JP2007322726A - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【課題】本発明の課題は、懸濁重合法によりトナーを製造する際に、小粒径微粒子の副生を抑制することにより、帯電性に優れ、且つ印字の際にフィルミングによるカブリが生じず、印字耐久性に優れた静電荷像現像用トナーを製造する方法を提供することである。
【解決手段】少なくとも重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物を、分散安定化剤を含有する水系分散媒体中に懸濁させて、重合性単量体組成物の液滴が分散した懸濁液を得る懸濁工程、及び該懸濁液を重合開始剤の存在下で懸濁重合を行って着色樹脂粒子を得る重合工程を含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、該懸濁工程において、該水系分散媒体中に、下記式1で表される構造を有する重合禁止剤を含有させることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法である。
(上記式1中、R1〜R3はそれぞれ独立して水素又は炭素数1〜3のアルキル基である。)
【選択図】なし
【解決手段】少なくとも重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物を、分散安定化剤を含有する水系分散媒体中に懸濁させて、重合性単量体組成物の液滴が分散した懸濁液を得る懸濁工程、及び該懸濁液を重合開始剤の存在下で懸濁重合を行って着色樹脂粒子を得る重合工程を含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、該懸濁工程において、該水系分散媒体中に、下記式1で表される構造を有する重合禁止剤を含有させることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法である。
(上記式1中、R1〜R3はそれぞれ独立して水素又は炭素数1〜3のアルキル基である。)
【選択図】なし
Description
本発明は、電子写真法、静電記録法、静電印刷法等において静電潜像を現像するために用いられる静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」と称することがある。)の製造方法に関し、更に詳細には、帯電性に優れ、且つ印字の際にフィルミングによるカブリを起こさず、印字耐久性に優れた静電荷像現像用トナーの製造方法に関する。
電子写真法とは、感光体の表面を一様に帯電させ(帯電工程)、感光体の表面に露光により静電潜像を形成させ(露光工程)、形成された静電潜像を着色樹脂粒子に必要に応じて外添剤及びキャリア等の他の粒子を配合してなるトナーで現像し(現像工程)、紙やOHPシート等の記録媒体に該トナーを転写し(転写工程)、転写されたトナーを記録媒体に定着(定着工程)して印刷物を得る方法である。
近年、電子写真法を用いた、複合機、ファクシミリ、及びプリンター等の画像形成装置に対し、カラー化のニーズが高まってきている。カラー印刷では、例えば、鮮明な色調の再現が求められる写真等の高解像度且つ高画質である画像印刷を行うことから、それらの要求に対応し得るカラートナーが求められている。高解像度且つ高画質な画像を得るためには、先ず、上記現像工程で、感光体に形成された静電潜像の電荷密度に応じた量のトナーを付着させるために、適切な帯電性を有するトナーを用いる必要がある。また、このようなトナーに対しては、温度や湿度などの環境の変化による画質劣化防止の観点からの環境安定性や、印刷コストの低減の観点から印字耐久性等の印字性能が要求されている。
また、上述した電子写真法の帯電工程において、感光体表面の帯電極性の方式により、正帯電方式と負帯電方式とがある。この帯電極性は、感光体に形成される感光層に用いられる材料に関係しており、セレン系、及びシリコン系等の無機材料を用いた無機感光体では、正帯電方式が多い。近年では、有機感光体が主流となっているため、負帯電方式が一般的である。ところが、最近、負帯電方式の場合に起き易い、オゾン発生の問題から、それに対する環境対策として、オゾン発生の少ない正帯電方式が見直されている。
良好な転写性とドット再現性を両立し、優れた印字性能を得る観点から、小粒径で球形のトナーが適しており、その製造方法として、重合法が提案されている。従来の粉砕法では、特に小粒径のトナーを製造する場合、収率が低下し、粉砕に多くのエネルギーを消費するのに対し、重合法では、収率が高く、粉砕工程が不要なことから消費エネルギーも低く、さらに、球形のトナーを容易に製造することができる。
重合法によるトナー(重合トナー)の製造方法としては、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法等がある。懸濁重合法では、先ず、重合性単量体、着色剤、及び必要に応じてその他の添加物を混合して、重合性単量体組成物とし、それを、分散安定化剤を含有する水系分散媒体中に分散する。次に、重合性単量体組成物が分散した水系分散媒体を、高速攪拌機等を用い、高いシェアをかけることにより、重合性単量体組成物の液滴形成を行なう。その後、液滴形成された重合性単量体組成物が分散した水系分散媒体を重合開始剤の存在下に重合し、濾過材による濾過、洗浄、乾燥を経て、着色樹脂粒子を得る。さらに、この着色樹脂粒子に、キャリアや無機微粒子等の外添剤を混合し、重合トナーとしている。
このように、重合法によって着色樹脂粒子を得る場合には、従来の粉砕法に比べ、粒子を形成する段階(重合法では液滴形成及び重合を行なう段階、一方、粉砕法では粉砕を行なう段階)で、小粒径で球形の着色樹脂粒子を形成でき、さらに粒径分布をよりシャープに調節できる大きな利点を有している。
しかしながら、近年、高解像度且つ高画質である画像印刷に対する要求水準のさらなる高まりに伴い、トナーの粒径をより小さくするための試みがなされ、重合トナーであっても、解決しなければならない問題点が指摘されている。
しかしながら、近年、高解像度且つ高画質である画像印刷に対する要求水準のさらなる高まりに伴い、トナーの粒径をより小さくするための試みがなされ、重合トナーであっても、解決しなければならない問題点が指摘されている。
上記問題点としては、着色樹脂粒子の重合工程において、目的とする着色樹脂粒子の他に、不要な微小粒径を有する粒子を副生することにより、トナーの生産効率及び印字性能に影響を及ぼすことが指摘されている。
微小な副生粒子としては、主に、粒径が0.6μm未満のいわゆるサブミクロンオーダーで且つ着色剤を含有していない微小粒子(以下、「微小樹脂粒子」という。)と、粒径が0.6〜5μm程度の着色樹脂粒子(以下、「小粒径着色樹脂粒子」という。)とがある。この両者は、生成過程が異なると推測されるが、小粒径ゆえに特別な問題を引き起こす(以下、両者を併せて「小粒径微粒子」という。)。
微小な副生粒子としては、主に、粒径が0.6μm未満のいわゆるサブミクロンオーダーで且つ着色剤を含有していない微小粒子(以下、「微小樹脂粒子」という。)と、粒径が0.6〜5μm程度の着色樹脂粒子(以下、「小粒径着色樹脂粒子」という。)とがある。この両者は、生成過程が異なると推測されるが、小粒径ゆえに特別な問題を引き起こす(以下、両者を併せて「小粒径微粒子」という。)。
このような小粒径微粒子が副生すると、得られた着色樹脂粒子を水系分散媒体から濾過する際に、遊離した小粒径微粒子の一部が濾過材に目詰まりし、濾過速度を低下させることにより、トナーの生産効率を低下させる原因となる。
さらに、小粒径微粒子を多量に含む重合トナーを印刷に用いると、小粒径微粒子は粒径が非常に小さいことに起因して付着力が大きくなるため、現像機内の部材に付着し易くなり、多枚数の印字を行なうと、この付着した小粒径微粒子が次第に蓄積し、部材にフィルミング(固着)が生じる。例えば、現像機内の感光体上にフィルミングが生じた場合、感光体表面に帯電不良が生じ、感光体上に所望の静電潜像を形成することができず、結果として、記録媒体上にカブリが発生する等の問題が引き起こされ、良好な画像が得られず、トナーの印字耐久性等の印字性能を低下させる原因となる。
さらに、小粒径微粒子を多量に含む重合トナーを印刷に用いると、小粒径微粒子は粒径が非常に小さいことに起因して付着力が大きくなるため、現像機内の部材に付着し易くなり、多枚数の印字を行なうと、この付着した小粒径微粒子が次第に蓄積し、部材にフィルミング(固着)が生じる。例えば、現像機内の感光体上にフィルミングが生じた場合、感光体表面に帯電不良が生じ、感光体上に所望の静電潜像を形成することができず、結果として、記録媒体上にカブリが発生する等の問題が引き起こされ、良好な画像が得られず、トナーの印字耐久性等の印字性能を低下させる原因となる。
重合法によれば、例えば、体積平均粒径Dvが3〜15μm程度の小粒径の着色樹脂粒子を容易に形成することができる。しかしながら、目的とする粒径範囲が小粒径側にシフトし、上述したような小粒径微粒子の粒径に近づくため、必要な粒径の着色樹脂粒子と不要な小粒径微粒子の分離が困難になる。このため、小粒径微粒子の副生を抑制し、印字性能に優れたトナーの生産効率の良い製造方法の開発が望まれている。
以上のような様々な要求に応えるため、小粒径微粒子の副生を抑制するための方法として様々な検討が行なわれている。
