JP3979050B2 - 静電潜像現像用トナー及び画像形成方法 - Google Patents

静電潜像現像用トナー及び画像形成方法 Download PDF

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Description

【0001】
【発明の属する技術分野】
本発明は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等に用いられる静電潜像現像用トナーとそれを用いた画像形成方法に関するものである。
【0002】
【従来の技術】
今日、電子写真法に代表される静電潜像現像法は、プリンタ、複写機、ファクシミリ等の画像形成方法に広く用いられている。
【0003】
この理由は高速で高品質な画像が安定して得られる完成度の高い方法である為であるが、なお、いくつかの問題点も残っている。静電潜像現像用トナー(以下、単にトナーということがある)は高画質化を目指して小粒径化され、粒径をそろえることが望まれている。このような体積平均粒径で3〜8μm程度の小粒径トナーを製造する方法として近年重合法トナーの開発が盛んである。
【0004】
重合法トナーとは、水系媒体中でラジカル重合性単量体を重合して樹脂粒子を造り、粉砕分級工程を経ることなくトナーを造る方法である。この重合法トナーには樹脂粒子と着色剤粒子とを会合あるいは塩析/融着させて不定形化したトナーを調製する方法や、ラジカル重合性単量体と着色剤とを混合し、ついで水系媒体等に所望のトナー粒径になるように液滴分散し、懸濁重合する方法等がある。
【0005】
この中でも樹脂粒子と着色剤粒子とを会合あるいは塩析/融着させて不定形化するトナーの調製方法は、不定形化されたトナーを形成する方法として好ましい方法である。
【0006】
【発明が解決しようとする課題】
ところが、本発明者等の検討により、重合法トナーを特に接触型の熱定着装置に使用すると長期に亘る使用ではトナーオフセットが発生するという問題があることが判明した。
【0007】
本発明は、上記問題を解決しようとする検討の中で成された。
即ち、本発明の目的は、いわゆる重合法トナーにおいて、接触型熱定着にて長期に亘る使用においても定着装置の汚染がなく、長期に亘って安定した画像を形成することのできる静電潜像現像用トナーとそれを用いた画像形成方法を提供することにある。
【0008】
【課題を解決するための手段】
本発明者等は鋭意検討した結果、接触型の熱定着装置に対する重合法トナーによる汚染が、定着装置に対する静電的な付着により発生していることを見いだした。
【0009】
さらに、詳細な解析を行った結果、この原因がトナー中に微量含有されるアミン成分の定着装置に対する付着により静電付着性が変化し、トナーを静電的に付着させているものと推定された。特に、アミン成分の中で芳香族アミンがそれに顕著な影響を与えることを見いだし本発明に至った。
【0010】
即ち、本発明の目的は、下記構成の何れかを採ることにより達成することが出来る。
【0011】
〔1〕 少なくとも水系媒体中でラジカル重合性単量体を重合せしめて形成された樹脂とイエロー着色剤とからなる体積平均粒径が3〜8μmの静電潜像現像用トナーにおいて、該トナー中に含有される下記化学構造を有する芳香族アミンが50ppm以下であることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
【化O】
Figure 0003979050
(式中、Rは水素原子、塩素原子、臭素原子、ニトロ基、炭素数が1〜6及び8のアルキル基、炭素数が1〜6及び8のアルコキシ基、或いは−NHCOR′但しR′は炭素数が1〜6及び8のアルキル基である。)
【0012】
〔2〕 少なくともラジカル重合性単量体から形成された樹脂粒子とイエロー着色剤粒子とを水系媒体中で融着せしめてなる体積平均粒径が3〜8μmの静電潜像現像用トナーにおいて、該トナー中に含有される下記化学構造を有する芳香族アミンが50ppm以下であることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
【化P】
Figure 0003979050
(式中、Rは水素原子、塩素原子、臭素原子、ニトロ基、炭素数が1〜6及び8のアルキル基、炭素数が1〜6及び8のアルコキシ基、或いは−NHCOR′但しR′は炭素数が1〜6及び8のアルキル基である。)
〕 トナー中に含有される芳香族アミンがo−アニシジンであることを特徴とする〔1〕又は〔2〕記載の静電潜像現像用トナー。
〕 マスターバッチ処理して作製されたことを特徴とする〔1〕〜〔〕の何れか1項記載の静電潜像現像用トナー。
【0013】
〕 〔1〕〜〔〕の何れか1項に記載の静電潜像現像用トナーを用い、電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像し、接触型の熱定着装置にて定着することを特徴とする画像形成方法。
【0014】
接触型の熱定着装置とは、未定着トナー像に直接加熱ローラ等の加熱源が接触し、トナーを加熱して融解定着する方式である。
【0015】
通常、接触型の熱定着装置の加熱ローラや加熱フィルムの表面は、トナーなどの付着を抑えるためにフッ素系の樹脂が被覆されている。このフッ素系樹脂自体は負帯電性が強く、芳香族アミンが正帯電性を有するため、表面に付着しやすい。その結果、加熱ローラや加熱フィルム等のトナーと接触する部分が正帯電性となり、特に負帯電性のトナーが静電的に付着しやすく、従って、トナーがオフセットしやすくなっているものと推定された。
【0016】
この芳香族アミン成分は、トナー中に50ppmを越えると定着装置の汚染が顕著となり、定着装置の汚染を引き起こしてしまう。しかし、後述する如く着色剤等に不純物として通常ある程度含有されているため、重合法のトナーでは、トナー中の含有量が上記範囲を超えてしまい問題を起こすことがわかった。
