JP4700679B2 - 静電荷像現像用トナーの製造方法、トナー、画像形成装置及び容器 - Google Patents
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Description
このような粉砕法によれば、ある程度優れた特性を有するトナーを製造することができるが、トナー用材料の選択に制限がある。
例えば、溶融混合により得られる組成物は、経済的に使用可能な装置により粉砕し、分級できるものでなければならない。この要請から、溶融混合した組成物は、充分に脆くせざるを得ない。
このため、実際に上記組成物を粉砕して粒子にする際に、高範囲の粒径分布が形成され易く、良好な解像度と階調性のある複写画像を得ようとすると、例えば、粒径5μm以下の微粉と20μm以上の粗粉を分級により除去しなければならず、収率が非常に低くなるという欠点がある。
懸濁重合法では、一般に、重合性単量体、着色剤、帯電制御剤、オフセット防止剤、重合開始剤などを均一に溶解または分散せしめた単量体組成物を、分散安定剤を含有する水または水を主体とする水系分散媒体中に投入し、高剪断力を有する混合装置を用いて分散し、単量体組成物を微小な液滴として造粒した後、重合して着色重合体粒子(すなわち、重合トナー)を形成している。
懸濁重合法では、低粘度の液体状単量体中に着色剤などを分散させるため、樹脂中にこれらの配合剤を添加する粉砕法に比べて、充分な均一分散性が確保される。また、懸濁重合法では、極めてシャープな粒径分布を有する重合トナーを高収率で得ることができる。 この重合トナーは、球形で表面が均一であり、良好な現像特性を示す。
重合法や乳化分散法により小粒径で球形のトナーの開発が活発に行われている。
重合法では、小粒径化や球形化は問題ないが、結着樹脂の主成分はラジカル重合が可能なビニル重合体に限られており、カラートナーおよび低温定着などに好適なポリエステル樹脂やエポキシ樹脂によるトナー粒子は懸濁重合法では製造できない。
また、重合法では、未反応モノマーなどから成る揮発性有機化合物の低減が難しいという問題もあり、改善が望まれている。
一方、乳化分散法によるトナーの製法として、結着樹脂と着色剤等の混合物を水性媒体と混合し乳化させてトナー粒子を得る方法が提案されている(例えば、特許文献1、2参照)。
この方法は、重合法と同様に、トナーの小粒径化や球形化に容易に対応することができ、また、重合法に比べ、使用する結着樹脂種が幅広く選択でき、揮発性有機化合物の低減が容易であり、さらに着色剤等の濃度を低濃度から高濃度まで任意に変えることが容易である等の長所を有しており、小粒径の球形トナーの製法として優れた特徴を持っているものである。
例えば、重合性単量体に脱水処理したカーボンブラックを添加し、これを加熱重合させて転化率40%以下のプレポリマーを作製し、次いで、該プレポリマーをラジカル重合開始剤を含む懸濁水溶液中に加えて、残留重合性単量体が0.5%以下になるまで懸濁重合させる方法がある(例えば、特許文献3参照)。
しかし、この方法は、プレポリマーを調製する工程が必要であり、工程が煩雑である。
しかし、この方法は、脱水中に重合体粒子が凝集し易いという欠点がある。
この方法は、トナー材料を低沸点有機溶媒などの揮発性溶剤に分散、溶解させ、これを分散剤の存在する水系媒体中で乳化、液滴化した後に揮発性溶剤を除去するものである。 その際、液滴の体積収縮が起こり、分散剤として水系媒体に溶解しない固体微粒子分散剤を選択した場合、不定形の粒子を得ることができるが、生産性を高めるために溶剤中の固形分量を多くした場合、分散相の粘度が上昇し、結果的に得られる粒子は粒子径が大きくその分布もブロードとなってしまう。
逆に、用いる樹脂の分子量を下げ分散相の粘度を下げた場合、定着性(特に耐ホットオフセット性)を犠牲にしなければならなかった。