例えば、特許文献1では、重合性ビニル系単量体、着色剤、荷電制御剤及び芳香族オキシカルボン酸を含有する重合性単量体組成物を、水溶性重合禁止剤としてハイドロキノン系化合物が含有されている水系分散媒体中に分散し、該水系分散媒体中で重合性単量体組成物の粒子を造粒後、重合性単量体組成物の粒子中の重合性ビニル系単量体を重合してトナー粒子を生成する乾式トナーの製造方法が開示されている。
特許文献2では、ビニル系単量体、着色剤を含有する重合性単量体組成物を、分散安定剤を含有する水性媒体中に懸濁又は乳化させ、重合開始剤として特定のアゾ化合物を用い、重合禁止剤としてハイドロキノン系化合物を用いることを特徴とするトナーの製造方法が開示されている。
しかしながら、本発明者の検討によると、特許文献1及び2において、重合禁止剤として用いられたハイドロキノン系化合物は、小粒径微粒子を抑制する効果が不十分であり、且つ正帯電性トナーを製造する際に用いると、トナーの帯電性を不十分にさせるため、トナーの印字性能を低下させるということが判明した。
本発明の目的は、懸濁重合法によりトナーを製造する際に、小粒径微粒子の副生を抑制することにより、帯電性に優れ、且つ印字の際にフィルミングによるカブリが生じず、印字耐久性に優れた静電荷像現像用トナーを製造する方法を提供することにある。
本発明者らは、上記目的を達成すべく鋭意検討したところ、懸濁工程において、特定の芳香族アミン系化合物を重合禁止剤として水系分散媒体中に含有させると、該重合禁止剤による水相中での重合性単量体の重合反応の抑制作用によって、トナーの帯電性を低下させることなく、小粒径微粒子の副生を抑えることができることを見出し、この知見に基づいて本発明を完成するに到った。
すなわち本発明は、少なくとも重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物を、分散安定化剤を含有する水系分散媒体中に懸濁させて、重合性単量体組成物の液滴が分散した懸濁液を得る懸濁工程、及び該懸濁液を重合開始剤の存在下で懸濁重合を行って着色樹脂粒子を得る重合工程を含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
該懸濁工程において、該水系分散媒体中に、下記式1で表される構造を有する重合禁止剤を含有させることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法である。
該懸濁工程において、該水系分散媒体中に、下記式1で表される構造を有する重合禁止剤を含有させることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法である。
(上記式1中、R1〜R3はそれぞれ独立して水素又は炭素数1〜3のアルキル基である。)
本発明で用いる重合禁止剤は、上記式1で表される構造を有し、R1〜R3が全て水素であることが小粒径微粒子の副生を抑える効果が高いため、好ましい。
上記本発明の懸濁工程において、該重合禁止剤の含有量が、重合性単量体100重量部に対して、0.01〜1重量部であることが好ましい。また、該水系分散媒体のpHが、8〜11であることが好ましい。
本発明の静電荷像現像用トナーは、オゾンの発生を抑制する、及び良好な帯電性が得られる観点から、正帯電方式に用いられる正帯電性トナーであることが好ましい。
上記の如き本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法によれば、小粒径微粒子の副生を抑制することにより、帯電性に優れ、且つ印字の際にフィルミングによるカブリが生じず、印字耐久性に優れた静電荷像現像用トナーを製造することができる。
本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法は、少なくとも重合性単量体及び着色剤を含有する重合性単量体組成物を、分散安定化剤を含有する水系分散媒体中に懸濁させて、重合性単量体組成物の液滴が分散した懸濁液を得る懸濁工程、及び該懸濁液を重合開始剤の存在下で懸濁重合を行って着色樹脂粒子を得る重合工程を含む静電荷像現像用トナーの製造方法であって、
該懸濁工程において、該水系分散媒体中に、下記式1で表される構造を有する重合禁止剤を含有させることを特徴とするものである。
該懸濁工程において、該水系分散媒体中に、下記式1で表される構造を有する重合禁止剤を含有させることを特徴とするものである。
(上記式1中、R1〜R3はそれぞれ独立して水素又は炭素数1〜3のアルキル基である。)
以下、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法について、各手順を順次説明する。
(1)重合性単量体組成物の調製工程
先ず、重合性単量体、着色剤、さらに必要に応じて帯電制御剤やその他の添加物を混合し、重合性単量体組成物を調製する。重合性単量体組成物を調製する際の混合は、例えば、メディア式分散機を用いて行うことができる。
先ず、重合性単量体、着色剤、さらに必要に応じて帯電制御剤やその他の添加物を混合し、重合性単量体組成物を調製する。重合性単量体組成物を調製する際の混合は、例えば、メディア式分散機を用いて行うことができる。
本発明で重合性単量体とは、重合可能な化合物をいう。重合性単量体の主成分として、モノビニル単量体を使用することが好ましい。モノビニル単量体としては、例えば、スチレン;ビニルトルエン、及びα−メチルスチレン等のスチレン誘導体;アクリル酸、及びメタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、及びアクリル酸ジメチルアミノエチル等のアクリル酸エステル;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、及びメタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド化合物;エチレン、プロピレン、及びブチレン等のオレフィン;等が挙げられる。これらのモノビニル単量体は、単独で用いてもよいし、複数を組み合わせて用いてもよい。これらのうち、モノビニル単量体として、スチレン、スチレン誘導体、及びアクリル酸もしくはメタクリル酸の誘導体が、好適に用いられる。
ホットオフセット改善のために、モノビニル単量体とともに、任意の架橋性の重合性単量体を用いることが好ましい。架橋性の重合性単量体とは、2つ以上の重合可能な官能基を持つモノマーのことをいう。架橋性の重合性単量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、及びこれらの誘導体等の、芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、及びジエチレングリコールジメタクリレート等の、ポリアルコールの不飽和ポリカルボン酸ポリエステル;N,N−ジビニルアニリン、及びジビニルエーテル等の、その他のジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物;等を挙げることができる。これらの架橋性の重合性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
本発明では、架橋性の重合性単量体を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜2重量部の割合で用いることが望ましい。
本発明では、架橋性の重合性単量体を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.1〜5重量部、好ましくは0.3〜2重量部の割合で用いることが望ましい。
また、重合性単量体の一部として、マクロモノマーを用いると、保存性と低温での定着性とのバランスが良好になるので好ましい。マクロモノマーは、分子鎖の末端に重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合を有するもので、数平均分子量が、通常、1,000〜30,000の反応性の、オリゴマーまたはポリマーである。マクロモノマーは、モノビニル単量体を重合して得られる重合体のTgよりも、高いTgを有する重合体を与えるものが好ましい。
本発明では、マクロモノマーを、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜5重量部、さらに好ましくは0.05〜1重量部の割合で用いることが望ましい。
本発明では、マクロモノマーを、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜5重量部、さらに好ましくは0.05〜1重量部の割合で用いることが望ましい。
本発明では、着色剤を用いるが、カラートナー(通常、ブラックトナー、シアントナー、イエロートナー、マゼンタトナーの4種類のトナーが用いられる。)を製造する場合、ブラック着色剤、シアン着色剤、イエロー着色剤、マゼンタ着色剤をそれぞれ用いることができる。
本発明において、ブラックの着色剤としては、カーボンブラック、チタンブラック、並び
に酸化鉄亜鉛、及び酸化鉄ニッケル等の磁性粉等の顔料を用いることができる。
に酸化鉄亜鉛、及び酸化鉄ニッケル等の磁性粉等の顔料を用いることができる。
