JP6759821B2 - トナー - Google Patents
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Description
着色剤は、下記の一般式(1)で表される軸配位子を有するポリテトアザポルフィン構造のフタロシアニン化合物を含む。
3〜12%の範囲内であることが好ましく、5〜8%の範囲内であることがより好ましい。
結着樹脂は、結晶性ポリエステル樹脂(結晶性樹脂)および非晶性ビニル樹脂(非晶性樹脂)を含む。結晶性樹脂は、結晶性樹脂またはトナー母体粒子の示差走査熱量測定(DSC)において、階段状の吸熱変化ではなく、明確な吸熱ピークを有する樹脂をいう。明確な吸熱ピークとは、具体的には、DSCにおいて、昇温速度10℃/分で測定した際に、吸熱ピークの半値幅が15℃以内であるピークを意味する。
測定装置:PY−2020iD(フロンティア・ラボ社)
測定の質量:0.1mg
加熱温度:550℃
加熱時間:0.5分
測定装置:QP2010(株式会社島津製作所)
カラム:UltraALLOY−5(内径:0.25mm、長さ:30m、厚さ:0.25μm、フロンティア・ラボ社)
昇温範囲:40〜320℃(320℃で保持)
昇温速度:20℃/分
離型剤は、公知のワックスなどを使用できる。ワックスの例には、ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなどのポリオレフィンワックス、マイクロクリスタリンワックスなどの分枝鎖状炭化水素ワックス、パラフィンワックス、サゾールワックスなどの長鎖炭化水素系ワックス、ジステアリルケトンなどのジアルキルケトン系ワックス、カルナウバワックス、モンタンワックス、ベヘン酸ベヘネート、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート、トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなどのエステル系ワックス、エチレンジアミンベヘニルアミド、トリメリット酸トリステアリルアミドなどのアミド系ワックスなどが含まれる。また、これらの離型剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
トナー母体粒子をそのままトナーに用いてもよいが、流動性、帯電性、クリーニング性など向上させる観点から、トナー母体粒子に外添剤を含有させてトナー粒子として、トナーに用いてもよい。外添剤としては、無機粒子、有機粒子などの微粒子、滑材などを使用でき、これらの外添剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
(ガラス転移点)
トナーは、ガラス転移点(Tg)が50〜70℃の範囲内にあることが好ましく、55〜65℃の範囲内であることがより好ましい。ガラス転移点が上記範囲内にあれば、十分な低温定着性および耐熱保管性を両立させることができる。また、トナーの耐熱性(熱的強度)を維持することができ、十分な耐熱保管性および耐ホットオフセット性を得ることができる。トナーのガラス転移点(Tg)は、非晶性ビニル樹脂のガラス転移点(Tg)と同様に測定できる。
トナーは、融点(Tm)が60〜90℃の範囲内にあることが好ましく、65〜80℃の範囲内であることがより好ましい。融点が上記範囲内にあれば、十分な低温定着性および耐熱保管性を両立させることができる。また、トナーの良好な耐熱性(熱的強度)も維持することができ、十分な耐熱保管性を得ることができる。トナーの融点(Tm)は、結晶性ポリエステル樹脂の融点と同様に測定できる。
トナー母体粒子の体積基準のメジアン径は、3〜8μmの範囲内にあることが好ましく、5〜8μmの範囲内であることがより好ましい。体積基準のメジアン径が上記範囲内にあれば、1200dpiレベルの高解像度のドットを正確に再現することができる。なお、体積基準のメジアン径は、製造時において使用する凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、融着時間、結着樹脂の組成などによって制御できる。
