JP3387776B2 - 静電荷像現像用トナー - Google Patents

静電荷像現像用トナー

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JP3387776B2 JP13296197A JP13296197A JP3387776B2 JP 3387776 B2 JP3387776 B2 JP 3387776B2 JP 13296197 A JP13296197 A JP 13296197A JP 13296197 A JP13296197 A JP 13296197A JP 3387776 B2 JP3387776 B2 JP 3387776B2
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Description

【発明の詳細な説明】
【0001】
【発明の属する技術分野】本発明は、電子写真法、静電
印刷法などにおいて形成される静電荷像を現像するため
の静電荷像現像用トナーに関する。更に詳しくは、高画
質で色再現性に優れ、帯電的に安定したフルカラー用ト
ナーとして好適なマゼンタ色の静電荷像現像用トナーに
関する。
【0002】
【従来の技術】近年、デジタルフルカラー複写機やプリ
ンターが実用化され、解像力や階調性はもとより、色む
らのない色再現性に優れた高画質画像が得られるように
なってきた。デジタルフルカラー複写機においては、色
画像原稿を、B(ブルー)・G(グリーン)・R(レッ
ド)の各色フィルターで色分解した後、オリジナル画像
に対応した20μm〜70μmのドット径からなる潜像
を、Y(イエロー)・M(マゼンタ)・C(シアン)・
B(ブラック)の各色の現像剤を用い減色混合作用を利
用して現像する。この場合、白黒複写機と較べ多量の現
像剤を感光体から転写材に転写させる必要があること
や、将来の更なる高画質化に対応すべく、より微小ドッ
ト潜像に対応し、忠実に現像し得るように微小粒径の現
像剤への要求が予想される。
【0003】しかし、高画質化の要求に伴いトナー粒径
を小さくすると、フルカラー画像の解像力や鮮映度は確
かに満足のゆく方向となるが、微粒子化に伴って様々な
影響が生じることが分かってきた。先ず、トナー粒径を
小さくすると、トナー内における着色剤の偏在がそれだ
け大きくなり、このため帯電特性が影響を受け易くなる
という問題が生じる。従って、従来以上に、カラートナ
ー各色のトナー粒子内における着色剤の分散が良好で、
バランスのとれた色相及び分光反射特性と十分な彩度を
有するトナーが要求される。
【0004】又、このトナー粒径の微粒子化の流れに対
し、製造法の観点からも下記のような課題が生じてき
た。従来、電子写真プロセスに用いる現像剤は、一般的
には、ポリエステル、スチレン−アクリル共重合体、エ
ポキシ樹脂等の結着樹脂に、着色剤や荷電制御剤、更に
は離型剤を加えて溶融混練し、均一に分散せしめた後、
所定の粒度に粉砕し、更に、粉砕物中の過剰の微粉及び
粗粉を分級器を用い除去する粉砕法によりトナー粒子を
製造し、現像剤としている。しかしながら、粉砕法によ
り得られたトナー粒子のコールターカウンターにより測
定した平均粒度が、7μm以下と微小になるに従い、従
来では製造の際に問題にならなかった使用原材料の均一
分散性や、効率の高い粉砕性、更には、シャープな粒度
分布のトナー粒子の分級等が極めて難しくなる傾向にあ
る。加えて、粉砕法によって得られるトナー粒子では、
顔料の露出や、各トナー粒子間の偏在が生じ易くなるた
め、顔料そのものの吸湿性等に伴う帯電性の制御が重要
な課題となってきている。
【0005】これに対し、近年製造法の観点よりこの課
題の解決を図るものとして、重合性単量体を媒体中で直
接重合してトナーを得るという製造法(以下、重合法と
呼ぶ)がクローズアップされるようになってきた。重合
法とは、例えば、特公昭36−10231号公報、特公
昭43−10799号公報及び特公昭51−14895
号公報等に提案されているような、少なくとも重合性単
量体及び着色剤を含有し、更に必要に応じて、重合開始
剤、架橋剤、荷電制御剤、その他の添加剤を、均一に溶
解または分散せしめた単量体組成物を用い、この単量体
組成物を、分散安定剤を含有する連続相、例えば、水相
中に適当な撹拌機を用いて分散させ、同時に重合反応を
行わせて、所望の粒径を有するトナー粒子を得る方法で
ある。
【0006】この重合法によるトナーの製造方法では、
粉砕工程を必要としないため、現像剤に脆性を付与せし
める必要がなく、シャープな粒度分布を保ったままでト
ナー粒径の微小粒径化が容易に行える。又、油滴表面が
均一となるために、極性物質をトナー粒子表面に均一に
存在させることができるため、帯電分布もシャープとな
る。加えて、トナー粒子の表面に、疎水性の材料である
離型剤や着色剤等が露出しずらいため、トナー粒径が微
小となっても、実質的に離型剤や着色剤等の影響は極め
て小さい。
【0007】
【発明が解決しようとする課題】しかしながら、重合法
によるトナーの製造方法は、以上のように、トナーの微
粒子化に対して優れた特徴を有しているが、特に、トナ
ー中に含有させる着色剤の種類によっては、粉砕法によ
り得られたトナーの場合と比較して帯電速度の低下が見
られ、潜像の微小ドットに対応し、原稿に忠実な再現性
が得られず、高画質が得られない場合があった。特に、
キナクリドン系顔料は、鮮明なマゼンタ色を与え、且つ
耐光性に優れた堅牢度の高い顔料であり、カラートナー