シアンの着色剤としては、例えば、銅フタロシアニン化合物、その誘導体、及びアントラキノン化合物等が利用できる。具体的には、C.I.Pigment Blue2、同3、同6、同15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、同16、同17:1、及び同60等が挙げられ、重合の安定性がよく、着色力があることから、C.I.Pigment Blue15、同15:1、同15:2、同15:3、同15:4、及び同17:1等の銅フタロシアンニン化合物が好ましく、C.I.Pigment Blue15:3がさらに好ましい。
イエローの着色剤としては、例えば、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ顔料、縮合多環顔料等の化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Yellow3、同12、同13、同14、同15、同17、同62、同65、同73、同74、同83、同93、同97、同120、同138、同155、同180、同181、同185、及び同186等が挙げられる。
マゼンタの着色剤としては、例えば、モノアゾ顔料、及びジスアゾ顔料等のアゾ顔料、縮合多環顔料等の化合物が用いられる。具体的には、C.I.Pigment Red31、48、同57:1、同58、同60、同63、同64、同68、同81、同83、同87、同88、同89、同90、同112、同114、同122、同123、同144、同146、同149、同150、同163、同170、同184、同185、同187、同202、同206、同207、同209、同251、及びC.I.Pigment Violet19等が挙げられる。重合の安定性がよく、着色力があることから、C.I.Pigment Red31、同48、同57:1、同58、同60、同63、同64、同68、同112、同114、同146、同150、同163、同170、同185、同187、同206、及び同207等のモノアゾ顔料が同様に好ましい。
本発明では、それぞれの着色剤を、モノビニル単量体100重量部に対して、好ましくは1〜10重量部の割合で用いることが望ましい。
その他の添加物として、従来からトナーに用いられている帯電制御剤を何ら制限なく用いることができる。帯電制御剤には、負帯電制御剤と正帯電制御剤とがあり、本発明のトナーを負帯電性トナーとするか、正帯電性トナーとするかによって、使い分ける。例えば、正帯電方式の感光体は、負帯電方式のものと比べてオゾン発生が少ないという利点があるため、かかる観点からは正帯電方式の正帯電性トナーとすることが好ましい。
帯電制御剤の中でも、帯電制御樹脂が好ましい。その理由は、帯電制御樹脂は結着樹脂との相溶性が高く、無色であり高速でのカラー連続印刷においても帯電性が安定したトナーを得ることができるからである。
負帯電制御樹脂としては、重合体の側鎖に、カルボキシル基又はその塩、フェノール類基又はその塩、チオフェノール基又はその塩、スルホン酸基又はその塩から選択される置換基を有する樹脂等が挙げられる。より具体的には、特開平1−217464号公報、特開平3−15858号公報などの記載に準じて製造されるスルホン酸(塩)基含有共重合体が挙げられる。
帯電制御剤の中でも、帯電制御樹脂が好ましい。その理由は、帯電制御樹脂は結着樹脂との相溶性が高く、無色であり高速でのカラー連続印刷においても帯電性が安定したトナーを得ることができるからである。
負帯電制御樹脂としては、重合体の側鎖に、カルボキシル基又はその塩、フェノール類基又はその塩、チオフェノール基又はその塩、スルホン酸基又はその塩から選択される置換基を有する樹脂等が挙げられる。より具体的には、特開平1−217464号公報、特開平3−15858号公報などの記載に準じて製造されるスルホン酸(塩)基含有共重合体が挙げられる。
一方、正帯電制御樹脂としては、例えば、−NH2、−NHCH3、−N(CH3)2、−NHC2H5、−N(C2H5)2、−NHC2H4OH等のアミノ基を含有する樹脂、及びそれらがアンモニウム塩化された官能基を含有する樹脂が挙げられる。より具体的には、特開昭63−60458号公報、特開平3−175456号公報、特開平3−243954号公報、特開平11−15192号公報などの記載に準じて製造される4級アンモニウム(塩)基含有共重合体が挙げられる。
重合体の側鎖に含有される、上記置換基の塩としては、亜鉛、マグネシウム、アルミニウム、ナトリウム、カルシウム、クロム、鉄、マンガン、コバルト等の金属との塩、アンモニウムイオン、ピリジニウムイオン、イミダゾリウムイオン等の有機塩基との塩が挙げられる。
正帯電制御樹脂としては4級アンモニウム基含有共重合体が好ましく用いられ、4級アンモニウム基を有する単量体単位量は、好ましくは、正帯電制御樹脂を構成する全単量体の0.1〜15重量%であり、更に好ましくは0.3〜10重量%である。含有量がこの範囲にあると、静電荷像現像用トナーの帯電量を制御し易く、カブリの発生を少なくすることができる。
帯電制御樹脂としては、数平均分子量が3,000〜30,000のものが好ましく、3,000〜20,000のものが更に好ましく、5,000〜15,000のものが最も好ましい。帯電制御樹脂の数平均分子量が上記範囲未満であると、オフセットが発生する傾向があり、逆に上記範囲を超えると定着性が悪くなる傾向がある。
帯電制御樹脂のガラス転移温度は、好ましくは40〜80℃であり、更に好ましくは45〜75℃であり、最も好ましくは45〜70℃である。ガラス転移温度が上記範囲未満であるとトナーの保存性が悪くなる傾向があり、上記範囲を超えると低温定着性が低下する傾向がある。
本発明では、帯電制御樹脂を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.01〜30重量部、好ましくは0.3〜25重量部の割合で用いることが望ましい。
本発明によれば、負帯電性トナー、及び正帯電性トナーのどちらも製造することも可能であるが、特に上記式1で表される構造を有する重合禁止剤は、正帯電性トナーを製造する場合にも十分な帯電性が得られる。従って、本発明は、正帯電性トナーの製造に適しており、また、近年主流になっている負帯電方式で起こり易いオゾン発生が少ないという観点から、正帯電方式の静電荷像現像に好適に利用される。
帯電制御樹脂としては、数平均分子量が3,000〜30,000のものが好ましく、3,000〜20,000のものが更に好ましく、5,000〜15,000のものが最も好ましい。帯電制御樹脂の数平均分子量が上記範囲未満であると、オフセットが発生する傾向があり、逆に上記範囲を超えると定着性が悪くなる傾向がある。
帯電制御樹脂のガラス転移温度は、好ましくは40〜80℃であり、更に好ましくは45〜75℃であり、最も好ましくは45〜70℃である。ガラス転移温度が上記範囲未満であるとトナーの保存性が悪くなる傾向があり、上記範囲を超えると低温定着性が低下する傾向がある。
本発明では、帯電制御樹脂を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.01〜30重量部、好ましくは0.3〜25重量部の割合で用いることが望ましい。
本発明によれば、負帯電性トナー、及び正帯電性トナーのどちらも製造することも可能であるが、特に上記式1で表される構造を有する重合禁止剤は、正帯電性トナーを製造する場合にも十分な帯電性が得られる。従って、本発明は、正帯電性トナーの製造に適しており、また、近年主流になっている負帯電方式で起こり易いオゾン発生が少ないという観点から、正帯電方式の静電荷像現像に好適に利用される。
その他の添加物として、分子量調整剤を使用することが好ましい。分子量調整剤としては、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン、及び2,2,4,6,6−ペンタメチルヘプタン−4−チオール等のメルカプタン類が挙げられる。分子量調整剤は、重合開始前または重合途中に添加することができる。
本発明では、分子量調整剤を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いることが望ましい。
本発明では、分子量調整剤を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いることが望ましい。
更に、その他の添加物として、定着時におけるトナーの定着ロールからの離型性を改善できるので、離型剤を添加することが好ましい。
離型剤としては、一般にトナーの離型剤として用いられるものであれば、特に限定されない。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、及び低分子量ポリブチレン等の低分子量ポリオレフィンワックス;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、及びホホバ等の天然ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、及びペトロラタム等の石油ワックス;モンタン、セレシン、及びオゾケライト等の鉱物ワックス;フィッシャートロプシュワックス等の合成ワックス;ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールエステル等のエステル化合物;等が挙げられる。
