JP3959865B2 - 非磁性一成分現像剤及びそれを用いた現像方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真装置や静電記録装置において、現像と同時クリーニングを行い、感光体と現像ローラとの接触部における回転方向が同一方向で回転させる現像方法に使用される重合トナーの改良に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真装置や静電記録装置において形成される静電潜像は、現像剤により現像され、次いで形成された現像剤像が紙等の転写材上に転写され、加熱、加圧、溶剤蒸気などの種々の方法により定着される。この工程において、感光体上に残留現像剤がでるため、一般には、これを除去するためのクリーニング装置が備えられている。
【0003】
例えば、図1に断面略図を示すような構成の画像形成装置が一般に使用されている。この装置においては、感光体(1)と該感光体(1)の周囲に配置されたクリーニングブレードを備えたクリーニング装置(2)、帯電装置(3)、露光装置(4)、現像装置(5)、現像ローラ(8)および転写装置(6)などが設けられている。帯電装置(3)により所要の帯電が行われた感光体(1)表面は、露光装置(4)にて選択露光が行われ、静電潜像が形成される。その潜像領域は、現像装置(5)を用いて現像剤(トナー)により現像される。現像されたトナー像は、転写装置(6)により転写紙(7)に転写される。転写工程後、感光体上に残留したトナーは、クリーニング装置(2)のクリーニングブレードにより除去される。
【0004】
しかし、上記装置においては、クリーニング装置内に蓄積した残留トナーを廃棄しなければならないため、メンテナンスが煩雑で、しかも装置周囲および環境の汚染を招くという問題がある。また、感光体がクリーニングブレードとの摩擦により摩耗されて、印字枚数と共に画像形成特性が低下する。さらに、クリーニング装置を設置すると、画像形成装置が大型になる上、設計上の自由度が低下する。
【0005】
このような問題を解決するために、一成分現像剤を用いて同一の現像装置により、感光体の非露光領域に付着している残留現像剤を現像ローラ側に吸引除去してクリーニングすることを特徴とする、現像とクリーニングを同時に行う方法(以下、単に現像同時クリーニング方式ということがある)が提案されている(特開昭62−203182号公報、特開平3−7972公報)。この方法においては、装置にクリーニングブレード等が不要となる。
図2に、このような画像形成装置の一例の断面略図を示す。なお、図2中、符号(9)はトナー層厚規制部材であり、その他符号は、図1と対応する部材または装置を示す。
【0006】
図2に示す装置を用いて現像同時クリーニング方法においては、転写工程後の感光体上の残留トナーを次のような原理により現像装置内に回収する。すなわち、感光体(1)の未露光部(非潜像領域)の表面電位をVo、露光部(潜像領域)の表面電位Vq、現像ローラ(8)に印加される現像バイアス電圧をVbとし、また、現像ローラ(8)の表面電位Veを前記現像バイアス電圧Vbと等しいものとする。感光体上の静電潜像は、静電潜像と同一の極性に帯電した一成分現像剤(トナー)により反転現像される。
【0007】
この反転現像において、上記各表面電位は、
|Vo|>|Ve|>|Vq|
の関係を満たすように設定する(ただしVo、VeおよびVqは同極性)。感光体の潜像領域では、現像ローラ上トナーに電位差|Ve−Vq|による感光体方向への力が働き現像が行われる。転写工程の後、非潜像領域では、感光体上に残留トナーに電位差|Vo−Ve|による現像ローラ方向への力が働き、残留トナーの回収、すなわちクリーニングが行われる。この現像同時クリーニング方法によれば、従来のクリーニング装置は不要になる。
【0008】
また、この現像方法では、トナー層厚規制部材(9)により現像ローラ(8)上に均一な厚さでかつ薄いトナー層を形成させる。さらに、トナーとしては、結着樹脂と着色剤を含み、磁性粉を含有しない、電気抵抗の大きな非磁性一成分現像剤が使用される。
【0009】
ところが、本発明者らの実験結果によると、前記方法では、十分な画像濃度を得るために電位差|Ve−Vq|を大きくすると、残留トナー回収のための電位差|Vo−Ve|が小さくなってクリーニングが不完全となりゴースト像が現れる。クリーニング性を良くするために電位差|Vo−Ve|を大きくすると、現像に必要な電位差|Ve−Vq|が小さくなるため満足な画像濃度が得られなくなる。そして、感光体上のトナーの転写紙への転写性が悪く、残留トナーが多い場合には、画像濃度とクリーニング性を共に満足させるために、上記各表面電位Vo、VeおよびVqを適正に制御するとともに、現像ローラ上に形成されるトナー層厚、および感光体と現像ローラの回転比を制御して、トナーの現像量を適正に保つことにより転写後に残留するトナー量を少なくする必要がある。これらの適正条件の幅は狭く、制御は困難であった。
【0010】
このような問題を解決するために、転写性がよい球形の懸濁重合トナーを用いる方法が提案されている(特開平5−188637号公報)。しかしながら、該方法では、初期の画像特性は問題がなかったが、連続印字を繰り返すと、トナーそのものの粉体流動性が低下し、カブリの増加やカスレが発生し、実用上満足のいく非磁性一成分現像剤は得られていなかった。
【0011】
連続印字に対する安定性に関しては、従来から、外添剤として、粒径の異なるシリカを併用することで流動性と接着防止の機能を分担させる方法(特開平7−261446号公報)、また、比表面積が異なり、かつその表面をアミノシラン処理した大粒径シリカと疎水化処理した小粒径シリカとを併用することで、良好な画質の再現が可能な長寿命のトナーをえること(特開平10−39534号公報)が提案されているが、高温高湿環境下の耐久印字では、トナーの帯電性が不十分となりカブリを増加させる問題があった。また、シリコーンオイル等で処理されたシリカとシラン化合物とTiO(OH)2の反応物とを併用することで正帯電トナーとして流動性と環境特性の安定を得ること(特開平10−26841号公報)などが提案されているが、耐久印字中に外添剤の埋没が生じて流動性の低下によるカブリが生じる問題があった。これらは、何れも熱可塑性樹脂中に着色剤、帯電制御剤、離型剤等を溶融混合して均一に分散させて組成物とした後、当該組成物を粉砕、分級することにより製造される粉砕法トナーにおいて効果が発揮されることを確認したに過ぎず、球形度の高い重合トナーに適用したときには、特に、現像同時クリーニング方式を採用する現像装置においては、必ずしもその効果が十分に発揮されていないのが実状である。
【0012】
重合トナーを用いて連続印字を繰り返すことにより、流動性が低下したり、カブリやカスレが増加したりする現象は、現像同時クリーニング方式に起因することである。一般に、電子写真方式による画像形成装置において、感光体周囲に配置されているプロセスユニットには、帯電装置、露光装置、現像装置、転写装置、クリーニング装置等があるが、この内、クリーニング装置を外すと、これまで転写後に、感光体上に残留するトナーは、現像装置で回収、再使用されることになる。この結果、印字枚数が多くなるに従い、転写しにくいトナー、帯電の低いトナー、逆極性に帯電しているトナー等の正常でないトナーが多く現像装置に残り、これらが現像されることになり、カブリが多くなる。
【0013】
