JP2015210410A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents
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Abstract
【解決手段】 静電荷像現像用トナーは、結着樹脂を含有するトナー母体粒子に外添剤が添加されてなるものであって、前記外添剤が、複数の球状の一次粒子が接合された二次粒子よりなる接合体粒子を含み、前記接合体粒子が、二次粒子径d2が70nm以上400nm以下の範囲にあるものを少なくとも含み、前記接合体粒子における二次粒子径d2が70nm以上400nm以下の範囲にあるもののうち、当該二次粒子径d2と当該接合体粒子における一次粒子の直径d1との比d2/d1が1.6以上4.2以下の範囲にあるものが50個数%以上であることを特徴とする。
【選択図】 図1
Description
トナーは、一般的に、トナー母体粒子の表面に無機微粉体や樹脂からなる粒子状の外添剤が添加されて構成されている。そして、「耐久劣化」とは、長期間にわたって現像器内で機械的ストレスを受けたときに、トナーとキャリアとが混合されて外添剤粒子がキャリアに移行することや、機械的ストレスを受けて外添剤粒子がトナー母体粒子に埋没されてしまうことなどが要因となって、トナー母体粒子の帯電性の変化が生じることをいう。
前記外添剤が、複数の球状の一次粒子が接合された二次粒子よりなる接合体粒子を含み、
前記接合体粒子が、二次粒子径d2が70nm以上400nm以下の範囲にあるものを少なくとも含み、
前記接合体粒子における二次粒子径d2が70nm以上400nm以下の範囲にあるもののうち、当該二次粒子径d2と当該接合体粒子における一次粒子の直径d1との比d2/d1が1.6以上4.2以下の範囲にあるものが50個数%以上であることを特徴とする。
本発明のトナーは、結着樹脂を含有するトナー母体粒子(以下、「トナー粒子」ともいう。)に外添剤が添加されてなるものである。
外添剤には、複数の球状の一次粒子が接合されてなる接合体粒子が含まれる。
接合体粒子は、2個以上の球状の一次粒子が接合されているものであり、当該一次粒子の粒子性が損なわれておらずその表面に球面による凹凸が存在するものをいう。
具体的には、走査型電子顕微鏡によって3万倍に拡大して撮影した写真において、任意に選択した2個の一次粒子を目視で観察したときに、面で接触しているもの、すなわち、それぞれ一次粒子による円のうち、55面積%以上、95面積%以下の領域が残存する状態に接合されたものを接合体粒子とする。このような接合体粒子は、振動を与えてもその形状を維持することができる。複数の一次粒子が互いに一点で接触しているものや、球面による凹凸が存在しない篇平型のものは接合体粒子に該当しないものとする。
接合体粒子の具体例としては、図1(a)に示されるように2個の一次粒子が面で接触した状態で接合されただるま型のもの、図1(b)に示されるように3個の一次粒子が環状に並んで、それぞれ面で接触した状態で接合されたトライアングル型のもの、図1(c)に示されるように3個の一次粒子が直列に、それぞれ面で接触した状態で接合された鎖型のものなどを挙げることができる。
特定径の接合体粒子(A)中の特定形状の接合体粒子(a)の含有割合が50個数%以上であることによって、形状の均一性が高く、従って、トナー粒子に対して均一に付着させることができるので、トナーの耐久劣化を極めて抑制することができ、かつ、特定形状の接合体粒子(a)のキャリアへの移行を抑制することができるので、これに伴う帯電量の低下を十分に小さく抑制することができる。
まず、走査型電子顕微鏡によってトナーの3万倍に拡大した写真を撮影し、この写真において、その二次粒子径が70nm以上400nm以下の範囲にある特定径の接合体粒子(A)を選定し、当該特定径の接合体粒子(A)の総数が100〜200個程度となるような測定領域を選択する。次いで、当該測定領域における特定径の接合体粒子(A)の個数P1を計測する。さらに、当該測定領域における全特定径の接合体粒子(A)に対して、各特定径の接合体粒子(A)を構成する各一次粒子の直径を計測してその平均値を一次粒子径d1として径比d2/d1を算出し、それが1.6以上4.2以下の範囲にあるものを特定形状の接合体粒子(a)として識別してその個数P2を計測する。これらの計測結果から、P2/(P1+P2)×100によって特定径の接合体粒子(A)における特定形状の接合体粒子(a)の含有割合が算出される。
径比d2/d1が1.6以上である接合体粒子においては、トナー粒子に対する十分な付着力が得られる。また、径比d2/d1が4.2以下である接合体粒子においては、水分量が低く抑制されるために高温高湿環境においてもトナーに高い帯電安定性が得られる。
特定形状の接合体粒子(a)の一次粒子径d1が30nm以上であることによって、外添剤のトナー粒子への埋没を確実に抑制することができる。一方、特定形状の接合体粒子(a)の一次粒子径d1が200nm以下であることによって、当該特定形状の接合体粒子(a)のトナー粒子への十分な付着力が得られる。
特定径の接合体粒子(A)の添加割合が上記の範囲にあることにより、耐久劣化が極めて抑制される効果を確実に得ることができる。
具体的には、特定径の接合体粒子(A)が添加されていることによって、スペーサー効果が得られると共に、その特異な形状によってトナー粒子との接触点が増大されるためにトナー粒子に対する十分な付着力が得られてトナーの耐久劣化を抑制することができる。しかも、特定径の接合体粒子(A)には特定形状の接合体粒子(a)が50個数%以上含有されており、すなわち当該特定径の接合体粒子(A)の粒度分布のバラつきが小さいために、トナー粒子に対して均一に付着させることができるので、トナーの耐久劣化を極めて抑制することができる。また、特定径の接合体粒子(A)の粒度分布のバラつきが小さいために、水分量が低く抑制されるので、高温高湿環境においてもトナーに高い帯電安定性が得られる。