【0017】
即ち、従来用いられてきた粉砕法トナーでは、樹脂と着色剤とを溶融混練した後に粉砕・分級することでトナー化されるが、この工程では樹脂を溶融温度以上に加熱すると同時に二軸押し出し機等の混練装置により大きなシェアをかけている。このため、この工程において樹脂の軟化点以上に加熱されているから、樹脂中に存在している芳香族アミンはこの熱で気化し、最終的なトナー中には殆ど単体では存在することができなくなっている。
【0018】
一方、いわゆる重合法トナーでは上記の如き溶融混練工程を経ることがなく、ラジカル重合法で調製される場合には、最高でも水の沸点である100℃程度までの加熱にとどまっている。その結果、微量の芳香族アミンが残存し、定着時に上記の如き問題を発生しているものと推定された。
【0019】
【発明の実施の形態】
本発明に係わる化合物、構成成分、製造方法及び画像形成方法等を以下説明する。
【0020】
本発明で問題視している芳香族アミン成分としては以下のものがあげられる。
【0021】
【化1】
Figure 0003979050
【0022】
(式中、Rは水素原子、塩素原子、臭素原子、ニトロ基、炭素数が1〜6及び8のアルキル基、炭素数が1〜6及び8のアルコキシ基、或いは−NHCOR′但しR′は炭素数が1〜6及び8のアルキル基である。)
具体的化合物としては、o−アニシジン等がある。
【0023】
これら芳香族アミン化合物はイエロー着色剤(色材)中に存在する不純物としてトナー中に混入されることが多い。このため、本発明の如くトナー中の含有量を質量比にて50ppm以下とするには原材料中に存在する不純物である芳香族アミン化合物を除去して使用する必要がある
【0024】
この方法は特に限定されるものではないが、例えば着色剤を不活性気体中で加熱処理(150〜300℃程度に加熱)する方法、着色剤を加熱真空脱気処理する方法(減圧乾燥)、着色剤と樹脂でマスターバッチ処理する方法などを挙げることができる。
【0025】
これらの方法により着色剤中の芳香族アミンの含有量を低下させて使用する。
芳香族アミン化合物の定量は、ヘッドスペースガスクロマトグラフを使用し、定量することができ、又、化合物自体の同定はマススペクトルで確認することができる。なお、芳香族アミンが、複数存在する場合には、総和が50ppm以下となっていればよい。何れにしろ、本発明において、より好ましい範囲は30ppm以下であり、さらには10ppm以下であることが好ましい。
【0026】
次に本発明のトナーの製造方法について説明する。
本発明のトナーは、懸濁重合法や、必要な添加剤の乳化液を加えた液中にて単量体を乳化重合し、微粒の樹脂粒子を製造し、その後に、有機溶媒、凝集剤等を添加して凝集融着する方法で製造することができる。凝集融着の際にトナーの構成に必要な離型剤や着色剤などの分散液と混合して会合させて調製する方法や、単量体中に離型剤や着色剤などのトナー構成成分を分散した上で乳化重合する方法などがあげられる。ここで会合とは樹脂粒子および着色剤粒子が複数個融着することを示す。
【0027】
なお、本発明でいうところの水系媒体とは、少なくとも水が50質量%以上含有されたものを示す。
【0028】
即ち、懸濁重合法においては、重合性単量体中に着色剤や必要に応じて離型剤、荷電制御剤、さらに重合開始剤等の各種構成材料を添加し、ホモジナイザー、サンドミル、サンドグラインダー、超音波分散機などで重合性単量体に各種構成材料を溶解あるいは分散させる。この各種構成材料が溶解あるいは分散された重合性単量体を分散安定剤を含有した水系媒体中にホモミキサーやホモジナイザーなどを使用しトナーとしての所望の大きさの油滴に分散させる。その後、加熱することで重合反応を進行させる。反応終了後、分散安定剤を除去し、濾過、洗浄し、さらに乾燥することで着色粒子を作製し、必要により外添剤等を加えて本発明のトナーを調製する。
【0029】
又、本発明のトナーを製造する方法として、乳化重合法等で造った樹脂粒子を水系媒体中で凝集融着させて調製する方法も挙げることができる。この方法としては、特に限定されるものではないが、例えば、特開平5−265252号公報や特開平6−329947号公報、特開平9−15904号公報に示す方法を挙げることができる。すなわち、樹脂粒子と着色剤などの構成材料の分散粒子、あるいは樹脂および着色剤等より構成される微粒子を複数以上会合させる方法、特に水中にてこれらを乳化剤を用いて分散した後に、臨界凝集濃度以上の凝集剤を加え塩析させると同時に、形成された重合体自体のガラス転移点温度以上で加熱融着させた樹脂粒子を形成させつつ徐々に粒径を成長させ、目的の粒径となったところで水を多量に加えて粒径成長を停止し、さらに加熱、撹拌しながら粒子表面を平滑にして形状を制御し、その粒子を含水状態のまま流動状態で加熱乾燥することにより、本発明のトナーを形成することができる。なお、ここにおいて凝集剤と同時に水に対して無限溶解する有機溶媒を加えてもよい。
【0030】
