JP4387520B2 - 重合トナーの製造方法 - Google Patents
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Description
【発明の属する技術分野】
本発明は、電子写真、静電記録、静電印刷、トナージェット記録等において用いられる重合トナーの製造方法に関する。
【0002】
【従来の技術】
電子写真法は、米国特許第2297691号に記載されているごとく多数の方法が知られており、一般には光導電性物質からなる感光体を利用し、種々の手段により該感光体上に電気的潜像を形成し、ついで該潜像をトナーを用いて現像を行って可視像とし、必要に応じて紙などの転写材にトナー画像を転写した後、熱・圧力などにより転写材上にトナー画像を定着して複写物または印刷物を得るものである。また、トナーを用いて現像する方法あるいは、トナー画像を定着する方法としては、従来、各種の方法が提案されている。これらの目的に使用するトナーは、一般的には、熱可塑性樹脂中に染料または顔料からなる着色剤を溶融混練し、均一に分散させた後、微粉砕装置により微粉砕し、微粉砕物を分級機により分級して所望の粒径を有するトナーを製造してきた。
【0003】
この製造方法では、かなり優れたトナーを製造し得るが、ある種の制限、すなわち、トナー用材料の選択範囲に制限がある。例えば、樹脂着色剤分散体が十分にもろく、経済的に可能な製造装置で微粉砕し得るものでなければならない。ところがこれらの要求を満たすために樹脂着色剤分散体をもろくすると、該分散体を実際に高速で微粉砕した場合、形成された粒子の粒径範囲が広くなりやすく、特に比較的大きな割合で微粒子がこれに含まれるという問題が生じる。さらにこのように脆性の高い材料から得られるトナーは、複写機等の現像器中でさらなる微粉砕ないしは粉化を受けやすい。また、この方法では、着色剤等の固体微粒子を樹脂中に完全に均一分散することは困難であり、その分散の度合によっては、画像形成時におけるカブリの増大、画像濃度低下、混色性あるいは透明性の不良の原因となるので、着色剤の分散には十分な注意を払わなければならない。また、粉砕粒子の破断面に着色剤が露出することにより、現像特性の変動を引き起こす場合もある。
【0004】
一方、これらの粉砕法によるトナーの問題点を克服するため、特公昭36−10231号、同43−10799号および同51−14895号公報等による懸濁重合法トナーを初めとして、各種重合法トナーやその製造方法が提案されている。たとえば、懸濁重合法トナーでは、重合性単量体、着色剤および重合開始剤、さらに必要に応じて架橋剤、荷電制御剤、その他添加剤を均一に溶解または分散せしめて単量体組成物とした後、該単量体組成物を分散安定剤を含有する連続相、たとえば、水相中に適当な撹拌機を用いて分散し、着色単量体粒子を生成させると同時に重合反応を行わせ、所望の粒径の着色重合体粒子を得る。得られた着色重合体粒子を含む懸濁液に酸またはアルカリ等を添加して、分散安定剤を水相に可溶化させ、次いで、洗浄、脱水、乾燥を行い、所望のトナー粒子を得る。
【0005】
この方法では、粉砕工程が全く含まれないため、トナー脆性が必要ではなく、樹脂として軟質の材料を使用することができ、また、粒子表面への着色剤の露出が生じず、均一な摩擦帯電性を有するトナーが得られるという利点がある。また、得られるトナーの粒度分布が比較的シャープなことから分級工程を省略または、分級したとしても、高収率でトナーが得られる。また、離型剤として低軟化点物質を多量にトナー中に内包化できることから、得られるトナーが耐オフセット性に優れるという利点がある。
【0006】
重合トナーの製造では、少なくとも重合性単量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を調製する混合工程、該重合性単量体組成物を高剪断力により、水系媒体中に分散させ、重合性単量体組成物の粒子を造粒する造粒工程を経た後、重合性単量体組成物の粒子中の重合性単量体を重合する重合工程、及び、重合後、得られた重合体粒子中に残存する重合性単量体を低減させる蒸留工程を有することが必須である。
【0007】
該重合工程及び/又は蒸留工程においては、内容物を加熱することが必須である。その際、一般的に好ましく用いられる加熱手段として、各工程の容器をジャケット構造とし、該ジャケット内部に熱媒体、例えば、温水、蒸気等を導入し、内容物を間接加熱する。そのような場合、内容物が、撹拌装置による撹拌の影響、内容物からの蒸発物の影響等により、気液界面や気相部の容器内壁面に付着し、この付着物が徐々に成長し、いずれは、剥がれ落ち、容器底面の排出部での詰まりの原因となったり、また、得られるトナー中に混在し、品質低下を引き起こす原因となる。特に、トナー中に混在した場合、粗大粒子として、後工程の分級工程で除去することは可能であるが、そのために工程が複雑になり、好ましくない。従来は、この付着物を除去するために、適宜、洗浄、例えば、高圧水による洗浄、溶剤を使用した洗浄等を行っているが、この場合、洗浄廃水の処理の問題、洗浄に要する時間による稼働率低下という問題を引き起こしているのが現状である。