この問題の解決策として、ポリマー溶解懸濁法で用いる樹脂を低分子量のものとして分散相の粘度を下げ、乳化を容易にし、しかも粒子内で重合反応をさせて定着性を改善する方法が提案されている(例えば、特許文献6参照)。
しかし、この方法によって得られる粒子は粒度分布が広く、しかも形状は表面が滑らかでなく、かつ形状制御されたものではなかった。
前記結着樹脂を生成させる工程で得られる結着樹脂のTgが40〜70℃であり、前記酢酸エチル除去工程は、101.3kPa(大気圧)以下、前記結着樹脂のガラス転移点温度より低い温度の環境下、タンクの下方より、タンク内の乳化分散液量に対し、不活性ガスを毎分1〜5vol%の供給量でバブリングすることで乳化分散液の気相接触表面積(A1)とタンクの水平断面積(A2)の比A1/A2が1.2以上4.0未満となるように乳化分散液の気相接触表面積を増加させ、
得られるトナーが、ガスクロマトグラフィの測定による該トナー中の残留溶媒量が500ppm以下であり、体積平均粒径(Dv)が3〜10μmであり、該トナー粒子のフロー式粒子像分析装置による平均円形度が0.92〜0.96であり、体積平均粒径(Dv)を個数平均粒径(Dn)で除した値(Dv/Dn)が1.05〜1.25である、
ことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法」、(2)「前記乳化分散液の気相接触表面積(A1)とタンクの水平断面積(A2)の比A1/A2が1.2以上2.5未満であることを特徴とする前記第(1)項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」、(3)「前記不活性ガスは窒素であることを特徴とする前記第(1)項又は前記第(2)項に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法」によって解決される。
本発明のトナーの製造方法は、少なくとも樹脂と着色剤からなるトナー組成物を有機溶剤に溶解または分散する工程、該溶解物または分散物を微粒子分散剤の存在する水系媒体中で乳化分散する工程、得られた乳化分散液を密閉タンク内で有機溶剤を除去する工程を有し、前記有機溶剤除去工程において該乳化分散液の気相接触表面積がタンクの水平断面積よりも大きいことを特徴とするものである。
前記架橋剤及び/又は伸張剤としてはアミン類(B)を好ましく用いることができる。
本発明のトナーはトナーバインダーとして、イソシアネート基を有するポリエステルプレポリマー(A)とアミン類(B)との反応により得ることができるウレア変性ポリエステル(i)を含有することが好ましい。
[NCO]/[NHx]が2より大きかったり1/2未満では、ウレア変性ポリエステル(i)の分子量が低くなり、耐ホットオフセット性が悪化する。
このときのピーク分子量は1,000〜10,000で1,000未満では伸張反応しにくくトナーの弾性が少なく、その結果耐ホットオフセット性が悪化する。また10,000を超えると定着性の低下や粒子化や粉砕において製造上の課題が高くなる。
ウレア変性ポリエステルの数平均分子量は、後述の変性されていないポリエステル(ii)を用いる場合は特に限定されるものではなく、前記重量平均分子量とするのに得やすい数平均分子量でよい。
ウレア変性ポリエステル(i)単独の場合は、数平均分子量は、通常20,000以下、好ましくは1,000〜10,000、さらに好ましくは2,000〜8,000である。20,000を超えると低温定着性及びフルカラー装置に用いた場合の光沢性が悪化する。
ポリエステル(ii)としては、ポリエステル(i)のポリエステル成分と同様なポリオール(1)とポリカルボン酸(2)との重縮合物などが挙げられ、好ましいものもポリエステル(i)と同様である。また、ポリエステル(ii)は無変性のポリエステルだけでなく、ウレア結合以外の化学結合で変性されているものでもよく、例えばウレタン結合で変性されていてもよい。