樹脂を構成する重合性単量体として使用されるものは、スチレン、o−メチルスチレン、m−メチルスチレン、p−メチルスチレン、α−メチルスチレン、p−クロロスチレン、3,4−ジクロロスチレン、p−フェニルスチレン、p−エチルスチレン、2,4−ジメチルスチレン、p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチレン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチレン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチレンの様なスチレンあるいはスチレン誘導体、メタクリル酸メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソプロピル、メタクリル酸イソブチル、メタクリル酸t−ブチル、メタクリル酸n−オクチル、メタクリル酸2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリル、メタクリル酸ラウリル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル、メタクリル酸ジメチルアミノエチル等のメタクリル酸エステル誘導体、アクリル酸メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸イソプロピル、アクリル酸n−ブチル、アクリル酸t−ブチル、アクリル酸イソブチル、アクリル酸n−オクチル、アクリル酸2−エチルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸ラウリル、アクリル酸フェニル等の、アクリル酸エステル誘導体、エチレン、プロピレン、イソブチレン等のオレフィン類、塩化ビニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、フッ化ビニル、フッ化ビニリデン等のハロゲン系ビニル類、プロピオン酸ビニル、酢酸ビニル、ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類、ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル等のビニルエーテル類、ビニルメチルケトン、ビニルエチルケトン、ビニルヘキシルケトン等のビニルケトン類、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドール、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物、ビニルナフタレン、ビニルピリジン等のビニル化合物類、アクリロニトリル、メタクリロニトリル、アクリルアミド等のアクリル酸あるいはメタクリル酸誘導体がある。これらビニル系単量体は単独あるいは組み合わせて使用することができる。
【0031】
又、樹脂を構成する重合性単量体としてイオン性解離基を有するものを組み合わせて用いることがさらに好ましい。例えば、カルボキシル基、スルフォン酸基、リン酸基等の置換基を単量体の構成基として有するもので、具体的には、アクリル酸、メタクリル酸、マレイン酸、イタコン酸、ケイ皮酸、フマール酸、マレイン酸モノアルキルエステル、イタコン酸モノアルキルエステル、スチレンスルフォン酸、アリルスルフォコハク酸、2−アクリルアミド−2−メチルプロパンスルフォン酸、アシッドホスホオキシエチルメタクリレート、3−クロロ−2−アシッドホスホオキシプロピルメタクリレート等が挙げられる。
【0032】
さらに、ジビニルベンゼン、エチレングリコールジメタクリレート、エチレングリコールジアクリレート、ジエチレングリコールジメタクリレート、ジエチレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコールジメタクリレート、トリエチレングリコールジアクリレート、ネオペンチルグリコールジメタクリレート、ネオペンチルグリコールジアクリレート等の多官能性ビニル類を使用して架橋構造の樹脂とすることもできる。
【0033】
又、重合反応を促進するため水溶性ラジカル重合開始剤を使用することができる。水溶性重合開始剤としては、過硫酸カリウム、過硫酸アンモニウム等の過硫酸塩、アゾビスアミノジプロパン酢酸塩、アゾビスシアノ吉草酸およびその塩、過酸化水素等を挙げることができる。
【0034】
更に、重合された樹脂の分子量を調整するためには連鎖移動剤を用いることも出来る。
【0035】
例えば、
一般式(1) HS−R1−COOR2
ここに、R1は置換基を有してもよい炭素数が1〜10の炭化水素基であり、R2は置換基を有しても良い炭素数が2〜20の炭化水素基を示す。
【0036】
好ましいものとしては、チオグリコール酸エステル類、3−メルカプトプロピオン酸エステル類をあげることができる。具体的にはチオグリコール酸エステル類として、チオグリコール酸エチル、チオグリコール酸ブチル、チオグリコール酸t−ブチル、チオグリコール酸−2−エチルヘキシル、チオグリコール酸オクチル、チオグリコール酸イソオクチル、チオグリコール酸デシル、チオグリコール酸ドデシル、エチレングリコールのチオグリコール酸エステル、ネオペンチルグリコールのチオグリコール酸エステル、トリメチロールプロパンのチオグリコール酸エステル、ペンタエリスリトールのチオグリコール酸エステル、ソルビトールのチオグリコール酸エステルをあげることができ、3−メルカプトプロピオン酸エステル類としては、エチルエステル、オクチルエステル、デシルエステル、ドデシルエステル、ペンタエリスリトールテトラキスエステル、エチレングリコールの3−メルカプトプロピオン酸エステル、ネオペンチルグリコールの3−メルカプトプロピオン酸エステル、トリメチロールプロパンの3−メルカプトプロピオン酸エステル、ペンタエリスリトールの3−メルカプトプロピオン酸エステル、ソルビトールの3−メルカプトプロピオン酸エステルをあげることができる。
【0037】
又、下記一般式(2)で表される化合物も好ましく用いることが出来る。
一般式(2) HS−R3
ここに、R3は置換基を有してもよい炭素数が1〜20の炭化水素基である。
【0038】
一般式(2)で表される化合物としては、n−オクチルメルカプタン、2−エチルヘキシルメルカプタン、n−ドデシルメルカプタン、sec−ドデシルメルカプタン、t−ドデシルメルカプタン等を挙げることができる。
【0039】
使用量としては、何れの化合物においても0.01〜5質量%が好ましい。