トナー母体粒子の平均円形度は、0.930〜1.000の範囲内であることが好ましく、0.950〜0.995の範囲内であることがより好ましい。平均円形度が上記範囲内にあれば、トナー母体粒子の破砕を抑えることができ、摩擦帯電付与部材の汚染を抑制してトナーの帯電性を安定させることができる。また、トナーにより形成される画像が高画質となる。
式(y)
円形度=(粒子像と同じ投影面積をもつ円の周囲長)/(粒子投影像の周囲長)
トナーは、例えば乳化凝集法により製造できる。乳化凝集法は、結着樹脂を水系媒体中に分散させて得られた結着樹脂粒子分散液と着色剤を水系媒体中に分散させて得られた着色剤粒子分散液とを混合することにより、水系媒体中において結着樹脂粒子と着色剤粒子を凝集及び融着させて、トナー粒子を形成する方法である。
結晶性樹脂および非晶性樹脂をそれぞれ水系媒体中に分散させて、結晶性樹脂粒子分散液および非晶性樹脂粒子分散液をそれぞれ調製する。水系媒体とは、水の含有量が50質量%以上の媒体をいう。水以外の成分の例には、メタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノール、アセトン、メチルエチルケトン、テトラヒドロフランなどの水に溶解する有機溶媒が含まれる。水以外の成分は、樹脂を溶解しない有機溶媒であるメタノール、エタノール、イソプロパノール、ブタノールなどのようなアルコール系有機溶媒が好ましい。
重合反応に使用できる重合開始剤としては、公知の物質を使用できる。重合開始剤の例には、過硫酸アンモニウム、過硫酸ナトリウム、過硫酸カリウム等の過硫酸塩、2,2′−アゾビス(2−アミノジプロパン)塩酸塩、2,2’−アゾビス−(2−アミノジプロパン)硝酸塩、4,4’−アゾビス−4−シアノ吉草酸、ポリ(テトラエチレングリコール−2,2’−アゾビスイソブチレート)などのアゾ化合物、過酸化水素などの過酸化物などが含まれる。重合開始剤の添加量は、目的の分子量や分子量分布によって異なるが、具体的には重合性単量体の添加量に対して、0.1〜5.0質量%の範囲内とすることが好ましい。
重合反応時には、樹脂粒子の分子量を制御する観点から、連鎖移動剤を添加する。連鎖移動剤の例には、クチルメルカプタンなどのメルカプタン、n−オクチル−3−メルカプトプロピオネートなどのメルカプトプロピオン酸などが含まれる。連鎖移動剤の添加量は、目的の分子量や分子量分布によって異なるが、重合性単量体の添加量に対して、0.1〜5.0質量%の範囲内とすることが好ましい。
重合反応時には、分散液中の樹脂粒子の凝集等を防ぎ、良好な分散状態を維持する観点から、界面活性剤を添加する。界面活性剤の例には、ドデシルアンモニウムブロマイド、ドデシルトリメチルアンモニウムブロマイドなどのカチオン性界面活性剤、ステアリン酸ナトリウム、ラウリル硫酸ナトリウム(ドデシル硫酸ナトリウム)、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウムなどのアニオン性界面活性剤、ドデシルポリオキシエチレンエーテル、ヘキサデシルポリオキシエチレンエーテルなどのノニオン性界面活性剤などの公知の界面活性剤が含まれる。これらの界面活性剤は、単独で使用してもよいし、2種以上を併用してもよい。
着色剤粒子分散液は、着色剤を水系媒体中に分散させて調製する。なお、着色剤粒子分散液の調製時にも、着色剤粒子の分散安定性を向上させるため、前述の界面活性剤を添加できる。また、上述した機械的エネルギーを分散処理に利用できる。
離型剤を使用する場合は、樹脂粒子分散液の調製方法と同様にして、離型剤を水系媒体中に分散させ、離型剤粒子分散液を調製する。
調製した結晶性樹脂粒子分散液、非晶性樹脂粒子分散液および着色剤粒子分散液を混合した後、水系媒体中において結晶性樹脂粒子、非晶性樹脂粒子および着色剤粒子の各粒子を凝集させる。さらに、混合液を加熱することによって各粒子を融着させて、トナー粒子を形成する。離型剤を使用する場合は、離型剤粒子分散液も混合して、離型剤粒子とともに凝集および融着させる。凝集および融着時、臨界凝集濃度以上の凝集剤を添加し、非晶性樹脂のガラス転移点(Tg)以上に混合液を加熱することにより、凝集および融着を促進すればよい。
