JP2002278144A - 画像形成方法 - Google Patents

画像形成方法

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JP2002278144A
JP2002278144A JP2001075646A JP2001075646A JP2002278144A JP 2002278144 A JP2002278144 A JP 2002278144A JP 2001075646 A JP2001075646 A JP 2001075646A JP 2001075646 A JP2001075646 A JP 2001075646A JP 2002278144 A JP2002278144 A JP 2002278144A
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composite oxide
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forming method
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JP2001075646A
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Takeshi Takiguchi
剛 瀧口
Tsutomu Kukimoto
力 久木元
Masanori Ito
雅教 伊藤
Keiji Kawamoto
恵司 河本
Michihisa Magome
道久 馬籠
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Abstract

(57)【要約】 【課題】 環境に左右されることなく、カブリの低減、
解像性、転写性、トナーの回収性向上による帯電ムラの
抑制、さらには耐久性をも大きく向上しうる画像形成方
法を提供することである。 【解決手段】 少なくとも静電荷像担持体を帯電する帯
電工程と、光エネルギーの照射により該電荷像担持体上
に静電潜像を形成する露光工程と、該静電荷像担持体上
の静電潜像と現像剤担持体に薄層コートされた現像剤と
を接触させて現像する現像工程と、潜像上に現像された
現像剤を転写材に転写する転写工程を有する画像形成方
法において、該現像剤が、少なくとも結着樹脂及び着色
剤を含有するトナーを有し、該着色剤として、少なくと
も表面が有機化合物により処理されている複合酸化物が
使用され、該複合酸化物が少なくともFe及びMnを含
有しており、該複合酸化物中におけるMnの含有量が、
該複合酸化物中の全Fe量に対して2〜55原子%であ
ることを特徴とする。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法または
静電記録法において、静電荷潜像を顕像化するための電
子写真用画像形成方法に関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては、米国特許第
2297691号明細書、特公昭42−23910号公
報および特公昭43−24748号公報等に記載されて
いる如く多数の方法が知られているが、一般には光導電
性物質を利用し、種々の手段により感光体上に電気的潜
像を形成し、次いで該潜像をトナーを用いて現像し、必
要に応じて直接的あるいは間接的手段を用い、紙等の転
写材にトナー画像を転写した後、加熱、加圧、あるいは
溶剤蒸気などにより定着し印刷物等を得るものであり、
そして感光体上に転写せずに残った未転写トナーは種々
の方法でクリーニングされ、上述の工程が繰り返され
る。
【0003】電気的潜像をトナーにより可視化する方法
としては、カスケード現像法、キャリアと混合して使用
される磁気ブラシ現像法、非磁性一成分現像方法、加圧
現像方法等が知られている。さらには、磁性トナーを用
い、中心に磁極を配した回転スリーブを用い感光体上と
スリーブ上の間を電界にて飛翔させる磁性一成分現像方
法も用いられている。いずれに用いられるトナーも、ス
リーブあるいはキャリア等の帯電付与部材との摩擦帯電
により帯電されて用いられる。
【0004】近年、プリンターあるいは複写機等、電子
写真法による画像形成装置においては、技術の方向とし
て、より高解像度となってきており、現像方式において
もこれに伴って、より高精細が要求されてきている。ま
た、複写機においては高機能化が進んでおり、そのため
プリンターと同様デジタル化の方向に進みつつある。こ
の方向は、静電荷像をレーザーで形成する方法が主であ
るため、やはり高解像度の方向に進んでおり、ここでも
プリンターと同様に高解像・高精細の現像方式が要求さ
れてきている。
【0005】特に近年、電子写真式カラー画像形成装置
が広く普及するに従い、その用途も多種多様に広がり、
その画像品質への要求も厳しくなってきている。一般の
写真、カタログ、地図の如き画像の複写では、微細な部
分に至るまで、つぶれたり、とぎれたりすることなく、
極めて微細且つ忠実に再現することが求められている。
【0006】最近の、デジタルな画像信号を使用してい
る電子写真方式の画像形成装置では、潜像は一定電位の
ドットが潜像担持体、所謂感光体の表面に集まって形成
されており、ベタ部、ハーフトーン部及びライン部はド
ット密度をかえることによって表現されている。しかし
ながらこの方法では、ドットに忠実にトナー粒子がのり
にくく、ドットからトナー粒子がはみ出した状態とな
り、デジタル潜像の黒部と白部のドット密度の比に対応
するトナー画像の階調性が得られないという問題が起こ
り易い。更に、画質を向上させるために、ドットサイズ
を小さくして解像度を向上させる場合には、微小なドッ
トから形成される潜像の再現性が更に困難になり、解像
度及び特にハイライト部の階調性の悪い、シャープネス
さに欠けた画像となる傾向がある。
【0007】さて、このような電子写真法での帯電手段
としては、所謂コロトロン、スコロトロンと呼ばれるコ
ロナ放電を利用した手段が用いられていたが、コロナ放
電特に負コロナを生成する際に多量のオゾンを発生する
ことから、電子写真装置にオゾン捕獲のためのフィルタ
を具備する必要性があり、装置の大型化又は、ランニン
グコストがアップするなどの問題点があった。また、こ
ういったコロナ帯電方法によって引き起こされる画像上
の問題点としては、たとえば、窒素酸化物等の付着によ
り感光体表面抵抗が低くなることで生じる所謂画像流
れ、あるいは、電子写真装置が停止中に帯電器内に残存
するイオンが原因となる感光体のメモリ現象等が挙げら
れる。このような問題点を解決するための技術として、
ローラー又は、ブレードなどの帯電部材を感光体表面に
接触させることにより(本書では以後、「直接帯電」と
呼ぶ)、その接触部分近傍に狭い空間を形成し所謂パッ
シェンの法則で解釈できるような放電を形成させて、オ
ゾン発生を極力抑さえた帯電方法が開発され、例えば、
特開昭57−178257号、特開昭56−10435
1号、特開昭58−4056号、特開昭58−1391
56号、特開昭58−150975号公報で公知技術と
なっている。これらの中でも特に、帯電の安定性という
点から、帯電部材として帯電ローラーを用いた帯電方式
が好ましく用いられている。
【0008】コロナ放電よりも直接帯電の方がオゾン発
生量が少ない理由としては、その放電領域の違いによる
感光体表面の帯電機構が異なるためと考えられる。コロ
ナ放電では、放電領域で空気分子が電離してイオンとし
て感光体表面の帯電をつかさどると考えられるのに対し
て、直接帯電では、その放電領域において電子の増倍作
用により多数の電子が感光体表面に到達することにより
帯電される。
【0009】しかしながら、直接帯電においても、すで
に述べたコロナ帯電方法での問題点とは別の解決すべき
問題点があることがわかった。
【0010】具体的には、直接帯電は帯電部材から感光
体等の被帯電体への放電によって行なわれるため、帯電
が開始されるには、ある閾値電圧以上の電圧を印加する
必要のあることが挙げられる。例えば感光層の厚さが2
5μmのOPC感光体に対して帯電ローラーを当接させ
た場合には、約640V以上の電圧を印加すれば感光体
の表面電位が上昇し始め、それ以降は印加電圧に対して
傾き1で線形に感光体表面電位が増加する。以後この
「閾値電圧」を帯電開始電圧Vthと定義する。つま
り、感光体表面電位Vdを得るためには、帯電ローラー
にはVd+Vthという、必要とされる以上のDC電圧
が必要となる。また環境変動等によって接触帯電部材の
抵抗値が変動するため、感光体の電位を所望の値にする
ことが難しかった。
【0011】そこで、更なる帯電の均一化を図るため
に、所望のVdに相当するDC電圧に2×Vth以上の
ピーク間電圧を持つAC成分を重畳した電圧を接触帯電
部材に印加するAC帯電方式が特開昭63−14966
9号公報に開示されている。これは、ACによる電位の
ならし効果を目的としたものであり、被帯電体の電位は
AC電圧のピークの中央であるVdに収束し、環境等の
外乱からの影響をかなり抑えることが可能となる。
【0012】しかしながら、このような接触帯電装置に
おいても、その本質的な帯電機構は、帯電部材から感光
体への放電現象を用いているため、先に述べたように帯
電に必要とされる電圧は感光体表面電位以上の値が必要
とされる。また、帯電均一化のためにAC帯電を行なっ
た場合には、AC電圧の電界による帯電部材と感光体の
振動、騒音(以下「AC帯電音」と称す)の発生、ま
た、AC電圧重畳の分だけ放電による感光体表面の劣化
等が顕著になり、新たな問題点となっていた。
【0013】加えて、オゾンの発生を低下させるために
は、本来、DC電圧のみの印可で帯電を行うことが好ま
しいが、DCのみの帯電では、前述の如く環境変動等の
影響を受けやすいことに加え、非画像部に現像されるト
ナー、いわゆるカブリトナーや転写残トナーなどがクリ
ーニング手段をすり抜けると、帯電部材の汚染が生じ、
帯電むらが生じやすいという欠点があった。
【0014】すなわち、感光体の劣化やオゾン発生の低