本発明では、離型剤を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部の割合で用いることが望ましい。
離型剤としては、一般にトナーの離型剤として用いられるものであれば、特に限定されない。低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、及び低分子量ポリブチレン等の低分子量ポリオレフィンワックス;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、及びホホバ等の天然ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、及びペトロラタム等の石油ワックス;モンタン、セレシン、及びオゾケライト等の鉱物ワックス;フィッシャートロプシュワックス等の合成ワックス;ベヘン酸ベヘニル、ステアリン酸ステアリル、ペンタエリスリトールエステル、ジペンタエリスリトールエステル等のエステル化合物;等が挙げられる。
本発明では、離型剤を、モノビニル単量体100重量部に対して、通常、0.1〜30重量部、好ましくは1〜20重量部の割合で用いることが望ましい。
(2)懸濁液を得る懸濁工程(液滴形成工程)
本発明では、以上のようにして得られた重合性単量体組成物を、水系分散媒体中に懸濁させて懸濁液(重合性単量体組成物分散液)を得る。ここで、懸濁とは、水系分散媒体中で重合性単量体組成物の液滴を形成させることを意味する。液滴形成のための分散処理は、例えば、インライン型乳化分散機(荏原製作所製、商品名:エバラマイルダー)、高速乳化・分散機(特殊機化工業製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)等の強攪拌が可能な装置を用いて行なうことができる。
本発明では、以上のようにして得られた重合性単量体組成物を、水系分散媒体中に懸濁させて懸濁液(重合性単量体組成物分散液)を得る。ここで、懸濁とは、水系分散媒体中で重合性単量体組成物の液滴を形成させることを意味する。液滴形成のための分散処理は、例えば、インライン型乳化分散機(荏原製作所製、商品名:エバラマイルダー)、高速乳化・分散機(特殊機化工業製、商品名:T.K.ホモミクサー MARK II型)等の強攪拌が可能な装置を用いて行なうことができる。
本発明においては、着色樹脂粒子の粒径コントロール及び円形度向上のために、水系分散媒体中に、分散安定化剤を含有させて用いる。分散安定化剤としては、例えば、硫酸バリウム、及び硫酸カルシウム等の硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、及び炭酸マグネシウム等の炭酸塩;リン酸カルシウム等のリン酸塩;酸化アルミニウム、及び酸化チタン等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、及び水酸化第二鉄等の金属水酸化物;等の金属化合物等の酸又はアルカリに溶解するが難水溶性である無機化合物が挙げられる。また、分散安定化剤としては、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、及びゼラチン等の水溶性高分子;アニオン性界面活性剤;ノニオン性界面活性剤;両性界面活性剤;等の有機高分子化合物も挙げられる。
上記分散安定化剤の中でも、難水溶性無機化合物のコロイドが好ましく用いられる。難水溶性無機化合物のコロイドは、多価金属塩の水溶液と、一価金属化合物の水溶液とを混合することにより得られる。また、難水溶性無機化合物のコロイドは、多価金属塩と一価金属化合物のうち、いずれか一方の水溶液と、他方の固形物とを接触させて、調製することもできる。
上記多価金属塩としては、マグネシウム、アルミニウム、カルシウム、マンガン、鉄、ニッケル、銅、スズ等とのハロゲン化塩、硫酸塩、硝酸塩、酢酸塩などが挙げられる。これらの中でも、マグネシウム、アルミニウム、及びカルシウムの塩が好ましい。具体的には、マグネシウムの塩としては、塩化マグネシウム、硫酸マグネシウム、硝酸マグネシウム、酢酸マグネシウム;アルミニウムの塩としては、塩化アルミニウム、硫酸アルミニウム、硝酸アルミニウム、酢酸アルミニウム;カルシウムの塩としては、塩化カルシウム、硫酸カルシウム、硝酸カルシウム、酢酸カルシウム;及びこれらの水和物等が挙げられる。
上記多価金属塩は、1種を単独であるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
上記多価金属塩は、1種を単独であるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
一方、上記一価金属化合物としては、リン酸イオン、リン酸水素イオン、炭酸イオン、及び水酸化物イオンから選ばれる陰イオンと、一価金属との、塩又は水酸化物である。
上記一価金属化合物の一価金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムからなる群より選ばれる1種以上の一価金属であることが好ましい。上記一価金属化合物は、具体的には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウム等の水酸化物;リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、及びリン酸カリウム等のリン酸塩;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウム等の炭酸塩;等が挙げられ、これらの中でも、水酸化物が好ましい。
上記一価金属化合物は、1種を単独であるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
上記一価金属化合物の一価金属としては、リチウム、ナトリウム、カリウムからなる群より選ばれる1種以上の一価金属であることが好ましい。上記一価金属化合物は、具体的には、水酸化リチウム、水酸化ナトリウム、及び水酸化カリウム等の水酸化物;リン酸リチウム、リン酸ナトリウム、及びリン酸カリウム等のリン酸塩;炭酸リチウム、炭酸ナトリウム、及び炭酸カリウム等の炭酸塩;等が挙げられ、これらの中でも、水酸化物が好ましい。
上記一価金属化合物は、1種を単独であるいは2種類以上を組み合わせて用いることができる。
上記分散安定化剤は、1種又は2種以上を組み合わせて用いることができる。分散安定化剤の添加量は、重合性単量体100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましく、さらに、0.2〜10重量部であることがより好ましい。
また、分散安定化剤の添加量は、水系分散媒体100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、さらに、0.2〜5重量部であることがより好ましい。
また、分散安定化剤の添加量は、水系分散媒体100重量部に対して、0.1〜10重量部であることが好ましく、さらに、0.2〜5重量部であることがより好ましい。
本発明では、分散安定化剤として難溶性無機化合物を用いる場合には、水系分散媒体のpHは、8〜11であることが好ましく、さらに、水系分散媒体のpHは、8.5〜10.5の範囲で用いることがより好ましい。本発明で用いるpHが、上記範囲未満である場合には、分散安定性が低下し、得られる着色樹脂粒子の円形度が低下したり、粒径分布が広くなる場合がある。一方、本発明で用いるpHが、上記範囲を超える場合には、分散安定化剤の除去が困難になる場合がある。
水系分散媒体のpH測定は、温度25℃下で、pH計を用いて行なう。
pH計としては、例えば、堀場製作所製、商品名:D−14を用いることができる。
水系分散媒体のpH測定は、温度25℃下で、pH計を用いて行なう。
pH計としては、例えば、堀場製作所製、商品名:D−14を用いることができる。
本発明においては、小粒径微粒子の副生を抑制するために、懸濁工程において下記式1で表される構造を有する重合禁止剤を水系分散媒体中に含有させる。下記式1で表される構造を有する重合禁止剤は、水相中に溶出した重合性単量体の重合反応を抑制し、小粒径微粒子の副生を抑制する効果が高い。懸濁工程において水系分散媒体中に重合禁止剤を含有させた状態にできる限り、重合禁止剤を水系分散媒体へ添加する時機は特に限定されるものではなく、分散安定化剤を添加する前又は後の、あるいは重合性単量体組成物を添加する前又は後のいずれの段階で水系分散媒体中に添加してもよいが、重合性単量体の液滴形成後、重合工程を開始する前、すなわち懸濁液となった状態の水系分散媒体に添加されることが、小粒径微粒子の副生を抑える効果が高いため、特に好ましい。
(上記式1中、R1〜R3はそれぞれ独立して水素又は炭素数1〜3のアルキル基である。)