ポリエステル(i)とポリエステル(ii)は、少なくとも一部が相溶していることが低温定着性、耐ホットオフセット性の面で好ましい。従って、ポリエステル(i)のポリエステル成分とポリエステル(ii)は類似の組成が好ましい。
ポリエステル(ii)を含有させる場合ポリエステル(i)とポリエステル(ii)の重量比は、通常5/95〜80/20、好ましくは5/95〜30/70、さらに好ましくは5/95〜25/75、特に好ましくは7/93〜20/80である。
ポリエステル(i)の重量比が5wt%未満では、耐ホットオフセット性が悪化するとともに、耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。
ポリエステル(ii)のピーク分子量は、通常1,000〜10,000、好ましくは2,000〜8,000、さらに好ましくは2,000〜5,000である。
1,000未満では耐熱保存性が悪化し、10,000を超えると低温定着性が悪化する。ポリエステル(ii)の水酸基価は5以上であることが好ましく、さらに好ましくは10〜120、特に好ましくは20〜80である。5未満では耐熱保存性と低温定着性の両立の面で不利になる。ポリエステル(ii)の酸価は1〜30、好ましくは5〜20である。酸価を持たせることで負帯電性となりやすい傾向がある。
ガラス転移点が40℃未満ではトナーの耐熱保存性が悪化し、ガラス転移点が70℃を超えると低温定着性が不充分となる。
本発明の乾式トナーにおいては、ウレア変性ポリエステル樹脂を共存させることにより、公知のポリエステル系トナーと比較して、ガラス転移点が低くても耐熱保存性が良好な傾向を示す。
マスターバッチの製造又はマスターバッチとともに混練されるバインダー樹脂としては、先に挙げた変性、未変性ポリエステル樹脂の他にポリスチレン、ポリp−クロロスチレン、ポリビニルトルエンなどのスチレン及びその置換体の重合体;スチレン−p−クロロスチレン共重合体、スチレン−プロピレン共重合体、スチレン−ビニルトルエン共重合体、スチレン−ビニルナフタリン共重合体、スチレン−アクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリル酸エチル共重合体、スチレン−アクリル酸ブチル共重合体、スチレン−アクリル酸オクチル共重合体、スチレン−メタクリル酸メチル共重合体、スチレン−メタクリル酸エチル共重合体、スチレン−メタクリル酸ブチル共重合体、スチレン−α−クロルメタクリル酸メチル共重合体、スチレン−アクリロニトリル共重合体、スチレン−ビニルメチルケトン共重合体、スチレン−ブタジエン共重合体、スチレン−イソプレン共重合体、スチレン−アクリロニトリル−インデン共重合体、スチレン−マレイン酸共重合体、スチレン−マレイン酸エステル共重合体などのスチレン系共重合体;ポリメチルメタクリレート、ポリブチルメタクリレート、ポリ塩化ビニル、ポリ酢酸ビニル、ポリエチレン、ポリプロピレン、ポリエステル、ウレタン、ウレア変性ポリエステル、エポキシ樹脂、エポキシポリオール樹脂、ポリウレタン、ポリアミド、ポリビニルブチラール、ポリアクリル酸樹脂、ロジン、変性ロジン、テルペン樹脂、脂肪族又は脂環族炭化水素樹脂、芳香族系石油樹脂、塩素化パラフィン、パラフィンワックスなどが挙げられ、単独あるいは混合して使用できる。
この際、着色剤と樹脂の相互作用を高めるために、有機溶剤を用いることができる。
また、いわゆるフラッシング法と呼ばれる着色剤の水を含んだ水性ペーストを樹脂と有機溶剤とともに混合混練し、着色剤を樹脂側に移行させ、水分と有機溶剤成分を除去する方法も着色剤のウエットケーキをそのまま用いることができるため乾燥する必要がなく、好ましく用いられる。混合混練するには3本ロールミル等の高剪断分散装置が好ましく用いられる。