本発明のトナーに含有される接合体粒子は、ゾルゲル法によって得られたシリカ粒子であることが好ましい。
接合体粒子は、具体的には、まず、純水にテトラメトキシシランを加えたTMOS加水分解液を調製し、このTMOS加水分解液を、水とエチレンジアミンとの混合液に所定の一定速度で添加した後、pHを調整しながらアルカリ触媒を適宜添加し、一定時間ごとにTMOS加水分解液を前記所定の一定速度で添加を継続し、その後、加水分解および縮合を行うことにより、親水性の球状シリカ微粒子の混合媒体分散液〔1〕を得る。
次いで、この親水性の球状シリカ微粒子の混合媒体分散液〔1〕に、メチルトリメトキシシランを滴下した後、加熱して反応させ、球状シリカ微粒子の表面を疎水化処理することにより、疎水性の球状シリカ微粒子の混合媒体分散液〔2〕を得る。
さらに、疎水性の球状シリカ微粒子の混合媒体分散液〔2〕を加熱して水を留去し、その後、メチルイソブチルケトンを添加しながら、メタノールと水とメチルイソブチルケトンとの混合物を同時に、この分散液が115℃になるまで留去し、得られたメチルイソブチルケトン分散液に、室温において、オクチルトリメトキシシシランを添加した後、この分散液を加熱して反応させることにより、分散液中のシリカ微粒子をアルキル化し、次いで、この分散液中の溶媒を留去することにより、特定形状の接合体粒子を含有する特定径の接合体粒子の粉体を得ることができる。
本発明のトナーには、上記の接合体粒子が外添剤として含有されるが、トナーとしての帯電性能や流動性を向上させるその他の外添剤が含有されていてもよい。その他の外添剤としては、例えば、シリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子などよりなる無機酸化物微粒子やこれらの複合酸化物微粒子、有機微粒子などが挙げられる。
シリカ微粒子としては、流動性をトナーの流動性と帯電性を向上させるために、数平均粒径5〜50nm程度のものを用いることが好ましい。また、クリーニング性向上の為、数平均粒径80〜500nmのゾルゲル製法により製造された球形のシリカ粒子を使用することができ、本発明の特定の滑材粒子と併用して使用することによって、よりクリーニング性が向上する。これらシリカ微粒子は、トナーの帯電性能の湿度依存性を抑制するためにシランカップリング剤により表面処理が行われていることが好ましい。
複合酸化物微粒子としては、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウムなどが、感光体の研磨性を向上させるうえで好ましく用いられる。
有機微粒子としては、数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体による有機微粒子を使用することができる。これらの外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
トナー粒子を構成する結着樹脂としては、特に限定されず、公知の種々のものを用いることができる。結着樹脂としては、例えば、スチレン樹脂やアクリル樹脂、スチレンアクリル樹脂、オレフィン樹脂などのビニル樹脂、ポリエステル樹脂、ビニル重合セグメントとポリエステル重合セグメントとが結合してなるビニル変性ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、アミド樹脂、エポキシ樹脂などが挙げられる。
これらは1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
結着樹脂としては、ビニル樹脂を単独で含有すること、ビニル樹脂およびポリエステル樹脂を併せて含有すること、または、ビニル変性ポリエステル樹脂を含有することが好ましい。
結着樹脂の酸価が上記の範囲にあることによって、トナー粒子の表面の水分吸着による帯電量の低下を抑制することができると共に、トナー粒子の表面の親水性が低くなることによって、疎水性である接合体粒子との付着力を極めて高いものとすることができる。
スチレンアクリル樹脂は、スチレン系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体によって形成されたものである。
これらのスチレン系単量体は1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
これらの(メタ)アクリル酸エステル系単量体は1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
・オレフィン類
エチレン、プロピレン、イソブチレンなど。
・ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなど。
・ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなど。
・ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなど。
・N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなど。
・その他
