JP2014056081A - 現像装置、及び画像形成装置 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】静電潜像担持体に対向配置され、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤を担持して現像領域に搬送する現像剤担持体を備える現像装置において、前記現像剤が、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有してなるトナー母体と、外添剤とを含有するトナーと、キャリアとを含み、前記外添剤として、一次粒子が複数個合着してなる合着粒子を含有し、前記キャリアの仕事関数Wcと、前記現像剤担持体の仕事関数Wsが下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする現像装置。
【選択図】なし
Description
近年、商用印刷、所謂プロダクションプリンティングの分野においても電子写真方式による画像形成装置が用いられるようになり、より高速、且つ高画質なフルカラー画像の形成が可能な画像形成装置が要望されている。
例えば、一成分現像方式においては、同一の画像パターンを連続出力した際に、帯状に画像濃度の低い部分が発生するという現象(フェーディング現象)が報告されている。このフェーディング現象は、主として、帯電量の低いトナーが現像剤担持体(現像スリーブ)表面との摩擦によって、現像スリーブ内のマグネットとトナー層厚を規制するブレード(ドクターブレード)とが形成する集中磁界をすり抜けてトナー層の一部として現像領域まで搬送され、現像電界を受けても静電潜像担持体上に移行しないことで発生する。そこで、特許文献1(特許第3005081号公報)、特許文献2(特許第3126433号公報)では、導電性微粒子乃至固体潤滑剤を含有する樹脂層で形成された、仕事関数測定における傾きγが10以上である表面層を有する現像スリーブと、重量平均粒径、微粉含有率、粗粉含有率、MI(メルトインデックス)値を特定の範囲に制御したトナーから構成される画像形成装置、又は前記現像スリーブと、シリコーンオイル又はシリコーンワニス処理した外添剤を有するトナーから構成される画像形成装置を用いることで、高温高湿環境においてもトナーを所望の値に安定して帯電させることができ、トナーと現像スリーブ表面との摩擦によらず、トナーと現像スリーブ間に働く鏡像力によって適正な帯電量のトナーのみを現像領域に搬送することでフェーディング現象を防止している。
本発明は、このような履歴現象を初期的にだけでなく、経時においても効果的に抑制し、高画質なフルカラー画像が得られる現像装置を提供することを目的とする。
静電潜像担持体に対向配置され、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤を担持して現像領域に搬送する現像剤担持体を備える現像装置において、
前記現像剤が、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有してなるトナー母体と、外添剤とを含有するトナーと、キャリアとを含み、
前記外添剤として、一次粒子が複数個合着してなる合着粒子を含有し、
前記キャリアの仕事関数Wcと、前記現像剤担持体の仕事関数Wsが下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする現像装置。
本発明の現像装置は、少なくともトナーと、キャリアとからなる現像剤と、現像剤担持体とを備える。
本発明の現像剤担持体は、前記式(1)の関係を満たすものであれば特に制限はなく、従来公知の様々な現像剤担持体を用いることができる。前記式(1)中の現像剤担持体の仕事関数Wsは、現像剤担持体を構成する表面材質により決まり、現像剤担持体を構成する材料としては、例えば、Al(Ws:3.7eV)、SUS(Ws:4.4eV)、TiN(Ws:4.7eV)等を用いることができる。
本発明のトナーは、トナー母体と、外添剤とを含み、更に必要に応じてその他の成分を含む。
前記外添剤としては、少なくとも一次粒子が複数個合着してなる合着粒子を含有すれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。
外添剤として合着粒子の粒度分布、及び割れ性を下記の特定の範囲に制御することにより、経時の撹拌ストレスに対してもトナー表面の合着粒子が埋没・離脱することなく保持され、トナー−現像剤担持体間の非静電的な付着力の増大が抑制され、トナー高速機においても経時に渡って履歴現象の発生を抑制することができる。
前記合着粒子は、一次粒子が複数個合着されてなる非球形の粒子、即ち、図1に示すように、一次粒子(符号1A〜1D)が複数合一し、それら一次粒子同士が重なり合う合着部分を有する粒子であり、単に一次粒子同士がその形状を維持しつつ凝集している状態とは異なる。なお、前記「合着粒子」を「二次粒子」と称することがある。
前記一次粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等の無機微粒子、有機微粒子などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリカが、トナー母体粒子への外添剤の埋没及び離脱を防ぐことができる点で好ましい。
前記二次粒子としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、図3の符号1に示すように、前記一次粒子を後述の処理剤により化学結合させた粒子(二次凝集させた粒子)が好ましく、前記一次粒子同士をゾルゲル法により化学結合させた粒子がより好ましく、具体的には、ゾルゲルシリカなどが挙げられる。
前記合着粒子の製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、ゾルゲル法により製造する方法が好ましく、具体的には、一次粒子と、処理剤とを混合乃至焼成することにより化学結合させて二次凝集させ、二次粒子(合着粒子)とすることにより製造する方法が好ましい。なお、前記ゾルゲル法により合成する際には、前記処理剤を共存させて、一段反応にて合着粒子を調製してもよい。下記に製造例の一例を示すが、これに限るものではない。
前記処理剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シラン系処理剤、エポキシ系処理剤などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。前記一次粒子として、シリカを用いた場合には、前記シラン系処理剤が形成するSi−O−Si結合の方が、前記エポキシ系処理剤が形成するSi−O−C結合よりも、熱に対して安定である点で、シラン系処理剤が好ましい。また、必要に応じて、処理助剤(水、1質量%酢酸水溶液等)を使用してもよい。
前記シラン系処理剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アルコキシシラン類(テトラメトキシシラン、テトラエトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、メチルジメトキシシラン、メチルジエトキシシラン、ジフェニルジメトキシシラン、イソブチルトリメトキシシラン、デシルトリメトキシシラン等);シランカップリング剤(γ−アミノプロピルトルエトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、γ−グリシドキシプロピルメチルジエトキシシラン、γ−メタクロキシプロピルトリメトキシシラン、γ−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリエトキシシラン、メチルビニルジメトキシシラン等);ビニルトリクロロシラン、ジメチルジクロロシラン、メチルビニルジクロロシラン、メチルフェニルジクロロシラン、フェニルトリクロロシラン、N,N’−ビス(トリメチルシリル)ウレア、N,O−ビス(トリメチルシリル)アセトアミド、ジメチルトリメチルシリルアミン、ヘキサメチルジシラザン、サイクリックシラザンの混合物などが挙げられる。
前記シラン系処理剤として、前記アルコキシシラン類、前記シラン系カップリング剤等を用いて前記シリカ一次粒子を処理した場合、下記式(A)に示すように、前記シリカ一次粒子に結合するシラノール基とシラン系処理剤に結合するアルコキシ基が反応し、脱アルコールにより、新たなSi−O−Si結合を形成して二次凝集する。
前記シラン系処理剤として、前記クロロシラン類を用いて前記シリカ一次粒子を処理した場合、前記クロロシラン類のクロル基と、前記シリカ一次粒子に結合するシラノール基とが脱塩化水素反応により、新たなSi−O−Si結合するシラノール基が脱水反応により、新たなSi−O−Si結合を形成して二次凝集する。また、前記シラン系処理剤として、前記クロロシラン類を用いて前記シリカ一次粒子を処理した場合、系に水が共存する際には、まずクロロシラン類が水に加水分解してシラノール基を生成し、該シラノール基とシリカ一次粒子に結合するシラノール基が脱水反応により、新たなSi−O−Si結合を形成して二次凝集する。
前記シラン系処理剤として、シラザン類を用いて前記シリカ一次粒子を処理した場合、アミノ基とシリカ一次粒子に結合するシラノール基が脱アンモニアすることにより、新たなSi−O−Si結合を形成して二次凝集する。
前記エポキシ系処理剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ビスフェノールA型エポキシ樹脂、ビスフェノールF型エポキシ樹脂、フエノールノボラック型エポキシ樹脂、クレゾールノボラック型エポキシ樹脂、ビスフェノールAノボラック型エポキシ樹脂、ビフェノール型エポキシ樹脂、グリシジルアミン型エポキシ樹脂、脂環式エポキシ樹脂などが挙げられる。
前記合着粒子の粒度分布指標として、下記式(2)を満たす粒子を用いることにより、合着粒子の粒度分布がシャープになる。これにより、外部ストレスによりトナー母体に埋没することなく、スペーサーとしての機能をする粒子の割合が高くなり、より効果的にトナー−現像剤担持体間の非静電的な付着力の増大を抑制して、履歴現象の発生を抑制することができる。
前記合着粒子は、下記式(3)を満たすことが好ましく、下記式(3−1)を満たすことがより好ましい。これにより、現像機内における撹拌ストレスに対しても、合着粒子を構成する一次粒子同士の凝集力(合着力)が維持されるため、トナー母体に埋没することなく、より効果的にトナー−現像剤担持体間の非静電的な付着力の増大を抑制して、初期だけでなく、経時においても履歴現象の発生を抑制することができる。
前記式(3)中、前記割れ乃至崩壊粒子とは、前記一次粒子として単独して存在する粒子を指し、前記ロッキングミルを用いて前記攪拌条件にて前記合着粒子を攪拌した後に割れ乃至崩壊が生じて一次粒子となった粒子、及び前記攪拌を行う前から前記一次粒子単独で存在していた粒子を含み、例えば、図3の符号2や図4〜5の黒枠内で示される粒子のように、前記一次粒子が合着されずに、粒子単独で存在している粒子などが挙げられる。
前記式(3)中、前記割れ乃至崩壊粒子の形状としては、粒子同士が合着されていない形状であれば特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、図3の符号2で示すように、略球状の状態で存在することが多い。
前記割れ乃至崩壊粒子の平均粒径の測定方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、走査電子顕微鏡(FE−SEM、加速電圧:5kV〜8kV、観察倍率:8,000倍〜10,000倍)にて視野中の前記割れ乃至崩壊粒子の粒径の平均値を計測(計測した粒子数:100個以上)することにより行う。
前記式(3)中、前記粒子1,000個中に占める割れ乃至崩壊粒子の個数を計測する際、前記走査電子顕微鏡にて複数個の粒子が合着されてなる合着粒子が確認された場合、前記合着粒子は、粒子1個として計測する。
前記式(3)中、前記50mLの瓶としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、市販されているガラス瓶(日電理化硝子株式会社製)などが挙げられる。
合着度は、前記合着粒子の一次粒子径、二次粒子径の測定において、1個の合着粒子の二次粒子径と、その合着粒子を構成する複数個の一次粒子の一次粒子径の平均値を求め、以下の式により求める。
合着度=二次粒子径/平均一次粒子径
