JP5867090B2 - 静電荷像現像用グリーントナー - Google Patents

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Description

本発明は静電荷像現像用グリーントナーに関し、更に詳しくは電子写真方式の画像形成装置に用いられる静電荷像現像用グリーントナーに関する。
静電荷像現像用トナー(以下、単に「トナー」ともいう。)を用いた電子写真方式による画像形成方法においては、従来からのモノクロ画像に加え、近年、フルカラー画像を形成する機会が増加している。電子写真方式によるフルカラー画像形成方法においては、印刷用の版を必要としないことから必要枚数分の印刷物をオンデマンドに作製(必要時に必要部数作製)できるので、軽印刷分野において広く利用されている。
90年代より始まったIT革命は印刷現場を取り巻く環境を著しくデジタル化の方向へ導いており、このデジタル化によって、入稿データの「RGB」化が標準化しつつあり、取り扱われるデータが、より色再現領域の広いものへとシフトしている。
しかしながら、電子写真方式によるフルカラー画像形成方法は、反射光による減色法によって色を表すものであるために、それ自体が光源を有し加色法によって色を表すディスプレイと比較して色再現範囲がはるかに狭いため、ディスプレイ上に表示されるフルカラー画像を紙などの転写材上に再現することが難しいという問題がある。
特に2種類のトナーを重ねて作る二次色の高明度領域の色再現性に乏しいという問題がある。具体的には、例えばグリーン色を再現する場合においては、イエロートナーによるトナー像とシアントナーによるトナー像とを重ね合わせるため、彩度および明度が低下し、そのため必然的にグリーン領域の色再現領域が加色法による色再現領域よりも狭いものとなってしまう。
このため、減色法によるフルカラー画像形成において濁りが無く、鮮明な色調のトナーが望まれていた。
一方、減色法によるフルカラー画像形成方法において、色再現領域の拡大を図る技術のひとつとして、例えば従来のイエロートナー、マゼンタトナー、シアントナーおよびブラックトナーから構成される4色のトナーに加えて、オレンジトナーおよびグリーントナーなど6色以上のトナーを用いたフルカラー画像形成方法が提案されている。即ち、マンセル色相環において360°で表わされる色相をイエロートナー、マゼンタトナーおよびシアントナーから構成される3色のトナーを用いて色再現するのではなく、これらにオレンジトナーやグリーントナーを加えて色再現することにより色再現領域の拡大を図るものである。
例えば、無金属フタロシアニン顔料とイソインドリン系顔料の組み合わせによるグリーントナーが提案されている(例えば特許文献1参照)。
しかし、無金属フタロシアニン顔料とイソインドリン系顔料を組み合わせたトナーでは、色濁りが発生し、彩度、明度とも十分ではなかった。
グリーン領域の明度、彩度を上げるために、イエロートナー、シアントナーの他に新たにグリーントナーとしてもう一色追加することが好ましい。そのためには、明度、彩度の高いグリーントナーが必要となる。しかし、既存のグリーン顔料を用いたグリーントナーを追加しても、それだけでは十分な明度のグリーン領域の色再現を得ることは困難であった。
特開2004−70089号公報
前述のように電子写真方式の画像形成における色再現領域を拡大する技術においては、様々な試みがなされているが、これらの技術においても未だ十分と言えるものではなく、特にイエロートナー及びシアントナーから形成される二次色のグリーン画像における高明度領域の色再現性については十分と言えるものでは無かった。
本発明は、上記課題を解決し、電子写真方式の画像形成方法において、明度が高く、彩度が高いグリーン画像を形成出来る静電荷像現像用グリーントナーを提供することを目的としている。また、本発明のもう一つの目的は、低温定着性にも優れたグリーントナーを提供することを目的としている。
本発明の上記課題は以下の構成により解決される。
1.
少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有する静電荷像現像用グリーントナーにおいて、該着色剤がC.I.ソルベントグリーン5と下記一般式(1)で表される着色剤化合物Xを含み、着色剤総量中のC.I.ソルベントグリーン5の含有率が5質量%以上50質量%以下であることを特徴とする静電荷像現像用グリーントナー。
(上記一般式(1)中、M1 は第14族の金属原子を表す。2つのQは各々独立に1価の基を表し、mおよびnはそれぞれ0または1を表し、少なくとも一方は1である。また、4つのAは各々独立して置換基を有してもよい芳香環を形成する原子団を表す。)
2.
前記着色剤化合物XのM1 がSi、Ge、Snの何れかの原子であることを特徴とする前記1に記載の静電荷像現像用グリーントナー。
3.
前記一般式(1)で表される着色剤化合物XのM1 がSiであることを特徴とする前記1または前記2に記載の静電荷像現像用グリーントナー。
4.
前記一般式(1)で表される着色剤化合物Xの2つのQが、各々独立にアルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基または下記一般式(2)で表される化合物基であることを特徴とする前記1から前記3の何れか1項に記載の静電荷像現像用グリーントナー。

(上記一般式(2)中、R1 、R2 、R3 は、各々独立に、アルキル基、アリール基、アリールオキシ基またはアルコキシ基を示す。)
5.
前記C.I.ソルベントグリーン5の含有量が着色剤総量中の10質量%以上40質量%以下であることを特徴とする前記1から前記4の何れか1項に記載の静電荷像現像用グリーントナー。
6.
前記一般式(1)で表される着色剤化合物Xの2つのQが、各々独立に、アルコキシ基または前記一般式(2)で表される基であることを特徴とする前記1〜前記5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用グリーントナー。
7.
前記一般式(1)で表される着色剤化合物Xの2つのQが、各々独立に、−O(CH2 3 CH3 、−O−t−(C4 9 )、−O−t−(C8 17)、−OSi(CH3 3 、−OSi(CH2 CH3 3 、または、−OSi(CH2 CH2 CH3 3 であることを特徴とする前記6に記載の静電荷像現像用グリーントナー。
8.
前記一般式(1)で表される着色剤化合物Xの4つのAが、各々独立に、下記式(A−1)〜下記式(A−7)で表される基であることを特徴とする前記1〜前記7のいずれか1項に記載の静電荷像現像用グリーントナー。
9.