の着色剤として有用であるが、キナクリドン系顔料をト
ナー中に含有させた場合にこの傾向が強かった。
【0008】従って、本発明の目的は、上述の如き欠点
を解決した静電荷像現像用カラートナーを提供すること
にある。即ち、本発明の目的は、耐刷初期におけるカブ
リを抑え、帯電特性に優れた静電荷像現像用カラートナ
ーを提供することにある。更に、本発明の目的は、極め
て鮮明で耐光性に優れたマゼンタ色のカラー画像が得ら
れる静電荷像現像用カラートナーを提供することにあ
る。
【0009】
【課題を解決するための手段】上記した本発明の目的
は、下記の本発明によって達成される。即ち、本発明
は、少なくとも重合性単量体と着色剤とを含む重合性単
量体組成物を重合して得られるマゼンタトナー粒子を含
む静電荷像現像用負帯電性マゼンタトナーにおいて、上
記着色剤が、C.I.Pigment Orange
48、C.I.Pigment Orange 49、
C.I.Pigment Red 12、C.I.Pi
gment Red 122、C.I.Pigment
Red 202、C.I.Pigment Red
206、C.I.Pigment Red 208、
C.I.Pigment Red 209、C.I.P
igment Violet 19及びC.I.Pig
ment Violet 42からなるグループから選
択されるキナクリドン系顔料であって、該マゼンタトナ
ーは、下記一般式で示される化合物(1)及び化合物
(2)の総含有量が0.7乃至0.27%のキナクリ
ドン系顔料を用いて合成されたものであり、該マゼンタ
トナー粒子中に該化合物(1)及び該化合物(2)の総
含有量が38乃至180ppmに制御されていることを
特徴とする静電荷像現像用負帯電性マゼンタトナーであ
る。
【0010】
【0011】
【0012】
【発明の実施の形態】以下、本発明の好ましい実施の形
態を挙げて本発明を詳細に説明する。本発明の静電荷像
現像用トナーは、重合法によって形成されるものである
が、その構成材料のうちの着色剤が特定のキナクリドン
顔料であって、且つ重合トナー粒子中に上記一般式で
示される化合物(1)及び化合物(2)の総含有量が
8乃至180ppmに制御されていることを特徴とす
る。先ず、以下に、本発明の静電荷像現像用トナーを上
記のように構成した理由について説明する。
【0013】本発明者らは、上記の課題を解決すべく鋭
意検討の結果、重合法によってトナーを製造した場合
に、着色剤として、シアン顔料やイエロー顔料を使用し
た場合と比較し、マゼンタ用の着色剤として使用される
キナクリドン顔料を使用すると、トナー表面への着色剤
の偏りが顕著となることを見いだし、更に、この原因と
して、顔料中に含まれる上記の式で表される化合物
(1)及び化合物(2)(以下、化合物(1)等と呼
ぶ)の量が重要な要因となっており、これらの化合物の
含有量が特定の値以下となるような制御を行なえば、
帯電特性の向上が図られることを知見して本発明に至っ
た。
【0014】即ち、これは、上記の式で表される化合物
(1)等は、いずれも正の帯電性を有する化合物であ
り、トナーに対する帯電阻害効果と、トナー表面に顔料
を局在化させる効果を有するため、結果として、トナー
粒子中にこれらの化合物の含有量が多いと帯電速度が
低下してしまい、画像上への初期カブリ等の影響が現れ
るものと考えている。
【0015】又、本発明において、その含有量を制御
するように構成した上記の化合物(1)等は、その詳細
は不明であるが、キナクリドン系顔料を製造する際に副
生成物として得られるものである。そしてそれは、公知
のキナクリドン粗顔料製造法においては勿論のこと、そ
の後に開発された製造方法である、例えば、米国特許
2,969,366号明細書、米国特許2,821,5
29号明細書、米国特許3,793,327号明細書、
米国特許3,160,510号明細書、米国特許2,9
69,366号明細書、米国特許4,310,359号
明細書等に記載されている全てのキナクリドン系顔料の
製造方法において発生する。しかし、本発明者らの検討
によれば、製造の際に、強酸や多量の熱による処理が少
ない方法を適宜選択することによって、これらの化合物
の量を減少させることが可能であることがわかった。
又、これに加えて、顔料生成後も、カルボン酸や希硫酸
等の酸、テトラヒドロフランやジメチルスルホキシド等
の有機溶媒や熱水等による公知の洗浄方法を繰り返すこ
とによってほとんど除去することが可能であることがわ
かった。更に、本発明の静電荷像現像用トナーのよう
に、重合法でトナーが製造される場合にあっては、水性
媒体中で重合させる工程等の過程においても、上記の化
合物(1)等の量を減少させることが可能であることが
わかった。従って、これらの方法を考慮すれば、トナー
粒子中の上記の化合物(1)等の含有量を適性な値に
制御することが可能であり、本発明の静電荷像現像用ト
ナーが容易に得られる。
【0016】特に、先の一般式で表される化合物(1)
等がトナー粒子中に含有された場合に、帯電阻害性を示
すのは、キナクリドン系顔料のうちでも、化合物(1)
或いは化合物(2)の構造に類似な化合物である顔料、
具体的には、C.I.Pigment Orange
48、C.I.Pigment Orange 49、
C.I.Pigment Red 12、C.I.Pi
gment Red122、C.I.Pigment
Red 202、C.I.PigmentRed 20
6、C.I.Pigment Red 208、C.
