JP2010160172A - 静電荷像現像用トナーおよび画像形成方法 - Google Patents

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Abstract

【課題】 色濁りのない鮮やかな色調を有する高彩度のカラー画像が形成され、かつ、優れた耐光性を有する静電荷像現像用トナーおよび画像形成方法を提供すること。
【解決手段】 本発明の静電荷像現像用トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有するトナー粒子よりなる静電荷像現像用トナーであって、前記トナー粒子を構成する着色剤が、C.I.ソルベントブルー63を含有することを特徴とする。また、画像形成方法は、少なくとも4種からなるフルカラートナーキットを用いる画像形成方法であって、シアン着色剤がC.I.ソルベントブルー63を含有することを特徴とする。
【選択図】 図1

Description

本発明は、電子写真方式によるカラー画像形成に用いられる静電荷像現像用トナーおよび画像形成方法に関する。
近年、静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)を用いた電子写真方式による画像形成によれば、従来から主として文書の作成などに用いられるモノクロ画像の形成の他、フルカラー画像の形成も行うことができるようになってきている。このようなトナーを用いたフルカラー画像の形成方法は、印刷用の版を必要とせず、必要な枚数のみをオンデマンドに作成できることから、少量の印刷物を作成する機会の多い軽印刷分野において主に利用されるようになった(例えば、特許文献1参照。)。
特に、カタログや広告などのフルカラーの印刷物を作成する場合においては、オリジナルに忠実な色が再現された画像を形成することを目的として、トナーには高い色再現性を有することが求められている。すなわち、フルカラー画像を形成する場合においては、原則としてイエロートナー、マゼンタトナーおよび/またはシアントナーを重ね合わせて形成される二次色によって、目標の色調を再現するので、オリジナルに忠実な色再現を実現する上でベースとなるこれらのカラートナーが高い色再現性を有することが求められている。そのため、各色のトナーにおける色再現性の向上を目的として、種々の着色剤の検討がなされている。
例えば、カラートナー用のシアン着色剤として、銅フタロシアニン系顔料が挙げられる。この銅フタロシアニン系顔料を用いたトナーは、汎用性があり、優れた耐光性を有する一方、形成される画像の反射スペクトルにおいて、長波長側のベースラインが高いことから、色濁りを感じさせる色合いの画像が形成される傾向が見られたので、企業のロゴマーク等の高い色再現性が求められる画像の形成には不向きとされていた。
そこで、銅フタロシアニン系顔料を改良することで色濁りを発生させない着色剤の開発が検討されている(例えば、特許文献2参照。)が、色濁りを十分に解消できるまでには至っていない。
また、銅フタロシアニン系顔料などの顔料を用いたトナーは、写真画像の色再現に最適な色相角を発現することが難しいとされていた。そこで、銅フタロシアニン系顔料に代えて、写真画像の色再現に最適な色相角を発現することができる着色剤の検討がおこなわれてきた(例えば、特許文献2および3参照。)が、最適な色相角を十分に発現するまでには至っていない。
特開2005−157314号公報 特開平5−239368号公報 特開2006−63171号公報
本発明は、以上の事情に基づいてなされたものであって、その目的は、色濁りのない鮮やかな色調を有する高彩度のカラー画像が形成され、かつ、優れた耐光性を有する静電荷像現像用トナーおよび画像形成方法を提供することにある。特に、写真画像の色再現に最適な色相角を発現することができ、さらに、高彩度の二次色を有する画像を形成することができる静電荷像現像用トナーおよび画像形成方法を提供することにある。
本発明の静電荷像現像用トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有するトナー粒子よりなる静電荷像現像用トナーであって、
前記トナー粒子を構成する着色剤が、C.I.ソルベントブルー63を含有することを特徴とする。
本発明の画像形成方法は、少なくとも結着樹脂とイエロー着色剤とを含有するイエロートナー粒子よりなる静電荷像現像用イエロートナーと、
少なくとも結着樹脂とマゼンタ着色剤とを含有するマゼンタトナー粒子よりなる静電荷像現像用マゼンタトナーと、
少なくとも結着樹脂とシアン着色剤とを含有するシアントナー粒子よりなる静電荷像現像用シアントナーと、
少なくとも結着樹脂とブラック着色剤とを含有するブラックトナー粒子よりなる静電荷像現像用ブラックトナーとの少なくとも4種からなるフルカラートナーキットを用いる画像形成方法であって、
前記シアン着色剤がC.I.ソルベントブルー63を含有することを特徴とする。
本発明の静電荷像現像用トナーによれば、着色剤としてC.I.ソルベントブルー63を用いることにより、シアン色のトナー像を形成することができる。
本発明の静電荷像現像用トナーによれば、着色剤としてC.I.ソルベントブルー63を用いることにより、形成されるカラー画像が色濁りのない鮮やかな色調を有するものとなり、かつ、形成される画像が長期間の間にわたって安定した耐光性を有するものとなる。
本発明の画像形成方法によれば、少なくとも4種のトナーからなるフルカラートナーキットを用いる画像形成方法において、静電荷像現像用シアントナーの着色剤としてC.I.ソルベントブルー63を用いることにより、静電荷像現像用シアントナーによって形成される一次色による画像が鮮やかな色調を有するものとなることから、当該静電荷像現像用シアントナーと他色のカラートナーとを重ね合わせて形成される二次色による画像についても、色濁りのない鮮やかな色調を有するものとなる。さらに、色調の向上により、写真画像における色再現に最適な色相角を発現するものとなる。