100個以上の合着粒子について観察し、それそれの粒子の合着度を求め、合着度の平均値、及び合着度が1.3未満の割合を求める。
前記合着粒子の合着度の平均としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、1.5〜4.0が好ましい。前記合着度の平均が、1.5未満であると、非球形の外添剤としての機能が果たしきれず、合着粒子がトナー母体表面の凹部に移転し易くなり、特に経時でのトナー−現像剤担持体間の非静電的な付着力の増大を十分に抑制できず、履歴現象が発生し易くなる場合があるため、好ましくない。また、4.0を超えると、トナー母体から合着粒子が剥がれ易く、キャリア汚染や感光体に対して傷付けたりするため、経時での画像欠陥となることがあり、好ましくない。
前記トナーは、前記合着粒子の他に流動性改質や帯電量調整、電気特性の調整などを目的として各種の外添剤を添加することが出来る。外添剤としては、特に制限はなく、公知のものの中から目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、シリカ微粒子、疎水化されたシリカ微粒子、脂肪酸金属塩(例えばステアリン酸亜鉛、ステアリン酸アルミニウムなど);金属酸化物(例えばチタニア、アルミナ、酸化錫、酸化アンチモンなど)又はこれらの疎水化物、フルオロポリマーなどが挙げられる。これらの中でも、疎水化されたシリカ微粒子、チタニア粒子、疎水化されたチタニア微粒子、が好適に挙げられる。
その他の外添剤の含有量としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、トナー母体粒子100質量部に対して、0.3質量部〜3.0質量部が好ましい。
前記トナー母体粒子は、少なくとも結着樹脂、及び着色剤を含有する。さらに、必要に応じて離型剤、帯電制御剤、層状無機鉱物等を含有することができる。
前記結着樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、ポリエステル樹脂、シリコーン樹脂、スチレン・アクリル樹脂、スチレン樹脂、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、ジエン系樹脂、フェノール樹脂、テルペン樹脂、クマリン樹脂、アミドイミド樹脂、ブチラール樹脂、ウレタン樹脂、エチレン酢酸ビニル樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、低温定着性に優れ、画像表面を平滑化できる点で、低分子量化しても十分な可撓性を有する点で、ポリエステル樹脂、ポリエステル樹脂と上記他の結着樹脂とを組み合わせた樹脂が好ましい。
前記ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、未変性ポリエステル樹脂、変性ポリエステル樹脂が好ましい。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記未変性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、下記一般式(1)で表されるポリオールと、下記一般式(2)で表されるポリカルボン酸とをポリエステル化した樹脂、結晶性ポリエステル樹脂などが挙げられる。本発明により、履歴現象がより顕著となる、結晶性ポリエステル樹脂を用いた低温定着性に優れたトナーを搭載した高速機においても、同様に経時に渡って履歴現象の発生を抑制できる現像装置、画像形成装置を提供することができる。
ただし、前記一般式(2)中、Bは、炭素数1〜20のアルキル基、アルキレン基、置換基を有してもよい芳香族基又はヘテロ環芳香族基を表し、nは、2〜4の整数を表す。
前記ポリエステル樹脂として、結晶性ポリエステル樹脂を含有することができる。
結晶性ポリエステル樹脂は、例として、アルコール成分として炭素数2〜12の飽和脂肪族ジオール化合物、特に1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1、−8オクタンジオール、1,10−デカンジオール、1,12ドデカンジオールおよびこれらの誘導体と、少なくとも酸性分として二重結合(C=C結合)を有する炭素数2〜12のジカルボン酸、もしくは、炭素数2〜12の飽和ジカルボン酸、特にフマル酸、1,4−ブタン二酸、1,6−ヘキサン二酸、1、−8オクタン二酸、1,10−デカン二酸、1,12ドデカン二酸およびこれらの誘導体を用いて合成される結晶性ポリエステルが好ましい。
前記変性ポリエステル樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、活性水素基含有化合物、前記活性水素基含有化合物と反応可能なポリエステル(以下、「ポリエステルプレポリマー」と称することがある)とを、伸長反応及び/又は架橋反応して得られる樹脂などが挙げられる。前記伸長反応及び/又は架橋反応は、必要に応じて、反応停止剤(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン、ケチミン化合物等のモノアミンをブロックしたものなど)により停止させてもよい。
前記活性水素基含有化合物は、水相中で、前記ポリエステルプレポリマーが伸長反応、架橋反応等する際の伸長剤、架橋剤等として作用する。
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体としては、前記活性水素基含有化合物と反応可能な基を少なくとも有する重合体であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、溶融時の高流動性、透明性に優れ、高分子成分の分子量を調節し易く、乾式トナーにおけるオイルレス低温定着性、離型性に優れる点で、ウレア結合生成基含有ポリエステル樹脂(RMPE)が好ましく、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーがより好ましい。
前記活性水素基含有化合物と反応可能な重合体の合成方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーの場合、前記ポリオールと前記ポリカルボン酸とを公知のエステル化触媒(チタンテトラブトキシド、ジブチルチンオキサイド等)の存在下、150℃〜280℃に加熱し、必要により適宜減圧しながら生成し、水を溜去して水酸基含有ポリエステルを得た後に、40℃〜140℃にて、前記水酸基含有ポリエステルに前記ポリイソシアネートを反応させることにより合成する方法などが挙げられる。
本発明のトナーに用いられる着色剤としては、特に制限はなく、公知の着色剤から目的に応じて適宜選択することができる。
前記離型剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、植物系ワックス(カルナバワックス、綿ロウ、木ロウ、ライスワックス等)、動物系ワックス(ミツロウ、ラノリン等)、鉱物系ワックス(オゾケライト、セルシン等)、石油ワックス(パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトロラタム等)等のロウ類及びワックス類;合成炭化水素ワックス(フィッシャー・トロプシュワックス、ポリエチレンワックス等)、合成ワックス(エステル、ケトン、エーテル等)等の天然ワックス以外のもの;1,2−ヒドロキシステアリン酸アミド、ステアリン酸アミド、無水フタル酸イミド、塩素化炭化水素等の脂肪酸アミド;低分子量の結晶性高分子であるポリメタクリル酸n−ステアリル、ポリメタクリル酸n−ラウリル等のポリアクリレートのホモポリマー又はコポリマー(アクリル酸n−ステアリルーメタクリル酸エチル共重合体等)等の側鎖に長鎖アルキル基を有する結晶性高分子;などが挙げられる。これらの中でも、定着ローラとトナー界面の間で離型剤として効果的に作用することができるため、定着ローラにオイル等の離型剤を塗布しなくても高温耐オフセット性を向上させることができる点で、融点が50℃〜120℃のワックスが好ましい。
また、トナーに適切な帯電能を付与するために、必要に応じて帯電制御剤をトナーに含有させることも可能である。
帯電制御剤としては、公知の帯電制御剤がいずれも使用可能である。有色材料を用いると色調が変化することがあるため、無色乃至白色に近い材料が好ましく、例えば、トリフェニルメタン系染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体又はその化合物、タングステンの単体又はその化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸の金属塩、サリチル酸誘導体の金属塩などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記層状無機鉱物としては、数nmの厚みの層が積層された無機鉱物であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、モンモリロナイト、ベントナイト、ヘクトライト、アタパルジャイト、セピオライト、これらの混合物などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよく、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、トナーを造粒する際に異形化でき、電荷調節機能を果たすと共に、低温定着に優れる点で、変性層状無機鉱物が好ましく、モンモリロナイト系の基本結晶構造を持つ層状無機鉱物を有機カチオンで変性させた変性層状無機鉱物がより好ましく、トナー特性に影響を与えず、容易に粘度調整ができる点で、有機変性モンモリロナイト、ベントナイトが特に好ましい。
本発明におけるトナーの製法や材料は、条件を満たしていれば公知のものが全て使用可能であり、特に限定されるものではないが、例えば、混練粉砕法や、水系媒体中にてトナー粒子を造粒する、いわゆるケミカル工法がある。
前記ケミカル工法としては、例えば、モノマーを出発原料として製造する懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法、分散重合法等;樹脂や樹脂前駆体を有機溶剤などに溶解して水系媒体中にて分散乃至乳化させる溶解懸濁法;溶解懸濁法において、活性水素基と反応可能な官能基を有する樹脂前駆体(反応性基含有プレポリマー)を含む油相組成物を、樹脂微粒子を含む水系媒体中に乳化乃至分散させ、該水系媒体中で、活性水素基含有化合物と、前記反応性基含有プレポリマーとを反応させる方法(製造方法(I));樹脂や樹脂前駆体と適当な乳化剤からなる溶液に水を加えて転相させる転相乳化法;これらの工法によって得られた樹脂粒子を水系媒体中に分散させた状態で凝集させて加熱溶融等により所望サイズの粒子に造粒する凝集法などが挙げられる。これらの中でも、溶解懸濁法、前記製造方法(I)、凝集法で得られるトナーが、結晶性樹脂による造粒性(粒度分布制御や、粒子形状制御等)の観点から好ましく、前記製造方法(I)で得られるトナーがより好ましい。
以下に、これらの製法についての詳細な説明をする。
前記粉砕及び分級が終了した後に、粉砕物を遠心力などで気流中に分級し、所定の粒径のトナー母体粒子を製造することができる。
該有機溶剤としては、例えば、酢酸エチル、酢酸ブチル、メトキシブチルアセテート、メチルセロソルブアセテート、エチルセロソルブアセテート等のエステル系又はエステルエーテル系溶剤、ジエチルエーテル、テトラヒドロフラン、ジオキサン、エチルセロソルブ、ブチルセロソルブ、プロピレングリコールモノメチルエーテル等のエーテル系溶剤、アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン、ジ−n−ブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、メタノール、エタノール、n−プロパノール、イソプロパノール、n−ブタノール、イソブタノール、t−ブタノール、2−エチルヘキシルアルコール、ベンジルアルコール等のアルコール系溶剤、これらの2種以上の混合溶剤が挙げられる。
該乳化剤又は分散剤としては、公知の界面活性剤、水溶性ポリマー等を用いることができる。該界面活性剤としては、特に制限はなく、アニオン界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸、リン酸エステル等)、カチオン界面活性剤(四級アンモニウム塩型、アミン塩型等)、両性界面活性剤(カルボン酸塩型、硫酸エステル塩型、スルホン酸塩型、リン酸エステル塩型等)、非イオン界面活性剤(AO付加型、多価アルコール型等)等が挙げられる。界面活性剤は、1種単独又は2種以上の界面活性剤を併用してもよい。