本発明で用いる重合禁止剤の具体例としては、オルト置換体では、o−アミノフェノール、o−メチルアミノフェノール、o−エチルアミノフェノール、o−プロピルアミノフェノール、o−イソプロピルアミノフェノール、o−ジメチルアミノフェノール、o−プロピルメチルアミノフェノール、o−イソプロピルメチルアミノフェノール、o−エチルメチルアミノフェノール、o−ジエチルアミノフェノール、o−エチルプロピルアミノフェノール、o−イソプロピルエチルアミノフェノール、o−ジプロピルアミノフェノール、o−ジイソプロピルアミノフェノール、o−メトキシアニリン、o−エトキシアニリン、o−プロポキシアニリン、o−イソプロポキシアニリン、o−メトキシメチルアニリン、o−メトキシエチルアニリン、o−メトキシプロピルアニリン、o−メトキシイソプロピルアニリン、o−メトキシジメチルアニリン、o−メトキシプロピルメチルアニリン、o−メトキシイソプロピルメチルアニリン、o−メトキシメチルエチルアニリン、o−メトキシジエチルアニリン、o−メトキシエチルプロピルアニリン、o−メトキシイソプロピルエチルアニリン、o−メトキシジプロピルアニリン、o−エトキシメチルアニリン、o−エトキシエチルアニリン、o−エトキシプロピルアニリン、o−エトキシイソプロピルアニリン、o−エトキシジメチルアニリン、o−エトキシプロピルメチルアニリン、o−エトキシイソプロピルメチルアニリン、o−エトキシメチルエチルアニリン、o−エトキシジエチルアニリン、o−エトキシエチルプロピルアニリン、o−エトキシイソプロピルエチルアニリン、o−エトキシジプロピルアニリン、o−プロポキシメチルアニリン、o−プロポキシエチルアニリン、o−プロポキシプロピルアニリン、o−プロポキシイソプロピルアニリン、o−プロポキシジメチルアニリン、o−プロポキシプロピルメチルアニリン、o−プロポキシイソプロピルメチルアニリン、o−プロポキシメチルエチルアニリン、o−プロポキシジエチルアニリン、o−プロポキシエチルプロピルアニリン、o−プロポキシイソプロピルエチルアニリン、o−プロポキシジプロピルアニリン、o−イソプロポキシメチルアニリン、o−イソプロポキシエチルアニリン、o−イソプロポキシプロピルアニリン、o−イソプロポキシイソプロピルアニリン、o−イソプロポキシジメチルアニリン、o−イソプロポキシプロピルメチルアニリン、o−イソプロポキシイソプロピルメチルアニリン、o−イソプロポキシメチルエチルアニリン、o−イソプロポキシジエチルアニリン、o−イソプロポキシエチルプロピルアニリン、o−イソプロポキシイソプロピルエチルアニリン、o−イソプロポキシジプロピルアニリン等が挙げられ、その他同様のメタ置換体、例えば、m−アミノフェノール、m−メトキシメチルアニリン等、及び同様のパラ置換体、例えば、p−アミノフェノール、p−メトキシメチルアニリン等が挙げられる。
これらの中でも、小粒径微粒子の副生を抑制できる効果が高いことから、上記式1中のR1〜R3が全て水素のもの、すなわち、o−アミノフェノール、p−アミノフェノールが好ましく用いられる。
これらの中でも、小粒径微粒子の副生を抑制できる効果が高いことから、上記式1中のR1〜R3が全て水素のもの、すなわち、o−アミノフェノール、p−アミノフェノールが好ましく用いられる。
本発明で用いる重合禁止剤の添加量は、重合性単量体100重量部に対して、0.01〜1重量部であることが好ましく、さらに、0.03〜0.5重量部であることがより好ましい。本発明で用いる重合禁止剤の添加量が、上記範囲未満である場合には、水相中での重合性単量体の重合反応の抑制効果が不十分であるため、小粒径微粒子の副生を十分に抑えることができなくなる場合がある。一方、本発明で用いる重合禁止剤の添加量が、上記範囲を超える場合には、重合性単量体組成物の重合反応が抑制されてしまい、重合性単量体組成物がトナー中に残留する場合がある。
水系分散媒体には、通常、重合開始剤を含有させる。該水系分散媒体中に添加された重合開始剤は、重合性単量体組成物の液滴内へと溶解する。
重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2'−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ジ−t−ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、及びt−ブチルパーオキシイソブチレート等の過酸化物類が挙げられる。また、上記重合開始剤と還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤を用いてもよい。これらの中でも、重合性単量体の残留を抑えることができ、耐久も良いことから、過酸化物類を用いるのが好ましい。
本発明において、重合開始剤を添加する時機は特に限定されるものではないが、懸濁液となった状態の水系分散媒体に添加されることが好ましく、特に重合禁止剤を添加した後、重合工程を開始する前の水系分散媒体に添加することが小粒径微粒子の副生を抑える効果が高いため、好ましい。
重合開始剤としては、例えば、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4'−アゾビス(4−シアノバレリック酸)、2,2'−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド、2,2'−アゾビス(2−アミジノプロパン)ジヒドロクロライド、2,2'−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、及び2,2’−アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ化合物;ジ−t−ブチルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ヘキシルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、t−ブチルパーオキシピバレート、ジイソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート、及びt−ブチルパーオキシイソブチレート等の過酸化物類が挙げられる。また、上記重合開始剤と還元剤とを組み合わせたレドックス開始剤を用いてもよい。これらの中でも、重合性単量体の残留を抑えることができ、耐久も良いことから、過酸化物類を用いるのが好ましい。
本発明において、重合開始剤を添加する時機は特に限定されるものではないが、懸濁液となった状態の水系分散媒体に添加されることが好ましく、特に重合禁止剤を添加した後、重合工程を開始する前の水系分散媒体に添加することが小粒径微粒子の副生を抑える効果が高いため、好ましい。
重合性単量体組成物の重合に用いられる、重合開始剤の添加量は、モノビニル単量体100重量部に対して、0.1〜20重量部であることが好ましく、さらに0.3〜15重量部であることがより好ましく、特に1.0〜10重量部であることが好ましい。
(3)重合工程
本発明では、懸濁工程(液滴形成工程)で得られた、重合性単量体組成物の液滴を含有する懸濁液を、重合開始剤の存在下において、昇温し、重合を開始する。
本発明における重合温度は、50℃以上であることが好ましく、さらに60〜95℃であることがより好ましい。また、本発明における重合の反応時間は、1〜20時間であることが好ましく、さらに2〜15時間であることが好ましい。
なお、重合性単量体組成物の液滴を安定に分散させた状態で重合を行うために、重合工程においても懸濁工程(液滴形成工程)に引き続き、攪拌による分散処理を行ないながら重合反応を進行させてもよい。
本発明では、懸濁工程(液滴形成工程)で得られた、重合性単量体組成物の液滴を含有する懸濁液を、重合開始剤の存在下において、昇温し、重合を開始する。
本発明における重合温度は、50℃以上であることが好ましく、さらに60〜95℃であることがより好ましい。また、本発明における重合の反応時間は、1〜20時間であることが好ましく、さらに2〜15時間であることが好ましい。
なお、重合性単量体組成物の液滴を安定に分散させた状態で重合を行うために、重合工程においても懸濁工程(液滴形成工程)に引き続き、攪拌による分散処理を行ないながら重合反応を進行させてもよい。
重合性単量体組成物の重合により得られる着色樹脂粒子は、そのままで及び外添剤を添加して重合トナーとして用いてもよいが、この着色樹脂粒子をコア層とし、その外側にコア層と異なるシェル層を作ることで得られる、所謂コアシェル型(または、「カプセル型」ともいう。)の着色樹脂粒子とすることが好ましい。コアシェル型の着色樹脂粒子は、低軟化点の物質よりなるコア層を、それより高い軟化点を有する物質で被覆することにより、定着温度の低温化と保存時の凝集防止とのバランスを取ることができる。
上記コアシェル型の着色樹脂粒子を製造する方法としては、特に制限はなく従来公知の方法によって製造することができる。in situ重合法や相分離法が、製造効率の点から好ましい。
in situ重合法によるコアシェル型の着色樹脂粒子の製造法を以下に説明する。
着色樹脂粒子が分散している水系分散媒体中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)と重合開始剤を添加し、重合することでコアシェル型の着色樹脂粒子を得ることができる。
着色樹脂粒子が分散している水系分散媒体中に、シェル層を形成するための重合性単量体(シェル用重合性単量体)と重合開始剤を添加し、重合することでコアシェル型の着色樹脂粒子を得ることができる。
