JP2011008018A - 静電荷像現像用トナーの製造方法 - Google Patents
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Abstract
【解決手段】少なくとも、有機溶媒中に結着樹脂と着色剤を含有する有機溶媒組成物を、水系媒体中で乳化、分散する工程と、得られた乳化分散液を減圧条件下に維持すると共に、減圧水蒸気と直接接触することにより前記有機溶媒を除去する有機溶媒除去工程とを備えていることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
【選択図】図1
Description
しかしながら、通常の混練粉砕法により得られるトナーは、技術的に小粒径化が限界に近づきつつあり、その形状は不定形で、粒径分布はブロードとなり、定着エネルギーが高いなど様々な問題点があった。
特に定着においては、粉砕法で作製された混練粉砕型のトナーは、粉砕が離型剤(ワックス)の界面で割れるため表面に多く存在するので、離型効果が出やすくなる一方、キャリアや感光体、さらにブレードへの付着が起こりやすく、性能としては不満足のものであった。
一般に懸濁重合法では、重合性単量体、着色剤、離型剤、重合開始剤、及び分散剤を溶融、混合、分散し、これより得られた溶液(以下「油相」とする)に、水もしくは水に分散安定剤や粘度調整に用いる増粘剤を混合した溶液(以下「水相」とする)の2液より該水相中に油相を投与し高剪断をかけO/Wエマルジョン(以下「乳化分散液」)を作製し、重合させ、着色重合体粒子(トナー)を造粒している。
この懸濁重合法では、粉砕法と異なり、低粘度の溶液中で離型剤、着色剤を分散させるため、より均一な組成のトナーを得ることが可能であり、また、懸濁重合法により得られる粒子は球形であり、きわめてシャープな粒径分布を有する重合トナーを高収率で得ることができる。
画像面積率の低い現像・転写では転写残トナーが少なく、クリーニング不良が問題となることはないが、写真画像など画像面積率の高いもの、さらには、給紙不良等で未転写の画像形成したトナーが感光体上に転写残トナーとして発生することがあり、蓄積すると画像汚れを発生してしまう。
また、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまう。
更に、重合法に比べ、使用する結着樹脂種が幅広く選択できる、揮発性有機化合物の低減が容易である、着色剤等の濃度を低濃度から高濃度まで任意に変えることが容易である、などという長所を有しており、小粒径の球形トナーの製法として優れた特徴を持っている。
また、例えば、特許文献3の特開2000−275907号公報、特許文献4の特開2001−305797号公報には、有機溶剤除去時の問題解決ではないが、上記乳化分散法の抱える界面活性剤の使用における問題点を改良した技術についての提案もなされている。
また、例えば、特許文献6の特開2002−287400号公報、特許文献7の特開2002−351143号公報には、小粒径トナーとした場合の粉体流動性、転写性に優れるとともに、耐熱保存性、低温定着性、耐ホットオフセット性のいずれにも優れた乾式トナーについての提案もなされている。
これらの公報に記載されたトナーの製造方法は、イソシアネート基含有ポリエステルプレポリマーを、有機溶媒及び水系媒体中でアミンと重付加反応させる高分子量化工程と、加温等による有機溶媒を除去する工程とを含むものである。
特許文献8の特開2005−77776号公報には、減圧下に不活性ガスをバブリングする際、気相接触表面積をタンクの水平断面積より大にし、タンク上方より乳化分散液をミスト状にスプレーすること等をはじめ、有機溶媒の除去方法について詳細に述べられているが、この乳化分散液は、水溶性溶媒メチルエチルケトンを含むものである。
また、特許文献9の特開2001−242663号公報には、重合トナーの製造法における攪拌による液面コントロールにより、微粉・粗粉の少ないシャープな粒度分布を得る方法が提案されているが、間接加熱であるため加熱面への粒子固着が発生し易いという欠点がある。
特に、乳化/分散液から、加温下にて、有機溶媒を除去する工程を有する重合トナーの製造方法においては、装置内の皮張り/付着は大きな問題となり得る。
この問題に対し、一般的に、装置内の洗浄に、高圧水や溶剤を用いたりして対処しているが、液面上部に発生する皮張り/付着物は固化して、除去するのが困難なものになっている。
また、乳化/分散液を加温することにより、乳化/分散液の安定性が低下し、凝集による粗粉の発生も確認されるため、効率のよい生産性の達成に対して、大きな障害となっている。
(1)「少なくとも、有機溶媒中に結着樹脂と着色剤を含有する有機溶媒組成物を水系媒体中で乳化、分散する工程と、得られた乳化分散液を減圧条件下に維持すると共に、減圧水蒸気と直接接触することにより前記有機溶媒を除去する有機溶媒除去工程とを備えていることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法」、
(2)「前記有機溶媒除去工程が、前記乳化分散液を間接加熱するための間接加熱手段を有さないものであることを特徴とする前記第(1)項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」、
(3)「前記乳化分散液に接触する水蒸気の温度が20℃以上100℃未満であることを特徴とする前記第(1)項及び第(2)項のいずれかに記載のトナー粒子製造方法」、
(4)「前記乳化分散液の重量Waと、該乳化分散液と接触した蒸気の重量Wbとが下記式(1)の関係を有することを特徴とする前記第(1)項乃至第(3)項のいずれかに記載のトナー粒子製造方法
0.05≦Wb/Wa≦0.5・・・(1)」、
(5)「前記有機溶媒除去工程が、前記乳化分散液を蒸留カラムに供給し、該カラム内を減圧条件下に維持すると共に、減圧水蒸気を乳化分散液と接触させることで、有機溶媒を除去するものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」、
