JP2004198717A - カラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物及びその組成物に用いるカーボンブラック分散液組成物 - Google Patents
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Abstract
【課題】薄膜・高遮光性を有するパターンをフォトリソグラフィー法で容易に形成でき、保存安定性に優れ、十分な感度、解像性が得られるカラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物を提供する。
【解決手段】(A)特定の物性(平均一次粒子径、表面のカルボキシル基の濃度)を有するカーボンブラック、(B)アミノ基またはその4級アンモニウム塩を有する共重合体、及び(C)有機溶剤を含有するカラーフィルターブラックマトリックスレジスト用カーボンブラック分散液組成物、及び前記分散液組成物と(D)カルボキシル基を有するバインダー樹脂と(E)エチレン性不飽和単量体と(F)光重合開始剤と(G)特定の多官能チオール化合物とを含有するカラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物。
【選択図】 なし
【解決手段】(A)特定の物性(平均一次粒子径、表面のカルボキシル基の濃度)を有するカーボンブラック、(B)アミノ基またはその4級アンモニウム塩を有する共重合体、及び(C)有機溶剤を含有するカラーフィルターブラックマトリックスレジスト用カーボンブラック分散液組成物、及び前記分散液組成物と(D)カルボキシル基を有するバインダー樹脂と(E)エチレン性不飽和単量体と(F)光重合開始剤と(G)特定の多官能チオール化合物とを含有するカラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物。
【選択図】 なし
Description
【0001】
【発明が属する技術分野】
本発明はカラーテレビ、液晶表示素子、固体撮像素子、カメラ等に使用される光学的カラーフィルターの製造に使用されるカラーフィルターブラックマトリックスレジスト及び、それに使用されるカーボンブラック分散液に関する。さらに詳しく言えば、カーボンブラックを高濃度で含有しながら分散安定性に優れるカラーフィルターブラックマトリックスレジスト用カーボンブラック分散液と製造方法、及び高遮光性でありながら細線の形状、解像性に優れるカラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラーフィルターは、通常、ガラス、プラスチックシート等の透明基板の表面に黒色のマトリックス(ブラックマトリックス)を形成し、続いて、赤(R)、緑(G)、青(B)等の3種以上の異なる色相を順次、ストライプ状あるいはモザイク状等の色パターンで形成したものである。パターンサイズはカラーフィルターの用途並びにそれぞれの色により異なるが5〜700μm程度である。また、重ね合わせの位置精度は数μ〜数十μmであり、寸法精度の高い微細加工技術により製造されている。
【0003】
カラーフィルターの代表的な製造方法としては、染色法、印刷法、顔料分散法、電着法等がある。これらのうち、特に色材料を含有する感光性組成物を、透明基板上に塗布し、画像露光、現像、必要により硬化を繰り返すことでカラーフィルター画像を形成する顔料分散法は、カラーフィルター画素の位置、膜厚等の精度が高く、耐光性・耐熱性等の耐久性に優れ、ピンホール等の欠陥が少ないため、広く採用されている。
【0004】
ブラックマトリックスはR、G、Bの色パターンの間に格子状、ストライプ状またはモザイク状に配置されるのが一般的であり、各色間の混色抑制によるコントラスト向上あるいは光漏れによるTFT(薄膜トランジスタ)の誤動作を防ぐ役割を果たしている。このため、ブラックマトリックスには高い遮光性が要求される。従来、ブラックマトリックスはクロム等の金属膜で形成する方法が一般的であった。この手法は透明基板上にクロム等の金属を蒸着しフォトリソグラフィー工程を経てクロム層をエッチング処理するものであり、薄い膜厚で高遮光性のブラックマトリックスが高精度で得られる。しかし、その反面、製造工程が長く、かつ生産性が低いことによるコスト高、また、エッチング処理の廃液などによる環境問題が生じる等の問題を抱えている。
【0005】
このため、遮光性の顔料を分散させた感光性樹脂で低コスト、無公害のブラックマトリックス(樹脂ブラックマトリックス)を形成する手法が精力的に研究されている。しかしながら、樹脂ブラックマトリックスは後述するような問題を抱えているため、いまだ実用化できていないのが現状である。
【0006】
樹脂ブラックマトリックスにおいて、クロム等の金属膜によるブラックマトリックスと同等の遮光性(高光学濃度)を発現させるためには、遮光性顔料の含有量を多くするか、あるいは膜厚を厚くする必要がある。
【0007】
膜厚を厚くする方法においては、ブラックマトリックスの凹凸の影響を受けるため、その上に形成するR、G、Bの着色画素の平坦性が損なわれる。その結果、液晶セルギャップの不均一化、あるいは液晶の配向の乱れを発生させ表示能力の低下、カラーフィルター上に設ける透明電極(例えばITO(インジウム-スズ酸化物)膜)の断線が発生する等の問題が生じる。
【0008】
遮光性顔料の含有量を多くする方法においては、遮光性顔料であるカーボンブラックを高濃度で分散させるため、レジスト組成物の粘度の増大、レジスト組成物の感度、現像性、解像性、密着性等が悪化する問題があり、生産性の低下のみならずカラーフィルターに要求される精度、信頼性が得られなくなる。
【0009】
カーボンブラックを高濃度でブラックマトリックスレジスト組成物に添加する場合、その分散性を向上させるために、カーボンブラックを樹脂等で表面処理あるいはグラフト化する技術も開発されている。例えば、特許文献1および2ではカーボンブラックをエポキシ樹脂で被覆する方法が開示されている。また、特許文献3および4ではカーボンブラックを樹脂でグラフトする方法が開示されている。しかしこれらの方法は処理が煩雑であり、さらにレジスト固形分中の樹脂の割合が高くなるので遮光性が低下する問題がある。
【0010】
また、カーボンブラックを分散するために用いる分散剤の観点からの検討も行われている。例えば特許文献5ではウレタン結合を有する分散剤を使用した樹脂ブラックマトリックスが提案されているが、分散剤の実質的な配合量がカーボンブラック100質量部に対して30〜40質量部と多く、遮光性を上げることが困難となる。
このように、薄膜、高遮光性を満足させるという条件の下でレジスト組成物の保存安定性、感度、現像性、解像性、密着性を発揮できる感光性樹脂材料が実現できていないため樹脂ブラックマトリックスの実用化が阻まれている。
【0011】
【特許文献1】
特開平9−71733号公報
【特許文献2】
特開平10−330643号
【特許文献3】
特開平6−214385号公報
【特許文献4】
特開平10−160937号公報
【特許文献5】
特開2000−227654号
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の問題点を解決し、薄膜・高遮光性を有するパターンをフォトリソグラフィー法で容易に形成でき、保存安定性に優れ、かつ十分な感度、解像性が得られるカラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物及びカーボンブラック分散液を提供し、さらには該カーボンブラック分散液を効率よく製造することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討の結果、(A)特定のカーボンブラックと(B)アミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体を組み合わせ、さらに連続アニュラー型ビーズミルで分散処理されたカーボンブラック分散液を用いることが、高遮光性、高解像度のカラーフィルターブラックマトリックスを形成するのに好適であること、さらに分散安定性に優れるカーボンブラック分散液、及びブラックマトリックスレジスト組成物を見出し本発明を完成した。
すなわち本発明は、下記のカラーフィルターブラックマトリックスレジスト用カーボンブラック分散液組成物およびカラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物を提供するものである。
【0014】
1.(A)平均一次粒子径20〜60nm、DBP吸油量30〜100ml/100g、BET法による比表面積30〜150m2/g、粒子表面のカルボキシル基の濃度0.2〜1.0μmol/m2のカーボンブラック、(B)アミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体、及び(C)有機溶剤を含有することを特徴とするカラーフィルターブラックマトリックスレジスト用カーボンブラック分散液組成物。
【0015】
2.アミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体(B)が、下記(i)、(ii)及び(iii)のモノマーを共重合して得られるものである前記1記載のカラーフィルターブラックマトリックス用カーボンブラック分散液組成物:
(i)(a)炭素数1〜18のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(b)下記式(1)
【化9】
(式中、R1及びR2は、同じでも異なっていてもよく、各々水素原子またはメチル基を表し、R3は炭素数1〜18のアルキル基を表し、nは1〜50の整数である。)で示される(メタ)アクリル酸エステル、(c)下記式(2)
【化10】
(式中、R4及びR5は、同じでも異なっていてもよく、各々水素原子またはメチル基を表し、R6は炭素数1〜18のアルキル基を表し、mは1〜50の整数を表す。)で示される(メタ)アクリル酸エステル、及び(d)水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルより選ばれる少なくとも一種の(メタ)アクリレート系単量体 10〜85質量部、
(ii)下記式(3)
【化11】
(式中、R7は水素原子またはメチル基を表し、R8及びR9は、同じでも異なっていてもよく、各々炭素数1〜6のアルキル基を表し、lは2〜8の整数である。)で示されるアミノアルキル(メタ)アクリレート単量体、及び/または下記式(4)
【化12】
(式中、R10は水素原子またはメチル基を表し、R11、R12及びR13は、同じでも異なっていてもよく、各々炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、フェニル基、ハロゲン化アリール基を表し、X-はハロゲンイオンまたは酸の陰イオン残基を表し、kは2〜8の整数である。)で示される第4級アンモニウム(メタ)アクリレート単量体 10〜85質量部、
(iii)末端に(メタ)アクリロイル基を有している、ポリアルキル(メタ)アクリレートマクロモノマー及びポリスチレンマクロモノマーより選ばれる少なくとも一種の単量体 5〜80質量部(但し、(i)〜(iii)の合計は100質量部である)。
【0016】
3.カーボンブラック(A)とアミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体(B)の比率が質量比で(A):(B)=100:5〜25である前記1または2記載のカラーフィルターブラックマトリックスレジスト用カーボンブラック分散液組成物。
4.さらに、(D)カルボキシル基を有するバインダー樹脂を含有する前記1乃至3のいずれかに記載のカラーフィルターブラックマトリックスレジスト用カーボンブラック分散液組成物。
5. 連続アニュラー型ビーズミルを用いて製造された前記1乃至4のいずれかに記載のカラーフィルターブラックマトリックスレジスト用カーボンブラック分散液組成物。
【0017】
6. 下記の(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)及び(G)成分からなることを特徴とするカラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物:
(A)平均一次粒子径20〜60nm、DBP吸油量30〜100ml/100g、BET法による比表面積30〜150m2/g、粒子表面のカルボキシル基の濃度が0.2〜1.0μmol/m2のカーボンブラック、
(B)アミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体、
(C)有機溶剤、
(D)カルボキシル基を有するバインダー樹脂、
(E)エチレン性不飽和単量体、
(F)光重合開始剤、
(G)メルカプト基を2個以上有する多官能チオール化合物。
7. 前記有機溶剤(C)を除いた成分が下記の比率で含有されている前記6に記載のカラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物:
(A)40〜80質量%、(B)4〜50質量%、(D)10〜50質量%、(E)3〜45質量%、(F)光重合開始剤2〜45質量%、(G)2〜45質量%。
【0018】
8. アミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体(B)が下記(i)、(ii)、(iii)のモノマーを共重合して得られることを特徴とする数平均分子量4,000〜100,000の(メタ)アクリル系共重合物である前記6または7記載のカラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物:
(i)(a)炭素数1〜18のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(b)下記式(1)
【化13】
(式中の記号は前記2と同じ意味を表す。)で示される(メタ)アクリル酸エステル、(c)下記式(2)
【化14】
(式中の記号は前記2と同じ意味を表す。)で示される(メタ)アクリル酸エステル、及び(d)水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルより選ばれる少なくとも一種の(メタ)アクリレート系単量体 10〜85質量部、
(ii)下記式(3)
【化15】
(式中の記号は前記2と同じ意味を表す。)で示されるアミノアルキル(メタ)アクリレート単量体、及び/または下記式(4)
【化16】
(式中の記号は前記2と同じ意味を表す。)で示される第4級アンモニウム(メタ)アクリレート単量体 10〜85質量部、
(iii)末端に(メタ)アクリロイル基を有している、ポリアルキル(メタ)アクリレートマクロモノマー及びポリスチレンマクロモノマーより選ばれた少なくとも一種の単量体(i)の単量体 5〜80質量部(但し、(i)〜(iii)の合計は100質量部である)。
【0019】
9.カルボキシル基を有するバインダー樹脂(D)がさらにエチレン性不飽和基を有する前記8に記載のカラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。以下の記載において量比を表す「部」及び「%」は特に断らない限り質量基準とする。
【0021】
本明細書において、用語「(メタ)アクリル酸」はアクリル酸及びメタクリル酸のいずれかという意味に用い、用語「(メタ)アクリロイル」なる語はアクリロイル及びメタクリロイルのいずれかという意味に用いる。
また、カラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物またはその硬化物を単にレジストと呼ぶことがある。
【0022】
1.カーボンブラック分散液(A)
1−(1)カーボンブラック
本発明では、遮光材料としてカーボンブラックを使用する。カーボンブラックは、有機物を不完全燃焼あるいは熱分解することにより生成する黒色あるいは帯灰黒色の粉末で、その主成分は炭素である。カーボンブラックのミクロな状態は製法によって異なる。その製造方法としては、チャンネル法、ファーネス法、サーマル法、ランプブラック法、アセチレン法等がある。本発明においては平均一次粒子径が20〜60nm、DBP吸油量が30〜100ml/100g、BET法による比表面積が30〜150m2/g、粒子表面のカルボキシル基の濃度が0.2〜1.0μmol/m2のカーボンブラックを使用することが重要である。
【0023】
平均一次粒子径は次の方法により求めることができる。すなわち、電子顕微鏡写真で数万倍の写真を撮影し、数千個の粒子の直径を測定し、その数平均値を測定する。
DBP吸油量はJIS K 6221(1982)により求めることができる。
【0024】
比表面積は、BET法(J.Amer.Chem.Soc.,Vol.60,p309,1938年)にて求めることができる。
粒子表面のカルボキシル基の濃度は、選択的中和法(Rubber Chem.Technol.,Vol.36,p729,1963年、Carbon,Vol.1,p451,p456,1963年)により求めることができる。
【0025】
平均一次粒子径が20nm未満であると、必要とされる分散剤の量が多くなり、バインダー樹脂等の量を減らさざる得ないため、レジスト皮膜の強度が低下する。一方60nmを越えると解像度が低下する問題点が生じる。好ましくは25〜50nm、さらに好ましくは、25〜40nmの範囲である。
【0026】
DBP吸油量は30ml/100g未満であるとカーボンブラックのストラクチャーが小さすぎて分散が難しくなり、100ml/100gを越えるとストラクチャーが大きくなりすぎて、ストラクチャー間の空隙が大きくなるので単位体積あたりのカーボンブラック粒子の充填率が低下し、必要な遮光性が得られなくなることがある。好ましくは40〜90ml/100g、さらに好ましくは、45〜80ml/100gの範囲である。
【0027】
BET法による比表面積が30m2/g未満であると、平均粒子径が大きくなってしまうので、解像度が低下する。150m2/gを越えると必要な分散剤量が増えてしまい、バインダー樹脂等の量を減らさざる得ないため、レジスト皮膜の強度が低下する。好ましくは40〜120m2/g、さらに好ましくは、50〜100m2/gである。
【0028】
カルボキシル基の濃度が0.2μmol/m2未満であると、アミノ基含有高分子分散剤の吸着サイトが少なくなるため、カーボンブラックの分散安定性が損なわれる。逆に1.0μmol/m2を越えるとアミノ基含有高分子分散剤の吸着サイトが多くなりすぎ、カーボンブラック粒子表面にアミノ基含有高分子分散剤分子が貼り付くような形態をとるため、エントロピー効果による分散安定性が得られなくなる。好ましくは0.3〜0.9μmol/m2、さらに好ましくは、0.4〜0.8μmol/m2の範囲である。
【0029】
本発明で使用できるカーボンブラックとしては市販品ではコロンビヤン・カーボン社製のRaven 1040、Raven 1060、Raven 1080、Raven 1100、Raven 1255、デグサ社製のSpecial Black550、Special Black350、Special Black250、Special Black100等を例示することができる。
【0030】
本発明においては、カーボンブラック以外の遮光性材料を前記カーボンブラックと組み合わせて使用することができる。そのような遮光性材料としては、黒鉛、カーボンナノチューブ、鉄黒、酸化鉄系黒色顔料、アニリンブラック、シアニンブラック、チタンブラック等が挙げられる。また、赤色、緑色、青色の三色の有機顔料を混合して黒色顔料として用いることもできる。
【0031】
1−(2)アミノ基含有共重合体(B)
本発明で使用されるアミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体(アミノ基含有共重合体(B)という場合がある。)
(i)炭素数1〜18のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、下記式(1)
【化17】
(ここで、R1及びR2は、同じでも異なっていてもよく、各々水素原子またはメチル基を表し、R3は炭素数1〜18のアルキル基を表し、nは1〜50の整数である。)で示される(メタ)アクリル酸エステル、
下記式(2)
【化18】
(ここで、R4及びR5は、同じでも異なっていてもよく、各々水素原子またはメチル基を表し、R6は炭素数1〜18のアルキル基を表し、mは1〜50の整数を表す。)で示される(メタ)アクリル酸エステル、
水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルより選ばれる少なくとも一種の(メタ)アクリレート系単量体、
(ii)下記式(3)
【化19】
(式中のR7は水素原子またはメチル基を表し、R8及びR9は、同じでも異なっていてもよく、各々炭素数1〜6のアルキル基を表し、lは2〜8の整数である。)で示されるアミノアルキル(メタ)アクリレート単量体、及び/または下記式(4)
【化20】
(式中のR10は水素原子またはメチル基を表し、R11、R12及びR13は、同じでも異なっていてもよく、各々炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、フェニル基、ハロゲン化アリール基を表し、X-はハロゲンイオンまたは酸の陰イオン残基を表し、kは2〜8の整数である。)で示される第4級アンモニウム(メタ)アクリレート単量体と、
(iii)末端に(メタ)アクリロイル基を有している、ポリアルキル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリスチレンマクロモノマーより選ばれた少なくとも一種の単量体とからなり、(i)の単量体が10〜85質量部と(ii)の単量体が10〜85質量部と(iii)の単量体が5〜80質量部とが共重合している数平均分子量4,000〜100,000の(メタ)アクリル系共重合物である。
【0032】
(i)の単量体は、有機溶剤への溶解性や他のバインダー樹脂との相溶性を上げる目的で使用される。炭素数1〜18のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0033】
式(1)で示される(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0034】
式(2)で示される(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリオキシエチレンノニルフェノール(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0035】
水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0036】
(ii)の単量体はカーボンブラック表面のカルボキシル基とイオン結合を形成し、カーボンブラックへの吸着サイトにする目的で使用される。式(3)で示されるアミノアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N−プロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0037】
