JPH06230611A - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JPH06230611A
JPH06230611A JP50A JP1542593A JPH06230611A JP H06230611 A JPH06230611 A JP H06230611A JP 50 A JP50 A JP 50A JP 1542593 A JP1542593 A JP 1542593A JP H06230611 A JPH06230611 A JP H06230611A
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JP
Japan
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toner
aniline
nigrosine
weight
parts
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JP50A
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English (en)
Inventor
Kazuyoshi Hagiwara
和義 萩原
Toshiaki Nakahara
俊章 中原
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Canon Inc
Original Assignee
Canon Inc
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Publication date
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Abstract

(57)【要約】 【目的】 本発明は、画像濃度が高く、多数枚耐久性、
耐ブロッキング性に優れている正帯電性トナーを提供す
ることにある。 【構成】 本発明は、少なくとも結着樹脂、着色剤、電
荷制御剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、該
電荷制御剤として少なくともニグロシン染料またはニグ
ロシン顔料を含有し、かつアニリンの含有量が結着樹脂
に対して500ppm以下であることを特徴とする静電
荷像現像用トナーに関する。

Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【産業上の利用分野】本発明は電子写真、静電記録及び
静電印刷等における静電荷像を現像するための新規なト
ナーに関する。
【0002】
【従来の技術】従来、電子写真法としては米国特許第
2,297,691号、特公昭42−23910号公報
及び特公昭43−24748号公報などに種々の方法が
記載されている。
【0003】これらの電子写真法等に適用される現像方
法としては、大別して乾式現像法と、湿式現像法とがあ
る。前者は、さらに二成分系現像剤を用いる方法と一成
分系現像剤を用いる方法に分けられる。
【0004】これら乾式現像法に適用するトナーとして
は、従来、天然あるいは合成樹脂中に染料、顔料を分散
させた微粉体が使用されている。例えば、ポリスチレン
などの結着樹脂中に着色剤を分散させたものを1〜30
μm程度に微粉砕した粒子がトナーとして用いられてい
る。磁性トナーとしては、マグネタイトなどの磁性体粒
子を含有させたものが用いられている。また、二成分系
現像剤を用いる方法の場合には、トナーは通常、ガラス
ビーズ、鉄粉などのキャリア粒子と混合されて用いられ
る。
【0005】いずれのトナーも、現像される静電潜像の
極性に応じて、正または負の電荷を有する必要がある。
【0006】トナーに電荷を保有させるには、トナーの
成分である樹脂の摩擦帯電性を利用することもできる
が、この方法ではトナーの帯電性が小さいので、現像に
よって得られる画像はカブリ易く、不鮮明なものとな
る。そこで、トナーにさらに摩擦帯電性を付与するため
に、電荷制御剤と呼ばれる物質を添加するのが一般的で
ある。
【0007】今日、有機感光体の普及と共に、それを用
いた複写機用トナーには正帯電性トナーが求められてい
る。
【0008】当該技術分野で用いられている正帯電性電
荷制御剤としては、ニグロシン染料、四級アンモニウム
塩、トリフェニルメタン系染顔料などがある。
【0009】しかし、上記四級アンモニウム塩は、電荷
付与能力が低く、それを電荷制御剤として含有したトナ
ーは、高温高湿下あるいは複写枚数を重ねることによ
り、濃度低下を引き起こすことがある。
【0010】またトリフェニルメタン系染顔料は、常温
常湿下では優れた正帯電性を示すものの、高温高湿下で
は帯電量の低下を招き易く、また、他のトナー材料の選
択によっては、低温低湿下では帯電性は高いが帯電の不
均一を招いて、スリーブ上に現像剤が均一にコートされ
にくくなることがある。
【0011】また、ニグロシン染料は高い帯電性能を有
し、比較的優れた電荷制御剤である。しかし、その製造
方法により、帯電性能や熱的性質などの性質が大きく異
なり、必要とされる多くの条件をすべて満足させること
は難しい。
【0012】例えば、ある種の高い帯電性能を有するニ
グロシン染料は、スリーブあるいはキャリア等のトナー
担持体に付着し、それらを汚染し易いという性質があ
る。このようなニグロシン染料を含有したトナーは、複
写初期には優れた画像特性を示すが、複写枚数の増加に
伴い摩擦帯電量が低下し、画像濃度の低下を引き起こす
ことがある。このような問題を解決するために、ニグロ
シン染料のレーキ化、酸変性等が提案されているが、そ
のような処理を行った場合には、帯電性能の低下あるい
は環境依存性の悪化、トナー中への分散性の悪化、トナ
ー流動性の低下等を引き起こす場合がある。