(6)「前記有機溶媒除去工程が、前記乳化分散液から除去された有機溶媒と減圧水蒸気を凝縮回収し、この凝縮液を乳化分散液に還流するものであることを特徴とする前記第(5)項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」、
(7)「前記有機溶媒除去工程が、前記乳化分散液をタンクに収容し、該タンク内を減圧条件下に維持すると共に、減圧水蒸気を乳化分散液中にバブリングすることにより有機溶媒を除去するものであることを特徴とする前記第(1)項乃至第(4)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」、
(8)「前記タンクに攪拌翼を備えた攪拌機により攪拌しながらバブリングすることを特徴とする前記第(7)項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」、
(9)「前記有機溶媒除去工程が、消泡剤を含む前記乳化分散液から有機溶媒除去を行なうものであることを特徴とする前記第(5)項乃至第(8)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」、
(10)「前記乳化分散液に接する材質が撥水性材料で形成されることを特徴とする前記第(5)項乃至第(9)項のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。」。
本発明の上記(1)項に係る静電荷像現像用トナーの製造方法は、少なくとも、有機溶媒中に結着樹脂と着色剤を含有する有機溶媒組成物を水系媒体中で乳化、分散する工程と、得られた乳化分散液を減圧条件下に維持すると共に、減圧水蒸気と直接接触することにより前記有機溶媒を除去する有機溶媒除去工程とを備えていることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法である。
有機溶媒除去のため、乳化分散液と接触した水蒸気は、乳化分散液と熱交換を行ない、有機溶媒を蒸発させる。水蒸気は、凝縮する際に大きな熱量を乳化分散液に与えることができるため、前記特許文献8,12等記載の窒素などの不活性ガスや、前記特許文献12、13等記載の水溶性有機溶媒よりも格段に適している。不活性ガスなどを使用した場合には、乳化分散液の液温を維持するため、別途、加熱設備が必要となり、この設備内で皮張り/付着が発生する。
有機溶媒が蒸発した乳化分散液は、トナー濃度が上昇する。
上記溶媒除去操作に水蒸気を用いることで、有機溶媒蒸発熱量分の水蒸気が凝縮し、乳化分散液のトナー濃度上昇を防ぐことができ、トナー濃度上昇に起因する乳化分散液の装置壁への付着、皮張りの発生、トナー凝集を抑制できる。
飽和水蒸気は、過熱水蒸気よりも凝縮量が多いため、トナー濃度上昇をより抑制できるため、好ましい。
水蒸気温度は、高温であると乳化分散液の分散安定性が低下し、凝集が発生するため、100℃以下にすることが必要となる。水蒸気を100℃未満にするためには、大気圧以下に減圧する必要がある。
また、20℃未満の水蒸気温度では、乳化分散液中の有機溶媒が除去され難くなる。温度範囲は20〜50℃が好ましい。
0.05≦Wb/Wa≦0.5・・・式(1)
上記式(1)のWb/Waは、有機溶媒を除去される前の乳化分散液の重量と、有機溶媒除去に使用した水蒸気量の総量の比を示すものである。
Wb/Waを(1)式の範囲に保つことにより、有機溶媒を除去しつつトナーの凝集を抑え、また装置内の泡の発泡、付着物を抑制できる。
ここでWb/Waが高すぎると乳化分散液の飛び散りが発生し装置内付着物が増え、付着物に含まれるトナー凝集物が乳化分散液に混入する。逆にWb/Waが低すぎると、有機溶媒除去に必要な熱量を供給することができず、乳化分散液中の有機溶媒が除去され難くなる。
好ましい範囲は、0.1≦Wb/Wa≦0.3である。
本発明に使用される蒸留カラム(以下“蒸留カラム”を“カラム”という)の種類は特に限定されないが、棚段または充填層を有するカラムよりも、内容物がないカラムを水平もしくは液が滞らない程度の勾配をつけ設置したカラムが、装置内付着物を抑制できるので好ましい。
また、本発明には、流下膜式のカラムにも適応することができる。
乳化分散液は、カラム上部から供給され、カラム中を下方に移動して、カラム下部に至る。
このカラムに水蒸気を供給し、乳化分散液と水蒸気が接触することで有機溶媒を除去する。ここで、本発明では、水蒸気の接触方式を限定しないが並流接触よりも向流接触のほうが、より多くの有機溶剤を除去できるので好ましい。
上記凝縮液の還流を行なうことにより、少ない水蒸気量で有機溶媒の除去が可能となり、水蒸気との接触で生じる泡の発生と、それに伴う装置内付着物を抑制することができる。
本発明方法において、有機溶媒を除去する工程の途中、または終了後に、液面上部のリング状の皮張りや付着物の発生を効果的に抑制できる。これにより、確実に装置内の洗浄の簡易化でき、あるいは洗浄レスでの連続使用が可能となる。
有機溶媒組成物、または重合性単量体組成物の重量比が多い場合は、乳化状態が不安定となり、乳化液の粗大化が顕著となり、連続的に安定な粒子径が得られなくなる。
また、水系分散媒体の重量比が多い場合は、油滴粒子の剪断力による切断が不充分となり、目的とするトナーの小粒径化が困難となる。
酸価付与については、トナーの紙への接着性向上のために有利であり、2KOHmg/g以上の酸価が必要である。しかしながら30KOHmg/g以上であると、乳化時の系内安定性が増してしまい、微粒子の合着が進行しなくなるため、シャープな粒度分布のトナーを得ることが困難となる。
バッチ式で量産化を行なった場合、乳化を行なう槽の容量が大きくなり、それに適合する分散機、または乳化機のサイズも大きくなってしまい、非常に大きなエネルギー負荷が掛かるが、連続式の場合は、小型の分散機、または乳化機を使用することにより、少ないランニングコストで量産化が可能である。
また、より高品質の画像を得るには、トナーの体積平均粒径を3〜7μmにし、個数平均粒径との比(Dv/Dn)をDv/Dnを1.17以下にし、かつ4μm以下の粒子を個数%で1〜10個数%にすることが好ましく、更には、体積平均粒径を4〜7μmにし、Dv/Dnを1.15以下にするのが望ましい。