式(4)で示される第4級アンモニウム(メタ)アクリレートは、1分子中にひとつの第4級アンモニウム基、ひとつの(メタ)アクリロイル基を含有する単量体である。具体的には、2−ヒドロキシ−3(メタ)アクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3(メタ)アクリルオキシプロピルトリエタノールアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3(メタ)アクリルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3(メタ)アクリルオキシプロピルジメチルフェニルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。
【0038】
上記ではX-がCl-についての例を挙げたが、本発明ではCl-に限定されず、第4級アンモニウム(メタ)アクリレートはBr-、I-、F-、HSO4 -、SO4 2-、NO3 -、PO4 3-、HPO4 3-、H2PO4 -、C6H5SO3 -、OH-等を含む単量体であっても差し支えない。
【0039】
(iii)の単量体における末端に(メタ)アクリロイル基を含有しているポリアルキル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリスチレンマクロモノマーは、カーボンブラックの分散安定性を向上させる目的で使用される。具体的にマクロモノマーAA−6(末端基メタクリロイル基、セグメント:メチルメタクリレート、数平均分子量 6,000,東亞合成化学工業(株)社製)、マクロモノマーAW−6S(末端基メタクリロイル基、セグメント:イソブチルメタクリレート数平均分子量 6,000,東亞合成化学工業(株)社製)、マクロモノマーAB−6(末端基メタクリロイル基、セグメント:ブチルアクリレート数平均分子量 6,000,東亞合成化学工業(株)社製)、マクロモノマーAS−6(末端基メタクリロイル基、セグメント:スチレン数平均分子量 6,000,東亞合成化学工業(株)社製)が挙げられる。
【0040】
アミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体は溶液重合で得ることができる。具体的には(i)の単量体、(ii)の単量体および(iii)の単量体を、重合開始剤の存在下、適当な不活性溶媒中で重合して製造される。反応温度は70〜150℃、さらに好ましくは80〜130℃である。反応時間は1〜15時間、特に4〜8時間が望ましい。
【0041】
重合開始剤には、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾビスイソブチレート等のアゾ系化合物、ラウロイルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物が挙げられる。
【0042】
溶剤は生成するアミノ基及び/または第4級アンモニウム塩を有する共重合体を溶解することができ、かつ本発明のカーボンブラック分散液、ブラックマトリックスレジスト組成物と混和できるものが好ましい。具体的にはトルエン、キシレン等の芳香族溶剤、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコール系溶剤等である。これらの溶剤は単独で使用しても、混合して使用してもよい。
【0043】
(i)の単量体が10質量部未満の場合には、有機溶剤への溶解性やレジストのバインダー樹脂への相溶性が悪くなり適用できる樹脂が限定されてしまう。85質量部を超える場合には、カーボンブラックの分散速度および分散安定性が低下する。(ii)の単量体が10質量部未満の場合には、カーボンブラックとの親和性が少なくなり、カーボンブラックを完全に分散させることができない。85質量部を超える場合には、硬化したレジスト皮膜のアルカリ現像液耐性が低下する。(iii)の単量体が5質量部未満の場合には、カーボンブラックを完全に分散させることができない。80質量部を超える場合には、カーボンブラックの分散速度がかえって低下する。
【0044】
(iii)の単量体の平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量で2,000〜20,000であることが好ましい。2,000より低い場合には、顔料の分散安定性が悪くなる傾向がある。20,000より高い場合には、分散剤の粘度が高くなりすぎ、実用的でない。
【0045】
アミノ基及び/またはその第4級アンモニウムを有する共重合体(B)の重量平均分子量はGPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量で5,000〜200,000が好ましい。分子量が5,000より低い場合には、レジストの物性が低下するおそれがある。200,000より高い場合には、カーボンブラック分散液の粘度が高くなりすぎ取り扱いにくくなる。このためアミノ基及び/またはその第4級アンモニウムを有する共重合体(B)の数平均分子量は、特に10,000〜100,000が望ましい。分子量はアルキルメルカプタン等の重合調整剤により容易に調節される。
【0046】
1−(3)有機溶剤(C)
有機溶剤としては本発明に使用される材料を溶解できるものであれば特に制限は無い。例えば、ジイソプロピルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ブチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル(n、sec、tert)、酢酸アミル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル等のグリコール類等が挙げられる。
【0047】
有機溶剤は各成分を溶解または分散させることができるもので、沸点が100〜200℃の範囲のものを選択するのが好ましい。より好ましくは120〜170℃の沸点をもつものである。これらの溶剤は単独もしくは混合して使用することができる。
【0048】
1−(4)カルボキシル基を有するバインダー樹脂(D)
本発明においてカルボキシル基を有するバインダー樹脂は、カラーフィルターブラックマトリックスレジストの皮膜強度、耐熱性、基板接着性、アルカリ水溶液への溶解性(アルカリ現像性)等の諸特性を主に決定する成分であり、必要とされる特性を満足できるものであれば任意に使用することができる。そのようなバインダー樹脂としては、アクリル酸系共重合体、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。
【0049】
(i)カルボキシル基を有するアクリル酸系共重合体
カルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するアクリル酸系共重合体は、(a)カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体、(b)前記(a)以外のエチレン性不飽和単量体を共重合して得られる。さらに光感度を高めるために上記モノマーを共重合して得られたアクリル酸系共重合体の側鎖の一部のカルボキシル基に対し、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等の1分子中にエポキシ基とエチレン性不飽和基を有する化合物のエポキシ基を反応させたり、アクリル酸系共重合体の(b)不飽和単量体としてヒドロキシエチルメタクリレートのような水酸基を有する単量体を使用して、その一部もしくは全部の水酸基に対し、2−メタクリロイロキシエチルイソシアネートのような1分子中にイソシアネート基とエチレン性不飽和基を有する化合物のイソシアネート基を反応させることによって側鎖にエチレン性不飽和基を付与することができる。
【0050】
カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a)は、アクリル酸系共重合体にアルカリ現像性を付与する目的で使用される。カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、(メタ)アクリル酸ダイマー、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸等が挙げられる。
【0051】
前記(a)以外のエチレン性不飽和単量体(b)は、レジスト皮膜の強度、顔料分散性をコントロールする目的で使用される。その具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、(o,m,p−)ヒドロキシスチレン、酢酸ビニル等のビニル化合物、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−(メタ)アクリロイルモルホリン等のアミド基を有する化合物が挙げられる。
【0052】
カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a)と前記(a)以外のエチレン性不飽和単量体(b)の共重合比率は、好ましくは質量比で5:95〜60:40、より好ましくは10:90〜50:50である。(a)の共重合比率が5未満になるとアルカリ現像性が低下し、ブラックマトリックスのパターンを形成することが困難となる。また(a)の共重合比率が60を越えると光硬化部のアルカリ現像も進みやすくなり、パターンの線幅を一定に保つのが難しくなる。
【0053】
カルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するアクリル酸系共重合体の好ましい分子量は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量で1,000〜500,000の範囲であり、好ましくは3,000〜200,000である。1,000未満では皮膜強度が著しく低下する。一方500,000を越えるとアルカリ現像性が著しく低下する。
上記アクリル酸系共重合体は2種以上混合して使用してもよい。
【0054】
(ii)カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂
本発明におけるカルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレートとしては、特に限定されるものでは無いが、エポキシ化合物と不飽和基含有モノカルボン酸との反応物を酸無水物と反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレートが適している。
【0055】
エポキシ化合物としては、特に限定されるものではないが、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、または脂肪族エポキシ化合物などのエポキシ化合物が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0056】
不飽和基含有モノカルボン酸としては、例えば(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、(メタ)アクリル酸ダイマー、β−フルフリルアクリル酸、β−スチリルアクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、α−シアノ桂皮酸等が挙げられる。また、水酸基含有アクリレートと飽和あるいは不飽和二塩基酸無水物との反応生成物である半エステル化合物、不飽和基含有モノグリシジルエーテルと飽和あるいは不飽和二塩基酸無水物との反応生成物である半エステル化合物も挙げられる。これら不飽和基含有モノカルボン酸は、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0057】
酸無水物としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等の二塩基性酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族多価カルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、エンドビシクロ[2.2.1]−ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物のような多価カルボン酸無水物誘導体等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0058】
このようにして得られるカルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂の分子量は、特に制限されないが、好ましくはGPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量が1,000〜40,000、より好ましくは2,000〜5,000である。
【0059】
また、前記エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の酸価(固形分酸価を意味する。JIS K0070に従い測定。以下同様)は10mgKOH/g以上であることが好ましく、45mgKOH/g〜160mgKOH/gの範囲にあることがより好ましく、さらに50mgKOH/g〜140mgKOH/gの範囲がアルカリ溶解性とレジストの硬化膜の耐アルカリ性のバランスが良く、とりわけ好ましい。酸価が10mgKOH/gより小さい場合にはアルカリ溶解性が悪くなり、逆に大きすぎると、レジスト硬化膜の耐アルカリ性等の特性を下げる要因となる場合がありうる。
【0060】
(iii)カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート樹脂
本発明において使用するカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、アクリル酸系共重合体やエポキシ(メタ)アクリレートより柔軟なバインダー樹脂であり、柔軟性、耐屈曲性が必要とされる用途に使用される。
【0061】
カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート由来の単位と、ポリオール由来の単位と、ポリイソシアナート由来の単位とを構成単位として含む化合物である。より詳しくは、両末端がヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート由来の単位からなり、該両末端の間はウレタン結合により連結されたポリオール由来の単位とポリイソシアナート由来の単位とからなる繰り返し単位により構成され、この繰り返し単位中にカルボキシル基が存在する構造となっている化合物である。
【0062】
すなわち、前記カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、
【化21】
−(ORbO−OCNHRcNHCO)n−
(式中、ORbOはポリオールの脱水素残基、Rcはポリイソシアナートの脱イソシアナート残基を表し、nは整数である。)で示される。
【0063】
カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、少なくとも、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートと、ポリオールと、ポリイソシアナートとを反応させることにより製造できる。ここで、ポリオールまたはポリイソシアナートの少なくともどちらか一方には、カルボキシル基を有する化合物を使用することが必要である。好ましくは、カルボキシル基を有するポリオールを使用する。このようにポリオールおよび/またはポリイソシアナートとして、カルボキシル基を有する化合物を使用することにより、RbまたはRc中にカルボキシル基が存在するウレタン(メタ)アクリレート樹脂を製造することができる。なお、上記式中、nとしては1〜200程度が好ましく、2〜30がより好ましい。nがこのような範囲であると、レジスト硬化膜の可撓性がより優れる。
【0064】
また、ポリオールおよびポリイソシアナートの少なくとも一方が2種類以上用いられている場合には、繰り返し単位は複数の種類を表すが、その複数の単位の規則性は完全ランダム、ブロック、局在等、目的に応じて適宜選ぶことができる。
【0065】
ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、前記各(メタ)アクリレートのカプロラクトンまたは酸化アルキレン付加物、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート−アクリル酸付加物、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン−アルキレンオキサイド付加物−ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0066】
これらのヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのうちでは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートがより好ましい。2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを使用すると、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート樹脂の合成がより容易である。
【0067】
本発明で用いられるポリオールとしては、ポリマーポリオールおよび/またはジヒドロキシル化合物を使用することができる。ポリマーポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル系ジオール、多価アルコールと多塩基酸のエステルから得られるポリエステル系ポリオール、ヘキサメチレンカーボネート、ペンタメチレンカーボネート等に由来の単位を構成単位として含むポリカーボネート系ジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリブチロラクトンジオール等のポリラクトン系ジオールが挙げられる。
【0068】
また、カルボキシル基を有するポリマーポリオールを使用する場合は、例えば、上記ポリマーポリオール合成時に(無水)トリメリット酸等の3価以上の多塩基酸を共存させ、カルボキシル基が残存するように合成した化合物などを使用することができる。
【0069】
ポリマーポリオールは、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのポリマーポリオールとしては、数平均分子量が200〜2,000であるものを使用すると、レジスト硬化膜の可撓性がより優れる。
【0070】
ジヒドロキシル化合物としては、2つのアルコール性ヒドロキシル基を有する分岐または直鎖状の化合物を使用できるが、特にカルボキシル基を有するジヒドロキシ脂肪族カルボン酸を使用することが好ましい。このようなジヒドロキシル化合物としては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸が挙げられる。カルボキシル基を有するジヒドロキシ脂肪族カルボン酸を使用することによって、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂中に容易にカルボキシル基を存在させることができる。
ジヒドロキシル化合物は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができ、ポリマーポリオールとともに使用してもよい。
【0071】
また、カルボキシル基を有するポリマーポリオールを併用する場合や、後述するポリイソシアナートとしてカルボキシル基を有するものを使用する場合には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのカルボキシル基を持たないジヒドロキシル化合物を使用してもよい。
【0072】
本発明で用いられるポリイソシアナートとしては、具体的に2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、ジフェニルメチレンジイソシアナート、(o,m,またはp)−キシレンジイソシアナート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアナート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレレンジイソシアナートおよび1,5−ナフタレンジイソシアナート等のジイソシナートが挙げられる。これらのポリイソシアナートは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、カルボキシル基を有するポリイソシアナートを使用することもできる。
【0073】
本発明で用いられるカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート樹脂の分子量は特に限定されないが、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量が1,000〜40,000、より好ましくは8,000〜30,000である。また、前記ウレタン(メタ)アクリレートの酸価は、5〜150mgKOH/gが好ましく、さらに好ましくは30〜120mgKOH/gである。
【0074】
カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレートの数平均分子量が1,000未満ではレジスト硬化膜の伸度と強度を損なうことがあり、40,000を超えると硬くなり可撓性を低下させるおそれがある。また、酸価が5mgKOH/g未満ではレジストのアルカリ溶解性が悪くなる場合があり、150mgKOH/gを超えるとレジスト硬化膜の耐アルカリ性等を悪くする場合がある。
【0075】
2.カラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物
2−(1)エチレン性不飽和単量体(E)
エチレン性不飽和単量体(E)は光照射時に光重合開始剤から発生したラジカルにより、重合・架橋を行い、アルカリ現像液に対して不溶化させることを目的に配合される。
【0076】
エチレン性不飽和単量体(E)として好ましくは、(メタ)アクリル酸エステルが使用される。具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシ(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、またはグリセロールジ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート;
2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリレート;