該ワックスとしては公知のものが使用でき、例えばポリオレフィンワッックス(ポリエチレンワックス、ポリプロピレンワックスなど);長鎖炭化水素(パラフィンワッックス、サゾールワックスなど);カルボニル基含有ワックスなどが挙げられる。これらのうち好ましいものは、カルボニル基含有ワックスである。カルボニル基含有ワックスとしては、ポリアルカン酸エステル(カルナバワックス、モンタンワックス、トリメチロールプロパントリベヘネート、ペンタエリスリトールテトラベヘネート、ペンタエリスリトールジアセテートジベヘネート、グリセリントリベヘネート、1,18−オクタデカンジオールジステアレートなど);ポリアルカノールエステル(トリメリット酸トリステアリル、ジステアリルマレエートなど);ポリアルカン酸アミド(エチレンジアミンジベヘニルアミドなど);ポリアルキルアミド(トリメリット酸トリステアリルアミドなど);およびジアルキルケトン(ジステアリルケトンなど)などが挙げられる。
これらカルボニル基含有ワックスのうち好ましいものは、ポリアルカン酸エステルである。
本発明のトナーに用いられるワックスの融点は、通常40〜160℃であり、好ましくは50〜120℃、さらに好ましくは60〜90℃である。
融点が40℃未満のワックスは耐熱保存性に悪影響を与え、160℃を超えるワックスは低温での定着時にコールドオフセットを起こしやすい。
また、ワックスの溶融粘度は、融点より20℃高い温度での測定値として、5〜1000cpsが好ましく、さらに好ましくは10〜100cpsである。1000cpsを超えるワックスは、耐ホットオフセット性、低温定着性への向上効果に乏しい。
トナー中のワックスの含有量は通常0〜40重量%であり、好ましくは3〜30重量%である。
該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトン等を単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。
水系媒体中でウレア変性ポリエステル等の変性ポリエステルやプレポリマー(A)からなる分散体を安定して形成させる方法としては、水系媒体中にウレア変性ポリエステル等の変性ポリエステルやプレポリマー(A)からなるトナー原料の組成分を加えて、剪断力により分散させる方法などが挙げられる。
プレポリマー(A)と他のトナー組成物である(以下トナー原料と呼ぶ)着色剤、着色剤マスターバッチ、離型剤、未変性ポリエステル樹脂などは、あらかじめトナー原料を有機溶剤に溶解又は分散させ、水系媒体中にその溶解物又は分散物を加えて分散させる。
高速剪断式分散機を使用した場合、回転数は特に限定はないが、通常1,000〜30,000rpm、好ましくは5,000〜20,000rpmである。
分散時間は特に限定はないが、バッチ方式の場合は、通常0.1〜5分である。
分散時の温度としては、通常、0〜150℃(加圧下)、好ましくは40〜98℃である。高温なほうが、ウレア変性ポリエステルやプレポリマー(A)からなる分散体の粘度が低く、分散が容易な点で好ましい。
50重量部未満ではトナー組成物の分散状態が悪く、所定の粒径のトナー粒子が得られない。2,000重量部を超えると経済的でない。
また、必要に応じて、分散剤を用いることもできる。分散剤を用いた方が、粒度分布がシャープになるとともに分散が安定である点で好ましい。
例えばアクリル酸、メタクリル酸、α−シアノアクリル酸、α−シアノメタクリル酸、イタコン酸、クロトン酸、フマール酸、マレイン酸又は無水マレイン酸などの酸類、あるいは水酸基を含有する(メタ)アクリル系単量体、例えばアクリル酸β−ヒドロキシエチル、メタクリル酸β−ヒドロキシエチル、アクリル酸β−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸β−ヒドロキシプロピル、アクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸γ−ヒドロキシプロピル、アクリル酸3−クロロ2−ヒドロキシプロピル、メタクリル酸3