このようなトナーは、とりわけフルカラー複写機等を用いた場合に、飛散やカブリがなく、長期的に現像性が良好で高画質な画像を形成することが可能である。
先ず、電解水溶液100〜150ml中に、分散剤として界面活性剤(好ましくはアルキルベンゼンスルホン酸塩)を0.1〜5ml加える。ここで、電解液とは1級塩化ナトリウムを用いて約1%NaCl水溶液を調製したもので、例えばISOTON−II(コールター社製)が使用できる。
次に、測定試料を2〜20mg加える。試料を懸濁した電解液は、超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、前記測定装置により、アパーチャーとして100μmアパーチャーを用いて、トナー粒子またはトナーの体積、個数を測定して、体積分布と個数分布を算出する。
得られた分布から、トナーの体積平均粒径(Dv)、個数平均粒径(Dn)を求めることができる。
平均円形度が0.92未満であると、微粒子の合着が不充分であるため、満足した転写性やチリのない高画質画像が得られ難い。
係る形状の計測方法としては、例えば、粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法が適当なものとして挙げられる。
この手法で得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値である平均円形度が0.92〜1.00のトナーが、適正な濃度の再現性のある高精細な画像を形成するのに好ましいものとして確認された。
具体的な測定方法を以下に示す。
容器中に、不純固形物を除去した水100〜150mlを入れ、分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、更に測定試料を0.1〜0.5g程度加え、係る試料を分散した懸濁液を超音波分散器を用いて約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜1万個/μlとし、その後、上記分析装置により、トナーの形状及び分布を測定する。
結着樹脂としては、ポリエステル樹脂の他、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の重合体、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族叉は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
アルコールとしては、例えば、エチレングリコール、ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、プロピレングリコール等のグリコール類、1.4−ビス(ヒドロキシメチル)シクロヘキサン、及びビスフェノールA等のエーテル化ビスフェノール類、その他二価のアルコール単量体、三価以上の多価アルコール単量体等が挙げられる。
また、カルボン酸としては、例えばマレイン酸、フマール酸、フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、コハク酸、マロン酸等の二価の有機酸単量体、1,2,4−ベンゼントリカルボン酸、1,2,5−ベンゼントリカルボン酸、1,2,4−シクロヘキサントリカルボン酸、1,2,4−ナフタレントリカルボン酸、1,2,5−ヘキサントリカルボン酸、1,3−ジカルボキシル−2−メチレンカルボキシプロパン、1,2,7,8−オクタンテトラカルボン酸等の三価以上の多価カルボン酸単量体等が挙げられる。
ジオール(DIO)としては、アルキレングリコール(エチレングリコール、1,2−プロピレングリコール、1,3−プロピレングリコール、1,4−ブタンジオール、1,6−ヘキサンジオール等)、アルキレンエーテルグリコール(ジエチレングリコール、トリエチレングリコール、ジプロピレングリコール、ポリエチレングリコール、ポリプロピレングリコール、ポリテトラメチレンエーテルグリコール等)、脂環式ジオール(1,4−シクロヘキサンジメタノール、水素添加ビスフェノールA等)、ビスフェノール類(ビスフェノールA、ビスフェノールF、ビスフェノールS等)、上記脂環式ジオールのアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物、上記ビスフェノール類のアルキレンオキサイド(エチレンオキサイド、プロピレンオキサイド、ブチレンオキサイド等)付加物等が挙げられる。
好ましいものは、炭素数2〜12のアルキレングリコール、及びビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物であり、特に、ビスフェノール類のアルキレンオキサイド付加物、及びこれと炭素数2〜12のアルキレングリコールとの併用が好ましい。
3価以上のポリオール(TO)としては、3〜8価またはそれ以上の多価脂肪族アルコール(グリセリン、トリメチロールエタン、トリメチロールプロパン、ペンタエリスリトール、ソルビトール等)、3価以上のフェノール類(トリスフェノールPA、フェノールノボラック、クレゾールノボラック等)、上記3価以上のポリフェノール類のアルキレンオキサイド付加物等が挙げられる。
ジカルボン酸(DIC)としては、例えば、アルキレンジカルボン酸(コハク酸、アジピン酸、セバシン酸等)、アルケニレンジカルボン酸(マレイン酸、フマール酸等)、芳香族ジカルボン酸(フタル酸、イソフタル酸、テレフタル酸、ナフタレンジカルボン酸等)等が挙げられる。これらのうち、炭素数4〜20のアルケニレンジカルボン酸、及び炭素数8〜20の芳香族ジカルボン酸が好ましい。
3価以上のポリカルボン酸(TC)としては、炭素数9〜20の芳香族ポリカルボン酸(トリメリット酸、ピロメリット酸等)等が挙げられる。
なお、ポリカルボン酸(PC)としては、上述した材料の酸無水物または低級アルキルエステル(メチルエステル、エチルエステル、イソプロピルエステル等)を用いてポリオール(PO)と反応させたものを適用してもよい。
末端にイソシアネート基を有するプレポリマーA中のポリイソシアネート(PIC)構成成分の含有量は、通常0.5〜40重量%とし、好ましくは1〜30重量%、更には2〜20重量%とすることが好ましい。