凝集剤は、特に限定されないが、アルカリ金属塩、アルカリ土類金属塩などの金属塩などが含まれる。金属塩の例には、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウムなどの1価の金属塩、塩化カルシウム、塩化マグネシウム、硫酸銅、硫酸マグネシウムなどの2価の金属塩、鉄、アルミニウムなどの3価の金属塩などが含まれる。凝集剤は、より少量で凝集させることができる観点から、2価の金属塩が好ましい。
コア−シェル構造のトナー母体粒子を形成する場合、トナー母体粒子をコア粒子として、コア粒子の表面にシェル層を形成する。具体的には、シェル層を構成する樹脂を水系媒体中に分散させた樹脂粒子分散液を調製し、トナー母体粒子の分散液に添加して、トナー母体粒子の表面にシェル層の樹脂粒子を凝集および融着させる。これにより、コア−シェル構造を有するトナー母体粒子の分散液を得ることができる。コア粒子にシェル層の樹脂粒子をより強固に凝集、融着させるため、加熱処理を行ってもよい。加熱処理は、目的の円形度のトナー母体粒子が得られるまで行えばよい。
トナー母体粒子の分散液を冷却する。冷却速度は、1〜20℃/分の範囲内であることが好ましい。冷却方法は特に限定されず、反応容器の外部から冷媒を導入して冷却することもできるし、冷水を直接反応系に投入して冷却することもできる。
冷却後のトナー母体粒子の分散液をろ過してトナー粒子を固液分離し、得られたウェット状のトナーケーキ(ケーキ形状のトナー粒子の集合体をいう。)を洗浄して、界面活性剤、凝集剤等を除去する。固液分離の方法としては、遠心分離法、ヌッチェ等を使用する減圧ろ過法、フィルタープレスを使用するろ過法等を使用できる。洗浄時には、例えばろ液の電気伝導度が10μS/cmになるまで水で洗浄できる。
ろ過洗浄後のトナーケーキを乾燥する。乾燥には、スプレードライヤー、真空凍結乾燥機、減圧乾燥機、静置棚乾燥機、移動式棚乾燥機、流動層乾燥機、回転式乾燥機、撹拌式乾燥機等を使用できる。乾燥後のトナー粒子の水分は、5質量%以下であることが好ましく、2質量%以下であることがより好ましい。乾燥後のトナー粒子同士が弱い粒子間引力で凝集している場合には、その凝集体を解砕処理してもよい。解砕処理装置としては、ジェットミル、ヘンシェルミキサー、コーヒーミル、フードプロセッサーなどを使用できる。
トナー母体粒子に外添剤を添加する場合、乾燥後のトナー粒子に外添剤を添加して混合する。外添剤の混合装置としては、ヘンシェルミキサー、コーヒーミルなどを使用できる。
まず、トナーの各材料の調製方法について説明する。
(1)結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液の調製
撹拌機、温度計、冷却管及び窒素ガス導入管を備えた反応容器に、1,10−デカンジカルボン酸(ドデカン二酸)315質量部と、1,9−ノナンジオール252質量部とを投入した。この反応容器内を乾燥窒素ガスで置換した後、チタンテトラブトキサイド0.1質量部を添加し、窒素ガス気流下において180℃で撹拌しながら8時間重合反応を行った。さらに、チタンテトラブトキサイド0.2質量部を添加し、温度を220℃に上げて撹拌しながら6時間重合反応を行った。その後、反応容器内を10mmHgまで減圧し、減圧下で反応を行うことにより、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液を得た。
a.非晶性ビニル樹脂粒子分散液1の調製
(第1段重合)
撹拌装置、温度センサー、冷却管および窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ドデシル硫酸ナトリウム8質量部及びイオン交換水3000質量部を仕込み、窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しながら、内温を80℃に昇温させた。昇温後、過硫酸カリウム10質量部をイオン交換水200質量部に溶解させた溶液を添加し、再度液温を80℃として、下記単量体の混合液を1時間かけて滴下した。