本発明に用いられる画像形成装置の構成の一例を示す概略図である。
以下、本発明について詳細に説明する。
〔静電荷像現像用トナー〕
本発明の静電荷像現像用トナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有するトナー粒子よりなるものであり、当該トナー粒子を構成する着色剤は、C.I.ソルベントブルー63を含有するものである。
また、本発明の静電荷像現像用トナーは、シアン色のトナー像を形成する静電荷像現像用シアントナー(以下、単に「シアントナー」ともいう。)として用いることができ、前記シアントナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有するシアントナー粒子よりなるものであり、当該シアントナー粒子を構成する着色剤は、C.I.ソルベントブルー63またはこれを主成分として含有するものである。
本発明のトナーを構成するトナー粒子に、着色剤としてC.I.ソルベントブルー63を用いることにより、形成されるカラー画像が色濁りのない鮮やかな色調を有するものとなり、かつ、形成される画像が長期間の間にわたって安定した耐光性を有するものとなる。このように、良好な色調を有する画像を形成する理由は、従来から用いられている銅フタロシアニン系顔料等に比べて、C.I.ソルベントブルー63は結晶性が低いからであると推測される。すなわち、C.I.ソルベントブルー63の低い結晶性により、トナー粒子中において着色剤の分散性が高く、従って、定着時において、転写材上における溶融トナー中に着色剤が局在化しないために、トナー付着量に応じた着色剤の量が定着されることになるので色むらが抑制され、形成されるカラー画像が鮮やかな色調を有するものになると推測される。また、二次色によってカラー画像を形成する場合においても、得られる画像に色濁りのない鮮やかな色調を有するものになると推測される。
また、本発明のトナーは、上記のように、トナー粒子中または定着画像において着色剤が均一に分散されることにより、色濁りのない色調を発現すると共に、着色剤の分子自体が安定的な構造を有するために十分な耐光性も有するものと推測される。さらに、トナー粒子中または定着画像において着色剤が均一に分散されることにより、高い分子吸光係数が期待され、少量の着色剤で十分な画像濃度が得られ、その結果、画像形成におけるトナーの消費量を低減することも可能であると考えられる。
〔着色剤〕
本発明に係るトナー粒子を構成する着色剤は、C.I.ソルベントブルー63を含有するものである。
C.I.ソルベントブルー63は、アントラセンジオン骨格を有している染料であり、深みのある色調を有しているものであり、従来から用いられている銅フタロシアニン系顔料に比べて色域の拡大を図ることができるものである。また、耐光性にも優れており、色味の変化を抑制することができるものである。
本発明のトナーは、着色剤としてC.I.ソルベントブルー63を用いることにより、従来の着色剤を使用したトナーによる画像や印刷用のインクを用いた画像よりも、広く安定した色再現性を有する画像を形成することができる。また、光安定性に優れるので、色安定性も優れたものとなる。特に、ディスプレイ上において広い色域を有するコンピューターグラフィックスなどの画像を出力する場合において、ディスプレイ上の色域に近い色域を有する画像を形成することができる。
本発明のトナーは、C.I.ソルベントブルー63の含有量が、トナー中に1〜10質量%で含有されていることが好ましく、より好ましくは2〜8質量%である。C.I.ソルベントブルー63の含有量が1質量%未満の場合においては、トナーの着色力が不足するおそれがある。一方、C.I.ソルベントブルー63の含有量が10質量%を超える場合においては、着色剤の遊離やキャリアなどへの付着が発生し、帯電性に影響を与えるおそれがある。
本発明のトナーがシアントナーとして用いられる場合において、シアン着色剤は、C.I.ソルベントブルー63に加えて、銅フタロシアニンを含有することができる。この場合、銅フタロシアニンの含有量は、C.I.ソルベントブルー63に対して50質量%未満とすることが好ましい。銅フタロシアニンの含有量が50質量%を超える場合においては、形成される画像に色濁りが発生するおそれがある。
本発明において、C.I.ソルベントブルー63は、トナー粒子中に数平均一次粒子径で10〜300nm程度に分散されていることが好ましい。
この数平均一次粒子径は、トナー粒子の断面を透過型電子顕微鏡にて5万倍に拡大した写真を使用し、着色剤粒子のフェレ方向径を測定し、トナー粒子10個を観察した着色剤粒子の粒子径の算術平均径を数平均一次粒子径とする。
〔トナー粒子の粒径〕
本発明に係るトナーを構成するトナー粒子は、体積基準におけるメディアン径(D50v)が3μm以上、8μm以下のものが好ましい。体積基準のメディアン径を上記範囲とすることにより、例えば、1200dpi(dpi;1インチ(2.54cm)あたりのドット数)レベルの非常に微小なドット画像を忠実に再現することができる。
本発明に係るトナーは、写真画像を忠実に再現することが課題の1つであるが、体積基準のメディアン径を上記範囲の小径レベルのものにすることにより、写真画像を構成するドットが微小化され、高精細な写真画像が得られる。特に、オンデマンド印刷と呼ばれる数百部から数千部レベルで注文を受ける印刷分野では、高精細な写真画像の入った印刷物を迅速にユーザへ納品することができる。
なお、体積基準のメディアン径(D50v)は、「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用のコンピューターシステムを接続した装置を用いて測定、算出することができる。