−クロロ−2−ヒドロキシプロピル、ジエチレングリコールモノアクリル酸エステル、ジエチレングリコールモノメタクリル酸エステル、グリセリンモノアクリル酸エステル、グリセリンモノメタクリル酸エステル、N−メチロールアクリルアミド、N−メチロールメタクリルアミドなど、ビニルアルコール又はビニルアルコールとのエーテル類、例えばビニルメチルエーテル、ビニルエチルエーテル、ビニルプロピルエーテルなど、又はビニルアルコールとカルボキシル基を含有する化合物のエステル類、例えば酢酸ビニル、プロピオン酸ビニル、酪酸ビニルなど、アクリルアミド、メタクリルアミド、ジアセトアクリルアミドあるいはこれらのメチロール化合物、アクリル酸クロライド、メタクリル酸クロライドなどの酸クロライド類、ビニルピリジン、ビニルピロリドン、ビニルイミダゾール、エチレンイミンなどの窒素原子、又はその複素環を有するものなどのホモポリマー又は共重合体、ポリオキシエチレン、ポリオキシプロピレン、ポリオキシエチレンアルキルアミン、ポリオキシプロピレンアルキルアミン、ポリオキシエチレンアルキルアミド、ポリオキシプロピレンアルキルアミド、ポリオキシエチレンノニルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンラウリルフェニルエーテル、ポリオキシエチレンステアリルフェニルエステル、ポリオキシエチレンノニルフェニルエステルなどのポリオキシエチレン系、メチルセルロース、ヒドロキシエチルセルロース、ヒドロキシプロピルセルロースなどのセルロース類などが使用できる。
好ましく用いられるフルオロアルキル基を有するアニオン性界面活性剤としては、炭素数2〜10のフルオロアルキルカルボン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホニルグルタミン酸ジナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルキル(C6〜C11)オキシ]−1−アルキル(C3〜C4)スルホン酸ナトリウム、3−[オメガ−フルオロアルカノイル(C6〜C8)−N−エチルアミノ]−1−プロパンスルホン酸ナトリウム、フルオロアルキル(C11〜C20)カルボン酸及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C7〜C13)カルボン酸及びその金属塩、パーフルオロアルキル(C4〜C12)スルホン酸及びその金属塩、パーフルオロオクタンスルホン酸ジエタノールアミド、N−プロピル−N−(2ヒドロキシエチル)パーフルオロオクタンスルホンアミド、パーフルオロアルキル(C6〜C10)スルホンアミドプロピルトリメチルアンモニウム塩、パーフルオロアルキル(C6〜C10)−N−エチルスルホニルグリシン塩、モノパーフルオロアルキル(C6〜C16)エチルリン酸エステルなどが挙げられる。
溶剤は、沸点が100℃未満の揮発性であることが除去が容易である点から好ましい。
該溶剤としては、例えば、トルエン、キシレン、ベンゼン、四塩化炭素、塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、1,1,2−トリクロロエタン、トリクロロエチレン、クロロホルム、モノクロロベンゼン、ジクロロエチリデン、酢酸メチル、酢酸エチル、メチルエチルケトン、メチルイソブチルケトンなどを単独あるいは2種以上組合せて用いることができる。
特に、トルエン、キシレン等の芳香族系溶媒及び塩化メチレン、1,2−ジクロロエタン、クロロホルム、四塩化炭素等のハロゲン化炭化水素が好ましい。プレポリマー(A)100部に対する溶剤の使用量は、通常0〜300部、好ましくは0〜100部、さらに好ましくは25〜70部である。
反応温度は、通常、0〜150℃、好ましくは40〜98℃である。
また、必要に応じて公知の触媒を使用することができる。具体的にはジブチルチンラウレート、ジオクチルチンラウレートなどが挙げられる。