メタクリロキシエチルフォスフェート、ビス・メタクリロキシエチルフォスフェート、メタクリロオキシエチルフェニルアシッドホスフェート(フェニールP)等のリン原子を有するメタクリレート;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリアクリレート;
ビスフェノールSのエチレンオキシド4モル付加ジアクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド4モル付加ジアクリレート、脂肪酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド3モル付加トリアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド6モル付加トリアクリレート等の変性ポリオールポリアクリレート;
ビス(アクリロイルオキシエチル)モノヒドロキシエチルイソシアヌレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ε−カプロラクトン付加トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアヌル酸骨格を有するポリアクリレート;
α,ω−ジアクリロイル−(ビスエチレングリコール)−フタレート、α,ω−テトラアクリロイル−(ビストリメチロールプロパン)−テトラヒドロフタレート等のポリエステルアクリレート;
グリシジル(メタ)アクリレート;
アリル(メタ)アクリレート;
ω−ヒドロキシヘキサノイルオキシエチル(メタ)アクリレート;
ポリカプロラクトン(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート;
(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート;
2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート;
フェノキシエチルアクリレート等が挙げられる。
【0077】
また、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルミアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニル化合物等もモノマーとして好適に用いることができる。
これらのうち好ましいものは、光感度が高くなることから、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリ(メタ)アクリレートである。
【0078】
2−(2)光重合開始剤(F)
本発明において光重合開始剤(F)は、紫外線、可視光、(近)赤外線等の活性光により励起されてラジカルを発生しエチレン性不飽和結合の重合を開始する化合物単独、もしくはその増感剤との組み合わせをいう。本発明のブラックマトリックスレジスト組成物に使用される光重合開始剤は、高遮光下でラジカルを発生することが必要とされるため、光感度が高いものを使用する。そのような光重合開始剤としては(イ)ヘキサアリールビイミダゾール系化合物、(ロ)アミノアセトフェノン系化合物が挙げられる。
【0079】
ヘキサアリールビイミダゾール系化合物(イ)の具体例としては、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等が挙げられる。但し、レジストのポストベーク時に発生する熱分解物が低昇華性であるため、排気ダクトに不要な結晶が付着しにくい下記式(5)のヘキサアリールビイミダゾール化合物を使用することが好ましい。
【0080】
【化22】
式(5)中、R14はハロゲン原子を表し、R15は炭素数1〜4の置換基を有してもよいアルキル基、または炭素数1〜4の置換基を有してもよいアルコキシ基を表す。
【0081】
上記式(5)で示されるヘキサアリールビイミダゾール化合物のうち、特に好しいものとして2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’−5,5’−テトラキス(4−メチルフェニル)−1,2’−ビイミダゾールが挙げられる。
【0082】
アミノアセトフェノン系化合物(ロ)の具体例としては、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1が挙げられる。
【0083】
ヘキサアリールビイミダゾール系化合物(イ)、アミノアセトフェノン化合物(ロ)を使用する場合は、より感度を挙げるために増感剤を配合してもよい。具体的には、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン系化合物、3−アセチルクマリン、3−アセチル−7−ジエチルアミノクマリン、3−ベンゾイルクマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3,3’−カルボニルビスクマリン 、3,3’−カルボニルビス(7−メトキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジメトキシクマリン)等のケトクマリン系化合物を使用することができる。
【0084】
本発明では上記以外の光重合開始剤を使用してもよい。そのような光重合開始剤としては、特開2000−249822号公報等に記載の増感剤と有機ホウ素塩系化合物の組み合わせ、特開平4−221958号公報、特開平4−21975号公報等に記載のチタノセン系化合物、特開平10−253815号公報等に記載のトリアジン系化合物が挙げられる。
【0085】
2−(3)メルカプト基を2個以上有する多官能チオール化合物(G)
本発明には、光重合開始剤の一部として連鎖移動剤としての1分子中2個以上のメルカプト基を有する多官能チオール化合物を使用することができる。多官能チオールの添加により酸素による重合阻害が抑制され、高遮光下においても均一な光硬化反応を起こすことができる。そのような多官能チオール化合物の具体例としては、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ブタンジオールビス(メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)が挙げられる。
【0086】
しかし上記1級のメルカプト基を有する多官能チオールの場合、保存中にメルカプト基と(メタ)アクリロイル基等のエチレン性不飽和基と反応してしまい、その結果保存後の感度が低下することがある。そこでさらに保存安定性を得る目的で本発明では下記式(6)のメルカプト基含有基を有する多官能チオールを使用することが好ましい。
【0087】
【化23】
−(CH2)jC(R16)(R17)(CH2)hSH (6)
(式中、R16およびR17は各々独立して水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、その少なくとも一方はアルキル基である。jは0または1〜2の整数、hは0または1である。)
【0088】
式(6)のメルカプト基含有基を有する多官能チオール化合物の具体例としては、エチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、
1,2−プロピレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、
ジエチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、
1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、
1,8−オクタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、
トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、
ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトブチレート)、
エチレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、
1,2−プロピレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、
ジエチレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、
1,4−ブタンジオールビス(2−メルカプトプロピオネート)、
1,8−オクタンジオールビス(2−メルカプトプロピオネート)、
トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトプロピオネート)、
ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトプロピオネート)、
ジペンタエリスリトールヘキサキス(2−メルカプトプロピオネート)、
エチレングリコールビス(3−メルカプトイソブチレート)、
1,2−プロピレングリコールビス(3−メルカプトイソブチレート)、
ジエチレングリコールビス(3−メルカプトイソブチレート)、
1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトイソブチレート)、
1,8−オクタンジオールビス(3−メルカプトイソブチレート)、
トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトイソブチレート)、
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトイソブチレート)、
ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトイソブチレート)、
エチレングリコールビス(2−メルカプトイソブチレート)、
1,2−プロピレングリコールビス(2−メルカプトイソブチレート)、
ジエチレングリコールビス(2−メルカプトイソブチレート)、
1,4−ブタンジオールビス(2−メルカプトイソブチレート)、
1,8−オクタンジオールビス(2−メルカプトイソブチレート)、
トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトイソブチレート)、
ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトイソブチレート)、
ジペンタエリスリトールヘキサキス(2−メルカプトイソブチレート)が挙げられる。
【0089】
本発明のブラックマトリックスレジスト組成物における有機溶剤以外の各成分の含有率は下記の通りである。
平均一次粒子径が20〜60nm、DBP吸油量が30〜100ml/100g、BET法による比表面積が30〜150m2/g、粒子表面のカルボキシル基の濃度が0.2〜1.0μmol/m2のカーボンブラック(A)は、40〜80質量%が好ましく、45〜65質量%がさらに好ましい。40質量%未満では必要とされる遮光性が得られず、80質量%を越えると分散安定性が低下し、レジスト皮膜の強度が低下することがある。
【0090】
アミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体(B)は、4〜50質量%が好ましく、6〜12質量%がさらに好ましい。4質量%未満ではカーボンブラックの十分な分散安定性が得られず、50質量%を越えるとカルボキシル基を有するバインダー樹脂やエチレン性不飽和単量体の配合量を減らさざる得ないため、光感度の低下やレジスト皮膜の物性が低下することがある。
【0091】
カルボキシル基を有するバインダー樹脂(D)は、10〜50質量%が好ましく、12〜25質量%がさらに好ましい。カルボキシル基を有するバインダー樹脂が10質量%未満であると、レジスト皮膜の耐久性が低下する場合がある。50質量%を越えると十分な遮光性が得られなくなることがある。
【0092】
エチレン性不飽和単量体(E)は、3〜45質量%が好ましく、5〜15質量%がさらに好ましい。3質量%未満では充分な光感度が得られなくなり、45質量%を越えると、十分な光感度が得られないことがある。
【0093】
光重合開始剤(F)は2〜45質量%が好ましく、さらに好ましくは5〜12質量%である。2質量%未満では充分な光感度が得られなくなり、45質量%を越えると、レジスト皮膜の耐久光感度が得られないことがある。
【0094】
メルカプト基を2個以上有する多官能チオール化合物(G)は2〜45質量%が好ましく、さらに好ましくは5〜12質量%である。2質量%未満では充分な光感度が得られなくなり、45質量%を越えると細線がフォトマスクの幅より太くなってしまうおそれがある。
【0095】
本発明ではこれら必須成分以外に密着性向上剤、レベリング剤、現像改良剤、酸化防止剤、熱重合禁止剤等を好適に添加することができる。
【0096】
3.カーボンブラック分散液の製造方法
本発明のカーボンブラック分散液は、前記カーボンブラック(A)、分散剤(B)、有機溶剤(C)及び/またはバインダー樹脂(D)を予め配合、ディスパーサー等でプレミキシングした後に、2本ロールミル、3本ロールミル等のロールミル、ボールミル、振動ボールミル等のボールミル、ペイントコンディショナー、連続ディスク型ビーズミル、連続アニュラー型ビーズミル等のビーズミルで粉砕・分散処理して得ることができる。短時間で粉砕・分散できること、分散後の粒子径分布シャープなこと、粉砕・分散中の温度制御が容易で分散液の変質を抑制できることから、特に連続アニュラー型ビーズミルを用いることが好ましい。
【0097】
連続アニュラー型ビーズミルは、材料の導入口と排出口を備えたベッセル(円筒体)にビーズを撹拌するための溝がつけられたローター(回転体)が差し込まれた構造をしている。このベッセルとローターにより構成された二重円筒の間隙部において、ローターの回転にてビーズに運動を与え、試料の粉砕、せん断、磨砕を行い、効率よくカーボンブラックを粉砕・分散することができる。試料はベッセルの端部より導入されて微粒子化され、導入部の反対側より排出される。必要な粒度分布が得られるまでこの処理は繰り返される。試料がベッセル内で実質的に粉砕・分散処理を受けた時間を滞留時間と呼ぶ。
【0098】
このような連続アニュラー型ビーズミルとしては、(株)井上製作所製のスパイクミル(商品名)、ターボ工業株式会社製のOB−ミル(商品名)等が挙げられる。
【0099】
連続アニュラー型ビーズミルの好ましい使用条件は以下の通りである。使用するビーズ径(直径)は0.2〜1.5mmが好ましく、より好ましくは0.4〜1.0mmである。0.2mm未満であるとビーズ1個の重量が小さくなり過ぎるため、ビーズ1個が有する粉砕エネルギーが小さくなり、カーボンブラックの粉砕が進まなくなる。1.5mmを越えるとビーズ間の衝突回数が少なくなるので、カーボンブラックの粉砕が短時間で行うことは難しくなる。
【0100】
ビーズの材質はジルコニア、アルミナ等のセラミック、ステンレス等の比重が4以上のものは粉砕効率が高くなるので好ましい。
ローターの周速は5〜20m/秒が好ましく、さらに好ましくは8〜15m/秒である。5m/秒未満では十分なカーボンブラックの粉砕・分散ができなくなる。20m/秒を越えると、摩擦熱によりカーボンブラック分散液の温度が上がりすぎ、増粘等のカーボンブラック分散液の変質が起こるので好ましくない。
【0101】
分散時の温度は10〜60℃の範囲が好ましく、より好ましくは室温〜50℃でである。10℃未満では結露により大気中の水分がカーボンブラック分散液に混入してしまうので好ましくない。また60℃を越えると増粘等のカーボンブラック分散液の変質が起こるので好ましくない。
【0102】
滞留時間は1〜30分が好ましく、より好ましくは3〜20分である。1分より短くなると粉砕・分散処理が不十分となり、30分を越えるとカーボンブラック分散液の変質が起こり増粘する。
【0103】
4.ブラックマトリックスレジストの製造方法
本発明のカラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物を製造するには、上記分散処理により得られたカーボンブラック分散液と、ブラックマトリックスレジスト組成物として必要な上記の成分を添加、混合し均一な溶液とする。製造工程においては微細なゴミが感光液に混じることが多いため、ブラックマトリックスレジスト組成物はフィルター等によりろ過処理するのが望ましい。
【0104】
5.カラーフィルターの製造方法
続いて、本発明のブラックマトリックスレジスト組成物を用いたカラーフィルターの製造方法について説明する。
まず、ブラックマトリックスレジスト組成物、画素、保護膜をこの順に積層せしめてなる液晶表示素子用カラーフィルターを例にして説明する。
【0105】
本発明のブラックマトリックスレジスト組成物を透明基板上に塗布する。次に溶剤をオーブン等で乾燥した後、フォトマスク越しに露光、現像してブラックマトリックスパターンを形成させる。そして、ポストベークを行いブラックマトリックスは完成する。
【0106】
ここで、使用する透明基板としては特に限定されるものではないが、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、表面をシリカーコートしたライムソーダガラスなどの無機ガラス類、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルやポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン等、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホンの熱可塑性プラスチック、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂のフィルムまたはシートなどが好ましく用いられる。このような透明基板には、表面の接着性等の物性を改良するために、予めコロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤やウレタンポリマー等の各種ポリマーの薄膜処理等を行うこともできる。
【0107】
ブラックマトリックスレジスト組成物の透明基板上への塗布方法は、ディップ塗布、ロールコーター、ワイヤーバー、フローコーター、ダイコーター、スプレー塗布の他に、スピナーなどの回転塗布法が好適に用いられる。
【0108】
溶剤の乾燥はホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブン等の乾燥装置を用いることができる。好ましい乾燥条件は40〜150℃、乾燥時間は10秒〜60分の範囲である。また、真空状態で溶剤を乾燥してもよい。
【0109】
露光は溶剤を乾燥させた試料の上に50〜200μmの空隙(ギャップ)を設けたフォトマスクを置き、該フォトマスクを介して活性光を照射することで行う。露光に用いる光源としては、例えば、キセノンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯等のランプ光源やアルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマーレーザー、窒素レーザー等のレーザー光源等が挙げられる。特定の照射光の波長のみを使用する場合には光学フィルターを利用することもできる。
【0110】
露光後のレジストの現像処理は、現像液を用い、ディップ、シャワー、パドル法等で未硬化部分を洗浄除去することによる。レジストの現像を行う。現像液は、未露光部のレジスト膜を溶解させる能力のある溶剤であれば特に制限は受けない。例えばアセトン、塩化メチレン、トリクレン、シクロヘキサノン等の有機溶剤を使用することができる。しかしながら、有機溶剤は環境汚染、人体に対する有害性、火災危険性などをもつものが多いため、このような危険性の少ないアルカリ現像液を使用することが好ましい。このようなアルカリ現像液として、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機のアルカリ剤、あるいはジエタノールアミン、トリエタノールアミン、水酸化テトラアルキルアンモニウム塩等の有機のアルカリ剤を含有した水溶液が挙げられる。アルカリ現像液には、必要に応じ、界面活性剤、水溶性の有機溶剤、水酸基またはカルボキシル基を有する低分子化合物等を含有させることもできる。特に、界面活性剤は現像性、解像性、地汚れなどに対して改良効果をもつものが多いため添加することが好ましい。
【0111】
現像液用の界面活性剤としては、ナフタレンスルホン酸ナトリウム基、ベンゼンスルホン酸ナトリウム基を有するアニオン性界面活性剤、ポリアルキレンオキシ基を有するノニオン性界面活性剤、テトラアルキルアンモニウム基を有するカチオン性界面活性剤等を挙げることができる。現像処理方法については特に制限は無いが、通常、10〜50℃、好ましくは15〜45℃の現像温度で、浸漬現像(ディップ)、スプレー現像(シャワー)、ブラシ現像、超音波現像等の方法により行われる。
【0112】
ポストベークは溶剤乾燥と同様の装置を用い、150〜300℃の温度範囲で1〜120分の範囲で行われる
このようにして得られたブラックマトリックスの膜厚は0.1〜1.5μm、好ましくは0.2〜1.2μmの範囲とするのが良く、さらにブラックマトリックスとしての機能を果たすため、それらの膜厚において光学濃度が3以上であることが好ましい。
【0113】
このようにして作製されたブラックマトリックスパターンは、ブラックマトリックス間に20〜200μm程度の開口部が設けられている。後工程でこのスペースに画素が形成される。
【0114】
次に複数色の画素をブラックマトリックスの開口部に形成する。通常各画素の色は、R(赤)G(緑)B(青)の3色であり、画素となる感光性組成物は、顔料、もしくは染料で着色されている。まず第1色目の着色感光性組成物をブラックマトリックスが形成されている透明基板上に塗布する。次に当該着色感光性組成物の溶剤をオーブン等で乾燥することによって、ブラックマトリックス上に第1色目の着色層が全面にわたって形成される。通常カラーフィルターは複数色の画素からなるので、不必要な部分をフォトリソグラフィ法で除去し、所望の第1色目の画素パターンを形成する。画素膜厚としては、0.5〜3μm程度である。これを必要な色の画素だけ繰り返し、複数の色からなる画素を形成し、カラーフィルターを製造する。各画素を形成する工程に用いる装置、薬剤はブラックマトリックスを形成する場合と同じあることが好ましいが、異なってもなんら差し支えない。
【0115】
この後、必要に応じて保護膜を積層する。保護膜としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などがあり、特に限定はされない。
【0116】
また、この方法以外にも予め透明基板の表面上にパターン化された画素を形成した後、透明基板の裏面にブラックマトリックスレジスト組成物を塗布して、透明基板の表面側から露光し、画素をマスクとして用いて画素間にブラックマトリックスを形成する方法、いわゆる裏面露光方式などがある。
【0117】