【0013】また、ニグロシン染顔料を使用したトナー
は、トナー補給時に多くのトナーを現像容器中に補給す
ると画像濃度が低下してしまい、数十枚から数百枚複写
しないと、補給前の濃度に戻らないという課題がある。
【0014】このように、ニグロシン染料は比較的優れ
た電荷制御剤であるにもかかわらず、未解決の課題を有
している。これらの課題を解決する優れたニグロシン染
料が求められている。更に、これらの課題を解決した優
れた帯電性能を有する正帯電性トナーが求められてい
る。
【0015】
【発明が解決しようとする課題】本発明の目的は上記の
問題を解決した優れた静電荷像現像用トナーを提供する
ことにある。
【0016】本発明の目的は、トナーとキャリア間、ト
ナーとスリーブの如きトナー担持体間等の摩擦帯電量が
高く、安定であり、さらに温度・湿度の変化を受けずに
安定した画像を再現し得る静電荷像現像用トナーを提供
することにある。
【0017】さらに、本発明の目的は、複写枚数の増加
においても、摩擦帯電量が安定であり、安定した画像濃
度の推移を行うことのできる静電荷像現像用トナーを提
供することにある。
【0018】さらに、本発明の目的は、ニグロシン染料
またはニグロシン顔料が、バインダー樹脂中に一様に分
散または相溶し、トナー粒子が均一に正に帯電して、か
ぶりのない鮮明な画像を与え得る静電荷像現像用トナー
を提供することにある。
【0019】
【課題を解決するための手段及び作用】本発明は、少な
くとも結着樹脂、着色剤、電荷制御剤を含有する静電荷
像現像用トナーにおいて、該電荷制御剤として少なくと
もニグロシン染顔料を含有し、かつアニリンの含有量が
結着樹脂に対して500ppm以下であることを特徴と
する静電荷像現像用トナーに関する。
【0020】本発明者らは、トナーの帯電特性の安定
化、更には現像特性の安定性を向上させるべく鋭意検討
した結果、電荷制御剤としてニグロシン染料を含有し、
かつアニリン含有量が結着樹脂に対して500ppm以
下であるトナーが、比較的十分な帯電性を有するととも
に、複写枚数を重ねても安定した帯電特性、安定した画
像濃度推移を示し、加えてトナー補給時に発生する画像
濃度の低下する現象も抑制することを見いだした。
【0021】更に、アニリン含有量を減らし500pp
m以下とすることで、高温下保存時に発生するブロッキ
ングを起こしにくくすることも見いだした。
【0022】ニグロシン染料は、従来より正帯電性電荷
制御剤として知られている。このニグロシン染料の帯電
性能あるいは特性は、その製造法により大きく異なる。
電子写真用現像剤として使用可能な比較的帯電性能の高
いニグロシン染料とするためには、その例を挙げると、
ニグロシン染料製造時、原材料であるニトロベンゼンと
アニリンの原材料比率をアニリンを多くして製造する
か、或は反応終了間際に再度アニリンを追加するかしな
ければならない。
【0023】この様にして製造されたニグロシン染料を
含有するトナーは、比較的高い帯電性を有するものの、
キャリアやスリーブのごときトナー担持体にニグロシン
が付着し、複写枚数を重ねるにつれ画像濃度の低下が見
られることがある。本発明者らが検討したところ、この
ように製造されたニグロシン中には、アニリンが残存し
ており、これが画像濃度の低下を引き起こす大きな要因
となっており、トナー中のアニリン含有量を無くするか
或は微少量とすることで、安定した画像濃度推移がえら
れることを見いだした。
【0024】トナー中のアニリン含有量を低減するに
は、ニグロシン中のアニリン量を低減する方法、トナー
製造時にアニリンを低減する方法、更にはそれらの併用
が挙げられる。中でもニグロシン中のアニリン量を低減
する方法が好ましく、更に両者の併用が好ましい。
【0025】ニグロシン中のアニリン量を低減する方法
としては、 (1)沸点が100〜230℃の溶剤を添加し、加熱・
減圧して、その溶剤と共にアニリンを除去する方法 (2)アニリン可溶性の溶液によりニグロシンを洗浄し
て除去する方法 (3)単に加熱・減圧して除去する方法 (4)加熱・留去する方法 等を挙げることができる。
【0026】これらのすべての方法を用いることが可能
であり、いくつかの方法を複合してもよい。中でも
(1)、(2)の方法が好ましく、(1)の方法がより
好ましい。
【0027】更に詳しく述べると、(4)加熱・留去す
る方法でも可能ではあるが、ニグロシン中における残留
量を1%以下にするのは難しい。また空気中でこれを行
うとニグロシンが変性し、帯電量が低下する傾向にあ
る。これを防ぐためには、高温にした窒素等の不活性ガ
スにより風乾することが好ましく、その際の温風温度は
130℃以上250℃以下が好ましい。
【0028】また(3)単に加熱・減圧して除去する方
法によっても可能であるが、低残留濃度にするには、高
真空度で長時間減圧しなければならない。
【0029】また(2)アニリン可溶性の溶液により、
ニグロシン染料を洗浄してアニリンを除去する方法も好
ましい。このような溶液としては、有機溶剤、水溶液、
有機溶剤と水の混合溶液、或はこれらの酸性溶液等を挙
げることができる。酸性溶液を使用する場合は、pHが
3以上が好ましい。3未満であるとニグロシン染料の帯
電性能が低下することがある。有機溶剤と水の混合溶液
としては、例えばアルコール分90%以下のアルコール
水溶液が挙げられる。洗浄した後に、さらに加熱・減圧
して残存成分を除去或は乾燥することが好ましい。
【0030】これらの中でも、(1)沸点が100〜2
30℃の溶剤を添加し、加熱・減圧して、その溶剤と共
にアニリンを除去する方法が最も好ましい。添加する溶
剤によりアニリンは希釈され、更に添加溶剤の沸点がア
ニリンの沸点184℃と近いために、希釈されたままア
ニリンと溶剤が同時に除去されるので残存するアニリン
量は非常に微量となる。また、ニグロシンも変性されず
に元の性能を保持することができる。このような溶剤と
