JPH10213970A - 現像方法 - Google Patents

現像方法

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JPH10213970A
JPH10213970A JP2843897A JP2843897A JPH10213970A JP H10213970 A JPH10213970 A JP H10213970A JP 2843897 A JP2843897 A JP 2843897A JP 2843897 A JP2843897 A JP 2843897A JP H10213970 A JPH10213970 A JP H10213970A
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JP
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toner
developing
developer
particles
average particle
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JP2843897A
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Koujirou Masuo
好治郎 増尾
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Zeon Corp
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Nippon Zeon Co Ltd
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 (修正有) 【課題】 現像と同時クリーニング方式による現像方法
であって、印字を繰り返しても、トナーや紙粉等に起因
するフィルミング現象が発生し難い非磁性一成分現像剤
を用いる現像方法を提供する。 【解決手段】 現像剤として、少なくとも結着樹脂と着
色剤とを含む着色粒子からなり、(a)体積平均粒径
(dv)が2〜15μmの範囲内で、(b)前記体積平
均粒径(dv)と個数平均粒径(dp)との比(dv/
dp)が1.0〜1.5の範囲内で、かつ、(c)粒子
の最長径(dl)と最短径(ds)との比(dl/d
s)が1.0〜1.3の範囲内である実質的に球形のト
ナー粒子、研磨剤、及び流動化剤を含有する混合物から
なる非磁性一成分現像剤を使用する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真複写機な
どの電子写真法を利用した現像方法に関し、さらに詳し
くは、電子写真装置や静電記録装置において、現像ロー
ルを用いて、非磁性一成分現像剤による現像と同時に感
光体上の残留現像剤のクリーニングを行う現像方法に関
する。
【0002】
【従来の技術】電子写真装置や静電記録装置などの画像
形成装置は、一般に、感光体上の残留現像剤を除去する
ためのクリーニング装置を備えている。すなわち、電子
写真複写機などの電子写真法を利用した画像形成装置
は、一般に、感光体(静電潜像担持体)、該感光体の表
面を均一に帯電する帯電装置(例えば、コロナ放電装置
や帯電ロール)、均一に帯電した感光体の表面に静電潜
像を書き込む静電潜像形成装置(露光手段;例えば、レ
ーザー照射装置やLEDアレイと光学系とからなる装
置)、現像剤(トナー)によって静電潜像を現像する現
像装置、現像されたトナー像を転写紙などの転写材に転
写する転写装置(例えば、転写ロール、転写ベルト、コ
ロナ放電装置)、転写材上のトナー像を定着させる定着
装置、及び感光体上の残留トナーを除去するクリーニン
グ装置を備えている。
【0003】より具体的に、例えば、図2に断面略図を
示すような構成の画像形成装置が一般に使用されてい
る。この画像形成装置においては、感光体1と、その周
囲に配置されたクリーニングブレード2aを備えたクリ
ーニング装置2、コロナ放電装置からなる帯電装置3、
レーザー照射装置からなる露光装置4、現像装置5、転
写ロールからなる転写装置6、及び定着装置(図示せ
ず)等を備えている。感光体1としては、感光ドラムが
用いられている。現像装置5は、現像ロール8、現像ロ
ール用ブレード9、ケーシング11、及び現像剤供給ロ
ール12を備えており、ケーシング11内には、現像剤
10が収容されている。
【0004】この画像形成装置では、帯電装置3により
所要の帯電が行われた感光体1の表面には、露光装置4
にて選択露光が行われ、静電潜像が形成される。感光体
1上の潜像領域は、現像装置5を用いて現像剤(トナ
ー)により現像される。感光体1上に現像されたトナー
像は、転写装置6により転写紙7上に転写される。転写
工程後、感光体1上に残留したトナーは、クリーニング
装置2のクリーニングブレード2aにより掻き取られて
除去される。しかし、このような構造の画像形成装置に
おいては、クリーニング装置2内に蓄積した残留トナー
を廃棄しなければならないため、メンテナンスが煩雑
で、しかも飛散するトナーにより装置周囲及び環境の汚
染を招くという問題がある。また、感光体1がクリーニ
ングブレード2aとの摩擦により磨耗するため、印字枚
数が増えるにつれて画像形成特性が低下する。さらに、
クリーニング装置2を設置すると、画像形成装置の設計
上の自由度が低下する。
【0005】このような問題を解決するために、一成分
現像剤を用いて同一の現像装置により、現像とクリーニ
ングを同時に行う方法が提案されている(特開昭62−
203182号公報、特開平3−7972公報)。図1
に、このような画像形成装置の一例の断面略図を示す。
図1に示す画像形成装置を用いて、現像とクリーニング
を同時に行う方法においては、転写工程後の感光体1上
の残留トナーを、次のような原理により現像装置5内に
回収する。すなわち、感光体1の未露光部(非潜像領
域)の表面電位をVo、露光部(潜像領域)の表面電位
をVq、現像ロール8に印加される現像バイアス電圧を
Vbとし、また、現像ロール8の表面電位Veを前記現
像バイアス電圧Vbと等しいものとする。感光体1上の
静電潜像は、静電潜像と同一の極性に帯電した一成分現
像剤(トナー)により反転現像される。
【0006】この反転現像において、上記各表面電位