下を目的として直接帯電プロセスを適用する場合、カブ
リトナーと転写残トナーを極力無くすことが必須技術と
なる。
【0015】一方、現像工程で感光体上に形成されたト
ナー像が転写工程で転写材に転写される際、上述したよ
うに感光体上に転写残トナーが残る場合は、クリーニン
グ工程でクリーニングされ、廃トナー容器に蓄えられる
必要が出てくる。このクリーニング工程については、従
来ブレードクリーニング、ファーブラシクリーニング、
ローラークリーニング等が用いられていた。いずれの方
法も力学的に転写残余のトナーを掻き落とすか、または
せき止めて廃トナー容器へと捕集されるものであった。
よって、このような部材が感光体表面に押し当てられる
ことに起因する避けがたい問題が生じていた。例えば、
部材を強く押し当てることにより感光体を摩耗させ感光
体が短命化することが挙げられる。装置面からみると、
かかるクリーニング装置を具備するために装置が必然的
に大きくなり装置のコンパクト化を目指すときのネック
になっていた。さらには、エコロジーの観点より、トナ
ーの有効活用と言う意味で廃トナーのでないシステムが
望まれている。
【0016】ここで、クリーナレスに関連する技術の開
示を行っているものに、特開昭59−133573号、
特開昭62−203182号、特開昭63−13317
9号、特開昭64−20587号、特開平2−3027
72号、特開平5−2289号、特開平5−53482
号、特開平5−61383号公報等があるが、望ましい
トナー構成については言及されていなかった。
【0017】更に、本質的にクリーニング装置を有さな
い現像同時クリーニング構成では、カブリトナーや転写
残トナーはそのまま帯電部材と感光体間を通過するた
め、先述したように帯電部材を汚染しやすく、帯電部材
の抵抗が不均一となり、ハーフトーン画像部において極
端な濃度むらの原因となる帯電むらが起こりやすい。加
えて、この構成においては感光体表面をトナー及びトナ
ー担持体によって擦る構成が必須であるが、転写残トナ
ー量が多い場合、より強く擦る必要がある。このために
長期間使用によるトナー劣化、トナー担持体表面劣化、
感光体表面劣化又は磨耗等を引き起こし、耐久特性の劣
化が問題点として残り、従来技術では充分な解決がなさ
れているとは言えなかった。
【0018】さて、こういった画像形成プロセスにおい
て用いられる現像剤は、結着樹脂と着色剤を主成分とす
るトナーから構成されており、他に、荷電制御剤、離型
剤などトナーとして必要な特性をひき出すための添加剤
を含有している。白黒用トナーの着色剤としては、カー
ボンブラック、マグネタイトやフェライトあるいは非磁
性の無機化合物、有機顔料、染料等が用いられる。そこ
で、このトナーの性能に大きく関わるキー技術として、
結着樹脂中への着色剤の分散が挙げられる。
【0019】例えば、代表的な着色剤として一般に抵抗
の低いカーボンブラックを用いる非磁性トナーにおいて
は、分散が十分でない場合、トナー表面にカーボンブラ
ックが露出しやすく、トナーの抵抗が部分的に低下し、
その結果、トナーの帯電量が変動し、カブリなどの画像
特性が悪化することに加え、静電的な転写性が低下する
ため大量の転写残トナーが発生する。こういったトナー
をクリーナレスプロセスに適用すれば帯電ムラの発生は
避けがたい。さらには、トナー飛散等が発生しやすくな
り、安定性に乏しいものとなる。こういった問題は帯電
量が低下しやすい高湿下において特に顕著となる。帯電
性を安定させるためにキャリアと混合して二成分系現像
剤として用いても、十分な解決策とはなりがたい。加え
て、カーボンブラックは超微細粒子であり、かさ高い粉
体であるため作業性も良くない。
【0020】また、別タイプの代表的着色剤としてマグ
ネタイト等を用いる磁性トナーにおいては、磁性体の分
散が悪いとトナー粒子によって磁性体の含有量が変わっ
てしまい、そのため、現像性に差が生じてくる。特に絶
縁性トナーとして用いたとき、磁性体の少ないものは抵
抗が高く、そのため帯電量も大きく、磁性体の多いもの
は抵抗が低くそのため帯電量が小さくなる。その結果、
磁性体の少ないものが現像されやすくなり、長時間現像
を行うと現像機中に磁性体の多い、即ち現像性の悪いト
ナーばかりが残り、画像濃度が極端に低下すると共に、
転写性も悪化しやすい。このようなトナーもクリーナレ
スプロセスヘの適用は困難である。こういった問題は、
やはり高湿下において顕著に現れる。また、結着樹脂と
磁性体の接着性が悪くなるとトナー粒子から磁性体が脱
落し、画像上を汚染するばかりでなく、現像剤担持体と
摺擦される潜像保持体をキズつけ、フィルミングなどを
起こさせ、さらには、定着機においても一般に最も多く
採用されている熱ローラー,圧ローラー定着の場合に
は、ローラーにキズをつけ、ローラーにトナーを付着し
やすくし、オフセット現象、まきつき現象などを起こさ
せることになる。
【0021】一方、プリンターあるいは複写機等、電子
写真法による画像形成装置においては、近年の技術の方
向として、より高解像度となってきており、現像方式に
おいてもこれに伴って、より高精細が要求されてきてい
る。また、複写機においては高機能化が進んでおり、そ
のためプリンターと同様デジタル化の方向に進みつつあ
る。この方向は、静電荷像をレーザーで形成する方法が
主であるため、やはり高解像度の方向に進んでおり、こ
こでもプリンターと同様に高解像・高精細の現像方式が
要求されてきている。
【0022】こういった画質の向上という要求に応える
ために、近年ではトナーの粒径を小さくする方向に進ん
でいる。
【0023】しかしながら、このようにトナー粒径が小
さくなるほど、着色剤等のトナー原材料の均一分散は重
要な技術となる。即ち、細かい個々のトナー粒子に均一
量の着色剤を含有させないと、前述したような画像安定
性の低下がより顕著に現れやすい。これは、トナーの粒
径が小さくなると、帯電量の増加や流動性の悪化が伴う
ため、分散性の違いが大きな物性差となって現れやすく
なり、カブリや転写性の悪いトナーの割合が多くなるた
めである。そこで例えば、粒径の細かい着色剤を用いる
方法も考えられるが、カーボンブラックやマグネタイト
等の酸化鉄は小径化に伴い褐色に近づくため、それらを
着色剤として用いたトナーの黒色度が低下し、着色力が
不十分となりやすい。
【0024】これまで、結着樹脂と着色剤との分散性及
び接着性を向上させるために、いくつかの方法が提案さ
れている。特開昭54−84731号公報には、シラン
系カップリング剤で磁性体を処理し用いる方法;特開昭
55−26519号公報、同55−28019号公報に
は、チタン系カップリング剤で磁性体を処理し用いる方
法;また、特開昭54−122129号公報、同54−
130130号公報、同55−6344号公報、同55
−11218号公報には、磁性体を適当な被覆物質で被
覆し用いる方法などが記載されている。さらには、特公
平6−95223号公報には、イソシアネート基を含有
する化合物で処理された磁性体を用いて得られる重合ト
ナーが、特公平7−27273号公報には、エポキシ化
合物で処理された磁性体を用いて得られる重合トナーが
記載されている。
【0025】しかしながら、これらの方法では、ある程
度分散性が改良された磁性トナーが得られるものの、す
べての点で充分満足するというものが得られていない。
【0026】一方、登録特許第2802543号では、
酸化鉄系顔料の黒色度を向上させるために、Mnが固溶
している鉄を主成分とするヘマタイト粒子が記載されて
いる。しかしながら、このヘマタイト粒子をそのままト
ナー用着色剤として用いても結着樹脂とのなじみは十分
ではなく、やはり分散性及び密着性には改良の余地があ
る。
【0027】さらに、表面積が大きく、かつ凝集した高
次構造を持つカーボンブラックの場合は均一な処理が一
層難しく、やはりトナーに用いる際に改良の余地が多
い。
【0028】また、特開平3−259161号公報で
は、形状係数と比表面積及び粒径を規定した非磁性一成
分現像剤が提案されているが、該公報に規定されている
現像剤では帯電部材汚染性や耐久性が不十分であった。
【0029】特開昭61−279864号公報において
は、形状係数SF−1及びSF−2を規定したトナーが
提案されている。しかしながら、該公報には転写に関し
てなんの記載もなく、また、実施例を追試した結果、転
写効率や帯電部材汚染性が十分とは言えず、さらなる改
良が必要である。
【0030】さらに、特開昭63−235953号公報
においては、機械的衝撃力により球形化した磁性トナー
が提案されている。しかしながら、転写効率はいまだ不
十分であり、帯電部材汚染性と共にさらなる改良が必要
である。
【0031】これに対し、例えば特開平2−16376
0号公報において、非磁性一成分トナーにシリカの如き
添加剤を混合して転写性を向上させる手段も提案されて
いるが、材料分散性の良くないトナーに対してはその効
果は十分とは言えない。
【0032】一方、懸濁重合法によるトナーも古くから
提案されている(例えば特公昭36−10231号公
報)。この懸濁重合法においては、重合性単量体および
着色剤(更に必要に応じて重合開始剤、架橋剤、荷電制
御剤、その他の添加剤)を均一に溶解または分散せしめ
て単量体組成物とした後、この単量体組成物を分散安定
剤を含有する連続層(例えば水相)中に適当な撹拌器を
用いて分散し同時に重合反応を行なわせ、所望の粒径を
有するトナー粒子を得るものである。この懸濁重合法で
得られるトナーは、個々のトナー形状がほぼ球形に揃っ
ており、帯電量の分布も比較的均一となるため、カブリ
が少なく、高い転写性も有している。
【0033】なお、特開平8−305074号公報にお
いては、残存モノマーが1000ppm以下の特定の形
状のトナーを用いたクリーナレス画像形成方法について
記載しているが、帯電部材の汚染に関してはさらなる改
良がもとめられていた。
【0034】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は、クリ
ーナレス構成にも対応しうる接触現像方式画像形成プロ