I.Pigment Red 209、C.I.Pig
ment Violet 19、C.I.Pigmen
t Violet 42等の顔料であることがわかっ
た。従って、これらの顔料を含むトナーの場合に、特
に、本発明のような構成とすれば、その帯電阻害性が改
善され、良好な帯電特性を有するトナーが得られる。
【0017】上記した一般式で示される化合物(1)等
としては、具体的には、下記に挙げる化合物(1−
A)、(1−B)及び(1−C)、更に、化合物(2−
A)及び(2−B)が挙げられる。そして、これらの中
でも、構造的には、2級アミンを多く含む下記の構造を
有する(1−A)及び(1−B)の化合物の含有量が多
いと、帯電阻害性が大きく、得られる画像上に初期のカ
ブリを生じ易い。従って、本発明の静電荷像現像用トナ
ーにおいては、特に、これらの構造を有する化合物が、
トナー中に含有されないように極力抑制することが好ま
しい。
【0018】
【0019】本発明の静電荷像現像用トナーにおいて
は、先の一般式で表される化合物(1)等の含有量
を、トナー全量に対し、500ppm以下、好ましくは
100ppm以下、更に好ましくは20ppm以下と、
極力トナー中にこれらの化合物が含まれないようにする
ことが好ましい。即ち、トナー中の化合物(1)等の
含有量が500ppmを超えると、トナー帯電の立ち上
がりを阻害し、複写機等に搭載した場合に初期画像にカ
ブリが生じ易くなる。
【0020】本発明の静電荷像現像用トナーにおける、
化合物(1)等のトナー中の存在量(含有量)は、次
の方法で測定した値として定義した。先ず、トナー10
gを1mgの単位迄で正確に秤量し、200mlのナス
フラスコに入れ、これに0.5Nの硫酸100mlとエ
タノール10mlとを加え、還流装置をつけて110℃
のオイルバス中で4時間還流させる。その後、室温まで
徐冷し、内容物を0.5NのKOH水溶液で中和した
後、濾過し、濾液を水−クロロホルムで分液して(各5
0ml×4回)、有機相の部分を採り出す。そして、該
有機相を、濃縮及び脱水した後、必要ならば液体クロマ
トグラフィー等の分離操作を行った後、得られた化合物
を1mlのクロロホルムに溶解させ、420nmで、比
色分析を行う。この際、先に構造式を示した化合物(1
−A)を用いて標準溶液を作って、検量線を作成し、こ
の検量線から、測定試料中の化合物(1)等の量を定量
する。更に、この値から、トナー中に含まれる化合物
(1)等の含有量を求める。
【0021】本発明の静電荷像現像用トナーは、少なく
とも重合性単量体と着色剤とを含む重合性単量体組成物
を重合して得られる重合トナー粒子を含むが、この際に
行う重合法によるトナーの製造工程において、水相中に
おける微小液滴の安定化を図ることや、得られる重合ト
ナーに各種特性を付与するため、更には、これらと共に
トナー中に含有されてくる上記で述べた化合物(1)等
を帯電的に押さえ込むため、単量体成分の他に、ネガ性
の極性樹脂を添加することが好ましい。本発明に用いら
れる極性樹脂としては、スチレンと(メタ)アクリル酸
の共重合体、マレイン酸共重合体、ポリエステル樹脂、
或いはエポキシ樹脂が好ましく挙げられ、特に、その酸
価が特定の値に制御されたものを使用することによっ
て、製造法における安定性と、得られるトナーの帯電性
特性の安定化の両立が達成できる。
【0022】即ち、本発明の静電荷像現像用トナーを製
造する場合に、重合に供される重合性単量体組成物中
に、酸価が5〜20mgKOH/gである極性樹脂を含
有させることが好ましく、より好ましくは、該極性樹脂
を含むトナーの酸価が0.02〜15mgKOH/gと
なるようにすることが好ましい。含有させる極性樹脂の
酸価が20mgKOH/gを超えると、或はトナーの酸
価が15mgKOH/gを超えると、化合物(1)等が
酸性物質の乳化剤として働き、製造安定性や、得られる
トナーの環境帯電安定性が低下する。一方、トナーの酸
価が0.02mgKOH/g未満であると、製造時にお
ける着色剤のトナー表層への偏在が顕著になってくるた
め、化合物(1)等の影響が現れ易くなり、トナーの環
境帯電安定性が変動し易くなり好ましくない。尚、上記
の極性樹脂の代わりに、メタアクリル酸、マレイン酸、
フマル酸等の酸基を有する極性重合性モノマーを添加し
て化合物(1)等を帯電的に押さえ込むことも可能では
あるが、重合法における製造安定性の低下が著しくなる
傾向がある。
【0023】本発明の静電荷像現像用トナーを製造する
場合に用いる重合性単量体組成物を構成する単量体成分
や他の成分については、従来公知の材料をいずれも使用
することができる。例えば、本発明に用いられる単量体
成分としては、従来公知の単量体が好ましく用いられる
が、具体的には、例えば、スチレン、o−(m−、p
−)メチルスチレン、m−(p−)エチルスチレン等の
スチレン系単量体;(メタ)アクリル酸メチル、(メ
タ)アクリル酸エチル、(メタ)アクリル酸プロピル、
(メタ)アクリル酸ブチル、(メタ)アクリル酸オクチ
ル、(メタ)アクリル酸ドデシル、(メタ)アクリル酸
ステアリル、(メタ)アクリル酸ベヘニル、(メタ)ア
クリル酸2−エチルヘキシル、(メタ)アクリル酸ジメ