最後に必要に応じてITO透明電極の積層及びパターニングを一般的な方法により行うことができる。
【0118】
本発明のカーボンブラック分散液、及び上記分散液を用いたブラックマトリックスレジスト組成物を使用することにより高遮光性、薄膜であり、高解像度のために細線パターンに優れたブラックマトリックスを容易に形成することができる。
【0119】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0120】
合成例1:カルボキシル基を有するバインダー樹脂(AP−1)の合成
滴下漏斗、温度計、冷却管、撹拌機を付した4つ口フラスコにメタクリル酸(MA)37.5質量部、メタクリル酸メチル(MMA)19.0質量部、メタクリル酸 n−ブチル(BMA)18.5質量部、2−メルカプトエタノール 0.75質量部、プロピレングリコールメチルエーテル(PGM)225.0質量部を仕込み、1時間4つ口フラスコ内を窒素置換した。さらにオイルバスで90℃まで加温した後、MA 37.5質量部、MMA 19.0質量部、BMA 18.5質量部、2−メルカプトエタノール 0.75質量部、PGM 225.0質量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)3.2質量部の混合液を1時間かけて滴下した。3時間重合を行った後100℃まで加熱し、AIBN 1.0質量部とプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PMA)15.0質量部の混合液を加えさらに1.5時間重合を行った後放冷した。その後4つ口フラスコ内を空気置換し、グルシジルメタクリレート(GMA)61.5質量部、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(TBAB)3.6質量部、メトキノン 0.15質量部を加え、80℃で8時間反応を行い、共重合体のカルボキシル基にGMAを付加させた。得られたGMA付加メタクリル酸エステル共重合体をAP−1とした。AP−1の固形分濃度は30.5%、固形分酸価は116mgKOH/g、GPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は14,000であった。
【0121】
合成例2:カルボキシル基を有するバインダー樹脂(AP−2)の合成
滴下漏斗、温度計、冷却管、撹拌機を付した4つ口フラスコにMA 17.5質量部、MMA 30.0質量部、ベンジルメタクリレート(BzMA) 7.5質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)20.0質量部、2−メルカプトエタノール 0.75質量部、PMA 225.0質量部を仕込み、1時間4つ口フラスコ内を窒素置換した。さらにオイルバスで90℃まで加温した後、MA 17.5質量部、MMA 30.0質量部、BzMA 7.5質量部、HEMA 20.0質量部、2−メルカプトエタノール 0.75質量部、PMA 225.0質量部、AIBN 3.2質量部の混合液を1時間かけて滴下した。3時間重合を行った後100℃まで加熱し、AIBN 1.0質量部とPMA 15.0質量部の混合液を加えさらに1.5時間重合を行った後60℃まで温度を下げた。その後4つ口フラスコ内を空気置換し、2−メタクリロイロキシエチルイソシアネート(MEI,昭和電工(株)製) 48.0質量部、ジブチルスズジラウレート 0.15質量部、メトキノン 0.15質量部を加え、60℃で5時間反応を行い、生成した共重合体の水酸基にイソシアネート基を反応させた。得られたMEI付加アクリル酸エステル共重合体をAP−2とした。AP−2の固形分濃度は29.5%、固形分酸価は114mgKOH/g、GPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は13,000であった。
【0122】
合成例3:アミノ基を有する共重合体(B)(DP−1)の合成
還流冷却器、温度計、撹拌機、滴下ロートを付した4つ口フラスコにシクロヘキサノン(40質量部)を入れて、液温を100℃に保温した。窒素雰囲気下で、エチルアクリレート(24質量部)、マクロモノマーAA−6(メチルメタクリレートマクロモノマー,東亜合成化学工業(株)製,4質量部)、ライトエステルDQ−100(ジメチルアミノエチルメタクリレート4級化物,共栄社化学(株)製,12質量部)、n−ドデシルメルカプタン(0.4質量部)、AIBN(0.8質量部)、シクロヘキサノン(20質量部)の混合溶液を約3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらにAIBN(0.5質量部)を加え、100℃で2時間反応させた。得られた共重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量をGPCで測定したところ50,000であり、固形分濃度は40.2%であった。これをDP−1とした。
【0123】
合成例4:アミノ基を有する共重合体(B)(DP−2)の合成
シクロヘキサノン(40質量部)に滴下する混合溶液の組成をフェノキシエチルメタクリレート(ライトエステルPO,共栄社化学(株)製,12質量部)、マクロモノマーAA−6 (4質量部)、ライトエステルDQ−100(8質量部)、ライトエステルDM(ジメチルアミノエチルメタクリレート,共栄社化学(株)製,16質量部)、n−ドデシルメルカプタン(2質量部)、AIBN(0.8質量部)とし、その他の条件を合成例3と同一にして反応を行った。得られた共重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量をGPCで測定したところ20,000であり、固形分濃度は40.3%であった。これをDP−2とした。
【0124】
合成例5:アミノ基を有する共重合体(B)(DP−3)の合成
シクロヘキサノン(40質量部)に滴下する混合溶液の組成をNKエステルM−20G(メトキシジエチレングリコールメタクリレート,新中村化学(株)製,12質量部)、マクロモノマーAA−6(4質量部)、ライトエステルDQ−100(8質量部)、ライトエステルDM(ジメチルアミノエチルメタクリレート,16質量部)、n−ドデシルメルカプタン(2質量部)、AIBN(0.8質量部)とし、その他の条件を合成例3と同一にして反応を行った。得られた共重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量をGPCで測定したところ20,000であり、固形分濃度は40.0%であった。これをDP−3とした。
【0125】
合成例6:光重合開始剤成分「2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’、5,5’−テトラキス(4−メチルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール(MHABI)」の合成
4,4’−ジメチルベンジル 27.50g(115mmol)、o−クロルベンズアルデヒド 16.25g(116mmol)、酢酸アンモニウム 69.45g(901mmol)、酢酸 450gを1L容のナスフラスコに入れ、撹拌しながら117℃で5時間反応した。前記反応液を放冷した後、撹拌している脱イオン水2Lにゆっくり投入したところ、2−クロロフェニル−4,5−ビス(4−メチルフェニル)イミダゾールが析出した。その後、2−クロロフェニル−4,5−ビス(4−メチルフェニル)イミダゾールをろ過水洗後、塩化メチレン500gに溶解し、2L容の4つ口フラスコに仕込み、5〜10℃になるよう冷却した。これにフェリシアン化カリウム 117.6g(357mmol)、水酸化ナトリウム 44.7g、脱イオン水 600gの混合液を1時間かけて撹拌しながら加え、さらに室温下で18時間反応を行った。前記反応液は脱イオン水で3回洗浄した後、無水硫酸マグネシウム 約50gで脱水処理した後、塩化メチレンを減圧下で留去した結果、MHABIの結晶が生じた。MHABIはエタノールより再結晶し、ろ過、乾燥した結果淡黄色結晶として36.5g(収率88.7%)を得ることができた。
【0126】
合成例7:光重合開始剤成分「トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)(TPMB)」の合成
トリメチロールプロパン(東京化成(株)製)2.68g(20mmol)、3−メルカプトブタン酸 7.57g(63mmol)、p−トルエンスルホン酸・1水和物 0.23g(1.2mmol)、トルエン20gを100ml容ナスフラスコに仕込み、Dean−Stark装置及び冷却管を装着した。内容物を撹拌しながらオイルバス温度145℃で加熱した。反応開始3時間後に放冷し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液50mlで、反応液を中和した。さらに反応液をイオン交換水にて2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムにて脱水・乾燥を行った。次にトルエンを留去し、残分をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーにかけ、TPMBの精製を行った。シリカゲルはワコーゲルC−200(和光純薬工業(株)製)を用い、溶出溶媒としてn−ヘキサン/酢酸エチル=5/1(容積比)を用いた。精製して得られたTPMBは無色透明の液体であり、収量は5.63g、収率は64%であった。
【0127】
[カーボンブラック分散液の調製]
表1に示した性質を有するカーボンブラックを用い、実施例に示した方法でカーボンブラック分散液を調製した。
【0128】
【表1】
【0129】
実施例1:
側鎖にアクリロイル基とカルボキシル基を有するアクリル酸エステル共重合体であるサイクロマーACA−200(以下、ACA−200と略記,ダイセル化学(株)製,固形分濃度48%,ポリスチレン換算重量平均分子量19,000,固形分酸価116mg/g,438質量部(固形分210質量部))、DP−1(210質量部(固形分84質量部))、カーボンブラック Special Black 250(デグサ社製,546質量部)、シクロヘキサノン(3000質量部)を混合した後、ディスパーサーでプレミキシングを行った。さらにこの混合液を連続アニュラー型ビーズミル(商品名スパイクミル 型式SHG−4 株式会社井上製作所製)で分散を行った。使用したビーズは直径0.65mmのジルコニアビーズで、ベッセル内のビーズ充填率は80体積%とした。ローターの周速は12m/秒、カーボンブラック分散液の吐出量は1リットル/分、温度は約30℃になるように設定した。カーボンブラック分散液のベッセル内における滞留時間は6分(運転時間1時間)とした。上記方法により実施例1のカーボンブラック分散液を得た。
【0130】
実施例2〜8及び比較例1〜3:
表2に示す組成で、実施例1と同様の方法で実施例2〜8及び比較例1〜3のカーボンブラック分散液を得た。なお、比較例3のDisperbyk-161は、ビックケミー社のウレタン系分散剤である。
【0131】
比較例4:
実施例6と同じ配合組成比で、分散機としてペイントシェーカーを用いて分散処理を行った。このときのACA−200、DP−3、Raven 1080、シクロヘキサノンの配合量はそれぞれ6.3質量部(固形分3.0質量部)、3.0質量部(固形分1.2質量部)、7.8質量部、42.9質量部である。前記成分は160ml容のステンレス缶に仕込み、ビーズは0.65mm径のジルコニアビーズ 380g(充填率80体積%)、運転時間は1時間とした。
【0132】
[分散性評価]
ろ過性:
実施例1〜8及び比較例1〜4におけるカーボンブラックの分散度を孔径0.8μmのフィルター(桐山濾紙 GFP用)を使用した場合のろ過性にて評価した。速やかにろ過できた場合を分散性○、目詰まりしてろ過できなかった場合には分散性×とした。結果を表2に示す。
【0133】
光沢度:
実施例1〜8及び比較例1〜4のカーボンブラック分散液を100×100×1mmの大きさのガラス板にスピンコートにより塗布した後、室温で30分及び70℃で20分乾燥した。その後にデジタル変角光沢度計(型式UGV−50 スガ試験機(株)製)にて入射角45°、反射角45°で光沢度を測定した。光沢度が大きいほどカーボンブラックの分散性が良いと判断した。結果を表2に示す。
【0134】
【表2】
表2の結果より、特定のカーボンブラックとアミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体を使用することにより、カーボンブラックの分散性が高い分散液を調製することができた。また、実施例6と比較例4を比較すると連続アニュラー型ビーズミルを使用したほうが塗膜の光沢度が大きく、より高いカーボンブラックの分散を行えることが示された。
【0135】
ブラックマトリックスレジストの評価:
以下の試薬を使用した。
・エチレン性不飽和基を有する化合物(モノマー)(E)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(以下、DPHAと略記:東亜合成(株)製)、
・光重合開始剤(F)
4,4‘−ビス(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(以下、EMKと略記:保土谷化学(株)製)、
・有機溶剤(C)
シクロヘキサノン(和光純薬工業(株)製)。
【0136】
実施例9:ブラックマトリックスレジストの調製
実施例1のカーボンブラック分散液420質量部(固形分としてカルボキシル基を有するバインダー樹脂(D) 21.0質量部、アミノ基を有する共重合体(B) 8.4質量部、カーボンブラック(A) 54.6質量部を含有)、モノマー(E)としてDPHA 8.4質量部、光重合開始剤(F)としてEMK 1.0質量部、MHABI 5.0質量部、多官能チオール化合物(G)としてTPMB 5.0質量部、シクロヘキサノン 150質量部を混合し、2時間撹拌後孔径0.8μmのフィルター(桐山濾紙 GFP用)でろ過を行い実施例9のブラックマトリックスレジストを調製した。
【0137】
実施例10〜16及び比較例5:
実施例2のカーボンブラック分散液を用い、実施例9と同じ配合組成で実施例10のブラックマトリックスレジストを調製した。以下同様に実施例3のカーボンブラック分散液を用いて実施例11、実施例4のカーボンブラック分散液を用いて実施例12、実施例5のカーボンブラック分散液を用いて実施例13、実施例6のカーボンブラック分散液を用いて実施例14、実施例7のカーボンブラック分散液を用いて実施例15、実施例8のカーボンブラック分散液を用いて実施例16、比較例4のカーボンブラック分散液を用いて比較例5のブラックマトリックスレジスト組成物を調製した。
【0138】
光感度:
実施例9〜16、比較例5のブラックマトリックスレジスト組成物をガラス基板(大きさ100×100×1mm)に乾燥膜厚が約1μmになるようにスピンコートし、室温で30分間放置後、20分間70℃で溶剤を乾燥した。乾燥後のレジストの膜厚を膜厚計(株式会社 東京精密製 SURFCOM130A)で測定してから、超高圧水銀ランプを組み込んだ露光装置(ウシオ電機株式会社製商品名 マルチライト ML−251A/B)で段階的に露光量を変えながら石英製のフォトマスクを介して光硬化した。露光量は紫外線積算光量計(ウシオ電機(株)製 商品名 UIT−150 受光部 UVD−S365)を用いて測定した。また、用いた石英製フォトマスクにはライン/スペ−スが5、7、10、30、50、70、100μmのパターンが形成されたものである。
【0139】
露光されたレジストは、炭酸カリウムを含有するアルカリ現像剤であるデベロッパー9033(シプレイ・ファーイースト株式会社製)を0.25%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.03%を含有する水溶液(25℃)で、所定の時間アルカリ現像した(現像時間は露光前のレジスト皮膜がアルカリ現像により、皮膜が完全に溶解される時間(tD)の2.0倍に設定した。本実施例ではtD=15秒であったので現像時間は30秒とした。)。アルカリ現像後、水洗、エアスプレーによりガラス基板を乾燥し、残ったレジストの膜厚を測定し、残膜率を計算した。残膜率は以下の式より算出した。露光量を変えて同様の光硬化操作を実施し、露光量と残膜率の関係をプロットしたグラフを作成し、残膜率が飽和に達する露光量を求めた。
【0140】
【数1】
残膜率(%)=100×(アルカリ現像後膜厚)/(アルカリ現像前膜厚)
【0141】
次に、フォトマスクのライン/スペースが10μmの部分で形成したレジストの線幅を光学顕微鏡(キーエンス(株)製、VH−Z250)で測定した。
上記方法により、アルカリ現像後の残膜率が飽和に達した上で、フォトマスクの線幅(10μm)と同じ線幅になる最小露光量をブラックマトリックスレジストの光感度とした。結果を表3に示す。
【0142】
細線の直線性:
前記光感度の評価において作製した実施例9〜16及び比較例5の10μm線幅の部分を走査型電子顕微鏡(日本電子(株)、JSM−T330A)で観察し、細線の直線性の良い場合は○、悪い場合には×とした。図1に細線の直線性が良い電子顕微鏡写真(実施例16)を、図2に悪い場合の電子顕微鏡写真を示した(比較例5)。図2の場合、細線の端部に凹凸が見られる。結果を表3に示す。
【0143】
解像度:
前記光感度の評価において、各ブラックマトリックスレジストを光感度に相当する露光量で光硬化、同様の方法でアルカリ現像後、光学顕微鏡で観察し、フォトマスクと同じ線幅が残っている最小線幅をそのブラックマトリックスレジストの解像度とした。結果を表3に示す。
【0144】
OD値(光学濃度:Optical Density):
実施例9〜16、比較例5のブラックマトリックスレジスト組成物をガラス基板(大きさ100×100mm)にスピンコートし、室温で30分間乾燥後、20分間70℃で溶剤を乾燥した。超高圧水銀ランプで各レジストの光感度に相当する露光量で光硬化後、200℃×30分ポストベークし、得られたレジストが塗布されたガラス基板を用いてOD値を測定した。OD値はOD値既知の標準板で550nmにおける透過率を測定することにより作成された検量線を用いて決定した。結果を表3に示す。
【0145】
【表3】
【0146】
【発明の効果】
特定のカーボンブラックとアミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体を使用することによりカーボンブラックの分散性に優れた分散液を調製することができる。特に連続アニュラー型ビーズミルを使用することでより高い分散性を有するカーボンブラック分散液を調製できる。その結果表3に示すように高いOD値を有し、なおかつ解像度、細線の直線性に優れたブラックマトリックスレジストを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光感度の評価において作製した実施例16のレジストの10μm線幅の部分の走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】光感度の評価において作製した比較例5のレジストの10μm線幅の部分の走査型電子顕微鏡写真である。
【発明が属する技術分野】
本発明はカラーテレビ、液晶表示素子、固体撮像素子、カメラ等に使用される光学的カラーフィルターの製造に使用されるカラーフィルターブラックマトリックスレジスト及び、それに使用されるカーボンブラック分散液に関する。さらに詳しく言えば、カーボンブラックを高濃度で含有しながら分散安定性に優れるカラーフィルターブラックマトリックスレジスト用カーボンブラック分散液と製造方法、及び高遮光性でありながら細線の形状、解像性に優れるカラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物に関する。
【0002】
【従来の技術】
カラーフィルターは、通常、ガラス、プラスチックシート等の透明基板の表面に黒色のマトリックス(ブラックマトリックス)を形成し、続いて、赤(R)、緑(G)、青(B)等の3種以上の異なる色相を順次、ストライプ状あるいはモザイク状等の色パターンで形成したものである。パターンサイズはカラーフィルターの用途並びにそれぞれの色により異なるが5〜700μm程度である。また、重ね合わせの位置精度は数μ〜数十μmであり、寸法精度の高い微細加工技術により製造されている。
【0003】
カラーフィルターの代表的な製造方法としては、染色法、印刷法、顔料分散法、電着法等がある。これらのうち、特に色材料を含有する感光性組成物を、透明基板上に塗布し、画像露光、現像、必要により硬化を繰り返すことでカラーフィルター画像を形成する顔料分散法は、カラーフィルター画素の位置、膜厚等の精度が高く、耐光性・耐熱性等の耐久性に優れ、ピンホール等の欠陥が少ないため、広く採用されている。
【0004】
ブラックマトリックスはR、G、Bの色パターンの間に格子状、ストライプ状またはモザイク状に配置されるのが一般的であり、各色間の混色抑制によるコントラスト向上あるいは光漏れによるTFT(薄膜トランジスタ)の誤動作を防ぐ役割を果たしている。このため、ブラックマトリックスには高い遮光性が要求される。従来、ブラックマトリックスはクロム等の金属膜で形成する方法が一般的であった。この手法は透明基板上にクロム等の金属を蒸着しフォトリソグラフィー工程を経てクロム層をエッチング処理するものであり、薄い膜厚で高遮光性のブラックマトリックスが高精度で得られる。しかし、その反面、製造工程が長く、かつ生産性が低いことによるコスト高、また、エッチング処理の廃液などによる環境問題が生じる等の問題を抱えている。
【0005】
このため、遮光性の顔料を分散させた感光性樹脂で低コスト、無公害のブラックマトリックス(樹脂ブラックマトリックス)を形成する手法が精力的に研究されている。しかしながら、樹脂ブラックマトリックスは後述するような問題を抱えているため、いまだ実用化できていないのが現状である。
【0006】
樹脂ブラックマトリックスにおいて、クロム等の金属膜によるブラックマトリックスと同等の遮光性(高光学濃度)を発現させるためには、遮光性顔料の含有量を多くするか、あるいは膜厚を厚くする必要がある。
【0007】
膜厚を厚くする方法においては、ブラックマトリックスの凹凸の影響を受けるため、その上に形成するR、G、Bの着色画素の平坦性が損なわれる。その結果、液晶セルギャップの不均一化、あるいは液晶の配向の乱れを発生させ表示能力の低下、カラーフィルター上に設ける透明電極(例えばITO(インジウム-スズ酸化物)膜)の断線が発生する等の問題が生じる。
【0008】
遮光性顔料の含有量を多くする方法においては、遮光性顔料であるカーボンブラックを高濃度で分散させるため、レジスト組成物の粘度の増大、レジスト組成物の感度、現像性、解像性、密着性等が悪化する問題があり、生産性の低下のみならずカラーフィルターに要求される精度、信頼性が得られなくなる。
【0009】
