JP5423578B2 - 静電荷像現像用レッドトナー - Google Patents
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1.少なくとも着色剤および結着樹脂を含有する静電荷像現像用レッドトナーであって、
前記着色剤は、少なくとも第1の色材および第2の色材を含むものであり、
前記第1の色材は、L*a*b*表色系による色相角が−30°以上50°以下のものであり、
前記第2の色材は、C.I.バットレッド41よりなるものであり、
前記第2の色材の含有量が、結着樹脂100質量部に対して、0.05質量部以上0.2質量部以下であることを特徴とする静電荷像現像用レッドトナー。
2.前記第1の色材の色相角と前記第2の色材の色相角との差が、50°以内であることを特徴とする前記1に記載の静電荷像現像用レッドトナー。
3.前記第2の色材の含有量が、結着樹脂100質量部に対して、0.07質量部以上0.1質量部以下であることを特徴とする前記1または2に記載の静電荷像現像用レッドトナー。
4.前記第1の色材に係る色相角が−20°以上40°以下であることを特徴とする前記1から3のいずれかに記載の静電荷像現像用レッドトナー。
〔静電荷現像用レッドトナー〕
本発明の静電荷像現像用レッドトナーは、少なくとも着色剤および結着樹脂を含有する静電荷像現像用レッドトナーであって、
前記着色剤は、少なくとも第1の色材および第2の色材を含むものであり、
前記第1の色材は、L*a*b*表色系による色相角が−30〜50°のものであり、
前記第2の色材は、C.I.バットレッド41よりなるものであり、
前記第2の色材の含有量が、結着樹脂100質量部に対して、0.05〜0.2質量部であることを特徴としている。
〔着色剤〕
本発明のレッドトナーに含有される着色剤は、L*a*b*表色系による色相角が−30〜50°である第1の色材が着色剤の主成分であることが好ましい。本発明において主成分とは着色剤全体に対して80%以上であることを言う。
〔上記式(H)中、a*、b*はそれぞれ座標点(a、b)におけるa、bの値を表す。〕
L*、a*、b*は、具体的には、分光光度計「Gretag Macbeth Spectrolino」(Gretag Macbeth社製)を用い、光源としてD65光源、反射測定アパーチャとしてφ4mmのものを用い、測定波長域380〜730nmを10nm間隔で、視野角を2°とし、基準合わせには専用白タイルを用いた条件において測定されるものである。
〔結着樹脂〕
本発明のレッドトナーに含有される結着樹脂としては、例えばレッドトナーが粉砕法、溶解懸濁法などによって製造される場合には、スチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂、オレフィン系樹脂などのビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、カーボネート樹脂、ポリエーテル、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスルフオン、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂などの公知の種々の樹脂を用いることができる。これらは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。
〔荷電制御剤〕
荷電制御剤としては、摩擦帯電により正または負の帯電を与えることのできる物質であれば特に限定されず、公知の種々の正帯電制御剤および負帯電制御剤を用いることができる。
〔離型剤〕
離型剤としては、公知の種々のワックスを用いることができる。
〔レッドトナーの製造方法〕
本発明のレッドトナーを製造する方法としては、特に限定されず、例えば粉砕法、溶解懸濁法、懸濁重合法、乳化重合凝集法、ミニエマルション重合凝集法、その他の公知の方法などを挙げることができるが、乳化重合凝集法を用いることが好ましい。乳化重合凝集法によれば、製造コストおよび製造安定性の観点から、レッドトナー粒子の小粒径化を容易に図ることができる。
(1−1)水系媒体中に第1の色材の微粒子が分散されてなる分散液を調製する工程
(1−2)水系媒体中に第2の色材の微粒子が分散されてなる分散液を調製する工程
(2)水系媒体中に、必要に応じて内添剤を含有した結着樹脂微粒子が分散されてなる分散液を調製する工程
(3)第1の色材の微粒子の分散液および第2の色材の微粒子の分散液と、結着樹脂微粒子の分散液とを混合して、第1の色材の微粒子および第2の色材の微粒子と結着樹脂微粒子とを凝集、会合、融着させてレッドトナー粒子を形成する工程