スチレン 480.0質量部
n−ブチルアクリレート 250.0質量部
メタクリル酸 68.0質量部
滴下後、80℃にて2時間加熱、撹拌することにより重合を行い、樹脂粒子分散液1を調製した。
撹拌装置、温度センサー、冷却管及び窒素導入装置を取り付けた5Lの反応容器に、ポリオキシエチレン(2)ドデシルエーテル硫酸ナトリウム7.8質量部をイオン交換水2429質量部に溶解させた溶液を仕込み、98℃に加熱した。加熱後、上記第1段重合で調製した樹脂粒子分散液1を固形分換算で50質量部と、下記に示す単量体、連鎖移動剤および離型剤を90℃にて溶解させた混合液と、を添加した。
スチレン(St) 256.40質量部
2−プロピルヘプチルアクリレート 95.30質量部
メタクリル酸(MAA80) 38.20質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート(連鎖移動剤) 3.99質量部
N−252(離型剤) 144.00質量部
上記第2段重合で調製した樹脂粒子分散液2に、さらにイオン交換水400質量部を添加し、よく混合した後、過硫酸カリウム7.3質量部をイオン交換水138質量部に溶解させた溶液を添加した。さらに、82℃の温度条件下で、下記に示す単量体と連鎖移動剤との混合液を1時間かけて滴下した。
スチレン(St) 367.00質量部
アクリル酸ブチル(BA) 165.00質量部
メタクリル酸(MAA80) 42.50質量部
メタクリル酸メチル(MMA) 52.45質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 8.00質量部
第2段重合において、2−プロピルヘプチルアクリレートを2−エチルヘキシルアクリレート(2EHA)に変更しこと以外は、非晶性ビニル樹脂粒子分散液1と同様に、非晶性ビニル樹脂粒子分散液2を調製した。
第2段重合において、2−プロピルヘプチルアクリレートを1−メチルヘプチルアクリレートに変更しこと以外は、非晶性ビニル樹脂粒子分散液1と同様に、非晶性ビニル樹脂粒子分散液3を調製した。
第3段重合において、さらに添加した単量体と連鎖移動剤との混合液を、以下に示す組成の混合液に変更したこと以外は、非晶性ビニル樹脂粒子分散液1と同様にして非晶性ビニル樹脂粒子分散液4を得た。
スチレン(St) 380.2質量部
アクリル酸ブチル(BA) 3.2質量部
2エチルヘキシルアクリレート(2EHA) 60.5質量部
メタクリル酸(MAA80) 42.5質量部
メタクリル酸メチル(MMA) 54.3質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート 8.88質量部
第3段重合において、さらに添加した単量体と連鎖移動剤との混合液を、以下に示す組成の混合液に変更したこと以外は、非晶性ビニル樹脂粒子分散液1と同様にして非晶性ビニル樹脂粒子分散液5を得た。
スチレン(St) 414.30質量部
2エチルヘキシルアクリレート(2EHA) 139.20質量部
メタクリル酸(MAA80) 44.60質量部
メタクリル酸メチル(MMA) 59.20質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート(連鎖移動剤) 8.88質量部
第2段重合において、さらに添加した単量体と連鎖移動剤との混合液を、以下に示す組成の混合液に変更したこと以外は、非晶性ビニル樹脂粒子分散液1と同様にして非晶性ビニル樹脂粒子分散液6を得た。
スチレン(St) 233.2質量部
アクリル酸ブチル(BA) 118.5質量部
メタクリル酸(MAA80) 38.2質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート(連鎖移動剤) 4.53質量部
N252(離型剤) 144質量部