前記一般式(1)で表される着色剤化合物Xの4つのAが、下記式(a−1)〜下記式(a−7)で表される基であることを特徴とする前記1〜前記7のいずれか1項に記載の静電荷像現像用グリーントナー。
本発明は上記の構成とすることによって、色濁りが無く、明度、彩度の高いグリーン画像を得ることができ、且つ低温定着性にも優れたグリーントナーを得ることができる。
本発明のトナーを用いたフルカラー画像形成方法が実行されるフルカラー画像形成装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
一般に、イエロートナーとシアントナーの二次色でグリーン画像を形成するより、グリーントナーでグリーン画像を形成した方が、彩度、明度の高いグリーン画像を得ることができる。しかし、既存のグリーン着色剤は、彩度、明度、色相の点で必ずしも満足出来るものではなかった。この問題を解決するため、イエロー着色剤とシアン着色剤を混ぜてグリーントナーを製作し、グリーン領域の画像を形成することができる。この方法では、イエロー着色剤とシアン着色剤の混合割合を変えることによって、色相も任意に制御することができる。
さらに、グリーントナー単色によるグリーン画像を形成する転写では、転写効率は転写するグリーントナーのみの転写効率が関与するので、転写率が向上し高い画質の画像を得ることができる。一方、イエロートナーとシアントナーの二次色でグリーン画像を形成する転写では、イエロートナーによる転写とシアントナーによる転写の2回の転写工程による転写効率の積となるため、転写効率の向上はグリーントナー単色による転写よりも困難となる。
また、グリーントナー単色でグリーン画像を形成すると、色相角の違うシアントナーとイエロートナーの二次色でグリーンを形成するより、グリーン画像のスペクトルにおいて余分な吸光度がないため、色濁りがなく高品質なグリーン画像を得ることができる。
一般に、2種以上の顔料を併用したトナーでは、光の反射率が低下するため明度が低くなり、お互いの色濁りも起こり彩度の伸びも小さくなってしまう。本発明は、顔料と染料を併用することにより色濁りが無く、高い明度を維持しつつ高い彩度を実現するものである。
染料を着色剤として用いたトナーは透明性が高いため高い明度を有しており色濁りも少ないトナーを得ることができる。また、油溶性の染料を用いることでトナーの結着樹脂と相溶し、高分子の結着樹脂中に低分子の染料が入り込むことで結着樹脂の可塑効果が起こりトナーの軟化点を下げることができ、低い定着温度で紙に対してより強い定着性を実現する。着色剤に染料のみを使用した場合ではトナーの軟化点が下がりすぎてホットオフセットを起こしやすくなってしまう。
上述したように本発明は、C.I.ソルベントグリーン5および一般式(1)で表される着色剤化合物Xを用いることによって、明度、彩度が高く、かつ低温定着性にも優れたグリーントナーを提供することができるようになったものである。
以下本発明を実施するための形態について詳細に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
(グリーントナー)
本発明のグリーントナーは、結着樹脂と着色剤とを含有し、前記着色剤がC.I.ソルベントグリーン5と下記一般式(1)で表される着色剤化合物Xを含み、着色剤総量中のC.I.ソルベントグリーン5の含有率が5質量%以上50質量%以下であるグリーントナーである。
本発明のグリーントナーにおける着色剤の総量は、結着樹脂に対して3質量%以上10質量%以下が好ましい。
本発明においては、着色剤総量中のC.I.ソルベントグリーン5の含有率が5質量%以上50質量%以下であることを特徴としている。また、好ましくは10質量%以上40質量%以下である。C.I.ソルベントグリーン5の含有率がこの範囲にある時にグリーン画像とした時に色相、彩度、明度に優れたグリーン画像を得ることができる。
着色剤であるC.I.ソルベントグリーン5は、500nm以上の波長領域の光を反射する性質を有しているためにイエロー色として認識される。それに加えて同じ領域の500nm〜540nmの蛍光を発光するため、反射光に加えて発光強度の高いイエローの蛍光が加わることでトナー画像とした時に明度、彩度の高い画像を得ることが出来るものと考えられる。
また、C.I.ソルベントグリーン5は、一般に染料と呼ばれるもので有機溶剤に溶解する。この性質のためにトナーとした時に結着樹脂中にも溶解する性質を有し、透明度の高いトナーを得ることが出来、更に結着樹脂の軟化点を下げる効果を有する。
以上のことから本発明のC.I.ソルベントグリーン5をトナーの着色剤として用いたトナーはグリーントナーとして高い透明度と高い着色度を有し、結果として明度と彩度の高いグリーン着色剤として機能する。
C.I.ソルベントグリーン5の添加量は結着樹脂に対して0.001質量%以上15質量%以下が好ましく、0.01質量%以上2質量%以下が更に好ましい。0.001質量%未満では、十分な着色度が得られず必要な画像濃度が得られない。15質量%を超える場合では、色濁りが発生し所望の色が得られない、あるいは画像濃度が濃すぎて透明度が低下し明度の低い画像になってしまう。
下記一般式(1)で表される着色剤化合物Xはシアン色を有していることを特徴としている。
(上記一般式(1)中、M1 は第14族の金属原子を示す。また、2つのQは各々独立に1価の置換基を示し、mおよびnはそれぞれ0または1であって少なくとも一方は1である。また、4つのAは、各々独立に置換基を有してもよい芳香環を形成する原子団を示す。)
着色剤化合物Xは、中心金属原子M1 からフタロシアニン環に対して垂直方向に結合手を有する化合物である。なお、ここでいう垂直方向に結合手を有するとは、結合手が当該平面に正確に90℃に位置することは必須ではない。
上記一般式(1)で表される着色剤化合物Xにおいて、中心金属原子M1 は第14族の金属原子である。中心金属原子M1 の具体例としては、例えばSi、Ge、Snなどを例示することができ、特に、高明度のシアン領域の色に係る十分な発色性が得られるために、Siが好ましい。
上記一般式(1)中、2つのQは、各々独立に1価の置換基を示し、具体的には、アルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基または下記一般式(2)で表される化合物基であることが好ましく、より好ましくは炭素数1〜22のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数6〜18のアリールオキシ基、炭素数1〜22のアルコキシ基、炭素数2〜30のアシルオキシ基および下記一般式(2)で表される化合物基であり、具体的には、例えば−O(CH2 3 CH3 、−O−t−(C4 9 )、−O(CH2 5 CH3 、−O(CH2 7 CH3 、−O−t−(C8 17)、−OC6 6 、−OCO−CH2 CH2 CH3 、−OSi(CH3 3 、−OSi(CH2 CH3 3 、−OSi(CH2 CH2 CH3 3 などが挙げられる。
上記一般式(1)中の少なくとも1つのQが上記のアルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基または下記一般式(2)で表される化合物基のいずれかであることが好ましく、2つのQが共に上記のアルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基または下記一般式(2)で表される化合物基のいずれかであることがより好ましい。
上記一般式(2)中、R1 、R2 、R3 は、各々独立に、アルキル基、アリール基、アリールオキシ基またはアルコキシ基を示し、好ましくは炭素数1〜22のアルキル基、炭素数6〜18のアリール基、炭素数1〜22のアルコキシ基、または炭素数6〜18のアリールオキシ基を示し、より好ましくは炭素数1〜10のアルキル基、炭素数6〜10のアリール基、炭素数1〜10のアルコキシ基、または炭素数6〜10のアリールオキシ基であり、さらに好ましくは炭素数2〜8のアルキル基、炭素数6〜8のアリール基、炭素数2〜8のアルコキシ基、または炭素数6〜8のアリールオキシ基であり、特に好ましくはメチル基、エチル基、n−プロピル基、iso−プロピル基、n−ブチル基、イソブチル基、t−ブチル基である。