本発明に用いられる樹脂の重合度としては、100,000〜1,000,000の領域にピークもしくは肩を有する高分子量成分と、1,000から20,000未満の領域にピークもしくは肩を有する低分子量成分の両成分を含有する樹脂が好ましい。さらに、これら樹脂全体の分子量が数平均分子量(Mn)で1,000〜100,000、重量平均分子量(Mw)で2,000〜1,000,000のものが好ましい。さらに、分子量分布として、Mw/Mnが1.5〜100、特に1.8〜70のものが好ましい。
【0040】
樹脂の分子量測定方法は、例えばTHF(テトラヒドロフラン)を溶媒としたGPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)による測定方法を挙げることが出来る。
【0041】
すなわち、測定試料0.5〜5mg、より具体的には1mgに対してTHFを1ml加え、室温にてマグネチックスターラーなどを用いて撹拌を行い、充分に溶解させる。ついで、ポアサイズ0.45〜0.50μmのメンブランフィルターで処理した後に、GPCへ注入する。GPCの測定条件は、40℃にてカラムを安定化させ、THFを毎分1mlの流速で流し、1mg/mlの濃度の試料を約100μl注入して測定する。カラムは、市販のポリスチレンジェルカラムを組み合わせて使用することが好ましい。
【0042】
例えば、昭和電工社製のShodex GPC KF−801、802、803、804、805、806、807の組合せや、東ソー社製のTSKgelG1000H、G2000H、G3000H、G4000H、G5000H、G6000H、G7000H、TSK guard columnの組合せなどをあげることができる。また、検出器としては、屈折率検出器(IR検出器)、あるいはUV検出器を用いるとよい。試料の分子量測定では、試料の有する分子量分布を単分散のポリスチレン標準粒子を用いて作成した検量線を用いて算出する。検量線作成用のポリスチレンとしては10点程度用いるとよい。
【0043】
本発明において優れた樹脂としては、ガラス転移点が20〜90℃のものが好ましく、軟化点が80〜220℃のものが好ましい。ガラス転移点は示差熱量分析方法で測定されるものであり、軟化点は高化式フローテスターで測定することができる。
【0044】
使用される凝集剤としては特に限定されるものではないが、金属塩から選択されるものが好適に使用される。具体的には、一価の金属として例えばナトリウム、カリウム、リチウム等のアルカリ金属の塩、二価の金属として例えばカルシウム、マグネシウム等のアルカリ土類の金属塩、マンガン、銅等の二価の金属の塩、鉄、アルミニウム等の三価の金属の塩等が挙げられ、具体的な塩としては、塩化ナトリウム、塩化カリウム、塩化リチウム、塩化カルシウム、塩化亜鉛、硫酸銅、硫酸マグネシウム、硫酸マンガン等を挙げることができる。これらは組み合わせて使用してもよい。
【0045】
これらの凝集剤は臨界凝集濃度以上添加することが好ましい。この臨界凝集濃度とは、水性分散物の安定性に関する指標であり、凝集剤を添加して凝集が発生する濃度を示すものである。この臨界凝集濃度は、乳化された成分および分散剤自体によって大きく変化するものである。例えば、岡村誠三他著「高分子化学 17、601(1960)日本高分子学会編」等に記述されており、詳細な臨界凝集濃度を求めることができる。また、別な手法として、目的とする粒子分散液に所望の塩を濃度を変えて添加し、その分散液のζ(ゼータ)電位を測定し、この値が変化する塩濃度を臨界凝集濃度として求めることもできる。
【0046】
本発明の凝集剤の添加量は、臨界凝集濃度以上であればよいが、好ましくは臨界凝集濃度の1.2倍以上、さらに好ましくは、1.5倍以上添加することがよい。
【0047】
無限溶解する溶媒とは、すなわち水に対して無限溶解する溶媒を示し、この溶媒は、本発明においては形成された樹脂を溶解させないものが選択される。具体的には、メタノール、エタノール、プロパノール、イソプロパノール、t−ブタノール、メトキシエタノール、ブトキシエタノール等のアルコール類、アセトニトリル等のニトリル類、ジオキサン等のエーテル類を挙げることができる。特に、エタノール、プロパノール、イソプロパノールが好ましい。
この無限溶解する溶媒の添加量は、凝集剤を添加した重合体含有分散液に対して1〜100体積%が好ましい。
【0048】
なお、形状を均一化させるためには、着色粒子を調製し、濾過した後に粒子に対して10質量%以上の水が存在したスラリーを流動乾燥させることが好ましいが、この際、特に重合体中に極性基を有するものが好ましい。この理由としては、極性基が存在している重合体に対して、存在している水が多少膨潤する効果を発揮するために、形状の均一化が特に図られやすいものと考えられる。
【0049】
本発明のトナーは少なくとも樹脂と着色剤を含有するものであるが、必要に応じて定着性改良剤である離型剤や荷電制御剤等を含有することもできる。さらに、上記樹脂と着色剤を主成分とするトナー粒子に対して無機微粒子や有機微粒子等で構成される外添剤を添加したものであってもよい。
【0051】
染料としてはC.I.ソルベントイエロー19、同44、同77、同79、同81、同82、同93、同98、同103、同104、同112、同162、C.I.ソルベントブルー25、同36、同60、同70、同93、同95等を用いる事ができ、またこれらの混合物も用いる事ができる。顔料としてはC.I.ピグメントイエロー14、同17、同93、同94、同138、同156、同158、同180、同185、実施例中で用いられているピグメントイエロー74等を用いる事ができ、特に好ましくはC.I.ピグメントイエロー14、同17、同74等のアゾ系の顔料がよく、これらの混合物も用いる事ができる。数平均一次粒子径は種類により多様であるが、概ね10〜200nm程度が好ましい。
【0052】
