間、300rpmで撹拌した。その後、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5Aろ紙を用いて固液分離を行い、次いで真空乾燥を12時間実施し、トナー粒子2を得た。
得られたトナー粒子2のガラス転移温度を前述の方法にて測定したところ、58.0℃であった。トナー粒子2の表面硝酸アンモニウム量を前述の方法により測定したところ、180ppmであった。トナー粒子2の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、7.2μmであった。また、トナー粒子2の平均円形度を、前述の測定方法により測定したところ、0.949であった。
[外添トナーの製造、現像剤の調整]
実施例1と同様にして、外添トナー2を製造し、現像剤2を調整した。
機内汚染評価は、1,000枚の段階では評価◎、3,000枚、5,000枚では評価○となり、若干の機内汚染があるものの問題ない範囲であった。評価結果を表1に示す。
<実施例3>
[トナー粒子3の製造]
結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液1を174.0重量部と、非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液3を314.4重量部と、シアン着色剤分散液45.4重量部と、離型剤分散液115.3重量部と、脱イオン水436重量部とを丸型ステンレス製フラスコ中に入れて、ウルトラタラックスT50で十分に混合、分散した。次いで、これにポリ塩化アルミニウム0.37重量部を加え、ウルトラタラックスで分散操作を継続した。さらに加熱用オイルバスでフラスコを撹拌しながら52℃まで加熱した。52℃で2時間保持した後、ここに非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液3を緩やかに175重量部追加した。その後、0.5N水酸化ナトリウム水溶液で系内のpHを8.5にした後、ステンレス製フラスコを密閉し、磁力シールを用いて撹拌を継続しながら90℃まで加熱し、4時間保持した。反応終了後、冷却し、濾過し、イオン交換水で十分に洗浄した後、ヌッチェ式吸引濾過により固液分離を施した。これをさらに40℃のイオン交換水3リットルに再分散し、15分間、300rpmで撹拌、洗浄した。これをさらに5回繰り返し、濾液のpHが6.97、電気伝導度8.5μS/cm、表面張力が6.97Nmとなったところで洗浄を終了、固液分離を施し、トナーケーキを得た。
30℃のイオン交換水2リットルに硝酸アンモニウム0.020重量部を加えた水溶液に、固液分離によって得られたケーキを分散し、15分間、300rpmで撹拌した。その後、ヌッチェ式吸引濾過によりNo.5Aろ紙を用いて固液分離を行い、次いで真空乾燥を12時間実施し、トナー粒子3を得た。
得られたトナー粒子3のガラス転移温度を前述の方法にて測定したところ、50.0℃であった。トナー粒子3の表面硝酸アンモニウム量を前述の方法により測定したところ、60ppmであった。トナー粒子3の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、3.5μmであった。また、トナー粒子3の平均円形度を、前述の測定方法により測定したところ、0.976であった。
[外添トナーの製造、現像剤の調整]
実施例1と同様にして、外添トナー3を製造し、現像剤3を調整した。
機内汚染評価は、1,000枚の段階では評価◎、3,000枚、5,000枚では評価○となり、若干の機内汚染があるものの問題ない範囲であった。評価結果を表1に示す。
<実施例4>
[トナー粒子4の製造]
イオン交換水に加える硝酸アンモニウム量を0.016重量部とした以外はトナー粒子1の製造と同様に操作し、トナー粒子4を得た。
得られたトナー粒子4のガラス転移温度を前述の方法にて測定したところ、54.0℃であった。トナー粒子4の表面硝酸アンモニウム量を前述の方法により測定したところ、50ppmであった。トナー粒子4の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、5.8μmであった。また、トナー粒子4の平均円形度を、前述の測定方法により測定したところ、0.959であった。
[外添トナーの製造、現像剤の調整]
実施例1と同様にして、外添トナー4を製造し、現像剤4を調整した。評価結果を表1に示す。
機内汚染評価は、1,000枚の段階では評価◎、3,000枚、5,000枚では評価○となり、若干の機内汚染があるものの問題ない範囲であった。評価結果を表1に示す。
<実施例5>
[トナー粒子5の製造]
イオン交換水に加える硝酸アンモニウム量を0.065重量部とした以外はトナー粒子1の製造と同様に操作し、トナー粒子5を得た。
得られたトナー粒子5のガラス転移温度を前述の方法にて測定したところ、54.0℃であった。トナー粒子5の表面硝酸アンモニウム量を前述の方法により測定したところ、200ppmであった。トナー粒子5の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、5.8μmであった。また、トナー粒子5の平均円形度を、前述の測定方法により測定したところ、0.959であった。
[外添トナーの製造、現像剤の調整]
実施例1と同様にして、外添トナー5を製造し、現像剤5を調整した。評価結果を表1に示す。
機内汚染評価は、1,000枚の段階では評価◎、3,000枚、5,000枚では評価○となり、若干の機内汚染があるものの問題ない範囲であった。評価結果を表1に示す。
<実施例6>
[トナー粒子6の製造]
イオン交換水に加える硝酸アンモニウム量を0.026重量部とした以外はトナー粒子1の製造と同様に操作し、トナー粒子6を得た。
得られたトナー粒子6のガラス転移温度を前述の方法にて測定したところ、54.0℃であった。トナー粒子6の表面硝酸アンモニウム量を前述の方法により測定したところ、80ppmであった。トナー粒子6の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、5.8μmであった。また、トナー粒子6の平均円形度を、前述の測定方法により測定したところ、0.959であった。
[外添トナーの製造、現像剤の調整]