上記一般式(1)における2つのQに係るmおよびnは、それぞれ0または1であって少なくとも一方は1である。
さらに、上記一般式(1)中、4つのAは、各々独立に置換基を有してもよい芳香環を形成する原子団を示し、当該原子団の具体例としては、例えば下記式(A−1)〜下記式(A−7)に示すものを例示することができ、好ましくは下記式(A−1)および下記式(A−2)に示すものである。
式(A−1)〜(A−7)で表される原子団は、置換基を有していてもよい。
Aにおける置換基としては、塩素原子や塩ハロゲン化メチル基(−CClX2 )(ただし、Xはハロゲン原子である。)、フルオロメチル基(−CH2 F)、トリフルオロメチル基(−CF3 )、ニトロ基(−NO2 )などの電子吸引基や、t−ブチル基などの炭素数4〜8のアルキル基、−O(CH2 7 CH3 などのアルコキシ基などが挙げられる。
一般式(1)で表される化合物における特に好ましいAの具体例としては、下記式(a−1)〜下記式(a−7)で表される基が挙げられる。

これらの中では、式(a−1)で表される基、式(a−2)で表される基および式(a−3)で表される基が好ましい。
上記一般式(1)で表される着色剤化合物Xの具体例としては、下記式(X−1)〜式(X−6)で表される化合物などが挙げられる。
本発明の着色剤化合物Xは公知の方法により、容易に合成することが出来る。たとえば、以下の特許明細書に記載された内容から参照することができる。米国特許第5428152号明細書、同第4927735号明細書、同第5021563号明細書、同第5219706号明細書、同第5034309号明細書、同第5284943号明細書、同第5075203号明細書、同第5484685号明細書、同第5039600号明細書、同第5438135号明細書、同第5665875号明細書等。
本発明のグリーントナーにおいては、上記着色剤化合物Xの含有率は結着樹脂に対して50質量%以上95質量%以下が好ましく、更に好ましくは、60質量%以上90質量%以下である。C.I.ソルベントグリーン5含有量が過多である場合においては、濃度消光が生じて十分な量の蛍光発光を得ることができず、高い明度を有するグリーン画像を形成することができない。一方、C.I.ソルベントグリーン5含有量が過少である場合においては、十分な量の蛍光発光を得ることができず、高い明度を有するグリーン画像を形成することができない。よって、上記の範囲が好ましい。
本発明において、トナー中における着色剤化合物Xの分散粒子の数平均粒径が5nm以上50nm以下であることが好ましい。
また、本発明においては、C.I.ソルベントグリーン5、一般式(1)で表される着色剤化合物Xの着色剤の他に、その他の着色剤を併用してもよい。
併用する着色剤は、グリーントナーの色相を外さず彩度明度を阻害しないようなものであれば特に限定されず、公知の着色剤が使用される。例えば、C.I.ソルベントグリーン5の蛍光の効果をより効果的に出したい場合は、500nm〜540nm付近に吸収がないものが好ましい。具体的には、C.I.ピグメントイエロー3、C.I.ピグメントイエロー35、C.I.ピグメントイエロー65、C.I.ピグメントイエロー74、C.I.ピグメントイエロー98、C.I.ピグメントイエロー111等を挙げることができる。また、シアン色を示す着色剤も併用することができ、例えばC.I.ピグメントブルー15:3などが挙げられる。
(L* * * 表色系)
次に本発明で用いている「L* * * 表色系」について説明する。
「L* * * 表色系」とは、CIE(国際照明委員会)が定めた均等色空間で、色を数値化して表すのに有用な手段であり、L* * * 表色系による色空間を示すL* * * 座標図においては、L* 軸方向が明度を表し、a* 軸方向が赤−緑方向の色相を表し、b* 軸方向が黄−青方向の色相を表している。なお、明度とは色の相対的な明るさをいい、色相とは赤、黄、緑、青、紫などの色合いをいい、彩度とは色の鮮やかさの度合いをいう。
* が大きくなるほど色が明るく、小さくなるほど暗くなることを示している。a* 、b* とも絶対値が大きくなるに従って色が鮮やかになり、0に近づくに従ってくすんだ色になることを示している。これによって、一つの色をL* 、a* 、b* を用いて数値化することが可能となる。
また、「明度」、「色相」とは別に鮮やかさの度合いを数値化する方法として「彩度(C* )」があり、計算式(1)にて求めることができる。
式(1):彩度C* =〔(a* 2 +(b* 2 1/2
彩度C* の値が大きいほど鮮やかな色といえる。
* 、a* 、b* は、具体的には、分光光度計「Gretag Macbeth Spectrolino」(Gretag Macbeth社製)を用い、光源としてD65光源、反射測定アパチャーとしてφ4mmのものを用い、測定波長域380〜730nmを10nm間隔で、視野角を2°とし、基準合わせには専用白タイルを用いた条件において測定されるものである。
また、L* 、a* 、b* およびそこから算出される彩度C* はトナー付着量によっても変化するため、評価する場合はトナー付着量を一定にして測定する必要がある。
(結着樹脂)
本発明のグリーントナーに含有される結着樹脂としては、特に限定されず、公知の樹脂を用いることができる。
トナーが粉砕法などによって製造される場合には、例えばスチレン系樹脂、(メタ)アクリル系樹脂、スチレン−(メタ)アクリル系共重合体樹脂などのビニル系樹脂、ポリエステル系樹脂、ポリアミド系樹脂、ポリカーボネート樹脂、ポリエーテル樹脂、ポリ酢酸ビニル系樹脂、ポリスルホン樹脂、エポキシ樹脂、ポリウレタン樹脂、尿素樹脂などを用いることができる。これらは1種単独または2種以上を組み合わせて用いることもできる。これらの樹脂の中でも極性基を有するものが、C.I.ソルベントグリーン5の溶解性が高いため、好ましい。
また、トナーが懸濁重合法、乳化凝集法、ミニエマルション重合凝集法などによって製造される場合には、トナー粒子を構成する結着樹脂を得るための重合性単量体として、公知の種々の重合性単量体を用いることができ、重合性単量体としては、例えばビニル系単量体などが挙げられる。
結着樹脂を得るための重合性単量体として、具体的には例えばスチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンなどのスチレンあるいはスチレン誘導体;メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチルなどのメタクリル酸エステル誘導体;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニルなどのアクリル酸エステル誘導体;塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデンなどのハロゲン化ビニル類;プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニルなどのビニルエステル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテルなどのビニルエーテル類;ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトンなどのビニルケトン類;N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドンなどのN−ビニル化合物類;ビニルナフタレン、ビニルピリジンなどのビニル化合物類;アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミドなどのアクリル酸、またはメタクリル酸誘導体などのビニル系単量体を挙げることができる。これらのビニル系単量体は、1種または2種以上を組み合わせて使用することができる。