着色剤の添加方法としては、乳化重合法で調製した重合体粒子を、凝集剤を添加することで凝集させる段階で添加し重合体を着色する方法や、単量体を重合させる段階で着色剤を添加し、重合し、着色粒子とする方法等を使用することができる。なお、着色剤は重合体を調製する段階で添加する場合はラジカル重合性を阻害しない様に表面をカップリング剤等で処理して使用することが好ましい。
【0053】
又、必要により離型剤が添加されるが、離型剤の構造等は特に限定されない。
ポリプロピレン、ポリエチレン等の低分子量ポリオレフィンワックス、パラフィンワックス、フィッシャートロプシュワックス、エステルワックス等が使用できる。特に好適に使用されるものとして、下記一般式で示されるエステルワックスが挙げられる。
【0054】
1−(OCO−R2n
上記一般式にて、nは1〜4の整数、好ましくは2〜4、さらに好ましくは3〜4、特に好ましくは4がよい。
【0055】
1、R2は置換基を有しても良い炭化水素基を示す。ここにおいて、R1は炭素数1〜40、好ましくは1〜20、さらに好ましくは2〜5がよい。R2は炭素数1〜40、好ましくは16〜30、さらに好ましくは18〜26である。
【0056】
次に代表的な化合物の例を以下に示す。
【0057】
【化2】
Figure 0003979050
【0058】
【化3】
Figure 0003979050
【0059】
添加量は、トナー全体に1〜30質量%、好ましくは2〜20質量%、さらに好ましくは3〜15質量%がよい。
【0060】
荷電制御剤も同様に種々の公知のもので、且つ水中に分散することができるものを使用することができる。具体的には、ニグロシン系染料、ナフテン酸または高級脂肪酸の金属塩、アルコキシル化アミン、第4級アンモニウム塩化合物、アゾ系金属錯体、サリチル酸金属塩あるいはその金属錯体等が挙げられる。
【0061】
尚、これら離型剤や荷電制御剤の粒子は、トナー中に分散した状態で数平均一次粒子径が10〜500nm程度とすることが好ましい。
【0062】
本発明のトナーの粒径は、体積平均粒径で3〜8μmのものである。この粒径は、重合法によりトナー粒子を形成させる場合には、凝集剤の濃度や有機溶媒の添加量、または融着時間、さらには重合体自体の組成によって制御することができる。
【0063】
体積平均粒径が3〜8μmであることにより、定着工程において、飛翔して加熱部材に付着しオフセットを発生させる付着力の大きいトナー微粒子が少なくなり、また、転写効率が高くなってハーフトーンの画質が向上し、細線やドット等の画質が向上する。
【0064】
〔測定条件〕
(1)アパーチャー:100μm
(2)サンプル調製法:電解液〔ISOTON R−11(コールターサイエンティフィックジャパン社製)〕50〜100mlに界面活性剤(中性洗剤)を適量加えて撹拌し、これに測定試料10〜20mgを加える。この系を超音波分散機にて1分間分散処理することにより調製する。
【0065】
又、本発明のトナーでは、外添剤として無機微粒子や有機微粒子などの微粒子を添加して使用することでより効果を発揮することができる。この理由としては、外添剤の埋没や脱離を効果的に抑制することができるため、その効果が顕著にでるものと推定される。
【0066】
この無機微粒子としては、シリカ、チタニア、アルミナ等の無機酸化物粒子の使用が好ましく、さらに、これら無機微粒子はシランカップリング剤やチタンカップリング剤等によって疎水化処理されていることが好ましい。疎水化処理の程度としては特に限定されるものでは無いが、メタノールウェッタビリティーとして40〜95のものが好ましい。メタノールウェッタビリティーとは、メタノールに対する濡れ性を評価するものである。この方法は、内容量200mlのビーカー中に入れた蒸留水50mlに、測定対象の無機微粒子を0.2g秤量し添加する。メタノールを先端が液体中に浸せきされているビュレットから、ゆっくり撹拌した状態で無機微粒子の全体が濡れるまでゆっくり滴下する。この無機微粒子を完全に濡らすために必要なメタノールの量をa(ml)とした場合に、下記式により疎水化度が算出される。
【0067】
疎水化度={a/(a+50)}×100
この外添剤の添加量としては、トナー中に0.1〜5.0質量%、好ましくは0.5〜4.0質量%である。また、外添剤としては種々のものを組み合わせて使用してもよい。
【0068】
画像形成方法
非磁性一成分トナーとして使用する場合には、薄層形成を行うための現像剤層規制部材が現像剤層担持体に押圧された構成を有する現像器を使用し、接触あるいは非接触で現像する。好ましい方式は接触現像である。
【0069】
二成分現像剤として使用する場合には、本発明のトナーとキャリアとからなる現像剤を調製し、接触又は非接触で現像する方式がああり、本発明の極めて好ましい態様である。また、本発明のトナーは感光体に残留する未転写のトナーを回収して現像部に戻すトナーリサイクル方式に好適に使用することができる。
【0070】
二成分現像剤を構成するキャリアとしては、磁性粒子としては、鉄、フェライト、マグネタイト等の金属、それらの金属とアルミニウム、鉛等の金属との合金等の従来から公知の材料を用いることができる。特にフェライト粒子が好ましい。上記磁性粒子は、その体積平均粒径としては15〜100μm、より好ましくは25〜60μmのものが良い。キャリアの体積平均粒径の測定は、代表的には湿式分散機を備えたレーザ回折式粒度分布測定装置「ヘロス(HELOS)」(シンパティック(SYMPATEC)社製)により測定することができる。
キャリアは、さらに樹脂により被覆されているもの、あるいは樹脂中に磁性粒子を分散させたいわゆる樹脂分散型キャリアが好ましい。コーティング用の樹脂組成としては、特に限定は無いが、例えば、オレフィン系樹脂、スチレン系樹脂、スチレン/アクリル系樹脂、シリコーン系樹脂、エステル系樹脂あるいはフッ素含有重合体系樹脂等が用いられる。また、樹脂分散型キャリアを構成するための樹脂としては、特に限定されず公知のものを使用することができ、例えば、スチレンアクリル樹脂、ポリエステル樹脂、フッ素系樹脂、フェノール樹脂等を使用することができる。