カーボンブラックを高濃度でブラックマトリックスレジスト組成物に添加する場合、その分散性を向上させるために、カーボンブラックを樹脂等で表面処理あるいはグラフト化する技術も開発されている。例えば、特許文献1および2ではカーボンブラックをエポキシ樹脂で被覆する方法が開示されている。また、特許文献3および4ではカーボンブラックを樹脂でグラフトする方法が開示されている。しかしこれらの方法は処理が煩雑であり、さらにレジスト固形分中の樹脂の割合が高くなるので遮光性が低下する問題がある。
【0010】
また、カーボンブラックを分散するために用いる分散剤の観点からの検討も行われている。例えば特許文献5ではウレタン結合を有する分散剤を使用した樹脂ブラックマトリックスが提案されているが、分散剤の実質的な配合量がカーボンブラック100質量部に対して30〜40質量部と多く、遮光性を上げることが困難となる。
このように、薄膜、高遮光性を満足させるという条件の下でレジスト組成物の保存安定性、感度、現像性、解像性、密着性を発揮できる感光性樹脂材料が実現できていないため樹脂ブラックマトリックスの実用化が阻まれている。
【0011】
【特許文献1】
特開平9−71733号公報
【特許文献2】
特開平10−330643号
【特許文献3】
特開平6−214385号公報
【特許文献4】
特開平10−160937号公報
【特許文献5】
特開2000−227654号
【0012】
【発明が解決しようとする課題】
本発明は上述の問題点を解決し、薄膜・高遮光性を有するパターンをフォトリソグラフィー法で容易に形成でき、保存安定性に優れ、かつ十分な感度、解像性が得られるカラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物及びカーボンブラック分散液を提供し、さらには該カーボンブラック分散液を効率よく製造することを課題とする。
【0013】
【課題を解決するための手段】
本発明者らは鋭意検討の結果、(A)特定のカーボンブラックと(B)アミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体を組み合わせ、さらに連続アニュラー型ビーズミルで分散処理されたカーボンブラック分散液を用いることが、高遮光性、高解像度のカラーフィルターブラックマトリックスを形成するのに好適であること、さらに分散安定性に優れるカーボンブラック分散液、及びブラックマトリックスレジスト組成物を見出し本発明を完成した。
すなわち本発明は、下記のカラーフィルターブラックマトリックスレジスト用カーボンブラック分散液組成物およびカラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物を提供するものである。
【0014】
1.(A)平均一次粒子径20〜60nm、DBP吸油量30〜100ml/100g、BET法による比表面積30〜150m2/g、粒子表面のカルボキシル基の濃度0.2〜1.0μmol/m2のカーボンブラック、(B)アミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体、及び(C)有機溶剤を含有することを特徴とするカラーフィルターブラックマトリックスレジスト用カーボンブラック分散液組成物。
【0015】
2.アミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体(B)が、下記(i)、(ii)及び(iii)のモノマーを共重合して得られるものである前記1記載のカラーフィルターブラックマトリックス用カーボンブラック分散液組成物:
(i)(a)炭素数1〜18のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(b)下記式(1)
【化9】
(式中、R1及びR2は、同じでも異なっていてもよく、各々水素原子またはメチル基を表し、R3は炭素数1〜18のアルキル基を表し、nは1〜50の整数である。)で示される(メタ)アクリル酸エステル、(c)下記式(2)
【化10】
(式中、R4及びR5は、同じでも異なっていてもよく、各々水素原子またはメチル基を表し、R6は炭素数1〜18のアルキル基を表し、mは1〜50の整数を表す。)で示される(メタ)アクリル酸エステル、及び(d)水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルより選ばれる少なくとも一種の(メタ)アクリレート系単量体 10〜85質量部、
(ii)下記式(3)
【化11】
(式中、R7は水素原子またはメチル基を表し、R8及びR9は、同じでも異なっていてもよく、各々炭素数1〜6のアルキル基を表し、lは2〜8の整数である。)で示されるアミノアルキル(メタ)アクリレート単量体、及び/または下記式(4)
【化12】
(式中、R10は水素原子またはメチル基を表し、R11、R12及びR13は、同じでも異なっていてもよく、各々炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、フェニル基、ハロゲン化アリール基を表し、X-はハロゲンイオンまたは酸の陰イオン残基を表し、kは2〜8の整数である。)で示される第4級アンモニウム(メタ)アクリレート単量体 10〜85質量部、
(iii)末端に(メタ)アクリロイル基を有している、ポリアルキル(メタ)アクリレートマクロモノマー及びポリスチレンマクロモノマーより選ばれる少なくとも一種の単量体 5〜80質量部(但し、(i)〜(iii)の合計は100質量部である)。
【0016】
3.カーボンブラック(A)とアミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体(B)の比率が質量比で(A):(B)=100:5〜25である前記1または2記載のカラーフィルターブラックマトリックスレジスト用カーボンブラック分散液組成物。
4.さらに、(D)カルボキシル基を有するバインダー樹脂を含有する前記1乃至3のいずれかに記載のカラーフィルターブラックマトリックスレジスト用カーボンブラック分散液組成物。
5. 連続アニュラー型ビーズミルを用いて製造された前記1乃至4のいずれかに記載のカラーフィルターブラックマトリックスレジスト用カーボンブラック分散液組成物。
【0017】
6. 下記の(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)及び(G)成分からなることを特徴とするカラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物:
(A)平均一次粒子径20〜60nm、DBP吸油量30〜100ml/100g、BET法による比表面積30〜150m2/g、粒子表面のカルボキシル基の濃度が0.2〜1.0μmol/m2のカーボンブラック、
(B)アミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体、
(C)有機溶剤、
(D)カルボキシル基を有するバインダー樹脂、
(E)エチレン性不飽和単量体、
(F)光重合開始剤、
(G)メルカプト基を2個以上有する多官能チオール化合物。
7. 前記有機溶剤(C)を除いた成分が下記の比率で含有されている前記6に記載のカラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物:
(A)40〜80質量%、(B)4〜50質量%、(D)10〜50質量%、(E)3〜45質量%、(F)光重合開始剤2〜45質量%、(G)2〜45質量%。
【0018】
8. アミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体(B)が下記(i)、(ii)、(iii)のモノマーを共重合して得られることを特徴とする数平均分子量4,000〜100,000の(メタ)アクリル系共重合物である前記6または7記載のカラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物:
(i)(a)炭素数1〜18のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(b)下記式(1)
【化13】
(式中の記号は前記2と同じ意味を表す。)で示される(メタ)アクリル酸エステル、(c)下記式(2)
【化14】
(式中の記号は前記2と同じ意味を表す。)で示される(メタ)アクリル酸エステル、及び(d)水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルより選ばれる少なくとも一種の(メタ)アクリレート系単量体 10〜85質量部、
(ii)下記式(3)
【化15】
(式中の記号は前記2と同じ意味を表す。)で示されるアミノアルキル(メタ)アクリレート単量体、及び/または下記式(4)
【化16】
(式中の記号は前記2と同じ意味を表す。)で示される第4級アンモニウム(メタ)アクリレート単量体 10〜85質量部、
(iii)末端に(メタ)アクリロイル基を有している、ポリアルキル(メタ)アクリレートマクロモノマー及びポリスチレンマクロモノマーより選ばれた少なくとも一種の単量体(i)の単量体 5〜80質量部(但し、(i)〜(iii)の合計は100質量部である)。
【0019】
9.カルボキシル基を有するバインダー樹脂(D)がさらにエチレン性不飽和基を有する前記8に記載のカラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物。
【0020】
【発明の実施の形態】
以下、本発明について詳細に説明する。以下の記載において量比を表す「部」及び「%」は特に断らない限り質量基準とする。
【0021】
本明細書において、用語「(メタ)アクリル酸」はアクリル酸及びメタクリル酸のいずれかという意味に用い、用語「(メタ)アクリロイル」なる語はアクリロイル及びメタクリロイルのいずれかという意味に用いる。
また、カラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物またはその硬化物を単にレジストと呼ぶことがある。
【0022】
1.カーボンブラック分散液(A)
1−(1)カーボンブラック
本発明では、遮光材料としてカーボンブラックを使用する。カーボンブラックは、有機物を不完全燃焼あるいは熱分解することにより生成する黒色あるいは帯灰黒色の粉末で、その主成分は炭素である。カーボンブラックのミクロな状態は製法によって異なる。その製造方法としては、チャンネル法、ファーネス法、サーマル法、ランプブラック法、アセチレン法等がある。本発明においては平均一次粒子径が20〜60nm、DBP吸油量が30〜100ml/100g、BET法による比表面積が30〜150m2/g、粒子表面のカルボキシル基の濃度が0.2〜1.0μmol/m2のカーボンブラックを使用することが重要である。
【0023】
平均一次粒子径は次の方法により求めることができる。すなわち、電子顕微鏡写真で数万倍の写真を撮影し、数千個の粒子の直径を測定し、その数平均値を測定する。
DBP吸油量はJIS K 6221(1982)により求めることができる。
【0024】
比表面積は、BET法(J.Amer.Chem.Soc.,Vol.60,p309,1938年)にて求めることができる。
粒子表面のカルボキシル基の濃度は、選択的中和法(Rubber Chem.Technol.,Vol.36,p729,1963年、Carbon,Vol.1,p451,p456,1963年)により求めることができる。
【0025】
平均一次粒子径が20nm未満であると、必要とされる分散剤の量が多くなり、バインダー樹脂等の量を減らさざる得ないため、レジスト皮膜の強度が低下する。一方60nmを越えると解像度が低下する問題点が生じる。好ましくは25〜50nm、さらに好ましくは、25〜40nmの範囲である。
【0026】
DBP吸油量は30ml/100g未満であるとカーボンブラックのストラクチャーが小さすぎて分散が難しくなり、100ml/100gを越えるとストラクチャーが大きくなりすぎて、ストラクチャー間の空隙が大きくなるので単位体積あたりのカーボンブラック粒子の充填率が低下し、必要な遮光性が得られなくなることがある。好ましくは40〜90ml/100g、さらに好ましくは、45〜80ml/100gの範囲である。
【0027】
BET法による比表面積が30m2/g未満であると、平均粒子径が大きくなってしまうので、解像度が低下する。150m2/gを越えると必要な分散剤量が増えてしまい、バインダー樹脂等の量を減らさざる得ないため、レジスト皮膜の強度が低下する。好ましくは40〜120m2/g、さらに好ましくは、50〜100m2/gである。
【0028】
カルボキシル基の濃度が0.2μmol/m2未満であると、アミノ基含有高分子分散剤の吸着サイトが少なくなるため、カーボンブラックの分散安定性が損なわれる。逆に1.0μmol/m2を越えるとアミノ基含有高分子分散剤の吸着サイトが多くなりすぎ、カーボンブラック粒子表面にアミノ基含有高分子分散剤分子が貼り付くような形態をとるため、エントロピー効果による分散安定性が得られなくなる。好ましくは0.3〜0.9μmol/m2、さらに好ましくは、0.4〜0.8μmol/m2の範囲である。
【0029】
本発明で使用できるカーボンブラックとしては市販品ではコロンビヤン・カーボン社製のRaven 1040、Raven 1060、Raven 1080、Raven 1100、Raven 1255、デグサ社製のSpecial Black550、Special Black350、Special Black250、Special Black100等を例示することができる。
【0030】
本発明においては、カーボンブラック以外の遮光性材料を前記カーボンブラックと組み合わせて使用することができる。そのような遮光性材料としては、黒鉛、カーボンナノチューブ、鉄黒、酸化鉄系黒色顔料、アニリンブラック、シアニンブラック、チタンブラック等が挙げられる。また、赤色、緑色、青色の三色の有機顔料を混合して黒色顔料として用いることもできる。
【0031】
1−(2)アミノ基含有共重合体(B)
本発明で使用されるアミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体(アミノ基含有共重合体(B)という場合がある。)
(i)炭素数1〜18のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、下記式(1)
【化17】
(ここで、R1及びR2は、同じでも異なっていてもよく、各々水素原子またはメチル基を表し、R3は炭素数1〜18のアルキル基を表し、nは1〜50の整数である。)で示される(メタ)アクリル酸エステル、
下記式(2)
【化18】
(ここで、R4及びR5は、同じでも異なっていてもよく、各々水素原子またはメチル基を表し、R6は炭素数1〜18のアルキル基を表し、mは1〜50の整数を表す。)で示される(メタ)アクリル酸エステル、
水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルより選ばれる少なくとも一種の(メタ)アクリレート系単量体、
(ii)下記式(3)
【化19】
(式中のR7は水素原子またはメチル基を表し、R8及びR9は、同じでも異なっていてもよく、各々炭素数1〜6のアルキル基を表し、lは2〜8の整数である。)で示されるアミノアルキル(メタ)アクリレート単量体、及び/または下記式(4)
【化20】
(式中のR10は水素原子またはメチル基を表し、R11、R12及びR13は、同じでも異なっていてもよく、各々炭素数1〜6のアルキル基、炭素数2〜6のヒドロキシアルキル基、炭素数1〜4のアルコキシアルキル基、シクロアルキル基、アラルキル基、フェニル基、ハロゲン化アリール基を表し、X-はハロゲンイオンまたは酸の陰イオン残基を表し、kは2〜8の整数である。)で示される第4級アンモニウム(メタ)アクリレート単量体と、
(iii)末端に(メタ)アクリロイル基を有している、ポリアルキル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリスチレンマクロモノマーより選ばれた少なくとも一種の単量体とからなり、(i)の単量体が10〜85質量部と(ii)の単量体が10〜85質量部と(iii)の単量体が5〜80質量部とが共重合している数平均分子量4,000〜100,000の(メタ)アクリル系共重合物である。
【0032】
(i)の単量体は、有機溶剤への溶解性や他のバインダー樹脂との相溶性を上げる目的で使用される。炭素数1〜18のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステルの具体例としては、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、イソデシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0033】
式(1)で示される(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、メトキシジエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシジプロピレングリコール(メタ)アクリレート、メトキシポリプロピレングリコール(メタ)アクリレート、n−ブトキシエチレングリコール(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0034】
式(2)で示される(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、2−フェノキシエチル(メタ)アクリレート、フェノキシポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、トリオキシエチレンノニルフェノール(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0035】
水酸基を有する(メタ)アクリル酸エステルの具体例としては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0036】
(ii)の単量体はカーボンブラック表面のカルボキシル基とイオン結合を形成し、カーボンブラックへの吸着サイトにする目的で使用される。式(3)で示されるアミノアルキル(メタ)アクリレートの具体例としては、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−t−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノブチル(メタ)アクリレート、N−プロピルアミノエチル(メタ)アクリレート、N−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレートが挙げられる。
【0037】
式(4)で示される第4級アンモニウム(メタ)アクリレートは、1分子中にひとつの第4級アンモニウム基、ひとつの(メタ)アクリロイル基を含有する単量体である。具体的には、2−ヒドロキシ−3(メタ)アクリルオキシプロピルトリメチルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3(メタ)アクリルオキシプロピルトリエタノールアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3(メタ)アクリルオキシプロピルジメチルベンジルアンモニウムクロライド、2−ヒドロキシ−3(メタ)アクリルオキシプロピルジメチルフェニルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルオキシエチルトリメチルアンモニウムクロライド、(メタ)アクリルアミドプロピルトリメチルアンモニウムクロライドが挙げられる。
【0038】
上記ではX-がCl-についての例を挙げたが、本発明ではCl-に限定されず、第4級アンモニウム(メタ)アクリレートはBr-、I-、F-、HSO4 -、SO4 2-、NO3 -、PO4 3-、HPO4 3-、H2PO4 -、C6H5SO3 -、OH-等を含む単量体であっても差し支えない。
【0039】
(iii)の単量体における末端に(メタ)アクリロイル基を含有しているポリアルキル(メタ)アクリレートマクロモノマー、ポリスチレンマクロモノマーは、カーボンブラックの分散安定性を向上させる目的で使用される。具体的にマクロモノマーAA−6(末端基メタクリロイル基、セグメント:メチルメタクリレート、数平均分子量 6,000,東亞合成化学工業(株)社製)、マクロモノマーAW−6S(末端基メタクリロイル基、セグメント:イソブチルメタクリレート数平均分子量 6,000,東亞合成化学工業(株)社製)、マクロモノマーAB−6(末端基メタクリロイル基、セグメント:ブチルアクリレート数平均分子量 6,000,東亞合成化学工業(株)社製)、マクロモノマーAS−6(末端基メタクリロイル基、セグメント:スチレン数平均分子量 6,000,東亞合成化学工業(株)社製)が挙げられる。
【0040】
アミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体は溶液重合で得ることができる。具体的には(i)の単量体、(ii)の単量体および(iii)の単量体を、重合開始剤の存在下、適当な不活性溶媒中で重合して製造される。反応温度は70〜150℃、さらに好ましくは80〜130℃である。反応時間は1〜15時間、特に4〜8時間が望ましい。
【0041】
重合開始剤には、アゾビスイソブチロニトリル、ジメチルアゾビスイソブチレート等のアゾ系化合物、ラウロイルパーオキサイド、ジイソプロピルベンゼンハイドロパーオキサイド等の有機過酸化物が挙げられる。
【0042】
溶剤は生成するアミノ基及び/または第4級アンモニウム塩を有する共重合体を溶解することができ、かつ本発明のカーボンブラック分散液、ブラックマトリックスレジスト組成物と混和できるものが好ましい。具体的にはトルエン、キシレン等の芳香族溶剤、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン系溶剤、酢酸エチル、酢酸ブチル等のエステル系溶剤、エチレングリコールエチルエーテル、エチレングリコールn−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート等のグリコール系溶剤等である。これらの溶剤は単独で使用しても、混合して使用してもよい。
【0043】
(i)の単量体が10質量部未満の場合には、有機溶剤への溶解性やレジストのバインダー樹脂への相溶性が悪くなり適用できる樹脂が限定されてしまう。85質量部を超える場合には、カーボンブラックの分散速度および分散安定性が低下する。(ii)の単量体が10質量部未満の場合には、カーボンブラックとの親和性が少なくなり、カーボンブラックを完全に分散させることができない。85質量部を超える場合には、硬化したレジスト皮膜のアルカリ現像液耐性が低下する。(iii)の単量体が5質量部未満の場合には、カーボンブラックを完全に分散させることができない。80質量部を超える場合には、カーボンブラックの分散速度がかえって低下する。
【0044】
(iii)の単量体の平均分子量はゲルパーミエーションクロマトグラフィー(GPC)によるポリスチレン換算の重量平均分子量で2,000〜20,000であることが好ましい。2,000より低い場合には、顔料の分散安定性が悪くなる傾向がある。20,000より高い場合には、分散剤の粘度が高くなりすぎ、実用的でない。