また、結着樹脂を得るための重合性単量体として、上記の重合性単量体にイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることが好ましい。イオン性解離基を有する重合性単量体は、例えばカルボキシル基、スルホン酸基、リン酸基などの置換基を構成基として有するものであって、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルホン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルホン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレートなどが挙げられる。
さらに、重合性単量体として、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレートなどの多官能性ビニル類を用いて架橋構造の結着樹脂を得ることもできる。
また、本発明のトナーにおいては、必要に応じて、荷電制御剤および離型剤などの内添剤、外添剤を含有するものとすることができる。
(荷電制御剤)
荷電制御剤としては、摩擦帯電により正または負の帯電を与えることのできる物質であれば特に限定されず、かつ無色のものであれば公知の種々の正帯電制御剤および負帯電制御剤を用いることができる。
荷電制御剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.01〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは0.1〜10質量部である。
(離型剤)
離型剤としては、公知の種々のワックスを用いることができる。
ワックスとしては、例えば、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの分枝鎖状炭化水素ワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘネート、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが挙げられる。
離型剤の含有量は、結着樹脂100質量部に対して0.1〜30質量部であることが好ましく、より好ましくは1〜20質量部である。
(外添剤)
本発明のグリーントナーは、トナー粒子をそのままの状態で用いることもできるが、トナー粒子に対して、流動性、帯電性およびクリーニング性などを改良するために、流動化剤およびクリーニング助剤などの外添剤を添加して用いることもできる。
外添剤としては、例えばシリカ微粒子、アルミナ微粒子、酸化チタン微粒子などの無機酸化物微粒子や、ステアリン酸アルミニウム微粒子、ステアリン酸亜鉛微粒子などの無機ステアリン酸化合物微粒子、あるいはチタン酸ストロンチウム、チタン酸亜鉛などの無機チタン酸化合物微粒子などの無機微粒子が挙げられる。
これら無機微粒子は、耐熱保管性および環境安定性の観点から、シランカップリング剤やチタンカップリング剤、高級脂肪酸、シリコーンオイルなどによって表面処理が行われたものであることが好ましい。
外添剤の添加量は、トナー100質量部に対して0.05〜5質量部、好ましくは0.1〜3質量部とされる。また、外添剤として種々のものを組み合わせて用いてもよい。
(トナーの製造方法)
本発明のグリーントナーは、結着樹脂と、着色剤と、必要に応じて内添剤とを用いてトナー粒子を得、このトナー粒子に対して必要に応じて外添剤を添加することによって製造することができる。
トナーを製造する方法としては、例えば粉砕法、懸濁重合法、乳化凝集法、その他の公知の方法などを挙げることができるが、乳化凝集法を用いることが好ましい。この乳化凝集法によれば、製造コストおよび製造安定性の観点から、トナー粒子の小粒径化を容易に図ることができる。
ここに、乳化凝集法とは、乳化によって製造された結着樹脂の微粒子(以下、「結着樹脂微粒子」ともいう)の分散液を、着色剤の微粒子(以下、「着色剤微粒子」ともいう)の分散液と混合し、所望のトナー粒子径となるまで凝集させ、さらに結着樹脂微粒子間の融着を行うことにより形状制御を行って、トナー粒子を製造する方法である。ここで、結着樹脂の微粒子は、任意に離型剤、荷電制御剤などを含有していてもよい。
トナーの製造方法として、乳化凝集法を用いる場合の一例を以下に示す。
(1)水系媒体中に着色剤微粒子が分散されてなる分散液を調製する工程
(2)水系媒体中に、必要に応じて内添剤を含有した結着樹脂微粒子が分散されてなる分散液を調製する工程
(3)着色剤微粒子の分散液と結着樹脂微粒子の分散液とを混合して、着色剤微粒子および結着樹脂微粒子を凝集、融着させてトナー粒子を形成する工程
(4)トナー粒子の分散系(水系媒体)からトナー粒子を濾別し、界面活性剤などを除去する工程
(5)トナー粒子を乾燥する工程
(6)トナー粒子に外添剤を添加する工程
上記(2)の工程において結着樹脂微粒子を分散する手法としては、乳化重合により得られる乳化重合粒子分散液を用いることが好ましい。また、結着樹脂微粒子は、組成の異なる結着樹脂よりなる2層以上の多層構造を有するものであってもよい。このような構成の結着樹脂微粒子は、例えば2層構造を有するものは、常法に従った乳化重合処理(第1段重合)によって樹脂粒子の分散液を調整し、この分散液に重合開始剤と重合性単量体とを添加し、この系を重合処理(第2段重合)する手法によって得ることができる。
また、乳化凝集法においては、コア−シェル構造を有するトナー粒子を得ることもでき、具体的にコア−シェル構造を有するトナー粒子は、先ず、コア粒子用の結着樹脂微粒子と着色剤微粒子とを凝集、融着させてコア粒子を作製し、次いで、コア粒子の分散液中にシェル層用の結着樹脂微粒子を添加してコア粒子表面にシェル層用の結着樹脂微粒子を凝集、融着させてコア粒子表面を被覆するシェル層を形成することにより得ることができる。
特に、本発明のグリーントナーは、水系媒体中に着色剤微粒子が分散されてなる分散液と、水系媒体中に結着樹脂微粒子が分散されてなる分散液とを混合して、着色剤微粒子および結着樹脂微粒子を凝集、融着させる工程を経ることにより得られるものであること、すなわち乳化凝集法などの製造方法により得られるものであることが好ましい。
前記(1)の分散液を調製する工程における着色剤微粒子の粒子径としては、体積基準のメディアン径で10〜300nmであることが好ましい。また、前記(3)のトナー粒子を形成する工程においては、結着樹脂微粒子のガラス転移温度より30℃以上高い温度で90分以上加熱されることが好ましい。これにより、C.I.ソルベントグリーン5の結着樹脂微粒子中への溶解を促進させることができる。
(着色剤微粒子分散液中の分散粒径の測定)
着色剤微粒子の水系媒体中における分散粒径は個数平均粒径、すなわち個数分布におけるメディアン径(D50)であり、このメディアン径は「MICROTRAC UPA150」(HONEYWELL社製)を用いて測定した値である。
(測定条件)
(1)サンプル屈折率:1.59
(2)サンプル比重:1.05(球状粒子換算)
(3)溶媒屈折率 :1.33
(4)溶媒粘度 :30℃にて0.797
20℃にて1.002
測定セルにイオン交換水を入れ、ゼロ点調節を行った。
また、グリーントナーの製造方法として、粉砕法を用いる場合の一例を以下に示す。
(1)結着樹脂、着色剤および必要に応じて内添剤をヘンシェルミキサーなどにより混合する工程
(2)得られた混合物を押出混練機などにより加熱しながら混練する工程
(3)得られた混練物をハンマーミルなどにより粗粉砕処理した後、更にターボミル粉砕機などにより粉砕処理を行なう工程