該水溶性ポリマーとしては、セルロース系化合物(例えば、メチルセルロース、エチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、エチルヒドロキシエチルセルロース、カルボキシメチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース及びそれらのケン化物など)、ゼラチン、デンプン、デキストリン、アラビアゴム、キチン、キトサン、ポリビニルアルコール、ポリビニルピロリドン、ポリエチレングリコール、ポリエチレンイミン、ポリアクリルアミド、アクリル酸(塩)含有ポリマー(ポリアクリル酸ナトリウム、ポリアクリル酸カリウム、ポリアクリル酸アンモニウム、ポリアクリル酸の水酸化ナトリウム部分中和物、アクリル酸ナトリウム−アクリル酸エステル共重合体)、スチレン−無水マレイン酸共重合体の水酸化ナトリウム(部分)中和物、水溶性ポリウレタン(ポリエチレングリコール、ポリカプロラクトンジオール等とポリイソシアネートの反応生成物等)などが挙げられる。
また、乳化又は分散の助剤として、上記の有機溶剤及び可塑剤等を併用することもできる。
(a)ビニルモノマーを出発原料として、懸濁重合法、乳化重合法、シード重合法及び分散重合法のいずれかの重合反応により、直接、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。(b)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液を適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱又は硬化剤を添加して硬化させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(c)ポリエステル樹脂、ポリウレタン樹脂、エポキシ樹脂等の重付加乃至縮合系樹脂の前駆体(モノマー、オリゴマー等)又はその溶剤溶液(液体であることが好ましく、加熱により液状化してもよい。)中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(d)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を機械回転式又はジェット式等の微粉砕機を用いて粉砕し、分級することによって樹脂微粒子を得た後、適当な分散剤の存在下、水中に分散させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(e)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を霧状に噴霧することにより樹脂微粒子を形成した後、樹脂微粒子を適当な分散剤の存在下、水中に分散させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(f)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液に貧溶剤を添加する、又は予め溶剤に加熱溶解させた樹脂溶液を冷却することにより樹脂微粒子を析出させ、溶剤を除去して樹脂微粒子を形成した後、樹脂微粒子を適当な分散剤の存在下、水中に分散させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(g)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液を、適当な分散剤の存在下、水性媒体中に分散させた後、加熱、減圧等によって溶剤を除去して、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
(h)予め重合反応(例えば、付加重合、開環重合、重付加、付加縮合、縮合重合等)により合成した樹脂を溶剤に溶解させた樹脂溶液中に適当な乳化剤を溶解させた後、水を加えて転相乳化させて、樹脂微粒子の水性分散液を調製する方法。
前記金属塩としては特に制限はなく、ナトリウム、カリウム等の塩を構成する一価の金属;カルシウム、マグネシウム等の塩を構成する二価の金属;アルミニウム等の塩を構成する三価の金属などが挙げられる。
前記塩を構成する陰イオンとしては、例えば、塩化物イオン、臭化物イオン、ヨウ化物イオン、炭酸イオン、硫酸イオンが挙げられ、これらの中でも、塩化マグネシウムや塩化アルミニウム及びその複合体や多量体が好ましい。
また、凝集の途中や凝集完了後に加熱することで樹脂微粒子同士の融着を促進することができ、トナーの均一性の観点から好ましい。さらに、加熱によりトナーの形状を制御することができ、通常、より加熱すればトナーは球状に近くなっていく。
添加剤の混合は一般の粉体の混合機が用いられるがジャケット等装備して、内部の温度を調節できることが好ましい。なお、添加剤に与える負荷の履歴を変えるには、途中又は漸次添加剤を加えていけばよい。この場合、混合機の回転数、転動速度、時間、温度等を変化させてもよい。又はじめに強い負荷を、次に、比較的弱い負荷を与えてもよいし、その逆でもよい。使用できる混合設備としては、例えば、V型混合機、ロッキングミキサー、レーディゲミキサー、ナウターミキサー、ヘンシェルミキサー等が挙げられる。次いで、250メッシュ以上の篩を通過させて、粗大粒子、凝集粒子を除去し、トナーが得られる。
前記平均円形度が、0.950未満であると、満足できる転写性やチリのない高画質画像が得られないことがあり、0.980を超えると、ブレードクリーニング等を採用している画像形成システムでは、感光体上及び転写ベルト等のクリーニング不良が発生し、画像上の汚れ、例えば、写真画像等の画像面積率の高い画像形成の場合において、給紙不良等で未転写の画像を形成したトナーが感光体上に転写残トナーとなって蓄積した画像の地汚れが発生してしまうことがあり、あるいは、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまうことがある。
前記体積平均粒径、及び前記体積平均粒径と個数平均粒径との比(体積平均粒径/個数平均粒径)は、粒度測定器(「マルチサイザーIII」、ベックマンコールター社製)を用い、アパーチャー径100μmで測定し、解析ソフト(Beckman CoulterMutlisizer 3 Version3.51)にて解析を行った。具体的には、ガラス製100mlビーカーに10質量%界面活性剤(アルキルベンゼンスフォン酸塩、ネオゲンSC−A、第一工業製薬株式会社製)を0.5ml添加し、各トナー0.5g添加しミクロスパーテルでかき混ぜ、次いでイオン交換水80mlを添加した。得られた分散液を超音波分散器(W−113MK−II、本多電子株式会社製)で10分間分散処理した。前記分散液を前記マルチサイザーIIIを用い、測定用溶液としてアイソトンIII(ベックマンコールター社製)を用いて測定を行った。測定は装置が示す濃度が8±2%になるように前記トナーサンプル分散液を滴下した。本測定法は粒径の測定再現性の点から前記濃度を8±2%にすることが重要である。この濃度範囲であれば粒径に誤差は生じない。
本発明における現像剤は、トナーとキャリアを含有してなる二成分現像剤である。近年の情報処理速度の向上に対応した高速プリンタ等に使用する場合には、寿命向上等の点で前記二成分現像剤が好ましい。
前記トナーを用いた前記二成分現像剤は、長期にわたるトナーの収支が行われても、現像剤中のトナー粒子径の変動が少なく、現像手段における長期の撹拌においても、良好で安定した現像性が得られる。
本発明のキャリアとしては、前記式(1)を満たすものであれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、芯粒子と、該芯粒子を被覆する樹脂層(被覆層)とを有するものが好ましい。更に、磁性を有する芯粒子と、該芯粒子を被覆する被覆層とを有し、形状係数SF−2が115〜150であり、且つ、嵩密度が1.8〜2.4g/cm3であり、前記芯粒子の形状係数SF−2が120〜160であり、前記芯粒子の算術平均表面粗さRaが0.5〜1.0μmであり、前記被覆層が、樹脂及び無機微粒子を含有し、該樹脂100質量部に対して、該無機微粒子を50〜500質量部の割合で含有することが好ましい。
上記特定の形状、嵩密度等を有するキャリアと組み合わせることで、低温定着性に優れたトナーを搭載した画像形成装置においても、同様に履歴現象の発生を抑制することができる。
前記芯粒子としては、磁性を有する芯粒子であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、鉄、コバルト等の強磁性金属;マグネタイト、ヘマタイト、フェライト等の酸化鉄;各種合金、化合物等の磁性体を樹脂中に分散させた樹脂粒子などが挙げられる。これらの中でも、環境面への配慮の点で、Mn系フェライト、Mn−Mg系フェライト、Mn−Mg−Sr系フェライトなどが好ましい。
前記芯粒子は、形状係数SF−1により規定される。
前記SF−1は、粒子の丸さの度合いを規定する。
前記SF−1の値が大きくなると、粒子の形状が円(球形)から離れる。
SF−1=(L2/A)×(π/4)×100 ・・・(I)
ただし、前記式(I)中、Lは、粒子の絶対最大長(外接円の長さ)を表し、Aは、粒子の投影面積を表す。
前記芯粒子は、形状係数SF−2により規定される。
前記SF−2は、粒子の凹凸の度合いを規定する。
前記SF−2の値が大きくなると、粒子の表面の凹凸の起伏が激しくなる。
SF−2=(P2/A)×(1/4π)×100 ・・・(II)
ただし、前記式(II)中、Pは、芯粒子の周囲長を表し、Aは、芯粒子の投影面積を表す。
前記芯粒子の算術平均表面粗さRaは、前記芯粒子の表面粗さを規定する。
前記芯粒子の算術平均表面粗さRaとしては、0.5μm〜1.0μmが好ましく、0.6μm〜0.9μmがより好ましい。前記芯粒子の算術平均表面粗さRaが0.5μm未満である場合、被覆層を形成した後のキャリアの算術平均表面粗さが小さくなり過ぎて、キャリアとトナーとの接点が減少し、トナー−キャリア間の付着力が適正に働かず、トナーが現像剤担持体上に付着して残留し、履歴現象が発生し易くなる場合があり、好ましくない。前記芯粒子の算術平均表面粗さRaが1.0μmを超える場合、被覆層を形成した後のキャリアの算術平均表面粗さが大きくなり過ぎて、長期間現像装置内で使用した際に、凸部での被覆層の磨耗が顕著になり、初期抵抗値からの経時での抵抗値の変化が大きくなり、静電潜像担持体上のトナー量、トナー像の形成のされ方が変動し、画像濃度が変動する場合があり、好ましくない。
前記芯粒子の重量平均粒径Dwは、レーザー回折乃至散乱法によって求めた前記芯粒子の粒度分布における積算値50%での粒径をいう。前記芯粒子の重量平均粒径Dwとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm〜80μmが好ましい。
Dw={1/Σ(nD3)}×{Σ(nD4)} ・・・(III)
ただし、前記式(III)中、Dは、各チャネルに存在する芯粒子の代表粒径(μm)を表し、nは、各チャネルに存在する芯粒子の総数を表す。
[測定条件]
[1]粒径範囲:100μm〜8μm
[2]チャネル長さ(チャネル幅):2μm
[3]チャネル数:46
[4]屈折率:2.42
前記被覆層は、樹脂、及びフィラーを含有する被覆層形成溶液により形成され、前記フィラーとしては無機微粒子が好ましい。
前記被覆層としては、前記樹脂100質量部に対して、前記フィラーを50質量部〜500質量部の割合で含有する被覆層であれば、特に制限はなく目的に応じて適宜選択することができるが、前記樹脂100質量部に対して、前記フィラーを100質量部〜300質量部の割合で含有する被覆層が好ましい。前記フィラーの含有量が、50質量部未満であると、前記被覆層が削れることがあり、500質量部を超えると、前記キャリアの表面に出てくる樹脂の割合が相対的に小さくなり、トナーがキャリア表面にスペントし易くなることがある。一方、前記含有量が、前記好ましい範囲であると、現像機で長期間使用した際に、被覆層が削れにくい点で有利である。