測定手順としては、試料(トナー)0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、試料分散液を作製する。この試料分散液を、サンプルスタンド内の「ISOTONII」(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定濃度5〜10%になるまでピペットにて注入し、測定機カウントを2500個に設定して測定する。なお、マルチサイザー3のアパチャー径は50μmのものを使用する。
〔トナー粒子の粒度分布〕
本発明に係るトナー粒子は、その体積基準の粒度分布における変動係数(CV値)が2%以上、21%以下のものが好ましく、より好ましくは5%以上、15%以下のものである。
体積基準の粒度分布における変動係数(CV値)は、トナー粒子の粒度分布における分散度を体積基準で表したもので、下記式によって定義される。
式)CV値(%)=(個数粒度分布における標準偏差)/(個数粒度分布におけるメディアン径(D50v))×100
このCV値の値が小さい程、粒度分布がシャープであることを示し、トナー粒子の大きさが揃っていることを意味する。すなわち、CV値が上記範囲にあることにより、大きさの揃ったトナー粒子が得られることになるので、デジタル方式による画像形成で求められる微細なドット画像や細線をより高精度に再現することが可能である。また、写真画像を形成する場合において、大きさの揃った小径トナーを用いることにより、印刷インクで作製された画像レベルまたはそれ以上の高画質の写真画像を形成することができる。
〔トナーの軟化点温度〕
本発明に係るトナーは、その軟化点温度(Tsp)が70℃以上、110℃以下となるものが好ましく、70℃以上、100℃以下となるものがより好ましい。本発明に係るトナーに使用される着色剤は、熱の影響を受けてもスペクトルが変化することのない安定した性質を有するものであるが、軟化点を上記範囲とすることで定着時にトナーに加わる熱の影響をより低減させることができ、従って、着色剤に負担をかけずに画像形成を行うことができるので、より広く安定した色再現性を発現させることが期待される。
また、トナーの軟化点を上記範囲とすることにより、従来技術よりも低い温度でトナー画像定着が行えることにより、電力消費が低減されるので、環境に対する負荷を軽減することができる。
なお、トナーの軟化点温度は、例えば、以下の方法を単独で、または、2種以上を組み合わせることにより制御することができる。
(1)結着樹脂の形成に用いる単量体の種類、組成比を調節する方法。
(2)連鎖移動剤の種類、添加量により結着樹脂の分子量を調節する方法。
(3)ワックス等の種類、添加量を調節する方法。
また、トナーの軟化点温度の測定方法は、具体的には「フローテスターCFT−500」(島津製作所社製)を用い、高さ10mmの円柱形状に成形し、昇温速度6℃/分で加熱しながらプランジャーより1.96×106 Paの圧力を加え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出すようにし、これにより当該フローテスターのプランジャー降下量−温度間の曲線(軟化流動曲線)を描き、最初に流出する温度を溶融開始温度、降下量5mmに対する温度を軟化点温度とする。
〔トナーの製造方法〕
本発明に係るトナーは、少なくとも結着樹脂と着色剤を含有してなる粒子(以下、「着色粒子」ともいう。)より構成されるものである。本発明に係るトナーを製造する方法は、特に限定されるものではなく、従来のトナーの製造方法により作製することが可能である。すなわち、混練、粉砕、分級工程を経てトナーを作製するいわゆる粉砕法によるトナーの製造方法、重合性単量体を重合させ、同時に、形状や大きさを制御しながら粒子形成を行ういわゆる重合トナーの製造方法(たとえば、乳化重合法、懸濁重合法、ポリエステル伸長法等)を適用することにより作製することができる。
なお、粉砕法により本発明に係るトナーを製造する場合においては、混練物の温度を130℃以下に維持した状態で作製を行うことが好ましい。これは、混練物に加える温度が130℃を超えると、混練物に加えられた熱の作用で混練物中における着色剤の凝集状態に変動を与え、均一な凝集状態を維持できなくなるおそれがあるためである。仮に、凝集状態にバラツキが発生すると、作製されたトナーの色調にバラツキが生じることになり、色濁りの原因となることが懸念される。
次に、本発明に係るトナー粒子を構成する結着樹脂、ワックス等について、具体例を挙げて説明する。
先ず、本発明に係るトナー粒子を構成する結着樹脂は、特に限定されるものではないが、下記に記載されるビニル系単量体と呼ばれる重合性単量体を重合して形成される重合体がその代表的なものである。また、結着樹脂を構成する重合体は、少なくとも1種の重合性単量体を重合して得られる重合体を構成成分とするものであり、これらビニル系単量体を単独または複数種類を組み合わせて作製した重合体とすることができる。
以下に、ビニル系の重合性単量体の具体例を示す。
例えば、
(1)スチレンまたはスチレン誘導体
スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレン等
(2)メタクリル酸エステル誘導体
メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等
(3)アクリル酸エステル誘導体
アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等
(4)オレフィン類
エチレン、プロピレン、イソブチレン等
(5)ビニルエステル類
プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等
(6)ビニルエーテル類
ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等
(7)ビニルケトン類
ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等
(8)N−ビニル化合物類