ブタジエン、ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミドなどのアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体、無水マレイン酸など。
・多官能ビニル単量体
ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート、ヘキシレングリコールジメタクリレート、ヘキシレングリコールジアクリレート、ペンタエリスリトール、トリメチロールプロパンなどの3級以上のアルコールのジメタクリレートおよびトリメタクリレートなど。
多官能ビニル単量体の使用により、スチレンアクリル樹脂にテトラヒドロフランに不溶のゲル成分が生成されるが、このゲル成分がスチレンアクリル樹脂全体の40質量%以下とされることが好ましく、20質量%以下とされることがより好ましい。
・カルボキシ基を有する重合性単量体
アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステルなど。
・スルホン酸基を有する重合性単量体
スチレンスルホン酸、アリルスルホコハク酸、2−アクリルアミド2−メチルプロパンスルホン酸など。
・リン酸基を有する重合性単量体
アシドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシドホスホオキシプロピルメタクリレートなど。
スチレンアクリル樹脂の重量平均分子量(Mw)、数平均分子量(Mn)および分子量分布(Mw/Mn)が上記の範囲にあることにより、熱定着時のホットオフセット現象の発生を有効に抑止することができる。
スチレンアクリル樹脂のガラス転移点が上記の範囲にあることによって良好な定着性が得られる。
ポリエステル樹脂は、多価カルボン酸成分および多価アルコール成分を原料として適宜の触媒の存在下で重縮合反応によって合成されたものである。
多価カルボン酸成分は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
多価アルコール成分は、1種単独で、または2種以上を組み合わせて用いることができる。
重合温度は180〜230℃の間で行うことができ、必要に応じて反応系内を減圧にし、縮合時に発生する水やアルコールを除去しながら反応させる。
モノマーが、反応温度下で溶解または相溶しない場合は、高沸点の溶剤を溶解補助剤として加え溶解させてもよい。重縮合反応においては、溶解補助溶剤を留去しながら行う。共重合反応において相溶性の低いモノマーが存在する場合は、あらかじめ相溶性の低いモノマーとそのモノマーと重縮合予定の酸またはアルコールとを縮合させておいてから主成分と共に重縮合させるとよい。
具体的には、酢酸ナトリウム、炭酸ナトリウム、酢酸リチウム、炭酸リチウム、酢酸カルシウム、ステアリン酸カルシウム、酢酸マグネシウム、酢酸亜鉛、ステアリン酸亜鉛、ナフテン酸亜鉛、塩化亜鉛、酢酸マンガン、ナフテン酸マンガン、チタンテトラエトキシド、チタンテトラプロポキシド、チタンテトライソプロポキシド、チタンテトラブトキシド、三酸化アンチモン、トリフェニルアンチモン、トリブチルアンチモン、ギ酸スズ、シュウ酸スズ、テトラフェニルスズ、ジブチルスズジクロライド、ジブチルスズオキシド、ジフェニルスズオキシド、ジルコニウムテトラブトキシド、ナフテン酸ジルコニウム、炭酸ジルコニール、酢酸ジルコニール、ステアリン酸ジルコニール、オクチル酸ジルコニール、酸化ゲルマニウム、トリフェニルホスファイト、トリス(2,4−ジ−t−ブチルフェニル)ホスファイト、エチルトリフェニルホスホニウムブロマイド、トリエチルアミン、トリフェニルアミン等の化合物が挙げられる。
ポリエステル樹脂のガラス転移点は、測定試料としてポリエステル樹脂を用いて、ASTM(米国材料試験協会規格)D3418−82に規定された方法(DSC法)によって測定された値である。
ビニル変性ポリエステル樹脂は、ビニル重合セグメントとポリエステル重合セグメントとが結合してなる共重合体よりなるものである。
このビニル変性ポリエステル樹脂は、ポリエステル重合セグメントの末端にビニル重合セグメントが結合されたブロック共重合体構造のものであってもよく、ポリエステル重合セグメントにビニル重合セグメントの分岐構造が形成されたグラフト共重合体構造のものであってもよい。
ビニル重合セグメントは、例えばスチレン系単量体および(メタ)アクリル酸エステル系単量体などのビニル単量体を用いて形成されるものである。
ビニル重合セグメント単独のガラス転移点は、測定試料としてビニル重合セグメントを用いたことの他は上記と同様にして測定されるものである。
ビニル重合セグメントのGPCによる分子量分布測定は、測定試料としてビニル重合セグメントを用いたことの他は上記と同様にして行われるものである。
ポリエステル重合セグメントは、多価カルボン酸成分および多価アルコール成分により形成されるものである。
ポリエステル重合セグメント単独のガラス転移点は、測定試料としてポリエステル重合セグメントを用いたことの他は上記と同様にして測定されるものである。
ポリエステル重合セグメントのGPCによる分子量分布測定は、測定試料としてポリエステル重合セグメントを用いたことの他は上記と同様にして行われるものである。
ビニル変性ポリエステル樹脂は、ポリエステル重合セグメントとビニル重合セグメントとを両反応性モノマーを介して結合することにより製造することができる。詳細には、ビニル単量体を付加重合させる工程の前、中および後の少なくともいずれかの時点で、多価カルボン酸成分および多価アルコール成分を存在させて縮重合反応を行うことによって製造することができる。
具体的には、既存の一般的なスキームを使用することができる。代表的な方法としては、以下の3つが挙げられる。