【0008】
【発明が解決しようとする課題】
本発明の目的は、重合法による重合トナーの製造において、重合及び/または蒸留工程における容器内壁の付着を軽減し、品質の良好なトナーを製造する製造方法を提供することにある。
【0009】
本発明の目的は、従来方法に比べて、製造ラインの稼働率を向上させ、かつ、安定生産を可能にする重合トナーの製造方法を提供することにある。
【0010】
【課題を解決するための手段】
本発明は、少なくとも重合性単量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を調製する混合工程;該重合性単量体組成物を高剪断力により、水系媒体中に分散させ、重合性単量体組成物の粒子を造粒する造粒工程;該重合性単量体組成物の粒子中の重合性単量体を重合する重合工程;及び、重合後、得られた重合体粒子中に残存する重合性単量体を低減させる蒸留工程を有する重合トナーの製造方法であって、
該重合工程における重合温度が50〜90℃であり、
該重合工程及び/または蒸留工程が、ジャケットを有する容器内で行われ、該ジャケットが加熱部と冷却部を有し、かつ、容器内を撹拌翼で撹拌し、該撹拌翼が液相部中に存在し、
重合工程及び/または蒸留工程において、ジャケット加熱温度をT℃、ジャケット冷却温度をt℃とした時、T及びtが下記式
20≦T−t≦80
を満足することを特徴とする重合トナーの製造方法に関する。
【0011】
【発明の実施の形態】
以下、本発明を詳細に説明する。
【0012】
本発明の重合トナーは、少なくとも重合性単量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を調製・混合し、該重合性単量体組成物を高剪断力により、水系媒体中に分散させ、重合性単量体組成物の所望の粒子を造粒し、次いで、重合・蒸留を行うことにより、製造することができる。通常、造粒工程での粒子を形成させる撹拌装置と、重合・蒸留を行う撹拌装置とでは、目的が異なるため、造粒工程と重合・蒸留工程は、別々の容器で行われるのが一般的である。すなわち、造粒工程では、粒子を形成させるために、高剪断力を有する撹拌装置を使用し、重合・蒸留工程では、均一な撹拌が可能な撹拌装置を好ましく用いる。なお、重合工程と蒸留工程は、同一の容器で行う、または、別々の容器で行ってもかまわない。これは、同一の容器で行えば容器の数を削減でき、また、別々の容器で行えば製造タクトを短縮することも可能であり、適宜、選択すればよい。
【0013】
従来の重合・蒸留工程に好ましく用いられている装置について、図3を参照して説明する。図3において、1は容器本体、2は撹拌翼、3はジャケット、4は排出バルブである。造粒工程から適当な輸送手段により、移送された水及び重合性単量体組成物粒子の混合スラリーは、投入口6を介して図3に示す容器に投入され、重合及び蒸留を行う。その場合、容器のジャケット内部に熱源を導入し、内容物を所定の温度に加熱する。熱源としては、温水、加圧蒸気、減圧蒸気等が好ましく用いられる。重合工程では、反応系の重合温度を40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行う。蒸留工程では、同様に内容物の温度を加熱し、さらには、真空ポンプ等により減圧することにより、より効率的に粒子中の残留溶剤を除去することが可能である。
【0014】
図3に示した装置で重合あるいは蒸留を行った場合、液相部と気相部の界面の内壁部にスケールが多量に付着する。これは、ジャケットが容器の液相部・気相部両方にかかっており、液相部だけでなく液の存在しない気相部内壁を加熱していることに原因があると考えた。すなわち、気相中のガス状の重合性単量体及び撹拌により飛散したスラリー等が気相部分の壁面に吸着し、そこへ飛散した重合開始剤によって、あるいは、ジャケットにより加熱されることにより、その付着した部分で重合を開始するなどの理由によって、その付着物がより強固な状態となり、徐々に成長し、大きくなっていく。また、撹拌翼の一部が液相部より上部に存在する場合、その撹拌翼の露出部にも同様の付着物が生じる。かかる問題を解決するために、本発明者らは、鋭意検討の結果、本発明に至った。
【0015】