(4)得られた粉砕物を、例えばコアンダ効果を利用した気流分級機を用いて微粉分級処理しトナー粒子を形成する工程
(5)トナー粒子に外添剤を添加する工程
本発明においては(2)の結着樹脂と着色剤との混練工程において混練温度を結着樹脂の軟化点より15℃高い温度で混練することが好ましい。これにより、結着樹脂にC.I.ソルベントグリーン5を溶解を促進させることができる。
(トナー粒子の粒子径)
本発明のトナー粒子の粒子径は、例えば体積基準のメディアン径で4〜10μmであることが好ましく、さらに好ましくは5〜9μmとされる。
体積基準のメディアン径が上記の範囲にあることにより、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドットなどの画質が向上する。
トナー粒子の体積基準のメディアン径は、コールターカウンターマルチサイザー3(ベックマン・コールター社製)に、データ処理用ソフト「Software V3.51」を搭載したコンピューターシステム(ベックマン・コールター社製)を接続した装置を用いて測定、算出する。
測定手順としては、トナー0.02gを、界面活性剤溶液20ml(トナーの分散を目的として、例えば界面活性剤成分を含む中性洗剤を純水で10倍希釈した界面活性剤溶液)で馴染ませた後、超音波分散を1分間行い、トナー分散液を作製する。このトナー分散液を、サンプルスタンド内のISOTONII(ベックマン・コールター社製)の入ったビーカーに、測定器表示濃度が5%〜10%になるまでピペットにて注入する。この濃度範囲にすることにより、再現性のある測定値が得られる。測定機において、測定粒子カウント数を25000個、アパチャー径を100μmにし、測定範囲である2.0〜60μmの範囲を256分割しての頻度値を算出し、体積積算分率が大きい方から50%の粒子径を体積基準のメディアン径(体積D50%径)とする。
(トナーの軟化点)
本発明のトナーの軟化点(Tsp)は70℃以上130℃以下となるものが好ましく、70℃以上120℃以下となるものがより好ましい。本発明のトナーを構成する着色剤は、熱の影響を受けてもスペクトルが変化することのない安定した性質を有するものであるが、軟化点(Tsp)が上記範囲であることにより定着時にトナーに加わる熱の影響をより低減させることができる。従って、着色剤に負担をかけずに画像形成が行えるので、より広く安定した色再現性を発現させることが期待される。
また、トナーの軟化点(Tsp)が上記範囲であることにより、従来技術よりも低い温度でトナー画像の定着を行うことができ、電力消費の低減を実現した環境に優しい画像形成を実現することができる。
なお、トナーの軟化点(Tsp)は、たとえば、以下の方法を単独で、または、組み合わせることにより制御することができる。すなわち、
(1)結着樹脂を形成すべき単量体の種類や組成比を調節する。
(2)連鎖移動剤の種類や添加量により結着樹脂の分子量を調節する。
(3)離型剤等の種類や添加量を調節する。
(軟化点測定)
トナーの軟化点(Tsp)の測定方法は、例えば「フローテスターCFT−500(島津製作所社製)」を用い、高さ10mmの円柱形状に成形し、昇温速度6℃/分で加熱しながらプランジャーより1.96×106Paの圧力を加え、直径1mm、長さ1mmのノズルから押し出すようにし、これにより当該フローテスターのプランジャー降下量−温度間の曲線(軟化流動曲線)を描き、最初に流出する温度を溶融開始温度、降下量5mmに対する温度を軟化点とする。
(トナーのガラス転移温度)
本発明のトナーは、そのガラス転移温度(Tg)が20〜90℃であることが好ましく、より好ましくは30〜65℃である。
(ガラス転移温度の測定)
本発明のトナーのガラス転移温度は、DSC−7示差走査カロリーメーター(パーキンエルマー製)、TAC7/DX熱分析装置コントローラー(パーキンエルマー製)を用いて行うことができる。
測定手順としては、トナー4.5mg〜5.0mgを小数点以下2桁まで精秤しアルミニウム製パン(KITNO.0219−0041)に封入し、DSC−7サンプルホルダーにセットする。リファレンスは空のアルミニウム製パンを使用した。測定条件としては、測定温度0℃〜200℃、昇温速度10℃/分、降温速度10℃/分で、Heat−cool−Heatの温度制御で行い、その2nd Heatにおけるデータをもとに解析を行った。
ガラス転移温度は、第1の吸熱ピークの立ち上がり前のベースラインの延長線と、第1のピークの立ち上がり部分からピーク頂点までの間で最大傾斜を示す接線を引き、その交点をガラス転移温度(ガラス転移点)として示す。
(現像剤)
本発明のグリーントナーは、非磁性の一成分現像剤として使用することもできるが、キャリアと混合して二成分現像剤として使用してもよい。
二成分現像剤として使用する場合において、キャリアとしては、鉄などの強磁性金属、強磁性金属とアルミニウムおよび鉛などの合金、フェライトおよびマグネタイトなどの強磁性金属の化合物などの従来公知の材料からなる磁性粒子を用いることができ、特にフェライト粒子が好ましい。また、キャリアとしては、磁性粒子の表面を樹脂などの被覆剤で被覆したコートキャリアや、バインダー樹脂中に磁性体微粉末を分散したバインダー型キャリアなどを用いることもできる。コートキャリアを構成する被覆樹脂としては、特に限定はないが、例えばオレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン−アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル樹脂、フッ素樹脂などが挙げられる。また、樹脂分散型キャリアを構成する樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えばスチレン−アクリル系樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素樹脂、フェノール樹脂などを使用することができる。
キャリアの体積基準のメディアン径は、20〜100μmであることが好ましく、さらに好ましくは20〜60μmである。
キャリアの体積基準のメディアン径は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパテック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
(転写材)
本発明のグリーントナーを用いる画像形成に用いられる転写材としては、薄紙から厚紙までの普通紙、上質紙、アート紙あるいはコート紙などの塗工された印刷用紙、市販されている和紙やはがき用紙、OHP用のプラスチックフィルム、布などの各種を挙げることができるが、これらに限定されるものではない。
(画像形成方法)
本発明のグリーントナーは、イエロートナー、マゼンタトナー、シアントナー、ブラックトナーおよびオレンジトナーと共に6色以上用いたフルカラー画像形成方法に用いられることが好ましい。
図1は、本発明のトナーを用いたフルカラー画像形成方法が実行されるフルカラー画像形成装置の構成の一例を示す説明用断面図である。
このフルカラー画像形成装置は、複数の支持ローラ17a〜17d群によって張架された状態で配設された、無端ベルト状の中間転写体(以下、「中間転写ベルト」という。)17を備えており、この中間転写ベルト17の外周面に沿って、各々、イエロートナー像、オレンジトナー像、マゼンタトナー像、シアントナー像、グリーントナー像およびブラックトナー像を形成する6つのトナー像形成ユニット30Y、30Or、30M、30C、30G、30Kが、中間転写ベルト17が各々のトナー像形成ユニットにおける、静電潜像担持体である感光体ドラム10Y、10Or、10M、10C、10G、10Kの各々に対接されながら循環移動されるよう、離間して並ぶよう設けられている。