N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等
(9)その他
ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸またはメタクリル酸誘導体等
が挙げられる。
また、結着樹脂を構成するビニル系の重合性単量体には、以下に示すイオン性解離基を有するものも使用することができる。特に、本発明に係るシアン着色剤は弱アルカリ性を有しており、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等のイオン性解離基を単量体の側鎖に有するものを使用した場合において、より結着樹脂中での分散性を向上させることができるので好ましい。具体的には、以下のものが挙げられる。
先ず、カルボキシル基を有するものとしては、例えば、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマル酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル等が挙げられる。また、スルフォン酸基を有するものとしては、例えば、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸等が挙げられ、リン酸基を有するものとしてはアシドホスホオキシエチルメタクリレート等が挙げられる。
また、以下に示す多官能性ビニル類を使用することにより、架橋構造の結着樹脂を作製することも可能である。以下に、多官能性ビニル類の具体例を示す。
例えば、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等が挙げられる。
本発明に係るトナー粒子にはワックスを含有することができる。具体的には、以下に示す様な公知のものが挙げられる。
例えば、
(1)ポリオレフィン系ワックス
ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等
(2)長鎖炭化水素系ワックス
パラフィンワックス、サゾールワックス等
(3)ジアルキルケトン系ワックス
ジステアリルケトン等
(4)エステル系ワックス
カルナウバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等
(5)アミド系ワックス
エチレンジアミンジベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミド等
が挙げられる。
ワックスの融点は、通常40〜125℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。融点を上記範囲内にすることにより、トナーの耐熱保存性が確保されるとともに、低温で定着を行う場合でもコールドオフセットなどを起こさずに安定して画像形成を行うことができる。また、トナー中のワックス含有量は、1質量%〜30質量%であること好ましく、さらに好ましくは5質量%〜20質量%である。
本発明に係るトナーは、その製造工程で外部添加剤(以下、「外添剤」という。)として数平均一次粒径が4〜800nmの無機微粒子、有機微粒子等の粒子を添加することができる。
外添剤を添加することにより、トナーの流動性や帯電性が改良され、また、クリーニング性の向上等が実現される。外添剤の種類は特に限定されるものではなく、例えば、無機微粒子、有機微粒子および滑剤が挙げられる。
無機微粒子としては、従来公知のものを使用することが可能で、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、チタン酸ストロンチウム微粒子等が好ましいものとして挙げられる。また、必要に応じてこれらの無機微粒子を疎水化処理したものも使用可能である。
シリカ微粒子の具体例としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品R−805、R−976、R−974、R−972、R−812、R−809、ヘキスト社製のHVK−2150、H−200、キャボット社製の市販品TS−720、TS−530、TS−610、H−5、MS−5等が挙げられる。
チタニア微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品T−805、T−604、テイカ社製の市販品MT−100S、MT−100B、MT−500BS、MT−600、MT−600SS、JA−1、富士チタン社製の市販品TA−300SI、TA−500、TAF−130、TAF−510、TAF−510T、出光興産社製の市販品IT−S、IT−OA、IT−OB、IT−OC等が挙げられる。
アルミナ微粒子としては、例えば、日本アエロジル社製の市販品RFY−C、C−604、石原産業社製の市販品TTO−55等が挙げられる。
また、有機微粒子としては、数平均一次粒子径が10〜2000nm程度の球形の有機微粒子を使用することができる。具体的には、スチレンやメチルメタクリレートなどの単独重合体やこれらの共重合体を挙げることができる。
本発明に係るトナーには、クリーニング性や転写性をさらに向上させるために滑剤を添加することができる。具体的には、例えば、高級脂肪酸の金属塩が挙げられる。高級脂肪酸の金属塩としては、ステアリン酸の亜鉛、アルミニウム、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、オレイン酸の亜鉛、マンガン、鉄、銅、マグネシウム等の塩、パルミチン酸の亜鉛、銅、マグネシウム、カルシウム等の塩、リノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩、リシノール酸の亜鉛、カルシウム等の塩が挙げられる。
以上のような外添剤、滑剤の添加量は、トナー全体に対して0.1〜10.0質量%であることが好ましい。また、外添剤、滑剤の添加方法としては、タービュラーミキサー、ヘンシェルミキサー、ナウターミキサー、V型混合機などの種々の公知の混合装置を使用して添加する方法が挙げられる。