本発明の構成について、図1を用いて、より詳細に説明する。図1の構成の反応及び/又は蒸留容器では、容器ジャケット部が加熱ジャケット7と冷却ジャケット8に分割されている。加熱ジャケット7は、液面近傍9までカバーしており、内容物を加熱することを目的としている。これに対して、冷却ジャケット8は、気相部を冷却するように設置されており、内容液から蒸発してきた水蒸気やモノマー蒸気を冷却し、液化させ、その凝縮液により容器内面を洗い流すことが可能になる。
【0016】
加熱ジャケットと冷却ジャケットは、図1に示すように、別個に設置しても、また、1個のジャケットとして、内部で仕切って用いてもかまわない。加熱ジャケットには、温水、加圧蒸気、減圧蒸気等の熱源を投入し、また、冷却ジャケットには、冷却水、冷媒を流す。
【0017】
さらに、図1の装置では、撹拌翼2が、図3と異なり、液中に存在するため、撹拌翼上部のスケール付着も防止できる。本発明に好ましく用いられる撹拌翼形状としては、撹拌効率の観点から、フルゾーン撹拌翼(神鋼パンテック社製、図1及び3参照)、マックスブレンド撹拌翼(住友重機械工業社製、図2参照)、ベンドリーフ撹拌翼(八光産業社製)等がある。
【0018】
本発明のトナー製造方法において、十分なスケール付着防止効果を得るためには、容器内壁を洗い流すのに十分な凝縮液量が得られることが望ましく、かかる凝縮液量になるように、撹拌翼回転数、ジャケット加熱温度及びジャケット冷却温度等の条件が適宜設定される。特に、ジャケット加熱温度T℃とジャケット冷却温度t℃が、下記式
20≦T−t≦80
を満足するように条件設定を行うとより好ましい。すなわち、T−tが20℃未満の場合は、液温と冷却ジャケット部の温度差が小さいため、十分な凝縮液量が得られず、付着物を除去することが困難である。また、T−tが80℃を超える場合は、凝縮液量は十分であり、付着物の除去には問題ないが、気相部の冷却効果が強すぎるため、重合工程では、重合時間が長くなり、また、蒸留工程では、残存する単量体量を除去する効率が低下するため、好ましくない。通常、重合効率と蒸留効率を十分に検討し、その効率を阻害しない範囲で、かつ、スケール付着に効果的なTとtを選択するのが好ましい。
【0019】
さらには、本発明に使用される重合工程及び/または蒸留工程の容器内が、グラスライニング処理またはテフロンライニング処理されていることがより好ましい。容器内の接液部材質については、通常ステンレス製(SUS304,SUS316等)が用いられるが、スケールが非常に付着しやすく、また、付着した場合、取り除くのに多大な労力を要する。これに対して、グラスライニング処理またはテフロンライニング処理されているとスケールが付着しずらく、また、付着しても、取り除くのが容易であり、本発明に好ましく用いることができる。
【0020】
本発明方法においては、重合工程と蒸留工程とを同一の容器内で行ってもよいが、容器を分けることで機能分離を行い、タクトの短縮を図ることは、より好ましい。その場合、重合工程と蒸留工程でそれぞれにあった容器形状に設計することができ、効率上もより好ましい。特に、本発明方法は、蒸留工程での付着物軽減に、より効果的である。すなわち、蒸留工程では、積極的に水分や単量体成分等を蒸発させるため、重合工程よりもスケールが付着しやすく、本発明は好ましく用いられる。
【0021】
なお、本発明方法は、通常の容器内を洗浄するための洗浄ノズル等と組み合わせて使用しても構わない。その場合は、洗浄ノズルから噴出される水等の媒体は、適宜、容器の気相部内壁及び撹拌軸等に噴出するのが好ましい。
【0022】
次に、重合トナーの構成素材について説明する。
【0023】
本発明に用いられる重合性単量体としては、スチレン,o(m−,p−)−メチルスチレン,m(p−)−エチルスチレン等のスチレン系単量体;(メタ)アクリル酸メチル,(メタ)アクリル酸エチル,(メタ)アクリル酸プロピル,(メタ)アクリル酸ブチル,(メタ)アクリル酸オクチル,(メタ)アクリル酸ドデシル,(メタ)アクリル酸ステアリル,(メタ)アクリル酸ベヘニル,(メタ)アクリル酸2−エチルヘキシル,(メタ)アクリル酸ジメチルアミノエチル,(メタ)アクリル酸ジエチルアミノエチル等の(メタ)アクリル酸エステル系単量体;ブタジエン,イソプレン,シクロヘキセン,(メタ)アクリロニトリル,アクリル酸アミド等のエン系単量体が好ましく用いられる。これらは、単独または一般的には出版物ポリマーハンドブック第2版III−P139〜192(John Wi1ey&Sons社製)に記載の理論ガラス転移温度(Tg)が、40〜80℃を示すように単量体を適宜混合し用いられる。理論ガラス転移温度が40℃未満の場合には、トナーの保存安定性やトナーの耐久安定性の面から問題が生じ、一方80℃を超える場合は定着点の上昇をもたらし、特にフルカラートナーの場合においては各色現像剤の混色が不十分となり色再現性に乏しく、更にOHP画像の透明性を著しく低下させ高画質の面から好ましくない。