チルアミノエチル、(メタ)アクリル酸ジエチルアミノ
エチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタ
ジエン、イソプレン、シクロヘキセン、(メタ)アクリ
ロニトリル、アクリル酸アミド等のエン系単量体が好ま
しく用いられる。これらは、単独で用いてもよいが、一
般的には、ポリマーハンドブック第2版III(出版物)の
P139〜192(John Wiley&Sons社
製)に記載の理論ガラス転移温度(Tg)の値が40〜
85℃を示すようになるように、上記に挙げた単量体を
適宜混合して用いる。即ち、理論ガラス転移温度Tgが
40℃未満の場合には、トナーの保存安定性や現像剤の
耐久安定性の面から問題が生じ、一方85℃を超える場
合は、結晶性部分の残存による粒塊が画像上に生じ、特
にフルカラートナーの場合においては、OHP画像の透
明性を著しく低下させるので画質向上の面から好ましく
ない。
【0024】上記のような単量体を重合して形成される
樹脂の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマ
トグラフィー)により測定できるが、本発明の静電荷像
現像用トナーにおいては、該方法によって測定された樹
脂成分の数平均分子量(Mn)が、5,000〜1,0
00,000であり、重量平均分子量(Mw)と数平均
分子量(Mn)との比(Mw/Mn)が2〜100を示
す樹脂を結着樹脂として用いることが好ましい。
【0025】以下、本発明の静電荷像現像用トナーを製
造する場合に用いる重合性単量体組成物を構成する単量
体成分以外の他の成分について説明する。先ず、本発明
においては、トナー粒子に離型作用を付与しオフセット
の発生を避けるために、上記した単量体を重合して得ら
れる樹脂中に低軟化点物質を添加せしめてもよい。この
際、ASTM D3418−8に準拠して測定した熱分
析曲線の主体極大ピーク値が50〜180℃を示す化合
物を用いることが好ましい。即ち、極大ピーク値が50
℃未満であると低軟化点物質の自己凝集力が弱くなり、
結果として高温オフセット性が弱くなるので、特にフル
カラー現像剤には好ましくない。一方、極大ピーク値が
180℃を超えると、現状では、軟化点物質の結晶性や
分散性が損なわれるため、定着性や透明性の面から好ま
しくない。
【0026】本発明で行った上記の極大ピーク値の温度
の測定には、例えば、パーキンエルマー社製DSC−7
を用いた。そして、装置検出部の温度補正は、インジウ
ムと亜鉛の融点を用いて行い、熱量の補正にはインジウ
ムの融解熱を用いた。サンプルはアルミニウム製パン中
に入れ、対照側には空パンをセットして、昇温速度10
℃/min.で測定を行った。
【0027】本発明に用いられる上記したような特性を
有する低軟化点物質としては、具体的には、パラフィン
ワックス、ポリオレフィンワックス、フィッシャートロ
ピッシュワックス、アミドワックス、エステルワック
ス、高級脂肪酸及びこれらのグラフト/ブロック化合物
等が挙げられる。
【0028】本発明に用いる重合性単量体組成物中に
は、トナー粒子の帯電特性を向上させるために荷電制御
剤を含有させてもよい。本発明で使用する荷電制御剤と
しては、従来公知のものを利用できるが、無色で、トナ
ーの帯電スピードを速くし、且つ一定の帯電量を安定し
て維持できるようにし得る荷電制御剤が好ましい。更
に、本発明において重合法として直接重合方法を用いる
場合には、重合阻害性が無く、水系への可溶化物のない
荷電制御剤を用いることが特に好ましい。具体的な化合
物としては、例えば、ネガ系として、サリチル酸、ナフ
トエ酸、ダイカルボン酸の金属化合物、スルホン酸、カ
ルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物、ホウ素化合物、
尿素化合物、ケイ素化合物、カリークスアレーン等が利
用でき、ポジ系として四級アンモニウム塩、該四級アン
モニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物、グアニジン
化合物、イミダゾール化合物等が好ましく用いられる。
又、これらの荷電制御剤は、樹脂100重量部に対して
0.5〜10重量部混合させることが好ましい。
【0029】しかし、本発明の静電荷像現像用トナーに
おいては、上記した荷電制御剤の添加は必須ではなく、
二成分現像方法を用いた場合においては、キャリヤとの
摩擦帯電を利用すればよく、又、非磁性一成分ブレード
コーティング現像方法を用いた場合においても、ブレー
ド部材やスリーブ部材との摩擦帯電を積極的に利用する
ことでトナー中に必ずしも荷電制御剤を含む必要はな
い。
【0030】本発明の静電荷像現像用トナーを製造する
場合に、直接重合方法を利用する場合には、重合開始剤
として、例えば、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチ
ルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニ
トリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カル
ボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−
2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロ
ニトリル等のアゾ系重合開始剤、ベンゾイルペルオキシ
ド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピル
ペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、
2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイル
ペルオキシド等の過酸化物系重合開始剤を用いることが
好ましい。
【0031】これらの重合開始剤の添加量は、目的とす
る重合度により変化するが、一般的には、単量体に対し
0.5〜20重量%が添加される。開始剤の種類は、重
合方法により若干異なるが、十時間半減期温度を参考
に、単独又は混合して利用すればよい。又、本発明にお
いては、重合度を制御するために、従来公知の架橋剤、
連鎖移動剤、重合禁止剤等を更に添加して用いることも
可能である。
【0032】本発明の静電荷像現像用トナーの製造に、
直接重合法として水性媒体中で行なう懸濁重合法を利用
する場合には、下記に挙げるような分散剤、水相に均
一に分散さた水性媒体を用いるとよい。例えば、無機
系の分散剤としては、リン酸三カルシウム、リン酸マグ
ネシウム、リン酸アルミニウム、リン酸亜鉛、炭酸カル
シウム、炭酸マグネシウム、水酸化カルシウム、水酸化
マグネシウム、水酸化アルミニウム、メタケイ酸カルシ
ウム、硫酸カルシウム、硫酸バリウム、ベントナイト、
シリカ、アルミナ、磁性体、フェライト等が挙げられ
る。又、有機系の分散剤としては、例えば、ポリビニル
アルコール、ゼラチン、メチルセルロース、メチルヒド
ロキシプロピルセルロース、エチルセルロース、カルボ
キシメチルセルロースのナトリウム塩、デンプン等が挙
げられる。本発明においては、これら分散剤を、重合性
単量体100重量部に対して0.2〜2.0重量部使用
することが好ましい。
【0033】又、これら分散剤は、市販のものをそのま
ま用いてもよいが、細かい均一な粒度を有す分散粒子を
得るためには、例えば、分散媒中にて高速撹拌下に、上
記に挙げたような無機化合物を生成させて得ることもで
きる。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高速撹拌下
において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水
溶液を混合することで、懸濁重合方法に用いるのに好ま
しい、水相中に均一に安定して分散された微細な分散剤
粒子を得ることができる。このようにすれば、小粒径の
シャープな粒度分布を有するトナー粒子を得ることがで
きる。又、この際に、分散剤の更なる微細化のために、
0.001〜0.1重量部の界面活性剤を併用してもよ
い。具体的には、市販のノニオン、アニオン、カチオン
型の界面活性剤が利用でき、例えば、ドデシル硫酸ナト
リウム、テトラデシル硫酸ナトリウム、ペンタデシル硫
酸ナトリウム、オクチル硫酸ナトリウム、オレイン酸ナ
トリウム、ラウリル酸ナトリウム、ステアリン酸カリウ
ム、オレイン酸カルシウム等の界面活性剤が好ましく用
いられる。
【0034】本発明の静電荷像現像用トナーの製造に、
直接重合方法を用いる場合においては、具体的には、以
下の如き製造方法によってトナーを製造することができ
る。先ず、重合性単量体中に、着色剤、必要に応じて低
軟化物質からなる離型剤、荷電制御剤、重合開始剤その
他の添加剤を加え、ホモジナイザーや超音波分散機等に
よって均一に溶解又は分散せしめた単量体組成物を作製
し、これを分散剤が均一に含有されている分散媒中にい
れて、通常の撹拌機またはホモミキサーやホモジナイザ
ー等により分散せしめる。その際には、好ましくは、単
量体組成物の液滴が所望するトナー粒子のサイズを有す
るようになるように、撹拌速度及び時間を調整して造粒
する。造粒後は、分散安定剤の作用により、粒子状態が
維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行
えばよい。
【0035】上記した造粒工程に続いて単量体の重合を
行なうが、重合温度は40℃以上、一般的には50〜9
0℃の温度に設定して重合を行う。又、重合反応後半に
昇温してもよく、更に、トナー定着時の臭いの原因等と
なる未反応の重合性単量体、副生成物等を除去するため
に、反応後半、又は反応終了後に一部水系媒体を留去し
てもよい。反応終了後、生成したトナー粒子を洗浄及び
ろ過して回収し、乾燥する。懸濁重合法においては、通
常単量体系100重量部に対して、水300〜3,00
0重量部を分散媒として使用するのが好ましい。
【0036】次に、本発明で用いた各種の測定方法につ
いて述べる。先ず、粒度分布の測定方法について述べ
る。トナーの平均粒径及び粒度分布は、コールターカウ
ンターTA−II型(コールター社製)或いはコールター
マルチサイザー(コールター社製)等種々の方法で測定
可能であるが、本発明においては、コールターマルチサ