本発明に係るトナーは、キャリアとトナーとにより構成される二成分現像剤として、また、トナーのみから構成される非磁性一成分現像剤として使用することができる。
本発明に係るトナーを二成分現像剤として使用する場合、たとえば、後述するタンデム型の画像形成装置を用いて、高速でのフルカラー画像を形成することができる。
また、二成分現像剤として使用する際に用いられる磁性粒子であるキャリアは、例えば、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を使用することが可能である。これらの中ではフェライト粒子が好ましい。
キャリアの体積平均粒径は、15〜100μmであること好ましく、より好ましくは25〜80μmである。
また、キャリアを使用せずに画像形成を行う非磁性一成分現像剤として使用する場合、画像形成時にトナーは帯電部材や現像ローラ面に摺擦、押圧して帯電が行われる。非磁性一成分現像方式による画像形成は、現像装置の構造を簡略化できるので、画像形成装置全体をコンパクト化できるメリットがある。従って、本発明に係るトナーを非磁性一成分現像剤として使用すると、コンパクトな画像形成装置によってフルカラーの画像形成が実現され、スペース的に制限のある作業環境でも色再現性に優れたフルカラー画像の形成が可能である。
〔画像形成方法〕
本発明の画像形成方法は、少なくとも4種のトナーからなるフルカラートナーキットを用いることにより、フルカラーの画像を形成することができる。
〔フルカラートナーキット〕
本発明に係るフルカラートナーキットは、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有するトナー粒子よりなる、静電荷像現像用イエロートナー(以下、単に「イエロートナー」ともいう。)、静電荷像現像用マゼンタトナー(以下、単に「マゼンタトナー」ともいう。)、静電荷像現像用シアントナー(以下、単に「シアントナー」ともいう。)および静電荷像現像用ブラックトナー(以下、単に「ブラックトナー」ともいう。)の少なくとも4種のトナーから構成され、前記シアントナーに用いられる着色剤は、C.I.ソルベントブルー63を含有するものである。
〔イエロー着色剤〕
本発明に係るフルカラートナーキットに用いられるイエロートナー用のイエロー着色剤としては、具体的には、染料としてはC.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162など、顔料としてはC.I.ピグメントイエロー14、同17、同74、同93、同94、同138、同155、同180、同185などを用いることができ、またこれらの混合物も用いることができる。
〔マゼンタ着色剤〕
本発明に係るフルカラートナーキットに用いられるマゼンタトナー用のマゼンタ着色剤としては、具体的には、染料としてはC.I.ソルベントレッド1、同49、同52、同58、同63、同111、同122など、顔料としてはC.I.ピグメントレッド5、同48:1、同53:1、同57:1、同122、同139、同144、同149、同166、同177、同178、同222などを用いることができ、これらの混合物も用いることができる。
〔黒着色剤〕
本発明に係るフルカラートナーキットに用いられるブラックトナー用の着色剤としては、具体的にはカーボンブラック、磁性体、チタンブラックなどを使用することができ、カーボンブラックとしてはチャンネルブラック、ファーネスブラック、アセチレンブラック、サーマルブラック、ランプブラックなどが使用される。磁性体としては鉄、ニッケル、コバルトなどの強磁性金属、これらの金属を含む合金、フェライト、マグネタイトなどの強磁性金属の化合物、強磁性金属を含まないが熱処理することにより強磁性を示す合金、例えばマンガン−銅−アルミニウム、マンガン−銅−錫などのホイスラー合金と呼ばれる種類の合金、二酸化クロムなどを用いることができる。
これらのイエロー着色剤、マゼンタ着色剤およびブラック着色剤は、トナー粒子中に数平均一次粒子径で、概ね10〜200nm程度で分散されていることが好ましい。
これらの着色剤の含有量は、それぞれトナー中に1〜10質量%で含有されていることが好ましく、より好ましくは2〜8質量%である。着色剤の含有量が、1質量%未満の場合においては、トナーの着色力が不足するおそれがある。一方、着色剤の含有量が、10質量%を超える場合においては、着色剤の遊離やキャリアなどへの付着が発生し、帯電性に影響を与えるおそれがある。
〔シアン着色剤〕
本発明に係るフルカラートナーキットに用いられるシアントナー用のシアン着色剤としては、C.I.ソルベントブルー63を含有する構成とされ、上述したシアン着色剤と同様の構成とすることができる。
これらの着色剤を用いたイエロートナー、マゼンタトナーおよびブラックトナーと本発明に係るC.I.ソルベントブルー63を含有するシアントナーとからなるフルカラートナーキットを用いることにより、フルカラー画像を形成することができる。
以下、本発明に係るトナーを二成分系現像剤として用いる場合の画像形成方法について説明する。
図1は、本発明に用いられる画像形成装置の構成の一例を示す概略図である。
この画像形成装置40は、タンデム型のフルカラー画像形成装置であって、ベルト状の中間転写体46に沿って設けられた複数の画像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kと、給紙カセット42と、定着装置49とを備えているものである。図1において、41は操作部であり、47Y,47M,47C,47Kは、各色のトナーカートリッジである。
画像形成ユニット50Yは、イエローのトナー像を形成するものであって、感光体51Yを備え、この感光体51Yの周囲に帯電手段52Y、露光手段53Y、現像装置54Y、1次転写手段57Y、クリーニング手段58Yが配置されて構成されている。