【0045】
アミノ基及び/またはその第4級アンモニウムを有する共重合体(B)の重量平均分子量はGPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量で5,000〜200,000が好ましい。分子量が5,000より低い場合には、レジストの物性が低下するおそれがある。200,000より高い場合には、カーボンブラック分散液の粘度が高くなりすぎ取り扱いにくくなる。このためアミノ基及び/またはその第4級アンモニウムを有する共重合体(B)の数平均分子量は、特に10,000〜100,000が望ましい。分子量はアルキルメルカプタン等の重合調整剤により容易に調節される。
【0046】
1−(3)有機溶剤(C)
有機溶剤としては本発明に使用される材料を溶解できるものであれば特に制限は無い。例えば、ジイソプロピルエーテル、エチルイソブチルエーテル、ブチルエーテル等のエーテル類、酢酸エチル、酢酸イソプロピル、酢酸ブチル(n、sec、tert)、酢酸アミル、3−エトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸メチル、3−メトキシプロピオン酸エチル、3−メトキシプロピオン酸プロピル、3−メトキシプロピオン酸ブチル等のエステル類、メチルエチルケトン、イソブチルケトン、ジイソプロピルケトン、エチルアミルケトン、メチルブチルケトン、メチルヘキシルケトン、メチルイソアミルケトン、メチルイソブチルケトン、シクロヘキサノン等のケトン類、エチレングリコールモノメチルエーテル、エチレングリコールモノエチルエーテル、エチレングリコールジエチルエーテル、エチレングリコールモノメチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジエチレングリコールモノエチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノ−t−ブチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテル、プロピレングリコールモノエチルエーテル、プロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、プロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテル、ジプロピレングリコールモノメチルエーテルアセテート、ジプロピレングリコールモノエチルエーテルアセテート、エチレングリコールモノブチルエーテル、トリプロピレングリコールメチルエーテル等のグリコール類等が挙げられる。
【0047】
有機溶剤は各成分を溶解または分散させることができるもので、沸点が100〜200℃の範囲のものを選択するのが好ましい。より好ましくは120〜170℃の沸点をもつものである。これらの溶剤は単独もしくは混合して使用することができる。
【0048】
1−(4)カルボキシル基を有するバインダー樹脂(D)
本発明においてカルボキシル基を有するバインダー樹脂は、カラーフィルターブラックマトリックスレジストの皮膜強度、耐熱性、基板接着性、アルカリ水溶液への溶解性(アルカリ現像性)等の諸特性を主に決定する成分であり、必要とされる特性を満足できるものであれば任意に使用することができる。そのようなバインダー樹脂としては、アクリル酸系共重合体、エポキシ(メタ)アクリレート樹脂、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂等が挙げられる。
【0049】
(i)カルボキシル基を有するアクリル酸系共重合体
カルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するアクリル酸系共重合体は、(a)カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体、(b)前記(a)以外のエチレン性不飽和単量体を共重合して得られる。さらに光感度を高めるために上記モノマーを共重合して得られたアクリル酸系共重合体の側鎖の一部のカルボキシル基に対し、グリシジル(メタ)アクリレート、3,4−エポキシシクロヘキシルメチル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル等の1分子中にエポキシ基とエチレン性不飽和基を有する化合物のエポキシ基を反応させたり、アクリル酸系共重合体の(b)不飽和単量体としてヒドロキシエチルメタクリレートのような水酸基を有する単量体を使用して、その一部もしくは全部の水酸基に対し、2−メタクリロイロキシエチルイソシアネートのような1分子中にイソシアネート基とエチレン性不飽和基を有する化合物のイソシアネート基を反応させることによって側鎖にエチレン性不飽和基を付与することができる。
【0050】
カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a)は、アクリル酸系共重合体にアルカリ現像性を付与する目的で使用される。カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体の具体例としては、(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、(メタ)アクリル酸ダイマー、マレイン酸、クロトン酸、イタコン酸、フマル酸等が挙げられる。
【0051】
前記(a)以外のエチレン性不飽和単量体(b)は、レジスト皮膜の強度、顔料分散性をコントロールする目的で使用される。その具体例としては、スチレン、α−メチルスチレン、(o,m,p−)ヒドロキシスチレン、酢酸ビニル等のビニル化合物、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、n−プロピル(メタ)アクリレート、イソプロピル(メタ)アクリレート、n−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、n−ヘキシル(メタ)アクリレート、シクロヘキシル(メタ)アクリレート、ベンジル(メタ)アクリレート、フェノキシエチル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、テトラヒドロフルフリル(メタ)アクリレート、(メタ)アクリロニトリル、グリシジル(メタ)アクリレート、アリルグリシジルエーテル、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、2−ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、N,N−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、トリフルオロエチルアクリレート、2,2,3,3−テトラフルオロプロピル(メタ)アクリレート、パーフルオロオクチルエチル(メタ)アクリレート等の(メタ)アクリレート類、
(メタ)アクリルアミド、N,N−ジメチル(メタ)アクリルアミド、N,N−ジエチル(メタ)アクリルアミド、N−メチル(メタ)アクリルアミド、N−エチル(メタ)アクリルアミド、N−イソプロピル(メタ)アクリルアミド、N−ビニルピロリドン、N−ビニルカプロラクタム、N−(メタ)アクリロイルモルホリン等のアミド基を有する化合物が挙げられる。
【0052】
カルボキシル基含有エチレン性不飽和単量体(a)と前記(a)以外のエチレン性不飽和単量体(b)の共重合比率は、好ましくは質量比で5:95〜60:40、より好ましくは10:90〜50:50である。(a)の共重合比率が5未満になるとアルカリ現像性が低下し、ブラックマトリックスのパターンを形成することが困難となる。また(a)の共重合比率が60を越えると光硬化部のアルカリ現像も進みやすくなり、パターンの線幅を一定に保つのが難しくなる。
【0053】
カルボキシル基とエチレン性不飽和基を有するアクリル酸系共重合体の好ましい分子量は、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量で1,000〜500,000の範囲であり、好ましくは3,000〜200,000である。1,000未満では皮膜強度が著しく低下する。一方500,000を越えるとアルカリ現像性が著しく低下する。
上記アクリル酸系共重合体は2種以上混合して使用してもよい。
【0054】
(ii)カルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂
本発明におけるカルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレートとしては、特に限定されるものでは無いが、エポキシ化合物と不飽和基含有モノカルボン酸との反応物を酸無水物と反応させて得られるエポキシ(メタ)アクリレートが適している。
【0055】
エポキシ化合物としては、特に限定されるものではないが、ビスフェノールA型エポキシ化合物、ビスフェノールF型エポキシ化合物、ビスフェノールS型エポキシ化合物、フェノールノボラック型エポキシ化合物、クレゾールノボラック型エポキシ化合物、または脂肪族エポキシ化合物などのエポキシ化合物が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0056】
不飽和基含有モノカルボン酸としては、例えば(メタ)アクリル酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルコハク酸、2−(メタ)アクリロイルオキシエチルフタル酸、(メタ)アクリロイルオキシエチルヘキサヒドロフタル酸、(メタ)アクリル酸ダイマー、β−フルフリルアクリル酸、β−スチリルアクリル酸、桂皮酸、クロトン酸、α−シアノ桂皮酸等が挙げられる。また、水酸基含有アクリレートと飽和あるいは不飽和二塩基酸無水物との反応生成物である半エステル化合物、不飽和基含有モノグリシジルエーテルと飽和あるいは不飽和二塩基酸無水物との反応生成物である半エステル化合物も挙げられる。これら不飽和基含有モノカルボン酸は、単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0057】
酸無水物としては、無水マレイン酸、無水コハク酸、無水イタコン酸、無水フタル酸、無水テトラヒドロフタル酸、無水ヘキサヒドロフタル酸、メチルヘキサヒドロ無水フタル酸、無水エンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水メチルエンドメチレンテトラヒドロフタル酸、無水クロレンド酸、メチルテトラヒドロ無水フタル酸等の二塩基性酸無水物、無水トリメリット酸、無水ピロメリット酸、ベンゾフェノンテトラカルボン酸二無水物等の芳香族多価カルボン酸無水物、5−(2,5−ジオキソテトラヒドロフリル)−3−メチル−3−シクロヘキセン−1,2−ジカルボン酸無水物、エンドビシクロ[2.2.1]−ヘプト−5−エン−2,3−ジカルボン酸無水物のような多価カルボン酸無水物誘導体等が挙げられる。これらは単独で使用してもよいし、二種以上を併用してもよい。
【0058】
このようにして得られるカルボキシル基を有するエポキシ(メタ)アクリレート樹脂の分子量は、特に制限されないが、好ましくはGPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量が1,000〜40,000、より好ましくは2,000〜5,000である。
【0059】
また、前記エポキシ(メタ)アクリレート樹脂の酸価(固形分酸価を意味する。JIS K0070に従い測定。以下同様)は10mgKOH/g以上であることが好ましく、45mgKOH/g〜160mgKOH/gの範囲にあることがより好ましく、さらに50mgKOH/g〜140mgKOH/gの範囲がアルカリ溶解性とレジストの硬化膜の耐アルカリ性のバランスが良く、とりわけ好ましい。酸価が10mgKOH/gより小さい場合にはアルカリ溶解性が悪くなり、逆に大きすぎると、レジスト硬化膜の耐アルカリ性等の特性を下げる要因となる場合がありうる。
【0060】
(iii)カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート樹脂
本発明において使用するカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、アクリル酸系共重合体やエポキシ(メタ)アクリレートより柔軟なバインダー樹脂であり、柔軟性、耐屈曲性が必要とされる用途に使用される。
【0061】
カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート由来の単位と、ポリオール由来の単位と、ポリイソシアナート由来の単位とを構成単位として含む化合物である。より詳しくは、両末端がヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート由来の単位からなり、該両末端の間はウレタン結合により連結されたポリオール由来の単位とポリイソシアナート由来の単位とからなる繰り返し単位により構成され、この繰り返し単位中にカルボキシル基が存在する構造となっている化合物である。
【0062】
すなわち、前記カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、
【化21】
−(ORbO−OCNHRcNHCO)n−
(式中、ORbOはポリオールの脱水素残基、Rcはポリイソシアナートの脱イソシアナート残基を表し、nは整数である。)で示される。
【0063】
カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート樹脂は、少なくとも、ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートと、ポリオールと、ポリイソシアナートとを反応させることにより製造できる。ここで、ポリオールまたはポリイソシアナートの少なくともどちらか一方には、カルボキシル基を有する化合物を使用することが必要である。好ましくは、カルボキシル基を有するポリオールを使用する。このようにポリオールおよび/またはポリイソシアナートとして、カルボキシル基を有する化合物を使用することにより、RbまたはRc中にカルボキシル基が存在するウレタン(メタ)アクリレート樹脂を製造することができる。なお、上記式中、nとしては1〜200程度が好ましく、2〜30がより好ましい。nがこのような範囲であると、レジスト硬化膜の可撓性がより優れる。
【0064】
また、ポリオールおよびポリイソシアナートの少なくとも一方が2種類以上用いられている場合には、繰り返し単位は複数の種類を表すが、その複数の単位の規則性は完全ランダム、ブロック、局在等、目的に応じて適宜選ぶことができる。
【0065】
ヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートとしては、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、前記各(メタ)アクリレートのカプロラクトンまたは酸化アルキレン付加物、グリセリンモノ(メタ)アクリレート、グリセリンジ(メタ)アクリレート、グリシジルメタクリレート−アクリル酸付加物、トリメチロールプロパンモノ(メタ)アクリレート、トリメチロールジ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールペンタ(メタ)アクリレート、トリメチロールプロパン−アルキレンオキサイド付加物−ジ(メタ)アクリレート等が挙げられる。
【0066】
これらのヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレートは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのうちでは、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレートが好ましく、2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートがより好ましい。2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレートを使用すると、カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート樹脂の合成がより容易である。
【0067】
本発明で用いられるポリオールとしては、ポリマーポリオールおよび/またはジヒドロキシル化合物を使用することができる。ポリマーポリオールとしては、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレングリコール等のポリエーテル系ジオール、多価アルコールと多塩基酸のエステルから得られるポリエステル系ポリオール、ヘキサメチレンカーボネート、ペンタメチレンカーボネート等に由来の単位を構成単位として含むポリカーボネート系ジオール、ポリカプロラクトンジオール、ポリブチロラクトンジオール等のポリラクトン系ジオールが挙げられる。
【0068】
また、カルボキシル基を有するポリマーポリオールを使用する場合は、例えば、上記ポリマーポリオール合成時に(無水)トリメリット酸等の3価以上の多塩基酸を共存させ、カルボキシル基が残存するように合成した化合物などを使用することができる。
【0069】
ポリマーポリオールは、これらの1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、これらのポリマーポリオールとしては、数平均分子量が200〜2,000であるものを使用すると、レジスト硬化膜の可撓性がより優れる。
【0070】
ジヒドロキシル化合物としては、2つのアルコール性ヒドロキシル基を有する分岐または直鎖状の化合物を使用できるが、特にカルボキシル基を有するジヒドロキシ脂肪族カルボン酸を使用することが好ましい。このようなジヒドロキシル化合物としては、ジメチロールプロピオン酸、ジメチロールブタン酸が挙げられる。カルボキシル基を有するジヒドロキシ脂肪族カルボン酸を使用することによって、ウレタン(メタ)アクリレート樹脂中に容易にカルボキシル基を存在させることができる。
ジヒドロキシル化合物は、1種または2種以上を組み合わせて用いることができ、ポリマーポリオールとともに使用してもよい。
【0071】
また、カルボキシル基を有するポリマーポリオールを併用する場合や、後述するポリイソシアナートとしてカルボキシル基を有するものを使用する場合には、エチレングリコール、ジエチレングリコール、プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,3−ブタンジオール、1,5−ペンタンジオール、ネオペンチルグリコール、3−メチル−1,5−ペンタンジオール、1,6−ヘキサンジオール、1,4−シクロヘキサンジメタノールなどのカルボキシル基を持たないジヒドロキシル化合物を使用してもよい。
【0072】
本発明で用いられるポリイソシアナートとしては、具体的に2,4−トルエンジイソシアナート、2,6−トルエンジイソシアナート、イソホロンジイソシアナート、ヘキサメチレンジイソシアナート、ジフェニルメチレンジイソシアナート、(o,m,またはp)−キシレンジイソシアナート、メチレンビス(シクロヘキシルイソシアナート)、トリメチルヘキサメチレンジイソシアナート、シクロヘキサン−1,3−ジメチレンジイソシアナート、シクロヘキサン−1,4−ジメチレレンジイソシアナートおよび1,5−ナフタレンジイソシアナート等のジイソシナートが挙げられる。これらのポリイソシアナートは1種または2種以上を組み合わせて用いることができる。また、カルボキシル基を有するポリイソシアナートを使用することもできる。
【0073】
本発明で用いられるカルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレート樹脂の分子量は特に限定されないが、GPCによるポリスチレン換算の重量平均分子量が1,000〜40,000、より好ましくは8,000〜30,000である。また、前記ウレタン(メタ)アクリレートの酸価は、5〜150mgKOH/gが好ましく、さらに好ましくは30〜120mgKOH/gである。
【0074】
カルボキシル基を有するウレタン(メタ)アクリレートの数平均分子量が1,000未満ではレジスト硬化膜の伸度と強度を損なうことがあり、40,000を超えると硬くなり可撓性を低下させるおそれがある。また、酸価が5mgKOH/g未満ではレジストのアルカリ溶解性が悪くなる場合があり、150mgKOH/gを超えるとレジスト硬化膜の耐アルカリ性等を悪くする場合がある。
【0075】
2.カラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物
2−(1)エチレン性不飽和単量体(E)
エチレン性不飽和単量体(E)は光照射時に光重合開始剤から発生したラジカルにより、重合・架橋を行い、アルカリ現像液に対して不溶化させることを目的に配合される。
【0076】
エチレン性不飽和単量体(E)として好ましくは、(メタ)アクリル酸エステルが使用される。具体的には、メチル(メタ)アクリレート、エチル(メタ)アクリレート、プロピル(メタ)アクリレート、ブチル(メタ)アクリレート、イソブチル(メタ)アクリレート、sec−ブチル(メタ)アクリレート、tert−ブチル(メタ)アクリレート、ヘキシル(メタ)アクリレート、オクチル(メタ)アクリレート、イソオクチル(メタ)アクリレート、2−エチルヘキシル(メタ)アクリレート、デシル(メタ)アクリレート、ラウリル(メタ)アクリレート、ステアリル(メタ)アクリレート等のアルキル(メタ)アクリレート;シクロヘキシル(メタ)アクリレート、イソボルニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニル(メタ)アクリレート、ジシクロペンテニルオキシエチル(メタ)アクリレート等の脂環式(メタ)アクリレート;
ベンジル(メタ)アクリレート、フェニル(メタ)アクリレート、フェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェニル(メタ)アクリレート、ノニルフェニルカルビトール(メタ)アクリレート、ノニルフェノキシ(メタ)アクリレート等の芳香族(メタ)アクリレート;
2−ヒドロキシエチル(メタ)アクリレート、ヒドロキシプロピル(メタ)アクリレート、ヒドロキシブチル(メタ)アクリレート、ブタンジオールモノ(メタ)アクリレート、グリセロール(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコール(メタ)アクリレート、またはグリセロールジ(メタ)アクリレート等のヒドロキシル基を有する(メタ)アクリレート;
2−ジメチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−ジエチルアミノエチル(メタ)アクリレート、2−tert−ブチルアミノエチル(メタ)アクリレート等のアミノ基を有する(メタ)アクリレート;