得られた乳化分散液(反応液)からの有機溶剤を除去するため、密閉されたタンク(脱溶剤タンクともいう)内に乳化分散液を入れ脱溶剤を行うとき、この脱溶剤条件によってトナー表面に凹凸形状をもったトナー粒子を得ることができる。
これは、油相中に含有される溶剤が蒸発する際、比較的硬くかつ弾性的な油相に不均衡な体積収縮が起こったものと考えられる。
本発明においては、タンク内に入れられた乳化分散液の気相接触表面積をタンクの水平断面積よりも大きくして脱溶剤が行われるが、このとき、乳化分散液の気相接触表面積(A1)とタンクの水平断面積(A2)の比A1/A2が1.2以上、好ましくは1.2以上4.0未満、更に好ましくは1.2以上2.5未満であることが好ましい。
一方、4.0以上では溶剤除去速度は速くなるが、A1/A2を大きくするための、例えば不活性ガス量の増加による総生産性の悪化や、液滴小粒径化のためのアトマイザーまたは微粒化ノズルでの過剰な剪断力による粒度分布の乱れが発生するため好ましくない。
A1/A2の調整は、後述するように乳化分散液の入れられたタンクの下方より、不活性ガスを乳化分散液中にバブリングして気相接触表面積を変化させることなどによる。
減圧下で溶剤の沸点を下げると、脱溶剤速度を速くし、かつ脱溶剤温度も下げることが可能となり、粒子の球形化を防止しやすくなるので、好ましい。
不活性ガスにはアルゴン・ヘリウム・窒素・ネオン等があるが、取扱量からの採算及び取扱上から窒素を用いることが一般的で望ましい。
また、不活性ガスの供給量については、タンク内の乳化分散液量に対して体積%で1〜30%が好ましい。1%以下ではA1/A2を1.2以上にすることは困難であり、30%以上ではタンク内流動状態が不安定になる。
図1は、タンク下方から不活性ガスをバブリングする方法を示す概念図である。
脱溶剤タンク(101)内の乳化分散液(107)中に供給口(105)から不活性ガスが導入され、気泡(106)を発生させている。
滴下/スプレーされる乳化分散液は平均0.1〜2.0mmの粒径となるのが望ましい。乳化分散液の平均粒径を0.1mm以下とするためには、高圧タイプのノズルや高剪弾タイプのアドマイザーが必要となるため、乳化分散粒子に剪弾力が加わり粒径が乱れる。2.0mm以上では、本発明の効果を効率的に得ることができない。
また、毎分あたりの流量はタンク内の乳化分散液量の0.5〜20vol%であることが好ましい。毎分あたりの流量が0.5vol%以下では、A1/A2を1.2以上にすることは困難であり、20vol%以上ではエネルギ的に非効率である。
脱溶剤タンク(101)には乳化分散液(107)が入れられており、真空ポンプ(103)によって減圧調整されている。脱溶剤タンク下方からポンプ(201)によって乳化分散液をタンク上方に送り、供給口(202)からタンク内に微粒子上に滴下/スプレーされる。
タンク内には、複数の回転円盤(302)を有した回転体(301)があり、回転円盤(302)の一部は乳化分散液に浸漬されている。
乳化分散液の表面積を増加させるため、回転円盤の表面は凹凸形状を有することが好ましく、多孔質状またはハニカム状の構造体で構成されていることが好ましい。
残留溶剤の測定方法は、測定対象となるトナー1重量部に2−プロパノール2重量部を加え、超音波で30分分散させた後、冷蔵庫(5℃)にて1日以上保存してトナー中の溶媒を抽出し、上澄み液をガスクロマトグラフィ(GC−14A,SHIMADZU)で分析し、トナー中の溶媒および残留モノマーを定量することにより溶媒濃度を測定して得られる。
特に、2μm以下のトナーが20%以上存在すると、磁性キャリア又は現像ローラの表面に現像されにくい微小粒径のトナーが多くなるために、その他のトナーにおける磁性キャリア又は現像ローラとの接触・摩擦が不充分となり逆帯電性トナーが多くなり、地肌汚れが生じ画像品位が低下する。