は、式(1) |Vo|>|Ve|>|Vq| (1) の関係を満たすように設定する(ただし、Vo、Ve及
びVqは、同極性)。感光体1の潜像領域では、現像ロ
ール8上のトナーに電位差|Ve−Vq|による感光体
1方向への力が働き、トナーが移動して現像が行われ
る。転写工程の後、次の画像形成工程において、感光体
1上に残留するトナーであって、非潜像領域にあるトナ
ーは、現像工程時に電位差|Vo−Ve|による現像ロ
ール8方向への力が働くことにより回収、すなわちクリ
ーニングされる。この現像と同時クリーニング方法によ
れば、従来のクリーニング装置は不要になる。また、こ
の現像方法では、現像ロール用ブレード(トナー層厚規
制部材)9により、現像ロール8上に均一な厚さの薄い
トナー層を形成させる。トナーとしては、少なくとも結
着樹脂と着色剤を含む着色粒子であって、磁性粉を含有
しない電気抵抗の大きな非磁性一成分現像剤が使用され
る。
【0007】ところが、本発明者らの実験結果による
と、前記方法において、十分な画像濃度を得るために、
電位差|Ve−Vq|を大きくすると、残留トナー回収
のための電位差|Vo−Ve|が小さくなって、クリー
ニングが不完全となり、ゴースト像が現れる。クリーニ
ング性を良くするために、電位差|Vo−Ve|を大き
くすると、現像に必要な電位差|Ve−Vq|が小さく
なるため、満足な画像濃度が得られなくなる。感光体1
上のトナーの転写紙7への転写性が悪く、残留トナー量
が多い場合には、画像濃度とクリーニング性を共に満足
させるために、上記各表面電位Vo、Ve及びVqを適
正に制御するとともに、現像ロール8上に形成されるト
ナー層厚、及び感光体1と現像ロール8との回転比を制
御して、トナーの現像量を適正に保つことにより、転写
後に感光体1上に残留するトナー量を少なくする必要が
ある。しかしながら、これらの適正条件の幅は狭く、制
御は極めて困難であった。
【0008】このような問題を解決するために、転写性
がよい重合トナーを用いる方法が提案されている(特開
平5−188637号公報)。すなわち、少なくとも重
合性単量体と着色剤を含有する重合性単量体組成物を水
系分散媒体中で懸濁重合することにより得られる着色重
合体粒子を現像剤として用いる方法である。しかしなが
ら、重合トナーを用いると、初期の画像特性は良好であ
るが、印字を繰り返すと、感光体1や現像ロール用ブレ
ード9等の表面に、トナーや紙粉などに起因するフィル
ミング現象が起こる。つまり、残留トナーやトナーと紙
粉との混合物などが、感光体や現像ロール用ブレードに
付着すると、印字を繰り返すうちに、やがては、これら
の表面でフィルム化してしまう。その結果、複写物上に
白筋が発生する。また、トナーそのものの粉体流動性が
低下して、印字濃度が低下したり、カブリが発生したり
する。
【0009】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、現像
と同時クリーニング方式による現像方法であって、印字
を繰り返しても、トナーや紙粉等に起因するフィルミン
グ現象が発生し難い非磁性一成分現像剤を用いる現像方
法を提供することにある。本発明者は、前記従来技術の
有する問題点を克服するために鋭意研究を行った結果、
実質的に球形のトナーに研磨剤と流動化剤を添加した非
磁性一成分現像剤を用いる現像方法により前記目的を達
成できることを見いだした。この非磁性一成分現像剤を
用いると、現像と同時クリーニング方式により、感光体
と現像ロールの回転方向を接触部分で同方向にし、現像
ロールの周速が感光体の周速の1.5倍以上で回転させ
る現像方法において、多数回の印字を繰り返しても、画
像品質が安定した画像を得ることができる。
【0010】画像品質が安定した画像を得る上で、研磨
剤の平均粒径を流動化剤の平均粒径の10〜100倍の
範囲内にすることが好ましいことが判明した。研磨剤と
しては、焼成クレー、アルミナなどの無機微粒子、有機
微粒子などが好ましく、無機微粒子は疎水化処理したも
のが好ましい。流動化剤としては、シリカ微粉末などの
無機微粒子が好ましく、疎水化処理したシリカ微粉末な
どが特に好ましい。本発明は、これらの知見に基づいて
完成するに至ったものである。
【0011】
【課題を解決するための手段】かくして、本発明によれ
ば、(1)感光体上の静電潜像と同一極性に帯電した現
像剤を担持する現像ロールを感光体に接触させて配置
し、(2)感光体と現像ロールとの接触部における回転
方向を同方向とし、(3)現像ロールの周速が感光体の
周速の1.5倍以上となるように感光体と現像ロールを
回転させ、(4)感光体の露光領域を現像すると同時に
感光体の非露光領域に付着している残留現像剤を現像ロ
ール側に吸引除去してクリーニングする現像方法におい
て、現像剤として、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含
む着色粒子からなり、(a)体積平均粒径(dv)が2
〜15μmの範囲内で、(b)前記体積平均粒径(d
v)と個数平均粒径(dp)との比(dv/dp)が
1.0〜1.5の範囲内で、かつ、(c)粒子の最長径
(dl)と最短径(ds)との比(dl/ds)が1.
0〜1.3の範囲内である実質的に球形のトナー粒子、
研磨剤、及び流動化剤を含有する混合物からなる非磁性
一成分現像剤を使用することを特徴とする現像方法が提
供される。
【0012】
【発明の実施の形態】
(現像と同時クリーニング方式)従来、トナーは、一般
に結着樹脂と着色剤を含む混合物を溶融混練し、次いで
冷却してから粉砕機で粉砕し、分級して粒径を揃えるこ
とにより調製している。このような粉砕方式により得ら
れるトナーは、粒子形状が不定形であり、粒子の最長径
と最短径との比が一般に1.3を越えるものとなる。上
記のような不定形の粒子形状を持つトナーは、現像と同
時クリーニングを行う現像方式における現像剤として使
用した場合には、転写紙への転写効率が60〜90%と
低いため、画像濃度とクリーニング性を共に満足させる
ための前記各表面電位Vo、Ve及びVq、現像ロール
上に形成されるトナー層厚、及び感光体と現像ロールと
の回転比の適正条件の設定幅が非常に狭くなる。
【0013】一方、懸濁重合法による重合トナーであっ
て、粒子の最長径(dl)と最短径(ds)との比(d
l/ds)が1.0〜1.3の範囲内にある実質的に球