懸濁重合によって製造されるトナーにおいて、酸化スズ・アンチモン処理された酸化チタン粒子などの導電性微粒子および疎水化処理されたシリカ微粒子を着色樹脂粒子(トナー)に対してそれぞれを0.05〜3重量部添加したトナーが知られている(特開平10−83096号公報)。しかしながらこれは、帯電立ち上がりが飽和帯電量到達までの時間、帯電量分布の均一性など帯電性に対する改良であるため、上述した重合トナーの問題を解決するものではなかった。
【0014】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、現像同時クリーニング方式を採用した現像装置で用いる非磁性一成分現像剤を改良し、連続印字を繰り返しても、トナーそのものの粉体流動性の低下、カブリの発生やカスレがなく、またフィルミングや白筋の発生がない重合トナーを用いた非磁性一成分現像剤(以下、単にトナーということがある)を提供することである。
【0015】
本発明者らは、前記目的を達成するために鋭意研究した結果、3種類の特定の外添剤を表面に付着させたトナーを用いて、現像同時クリーニング方式を採用した、感光体と現像ローラの回転方向を接触部分における回転方向を同方向で回転させる現像方法において連続印字を繰り返しても画像品質の安定した画像が得られることを見出し、本発明を完成させた。
【0016】
【課題を解決するための手段】
かくして本発明によれば、感光体上の静電潜像と同一極性に帯電した現像剤を担持する現像ロールを感光体に接触させて配置し、感光体の露光領域を現像すると同時に感光体の非露光領域に付着している残留現像剤を現像ロール側に吸引除去してクリーニングし、感光体と現像ロールとの接触部における回転方向を同方向で回転させる現像方法において使用される非磁性一成分現像剤であって、
該非磁性一成分現像剤が、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含む重合トナーの表面に、
(1)その表面がアミノシラン及び/またはシリコーンオイルで疎水化され、トナー上に外添された際の平均粒径が10nm〜50nmであるシリカA;
(2)その表面がアミノシラン及び/またはシリコーンオイルで疎水化され、トナー上に外添された際の平均粒径が50nm超過200nm以下であるシリカB;及び
(3)電気抵抗値が100Ωcm以下で、トナー上に外添された際の平均粒径が0.05〜3μmの導電性金属酸化物C;
からなる3種類の外添剤が付着しているものであることを特徴とする非磁性一成分現像剤が提供される。
また、本発明によれば、感光体上の静電潜像と同一極性に帯電した現像剤を担持する現像ロールを感光体に接触させて配置し、感光体の露光領域を現像すると同時に感光体の非露光領域に付着している残留現像剤を現像ロール側に吸引除去してクリーニングし、感光体と現像ロールとの接触部における回転方向を同方向で回転させる現像方法において、
該現像剤として、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含む重合トナーの表面に、
(1)その表面がアミノシラン及び/またはシリコーンオイルで疎水化され、トナー上に外添された際の平均粒径が10nm〜50nmであるシリカA;
(2)その表面がアミノシラン及び/またはシリコーンオイルで疎水化され、トナー上に外添された際の平均粒径が50nm超過200nm以下であるシリカB;及び
(3)電気抵抗値が100Ωcm以下で、トナー上に外添された際の平均粒径が0.05〜3μmの導電性金属酸化物C;
からなる3種類の外添剤が付着している非磁性一成分現像剤を用いることを特徴とする現像方法が提供される。
【0017】
本発明の好ましい態様として、次のものが挙げられる。
1.前記重合トナーへのシリカAの付着量が0.1〜2.0重量%、シリカBの付着量が0.3〜2.0重量%、及び導電性金属酸化物Cの付着量が0.1〜1.0重量%である前記非磁性一成分現像剤、及び現像方法。
2.前記導電性金属酸化物がスズアンチモンドープ酸化チタンである前記非磁性一成分現像剤、及び現像方法。
3.前記導電性金属酸化物がアンチモンドープ酸化スズである前記非磁性一成分現像剤、及び現像方法。
以下、本発明について詳述する。
【0018】
本発明の重合トナーは、懸濁重合法によって製造されるいわゆる重合トナーであり、懸濁重合法により製造される重合体着色微粒子である。このような重合トナーを得るために用いる特に好ましい重合性単量体としては、モノビニル系単量体を挙げることができる。モノビニル系単量体の最も好ましい例として、モノビニル系単量体を挙げることができる。具体的にはスチレン、ビニルトルエン、α−メチルスチレン等のスチレン系単量体;アクリル酸、メタクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、メタクリルアミド等のアクリル酸またはメタクリル酸の誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン等のエチレン性不飽和モノオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデン、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル;ビニルメチルケトン、メチルイソプロペニルケトン等のビニルケトン;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジン、N−ビニルピロリドン等の含窒素ビニル化合物;等のモノビニル系単量体が挙げられる。これらのモノビニル系単量体は、単独で用いてもよいし、複数の単量体を組み合わせて用いてもよい。これらモノビニル系単量体のうち、スチレン系単量体またはアクリル酸もしくはメタクリル酸の誘導体が、好適に用いられる。
【0019】
また、本発明においては必要に応じて任意の、油溶性重合開始剤、分子量調整剤を使用することができる。
【0020】
油溶性重合開始剤としては、4,4−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2−アゾビス−2−メチル−N−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチルプロピオアミド、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)等のアゾ化合物;メチルエチルパーオキシド、ジ−t−ブチルパーオキシド、アセチルパーオキシド、ジクミルパーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネート、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート等の過酸化物類などを例示することができる。
【0021】
これらのうち、油溶性重合開始剤、特に、10時間半減期の温度が60〜80℃、好ましくは65〜80℃で、且つ、分子量が250以下の有機過酸化物から選択される油溶性重合開始剤、特にt−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートが印字時の臭気などの揮発成分による環境破壊が少ないことから好適である。
重合開始剤の使用量は、重合性単量体基準で通常、0.01〜20重量%である。0.01重量%未満では、重合速度が遅く、20重量%以上では、分子量が低くなるので好ましくない。
【0022】
本発明で必要に応じて使用される分子量調整剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカプタン等のメルカプタン類、四塩化炭素、四臭化炭素等のハロゲン化炭化水素類を例示することができる。
