JP2009276752A - 静電荷像現像用トナーおよびその製造方法 - Google Patents
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Abstract
Description
このような静電荷像現像用トナーを用いた電子写真方式の画像形成方法においては、カラー画像を形成するためのカラートナーとして、結着樹脂と、各色の着色剤とが含有されてなるイエロートナー、マゼンタトナーおよびシアントナーなどが用いられており、これらのカラートナーの各々によるトナー像を重ね合わせることによって色調が調整され、これにより、フルカラー画像が形成される。
ここに、着色剤として低分子量の染料を用いたカラートナーにおいて、このような問題が生じる理由としては、低分子量の染料は樹脂との相溶性が高いことから、これに起因して得られるカラートナーのガラス転移点が低下してしまうことが一因として考えられ、また、その他の要因として、加熱定着時において、当該染料が昇華されることに伴ってトナーの定着に供することのできる熱エネルギー量が減少、すなわち定着に供すべき熱エネルギーの一部が染料の昇華に消費されてしまうことも考えられる。
従って、本発明の静電荷像現像用トナーによれば、高い保存安定性を有すると共に、優れた転写性および定着性が得られ、従って、高い画質の画像を形成することができる。
また、本発明の静電荷像現像用トナーの製造方法によれば、高い保存安定性を有すると共に、優れた転写性および定着性が得られ、従って、高い画質の画像を形成することができるトナーを得ることかできる。
この本発明の静電荷像現像用トナーは、結着樹脂と、着色剤と、特定アミノフェノール化合物とを含有してなるものであればよく、構成成分として、例えば離型剤(ワックス)などの他の構成成分が含有されてなるものであってもよい。
基R1 および基R2 を示すアルキル基は、メチル基、エチル基、プロピル基またはブチル基である。
また、基R1 および基R2 を示すアリール基としては、例えばフェニル基、ベンジル基、トリル基およびo−キシリル基などが挙げられる。
これらのうちでは、特定アミノ基がオルト位に位置するものとしては、基R1 および基R2 が共にエチル基である、(13)の化合物が好ましく、また、特定アミノ基がメタ位に位置するものとしては、基R1 および基R2 が共にエチル基である、(38)の化合物が好ましい。
(2)一般式(1)において、特定アミノ基がオルト位に位置し、R1 が水素原子、R2 がメチル基である化合物
(3)一般式(1)において、特定アミノ基がオルト位に位置し、R1 が水素原子、R2 がエチル基である化合物
(4)一般式(1)において、特定アミノ基がオルト位に位置し、R1 が水素原子、R2 がプロピル基である化合物
(5)一般式(1)において、特定アミノ基がオルト位に位置し、R1 が水素原子、R2 がブチル基である化合物
(6)一般式(1)において、特定アミノ基がオルト位に位置し、R1 がメチル基、R2 が水素原子である化合物
(7)一般式(1)において、特定アミノ基がオルト位に位置し、R1 およびR2 が共にメチル基である化合物
(8)一般式(1)において、特定アミノ基がオルト位に位置し、R1 がメチル基、R2 がエチル基である化合物
(9)一般式(1)において、特定アミノ基がオルト位に位置し、R1 がメチル基、R2 がプロピル基である化合物
(10)一般式(1)において、特定アミノ基がオルト位に位置し、R1 がメチル基、R2 がブチル基である化合物
(11)一般式(1)において、特定アミノ基がオルト位に位置し、R1 がエチル基、R2 が水素原子である化合物
(12)一般式(1)において、特定アミノ基がオルト位に位置し、R1 がエチル基、R2 がメチル基である化合物
(13)一般式(1)において、特定アミノ基がオルト位に位置し、R1 およびR2 が共にエチル基である化合物
(14)一般式(1)において、特定アミノ基がオルト位に位置し、R1 がエチル基、R2 がプロピル基である化合物
(15)一般式(1)において、特定アミノ基がオルト位に位置し、R1 がエチル基、R2 がブチル基である化合物
(16)一般式(1)において、特定アミノ基がオルト位に位置し、R1 がプロピル基、R2 が水素原子である化合物
(17)一般式(1)において、特定アミノ基がオルト位に位置し、R1 がプロピル基、R2 がメチル基である化合物
(18)一般式(1)において、特定アミノ基がオルト位に位置し、R1 がプロピル基、R2 がエチル基である化合物
(19)一般式(1)において、特定アミノ基がオルト位に位置し、R1 およびR2 が共にプロピル基である化合物
(20)一般式(1)において、特定アミノ基がオルト位に位置し、R1 がプロピル基、R2 がブチル基である化合物
(21)一般式(1)において、特定アミノ基がオルト位に位置し、R1 がブチル基、R2 が水素原子である化合物
(22)一般式(1)において、特定アミノ基がオルト位に位置し、R1 がブチル基、R2 がメチル基である化合物
(23)一般式(1)において、特定アミノ基がオルト位に位置し、R1 がブチル基、R2 がエチル基である化合物
(24)一般式(1)において、特定アミノ基がオルト位に位置し、R1 がブチル基、R2 がプロピル基である化合物
(25)一般式(1)において、特定アミノ基がオルト位に位置し、R1 およびR2 が共にブチル基である化合物
(27)一般式(1)において、特定アミノ基がメタ位に位置し、R1 が水素原子、R2 がメチル基である化合物
(28)一般式(1)において、特定アミノ基がメタ位に位置し、R1 が水素原子、R2 がエチル基である化合物
(29)一般式(1)において、特定アミノ基がメタ位に位置し、R1 が水素原子、R2 がプロピル基である化合物
(30)一般式(1)において、特定アミノ基がメタ位に位置し、R1 が水素原子、R2 がブチル基である化合物
(31)一般式(1)において、特定アミノ基がメタ位に位置し、R1 がメチル基、R2 が水素原子である化合物
(32)一般式(1)において、特定アミノ基がメタ位に位置し、R1 およびR2 が共にメチル基である化合物
(33)一般式(1)において、特定アミノ基がメタ位に位置し、R1 がメチル基、R2 がエチル基である化合物