【0024】
結着樹脂(外殻樹脂)の分子量は、GPC(ゲルパーミエーションクロマトグラフィー)により測定される。具体的なGPCの測定方法としては、予めトナーをソックスレー抽出器を用いトルエン溶剤で20時間抽出を行った後、ロータリーエバポレーターでトルエンを留去せしめ、更に低軟化点物質は溶解するが外殻樹脂は溶解し得ない有機溶剤例えばクロロホルム等を加え十分洗浄を行った後、THF(テトラヒドロフラン)に可溶した溶液をポア径が0.3μmの耐溶剤性メンブランフィルターでろ過したサンプルをウォーターズ社製150Cを用い、カラム構成は昭和電工製A−801、802、803、804、805、806、807を連結し標準ポリスチレン樹脂の検量線を用い分子量分布を測定し得る。得られた樹脂成分の数平均分子量(Mn)は、5000〜1,000,000であり、重量平均分子量(Mw)と数平均分子量(Mn)の比(Mw/Mn)は、2〜100を示す外殻樹脂が本発明には好ましい。
【0025】
また、トナーにコア/シェル構造をもたせる場合、コア部の主たる成分としては低軟化点物質が好ましく、ASTM D3418−8に準拠し測定された主体極大ピーク値が、40〜90℃を示す化合物が好ましい。極大ピークが40℃未満であると低軟化点物質の自己凝集力が弱くなり、結果として耐高温オフセット性が弱くなり好ましくない。一方極大ピークが、90℃を超えると定着温度が高くなり、好ましくない。更に極大ピーク値の温度が高いと主に造粒中に低軟化点物質が析出してきて懸濁系を阻害するため好ましくない。
【0026】
極大ピーク値の温度の測定には、例えばパーキンエルマー社製DSC−7を用いる。装置検出部の温度補正はインジウムと亜鉛の融点を用い、熱量の補正についてはインジウムの融解熱を用いる。サンプルはアルミニウム製パンを用い対照用に空パンをセットし、昇温速度10℃/minで測定を行った。
【0027】
具体的にはパラフィンワックス,ポリオレフィンワックス,フィッシャートロピッシュワックス,アミドワックス,高級脂肪酸,エステルワックス及びこれらの誘導体又はこれらのグラフト/ブロック化合物等が利用できる。
【0028】
また、低軟化点物質はトナー中へ5〜30質量%添加することが好ましい。仮に5質量%未満の添加では先に述べた残存モノマーの除去に負担がかかり、また30質量%を超える場合は、重合法による製造においても造粒時にトナー粒子同士の合一が起きやすく、粒度分布の広いものが生成しやすく、本発明には不適当であった。
【0029】
低軟化点物質を内包化せしめる具体的方法としては、水系媒体中での材料の極性を主要単量体より低軟化点物質の方を小さく設定し、更に少量の極性の大きな樹脂又は単量体を添加せしめることで低軟化点物質を外殻樹脂で被覆した所謂コア/シェル構造を有するトナーを得ることができる。トナーの粒度分布制御や粒径の制御は、難水溶性の無機塩や保護コロイド作用をする分散剤の種類や添加量を変える方法や機械的装置条件、例えばローターの周速,パス回数,撹拌羽根形状等の撹拌条件や容器形状又は、水溶液中での固形分濃度等を制御することにより所定の本発明のトナーを得ることができる。
【0030】
本発明においてトナーの断層面を測定する具体的方法としては、常温硬化性のエポキシ樹脂中にトナーを十分分散させた後、温度40℃の雰囲気中で2日間硬化させ、得られた硬化物を四三酸化ルテニウム、必要により四三酸化オスミウムを併用し染色を施した後、ダイヤモンド歯を備えたミクロトームを用い薄片状のサンプルを切り出し透過電子顕微鏡(TEM)を用いトナーの断層形態を測定した。本発明においては、用いる低軟化点物質と外殻を構成する樹脂との若干の結晶化度の違いを利用して材料間のコントラストを付けるため四三酸化ルテニウム染色法を用いることが好ましい。
【0031】
本発明においては、コア/シェル構造を有するトナーを製造する場合、外殻樹脂中に低軟化点物質を内包化せしめるため、外殻樹脂の他に更に極性樹脂を添加せしめることが特に好ましい。本発明に用いられる極性樹脂としては、スチレンと(メタ)アクリル酸の共重合体,マレイン酸共重合体,飽和ポリエステル樹脂,エポキシ樹脂が好ましく用いられる。該極性樹脂は、外殻樹脂又は単量体と反応しうる不飽和基を分子中に含まないものが特に好ましい。不飽和基を有する極性樹脂を含む場合においては、外殻樹脂層を形成する単量体と架橋反応が起きフルカラー用トナーとしては、極めて高分子量になり四色トナーの混色には不利となり好ましくない。
【0032】