前記樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、アクリル樹脂、アミノ樹脂、ポリビニル系樹脂、ポリスチレン系樹脂、ハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエステル、ポリカーボネート、ポリエチレン、ポリフッ化ビニル、ポリフッ化ビニリデン、ポリトリフルオロエチレン、ポリヘキサフルオロプロピレン、フッ化ビニリデンとフッ化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンとフッ化ビニリデンと非フッ化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、シリコーン樹脂などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シリコーン樹脂が好ましい。
前記シリコーン樹脂としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、少なくとも下記一般式(A)で表されるA部分、及び下記一般式(B)で表されるB部分を含む共重合体を加水分解し、シラノール基を生成して縮合することにより得られる架橋物を含有する樹脂が好ましい。
前記シランカップリング剤は、前記フィラーを安定して分散させることができる。
前記シランカップリング剤としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、r−(2−アミノエチル)アミノプロピルトリメトキシシラン、r−(2−アミノエチル)アミノプロピルメチルジメトキシシラン、r−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン、N−β−(N−ビニルベンジルアミノエチル)−r−アミノプロピルトリメトキシシラン塩酸塩、r−グリシドキシプロピルトリメトキシシラン、r−メルカプトプロピルトリメトキシシラン、メチルトリメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、r−クロルプロピルトリメトキシシラン、ヘキサメチルジシラザン、r−アニリノプロピルトリメトキシシラン、ビニルトリメトキシシラン、オクタデシルジメチル[3−(トリメトキシシリル)プロピル]アンモニウムクロライド、r−クロルプロピルメチルジメトキシシラン、メチルトリクロルシラン、ジメチルジクロロシラン、トリメチルクロロシラン、アリルトリエトキシシラン、3−アミノプロピルメチルジエトキシシラン、3−アミノプロピルトリメトキシシラン、ジメチルジエトキシシラン、1,3−ジビニルテトラメチルジシラザン、メタクリルオキシエチルジメチル(3−トリメトキシシリルプロピル)アンモニウムクロライドなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
前記フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、導電性フィラー、非導電性フィラーなどが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、前記被覆層に、導電性フィラー及び非導電性フィラーを含有させることが好ましい。
前記非導電性フィラーは、粉体比抵抗値が100Ω・cmを超えるフィラーを指す。
前記フィラーの粉体比抵抗値の測定は、粉体抵抗測定システム(MCP−PD51、ダイアインスツルメンツ社製)及び抵抗率計(4端子4探針方式、ロレスタ−GP、三菱化学アナリテック社製)を使用して、試料1.0g、電極間隔3mm、試料半径10.0mm、荷重20kNの条件にて測定することにより行った。
前記導電性フィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、酸化亜鉛、硫酸バリウム、酸化珪素、酸化ジルコニウム等の基体に二酸化スズや酸化インジウムを層として形成する導電性フィラー;カーボンブラックを用いて形成する導電性フィラーなどが挙げられる。これらの中でも、酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸バリウムを含有する導電性フィラーが好ましい。
前記非導電性のフィラーとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸バリウム、酸化亜鉛、二酸化珪素、酸化ジルコニウム等を用いて形成する非導電性フィラーなどが挙げられる。これらの中でも、酸化アルミニウム、酸化チタン、硫酸バリウムを含有する非導電性フィラーが好ましい。
前記フィラーの個数平均粒径としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記被覆層に含有される樹脂の表面からフィラーが出やすくなり、部分的な低抵抗を作りやすく、キャリア表面のスペント物を掻き取り易く、耐摩耗性に優れる点で、50nm〜800nmが好ましく、200nm〜700nmがより好ましい。前記フィラーの個数平均粒径の測定は、走査電子顕微鏡(例えば、FE−SEM(S−800)、日立製作所社製)を用いて10,000倍に拡大したフィラーの粒子像を100個無作為にサンプリングして粒径を測定し、その個数平均粒径を用いた。
前記その他の成分としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、前記被覆層に、触媒を含有させることが好ましく、溶剤、硬化剤などを含有させてもよい。
前記触媒としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、チタン系触媒、スズ系触媒、ジルコニウム系触媒、アルミニウム系触媒などが挙げられ、具体的には、これらのアセチルアセトナト錯体、アルキルアセトアセタト錯体、サリチルアルデヒダト錯体などが挙げられる。これらは、1種単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。これらの中でも、シラノール基の縮合反応を促進する効果が大きく、且つ触媒が失活しにくい点で、チタン系触媒が好ましく、チタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)がより好ましい。
前記キャリアの製造方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、流動床型コーティング装置を使用して、前記芯粒子の表面に、前記樹脂及び前記フィラーを含有する被覆層形成溶液を塗布することにより製造する方法が好ましい。なお、前記被覆層形成溶液を塗布する際に、前記被覆層に含有される樹脂の縮合を進めてもよいし、前記被覆層形成溶液を塗布した後に、前記被覆層に含有される樹脂の縮合を進めてもよい。前記樹脂の縮合方法としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、前記被覆層形成溶液に、熱、光等を付与して樹脂を縮合する方法などが挙げられる。
前記式(1)中のキャリアの仕事関数Wcは、例えば、前記シランカップリング剤の種類、及び添加量、前記被覆層を構成する樹脂の種類、前記フィラーの種類、添加量を変更すること等により、所望の値に制御することができる。
前記キャリアは、形状係数SF−2により規定される。
前記SF−2は、粒子の凹凸の度合いを規定する。
前記SF−2の値が大きくなると、粒子の表面の凹凸の起伏が激しくなる。
SF−2=(P2/A)×(1/4π)×100 ・・・(IV)
ただし、前記式(IV)中、Pは、キャリアの周囲長を表し、Aは、キャリアの投影面積を表す。
前記キャリアの嵩密度としては、嵩密度が、1.80g/cm3〜2.40g/cm3であれば、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができる。前記嵩密度が、1.80g/cm3未満であると、キャリアが静電潜像担持体に付着するいわゆるキャリア付着を生じやすくなり、2.40g/cm3を超えると、現像機内での攪拌ストレスが大きくなり、キャリアの抵抗変化が大きくなることがある。
前記キャリアの重量平均粒径Dwは、レーザー回折・散乱法によって求めた前記芯粒子の粒度分布における積算値50%での粒径をいう。前記キャリアの重量平均粒径Dwとしては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、10μm〜80μmが好ましい。
Dw={1/Σ(nD3)}×{Σ(nD4)} ・・・(V)
ただし、前記式(V)中、Dは、各チャネルに存在するキャリアの代表粒径(μm)を表し、nは、各チャネルに存在するキャリアの総数を表す。
[測定条件]
[1]粒径範囲:100μm〜8μm
[2]チャネル長さ(チャネル幅):2μm
[3]チャネル数:46
[4]屈折率:2.42
本発明に用いられる画像形成方法は、静電潜像形成工程(帯電工程と露光工程)と、現像工程と、転写工程と、定着工程とを少なくとも含み、更に必要に応じて適宜選択したその他の工程、例えば、除電工程、クリーニング工程、リサイクル工程、制御工程等を含む。
本発明の画像形成装置は、静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有してなり、更に必要に応じて適宜選択したその他の手段、例えば、除電手段、クリーニング手段、リサイクル手段、制御手段等を有してなる。前記現像手段が、本発明の現像装置である。
前記静電潜像形成工程は、静電潜像担持体上に静電潜像を形成する工程である。
前記静電潜像担持体(「電子写真感光体」、「感光体」と称することがある)としては、その材質、形状、構造、大きさ、等について特に制限はなく、公知のものの中から適宜選択することができるが、その形状としてはドラム状が好適に挙げられ、その材質としては、例えばアモルファスシリコン、セレン等の無機感光体、ポリシラン、フタロポリメチン等の有機感光体(OPC)、等が挙げられる。これらの中でも、長寿命性の点でアモルファスシリコン等が好ましい。
前記静電潜像形成手段は、例えば、前記静電潜像担持体の表面を一様に帯電させる帯電手段(帯電器)と、前記静電潜像担持体の表面を像様に露光する露光手段(露光器)とを少なくとも備える。
前記帯電器としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、導電性又は半導電性のロール、ブラシ、フィルム、ゴムブレード等を備えたそれ自体公知の接触帯電器、コロトロン、スコロトロン等のコロナ放電を利用した非接触帯電器、等が挙げられる。
前記帯電器としては、静電潜像担持体に接触乃至非接触状態で配置され、直流及び交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
また、前記帯電器が、静電潜像担持体にギャップテープを介して非接触に近接配置された帯電ローラであり、該帯電ローラに直流並びに交流電圧を重畳印加することによって静電潜像担持体表面を帯電するものが好ましい。
前記露光器としては、前記帯電器により帯電された前記静電潜像担持体の表面に、形成すべき像様に露光を行うことができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、例えば、複写光学系、ロッドレンズアレイ系、レーザー光学系、液晶シャッタ光学系、等の各種露光器が挙げられる。
なお、本発明においては、前記静電潜像担持体の裏面側から像様に露光を行う光背面方式を採用してもよい。
前記現像工程は、前記静電潜像を、前記現像剤を用いて現像して可視像を形成する工程である。
前記可視像の形成は、例えば、前記静電潜像を前記現像剤を用いて現像することにより行うことができ、前記現像手段により行うことができる。
前記現像手段は、例えば、前記現像剤を収容し、前記静電潜像に該現像剤を接触又は非接触的に付与可能な現像器を少なくとも有するものが好適であり、現像剤入り容器を備えた現像器等がより好ましい。
前記現像器内では、例えば、前記トナーと前記キャリアとが混合攪拌され、その際の摩擦により該トナーが帯電し、回転するマグネットローラの表面に穂立ち状態で保持され、磁気ブラシが形成される。該マグネットローラは、前記静電潜像担持体(感光体)近傍に配置されているため、該マグネットローラの表面に形成された前記磁気ブラシを構成する前記トナーの一部は、電気的な吸引力によって該静電潜像担持体(感光体)の表面に移動する。その結果、前記静電潜像が該トナーにより現像されて該静電潜像担持体(感光体)の表面に該トナーによる可視像が形成される。