してはキシレン、トルエン、エチルベンゼン、メシチレ
ン、デカヒドロナフタレン、ジブチルエーテル、エチレ
ングリコール等を挙げることができる。
【0031】これらの方法により得られるニグロシン染
料としては、アニリン含有量が3%以下が良く、より好
ましくは0.50%以下、さらに好ましくは0.34%
以下、更にアニリンの影響が全く見られなくなるには
0.10%以下が良い。
【0032】トナー製造時にアニリンを低減するには、
原材料を加熱・熔融し、混練する際に、トナー温度が1
70℃以上となるように製造することが好ましく、更に
は190℃以上がより好ましい。また、この際、混練装
置におけるエアー排出口に置いて減圧することが好まし
い。
【0033】本発明に用いられるニグロシン染顔料とし
ては、従来より用いられているものが原料として用いら
れる。
【0034】中でも、鉄を触媒として塩酸系で製造した
ニグロシンが好ましく、更に、ベース化処理し、水に不
溶とすることが好ましい。ベース化処理したニグロシン
としては、そのpHが4乃至8.5が好ましい。
【0035】ここで言う、pHはJIS−K−5101
の24のA法による顔料試験方法記載のpH測定法に準
じた方法により測定される。具体的には、ニグロシン5
gをビーカーにとり、イオン交換水100mlを加え、
5分間煮沸し、室温に放冷する。蒸発した水を補給し、
東洋濾紙No.2を用いて濾過する。濾過液は校正され
たpHメーターを用いて、pHを測定する。
【0036】ニグロシンは、ベース化することにより吸
水性が低下し、帯電量の環境依存性が小さくなるため、
トナーの摩擦帯電量の環境依存性も小さくなる。そのた
め、複写画像の環境に対する依存性も、少なくなり、高
温高湿条件下あるいは低温低湿条件下においても十分な
濃度の画像が得られる。
【0037】また、用いるニグロシン染顔料としては、
体積平均粒径50μm以下ならば使用可能であり、体積
平均粒径12μm以下がより好ましい。
【0038】本発明におけるニグロシン染顔料類をトナ
ー中へ含有させる方法としては、トナー内部に添加する
方法と外添する方法とがある。トナー内部に添加する方
法が好ましい。
【0039】ニグロシン染顔料類の使用量は、結着樹脂
の種類、必要に応じて使用される添加剤の有無、分散方
法を含めたトナー製造方法によって決定されるもので、
一義的に限定されるものではないが、結着樹脂100重
量部に対して0.1〜10重量部で用いられ、0.5〜
5重量部が必要な帯電量を保持させる上で好ましい。更
には0.8〜3重量部が優れた帯電特性を保持させる上
でより好ましい。
【0040】このようなニグロシン染顔料類を含有せし
めたトナーにおいて、トナー中に含有されるアニリン含
有量としては、結着樹脂に対して500ppm以下が好
ましい。これを越えると、トナー定着時にアニリン臭が
することがあり、また複写初期から画像濃度の低下が見
られることがある。画像濃度の安定性から結着樹脂に対
して100ppm以下が好ましく、更に大量複写時にお
いても画像濃度を安定化するには50ppm以下が好ま
しく、より好ましくは20ppm以下である。
【0041】また、本発明のニグロシン染顔料類は、従
来公知の電荷制御剤と組み合わせて使用することもでき
る。このような電荷制御剤としては、四級アンモニウム
塩類、トリフェニルメタン系化合物類、イミダゾール化
合物類、イミダゾール化合物の金属化合物類、アミノ基
含有樹脂等を挙げることができる。
【0042】また、場合によってはアルキルサリチル酸
錯塩、モノアゾ染料の金属錯塩、ホウ素化合物、スルホ
ン酸ペンダント化樹脂等の従来公知のネガ系の電荷制御
剤と組み合わせて使用することもできる。
【0043】本発明に用いられる結着樹脂は、ビニル系
モノマーの単重合体、共重合体、ポリエステル、ポリウ
レタン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジ
ン、変性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪
族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、ハロパ
ラフィン、パラフィンワックス等を単独にあるいは必要
に応じて混合して用いることができる。
【0044】本発明に用いられる結着樹脂としては、特
にビニル系重合体を含有することが好ましい。
【0045】本発明に用いるビニル系重合体を得るため
には、モノマーとして以下のものを用いることができ
る。
【0046】例えばスチレン、o−メチルスチレン、m
−メチルスチレン、p−メチルスチレン、p−メトキシ
スチレン、p−フェニルスチレン、p−クロルスチレ
ン、3,4−ジクロルスチレン、p−エチルスチレン、
2,4−ジメチルスチレン、p−n−ブチルスチレン、
p−tert−ブチルスチレン、p−n−ヘキシルスチ
レン、p−n−オクチルスチレン、p−n−ノニルスチ
レン、p−n−デシルスチレン、p−n−ドデシルスチ
レン等のスチレン及びその誘導体;例えばマレイン酸、
シトラコン酸、ジメチルマレイン酸、イタコン酸、アル
ケニルコハク酸及びこれらの無水物;フマル酸、メタコ
ン酸、ジメチルフマル酸;などの不飽和二塩基酸、無水
物モノマー。さらに上記不飽和二塩基酸のモノエステ
ル。また、アクリル酸、メタクリル酸、クロトン酸、ケ
イヒ酸及びこれらの無水物;上記α、β−不飽和酸間の
無水物及び、低級脂肪酸との無水物;などのα、β−不
飽和酸、これらの無水物モノマー。アルケニルマロン
酸、アルケニルグルタン酸、アルケニルアジピン酸及び
これらの無水物、モノエステル類;エチレン、プロピレ
ン、ブチレン、イソブチレン等のエチレン不飽和モノオ
レフィン類;ブタジエン等の不飽和ポリエン類;塩化ビ
ニル、塩化ビニリデン、臭化ビニル、沸化ビニル等のハ