このようなアミンとしては、ジアミン(B1)、3価以上のポリアミン(B2)、アミノアルコール(B3)、アミノメルカプタン(B4)、アミノ酸(B5)、及びB1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)等が挙げられる。
ジアミン(B1)としては、例えば、芳香族ジアミン(フェニレンジアミン、ジエチルトルエンジアミン、4,4’ジアミノジフェニルメタン等)、脂環式ジアミン(4,4’−ジアミノ−3,3’ジメチルジシクロヘキシルメタン、ジアミンシクロヘキサン、イソホロンジアミン等)、及び脂肪族ジアミン(エチレンジアミン、テトラメチレンジアミン、ヘキサメチレンジアミン等)等が挙げられる。
3価以上のポリアミン(B2)としては、例えば、ジエチレントリアミン、トリエチレンテトラミン等が挙げられる。
アミノアルコール(B3)としては、例えば、エタノールアミン、ヒドロキシエチルアニリン等が挙げられる。
アミノメルカプタン(B4)としては、アミノエチルメルカプタン、アミノプロピルメルカプタン等が挙げられる。
アミノ酸(B5)としては、アミノプロピオン酸、アミノカプロン酸等が挙げられる。 B1〜B5のアミノ基をブロックしたもの(B6)としては、前記B1〜B5のアミン類とケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)から得られるケチミン化合物、オキサゾリン化合物等が挙げられる。
これらアミンBのうち好ましいものは、(B1)、及び(B1)と少量の(B2)の混合物である。
伸長停止剤としては、活性水素含有基を有しないモノアミン(ジエチルアミン、ジブチルアミン、ブチルアミン、ラウリルアミン等)、及びそれらをブロックしたもの(ケチミン化合物)等が適用できる。
その添加量は、生成するウレア変性ポリエステルに所望する分子量との関係で適宜選定する。
具体的には、カーボンブラック、ニグロシン染料、鉄黒、ナフトールイエローS、ハンザイエロー(10G、5G、G)、カドミュウムイエロー、黄色酸化鉄、黄土、黄鉛、チタン黄、ポリアゾイエロー、オイルイエロー、ハンザイエロー(GR、A、RN、R)、ピグメントイエローL、ベンジジンイエロー(G、GR)、パーマネントイエロー(NCG)、バルカンファストイエロー(5G、R)、タートラジンレーキ、キノリンイエローレーキ、アンスラザンイエローBGL、イソインドリノンイエロー、ベンガラ、鉛丹、鉛朱、カドミュウムレッド、カドミュウムマーキュリレッド、アンチモン朱、パーマネントレッド4R、パラレッド、ファイセーレッド、パラクロルオルトニトロアニリンレッド、リソールファストスカーレットG、ブリリアントファストスカーレット、ブリリアントカーンミンBS、パーマネントレッド(F2R、F4R、FRL、FRLL、F4RH)、ファストスカーレットVD、ベルカンファストルビンB、ブリリアントスカーレットG、リソールルビンGX、パーマネントレッドF5R、ブリリアントカーミン6B、ポグメントスカーレット3B、ボルドー5B、トルイジンマルーン、パーマネントボルドーF2K、ヘリオボルドーBL、ボルドー10B、ボンマルーンライト、ボンマルーンメジアム、エオシンレーキ、ローダミンレーキB、ローダミンレーキY、アリザリンレーキ、チオインジゴレッドB、チオインジゴマルーン、オイルレッド、キナクリドンレッド、ピラゾロンレッド、ポリアゾレッド、クロームバーミリオン、ベンジジンオレンジ、ペリノンオレンジ、オイルオレンジ、コバルトブルー、セルリアンブルー、アルカリブルーレーキ、ピーコックブルーレーキ、ビクトリアブルーレーキ、無金属フタロシアニンブルー、フタロシアニンブルー、ファストスカイブルー、インダンスレンブルー(RS、BC)、インジゴ、群青、紺青、アントラキノンブルー、ファストバイオレットB、メチルバイオレットレーキ、コバルト紫、マンガン紫、ジオキサンバイオレット、アントラキノンバイオレット、クロムグリーン、ジンクグリーン、酸化クロム、ピリジアン、エメラルドグリーン、ピグメントグリーンB、ナフトールグリーンB、グリーンゴールド、アシッドグリーンレーキ、マラカイトグリーンレーキ、フタロシアニングリーン、アントラキノングリーン、酸化チタン、亜鉛華、リトボン、及びこれらの混合物が挙げられる。
着色剤の含有量は、トナーに対して通常1〜15重量%とし、更には3〜12重量%とすることが好ましい。
マスターバッチの製造の際に用い、またはマスターバッチとともに混練される結着樹脂としては、前述したポリエステル樹脂が適用でき、その他、ポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエン等のスチレン及びその置換体の重合体、スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体等のスチレン系共重合体、ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族、または脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックス等が挙げられる。これらは単独で用いてもよく、二種以上を混合して用いてもよい。
この際、着色剤と樹脂との相互作用を高めるために、有機溶剤を用いてもよい。
また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため、乾燥工程が必要なくなり、好ましく用いられる。
混合混練工程においては、3本ロールミル等の高せん断分散装置が好適である。
ワックスは、公知のものが使用できる。例えば、ポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックス等)、長鎖炭化水素(パラフィンワックス、サゾールワックス等)、カルボニル基含有ワックス等が挙げられる。