また、本発明においては、トナーの表面にさらに最外殻樹脂層を設けても良い。該最外殻樹脂層のガラス転移温度は、耐ブロッキング性のさらなる向上のため外殻樹脂層のガラス転移温度以上に設計されること、さらに定着性を損なわない程度に架橋されていることが好ましい。また、該最外殻樹脂層には帯電性向上のため極性樹脂や荷電制御剤が含有されていることが好ましい。
【0033】
該最外殻層を設ける方法としては、特に限定されるものではないが例えば以下のような方法が挙げられる。
1)重合反応後半または終了後、反応系中に必要に応じて、極性樹脂,荷電制御剤,架橋剤等を溶解・分散したモノマーを添加し重合粒子に吸着させ、重合開始剤を添加し重合を行う方法。
2)必要に応じて、極性樹脂,荷電制御剤,架橋剤等を含有したモノマーからなる乳化重合粒子またはソープフリー重合粒子を反応系中に添加し、重合粒子表面に凝集、必要に応じて熱等により固着させる方法。
3)必要に応じて、極性樹脂,荷電制御剤,架橋剤等を含有したモノマーからなる乳化重合粒子またはソープフリー重合粒子を乾式で機械的にトナー粒子表面に固着させる方法。
【0034】
本発明に用いられる着色剤は、黒色着色剤としてカーボンブラック,磁性体,以下に示すイエロー/マゼンタ/シアン着色剤が用いられる。
【0035】
イエロー着色剤としては、縮合アゾ化合物,イソインドリノン化合物,アンスラキノン化合物,アゾ金属錯体,メチン化合物,アリルアミド化合物に代表される化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントイエロー12、13、14、15、17、62、74、83、93、94、95、109、110、111、128、129、147、168等が好適に用いられる。
【0036】
マゼンタ着色剤としては、縮合アゾ化合物,ジケトピロロピロール化合物,アンスラキノン,キナクリドン化合物,塩基染料レーキ化合物,ナフトール化合物,ベンズイミダゾロン化合物,チオインジゴ化合物,ペリレン化合物が用いられる。具体的には、C.I.ピグメントレッド2、3、5、6、7、23、48:2、48:3、48:4、57:1、81:1、144、146、166、169、177、184、185、202、206、220、221、254が特に好ましい。
【0037】
シアン着色剤としては、銅フタロシアニン化合物及びその誘導体,アンスラキノン化合物,塩基染料レーキ化合物等が利用できる。具体的には、C.I.ピグメントブルー1、7、15、15:1、15:2、15:3、15:4、60、62、66等が特に好適に利用できる。
【0038】
これらの着色剤は、単独又は混合し更には固溶体の状態で用いることができる。本発明の着色剤は、色相角,彩度,明度,耐侯性,OHP透明性,現像剤中への分散性の点から選択される。該着色剤の添加量は、樹脂100質量部に対し1〜20質量部添加して用いられる。
【0039】
黒色着色剤として磁性体を用いた場合には、他の着色剤と異なり、樹脂100質量部に対し40〜150質量部添加して用いられる。
【0040】
本発明に用いられる荷電制御剤としては、公知のものが利用できるが、無色で現像剤の帯電スピードが速く且つ一定の帯電量を安定して維持できる荷電制御剤が好ましい。更に本発明において直接重合法を用いる場合には、重合阻害性が無く水系への可溶化物の無い荷電制御剤が特に好ましい。具体的化合物としては、ネガ系としてサリチル酸、ナフトエ酸、ダイカルボン酸の金属化合物,スルホン酸、カルボン酸を側鎖に持つ高分子型化合物,ホウ素化合物,尿素化合物,ケイ素化合物,カリークスアレーン等が利用でき、ポジ系として四級アンモニウム塩,該四級アンモニウム塩を側鎖に有する高分子型化合物,グアニジン化合物,イミダゾール化合物等が好ましく用いられる。該荷電制御剤は樹脂100質量部に対し0.5〜10質量部が好ましい。しかしながら、本発明において荷電制御剤の添加は必須ではなく、二成分現像方法を用いた場合においては、キャリアとの摩擦帯電を利用し、非磁性一成分ブレードコーティング現像方法を用いた場合においてもブレード部材やスリーブ部材との摩擦帯電を積極的に利用することでトナー中に必ずしも荷電制御剤を含む必要はない。
【0041】
本発明で使用される重合開始剤として例えば、2,2’−アゾビス−(2,4−ジメチルバレロニトリル)、2,2’−アゾビスイソブチロニトリル、1,1’−アゾビス(シクロヘキサン−1−カルボニトリル)、2,2’−アゾビス−4−メトキシ−2,4−ジメチルバレロニトリル、アゾビスイソブチロニトリル等のアゾ系又はジアゾ系重合開始剤;ベンゾイルペルオキシド、メチルエチルケトンペルオキシド、ジイソプロピルペルオキシカーボネート、クメンヒドロペルオキシド、2,4−ジクロロベンゾイルペルオキシド、ラウロイルペルオキシド等の過酸化物系重合開始剤が用いられる。該重合開始剤の添加量は、目的とする重合度により変化するが一般的には単量体に対し0.5〜20質量%添加され用いられる。重合開始剤の種類は、重合法により若干異なるが、十時間半減期温度を参考に、単独又は混合し利用される。