形のトナーを用いると、転写紙への転写効率が90%以
上と高くなり、画像濃度とクリーニング性を共に満足さ
せるための前記各表面電位Vo、Ve及びVq、現像ロ
ール上に形成されるトナー層厚、及び感光体と現像ロー
ルとの回転比の適正条件の設定幅が広くなる。しかしな
がら、重合トナーを用いても、印字を繰り返すことによ
り、感光体表面や現像ブレードへのトナーのフィルミン
グ現象がしばしば発生し、印字に悪影響を与える。流動
化剤として、通常用いられるコロイダルシリカを単独で
重合トナーに添加すると、初期には良好な画質が得られ
るものの、印字を繰り返すにつれてトナーの流動性が低
下し、印字濃度が低下して、カブリも増加する。
【0014】このような現象及び問題点は、現像と同時
クリーニング方式に特有のものである。一般に、電子写
真方式による画像形成装置において、感光体の周囲に配
置されているプロセスユニットには、帯電装置、露光装
置、現像装置、転写装置、クリーニング装置等があり、
これらの装置の多くは、感光体と接触している。しかし
ながら、これらの中で感光体表面と強く摺擦(摺動・摩
擦)しているものは、クリーニング装置だけであり、こ
のクリーニング装置を外してしまうと、感光体上に付着
する残留トナーに由来するフィルミング現象を抑制する
ことが困難になる。
【0015】現像と同時クリーニング方式による現像方
法及び該現像方法を採用した画像形成装置において、フ
ィルミング現象を抑制するには、感光体に対する強い摺
擦部分を設けることが必要となる。そこで、感光体と現
像ロールとの接触部分での回転方向を同一とし、かつ、
現像ロールの周速を感光体の周速に対して1.5倍以上
にすると、当該接触部分が感光体に対する強い摺擦部分
となり、フィルミング現象を抑制することができる。こ
の場合、感光体に対する現像ロールのニップ幅は、1m
m以上とすることが好ましい。ニップ幅がこれより少な
いと摺擦力が弱くなる。現像ロールの表面硬度は、40
以上(JISA硬度)が好ましい。硬度がこれより低い
と摺擦力が弱くなる。感光体の周速に対する現像ロール
の周速の比は、好ましくは1.5〜3.5程度である。
この比率が大きすぎると、感光体を傷つけるおそれが生
じる。
【0016】現像ロールは、少なくとも表面がゴム弾性
体で構成してあり、周方向の表面粗さが10μm以下
で、軸方向の表面粗さが10μm以下であることが好ま
しい。これらの表面粗さが10μmより大きいと、現像
ロール表面の凹凸によるトナー薄層の厚さムラが生じや
すく、かつ、厚さが厚い部分と薄い部分の摩擦帯電性が
異なるため、トナー帯電量にバラつきが生じ、印字品質
が悪化してしまう。現像ロールの表面を構成する弾性体
としては、特に限定されないが、スチレン−ブタジエン
系共重合体ゴム、アクリロニトリル−ブタジエン系共重
合体ゴム、アクリルゴム、エピクロロヒドリンゴム、ウ
レタンゴム、シリコンゴムなどが用いられる。現像ロー
ルの表面粗さを前記範囲とするための手段としては、特
に限定されないが、現像ロールの外周面を円筒切削盤な
どで研磨する方法、表面を研磨した後、ゴム弾性体でコ
ーティングする方法等が用いられる。
【0017】(トナー粒子)ところで、現像と同時クリ
ーニング方式による現像方法や画像形成装置にこのよう
な方法を採用しただけでは、フィルミング現象を十分に
抑制することができず、良好な画質を得ることも困難で
ある。そこで、本発明では、実質的に球形のトナー粒子
と研磨剤と流動化剤を含有する現像剤を使用する。本発
明で使用する実質的に球形のトナーは、通常、懸濁重合
法により製造することができる。懸濁重合法では、一般
に、少なくとも重合性単量体と着色剤とを含有し、必
要に応じて、帯電制御剤、油溶性重合開始剤、分子量調
整剤、架橋性単量体、離型剤などを含有する重合性単量
体組成物(均一混合液)を調製し、この重合性単量体
組成物を、分散安定剤を含有する水系分散媒体中に加
え、高剪断力を有する混合装置を用いて攪拌することに
より微小な液滴に造粒した後、重合性単量体を懸濁重
合して着色重合体粒子からなる重合トナーを製造してい
る。
【0018】重合トナーの製造に用いられる重合性単量
体としては、例えば、スチレン、ビニルトルエン、α−
メチルスチレン等のスチレン系単量体;アクリル酸、メ
タクリル酸;アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、ア
クリル酸プロピル、アクリル酸ブチル、アクリル酸2−
エチルヘキシル、アクリル酸ジメチルアミノエチル、メ
タクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸
プロピル、メタクリル酸ブチル、メタクリル酸2−エチ
ルヘキシル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル、アク
リロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド、
メタクリルアミド等のアクリル酸またはメタクリル酸の
誘導体;エチレン、プロピレン、ブチレン等のエチレン
性不飽和モノオレフィン;塩化ビニル、塩化ビニリデ
ン、フッ化ビニル等のハロゲン化ビニル;酢酸ビニル、
プロピオン酸ビニル等のビニルエステル;ビニルメチル
エーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル;
ビニルメチルケトン、メチルイソプロペニルケトン等の
ビニルケトン;2−ビニルピリジン、4−ビニルピリジ
ン、N−ビニルピロリドン等の含窒素ビニル化合物;等
が挙げられる。これらのビニル系単量体は、単独で用い
てもよいし、複数の単量体を組み合わせて用いてもよ
い。これらのうち、単量体として、スチレン系単量体ま
たはアクリル酸もしくはメタクリル酸の誘導体が、好適
に用いられる。
【0019】着色剤としては、例えば、カーボンブラッ
ク、チタンホワイト、ニグロシンベース、アニリンブル
ー、カルコオイルブルー、クロムイエロー、ウルトラマ
リンブルー、オリエントオイルリッド、フタロシアニン
ブルー、マラカイトグリーンオクサレート等の染・顔料
類、鉄、コバルト、ニッケル、三二酸化鉄、四三酸化
鉄、酸化鉄マンガン、酸化鉄亜鉛、酸化鉄ニッケル等の
磁性粒子を例示することができる。染・顔料類は、重合
性単量体100重量部に対して、通常0.1〜20重量