N252(離型剤)を144質量部から162質量部に変更したこと以外は、非晶性ビニル樹脂粒子分散液6と同様にして、非晶性ビニル樹脂粒子分散液7を調製した。
N252(離型剤)を144質量部から216質量部に変更し、モノマー組成を以下のように変更したこと以外は、非晶性ビニル樹脂粒子分散液1と同様にして、非晶性ビニル樹脂粒子分散液8を調製した。
スチレン(St) 238.0質量部
2エチルヘキシルアクリレート(2EHA) 88.42質量部
メタクリル酸(MAA80) 35.5質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート(連鎖移動剤) 3.70質量部
N252(離型剤) 216質量部
N252(離型剤)を144質量部から162質量部に変更し、モノマー組成を以下のように変更したこと以外は、非晶性ビニル樹脂粒子分散液1と同様にして、非晶性ビニル樹脂粒子分散液9を調製した。
スチレン(St) 251.9質量部
2エチルヘキシルアクリレート(2EHA) 93.6質量部
メタクリル酸(MAA80) 33.6質量部
n−オクチル−3−メルカプトプロピオネート(連鎖移動剤) 3.70質量部
N252(離型剤) 162質量部
下記スチレン−アクリル樹脂の単量体と、非晶性ポリエステル樹脂およびスチレン−アクリル樹脂のいずれとも反応する置換基を有する単量体と、重合開始剤の混合液を滴下ロートに入れた。
スチレン 80.0質量部
n−ブチルアクリレート 20.0質量部
アクリル酸 10.0質量部
ジ−t−ブチルパーオキサイド(重合開始剤) 16.0質量部
ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物 285.7質量部
テレフタル酸 66.9質量部
フマル酸 47.4質量部
a.着色剤分散液1の調製
ドデシル硫酸ナトリウム90質量部をイオン交換水1600質量部に添加した溶液を撹拌しながら、着色剤1(表1に示されるゲルマニウムフタロシアニン)420質量部を徐々に添加した。撹拌装置(クレアミックス;エム・テクニック株式会社)を用いて分散処理することにより、着色剤粒子分散液1を調製した。分散液中の着色剤粒子は、体積基準のメジアン径が110nmであった。
着色剤1を着色剤2〜9にそれぞれ変更すること以外は、着色剤分散液1と同様にして着色剤分散液2〜9を得た。
(1)トナー1の作製
撹拌装置、温度センサーおよび冷却管を取り付けた反応容器に、非晶性ビニル樹脂粒子分散液1を480質量部(固形分換算)と、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液60質量部(固形分換算)と、イオン交換水332質量部とを投入した。室温(25℃)下で、5モル/Lの水酸化ナトリウム水溶液を添加して、pHを10に調整した。
着色剤粒子分散液1を着色剤粒子分散液2に変更すること以外は、トナー1と同様にしてトナー2を得た。
着色剤粒子分散液1を着色剤粒子分散液3に変更すること以外は、トナー1と同様にしてトナー3を得た。
着色剤粒子分散液1を着色剤粒子分散液4に変更すること以外は、トナー1と同様にしてトナー4を得た。
着色剤粒子分散液1を着色剤粒子分散液5に変更すること以外は、トナー1と同様にしてトナー5を得た。
非晶性ビニル樹脂粒子分散液1を非晶性ビニル樹脂粒子分散液2に変更すること以外は、トナー3と同様にしてトナー6を得た。
非晶性ビニル樹脂粒子分散液1を非晶性ビニル樹脂粒子分散液3に変更すること以外は、トナー3と同様にしてトナー7を得た。
非晶性ビニル樹脂粒子分散液1の配合量を480質量部(固形分換算)から450質量部へ変更し、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液の配合量を60質量部(固形分換算)から90質量部(固形分換算)に変更したこと以外は、トナー3と同様にしてトナー8を得た。