ロゲン化ビニル類;酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、
ベンゾエ酸ビニル等のビニルエステル類;メタクリル酸
メチル、メタクリル酸エチル、メタクリル酸プロピル、
メタクリル酸n−ブチル、メタクリル酸イソブチル、メ
タクリル酸n−オクチル、メタクリル酸ドデシル、メタ
クリル酸−2−エチルヘキシル、メタクリル酸ステアリ
ル、メタクリル酸フェニル、メタクリル酸ジメチルアミ
ノエチル、メタクリル酸ジエチルアミノエチル等のα−
メチレン脂肪族モノカルボン酸エステル類;アクリル酸
メチル、アクリル酸エチル、アクリル酸n−ブチル、ア
クリル酸イソブチル、アクリル酸プロピル、アクリル酸
n−オクチル、アクリル酸ドデシル、アクリル酸2−エ
チルヘキシル、アクリル酸ステアリル、アクリル酸2−
クロルエチル、アクリル酸フェニル等のアクリル酸エス
テル類;ビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテ
ル、ビニルイソブチルエーテル等のビニルエーテル類;
ビニルメチルケトン、ビニルヘキシルケトン、メチルイ
ソプロペニルケトン等のビニルケトン類;N−ビニルピ
ロール、N−ビニルカルバゾール、N−ビニルインドー
ル、N−ビニルピロリドン等のN−ビニル化合物;ビニ
ルナフタリン類;アクリロニトリル、メタクリロニトリ
ル、アクリルアミド等のアクリル酸もしくはメタクリル
酸誘導体;前述のα、β−不飽和酸のエステル、二塩基
酸のジエステル類;のビニル系モノマーが単独もしくは
2つ以上で用いられる。
【0047】これらの中でもスチレン系共重合体、スチ
レンアクリル系共重合体、スチレンメタクリル系共重合
体となるようなモノマーの組み合わせが特に好ましい。
【0048】また架橋性モノマーとしては主として2個
以上の重合可能な二重結合を有するモノマーが用いられ
る。
【0049】本発明に用いられるビニル系重合体は、必
要に応じて以下に例示する様な架橋性モノマーで架橋さ
れた重合体であってもよい。
【0050】芳香族ジビニル化合物、例えば、ジビニル
ベンゼン、ジビニルナフタレン等;アルキル鎖で結ばれ
たジアクリレート化合物類、例えば、エチレングリコー
ルジアクリレート、1,3−ブチレングリコールジアク
リレート、1,4−ブタンジオールジアクリレート、
1,5−ペンタンジオールジアクリレート、1,6−ヘ
キサンジオールアクリレート、ネオペンチルグリコール
ジアクリレート及び以上の化合物のアクリレートをメタ
アクリレートに代えたもの;エーテル結合を含むアルキ
ル鎖で結ばれたジアクリレート化合物類、例えば、ジエ
チレングリコールジアクリレート、トリエチレングリコ
ールジアクリレート、テトラエチレングリコールジアク
リレート、ポリエチレングリコール#400ジアクリレ
ート、ポリエチレングリコール#600ジアクリレー
ト、ジプロピレングリコールジアクリレート及び以上の
化合物のアクリレートをメタアクリレートに代えたも
の;芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ばれたジア
クリレート化合物類、例えば、ポリオキシエチレン
(2)−2,2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロ
パンジアクリレート、ポリオキシエチレン(4)−2,
2−ビス(4−ヒドロキシフェニル)プロパンジアクリ
レート及び以上の化合物のアクリレートをメタアクリレ
ートに代えたもの;さらには、ポリエステル型ジアクリ
レート化合物類、例えば、商品名MANDA(日本化
薬)が掲げられる。多官能の架橋剤としては、ペンタエ
リスリトールトリアクリレート、トリメチロールエタン
トリアクリレート、トリメチロールプロパントリアクリ
レート、テトラメチロールメタンテトラアクリレート、
オリゴエステルアクリレート及び以上の化合物のアクリ
レートをメタアクリレートに代えたもの;トリアリルシ
アヌレート、トリアリルトリメリテート;等が挙げられ
る。
【0051】これらの架橋剤は、他のモノマー成分10
0重量%に対して、0.01〜5重量%程度(さらに好
ましくは0.03〜3重量%程度)用いることができ
る。
【0052】これらの架橋性モノマーのうち、トナー用
樹脂に、定着性、耐オフセット性の点から好適に用いら
れるものとして、芳香族ジビニル化合物(特にジビニル
ベンゼン)、芳香族基及びエーテル結合を含む鎖で結ば
れたジアクリレート化合物類が挙げられる。
【0053】本発明に関わる結着樹脂は、前述のビニル
系モノマーの単重合体、共重合体を主成分として50重
量%以上含有していれば、ポリエステル、ポリウレタ
ン、エポキシ樹脂、ポリビニルブチラール、ロジン、変
性ロジン、テルペン樹脂、フェノール樹脂、脂肪族又は
脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、ハロパラフィ
ン、パラフィンワックス等と必要に応じて混合して用い
ることができる。
【0054】本発明に係る結着樹脂を合成する方法とし
ては、塊状重合法、溶液重合法、懸濁重合法、乳化重合
法などが利用できる。カルボン酸モノマー、無水物モノ
マーを用いる場合にはモノマーの性質上塊状重合法、溶
液重合法を利用することが好ましい。
【0055】また、本発明のトナーにおいては、トナー
にシリカ微粉体を外添して使用することができる。シリ
カ微粉体としては、乾式法及び湿式法で製造したシリカ
微粉体が使用できる。
【0056】特に正帯電性シリカを含有することが好ま
しい。
【0057】ここで言う乾式法とは、ケイ素ハロゲン化
合物の蒸気相酸化により生成するシリカ微粉体の製造法
である。例えば、四塩化ケイ素ガスの酸素水素中におけ
る熱分解酸化反応を利用する方法で、基礎となる反応式
は次の様なものである。