(1)ビニル重合セグメントを形成するためのビニル単量体の付加重合反応を行った後、ポリエステル重合セグメントを形成するための多価カルボン酸成分および多価アルコール成分の縮重合反応を行い、必要に応じて架橋剤となる3価以上のビニル単量体を反応系に添加し、縮重合反応をさらに進行させる方法。
(2)ポリエステル重合セグメントを形成するための多価カルボン酸成分および多価アルコール成分の縮重合反応を行った後、ビニル重合セグメントを形成するためのビニル単量体の付加重合反応を行い、その後、必要に応じて架橋剤となる3価以上のビニル単量体を反応系に添加し、縮重合反応に適した温度条件下で、縮重合反応をさらに進行させる方法。
(3)付加重合反応に適した温度条件下で、ビニル重合セグメントを形成するためのビニル単量体の付加重合反応、および、ポリエステル重合セグメントを形成するための多価カルボン酸成分および多価アルコール成分の縮重合反応を平行して行い、付加重合反応が終了した後、必要に応じて架橋剤となる3価以上のビニル単量体を反応系に添加し、縮重合反応に適した温度条件下で縮重合反応をさらに進行させる方法。
両反応性モノマーの具体例としては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、フマル酸、マレイン酸などのカルボキシ基を有するビニル化合物や無水マレイン酸などのカルボン酸無水物などが挙げられる。
具体的には、まず、20℃、50%RHの環境下において、試料(結着樹脂)1.1gをシャーレに入れ平らにならし、12時間以上放置した後、成型器「SSP−10A」(島津製作所社製)によって3820kg/cm2 の力で30秒間加圧し、直径1cmの円柱型の成型サンプルを作成し、次いで、この成型サンプルを、24℃、50%RHの環境下において、フローテスター「CFT−500D」(島津製作所社製)により、荷重196N(20kgf)、開始温度60℃、予熱時間300秒間、昇温速度6℃/分の条件で、円柱型ダイの穴(1mm径×1mm)より、直径1cmのピストンを用いて予熱終了時から押し出し、昇温法の溶融温度測定方法でオフセット値5mmの設定で測定したオフセット法温度Toffsetが、軟化点とされる。
トナー粒子に着色剤が含有される場合において、着色剤としては、一般に知られている染料および顔料を用いることができる。
黒色のトナーを得るための着色剤としては、ファーネスブラック、チャンネルブラックなどのカーボンブラック、マグネタイト、フェライトなどの磁性体、染料、非磁性酸化鉄を含む無機顔料などの公知の種々のものを任意に使用することができる。
カラーのトナーを得るための着色剤としては、染料、有機顔料などの公知のものを任意に使用することができ、具体的には、有機顔料としては例えばC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同81:4、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222、同238、同269、C.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185、C.I.ピグメントオレンジ31、同43、C.I.ピグメントブルー15;3、同60、同76などを挙げることができ、染料としては例えばC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同68、同11、同122、C.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同69、同70、同93、同95などを挙げることができる。
各色のトナーを得るための着色剤は、各色について、1種単独でまたは2種以上を組み合わせて使用することができる。
着色剤の含有割合は、結着樹脂100質量部に対して1〜10質量部であることが好ましく、より好ましくは2〜8質量部である。
トナー粒子に離型剤が含有される場合において、離型剤としては、例えば、ポリエチレンワックス、酸化型ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス、酸化型ポリプロピレンワックスなどの炭化水素系ワックス、カルナウバワックス、脂肪酸エステルワックス、サゾールワックス、ライスワックス、キャンデリラワックス、ホホバ油ワックス、蜜ろうワックスなどを挙げることができる。
トナー粒子に荷電制御剤が含有される場合において、荷電制御剤としては、公知の種々の化合物を用いることができる。
荷電制御剤の含有割合は、結着樹脂100質量部に対して通常0.1〜5.0質量部とされる。
本発明に係るトナー粒子は、平均粒径が、例えば体積基準のメジアン径で3〜9μmであることが好ましく、より好ましくは3〜8μmとされる。この粒径は、例えば後述する乳化凝集法を採用して製造する場合には、使用する凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、重合体の組成によって制御することができる。
体積基準のメジアン径が上記の範囲にあることにより、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドットなどの画質が向上する。
具体的には、試料(トナー粒子)0.02gを、界面活性剤溶液20mL(トナー粒子の分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー粒子分散液を調製し、このトナー粒子分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒径が体積基準のメジアン径とされる。