これらの分子量調整剤は、重合開始以前、あるいは、重合の途中で添加することができる。分子量調整剤は、単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いられる。
【0023】
更に架橋性単量体を用いることはホットオフセット改善に有効である。架橋性単量体は、2以上の重合可能な炭素−炭素不飽和二重結合を有する単量体である。具体的には、ジビニルベンゼン、ジビニルナフタレン、およびこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合物;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート等のジエチレン性不飽和カルボン酸エステル;N,N−ジビニルアニリン、ジビニルエーテル等のジビニル化合物;3個以上のビニル基を有する化合物;等を挙げることができる。これらの架橋性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて用いることができる。
これらの架橋性単量体は、モノビニル系単量体のような非架橋性単量体100重量部に対して、通常、0.05〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部の割合で用いられる。
【0024】
また、本発明では、保存性、オフセット性と低温定着性とのバランスを良くするためにマクロモノマーを単量体として用いることが好ましい。マクロモノマーは、分子鎖の末端にビニル重合性官能基を有するもので、数平均分子量が、通常、1、000〜30、000のオリゴマーまたはポリマーである。数平均分子量が小さいものを用いると、重合体粒子の表面部分が柔らかくなり、保存性が低下するようになる。逆に数平均分子量が大きいものを用いると、マクロモノマーの溶融性が悪くなり、定着性が低下するようになる。
【0025】
マクロモノマーは、前記モノビニル系単量体を重合して得られる重合体のガラス転移温度よりも高いガラス転移温度を有するものが好適である。なお、マクロモノマーのTgは、通常の示差走査熱量計(DSC)等の測定機器で測定される値である。
【0026】
本発明に用いるマクロモノマーの具体例としては、スチレン、スチレン誘導体、メタクリル酸エステル、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリロニトリル等を単独でまたは2種以上を重合して得られる重合体、ポリシロキサン骨格を有するマクロモノマー、特開平3−203746号公報の第4頁〜第7頁に開示されているポリマー末端に重合性二重結合を有し、任意の繰り返し構造単位を有するものなどを挙げることができる。
【0027】
これらマクロモノマーのうち、高いガラス転移温度を有する、特にスチレン、メタクリル酸エステルまたはアクリル酸エステルを単独でまたはこれらを組み合わせて重合して得られる重合体が、本発明に好適である。
マクロモノマーを使用する場合、その量は、モノビニル系単量体100重量部に対して、通常、0.01〜1重量部、好適には0.03〜0.8重量部である。マクロモノマーの量が少ないと、保存性、オフセット性が向上しない。マクロモノマーの量が極端に多くなると定着性が低下するようになる。
【0028】
現像剤用重合体粒子には、通常、着色剤を含有させ、必要に応じて帯電制御剤、離型剤(ワックス)、着色剤用分散剤などを含有させる。
【0029】
着色剤としては、黒色顔料のカーボンブラックの場合、一次粒径が20〜40nmであるものを用いることが特に好ましい。20nmより小さいとカーボンブラックの分散が得られず、かぶりの多いトナーになり、一方、40nmより大きいと、多価芳香族炭化水素化合物の量が多くなって、安全上の問題が起こることがある。
その他の黒色顔料として、四三酸化鉄、酸化鉄マンガン、酸化鉄亜鉛、酸化鉄ニッケル等の磁性粒子;などを挙げることができる。
【0030】
さらに、磁性カラートナー用染料としては、C.I.ダイレクトレッド1、C.I.ダイレクトレッド4、C.I.アシッドレッド1、C.I.ベーシックレッド1、C.I.モーダントレッド30、C.I.ダイレクトブルー1、C.I.ダイレクトブルー2、C.I.アシッドブルー9、C.I.アシッドブルー15、C.I.ベーシックブルー3、C.I.ベーシックブルー5、C.I.モーダントブルー7、C.I.ダイレクトグリン6、C.I.ベーシックグリン4、C.I.ベーシックグリン6等が、顔料として黄鉛、カドミウムイエロ、ミネラルファーストイエロ、ネーブルイエロ、ネフトールイエロS、ハンザイエロG、パーマネントイエロNCG、タートラジンレーキ、赤口黄鉛、モリブデンオレンジ、パーマネントオレンジGTR、ピラゾロンオレンジ、ベンジジンオレンジG、カドミウムレッド、パーマネントレッド4R、ウオッチングレッドカルシウム塩、エオシンレーキ、ブリリアントカーミン3B、マンガン紫、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、紺青、コバルトブルー、アルカリブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダスレンブルーBC、クロムグリン、酸化クロム、ピグメントグリンB、マラカイトグリンレーキ、ファイナルイエログリンG等が挙げられる。
【0031】
フルカラートナー用マゼンタ着色顔料としては、C.I.ピグメントレッド1、2、3、4、5、6、7、8、9、10、11、12、13、14、15、16、17、18、19、21、22、23、30、31、32、37、38、39、40、41、48、49、50、51、52、53、54、55、57、58、60、63、64、68、81、83、87、88、89、90、112、114、122、123、163、202、206、207および209、C.I.ピグメントバイオレット19、C.I.バットレッド1、2、10、13、15、23、29および35等が、マゼンタ染料としては、C.I.ソルベントレッド1、3、8、23、24、25、27、30、49、81、82、83、84、100、109および121、C.I.ディスパースレッド9、C.I.ソルベントバイオレット8、13、14、21および27、C.I.ディスパースバイオレット1などの油溶染料;C.I.ベーシックレッド1、2、9、12、13、14、15、17、18、22、23、24、27、29、32、34、35、36、37、38、39および40、C.I.ベーシックバイオレット1、3、7、10、14、15、21、25、26、27および28などの塩基性染料等が挙げられる。
【0032】
フルカラートナー用シアン着色顔料としては、C.I.ピグメントブルー2、3、15、16および17、C.I.バットブルー6、C.I.アシッドブルー45およびフタロシアニン骨格にフタルイミドメチル基を1〜5個置換した銅フタロシアニン顔料等が挙げられる。
【0033】
また、フルカラートナー用イエロ着色顔料としては、C.I.ピグメントイエロ1、2、3、4、5、6、7、10、11、12、13、14、15、16、17、23、65、73、83、138および180、C.I.バットイエロ1、3および20等が挙げられる。
【0034】
本発明においては、着色剤のトナー粒子(重合体着色微粒子)中への均一分散等を目的として、オレイン酸、ステアリン酸等の脂肪酸あるいはNa、K、Ca、Mg、Zn等の金属からなる脂肪酸金属塩、シラン系またはチタン系カップリング剤等の分散助剤;などを使用してもよい。このような滑剤や分散剤は、着色剤の重量を基準として、通常、1/1000〜1/1程度の割合で使用される。