シェル用重合性単量体としては、前述の重合性単量体と同様なものが使用できる。その中でも、スチレン、メチルメタクリレート等のTgが80℃を超える重合体が得られる単量体を、単独であるいは2種以上組み合わせて使用することが好ましい。
シェル用重合性単量体の重合に用いる重合開始剤としては、過硫酸カリウム、及び過硫酸アンモニウム等の過硫酸金属塩;2,2'−アゾビス(2−メチル−N−(2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)、及び2,2'−アゾビス−(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)等の水溶性のアゾ化合物;等の水溶性重合開始剤を挙げることができる。
重合開始剤の添加量は、シェル用重合性単量体100重量部に対して、好ましくは、0.1〜30重量部、より好ましくは1〜20重量部である。
重合開始剤の添加量は、シェル用重合性単量体100重量部に対して、好ましくは、0.1〜30重量部、より好ましくは1〜20重量部である。
シェル層の重合温度は、好ましくは50℃以上であり、さらに60〜95℃であることがより好ましい。また、重合の反応時間は好ましくは1〜20時間であり、さらに2〜15時間であることが好ましい。
(4)濾過、洗浄、脱水、乾燥
重合により得られた、着色樹脂粒子の水系分散媒体は、重合終了後に、常法に従い、濾過、分散安定化剤の除去を行う洗浄、脱水、及び乾燥の操作が、必要に応じて数回繰り返されることが好ましい。
重合により得られた、着色樹脂粒子の水系分散媒体は、重合終了後に、常法に従い、濾過、分散安定化剤の除去を行う洗浄、脱水、及び乾燥の操作が、必要に応じて数回繰り返されることが好ましい。
重合により得られた着色樹脂粒子の水系分散媒体は、使用した分散安定化剤が酸に可溶な難水溶性無機化合物である場合、着色樹脂粒子の水分散液への酸の添加により、分散安定化剤を水に溶解し除去する。一方で、使用した分散安定化剤が、アルカリに可溶な難水溶性無機化合物である場合は、酸の代わりにアルカリを使用する。
脱水、濾過の方法は、種々の公知の方法などを用いることが出来、特に限定されない。例えば、遠心濾過法、真空濾過法、加圧濾過法などを挙げることが出来る。また、乾燥の方法も、特に限定されず、種々の方法が使用できる。これらのうち、遠心濾過法が好適である。濾過脱水装置としては、ピーラーセントリフュージ、サイホンピーラーセントリフュージ等を挙げることができる。
以上の工程を経て得られた着色樹脂粒子について述べる(以下の着色樹脂粒子は、コアシェル型のものとそうでないもの両方を含む)。
本発明の静電潜像現像トナーを構成する着色樹脂粒子の体積平均粒径Dvが好ましくは3〜15μmであり、更に好ましくは4〜12μmである。Dvがこれらの範囲未満であると重合トナーの流動性が低下し、転写性が悪化したり、カスレが発生したり、印字濃度が低下する場合があり、これらの範囲を超えると得られる画像の解像度が低下する場合がある。
また、粒径が5μm以下の個数%は25%以下、更に18%以下であることが好ましい。5μm以下の小粒径の着色樹脂粒子の個数%が上記範囲よりも大きいと、得られるトナーの流動性が低下したり、転写性が悪化して、その結果、印字物にカスレが発生或いは印字濃度が低下しやすくなる。
本発明の静電潜像現像トナーを構成する着色樹脂粒子の体積平均粒径Dvが好ましくは3〜15μmであり、更に好ましくは4〜12μmである。Dvがこれらの範囲未満であると重合トナーの流動性が低下し、転写性が悪化したり、カスレが発生したり、印字濃度が低下する場合があり、これらの範囲を超えると得られる画像の解像度が低下する場合がある。
また、粒径が5μm以下の個数%は25%以下、更に18%以下であることが好ましい。5μm以下の小粒径の着色樹脂粒子の個数%が上記範囲よりも大きいと、得られるトナーの流動性が低下したり、転写性が悪化して、その結果、印字物にカスレが発生或いは印字濃度が低下しやすくなる。
本発明の静電潜像現像トナーを構成する着色樹脂粒子は、その体積平均粒径Dvと個数平均粒径Dpとの比Dv/Dpが、好ましくは1.0〜1.3であり、更に好ましくは1.0〜1.2である。Dv/Dpがこれらの範囲を超えると、カスレが発生したり、転写性、印字濃度及び解像度の低下が起こったりする場合がある。着色樹脂粒子の体積平均粒径、及び個数平均粒径は、例えば、マルチサイザー(ベックマン・コールター社製)等を用いて測定することができる。
静電荷像現像用トナーを構成する着色樹脂粒子の平均円形度は0.970〜0.995、更に0.975〜0.990であることが好ましい。
本発明において、円形度は、粒子像と同じ投影面積を有する円の周囲長を、粒子の投影像の周囲長で除した値として定義される。また、本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、着色樹脂粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、平均円形度は着色樹脂粒子が完全な球形の場合に1を示し、着色樹脂粒子の表面形状が複雑になるほど小さな値となる。平均円形度は、0.4μm以上の円相当径の粒子群について測定された各粒子の円形度(Ci)をn個の粒子について下記計算式1よりそれぞれ求め、次いで、下記計算式2より平均円形度(Ca)を求める。
計算式1:
円形度(Ci)=粒子の投影面積に等しい円の周囲長/粒子投影像の周囲長
本発明において、円形度は、粒子像と同じ投影面積を有する円の周囲長を、粒子の投影像の周囲長で除した値として定義される。また、本発明における平均円形度は、粒子の形状を定量的に表現する簡便な方法として用いたものであり、着色樹脂粒子の凹凸の度合いを示す指標であり、平均円形度は着色樹脂粒子が完全な球形の場合に1を示し、着色樹脂粒子の表面形状が複雑になるほど小さな値となる。平均円形度は、0.4μm以上の円相当径の粒子群について測定された各粒子の円形度(Ci)をn個の粒子について下記計算式1よりそれぞれ求め、次いで、下記計算式2より平均円形度(Ca)を求める。
計算式1:
円形度(Ci)=粒子の投影面積に等しい円の周囲長/粒子投影像の周囲長
上記計算式2において、fiは、円形度(Ci)の粒子の頻度である。
上記円形度及び平均円形度は、シスメックス社製フロー式粒子像分析装置「FPIA−1000」又は「FPIA−3000」を用いて測定することができる。
着色樹脂粒子の平均円形度が上記範囲を超える場合、着色樹脂粒子がクリーニングブレードと感光体の間をすり抜けやすくなり、感光体上でのフィルミングや、印字のカブリ等のクリーニング不良が発生し易い。また、上記範囲未満の場合、印字の細線再現性が悪くなる恐れがある。
上記円形度及び平均円形度は、シスメックス社製フロー式粒子像分析装置「FPIA−1000」又は「FPIA−3000」を用いて測定することができる。
着色樹脂粒子の平均円形度が上記範囲を超える場合、着色樹脂粒子がクリーニングブレードと感光体の間をすり抜けやすくなり、感光体上でのフィルミングや、印字のカブリ等のクリーニング不良が発生し易い。また、上記範囲未満の場合、印字の細線再現性が悪くなる恐れがある。
本発明においては、着色樹脂粒子をそのまま静電荷像現像用トナーとして電子写真の現像に用いることもできるが、重合トナーの帯電性、流動性、保存性等を調整するために、ヘンシェルミキサー等の高速撹拌機を用いて着色樹脂粒子、外添剤、及び必要に応じてその他の粒子を混合し一成分トナーとすることができる。また、着色樹脂粒子、外添剤及び必要に応じてその他の粒子に加えて、さらに、公知となっている種々の方法により、フェライト、鉄粉等のキャリア粒子を混合し、二成分トナーとすることもできる。
外添剤は、トナーの流動性や帯電性を向上させる目的で使用される。本発明では、従来より、トナーの外添剤として用いられている無機粒子や有機樹脂粒子等を、限定されることなく使用することができる。
外添剤の添加量は、特に限定されないが、着色樹脂粒子100重量部に対して、通常、0.1〜6重量部である。
外添剤の添加量は、特に限定されないが、着色樹脂粒子100重量部に対して、通常、0.1〜6重量部である。
上記各工程を経て得られる本発明の静電荷像現像用トナーは、懸濁重合法を実施する際に、小粒径微粒子の副生を抑えることができるので、トナーの製造段階では濾過工程での濾過材の目詰まりが防止され生産効率が向上し、トナーの印字段階では所望の粒径を有する着色樹脂粒子(トナー)を製造できたことに伴い、現像機内でのフィルミングによるカブリが生じず、印字耐久性が向上する。
以下に、実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、部及び%は、特に断りのない限り重量基準である。
本実施例及び比較例において行った試験方法は以下のとおりである。
(1)小粒径微粒子(濾液の透過率)の測定
重合工程後の着色樹脂粒子を含む水分散液100gに、ノニオン性界面活性剤(花王社製、商品名:エマルゲン123P)の10%水溶液を1.0g添加した後、硫酸で水分散液のpHを6以下にして分散安定化剤である無機化合物を溶解させた。次いで、その溶解液を市販の遠心分離機を用いて、遠心力1,500Gで5分間処理した。得られた水分散液の上澄み液をセル(光路幅:10mm)に入れ、分光光度計(日立製作所社製、商品名:スペクトフォトメーターU−1100)を用い、500nmの波長で光線透過率を測定し、イオン交換水の光線透過率を100%としたときの相対透過率を求めた。