セスにおいて、前述した種々の課題を解決し、環境に左
右されることなく、カブリの低減、解像性、転写性、ト
ナーの回収性向上による帯電ムラの抑制、さらには耐久
性をも大きく向上しうる画像形成方法を提供することで
ある。
【0035】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、少な
くとも静電荷像担持体を帯電する帯電工程と、光エネル
ギーの照射等により該静電荷像担持体上に電気的静電潜
像を形成する露光工程と、該静電荷像担持体上の静電潜
像とトナー担持体に薄層コートされた現像剤とを接触さ
せながら現像する現像工程と、該トナー像を転写材に転
写する転写工程を有する画像形成方法において、該現像
剤が、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有するトナー
を有し、該着色剤として、少なくとも表面が有機化合物
により処理されている複合酸化物が使用され、該複合酸
化物が少なくともFe及びMnを含有しており、該複合
酸化物中におけるMnの含有量が、該複合酸化物中の全
Fe量に対して2〜55原子%であることを特徴とする
画像形成方法に関する。
【0036】また、本発明は、上記静電荷像担持体の帯
電工程が、帯電部材を静電荷像担持体に接触させて、外
部より帯電部材に電圧を印加し、静電荷像担持体を帯電
することを特徴とする画像形成方法に関する。
【0037】本発明者らは、前述した従来の技術を背景
に鋭意検討した結果、現像同時クリーニング工程を有す
る接触現像方式と、クリーナレス構成や直接帯電を組み
合わせた画像形成方法において、特定の着色剤を有する
トナーを用いることにより、環境に左右されず、カブリ
がなく、帯電ムラの発生の無い高精細な画像を廃トナー
レスで安定に得られることを見出し、本発明を完成する
に至った。
【0038】この画像形成方法は、従来より一般に用い
られる酸化鉄あるいはカーボンブラックを含有するトナ
ーを用いては達成が困難であったものである。
【0039】
【発明の実施の形態】本発明の画像形成方法に関わるト
ナーについて詳細に説明する。
【0040】本発明者等が鋭意検討した結果、少なくと
もFe及びMnを含有しており、かつ、表面が有機化合
物により処理されている複合酸化物は、トナー用結着樹
脂への分散性及び接着性が高く、従って、この複合酸化
物を着色剤として使用したトナーを本発明である接触現
像画像形成方法に適用すれば、前述したような様々な課
題を解決し得ることが判明した。このようなトナーが得
られる理由は今のところ不明であり、処理剤である有機
化合物と複合酸化物表面のMn原子とのなじみやすさが
Fe原子とのなじみやすさと異なることに起因している
ことも考えられるが、現状定かにはなっていない。
【0041】ここで、表面処理用の有機化合物としては
ケイ素含有化合物が好ましく、ケイ素含有化合物の中で
もシランカップリング剤が、より好ましいことも明らか
となった。ケイ素含有化合物で処理した着色剤は、ある
程度樹脂中への分散性が向上することが知られているも
のの、例えばケイ素含有化合物と酸化鉄との親和性はそ
れほど良いものではない。従って、ケイ素含有化合物で
表面処理した酸化鉄をトナー内に分散させるため物理的
シェアを加えた場合、酸化鉄表面からケイ素含有化合物
が剥がれ、結果として酸化鉄粒子と結着樹脂とのなじみ
が低下してしまうため、表面処理の効果がそれほど上が
らないものと思われる。これに対し、本発明で使用され
るトナーにおいては、Mnが含有された複合酸化物を着
色剤として用いている。ケイ素化合物は比較的酸化され
やすく、酸化反応の結果ケイ素部分の結合が開裂しやす
いことがしられている。本発明に関わるトナーにおいて
も、Mnが含有された複合酸化物の表面をケイ素含有化
合物で処理する際、酸化力の高いMn酸化物によりケイ
素の結合部分が酸化的に開裂し、複合酸化物表面と強い
結合を生成しているのかもしれない。また、ケイ素含有
化合物のなかでも、特にシランカップリング剤を用いた
場合には、複合酸化物表面のOH基と結合しうる官能基
が元々多いため、複合酸化物表面へのケイ素含有化合物
の付着が強固となり、トナー製造時における物理的シェ
ア下においても着色剤表面から剥がれにくく、着色剤と
結着樹脂とのなじみが維持されるため、結果として着色
剤の分散性が向上するものと推測される。
【0042】複合酸化物中におけるMnの含有量は、該
複合酸化物中の全Fe量に対して2〜55原子%である
ことが好ましく、3〜50原子%がより好ましい。
【0043】Mnの含有量が全Fe量に対して2原子%
未満である場合、複合酸化物の黒色度が低下気味とな
り、特に複合酸化物の粒径が小さくなるほど褐色を帯び
るようになる。高画質を目的としたトナーの小径化の
際、使用される着色剤粒子の小径化も必須技術と考えら
れるが、トナー中への分散性が良好な着色剤であって
も、着色力の小さい褐色のトナーしか得られないようで
は問題がある。加えてMnの含有量が全Fe量に対して
2原子%未満である場合には、複合酸化物表面と処理剤
とのなじみあるいは接着性が不足し、物理的シェアによ
り結着樹脂中に分散させる際複合酸化物表面から処理剤
が剥がれてしまい、結局、トナー中への着色剤の分散性
改良効果があまり見られなくなる。
【0044】一方、Mnの含有量が全Fe量に対して5
5原子%を超える場合、複合酸化物の抵抗や磁気特性の
制御が難しくなる。特に抵抗の低下が大きく、このよう
な複合酸化物をトナー用材料として用いると、トナーと
しての抵抗も低下してしまい、高湿下等においては帯電
量の低下が防ぎきれず、本発明の目的でもある高画質の
達成が難しくなるため好ましくない。
【0045】本発明に関わるトナーに使用される複合酸
化物の平均径は、0.01〜0.13μmが好ましく、
窒素吸着比表面積(=BET比表面積)としては、6〜
80m2/gの範囲であること好ましい。より好ましい
平均径及びBET比表面積は、0.015〜0.10μ
m及び10〜75m2/gである。
【0046】平均径が0.01μm未満の場合、黒色度
の低下が顕著となり、白黒用トナーの着色剤としては着
色力が不十分となるうえに、複合酸化物粒子どうしの凝
集が強くなるため、分散性が悪化する傾向となる。一
方、平均径が0.13μmを超えてしまうと、一般の着
色剤と同様に着色力が不足するようになる。加えて、特
に小粒径トナー用の着色剤として使用する場合、個々の
トナー粒子に同個数の複合酸化物粒子を分散させること
が確率的に困難となる。
【0047】また、BET比表面積が6m2/g未満の
場合、結着樹脂との接着面積が小さいため、例えば現像
器内でトナーが撹拌された際、複合酸化物粒子がトナー
から剥がれ落ちやすい。加えて、重合法によりトナーを
製造する場合、重合液中での高速撹拌の際に重合単量体
液滴中から遠心力等により複合酸化物粒子が飛び出しや
すく、着色剤としての内包化が難しくなる。一方、BE
T比表面積が80m2/gを超えてしまうと、複合酸化
物粒子どうしの接触面積も大きくなり、粒子どうしが凝
集しやすくなるため、やはり分散性が悪化する傾向とな
る。
【0048】本発明に係わるトナーの平均粒径として
は、1〜9μmの範囲を選択することにより、非常に高
画質な画像を長期間安定に得ることを可能とする。
【0049】一般に、トナーの粒径が細かくなると、現
像時の解像度が向上することが知られている。この、ト
ナーの小粒径化においては、前述したように個々のトナ
ー粒子への原材料の均一分散が重要な技術となり、一つ
の手法としては、原材料の小径化が挙げられる。その一
方で、これも前記の如く、カーボンブラックあるいはマ
グネタイト等の酸化鉄は小径化に伴いその色味が褐色に
近づくため、こういった着色剤を用いたトナーもその黒
色度が低下し、着色力が不十分となる。しかしながら、
本発明に関わるトナーに着色剤として使用される複合酸
化物中には、Mn酸化物が共存しており、微粒子径でも
黒色度が高い。従って、平均径が9μm以下の小粒径ト
ナーにおいて着色剤として粒径の小さいこの複合酸化物
を用いれば、そのトナーを本発明の画像形成方法に適用
することによって高精細で濃度の高い高画質画像を長期
に渡って得ることが可能となる。
【0050】トナーの平均径が9μmを超えると大きな
高画質化の達成はそれほど望めなく、特に100μm以
下のドット潜像や細線の再現が難しくなる。一方、トナ
ーの平均径が1μm未満の場合、トナー原材料を均一に
分散させることが、より一層難しくなり好ましくない。
この改良には、着色剤以外の材料の小径化や分散性の向
上も必要となる。
【0051】本発明で使用されるトナーに着色剤として
用いられる複合酸化物の表面処理の方法としては任意の
手法が可能ではあるが、湿式処理法が好ましい。これ
は、乾式法に比べて、処理剤を含む多量の溶媒中で処理
する方が複合酸化物粒子全体の表面に均一に処理剤が接
触するためでもある。
【0052】有機溶剤を用いない水系湿式処理も後処理
が簡便で好ましいが、水系湿式処理の場合、水系中の好
ましいpHは8以下である。pHが8より高いアルカリ
条件下においては、シランカップリング剤の加水分解速
度が早すぎるため、シランカップリング剤どうしの縮合
反応が優先的に起こり、複合酸化物表面への処理剤の付
着量が減少し、分散性の改良効果が低下してしまう。さ
らに、縮合反応生成物がいわゆる糊の役割を果たす結
果、複合酸化物粒子どうしの凝集が起こりやすくなる。
また、ガスの発生しないアルコキシタイプのシランカッ
プリング剤そのものは一般に水には不溶であるが、pH
が8以下の条件下では、アルコキシ基が適度な速度で加
水分解され、水溶性となって水中に均一に分散するた
め、複合酸化物粒子のより均一な表面処理が可能とな
る。また、pHが8以下の中性〜酸性条件下では、一般
に無機化合物微粒子表面はプロトン化されているため、
以下のように、カップリング反応が一層進行しやすくな
っているためと考えられる。
【0053】
【化1】
【0054】ここで、複合酸化物表面処理における処理
剤量としては、複合酸化物100質量部に対して、0.