(4)レッドトナー粒子の分散系(水系媒体)からレッドトナー粒子を濾別し、界面活性剤などを除去する工程
(5)レッドトナー粒子を乾燥する工程
(6)レッドトナー粒子に外添剤を添加する工程
乳化重合凝集法によってレッドトナーを製造する場合においては、乳化重合法によって得られる結着樹脂微粒子は、組成の異なる結着樹脂よりなる2層以上の多層構造を有するものであってもよく、このような構成の結着樹脂微粒子は、例えば2層構造を有するものは、常法に従った乳化重合処理(第1段重合)によって樹脂粒子の分散液を調整し、この分散液に重合開始剤と重合性単量体とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)する手法によって得ることができる。
(1)結着樹脂、第1の色材および第2の色材並びに必要に応じて内添剤をヘンシェルミキサなどにより混合する工程
(2)得られた混合物を押出混練機などにより加熱しながら混練する工程
(3)得られた混練物をハンマーミルなどにより粗粉砕処理した後、更にターボミル粉砕機などにより粉砕処理を行う工程
(4)得られた粉砕物を、例えばコアンダ効果を利用した気流分級機を用いて微粉分級処理しレッドトナー粒子を形成する工程
(5)レッドトナー粒子に外添剤を添加する工程
〔レッドトナー粒子の粒径〕
本発明のレッドトナーを構成するレッドトナー粒子の粒径は、例えば体積基準のメジアン径で4〜10μmであることが好ましく、さらに好ましくは5〜9μmとされる。
〔レッドトナーの軟化点温度〕
本発明のオレンジトナーは、その軟化点温度(Tsp)が70℃以上110℃以下となるものが好ましく、70℃以上100℃以下となるものがより好ましい。本発明のレッドトナーに含有される着色剤は、熱の影響を受けてもスペクトルが変化することのない安定した性質を有するものであるが、軟化点温度(Tsp)が上記範囲であることにより定着時にレッドトナーに加わる熱の影響をより低減させることができる。従って、着色剤に負担をかけずに画像形成が行えるので、より広く安定した色再現性を発現させることが期待される。
(1)結着樹脂を形成すべき単量体の種類や組成比を調節する。
(2)連鎖移動剤の種類や添加量により結着樹脂の分子量を調節する。
(3)離型剤等の種類や添加量を調節する。
〔外添剤〕
本発明のレッドトナーとしては、レッドトナー粒子をそのままの状態で用いることもできるが、レッドトナー粒子に対して、流動性、帯電性およびクリーニング性などを改良するために、流動化剤およびクリーニング助剤などの外添剤を添加して用いることもできる。
〔現像剤〕
本発明のレッドトナーは、非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。
〔画像形成方法〕
本発明のレッドトナーは、例えばイエロートナー、マゼンタトナーおよびシアントナーの3色のトナーと共に一般的な電子写真方式による画像形成方法に好適に用いることできる。また、必要に応じて上記4色のトナーと共にブラックトナーを用いてもよい。
(1)静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーにより現像することによって形成されるトナー像を転写材に直接転写するトナー像形成工程を、イエロートナー、レッドトナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーの5色のトナーを用いて行うことにより、トナー像を担持した転写材を得、これらのトナー像を転写材に定着させることにより画像を形成する、いわゆる直接転写方式の画像形成方法。
(2)静電潜像担持体上に形成された静電潜像をトナーにより現像することによって形成されるトナー像を中間転写体に転写するトナー像形成工程を、少なくともイエロートナー、レッドトナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーの5色のトナーを用いて行うことにより、トナー像を担持した中間転写体を得、これらのトナー像を転写材上に転写し、定着させることにより画像を形成する、所謂中間転写方式の画像形成方法。
〔転写材〕
以上のような画像形成方法に用いられる転写材としては、例えば薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙あるいはコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
〔色材微粒子の分散液の調製例1〕