メタクリロキシエチルフォスフェート、ビス・メタクリロキシエチルフォスフェート、メタクリロオキシエチルフェニルアシッドホスフェート(フェニールP)等のリン原子を有するメタクリレート;
エチレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、テトラエチレンジ(メタ)アクリレート、ポリエチレングリコールジ(メタ)アクリレート、プロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、ジプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、トリプロピレングリコールジ(メタ)アクリレート、1,4−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、1,3−ブタンジオールジ(メタ)アクリレート、ネオペンチルグリコールジ(メタ)アクリレート、1,6−ヘキサンジオールジ(メタ)アクリレート等のジ(メタ)アクリレート;
トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリアクリレート;
ビスフェノールSのエチレンオキシド4モル付加ジアクリレート、ビスフェノールAのエチレンオキシド4モル付加ジアクリレート、脂肪酸変性ペンタエリスリトールジアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド3モル付加トリアクリレート、トリメチロールプロパンのプロピレンオキシド6モル付加トリアクリレート等の変性ポリオールポリアクリレート;
ビス(アクリロイルオキシエチル)モノヒドロキシエチルイソシアヌレート、トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート、ε−カプロラクトン付加トリス(アクリロイルオキシエチル)イソシアヌレート等のイソシアヌル酸骨格を有するポリアクリレート;
α,ω−ジアクリロイル−(ビスエチレングリコール)−フタレート、α,ω−テトラアクリロイル−(ビストリメチロールプロパン)−テトラヒドロフタレート等のポリエステルアクリレート;
グリシジル(メタ)アクリレート;
アリル(メタ)アクリレート;
ω−ヒドロキシヘキサノイルオキシエチル(メタ)アクリレート;
ポリカプロラクトン(メタ)アクリレート;
(メタ)アクリロイルオキシエチルフタレート;
(メタ)アクリロイルオキシエチルサクシネート;
2−ヒドロキシ−3−フェノキシプロピルアクリレート;
フェノキシエチルアクリレート等が挙げられる。
【0077】
また、N−ビニルピロリドン、N−ビニルホルミアミド、N−ビニルアセトアミド等のN−ビニル化合物等もモノマーとして好適に用いることができる。
これらのうち好ましいものは、光感度が高くなることから、トリメチロールプロパントリ(メタ)アクリレート、ペンタエリスリトールトリ(メタ)アクリレート、ジペンタエリスリトールヘキサ(メタ)アクリレート等のポリ(メタ)アクリレートである。
【0078】
2−(2)光重合開始剤(F)
本発明において光重合開始剤(F)は、紫外線、可視光、(近)赤外線等の活性光により励起されてラジカルを発生しエチレン性不飽和結合の重合を開始する化合物単独、もしくはその増感剤との組み合わせをいう。本発明のブラックマトリックスレジスト組成物に使用される光重合開始剤は、高遮光下でラジカルを発生することが必要とされるため、光感度が高いものを使用する。そのような光重合開始剤としては(イ)ヘキサアリールビイミダゾール系化合物、(ロ)アミノアセトフェノン系化合物が挙げられる。
【0079】
ヘキサアリールビイミダゾール系化合物(イ)の具体例としては、2,2’−ビス(o−クロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−ブロモフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、
2,2’−ビス(o−フルオロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール、2,2’−ビス(o,p−ジクロロフェニル)−4,4’,5,5’−テトラフェニル−1,2’−ビイミダゾール等が挙げられる。但し、レジストのポストベーク時に発生する熱分解物が低昇華性であるため、排気ダクトに不要な結晶が付着しにくい下記式(5)のヘキサアリールビイミダゾール化合物を使用することが好ましい。
【0080】
【化22】
式(5)中、R14はハロゲン原子を表し、R15は炭素数1〜4の置換基を有してもよいアルキル基、または炭素数1〜4の置換基を有してもよいアルコキシ基を表す。
【0081】
上記式(5)で示されるヘキサアリールビイミダゾール化合物のうち、特に好しいものとして2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’−5,5’−テトラキス(4−メチルフェニル)−1,2’−ビイミダゾールが挙げられる。
【0082】
アミノアセトフェノン系化合物(ロ)の具体例としては、2−メチル−1−[4−(メチルチオ)フェニル]−2−モルホリノプロパン−1−オン、2−ベンジル−2−ジメチルアミノ−1−(4−モルホリノフェニル)−ブタノン−1が挙げられる。
【0083】
ヘキサアリールビイミダゾール系化合物(イ)、アミノアセトフェノン化合物(ロ)を使用する場合は、より感度を挙げるために増感剤を配合してもよい。具体的には、ベンゾフェノン、2,4,6−トリメチルベンゾフェノン、4−フェニルベンゾフェノン、4−ベンゾイル−4’−メチルジフェニルスルフィド、4,4’−ビス(ジメチルアミノ)ベンゾフェノン、4,4’−ビス(ジエチルアミノ)ベンゾフェノン等のベンゾフェノン系化合物、チオキサントン、2−メチルチオキサントン、2,4−ジメチルチオキサントン、2,4−ジエチルチオキサントン、イソプロピルチオキサントン、2,4−ジイソプロピルチオキサントン、2−クロロチオキサントン等のチオキサントン系化合物、3−アセチルクマリン、3−アセチル−7−ジエチルアミノクマリン、3−ベンゾイルクマリン、3−ベンゾイル−7−ジエチルアミノクマリン、3−ベンゾイル−7−メトキシクマリン、3,3’−カルボニルビスクマリン 、3,3’−カルボニルビス(7−メトキシクマリン)、3,3’−カルボニルビス(5,7−ジメトキシクマリン)等のケトクマリン系化合物を使用することができる。
【0084】
本発明では上記以外の光重合開始剤を使用してもよい。そのような光重合開始剤としては、特開2000−249822号公報等に記載の増感剤と有機ホウ素塩系化合物の組み合わせ、特開平4−221958号公報、特開平4−21975号公報等に記載のチタノセン系化合物、特開平10−253815号公報等に記載のトリアジン系化合物が挙げられる。
【0085】
2−(3)メルカプト基を2個以上有する多官能チオール化合物(G)
本発明には、光重合開始剤の一部として連鎖移動剤としての1分子中2個以上のメルカプト基を有する多官能チオール化合物を使用することができる。多官能チオールの添加により酸素による重合阻害が抑制され、高遮光下においても均一な光硬化反応を起こすことができる。そのような多官能チオール化合物の具体例としては、ヘキサンジチオール、デカンジチオール、1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトプロピオネート)、1,4−ブタンジオールビス(メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(メルカプトアセテート)、エチレングリコールビス(3−メルカプトプロピオネート)、トリメチロールプロパントリス(メルカプトアセテート)、トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトプロピオネート)、ペンタエリスリトールテトラキス(メルカプトアセテート)、ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトプロピオネート)が挙げられる。
【0086】
しかし上記1級のメルカプト基を有する多官能チオールの場合、保存中にメルカプト基と(メタ)アクリロイル基等のエチレン性不飽和基と反応してしまい、その結果保存後の感度が低下することがある。そこでさらに保存安定性を得る目的で本発明では下記式(6)のメルカプト基含有基を有する多官能チオールを使用することが好ましい。
【0087】
【化23】
−(CH2)jC(R16)(R17)(CH2)hSH (6)
(式中、R16およびR17は各々独立して水素原子または炭素数1〜10のアルキル基を表し、その少なくとも一方はアルキル基である。jは0または1〜2の整数、hは0または1である。)
【0088】
式(6)のメルカプト基含有基を有する多官能チオール化合物の具体例としては、エチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、
1,2−プロピレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、
ジエチレングリコールビス(3−メルカプトブチレート)、
1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、
1,8−オクタンジオールビス(3−メルカプトブチレート)、
トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)、
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトブチレート)、
ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトブチレート)、
エチレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、
1,2−プロピレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、
ジエチレングリコールビス(2−メルカプトプロピオネート)、
1,4−ブタンジオールビス(2−メルカプトプロピオネート)、
1,8−オクタンジオールビス(2−メルカプトプロピオネート)、
トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトプロピオネート)、
ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトプロピオネート)、
ジペンタエリスリトールヘキサキス(2−メルカプトプロピオネート)、
エチレングリコールビス(3−メルカプトイソブチレート)、
1,2−プロピレングリコールビス(3−メルカプトイソブチレート)、
ジエチレングリコールビス(3−メルカプトイソブチレート)、
1,4−ブタンジオールビス(3−メルカプトイソブチレート)、
1,8−オクタンジオールビス(3−メルカプトイソブチレート)、
トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトイソブチレート)、
ペンタエリスリトールテトラキス(3−メルカプトイソブチレート)、
ジペンタエリスリトールヘキサキス(3−メルカプトイソブチレート)、
エチレングリコールビス(2−メルカプトイソブチレート)、
1,2−プロピレングリコールビス(2−メルカプトイソブチレート)、
ジエチレングリコールビス(2−メルカプトイソブチレート)、
1,4−ブタンジオールビス(2−メルカプトイソブチレート)、
1,8−オクタンジオールビス(2−メルカプトイソブチレート)、
トリメチロールプロパントリス(2−メルカプトイソブチレート)、
ペンタエリスリトールテトラキス(2−メルカプトイソブチレート)、
ジペンタエリスリトールヘキサキス(2−メルカプトイソブチレート)が挙げられる。
【0089】
本発明のブラックマトリックスレジスト組成物における有機溶剤以外の各成分の含有率は下記の通りである。
平均一次粒子径が20〜60nm、DBP吸油量が30〜100ml/100g、BET法による比表面積が30〜150m2/g、粒子表面のカルボキシル基の濃度が0.2〜1.0μmol/m2のカーボンブラック(A)は、40〜80質量%が好ましく、45〜65質量%がさらに好ましい。40質量%未満では必要とされる遮光性が得られず、80質量%を越えると分散安定性が低下し、レジスト皮膜の強度が低下することがある。
【0090】
アミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体(B)は、4〜50質量%が好ましく、6〜12質量%がさらに好ましい。4質量%未満ではカーボンブラックの十分な分散安定性が得られず、50質量%を越えるとカルボキシル基を有するバインダー樹脂やエチレン性不飽和単量体の配合量を減らさざる得ないため、光感度の低下やレジスト皮膜の物性が低下することがある。
【0091】
カルボキシル基を有するバインダー樹脂(D)は、10〜50質量%が好ましく、12〜25質量%がさらに好ましい。カルボキシル基を有するバインダー樹脂が10質量%未満であると、レジスト皮膜の耐久性が低下する場合がある。50質量%を越えると十分な遮光性が得られなくなることがある。
【0092】
エチレン性不飽和単量体(E)は、3〜45質量%が好ましく、5〜15質量%がさらに好ましい。3質量%未満では充分な光感度が得られなくなり、45質量%を越えると、十分な光感度が得られないことがある。
【0093】
光重合開始剤(F)は2〜45質量%が好ましく、さらに好ましくは5〜12質量%である。2質量%未満では充分な光感度が得られなくなり、45質量%を越えると、レジスト皮膜の耐久光感度が得られないことがある。
【0094】
メルカプト基を2個以上有する多官能チオール化合物(G)は2〜45質量%が好ましく、さらに好ましくは5〜12質量%である。2質量%未満では充分な光感度が得られなくなり、45質量%を越えると細線がフォトマスクの幅より太くなってしまうおそれがある。
【0095】
本発明ではこれら必須成分以外に密着性向上剤、レベリング剤、現像改良剤、酸化防止剤、熱重合禁止剤等を好適に添加することができる。
【0096】
3.カーボンブラック分散液の製造方法
本発明のカーボンブラック分散液は、前記カーボンブラック(A)、分散剤(B)、有機溶剤(C)及び/またはバインダー樹脂(D)を予め配合、ディスパーサー等でプレミキシングした後に、2本ロールミル、3本ロールミル等のロールミル、ボールミル、振動ボールミル等のボールミル、ペイントコンディショナー、連続ディスク型ビーズミル、連続アニュラー型ビーズミル等のビーズミルで粉砕・分散処理して得ることができる。短時間で粉砕・分散できること、分散後の粒子径分布シャープなこと、粉砕・分散中の温度制御が容易で分散液の変質を抑制できることから、特に連続アニュラー型ビーズミルを用いることが好ましい。
【0097】
連続アニュラー型ビーズミルは、材料の導入口と排出口を備えたベッセル(円筒体)にビーズを撹拌するための溝がつけられたローター(回転体)が差し込まれた構造をしている。このベッセルとローターにより構成された二重円筒の間隙部において、ローターの回転にてビーズに運動を与え、試料の粉砕、せん断、磨砕を行い、効率よくカーボンブラックを粉砕・分散することができる。試料はベッセルの端部より導入されて微粒子化され、導入部の反対側より排出される。必要な粒度分布が得られるまでこの処理は繰り返される。試料がベッセル内で実質的に粉砕・分散処理を受けた時間を滞留時間と呼ぶ。
【0098】
このような連続アニュラー型ビーズミルとしては、(株)井上製作所製のスパイクミル(商品名)、ターボ工業株式会社製のOB−ミル(商品名)等が挙げられる。
【0099】
連続アニュラー型ビーズミルの好ましい使用条件は以下の通りである。使用するビーズ径(直径)は0.2〜1.5mmが好ましく、より好ましくは0.4〜1.0mmである。0.2mm未満であるとビーズ1個の重量が小さくなり過ぎるため、ビーズ1個が有する粉砕エネルギーが小さくなり、カーボンブラックの粉砕が進まなくなる。1.5mmを越えるとビーズ間の衝突回数が少なくなるので、カーボンブラックの粉砕が短時間で行うことは難しくなる。
【0100】
ビーズの材質はジルコニア、アルミナ等のセラミック、ステンレス等の比重が4以上のものは粉砕効率が高くなるので好ましい。
ローターの周速は5〜20m/秒が好ましく、さらに好ましくは8〜15m/秒である。5m/秒未満では十分なカーボンブラックの粉砕・分散ができなくなる。20m/秒を越えると、摩擦熱によりカーボンブラック分散液の温度が上がりすぎ、増粘等のカーボンブラック分散液の変質が起こるので好ましくない。
【0101】
分散時の温度は10〜60℃の範囲が好ましく、より好ましくは室温〜50℃でである。10℃未満では結露により大気中の水分がカーボンブラック分散液に混入してしまうので好ましくない。また60℃を越えると増粘等のカーボンブラック分散液の変質が起こるので好ましくない。
【0102】
滞留時間は1〜30分が好ましく、より好ましくは3〜20分である。1分より短くなると粉砕・分散処理が不十分となり、30分を越えるとカーボンブラック分散液の変質が起こり増粘する。
【0103】
4.ブラックマトリックスレジストの製造方法
本発明のカラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物を製造するには、上記分散処理により得られたカーボンブラック分散液と、ブラックマトリックスレジスト組成物として必要な上記の成分を添加、混合し均一な溶液とする。製造工程においては微細なゴミが感光液に混じることが多いため、ブラックマトリックスレジスト組成物はフィルター等によりろ過処理するのが望ましい。
【0104】
5.カラーフィルターの製造方法
続いて、本発明のブラックマトリックスレジスト組成物を用いたカラーフィルターの製造方法について説明する。
まず、ブラックマトリックスレジスト組成物、画素、保護膜をこの順に積層せしめてなる液晶表示素子用カラーフィルターを例にして説明する。
【0105】
本発明のブラックマトリックスレジスト組成物を透明基板上に塗布する。次に溶剤をオーブン等で乾燥した後、フォトマスク越しに露光、現像してブラックマトリックスパターンを形成させる。そして、ポストベークを行いブラックマトリックスは完成する。
【0106】
ここで、使用する透明基板としては特に限定されるものではないが、石英ガラス、ホウケイ酸ガラス、表面をシリカーコートしたライムソーダガラスなどの無機ガラス類、ポリエチレンテレフタレート等のポリエステルやポリプロピレン、ポリエチレン等のポリオレフィン等、ポリカーボネート、ポリメチルメタクリレート、ポリスルホンの熱可塑性プラスチック、エポキシ樹脂、ポリエステル樹脂等の熱硬化性樹脂のフィルムまたはシートなどが好ましく用いられる。このような透明基板には、表面の接着性等の物性を改良するために、予めコロナ放電処理、オゾン処理、シランカップリング剤やウレタンポリマー等の各種ポリマーの薄膜処理等を行うこともできる。
【0107】
ブラックマトリックスレジスト組成物の透明基板上への塗布方法は、ディップ塗布、ロールコーター、ワイヤーバー、フローコーター、ダイコーター、スプレー塗布の他に、スピナーなどの回転塗布法が好適に用いられる。
【0108】
溶剤の乾燥はホットプレート、IRオーブン、コンベクションオーブン等の乾燥装置を用いることができる。好ましい乾燥条件は40〜150℃、乾燥時間は10秒〜60分の範囲である。また、真空状態で溶剤を乾燥してもよい。
【0109】
露光は溶剤を乾燥させた試料の上に50〜200μmの空隙(ギャップ)を設けたフォトマスクを置き、該フォトマスクを介して活性光を照射することで行う。露光に用いる光源としては、例えば、キセノンランプ、高圧水銀灯、超高圧水銀灯、メタルハライドランプ、中圧水銀灯、低圧水銀灯等のランプ光源やアルゴンイオンレーザー、YAGレーザー、エキシマーレーザー、窒素レーザー等のレーザー光源等が挙げられる。特定の照射光の波長のみを使用する場合には光学フィルターを利用することもできる。
【0110】
露光後のレジストの現像処理は、現像液を用い、ディップ、シャワー、パドル法等で未硬化部分を洗浄除去することによる。レジストの現像を行う。現像液は、未露光部のレジスト膜を溶解させる能力のある溶剤であれば特に制限は受けない。例えばアセトン、塩化メチレン、トリクレン、シクロヘキサノン等の有機溶剤を使用することができる。しかしながら、有機溶剤は環境汚染、人体に対する有害性、火災危険性などをもつものが多いため、このような危険性の少ないアルカリ現像液を使用することが好ましい。このようなアルカリ現像液として、例えば、炭酸ナトリウム、炭酸カリウム、珪酸ナトリウム、珪酸カリウム、水酸化ナトリウム、水酸化カリウム等の無機のアルカリ剤、あるいはジエタノールアミン、トリエタノールアミン、水酸化テトラアルキルアンモニウム塩等の有機のアルカリ剤を含有した水溶液が挙げられる。アルカリ現像液には、必要に応じ、界面活性剤、水溶性の有機溶剤、水酸基またはカルボキシル基を有する低分子化合物等を含有させることもできる。特に、界面活性剤は現像性、解像性、地汚れなどに対して改良効果をもつものが多いため添加することが好ましい。
【0111】
現像液用の界面活性剤としては、ナフタレンスルホン酸ナトリウム基、ベンゼンスルホン酸ナトリウム基を有するアニオン性界面活性剤、ポリアルキレンオキシ基を有するノニオン性界面活性剤、テトラアルキルアンモニウム基を有するカチオン性界面活性剤等を挙げることができる。現像処理方法については特に制限は無いが、通常、10〜50℃、好ましくは15〜45℃の現像温度で、浸漬現像(ディップ)、スプレー現像(シャワー)、ブラシ現像、超音波現像等の方法により行われる。
【0112】
ポストベークは溶剤乾燥と同様の装置を用い、150〜300℃の温度範囲で1〜120分の範囲で行われる
このようにして得られたブラックマトリックスの膜厚は0.1〜1.5μm、好ましくは0.2〜1.2μmの範囲とするのが良く、さらにブラックマトリックスとしての機能を果たすため、それらの膜厚において光学濃度が3以上であることが好ましい。
【0113】
このようにして作製されたブラックマトリックスパターンは、ブラックマトリックス間に20〜200μm程度の開口部が設けられている。後工程でこのスペースに画素が形成される。
【0114】
次に複数色の画素をブラックマトリックスの開口部に形成する。通常各画素の色は、R(赤)G(緑)B(青)の3色であり、画素となる感光性組成物は、顔料、もしくは染料で着色されている。まず第1色目の着色感光性組成物をブラックマトリックスが形成されている透明基板上に塗布する。次に当該着色感光性組成物の溶剤をオーブン等で乾燥することによって、ブラックマトリックス上に第1色目の着色層が全面にわたって形成される。通常カラーフィルターは複数色の画素からなるので、不必要な部分をフォトリソグラフィ法で除去し、所望の第1色目の画素パターンを形成する。画素膜厚としては、0.5〜3μm程度である。これを必要な色の画素だけ繰り返し、複数の色からなる画素を形成し、カラーフィルターを製造する。各画素を形成する工程に用いる装置、薬剤はブラックマトリックスを形成する場合と同じあることが好ましいが、異なってもなんら差し支えない。