【0035】
着色剤、重合性単量体の他に重合性単量体組成物として、トナーの帯電性を制御する目的で各種の帯電制御剤や離型剤を添加することが望ましい。
【0036】
帯電制御剤としては、一般的に用いられる正帯電性含窒素基を有するニグロシン化合物、トリフェニルメタン、4級アンモニウム塩、アルキルアミンのハロゲン化水素塩等が挙げられる。より具体的には、ボントロンN1、N4、N21、(ニグロシン、オリエント化学社製)、ニグロシンEX(オリエント化学社製)、コピーブルーPR(ヘキスト社製)、4級アンモニウム塩含有樹脂(藤倉化成社製、FCA−201−PS)、等帯電制御樹脂を挙げることができる。本発明においては、必要に応じて負帯電性の帯電制御剤を用いることが可能である。有機化合物の金属錯体、含金属染料、例えば、スピロンブラックTRH(保土谷化学社製)、T−77(保土ヶ谷化学社製)、ボントロンS−34(オリエント化学社製)、ボントロンE−84(オリエント化学社製)、または、スルホン酸基含有樹脂(藤倉化成社製、FCA−1001−NS)等を挙げることができる。上記帯電制御剤は、重合性単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜5重量部を用いる。
【0037】
離型剤としては、具体的には、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレン、低分子量ポリブチレンなどの低分子量ポリオレフィンワックス類や分子末端酸化低分子量ポリプロピレン、分子末端をエポキシ基に置換した低分子量末端変性ポリプロピレンおよびこれらと低分子量ポリエチレンのブロックポリマー、分子末端酸化低分子量ポリエチレン、分子末端をエポキシ基に置換した低分子量ポリエチレンおよびこれらと低分子量ポリプロピレンのブロックポリマーなどの末端変性ポリオレフィンワックス類;キャンデリラ、カルナウバ、ライス、木ロウ、ホホバなどの植物系天然ワックス;パラフィン、マイクロクリスタリン、ペトリラクタムなどの石油系ワックス及びその変性ワックス;モンタン、セレシン、オゾケライト等の鉱物系ワックス;フィッシャートロプシュワックスなどの合成ワックス;多官能エステル化合物など1種あるいは2種以上が例示される。これらの内、合成ワックス、特にシェル・MDS社製の商品名「FT−100」、「FT−0030」、「FT−0050」、「FT−0070」、「FT−0165」、「FT−1155」、「FT−60S」などや、サゾール社製の商品名サゾールワックスなどといったフィッシャートロプシュワックスや低分子量ポリプロピレンワックスの「ビスコール660P」、「ビスコール550P」(何れも商品名。三洋化成社製)やマイクロクリスタリンワックス、多官能エステル化合物のペンタエリスリトールテトラミリステート、ペンタエリスリトールテトラステアレートなどが好ましく、なかでも示差走査熱量計により測定されるDSC曲線において、昇温時の吸熱ピーク温度が30〜200℃、好ましくは50〜180℃、80〜160℃の範囲にあるものが特に好ましい。吸熱ピーク温度は、ASTM D3418−82によって測定された値である。
離型剤は、単量体100重量部に対して、通常、0.1〜30重量部、好ましくは0.5〜20重量部の割合で使用される。
【0038】
重合性単量体の重合は、通常、懸濁重合法、乳化重合法、分散重合法などによって行われる。本発明においては、特に、懸濁重合法によって重合を行うのが好ましい。
【0039】
懸濁重合法において用いられる分散剤は、難水溶性金属化合物のコロイドを含有するものである。難水溶性金属化合物としては、硫酸バリウム、硫酸カルシウムなどの硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩;リン酸カルシウムなどのリン酸塩;酸化アルミニウム、酸化チタン等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネシウム、水酸化第二鉄等の金属水酸化物;等を挙げることができる。これらのうち、難水溶性の金属水酸化物のコロイドを含有する分散剤は、重合体粒子の粒径分布を狭くすることができ、画像の鮮明性が向上するので好適である。重合反応終了後、通常行う酸洗い、水洗いにより粒子表面に残留している水溶性金属塩を除去後、脱水、乾燥によりトナー粒子が得ることができる。
【0040】
難水溶性金属水酸化物のコロイドを含有する分散安定剤の製法は水溶性多価金属塩の水溶液のpHを7以上に水酸化アルカリ金属の水溶液で調整することによって得られる難水溶性の金属水酸化物のコロイドを用いることが好ましい。
【0041】
分散安定剤は、単量体100重量部に対して、通常、0.1〜20重量部の割合で使用する。この割合が0.1重量部より少ないと、充分な重合性単量体組成物の液滴分散安定性を得ることが困難であり、重合体粒子の凝集物が生成し易くなる。逆に、20重量部を超えると、水系分散媒体中の粘度が上昇し、重合トナー粒径の分布が広くなるので、収率が低下する。
また、水溶性多価金属塩と水酸化アルカリ金属の反応比率は水溶性多価金属塩に対する水酸化アルカリ金属塩の化学当量比Aは0.4≦A≦1.0の範囲である。
【0042】
本発明においては、必要に応じて、水溶性高分子を含有する分散剤を用いることができる。水溶性高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチルセルロース、ゼラチン等を例示することができる。本発明においては、界面活性剤を使用する必要はないが、帯電特性の環境依存性が大きくならない範囲で重合を安定に行うために使用することができる。
【0043】
本発明に用いる難水溶性金属化合物のコロイドは、個数粒径分布D50(個数粒径分布の50%累積値)が0.5μm以下で、D90(個数粒径分布の90%累積値)が1μm以下であることが好ましい。
【0044】
着色微粒子の製造は、具体的には以下の方法による。即ち、重合性単量体(好ましくはビニル系単量体)中に、着色剤、離型剤、帯電制御剤、その他の添加剤等の着色微粒子用原材料をビーズミル等の混合分散機で混合し、分散安定剤を含有する水媒体中に分散させ、懸濁液を撹拌し、液滴を形成する。
次いでそこに重合開始剤を添加し、更に液滴をトナーの大きさまで小さくなるように造粒し着色微粒子を得る。造粒の方法は、特に限定されないが、高速回転する回転子と、それを取り囲み且つ小孔または櫛歯を有する固定子との間隙に流通させる方法が好適である。
【0045】
単量体組成物分散液の分散状態は、単量体組成物の液滴の体積平均粒径が、通常4〜9μm、好ましくは5〜8μmの状態である。液滴の粒径が大きすぎると、トナー粒子が大きくなり、画像の解像度が低下するようになる。
液滴の体積平均粒径/数平均粒径は、通常1〜3.0、好ましくは1〜2.0である。該液滴の粒径分布が広いと定着温度のばらつきが生じ、かぶり、フィルミングなどの不具合が生じるようになる。
液滴は、好適にはその体積平均粒径±1μmの範囲に30体積%以上、好ましくは60体積%以上存在する粒径分布のものである。
【0046】
また、本発明においては、前記単量体組成物分散液を得た後、重合反応器に仕込み、重合することが好ましい。具体的には、分散液調製用の容器で単量体組成物を水媒体に添加して単量体組成物分散液を調製し、当該単量体組成物を別の容器(重合反応用容器)に移送し、該容器に仕込み、重合する。
従来の懸濁重合法のごとく、分散液を重合反応器で得、そのまま重合反応をさせる方法では、反応器内にスケールが生起し、粗大粒子が多量に生成しやすくなる。
【0047】