イエロートナー像に係るトナー像形成ユニット30Yは、回転される感光体ドラム10Yと、この感光体ドラム10Yの外周面に沿って、各々、感光体ドラム10Yの回転方向に対して動作順に並ぶよう配設された、帯電手段11Y、露光手段12Y、現像手段13Y、一次転写手段14Y、およびクリーニング手段20Yにより構成されている。
一次転写手段14Yは、中間転写ベルト17を介して感光体ドラム10Yに押圧されて一次転写領域(一次転写ニップ部)が形成されるよう設けられた一次転写ローラ141Yと、この一次転写ローラ141Yに接続された転写電流供給手段(図示せず)とにより構成されており、転写電流供給手段によって一次転写ローラ141Yに所定の大きさの転写電流が供給されることにより転写電界が形成され、この転写電界の作用によって感光体ドラム10Y上に形成されたイエロートナー像が、中間転写ベルト17上に一次転写される。
他のトナー像形成ユニット30Or、30M、30C、30G、30Kの各々についても、現像剤がイエロートナーの代わりにそれぞれオレンジトナー、マゼンタトナー、シアントナー、グリーントナー、ブラックトナーを含むものである他は、イエロートナー像に係るトナー像形成ユニット30Yと同様の構成とされており、図1においては、便宜上、イエロートナー像に係るトナー像形成ユニット30Yと同一の構成部材については、「Y」を、それぞれ、「Or」、「M」、「C」、「G」、「K」に代えた同一の符号が付してある。
中間転写ベルト17の移動方向(図1において矢印で示す。)におけるトナー像形成ユニット配置領域より下流側の位置には、二次転写手段14Sが設けられている。
二次転写手段14Sは、中間転写ベルト17を支持する支持ローラのひとつであるバックアップローラ17dに中間転写ベルト17を介して押圧されて二次転写領域(二次転写ニップ部)が形成されるよう設けられた二次転写ローラ141Sと、この二次転写ローラ141Sに接続された、転写電圧印加手段(図示せず)とにより構成されており、この転写電圧印加手段によって、一次転写トナー像の電位と逆極性の二次転写バイアス電圧が二次転写ローラ141Sに印加されることにより転写電界が形成され、この転写電界の作用によって中間転写ベルト17上に形成された一次転写トナー像が転写材P上に転写される。
図1において、18は、二次転写領域より搬送される転写材P上におけるトナー像を定着させる定着装置であり、例えば、内部に加熱源を具えた加熱ローラ181と、この加熱ローラ181と定着ニップ部が形成されるよう圧接された状態で設けられた加圧ローラ182とにより構成されている。
また、20Sは、中間転写ベルト17上における未転写トナーを除去するクリーニングブレードを具えた中間転写体クリーニング手段であり、中間転写ベルト17の移動方向における二次転写領域より下流側の位置に設けられている。
このようなフルカラー画像形成装置においては、まず、各トナー像形成ユニット30Y、30Or、30M、30C、30G、30Kの感光体ドラム10Y、10Or、10M、10C、10G、10K上に形成された各色のトナー像が、中間転写ベルト17上に順次転写して重ね合わせられ、中間転写ベルト17上に一次転写されたトナー像が、二次転写手段14Sにより転写材P上に二次転写されて、定着装置18において加熱・加圧することにより転写材P上にトナー像が形成される。
以下に実施例を挙げて本発明を具体的に説明するが、本発明はこれらに限定されるものではない。
〔着色剤微粒子分散液〔1〕の調製例〕
n−ドデシル硫酸ナトリウム43.75質量部をイオン交換水1000質量部に投入し、溶解・撹拌して界面活性剤水溶液を調製した。この界面活性剤水溶液中に、「化合物X−1」125質量部を徐々に添加し、「SCミル」(日本コークス社製)により分散処理を1時間行って、着色剤微粒子分散液〔1〕を調製した。
〔着色剤微粒子分散液〔2〕〜〔6〕の調製例〕
着色剤微粒子分散液〔1〕の調製例の「化合物X−1」をそれぞれ「化合物X−2」〜「化合物X−6」に変更したことの他は同様にして着色剤微粒子分散液〔2〕〜〔6〕を得た。
〔着色剤微粒子分散液〔7〕の調製例〕
着色剤微粒子分散液〔1〕の調製例の「化合物X−1」を「C.I.ソルベントグリーン5」(住化ケムテックス社製 Sumiplast Yellow FL7G)に代えた他は同様にして、着色剤微粒子分散液〔7〕を調製した。
〔着色剤微粒子分散液〔8〕の調製例〕
着色剤微粒子分散液〔1〕の調製例の「化合物X−1」をC.I.ピグメントブルー15:3(DIC社製 銅フタロシアニン)に代えた他は同様にして、着色剤微粒子分散液〔8〕を調製した。
〔着色剤微粒子分散液〔9〕の調製例〕
着色剤微粒子分散液〔1〕の調製例の「化合物X−1」をC.I.ピグメントブルー16(無金属フタロシアニン)に代えた他は同様にして着色剤微粒子分散液〔9〕を調製した。
〔着色剤微粒子分散液〔10〕の調製例〕
着色剤微粒子分散液〔1〕の調製例の「化合物X−1」をC.I.ソルベントグリーン7に代えた他は同様にして、着色剤微粒子分散液〔10〕を調製した。
〔着色剤微粒子分散液〔11〕の調製例〕
着色剤微粒子分散液〔1〕の調製例の「化合物X−1」をC.I.ピグメントイエロー74に代えた他は同様にして、着色剤微粒子分散液〔11〕を調製した。
〔着色剤微粒子分散液〔12〕の調製例〕
着色剤微粒子分散液〔1〕の調製例の「化合物X−1」をC.I.ピグメントイエロー185(BASF社製 Paliotol Yellow L1155)に代えた他は同様にして着色剤微粒子分散液〔12〕を調製した。
上述の着色剤微粒子分散液の構成を表1に示した。
〔グリーントナーの作製例1〕
(1)樹脂粒子の作製例
(a)第1段重合
撹拌装置、温度センサ、冷却管、窒素導入装置を取り付けた反応容器内にポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム4質量部をイオン交換水3040質量部と共に投入し、界面活性剤水溶液を調製した。
この界面活性剤水溶液中に、重合開始剤として過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水400質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、この系を75℃に昇温させた後、下記化合物よりなる重合性単量体混合液を1時間かけて反応容器中に滴下した。
スチレン 532質量部
n−ブチルアクリレート 200質量部
メタクリル酸 68質量部
n−オクチルメルカプタン 16.4質量部
この重合性単量体混合液を滴下後、この系を75℃にて2時間にわたり加熱、撹拌することにより第1段重合を行い、樹脂粒子〔A1〕を作製した。
(b)第2段重合
撹拌装置を取り付けたフラスコ内に下記化合物よりなる重合性単量体混合液を投入し、離型剤としてパラフィンワックス「HNP−57」(日本精蝋社製)93.8質量部を添加し、90℃に加温して溶解させた。
スチレン 101.1質量部
n−ブチルアクリレート 62.2質量部
メタクリル酸 12.3質量部
n−オクチルメルカプタン 1.75質量部
ポリオキシエチレン−2−ドデシルエーテル硫酸ナトリウム3質量部をイオン交換水1560質量部に溶解させた界面活性剤水溶液を調製し、98℃に加熱した。この界面活性剤水溶液に樹脂粒子〔A1〕32.8質量部(固形分換算)を添加し、さらに、パラフィンワックスを含有する重合性単量体混合液を添加した後、機械式分散機「クレアミックス」(エムテクニック社製)を用いて8時間混合分散し、分散粒子径が340nmの乳化粒子を有する乳化粒子分散液を調製した。
次いで、乳化粒子分散液に過硫酸カリウム6質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、この系を98℃にて12時間にわたり加熱、撹拌することにより第2段重合を行い、樹脂粒子〔A2〕を作製した。
(c)第3段重合
樹脂粒子〔A2〕に、過硫酸カリウム5.45質量部をイオン交換水220質量部に溶解させた重合開始剤溶液を添加し、この系を80℃の温度条件下において、下記化合物よりなる重合性単量体混合液を1時間かけて滴下した。