画像形成ユニット50M,50C,50Kは、各々、イエローのトナー像を形成する代わりにマゼンタ、シアン、黒色のトナー像を形成する他は、画像形成ユニット50Yと同様の構成を有する。
ここで、画像形成ユニット50Yによれば黄色のトナー像が形成され、画像形成ユニット50Mによればマゼンタ色のトナー像が形成され、画像形成ユニット50Cによれば、シアン色のトナー像が形成され、画像形成ユニット50Kによれば黒色のトナー像が形成される。
中間転写体46は、複数の支持ローラ46A,46B,46Cに張架され、循環移動可能に支持されている。
この画像形成装置40においては、画像形成ユニット50Y,50M,50C,50Kより形成された各色のトナー像が、循環移動する中間転写体46上に1次転写手段57Y,57M,57C,57Kにより逐次1次転写され、重畳されてカラートナー像が形成される。
一方、給紙カセット42内に収容された画像支持体Pが、給紙ローラ43により1枚ずつ給紙され、レジストローラ44によって2次転写手段57Aに搬送され、当該画像支持体P上にカラートナー像が2次転写される。
次いで、画像支持体Pが定着装置49に搬送されて定着処理が行われ、その後、排紙ローラ45に挟持されて機外の排紙トレイ48上に排出される。
また、二次転写手段57Aにより画像支持体Pにカラートナー像を転写した後、画像支持体Pを曲率分離した中間転写体46は、クリーニング手段59により残留トナーが除去される。
本発明の画像形成方法は、上述した画像形成装置による画像形成方法に限られるものではなく、例えば、非磁性一成分現像剤を用いる画像形成装置によっても形成することができる。
本発明によれば、着色剤としてC.I.ソルベントブルー63を用いることにより、形成されるカラー画像が色濁りのない鮮やかな色調を有するものとなり、かつ、形成される画像が長期間の間にわたって安定した耐光性を有するものとなる。
また、本発明によれば、少なくとも4種のトナーからなるフルカラートナーキットを用いる画像形成方法において、静電荷像現像用シアントナーの着色剤としてC.I.ソルベントブルー63を用いることにより、静電荷像現像用シアントナーによって形成される一次色による画像が色濁りのない鮮やかな色調を有するものとなることから、当該静電荷像現像用シアントナーと他色のカラートナーとを重ね合わせて形成される二次色による画像についても、鮮やかな色調を有するものとなる。さらに、色調の向上により、写真画像における色再現に最適な色相角を発現するものとなる。
以下、本発明の具体的な実施例について説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔シアントナー作製例1:混練・粉砕法によるトナーの作製〕
下記トナー構成物を「ヘンシェルミキサー」(三井三池鉱業社製)に投入し、撹拌羽根の周速を25m/秒に設定して5分間混合処理した。
・ポリエステル樹脂 100質量部
(ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物、テレフタル酸、トリメリット酸の縮合物 重量平均分子量20,000)
・C.I.ソルベントブルー63 5質量部
・ワックス(ペンタエリスリトールテトラステアレート) 6質量部
・荷電制御剤(ジベンジル酸ホウ素) 1質量部
混合物を二軸押出混練機で混練し、次いで、ハンマーミルで粗粉砕した後、「ターボミル粉砕機」(ターボ工業社製)で粉砕処理し、さらに、コアンダ効果を利用した気流分級機で微粉分級処理を行うことで、体積基準のメディアン径が5.5μmのシアントナー粒子〔1〕を得た。
次に、シアントナー粒子〔1〕に下記外添剤を添加して、ヘンシェルミキサーにて外添処理を行い、シアントナー〔1〕を作製した。
・ヘキサメチルシラザン処理したシリカ(数平均一次粒径12nm) 0.6質量部
・n−オクチルシラン処理した二酸化チタン(数平均一次粒径24nm)0.8質量部
なお、ヘンシェルミキサーによる外添処理は、撹拌羽根の周速35m/秒、処理温度35℃、処理時間15分間の条件の下で行った。
〔シアントナー作製例2:乳化会合法によるトナーの作製〕
(1)着色剤微粒子分散液〔1〕の調製
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に投入し、溶解、撹拌して界面活性剤水溶液を調製した。この界面活性剤水溶液中に、C.I.ソルベントブルー63の4質量部を徐々に添加し、「クリアミックスWモーションCLM−0.8」(エムテクニック社製)を用いて分散処理を行って、着色剤微粒子〔1〕を含有する着色剤微粒子分散液〔1〕を調製した。
着色剤微粒子〔1〕は、体積基準のメディアン径が98nmであった。なお、体積基準のメディアン径は、「MICROTRAC UPA−150」(HONEYWELL社製)を用い、下記測定条件下で測定したものである。
・サンプル屈折率 1.59
・サンプル比重 1.05(球状粒子換算)
・溶媒屈折率 1.33
・溶媒粘度 0.797Pa・s(30℃)、1.002Pa・s(20℃)
・零点調整 測定セルにイオン交換水を投入し調製した。
(2)コア部用樹脂粒子〔1〕の作製
下記に示す第1段重合、第2段重合および第3段重合を経て多層構造を有するコア部用樹脂粒子〔1〕を作製した。
(a)第1段重合
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に下記構造式(1)に示すアニオン系界面活性剤4質量部をイオン交換水3040質量部とともに投入し、界面活性剤水溶液を調製した。
構造式(1) C1021(OCH2 CH2 2 SO3 Na
上記界面活性剤水溶液中に、過硫酸カリウム(KPS)10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、温度を75℃に昇温させた後、下記化合物よりなる単量体混合液を1時間かけて反応容器中に滴下した。
・スチレン 532質量部