本発明に係るトナー粒子は、転写効率の向上の観点から、平均円形度が0.930〜1.000であることが好ましく、より好ましくは0.950〜0.995である。
具体的には、試料(トナー粒子)を界面活性剤入り水溶液にてなじませ、超音波分散処理を1分間行って分散させた後、「FPIA−2100」(Sysmex社製)により、測定条件HPF(高倍率撮像)モードにて、HPF検出数3,000〜10,000個の適正濃度で撮影を行い、個々のトナー粒子について下記式(T)に従って円形度を算出し、各トナー粒子の円形度を加算し、全トナー粒子数で除することにより算出される。
式(T):円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
本発明のトナーは、トナー粒子に外添剤として少なくとも上記の接合体粒子が添加されてなるものであるが、当該トナー粒子を製造する方法としては、特に限定されず、混練粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、溶解懸濁法、ポリエステル伸長法、分散重合法など公知の方法が挙げられる。
これらの中でも、高画質化、帯電の高安定化に有利となる粒径の均一性、形状の制御性、コア−シェル構造形成の容易性の観点から、乳化凝集法を採用することが好ましい。
乳化凝集法は、界面活性剤や分散安定剤によって分散された結着樹脂の微粒子(以下、「樹脂微粒子」ともいう。)の分散液を、必要に応じて着色剤の微粒子などのトナー粒子構成成分の分散液と混合し、凝集剤を添加することによって所望のトナーの粒径となるまで凝集させ、その後または凝集と同時に、樹脂微粒子間の融着を行い、形状制御を行うことにより、トナー粒子を形成する方法である。
ここで、樹脂微粒子は、組成の異なる樹脂よりなる2層以上の構成とする複数層で形成された複合粒子とすることもできる。
樹脂微粒子は、例えば、乳化重合法、ミニエマルション重合法、転相乳化法などにより製造、またはいくつかの製法を組み合わせて製造することができる。樹脂微粒子に内添剤を含有させる場合には、中でもミニエマルション重合法を用いることが好ましい。
トナー粒子中に内添剤を含有させる場合は、樹脂微粒子を内添剤を含有したものとしてもよく、また、別途内添剤のみよりなる内添剤微粒子の分散液を調製し、当該内添剤微粒子を樹脂微粒子を凝集させる際に共に凝集させてもよい。
また、トナー粒子をコア−シェル構造を有するものとして構成する場合は、凝集時に組成の異なる樹脂微粒子を時間差で添加して凝集させればよい。
外添剤の混合装置としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの公知の種々の混合装置を使用することができる。
本発明のトナーは、磁性または非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。
トナーを二成分現像剤として使用する場合において、当該トナーのキャリアに対する混合量は、2〜10質量%であることが好ましい。
トナーとキャリアを混合する混合装置は、特に限定されるものではなく、ナウターミキサー、WコーンおよびV型混合機などが挙げられる。
本発明において、キャリアの体積基準のメジアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定されるものである。
本発明のトナーは、一般的な電子写真方式の画像形成方法に用いることができる。
この画像形成方法は、具体的には、感光体を一様に帯電させる帯電工程と、一様に帯電された感光体を露光することによって静電潜像を形成させる露光工程と、この静電潜像を、上記の本発明のトナーによって現像する現像工程と、現像して得られたトナー像を紙などの画像支持体上に転写する転写工程と、画像支持体上に転写されたトナー像を接触加熱方式の定着処理によって当該画像支持体上に定着する定着工程とを有する。
(1)着色剤微粒子分散液の調製
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に添加し、この溶液を撹拌しながら、銅フタロシアニン24.5質量部を徐々に添加し、次いで、撹拌装置「クレアミックスWモーション CLM−0.8」(エム・テクニック社製)を用いて分散処理を行うことにより、体積基準のメジアン径が126nmである着色剤微粒子の分散液を調製した。これを着色剤微粒子分散液〔C〕とする。
(第1段重合)
撹拌装置、温度センサー、温度制御装置、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、予めアニオン性界面活性剤「ラウリル硫酸ナトリウム」2.0質量部をイオン交換水2900質量部に溶解させたアニオン性界面活性剤溶液を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。この界面活性剤溶液に、重合開始剤「過硫酸カリウム(KPS)」9.0質量部を添加し、内温を78℃とさせた後、
スチレン 540質量部
n−ブチルアクリレート 270質量部
メタクリル酸 65質量部
n−オクチルメルカプタン 17質量部
からなるモノマー溶液(1)を3時間かけて滴下し、滴下終了後、78℃において1時間にわたって加熱・撹拌することによって重合(第1段重合)を行うことにより、樹脂微粒子(a)の分散液を調製した。
撹拌装置を取り付けたフラスコ内において、
スチレン 94質量部
n−ブチルアクリレート 60質量部
メタクリル酸 11質量部
n−オクチルメルカプタン 5質量部