実施例1と同様にして、外添トナー6を製造し、現像剤6を調整した。評価結果を表1に示す。
機内汚染評価においては、1,000枚、3,000枚の段階では評価◎、5,000枚では評価○となり、若干の機内汚染があるものの問題ない範囲であった。評価結果を表1に示す。
<実施例7>
[トナー粒子7の製造]
イオン交換水に加える硝酸アンモニウム量を0.049重量部とした以外はトナー粒子1の製造と同様に操作し、トナー粒子7を得た。
得られたトナー粒子7のガラス転移温度を前述の方法にて測定したところ、54.0℃であった。トナー粒子7の表面硝酸アンモニウム量を前述の方法により測定したところ、150ppmであった。トナー粒子7の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、5.8μmであった。また、トナー粒子7の平均円形度を、前述の測定方法により測定したところ、0.959であった。
[外添トナーの製造、現像剤の調整]
実施例1と同様にして、外添トナー7を製造し、現像剤7を調整した。評価結果を表1に示す。
機内汚染評価は、1,000枚、3,000枚の段階では評価◎、5,000枚では評価○となり、若干の機内汚染があるものの問題ない範囲であった。評価結果を表1に示す。
<比較例1>
[トナー粒子8の製造]
イオン交換水に加える硝酸アンモニウム量を0.007重量部とした以外はトナー粒子1の製造と同様に操作し、トナー粒子8を得た。
得られたトナー粒子8のガラス転移温度を前述の方法にて測定したところ、54.0℃であった。トナー粒子8の表面硝酸アンモニウム量を前述の方法により測定したところ、20ppmであった。トナー粒子8の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、5.8μmであった。また、トナー粒子8の平均円形度を、前述の測定方法により測定したところ、0.959であった。
[外添トナーの製造、現像剤の調整]
実施例1と同様にして、外添トナー8を製造し、現像剤8を調整した。評価結果を表1に示す。
機内汚染の評価は、1,000枚の段階で評価×であり、機内汚染が認められた。
<比較例2>
[トナー粒子9の製造]
イオン交換水に加える硝酸アンモニウム量を0.098重量部とした以外はトナー粒子1の製造と同様に操作し、トナー粒子9を得た。
得られたトナー粒子9のガラス転移温度を前述の方法にて測定したところ、54.0℃であった。トナー粒子9の表面硝酸アンモニウム量を前述の方法により測定したところ、300ppmであった。トナー粒子9の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、5.8μmであった。また、トナー粒子9の平均円形度を、前述の測定方法により測定したところ、0.959であった。
[外添トナーの製造、現像剤の調整]
実施例1と同様にして、外添トナー9を製造し、現像剤9を調整した。評価結果を表1に示す。
機内汚染の評価は、1,000枚の段階で評価×であり、機内汚染が認められた。
<比較例3>
[トナー粒子10の製造]
硝酸アンモニウム量を添加しなかった以外はトナー粒子1の製造と同様に操作し、トナー粒子10を得た。
得られたトナー粒子10のガラス転移温度を前述の方法にて測定したところ、54.0℃であった。トナー粒子10の表面硝酸アンモニウム量を前述の方法により測定したところ、アンモニウムイオンが12ppm、硝酸イオンが11ppmであった。トナー粒子10の体積平均粒径を、前述の測定方法により測定したところ、5.8μmであった。また、トナー粒子10の平均円形度を、前述の測定方法により測定したところ、0.959であった。
[外添トナーの製造、現像剤の調整]
実施例1と同様にして、外添トナー10を製造し、現像剤10を調整した。評価結果を表1に示す。
機内汚染評価は、1,000枚の段階で評価×であり、機内汚染が認められた。評価結果を表1に示す。
Figure 2010060685
このように、実施例1〜7のトナーを用いることにより、長時間、現像機内で撹拌された後においても機内汚染を防止することができた。
本発明の実施形態に係る画像形成装置の一例を示す概略構成図である。
符号の説明
1 画像形成装置、10 帯電部、12 露光部、14 電子写真感光体、16 現像部、18 転写部、20 クリーニング部、22 定着部、24 被転写体。

Claims (4)

  1. 非晶性ポリエステル樹脂、結晶性ポリエステル樹脂、着色剤を含有し、トナー表面に硝酸アンモニウムを50ppm以上200ppm以下の範囲で有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
    非晶性ポリエステル樹脂粒子を分散した非晶性ポリエステル樹脂粒子分散液と、結晶性ポリエステル樹脂粒子を分散した結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液と、着色剤粒子を分散した着色剤粒子分散液とを混合し、前記非晶性ポリエステル樹脂粒子、前記結晶性ポリエステル樹脂粒子および前記着色剤粒子を含む凝集粒子を形成する凝集工程と、
    凝集系内のpHを調整して前記凝集粒子の凝集の成長を停止させる停止工程と、
    前記凝集粒子を前記非晶性ポリエステル樹脂粒子の融点および前記結晶性ポリエステル樹脂粒子のガラス転移温度以上の温度に加熱して、融合させる融合工程と、
    前記融合して得られたトナー粒子を少なくとも水を用いて洗浄する洗浄工程と、
    前記洗浄したトナー粒子を硝酸アンモニウム水溶液中に分散、撹拌してトナー表面に硝酸アンモニウムを付着させる付着工程と、
    を含むことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
  3. 請求項1に記載の静電荷像現像用トナーと、キャリアとを含有することを特徴とする静電荷像現像用現像剤。
  4. 像保持体と、前記像保持体の表面に静電潜像を形成する潜像形成手段と、前記静電潜像を現像剤を用いて現像してトナー画像を形成する現像手段と、前記現像されたトナー画像を被転写体に転写する転写手段と、を含み、
    前記現像剤は、請求項3に記載の静電荷像現像用現像剤であることを特徴とする画像形成装置。
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