前記転写工程は、前記可視像を記録媒体に転写する工程であるが、中間転写体を用い、該中間転写体上に可視像を一次転写した後、該可視像を前記記録媒体上に二次転写する態様が好ましく、前記トナーとして二色以上、好ましくはフルカラートナーを用い、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写工程と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写工程とを含む態様がより好ましい。
前記転写は、例えば、前記可視像を転写帯電器を用いて前記静電潜像担持体(感光体)を帯電することにより行うことができ、前記転写手段により行うことができる。前記転写手段としては、可視像を中間転写体上に転写して複合転写像を形成する第一次転写手段と、該複合転写像を記録媒体上に転写する第二次転写手段とを有する態様が好ましい。
なお、前記中間転写体としては、特に制限はなく、目的に応じて公知の転写体の中から適宜選択することができ、例えば、転写ベルト等が好適に挙げられる。
前記転写器としては、コロナ放電によるコロナ転写器、転写ベルト、転写ローラ、圧力転写ローラ、粘着転写器、等が挙げられる。
なお、前記記録媒体としては、特に制限はなく、公知の記録媒体(記録紙)の中から適宜選択することができる。
前記定着工程は、記録媒体に転写された可視像を定着装置を用いて定着させる工程であり、各色の現像剤に対し前記記録媒体に転写する毎に行ってもよいし、各色の現像剤に対しこれを積層した状態で一度に同時に行ってもよい。
前記定着装置としては、特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができるが、公知の加熱加圧手段が好適である。前記加熱加圧手段としては、加熱ローラと加圧ローラとの組合せ、加熱ローラと加圧ローラと無端ベルトとの組合せ、等が挙げられる。
前記定着装置が、発熱体を具備する加熱体と、該加熱体と接触するフィルムと、該フィルムを介して前記加熱体と圧接する加圧部材とを有し、前記フィルムと前記加圧部材の間に未定着画像を形成させた記録媒体を通過させて加熱定着する手段であることが好ましい。前記加熱加圧手段における加熱は、通常、80℃〜200℃が好ましい。
なお、本発明においては、目的に応じて、前記定着工程及び定着手段と共にあるいはこれらに代えて、例えば、公知の光定着器を用いてもよい。
前記除電手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体に対し除電バイアスを印加することができればよく、公知の除電器の中から適宜選択することができ、例えば、除電ランプ等が好適に挙げられる。
前記クリーニング手段としては、特に制限はなく、前記静電潜像担持体上に残留する前記トナーを除去することができればよく、公知のクリーナの中から適宜選択することができ、例えば、磁気ブラシクリーナ、静電ブラシクリーナ、磁気ローラクリーナ、ブレードクリーナ、ブラシクリーナ、ウエブクリーナ等が好適に挙げられる。
前記制御工程は、前記各工程を制御する工程であり、各工程は制御手段により好適に行うことができる。
前記制御手段としては、前記各手段の動きを制御することができる限り特に制限はなく、目的に応じて適宜選択することができ、例えば、シークエンサー、コンピュータ等の機器が挙げられる。
複写装置本体150の中央部に設けられている中間転写ベルト50は、3個のローラ14、15及び16に張架されている無端ベルトであり、図中、矢印方向に移動することができる。ローラ15の近傍には、トナー像が記録紙に転写された中間転写ベルト50上に残留したトナーを除去するためのクリーニングブレードを有するクリーニング装置17が配置されている。ローラ14及び15により張架された中間転写ベルト50に対向すると共に、搬送方向に沿って、イエロー、シアン、マゼンタ及びブラックの画像形成ユニット120Y、120C、120M及び120Kが並置されている。また、画像形成ユニット120の近傍には、露光装置21が配置されている。さらに、中間転写ベルト50の画像形成ユニット120が配置されている側とは反対側には、二次転写ベルト24が配置されている。なお、二次転写ベルト24は、一対のローラ23に張架されている無端ベルトであり、二次転写ベルト24上を搬送される記録紙と中間転写ベルト50は、ローラ16と23の間で接触することができる。また、二次転写ベルト24の近傍には、一対のローラに張架されている無端ベルトである定着ベルト26と、定着ベルト26に押圧されて配置された加圧ローラ27とを備える定着装置25が配置されている。なお、二次転写ベルト24及び定着装置25の近傍に、記録紙の両面に画像を形成する場合に、記録紙を反転させるためのシート反転装置28が配置されている。
各色の画像形成ユニット120で形成された各色のトナー像は、ローラ14、15及び16に張架されて移動する中間転写体50上に順次転写(一次転写)され、重ね合わされて複合トナー像が形成される。
<外添剤1〜12の製造>
外添剤1〜10の製造は、種々の平均粒径を有するシリカの一次粒子と、処理剤とをスプレードライヤーにより混合して、表1に記載の条件にて焼成することにより、前記一次粒子を合着させて合着粒子を製造した後、シャープな粒度分布を得るために、分級装置にて分級処理を行った。また、外添剤11〜12は、種々の平均粒径を有するシリカの一次粒子に対して疎水化処理を施したのみで、前記処理剤による処理を行わずに製造した。
なお、前記処理剤は、メチルトリメトキシシラン1部に対して、処理助剤(水又は1%酢酸水溶液)を0.1部添加して調製した。前記一次粒子を合着させて製造された二次粒子の平均粒径、形状等を表1に示す。
前記合着粒子(二次粒子)におけるDb50は、合着粒子の粒子径を測定し、小粒子側から累積分布を描いたときに累積値が50個数%となる粒子径を求めた。Db10は、合着粒子の粒子径を測定し、小粒子側から累積分布を描いたときに累積値が10個数%となる粒子径求めた。
前記合着粒子(二次粒子)の個数平均粒子径(Dba)は、凝集した粒子の最長長さ(図2に示す矢印の長さ)を計測(計測した粒子数:150個)し、前記合着粒子の一次粒子の平均粒子径(Da)は、合着しているシリカの外枠から全体像を予測し、全体像の最長長さ(図1に示す全ての矢印の長さ)の平均値を計測(計測した粒子数:150個)した。
これらの各粒子の粒子径の測定は、前記合着粒子を適切な溶剤(THF等)に分散させた後、基板上で溶剤を除去して乾固させたサンプルを、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM、加速電圧:5kV〜8kV、観察倍率:8,000倍〜10,000倍)にて視野中の粒子径を計測して行った。
下記キャリア原料をホモミキサーで10分間分散し、アルミナ粒子を含むアクリル樹脂及びシリコーン樹脂の被覆層形成溶液を得た。芯材として焼成フェライト粉[(MgO)1.8(MnO)49.5(Fe2O3)48.0:重量平均粒子径;35μm]に上記被覆層形成溶液を芯材表面に厚みが0.15μmとなるようにスピラコーター(岡田精工社製)により塗布し乾燥して被覆フェライト粉を得た。得られた被覆フェライト粉を電気炉中にて150℃で1時間放置して焼成した。冷却後フェライト粉バルクを目開き106μmの篩を用いて解砕し、キャリアを得た。膜厚測定は、透過型電子顕微鏡にてキャリア断面を観察することにより、キャリア表面を覆う被覆層を観察することができるため、その厚みの平均値をもって被覆層の厚みとした。こうして、重量平均粒子径35μmのキャリアAを得た。
[キャリアAの原料]
・アクリル樹脂溶液(固形分50%) ・・・ 21.0部
・グアナミン樹脂溶液(固形分70%) ・・・ 6.4部
・アルミナ粒子(0.3μm、固有抵抗1014Ω・cm) ・・・ 7.6部
・シリコーン樹脂溶液(固形分23%) ・・・ 65.0部
[SR2410、東レ・ダウコーニング社製]
・アミノシランカップリング剤(固形分100%) ・・・ 1.0部
[SH6020、東レ・ダウコーニング社製]
・トルエン ・・・ 60.0部
・ブチルセロソルブ ・・・ 60.0部
50mLの瓶(日電理化硝子株式会社製)に入れた、各外添剤1〜12を0.5gと上記キャリアA49.5gからなる50gに対し、ロッキングミル(株式会社セイワ技研製)を用いて67Hz、10分間の条件で攪拌した。攪拌した現像剤をテトラヒドロフラン(THF)中に希釈分散させ、上澄み液側に外添剤を分離した後、電界放射型走査電子顕微鏡(FE−SEM)観察を行った。前記FE−SEM観察によって、前記外添剤の粒子1,000個中に占める割れ乃至崩壊粒子の個数の割合(%)を求めた。図4に割れ乃至崩壊粒子の個数の割合が30%以下である計測結果の写真を、図5に割れ乃至崩壊粒子の個数の割合が30%を超える計測結果の写真を示す。なお、計測の際には、図3の符号2で示すように粒子単独で存在している粒子、及び図4〜5において黒枠内で示されるように粒子単独で存在している粒子を、「割れ乃至崩壊粒子」としてカウントし割合を求めた。
<結晶性ポリエステル樹脂1の製造>
冷却管、撹拌機および窒素導入管を備えた反応槽中に、セバシン酸202質量部(1.00mol)、1,6−ヘキサンジオール154質量部(1.30mol)、及び縮合触媒としてテトラブトキシチタネート0.5質量部を入れ、窒素気流下にて180℃で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで220℃まで徐々に昇温しながら、窒素気流下にて生成する水及び1,6−ヘキサンジオールを留去しながら4時間反応させ、さらに5〜20mmHgの減圧下にて、Mwがおよそ15,000に達するまで反応を行い、[結晶性ポリエステル樹脂1]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂1]は、Mw14,000、融点66℃であった。
<非結晶性ポリエステル樹脂1(未変性ポリエステル樹脂)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素挿入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールA EO2mol付加物222質量部、ビスフェノールA PO2mol付加物129質量部、テレフタル酸150質量部、アジピン酸15質量部、及びテトラブトキシチタネート0.5質量部を入れ、窒素気流下にて230℃、常圧で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下にて反応させ、酸価が2になった時点で180℃に冷却し、無水トリメリット酸35質量部を加え、常圧で3時間反応させ、[非結晶性ポリエステル樹脂1]を得た。得られた[非結晶性ポリエステル樹脂1]は、Mw6,000、Tg54℃であった。
<非結晶性ポリエステル樹脂2(未変性ポリエステル樹脂)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素挿入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールA EO2mol付加物212質量部、ビスフェノールA PO2mol付加物116質量部、テレフタル酸166質量部、及びテトラブトキシチタネート0.5質量部を入れ、窒素気流下にて230℃、常圧で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下にて反応させ、Mwがおよそ15,000に達するまで反応を行い、[非結晶性ポリエステル樹脂2]を得た。得られた[非結晶性ポリエステル樹脂2]は、Mw14,000、Tg60℃であった。
<非結晶性ポリエステル樹脂3(未変性ポリエステル樹脂)の製造>
冷却管、撹拌機及び窒素挿入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールA EO2mol付加物204質量部、ビスフェノールA PO2mol付加物106質量部、テレフタル酸166質量部、及びテトラブトキシチタネート0.5質量部を入れ、窒素気流下にて230℃、常圧で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、5〜20mmHgの減圧下にて反応させ、Mwがおよそ40,000に達するまで反応を行い、[非結晶性ポリエステル樹脂3]を得た。得られた[非結晶性ポリエステル樹脂3]は、Mw38,000、Tg62℃であった。
<ポリエステルプレポリマーの製造>