非晶性ビニル樹脂粒子分散液1の配合量を480質量部(固形分換算)から408質量部へ変更し、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液の配合量を60質量部(固形分換算)から132質量部(固形分換算)に変更したこと以外は、トナー3と同様にしてトナー9を製造した。
非晶性ビニル樹脂粒子分散液1の配合量を528質量部(固形分換算)から408質量部へ変更し、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液の配合量を60質量部(固形分換算)から132質量部(固形分換算)に変更したこと以外は、トナー3と同様にしてトナー10を製造した。
非晶性ビニル樹脂粒子分散液1を非晶性ビニル樹脂粒子分散液4に変更すること以外は、トナー3と同様にしてトナー11を得た。
非晶性ビニル樹脂粒子分散液1を非晶性ビニル樹脂粒子分散液5に変更すること以外は、トナー3と同様にしてトナー12を得た。
非晶性ビニル樹脂粒子分散液1を非晶性ビニル樹脂粒子分散液6に変更し、着色剤粒子分散液1(C.I.ピグメントブルー15:3)を着色剤粒子分散液6(C.I.ピグメントブルー15)に変更し、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液を添加しなかったこと以外は、トナー3と同様にしてトナー13を得た。
非晶性ビニル樹脂粒子分散液1を非晶性ビニル樹脂粒子分散液7に変更し、着色剤粒子分散液3を着色剤粒子分散液6に変更すること以外は、トナー3と同様にしてトナー14を得た。
着色剤粒子分散液1を着色剤粒子分散液6に変更すること以外は、トナー1と同様にしてトナー15を得た。
非晶性ビニル樹脂粒子分散液1を非晶性ビニル樹脂粒子分散液8に変更したこと以外は、トナー15と同様にトナー16を得た。
着色剤粒子分散液1を着色剤粒子分散液7に変更すること以外は、トナー15と同様にしてトナー17を得た。
着色剤粒子分散液1を着色剤粒子分散液8に変更すること以外は、トナー15と同様にしてトナー18を得た。
着色剤粒子分散液1を着色剤粒子分散液19に変更すること以外は、トナー15と同様にしてトナー19を得た。
体積基準のメジアン径が6.0μmに到達した後、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液を添加せずに、シェル無しにしたこと以外は、トナー15と同様にトナー20を得た。
非晶性ビニル樹脂粒子分散液1から非晶性ビニル樹脂粒子分散液7に変更した以外は、トナー3と同様にトナー21を得た。
着色剤粒子分散液6を着色剤粒子分散液3に変更し、結晶性ポリエステル樹脂粒子分散液を添加しなかったこと以外は、トナー15と同様にトナー22を得た。
No.1〜22のトナーについて、定着分離性、低温定着性および耐熱保管性の評価を行った。
定着分離性の評価は、改造した「bizhub C6500(コニカミノルタ株式会社)」を使用し、一晩常温常湿環境(NN環境:25℃、50%RH)で調湿した金藤85g/m2T目(王子製紙株式会社)における先端余白5mm、定着温度195℃/120℃での全ベタ画像の付着量を変化させて画出しし、紙詰まり(ジャム)が発生した直前のベタ画像の付着量(g/m2)を測定し、その値を定着分離性能の尺度とした。この値が大きい方が分離性能が良く、2.5g/m2以上を合格とした。なお、定着分離性の評価は、常温常湿環境(NN環境:25℃、50%RH)で実施した。
◎:3.5g/m2以上
○:3.0g/m2以上、3.5g/m2未満
△:2.5g/m2以上、3.0g/m2未満
×:2.5g/m2未満
アンダーオフセットとは、定着機を通過する際に与えられた熱によるトナー層の溶融が不十分であるために記録紙等の転写材から剥離してしまう画像欠陥を言う。画像評価は、市販のカラー複合機(bizhub PRO C6500;コニカミノルタ株式会社)を定着温度、トナー付着量、システム速度を自由に設定できるように改造した改造機で行った。改造機の現像装置に、作製したトナーと現像剤を順次装填して評価を行った。評価紙としてNPI128g/m2(日本製紙株式会社)を用い、トナー付着量11.3g/m2のベタ画像を定着速度300mm/分で定着上ベルトの温度を110〜200℃、定着下ローラの温度を100℃に設定し5℃毎の水準で定着させた時に、アンダーオフセットが発生しない定着上ベルトの定着下限温度を評価し、低温定着性の指標とした。この定着下限温度が低ければ低い程、定着性が優れており、160℃未満を合格とした。