重合工程後の着色樹脂粒子を含む水分散液100gに、ノニオン性界面活性剤(花王社製、商品名:エマルゲン123P)の10%水溶液を1.0g添加した後、硫酸で水分散液のpHを6以下にして分散安定化剤である無機化合物を溶解させた。次いで、その溶解液を市販の遠心分離機を用いて、遠心力1,500Gで5分間処理した。得られた水分散液の上澄み液をセル(光路幅:10mm)に入れ、分光光度計(日立製作所社製、商品名:スペクトフォトメーターU−1100)を用い、500nmの波長で光線透過率を測定し、イオン交換水の光線透過率を100%としたときの相対透過率を求めた。
(2)粒径に関する測定
(2−1)平均円形度の測定
容器中に、予めイオン交換水10mlを入れ、その中に分散剤としての界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸)0.02gを加え、更にトナー0.02gを加え、超音波分散機で60W、3分間分散処理を行った。測定時の着色樹脂粒子濃度を3,000〜10,000個/μlとなるように調整し、0.4μm以上の円相当径の着色樹脂粒子1,000〜10,000個についてフロー式粒子像分析装置(シメックス社製、商品名:FPIA−1000)を用いて測定した。測定値から平均円形度を求めた。
円形度は下記計算式1に示され、平均円形度は、その平均を取ったものである。
計算式1:
(円形度)=(粒子の投影面積に等しい円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
(2−2)体積平均粒径Dv及び粒径分布Dv/Dpの測定
トナーの体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dp)は、粒径測定機(ベックマン・コールター社製、商品名:マルチサイザー)により測定した。このマルチサイザーによる測定は、アパーチャー径:100μm、媒体:アイソトンII、測定粒子個数:100,000個の条件で行った。
具体的には、トナー0.1gをビーカーに取り、更に分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸水溶液(富士フィルム社製、商品名:ドライウエル)0.1mLを加えた。そのビーカーへ、更にアイソトンIIを10〜30mL加え、超音波分散機で1〜3分間分散させてから上記粒径測定機による測定を行った。
(2−1)平均円形度の測定
容器中に、予めイオン交換水10mlを入れ、その中に分散剤としての界面活性剤(アルキルベンゼンスルホン酸)0.02gを加え、更にトナー0.02gを加え、超音波分散機で60W、3分間分散処理を行った。測定時の着色樹脂粒子濃度を3,000〜10,000個/μlとなるように調整し、0.4μm以上の円相当径の着色樹脂粒子1,000〜10,000個についてフロー式粒子像分析装置(シメックス社製、商品名:FPIA−1000)を用いて測定した。測定値から平均円形度を求めた。
円形度は下記計算式1に示され、平均円形度は、その平均を取ったものである。
計算式1:
(円形度)=(粒子の投影面積に等しい円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
(2−2)体積平均粒径Dv及び粒径分布Dv/Dpの測定
トナーの体積平均粒径(Dv)及び個数平均粒径(Dp)は、粒径測定機(ベックマン・コールター社製、商品名:マルチサイザー)により測定した。このマルチサイザーによる測定は、アパーチャー径:100μm、媒体:アイソトンII、測定粒子個数:100,000個の条件で行った。
具体的には、トナー0.1gをビーカーに取り、更に分散剤としてアルキルベンゼンスルホン酸水溶液(富士フィルム社製、商品名:ドライウエル)0.1mLを加えた。そのビーカーへ、更にアイソトンIIを10〜30mL加え、超音波分散機で1〜3分間分散させてから上記粒径測定機による測定を行った。
(3)現像ロール表面上でのトナー帯電量|Q/M|の測定
市販の一成分現像方式のプリンター(印字速度18枚/分(A4))に、温度23℃、湿度50%(NN(常温常湿)環境)の下に一昼夜放置したトナーを充填したカートリッジを装着して、プリンターに印字用紙をセットし、温度23℃、湿度50%(NN環境)の下で印字を行って評価した。
先ず白ベタ印字を行い、次いで、2枚目の白ベタ印字を途中で停止させた後、現像ロール上に付着したトナーの帯電量|Q/M|(μC/g)を、吸引式帯電量測定装置(トレックジャパン社製、商品名:210HS−2A)を用いて測定した。
市販の一成分現像方式のプリンター(印字速度18枚/分(A4))に、温度23℃、湿度50%(NN(常温常湿)環境)の下に一昼夜放置したトナーを充填したカートリッジを装着して、プリンターに印字用紙をセットし、温度23℃、湿度50%(NN環境)の下で印字を行って評価した。
先ず白ベタ印字を行い、次いで、2枚目の白ベタ印字を途中で停止させた後、現像ロール上に付着したトナーの帯電量|Q/M|(μC/g)を、吸引式帯電量測定装置(トレックジャパン社製、商品名:210HS−2A)を用いて測定した。
(4)印字試験
(4−1)初期印字試験
上記(3)で使用したプリンターに、NN(常温常湿)環境下に一昼夜放置したトナーを充填したカートリッジを装着して、プリンターに印字用紙をセットし、NN(常温常湿)環境下で初期カブリ値を以下のように測定した。
白ベタ印字(0%印字濃度)を行い、途中で上記プリンターを10枚の印字で停止させ、現像後の感光体上に非画像部のトナーを粘着テープ(住友スリーエム社製、商品名:スコッチメンディングテープ810−3−18)に付着させた。この粘着テープを新しい印字用紙に貼り付け、分光色差計(日本電色工業社製、商品名:SE−2000)で色調を測定した。リファレンス(基準サンプル)として、未使用の粘着テープを印字用紙に貼り付け、同様に色調を測定した。それぞれの色調をL*a*b*空間の座標として表し、測定サンプルと基準サンプルの色調から色差ΔEを算出して初期カブリ値とした。この値が小さいほど初期カブリが少なく、初期カブリ値ΔEが1.0以下であれば、画質が良好であることを示す。
(4−1)初期印字試験
上記(3)で使用したプリンターに、NN(常温常湿)環境下に一昼夜放置したトナーを充填したカートリッジを装着して、プリンターに印字用紙をセットし、NN(常温常湿)環境下で初期カブリ値を以下のように測定した。
白ベタ印字(0%印字濃度)を行い、途中で上記プリンターを10枚の印字で停止させ、現像後の感光体上に非画像部のトナーを粘着テープ(住友スリーエム社製、商品名:スコッチメンディングテープ810−3−18)に付着させた。この粘着テープを新しい印字用紙に貼り付け、分光色差計(日本電色工業社製、商品名:SE−2000)で色調を測定した。リファレンス(基準サンプル)として、未使用の粘着テープを印字用紙に貼り付け、同様に色調を測定した。それぞれの色調をL*a*b*空間の座標として表し、測定サンプルと基準サンプルの色調から色差ΔEを算出して初期カブリ値とした。この値が小さいほど初期カブリが少なく、初期カブリ値ΔEが1.0以下であれば、画質が良好であることを示す。
(4−2)耐久印字試験
上記(3)で使用したプリンターに印字用紙をセットし、現像装置にトナーを入れ、NN(常温常湿)環境下で一昼夜放置した後、1%印字濃度で連続印字を行い、1,000枚ごとに白ベタ印字(0%印字濃度)を行い、カブリ値は上記(4−1)初期印字試験と同様に測定した。白ベタ印字を行った際のカブリ値が1.0以下である画質を維持できる連続印字枚数を10,000枚まで試験した。試験結果に「10,000<」とあるのは、10,000枚連続で印字しても上記基準を満たしていることを示す。
上記(3)で使用したプリンターに印字用紙をセットし、現像装置にトナーを入れ、NN(常温常湿)環境下で一昼夜放置した後、1%印字濃度で連続印字を行い、1,000枚ごとに白ベタ印字(0%印字濃度)を行い、カブリ値は上記(4−1)初期印字試験と同様に測定した。白ベタ印字を行った際のカブリ値が1.0以下である画質を維持できる連続印字枚数を10,000枚まで試験した。試験結果に「10,000<」とあるのは、10,000枚連続で印字しても上記基準を満たしていることを示す。
(実施例1)
モノビニル単量体としてスチレン78部及びn−ブチルアクリレート22部、ブラックの着色剤としてカーボンブラック(三菱化学社製、商品名:#25BS)7部、帯電制御樹脂(スチレン/アクリル樹脂、藤倉化成社製、商品名:FCA−207P)1部、架橋性の重合性単量体としてジビニルベンゼン0.7部、分子量調整剤としてトリイソブチルメルカプタン1部、テトラエチルチウラムジスルフィド1部、及び離型剤としてジペンタエリスリトールヘキサミリステート5部を攪拌、混合して、均一分散し、重合性単量体組成物を調製して得た。
モノビニル単量体としてスチレン78部及びn−ブチルアクリレート22部、ブラックの着色剤としてカーボンブラック(三菱化学社製、商品名:#25BS)7部、帯電制御樹脂(スチレン/アクリル樹脂、藤倉化成社製、商品名:FCA−207P)1部、架橋性の重合性単量体としてジビニルベンゼン0.7部、分子量調整剤としてトリイソブチルメルカプタン1部、テトラエチルチウラムジスルフィド1部、及び離型剤としてジペンタエリスリトールヘキサミリステート5部を攪拌、混合して、均一分散し、重合性単量体組成物を調製して得た。