05〜20質量部が好ましく、0.1〜10質量部がよ
り好ましい。0.05質量部未満では、表面処理による
複合酸化物のトナー用結着樹脂への分散性改良効果が不
十分であり、20質量部を超えると、処理剤の糊効果に
よる複合酸化物粒子の凝集が起こりやすく、やはり分散
性改良効果が不十分となる。具体的な表面処理剤として
は、以下のようなものが挙げられる。
【0055】まず、シリコーン系樹脂、ロジン系樹脂、
スチレン系樹脂、アクリル系樹脂、メタクリル系樹脂、
スチレン−アクリル系共重合体、スチレン−メタクリル
系共重合体、エポキシ系樹脂、及びこれらを適宜混合し
たものが挙げられる。また、脂肪酸及びその金属塩、界
面活性剤等を用いても良い。
【0056】カップリング剤としては、例えば、シラン
カップリング剤、チタンカップリング剤等が挙げられる
が、前述のように、より好ましく用いられるのはシラン
カップリング剤であり、 一般式 RmSiYn [式中、Rはアルコキシ基、ハロゲン原子を示し、mは
1〜3の整数を示し、Yはアルキル基、ビニル基、グリ
シドキシ基、メタクリル基、フェニル基の如き炭化水素
基を示し、nは1〜3の整数を示す。]で示されるもの
である。例えばビニルトリメトキシシラン、ビニルトリ
エトキシシラン、γ−メタクリルオキシプロピルトリメ
トキシシラン、ビニルトリアセトキシシラン、メチルト
リメトキシシラン、メチルトリエトキシシラン、イソブ
チルトリメトキシシラン、ジメチルジメトキシシラン、
ジメチルジエトキシシラン、トリメチルメトキシシラ
ン、ヒドロキシプロピルトリメトキシシラン、フェニル
トリメトキシシラン、n−ヘキサデシルトリメトキシシ
ラン、n−オクタデシルトリメトキシシラン等を挙げる
ことができる。
【0057】特に、式Cp2p+1−Si−(OC
q2q+13[式中、pは2〜20の整数を示し、qは1
〜3の整数を示す]で示されるアルキルトリアルコキシ
シランカップリング剤を使用して水系媒体中で複合酸化
物粒子を疎水化処理するのが良い。上記式におけるpが
2より小さいと、処理剤と複合酸化物表面とのなじみが
良く、表面処理は容易となるが、一般には処理した表面
の親水性が高いため結着樹脂とのなじみはあまり良くな
く、分散性はそれほど向上しない。またpが20より大
きいと、処理剤分子鎖どうしが絡み合うようになり、複
合酸化物粒子どうしの凝集が多くなり、やはり分散性改
良効果が低下しやすい。また、qが、3より大きいとシ
ランカップリング剤の反応性や水への溶解性が低下して
表面処理が十分均一には行われにくくなる。
【0058】こうして得られる表面処理複合酸化物の好
ましい使用量は、着色剤あるいは磁性付与剤として単独
で用いる場合、トナー用結着樹脂100質量部に対し1
0〜200質量部であり、より好ましくは20〜160
質量部である。10質量部未満では、表面処理複合酸化
物だけでは十分な着色力が得られず、200質量部を超
えるとトナーの定着性が低下する傾向にある。
【0059】本発明で使用されるトナーに使用できる結
着樹脂は、公知のものが全て使用可能である。例えば、
熱可塑性樹脂中に染・顔料からなる着色剤あるいは荷電
制御剤等を溶融混合し、均一に分散した後、微粉砕装
置、分級機により所望の粒径を有するトナーを製造する
方法、所謂粉砕法においては、ポリスチレン、ポリp−
クロルスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及
びその置換体の単重合体;スチレン−p−クロルスチレ
ン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン
−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリ
ン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、ス
チレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリ
ル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリチル酸オクチル
共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、ス
チレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタ
クリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタク
リル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共
重合体、スチレン−ビニルメチルエーテル共重合体、ス
チレン−ビニルエチルエーテル共重合体、スチレン−ビ
ニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重
合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アク
リロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン
酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体な
どのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、
ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸
ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステ
ル、ポリウレタン、ポリアミド、エポキシ樹脂、ポリビ
ニルブチラール、ポリアマイド、ポリアクリル酸樹脂、
ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、
脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩
素化パラフィン、パラフィンワックスなどが単独或いは
混合して使用できる。
【0060】一方、重合法によるトナー製造方法におい
ては、例えば重合性単量体として、スチレン,o(m
−、p−)−メチルスチレン,m(p−)−エチルスチ
レン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸メチ
ル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸プ
ロピル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル
酸オクチル,(メタ)アクリル酸ドデシル,(メタ)ア
クリル酸ステアリル,(メタ)アクリル酸ベヘニル,
(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル,(メタ)アク
リル酸ジメチルアミノエチル,(メタ)アクリル酸ジエ
チルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単
量体;ブタジエン,イソプレン,シクロヘキセン,(メ
タ)アクリロニトリル,アクリル酸アミド等の単量体が
好ましく用いられる。これらは、単独または一般的には
出版物ポリマーハンドブック第2版−P139〜192
(John Wiley&Sons社製)に記載の理論
ガラス転移温度(Tg)が、40〜75℃を示すように
単量体を適宜混合し用いられる。理論ガラス転移温度が
40℃未満の場合には、トナーの保存安定性や現像剤の
耐久安定性の面から問題が生じ、一方75℃を超える場
合は定着点の上昇をもたらし、好ましくない。なお、そ
の際、ジビニルベンゼン等のように1分子内に重合性官
能基を2個以上有するモノマーを含有せしめれば、トナ
ー中に適度なネットワークを形成し、定着性と耐久性を
より向上させることが可能となる。
【0061】また、定着時の定着部材からの離型性の向
上、定着性の向上の点から次のようなワックス類をトナ
ー中に含有させることも好ましい。パラフィンワックス
及びその誘導体、マイクロクリスタリンワックス及びそ
の誘導体、フィッシャートロプシュワックス及びその誘
導体、ポリオレフィンワックス及びその誘導体、カルナ
バワックス及びその誘導体などで、誘導体には酸化物
や、ビニル系モノマーとのブロック共重合物、グラフト
変性物を含む。その他、アルコール、脂肪酸、酸アミ
ド、エステル化合物、ケトン、硬化ヒマシ油及びその誘
導体、植物系ワックス、動物性ワックス、鉱物系ワック
ス、ペトローラークタム等も利用できる。これら定着助
剤は、単独あるいは混合して使用されるが、トナー10
0質量部に対して0.5〜30質量部を用いることが好
ましい。
【0062】本発明においては、トナーの帯電性を制御
する目的でトナー材料中に荷電制御剤を添加しておくこ
とも望ましい。これら荷電制御剤としては、例えば正荷
電制御剤としてトリフェニルメタン系染料・四級アンモ
ニウム塩・グアニジン誘導体・イミダゾール誘導体・ア
ミン系及びポリアミン系化合物等が挙げられ、負荷電制
御剤としては、芳香族カルボン酸誘導体の金属塩または
金属錯体・尿素誘導体・スチレン−アクリル酸共重合体
・スチレン−メタクリル酸共重合体・アゾ染料あるいは
アゾ顔料の金属塩あるいは金属錯体等が挙げられる。こ
れら荷電制御剤の添加量としては、0.1〜10質量%
が好ましい。
【0063】本発明に関わるトナーには、色味あるいは
着色力を調整するために、他の着色剤を併用しても良
い。具体的には、磁性あるいは非磁性無機化合物、公知
の染料及び顔料が挙げられる。例えば、鉄粉、コバル
ト、ニッケルなどの強磁性金属粒子、またはこれらにク
ロム、マンガン、銅、亜鉛、アルミニウム、希土類元素
などを加えた合金、その酸化物であるマグネタイト、ヘ
マタイト、フェライトなどの粒子、チタンブラック、ニ
グロシン染料、カーボンブラック等が挙げられる。これ
らもまた、表面を処理して用いても良い。
【0064】本発明の現像剤は、さらに流動性向上剤を