部、好ましくは1〜10重量部の割合で用いられる。磁
性粒子は、重合性単量体100重量部に対して、通常1
〜100重量部、好ましくは5〜50重量部の割合で用
いられる。
【0020】帯電制御剤としては、各種の正帯電性また
は負帯電性の帯電制御剤を用いることができる。その具
体例としては、例えば、カルボキシル基または含窒素基
を有する有機化合物の金属錯体、含金属染料、ニグロシ
ン等が挙げられる。市販品としては、例えば、スピロン
ブラックTRH(保土ケ谷化学社製)、T−77(保土
ケ谷化学社製)、ボントロンS−34(オリエント化学
社製)、ボントロンE−84(オリエント化学社製)、
ボントロンN−01(オリエント化学社製)、コピーブ
ルー−PR(ヘキスト社製)などを用いることができ
る。帯電制御剤は、重合性単量体100重量部に対し
て、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.03〜
5重量部の割合で用いられる。
【0021】油溶性重合開始剤としては、重合性単量体
に可溶性のものを使用することができる。具体的には、
例えば、4,4−アゾビス(4−シアノ吉草酸)、2,
2−アゾビス(2−アミジノプロパン)二塩酸塩、2,
2−アゾビス−2−メチル−N−1,1−ビス(ヒドロ
キシメチル)−2−ヒドロキシエチルプロピオアミド、
2,2′−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリ
ル)、2,2′−アゾビスイソブチロニトリル、1,
1′−アゾビス(1−シクロヘキサンカルボニトリル)
等のアゾ化合物;メチルエチルパーオキシド、ジ−t−
ブチルパーオキシド、アセチルパーオキシド、ジクミル
パーオキシド、ラウロイルパーオキシド、ベンゾイルパ
ーオキシド、t−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサ
ノエート、ジ−イソプロピルパーオキシジカーボネー
ト、ジ−t−ブチルパーオキシイソフタレート等の過酸
化物類などを例示することができる。また、これら油溶
性重合開始剤と還元剤とを組み合わせたレドックス開始
剤を挙げることができる。これらのうち、油溶性重合開
始剤、特に、10時間半減期の温度が60〜80℃、好
ましくは65〜80℃で、かつ、分子量が250以下の
有機過酸化物から選択される油溶性重合開始剤、特にt
−ブチルパーオキシ−2−エチルヘキサノエートが印字
時の臭気が少ないこと、臭気などの揮発成分による環境
破壊が少ないことから好適である。重合開始剤の使用量
は、重合性単量体100重量部に対して、通常0.1〜
10重量部である。この使用量が0.1重量部未満で
は、重合速度が遅く、10重量部を越えると、反応速度
が制御しにくくなるので、いずれも好ましくない。
【0022】本発明で必要に応じて使用される分子量調
整剤としては、例えば、t−ドデシルメルカプタン、n
−ドデシルメルカプタン、n−オクチルメルカブタン等
のメルカプタン類、四塩化炭素、四臭化炭素等のハロゲ
ン化炭化水素類を例示することができる。これらの分子
量調整剤は、重合開始前または重合の途中で添加するこ
とができる。分子量調整剤は、重合性単量体100重量
部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましくは
0.1〜5重量部の割合で用いられる。
【0023】本発明で必要に応じて使用される架橋性単
量体としては、例えば、ジビニルベンゼン、ジビニルナ
フタレン、及びこれらの誘導体等の芳香族ジビニル化合
物;エチレングリコールジメタクリレート、ジエチレン
グリコールジメタクリレート等のジエチレン性不飽和カ
ルボン酸エステル;N,N−ジビニルアニリン、ジビニ
ルエーテル等のジビニル化合物;3個以上のビニル基を
有する化合物;等を挙げることができる。これらの架橋
性単量体は、それぞれ単独で、あるいは2種以上組み合
わせて用いることができる。これらの架橋性単量体は、
重合開始前または重合の途中で添加することができる。
架橋性単量体は、重合性単量体100重量部に対して、
通常0.1〜5重量部、好ましくは0.1〜2重量部の
割合で用いられる。
【0024】本発明で必要に応じて使用される離型剤と
しては、例えば、低分子量ポリエチレン、低分子量ポリ
プロピレン、低分子量ポリブチレン等の低分子量ポリオ
レフィン類;パラフィンワックス類;などを例示するこ
とができる。離型剤は、単量体100重量部に対して、
通常0.1〜20重量部、好ましくは1〜10重量部の
割合で使用される。着色剤の均一分散化を目的として、
オレイン酸、ステアリン酸等の滑剤、シラン系またはチ
タン系のカップリング剤等の分散助剤を存在させてもよ
い。このような滑剤や分散助剤は、着色剤の重量を基準
として、通常1/1000〜1/1程度の割合で使用さ
れる。
【0025】生成する重合トナーの保存性と定着性のバ
ランスを改善する目的で、重合性単量体組成物中にマク
ロモノマーを含有させることができる。マクロモノマー
は、分子鎖の末端にビニル重合性官能基を有し、数平均
分子量が通常1,000〜30,000のオリゴマーま
たはポリマーである。ビニル重合性官能基としては、ア
クリロイル基、メタクリロイル基などを挙げることがで
きる。マクロモノマーは、重合性単量体を重合して得ら
れる重合体のガラス転移温度(Tg)よりも高いTgを
有するものが好ましい。Tgは、通常のDSC(示差走
査熱量計)により測定される値である。
【0026】マクロモノマーの具体例としては、例え
ば、スチレン、スチレン誘導体、メタクリル酸エステ
ル、アクリル酸エステル、アクリロニトリル、メタクリ
ロニトリル等を単独で、あるいは2種以上を組み合わせ
て重合して得られる重合体、ポリシロキサン骨格を有す
るマクロモノマー、特開平3−203746号公報の第
4〜7頁に開示されているものなどを挙げることができ
る。マクロモノマーは、重合性単量体100重量部に対
して、通常0.01〜10重量部、好ましくは0.03
〜5重量部の割合で用いられる。マクロモノマーの割合
が少なすぎると保存性と定着性のバランスの向上効果が
小さく、多すぎると定着性が低下する。
【0027】重合性単量体組成物と水系分散媒体との割
合は、特に限定はないが、水系分散媒体中での液滴の形
成のしやすさ、並びに重合反応中での粒子の分散安定性