(34)一般式(1)において、特定アミノ基がメタ位に位置し、R1 がメチル基、R2 がプロピル基である化合物
(35)一般式(1)において、特定アミノ基がメタ位に位置し、R1 がメチル基、R2 がブチル基である化合物
(36)一般式(1)において、特定アミノ基がメタ位に位置し、R1 がエチル基、R2 が水素原子である化合物
(37)一般式(1)において、特定アミノ基がメタ位に位置し、R1 がエチル基、R2 がメチル基である化合物
(38)一般式(1)において、特定アミノ基がメタ位に位置し、R1 およびR2 が共にエチル基である化合物
(39)一般式(1)において、特定アミノ基がメタ位に位置し、R1 がエチル基、R2 がプロピル基である化合物
(40)一般式(1)において、特定アミノ基がメタ位に位置し、R1 がエチル基、R2 がブチル基である化合物
(41)一般式(1)において、特定アミノ基がメタ位に位置し、R1 がプロピル基、R2 が水素原子である化合物
(42)一般式(1)において、特定アミノ基がメタ位に位置し、R1 がプロピル基、R2 がメチル基である化合物
(43)一般式(1)において、特定アミノ基がメタ位に位置し、R1 がプロピル基、R2 がエチル基である化合物
(44)一般式(1)において、特定アミノ基がメタ位に位置し、R1 およびR2 が共にプロピル基である化合物
(45)一般式(1)において、特定アミノ基がメタ位に位置し、R1 がプロピル基、R2 がブチル基である化合物
(46)一般式(1)において、特定アミノ基がメタ位に位置し、R1 がブチル基、R2 が水素原子である化合物
(47)一般式(1)において、特定アミノ基がメタ位に位置し、R1 がブチル基、R2 がメチル基である化合物
(48)一般式(1)において、特定アミノ基がメタ位に位置し、R1 がブチル基、R2 がエチル基である化合物
(49)一般式(1)において、特定アミノ基がメタ位に位置し、R1 がブチル基、R2 がプロピル基である化合物
(50)一般式(1)において、特定アミノ基がメタ位に位置し、R1 およびR2 が共にブチル基である化合物
(52)一般式(1)において、特定アミノ基がパラ位に位置し、R1 が水素原子、R2 がメチル基である化合物
(53)一般式(1)において、特定アミノ基がパラ位に位置し、R1 が水素原子、R2 がエチル基である化合物
(54)一般式(1)において、特定アミノ基がパラ位に位置し、R1 が水素原子、R2 がプロピル基である化合物
(55)一般式(1)において、特定アミノ基がパラ位に位置し、R1 が水素原子、R2 がブチル基である化合物
(56)一般式(1)において、特定アミノ基がパラ位に位置し、R1 がメチル基、R2 が水素原子である化合物
(57)一般式(1)において、特定アミノ基がパラ位に位置し、R1 およびR2 が共にメチル基である化合物
(58)一般式(1)において、特定アミノ基がパラ位に位置し、R1 がメチル基、R2 がエチル基である化合物
(59)一般式(1)において、特定アミノ基がパラ位に位置し、R1 がメチル基、R2 がプロピル基である化合物
(60)一般式(1)において、特定アミノ基がパラ位に位置し、R1 がメチル基、R2 がブチル基である化合物
(61)一般式(1)において、特定アミノ基がパラ位に位置し、R1 がエチル基、R2 が水素原子である化合物
(62)一般式(1)において、特定アミノ基がパラ位に位置し、R1 がエチル基、R2 がメチル基である化合物
(63)一般式(1)において、特定アミノ基がパラ位に位置し、R1 およびR2 が共にエチル基である化合物
(64)一般式(1)において、特定アミノ基がパラ位に位置し、R1 がエチル基、R2 がプロピル基である化合物
(65)一般式(1)において、特定アミノ基がパラ位に位置し、R1 がエチル基、R2 がブチル基である化合物
(66)一般式(1)において、特定アミノ基がパラ位に位置し、R1 がプロピル基、R2 が水素原子である化合物
(67)一般式(1)において、特定アミノ基がパラ位に位置し、R1 がプロピル基、R2 がメチル基である化合物
(68)一般式(1)において、特定アミノ基がパラ位に位置し、R1 がプロピル基、R2 がエチル基である化合物
(69)一般式(1)において、特定アミノ基がパラ位に位置し、R1 およびR2 が共にプロピル基である化合物
(70)一般式(1)において、特定アミノ基がパラ位に位置し、R1 がプロピル基、R2 がブチル基である化合物
(71)一般式(1)において、特定アミノ基がパラ位に位置し、R1 がブチル基、R2 が水素原子である化合物
(72)一般式(1)において、特定アミノ基がパラ位に位置し、R1 がブチル基、R2 がメチル基である化合物
(73)一般式(1)において、特定アミノ基がパラ位に位置し、R1 がブチル基、R2 がエチル基である化合物
(74)一般式(1)において、特定アミノ基がパラ位に位置し、R1 がブチル基、R2 がプロピル基である化合物
(75)一般式(1)において、特定アミノ基がパラ位に位置し、R1 およびR2 が共にブチル基である化合物
特定アミノフェノール化合物の含有割合が0.1ppm未満である場合には、高い保存安定性、転写性および定着性が得られず、また高品質の画像を形成することができなくなる。
一方、特定アミノフェノール化合物の含有割合が65ppmを超える場合には、逆極性を有するものの割合が大きくなり、トナー飛散の発生などの弊害が生じることとなる。
この結着樹脂として用いられる重合体の具体例としては、その代表的なものとして、ポリエステル系重合体、重合性単量体としてビニル系単量体が用いられてなるビニル系重合体が挙げられる。
イオン性解離基を有する重合性単量体の具体例としては、カルボキシル基を有するものとして、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステルなどが挙げられる。またスルフォン酸基を有するものとして、スチレンスルフォン酸、アリルスルフオコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸などが挙げられ、リン酸基を有するものとして、アシドホスホオキシエチルメタクリレートなどが挙げられる。
多官能性ビニル類の具体例としては、例えばジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等が挙げられる。