添加して用いても良い。流動性向上剤としては、トナー
粒子に添加することにより添加後の流動性が向上しうる
ものであれば特に限定されるものではない。例えば、シ
リカ微粉体、酸化チタン微粉体、アルミナ微粉体、それ
らの表面を疎水化処理したもの等を単体あるいは2種以
上を併用して用いることができる。
【0065】本発明に係るトナーを製造するには、公知
の方法が用いられる。例えば粉砕法であれば、結着樹
脂、表面処理複合酸化物、必要に応じて荷電制御剤、ワ
ックスその他の添加剤等をヘンシェルミキサー、ボール
ミル等の混合器により十分混合してから加熱ロール、ニ
ーダー、エクストルーダーの如き熱混練機を用いて溶融
混練して樹脂類をお互いに相溶せしめた中に着色剤やそ
の他の添加剤を分散又は溶解せしめ、冷却固化後、粉
砕、分級を行なって本発明のトナーを得ることも出来
る。この場合、分級工程においては生産効率上、多分割
分級機を用いることが好ましい。また、必要に応じて、
分級行程前後に表面改質を行っても良い。
【0066】一方、本発明で使用されるトナーのより好
ましい製造方法は重合法である。この重合法においては
重合性単量体および着色剤(更に必要に応じて重合開始
剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤)を均一に溶
解または分散せしめて単量体組成物とした後、この単量
体組成物を分散安定剤を含有する連続層(例えば水相)
中に適当な撹拌器を用いて分散し同時に重合反応を行な
わせ、所望の粒径を有するトナー粒子を得るものであ
る。
【0067】特に懸濁重合法では、水のごとき極性の大
なる分散媒中で単量体組成物の液滴を生成せしめるた
め、単量体組成物に含まれる極性基を有する成分は水相
との界面である表層部に存在しやすく、非極性の成分は
表層部に存在しないという、いわゆるコア/シェル構造
を形成することができる。即ち、本発明のトナーを重合
法により製造すれば、均一に表面処理された複合酸化物
は完全にトナー内部に内包化され、トナー表面に露出す
ることはない。従って、電荷のリークによる帯電量の低
下といった高湿下での悪影響は完全に抑制されるという
理想的なトナー設計が可能となる。
【0068】これに対し、本発明で使用されるトナーを
粉砕法で製造する場合、トナー粒子は複合酸化物表面と
結着樹脂との組成の異なる界面で割れやすいため、どう
してもトナー表面に複合酸化物が露出してしまう。その
結果、複合酸化物表面が処理してあっても高湿下での悪
影響は避け難い。
【0069】本発明で使用されるトナーを重合法により
製造する場合、添加剤の持つ重合阻害性や水相移行性に
注意を払う必要があり、好ましくは、表面改質、例え
ば、重合阻害のない物質による疎水化処理を施しておい
たほうが良い。染料系を表面処理する好ましい方法とし
ては、あらかじめこれら染料の存在下に重合性単量体を
重合せしめる方法が挙げられ、得られた着色重合体を単
量体系に添加する。
【0070】本発明に関わるトナーを水系媒体中で重合
する際に使用する重合開始剤としては、例えば、2,
2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)、
2,2’−アゾビスイブチロニトリル、1,1’−アゾ
ビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,
2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレ
ロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系重
合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケト
ンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネー
ト、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベン
ゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド等の過酸
化物系重合開始剤が用いられる。
【0071】該重合開始剤の添加量は、目的とする重合
度により変化するが一般的には単量体に対し0.5〜2
0質量%添加され用いられる。開始剤の種類は、重合方
法により若干異なるが、十時間半減期温度を参考に、単
独又は混合し利用される。
【0072】重合度を制御するため公知の架橋剤・連鎖
移動剤・重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能で
ある。
【0073】重合によるトナー製造の際、水系媒体中で
の重合工程に用いる分散剤として例えば無機系酸化物と
して、リン酸三カルシウム,リン酸マグネシウム,リン
酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭酸カルシウム,炭酸マ
グネシウム,水酸化カルシウム,水酸化マグネシウム,
水酸化アルミニウム,メタケイ酸カルシウム,硫酸カル
シウム,硫酸バリウム,ベントナイト,シリカ,アルミ
ナ,磁性体,フェライト等が挙げられる。有機系化合物
としては、例えばポリビニルアルコール,ゼラチン,メ
チルセルロース,メチルヒドロキシプロピルセルロー
ス,エチルセルロース,カルボキシメチルセルロースの
ナトリウム塩,デンプン等が水相に分散させて使用され
る。これら分散剤は、重合性単量体100質量部に対し
て0.2〜10質量部を使用することが好ましい。
【0074】これら分散剤は、市販のものをそのまま用
いても良いが、細かい均一な粒度を有す分散粒子を得る
ために、分散媒中にて高速撹拌下にて該無機化合物を生
成させることもできる。例えば、リン酸三カルシウムの
場合、高速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と
塩化カルシウム水溶液を混合することで懸濁重合方法に
好ましい分散剤を得ることができる。また、これら分散
剤の細細化のため0.001〜0.1質量部の界面活性
剤を併用しても良い。具体的には市販のノニオン,アニ
オン,カチオン型の界面活性剤が利用でき、例えばドデ
シル硫酸ナトリウム,ドデシルベンゼンスルホン酸ナト
リウム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ペンタデシル硫
酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸ナ
トリウム,ラウリル酸ナトリウム,ステアリン酸カリウ
ム,オレイン酸カルシウム等が好ましく用いられる。
【0075】本発明で使用されるトナーを重合法により
製造する場合、以下の如き方法によって具体的にトナー
を製造することが可能である。単量体中に、着色剤,荷
電制御剤,重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナ
イザー・超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せ
しめた単量体組成物を、分散安定剤を含有する水相中に
通常の撹拌機またはホモミキサー,ホモジナイサー等に
より分散せしめる。好ましくは単量体組成物からなる液
滴が所望のトナー粒子のサイズを有するように撹拌速度
・時間を調整し、造粒する。その後は分散安定剤の作用
により、粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止さ
れる程度の撹拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、
一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。
また、重合反応後半に昇温しても良く、更に、本発明の
画像形成方法における耐久特性向上の目的で、未反応の
重合性単量体、副生成物等を除去するために反応後半、
又は、反応終了後に一部水系媒体を留去しても良い。反
応終了後、生成したトナー粒子を洗浄・ろ過により回収
し、乾燥する。この方法においては、通常単量体系10
0質量部にたいして水300〜3000質量部を分散媒
として使用するのが好ましい。
【0076】本発明の画像形成方法には、磁性あるいは
非磁性一成分系現像剤を使用しても良く、キャリアを併
用した二成分系現像剤を使用しても良い。
【0077】磁性一成分系現像剤を使用する場合、トナ
ーの着色剤として磁性を持たせた前述の複合酸化物だけ
を使用しても良く、他の磁性体を併用しても良い。他の
磁性体を併用する場合、この複合酸化物は磁性を持たな
くても良い。非磁性一成分系現像剤を使用する場合も、
この複合酸化物だけを使用しても良く、カーボンブラッ
ク等の他の非磁性黒色着色剤を併用しても良い。
【0078】本発明の画像形成方法に二成分系現像剤を
使用する際、一般には非磁性トナーが使用されるため磁
性を持たない複合酸化物が使用されるが、トナー飛散な
どの改良のためにこの複合酸化物自身に弱い磁性を持た
せても良く、少量の他の磁性体を併用しても良い。もち
ろん、カーボンブラック等の他の黒色着色剤を併用して
も良い。その際、混合されるキャリアとしては鉄粉、マ
グネタイト粉、フェライト粉、ガラスビース、磁性粉を
樹脂中に分散させたもの等の従来公知のものが挙げられ
る。これらのキャリアは、必要に応じて表面を樹脂等で
被覆しても良く、この場合に使用される樹脂としてはフ
ッ素含有樹脂、フェノール樹脂、スチレン系樹脂、アク
リル系樹脂、スチレン−アクリル共重合体、シリコーン
樹脂等が挙げられる。これらの被覆樹脂は単独または、
2種類以上併用して使用しても良い。トナーとキャリア
との混合比率は、現像剤中のトナー濃度として1乃至1
5質量%、好ましくは2乃至13質量%とすると通常良
好な結果が得られる。
【0079】本発明の画像形成方法においては、種々の
帯電方法が用いられ、前述の如き帯電部材を感光体に当
接させる直接帯電法も好適に使用される。その場合、一