イザーを用い、更に、個数分布及び体積分布を出力する
ためのインターフェイス(日科機製)及びPC9801
パーソナルコンピューター(NEC製)を接続したもの
を用いる。又、測定の際に用いる電解液には、1級塩化
ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製して用い
るが、例えば、ISOTON R−II(コールターサイ
エンティフィックジャパン社製)を使用できる。測定法
としては、上記の電解水溶液約100〜150ml中に
分散剤として界面活性剤、好ましくは、アルキルベンゼ
ンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料
を2〜20mg加える。そして、試料を懸濁した電解液
を、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前
記したコールターマルチサイザーによりアパーチャーと
して100μmアパーチャーを用いて、トナーの体積、
個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。そし
て、その体積分布から求めた体積基準の重量平均粒径
(D4:各チャンネルの中央値をチャンネルの代表値と
する)を求めた。
【0037】次に、本発明で使用する樹脂の分子量の測
定方法について述べる。本発明において、樹脂の分子量
は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィ
ー)により測定した。具体的なGPCの測定方法として
は、予め、現像剤をソックスレー抽出器を用いトルエン
溶剤で20時間抽出を行った後、ロータリーエバポレー
ターでトルエンを留去せしめ、更に離型剤等の低軟化点
物質は溶解するが樹脂は溶解し得ない有機溶剤、例え
ば、クロロホルム等で充分洗浄又は抽出を行った後、T
HF(テトラヒドロフラン)に可溶した溶液を、ポア径
が0.3μmの耐溶剤性メンブランフィルターで濾過
し、これを測定用サンプルとした。そして、ウォーター
ズ社製の分子量測定装置Y150Cを用い、カラム構成
を、昭和電工製A−801、802、803、804、
805、806、807を連結したものとし、標準ポリ
スチレン樹脂の検量線を用いて分子量を測定した。
【0038】次に、本発明において用いた摩擦帯電量測
定方法について述べる。図1は、トナーのトリボ電荷量
を測定する装置の説明図である。先ず、下記のようにし
て測定する現像剤を準備する。摩擦帯電量を測定しよう
とするトナー(外添剤はない)と、キャリアとの混合物
を50〜100ml容量のポリエチレン製のビンに入
れ、約5分間手で振とうして帯電量測定用の現像剤とす
る。尚、キャリアはシリコンコートされたフェライトキ
ャリア(400メッシュパス品)とし、トナーとキャリ
アの重量比は7:93とする。
【0039】次に、図1に示すように、底に500メッ
シュのスクリーン3のある金属製の測定容器2に、上記
の混合物(現像剤)W0(g)を約0.5〜1.5g入
れ、金属製の蓋4をする。このときの測定容器2全体の
重量を秤りW1(g)とする。次に、測定容器2と接す
る部分は少なくとも絶縁性の吸引機1において、吸引口
7から吸引し、風量調節弁6を調整して真空計5の圧力
を2,450hPaとする。この状態で充分、好ましく
は2分間程度吸引を行いトナーを吸引除去する。
【0040】このときのトナーの摩擦帯電量Q(mC/
kg)はトナー100%補正をすると下記のように定義
される。 (上記式中、V(ボルト)は電位計9の電位、C(μ
F)は8のコンデンサー容量、W2(g)は吸引後の測
定容器の重量、Tはトナー/キャリア比である。)
【0041】又、トナーの環境帯電安定性は、上記のよ
うにして測定したトナーの摩擦帯電量Qの高温高湿下
(35℃、90%RH)での値と、低温低湿下(15
℃、10%RH)での値の差[ΔQ(mC/kg)]を
用いて評価した。
【0042】次に、本発明で使用する極性樹脂等の酸価
の測定方法について述べる。トナーサンプル2〜10g
を200mlの三角フラスコに秤量して入れ、更にこの
中に、メタノール:トルエン=30:70の混合溶媒約
50mlを加えてトナーを溶解させる。そして、0.1
%のブロムチモールブルーとフェノールレッドの混合指
示薬を用い、予め標定された0.1N−水酸化カリ/エ
タノール溶液で滴定し、アルコールカリ液の消費量から
次の計算で酸価を求める。 酸価=KOH(ml数)×F×56.1/試料重量(g) (上記式中Fは、0.1N−水酸化カリ/エタノール溶
液のファクターである)
【0043】次に、本発明における着色力の評価方法に
ついて述べる。先ず、本発明のトナー7重量部に対し、
シリコン樹脂コーティングされたフェライトキャリア9
3重量部を混合して現像剤とする。得られた現像剤を用
いて、定着温度を可変とし、定着オイル塗布機構を省く
よう改造したキヤノン製フルカラー複写機CLC500
改造機にて、潜像を転写材上に転写し、画像を得た。こ
のとき定着条件は転写材としては、光沢度4の坪量99
g/m2の紙を用い、トナーのり量0.5〜0.7mg
/cm2の単色ベタ画像を得て、該画像の光沢度が10