(A−2)一般式(A)において、R3 がエチル基、R4 がエチル基、R5 が水素原子、R6 がエチル基、X- が塩素イオンである化合物(分子量:505)
(A−3)一般式(A)において、R3 がエチル基、R4 がエチル基、R5 がメトキシ基、R6 がエチル基、X- が塩素イオンである化合物(分子量:535)
(A−4)一般式(A)において、R3 がエチル基、R4 がエチル基、R5 が水素原子、R6 がエチル基、X- がオクタン酸イオンである化合物(分子量:595)
(A−5)一般式(A)において、R3 が水素原子、R4 がエチル基、R5 がメチル基、R6 がエチル基、X- がステアリン酸イオンである化合物(分子量:741)
(A−6)一般式(A)において、R3 がエチル基、R4 がエチル基、R5 がメトキシ基、R6 がエチル基、X- がメリシン酸イオンである化合物(分子量:923)
(B−2)一般式(B)において、R7 およびR8 が共にエチル基である化合物(分子量:350)
(B−3)一般式(B)において、R7 およびR8 が共にフェニル基である化合物(分子量:632)
また、着色剤の添加量はトナー全体に対して1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%の範囲とされる。
離型剤の具体例としては、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等のポリオレフィン系ワックス;パラフィンワックス、サゾールワックス等の長鎖炭化水素系ワックス;ジステアリルケトン等のジアルキルケトン系ワックス;カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1, 18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等のエステル系ワックス;エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミド等のアミド系ワックスなどが挙げられる。
離型剤として上記の範囲の融点を有するものを用いることにより、本発明の静電荷像現像用トナーの耐熱保存性が確保されると共に、低温定着を行なう場合であってもコールドオフセットが発生するなどの弊害を伴わずに安定した画像形成を行なうことができる。
また、本発明の静電荷像現像用トナーにおける離型剤の含有割合は、トナー全体において1〜30質量%であることが好ましく、更に5〜20質量%であることが好ましい。
体積基準メディアン径を上記の範囲とすることにより、例えば1200dpi(1インチ(2.54cm)当たりのドット数)レベルの非常に微小なドット画像を忠実に再現することが可能となる。その結果、写真画像として、印刷インクによって形成された画像と同等あるいはそれ以上の高精細性を有するものを形成することができ、従って可視画像として写真画像を形成した場合にもその画像に高い色再現性を得ることができる。而して、特に軽印刷分野においては、高精細写真画像を合むフルカラー画像を、数百部〜数千部レベルの少量であっても容易に形成することができる。
具体的には、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20mL(静電荷像現像用トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)に添加して馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、静電荷像現像用トナー分散液を調製し、この静電荷像現像用トナー分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定装置の表示濃度が8%になるまでピペットにて注入する。ここで、この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値を得ることができる。そして、測定装置において、測定粒子カウント数を25000個、アパーチャ径を50μmにし、測定範囲である1〜30μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率の大きい方から50%の粒子径が体積基準のメディアン径とされる。
体積基準の粒度分布における変動係数は、トナー粒子の粒度分布における分散度を体積基準によって示したものであり、下記数式(1)によって算出される。
このCV値は、その値が小さい程、粒度分布がシャープであることを示し、従ってトナー粒子の大きさが揃っていることを意味する。
軟化点温度を上記の範囲とすることにより、定着時に加えられる熱によって生じる昇華や熱分解を低減させることができ、その結果、着色剤に大きな負担をかけることなく画像を形成することができるため、形成される可視画像に、より広く安定した色再現性を得ることができる。
また、定着に供されるべき熱エネルギーが転写紙(画像支持体)に含まれる水分の気化熱に費やされることが殆どないため、電力消費の低減を実現した環境に優しい画像形成を行なうことが可能となる。
すなわち、混合工程(必要に応じて予備混合工程を含む)、混練工程、粉砕工程および分級工程をこの順に経る粉砕法、重合性単量体を重合させ、その重合工程において形状や大きさを制御しながら粒子形成を行う、いわゆる重合法( 具体的には、例えば乳化重合法、懸濁重合法、ポリエステル伸長法等) などを用いることができる。
なお、本発明の静電荷像現像用トナーを粉砕法によって製造する場合には、混練工程において、加熱温度が130℃以下であることが好ましい。加熱温度を130℃以下、すなわち混練物の温度を130℃以下に維持した状態とすることが好ましい理由は、混練物の温度が130℃を超えた場合には、当該混練物において熱の作用によって着色剤の昇華や熱分解が生じたり、水和状態が変動し、色調が不安定となるおそれがあるためである。なお、着色剤の凝集状態にバラツキが生じた場合には、得られるトナーに色調のバラツキが生じ、色濁りの原因になるおそれがある。
粉砕法においては、例えば特定アミノフェノール化合物を、他のトナーの構成材料と共に予備混合工程に供する手法、または特定アミノフェノール化合物と着色剤とからなる着色剤組成物を得、この着色剤組成物を、他のトナーの構成材料と共に混練工程に供する手法などが用いられる。