◎:130℃未満
○:130℃以上135℃未満
△:135℃以上140℃未満
×:140℃以上
トナー0.5gを内径21mmの10mlガラス瓶に取り蓋を閉めて、タップデンサー(KYT−2000;株式会社セイシン企業)で室温にて600回振盪した後、蓋を取った状態で57.5℃、35%RHの環境下に2時間放置した。次いで、トナーを48メッシュ(目開き350μm)の篩上に、トナーの凝集物を解砕しないように注意しながらのせて、パウダーテスター(ホソカワミクロン株式会社)にセットし、押さえバー、ノブナットで固定し、送り幅1mmの振動強度に調整し、10秒間振動を加えた後、篩上の残存したトナー量の比率(質量%)を測定した。
トナー凝集率は、下記式により算出した。
トナー凝集率(%)=篩上の残存トナー質量(g)/0.5(g)×100
下記に記載の基準によりトナーの耐熱保管性の評価を行い、耐熱保管性の指標とした。
◎:トナー凝集率が15質量%未満(トナーの耐熱保管性が極めて良好)
○:トナー凝集率が15質量%以上25質量%未満(トナーの耐熱保管性が良好)
△:トナー凝集率が25質量%以上30質量%未満
(トナーの耐熱保管性やや劣るが許容レベル)
×:トナー凝集率が30質量%以上(トナーの耐熱保管性が悪く、使用不可)
一方、着色剤が一般式(1)で表される化合物を含み、かつ非晶性ビニル樹脂が一般式(2)で表される構造単位を含む、No.1〜12のトナーは、低温定着性、耐熱保管性および定着分離性のいずれかにおいても良好だった。
Claims (9)
- 結晶性ポリエステル樹脂および非晶性ビニル樹脂を含む結着樹脂と、離型剤と、着色剤と、を有するトナー母体粒子を含むトナーであって、
前記着色剤は、下記一般式(1)で表される化合物を含み、
前記非晶性ビニル樹脂は、下記一般式(2)で表される構造単位を含み、
前記トナー母体粒子は、内側に配置された前記結着樹脂および前記離型剤を含むコア部と、前記コア部の表面に配置された非晶性ポリエステル樹脂からなるシェル部と、
を有する、
トナー。
- 前記一般式(1)において、Mは、ケイ素原子である、請求項1に記載のトナー。
- 前記一般式(1)において、Z1およびZ2は、各々独立して前記一般式(3)で示される基である、請求項1または請求項2に記載のトナー。
- 前記トナー母体粒子における前記結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、3〜20質量%である、請求項1〜3のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記トナー母体粒子における前記結晶性ポリエステル樹脂の含有量は、6〜12質量%である、請求項1〜4のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記トナー母体粒子における前記一般式(2)で表される構造単位の含有量は、1〜15質量%である、請求項1〜5のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記トナー母体粒子における前記一般式(2)で表される構造単位の含有量は、4〜12質量%である、請求項1〜6のいずれか一項に記載のトナー。
- 前記トナー母体粒子における前記離型剤および前記結晶性ポリエステル樹脂の合計量は、前記一般式(2)で表される構造単位の6倍以下の量である、
請求項1〜7のいずれか一項に記載のトナー。 - 前記結着樹脂における前記非晶性ビニル樹脂の含有量は、50〜90質量%である、請求項1〜8のいずれか一項に記載のトナー。
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