【0058】 SiCl4 +2H2 +O2 →SiO2 +4HCl 又、この製造工程において例えば、塩化アルミニウム又
は、塩化チタン等他の金属ハロゲン化合物をケイ素ハロ
ゲン化合物と共に用いる事によってシリカと他の金属酸
化物の複合微粉体を得る事も可能でありそれらも包含す
る。
【0059】一方、本発明に用いられるシリカ微粉体を
湿式法で製造する方法は、従来公知である種々の方法が
適用できる。例えば、ケイ素ナトリウムの酸による分
解、一般反応式で示せば(以下反応式は略す)、 Na2 O・XSiO2 +HCl+H2 O →SiO2 ・nH2 O+NaCl その他、ケイ酸ナトリウムのアンモニア塩類又はアルカ
リ塩類による分解、ケイ酸ナトリウムよりアルカリ土類
金属ケイ酸塩を生成せしめた後、酸で分解しケイ酸とす
る方法、ケイ酸ナトリウム溶液をイオン交換樹脂により
ケイ酸とする方法、天然ケイ酸又はケイ酸塩を利用する
方法などがある。
【0060】ここでいうシリカ微粉体には、無水二酸化
ケイ素(シリカ)、その他、ケイ酸アルミニウム、ケイ
酸ナトリウム、ケイ酸カリウム、ケイ酸マグネシウム、
ケイ酸亜鉛などのケイ酸塩をいずれも適用できる。
【0061】上記シリカ微粉体のうちで、BET法で測
定した窒素吸着による比表面積が30m2 /g以上(特
に50〜400m2 /g)の範囲内のものが良い。
【0062】正帯電性シリカ微粉体を得る方法として
は、上述した未処理のシリカ微粉体を側鎖に窒素原子を
少なくとも1つ以上有するオルガノ基を有するシリコン
オイルで処理する方法或は窒素含有のシランカップリン
グ剤で処理する方法、又はこの両者で処理する方法があ
る。
【0063】尚、本発明において正荷電性シリカとは、
ブローオフ法で測定した時に、鉄粉キャリアに対してプ
ラスのトリボ電荷を有するものをいう。
【0064】シリカ微粉体の処理に用いる側鎖に窒素原
子を有するシリコンオイルとしては、少なくとも下記式
で表される部分構造を具備するシリコンオイルが使用で
きる。
【0065】
【外1】 (式中、R1 は水素、アルキル基、アリール基又はアル
コキシ基を示し、R2 はアルキレン基又はフェニレン基
を示し、R3 、R4 は水素、アルキル基又はアリール基
を示し、R5 は含窒素複素環基を示す)上記アルキル
基、アリール基、アルキレン基、フェニレン基は窒素原
子を有するオルガノ基を有していても良いし、また帯電
性を損ねない範囲で、ハロゲン等の置換基を有していて
も良い。
【0066】又、本発明で用いる含窒素シランカップリ
ング剤は、一般に下記式で示される構造を有する。
【0067】Rm SiYn (Rは、アルコキシ基又はハロゲンを示し、Yはアミノ
基又は窒素原子を少なくとも1つ以上有するオルガノ基
を示し、m及びnは1〜3の整数であってm+n=4で
ある。) 窒素原子を少なくとも1つ以上有するオルガノ基として
は、有機基を置換基として有するアミノ基又は含窒素複
素環基又は含窒素複素環基を有する基が例示される。含
窒素複素環基としては、不飽和複素環基又は飽和複素環
基があり、それぞれ公知のものが適用可能である。不飽
和複素環基としては、例えば下記のものが例示される。
【0068】
【外2】 飽和複素環基としては、例えば下記のものが例示され
る。
【0069】
【外3】 本発明に使用される複素環基としては、安定性を考慮す
ると五員環又は六員環のものが良い。
【0070】そのような処理剤としてはアミノプロピル
トリメトキシシラン、アミノプロピルトリエトキシシラ
ン、ジメチルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジエ
チルアミノプロピルトリメトキシシラン、ジプロピルア
ミノプロピルトリメトキシシラン、ジブチルアミノプロ
ピルトリメトキシシラン、モノブチルアミノプロピルト
リメトキシシラン、ジオクチルアミノプロピルトリメト
キシシラン、ジブチルアミノプロピルジメトキシシラ
ン、ジブチルアミノプロピルモノメトキシシラン、ジメ
チルアミノフェニルトリエトキシシラン、トリメトキシ
シリル−γ−プロピルフェニルアミン、トリメトキシシ
リル−γ−プロピルベンジルアミン等があり、さらに含
窒素複素環としては前述の構造のものが使用でき、その
ような化合物の例としては、トリメトキシシリル−γ−
プロピルピペリジン、トリメトキシシル−γ−プロピル
モルホリン、トリメトキシシリル−γ−プロピルイミダ
ゾール等がある。
【0071】これらの処理されたシリカ微粉体の適用量
は現像剤重量に対して、0.01〜20%のときに効果
を発揮し、特に好ましくは0.03〜5%添加した時に
優れた安定性を有する正の帯電性を示す。添加形態につ
いて好ましい態様を述べれば、現像剤重量に対して0.
01〜3重量%の処理されたシリカ微粉体がトナー粒子
表面に付着している状態にあるのが良い。
【0072】又、本発明に用いられるシリカ微粉体は、
必要に応じ、疎水化、帯電性コントロール、などの目的
で、シリコーンワニス、各種変性シリコーンワニス、シ
リコーンオイル、各種変性シリコーンオイル、シランカ
ップリング剤、その他の目的で有機ケイ素化合物等の処
理剤で或は種々の処理剤で併用されて処理されているこ
とも好ましい。
【0073】このような処理剤として、ヘキサメチルジ
シラザン、トリメチルシラン、トリメチルクロルシラ
ン、トリメチルエトキシシラン、ジメチルジクロルシラ
ン、メチルトリクロルシラン、アリルジメチルクロルシ
ラン、アリルフェニルジクロルシラン、ベンジルジメチ
ルクロルシラン、プロムメチルジメチルクロルシラン、
α−クロルエチルトリクロルシラン、β−クロルエチル
トリクロルシラン、クロルメチルジメチルクロルシラ
ン、トリオルガノシリルメルカプタン、トリメチルシリ
ルメルカプタン、トリオルガノシリルアクリレート、ビ
ニルジメチルアセトキシシラン、ジメチルエトキシシラ
ン、ジメチルジメトキシシラン、ジフェニルジエトキシ