これらのうちカルボニル基含有ワックスが特に好ましい。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレート等)、ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエート等)、ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミド等)、ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミド等)、及びジアルキルケトン(ジステアリルケトン等)等が挙げられる。これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。
適用するワックスの融点は、通常40〜160℃であるものとし、好ましくは50〜120℃、更には60〜90℃のものが好ましい。融点が40℃未満のワックスは、耐熱保存性に悪影響を与え、160℃を超えるワックスは低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。
また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜100cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。
トナー中のワックスの含有量は、通常0〜40重量%であるものとし、特に3〜30重量%とすることが好ましい。
帯電制御剤としては、公知の材料を適用できる。
例えば、ニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体、または化合物、タングステンの単体、または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩、及びサリチル酸誘導体の金属塩等が挙げられる。具体的な材料としては、ニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カ一リット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
荷電制御剤の添加量が10重量部を越えるとトナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。これらの帯電制御剤はマスターバッチ、樹脂とともに溶融混練した後溶解分散させることもできるし、もちろん有機溶剤に直接溶解、分散する際に加えてもよいし、トナー表面にトナー粒子作成後固定化させてもよい。
無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmとすることが好ましく、特に5mμ〜500mμが好ましい。また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。
この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に0.01〜2.0重量%が望ましい。
無機微粒子としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。
その他、高分子系微粒子、例えばソープフリー乳化重合や、懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロン等の重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子も適用できる。
例えば、シランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイル等が好ましい表面処理剤として挙げられる。
ポリマー微粒子は比較的粒度分布が狭く、体積平均粒径が0.01〜1μmのものが好ましい。
多価アルコール(PO)と多価カルボン酸(PC)とを、テトラブトキシチタネート、ジブチルチンオキサイド等の公知のエステル化触媒の存在下、150〜280℃に加熱し、必要により減圧しながら生成する水を溜去して、ポリエステル樹脂を得る。
上記ポリエステル樹脂と同様の方法で得られた水酸基を有するポリエステルに、40〜140℃にて、多価イソシアネート(PIC)を反応させ、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)を得る。
多価イソシアネート(PIC)を反応させる際には、必要により溶剤を用いることもできる。
使用可能な溶剤としては、イソシアネート化合物に対して不活性である、芳香族溶剤(トルエン、キシレン等)、ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等)、エステル類(酢酸エチル等)、アミド類(ジメチルホルムアミド、ジメチルアセトアミド等)、及びエーテル類(テトラヒドロフラン等)等が挙げられる。
ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応は、他のトナー構成材料と混合させて行なわせるものであってもよいし、予め作製しておくものでもよい。
予め作製する場合は、ポリエステルプレポリマー(A)にアミン類(B)を0〜140℃にて反応させ、ウレア変性ポリエステル樹脂を得る。
ポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)を反応させる場合にも、プレポリマー(A)の場合と同様に、必要に応じて溶剤を用いることができる。
溶剤は、先述したものをいずれも適用できる。
適用する水系媒体としては、水単独でもよいが、水と混和可能な溶剤を併用してもよい。
混和可能な溶剤としては、アルコール(メタノール、イソプロピルアルコール、エチレングリコール等)、ジメチルホルムアミド、テトラヒドロフラン、セルソルブ類(メチルセルソルブ等)、低級ケトン類(アセトン、メチルエチルケトン等)等が挙げられる。
トナー粒子は、水系媒体中でイソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)からなる分散体を、アミン類(B)と反応させて形成してもよいし、予め作製した変性ポリエステル樹脂を用いてもよい。