油溶性開始剤の添加時期は、ビニル系単量体中に、着色剤、離型剤、帯電制御剤、その他の添加剤を添加し、ビーズミル等により均一に分散させた単量体等組成物を調製し、次いで、この混合液を水系分散媒体中に投入し、良く攪拌して、液滴粒子が均一になってから油溶性重合開始剤を添加、混合して、さらに高速回転せん断型撹拌機を用いて、トナー粒子に近い粒径まで造粒した後、5〜120℃の温度で、好ましくは35〜95℃の温度で懸濁重合する。これより低い温度では、触媒活性が高い重合開始剤を用いることになるので、重合反応の管理が困難になる。逆にこれより高い温度では、重合粒子の安定性が低下し粒径分布が乱れたり重合缶壁にスケールの付着が発生する。
【0048】
このようにして得られた重合体粒子は、体積平均粒径が、通常2〜10μm、好ましくは2〜9μm、特に好ましくは、3〜8μmが得られる。また、体積平均粒径(dv)/個数平均粒径(dp)が、通常、1.7以下、好ましくは1.5以下、より好ましくは1.3以下の着色微粒子が得られる。
また、このようにして得られた粒子に、更に重合性単量体、重合開始剤、帯電制御剤を追加して重合させ、コアシェル構造を持つ重合トナー、いわゆるカプセルタイプの重合トナーを得ることもできる。
【0049】
本発明においては、上述したとおり、シェル用単量体を更に反応させることができる。上述の方法により得られた着色微粒子がコア粒子であり、これを構成する重合体のガラス転移温度(Tg)よりも高いガラス転移温度を有する重合体をシェルとする。シェル用単量体を組成する単量体として、スチレン、メチルメタクリレートなどのガラス転移温度が80℃を超える重合体を形成する単量体をそれぞれ単独で、あるいは2種以上組み合わせて使用することができる。
シェル用単量体からなる重合体のガラス転移温度が少なくともコア粒子を形成する重合体のガラス転移温度よりも高くなるように設定する必要がある。シェル用単量体により得られる重合体のガラス転移温度は、重合トナーの保存安定性を向上させるために、通常、50℃超過120℃以下、好ましくは60℃超過110℃以下、より好ましくは80℃超過105℃以下である。
コア粒子を形成する重合体とシェル用単量体からなる重合体との間のガラス転移温度の差は、通常、10℃以上、好ましくは20℃以上、より好ましくは30℃以上である。
【0050】
シェル用単量体は、コア粒子(着色微粒子)の存在下に重合する際に、コア粒子の数平均粒子径よりも小さい液滴とすることが好ましい。シェル用単量体の液滴の粒径が大きくなると、シェルが均一に付着できないので、保存性が低下傾向になる。
シェル用単量体を小さな液滴とするには、シェル用単量体と水系分散媒体との混合物を、例えば、超音波乳化機などを用いて、微分散処理を行う。得られた水分散液をコア粒子の存在する反応系へ添加することが好ましい。
【0051】
シェル用単量体は、20℃の水に対する溶解度により特に限定されないが、20℃の水に対する溶解度が0.1重量%以上の、水に対する溶解度の高い単量体はコア粒子に速やかに移行しやすくなるので、保存性のよい重合体粒子を得やすい。20℃の水に対する溶解度が0.1重量%以上の単量体としては、メチルメタクリレート、メチルアクリレート等の(メタ)アクリル酸エステル;アクリルアミド、メタクリルアミド等のアミド;アクリロニトリル、メタクリロニトリル等のシアン化ビニル化合物;4−ビニルピリジン等の含窒素ビニル化合物;酢酸ビニル、アクロレインなどが挙げられる。
【0052】
一方、20℃の水に対する溶解度が0.1重量%未満の単量体を用いた場合では、コア粒子へ移行が遅くなるので、前述のごとく、単量体を微小な液滴にして重合することが好ましい。また、20℃の水に対する溶解度が0.1重量%未満の単量体を用いた場合でも、20℃の水に対する溶解度が5重量%以上の有機溶媒を反応系に加えることによりシェル用単量体がコア粒子にすばやく移行するようになり、保存性のよい重合体粒子が得やすくなる。
20℃の水に対する溶解度が0.1重量%未満のシェル用単量体としては、スチレン、ブチルアクリレート、2−エチルヘキシルアクリレート、エチレン、プロピレンなどが挙げられる。
【0053】
20℃の水に対する溶解度が0.1重量%未満のシェル用単量体を用いた場合に好適に使用される有機溶媒としては、メタノール、エタノール、イソプロピルアルコール、n−プロピルアルコール、ブチルアルコール等の低級アルコール;アセトン、メチルエチルケトン等のケトン;テトラヒドロフラン、ジオキサン等の環状エーテル;ジメチルエーテル、ジエチルエーテル等のエーテル;ジメチルホルムアミド等のアミドなどを挙げることができる。有機溶媒は、分散媒体(水と有機溶媒との合計量)に対するシェル用単量体の溶解度が0.1重量%以上となる量を添加する。具体的な有機溶媒の量は有機溶媒、シェル用単量体の種類及び量により異なるが、水系分散媒体100重量部に対して、通常、0.1〜50重量部、好ましくは0.1〜40重量部、より好ましくは0.1〜30重量部である。有機溶媒とシェル用単量体とを反応系に添加する順序は特に限定されないが、コア粒子へのシェル用単量体の移行を促進し保存性のよい重合体粒子を得やすくするために、有機溶媒を先に添加し、その後シェル用単量体を添加するのが好ましい。
【0054】
20℃の水に対する溶解度が0.1重量%未満の単量体と0.1重量%以上の単量体とを併用する場合には、先ず20℃の水に対する溶解度が0.1重量%以上の単量体を添加し重合し、次いで有機溶媒を添加し、20℃の水に対する溶解度が0.1重量%未満の単量体を添加し重合することが好ましい。この添加方法によれば、重合トナーの定着温度を調整するためにコア粒子の存在下に重合する単量体から得られる重合体のTgや、単量体の添加量を適宜制御することができる。
【0055】
本発明においては、シェル用単量体に帯電制御剤を混合した後、反応系に添加して重合させることがトナーの正又は負の帯電性を向上させるために好ましい。正帯電帯電制御剤の具体例としては、ボントロンN1、N4、N21(ニグロシン、オリエント化学社製)、ニグロシンEX(オリエント化学社製)、4級アンモニウム塩含有樹脂(藤倉化成製 FCA−201−PS)、が挙げられる。
【0056】
負帯電帯電制御剤の具体例としてはスピロンブラックTRH(保土ヶ谷化学社製)、T−77(保土ヶ谷化学社製)、ボントロンS−34(オリエント化学社製)、ボントロンE−84(オリエント化学社製)、スルホン酸基含有樹脂(藤倉化成製 FCA−1001−NS)等の帯電制御樹脂等を挙げることができる。帯電制御剤は、シェル用単量体100重量部に対して、通常、0.01〜10重量部、好ましくは0.1〜5重量部の割合で用いられる。
【0057】
シェル用単量体をコア粒子の存在下に重合する具体的な方法としては、前記コア粒子を得るために行った重合反応の反応系にシェル用単量体を添加して継続的に重合する方法、又は別の反応系で得たコア粒子を仕込み、これにシェル用単量体を添加して段階的に重合する方法などを挙げることができる。
シェル成分用単量体は反応系中に一括して添加するか、またはプランジャポンプなどのポンプを使用して連続的もしくは断続的に添加することができる。
【0058】
本発明の重合トナーにおいて、シェル用単量体を添加する際に、水溶性のラジカル開始剤を添加することがコア−シェル型重合体粒子を得やすくするために好ましい。シェル用単量体の添加の際に水溶性重合開始剤を添加すると、シェル用単量体が移行したコア粒子の外表面近傍に水溶性ラジカル開始剤が進入し、コア粒子表面に重合体(シェル)を形成しやすくなるからであると考えられる。
【0059】