【0115】
この後、必要に応じて保護膜を積層する。保護膜としては、アクリル樹脂、エポキシ樹脂、シリコーン樹脂、ポリイミド樹脂などがあり、特に限定はされない。
【0116】
また、この方法以外にも予め透明基板の表面上にパターン化された画素を形成した後、透明基板の裏面にブラックマトリックスレジスト組成物を塗布して、透明基板の表面側から露光し、画素をマスクとして用いて画素間にブラックマトリックスを形成する方法、いわゆる裏面露光方式などがある。
【0117】
最後に必要に応じてITO透明電極の積層及びパターニングを一般的な方法により行うことができる。
【0118】
本発明のカーボンブラック分散液、及び上記分散液を用いたブラックマトリックスレジスト組成物を使用することにより高遮光性、薄膜であり、高解像度のために細線パターンに優れたブラックマトリックスを容易に形成することができる。
【0119】
【実施例】
以下に実施例を挙げて本発明を説明するが、本発明はこれらの実施例により何ら限定されるものではない。
【0120】
合成例1:カルボキシル基を有するバインダー樹脂(AP−1)の合成
滴下漏斗、温度計、冷却管、撹拌機を付した4つ口フラスコにメタクリル酸(MA)37.5質量部、メタクリル酸メチル(MMA)19.0質量部、メタクリル酸 n−ブチル(BMA)18.5質量部、2−メルカプトエタノール 0.75質量部、プロピレングリコールメチルエーテル(PGM)225.0質量部を仕込み、1時間4つ口フラスコ内を窒素置換した。さらにオイルバスで90℃まで加温した後、MA 37.5質量部、MMA 19.0質量部、BMA 18.5質量部、2−メルカプトエタノール 0.75質量部、PGM 225.0質量部、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル(AIBN)3.2質量部の混合液を1時間かけて滴下した。3時間重合を行った後100℃まで加熱し、AIBN 1.0質量部とプロピレングリコールメチルエーテルアセテート(PMA)15.0質量部の混合液を加えさらに1.5時間重合を行った後放冷した。その後4つ口フラスコ内を空気置換し、グルシジルメタクリレート(GMA)61.5質量部、テトラ−n−ブチルアンモニウムブロミド(TBAB)3.6質量部、メトキノン 0.15質量部を加え、80℃で8時間反応を行い、共重合体のカルボキシル基にGMAを付加させた。得られたGMA付加メタクリル酸エステル共重合体をAP−1とした。AP−1の固形分濃度は30.5%、固形分酸価は116mgKOH/g、GPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は14,000であった。
【0121】
合成例2:カルボキシル基を有するバインダー樹脂(AP−2)の合成
滴下漏斗、温度計、冷却管、撹拌機を付した4つ口フラスコにMA 17.5質量部、MMA 30.0質量部、ベンジルメタクリレート(BzMA) 7.5質量部、2−ヒドロキシエチルメタクリレート(HEMA)20.0質量部、2−メルカプトエタノール 0.75質量部、PMA 225.0質量部を仕込み、1時間4つ口フラスコ内を窒素置換した。さらにオイルバスで90℃まで加温した後、MA 17.5質量部、MMA 30.0質量部、BzMA 7.5質量部、HEMA 20.0質量部、2−メルカプトエタノール 0.75質量部、PMA 225.0質量部、AIBN 3.2質量部の混合液を1時間かけて滴下した。3時間重合を行った後100℃まで加熱し、AIBN 1.0質量部とPMA 15.0質量部の混合液を加えさらに1.5時間重合を行った後60℃まで温度を下げた。その後4つ口フラスコ内を空気置換し、2−メタクリロイロキシエチルイソシアネート(MEI,昭和電工(株)製) 48.0質量部、ジブチルスズジラウレート 0.15質量部、メトキノン 0.15質量部を加え、60℃で5時間反応を行い、生成した共重合体の水酸基にイソシアネート基を反応させた。得られたMEI付加アクリル酸エステル共重合体をAP−2とした。AP−2の固形分濃度は29.5%、固形分酸価は114mgKOH/g、GPCにより測定したポリスチレン換算の重量平均分子量は13,000であった。
【0122】
合成例3:アミノ基を有する共重合体(B)(DP−1)の合成
還流冷却器、温度計、撹拌機、滴下ロートを付した4つ口フラスコにシクロヘキサノン(40質量部)を入れて、液温を100℃に保温した。窒素雰囲気下で、エチルアクリレート(24質量部)、マクロモノマーAA−6(メチルメタクリレートマクロモノマー,東亜合成化学工業(株)製,4質量部)、ライトエステルDQ−100(ジメチルアミノエチルメタクリレート4級化物,共栄社化学(株)製,12質量部)、n−ドデシルメルカプタン(0.4質量部)、AIBN(0.8質量部)、シクロヘキサノン(20質量部)の混合溶液を約3時間かけて滴下した。滴下終了後、さらにAIBN(0.5質量部)を加え、100℃で2時間反応させた。得られた共重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量をGPCで測定したところ50,000であり、固形分濃度は40.2%であった。これをDP−1とした。
【0123】
合成例4:アミノ基を有する共重合体(B)(DP−2)の合成
シクロヘキサノン(40質量部)に滴下する混合溶液の組成をフェノキシエチルメタクリレート(ライトエステルPO,共栄社化学(株)製,12質量部)、マクロモノマーAA−6 (4質量部)、ライトエステルDQ−100(8質量部)、ライトエステルDM(ジメチルアミノエチルメタクリレート,共栄社化学(株)製,16質量部)、n−ドデシルメルカプタン(2質量部)、AIBN(0.8質量部)とし、その他の条件を合成例3と同一にして反応を行った。得られた共重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量をGPCで測定したところ20,000であり、固形分濃度は40.3%であった。これをDP−2とした。
【0124】
合成例5:アミノ基を有する共重合体(B)(DP−3)の合成
シクロヘキサノン(40質量部)に滴下する混合溶液の組成をNKエステルM−20G(メトキシジエチレングリコールメタクリレート,新中村化学(株)製,12質量部)、マクロモノマーAA−6(4質量部)、ライトエステルDQ−100(8質量部)、ライトエステルDM(ジメチルアミノエチルメタクリレート,16質量部)、n−ドデシルメルカプタン(2質量部)、AIBN(0.8質量部)とし、その他の条件を合成例3と同一にして反応を行った。得られた共重合体のポリスチレン換算の重量平均分子量をGPCで測定したところ20,000であり、固形分濃度は40.0%であった。これをDP−3とした。
【0125】
合成例6:光重合開始剤成分「2,2’−ビス(2−クロロフェニル)−4,4’、5,5’−テトラキス(4−メチルフェニル)−1,2’−ビイミダゾール(MHABI)」の合成
4,4’−ジメチルベンジル 27.50g(115mmol)、o−クロルベンズアルデヒド 16.25g(116mmol)、酢酸アンモニウム 69.45g(901mmol)、酢酸 450gを1L容のナスフラスコに入れ、撹拌しながら117℃で5時間反応した。前記反応液を放冷した後、撹拌している脱イオン水2Lにゆっくり投入したところ、2−クロロフェニル−4,5−ビス(4−メチルフェニル)イミダゾールが析出した。その後、2−クロロフェニル−4,5−ビス(4−メチルフェニル)イミダゾールをろ過水洗後、塩化メチレン500gに溶解し、2L容の4つ口フラスコに仕込み、5〜10℃になるよう冷却した。これにフェリシアン化カリウム 117.6g(357mmol)、水酸化ナトリウム 44.7g、脱イオン水 600gの混合液を1時間かけて撹拌しながら加え、さらに室温下で18時間反応を行った。前記反応液は脱イオン水で3回洗浄した後、無水硫酸マグネシウム 約50gで脱水処理した後、塩化メチレンを減圧下で留去した結果、MHABIの結晶が生じた。MHABIはエタノールより再結晶し、ろ過、乾燥した結果淡黄色結晶として36.5g(収率88.7%)を得ることができた。
【0126】
合成例7:光重合開始剤成分「トリメチロールプロパントリス(3−メルカプトブチレート)(TPMB)」の合成
トリメチロールプロパン(東京化成(株)製)2.68g(20mmol)、3−メルカプトブタン酸 7.57g(63mmol)、p−トルエンスルホン酸・1水和物 0.23g(1.2mmol)、トルエン20gを100ml容ナスフラスコに仕込み、Dean−Stark装置及び冷却管を装着した。内容物を撹拌しながらオイルバス温度145℃で加熱した。反応開始3時間後に放冷し、5%炭酸水素ナトリウム水溶液50mlで、反応液を中和した。さらに反応液をイオン交換水にて2回洗浄した後、無水硫酸マグネシウムにて脱水・乾燥を行った。次にトルエンを留去し、残分をシリカゲルによるカラムクロマトグラフィーにかけ、TPMBの精製を行った。シリカゲルはワコーゲルC−200(和光純薬工業(株)製)を用い、溶出溶媒としてn−ヘキサン/酢酸エチル=5/1(容積比)を用いた。精製して得られたTPMBは無色透明の液体であり、収量は5.63g、収率は64%であった。
【0127】
[カーボンブラック分散液の調製]
表1に示した性質を有するカーボンブラックを用い、実施例に示した方法でカーボンブラック分散液を調製した。
【0128】
【表1】
【0129】
実施例1:
側鎖にアクリロイル基とカルボキシル基を有するアクリル酸エステル共重合体であるサイクロマーACA−200(以下、ACA−200と略記,ダイセル化学(株)製,固形分濃度48%,ポリスチレン換算重量平均分子量19,000,固形分酸価116mg/g,438質量部(固形分210質量部))、DP−1(210質量部(固形分84質量部))、カーボンブラック Special Black 250(デグサ社製,546質量部)、シクロヘキサノン(3000質量部)を混合した後、ディスパーサーでプレミキシングを行った。さらにこの混合液を連続アニュラー型ビーズミル(商品名スパイクミル 型式SHG−4 株式会社井上製作所製)で分散を行った。使用したビーズは直径0.65mmのジルコニアビーズで、ベッセル内のビーズ充填率は80体積%とした。ローターの周速は12m/秒、カーボンブラック分散液の吐出量は1リットル/分、温度は約30℃になるように設定した。カーボンブラック分散液のベッセル内における滞留時間は6分(運転時間1時間)とした。上記方法により実施例1のカーボンブラック分散液を得た。
【0130】
実施例2〜8及び比較例1〜3:
表2に示す組成で、実施例1と同様の方法で実施例2〜8及び比較例1〜3のカーボンブラック分散液を得た。なお、比較例3のDisperbyk-161は、ビックケミー社のウレタン系分散剤である。
【0131】
比較例4:
実施例6と同じ配合組成比で、分散機としてペイントシェーカーを用いて分散処理を行った。このときのACA−200、DP−3、Raven 1080、シクロヘキサノンの配合量はそれぞれ6.3質量部(固形分3.0質量部)、3.0質量部(固形分1.2質量部)、7.8質量部、42.9質量部である。前記成分は160ml容のステンレス缶に仕込み、ビーズは0.65mm径のジルコニアビーズ 380g(充填率80体積%)、運転時間は1時間とした。
【0132】
[分散性評価]
ろ過性:
実施例1〜8及び比較例1〜4におけるカーボンブラックの分散度を孔径0.8μmのフィルター(桐山濾紙 GFP用)を使用した場合のろ過性にて評価した。速やかにろ過できた場合を分散性○、目詰まりしてろ過できなかった場合には分散性×とした。結果を表2に示す。
【0133】
光沢度:
実施例1〜8及び比較例1〜4のカーボンブラック分散液を100×100×1mmの大きさのガラス板にスピンコートにより塗布した後、室温で30分及び70℃で20分乾燥した。その後にデジタル変角光沢度計(型式UGV−50 スガ試験機(株)製)にて入射角45°、反射角45°で光沢度を測定した。光沢度が大きいほどカーボンブラックの分散性が良いと判断した。結果を表2に示す。
【0134】
【表2】
表2の結果より、特定のカーボンブラックとアミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体を使用することにより、カーボンブラックの分散性が高い分散液を調製することができた。また、実施例6と比較例4を比較すると連続アニュラー型ビーズミルを使用したほうが塗膜の光沢度が大きく、より高いカーボンブラックの分散を行えることが示された。
【0135】
ブラックマトリックスレジストの評価:
以下の試薬を使用した。
・エチレン性不飽和基を有する化合物(モノマー)(E)
ジペンタエリスリトールヘキサアクリレート(以下、DPHAと略記:東亜合成(株)製)、
・光重合開始剤(F)
4,4‘−ビス(N,N−ジエチルアミノ)ベンゾフェノン(以下、EMKと略記:保土谷化学(株)製)、
・有機溶剤(C)
シクロヘキサノン(和光純薬工業(株)製)。
【0136】
実施例9:ブラックマトリックスレジストの調製
実施例1のカーボンブラック分散液420質量部(固形分としてカルボキシル基を有するバインダー樹脂(D) 21.0質量部、アミノ基を有する共重合体(B) 8.4質量部、カーボンブラック(A) 54.6質量部を含有)、モノマー(E)としてDPHA 8.4質量部、光重合開始剤(F)としてEMK 1.0質量部、MHABI 5.0質量部、多官能チオール化合物(G)としてTPMB 5.0質量部、シクロヘキサノン 150質量部を混合し、2時間撹拌後孔径0.8μmのフィルター(桐山濾紙 GFP用)でろ過を行い実施例9のブラックマトリックスレジストを調製した。
【0137】
実施例10〜16及び比較例5:
実施例2のカーボンブラック分散液を用い、実施例9と同じ配合組成で実施例10のブラックマトリックスレジストを調製した。以下同様に実施例3のカーボンブラック分散液を用いて実施例11、実施例4のカーボンブラック分散液を用いて実施例12、実施例5のカーボンブラック分散液を用いて実施例13、実施例6のカーボンブラック分散液を用いて実施例14、実施例7のカーボンブラック分散液を用いて実施例15、実施例8のカーボンブラック分散液を用いて実施例16、比較例4のカーボンブラック分散液を用いて比較例5のブラックマトリックスレジスト組成物を調製した。
【0138】
光感度:
実施例9〜16、比較例5のブラックマトリックスレジスト組成物をガラス基板(大きさ100×100×1mm)に乾燥膜厚が約1μmになるようにスピンコートし、室温で30分間放置後、20分間70℃で溶剤を乾燥した。乾燥後のレジストの膜厚を膜厚計(株式会社 東京精密製 SURFCOM130A)で測定してから、超高圧水銀ランプを組み込んだ露光装置(ウシオ電機株式会社製商品名 マルチライト ML−251A/B)で段階的に露光量を変えながら石英製のフォトマスクを介して光硬化した。露光量は紫外線積算光量計(ウシオ電機(株)製 商品名 UIT−150 受光部 UVD−S365)を用いて測定した。また、用いた石英製フォトマスクにはライン/スペ−スが5、7、10、30、50、70、100μmのパターンが形成されたものである。
【0139】
露光されたレジストは、炭酸カリウムを含有するアルカリ現像剤であるデベロッパー9033(シプレイ・ファーイースト株式会社製)を0.25%、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム 0.03%を含有する水溶液(25℃)で、所定の時間アルカリ現像した(現像時間は露光前のレジスト皮膜がアルカリ現像により、皮膜が完全に溶解される時間(tD)の2.0倍に設定した。本実施例ではtD=15秒であったので現像時間は30秒とした。)。アルカリ現像後、水洗、エアスプレーによりガラス基板を乾燥し、残ったレジストの膜厚を測定し、残膜率を計算した。残膜率は以下の式より算出した。露光量を変えて同様の光硬化操作を実施し、露光量と残膜率の関係をプロットしたグラフを作成し、残膜率が飽和に達する露光量を求めた。
【0140】
【数1】
残膜率(%)=100×(アルカリ現像後膜厚)/(アルカリ現像前膜厚)
【0141】
次に、フォトマスクのライン/スペースが10μmの部分で形成したレジストの線幅を光学顕微鏡(キーエンス(株)製、VH−Z250)で測定した。
上記方法により、アルカリ現像後の残膜率が飽和に達した上で、フォトマスクの線幅(10μm)と同じ線幅になる最小露光量をブラックマトリックスレジストの光感度とした。結果を表3に示す。
【0142】
細線の直線性:
前記光感度の評価において作製した実施例9〜16及び比較例5の10μm線幅の部分を走査型電子顕微鏡(日本電子(株)、JSM−T330A)で観察し、細線の直線性の良い場合は○、悪い場合には×とした。図1に細線の直線性が良い電子顕微鏡写真(実施例16)を、図2に悪い場合の電子顕微鏡写真を示した(比較例5)。図2の場合、細線の端部に凹凸が見られる。結果を表3に示す。
【0143】
解像度:
前記光感度の評価において、各ブラックマトリックスレジストを光感度に相当する露光量で光硬化、同様の方法でアルカリ現像後、光学顕微鏡で観察し、フォトマスクと同じ線幅が残っている最小線幅をそのブラックマトリックスレジストの解像度とした。結果を表3に示す。
【0144】
OD値(光学濃度:Optical Density):
実施例9〜16、比較例5のブラックマトリックスレジスト組成物をガラス基板(大きさ100×100mm)にスピンコートし、室温で30分間乾燥後、20分間70℃で溶剤を乾燥した。超高圧水銀ランプで各レジストの光感度に相当する露光量で光硬化後、200℃×30分ポストベークし、得られたレジストが塗布されたガラス基板を用いてOD値を測定した。OD値はOD値既知の標準板で550nmにおける透過率を測定することにより作成された検量線を用いて決定した。結果を表3に示す。
【0145】
【表3】
【0146】
【発明の効果】
特定のカーボンブラックとアミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体を使用することによりカーボンブラックの分散性に優れた分散液を調製することができる。特に連続アニュラー型ビーズミルを使用することでより高い分散性を有するカーボンブラック分散液を調製できる。その結果表3に示すように高いOD値を有し、なおかつ解像度、細線の直線性に優れたブラックマトリックスレジストを得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】光感度の評価において作製した実施例16のレジストの10μm線幅の部分の走査型電子顕微鏡写真である。
【図2】光感度の評価において作製した比較例5のレジストの10μm線幅の部分の走査型電子顕微鏡写真である。
Claims (9)
- (A)平均一次粒子径20〜60nm、DBP吸油量30〜100ml/100g、BET法による比表面積30〜150m2/g、粒子表面のカルボキシル基の濃度0.2〜1.0μmol/m2のカーボンブラック、(B)アミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体、及び(C)有機溶剤を含有することを特徴とするカラーフィルターブラックマトリックスレジスト用カーボンブラック分散液組成物。
- アミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体(B)が、下記(i)、(ii)及び(iii)のモノマーを共重合して得られるものである請求項1記載のカラーフィルターブラックマトリックス用カーボンブラック分散液組成物:
(i)(a)炭素数1〜18のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(b)下記式(1)
(ii)下記式(3)
(iii)末端に(メタ)アクリロイル基を有している、ポリアルキル(メタ)アクリレートマクロモノマー及びポリスチレンマクロモノマーより選ばれる少なくとも一種の単量体 5〜80質量部(但し、(i)〜(iii)の合計は100質量部である)。 - カーボンブラック(A)とアミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体(B)の比率が質量比で(A):(B)=100:5〜25である請求項1または2記載のカラーフィルターブラックマトリックスレジスト用カーボンブラック分散液組成物。
- さらに、(D)カルボキシル基を有するバインダー樹脂を含有する請求項1乃至3のいずれかに記載のカラーフィルターブラックマトリックスレジスト用カーボンブラック分散液組成物。
- 連続アニュラー型ビーズミルを用いて製造された請求項1乃至4のいずれかに記載のカラーフィルターブラックマトリックスレジスト用カーボンブラック分散液組成物。
- 下記の(A)、(B)、(C)、(D)、(E)、(F)及び(G)成分からなることを特徴とするカラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物:
(A)平均一次粒子径20〜60nm、DBP吸油量30〜100ml/100g、BET法による比表面積30〜150m2/g、粒子表面のカルボキシル基の濃度が0.2〜1.0μmol/m2のカーボンブラック、
(B)アミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体、
(C)有機溶剤、
(D)カルボキシル基を有するバインダー樹脂、
(E)エチレン性不飽和単量体、
(F)光重合開始剤、
(G)メルカプト基を2個以上有する多官能チオール化合物。 - 前記有機溶剤(C)を除いた成分が下記の比率で含有されている請求項6に記載のカラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物:
(A)40〜80質量%、(B)4〜50質量%、(D)10〜50質量%、(E)3〜45質量%、(F)光重合開始剤2〜45質量%、(G)2〜45質量%。 - アミノ基及び/またはその第4級アンモニウム塩を有する共重合体(B)が下記(i)、(ii)、(iii)のモノマーを共重合して得られる数平均分子量4,000〜100,000の(メタ)アクリル系共重合物である請求項6または7記載のカラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物:
(i)(a)炭素数1〜18のアルキル基を含有する(メタ)アクリル酸アルキルエステル、(b)下記式(1)
(ii)下記式(3)
(iii)末端に(メタ)アクリロイル基を有している、ポリアルキル(メタ)アクリレートマクロモノマー及びポリスチレンマクロモノマーより選ばれた少なくとも一種の単量体(i)の単量体 5〜80質量部(但し、(i)〜(iii)の合計は100質量部である)。 - カルボキシル基を有するバインダー樹脂(D)が、さらにエチレン性不飽和基を有する請求項8に記載のカラーフィルターブラックマトリックスレジスト組成物。
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