シラン、ヘキサメチルジシロキサン、1,3−ジビニル
テトラメチルジシロキサン、1,3−ジフェニルテトラ
メチルジシロキサン、及び1分子当たり2から12個の
シロキサン単位を有し端末に位置する単位にそれぞれ1
個宛のSiに結合した水酸基を含有するジメチルポリシ
ロキサン等がある。これらは1種或いは2種以上の混合
物で用いられる。
【0074】最終的に、処理されたシリカ微粉体の疎水
化度がメタノール滴定試験によって測定された疎水化度
として、30〜80の範囲の値を示す様に疎水化された
場合にこの様なシリカ微粉体を含有する現像剤の摩擦帯
電量がシャープで均一になる正荷電性を示す様になるの
で好ましい。ここでメタノール滴定試験では疎水化され
た表面を有するシリカ微粉体の疎水化度の程度が確認さ
れる。
【0075】処理されたシリカ微粉体に疎水化度を評価
するために本明細書において規定される“メタノール滴
定試験”は次の如く行う。供試シリカ微粉体0.2gを
容量250mlの三角フラスコ中の水50mlに添加す
る。メタノールをビューレットからシリカの全量が湿潤
されるまで滴定する。この際、フラスコ内の溶液はマグ
ネチックスターラーで常時攪拌する。その終点はシリカ
微粉体の全量が液体中に懸濁されることによって観察さ
れ、疎水化度は終点に達した際のメタノール及び水の液
状混合物中のメタノールの百分率として表わされる。
【0076】本発明に使用される着色剤としては、カー
ボンブラック、ランプブラック、鉄黒、群青、ニグロシ
ン染料、アニリンブルー、フタロシアニンブルー、フタ
ロシアニングリーン、ハンザイエローG、ローダミン6
G、カルコオイルブルー、クロムイエロー、キナクリド
ン、ベンジジンイエロー、ローズベンガル、トリアリー
ルメタン系染料、モノアゾ系、ジスアゾ系染顔料等従来
公知の染顔料を単独或いは混合して使用し得る。
【0077】また、本発明の静電荷現像用トナーは磁性
材料を含有させて磁性トナーとして用いることも出来
る。用いられる磁性材料としては、マグネタイト、γ−
酸化鉄、フエライト、鉄過剰型フェライト等の酸化鉄;
鉄、コバルト、ニッケル等の金属或いはこれらの金属と
アルミニウム、コバルト、銅、鉛、マグネシウム、ス
ズ、亜鉛、アンチモン、ベリリウム、ビスマス、カドミ
ウム、カルシウム、マンガン、セレン、チタン、タング
ステン、バナジウムの様な金属との合金およびその混合
物等が挙げられる。これらの磁性材料は平均粒径が0.
1〜1μm、好ましくは0.1〜0.5μm程度のもの
が望ましく、磁性トナー中に含有させる量としては結着
樹脂成分100重量部に対して40〜150重量部、好
ましくは60〜120重量部である。
【0078】本発明の電荷制御剤を用いた磁性トナーに
おいては、体積平均粒径が3〜15μmのトナーが使用
可能である。特に、5μm以下の粒径を有する磁性トナ
ー粒子が12〜60個数%含有され、8〜12.7μm
の粒径を有する磁性トナー粒子が1〜33個数%含有さ
れ、16μm以上の粒径を有する磁性トナー粒子が2.
0体積%以下含有され、磁性トナーの体積平均粒径が4
〜10μmであることが現像特性の上からより好まし
い。
【0079】トナーの粒度分布は種々の方法によって測
定できるが、本発明においてはコールターカウンターを
用いて行うのが適当である。
【0080】すなわち、測定装置としてはコールターカ
ウンターTA−II型(コールター社製)を用い、個数
分布、体積分布を出力するインターフェイス(日科機
製)及びCX−1パーソナルコンピュータ(キヤノン
製)を接続し、電解液は、1級塩化ナトリウムを用いて
約1%NaCl水溶液を調整する。例えば、ISOTO
【0081】
【外4】 (コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使
用できる。測定法としては前記電解水溶液100〜15
0ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキ
ルベンゼンスルホン酸塩を0.1〜5ml加え、さらに
測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液
は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行い、前記
コールターカウンターTA−II型により、アパチャー
として100μmアパチャーを用いて、個数を基準とし
て2〜40μmの粒子の粒度分布を測定、換算して、ト
ナーの粒度分布を求める。
【0082】さらに本発明のトナーは、キャリアと混合
して二成分トナーとして用いることもできる。本発明に
使用し得るキャリアとしては、公知のものが使用可能で
あり、例えば鉄粉、フェライト粉、ニッケル粉の様な磁
性を有する粉体、ガラスビーズ等、及びこれらり表面を
樹脂等で処理したものが揚げられる。又、キャリア表面
を被覆する樹脂としては、スチレン−アクリル酸エステ
ル共重合体、スチレン−メタクリル酸エステル共重合
体、アクリル酸エステル共重合体、メタクリル酸エステ
ル共重合体、シリコーン樹脂、フツ素含有樹脂、ポリア
ミド樹脂、アイオノマー樹脂、ポリフェニレンサルファ
イド樹脂等或いは、これらの混合物を用いることができ
る。
【0083】本発明のトナーは、必要に応じて添加剤を
混合してもよい。添加剤としては、例えばステアリン酸
亜鉛の如き滑剤、或いは酸化セリウム、炭化ケイ素の如
き研磨剤或いは例えば酸化アルミニウムの如き流動性付
与剤、ケーキング防止剤、或いは例えばカーボンブラッ
ク、酸化スズ等の導電性付与剤がある。
【0084】また、ポリビニリデンフルオライド微粉末
などの弗素含有重合体微粉末も流動性、研磨性、帯電安
定性などの点から好ましい添加剤である。
【0085】また、熱ロール定着時の離型性を良くする
目的で低分子量ポリエチレン、低分子量ポリプロピレ
ン、マイクロクリスタリンワックス、カルナバワック