般のトナーを使った場合、クリーニングの後の残トナー
が後工程である直接帯電部材に付着すると、帯電不良を
引き起こし、画像上に帯電むらが発生する。よって、帯
電手段が感光体に接することのないコロナ放電等に比べ
て、カブリおよび残トナーの量は、より少なく、付着し
難くする必要がある。従って、直接帯電法において用い
られるトナーには、現像性が高く且つカブリが少ないと
いう良好な帯電特性、さらには、高転写性を有している
ことが重要である。すなわち、これまで述べてきたよう
な特殊な複合酸化物を着色剤として含有していることが
必要である。
【0080】本発明の画像形成方法における現像工程の
条件としては、トナー担持体と感光体表面が接触してい
ることが必須であり、より好ましくは反転現像方法を用
いるということである。さらに、クリーナレスプロセス
を併用することにより、装置の大幅な小型化が可能とな
る。このとき、現像時あるいは現像前後の空白時には、
直流あるいは交流成分のバイアスを印加し、現像と感光
体上の残余のトナーを回収出来るような電位に制御され
る。このとき直流成分は、明部電位と暗部電位の間に位
置する。
【0081】トナー担持体としては、弾性ローラーを用
い、弾性ローラー表面等に現像剤をコーティングしこれ
を感光体表面と接触させる方法も用いられる。この場
合、現像剤を介して感光体と感光体表面に対向する弾性
ローラー間に働く電界によって、現像と同時に、クリー
ナレスプロセスにおいては転写残トナーのクリーニング
も行われるので、弾性ローラー表面あるいは、表面近傍
が電位をもち、感光体表面とトナー担持表面の狭い間隙
で電界を有する必要性がある。このため、弾性ローラー
の弾性ゴムが中抵抗領域に抵抗制御されて感光体表面と
の導通を防ぎつつ電界を保つか、または導電性ローラー
の表面層に薄層の絶縁層を設ける方法も利用できる。さ
らには、導電性ローラー上に感光体表面に対向する側を
絶縁性物質により被覆した導電性樹脂スリーブあるい
は、絶縁性スリーブで感光体に対向しない側に導電層を
設けた構成も可能である。また、トナー担持体として剛
体ローラーを用い、感光体をベルトのごときフレキシブ
ルなものとした構成も可能である。トナー担持体として
の現像ローラーの抵抗としては102〜109Ω・cmの
範囲が好ましい。
【0082】トナー担持体の表面形状としては、その表
面粗度Ra(μm)を0.2〜3.0となるように設定
すると、高画質及び高耐久性を両立できる。該表面粗度
Raは現像剤搬送能力及び現像剤帯電能力と相関する。
該トナー担持体の表面粗度Raが3.0を超えると、該
トナー担持体上の現像剤層の薄層化が困難となるばかり
か、現像剤の帯電性が改善されないので画質の向上は望
めない。3.0以下にすることでトナー担持体表面の現
像剤の搬送能力を抑制し、該トナー担持体上の現像剤層
を薄層化すると共に、該トナー担持体と現像剤の接触回
数が多くなるため、該現像剤の帯電性も改善されるので
相乗的に画質が向上する。一方、表面粗度Raが0.2
よりも小さくなると、現像剤コート量の制御が難しくな
る。
【0083】本発明において、トナー担持体の表面粗度
Raは、JIS表面粗さ「JISB 0601」に基づ
き、表面粗さ測定器(サーフコーダSE−30H、株式
会社小坂研究所社製)を用いて測定される中心線平均粗
さに相当する。具体的には、粗さ曲線からその中心線の
方向に測定長さaとして2.5mmの部分を抜き取り、
この抜き取り部分の中心線をX軸、縦倍率の方向をY
軸、粗さ曲線をy=f(x)で表したとき、次式によっ
て求められる値をミクロメートル(μm)で表したもの
を言う。
【0084】
【数1】
【0085】本発明の画像形成方法においては、トナー
担持体は感光体の周速同方向に回転していてもよいし、
逆方向に回転していてもよい。その回転が同方向である
場合、トナー担持体の周速を感光体の周速に対し1.0
5〜3.0倍となるように設定することが好ましい。
【0086】トナー担持体の周速が、感光体の周速に対
し1.05倍未満であると、感光体上のトナーの受ける
撹拌効果が不十分となり、良好な画像品質が望めない。
また、ベタ黒画像等、広い面積にわたって多くのトナー
量を必要とする画像を現像する場合、静電潜像へのトナ
ー供給量が不足し画像濃度が薄くなる。周速比が高まれ
ば高まるほど、現像部位に供給されるトナーの量は多
く、潜像に対しトナーの脱着頻度が多くなり、不要な部
分は回収され必要な部分には付与されるという繰り返し
により、潜像に忠実な画像が得られる。本発明の一つで
ある現像同時クリーニングというプロセスにおいては、
感光体上に密着した転写残のトナーが存在する場合、感
光体表面とトナーの付着部分を周速差により摩擦帯電さ
せ、トナーを正帯電させた後電界により回収するという
効果が重要であることから、周速比は高いほど転写残余
のトナーの回収には都合がよい。但し、逆に周速比が
3.0を超える場合には、上記の如きトナーの過剰な帯
電によって引き起こされる種々の問題(トナーの過度な
チャージアップによる画像濃度低下等)の他に、機械的
ストレスによるトナーの劣化やトナー担持体へのトナー
固着が発生、促進され、好ましくない。
【0087】感光体としては、a−Se、Cds、Zn
2、OPC、a−Siの様な光導電絶縁物質層を持つ
感光ドラムもしくは感光ベルトが好適に使用される。
【0088】OPC感光体における有機系感光層の結着
樹脂は、ポリカーボネート樹脂、ポリエステル樹脂、ア
クリル系樹脂が特に、転写性やクリーニング性がよく、
クリーニング不良、感光体へのトナーの融着、外添剤の
フィルミングが起こりにくく、好ましい。
【0089】次に本発明の画像形成方法を添付図面を参
照しながら以下に説明する。
【0090】まず、クリーナレスプロセスを用いた場合
の画像形成方法について、プロセスの全体を示した図1
を用いて説明する。図2は現像装置の構成図である。
【0091】図1において、140は現像装置、100
は感光体、127は紙などの被転写体、114は転写部
材、126は定着用加圧ローラー、128は定着用加熱
ローラー、117は感光体100に接触して直接帯電を
行う一次帯電部材を示す。
【0092】一次帯電部材117には、感光体100表
面を一様に帯電するようにバイアス電源131が接続さ
れている。
【0093】現像装置140はトナー142を収容して
おり、感光体100と接触して矢印方向に回転するトナ
ー担持体104を具備する。さらに、トナー量規制及び
帯電付与のための現像ブレード143と、トナー142
をトナー担持体104に付着させかつトナー担持体10
4との摩擦でトナーへの帯電付与を行うため矢印方向に
回転する塗布ローラー141も備えている。トナー担持
体104には現像バイアス電源133が接続されてい
る。塗布ローラー141にもバイアス電源132が接続
されており、負帯電性トナーを使用する場合は現像バイ
アスよりも負側に、正帯電性トナーを使用する場合は現
像バイアスよりも正側に電圧が設定される。
【0094】転写部材114には感光体100と反対極
性の転写バイアス電源134が接続されている。
【0095】ここで、感光体100とトナー担持体10
4の接触部分における回転方向の長さ、いわゆる現像ニ
ップ幅は0.2mm以上8.0mm以下が好ましい。
0.2mm未満では現像量が不足して満足な画像濃度が
得られず、転写残トナーの回収も不十分となる。8.0
mmを超えてしまうと、トナーの供給量が過剰となり、
カブリが悪化しやすく、また、感光体100の摩耗にも
悪影響を及ぼす。
【0096】トナー担持体104としては、表面に弾性
層を有する、いわゆる弾性ローラーが好ましく用いられ
る。使用される弾性層の材料の硬度としては、20〜6
5度(JIS A)のものが好適に使用される。
【0097】また、トナー担持体104の抵抗として
は、体積抵抗値で102〜109Ωcm程度の範囲が好ま
しい。102Ωcmよりも低い場合、例えば感光体10
0の表面にピンホール等がある場合、過電流が流れる恐
れがある。反対に109Ωcmよりも高い場合は、摩擦
帯電によるトナーのチャージアップが起こりやすく、画
像濃度の低下を招きやすい。
【0098】トナー担持体104上のトナーコート量
は、0.1mg/cm2以上4.0mg/cm2以下が好
ましい。0.1mg/cm2よりも少ないと十分な画像
濃度が得にくく、4.0mg/cm2よりも多くなると
個々のトナー粒子全てを均一に摩擦帯電することが難し
くなり、カブリの悪化の要因となる。さらに、0.2m
g/cm2以上3.5mg/cm2以下がより好ましい。
【0099】トナーコート量は現像ブレード143によ
り制御されるが、この現像ブレード143はトナー層を
介してトナー担持体104に接触している。この時の接
触圧は、4.9N/m以上49N/m以下(5g/cm
以上50g/cm以下)が好ましい範囲である。4.9
N/mよりも小さいとトナーコート量の制御に加え均一
な摩擦帯電も難しくなり、カブリの悪化等の原因とな
る。一方、49N/mよりも大きくなるとトナー粒子が
過剰な負荷を受けるため、粒子の変形や現像ブレード1
43あるいはトナー担持体104へのトナーの融着等が
発生しやすくなり、好ましくない。
【0100】トナーコート量の規制部材としては、トナ
ーを圧接塗布するための弾性ブレード以外にも、金属ブ
レードあるいはローラー等を用いても良い。
【0101】弾性の規制部材には、所望の極性にトナー
を帯電させるのに適した摩擦帯電系列の材質を選択する
ことが好ましく、シリコーンゴム、ウレタンゴム、NB
Rの如きゴム弾性体、ポリエチレンテレフタレートの如
き合成樹脂弾性体、ステンレス、鋼、リン青銅の如き金
属弾性体が使用できる。また、それらの複合体であって
も良い。
【0102】また、弾性の規制部材とトナー担持体に耐
久性が要求される場合には、金属弾性体に樹脂やゴムを
スリーブ当接部に当たるように貼り合わせたり、コーテ
ィング塗布したものが好ましい。
【0103】更に、弾性の規制部材中に有機物や無機物
を添加してもよく、溶融混合させても良いし、分散させ
ても良い。例えば、金属酸化物、金属粉、セラミック
ス、炭素同素体、ウィスカー、無機繊維、染料、顔料、