を考慮すると、系中の重合性単量体組成物の割合は、5
〜50重量%程度の範囲が望ましい。液滴の重合は、分
散安定剤を含有する水系分散媒体中にて行う。具体的に
は、ビニル系単量体、架橋性単量体、着色剤、油溶性重
合開始剤、その他の添加剤を混合し、ボールミル等によ
り均一に分散させて均一な混合液を調製し、次いで、こ
の混合液を分散安定剤を含有する水系分散媒体中に投入
し、高剪断力を有する混合装置を用いて攪拌して微小な
液滴に造粒した後、通常、30〜200℃の温度で重合
する。
【0028】分散安定剤としては、難水溶性金属化合物
が好ましい。難水溶性金属化合物としては、硫酸バリウ
ム、硫酸カルシウムなどの硫酸塩;炭酸バリウム、炭酸
カルシウム、炭酸マグネシウムなどの炭酸塩、リン酸カ
ルシウムなどのリン酸塩;酸化アルミニウム、酸化チタ
ン等の金属酸化物;水酸化アルミニウム、水酸化マグネ
シウム、水酸化第二鉄等の金属水酸化物;等を挙げるこ
とができる。これらのうちでも、難水溶性の金属水酸化
物コロイドを分散安定剤として含有する水系分散媒体を
用いることが好ましい。難水溶性の金属水酸化物コロイ
ドは、生成する着色重合体粒子の粒径分布を狭くするこ
とができ、それによって、画像の鮮明性が向上するので
好適である。重合反応終了後、通常行う酸洗いや水洗い
などの洗浄処理により、着色重合体粒子の表面に残留し
ている難水溶性水酸化金属塩を除去し、次いで、脱水、
乾燥することにより重合トナーを得ることができる。
【0029】難水溶性の金属水酸化物コロイドを含有す
る水系分散媒体としては、水溶性の多価金属化合物の水
溶液に、アルカリ金属水酸化物の水溶液を滴下して、系
のpHを7以上に調整することによって得られる難水溶
性の金属水酸化物コロイドを含有する水系分散媒体を用
いることが好ましい。分散安定剤は、重合性単量体10
0重量部に対して、通常0.1〜20重量部の割合で使
用する。この割合が0.1重量部より少ないと、十分な
重合性単量体組成物の液滴分散安定性を得ることが困難
であり、着色重合体粒子の凝集物が生成しやすくなる。
この割合が20重量部を超えると、水系分散媒体の粘度
が上昇し、着色重合体粒子の粒径分布が広くなるので、
適正な範囲の粒径を有する重合トナーの収率が低下す
る。水溶性多価金属塩とアルカリ金属水酸化物との反応
比率は、水溶性多価金属塩に対するアルカリ金属水酸化
物の化学当量比Aで表すと、0.4≦A≦1.0の範囲
である。
【0030】本発明においては、必要に応じて、分散安
定剤として水溶性高分子を用いることができる。水溶性
高分子としては、例えば、ポリビニルアルコール、メチ
ルセルロース、ゼラチン等を例示することができる。界
面活性剤は、特に使用する必要はないが、重合トナーの
帯電特性の環境依存性が大きくならない範囲で、懸濁重
合を安定に行うために使用することができる。重合性単
量体組成物を、分散安定剤を含有する水系分散媒体中に
小粒径の液滴として分散させるためには高剪断の撹拌が
必要であるが、これは、任意のホモミキサー、ホモジナ
イザー等により行うことができ、その剪断力は、単に所
望の液滴粒径の範囲に造粒される程度の力をかければ充
分である。
【0031】本発明で使用するトナーは、(a)体積平
均粒径(dv)が2〜15μmの範囲内で、(b)前記
体積平均粒径(dv)と個数平均粒径(dp)との比
(dv/dp)が1.0〜1.5の範囲内で、かつ、
(c)粒子の最長径(dl)と最短径(ds)との比
(dl/ds)が1.0〜1.3の範囲内である実質的
に球形のトナー粒子である。本発明で使用するトナー粒
子の体積平均粒径は、2〜15μm、好ましくは3〜1
0μmである。トナー粒子の平均粒径が大きすぎると、
画像の解像度が低下する傾向がみられる。本発明で使用
するトナー粒子の分子量分布すなわち体積平均粒径(d
v)/個数平均粒径(dp)は、1.0〜1.5の範囲
内である。分子量分布が大きすぎると、画質が低下し、
あるいは粗大粒子や微細粒子を分級して除去するとトナ
ー粒子の収率が低下する。本発明で使用するトナー粒子
は、その最長径dlと最短径dsとの比(dl/ds)
が1.0〜1.3、好ましくは0.1〜1.2である。
この比が大きくなると、画像の解像度や転写性が低下
し、クリーニング不良によるポジ画像が発生しやすい。
本発明では、このような実質的に球形のトナー粒子と研
磨剤と流動化剤とを含む混合物を現像剤として使用す
る。本発明の現像剤は、研磨剤や流動化剤を混合したも
のであるが、非磁性一成分現像方式に適用される現像剤
であって、主たる成分がトナー粒子である点で、非磁性
一成分現像剤ということができる。
【0032】(研磨剤)研磨剤としては、例えば、酸化
セリウム、酸化クロム、酸化アルミニウム(アルミ
ナ)、酸化チタン、酸化マグネシウム、炭化ケイ素、炭
化タングステン、窒化ケイ素、ケイ酸ナトリウム、ケイ
酸カリウム、ケイ酸カルシウム、ケイ酸マグネシウム、
ケイ酸亜鉛、ケイ酸アルミニウム(焼成クレー)、硫酸
カルシウム、硫酸バリウム、硫酸アルミニウム、炭酸カ
ルシウム等の無機微粒子、及びこれらの無機微粒子をシ
リコーンオイルやシランカップリング剤などで疎水化処
理したものを挙げることができる。また、研磨剤とし
て、例えば、シリコン系重合体、トリアジン系重合体、
スチレン系重合体、(メタ)アクリル酸エステル系重合
体、(メタ)アクリル酸エステル−スチレン共重合体、
スチレン系重合体/(メタ)アクリル酸エステル系重合
体が、コア/シェルまたはシェル/コア構造の重合体な
どの有機微粒子を挙げることができる。
【0033】研磨剤の平均粒径は、通常0.01〜10
μm、好ましくは0.1〜3μmである。研磨剤の平均
粒径は、透過型電子顕微鏡(TEM)写真像から求める
ことができる。研磨剤の平均粒径は、流動化剤の平均粒
径に対して、10〜100倍の範囲内にあることが好ま
しい。この粒径比が10より小さいと研磨効果が小さ
く、100以上であるとトナー粒子の流動性が低下し、
印字濃度が低下する。研磨剤の配合割合は、トナー粒子
100重量部に対して、通常0.01〜15重量部、好
ましくは0.1〜5重量部である。この配合割合が小さ
すぎると研磨効果が小さく、フィルミング現象を効果的
に抑制することが困難となり、大きすぎるとトナー粒子
の現像ロールに対する摩擦帯電性が低下したり、感光体
を傷つけて転写性が低下することがある。