他方、イオン交換水170部に塩化マグネシウム8.5部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム4.8部を溶解した水溶液を、攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド(難水溶性の金属水酸化物コロイド)分散液を調製した。
上記により得られた水酸化マグネシウムコロイド分散液に、上記重合性単量体組成物を投入し、攪拌後、重合禁止剤としてp−アミノフェノール0.05部を添加し、さらに攪拌した。その後、重合開始剤としてt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート(日本油脂社製、商品名:パーブチルO)5部をさらに添加し、インライン型乳化分散機(荏原製作所製、商品名:マイルダー)を用いて、15,000rpmの回転数で10分間、高剪断攪拌して、重合性単量体組成物の液滴形成を行なった。
上記により得られた重合性単量体組成物の液滴が分散した懸濁液(重合性単量体組成物分散液)を、攪拌翼を装着した反応器内に投入し、90℃で重合反応を開始させた。重合転化率がほぼ100%に達した後、重合温度はそのままにして、シェル用重合性単量体としてメチルメタアクリレート1部と、イオン交換水10部に溶解したシェル用重合開始剤である2,2'−アゾビス−(2−メチル−N−(1,1−ビス(ヒドロキシメチル)2−ヒドロキシエチル)プロピオンアミド)(和光純薬工業社製、商品名:VA−086)0.1部を添加し、90℃で3時間反応を継続した後、反応を停止し、コアシェル構造を有する着色樹脂粒子の水分散液を得た。着色樹脂粒子の水分散液のpHは、9.5であった。なお、得られた着色樹脂粒子の水分散液の一部は、小粒径微粒子(濾液の透過率)の測定に用いた。
上記により得られた着色樹脂粒子の水分散液を攪拌しながら、硫酸を添加しpHを6以下にして酸洗浄を行ない、濾過により水を分離した後、新たにイオン交換水500部を加えて再スラリー化し、水洗浄を行なった。その後、再度、脱水と水洗浄を3回繰り返し行なって、固形分を濾過分離した後、乾燥機にて40℃で2昼夜乾燥を行い、着色樹脂粒子を得た。
上記により得られた着色樹脂粒子100部に、外添剤として体積平均粒径12nmのシリカ1.0部及び体積平均粒径40nmのシリカ1.5部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて、14,000rpmの回転数で10分間、混合し、実施例1のトナーを得た。
(実施例2)
重合禁止剤であるp−アミノフェノールの添加量を0.1部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2のトナーを作製した。
重合禁止剤であるp−アミノフェノールの添加量を0.1部に変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例2のトナーを作製した。
(実施例3)
重合禁止剤をo−アミノフェノールに変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例3のトナーを作製した。
重合禁止剤をo−アミノフェノールに変更したこと以外は、実施例1と同様にして実施例3のトナーを作製した。
(比較例1)
重合禁止剤をp−メトキシフェノールに変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例1のトナーを作製した。
重合禁止剤をp−メトキシフェノールに変更したこと以外は、実施例1と同様にして比較例1のトナーを作製した。
(比較例2)
重合禁止剤をハイドロキノンに変更したこと以外は、実施例2と同様にして比較例2のトナーを作製した。
重合禁止剤をハイドロキノンに変更したこと以外は、実施例2と同様にして比較例2のトナーを作製した。
(結果)
各実施例及び比較例で得られたトナーの物性試験及び印字試験を上記のとおり行った。その結果を表1に示す。
各実施例及び比較例で得られたトナーの物性試験及び印字試験を上記のとおり行った。その結果を表1に示す。
(結果のまとめ)
本発明の規定する重合禁止剤を使用しない比較例1及び2の製造方法で得られたトナーは、小粒径微粒子の副生を十分に抑えることができず、印字耐久性不良を起こした。
これに対して、実施例1〜3の製造方法で得られたトナーは、重合工程後の着色樹脂粒子の水分散液から分離した濾液の透過率は高く、且つ得られたトナーの帯電量|Q/M|は十分であり、これらの評価は共に良好であった。また、初期印字試験では、初期カブリ値ΔEは、1.0以下と低く、良好な画質が確認され、且つ耐久印字試験では、印字枚数が10,000枚に達した時点においても、カブリは発生しなかったことから、印字耐久性に優れたトナーが得られた。このことは、本発明で規定した重合禁止剤を用いたことに起因し、小粒径微粒子の副生が十分に抑えられ、且つトナーの帯電性が十分であったため、フィルミングによるカブリが生じなかったものと考えられる。
本発明の規定する重合禁止剤を使用しない比較例1及び2の製造方法で得られたトナーは、小粒径微粒子の副生を十分に抑えることができず、印字耐久性不良を起こした。
これに対して、実施例1〜3の製造方法で得られたトナーは、重合工程後の着色樹脂粒子の水分散液から分離した濾液の透過率は高く、且つ得られたトナーの帯電量|Q/M|は十分であり、これらの評価は共に良好であった。また、初期印字試験では、初期カブリ値ΔEは、1.0以下と低く、良好な画質が確認され、且つ耐久印字試験では、印字枚数が10,000枚に達した時点においても、カブリは発生しなかったことから、印字耐久性に優れたトナーが得られた。このことは、本発明で規定した重合禁止剤を用いたことに起因し、小粒径微粒子の副生が十分に抑えられ、且つトナーの帯電性が十分であったため、フィルミングによるカブリが生じなかったものと考えられる。
Claims (5)
- 該式1で表される構造式において、R1〜R3が全て水素であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 該懸濁工程において、該重合禁止剤の含有量が、重合性単量体100重量部に対して、0.01〜1重量部であることを特徴とする請求項1又は2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 該懸濁工程において、該水系分散媒体のpHが、8〜11であることを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 該静電荷像現像用トナーが、正帯電性トナーであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
Priority Applications (1)
Application Number | Priority Date | Filing Date | Title |
---|---|---|---|
JP2006152571A JP2007322726A (ja) | 2006-05-31 | 2006-05-31 | 静電荷像現像用トナーの製造方法 |
Applications Claiming Priority (1)
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Publications (1)
Publication Number | Publication Date |
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ID=38855594
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JP2006152571A Pending JP2007322726A (ja) | 2006-05-31 | 2006-05-31 | 静電荷像現像用トナーの製造方法 |
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Cited By (2)
Publication number | Priority date | Publication date | Assignee | Title |
---|---|---|---|---|
JP2009276752A (ja) * | 2008-04-15 | 2009-11-26 | Konica Minolta Business Technologies Inc | 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法 |
KR101322920B1 (ko) | 2012-02-24 | 2013-10-29 | 주식회사 파캔오피씨 | 현탁응집중합법을 이용한 토너의 제조방법 |
-
2006
- 2006-05-31 JP JP2006152571A patent/JP2007322726A/ja active Pending
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