【0042】
重合度を制御するため公知の架橋剤,連鎖移動剤,重合禁止剤等を更に添加し用いることも可能である。
【0043】
本発明のトナー製造方法として懸濁重合を利用する場合には、用いる分散剤として例えば無機系酸化物として、リン酸三カルシウム,リン酸マグネシウム,リン酸アルミニウム,リン酸亜鉛,炭酸カルシウム,炭酸マグネシウム,水酸化カルシウム,水酸化マグネシウム,水酸化アルミニウム,メタケイ酸カルシウム,硫酸カルシウム,硫酸バリウム,ベントナイト,シリカ,アルミナ,磁性体,フェライト等が挙げられる。有機化合物としては、ポリビニルアルコール,ゼラチン,メチルセルロース,メチルヒドロキシプロピルセルロース,エチルセルロース,カルボキシメチルセルロースのナトリウム塩,デンプン等を水相に分散させて使用できる。これら分散剤は、重合性単量体100質量部に対して0.2〜10.0質量部を使用することが好ましい。
【0044】
これら分散剤は、市販のものをそのまま用いても良いが、細かい均一な粒度を有する分散粒子を得るために、分散媒中にて高速撹拌下にて該無機化合物を生成させることもできる。例えば、リン酸三カルシウムの場合、高速撹拌下において、リン酸ナトリウム水溶液と塩化カルシウム水溶液を混合することで懸濁重合法に好ましい分散剤を得ることができる。
【0045】
また、これら分散剤の微細化の為に、0.001〜0.1質量部の界面活性剤を併用してもよい。具体的には市販のノニオン,アニオン,カチオン型の界面活性剤が利用でき、例えば、ドデシルベンゼン硫酸ナトリウム,テトラデシル硫酸ナトリウム,ペンダデシル硫酸ナトリウム,オクチル硫酸ナトリウム,オレイン酸ナトリウム,ラウリル酸ナトリウム,ステアリン酸カリウム,オレイン酸カルシウム等が挙げられる。
【0046】
本発明の重合トナーの製造方法においては、以下の如き製造方法によって具体的にトナーを製造することができる。
【0047】
即ち、重合性単量体中に低軟化点物質からなる離型剤,着色剤,荷電制御剤,重合開始剤その他の添加剤を加え、ホモジナイザー,超音波分散機等によって均一に溶解又は分散せしめた単量体系を、分散安定剤を含有する水相中でインライン式粒度分布測定器等にてモニタリングしながら、ホモミキサー等により分散せしめる。単量体組成物からなる液滴が所望のトナー粒子のサイズが得られた段階で、造粒を停止する。その後は、図1又は図2に示した装置において、分散安定剤の作用により粒子状態が維持され、且つ粒子の沈降が防止される程度の撹拌を行えば良い。重合温度は40℃以上、一般的には50〜90℃の温度に設定して重合を行うのが良い。また、重合反応後半に昇温しても良く、更に、未反応の重合性単量体,副生成物等を除去するために重合反応後半、又は、反応終了後に一部水系媒体を留去する蒸留を行う。重合反応、蒸留終了後、生成したトナー粒子を洗浄・濾過により回収し、乾燥する。懸濁重合法においては、通常単量体系100質量部に対して水300〜3000質量部を分散媒として使用するのが好ましい。
【0048】
各種トナー特性付与を目的として使用される外添剤としては、トナーに添加した時の耐久性の点から、トナー粒子の重量平均径の1/10以下の粒径であることが好ましい。この添加剤の粒径とは、電子顕微鏡におけるトナー粒子の表面観察により求めたその平均粒径を有する。外添剤としては、たとえば、以下のようなものが用いられる。
【0049】
金属酸化物(酸化アルミニウム,酸化チタン,チタン酸ストロンチウム,酸化セリウム,酸化マグネシウム,酸化クロム,酸化錫,酸化亜鉛など)・窒化物(窒化ケイ素など)・炭化物(炭化ケイ素など)・金属塩(硫酸カルシウム,硫酸バリウム,炭酸カルシウムなど)・脂肪酸金属塩(ステアリン酸亜鉛,ステアリン酸カルシウムなど)・カーボンブラック・シリカなど。
【0050】
これら外添剤は、トナー粒子100質量部に対し、0.01〜10質量部が用いられ、好ましくは0.05〜5質量部が用いられる。これら外添剤は、単独で用いても、また、複数併用しても良い。それぞれ疎水化処理を行ったものが、より好ましい。
【0051】