水系媒体中でポリエステル樹脂やポリエステルプレポリマー(A)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中にポリエステル樹脂やポリエステルプレポリマー(A)からなるトナー構成材料を加えて、機械的剪断力により分散させるが、他のトナー構成材料であるワックス、帯電制御剤等は、水系媒体中で分散体を形成させる際に混合してもよいが、予めこれらトナー構成材料を混合した後、水系媒体中にその混合物を加えて分散させたほうがより好ましい。
また、本発明においては、ワックス、帯電制御剤等のトナー構成材料は、必ずしも、水系媒体中で粒子を形成させるときに混合しておく必要はなく、粒子を形成せしめた後、添加してもよい。
また、水系媒体中に予め固体の微粒子分散剤を添加しておくことで、水相中での油滴の分散を均一化させることができる。
これは、分散時に油滴の表面に固体微粒子分散剤が配置するようになり、油滴の分散が均一化するためであり、それと共に油滴同士の合一が防止され、粒度分布のシャープなトナーが得られるようになる。
固体微粒子分散剤は、水系媒体中で水に難溶の固体状で存在するものであり、平均粒径が0.01〜1μmの無機微粒子が好ましい。
無機微粒子としては、例えば、シリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ベンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素等が挙げられる。
更に好ましくはリン酸三カルシウム、炭酸カルシウム、コロイド状酸化チタン、コロイダルシリカ、ヒドロキシアパタイト等も適用できる。
特に水中でリン酸ナトリウムと塩化カルシウムを塩基性条件下で反応させて合成したヒドロキシアパタイトが好ましい。
好適なフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、例えば、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸、及びその金属塩、パーフルオロアルキルカルボン酸(C7〜C13)、及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸、及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2−ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステル等が挙げられる。
具体的な商品名としては、サーフロンS−l21(旭硝子社製)、フロラードFC−135(住友3M社製)、ユニダインDS−202(ダイキンエ業社製)、メガファックF−150、F−824(大日本インキ社製)、エクトップEF−l32(トーケムプロダクツ社製)、フタージェントF−300(ネオス社製)等が挙げられる。
例えば、アクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸、または無水マレイン酸等の酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミド等、ビニルアルコール、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテル等のエーテル類、またはビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニル等、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトンアクリルアミド、あるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライド等の酸クロライド類、ビニルビリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミン等の窒素原子、またはその複素環を有するもの等のホモポリマー、または共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフエニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステル等のポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロース等のセルロース類等が適用できる。
その他酵素による分解等の操作によっても除去できる。
伸長及び/または架橋反応時間は、ポリエステルプレポリマー(A)の有するイソシアネート基構造とアミン類(B)の組み合わせによる反応性により選択されるが、通常10分〜40時間、好ましくは2〜24時間である。
反応温度は、通常0〜150℃であり、好ましくは40〜98℃であるものとする。
また、必要に応じて公知の触媒を使用してもよい。
触媒としては、具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレート等が挙げられる。
ただし、本発明に係るトナー製造装置はこの例に限定されるものではなく、また以下に説明するトナー製造方法に限定されるものではない。
図1に示す符号について説明すると、(1)は上記乳化分散液の入口を示し、乳化分散液は、ここから蒸留カラムに導入される。この導入部は蒸留カラムにノズルが差し込まれた形状であり乳化分散液は、蒸留カラム下側に導入される。
(2)は、蒸留カラム本体で内容物がなく、円筒形状のカラムにフッ素樹脂コーティングを施している。この蒸留カラムは、乳化分散液が滞ることなく流れるために、1/100の勾配となるよう設置している。(3)は、蒸留カラムに導入された乳化分散液を示し、蒸留カラム下側を流れる。(4)は、凝縮器を示し、(5)は、凝縮液受けタンクを示す。有機溶媒として非水溶性で、水よりも比重が小さい溶媒を選択した場合、凝縮液は、凝縮液タンクの中で2相に分離し、上層に(6)の有機溶媒凝縮液、下層に(7)の水凝縮液と2相に分離する。
2相に別れた有機溶媒凝縮液と水凝縮液は、互いに少量ずつ溶解し平衡状態となる。
蒸留カラムに還流する液は、有機溶媒の含有量が少ない液が適しているため、本装置では、下層の水凝縮液を蒸留カラムに還流する構造としている。
(8)は、真空ポンプであり、蒸留カラム内を10〜12kPaに減圧維持する。