一方、重合法、その一例として、乳化重合凝集法においては、例えば特定アミノフェノール化合物よりなる粒子の分散液を得、この分散液を、他のトナーの構成材料の粒子の分散液と混合し、凝集、会合および融着を行なう手法、または特定アミノフェノール化合物よりなる粒子および着色剤よりなる着色剤粒子が分散されてなる分散液(着色剤組成物粒子分散液)を得、この分散液を、他のトナーの構成材料の粒子の分散液と混合し、凝集、会合および融着を行なう手法などが用いられる。
この結着樹脂よりなる樹脂粒子としては、組成の異なる結着樹脂よりなる2層以上の構成とすることもでき、この場合、常法に従った乳化重合処理(第1段重合)により調製した第1樹脂粒子の分散液に、重合開始剤と重合性単量体とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)する方法を採用することができる。
また、「水系媒体」とは、水50〜100質量%と、水溶性の有機溶媒0〜50質量%とからなる媒体をいう。水溶性の有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランを例示することができ、得られる樹脂を溶解しないアルコール系有機溶媒が好ましい。
着色剤組成物中における特定アミノフェノール化合物の含有割合を上記の範囲内とすることにより、得られる静電荷像現像用トナーに、特定アミノフェノール化合物を所期の割合で含有させることができる。
外添剤を添加することにより、流動性および帯電性などが改良されると共に、クリーニング性および転写性が向上されることとなる。
チタニア微粒子の具体例としては、例えば日本アエロジル社製の「T−805」、「T−604」;テイカ社製の「MT−600S」、「MT−100B」、「MT−500BS」、「MT−600」、「MT−600SS」、「JA−1」;富士チタン社製の「TA−300SI」、「TA−500」、「TAF−130」、「TAF−510」、「TAF−510T」;出光興産社製の「IT−S」、「IT−OA」、「IT−OB」、「IT−OC」などが挙げられる。
アルミナ微粒子の具体例としては、例えば日本エアロジル社製の「RFY−C」、「C−604」、石原産業社製の「TTO−55」などが挙げられる。
従って、本発明の静電荷像現像用トナーによれば、高い保存安定性を有すると共に、優れた転写性および定着性を有しており、従って、高い画質の画像を形成することができる。
このように、本発明の静電荷像現像用トナーにおいては、一般式(1)で表される化合物(特定アミノフェノール化合物)が0.1〜65ppmの割合で含有されていることによって転写率が向上され、その結果、中間調画像が均質となって画質品位が格段に向上されることとなる。
この理由としては、特定アミノフェノール化合物が、静電荷像現像用トナーが、転写率低下の原因とされるマイナスに過剰帯電された場合に、電荷を一時的に中和する作用を有するためであると考えられる。
具体的には、特定アミノフェノール化合物のヒドロキシ基のプロトンがアミノ基に移動し、ヒドロキシ基はケト基に、アミノ基は正電荷を有するアンモニウム基に、各々平衡が進むと推察される。そのため、アミノ基とヒドロキシ基とはメタ位に結合されていることが好ましい。実際上、静電荷像現像用トナーに生じることとなる過剰帯電は、摩擦帯電に寄与する官能基がごく低濃度であるため、当該静電荷像現像用トナー中における特定アミノフェノール化合物の濃度は0.1〜65ppmの濃度範囲で十分であり、過大である場合には、逆帯電トナーの発生を促すこととなる。
また、特定アミノフェノール化合物は、孤立電子対を有するアミノ基と、ヒドロキシ基とを有することから水素結合性が高いため、結着樹脂に係る単量体(結着樹脂モノマー)のカルボニル基やカルボキシル基などと水素結合してトナー像自体の強度が大きくなり、しかも、画像支持体としての転写紙のセルロースのヒドロキシ基と水素結合を生じることに起因してトナー像と転写紙との接着性が高くなるため、定着性(具体的には、折り目定着強度)の向上が図られたと推察される。
更に、特定アミノフェノール化合物は、結着樹脂の分子間に存在することとなる染料などの低分子量の着色剤と水素結合によってバインドするため、当該特定アミノフェノール化合物を特定の濃度範囲とすることによって低分子量の着色剤の可塑剤的作用を抑制することができることから、保存安定性に寄与するものと推察される。
また、定着ベルト11の基材として、金属基体の代わりに、フッ素系樹脂、ポリイミド樹脂、ポリアミド樹脂、ポリアミドイミド樹脂、PEEK樹脂、PES樹脂、PPS樹脂などの耐熱性を有する樹脂基体を用いてもよい。
この加圧ローラ15は、その硬度がアスカーC硬度で80〜100度とされ、その外径が20〜40mm、弾性層15bの肉厚が0.5〜2.0mmとされている。
また、本発明に係る画像形成方法においては、定着ニップ部Nにおける画像支持体の移動速度(以下、「プリント速度」ともいう。)が230〜500mm/secの範囲において画像形成を行うことができる。
この定着装置20は、定着ベルト21が巻装された、芯金23aの外周面上に弾性発泡材料よりなる弾性層23bが形成されてなる定着押圧ローラ23と、当該定着ベルト21を介して定着押圧ローラ23に対向して設けられた誘導加熱機構24と、前記定着ベルト21を介して定着押圧ローラ23に押圧される加圧ローラ25とを備えるものである。
また、この定着ベルト21は、定着押圧ローラ23の回転時においても略円筒形が維持されるよう、軸方向(図2において紙面と垂直な方向)の両端部に配置された図示しないガイド部材によってガイドされている。
硬質発泡体層25bは、断熱構造を有するものであり、例えばシリコーンゴム発泡体またはシリコーン層内に中空糸や中空粒子などを充填させたものとすることができる。
この定着装置30は、画像支持体Pの未定着トナー像が形成された一面(図3においては、例えば画像支持体Pの上面)に接するよう配置された定着ローラ31と、これに圧接されるよう設けられた加圧ローラ33と、定着ローラ31の表面に接触するよう設けられた外部加熱回転体35と、加圧ローラ33にその先端縁が接触するよう設けられた強制剥離手段37とを備えており、この定着ローラ31と加圧ローラ33との圧接部により定着ニップ部Nが形成されている。図3において、39aおよび39bは非接触型の温度検知手段である。