トナーの平均粒径及び粒度分布はコールターカウンターTA−II型あるいはコールターマルチサイザー(コールター社製)等種々の方法で測定可能であるが、本発明においてはコールターカウンターTA−II型(コールター社製)を用い、個数分布,体積分布を出力するインターフェイス(日科機製)及びPC9801パーソナルコンピューター(NEC製)を接続し、電解液は1級塩化ナトリウムを用いて1%NaCl水溶液を調製する。たとえば、ISOTON R−II(コールターサイエンティフィックジャパン社製)が使用できる。測定法としては、前記電解水溶液100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスルフォン酸塩を0.1〜5ml加え、更に測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない前記コールターカウンターTA−II型によりアパチャーとして100μmアパチャーを用いて、2μm以上のトナーの体積,個数を測定して体積分布と個数分布とを算出した。それから、本発明に係わる体積分布から求めた体積基準の重量平均粒径(D4:各チャンネルの中央値をチャンネルの代表値とする)と重量変動係数(S4)、個数分布から求めた個数基準の長さ平均粒径(D1)と長さ変動係数(S1)を求めた。
【0052】
画像濃度は(5mm角,5mm丸,ベタ黒)をマクベス濃度計(マクベス社製)にて測定した数値である。
【0053】
【実施例】
以下、具体的な製造方法をもって本発明をさらに詳細に説明するが、本発明はなんらこれらに限定されるものではない。
【0054】
<実施例1>
温度調整のためのジャケットを有する造粒容器にイオン交換水15.0質量部、0.1M−Na3PO4水溶液14.4質量部を投入し、60℃に加温した後、クレアミックス(エム・テクニック製)を用いて、5000rpmにて撹拌した。これに、1.0M−CaCl2水溶液2.18質量部を添加し、Ca3(PO4)2を含む水系媒体を得た。
【0055】
一方、
(モノマー)スチレン 5.28質量部
n−ブチルアクリレート 1.12質量部
(着色剤)C.I.ピグメントブルー15:3 0.5質量部
(荷電制御剤)サリチル酸金属化合物 0.08質量部
(極性レジン)飽和ポリエステル 0.3質量部
(酸価10mgKOH/g,ピーク分子量;7500)
(離型剤)エステルワックス(融点70℃) 1.0質量部
上記材料を温度調節のためのジャケットを有する混合容器(撹拌機付)に入れ、60℃に加温し、均一に溶解,分散した。これに、重合開始剤2,2’−アゾビス(2,4−ジメチルバレロニトリル)0.3質量部を溶解し、重合性単量体組成物を調製した。
【0056】
前記水系媒体中に上記重合性単量体組成物を投入し、60℃,N2雰囲気下において、クレアミックス撹拌装置にて5000rpm(羽根の先端周速:24.9m/s)で撹拌し、重合性単量体組成物を造粒した。その後、造粒を終了した重合性単量体組成物を図1に示す重合容器(材質:グラスライニング製)に移送し、フルゾーン撹拌翼(神鋼パンテック社製)で撹拌しつつ、加熱ジャケットには65℃の温水を、冷却ジャケットには20℃の冷却水を通水し、液温を60℃に調整しながら、5時間反応させた(T−t=45℃)。
【0057】
その後、加熱ジャケット温水温度を85℃に調節し、冷却ジャケットには、同様に20℃の冷却水を通水し、内容物の液温を80℃に昇温させ、さらに3時間重合反応させた(T−t=65℃)。重合反応終了後、350Torrに気相部の圧力を調整し、液温を80℃に調整しつつ、5時間減圧蒸留させ、残存モノマーを留去した。なお、フルゾーン撹拌翼は常に液中に存在するように調整した。
【0058】
蒸留終了後、内容液を室温まで冷却し、液を次工程である酸洗浄タンクに開口径1mmのスクリーンを通して移送した。その際、スクリーン上には粗粒分の残留は見られなかった。また、移送後の容器内を点検したところ、気液界面でのスケール付着はほとんど見られず、連続して生産を行うことが可能であった。酸洗浄タンクに移送された液に、塩酸を加え、リン酸カルシウムを溶解させた後、ろ過,水洗,乾燥を行い、着色粒子を得た。該着色粒子をコールターマルチサイザーで粒度分布を測定したところ、重量平均径6.8μm、4μm以下の粒子が15.0個数%、10.1μm以上の粒子が3.5体積%であり、非常に粒度分布がシャープであった。また、トナー断層面を観察したところ、コア/シェル構造が確認された。
【0059】
得られた着色粒子100質量部に対して、BET法による比表面積が200m2/gである疎水性シリカを外添し、懸濁重合トナーを得た。このトナー5質量部に対し、アクリルコートされたフェライトキャリア95質量部を混合し、現像剤とした。この現像剤を用いて、キヤノン製フルカラー複写機CLC500改造機で連続5000枚の画出し評価を行ったところ、カブリもなく、画像濃度も安定し、良好な画像が得られた。また、帯電安定性に優れ、高温高湿の環境下でも帯電量の低下はみられず、安定した良好な画像が得られた。
【0060】
<実施例2>