ス、サゾールワックス、パラフィンワックス等のワック
ス状物質を0.5〜5重量%程度トナーに加えることも
本発明の好ましい形態の一つである。
【0086】本発明に係るトナーを製造するにあたって
は、上述した様なトナー構成材料をボールミルその他の
混合機により充分混合した後、熱ロールニーダー、エク
ストルーダーの熱混練機を用いて良く混練し、冷却固化
後、機械的な粉砕、分級によってトナーを得る方法が好
ましい。他には、結着樹脂溶液中に構成材料を分散した
後、噴霧乾燥することによりトナーを得る方法;或いは
コア材、シェル材から成るいわゆるマイクロカプセルト
ナーにおいて、コア材或いはシェル材、或いはこれらの
両方に所定の材料を含有させる方法;等の方法が応用で
きる。
【0087】さらに、結着樹脂を構成すべき単量体に所
定材料を混合して乳化懸濁液とした後に重合させてトナ
ーを得る重合法トナー製造法を応用できる。
【0088】さらに必要に応じ所望の添加剤をヘンシェ
ルミキサー等の混合機により充分に混合し、本発明に係
るトナーを製造することができる。
【0089】本発明のトナーは、従来公知の手段で、電
子写真、静電記録及び静電印刷等における静電荷像を顕
像化する為の現像には全て使用可能なものである。
【0090】
【実施例】以下、実施例に基づいて本発明をより詳細に
説明する。
【0091】製造例 以下の方法により、市販のニグロシン染顔料(ボントロ
ンNO−1)のアニリンを低減し、そのアニリン含有率
をガスクロマトグラム法により求めた。
【0092】以下、市販のニグロシン染顔料をニグロシ
ン染料(A)とする。 (1)ニグロシン染顔料(A)にキシレンを加え、良く
攪拌した。次に、加温しながらエバポレーターにより、
キシレンを留去した後、更に真空乾燥機により、減圧・
加熱し、アニリン及びキシレンを除いた。得られたニグ
ロシンを粉砕機により粉砕し、重量平均粒径7.3μの
ニグロシン染料(B)を得た。 (2)ニグロシン染顔料(A)にエタノール80%−水
20%を加え、手早く攪拌後、ただちに濾過した。残渣
を更に真空乾燥機により、減圧・加熱し、溶剤及びアニ
リン除去し、乾燥させた。得られたニグロシンを粉砕機
により粉砕し、平均粒径7.5μのニグロシン染料
(C)を得た。 (3)ニグロシン染顔料(A)を真空乾燥機により、1
晩、減圧・加熱し、アニリンを除き、ニグロシン染料
(D)を得た。平均粒径7.2μであった。 (4)ニグロシン染顔料(A)を真空乾燥機により、3
時間、減圧・加熱し、アニリンを除き、ニグロシン染料
(E)を得た。平均粒径7.2μであった。
【0093】
【表1】
【0094】実施例1 ・スチレン−ブチルアクリレート樹脂 100重量部 ・磁性酸化鉄 80重量部 ・低分子量ポリプロピレンワックス 4重量部 ・ニグロシン染料(B) 2重量部
【0095】上記材料をヘンシェルミキサーでよく前混
合した後、140℃に設定した2軸混練押出機にて溶融
混練した。得られた混練物を冷却し、カッターミルにて
粗粉砕した後、ジェット気流を用いた微粉砕機を用いて
微粉砕し、更に得られた微粉砕粉を風力分級機で分級し
た。重量平均粒径8.5μmの微粉体(トナーB)を得
た。この微粉体中のアニリン含有量を求め、そこから結
着樹脂に対するアニリン含有量(トナー1g中のアニリ
ン重量をトナー1g中の結着樹脂重量で除して得られる
濃度)を求めた。この測定結果を表2にまとめた。
【0096】得られたトナーB100重量部にアミノ変
性シリコンオイルにより疎水化処理したシリカ微粉末
(BET比表面積130m2 /g)0.6重量部を加
え、ヘンシェルミキサーで混合してトナー粒子表面にシ
リカ微粉末を有するトナーBを調製した。
【0097】このトナーを、複写機(商品名NP−37
25、キヤノン(株)製)に適用して複写試験を行っ
た。
【0098】23℃/60%RHの環境条件下、300
枚連続複写後の画像濃度は1.35でカブリやがさつき
がなく、鮮明な画像が得られた。さらに、15秒おきに
2枚連続し、5000枚複写して耐久性能を調べたとこ
ろ、画像濃度1.35であり、試験中画像濃度の低下は
無く、カブリやがさつきも無く、初期の画像と比較して
遜色のない良好な画像が得られた。次に、現像器スリー
ブ上の一部を掃除機により清掃後、メチルエチルケトン
溶剤により拭き、1枚ベタ黒画像を複写した。この画像
における清掃部とその他の画像部の画像濃度差を測定し
た。これらの結果を表3にまとめた。
【0099】また、トナーBを鉄粉キャリア(日本鉄粉
製、EFV200−300)と0.5/9.5の比率で
ターブラーミキサーにより1分混合し、吸引法によりト
ナーの帯電量を求めた。結果は同じく表3にまとめた。
【0100】実施例2 ・スチレン−ブチルアクリレート樹脂 100重量部 ・磁性酸化鉄 80重量部 ・低分子量ポリプロピレンワックス 4重量部 ・ニグロシン染料(C) 2重量部
【0101】上記材料を用いて実施例2と同様にして、
体積平均粒径8.4μmのトナーCを得、更にシリカを
外添してトナー粒子表面にシリカを有するトナーCを調
製した。
【0102】このトナーCを実施例2と同様に評価し
た。
【0103】実施例3 ・スチレン−ブチルアクリレート樹脂 100重量部 ・磁性酸化鉄 80重量部 ・低分子量ポリプロピレンワックス 4重量部 ・ニグロシン染料(D) 2重量部
【0104】上記材料を用いて実施例2と同様にして、
体積平均粒径8.5μmのトナーDを得、更にシリカを
外添してトナー粒子表面にシリカを有するトナーDを調
製した。
【0105】このトナーDを実施例1と同様に評価し
た。
【0106】実施例4 ・スチレン−ブチルアクリレート樹脂 100重量部 ・磁性酸化鉄 80重量部 ・低分子量ポリプロピレンワックス 4重量部 ・ニグロシン染料(E) 2重量部
【0107】上記材料を用いて実施例2と同様にして、
体積平均粒径8.3μmのトナーEを得、更にシリカを