冷却管、撹拌機及び窒素挿入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールA EO2mol付加物720質量部、ビスフェノールA PO2mol付加物90質量部、テレフタル酸290質量部、及びテトラブトキシチタネート1質量部を入れ、窒素気流下にて230℃、常圧で、生成する水を留去しながら8時間反応させた。次いで、10〜15mmHgの減圧下にて7時間反応させ、[中間体ポリエステル1]を得た。[中間体ポリエステル1]は、Mn3,200、Mw9,300であった。
次に、冷却管、撹拌機及び窒素挿入管を備えた反応槽中に、得られた[中間体ポリエステル1]400質量部、イソホロンジイソシアネート95質量部、酢酸エチル500質量部を入れ、窒素気流下にて80℃で8時間反応させて、末端にイソシアネート基を有する[ポリエステルプレポリマー1]の50質量%酢酸エチル溶液を得た。[ポリエステルプレポリマー1]の遊離イソシアネート質量%は、1.47%であった。
<グラフト重合体の製造>
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器中に、キシレン480質量部、低分子量ポリエチレン(三洋化成工業社製サンワックスLEL−400:軟化点128℃)100質量部を入れて充分溶解し、窒素置換した後、スチレン740質量部、アクリロニトリル100質量部、アクリル酸ブチル60質量部、ジ−t−ブチルパーオキシヘキサヒドロテレフタレート36質量部、及びキシレン100質量部の混合溶液を170℃で3時間滴下して重合し、更にこの温度で30分間保持した。次いで、脱溶剤を行い、[グラフト重合体]を合成した。得られた[グラフト重合体]はMw24,000、Tg67℃であった。
<トナー母体1の製造(エステル伸長法)>
―離型剤分散液1の調製―
撹拌棒及び温度計をセットした容器にパラフィンワックス(HNP−9、日本精鑞社製、融点75℃)50質量部、[グラフト重合体]30質量部、及び酢酸エチル420部を入れ、撹拌下80℃に昇温し、80℃のまま5時間保持した後、1時間で30℃に冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填、3パスの条件で、分散を行い[離型剤分散液1]を得た。
・非結晶性ポリエステル樹脂1 100質量部
・カーボンブラック(Printex35、デグサ社製) 100質量部
(DBP吸油量:42mL/100g、pH:9.5)
・イオン交換水 50質量部
上記の原材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて混合した。得られた混合物を、二本ロールを用いて混練した。混練温度は90℃から混練を始め、その後、50℃まで徐々に冷却していった。得られた混練物をパルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して[マスターバッチ1]を作製した。
温度計および撹拌機を備えた容器に、[非結晶性ポリエステル樹脂1]107質量部、[離型剤分散液1]75質量部、[マスターバッチ1]18質量部、酢酸エチル73質量部を入れて、撹拌機にてプレ分散させた後、TK式ホモミキサー(特殊機化株式会社製)にて回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相1]を得た。
攪拌棒及び温度計をセットした反応容器に、水600質量部、スチレン120質量部、メタクリル酸100質量部、アクリル酸ブチル45質量部、アルキルアリルスルホコハク酸ナトリウム塩(エレミノールJS−2、三洋化成工業製)10質量部、過硫酸アンモニウム1質量部を仕込み、400回転/分で20分攪拌したところ、白色の乳濁液が得られた。この乳濁液を加熱して、系内温度75℃まで昇温し、6時間反応させた。更に1%過硫酸アンモニウム水溶液30質量部を加え、75℃で6時間熟成して[樹脂微粒子の水分散液]を得た。この[樹脂微粒子の水分散液]中に含まれる粒子の体積平均粒径は60nmであり、樹脂分の重量平均分子量は140,000、Tgは73℃であった。
水990質量部、[樹脂微粒子の水分散液]83質量部、ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウムの48.5質量%水溶液(エレミノールMON−7、三洋化成工業株式会社製)37質量部、及び酢酸エチル90質量部を混合撹拌し、[水相1]を得た。
前記[油相1]273質量部に[ポリエステルプレポリマー1]の酢酸エチル溶液45質量部、及びイソホロンジアミンの50質量%酢酸エチル溶液3質量部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化株式会社製)にて回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散して[油相1’]を得た。次いで、撹拌機および温度計をセットした別の容器内に[水相1]400質量部を入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)にて13,000rpmで攪拌しながら、[油相1’]を添加し、1分間乳化して[乳化スラリー1]を得た。
撹拌機および温度計をセットした容器内に、[乳化スラリー1]を投入し、30℃で8時間脱溶剤して、[スラリー1]を得た。得られた[スラリー1]を減圧濾過した後、以下の洗浄処理を行った。
(1)濾過ケーキにイオン交換水100質量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(2)前記(1)の濾過ケーキに10質量%水酸化ナトリウム水溶液100質量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで10分間)した後、減圧濾過した。
(3)前記(2)の濾過ケーキに10質量%塩酸100質量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過した。
(4)前記(3)の濾過ケーキにイオン交換水300質量部を加え、TKホモミキサーで混合(回転数6,000rpmで5分間)した後濾過する操作を2回行い、濾過ケーキ1を得た。
得られた濾過ケーキ1を循風乾燥機にて45℃で48時間乾燥した。その後目開き75μmメッシュで篩い、トナー母体1を作製した。
<トナー母体2の製造(エステル伸長法)>
―結晶性ポリエステル樹脂分散液1の調製―
撹拌棒及び温度計をセットした容器に[結晶性ポリエステル樹脂1]100質量部、及び酢酸エチル400部を入れ、撹拌下75℃で加熱溶解させた後、1時間で10℃以下まで冷却し、ビーズミル(ウルトラビスコミル、アイメックス社製)を用いて、送液速度1kg/hr、ディスク周速度6m/秒、0.5mmジルコニアビーズを80体積%充填の条件で、5時間分散を行い[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]を得た。
温度計および撹拌機を備えた容器に、[非結晶性ポリエステル樹脂1]93質量部、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]68質量部、[離型剤分散液1]75質量部、[マスターバッチ1]18質量部、酢酸エチル19質量部を入れて、撹拌機にてプレ分散させた後、TK式ホモミキサー(特殊機化株式会社製)にて回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相2]を得た。
前記[油相2]273質量部に[ポリエステルプレポリマー1]の酢酸エチル溶液45質量部、及びイソホロンジアミンの50質量%酢酸エチル溶液3質量部を添加し、TK式ホモミキサー(特殊機化株式会社製)にて回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散して[油相2’]を得た。次いで、撹拌機および温度計をセットした別の容器内に[水相1]400質量部を入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)にて13,000rpmで攪拌しながら、[油相2’]を添加し、1分間乳化して[乳化スラリー2]を得た。
[乳化スラリー2]を、前記[乳化スラリー1]と同様な条件にて、脱溶剤、洗浄、乾燥、風篩し、トナー母体2を作製した。
<トナー母体3の製造(溶解懸濁法)>
―油相3の作製―
温度計および撹拌機を備えた容器に、[非結晶性ポリエステル樹脂1]107質量部、[非結晶性ポリエステル樹脂3]23質量部、[離型剤分散液1]75質量部、[マスターバッチ1]18質量部、酢酸エチル97質量部を入れて、撹拌機にてプレ分散させた後、TK式ホモミキサー(特殊機化株式会社製)にて回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相3]を得た。
撹拌機および温度計をセットした別の容器内に[水相1]400質量部を入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)にて13,000rpmで攪拌しながら、[油相3]を添加し、1分間乳化して[乳化スラリー3]を得た。
[乳化スラリー3]を、前記[乳化スラリー1]と同様な条件にて、脱溶剤、洗浄、乾燥、風篩し、トナー母体3を作製した。
<トナー母体4の製造(溶解懸濁法)>
―油相4の作製―
温度計および撹拌機を備えた容器に、[非結晶性ポリエステル樹脂1]93質量部、[非結晶性ポリエステル樹脂3]23質量部、[結晶性ポリエステル樹脂分散液1]68質量部、[離型剤分散液1]75質量部、[マスターバッチ1]18質量部、酢酸エチル43質量部を入れて、撹拌機にてプレ分散させた後、TK式ホモミキサー(特殊機化株式会社製)にて回転数5,000rpmで撹拌し、均一に溶解、分散させて[油相4]を得た。
撹拌機および温度計をセットした別の容器内に[水相1]400質量部を入れ、TK式ホモミキサー(特殊機化工業株式会社製)にて13,000rpmで攪拌しながら、[油相4]を添加し、1分間乳化して[乳化スラリー4]を得た。
[乳化スラリー4]を、前記[乳化スラリー1]と同様な条件にて、脱溶剤、洗浄、乾燥、風篩し、トナー母体4を作製した。
<トナー母体5の製造(乳化凝集法)>
―非結晶性ポリエステル樹脂分散液2の作製―
[非結晶性ポリエステル樹脂2]60質量部に、酢酸エチル60質量部を加えて溶解させた。次いで、水120質量部、アニオン性界面活性剤(ネオゲンR、第一工業製薬社製)2質量部、及び2質量%の水酸化ナトリウム水溶液2.4質量部を混合した[水相]に、前記樹脂溶液120質量部を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて乳化した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で乳化処理し、[乳化スラリー]を得た。
次いで、撹拌機及び温度計をセットした容器内に、[乳化スラリー]を投入し、30℃で4時間脱溶剤して、[非結晶性ポリエステル樹脂分散液2]を得た。得られた[非結晶性ポリエステル樹脂分散液2]中の粒子の体積平均粒径を、粒度分布測定装置(LA−920、堀場製作所製)で測定したところ、0.15μmであった。
前記[非結晶性ポリエステル樹脂分散液2]の作製において、[非結晶性ポリエステル樹脂2]を[非結晶性ポリエステル樹脂3]に置き換えた以外は同様にして、[非結晶性ポリエステル樹脂分散液3]を得た。得られた[非結晶性ポリエステル樹脂分散液3]中の粒子の体積平均粒径を、粒度分布測定装置(LA−920、堀場製作所製)で測定したところ、0.16μmであった。
パラフィンワックス(HNP−9、日本精鑞社製、融点75℃)25質量部、アニオン界面活性剤(ネオゲンR、第一工業製薬社製)1質量部、水200質量部を混合し、90℃で溶融させた。次いで、この溶融液をホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)で乳化した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で乳化処理し、[離型剤分散液2]を得た。
カーボンブラック(Printex35、デグサ社製)20質量部、アニオン界面活性剤(ネオゲンR、第一工業製薬社製)0.5質量部、及び水80質量部を混合し、TK式ホモミキサー(特殊機化株式会社製)で分散し、[着色剤分散液1]を得た。