水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩;4,4−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,2−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,2−アゾビス−2−メチル−N−1,1−ビス(ヒドロキシメチル)−2−ヒドロキシエチルプロピオアミド等のアゾ系開始剤;クメンパーオキシド等の油溶性開始剤とレドックス触媒の組合せ;などを挙げることができる。水溶性重合開始剤の量は、重合性単量体B基準で、通常、0.01〜20重量部である。
【0060】
本発明の重合トナーのうちコアシェル構造を有するものの場合、コア粒子用単量体(コア粒子を形成する重合体)とシェル用単量体との重量比率は、通常、80/20〜99.9/0.1である。この範囲であれば保存性が極めて良好となる。シェルは、その平均厚みが、0.001〜1.0μm、好ましくは0.003〜0.5μm更に好ましくは0.005〜0.2μmであると考えられる。厚みが大きくなると定着性が低下し、小さくなると保存性が低下する。なお、本発明のコアシェル構造を有する現像剤は、コア部のすべてがシェルで覆われている必要はない。
コア粒径、及びシェルの厚みは、電子顕微鏡により観察できる場合は、その観察写真から無作為に選択した粒子の大きさ及びシェル厚みを直接測ることにより得ることができ、電子顕微鏡でコアとシェルとを観察することが困難な場合は、コア粒子の粒径及びシェルを形成する単量体の量から算定することができる。
【0061】
このようにして得られる重合体着色微粒子の体積平均粒径は5〜10μmで、好ましくは6〜9μmである。体積平均粒径小さ過ぎると印字枚数が多くなると粉体流動性が低下して、カブリが増加し、逆に大き過ぎると解像度が低下するので好ましくない。なお、体積平均粒径は、マルチサイザー(コールター社製)により測定した値である。また、同着色微粒子の最長径(dl)と最短径(ds)の比(dl/ds)が1.0〜1.3、好ましくは1.0〜1.2の範囲の実質球形であるトナーを用いると、転写紙への転写効率が90%以上と高くなり、画像濃度とクリーニング性を共に満足させるための前記各表面電位Vo、VeおよびVq、現像ローラ上に形成されるトナー層厚、および感光体と現像ローラの回転比の適正条件が広くなる。なお、最長径と最短径の測定は、100個のトナーを走査型電子顕微鏡で写真に撮り、その写真をネクサス9000型の画像処理装置で読み込み、トナーの長径を短径で割った値(dl/ds)を測定した値である。
【0062】
本発明の重合トナーに付着させる外添剤としては、
(1)その表面がアミノシラン及び/またはシリコーンオイルで疎水化され、トナー上に外添された際の平均粒径が10nm〜50nmであるシリカA;
(2)その表面がアミノシラン及び/またはシリコーンオイルで疎水化され、トナー上に外添された際の平均粒径が50nm超過200nm以下であるシリカB;及び
(3)電気抵抗値が100Ωcm以下で、トナー上に外添された際の平均粒径が0.05〜3μmの導電性金属酸化物C;
の少なくとも3種類が用いられる。
【0063】
これら3種類のそれぞれの比率は、重量比でシリカA/シリカB/導電性金属酸化物C=0.1〜2.0/0.3〜2.0/0.1〜1.0、好ましくは0.2〜1.0/0.4〜1.0/0.2〜0.5で用いるのが望ましい。この範囲であれば、初期において、高画像解像度、高ID、低地カブリさらに常温常湿、高温高湿、低温低湿の1万枚耐久印字においても、高画像解像度、高ID、低地カブリを満足する優れたトナーが得られる。また、各成分の重合体着色粒子に対する付着量は、シリカAが0.1〜2.0重量%、好ましくは0.2〜1.0重量%、シリカBは、0.3〜2.0重量%、好ましくは0.4〜1.0重量%、導電性金属酸化物Cが0.1〜1.0、好ましくは0.2〜0.6である。
【0064】
(1)シリカAは、コロイダルシリカの表面を疎水化処理したものがよい。疎水化処理剤としてアミノシラン系カップリング剤あるいはシリコーンオイルをそれぞれ単独で、あるいは両処理剤を用いてコーティングする。好ましくは両処理剤を用いた以下の処理方法が好適である。
コーティング方法は、処理するコロイダルシリカを70℃に加熱した密閉型ヘンシェルミキサー中に入れ、コロイダルシリカに対してアミノシラン系カップリング剤が5重量%の処理量になるように、アルコールで希釈したアミノシランを加え、高速で攪拌した。得られたコロイダルシリカを120℃で乾燥後、再びヘンシェルミキサー中に入れ、攪拌しながら該コロイダルシリカに対して、シリコーンオイルが2重量%に成るように添加し、室温で2時間、高速攪拌し、160℃で15時間熱処理をして、コロイダルシリカの表面を疎水化処理することにより疎水化処理ができる。
アミノシラン系カップリング剤としては、γ−アミノプロピルトリエトキシシラン、N−(β−アミノエチル)−γ−アミノプロピルトリメトキシシラン、γ−(2−アミノエチル)−γ−アミノプロピルメトキシジメトキシシラン、γ−アニリノプロピルトリメトキシシランなどがあげられる。シリコーンオイルとしてはポリジメチルシロキサン、アミノ変性ポリジメチルシロキサン、アルキル変性ポリジメチルシロキサン、フッ素変性ポリジメチルシロキサン等が挙げられる。
このようなシリカとしては、HDKH2150、HDKH2050EP、HDKH3050EP(以上全て商品名;クラリアント社製)、REA200、NAG200Y、NA90H(以上全て商品名;日本アエロジル社製)などがあげられる。
【0065】
(2)シリカBは、シリカAと同様、アミノシラン化による疎水化処理を施されたシランである。
このようなシリカの具体例としては、NEA50(商品名;日本アエロジル社製)があげられる。
シリカAの疎水化処理に用いる処理剤とシリカBの疎水化処理に用いる処理剤とは同一であっても異なるものであってもよい。
【0066】
(3)導電性金属酸化物Cは、前述の電気抵抗値を持つものであり、その平均粒径が0.05〜3μm、好ましくは0.1〜1μmのものが好ましい。平均粒径が大きすぎると、トナーへの付着力が小さくなり、遊離外添剤となって現像剤担持体と感光体の接触部分でトナーから感光体に移行し転写回収されること無く、感光体に付着し続ける為、感光体の一次電位を阻害するなど悪影響が生じるという問題があり、小さすぎると、耐久印字中にトナー表層に埋没し、トナーエンプティー付近での摩擦帯電性の補助効果が認められなくなるという問題がある。また、導電性金属酸化物の電気抵抗値は、誘電体損測定装置によって測定した値である。電気抵抗値が高すぎると導電性が低下し、目的の帯電量を得ることが困難となる傾向にある。
【0067】
このような導電性金属酸化物としては、スズ・アンチモンドープ酸化チタン、アンチモンドープ酸化スズなど、アンチモンによって表面処理された酸化遷移金属が好ましい例としてあげられる。スズ・アンチモンドープ酸化チタンの具体例としては、EC−300(商品名;チタン工業社製)、ET−300、HJ−1、HI−2(いずれも商品名;石原産業社製)、W−P(商品名;三菱マテリアル社製)などが例示される。アンチモンドープ酸化スズの具体例としては、SN−100P(商品名;石原テクノ社製)、T−1(商品名;三菱マテリアル社製)、SH−S(商品名;日本化学産業社製)などが例示される。
【0068】
これらの外添剤の付着は、通常、外添剤とトナー粒子とをヘンシェルミキサーなどの混合機に入れて攪拌して行う。3種類の外添剤は、トナー粒子と混合する前に、それぞれ単独又は任意に組み合わせて、解砕処理しておくことができる。また、外添剤は同時にトナー粒子と接触させても良いし、順次接触させても良い。外添剤はあらかじめ3つを混合しておいても良い。