〜15になるよう定着温度を調整した。本発明において
は、トナーのり量0.5mg/cm2の単色ベタ画像の
画像濃度をもって着色力とする。
【0044】尚、画像の光沢度の測定は、JIS Z8
741の方法2に準拠して行い、画像濃度は、反射濃度
計RD918(マクベス社製)で測定した。
【0045】
【実施例】本発明を以下に実施例を示すことでより具体
的に説明する。 [着色剤の調製例1] 90部の水と、下記の一般式で表される化合物(1)及
び化合物(2)を1.2%含有しているジメチルキナク
リドン粗結晶物(Pig.Red 122)10部より
なる懸濁物を、25℃に保持しながら撹拌式ボールミル
で粉砕し、その後吸引濾過し、繰り返し水洗浄を行い、
80℃の恒温槽で乾燥させることで化合物(1)等を
0.91%含有しているジメチルキナクリドン(a)を
得た。
【0046】[着色剤の調製例2] 着色剤の調製例1の処方の中で、90部の水を90部の
ジメチルホルムアミドに代えた以外は実施例1と全て同
様にして行い、化合物(1)等を0.07%含有してい
るジメチルキナクリドン(b)を得た。
【0047】[着色剤の調製例3] 着色剤の調製例2の中で、水洗浄工程数を減らしたこと
以外は実施例1と全て同様にして行い、化合物(1)等
を0.27%含有しているジメチルキナクリドン(c)
を得た。
【0048】実施例1 予め、0.1MのNa3PO4水溶液と、1MのCaCl
2水溶液とを用意する。高速撹拌装置TK−ホモミキサ
ーを備えた2リットル用の四つ口フラスコ中に、イオン
交換水710重量部と、0.1MのNa3PO4水溶液4
50重量部とを入れ、回転数を12,000回転に調整
し、液温が65℃となるように加温せしめた。次に、こ
の状態のフラスコ内に、1.0MのCaCl2水溶液6
8重量部を徐々に添加して分散媒を調製した。得られた
分散媒では、微小な粒子状の難水溶性分散剤Ca3(PO
4)2が均一に分散されていた。
【0049】一方、下記の成分からなる混合物をアトラ
イターを用いて3時間分散させた後、これに重合開始剤
である2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニト
リル)を2.1重量部を添加して分散させて重合性単量
体組成物を得た。 ・スチレン単量体 165重量部 ・n−ブチルアクリレート単量体 35重量部 ・ジメチルキナクリドン(b) 20重量部 ・飽和ポリエステルテレフタール酸−プロピレンオ キサイド変性ビスフェノールA(酸価15、ピーク 分子量;6000) 10重量部 ・サリチル酸金属化合物 2重量部 ・エステルワックス(極大ピーク値64.4℃) 35重量部
【0050】先に調製した分散媒中に、上記で得られた
重合性単量体組成物を投入し、12,000回転の回転
数を維持しつつ15分間造粒した。その後、高速撹拌器
からプロペラ撹拌羽根による撹拌機に撹拌器を変え、5
0回転で撹拌しつつ内温60℃で4時間、その後80℃
に昇温させ4時間、重合を計8時間継続させた。重合終
了後、スラリーを冷却し、希塩酸を添加して分散剤を除
去せしめた。更に、洗浄し、その後に乾燥を行うことで
本実施例のマゼンタトナー粒子を得た。上記で得られた
トナー粒子を、コールターカウンターで測定したとこ
ろ、重量平均粒径が6.2μmで、個数変動係数が28
%であった。又、トナーの酸価は、0.07mgKOH
/gであり、熱硫酸抽出によって測定した化合物(1)
等の定量値は38ppmであった。
【0051】次に、得られたトナーに疎水化処理酸化チ
タンを2%外添し、流動性に優れたトナーを得、このト
ナー7重量部に対し、アクリル樹脂コーティングされた
フェライトキャリア93重量部を混合して2成分系現像
剤とした。得られた現像剤をキヤノン製フルカラー複写
機CLC500改造機に搭載して画出しを行ない、現像
剤の耐久評価を行ったところ、23℃、60%RHの条
件下での2万枚耐久後も現像性が低下することなく、安
定して、鮮明且つ良好なマゼンタ画像が得られた。更
に、7日間放置後の最初の画像評価においても、帯電性
の低下によって起こる飛散の現象は生ぜず、安定したマ
ゼンタ画像が得られた。
【0052】比較例1 実施例1の処方の中で、顔料をジメチルキナクリドン
(a)に変更した以外は実施例1と同様に処理して、比
較用のマゼンタトナーを得た。得られたトナーの重量平
均径は6.5μmであり、個数変動係数が35%であっ
た。又、トナーの酸価は0.07mgKOH/gであ
り、熱硫酸抽出によって測定した化合物(1)等の定量
値は580ppmであった。次に、実施例1の場合と同
様に、得られたトナーに疎水化処理酸化チタンを2%外
添して流動性に優れたトナーを得、このトナー7重量部
に対し、アクリル樹脂コーティングされたフェライトキ
ャリア93重量部を混合して2成分系現像剤とした。
【0053】更に、得られた現像剤をキヤノン製フルカ
ラー複写機CLC500改造機に搭載して画出しを行な
い、実施例1と同様にして現像剤の耐久評価を行った。
この結果、23℃、60%RHの条件下、2万枚耐久の
初期画像において、トナー飛散及びカブリが生じてお
り、実施例1で得られたマゼンタ画像と比べて劣るもの
であった。更に、7日間放置後の最初の画像評価におい