・n−ブチルアクリレート 200質量部
・メタクリル酸 68質量部
・n−オクチルメルカプタン 16.4質量部
上記単量体混合液を滴下後、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、撹拌することにより重合(第1段重合)を行い、樹脂粒子〔A1〕を作製した。なお、第1段重合で作製した樹脂粒子〔A1〕の重量平均分子量は16,500だった。
(b)第2段重合
撹拌装置を取り付けたフラスコ内に下記化合物からなる単量体混合液を投入し、続いて、ワックスとしてパラフィンワックス「HNP−57」(日本精蝋社製)93.8質量部を添加し、90℃に加温して溶解させた。この様にして単量体溶液を調製した。
・スチレン 101.1質量部
・n−ブチルアクリレート 62.2質量部
・メタクリル酸 12.3質量部
・n−オクチルメルカプタン 1.75質量部
一方、前記アニオン系界面活性剤3質量部をイオン交換水1560質量部に溶解させた界面活性剤水溶液を調製し、98℃に加熱した。この界面活性剤水溶液中に樹脂粒子〔A1〕を32.8質量部(固形分換算)添加し、さらに、上記パラフィンワックスを含有する単量体溶液を添加した後、循環経路を有する機械式分散機「クレアミックス」(エムテクニック社製)で8時間混合分散した。前記混合分散により分散粒子径が340nmの乳化粒子を含有する乳化粒子分散液を調製した。
次いで、前記乳化粒子分散液に過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、この系を98℃にて12時間にわたり加熱撹拌を行うことで重合(第2段重合)を行って樹脂粒子〔A2〕を作製した。なお、第2段重合で作製した樹脂粒子〔A2〕の重量平均分子量は23,000だった。
(c)第3段重合
上記第2段重合で得られた樹脂粒子〔A2〕に、過硫酸カリウム5.45質量部をイオン交換水220質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、80℃の温度条件下で、下記化合物からなる単量体混合液を1時間かけて滴下した。
・スチレン 293.8質量部
・n−ブチルアクリレート 154.1質量部
・n−オクチルメルカプタン 7.08質量部
滴下終了後、2時間にわたり加熱撹拌を行って重合(第3段重合)を行い、重合終了後、28℃に冷却してコア部用樹脂粒子〔1〕を作製した。第3段重合で作製した。コア部用樹脂粒子〔1〕の重量平均分子量は26,800であった。
(3)シェル用樹脂粒子〔1〕の作製
コア部用樹脂粒子〔1〕の作製における第1段重合で使用された単量体混合液を以下のものに変更した以外は同様にして、重合反応及び反応後の処理を行ってシェル用樹脂粒子〔1〕を作製した。
・スチレン 624質量部
・2−エチルヘキシルアクリレート 120質量部
・メタクリル酸 56質量部
・n−オクチルメルカプタン 16.4質量部
(4)シアントナー〔2〕の作製
(a)コア部〔1〕の形成
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器に、
・コア部用樹脂粒子〔1〕 420.7質量部(固形分換算)
・イオン交換水 900質量部
・着色剤微粒子分散液〔1〕 200質量部
を投入、撹拌した。反応容器内の温度を30℃に調整後、5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを8乃至11に調整した。
次いで、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を撹拌の下で30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置後に昇温を開始し、この系を60分間かけて65℃まで昇温させ、上記粒子の会合を行った。この状態で「マルチサイザー3」(ベックマン・コールター社製)を用いて会合粒子の粒径測定を行い、会合粒子の体積基準のメディアン径が5.5μmになった時に、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解させた水溶液を添加して会合を停止させた。
会合停止後、さらに、熟成処理として液温を70℃にして1時間にわたり加熱撹拌を行うことにより融着を継続させてコア部〔1〕を作製した。
コア部〔1〕の平均円形度を「FPIA2000」(システックス社製)を用いて測定したところ、0.912だった。
(b)シェル層の形成
次に、上記液を65℃にしてシェル用樹脂粒子〔1〕を96質量部添加し、さらに、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を10分間かけて添加した後、70℃まで昇温させて1時間にわたり撹拌を行った。この様にして、コア部〔1〕の表面にシェル用樹脂粒子〔1〕を融着させた後、75℃で20分間熟成処理を行ってシェルを形成させた。
この後、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を添加してシェル形成を停止した。さらに、8℃/分の速度で30℃に冷却して生成した粒子をろ過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄した後、40℃の温風で乾燥することにより、コア部表面にシェル層を有するシアントナー粒子〔2〕を作製した。
(c)外添処理
作製したシアントナー粒子〔2〕に下記外添剤を添加して、ヘンシェルミキサーにて外添処理を行い、シアントナー〔2〕を作製した。
・ヘキサメチルシラザン処理したシリカ(数平均一次粒径12nm) 0.6質量部
・n−オクチルシラン処理した二酸化チタン(数平均一次粒径24nm)0.8質量部
なお、ヘンシェルミキサーによる外添処理は、撹拌羽根の周速35m/秒、処理温度35℃、処理時間15分間の条件の下で行った。
〔比較用シアントナー作製例1〕