温度計および撹拌機を備えた容器に、[非結晶性ポリエステル樹脂分散液2]235質量部、[非結晶性ポリエステル樹脂分散液3]57質量部、[離型剤分散液2]45質量部、[着色剤分散液1]26質量部、水600質量部を入れて、30℃にて30分間撹拌した。この分散液に、2質量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH10に調節した。次いで、この分散液をホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)にて5000rpmで撹拌しながら、5質量%の塩化マグネシウム水溶液50質量部を徐々に滴下しながら45℃まで加熱した。凝集粒子の体積平均粒径が5.3μmに成長するまで45℃に維持した。これに2質量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH9に保ちながら、90℃まで加熱し、この状態で2時間保持した後、1℃/分で20℃まで冷却し、[スラリー5]を得た。
[スラリー5]を、前記[スラリー1]と同様な条件にて、洗浄、乾燥、風篩し、トナー母体5を作製した。
<トナー母体6の製造(乳化凝集法)>
―結晶性ポリエステル樹脂分散液2の作製―
[結晶性ポリエステル樹脂1]60質量部に、酢酸エチル60質量部を加えて60℃で混合撹拌して溶解させた。次いで、水120質量部、アニオン性界面活性剤(ネオゲンR、第一工業製薬社製)2質量部、及び2質量%の水酸化ナトリウム水溶液2.4質量部を混合した[水相]に、前記樹脂溶液120質量部を加え、ホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)を用いて乳化した後、マントンゴーリン高圧ホモジナイザー(ゴーリン社製)で乳化処理し、[乳化スラリー]を得た。
次いで、撹拌機及び温度計をセットした容器内に、[乳化スラリー]を投入し、60℃で4時間脱溶剤して、[結晶性ポリエステル樹脂分散液2]を得た。得られた[結晶性ポリエステル樹脂分散液2]中の粒子の体積平均粒径を、粒度分布測定装置(LA−920、堀場製作所製)で測定したところ、0.17μmであった。
温度計および撹拌機を備えた容器に、[非結晶性ポリエステル樹脂分散液2]207質量部、[非結晶性ポリエステル樹脂分散液3]57質量部、[結晶性ポリエステル樹脂分散液2]28質量部、[離型剤分散液2]45質量部、[着色剤分散液1]26質量部、水600質量部を入れて、30℃にて30分間撹拌した。この分散液に、2質量%の水酸化ナトリウム水溶液を添加してpH10に調節した。次いで、この分散液をホモジナイザー(IKA社製、ウルトラタラックスT50)にて5000rpmで撹拌しながら、5質量%の塩化マグネシウム水溶液50質量部を徐々に滴下しながら45℃まで加熱した。凝集粒子の体積平均粒径が5.3μmに成長するまで45℃に維持した。これを20℃まで冷却し、[スラリー6]を得た。
[スラリー6]を、前記[スラリー1]と同様な条件にて、洗浄、乾燥、風篩し、トナー母体6を作製した。
<トナー母体7の製造(粉砕法)>
―マスターバッチ2の作製―
・非結晶性ポリエステル樹脂2 100質量部
・カーボンブラック(Printex35、デグサ社製) 100質量部
(DBP吸油量:42mL/100g、pH:9.5)
・イオン交換水 50質量部
上記の原材料を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)を用いて混合した。得られた混合物を、二本ロールを用いて混練した。混練温度は90℃から混練を始め、その後、50℃まで徐々に冷却していった。得られた混練物をパルペライザー(ホソカワミクロン株式会社製)で粉砕して[マスターバッチ2]を作製した。
[非結晶性ポリエステル樹脂2]49質量部、[非結晶性ポリエステル樹脂3]40質量部、パラフィン(HNP−9、日本精鑞社製、融点75℃)6質量部、及び[マスターバッチ2]12質量部を、へンシェルミキサー(ヘンシェル20B、三井鉱山社製)を用いて1,500rpmで3分間予備混合した後、一軸混練機(小型ブス・コ・ニーダー、Buss社製)にて、設定温度(入口部90℃)、出口部(60℃)、フィード量(10kg/Hr)の条件で溶融、混練した。得られた混練物を圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)にて粗粉砕した。次いで、I式ミル(日本ニューマチック社製、IDS−2型)にて、平面型衝突板を用い、エアー圧力(6.0atm/cm2)、フィード量(0.5kg/hr)の条件にて微粉砕を行い、更に分級機(アルピネ社製、132MP)により分級を行って、[トナー母体7]を得た。
<トナー母体8の製造(粉砕法)>
―溶融混練・粉砕・分級―
[非結晶性ポリエステル樹脂2]54質量部、[非結晶性ポリエステル樹脂3]27質量部、[結晶性ポリエステル樹脂1]8質量部、パラフィン(HNP−9、日本精鑞社製、融点75℃)6質量部、及び[マスターバッチ2]12質量部を、へンシェルミキサー(ヘンシェル20B、三井鉱山社製)を用いて1,500rpmで3分間予備混合した後、一軸混練機(小型ブス・コ・ニーダー、Buss社製)にて、設定温度(入口部90℃)、出口部(60℃)、フィード量(10kg/Hr)の条件で溶融、混練した。得られた混練物を圧延冷却し、パルペライザー(ホソカワミクロン社製)にて粗粉砕した。次いで、I式ミル(日本ニューマチック社製、IDS−2型)にて、平面型衝突板を用い、エアー圧力(6.0atm/cm2)、フィード量(0.5kg/hr)の条件にて微粉砕を行い、更に分級機(アルピネ社製、132MP)により分級を行って、[トナー母体8]を得た。
表3に従って、得られた[トナー母体1]〜[トナー母体8]を100質量部に対して、外添剤1〜外添剤12のいずれかを2.0質量部、体積平均粒径20nmのシリカ(商品名「H1303VP」、クラリアント社製)2.0質量部、及び酸化チタン(商品名「JMT−150IB」、テイカ社製)0.6質量部を、ヘンシェルミキサー(三井鉱山株式会社製)にて混合し、目開き500メッシュの篩を通過させて、トナー1〜トナー26を得た。
MnCO3、Mg(OH)2、およびFe2O3粉を秤量し、混合して混合粉を得た。この混合粉を、加熱炉により900℃、3時間、大気雰囲気下で仮焼成し、得られた仮焼成物を冷却後、粉砕して、ほぼ粒径1μm径の粉体とした。この粉体を1wt%の分散剤を水と共に加えてスラリーとし、このスラリーをスプレードライヤに供給して造粒し、平均粒径約40μmの造粒物を得た。この造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1180℃、4時間焼成した。得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、体積平均粒径が約35μmの球形フェライト粒子である[芯粒子1]を得た。この[芯粒子1]のSF−1は135、SF−2は122、Raは0.63μmであった。
MnCO3、Mg(OH)2、およびFe2O3粉を秤量し、混合して混合粉を得た。この混合粉を、加熱炉により900℃、3時間、大気雰囲気下で仮焼成し、得られた仮焼成物を冷却後、粉砕して、ほぼ粒径1μm径の粉体とした。この粉体を1wt%の分散剤を水と共に加えてスラリーとし、このスラリーをスプレードライヤに供給して造粒し、平均粒径約40μmの造粒物を得た。この造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1300℃、5時間焼成した。得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、体積平均粒径が約35μmの球形フェライト粒子である[芯粒子2]を得た。この[芯粒子2]のSF−1は125、SF−2は119、Raは0.45μmであった。
MnCO3、Mg(OH) 2、Fe2O3、及びSrCO3粉を秤量し、混合して混合粉を得た。この混合粉を、加熱炉により850℃、1時間、大気雰囲気下で仮焼し、得られた仮焼物を冷却後、粉砕して、粒径3μm以下の粉体とした。この粉体を1wt%の分散剤を水と共に加えてスラリーとし、このスラリーをスプレードライヤに供給して造粒し、体積平均粒径約40μmの造粒物を得た。この造粒物を焼成炉に装填し、窒素雰囲気下で、1120℃、4時間焼成した。得られた焼成物を解砕機で解砕した後、篩い分けにより粒度調整を行い、体積平均粒径が約35μmの球形フェライト粒子である[芯粒子3]を得た。この[芯粒子3]のSF−1は145、SF−2は155、Raは0.85μmであった。
酸化アルミニウム(住友化学製AKP−30)100gを水1Lに分散させ懸濁液とし、この液を70℃に加温した。この懸濁液に塩化第二錫11.6gを2N塩酸1Lに溶かした溶液と12質量%アンモニア水とを懸濁液のpHが7〜8になるように40分かけて滴下した。引き続き塩化インジウム36.7gと塩化第二スズ5.4gを2N塩酸450mLに溶かした溶液と12質量%アンモニア水とを懸濁液のpHが7〜8になるように1時間かけて滴下した。滴下後、懸濁液を濾過、洗浄して得られたケーキを110℃で乾燥した。次にこの乾燥粉末を窒素気流中にて500℃、1時間処理し[導電性無機微粒子1]を得た。得られた[導電性無機微粒子1]の個数平均粒径は300nmで、体積固有抵抗は4Ω・cmであった。
酸化アルミニウム(住友化学製AKP−30)100gを水1Lに分散させ懸濁液とし、この液を70℃に加温した。この懸濁液に塩化第二錫10gと五酸化リン0.30gを2N塩酸100mLに溶かした溶液と12質量%アンモニア水とを懸濁液のpHが7〜8になるように12分間かけて滴下した。滴下後、懸濁液を濾過、洗浄して得られたケーキを110℃で乾燥した。次にこの乾燥粉末を窒素気流中にて500℃で1時間処理し[非導電性無機微粒子1]を得た。得られた[非導電性無機微粒子1]の個数平均粒径は300nmで、体積固有抵抗は1200Ω・cmであった。
撹拌機付きフラスコにトルエン300gを投入して、窒素ガス気流下で90℃まで昇温した。次いでこれに、CH2=CMe−COO−C3H6−Si(OSiMe3)3(式中、Meはメチル基である。)で示される3−メタクリロキシプロピルトリス(トリメチルシロキシ)シラン84.4g(200mmol:サイラプレーン TM−0701T/チッソ社製)、3−メタクリロキシプロピルトリメトキシシラン37.2g(150ミリモル)、メタクリル酸メチル65.0g(650mmol)、及び2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.58g(3mmol)の混合物を1時間かけて滴下した。滴下終了後、さらに、2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリル0.06g(0.3mmol)をトルエン15gに溶解した溶液を加えて(2,2’−アゾビス−2−メチルブチロニトリルの合計量0.64g=3.3mmol)、90〜100℃で3時間混合してラジカル共重合させて[被覆用樹脂1]を得た。
得られた[被覆用樹脂1]は、Mw34,000であった。次いで、この[被覆用樹脂1]溶液の不揮発分が25質量%になるようにトルエンで希釈した。このようにして得られた[被覆用樹脂1]溶液の粘度は8.7mm2/sであり、比重は0.91であった。
2官能又は3官能のモノマーから作製されたメチルシリコーンレジン(Mw15,000、固形分25質量%)26質量部、アクリル樹脂(ヒタロイド3001、固形分50質量%、日立化成工業社製)2.5質量部、ベンゾグアナミン系樹脂(マイコート106、固形分77質量%、三井サイテック社製)5質量部、[導電性無機微粒子1]20質量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)2質量部、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)1.4質量部を、トルエンで希釈して、固形分10質量%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を[芯粒子1]1000質量部に多機能混合装置ミキサーで浸漬法によるコーティングを行った。この時、キャリア芯材温度を100℃とし、樹脂溶液を混合ミキサー内に投入し、コート液が蒸発するまでの混合攪拌羽根を回転させ、コート・攪拌/乾燥処理を行いキャリアを取り出した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリア1を得た。このキャリア1は、仕事関数4.0eV、SF−2:114であり、キャリア嵩密度は2.42g/cm3であった。