粒径分布をシャープにすると、トナー帯電量分布が均一になり、地肌かぶりを少なくすることができる。
Dv/Dnが1.25を越えると、トナーの帯電量分布も広くなるために高品位な画像を得るのが困難になる。
トナーの粒径の測定は、コールターカウンターマルチサイザー(コールター社製)を用いて行ない、測定するトナーの粒径に対応させて測定用穴の大きさが50μmのアパーチャーを選択して用い、50,000個の粒子の粒径を測定しその平均値を算出し行なう。
なお、形状の計測方法としては、粒子を含む懸濁液を平板上の撮像部検知帯に通過させ、CCDカメラで光学的に粒子画像を検知し、解析する光学的検知帯の手法を用いることが適当である。
平均円形度は、この手法で得られる投影面積の等しい相当円の周囲長を実在粒子の周囲長で除した値であり、該平均円形度が0.94〜0.96のトナーが、適正な濃度の再現性のある高精細な画像を形成するのに有効であることが判明した。
より好ましくは、平均円形度が0.945〜0.955で、円形度が0.94未満の粒子が10%以下である。
また、平均円形度が0.96以上の場合、ブレードクリーニングなどを採用しているシステムでは、感光体上および転写ベルトなどのクリーニング不良が発生し、画像上の汚れを引き起こす。
例えば、画像面積率の低い現像・転写では転写残トナーが少なく、クリーニング不良が問題となることはないが、写真画像など画像面積率の高いもの、さらには、給紙不良等で未転写の画像形成したトナーが感光体上に転写残トナーとして発生することがあり、蓄積すると画像汚れを発生してしまう。
また、感光体を接触帯電させる帯電ローラ等を汚染してしまい、本来の帯電能力を発揮できなくなってしまう。この値はフロー式粒子像分析装置FPIA−2000(東亜医用電子株式会社製)により平均円形度として計測できる。
具体的な測定方法としては、容器中の予め不純固形物を除去した水100〜150ml中に分散剤として界面活性剤、好ましくはアルキルベンゼンスフォン酸塩を0.1〜0.5ml加え、さらに測定試料を0.1〜0.5g程度加える。
試料を分散した懸濁液は超音波分散器で約1〜3分間分散処理を行ない、分散液濃度を3000〜1万個/μlとして前記装置によりトナーの形状及び分布を測定することによって得られる。
帯電制御剤としては公知のものが使用でき、例えばニグロシン系染料、トリフェニルメタン系染料、クロム含有金属錯体染料、モリブデン酸キレート顔料、ローダミン系染料、アルコキシ系アミン、4級アンモニウム塩(フッ素変性4級アンモニウム塩を含む)、アルキルアミド、燐の単体または化合物、タングステンの単体または化合物、フッ素系活性剤、サリチル酸金属塩及び、サリチル酸誘導体の金属塩等である。具体的にはニグロシン系染料のボントロン03、第四級アンモニウム塩のボントロンP−51、含金属アゾ染料のボントロンS−34、オキシナフトエ酸系金属錯体のE−82、サリチル酸系金属錯体のE−84、フェノール系縮合物のE−89(以上、オリエント化学工業社製)、第四級アンモニウム塩モリブデン錯体のTP−302、TP−415(以上、保土谷化学工業社製)、第四級アンモニウム塩のコピーチャージPSY VP2038、トリフェニルメタン誘導体のコピーブルーPR、第四級アンモニウム塩のコピーチャージ NEG VP2036、コピーチャージ NX VP434(以上、ヘキスト社製)、LRA−901、ホウ素錯体であるLR−147(日本カーリット社製)、銅フタロシアニン、ペリレン、キナクリドン、アゾ系顔料、その他スルホン酸基、カルボキシル基、四級アンモニウム塩等の官能基を有する高分子系の化合物が挙げられる。
10重量部を越える場合には、トナーの帯電性が大きすぎ、主帯電制御剤の効果を減退させ、現像ローラとの静電的吸引力が増大し、現像剤の流動性低下や、画像濃度の低下を招く。
この無機微粒子の一次粒子径は、5mμ〜2μmであることが好ましく、特に、5mμ〜500mμであることが好ましい。