n−ドデシル硫酸ナトリウム11.5質量部をイオン交換水160質量部に投入し、溶解・撹拌して界面活性剤水溶液を調製した。この界面活性剤水溶液中に、「C.I.バットレッド41」21.8質量部を徐々に添加し、「クリアミックスWモーションCLM−0.8」(エムテクニック社製)により分散処理を行って、色材微粒子〔1〕の分散液を調製した。
〔色材微粒子の分散液の調製例2〜7〕
色材微粒子の分散液の調製例1において、「C.I.バットレッド41」の代わりに下記表1に示すものを用いたことの他は同様にして色材微粒子〔2〕〜〔7〕の分散液を調製した。各色材に係る色相角を表1に示す。なお、色相角は前述の式(H)より求めた値である。
(1)樹脂粒子の作製例
(a)第1段重合
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器内にポリオキシエチレンラウリル硫酸エーテル4質量部をイオン交換水3040質量部と共に投入し、界面活性剤水溶液を調製した。
n−ブチルアクリレート 200質量部
メタクリル酸 68質量部
n−オクチルメルカプタン 16.4質量部
この重合性単量体混合液を滴下後、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、撹拌することにより第1段重合を行い、樹脂粒子〔A1〕を作製した。
(b)第2段重合
撹拌装置を取り付けたフラスコ内に下記化合物よりなる重合性単量体混合液を投入し、離型剤としてパラフィンワックス「HNP−57」(日本精蝋社製)93.8質量部を添加し、90℃に加温して溶解させた。
n−ブチルアクリレート 62.2質量部
メタクリル酸 12.3質量部
n−オクチルメルカプタン 1.75質量部
ポリオキシエチレンラウリル硫酸エーテル3質量部をイオン交換水1560質量部に溶解させた界面活性剤水溶液を調製し、98℃に加熱した。この界面活性剤水溶液に樹脂粒子〔A1〕32.8質量部(固形分換算)を添加し、さらに、パラフィンワックスを含有する重合性単量体混合液を添加した後、機械式分散機「クレアミックス」(エムテクニック社製)を用いて8時間混合分散し、分散粒子径が340nmの乳化粒子を有する乳化粒子分散液を調製した。
(c)第3段重合
樹脂粒子〔A2〕に、過硫酸カリウム5.45質量部をイオン交換水220質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、この系を80℃の温度条件下において、下記化合物よりなる重合性単量体混合液を1時間かけて滴下した。
n−ブチルアクリレート 154.1質量部
n−オクチルメルカプタン 7.08質量部
この重合性単量体混合液を滴下後、2時間にわたり加熱、撹拌することにより第3段重合を行い、28℃に冷却して樹脂粒子〔1〕を作製した。
(d)シェル用樹脂粒子〔1〕の作製工程
(a)第1段重合で使用された単量体混合液を以下のものに変更した以外は同様にして、重合反応及び反応後の処理を行ってシェル用樹脂粒子〔1〕を作製した。
2−エチルヘキシルアクリレート 120質量部
メタクリル酸 56質量部
n−オクチルメルカプタン 16.4質量部
(2)レッドトナー粒子の作製例
樹脂粒子〔1〕 430質量部(固形分換算)
イオン交換水 900質量部
色材微粒子分散液〔1〕 0.5質量部(固形分換算)
色材微粒子分散液〔2〕 30質量部(固形分換算)を反応容器に投入し撹拌した。反応容器内の温度を30℃に調整後、5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8〜11に調整した。
(b)シェルの形成
次に、上記液を65℃にしてシェル用樹脂粒子〔1〕70質量部(固形分換算)を添加し、さらに、塩化マグネシウム・6水和物2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を10分間かけて添加した後、70℃まで昇温させて1時間にわたり撹拌を行った。この様にして、コア部〔1〕の表面にシェル用樹脂粒子〔1〕を融着させた後、75℃で20分間熟成処理を行ってシェルを形成させた。
(3)外添剤の添加例
レッドトナー粒子〔1〕に下記外添剤を添加して、「ヘンシェルミキサ」(三井三池鉱業社製)を用いて外添処理を行い、レッドトナー1を作製した。
0.6質量部
n−オクチルシラン処理した二酸化チタン(平均一次粒子径24nm)
0.8質量部
作製したレッドトナー〔1〕の体積基準におけるメジアン径は6.5μm、軟化点は、107℃であった。
〔実施例2〜9のレッドトナー2〜9、比較用トナー10〜18の作製〕
実施例1のレッドトナー1の作製例の(2)レッドトナー粒子の作製例において、色材微粒子分散液〔1〕および色材微粒子分散液〔2〕の代わりに、下記表2に示す組み合わせおよび含有量に変更したことの他は同様にして実施例2〜9のレッドトナー2〜9、及び比較例1〜8のレッドトナー10〜17及び比較例9のイエロートナー18を作製した。なお、実施例6のレッドトナー6は下記粉砕法にて作製した。