【0034】(流動化剤)本発明では、トナー粒子の流
動性と摩擦帯電性を改善し、転写性を向上させるため
に、流動化剤を配合する。流動化剤は、前記研磨剤と共
にトナー粒子の研磨作用をも有しており、それによっ
て、感光体上へのトナーフィルムの形成を抑制し、転写
性を高めることができる。本発明で使用する流動化剤と
しては、例えば、シリカ、チタニア、アルミナ、酸化カ
ルシウム、酸化マグネシウム、酸化バリウム、酸化ベリ
リウム、酸化亜鉛、酸化スズなどの金属酸化物の微粒
子、あるいはこれらの金属酸化物微粒子の表面を疎水化
処理したものを挙げることができる。特に、疎水化処理
剤により疎水化処理した無機微粒子は、耐湿性が向上
し、高湿雰囲気下でも安定した流動化作用を得ることが
できる。これらの中でも、特に、コロイダルシリカ(気
相法で製造されるシリカ微粒子)が好ましく用いられ
る。コロイダルシリカとしては、オクチルシランやヘキ
サメチルジシラザン、シリコーンオイルなどの疎水化剤
により表面を疎水化処理したものが好ましい。
【0035】流動化剤である無機微粒子の疎水化処理剤
としては、前記のもの以外に、例えば、オクチルトリメ
トキシシラン、オクチルトリクロルシラン、デシルトリ
クロルシラン、ノニルトリクロルシラン、(4−イソプ
ロピルフェニル)トリクロルシラン、(4−t−ブチル
フェニル)トリクロルシラン、ジペンチルジクロルシラ
ン、ジヘキシルジクロルシラン、ジオクチルジクロルシ
ラン、ジノニルジクロルシラン、ジデシルジクロルシラ
ン、ジドデシルジクロルシラン、(4−t−ブチルフェ
ニル)オクチルジクロルシラン、デセニルジクロルシラ
ン、ジノネニルジクロルシラン、ジ−2−エチルヘキシ
ルジクロルシラン、ジ−3,3−ジメチルペンチルジク
ロルシラン、トリヘキシルクロルシラン、トリオクチル
クロルシラン、トリデシルクロルシラン、ジオクチルメ
チルクロルシラン、オクチルジメチルクロルシラン、
(4−イソプロピルフェニル)ジエチルクロルシランな
どを挙げることができる。疎水化処理は、常法によっ
て、無機微粒子と疎水化処理剤とを高温で反応させるこ
とにより行うことができる。
【0036】流動化剤の配合割合は、トナー粒子100
重量部に対して、通常0.01〜10重量部、好ましく
は0.1〜5重量部である。この配合割合が小さすぎる
と配合による流動性改善効果が小さく、大きすぎるとト
ナー粒子の現像ロールや現像ブレードに対する摩擦帯電
性が低下し、カブリを生じ易くなる。流動化剤は、一次
粒子の平均粒子径が5〜500nm、好ましくは8〜2
0nmの範囲のものが用いられる。ここで、一次粒子と
は、個々の単位粒子に分離した状態の粒子をいい、その
平均粒子径は、例えば、透過型電子顕微鏡(TEM)写
真像から求めることができる。本発明では、一次粒子の
平均粒子径が30〜500nm、好ましくは30〜30
0nmのシリカ微粒子0.1〜5重量部、好ましくは
0.2〜4重量部、より好ましくは0.3〜2重量部、
及び一次粒子の平均粒子径が5〜20nm、好ましくは
8〜20nmのシリカ微粒子0.1〜5重量部、好まし
くは0.2〜4重量部、より好ましくは0.3〜2重量
部を併用することが好ましい場合がある。
【0037】(画像形成装置)本発明の現像剤が用いら
れる画像形成装置は、感光体、感光体の表面を帯電する
手段、感光体の表面に静電潜像を形成する手段、前記重
合法トナーを収容する手段、該重合法トナーを供給し感
光体表面の静電潜像を現像してトナー像を形成する手
段、及び該トナー像を感光体表面から転写材に転写する
手段とを有するものである。本発明で使用される画像形
成装置について、図面に示す実施態様に基づき詳細に説
明する。図1に示すように、画像形成装置には、感光体
としての感光ドラム1が矢印A方向に回転自在に装着し
てある。感光ドラム1は、導電性支持ドラム体の外周面
に光導電層を設けたものである。光導電層は、例えば、
有機系感光体、セレン感光体、酸化亜鉛感光体、アモル
ファスシリコン感光体などで構成される。感光ドラム1
の周囲には、その周方向に沿って、帯電手段としてコロ
ナ放電装置3、潜像形成手段としてのレーザー光照射装
置4、現像手段として現像ロール8、転写手段として転
写ロール6が配置されている。
【0038】コロナ放電装置3は、コロナ放電により感
光ドラム1の表面をプラスまたはマイナスに一様に帯電
するためのものである。コロナ放電装置3は、帯電ロー
ルに替えてもよく、その場合には、帯電ロールに電圧を
印加し、かつ、帯電ロールを感光ドラムに接触させるこ
とにより、感光ドラムの表面を帯電させる。レーザー光
照射装置4は、画像信号に対応した光を感光ドラム1の
表面に照射し、一様に帯電された感光ドラム1の表面に
所定のパターンで光を照射して、光が照射された部分に
静電潜像を形成する(反転現像の場合)か、あるいは光
が照射されない部分に静電潜像を形成する(正規現像の
場合)ためのものである。その他の潜像形成手段として
は、LEDアレイと光学系とから構成されるものが挙げ
られる。
【0039】現像ロール8は、感光ドラム1の静電潜像
に現像剤(トナー)を付着させるためのものであり、反
転現像においては光照射部にのみ現像剤を付着させ、正
規現像においては、光非照射部にのみ現像剤を付着させ
るように、現像ロール8と感光ドラム1との間にバイア
ス電圧が印加される。現像ロール8の隣には、トナー1
0が収容されるケーシング11内に、現像ロール8と現
像剤供給ロール12が設けられている。現像ロール8
は、感光ドラム1に一部接触するように近接して配置さ
れ、感光ドラム1と反対方向Bに回転するようになって
いる。供給ロール12は、現像ロール8に接触して現像
ロール8と同じ方向Cに回転し、現像ロール8の外周に
現像剤を供給するようになっている。
【0040】現像ロール8の周囲において、供給ロール
12との接触点から感光ドラム1との接触点までの間の
位置に、層厚規制手段としての現像ロール用ブレード9
が配置してある。このブレード9は、導電性ゴムやステ
ンレス鋼で構成されており、トナー粒子への電荷注入を
行うため、通常、|200V|〜|600V|の電圧が
印加されている。そのために、ブレード9の電気抵抗率
は、10の6乗Ωcm以下であることが好ましい。画像
形成装置のケーシング11には、本発明の非磁性一成分
現像剤10が収容されている。この現像剤は、実質的に
球形のトナー粒子と研磨剤と流動化剤を含有するもので