界面活性剤などを添加することにより、トナーの帯電性
をコントロールできる。特に、弾性体がゴムや樹脂等の
成型体の場合には、シリカ、アルミナ、チタニア、酸化
錫、酸化ジルコニア、酸化亜鉛等の金属酸化物微粉末、
カーボンブラック、一般にトナーに用いられる荷電制御
剤等を含有させることも好ましい。
【0104】またさらに、規制部材に直流電場及び/ま
たは交流電場を印加することによっても、トナーへのほ
ぐし作用のため、均一薄層塗布性、均一帯電性がより向
上し、充分な画像濃度の達成及び良質の画像を得ること
ができる。
【0105】図1において、一次帯電部材117は、矢
印方向に回転する感光体100を一様に帯電する。
【0106】ここで用いている一次帯電部材は、中心の
芯金117bとその外周を形成した導電性弾性層117
aとを基本構成とする帯電ローラーである。帯電ローラ
ー117は、静電潜像担持体一面に押圧力を持って当接
され、感光体100の回転に伴い従動回転する。
【0107】帯電ローラー117を用いたときの好まし
いプロセス条件としては、ローラーの当接圧が4.9〜
490N/m(5〜500g/cm)であり、印加電圧
としては直流電圧あるいは直流電圧に交流電圧を重畳し
たもの等が用いられ、特に限定されないが、本発明にお
いては直流電圧のみの印加電圧が好適に用いられる。こ
の場合の電圧値としては±0.2〜±5kVの範囲で使
用される。
【0108】この他の帯電手段としては、帯電ブレード
を用いる方法や、導電性ブラシを用いる方法がある。こ
れらの接触帯電手段は、非接触のコロナ帯電に比べて、
高電圧が不必要になったり、オゾンの発生が低減すると
いった効果がある。接触帯電手段としての帯電ローラー
および帯電ブレードの材質としては、導電性ゴムが好ま
しく、その表面に離型性被膜を設けても良い。離型性被
膜としては、ナイロン系樹脂、PVDF(ポリフッ化ビ
ニリデン)、PVDC(ポリ塩化ビニリデン)などが適
用可能である。
【0109】一次帯電工程に次いで、発光素子121か
らの露光123によって感光体100上に情報信号に応
じた静電潜像を形成し、トナー担持体104と当接する
位置においてトナーにより静電潜像を現像し可視像化す
る。さらに、本発明の画像形成方法において、特に感光
体上にデジタル潜像を形成した現像システムと組み合わ
せることで、潜像を乱さないためにドット潜像に対して
忠実に現像することが可能となる。次に、該可視像を転
写部材114により被転写体127上に転写し、更に転
写トナー129は被転写体127と共に定着用加圧ロー
ラー126と定着用加熱ローラー128の間を通過して
定着され、永久画像を得る。なお、加熱加圧定着手段と
しては、ここに示したハロゲンヒーター等の発熱体を内
蔵した加熱ローラーとこれと押圧力をもって圧接された
弾性体の加圧ローラーを基本構成とする熱ローラー方式
以外に、フィルムを介してヒーターにより加熱定着する
方式も用いられる。
【0110】一方、転写されずに感光体100上に残っ
た転写残トナーは、感光体100と一次帯電部材117
の間を通過して、再び現像ニップ部に到達し、トナー担
持体104によって現像器140内に回収される。
【0111】次に本発明における各種測定方法について
述べる。
【0112】(1)トナーの平均粒径及び粒度分布 トナーの平均粒径及び粒度分布はコールターカウンター
TA−II型あるいはコールターマルチサイザー(コー
ルダー社製)等を用い、個数分布、体積分布を出力する
インターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソ
ナルコンピューター(NEC製)を接続し、電解液は1
級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製す
る。たとえば、ISOTON R−II(コールターサ
イエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定
法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分
散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンス
ルフォン酸塩)を0.1〜5ml加え、更に測定試料を
2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分
散器で約1〜3分間分散処理を行ない前記コールターカ
ウンターTA−II型によりアパーチャーとして100
μmアパーチャーを用いて、2μm以上のトナーの体
積、個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。
それから、本発明に係わる体積分布から求めた体積基準
の重量平均粒径(D4)を求めた。
【0113】(2)複合酸化物の窒素吸着比表面積(B
ET比表面積)の測定方法 本発明に関わるトナーに使用される複合酸化物の窒素吸
着比表面積はBET法に従って、比表面積測定装置オー
トソーブ1(湯浅アイオニクス社製)を用いて試料表面
に窒素ガスを吸着させ、BET多点法を用いて比表面積
を算出した。
【0114】(3)複合酸化物中のFeとMnの原子数
比の測定 本発明に関わるトナーに使用される複合酸化物に含有さ
れるFeとMnの原子数比は下記の方法によって測定す
る。
【0115】ビーカーに複合酸化物0.2gを採取し、
12規定塩酸水溶液15mlを加え、加熱し撹拌しなが
らすべてが溶解して透明になるまで反応を続ける。得ら
れた液に水を加えて100mlとし、このサンプル液を
用いてプラズマ発光分光(ICP)によって、FeとM
nの金属元素の溶解量を測定する。そして、FeとMn
の金属元素の標準液を同様にして測定した検量線を用い
て原子数比を計算する。
【0116】また、場合によっては、pH10程度の水
酸化ナトリウム水溶液中で複合酸化物表面の付着物等を
洗浄・除去した後に、上記の手順でプラズマ発光分光に
よってFeとMnの金属元素の含有量を測定してもよ
い。
【0117】なお、トナーに含有されている複合酸化物
を分析する場合には、トナーの樹脂成分を溶解するキシ
レンのごとき有機溶剤とトナーとを混合し、トナーの樹
脂成分を溶解した溶液を孔径0.1μmのメンブランフ
ィルターで濾過し、フィルター上に残留する複合酸化物
を採取する。採取された複合酸化物を500℃の雰囲気
中で処理して有機成分を除去した後、得られた複合酸化
物を上述の方法で分析することにより、FeとMnの金
属元素の含有量が測定され、原子数比が計算される。
【0118】(4)複合酸化物粒子の平均径の測定方法 複合酸化物の平均粒径は、透過型電子顕微鏡を用いて測
定した。即ち、測定粉体サンプルを透過型電子顕微鏡で
観察し、視野中の100個の粒子径を測定して、平均粒
径を求めた。
【0119】(5)トナー中の複合酸化物の含有量の測
定方法 トナー中の複合酸化物の含有量の測定は、パーキンエル
マー社製熱分析装置、TGA7で測定した。測定方法
は、窒素雰囲気下において昇温速度25℃/分で常温か
ら900℃まで、トナーを加熱し、100℃から750
℃まで間の減量質量%を結着樹脂量とした。トナー全体
(100質量%)からこの結着樹脂量を差し引いた残り
を近似的にトナー中の複合酸化物の含有量とした。
【0120】(6)定着画像のカブリの測定方法 カブリの測定は、東京電色社製のREFLECTMET
ER MODEL TC−6DSを使用して測定した。
【0121】フィルターとしてはグリーンフィルターを
用い、下記式より算出した。数値が小さい程、カブリが
少ない。
【0122】カブリ(反射率)(%)=標準紙上の反射
率(%)−サンプル非画像部の反射率(%)
【0123】
【実施例】以下、本発明を製造例および実施例により具
体的に説明するが、これは本発明をなんら限定するもの
ではない。
【0124】[複合酸化物粒子製造例a〜f]FeSO
4とNaOHとを含む第一鉄塩水溶液にMnSO4を加
え、加温して、空気を通気することにより、Fe及びM
nを含有する複合酸化物粒子の懸濁液を得た。その後、
濾過、水洗、乾燥、解砕、焼成の行程を経て、以下の表
1に示すような複合酸化物粒子a〜fを得た。
【0125】
【表1】
【0126】[表面処理複合酸化物製造例1]エポキシ
樹脂を溶かしたキシレン溶液を調製し、処理液とした。
複合酸化物粒子a100質量部に対しエポキシ樹脂量が
2質量部となるように複合酸化物粒子aと処理液を混合
した後、加熱乾燥によりキシレンを除去し、解砕後、表
面処理複合酸化物1を得た。
【0127】[表面処理複合酸化物製造例2、3]エポ
キシ樹脂に代えて、メチルハイドロジェンポリシロキサ
ン、又はn−デシルトリメトキシシランを用い、表面処
理複合酸化物製造例1と同様にして、表面処理複合酸化
物2及び3を得た。
【0128】[表面処理複合酸化物製造例4〜8]複合
酸化物粒子aに代えて複合酸化物粒子b〜fを用い、処
理剤としてn−デシルトリメトキシシランを用いて表面
処理複合酸化物4〜8を得た。
【0129】得られた表面処理複合酸化物1〜8の物性
を、表2に示す。
【0130】
【表2】
【0131】[表面処理複合酸化物製造例9、10]複
合酸化物粒子aを、pH10、又はpH6に調整した水
溶液中に分散させ、n−デシルトリメトキシシランを加
えて撹拌し、濾過、加熱乾燥後、解砕し、表面処理複合
酸化物9、10を得た。
【0132】得られた表面処理複合酸化物9、10の物
性を表3に示す。
【0133】
【表3】
【0134】 [トナー製造例1] (樹脂)スチレン−ブチルアクリレート共重合体 100質量部 (共重合比80:20) (着色剤)表面処理複合酸化物1 50質量部 (荷電制御剤)モノアゾ染料とFeとの化合物 2質量部 (離型剤)エステルワックス(軟化点75℃) 5質量部 上記材料をあらかじめ混合し、二軸押し出し機にて12
0℃で溶融混練を行った。この溶融混練物をハンマーミ
ルにて粗砕し、1mmメッシュパスのトナー粗砕物を得
た。さらにこの粗砕物をジェット気流を利用した衝突式
粉砕機で微粉砕した後、風力分級し、重量平均粒径9.