〔実施例6のレッドトナー6の作製例〕
(1)混合工程
下記材料を「ヘンシェルミキサ」(三井鉱山社製)により、撹拌羽の周速を25m/秒に設定して5分間かけて混合して混合物を得た。
着色剤(C.I.ピグメントオレンジ64) 6質量部
着色剤(C.I.バットレッド41) 0.1質量部
離型剤(ペンタエリスリトールテトラステアレート) 6質量部
荷電制御剤(ジベンジル酸ホウ素) 1質量部
(2)混練工程
得られた混合物を二軸押出混練機により110℃に加熱しながら混練し、混練物を得、その後この混練物を冷却した。
(3)粉砕工程
得られた混練物を「ハンマーミル」(ホソカワミクロン社製)により粗粉砕した後、「ターボミルT−400型」(ターボ工業社製)により微粉砕した。
(4)分級工程
得られた微粉末を風力分級機により微粉分級を行うことにより、体積基準のメジアン径が6.5μmのレッドトナー粒子〔6〕を得た。
(5)外添剤添加工程
レッドトナー粒子〔6〕に、下記外添剤を添加して、「ヘンシェルミキサ」(三井三池鉱業社製)により外添処理を行い、レッドトナー6を作製した。
n−オクチルシラン処理した二酸化チタン微粒子 0.8質量部
なお、ヘンシェルミキサによる外添処理は、撹拌羽根の周速35m/秒、処理温度35℃、処理時間15分の条件の下で行った。
〔現像剤の作成〕
レッドトナー、マゼンタトナーおよびイエロートナーの各々と、メチルメタクリレートおよびシクロヘキシルメタクリレート樹脂を被覆した体積平均粒子径50μmのフェライトキャリアを、各々のトナーの濃度が6質量%になるようV型混合機によって混合することにより、レッド現像剤、マゼンタ現像剤およびイエロー現像剤を作製した。
レッドトナーのみにより「PODグロスコート紙(128g/m2)」(王子製紙社製)上にトナー付着量4g/m2のレッドベタ画像を形成し、各々、L*、a*、b*を測定した。なお、比較例9においては、マゼンタトナーとイエロートナーとの組み合わせによりレッドベタ画像を形成するものとする。
なお、L*、a*、b*は、分光光度計「Gretag Macbeth Spectrolino」(Gretag Macbeth社製)を用い、光源としてD65光源、反射測定アパーチャとしてφ4mmのものを用い、測定波長域380〜730nmを10nm間隔で、視野角を2°とし、基準合わせには専用白タイルを用いた条件において測定されるものである。
〔判定基準〕
彩度C*が85以上、明度L*が60以上を合格とした。結果を表3に示した。
11Y、11R、11M、11C、11Bk 帯電手段
12Y、12R、12M、12C、12Bk 露光手段
13Y、13R、13M、13C、13Bk 現像手段
14Y、14R、14M、14C、14Bk 一次転写手段
141Y、141R、141M、141C、141Bk 一次転写ローラ
14S 二次転写手段
141S 二次転写ローラ
17 中間転写体
17a、17b、17c 支持ローラ
17d バックアップローラ
18 定着装置
181 加熱ローラ
182 加圧ローラ
20Y、20R、20M、20C、20Bk クリーニング手段
20S 中間転写体クリーニング手段
30Y、30R、30M、30C、30Bk トナー像形成ユニット
P 転写材
Claims (4)
- 少なくとも着色剤および結着樹脂を含有する静電荷像現像用レッドトナーであって、
前記着色剤は、少なくとも第1の色材および第2の色材を含むものであり、
前記第1の色材は、L*a*b*表色系による色相角が−30°以上50°以下のものであり、
前記第2の色材は、C.I.バットレッド41よりなるものであり、
前記第2の色材の含有量が、結着樹脂100質量部に対して、0.05質量部以上0.2質量部以下であることを特徴とする静電荷像現像用レッドトナー。 - 前記第1の色材の色相角と前記第2の色材の色相角との差が、50°以内であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用レッドトナー。
- 前記第2の色材の含有量が、結着樹脂100質量部に対して、0.07質量部以上0.1質量部以下であることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用レッドトナー。
- 前記第1の色材に係る色相角が−20°以上40°以下であることを特徴とする請求項1から請求項3のいずれか1項に記載の静電荷像現像用レッドトナー。
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