一方、耐熱弾性層31bの厚さが過大である場合には、芯金31aの内部に配置された加熱源HLaによって定着ローラ31の表面を加熱する際の熱応答性を十分に確保することができないおそれがある。
なお、均一な被覆層31cを形成しやすくするためには、その厚さを20μm以上とすることがより好ましい。
この図の例において、加圧ローラ33は、定着ローラ31と同様に、加熱源HLaを内蔵しているものである。この加熱源HLaは、芯金33aの内部において、加圧ローラ33の長さ方向に伸びるよう配置されており、直接の加熱対象である加圧ローラ33の外周面の温度が設定温変域に維持されるよう、温度検知手段39bによって検知される加圧ローラ33の表面温度に基づき、図示しない制御手段により、例えば点灯状態がオンーオフ制御される。
加圧ローラ33の耐熱弾性層33bの厚みが、定着ローラ31の耐熱弾性層31bより薄いものであることにより、定着ニップ部Nにおいて、一方の定着用回転体である定着コーラ31に対して他方の定着用回転体である加圧ローラ33が凸となる形状を得ることができる。
具体的には、被覆層33cは、例えば(1)ディスパージョン状態のフッ素樹脂を塗布焼成することにより、厚さ20〜50μmに形成すること、(2)厚さ20〜50μmに成形されたフッ素樹脂チューブを芯金33aに被覆させることによって形成すること、などができる。
この画像形成装置40は、タンデム型カラー画像形成装置であって、ベルト状の中間転写体46に沿って設けられた複数の画像形成ユニット50Y, 50M, 50C, 50Kと、給紙カセット42と、定着装置49とを備えているものである。図4において、41は操作部であり、47Y, 47M, 47C, 47Kは、各色のトナーカートリッジである。
ここで、画像形成ユニット50Yによれば黄色のトナー像が形成され、画像形成ユニット50Mによればマゼンタ色のトナー像が形成され、画像形成ユニット50Cによればシアン色のトナー像が形成され、画像形成ユニット50Kによれば黒色のトナー像が形成される。
一方、給紙カセット42内に収容された画像支持体Pが、給紙ローラ43により一枚ずつ給紙され、レジストローラ44によって2次転写手段57Aに搬送され、当該画像支持体P上にカラートナー像が2次転写される。
次いで、画像支持体Pが定着装置49に搬送されて定着処理が行われ、その後、排紙ローラ45に挟持されて機外の排紙トレイ48上に排出される。
(1)結着樹脂(スチレンアクリル樹脂)の調製例
スチレン100質量部よりなる分子量最大値3600、ガラス転移点62℃であるA成分50質量部と、スチレン73質量部、n−ブチルアクリレート25質量部およびアクリル酸2質量部よりなる分子量最大値100000、ガラス転移点62℃であるB成分20質量部と、スチレン80質量部、n−ブチルアクリレート20質量部よりなる分子量最大値600000、ガラス転移点60℃であるC成分25質量部とを、キシレン中において溶解混合し、この樹脂溶液を減圧乾燥することによってスチレンアクリル樹脂(以下、「スチレンアクリル樹脂(1)」ともいう。)を得た。
三井鉱山(株)製のヘンシェルミキサーを用い、着色剤として例示化合物(A−1)(マゼンタ着色剤)と、特定アミノフェノール化合物として例示化合物(22)とを混合することにより、マゼンタ着色剤に、特定アミノフェノール化合物270ppmが含有されてなる着色剤組成物(以下、「着色剤組成物(1)」ともいう。)を得た。
スチレンアクリル樹脂(1)10000質量部と、例示化合物(22)(特定アミノフェノール化合物)が2.7質量部の割合で含有されてなる着色剤組成物(1)750質量部と、離型剤として天然ガス系フィッシヤートロプシュワックス(融点100℃)400質量部とをヘンシェルミキサ(三井鉱山(株)製)によって20分間かけて混合した後、二軸押出混練機を用い、加熱温度115℃の設定によって混練し、その後、ジェット式粉砕機によって粉砕処理し、風力分級機によって分級処理を行なうことにより、体積基準メディアン径が9.5μm、平均円形度が0.948のトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部と、外添剤として疎水性シリカ「R−805」(アロエジル社製)0.6質量部とをヘンシェルミキサ(三井鉱山(株)製)を用いて混合することにより、静電荷像現像用トナー(以下、「トナー(1)」ともいう。)を得た。
なお、トナー粒子は、外添剤の添加によっては、その形状および粒径は変化しなかった。
(1)結着樹脂(ポリエステル樹脂)の調製例
ネオペンチルグリコール132gと、エチレングリコール60gと、テレフタル酸279gと、ジブチルスズラウレート1.5gとを、温度計、ステンレススチール製撹拌棒、ガラス製窒素導入管および流下式コンデンサを備えた容積2Lのガラス製四つロフラスコ内に仕込み、マントルヒーター中において、窒素雰囲気、常圧、170℃の条件下で撹拌しつつ、5時間反応させ、ASTM E28−51Tに準ずる軟化点の値に変化が認められなくなった時点で、1, 2, 4−ベンゼントリカルボン酸無水物108g中に添加し、更に210℃の条件下で反応を継続させ、ASTM E28−51Tに準ずる軟化点によって反応の進行を追跡し、軟化点が所定の温度にまで達した時点で反応を停止させ、室温まで冷却することにより、ポリエステル樹脂(以下、「ポリエステル樹脂(1)」ともいう。)を得た。
バイブロミル(ユーラステクノ社製)を用い、着色剤として例示化合物(A−2)(マゼンタ着色剤)と、特定アミノフェノール化合物として例示化合物(38)とを混合することにより、マゼンタ着色剤に、特定アミノフェノール化合物650ppmが含有されてなる着色剤組成物(以下、「着色剤組成物(2)」ともいう。)を得た。