からなるモノマー溶液に、離型剤としてパラフィンワックス(融点:73℃)51質量部を添加し、85℃に加温して溶解させてモノマー溶液(2)を調製した。
一方、アニオン性界面活性剤「ラウリル硫酸ナトリウム」2質量部をイオン交換水1100質量部に溶解させた界面活性剤溶液を90℃に加温し、この界面活性剤溶液に上記の樹脂微粒子(a)の分散液を、樹脂微粒子(a)の固形分換算で28質量部添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エム・テクニック社製)により、前記モノマー溶液(2)を4時間混合・分散させ、分散粒子径350nmの乳化粒子を含有する分散液を調製し、この分散液に重合開始剤「KPS」2.5質量部をイオン交換水110質量部に溶解させた開始剤水溶液を添加し、この系を90℃において2時間にわたって加熱・撹拌することによって重合(第2段重合)を行うことにより、樹脂微粒子(b)の分散液を調製した。
上記の樹脂微粒子(b)の分散液に、重合開始剤「KPS」25質量部をイオン交換水110質量部に溶解させた開始剤水溶液を添加し、80℃の温度条件下において、
スチレン 210質量部
n−ブチルアクリレート 72質量部
メタクリル酸 12質量部
n−オクチルメルカプタン 5.2質量部
からなるモノマー溶液(3)を1時間かけて滴下した。滴下終了後、3時間にわたって加熱・撹拌することによって重合(第3段重合)を行い、その後、28℃まで冷却することにより、スチレンアクリル樹脂微粒子分散液〔1〕を調製した。
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、スチレンアクリル樹脂微粒子分散液〔1〕を固形分換算で300質量部、イオン交換水2000質量部を投入後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。その後、着色剤微粒子分散液〔C〕を固形分換算で40質量部投入した。次いで、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて添加した。その後、3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて80℃まで昇温し、80℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準のメジアン径(D50)が6.5μmになった時点で、塩化ナトリウム190質量部をイオン交換水760質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。さらに、昇温を行い、90℃の状態で加熱撹拌することにより、粒子の融着を進行させ、トナーの平均円形度の測定装置「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて(HPF検出数を4000個)測定した平均円形度が0.945になった時点で30℃に冷却し、トナー母体粒子の分散液を調製した。
このトナー母体粒子の分散液を遠心分離機で固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成し、このウェットケーキを、前記遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで35℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥することにより、トナー母体粒子〔1〕を作製した。
トナー母体粒子の製造例1の(2)スチレンアクリル樹脂微粒子の分散液の調製の第3段重合工程において、モノマー溶液(3)を構成するスチレン(St)、n−ブチルアクリレート(BA)、メタクリル酸(MAA)の処方を表1に従って変更したことの他は同様にして、スチレンアクリル樹脂微粒子分散液〔2〕〜〔3〕を調製し、(3)トナー母体粒子の作製工程において、スチレンアクリル樹脂微粒子分散液〔1〕の代わりにスチレンアクリル樹脂微粒子分散液〔2〕〜〔3〕を用いたことのほかは同様にして、トナー母体粒子〔2〕〜〔3〕を作製した。
トナー母体粒子の製造例1の(3)トナー母体粒子の作製において、スチレンアクリル樹脂微粒子分散液〔1〕の代わりに、下記の通りに調製したポリエステル樹脂微粒子分散液〔1〕を用いたことの他は同様にして、トナー母体粒子〔4〕を作製した。
(1)ポリエステル樹脂の合成
冷却管、撹拌機および窒素導入管の付いた反応槽中に、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物360質量部、テレフタル酸80質量部、フマル酸55質量部、および重縮合触媒としてチタンテトライソプロポキシド2質量部を10回に分割して入れ、200℃で窒素気流下に生成する水を留去しながら10時間反応させた。次いで13.3kPa(100mmHg)の減圧下に反応させ、軟化点が104℃になった時点で取り出し、ポリエステル樹脂を合成した。
(2)ポリエステル樹脂粒子分散液の調製
得られたポリエステル樹脂100質量部を、「ランデルミル 形式:RM」(徳寿工作所社製)で粉砕し、予め作製した0.26質量%濃度のラウリル硫酸ナトリウム溶液638質量部と混合し、撹拌しながら超音波ホモジナイザー「US−150T」(日本精機製作所製)を用いてV−LEVEL、300μAで30分間超音波分散し、体積基準のメジアン径(D50)が250nmであるポリエステル樹脂微粒子分散液〔1〕を調製した。
トナー母体粒子の製造例1において、(3)トナー母体粒子の作製を下記の通りに行ったことの他は同様にして、トナー母体粒子〔5〕を作製した。