【0069】
上述してきた本発明の重合トナーからなる非磁性一成分現像剤を用いる画像形成装置は、感光体、感光体の表面を帯電する手段、感光体の表面に静電潜像を形成する手段、前記重合トナーからなる非磁性一成分現像剤を収容する手段、該重合トナーからなる非磁性一成分現像剤を供給し感光体表面の静電潜像を現像してトナー像を形成する手段及び該トナー像を感光体表面から転写材に転写する手段とを有するものである。
【0070】
本発明の重合トナーからなる非磁性一成分現像剤を用いる画像形成装置を図面に示す実施態様に基づき詳細に説明する。図2に示すように、本実施形態に係る画像形成装置には、感光体としての感光ドラム1が矢印A方向に回転自在に装着してある。感光ドラム1は、導電性支持ドラム体の外周面に光導電層を設けたものである。光導電層は、たとえば、有機系感光体、セレン感光体、酸化亜鉛感光体、アモルファスシリコン感光体などで構成される。
【0071】
感光ドラム1の周囲には、その周方向に沿って、帯電手段としての帯電ローラ3、潜像形成手段としてのレーザー光照射装置4、現像手段としての現像ローラ8、転写手段としての転写ローラ6が配置されている。
【0072】
帯電ローラは感光ドラムの表面をプラスまたはマイナスに一様に帯電するためのものであり、帯電ローラに電圧を印加し且つ帯電ローラを感光ドラムに接触させることにより、感光ドラムの表面を帯電させている。帯電ローラ3はコロナ放電による帯電手段に置き換えることも可能である。
【0073】
レーザー光照射装置4は、画像信号に対応した光を感光ドラムの表面に照射し、一様に帯電された感光ドラムの表面に所定のパターンで、光を照射して、光が照射された部分に静電潜像を形成する(反転現像の場合)、または光が照射されない部分に静電潜像を形成する(正規現像の場合)ためのものである。その他の潜像形成手段としては、LEDアレイと光学系とから構成されるものが挙げられる。
【0074】
現像ローラは感光ドラム1の静電潜像にトナーを付着させるためのものであり、反転現像においては光照射部にのみトナーを付着させ、正規現像においては、光非照射部にのみトナーを付着させるように、現像ローラと感光ドラムとの間にバイアス電圧が印加される。
【0075】
現像ローラの隣には、トナー10が収容されるケーシング11内に、現像ローラ8と供給ローラ12とが設けられている。
現像ローラは感光ドラムに一部接触するようにして配置され、感光ドラムと反対方向Bに回転するようになっている。供給ローラ12は現像ローラに接触して現像ローラと同じ方向Cに回転し、現像ローラの外周にトナーを供給するようになっている。
【0076】
現像ローラの周囲において、供給ローラとの接触点から感光ドラムとの接触点までの間の位置に、層厚規制手段としての現像ローラ用ブレード9が配置してある。
このブレード9は、導電性ゴムやステンレス鋼で構成されており、トナーへの電荷注入を行うため、|200V|〜|600V|の電圧が印加されている。そのために、ブレード9の電気抵抗値は10の6乗Ωcm以下であることが好ましい。
【0077】
本発明の画像形成装置のケーシング11には、本発明のトナー10が収容されている。トナー10は前記重合体粒子を含有するものである。
また、本発明のトナーは、粒径分布が比較的シャープであるので、現像ローラの層を形成したときに、層厚規制手段によって実質的に1〜2層にすることができるので、画像の再現性に優れている。
【0078】
転写ローラ6は、現像ローラにより形成された感光ドラム表面のトナー像を転写材7に転写するためのものである。転写材としては、紙、OHPシート等が挙げられる。転写手段としては、転写ローラ以外にコロナ放電装置や、転写ベルトなどを挙げることができる。
【0079】
転写材に転写されたトナー像は、定着手段によって、転写材に固定される。定着手段は、通常、加熱手段と圧着手段とからなる。転写材に転写されたトナーを加熱手段により加熱しトナーを溶融させ、溶融したトナーを圧着手段により転写材の表面に押し付け固定する。
【0080】
帯電が低いトナーに対して、帯電性を向上させる方法として、現像装置として、感光体と現像ローラの接触部分での回転方向を同一とし、現像ローラの周速を感光体の周速に対して1.1倍以上、好ましくは1.3倍以上にすることにより達成することができる。
【0081】
さらに、感光体に対する現像ローラのニップ幅は1mm以上が好ましい。これより少ないと摺擦力が弱くなる。現像ローラの表面硬度は40以上(JIS A)が好ましい。これより低いと摺擦力が弱くなる。
【0082】
現像ローラは少なくとも表面がゴム弾性体で構成してあり、周方向表面粗さが10μm以下、軸方向表面粗さが10μm以下であることが好ましい。表面粗さが10μmより大きいと現像ローラ表面の凹凸によるトナー薄層の厚さムラが生じやすく、かつ厚さが厚い部分と薄い部分の摩擦帯電性が異なるためトナー粒子の帯電量にバラつきが生じ印字品質が悪化してしまう。
【0083】
現像ローラの表面を構成する弾性体としては、特に限定されないが、スチレン−ブタジエン系共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン系共重合体ゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、ウレタンゴム、シリコンゴムなどが用いられる。
【0084】
現像ローラの表面粗さを前記範囲とするための手段としては、特に限定されないが、現像ローラの外周面を円筒切削盤などで研磨する方法、表面を研磨した後、ゴム弾性体でコーティングする方法等が用いられる。
【0085】
【実施例】
以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例のみに限定されるものではない。なお、部及び%は、特に断りのない限り重量基準である。
【0086】
実施例及び比較例における物性の測定方法は、以下のとおりである。
【0087】
(1)トナーの粒径と形状
重合体粒子の体積平均粒径および個数平均粒径はマルチサイザー(コールター社製)により測定した。このマルチサイザーによる測定は、アパーチャー径:100μm、媒体:イソトンII、濃度:10%、測定粒子個数:50000個の条件で行った。
トナーの形状は走査型電子顕微鏡で写真を撮り、その写真をネクサス9000型の画像処理装置で読み込み、トナーの長径を短径で割った値(dl/ds)を測定した。この時のトナーの測定個数は100個で行った。
【0088】
(2)外添剤の物性
・粒径
外添剤の粒径は、それぞれ単独の外添剤をトナーと混合し、外添後の100個のトナーを走査型電子顕微鏡で写真に撮り、その写真をネクサス9000型の画像処理装置で読み込み、トナー表面の外添剤粒子の大きさを測定した値である。
・電気抵抗値
外添剤の体積固有抵抗は、外添剤を直径55mm、厚み2mmになる円盤状に加圧成形し、誘電体損測定器(商品名:TRS−10型、安藤電気社製)を用い、温度30℃、周波数1kHzの条件下で測定した。
【0089】
(3)初期画質の評価
・印字濃度(ID)の測定
印字濃度(ID)の評価はマクベス反射濃度計を用い、「黒べた部」を測定することにより行い、1.4以上を○、1.3以上を△、1.3未満を×と判断した。
・感光体カブリの測定
感光体ドラム上のカブリの部分のトナーをメンディングテープで紙に転写し、白色度計で測定した反射率の値を、メンディングテープだけを紙に貼った時の反射率を白色度計で測定した値から引いた値で、2以下の現像剤を○、5以下を△、10以上を×と判断した。