ポリエステル樹脂(1)10000質量部と、例示化合物(38)(特定アミノフェノール化合物)が6.5質量部の割合で含有されてなる着色剤組成物(2)750質量部と、離型剤として主成分が脂肪酸エステル(主として、炭素数32のアルコールと、炭素数24の脂肪酸とから構成される脂肪酸エステル)であるワックス(融点84℃)200質量部とをヘンシェルミキサ(三井鉱山(株)製)によって20分間かけて混合した後、二軸押出混練機を用い、加熱温度115℃の設定によって混練し、その後、ジェット式粉砕機によって粉砕処理し、風力分級機によって分級処理を行なうことにより、体積基準メディアン径が7.8μm、平均円形度が0.926のトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子100質量部と、外添剤として疎水性シリカ「R−805」(アロエジル社製)0.6質量部とをヘンシェルミキサ(三井鉱山(株)製)を用いて混合することにより、静電荷像現像用トナー(以下、「トナー(2)」ともいう。)を得た。
なお、トナー粒子は、外添剤の添加によっては、その形状および粒径は変化しなかった。
(1)着色剤組成物粒子分散液の調製例1
界面活性剤として「ダウファックス 2A−1」(ダウケミカル社製)7.0質量部をイオン交換水160質量部に撹拌溶解することによって界面活性剤水溶液を調製した。この界面活性剤水溶液に、着色剤「C.I.ソルベントイエロー162」20質量部および特定アミノフェノール化合物として例示化合物(13)0.03質量部を徐々に添加し、次いで、「SCミル」(三井鉱山(株)製)を用いて分散処理することにより、特定アミノフェノール化合物が160ppmの割合で含有され、着色剤微粒子および特定アミノフェノール化合物微粒子が分散された着色剤組成物粒子分散液(以下、「着色剤組成物粒子分散液(1)」とする。)を調製した。
この着色剤組成物分散液(1)における着色剤微粒子の粒子径について、体積基準のメディアン径を測定したところ、200nmであった。
なお、体積基準のメディアン径は、「MICROTRAC UPA−150」(HONEYWELL社製)を用い、サンプル屈折率1.59、サンプル比重1.05(球状粒子換算)、溶媒屈折率1.33、溶媒粘度0.797(30℃)および1.002(20℃)の測定条件により、測定セルにイオン交換水を投入することによって0点調整を行なうことによって測定した。
(A)コア部用樹脂粒子の調製
(a)第1段重合
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム(C10H21(OCH2 CH2 )2 SO3 Na)よりなるアニオン系界面活性剤4質量部をイオン交換水3040質量部に溶解させた界面活性剤水溶液を仕込み、過硫酸カリウム(KPS)10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、液温を75℃に昇温させた後、スチレン532質量部、n−ブチルアクリレート200質量部、メククリル酸68質量部およびn−オクチルメルカプタン16.4質量部よりなる重合性単量体溶液を1時間かけて滴下後、75℃にて2時間加熱、撹拌することにより重合(第1段重合)を行い、樹脂粒子(1h)を含有する樹脂粒子分散液(1H)を調製した。
なお、得られた樹脂粒子(1h)の重量平均分子量は16500であった。
撹拌装置を取り付けたフラスコ内に、スチレン101.1質量部、n−ブチルアクリレート62.2質量部、メタクリル酸12.3質量部およびn−オクチルメルカプタン1.75質量部からなる重合性単量体溶液を仕込み、その後パラフィンワックス「HNP−57」(日本製蝋社製)93.8質量部を添加し、内温を90℃に加温して溶解させることによって単量体溶液を調製した。
一方、第1段重合において用いたアニオン系界面活性剤3質量部をイオン交換水1560質量部に溶解させた界面活性剤水溶液を仕込み、内温が98℃となるよう加熱した。この界面活性剤水溶液に、第1段重合において得られた樹脂粒子(1h)32.8質量部(固形分換算)を添加し、更に、パラフィンワックスを含有する単量体溶液を添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エムテクニック社製)を用い、8時間かけて混合分散することにより、分散粒子径340nmの乳化粒子(油滴)を含有する乳化粒子分散液を調製した。
次いで、この分散液に、過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、この系を98℃にて12時間にわたって加熱撹拌することにより重合(第2段重合)を行い、樹脂粒子(1hm)を含有する樹脂粒子分散液(1HM)を調製した。
なお、得られた樹脂粒子(1hm)の重量平均分子量は23000であった。
第2段重合において得られた樹脂粒子分散液(1HM)に、過硫酸カリウム5.45質量部をイオン交換水220質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下に、スチレン293.8質量部、n−ブチルアクリレート154.1質量部およびn−オクチルメルカプタン7.08質量部からなる重合性単量体溶液を1時間かけて滴下した。滴下終了後、2時間にわたって加熱撹拌することにより重合(第3段重合)を行った後、28℃まで冷却しコア部用樹脂粒子(1)を含有する樹脂粒子分散液を得た。
得られたコア部用樹脂粒子(1)の重量平均分子量は26800であった。
前記の第1段重合において、重合性単量体として、スチレン624質量部、2−エチルヘキシルアクリレート120質量部、メアクリル酸56質量部およびn−オクチルメルカプタン16.4質量部を用いたこと以外は第1段重合と同様の手法により、重合を行い、これにより、シェル用樹脂粒子(1)を得た。
(a)コア部の形成
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、コア部用樹脂粒子(1)420.7質量部(固形分換算)、イオン交換水900質量部、着色剤組成物分散液(1)200質量部を仕込んで撹拌し、内温が30℃となるよう調整した後、濃度5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加することによってpHを8〜11に調整した。