【0071】
本発明に使用される好適な定着方法としては、いわゆる接触加熱方式をあげることができる。特に、接触加熱方式として、熱圧定着方式、さらには熱ローラ定着方式および固定配置された加熱体を内包した回動する加熱部材(例えばベルト)により定着する方式をあげることができる。
【0072】
熱ローラ定着方式では、多くの場合表面にテトラフルオロエチレンやポリテトラフルオロエチレン−パーフルオロアルコキシビニルエーテル共重合体類等を被覆した鉄やアルミニウム等で構成される金属シリンダー内部に熱源を有する上ローラとシリコーンゴム等で形成された下ローラとから形成されている。熱源としては、線状のヒーターを有し、上ローラの表面温度を120〜200℃程度に加熱するものが代表例である。定着部に於いては上ローラと下ローラ間に圧力を加え、下ローラを変形させ、いわゆるニップを形成する。ニップ幅としては1〜10mm、好ましくは1.5〜7mmである。定着線速は40mm/sec〜600mm/secが好ましい。ニップが狭い場合には熱を均一にトナーに付与することができなくなり、定着のムラを発生する。一方でニップ幅が広い場合には樹脂の溶融が促進され、定着オフセットが過多となる問題を発生する。
【0073】
定着クリーニングの機構を付与して使用してもよい。この方式としてはシリコーンオイルを定着の上ローラあるいはフィルムに供給する方式やシリコーンオイルを含浸したパッド、ローラ、ウェッブ等でクリーニングする方法が使用できる。
【0074】
上記定着器にはクリーニング機構を付与して使用してもよい。クリーニング方式としては、各種シリコーンオイルを定着用フィルムに供給する方式や各種シリコーンオイルを含浸させたパッド、ローラ、ウエッブ等でクリーニングする方式が用いられる。
なお、シリコーンオイルとしては、ポリジメチルシロキサン、ポリメチルフェニルシロキサン、ポリジフェニルシロキサン等を使用することが出来る。さらに、フッ素を含有するシロキサンも好適に使用することが出来る。
【0075】
図1は本発明の画像形成装置の一例を示す断面構成図である。4は被帯電体である感光体ドラムであり、アルミニウム製のドラム基体の外周面に感光体層である有機光導電体(OPC)を形成してなるもので矢印方向に所定の速度で回転する。
【0076】
図1において、図示しない原稿読み取り装置にて読み取った情報に基づき、半導体レーザ光源1から露光光が発せられる。これをポリゴンミラー2により、図1の紙面と垂直方向に振り分け、画像の歪みを補正するfθレンズ3を介して、感光体面上に照射され静電潜像を作る。感光体ドラム4は、予め帯電器5により一様帯電され、像露光のタイミングにあわせて時計方向に回転を開始している。
【0077】
感光体ドラム面上の静電潜像は、現像器6により現像され、形成された現像像はタイミングを合わせて搬送されてきた転写紙8に転写器7の作用により転写される。更に感光体ドラム4と転写紙8は分離器(分離極)9により分離されるが、現像像は転写紙8に転写担持されて、定着器(定着装置)10へと導かれ定着される。
【0078】
感光体面に残留した未転写のトナー等は、クリーニングブレード方式のクリーニング器11にて清掃され、帯電前露光(PCL)12にて残留電荷を除き、次の画像形成のため再び帯電器5により、一様帯電される。
【0079】
次に、転写紙は代表的には普通紙であるが、現像後の未定着像を転写可能なものなら、特に限定されず、OHP用のPETベース等も無論含まれる。
【0080】
又、クリーニングブレード13は、厚さ1〜30mm程度のゴム状弾性体を用い、材質としてはウレタンゴムが最も良く用いられる。これは感光体に圧接して用いられるため熱を伝え易く、本発明においては解除機構を設け、画像形成動作を行っていない時には感光体から離しておくのが望ましい。
【0081】
本発明は、電子写真法による画像形成装置、特にコンピュータ等からのデジタル画像データで変調した変調ビームにより感光体上に静電潜像を形成する装置に好ましく使用することができる。
【0082】
図2は、本発明のトナーを用いた画像形成方法において使用する定着装置の一例を示す断面図であり、図2示す定着装置10は、加熱ローラ71と、これに当接する加圧ローラ72とを備えている。なお、図2において、Tは転写紙(画像形成支持体)上に形成されたトナー像である。
【0083】
加熱ローラ71は、フッ素樹脂または弾性体からなる被覆層82が芯金81の表面に形成されてなり、線状ヒーターよりなる加熱部材75を内包している。
【0084】
芯金81は、金属から構成され、その内径は10〜70mmとされる。芯金81を構成する金属としては特に限定されるものではないが、例えば鉄、アルミニウム、銅等の金属あるいはこれらの合金を挙げることができる。
【0085】
芯金81の肉厚は0.1〜15mmとされ、省エネルギーの要請(薄肉化)と、強度(構成材料に依存)とのバランスを考慮して決定される。例えば、0.57mmの鉄よりなる芯金と同等の強度を、アルミニウムよりなる芯金で保持するためには、その肉厚を0.8mmとする必要がある。
【0086】
加熱部材75としては、ハロゲンヒーターを好適に使用することができる。
加圧ローラ72は、弾性体からなる被覆層84が芯金83の表面に形成されてなる。被覆層84を構成する弾性体としては特に限定されるものではなく、ウレタンゴム、シリコーンゴムなどの各種軟質ゴムおよびスポンジゴムを挙げることができ、被覆層84を構成するものとして例示したシリコーンゴムおよびシリコーンスポンジゴムを用いることが好ましい。
【0087】