ある。トナー粒子は、粒径分布が比較的シャープである
ので、現像ロール8上に層を形成したときに、層厚規制
手段9によって実質的に一層にすることができ、それに
よって、再現性に優れた画像を形成することができる。
【0041】転写ロール6は、現像ロール8により形成
された感光ドラム1表面のトナー像を転写材7に転写す
るためのものである。転写材としては、紙、OHPシー
ト等が挙げられる。転写手段としては、転写ロール以外
に、コロナ放電装置や転写ベルトなどを挙げることがで
きる。転写材に転写されたトナー像は、定着手段によっ
て、転写材に固定される。定着手段は、通常、加熱手段
と圧着手段とからなる。転写材に転写されたトナー粒子
を加熱手段により加熱して溶融させ、溶融したトナー粒
子を圧着手段により転写材の表面に押し付けて固定す
る。
【0042】
【実施例】以下に実施例及び比較例を挙げて、本発明を
更に具体的に説明するが、本発明は、これらの実施例の
みに限定されるものではない。なお、部及び%は、特に
断りのない限り重量基準である。
【0043】実施例及び比較例における物性の測定方法
は、以下のとおりである。 (1)トナー粒子の粒径 着色重合体粒子の体積平均粒径(dv)、及び粒径分布
すなわち体積平均粒径(dv)と個数平均粒径(dp)
との比(dv/dp)は、マルチサイザー(コールター
社製)により測定した。マルチサイザーによる測定は、
アパーチャー径=50μm、媒体=イソトンII、濃度
=10%、測定粒子個数=50,000個の条件で行っ
た。 (2)トナー粒子の体積固有抵抗 トナー粒子の体積固有抵抗は、誘電体損測定器(商品
名:TRS−10型、安藤電気社製)を用い、温度30
℃、周波数1kHzの条件下で測定した。 (3)トナー粒子の形状の評価 トナー粒子の形状は、走査型電子顕微鏡で写真を撮り、
その写真をネクサス9000型の画像処理装置で読み込
み、トナーの長径を短径で割った値(dl/ds)を測
定した。この時のトナー粒子の測定個数は、1000個
であった。
【0044】(4)初期画質の評価 ・感光体カブリの測定 感光体ドラム上のカブリの部分の現像剤をメンディング
テープで紙に転写し、白色度計で測定した反射率の値
を、メンディングテープだけを紙に貼った時の反射率を
白色度計で測定した値から引いた値で、5%以下の現像
剤を○、10%以下を△、10%超過を×と評価した。 ・画像濃度(ID)の測定 画像濃度(ID)の評価は、マクベス反射濃度計を用い
て「黒ベタ部」を測定することにより行い、1.4以上
を○、1.3以上を△、1.3未満を×と評価した。 (5)連続印字評価 図1に示す画像形成装置(プリンター)で初期から連続
印字を行い、印字濃度が反射濃度計(マクベス製)で
1.35以上、非画像部のカブリが白色度計(日本電色
製)で10%以下で1万枚以上継続できる現像剤を○、
5千枚以上継続できる現像剤を△、5千枚以上継続でき
ない現像剤を×と評価した。
【0045】〔実施例1〕スチレン70部及びn−ブチ
ルメタクリレート30部からなる単量体成分と、カーボ
ンブラック(キャボット社製、商品名モナーク120)
7部、帯電制御剤(保土ケ谷化学社製、商品名スピロン
ブラックTRH)0.5部、ジビニルベンゼン0.3
部、t−ドデシルメルカプタン1.0部、及びt−ブチ
ルパーオキシ−2−エチルヘキサノエート4部を室温の
ビーズミルで分散を行い、均一混合液を得た。他方、イ
オン交換水250部に塩化マグネシウム(水溶性多価金
属塩)9.8部を溶解した水溶液に、イオン交換水50
部に水酸化ナトリウム(アルカリ金属水酸化物)6.9
部を溶解した水溶液を撹拌下徐々に滴下して、水酸化マ
グネシウムコロイド(難水溶性の金属水酸化物コロイ
ド)の分散液を調製した。
【0046】上記により得られた水酸化マグネシウムコ
ロイド分散液に、上記重合性単量体組成物を投入し、T
K式ホモミキサーを用いて12000rpmの回転数で
高剪断撹拌して、重合性単量体組成物の液滴を造粒し
た。この造粒した重合性単量体組成物の水分散液を、撹
拌翼を装着した反応器に入れ、90℃で重合反応を開始
させ、8時間重合した後、冷却し、着色重合体粒子の水
分散液を得た。上記により得た着色重合体粒子の水分散
液を撹拌しながら、硫酸により系のpHを4以下にして
酸洗浄を行い、濾過により水を分離した後、新たにイオ
ン交換水500部を加えて再スラリー化し、水洗浄を行
った。その後、脱水と水洗浄を数回繰り返し行って、固
形分を濾過分離した後、乾燥機にて45℃で1昼夜乾燥
を行い、着色重合体粒子(重合トナー粒子)を得た。着
色重合体粒子の体積平均粒径は6.5μmであり、体積
平均粒径(dv)/個数平均粒径(dp)は1.28、
dl/dsは1.1とほぼ球形であった。
【0047】研磨剤として、焼成クレー(ケイ酸アルミ
ニウム、エンゲルハード社製、サチントンNo.5)1
00重量部にジメチルシロキサンオイル(東芝シリコー
ン社製、商品名TSF451−50)を1重量部添加
し、ヘンシェルミキサーで混合した後、150℃で2時
間硬化あるいは湿潤させ、疎水化処理を行うことにより
調製した。この研磨剤の粒径は0.8μmであった。上
記により得られた重合トナー粒子100部に、上記の疎
水化処理無機微粉体0.5重量部とコロイダルシリカ
(商品名:R202 日本アエロジル社製、粒径14n
m)0.5部とを添加し、ヘンシェルミキサーを用いて
混合し、現像剤を得た。上記により得られた現像剤を、
感光体と現像ロールとの接触部分で同一方向に回転し、
感光体の周速に対して、現像ロールの周速が1.8倍で
ある非磁性1成分接触現像クリーナーレス方式の負帯電
プリンターで印字評価したところ、初期において良好な
画質が得られた。さらに、10000枚の連続印字評価
を行ったところ、カブリのない良好な画質が得られ、フ
ィルミングも発生しなかった。この結果を表1に示し
た。
【0048】〔実施例2〕実施例1において、研磨剤と
して焼成クレーの代わりに、アルミナ(日本軽金属社
製、商品名A33F)を用い、疎水化処理は実施例1と
同様に行った。このアルミナの粒径は0.7μmであっ
た。実施例1で得られた重合トナー粒子100部に、上
記の疎水化処理無機微粉体0.5重量部とコロイダルシ
リカ(商品名:R202 日本アエロジル社製)0.5
部とを添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、現