・解像度は、1ドットのラインと1ドットのホワイトラインを印刷し、それらの画質が再現できているか光学顕微鏡で観察し、以下の基準で評価した。
○:1ドットのライン及び1ドットのホワイトラインを再現している。
△:1ドットのライン及び1ドットのホワイトラインは再現できないが、2ドットのライン及び2ドットのホワイトラインは再現できている。
×:2ドットのライン及び2ドットのホワイトラインが再現できていない。
(4)連続印字評価
前述のプリンターで、30℃×80%(相対湿度)下で、初期から連続印字を行い、印字濃度が反射濃度計(マクベス製)で1.35以上、非画像部のカブリが白色度計(日本電色製)で5%以下で1万枚以上継続できるトナーを(○)、5千枚以上継続できるトナーを(△)、5千枚以上継続できないトナーを(×)と評価した。
【0090】
[実施例1]
スチレン83部、n−ブチルアクリレート17部、カーボンブラック(三菱化学社製、商品名「#25B」、一次粒径40nm)7部、帯電制御剤「N1」(商品名;オリエント化学社製)0.03部、ジビニルベンゼン0.6部、t−ドデシルメルカプタン1.5部、及びペンタエリスリトールテトラミチスチレート5部を室温下、ビーズミルで分散させ、均一混合液を得た。前記混合液を攪拌しながら、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート5部を添加し、液滴が均一になるまで攪拌を継続した。
【0091】
他方、イオン交換水250部に塩化マグネシウム(水溶性多価金属塩)9.5部を溶解した水溶液に、イオン交換水50部に水酸化ナトリウム(水酸化アルカリ金属)4.8部を溶解した水溶液を攪拌下で徐々に添加して、水酸化マグネシウムコロイド(難水溶性の金属水酸化物コロイド)分散液を調製した。
上記コロイドに、上記重合性単量体組成物を投入しTKホモミキサーを用いて12000rpmの回転数で高剪断攪拌して、重合性単量体混合物の液滴を造粒した。この造粒した重合性単量体混合物の水分散液を、攪拌翼を装着した反応器に入れ、90℃で重合反応を開始させ、8時間重合した後冷却し、重合体粒子の水分散液を得た。
【0092】
上記により得た重合体粒子の水分散液を攪拌しながら、硫酸により系のpHを4以下にして酸洗浄を行い、濾過により水を分離した後、新たにイオン交換水500部を加えて再スラリー化し水洗浄を行った。その後、再度、脱水と水洗浄を数回繰り返し行って、固形分を濾過分離した後、乾燥機にて45℃で1昼夜乾燥を行い、重合体粒子を得た。
重合体粒子の体積平均粒径は9.5μmであり、体積平均粒径(dv)/個数平均粒径(dp)は1.28、dl/dsは1.1とほぼ球形であった。
【0093】
上記により得られた重合体粒子100部に、コロイダルシリカ(商品名「HVK2150」、クラリアント社製)0.6部とコロイダルシリカ(商品名「NEA50」、日本アエロジル社製)1.0部と「EC300」(商品名;チタン工業製、電気抵抗値:46Ωcm、粒径:400nm)0.3重量部とを添加し、10Lヘンシェルミキサーを用いて2.5分間、回転数1400rpmで混合し、重合トナーからなる非磁性一成分現像剤 ( トナー )を得た。
【0094】
上記により得られたトナーを、感光体と現像ロールとの接触部分で同一方向に回転し、感光体の周速に対して、現像ロールの周速が1.5倍である非磁性1成分接触現像クリーナーレス方式の正帯電プリンターで、印字評価したところ、初期において良好な画質が得られた。さらに10000枚の常温常湿、高温高湿 低温低湿 環境でそれぞれ連続印字評価を行ったところ、カブリのない良好な画質が得られ、現像ローラおよび感光体にはフィルミングも発生しなかった。この結果を表1に示した。
【0095】
[実施例2]
実施例1において、帯電制御剤「ボントロンN1」(商品名;オリエント化学社製)0.03部を帯電制御樹脂(商品名「#207」;藤倉化成社製)1部に代えたこと以外は、実施例1と同様にしてトナーを調製し、評価を行った。結果を表1に示す。
[実施例3〜7及び比較例1〜8]
実施例1において、外添剤を表1に示すものに替えたこと以外は、実施例1と同様にしてトナーを調製し、評価を行った。結果を表1〜5に示す。
【0096】
【表1】
【0097】
【表2】
【0098】
【表3】
【0099】
【表4】
【0100】
【表5】
【0101】
【発明の効果】
本発明の重合トナーは、現像と同時クリーニング方式で良好な画像品質と安定した耐久性を示す。
【図面の簡単な説明】
【図1】 従来の画像形成装置
【図2】 本発明の画像形成装置の一態様を示す図
【符号の説明】
1・・感光体
2・・クリーニング装置
3・・帯電ローラ
4・・レーザー光照射装置
5・・現像装置
6・・転写ローラ
7・・転写紙
8・・現像ローラ
9・・現像ローラ用ブレード
10・・トナー
11・・ケーシング
12・・供給ローラ
Claims (4)
- 感光体上の静電潜像と同一極性に帯電した現像剤を担持する現像ロールを感光体に接触させて配置し、感光体の露光領域を現像すると同時に感光体の非露光領域に付着している残留現像剤を現像ロール側に吸引除去してクリーニングし、感光体と現像ロールとの接触部における回転方向を同方向で回転させる現像方法において使用される非磁性一成分現像剤であって、
該非磁性一成分現像剤が、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含む重合トナーの表面に、
(1)その表面がアミノシラン及び/またはシリコーンオイルで疎水化され、トナー上に外添された際の平均粒径が10nm〜50nmであるシリカA;
(2)その表面がアミノシラン及び/またはシリコーンオイルで疎水化され、トナー上に外添された際の平均粒径が50nm超過200nm以下であるシリカB;及び
(3)電気抵抗値が100Ωcm以下で、トナー上に外添された際の平均粒径が0.05〜3μmの導電性金属酸化物C;
からなる3種類の外添剤が付着しているものであることを特徴とする非磁性一成分現像剤。 - 前記重合トナーへのシリカAの付着量が0.1〜2.0重量%、シリカBの付着量が0.3〜2.0重量%、及び導電性金属酸化物Cの付着量が0.1〜1.0重量%である請求項1記載の非磁性一成分現像剤。
- 前記導電性金属酸化物がスズアンチモンドープ酸化チタンまたはアンチモンドープ酸化スズである請求項1または2記載の非磁性一成分現像剤。
- 感光体上の静電潜像と同一極性に帯電した現像剤を担持する現像ロールを感光体に接触させて配置し、感光体の露光領域を現像すると同時に感光体の非露光領域に付着している残留現像剤を現像ロール側に吸引除去してクリーニングし、感光体と現像ロールとの接触部における回転方向を同方向で回転させる現像方法において、
該現像剤として、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含む重合トナーの表面に、
(1)その表面がアミノシラン及び/またはシリコーンオイルで疎水化され、トナー上に外添された際の平均粒径が10nm〜50nmであるシリカA;
(2)その表面がアミノシラン及び/またはシリコーンオイルで疎水化され、トナー上に外添された際の平均粒径が50nm超過200nm以下であるシリカB;及び
(3)電気抵抗値が100Ωcm以下で、トナー上に外添された際の平均粒径が0.05〜3μmの導電性金属酸化物C;
からなる3種類の外添剤が付着している非磁性一成分現像剤を用いることを特徴とする現像方法。
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