被覆層84を構成する弾性体のアスカーC硬度は、80°未満とされ、好ましくは70°未満、更に好ましくは60°未満とされる。
【0088】
又、被覆層84の厚みは0.1〜30mmとされ、好ましくは0.1〜20mmとされる。
【0089】
加熱ローラ71と加圧ローラ72との当接荷重(総荷重)としては、通常40〜350Nとされ、好ましくは50〜300N、さらに好ましくは50〜250Nとされる。この当接荷重は、加熱ローラ71の強度(芯金81の肉厚)を考慮して規定され、例えば0.3mmの鉄よりなる芯金を有する加熱ローラにあっては、250N以下とすることが好ましい。
【0090】
【実施例】
次に、本発明の代表的態様を実施例として記すが、無論本発明はこれに限定されるものではない。尚、文中「部」とは「質量部」を表す。
【0093】
なお、芳香族アミン含有量はヘッドスペースガスクロマトグラフにより測定した。
【0094】
着色剤前処理例2
ピグメントイエロー74を真空乾燥機にて133Pa減圧下、150℃にて処理した。処理時間を変更し、以下に示すイエロー(Y)顔料1〜4を調製した。なお、芳香族アミンはo−アニシジンであった。
【0095】
【表2】
Figure 0003979050
【0096】
着色剤前処理例3
ピグメントイエロー74を100部とスチレン/アクリル樹脂100部を加え、2本ローラにて混練し、マスターバッチ処理イエロー顔料を得た。混練時間を変化させ、下記イエロー(Y)顔料5、6を得た。なお、芳香族アミンはo−アニシジンであった。
【0097】
【表3】
Figure 0003979050
【0098】
ラテックス調製例
撹拌装置、温度センサー、冷却管、窒素導入装置を付けた5000mlのセパラブルフラスコに予めアニオン系活性剤(ドデシルベンゼンスルフォン酸ナトリウム:SDS)7.08gをイオン交換水(2760g)に溶解させた溶液を入れる。窒素気流下230rpmの撹拌速度で撹拌しつつ、内温を80℃に昇温させた。一方で例示化合物19)を72.0gとスチレン115.1g、n−ブチルアクリレート42.0g、メタクリル酸10.9gからなる重合性単量体を加え、80℃に加温し溶解させ、重合性単量体溶液を作製した。ここで循環経路を有する機械式分散機により上記の加熱溶液を先の活性剤溶液に混合分散させ、均一な分散粒子径を有する乳化粒子を作製した。
【0099】
ついで、重合開始剤(過硫酸カリウム:KPS)0.84gをイオン交換水200mlに溶解させた溶液を添加し80℃にて1時間加熱撹拌した。なお、この時点での重合転化率は94%であった。ついでKPS0.42gをイオン交換水100mlに溶解した溶液を滴下し、2時間加熱撹拌しラテックス粒子を作製した。
【0100】
引き続いて更に重合開始剤(KPS)8.00gをイオン交換水240mlに溶解させた溶液を添加し、15分後、80℃でスチレン383.6g、n−ブチルアクリレート140.0g、メタクリル酸36.4g、n−オクチル−1−メルカプトプロピオン酸エステル13.7gの混合液を126分かけて滴下した。滴下終了後2時間加熱撹拌した。その後、40℃まで冷却しラテックス粒子を得た。このラテックス粒子をラテックス1とする。
【0101】
着色粒子製造例1
n−ドデシル硫酸ナトリウム=9.2gをイオン交換水160mlに撹拌溶解する。この液に、撹拌下、前記顔料(イエロー顔料1〜4)30gを徐々に加え、ついで、クレアミックスを用いて分散した。大塚電子社製の電気泳動光散乱光度計ELS−800を用いて、上記分散液の粒径を測定した結果、重量平均粒径で112nmであった。この分散液を「着色剤分散液」とする。
【0102】
前述の「ラテックス1」1250gとイオン交換水2000ml及び「着色剤分散液」を、温度センサー、冷却管、窒素導入装置、撹拌装置を付けた5リットルの四つ口フラスコに入れ撹拌する。30℃に調整した後、この溶液に5モル/リットルの水酸化ナトリウム水溶液を加え、PHを10.0に調整した。ついで、塩化マグネシウム6水和物52.6gをイオン交換水72mlに溶解した水溶液を撹拌下、30℃にて10分間で添加した。
【0103】
その後、3分間放置した後に昇温を開始し、液温度90℃まで6分で昇温する(昇温速度=10℃/分)。その状態で粒径をコールターカウンターTA−IIにて測定し、体積平均粒径が6.5μmになった時点で塩化ナトリウム115gをイオン交換水700mlに溶解した水溶液を添加し粒子成長を停止させた。
【0104】
さらに継続して液温度90℃±2℃にて、6時間加熱撹拌し、塩析/融着させる。その後、6℃/minの条件で30℃まで冷却し、塩酸を添加して、pHを2.0に調整し撹拌を停止した。生成した着色粒子を濾過し、イオン交換水で繰り返し洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥し着色粒子を得た。以上のようにして得られた着色粒子について、顔料(イエロー顔料1〜4)を用いたものを造り、着色粒子中の芳香族アミン含有量を含め示した。
【0105】
【表4】
Figure 0003979050
【0106】
着色粒子製造例2(懸濁重合法の例)
高速撹拌装置(TKホモミキサー)を備えた4つ口フラスコにイオン交換水710質量部と0.1モル/リットルの燐酸三ナトリウム水溶液450質量部を加え、65℃に加温し、回転数12000rpmの撹拌条件下に1.0モル/リットルの塩化カルシウム水溶液68質量部を徐々に加え、コロイド状燐酸三カルシウムを含む分散液を含む水系分散媒体を調製した。ついで、スチレン165質量部、n−ブチルアクリレート35質量部に上記各顔料26.4質量部を加えサンドグラインダーで分散した分散液に例示化合物19)を30質量部加え、80℃にて溶解させた。ついでtert−ドデシルメルカプタンを2質量部及び重合開始剤として、2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)10質量部を加えたものを前記水系分散媒体中に回転数12000rpmの撹拌条件下で徐々に加え、水中に重合性単量体を含む溶液を分散させた。ついで、窒素気流下、65℃、200rpm撹拌条件下で10時間重合反応を行った。重合反応終了時に塩酸を加え、分散安定剤である燐酸三カルシウムを除去し、濾過した。ついでイオン交換水で洗浄し、その後、40℃の温風で乾燥し着色粒子を得た。以上のようにして得られた着色粒子について、顔料(イエロー顔料1〜6)を用いたものを造り、着色粒子中の芳香族アミン含有量を含め示した。