2官能又は3官能のモノマーから作製されたメチルシリコーンレジン(Mw15,000、固形分25質量%)26質量部、アクリル樹脂(ヒタロイド3001、固形分50質量%、日立化成工業社製)2.5質量部、ベンゾグアナミン系樹脂(マイコート106、固形分77質量%、三井サイテック社製)5質量部、[導電性無機微粒子1]16.4質量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)2質量部、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)0.7質量部を、トルエンで希釈して、固形分10質量%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を[芯粒子2]1000質量部に多機能混合装置ミキサーで浸漬法によるコーティングを行った。この時、キャリア芯材温度を100℃とし、樹脂溶液を混合ミキサー内に投入し、コート液が蒸発するまでの混合攪拌羽根を回転させ、コート・攪拌/乾燥処理を行いキャリアを取り出した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリア2を得た。このキャリア2は、仕事関数4.3eV、SF−2:111であり、キャリア嵩密度は2.46g/cm3であった。
2官能又は3官能のモノマーから作製されたメチルシリコーンレジン(Mw15,000、固形分25質量%)26質量部、アクリル樹脂(ヒタロイド3001、固形分50質量%、日立化成工業社製)2.5質量部、ベンゾグアナミン系樹脂(マイコート106、固形分77質量%、三井サイテック社製)5質量部、[導電性無機微粒子1]18質量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)2質量部、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)0.2質量部を、トルエンで希釈して、固形分10質量%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を[芯粒子2]1000質量部に多機能混合装置ミキサーで浸漬法によるコーティングを行った。この時、キャリア芯材温度を100℃とし、樹脂溶液を混合ミキサー内に投入し、コート液が蒸発するまでの混合攪拌羽根を回転させ、コート・攪拌/乾燥処理を行いキャリアを取り出した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリア3を得た。このキャリア3は、仕事関数4.4eV、SF−2:112であり、キャリア嵩密度は2.44g/cm3であった。
2官能又は3官能のモノマーから作製されたメチルシリコーンレジン(Mw15,000、固形分25質量%)12質量部、[被覆用樹脂1](固形分25質量%)48質量部、[導電性無機微粒子1]38質量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)1質量部、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)1.8質量部を、トルエンで希釈して、固形分10質量%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を[芯粒子3]1000質量部に流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリア4を得た。このキャリア4は、仕事関数4.0eV、SF−2:139であり、キャリア嵩密度は2.14g/cm3であった。
2官能又は3官能のモノマーから作製されたメチルシリコーンレジン(Mw15,000、固形分25質量%)64質量部、[導電性無機微粒子1]56質量部、触媒としてチタンジイソプロポキシビス(エチルアセトアセテート)TC−750(マツモトファインケミカル社製)6質量部、シランカップリング剤としてSH6020(東レ・シリコーン社製)1.8質量部を、トルエンで希釈して、固形分10質量%の樹脂溶液を得た。この樹脂溶液を[芯粒子1]1000質量部に流動床型コーティング装置を使用して、流動槽内の温度を各70℃に制御して塗布・乾燥した。得られたキャリアを電気炉中にて、180℃/2時間焼成し、キャリア5を得た。このキャリア5は、仕事関数4.0eV、SF−2:114であり、キャリア嵩密度は2.42g/cm3であった。
キャリアの仕事関数Wcは、光電効果を利用した仕事関数測定装置(理研計器社製、表面分析装置AC−2)を用いて測定した。具体的には、試料測定セル(直径13mm、高さ5mmのステンレス製円盤の中央に、直径10mm、深さ1mmの凹部を有する形状を有する)の凹部内に、キャリアを入れ、ナイフエッジにて表面を平らにならした。キャリアを充填した試料測定セルを試料台の規定位置上に固定した後に、照射光量500nWに設定し、照射面積4mm角とし、エネルギー走査範囲3.4〜6.2eVの条件で測定した。
<現像剤1〜26の作製>
表3に従って、トナー1〜トナー26のそれぞれ70質量部と、キャリア1〜5のそれぞれ930質量部とをターブラーミキサーにて81rpmで5分間混合して、実施例1〜22及び比較例1〜4の現像剤1〜26を作製した。また、各現像剤について補給用現像剤として、キャリア濃度が10質量%となるように混合して補給用現像剤を作製した。
市販のデジタルフルカラープリンター(imagio MPC6000、A4横カラー50枚/分、リコー社製)に作成した各現像剤及び補給現像剤をセットし、画像面積8%の文字チャート(1文字の大きさ;2mm×2mm程度)を10kp枚出力した後、更に200kp枚印字した。履歴現象については、10kp枚出力後、及び200kp枚出力後に、図10に示す縦帯チャートを印刷し、非画像部後の画像部(スリーブ一周目)(a)と、非画像部後の画像部(スリーブ二周目)(b)の濃度差をX−Rite938(X−Rite社製)により、センター、リア、フロントの3箇所測定の平均濃度差をΔIDとし、下記基準により、10kp枚出力後ΔIDを履歴現象(初期安定性、中速機)、200kp枚出力後ΔIDを履歴現象(経時安定性、中速機)としてそれぞれ評価した。
[評価基準]
◎:非常に良好、○:良好、△:許容、×:実用上使用できないレベル
◎、○、△を合格とし×を不合格とした。
◎:0.01≧ΔID
○:0.01<ΔID≦0.03
△:0.03<ΔID≦0.06
×:0.06<ΔID
市販のデジタルフルカラープリンター(RICOH Pro C901、A4横カラー90枚/分、リコー社製)に作成した各現像剤及び補給現像剤をセットし、画像面積8%の文字チャート(1文字の大きさ;2mm×2mm程度)を200kp枚印字した。履歴現象については、及び200kp枚出力後に図10に示す縦帯チャートを印刷し、非画像部後の画像部(スリーブ一周目)(a)と、非画像部後の画像部(スリーブ二周目)(b)の濃度差をX−Rite938(X−Rite社製)により、センター、リア、フロントの3箇所測定の平均濃度差をΔIDとし、下記基準により、200kp枚出力後ΔIDを履歴現象(経時安定性、高速機)としてそれぞれ評価した。
[評価基準]
◎:非常に良好、○:良好、△:許容、×:実用上使用できないレベル
◎、○、△を合格とし×を不合格とした。
◎:0.01≧ΔID
○:0.01<ΔID≦0.03
△:0.03<ΔID≦0.06
×:0.06<ΔID
定着ローラとして、テフロン(登録商標)ローラを使用した画像形成装置(MF2200、株式会社リコー社製)の定着部を改造した装置を用いて、記録紙(タイプ6200、株式会社リコー社製)に複写テストを行った。具体的には、定着温度を変化させてコールドオフセット温度(定着下限温度)を求めた。定着下限温度の評価条件は、紙送りの線速度を120mm/秒〜150mm/秒、面圧を1.2kgf/cm2、ニップ幅を3mmとした。低温定着性の評価は、下記基準により評価した。定着下限温度は、低い程、低温定着性に優れる。
[評価基準]
◎:非常に良好、○:良好、△:許容、×:実用上使用できないレベル
◎、○、△を合格とし×を不合格とした。
◎:定着下限温度が120℃未満
○:定着下限温度が120℃以上130℃未満
△:定着下限温度が130℃以上140℃未満
×:定着下限温度が140℃以上150℃未満
◎◎:極めて良好、◎:非常に良好、○:良好、△:許容、×:実用上使用できないレベル
◎◎、◎、○、△を合格とし×を不合格とした。
◎◎:◎が3つ以上で、且つ△、×なし
◎:◎が2つで、且つ△、×なし
○:それ以外
△:△が2つ以上で、且つ◎、×なし
×:×が1つ以上
10K ブラック用静電潜像担持体
10Y イエロー用静電潜像担持体
10M マゼンタ用静電潜像担持体
10C シアン用静電潜像担持体
14 支持ローラ
15 支持ローラ
16 支持ローラ
17 中間転写クリーニング装置
18 画像形成手段
20 帯電ローラ
21 露光装置
22 二次転写装置
23 ローラ
24 二次転写ベルト
25 定着装置
26 定着ベルト
27 加圧ローラ
28 シート反転装置
32 コンタクトガラス
33 第1走行体
34 第2走行体
35 結像レンズ
36 読取りセンサ
40 現像装置
41 現像ベルト
42K 現像剤収容部
42Y 現像剤収容部
42M 現像剤収容部
42C 現像剤収容部
43K 現像剤供給ローラ
43Y 現像剤供給ローラ
43M 現像剤供給ローラ
43C 現像剤供給ローラ
44K 現像ローラ
44Y 現像ローラ
44M 現像ローラ
44C 現像ローラ
45K ブラック現像ユニット
45Y イエロー現像ユニット
45M マゼンタ現像ユニット
45C シアン現像ユニット
49 レジストローラ
50 中間転写ベルト
51 ローラ
52 分離ローラ
53 手差し給紙路
54 手差しトレイ
55 切換爪
56 排出ローラ
57 排出トレイ
58 コロナ帯電装置
60 クリーニング装置
61 現像装置
62 転写ローラ
63 感光体クリーニング装置
64 除電ランプ
70 除電ランプ
80 転写ローラ
90 クリーニング装置
95 転写紙
100A、100B、100C 画像形成装置
120 画像形成ユニット
130 原稿台
142 給紙ローラ
143 ペーパーバンク
144 給紙カセット
145 分離ローラ
146 給紙路
147 搬送ローラ
148 給紙路
150 複写装置本体
160 帯電装置
200 給紙テーブル
300 スキャナ
400 原稿自動搬送装置(ADF)
Claims (7)
- 静電潜像担持体に対向配置され、前記静電潜像担持体上に形成された静電潜像を現像する現像剤を担持して現像領域に搬送する現像剤担持体を備える現像装置において、
前記現像剤が、少なくとも結着樹脂、着色剤を含有してなるトナー母体と、外添剤とを含有するトナーと、キャリアとを含み、
前記外添剤として、一次粒子が複数個合着してなる合着粒子を含有し、
前記キャリアの仕事関数Wcと、前記現像剤担持体の仕事関数Wsが下記式(1)の関係を満たすことを特徴とする現像装置。
- 前記合着粒子の粒度分布指標が、下記式(2)で表されることを特徴とする請求項1に記載の現像装置。
- 前記合着粒子が、下記式(3)を満たすことを特徴とする請求項1又は2に記載の現像装置。
- 前記合着粒子の個数平均粒径が、80nm〜200nmであることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の現像装置。
- 前記結着樹脂が、少なくとも結晶性ポリエステル樹脂を含有することを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の現像装置。
- 前記キャリアが、磁性を有する芯粒子と、該芯粒子を被覆する被覆層とを有し、形状係数SF−2が115〜150であり、且つ、嵩密度が1.80〜2.40g/cm3であり、
前記芯粒子の形状係数SF−2が120〜160であり、前記芯粒子の算術平均表面粗さRaが0.5〜1.0μmであり、
前記被覆層が、樹脂及び無機微粒子を含有し、該樹脂100質量部に対して、該無機微粒子を50〜500質量部の割合で含有することを特徴とする請求項1乃至5のいずれかに記載の現像装置。 - 静電潜像担持体と、該静電潜像担持体表面を帯電させる帯電手段と、帯電された前記静電潜像担持体表面を露光して静電潜像を形成する露光手段と、前記静電潜像をトナーを用いて現像して可視像を形成する現像手段と、前記可視像を記録媒体に転写する転写手段と、前記記録媒体に転写された転写像を定着させる定着手段とを少なくとも有する画像形成装置であって、
前記現像手段が、請求項1乃至6のいずれかに記載の現像装置であることを特徴とする画像形成装置。
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