次いで、塩化マグネシウム6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を、撹拌下、30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置した後に昇温を開始し、この系を60分間かけて65℃まで昇温した。その状態で、「コールターマルチサイザーIII 」(コールター社製)にて会合粒子の平均粒径を測定し、体積基準のメディアン径が5.9μmになった時点で、塩化ナトリウム40.2質量都をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を添加して粒子成長を停止させ、更に、液温度70℃にて1時間にわたって加熱、撹拌することにより融着を継続させることにより、コア部(1)を含有するコア部含有液(1)を得た。
得られたコア部(1)について、「FPIA2100」(シスメック社製)を用い、平均円形度を測定したところ、0.970であった。
コア部含有液(1)を65℃に調整した後、シェル用樹脂粒子(1)96質量部を添加し、更に、塩化マグネシウム6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を10分間かけて添加し、70℃にまで昇温して1時間にわたって撹拌することにより、コア部(1)の表面にシェル用樹脂粒子(1)を融着させた後、液温度75℃にて20時間にわたって熟成処理を行なうことにより、シェルを形成した。
その後、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を添加することによって熟成処理(シェル形成)を停止させた後、8℃/分の条件で30℃にまで冷却し、生成した粒子を濾過し、更に45℃のイオン交換水による洗浄を繰り返し、40℃の温風で乾燥することにより、コア部表面にシェルが形成されてなる構成のトナー粒子を得た。
得られたトナー粒子について、体積基準のメディアン径を測定したところ、6.6μmであった。また、「FPIA2100」(シスメック社製)を用い、平均円形度を測定したところ、0.970であった。
得られたトナー粒子に、ヘキサメチルシラザン処理したシリカ(平均一次粒径12nm)0.6質量部およびn−オクチルシラン処理した二酸化チタン(平均一次粒径24nm)0.8質量部よりなる外添剤を添加し、ヘンシェルミキサ(三井鉱山(株)製)を用い、撹拌羽の周速35m/秒、処理温度35℃、処理時間15分間の条件で混合する外添処理を行なうことにより、静電荷像現像用トナー(以下、「トナー(3)」とする。)を得た。
なお、トナー(3)に係るトナー粒子は、外添剤の添加によっては、その形状および粒径は変化しなかった。
静電荷像現像用トナーの製造例3において、下記表1に示す着色剤および特定アミノフェノール化合物を用い、着色剤組成物粒子分散液の調製例1と同様の手法によって当該特定アミノフェノール化合物が表1に示す割合で含有されてなる着色剤組成物粒子分散液を得、この得られた着色剤組成物粒子分散液を用いたこと以外はトナー粒子の調製例1と同様にしてトナー粒子を得、更にこの得られたトナー粒子に対して外添処理を施すことにより、静電荷像現像用トナー(以下、各々、「トナー(4)、(5)および(9)〜(20)」とする。)を得た。
静電荷像現像用トナーの製造例3において、着色剤として例示化合物(A−2)(マゼンタ着色剤)と共に特定アミノフェノール化合物として例示化合物(38)61ppmが含有されてなる着色剤組成物を用い、着色剤組成物粒子分散液の調製例1と同様の手法によって当該特定アミノフェノール化合物が含有されてなる着色剤組成物粒子分散液を得、この得られた着色剤組成物粒子分散液を用いたこと以外はトナー粒子の調製例1と同様にしてトナー粒子を得、更にこの得られたトナー粒子に対して外添処理を施すことにより、静電荷像現像用トナー(以下、「トナー(6)」とする。)を得た。
静電荷像現像用トナーの製造例6において、表1に示すような組成を有する着色剤組成物を用いたこと以外は当該静電荷像現像用トナーの製造例6と同様にしてトナー粒子を得、更にこの得られたトナー粒子に対して外添処理を施すことにより、静電荷像現像用トナー(以下、各々、「トナー(7)および(8)」とする。)を得た。
静電荷像現像用トナーの製造例3において、表1に示す着色剤を用い、特定アミノフェノール化合物を用いなかったこと以外はトナー粒子の調製例1と同様にして比較用のトナー粒子を得、更にこの得られたトナー粒子に対して外添処理を施すことにより、比較用の静電荷像現像用トナー(以下、各々、「比較用トナー(1)〜(3)」とする。)を得た。
静電荷像現像用トナーの製造例3において、下記表1に示す着色剤および特定アミノフェノール化合物を用い、着色剤組成物粒子分散液の調製例1と同様の手法によって当該特定アミノフェノール化合物が表1に示す割合で含有されてなる着色剤組成物粒子分散液を得、この得られた着色剤組成物粒子分散液を用いたこと以外はトナー粒子の調製例1と同様にしてトナー粒子を得、更にこの得られたトナー粒子に対して外添処理を施すことにより、静電荷像現像用トナー(以下、各々、「比較用トナー(4)〜(7)」とする。)を得た。
得られたトナー(1)〜(20)および比較用トナー(1)〜(7)の各々について、トナー中の特定アミノフェノール化合物の含有量を、定法である液体クロマトグラフィー/質量分析方法(LC/MS)によって測定した。結果を表1に示す。
ここに、特定アミノフェノール化合物の含有量の測定においては、トナー1gを20mLのTHF(テトラヒドロフラン)中に溶解させた溶液を、体積にして100倍量のメタノールによって希釈し、目開き0.2μmのメンブレンフィルターを用いることによって樹脂成分を取り除き、液体クロマトグラフィーによって単離したものを測定対象とした。
トナー(1)〜(20)および比較用トナー(1)〜(7)の各々に、シリコーン樹脂を被覆した体積平均粒径60μmのフェライトキャリアを、前記静電荷像現像用トナーの濃度が8質量%となるよう混合することにより、現像剤(1)〜(20)および比較用現像剤(1)〜(7)を得た。
現像剤の各々について、以下の評価を行なった。結果を表2に示す。
電子写真式カラー電子写真画像形成装置「bizhub C500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社製)を用い、温度32℃、湿度85RH%の環境下において、画素率11%の文字画像(画素濃度1.3、寸法20mm×50mmのソリッド画像)を単色で1万枚形成し、消費されたトナー質量(具体的には、現像装置における補給用トナーボックスからのトナー供給量)と、転写残トナー質量(具体的には、クリーニング手段によって回収されたトナー量)とに基づき、下記の数式(3)によって転写率を算出した。