外添してトナー粒子表面にシリカを有するトナーEを調
製した。
【0108】このトナーEを実施例2と同様に評価し
た。
【0109】比較例1 ・スチレン−ブチルアクリレート樹脂 100重量部 ・磁性酸化鉄 80重量部 ・低分子量ポリプロピレンワックス 4重量部 ・ニグロシン染料(A) 2重量部
【0110】上記材料を用いて実施例2と同様にして、
体積平均粒径8.3μmの比較トナーAを得、更にシリ
カを外添してトナー粒子表面にシリカを有する比較トナ
ーAを調製した。
【0111】この比較トナーAを実施例2と同様に評価
した。
【0112】比較例2 ・スチレン−ブチルアクリレート樹脂 100重量部 ・磁性酸化鉄 80重量部 ・低分子量ポリプロピレンワックス 4重量部
【0113】上記材料を用いて実施例2と同様にして、
体積平均粒径8.5μmの比較トナーFを得、更にシリ
カを外添してトナー粒子表面にシリカを有する比較トナ
ーFを調製した。
【0114】この比較トナーFを実施例2と同様に評価
した。
【0115】実施例5 ・スチレン−ブチルアクリレート樹脂 100重量部 ・カーボンブラック 4重量部 ・低分子量ポリプロピレンワックス 3重量部 ・ニグロシン染料(B) 2重量部上記材料をヘンシェ
ルミキサーでよく前混合した後、140℃に設定した2
軸混練押出機にて溶融混練した。得られた混練物を冷却
し、カッターミルにて粗粉砕した後、ジェット気流を用
いた微粉砕機を用いて微粉砕し、更に得られた微粉砕粉
を風力分級機で分級した。重量平均粒径10.2μmの
トナーGを得た。このトナーG中のアニリン含有量を求
めた。この測定結果を表2にまとめた。
【0116】得られたトナーG100重量部にアミノ変
性シリコンオイルにより疎水化処理したシリカ微粉末
(BET比表面積130m2 /g)0.4重量部を加
え、ヘンシェルミキサーで混合してトナー粒子表面にシ
リカを有するトナーGを調製した。
【0117】このトナーGを7重量部に対して、スチレ
ン−アクリル樹脂コートしたフェライトキャリア(平均
粒径60μ)93重量部を混合し、二成分系現像剤とし
た。
【0118】この現像剤を市販の複写機NP4835
(キヤノン(株)製)のカラートナー像形成用現像器に
適用し、複写試験を行った。
【0119】30℃/80%RHの環境条件下、30枚
連続複写後の画像濃度は1.32でカブリやがさつきが
なく、鮮明な画像が得られた。さらに、15秒おきに1
枚複写し、500枚複写して耐久性能を調べたところ、
画像濃度1.30であった。カブリやがさつきも無く、
初期の画像と比較して遜色のない良好な画像が得られ
た。
【0120】比較例3 ・スチレン−ブチルアクリレート樹脂 100重量部 ・カーボンブラック 4重量部 ・低分子量ポリプロピレンワックス 3重量部 ・ニグロシン染料(A) 2重量部
【0121】上記材料を用いて実施例5と同様にして、
体積平均粒径10.3μmのトナーHを得、更にシリカ
を外添してトナー粒子表面にシリカを有するトナーHを
得、更に同様にキャリアと混合して二成分系現像剤とし
た。この現像剤を実施例5と同様に評価したところ、3
0枚連続複写後の画像濃度は1.30で問題のない画像
が得られたが、500枚後の画像濃度は1.16と濃度
低下を引き起こした。
【0122】
【表2】
【0123】実験例1 トナー(A)〜(F)を100ccのポリカップに10
gずつ入れ、50℃に設定された恒温槽中に7日間放置
し、ブロッキングのし易さを評価した。結果を表3にま
とめた。
【0124】
【表3】
【0125】実験例2 市販の複写機NP1215(キヤノン(株)製)の黒ト
ナー用現像器に比較トナー(A)を190g入れ、18
00枚複写した。この時の画像濃度は、1.32であっ
た。次に、この現像器にトナー(A)を190g補給
し、連続複写した。この時20枚目の画像濃度は1.2
0であった。
【0126】トナー(B)〜(E)についても同様に評
価し、結果を表4にまとめた。
【0127】
【表4】
【0128】
【発明の効果】上述したように、ニグロシン染顔料を含
有するトナーにおいて、アニリンの含有量が結着樹脂に
対して500ppm以下である静電荷像現像用トナー
は、十分な帯電性を有すると共に、トナー担持体へのニ
グロシンの付着を抑え複写枚数を重ねても、安定した画
像濃度推移を示す。
【0129】さらに、トナー補給時に発生する画像濃度
が低下する現象も抑制し、絶えず高品質の画像が得られ
る。
【0130】さらに、トナー保存時に発生する固着(ブ
ロッキング)を起こしにくくなり、良好なトナー特性を
維持し得る。

Claims (3)

    【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも結着樹脂、着色剤、電荷制御
    剤を含有する静電荷像現像用トナーにおいて、該電荷制
    御剤として少なくともニグロシン染料またはニグロシン
    顔料を含有し、かつアニリンの含有量が結着樹脂に対し
    て500ppm以下であることを特徴とする静電荷像現
    像用トナー。
  2. 【請求項2】 ニグロシン染料またはニグロシン顔料
    を、結着樹脂に対して0.1乃至10重量部含有してい
    る請求項1の静電荷像現像用トナー。
  3. 【請求項3】 アニリン含有量が3%以下であるニグロ
    シン染料またはニグロシン顔料を、結着樹脂に対して
    0.1乃至10重量部含有している請求項1または2の
    静電荷像現像用トナー。
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Cited By (3)

* Cited by examiner, † Cited by third party
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