4μmの黒色粉砕粒子を得た。
【0135】得られた黒色粉砕粒子100質量部に対し
て、BET法による比表面積が200m2/gであるシ
リカ母体の表面をシランカップリング剤及びシリコーン
オイルで疎水化処理して比表面積が120m2/gとな
っている疎水性シリカを1.0質量部外添し、トナー1
を得た。
【0136】[トナー製造例2]2リットル用四つ口フ
ラスコ中のイオン交換水710gに、0.1M−Na3
PO4水溶液200gを投入し、60℃に加温した後、
高速撹拌装置TK式ホモミキサー(特殊機化工業製)を
用いて、12000rpmにて撹拌した。これに1.0
M−CaCl2水溶液30gを徐々に添加し、微小な難
水溶性分散安定剤を含む水系分散媒体を得た。
【0137】一方、分散質として (モノマー) スチレン 160g n−ブチルアクリレート 40g (着色剤) 表面処理複合酸化物1 100g (荷電制御剤)モノアゾ染料とFeとの化合物 2g (離型剤) エステルワックス(軟化点75℃) 10g (その他) 飽和ポリエステル樹脂 10g 上記処方のうち、着色剤と荷電制御剤とスチレンだけを
エバラマイルダー(荏原製作所製)を用いて予備混合を
行った。次に上記処方すべてを60℃に加温し、溶解、
分散して単量体混合物とした。さらに、60℃に保持し
ながら、開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチル
バレロニトリル)8gを加えて溶解し、単量体組成物を
調製した。
【0138】前記ホモミキサーの2リットルフラスコ中
で調製した水系分散媒体に、上記単量体組成物を投入し
た。60℃で、窒素雰囲気としたTKホモミキサーを用
いて、8000rpmで20分間撹拌し、単量体組成物
を造粒した。その後、パドル撹拌翼で撹拌しつつ60℃
で6時間反応させた後、80℃で10時間重合させた。
【0139】重合反応終了後反応生成物を冷却し、塩酸
を加えてCa3(PO42を溶解し、濾過、水洗、乾燥
することにより、重量平均径約9.3μmの黒色懸濁粒
子を得た。
【0140】得られた黒色懸濁粒子100質量部に対し
て、トナー製造例1で用いた疎水性シリカを1.0質量
部外添し、トナー2を得た。
【0141】[トナー製造例3]水系中の難水溶性分散
安定剤の濃度を高くする以外はトナー製造例2と同様に
して重量平均径約6.8μmの黒色懸濁粒子を得た。得
られた黒色懸濁粒子100質量部に対して、トナー製造
例1で用いた疎水性シリカを1.5質量部外添し、トナ
ー3を得た。
【0142】[トナー製造例4〜11]着色剤として表
面処理複合酸化物2〜8、表面未処理の複合酸化物粒子
aを用いる以外はトナー製造例3と同様にして、トナー
4〜11を得た。
【0143】[トナー製造例12、13]着色剤として
表面処理複合酸化物9、10を用い、水系中の難水溶性
分散安定剤の濃度をさらに高くする以外はトナー製造例
3と同様の手法により黒色懸濁粒子を得た後、トナー製
造例1で用いた疎水性シリカを1.7質量部外添して、
トナー12、13を得た。
【0144】得られたトナーを、以下の表4にまとめて
示す。
【0145】
【表4】
【0146】<実施例1〜l1および比較例1、2>電
子写真装置として600dpiレーザービームプリンタ
(キヤノン製:LBP−860)を用意した。プロセス
スピードは、60mm/sに改造してある。
【0147】このプロセスカートリッジにおけるクリー
ニングゴムブレードを取りはずし、装置の帯電方式をゴ
ムローラーを当接して行う直接帯電とし、印加電圧を直
流成分(約−1200V)とした。
【0148】次に、プロセスカートリッジにおける現像
部分を改造した。トナー供給体であるステンレススリー
ブの代わりに、カーボンブラックを分散したシリコーン
ゴムからなる中抵抗ゴムローラー(16φ、硬度ASK
ER C45度、抵抗105Ω・cm)をトナー担持体
とし、感光体に当接した。この時の現像ニップ幅は約
2.5mmとなるようにした。該トナー担持体の回転周
速は、感光体との接触部分において同方向であり、該感
光体回転周速に対し140%となるように駆動する。ま
た、このトナー担持体のRaは1.0である。
【0149】ここで用いる感光体としては、30φ、2
54mmのAlシリンダーを基体としたもので、これ
に、以下に示すような構成の層を順次浸漬塗布により積
層して、感光体を作製した。
【0150】(1)導電性被覆層:酸化錫及び酸化チタ
ンの粉末をフェノール樹脂に分散したものを主体とす
る。膜厚15μm。 (2)下引き層:変性ナイロン及び共重合ナイロンを主
体とする。膜厚0.6μm。 (3)電荷発生層:長波長域に吸収を持つチタニルフタ
ロシアニン顔料をブチラール樹脂に分散したものを主体
とする。膜厚0.6μm。 (4)電荷輸送層:ホール搬送性トリフェニルアミン化
合物をポリカーボネート樹脂(オストワルド粘度法によ
る分子量2万)に8:10の質量比で溶解したものを主
体とする。膜厚20μm。
【0151】トナー担持体にトナーを塗布する手段とし
て、現像器内に発泡ウレタンゴムからなる塗布ローラー
を設け、該トナー担持体に当接させた。塗布ローラーに
は、約−550Vの電圧を印加する。さらに、該トナー
担持体上トナーのコート層制御のために樹脂をコートし
たステンレス製ブレードを、トナー担持体との接触圧が
線圧約19.6N/m(約20g/cm)となるように
取付けた。概略を図2に示す。また、現像時の印加電圧
をDC成分(−430V)のみとした。
【0152】これらのプロセスカートリッジの改造に適
合するよう電子写真装置に以下のように改造及びプロセ
ス条件設定を行った。
【0153】改造された装置はローラー帯電器(直流の
みを印加)を用い像担持体を一様に帯電する。帯電に次
いで、レーザー光で画像部分を露光することにより静電
潜像を形成し、トナーにより可視画像とした後に、電圧
を+700V印加したローラーによりトナー像を転写材
に転写するプロセスを持つ。概略を図1に示した。
【0154】また、感光体帯電電位は、暗部電位を−6
10Vとし、明部電位を−150Vとした。転写材とし
ては75g/m2の紙を用いた。
【0155】現像剤1〜13を用いて、上記画像形成装
置により常温常湿環境下(23℃,65%RH)におい
て画出し試験を行なった。
【0156】なお、耐久性評価は以下のように評価し
た。
【0157】現像剤の帯電部材汚染は、帯電不良による
画像不良が現れやすいハーフトーン画像上及びベタ白画
像上に帯電部材汚染による帯電むらが発生した耐久枚数
で判断した。発生した枚数が多いほど、現像剤の耐久性
が良好なことを意味する。ひどい帯電むらが発生しない
場合、2000枚まで画像印刷を続けた。
【0158】耐久初期の転写性は、ベタ黒画像現像時の
感光体上の転写残トナーをマイラーテープによりテーピ
ングしてはぎ取り、紙上に貼ったもののマクベス濃度か
ら、テープのみを貼ったもののマクベス濃度を差し引い
た数値で評価した。従って、値が小さいほど転写性は良
好である。
【0159】また、耐久初期の解像力は、潜像電界によ
って電界が閉じやすく、再現しにくい600dpiにお
ける小径孤立1ドットの再現性によって評価した。 ◎非常に良好:100個中の欠損が5個以下 ○良好:100個中の欠損が6〜10個 △実用可:100個中の欠損が11〜20個
【0160】同様にして、耐久性の良かったものについ
ては、高温高湿環境下(30℃,90%RH)において
の画出し試験も行った。
【0161】常温常湿環境下での耐久性評価の結果を表
5に示す。耐久性評価を途中で中断せざるを得なかった
トナー7及びトナー11を除いた他のトナーについての
高温高湿環境下での画出し試験の結果を表6に示す。
【0162】
【表5】
【0163】
【表6】
【0164】
【発明の効果】以上説明したように、本発明に関わるト
ナーは、少なくともFe及びMnを含有し、かつ表面を
有機化合物で処理された複合酸化物を着色剤として用い
ている。この着色剤は着色力及び分散性に優れているた
め、本発明の画像形成方法においてこういったトナーを
使用すれば、常温常湿下のみならず、高温高湿下におい
てもカブリの無い高画像濃度かつ高解像度の画質が安定
して得られ、帯電ムラによる画像不良等の無い優れた耐
久性が得られる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に好適な画像形成装置の概略図である。
【図2】本発明に好適な現像装置の概略的説明図であ
る。
【符号の説明】
100 感光体 104 現像剤担持体 114 転写手段 117 帯電器 123 レーザー光又はアナログ光 126 加圧定着ローラー 128 加熱定着ローラー 131、132、133、134 バイアス印加手段 140 現像装置 141 塗布ローラー 142 磁性現像剤 143 弾性ブレード
フロントページの続き (51)Int.Cl.7 識別記号 FI テーマコート゛(参考) G03G 15/08 507 G03G 9/08 384 15/08 507B (72)発明者 伊藤 雅教 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 河本 恵司 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 (72)発明者 馬籠 道久 東京都大田区下丸子3丁目30番2号 キヤ ノン株式会社内 Fターム(参考) 2H005 AA02 AA03 AB06 CA26 CB03 EA05 EA10 2H077 AA37 AC11 AC16 AD02 AD06 BA03 FA01 2H200 FA01 GA44 HA02 HA29 HB12 HB22 PA02

Claims (12)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも静電荷像担持体を帯電する帯
    電工程と、光エネルギーの照射により該電荷像担持体上
    に静電潜像を形成する露光工程と、該静電荷像担持体上
    の静電潜像と現像剤担持体に薄層コートされた現像剤と
    を接触させて現像する現像工程と、潜像上に現像された
    現像剤を転写材に転写する転写工程を有する画像形成方
    法において、 該現像剤が、少なくとも結着樹脂及び着色剤を含有する
    トナーを有し、該着色剤として、少なくとも表面が有機
    化合物により処理されている複合酸化物が使用され、該
    複合酸化物が少なくともFe及びMnを含有しており、
    該複合酸化物中におけるMnの含有量が、該複合酸化物
    中の全Fe量に対して2〜55原子%であることを特徴
    とする画像形成方法。
  2. 【請求項2】 該複合酸化物中におけるMnの含有量
    が、該複合酸化物中の全Fe量に対して3〜50原子%
    であることを特徴とする請求項1に記載の画像形成方
    法。
  3. 【請求項3】 該複合酸化物の表面処理が、少なくとも
    ケイ素含有化合物を用いて行われていることを特徴とす
    る請求項1又は2に記載の画像形成方法。
  4. 【請求項4】 該ケイ素含有化合物が少なくともシラン
    カップリング剤を含んでいることを特徴とする請求項3
    に記載の画像形成方法。
  5. 【請求項5】 該複合酸化物の平均径が、0.01〜
    0.13μmであることを特徴とする請求項1乃至4の
    いずれかに記載の画像形成方法。
  6. 【請求項6】 該複合酸化物の窒素吸着比表面積(BE
    T比表面積)が、6〜80m2/gであることを特徴と
    する請求項1乃至5のいずれかに記載の画像形成方法。
  7. 【請求項7】 該複合酸化物の表面処理が、湿式法によ
    り施されていることを特徴とする請求項1乃至6のいず
    れかに記載の画像形成方法。
  8. 【請求項8】 トナーの平均粒径が1〜9μmであるこ
    とを特徴とする請求項1乃至7のいずれかに記載の画像
    形成方法。
  9. 【請求項9】 トナーの一部、又は全体が重合法により
    形成されたことを特徴とする請求項1乃至8のいずれか
    に記載の画像形成方法。
  10. 【請求項10】 該現像工程において、現像領域におけ
    るトナー担持体面の移動速度が、静電潜像担持体面の移
    動速度に対し、1.05〜3.0倍の速度であり、該ト
    ナー担持体の表面粗度Ra(μm)が0.2以上3.0
    以下であることを特徴とする請求項1乃至9のいずれか
    に記載の画像形成方法。
  11. 【請求項11】 該帯電工程が、帯電部材を静電荷像担
    持体に接触させて、外部より帯電部材に電圧を印加し、
    静電荷像担持体を帯電することを特徴とする請求項1乃
    至10のいずれかに記載の画像形成方法。
  12. 【請求項12】 転写工程において静電荷像担持体上に
    残存した転写残トナーを現像工程においてトナー担持体
    により回収する工程を少なくとも有する請求項1乃至1
    1のいずれかに記載の画像形成方法。
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