実施例1と同様に造粒を終了した重合性単量体組成物を、図1に示す重合容器(材質:SUS304)に移送し、実施例1と同条件で重合・蒸留を行った。蒸留終了後の容器内面を点検したところ、実施例1に比べて、気液界面に少量の付着物がみられたが、連続10バッチの生産までは、特に清掃を必要としなかった。なお、実施例1と同様に後処理を行い、画像評価を実施したが、品質上の懸念点は見られなかった。
【0061】
<実施例3>
実施例1と同様に造粒を終了した重合性単量体組成物を、図2に示す重合容器(材質:グラスライニング製、撹拌翼:マックスブレンド)を用いて、実施例1と同条件で重合・蒸留を行った。なお、マックスブレンド撹拌翼は、常に液中に存在するように調整した。蒸留終了後の容器内面を点検したところ、実施例1と同様に気液界面での付着は見られず、次工程への移送に使用した開口径1mmのスクリーン上にも粗粒分の残留は見られなかった。また、実施例1と同様に後処理を行い、画像評価を実施したが、品質上の懸念点は見られなかった。
【0062】
<比較例1>
実施例1と同様に造粒を終了した重合性単量体組成物を、図3に示す重合容器(材質:グラスライニング製)に移送し、重合・蒸留を行った。撹拌翼はフルゾーン撹拌翼を使用し、気相部に撹拌翼の上部が突出している状態で行った。ジャケットには、65℃の温水を通水し、液温を60℃に調整しながら、5時間反応させた後、ジャケット温水温度を85℃に調節し、液温を80℃に昇温させ、さらに3時間重合反応させた。重合反応終了後、350Torrに気相部の圧力を調整し、液温を80℃に調整しつつ、5時間減圧蒸留させ、残存モノマーを留去した。蒸留終了後、内溶液を室温まで冷却し、液を次工程である酸洗浄タンクに開口径1mmのスクリーンを通して移送した。その際、スクリーン上を点検したところ、数cm角の凝固物が多数見られた。また、移送後の容器内を点検したところ、気液界面全周にわたって、厚さ1cm程度のスケール付着が見られ、また、撹拌翼の気相部に突出していた箇所全面に強固な付着物がみられた。この状態で連続生産を行ったところ、5バッチまで可能であったが、それ以上はスケール付着物が剥離し、そのため、排出バルブが閉塞し、生産不能となった。また、生産再開するに当たって、付着物の除去に10時間以上の時間を要した。
【0063】
<比較例2>
実施例1と同様に造粒を終了した重合性単量体組成物を、図3に示す重合容器(材質:SUS304製)に移送し、比較例1と同条件で、重合・蒸留を行った。比較例1と同様に蒸留後の液を開口径1mmのスクリーンを通して、次工程への移送を行ったが、移送途中でスクリーンが閉塞し、全量を移送することができなかった。また、容器内面を点検したところ、1バッチの生産で比較例1の5バッチ分と同等のスケール付着状況であり、毎バッチの清掃を余儀なくされ、連続生産は不可能な状態であった。
【0064】
【発明の効果】
以上説明したように、本発明方法によれば、重合トナーの製造における重合・蒸留工程での容器内付着を効率的に軽減でき、生産効率の向上、安定化を達成することができる。さらには、スケール付着物が原因と考えられる大粒径の異形化粒子を削減することができ、生成したトナーにより高品質の安定した画像を得ることができる。
【図面の簡単な説明】
【図1】本発明方法を説明するための装置図である。
【図2】本発明方法を説明するための別の装置図である。
【図3】従来技術を説明するための装置図である。
【符号の説明】
1 容器本体
2 撹拌翼
3 ジャケット
4 排出バルブ
5 撹拌翼モーター
6 投入口
7 加熱ジャケット
8 冷却ジャケット
9 液面
Claims (2)
- 少なくとも重合性単量体と着色剤とを含有する重合性単量体組成物を調製する混合工程;該重合性単量体組成物を高剪断力により、水系媒体中に分散させ、重合性単量体組成物の粒子を造粒する造粒工程;該重合性単量体組成物の粒子中の重合性単量体を重合する重合工程;及び、重合後、得られた重合体粒子中に残存する重合性単量体を低減させる蒸留工程を有する重合トナーの製造方法であって、
該重合工程における重合温度が50〜90℃であり、
該重合工程及び/または蒸留工程が、ジャケットを有する容器内で行われ、該ジャケットが加熱部と冷却部を有し、かつ、容器内を撹拌翼で撹拌し、該撹拌翼が液相部中に存在し、
重合工程及び/または蒸留工程において、ジャケット加熱温度をT℃、ジャケット冷却温度をt℃とした時、T及びtが下記式
20≦T−t≦80
を満足することを特徴とする重合トナーの製造方法。 - 重合工程及び/または蒸留工程の容器内が、グラスライニング処理またはテフロンライニング処理されていることを特徴とする請求項1に記載の重合トナーの製造方法。
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