シアントナー作製例1において、「C.I.ソルベントブルー63」の代わりに「銅フタロシアニン」を使用した他は同様にして比較用シアントナー〔1〕を作製した。
〔比較用シアントナー作製例2〕
シアントナー作製例2において、「C.I.ソルベントブルー63」の代わりに「銅フタロシアニン」を使用した他は同様にして比較用シアントナー〔2〕を作製した。
〔イエロートナー作製例1〕
シアントナー作製例1において「C.I.ソルベントブルー63」の代わりに「ピグメントイエロー74」を使用した他は同様にしてイエロートナー〔1〕を作製した。
〔イエロートナー作製例2〕
シアントナー作製例2において「C.I.ソルベントブルー63」の代わりに「ピグメントイエロー74」を使用した他は同様にしてイエロートナー〔2〕を作製した。
〔マゼンタトナー作製例1〕
シアントナー作製例1において「C.I.ソルベントブルー63」の代わりに「ピグメントレッド122」を使用した他は同様にしてマゼンタトナー〔1〕を作製した。
〔マゼンタトナー作製例2〕
シアントナー作製例2において「C.I.ソルベントブルー63」の代わりに「ピグメントレッド122」を使用した他は同様にしてマゼンタトナー〔2〕を作製した。
〔ブラックトナー作製例1〕
シアントナー作製例1において「C.I.ソルベントブルー63」の代わりに「カーボンブラック:モーガルL」を使用した他は同様にしてブラックトナー〔1〕を作製した。
〔ブラックトナー作製例2〕
シアントナー作製例2において「C.I.ソルベントブルー63」の代わりに「カーボンブラック:モーガルL」を使用した他は同様にしてブラックトナー〔2〕を作製した。
〔現像剤の調製〕
上記シアントナー〔1〕,〔2〕、比較用シアントナー〔1〕,〔2〕、イエロートナー〔1〕,〔2〕、マゼンタトナー〔1〕,〔2〕およびブラックトナー〔1〕,〔2〕の各々に、メチルメタクリレートとシクロヘキシルメタクリレート樹脂で被覆した体積平均粒径50μmのフェライトキャリアを混合し、トナー濃度が6%のシアン現像剤〔1〕,〔2〕、比較用シアン現像剤〔1〕,〔2〕、イエロー現像剤〔1〕,〔2〕、マゼンタ現像剤〔1〕,〔2〕およびブラック現像剤〔1〕,〔2〕を調製した。
〔実施例1、2および比較例1、2〕
表1に示す組み合わせの現像剤を、図1に示す画像形成装置に対応する市販の複合プリンタ「bizhub Pro C500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ(株)製)に装填して、下記の評価を行った。
(フルカラー画像の色再現範囲の評価)
温度20℃、湿度50%RHの環境下において、イエロー単色(Y)、マゼンタ単色(M)、シアン単色(C)、レッド(R)、ブルー(B)およびグリーン(G)のそれぞれのベタ画像(2cm×2cm)を形成し、その色域をa* ―b* 座標に表し、その面積を測定した。比較例1のY/M/C/R/B/Gの色域で構成された面積を100として色再現範囲の評価を行った。結果を表1に示す。
(耐光性の評価)
10cm×10cmのシアン画像を形成し、この画像を「キセノンウェザーメーターXL75」(スガ試験機株式会社製)を用いて、キセノンランプ7万ルクスの照射条件にて480時間照射を行い、照射前後での反射濃度の変化率を測定した。結果を表1に示す。
以上のように、本発明に係る実施例によれば、比較例に比べ色再現範囲の拡大を図ることができ、かつ耐光性に優れた画像を形成することが確認された。
40 画像形成装置
41 操作部
42 給紙カセット
43 給紙ローラ
44 レジストローラ
45 排紙ローラ
46 中間転写体
46A,46B,46C 支持ローラ
47Y,47M,47C,47K トナーカートリッジ
48 排紙トレイ
49 定着装置
50Y,50M,50C,50K 画像形成ユニット
51Y 感光体
52Y 帯電手段
53Y 露光手段
54Y 現像装置
57Y 1次転写手段
57A 2次転写手段
58Y クリーニング手段
59 クリーニング手段
P 画像支持体

Claims (2)

  1. 少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有するトナー粒子よりなる静電荷像現像用トナーであって、
    前記トナー粒子を構成する着色剤が、C.I.ソルベントブルー63を含有することを特徴とする静電荷像現像用トナー。
  2. 少なくとも結着樹脂とイエロー着色剤とを含有するイエロートナー粒子よりなる静電荷像現像用イエロートナーと、
    少なくとも結着樹脂とマゼンタ着色剤とを含有するマゼンタトナー粒子よりなる静電荷像現像用マゼンタトナーと、
    少なくとも結着樹脂とシアン着色剤とを含有するシアントナー粒子よりなる静電荷像現像用シアントナーと、
    少なくとも結着樹脂とブラック着色剤とを含有するブラックトナー粒子よりなる静電荷像現像用ブラックトナーとの少なくとも4種からなるフルカラートナーキットを用いる画像形成方法であって、
    前記シアン着色剤がC.I.ソルベントブルー63を含有することを特徴とする画像形成方法。
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Cited By (2)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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WO2015020165A1 (ja) * 2013-08-09 2015-02-12 日本化薬株式会社 粉体、粉体凝集の抑制方法および染色性の改善方法
WO2015020164A1 (ja) * 2013-08-09 2015-02-12 日本化薬株式会社 粉体、染料の滲み出しの抑制方法および染色性の改善方法

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