スチレン 293.8質量部
n−ブチルアクリレート 154.1質量部
n−オクチルメルカプタン 7.08質量部
この重合性単量体混合液を滴下後、2時間にわたり加熱、撹拌することにより第3段重合を行い、28℃に冷却して樹脂粒子〔1〕を作製した。
(d)シェル用樹脂粒子〔1〕の作製工程
(a)第1段重合で使用された重合性単量体混合液を以下のものに変更した以外は同様にして、重合反応及び反応後の処理を行ってシェル用樹脂粒子〔1〕を作製した。
スチレン 624質量部
2−エチルヘキシルアクリレート 120質量部
メタクリル酸 56質量部
n−オクチルメルカプタン 16.4質量部
(2)グリーントナー粒子の作製例
樹脂粒子〔1〕 420質量部
イオン交換水 900質量部
着色剤微粒子分散液〔1〕 14質量部
着色剤微粒子分散液〔7〕 6質量部
を反応容器に投入し撹拌した。反応容器内の温度を30℃に調整後、5mol/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加してpHを8〜11に調整した。
次いで、塩化マグネシウム6水和物50質量部をイオン交換水50質量部に溶解させた水溶液を撹拌の下で30℃にて10分間かけて添加した。3分間放置後、昇温を開始し、この系を60分間かけて80℃まで昇温させて会合を行った。
この状態で「マルチサイザー3」(コールター社製)を用いて会合粒子の粒子径測定を行い、会合粒子の体積基準のメディアン径が6.0μmになった時に、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解させた水溶液を添加して会合を停止させた。
会合停止後、さらに、熟成処理として液温を70℃にして1時間にわたり加熱撹拌を行うことにより融着を継続させてコア部〔1〕を作製した。
コア部〔1〕の平均円形度を「FPIA2100」(シスメック社製)で測定したところ、0.912だった。
(b)シェルの形成
次に、上記液を65℃にしてシェル用樹脂粒子〔1〕80質量部を添加し、さらに、塩化マグネシウム・6水和物50質量部をイオン交換水50質量部に溶解した水溶液を10分間かけて添加した後、70℃まで昇温させて1時間にわたり撹拌を行った。この様にして、コア部〔1〕の表面にシェル用樹脂粒子〔1〕を融着させた後、75℃で20分間熟成処理を行ってシェルを形成させた。
この後、塩化ナトリウム40.2質量部をイオン交換水1000質量部に溶解した水溶液を添加してシェル形成を停止した。さらに、8℃/分の速度で30℃に冷却して生成した粒子をろ過し、45℃のイオン交換水で繰り返し洗浄した後、40℃の温風で乾燥することにより、コア部表面にシェルを有するグリーントナー粒子〔1〕を作製した。
(3)外添剤の添加例
グリーントナー粒子〔1〕100質量部に下記外添剤を添加して、「ヘンシェルミキサー」(三井鉱山(株)製)を用いて外添処理を行い、グリーントナー〔1〕を作製した。
ヘキサメチルシラザン処理したシリカ(平均一次粒子径12nm) 0.6質量部
n−オクチルシラン処理した二酸化チタン(平均一次粒子径24nm)0.8質量部
作製したグリーントナー〔1〕の体積基準におけるメディアン径は6.5μm、軟化点は、107℃であった。なお、ヘンシェルミキサーによる外添処理は、撹拌羽根の周速35m/秒、処理温度35℃、処理時間15分間の条件の下で行った。
〔グリーントナー〔2〕〜〔6〕の作製例〕
グリーントナーの作製例1の(2)グリーントナー粒子の作製例において、着色剤微粒子分散液〔2〕に変更したことの他は同様にしてグリーントナー〔2〕を作製した。グリーントナー〔3〕〜〔6〕も同様にして作製した。
〔グリーントナー〔7〕の作製例〕
グリーントナーの作製例1の(2)グリーントナー粒子の作製例において、着色剤微粒子分散液を
着色剤微粒子分散液〔1〕 18.4質量部
着色剤微粒子分散液〔7〕 1.6質量部
に変更したことの他は同様にしてグリーントナー〔7〕を作製した。
〔グリーントナー〔8〕の作製例〕
グリーントナーの作製例1の(2)グリーントナー粒子の作製例において、
着色剤微粒子分散液〔1〕 11.0質量部
着色剤微粒子分散液〔7〕 9.0質量部
に変更したことの他は同様にしてグリーントナー〔8〕を作製した。
〔グリーントナー〔9〕の作製例〕
グリーントナーの作製例1の(2)グリーントナー粒子の作製例において、
着色剤微粒子分散液〔1〕 18.0質量部
着色剤微粒子分散液〔7〕 2.0質量部
に変更したことの他は同様にしてグリーントナー〔9〕を作製した。
〔グリーントナー〔10〕の作製例〕
グリーントナーの作製例1の(2)グリーントナー粒子の作製例において、
着色剤微粒子分散液〔1〕 12.0質量部
着色剤微粒子分散液〔7〕 8.0質量部
に変更したことの他は同様にしてグリーントナー〔10〕を作製した。
〔グリーントナー〔11〕の作製例〕
「グリーントナー〔11〕」は下記粉砕法にて作製した。
〔「グリーントナー〔11〕」の作製例:粉砕法によるトナー作製例〕
(1)混合工程
下記材料を「ヘンシェルミキサー」(三井鉱山(株)製)により、撹拌羽根の周速を25m/秒に設定して5分間かけて混合して混合物を得た。
ポリエステル樹脂(ビスフェノールA−エチレンオキサイド付加物、テレフタル酸、トリメリット酸の縮合物:重量平均分子量20,000) 100質量部
着色剤1(化合物X−1) 7質量部
着色剤2(C.I.ソルベントグリーン5) 3質量部
離型剤(ペンタエリスリトールテトラステアレート) 6質量部
荷電制御剤(「LR−147」(日本カーリット社製)) 1質量部
(2)混練工程
得られた混合物を二軸押出混練機により110℃に加熱しながら混練し、混練物を得、その後この混練物を冷却した。
(3)粉砕工程
得られた混練物を「ハンマーミル」(ホソカワミクロン社製)により粗粉砕した後、「ターボミルT−400型」(ターボ工業社製)により微粉砕した。
このトナーにおける着色剤の分散粒径は数平均粒径で200nmであった。
(4)分級工程
得られた微粉末を風力分級機により微粉分級を行なうことにより、体積基準のメディアン径が6.5μmのグリーントナー粒子を得た。
(5)外添剤添加工程
グリーントナー粒子100質量部に、下記外添剤を添加して、「ヘンシェルミキサー」(三井鉱山(株)製)により外添処理を行い、「グリーントナー」を作製した。
ヘキサメチルシラザン処理したシリカ(平均一次粒子径12nm)
0.6質量部
n−オクチルシラン処理した二酸化チタン(平均一次粒子径24nm)
0.8質量部
なお、ヘンシェルミキサーによる外添処理は、撹拌羽根の周速35m/秒、処理温度35℃、処理時間15分間の条件の下で行った。
〔グリーントナー〔12〕の作製例〕
グリーントナーの作製例1の(2)グリーントナー粒子の作製例において、着色剤微粒子分散液を
着色剤微粒子分散液〔1〕 19.8質量部
着色剤微粒子分散液〔7〕 0.2質量部
に変更したことの他は同様にしてグリーントナー〔12〕を作製した。
〔グリーントナー〔13〕の作製例〕
グリーントナーの作製例1の(2)グリーントナー粒子の作製例において、着色剤微粒子分散液を
着色剤微粒子分散液〔1〕 9質量部
着色剤微粒子分散液〔7〕 11質量部
に変更したことの他は同様にしてグリーントナー〔13〕を作製した。
〔グリーントナー〔14〕の作製例〕
グリーントナーの作製例1の(2)グリーントナー粒子の作製例において、着色剤微粒子分散液を
着色剤微粒子分散液〔8〕 14質量部
着色剤微粒子分散液〔7〕 6質量部
に変更したことの他は同様にしてグリーントナー〔14〕を作製した。
〔グリーントナー〔15〕の作製例〕
グリーントナーの作製例1の(2)グリーントナー粒子の作製例において、着色剤微粒子分散液を
着色剤微粒子分散液〔1〕 14質量部
着色剤微粒子分散液〔11〕 6質量部