(9)は、減圧水蒸気入口で、ここから温度45〜50℃の飽和水蒸気が供給される。
水蒸気供給量は、乳化分散液重量Waと水蒸気重量Wbの比がWb/Wa=0.2となる水蒸気量を供給する。蒸留カラム内では、乳化分散液がカラムの下側を、水蒸気が上側を移動し、カラム内で両者が向流接触し、乳化分散液中の有機溶媒が除去される。
具体的な手段としては、高速で回転する羽根によって混合物に衝撃力を加える方法、高速気流中に混合物を投入し、加速させ、粒子同士または複合化した粒子を適当な衝突板に衝突させる方法等が挙げられる。
この工程に用いる装置としては、例えば、オングミル(ホソカワミクロン社製)、I式ミル(日本ニューマチック社製)を改造して粉砕エアー圧カを下げた装置、ハイブリダイゼイションシステム(奈良機械製作所社製)、クリプトロンシステム(川崎重工業社製)、自動乳鉢等が挙げられる。
これらの強磁性体は平均粒径が0.1〜2μm程度のものが望ましく、トナー中に含有させる量としては樹脂成分100重量部に対し約15〜200重量部、特に好ましくは樹脂成分100重量部に対し20〜100重量部である。
なお、以下、部は重量部を示すものとする。
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物を690部、テレフタル酸を335部、それぞれ投入し、常圧窒素気流下のもと、210℃で10時間縮合反応した。
次に、10〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続し、その後に冷却し、ポリエステル(1)を得た。
得られたポリエステル(1)の樹脂の重量平均分子量は6000であり、酸価10KOHmg/g、ガラス転移点48℃であった。
冷却管、攪拌機、及び窒素導入管を備えた反応槽中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物を795部、イソフタル酸を200部、テレフタル酸を65部、及びジブチルチンオキサイドを2部、それぞれ投入し、常圧窒素気流下、210℃で8時間縮合反応した。
次に、10〜15mmHgの減圧下で脱水しながら5時間反応を継続し、その後に80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート170部と2時間反応を行ない、プレポリマー(1)を得た。
得られたプレポリマー(1)の重量平均分子量は5000であった。
タンク内に、35%カルナバワックス酢酸エチル分散液を170部、上記ポリエステル(1)を120部、PY155(クラリアント社製)を20部、酢酸エチルを70部、イソホロンジアミンを2部、それぞれ投入し、2時間、攪拌して溶解混合した。
次に、高能率分散機エバラマイルダー(荏原製作所製)を用いて、1時間、循環混合して有機溶媒組成物(1)を得た。
得られた有機溶媒組成物(1)の酸価は4.5KOHmg/gであった。
また、別のタンク内に、上記プレポリマー(1)を25部、酢酸エチルを25部、それぞれ投入し、4時間、攪拌して溶解混合し、有機溶媒組成物(2)を得た。
タンク内に水を945部、スチレン−メタクリル酸−アクリル酸ブチル共重合体の20%水性分散液を40部、50%ドデシルジフェニルエーテルジスルホン酸ナトリウム水溶液(エレミノールMON−7:三洋化成工業製)を160部、酢酸エチルを90部、それぞれ投入して混合撹拌し、水系分散媒体(1)を得た。
上記有機溶媒組成物(1)を3560g/分、上記有機溶媒組成物(2)を440g/分、上記水系分散媒体(1)を6000g/分のスピードで、パイプラインホモミキサー(特殊機化工業製)に供給し、2960rpmの回転数で、運転を行ない、乳化分散液を得た。
有機溶媒の除去は、次の方法・条件で行なった。
上記パイプラインホモミキサーから排出される乳化分散液を、図1に示す装置において、乳化分散液入口から連続的に供給した。
蒸留カラム内を10kPaに減圧し、温度45℃の飽和水蒸気を供給した。供給した水蒸気量は、乳化分散液重量Waと水蒸気重量Wbの比がWb/Wa=0.2となる水蒸気量を供給した。
有機溶媒を除去された乳化分散液は、その後、60℃まで昇温し、5時間の追加反応を行なった後に、濾別、洗浄、乾燥処理を行ない、トナー母体を得た。
また、上記操作により空になった装置内を、目視にて確認したところ、連続使用が可能な程度に綺麗な状態であることが確認された。
次に、得られたトナー母体粒子100部、及び帯電制御剤(オリエント化学社製 ボントロン E−84)0.25部を、Q型ミキサー(三井鉱山社製)を用いて混合した。
次に、疎水性シリカ(H2000、クラリアントジャパン社製)を0.5部添加し、混合した。
更に、疎水性シリカ0.5部と、疎水化酸化チタン0.5部をヘンシェルミキサーにて混合し、目開き37μmのスクリーンにて粗大粒子を除去して、イエロートナーを得た。
上記操作により空になった装置内を、目視にて確認したところ、連続使用が可能な程度に綺麗な状態であることが確認された。
上記操作により空になった装置内を、目視にて確認したところ、連続使用が可能な程度に綺麗な状態であることが確認された。
上記操作により空になった装置内を、目視にて確認したところ、連続使用が可能な程度に綺麗な状態であることが確認された。
上記操作により空になった装置内を、目視にて確認したところ、連続使用が可能な程度に綺麗な状態であることが確認された。
上記操作により空になった装置内を、目視にて確認したところ、若干の装置付着が発生したが連続使用が可能な状態であることが確認された。
上記操作により空になった装置内を、目視にて確認したところ、若干の装置付着が発生したが連続使用が可能な状態であることが確認された。
実施例1の有機溶媒除去装置において乳化分散液と直接接触する気体として窒素ガスを供給した。それ以外は実施例1と同じ方法・条件で処理してトナー粒子を得た。
上記操作により空になった装置内を、目視にて確認したところ、乳化分散液の気相界面部に皮ばりが発生し、カラム母材を確認できない状態であった。
実施例1において蒸留カラムのかわりに、攪拌機付タンクを使用し、タンク内の内圧を大気圧にし、乳化分散液を供給した。乳化分散液がタンク下部に溜まった後、タンクジャケットに65℃温水を供給した。65℃温水を加温する水蒸気量と乳化分散液量との比がWb/Wa=0.2となるまで温水の加熱を行ない、有機溶媒の除去を行なった。