ても、飛散等の現象が生じた画像が得られた。
【0054】実施例2 実施例1の処方の中で、顔料をジメチルキナクリドン
(c)に変更した以外は実施例1と同様に処理して、本
実施例のマゼンタトナーを得た。得られたトナーの重量
平均径は6.3μmであり、個数変動係数は40%であ
った。又、酸価は0.07mgKOH/gであり、熱硫
酸抽出によって測定した化合物(1)等の定量値は15
0ppmであった。次に、実施例1の場合と同様に、得
られたトナーに疎水化処理酸化チタンを2%外添して流
動性に優れたトナーを得、このトナー7重量部に対し、
アクリル樹脂コーティングされたフェライトキャリア9
3重量部を混合して2成分系現像剤とした。
【0055】更に、得られた現像剤をキヤノン製フルカ
ラー複写機CLC500改造機に搭載して画出しを行な
い、実施例1と同様にして現像剤の耐久評価を行った。
この結果、23℃、60%RHの条件下、初期画像で僅
かなカブリが生じたものの、2万枚耐久後も現像性が低
下することなく、安定して、鮮明且つ良好なマゼンタ画
像が得られた。更に、7日間放置後の最初の画像評価に
おいても、帯電性の低下によって起こる飛散の現象は生
ぜず、安定したマゼンタ画像が得られた。
【0056】実施例3 実施例2の処方の中で、結着樹脂の処方を、飽和ポリエ
ステルテレフタール酸−プロピレンオキサイド変性ビス
フェノールA−トリメリット酸(酸価4.2、ピーク分
子量;11000)を10重量部に代えた以外は実施例
1と同様に処理して、本実施例のマゼンタトナーを得
た。得られたトナーの重量平均径は7.0μmであり、
個数変動係数は34%であった。又、酸価は0.02m
gKOH/g、熱硫酸抽出によって測定した化合物
(1)等の定量値は180ppmであった。次に、実施
例1の場合と同様に、得られたトナーに疎水化処理酸化
チタンを2%外添して流動性に優れたトナーを得、この
トナー7重量部に対し、アクリル樹脂コーティングされ
たフェライトキャリア93重量部を混合して2成分系現
像剤とした。
【0057】更に、得られた現像剤をキヤノン製フルカ
ラー複写機CLC500改造機に搭載して画出しを行な
い、実施例1と同様にして現像剤の耐久評価を行った。
この結果、23℃、60%RHの条件下、初期画像で僅
かなカブリが生じたものの、2万枚耐久後も現像性が低
下することなく、安定して、鮮明且つ良好なマゼンタ画
像が得られた。更に、7日間放置後の最初の画像評価に
おいても、帯電性の低下によって起こる飛散の現象が僅
かに生じたが、実用上問題ないレベルであった。
【0058】上記の実施例及び比較例で得られたトナー
の物性を、下記の表1にまとめて示した。
【0059】
【発明の効果】以上説明したように、本発明によれば、
耐刷初期におけるカブリを抑え、帯電特性に優れ、極め
て鮮明で耐光性に優れたマゼンタ色のカラー画像が得ら
れる静電荷像現像用カラートナーが提供される。更に、
本発明によれば、製造安定性や、得られるトナーの環境
帯電安定性に優れた静電荷像現像用カラートナーが提供
される。
【図面の簡単な説明】
【図1】トナーのトリボ帯電量を測定する装置の概略を
示す説明図である。
【符号の説明】
1:吸引機 2:測定容器 3:メッシュスクリーン 4:蓋 5:真空計 6:風量調節弁 7:吸引口 8:コンデンサー 9:電位計

Claims (3)

    (57)【特許請求の範囲】
  1. 【請求項1】 少なくとも重合性単量体と着色剤とを含
    む重合性単量体組成物を重合して得られるマゼンタトナ
    ー粒子を含む静電荷像現像用負帯電性マゼンタトナーに
    おいて、 上記着色剤が、C.I.Pigment Orange
    48、C.I.Pigment Orange 4
    9、C.I.Pigment Red 12、C.I.
    Pigment Red 122、C.I.Pigme
    nt Red 202、C.I.Pigment Re
    d 206、C.I.Pigment Red 20
    8、C.I.Pigment Red 209、C.
    I.Pigment Violet 19及びC.I.
    Pigment Violet 42からなるグループ
    から選択されるキナクリドン系顔料であって、 該マゼンタトナーは、下記一般式で示される化合物
    (1)及び化合物(2)の総含有量が0.7乃至0.
    27%のキナクリドン系顔料を用いて合成されたもので
    あり、 該マゼンタトナー粒子中に該化合物(1)及び該化合物
    (2)の総含有量が38乃至180ppmに制御されて
    いることを特徴とする静電荷像現像用負帯電性マゼンタ
    トナー。
  2. 【請求項2】 化合物(1)及び化合物(2)の総含有
    量が100ppm以下である請求項1に記載の静電荷像
    現像用負帯電性マゼンタトナー。
  3. 【請求項3】 トナー粒子中に、酸価が5〜20mgK
    OH/gの極性樹脂を含有する請求項1又は2に記載の
    静電荷像現像用負帯電性マゼンタトナー。
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