撹拌装置、温度センサー、冷却管を取り付けた反応容器に、スチレンアクリル樹脂微粒子分散液〔1〕を固形分換算で300質量部、イオン交換水2000質量部を投入後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを10に調整した。その後、着色剤微粒子分散液〔C〕を固形分換算で40質量部投入した。次いで、塩化マグネシウム60質量部をイオン交換水60質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃において10分間かけて添加した。その後、3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて80℃まで昇温し、80℃を保持したまま粒子成長反応を継続した。この状態で「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)にて会合粒子の粒径を測定し、体積基準のメジアン径(D50)が6.5μmになった時点で、ポリエステル樹脂微粒子分散液〔1〕30質量部(固形分換算)を30分間かけて投入し、反応液の上澄みが透明になった時点で、塩化ナトリウム190質量部をイオン交換水760質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させた。さらに、昇温を行い、90℃の状態で加熱撹拌することにより、粒子の融着を進行させ、トナーの平均円形度の測定装置「FPIA−2100」(Sysmex社製)を用いて(HPF検出数を4000個)測定した平均円形度が0.945になった時点で30℃に冷却し、トナー母体粒子の分散液を調製した。
このトナー母体粒子の分散液を遠心分離機で固液分離し、トナー母体粒子のウェットケーキを形成し、このウェットケーキを、前記遠心分離機で濾液の電気伝導度が5μS/cmになるまで35℃のイオン交換水で洗浄し、その後「フラッシュジェットドライヤー」(セイシン企業社製)に移し、水分量が0.5質量%となるまで乾燥することにより、トナー母体粒子〔5〕を作製した。
トナー母体粒子の製造例1の(3)トナー母体粒子の作製において、結着樹脂微粒子分散液〔1〕の代わりに、下記の通りに調製したビニル変性ポリエステル樹脂微粒子分散液〔1〕を用いたことの他は同様にして、トナー母体粒子〔6〕を作製した。
(1)ビニル変性ポリエステル樹脂の合成
窒素導入管、脱水管、撹拌器および熱電対を装備した容量10リットルの四つ口フラスコに、
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 480質量部
テレフタル酸 130質量部
フマル酸 85質量部
エステル化触媒(オクチル酸スズ) 2質量部
を入れ、230℃で8時間縮重合反応させ、さらに、8kPaで1時間反応させ、160℃まで冷却した後、
アクリル酸 8.6質量部
スチレン 131質量部
ブチルアクリレート 30質量部
重合開始剤(ジ−t−ブチルパーオキサイド) 10質量部
の混合物を滴下ロートにより1時間かけて滴下し、滴下後、160℃に保持したまま、1時間付加重合反応を継続させた後、200℃に昇温し、10kPaで1時間保持した後、アクリル酸、スチレン、ブチルアクリレートを除去することにより、ビニル変性ポリエステル樹脂を得た。このビニル変性ポリエステル樹脂は、ガラス転移点(Tg)が60℃、数平均分子量が3,000、重量平均分子量が18,000であった。
(2)ポリエステル樹脂粒子分散液の調製
得られたビニル変性ポリエステル樹脂100質量部を、「ランデルミル 形式:RM」(徳寿工作所社製)で粉砕し、予め作製した0.26質量%濃度のラウリル硫酸ナトリウム溶液638質量部と混合し、撹拌しながら超音波ホモジナイザー「US−150T」(日本精機製作所製)を用いてV−LEVEL、300μAで30分間超音波分散し、体積基準のメジアン径(D50)が170nmであるビニル変性ポリエステル樹脂微粒子分散液〔1〕を調製した。
三角フラスコに純水347.4gを計りとり、撹拌下でテトラメトキシシラン102.6gを加え、そのまま1時間撹拌し、オルトケイ酸テトラメチル(TMOS)加水分解液450gを作製した。
次に、撹拌機と、滴下ロートと、温度計とを備えた3リットルのガラス製反応器に、水2250gと、エチレンジアミン36g(仕込み量)とを入れて混合した。この溶液を35℃となるように調整し、撹拌しながらTMOS加水分解液を2.5mL/分で添加した。
添加が終了したら、その状態で30分間保持した後、エチレンジアミンの1mmol/g水溶液4.5gを加えpHを8〜9に調整した。
以後、pH8を保持するようにアルカリ触媒を適宜添加しながら、3時間ごとにTMOS加水分解液を所定の速度で添加を継続した。
それらの滴下が終了した後も、更に0.5時間撹拌を継続して加水分解、縮合を行うことにより、親水性の球状シリカ微粒子の混合媒体分散液〔A〕を得た。
この混合媒体分散液〔A〕に室温でメチルトリメトキシシラン4gを0.5時間かけて滴下した後、50℃に加熱して1時間反応させ、シリカ微粒子表面を疎水化処理することにより、疎水性の球状シリカ微粒子の混合媒体分散液〔B〕を得た。
次いで、ガラス製反応器にエステルアダプターと冷却管とを取り付け、混合媒体分散液〔B〕を100℃に加熱して水を留去し、その後、メチルイソブチルケトン0.65gを添加しながら、メタノールと水とメチルイソブチルケトンとの混合物を同時に、この分散液が115℃になるまで留去した。得られたメチルイソブチルケトン分散液に、室温において、オクチルトリメトキシシシラン82.5gを添加した後、この分散液を110℃に加熱し、3時間反応させることにより、分散液中のシリカ微粒子をアルキル化した。次いで、この分散液中の溶媒を80℃、減圧下(6.650Pa)で留去することにより、疎水性の球状シリカ微粒子155gを得た。これを外添剤〔1〕とする。