それ以外は実施例1と同じ方法・条件で処理してトナー粒子を得た。
上記操作により空になった装置内を、目視にて確認したところ、乳化分散液の気相界面部に硬い塊となった皮ばりが発生し、タンク母材を確認できない状態であった。
実施例1において蒸留カラムのかわりに、攪拌機付タンクを使用し、タンク内の内圧を10kPaにし、乳化分散液を供給した。乳化分散液がタンク下部に溜まった後、タンクジャケットに65℃温水を供給した。65℃温水を加温する水蒸気量と乳化分散液量との比がWb/Wa=0.2となるまで温水の加熱を行ない、有機溶媒の除去を行なった。
それ以外は実施例1と同じ方法・条件で処理してトナー粒子を得た。
上記操作により空になった装置内を、目視にて確認したところ、乳化分散液の気相界面部に皮ばりが発生し、タンク母材を確認できない状態であった。
実施例1の有機溶媒除去装置において、装置を大気圧とし、温度100℃の水蒸気を供給した。それ以外は実施例1と同じ方法・条件で処理してトナー粒子を得た。
上記操作により空になった装置内を、目視にて確認したところ、蒸留カラムの水蒸気入口部分に、乳化分散液が凝集し、硬い塊となった付着が確認された。連続使用した場合、装置内が閉塞することが考えられる。
(a)トナー中残留溶媒の測定方法
トナーの残留溶媒量は、以下の測定方法により測定した。測定対象となるトナー1重量部に2−プロパノール2重量部を加え、超音波で30分分散させた後、冷蔵庫(5℃)にて1日以上保存し、トナー中の溶媒を抽出した。上澄み液をガスクロマトグラフィ(GC−14A,SHIMADZU)で分析し、トナー中の溶媒及び残留モノマーを定量することにより溶媒濃度を測定した。分析時の測定条件は、以下のとおりである。
装置:島津GC−14A
カラム:CBP20−M50−0.25
検出器:FID
注入量:1〜5μl
キャリアガス:He2.5kg/cm2
水素流量:0.6kg/cm2
空気流量:0.5kg/cm2
チャートスピード:5mm/min
感度:Range101×Atten20
カラム温度:40℃
Injection Temp:150℃
大きさ50m3の密閉した室内で20℃・60%RHの環境下、画像出し開始時と10万枚連続ラン中の両方を、30人のパネラーにより臭気評価した。評価項目は臭気強度、快・不快度、事務機器としての臭気問題度等を得点にし、総合的な尺度からランク付けした。
ランク○ : 事務機器として問題ないレベル。ほぼ全員が不快と感じない。
ランク△ : ランク○と×の中間で、人によっては不快と感じるレベル。
ランク× : ほぼ全員が不快と感じ、事務機器として問題となるレベル。
凝集物量は、有機溶媒を除去した後の乳化分散液を40メッシュ、目開き350μmの金網を用いて湿式篩し、乾燥後のトナー母体に対する40メッシュ以上の粗粉量の割合を用いて評価を行なった。
一方、比較例1、2、3においては、装置内の付着、凝集物量が多く、この条件で連続生産を行なうことができない。また、比較例1、3では、有機溶媒を充分に除去することができない。
2 蒸留カラム
3 乳化分散液
4 凝縮器
5 凝縮液受けタンク
6 有機溶媒凝縮液
7 水凝縮液
8 真空ポンプ
9 減圧水蒸気入口
Claims (10)
- 少なくとも、有機溶媒中に結着樹脂と着色剤を含有する有機溶媒組成物を水系媒体中で乳化、分散する工程と、得られた乳化分散液を減圧条件下に維持すると共に、減圧水蒸気と直接接触することにより前記有機溶媒を除去する有機溶媒除去工程とを備えていることを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記有機溶媒除去工程が、前記乳化分散液を間接加熱するための間接加熱手段を有さないものであることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記乳化分散液に接触する水蒸気の温度が20℃以上100℃未満であることを特徴とする請求項1及び請求項2のいずれかに記載のトナー粒子製造方法。
- 前記乳化分散液の重量Waと、該乳化分散液と接触した蒸気の重量Wbとが下記式(1)の関係を有することを特徴とする請求項1乃至3のいずれかに記載のトナー粒子製造方法。
0.05≦Wb/Wa≦0.5・・・(1) - 前記有機溶媒除去工程が、前記乳化分散液を蒸留カラムに供給し、該カラム内を減圧条件下に維持すると共に、減圧水蒸気を乳化分散液と接触させることで、有機溶媒を除去するものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記有機溶媒除去工程が、前記乳化分散液から除去された有機溶媒と減圧水蒸気を凝縮回収し、この凝縮液を乳化分散液に還流するものであることを特徴とする請求項5に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記有機溶媒除去工程が、前記乳化分散液をタンクに収容し、該タンク内を減圧条件下に維持すると共に、減圧水蒸気を乳化分散液中にバブリングすることにより有機溶媒を除去するものであることを特徴とする請求項1乃至4のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記タンクに攪拌翼を備えた攪拌機により攪拌しながらバブリングすることを特徴とする請求項7に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記有機溶媒除去工程が、消泡剤を含む前記乳化分散液から有機溶媒除去を行なうものであることを特徴とする請求項5乃至8のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記乳化分散液に接する材質が撥水性材料で形成されることを特徴とする請求項5乃至9のいずれかに記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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