【0107】
【表5】
Figure 0003979050
【0108】
ついで上記「着色粒子1」〜「着色粒子10」にそれぞれ疎水性シリカ(数平均一次粒子径=12nm、疎水化度=68)を1質量%及び疎水性酸化チタン(数平均一次粒子径=20nm、疎水化度=63)を添加し、ヘンシェルミキサーにより混合してトナーを得た。これらを「トナー1」〜「トナー10」とする。
【0109】
なお、形状及び粒径等の物性に関しては着色粒子及びトナーのいずれを測定しても差異は無い。
【0110】
図1に示す画像形成装置を評価テストに用い、図2に示すのと同じ構成の熱定着装置を用いた。具体的には、表面をPFA(テトラフルオロエチレン−パーフルオロアルキルビニルエーテル共重合体)のチューブで被覆した(厚み:120μm)内径35mmで全幅が310mmの、ヒーターを中央部に内蔵した円柱状の厚み1.0mmのアルミ合金を加熱ローラ(上ローラ)として有し、表面が同様にスポンジ状シリコーンゴム(アスカーC硬度=48:厚み2mm)で構成された内径40mmの肉厚2.0mmの鉄芯金を有する加圧ローラ(下ローラ)を有している。ニップ幅は5.8mmとした。この定着装置を使用して、印字の線速を180mm/secに設定した。定着の温度は上ロールの表面温度で制御し、170℃の設定温度とした。なお、定着装置のクリーニング機構として、シリコーンオイルを少量含浸させたウェッブを使用した。
【0111】
この定着装置を使用し、画素率が15%のハーフトーン画像を連続で1000枚印字し、1時間休止する。休止後、白紙を印字し、定着装置の汚れの吐き出し有無を評価する作業を、20万枚まで実施した。定着汚れの有無については目視で判断し、下記レベルで評価した。また、吐き出しについてレベルCになった印字枚数も記録した。
【0112】
レベルA:吐き出し無く、上下ローラともに汚れ無し
レベルB:吐き出しは無いが、下ローラにトナー付着あり
レベルC:軽微な吐き出しがあり、下ローラのトナー付着が多い
レベルD:吐き出しが激しく、下ローラのトナー付着が多い
結果を下記表6に示した。
【0113】
【表6】
Figure 0003979050
【0114】
表6から明らかな如く、本発明内の実施例1〜は特性が良好であるが、本発明外の比較例1及び2は、明らかに問題があることがわかる。
【0115】
【発明の効果】
本発明により、いわゆる重合法トナーにおいて、接触型熱定着にて長期に亘る使用においても定着装置の汚染がなく、長期に亘って安定した画像を形成することのできる静電潜像現像用トナーとそれを用いた画像形成方法を提供することが出来る。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明に適用される画像形成装置の一例を示す断面構成図。
【図2】本発明に適用される定着装置の概略断面図。
【符号の説明】
1 半導体レーザ光源
2 ポリゴンミラー
3 fθレンズ
4 感光体ドラム
5 帯電器
6 現像器
7 転写器
8 転写紙
9 分離器
10 定着器(定着装置)
11 クリーニング器
12 帯電前露光
13 クリーニングブレード
71 加熱ローラ
72 加圧ローラ
75 加熱部材
81 加熱ローラの芯金
82 加熱ローラの被覆層
83 加圧ローラの芯金
84 加圧ローラの被覆層

Claims (5)

  1. 少なくとも水系媒体中でラジカル重合性単量体を重合せしめて形成された樹脂とイエロー着色剤とからなる体積平均粒径が3〜8μmの静電潜像現像用トナーにおいて、該トナー中に含有される下記化学構造を有する芳香族アミンが50ppm以下であることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
    Figure 0003979050
    (式中、Rは水素原子、塩素原子、臭素原子、ニトロ基、炭素数が1〜6及び8のアルキル基、炭素数が1〜6及び8のアルコキシ基、或いは−NHCOR′但しR′は炭素数が1〜6及び8のアルキル基である。)
  2. 少なくともラジカル重合性単量体から形成された樹脂粒子とイエロー着色剤粒子とを水系媒体中で融着せしめてなる体積平均粒径が3〜8μmの静電潜像現像用トナーにおいて、該トナー中に含有される下記化学構造を有する芳香族アミンが50ppm以下であることを特徴とする静電潜像現像用トナー。
    Figure 0003979050
    (式中、Rは水素原子、塩素原子、臭素原子、ニトロ基、炭素数が1〜6及び8のアルキル基、炭素数が1〜6及び8のアルコキシ基、或いは−NHCOR′但しR′は炭素数が1〜6及び8のアルキル基である。)
  3. トナー中に含有される芳香族アミンがo−アニシジンであることを特徴とする請求項1又は2記載の静電潜像現像用トナー。
  4. マスターバッチ処理して作製されたことを特徴とする請求項1〜3の何れか1項記載の静電潜像現像用トナー。
  5. 請求項1〜4の何れか1項に記載の静電潜像現像用トナーを用い、電子写真感光体上に形成された静電潜像を現像し、接触型の熱定着装置にて定着することを特徴とする画像形成方法。
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