この転写率が98%以上である場合を良好として「A」、96%以上で98%未満である場合を実用上問題がないとして「B」、96%未満である場合を不良として「C」と評価した。
電子写真式カラー電子写真画像形成装置「bizhub C500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社製)を用い、温度32℃、湿度85RH%の環境下において、画素率が30%である画素率の小さい画像を形成した後に、中間調画像を形成し、この画像上におけるチリの有無を20倍のルーペによって確認すると共に、画質がしっとり感を有するか否かを目視によって確認した。
チリの有無に関しては、画像を構成するドット間にトナー粒子が観察されない場合を良好として「A」、ドット間に1〜3個のトナー粒子が規則性なく存在する場合を実用上問題がないとして「B」、ドット間に多数のトナー粒子が散在する場合を不良として「C」と評価した。
また、画像のしっとり感の有無に関しては、粒状性を全く感じない場合を良好として「A」、注視することによってかすかな粒状性が感じられる場合を実用上問題がないとして「B」、がさつき感がある、または粒状性を感じる場合を不良として「C」と評価した。
そして、これらのチリの有無の評価および画像のしっとり感の有無の評価に基づいて、いずれかにおいて低いランクの評価を総合評価とした。なお、総合評価において、「A」は中間調画像の画質が良好、「B」は中間調画像の画質が実用上問題のないレベル、「C」は中間調画像の画質が不良であることを示す。
容積10mLで内径21mmのガラス瓶内に、現像剤を構成するトナー0.5gを入れて蓋をし、「タップデンサー KYT−2000」(セイシン企業社製)を用いて室温にて600回振とうした後、蓋を外した状態で温度55℃、湿度35%RHの環境下に48時間放置した。次いで、ガラス瓶内のトナーを、当該トナーの凝集物が解砕することがないように注意しながら100メッシュの篩上に取り出し、その篩を「パウダーテスター」(ホソカワミクロン社製)に、押さえバーおよびノブナットで固定することによってセットし、振動強度を送り幅が1mmとなる条件で10秒間振動させ、篩上の残存物(顆粒状体)の量(具体的には、評価に用いたトナー0.5gに対する残存物の割合(質量%))を確認し、顆粒状の残存物がない場合を、保存に保冷剤、また冷蔵輸送の必要がないとして「A」とし、顆粒状の残存物の量が1質量%未満である場合を、画像形成に実用上の問題がないとして「B」、顆粒状の残存物の量が1質量%以上である場合を、例えば現像装置からトナーよりなる顆粒状体がこぼれ落ちることに起因して生じる画像汚染および白点(ぬけ)の発生などの画像不良が多発するなどの実用上の問題があるとして「C」と評価した。
トナーの定着物を折り曲げたとき、その折り曲げ部分において生じるトナー剥がれの発生割合を定着率によって示す「折り目定着率」を測定し、この折り目定着率に基づいて定着性(定着強度)の評価を行なった。
具体的には、電子写真式カラー電子写真画像形成装置「bizhub C500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ株式会社製)を用い、温度20℃、湿度50RH%の環境下において、画像濃度が0.8のベタ画像を形成し、この画像を2つに折り、その折り目を3つの指で擦った後、当該画像を問いて「JKワイパー」(株式会社クレシア製)によって画像形成面を3回拭き、その後、画像濃度を測定し、その測定値に基づいて、下記数式(4)によって折り目定着率を算出した。そして、得られた折り目定着率により、折り目定着率が90%以上である場合を良好として「A」、80%以上で90%未満である場合を実用上問題がないとして「B」、80%未満である場合を不良として「C」と評価した。
11 定着ベルト
12 加熱ローラ
13 定着ローラ
13a 芯金
13b 弾性部材
14 誘導加熱機構
15 加圧ローラ
15a 芯金
15b 弾性層
16 励磁コイル
17 コイルガイド板
18 励磁コイルコア
18A コア支持部材
19 温度検出手段
20 定着装置
21 定着ベルト
23 定着押圧ローラ
23a 芯金
23b 弾性層
24 誘導加熱機構
25 加圧ローラ
25a 芯金
25b 硬質発泡体層
29 温度検知センサ
30 定着装置
31 定着ローラ
31a 芯金
31b 耐熱弾性層
31c 被覆層
33 加圧ローラ
33a 芯金
33b 耐熱弾性層
33c 被覆層
35 外部加熱回転体
37 強制剥離手段
39a、39b 温度検知手段
HLa 加熱源
40 画像形成装置
41 操作部
42 給紙カセット
43 給紙ローラ
44 レジストローラ
45 排紙ローラ
46 中間転写体
46A、46B、46C 支持ローラ
46D クリーニング装置
47Y、47M、47C、47K トナーカートリッジ
48 排紙トレイ
49 定着装置
50Y、50M、50C、50K 画像形成ユニット
51Y 感光体
52Y 帯電手段
53Y 露光手段
54Y 現像装置
57Y 1次転写手段
58Y クリーニング手段
57A 2次転写手段
T トナー像
N 定着ニップ部
W 接触部位
P 画像支持体
Claims (5)
- 一般式(1)で表される化合物がオルト体またはメタ体であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナー。
- 一般式(1)で表される化合物がメタ体であり、当該一般式(1)においてR1 およびR2 が共に炭素数1〜4のアルキル基であることを特徴とする請求項2に記載の静電荷像現像用トナー。
- 前記着色剤が染料よりなることを特徴とする請求項1〜請求項3のいずれかに記載の静電荷像現像用トナー。
- 着色剤と、上記一般式(1)で表される化合物1〜650ppmとを含有する着色剤組成物を用いることにより、結着樹脂と、着色剤と、上記一般式(1)で表される化合物0.1〜65ppmとを含有する静電荷像現像用トナーを得ることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
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