像剤を得た。上記により得られた現像剤を、実施例1で
行ったのと同様に印字評価をしたところ、初期において
良好な画質が得られた。10000枚の印字評価を行っ
たところ、カブリのない良好な画質が得られ、フィルミ
ングも発生しなかった。この結果を表1に示した。
【0049】〔実施例3〕実施例1において、研磨剤と
して疎水化処理した焼成クレーの代わりに、有機微粒子
(綜研化学社製、商品名MP−1000)0.5部とし
た以外は実施例1と同様にして現像剤を得た。この有機
微粒子の粒径は0.4μmであった。上記により得られ
た現像剤を実施例1と同様に印字評価した。結果を表1
に示した。
【0050】〔比較例1〕実施例1において、疎水化処
理した焼成クレーを使用しなかった以外は、実施例1と
同様にして現像剤を得た。上記により得られた現像剤を
非磁性1成分接触現像クリーナーレス方式の負帯電プリ
ンターで印字評価したところ、初期において良好な画質
が得られた。さらに、10000枚の印字評価を行った
ところ、感光体カブリが増加し、良好な画質は得られ
ず、3000枚で感光体にフィルミングし、印字上に白
い線が現れた。結果を表1に示した。
【0051】〔比較例2〕実施例1において、コロイダ
ルシリカを使用しなかった以外は、実施例1と同様にし
て現像剤を得た。上記により得られた現像剤を実施例1
と同様に印字評価したところ、初期において印字濃度が
低く、カブリのある画質となり、良好な画質が得られな
かった。その結果を表1に示した。
【0052】〔比較例3〕スチレン系樹脂(三洋化成社
製、商品名SBM−600)100部、カーボンブラッ
ク(キャボット社製、商品名モナーク120)7部、帯
電制御剤(保土ケ谷化学社製、商品名スピロンブラック
TRH)0.5部、これらの成分を配合、混練、粉砕
し、分級して黒色のトナーを得た。このようにして得ら
れたトナー粒子100部に疎水化処理したコロイダルシ
リカ(商品名:R202日本アエロジル社製)0.5部
と実施例1にて得られた疎水化処理した焼成クレー0.
5部を添加し、ヘンシェルミキサーを用いて混合し、現
像剤を得た。上記により得られた現像剤を実施例1と同
様に印字評価したところ、初期において画像濃度は高か
ったが、感光体カブリが多く、また、転写残りによるメ
モリが発生しており、良好な画質は得られなかった。結
果を表1に示す。
【0053】
【表1】
【0054】〔実施例4〕実施例1において得られた現
像剤を、感光体と現像ロールとの接触部分で同一方向に
回転し、感光体の周速に対して、現像ロールの周速が
2.5倍である非磁性1成分接触現像クリーナーレス方
式の負帯電プリンターで、印字評価したところ、初期に
おいて良好な画質が得られた。さらに、10000枚の
連続印字評価を行ったところ、カブリのない良好な画質
が得られ、フィルミングも発生しなかった。この結果を
表2に示した。
【0055】〔比較例4〕感光体の周速に対して、現像
ロールの周速を1.3倍とした以外は、実施例4と同じ
に印字評価を行った。この結果を表2に示した。
【0056】
【表2】
【0057】
【発明の効果】本発明によれば、現像と同時クリーニン
グ方式による現像方法であって、印字を繰り返しても、
トナーや紙粉等に起因するフィルミング現象が発生し難
い非磁性一成分現像剤を用いた現像方法が提供される。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明で使用する画像形成装置の一例を示す断
面図。
【図2】クリーニング装置を備えた画像形成装置の一例
を示す断面図。
【符号の説明】
1 感光体 2 クリーニング装置 2a クリーニングブレード 3 帯電装置(コロナ放電装置) 4 露光装置(レーザー光照射装置) 5 現像装置 6 転写ロール 7 転写材(転写紙) 8 現像ロール 9 現像ロール用ブレード 10 現像剤 11 ケーシング 12 現像剤供給ロール

Claims (1)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 (1)感光体上の静電潜像と同一極性に
    帯電した現像剤を担持する現像ロールを感光体に接触さ
    せて配置し、(2)感光体と現像ロールとの接触部にお
    ける回転方向を同方向とし、(3)現像ロールの周速が
    感光体の周速の1.5倍以上となるように感光体と現像
    ロールを回転させ、(4)感光体の露光領域を現像する
    と同時に感光体の非露光領域に付着している残留現像剤
    を現像ロール側に吸引除去してクリーニングする現像方
    法において、 現像剤として、少なくとも結着樹脂と着色剤とを含む着
    色粒子からなり、(a)体積平均粒径(dv)が2〜1
    5μmの範囲内で、(b)前記体積平均粒径(dv)と
    個数平均粒径(dp)との比(dv/dp)が1.0〜
    1.5の範囲内で、かつ、(c)粒子の最長径(dl)
    と最短径(ds)との比(dl/ds)が1.0〜1.
    3の範囲内である実質的に球形のトナー粒子、研磨剤、
    及び流動化剤を含有する混合物からなる非磁性一成分現
    像剤を使用することを特徴とする現像方法。
JP2843897A 1997-01-28 1997-01-28 現像方法 Pending JPH10213970A (ja)

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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
Publication number Priority date Publication date Assignee Title
JP2008139437A (ja) * 2006-11-30 2008-06-19 Fuji Xerox Co Ltd 画像形成装置
JP2014219583A (ja) * 2013-05-09 2014-11-20 富士ゼロックス株式会社 静電荷像現像剤、プロセスカートリッジ、画像形成方法、及び、画像形成装置
JP2017097161A (ja) * 2015-11-24 2017-06-01 キヤノン株式会社 画像形成方法

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