外添剤の製造例1において、エチレンジアミンの仕込み量と、TMOS加水分解液の添加速度を下記表3に従って変更したことの他は同様にして、外添剤〔2〕〜〔4〕を得た。
表4の処方に従って、上記のトナー母体粒子〔1〕〜〔6〕に外添剤〔1〕〜外添剤〔6〕を組み合わせて添加し、ヘンシェルミキサーを用いて撹拌周速を40m/s、20分間混合処理することにより、トナー〔1〕〜〔10〕を作製した。
表4において、外添剤〔5〕、外添剤〔6〕は、それぞれ以下の通りのものである。
・外添剤〔5〕
疎水性シリカ(HMDS処理、疎水化度72%、個数平均一次粒子径=40nm)
・外添剤〔6〕
疎水性酸化チタン(HMDS処理、疎水化度55%、個数平均一次粒子径=20nm)
また、表4に、特定形状の接合体粒子(a)の含有割合、すなわち外添剤〔1〕および外添剤〔2〕の合計の含有割合を示す。
トナー〔1〕〜〔10〕の各々に対して、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径35μmのフェライトキャリアをトナー濃度が7.5質量%となるよう混合することにより、現像剤〔1〕〜〔10〕を調製した。
高温高湿環境(温度30℃、相対湿度80%RH)下において、市販のデジタルカラー複合機「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタ社製)に上記の現像剤〔1〕〜〔10〕を順次装填した装置によって、プリント用紙(転写材:A4の上質紙(坪量64g/m2 ))上に、印字率5%の文字画像を10,000枚プリントする耐久試験を行った。
耐久試験前および耐久試験後に、それぞれ、10cm角のベタ画像をプリントし、ベタ画像の任意の10カ所の画像濃度を反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)によって測定し、その平均濃度を算出した。耐久試験前に形成したベタ画像の平均濃度をW1、耐久試験後に形成したベタ画像の平均濃度をW2とする。そして、画像濃度の変動幅Δを(W2−W1)によって算出し、これにより耐久劣化の度合いを評価した。結果を表4に示す。画像濃度の変動幅Δが0.15以下である場合を本発明において合格と判断した。
印字されていないプリント用紙(白紙)の任意の20カ所の濃度を反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)によって測定し、その平均値を白紙濃度とした。一方、耐久試験後に、白紙をプリントし、白地部の任意の20カ所の濃度を反射濃度計「RD−918」(マクベス社製)によって測定し、その平均値を算出した。そして、平均濃度から白紙濃度を引いた値をカブリ濃度として算出し、これにより環境依存性を評価した。結果を表4に示す。カブリ濃度が0.10以下である場合を本発明において合格と判断した。
Claims (7)
- 結着樹脂を含有するトナー母体粒子に外添剤が添加されてなる静電荷像現像用トナーであって、
前記外添剤が、複数の球状の一次粒子が接合された二次粒子よりなる接合体粒子を含み、
前記接合体粒子が、二次粒子径d2が70nm以上400nm以下の範囲にあるものを少なくとも含み、
前記接合体粒子における二次粒子径d2が70nm以上400nm以下の範囲にあるもののうち、当該二次粒子径d2と当該接合体粒子における一次粒子の直径d1との比d2/d1が1.6以上4.2以下の範囲にあるものが50個数%以上であることを特徴とする静電荷像現像用トナー。 - 前記結着樹脂の酸価が、2KOHmg/g以上30KOHmg/g以下であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナー母体粒子を構成する結着樹脂が、ビニル樹脂を含有することを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナー母体粒子を構成する結着樹脂が、ビニル樹脂およびポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項3に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記トナー母体粒子を構成する結着樹脂が、ビニル重合セグメントとポリエステル重合セグメントとが結合してなるビニル変性ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項1〜請求項4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 接合体粒子における、二次粒子径d2が70nm以上400nm以下の範囲にあり、かつ、二次粒子径d2と当該接合体粒子における一次粒子の直径d1との比d2/d1が1.6以上4.2以下の範囲にあるものにおいて、当該一次粒子の直径d1が、30nm以上200nm以下の範囲であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記接合体粒子が、ゾルゲル法によって得られたシリカ粒子であることを特徴とする請求項1〜請求項6のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
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