に変更したことの他は同様にしてグリーントナー〔15〕を作製した。
〔グリーントナー〔16〕の作製例〕
グリーントナーの作製例1の(2)グリーントナー粒子の作製例において、着色剤微粒子分散液を
着色剤微粒子分散液〔9〕 10質量部
着色剤微粒子分散液〔12〕 10質量部
に変更したことの他は同様にしてグリーントナー〔16〕を作製した。この試料は特許文献1(特開2004−70089号公報)に開示されるグリーントナーの着色剤に相当する。
〔グリーントナー〔17〕の作製例〕
グリーントナーの作製例1の(2)グリーントナー粒子の作製例において、着色剤微粒子分散液を
着色剤微粒子分散液〔10〕 20質量部
に変更したことの他は同様にしてグリーントナー〔17〕を作製した。
〔イエロトナー〔18〕の作製例〕
グリーントナーの作製例1の(2)グリーントナー粒子の作製例において、着色剤微粒子分散液〔1〕を用いず、着色剤微粒子分散液を
着色剤微粒子分散液〔7〕 20質量部
に変更したことの他は同様にしてイエロートナー〔18〕を作製した。
〔シアントナー〔19〕の作製例〕
グリーントナーの作製例1の(2)グリーントナー粒子の作製例において、着色剤微粒子分散液〔7〕を用いず、着色剤微粒子分散液を
着色剤微粒子分散液〔1〕 20質量部
に変更したことの他は同様にしてシアントナー〔19〕を作製した。
〔現像剤の作成〕
上述のようにして作成したグリーントナー、イエロートナー、シアントナーの各々と、メチルメタクリレートおよびシクロヘキシルメタクリレートの共重合樹脂を被覆した体積平均粒子径50μmのフェライトキャリアを、各々のトナーの濃度が6質量%になるようV型混合機によって混合することにより、グリーン現像剤、イエロー現像剤、シアン現像剤を作製した。
上述のトナーに使用した着色剤の構成を表2に示した。
<評価>
フルカラー複合機「bizhub PRO C6500」(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)に現像機ユニットを装着し、表3に記載した各トナーの現像剤を搭載して、グリーン画像を作製した。グリーン現像剤はマゼンタ現像器の位置に搭載した。比較例7については、グリーン現像剤を用いず、イエロー現像剤はイエロー現像器に、シアン現像剤はシアン現像器に搭載した。下記評価を行った。結果を表3に示す。彩度は85以上、明度は60以上を合格ラインとした。
〔グリーン色評価〕
グリーントナーのみにより「PODグロスコート紙(128g/m2 )」(王子製紙社製)上にトナー付着量4g/m2 のグリーンベタ画像を形成し、各々、L* 、a* 、b* を測定した。
下記式(1)で示す彩度C* および明度L* の値を表3に示す。
式(1):彩度(C* )=〔(a* 2 +(b* 2 1/2
なお、L* 、a* 、b* は、分光光度計「Gretag Macbeth Spectrolino」(Gretag Macbeth社製)を用い、光源としてD65光源、反射測定アパチャーとしてφ4mmのものを用い、測定波長域380〜730nmを10nm間隔で、視野角を2°とし、基準合わせには専用白タイルを用いた条件において測定されるものである。
〔定着性評価〕
上記現像剤及びbizhub PRO C6500(コニカミノルタビジネステクノロジーズ社製)改造機を用い、4g/m2 トナー付着量で現像し、その後転写した紙を定着用ヒートローラーの温度を20℃刻みで100〜200℃に変化させ定着を行った。
定着画像のパッチ部についてマクベス反射濃度計「RD−918」により画像濃度を測定した。
この測定部を、平織りの晒し木綿を用いて、22g/cm2 の荷重にて14回擦る。擦り後に測定部の画像濃度を測定し、擦り前後の濃度比を定着率とした。
定着率(%)={(擦った後の画像濃度)/(擦る前の画像濃度)}×100
定着率は80%以上であれば実用上問題ないといえる。
○:90〜100%
△:80〜90%
×:80%未満
以上の結果から明らかなように本発明のグリーントナー(〔1〕〜〔11〕)は、彩度、明度が高く、低温定着性も良好である。
10Y、10Or、10M、10C、10G、10K 感光体ドラム
11Y、11Or、11M、11C、11G、11K 帯電手段
12Y、12Or、12M、12C、12G、12K 露光手段
13Y、13Or、13M、13C、13G、13K 現像手段
14Y、14Or、14M、14C、14G、14K 一次転写手段
141Y、141Or、141M、141C、141G、141K 一次転写ローラ
14S 二次転写手段
141S 二次転写ローラ
17 中間転写体
17a、17b、17c 支持ローラ
17d バックアップローラ
18 定着装置
181 加熱ローラ
182 加圧ローラ
20Y、20Or、20M、20C、20G、20K クリーニング手段
20S 中間転写体クリーニング手段
30Y、30Or、30M、30C、30G、30K トナー像形成ユニット
P 転写材

Claims (9)

  1. 少なくとも結着樹脂と着色剤とを含有する静電荷像現像用グリーントナーにおいて、該着色剤がC.I.ソルベントグリーン5と下記一般式(1)で表される着色剤化合物Xを含み、着色剤総量中のC.I.ソルベントグリーン5の含有率が5質量%以上50質量%以下であることを特徴とする静電荷像現像用グリーントナー。

    (上記一般式(1)中、M1 は第14族の金属原子を表す。2つのQは各々独立に1価の基を表し、mおよびnはそれぞれ0または1を表し、少なくとも一方は1である。また、4つのAは各々独立して置換基を有してもよい芳香環を形成する原子団を表す。)
  2. 前記着色剤化合物XのM1 がSi、Ge、Snの何れかの原子であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用グリーントナー。
  3. 前記一般式(1)で表される着色剤化合物XのM1 がSiであることを特徴とする請求項1または請求項2に記載の静電荷像現像用グリーントナー。
  4. 前記一般式(1)で表される着色剤化合物Xの2つのQが、各々独立にアルキル基、アリール基、アリールオキシ基、アルコキシ基、アシルオキシ基または下記一般式(2)で表される化合物基であることを特徴とする請求項1から請求項3の何れか1項に記載の静電荷像現像用グリーントナー。

    (上記一般式(2)中、R1 、R2 、R3 は、各々独立に、アルキル基、アリール基、アリールオキシ基またはアルコキシ基を示す。)
  5. 前記C.I.ソルベントグリーン5の含有量が着色剤総量中の10質量%以上40質量%以下であることを特徴とする請求項1から請求項4の何れか1項に記載の静電荷像現像用グリーントナー。
  6. 前記一般式(1)で表される着色剤化合物Xの2つのQが、各々独立に、アルコキシ基または前記一般式(2)で表される基であることを特徴とする請求項1〜請求項5のいずれか1項に記載の静電荷像現像用グリーントナー。
  7. 前記一般式(1)で表される着色剤化合物Xの2つのQが、各々独立に、−O(CH2 3 CH3 、−O−t−(C4 9 )、−O−t−(C8 17)、−OSi(CH3 3 、−OSi(CH2 CH3 3 、または、−OSi(CH2 CH2 CH3 3 であることを特徴とする請求項6に記載の静電荷像現像用グリーントナー。
  8. 前記一般式(1)で表される着色剤化合物Xの4つのAが、各々独立に、下記式(A−1)〜下記式(A−7)で表される基であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の静電荷像現像用グリーントナー。
  9. 前記一般式(1)で表される着色剤化合物Xの4つのAが、下記式(a−1)〜下記式(a−7)で表される基であることを特徴とする請求項1〜請求項7のいずれか1項に記載の静電荷像現像用グリーントナー。

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