また、BET法による比表面積は、20〜500m2/gであることが好ましい。この無機微粒子の使用割合は、トナーの0.01〜5重量%であることが好ましく、特に、0.01〜2.0重量%であることが好ましい。
無機微粒子の具体例としては、例えばシリカ、アルミナ、酸化チタン、チタン酸バリウム、チタン酸マグネシウム、チタン酸カルシウム、チタン酸ストロンチウム、酸化亜鉛、酸化スズ、ケイ砂、クレー、雲母、ケイ灰石、ケイソウ土、酸化クロム、酸化セリウム、ペンガラ、三酸化アンチモン、酸化マグネシウム、酸化ジルコニウム、硫酸バリウム、炭酸バリウム、炭酸カルシウム、炭化ケイ素、窒化ケイ素などを挙げることができる。
この他、高分子系微粒子、たとえばソープフリー乳化重合や懸濁重合、分散重合によって得られるポリスチレン、メタクリル酸エステルやアクリル酸エステル共重合体やシリコーン、ベンゾグアナミン、ナイロンなどの重縮合系、熱硬化性樹脂による重合体粒子が挙げられる。
例えばシランカップリング剤、シリル化剤、フッ化アルキル基を有するシランカップリング剤、有機チタネート系カップリング剤、アルミニウム系のカップリング剤、シリコーンオイル、変性シリコーンオイルなどが好ましい表面処理剤として挙げられる。
この場合には、磁性キャリアと混合して用いれば良く、現像剤中のキャリアとトナーの含有比は、キャリア100重量部に対してトナー1〜10重量部が好ましい。
磁性キャリアとしては、粒子径20〜200μm程度の鉄粉、フェライト粉、マグネタイト粉、磁性樹脂キャリアなど従来から公知のものが使用できる。
また、被覆材料としては、アミノ系樹脂、例えば尿素−ホルムアルデヒド樹脂、メラミン樹脂、ベンゾグアナミン樹脂、ユリア樹脂、ポリアミド樹脂、エポキシ樹脂等が挙げられる。またポリビニル及びポリビニリデン系樹脂、例えばアクリル樹脂、ポリメチルメタクリレート樹脂、ポリアクリロニトリル樹脂、ポリ酢酸ビニル樹脂、ポリビニルアルコール樹脂、ポリビニルブチラール樹脂、ポリスチレン樹脂及びスチレンアクリル共重合樹脂等のポリスチレン系樹脂、ポリ塩化ビニル等のハロゲン化オレフィン樹脂、ポリエチレンテレフタレート樹脂及びポリブチレンテレフタレート樹脂等のポリエステル系樹脂、ポリカーボネート系樹脂、ポリエチレン樹脂、ポリ弗化ビニル樹脂、ポリ弗化ビニリデン樹脂、ポリトリフルオロエチレン樹脂、ポリヘキサフルオロプロピレン樹脂、弗化ビニリデンとアクリル単量体との共重合体、弗化ビニリデンと弗化ビニルとの共重合体、テトラフルオロエチレンと弗化ビニリデンと非弗化単量体とのターポリマー等のフルオロターポリマー、及びシリコーン樹脂等が使用できる。また必要に応じて、導電粉等を被覆樹脂中に含有させてもよい。導電粉としては、金属粉、カーボンブラック、酸化チタン、酸化錫、酸化亜鉛等が使用できる。これらの導電粉は、平均粒子径1μm以下のものが好ましい。平均粒子径が1μmよりも大きくなると、電気抵抗の制御が困難になる。
さらに、本発明のトナーは、プラスチックボトルタイプ、内側に撹拌バネ内蔵タイプ及びプロセスカートリッジのような従来公知のトナー用容器に収納され、その容器を画像形成装置に搭載して用いられる。
実施例1
(変性されていないポリエステルの合成)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物690部、テレフタル酸256部入れ、常圧で230℃で8時間し、次いで10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後160℃まで冷却し、これに18部の無水フタル酸を加えて2時間反応し変性されていない〔ポリエステル(B)〕を得た。
(プレポリマーの合成)
冷却管、攪拌機及び窒素導入管の付いた反応容器中に、ビスフェノールAエチレンオキサイド2モル付加物682部、ビスフェノールAプロピレンオキサイド2モル付加物81部、テレフタル酸283部、無水トリメリット酸22部およびジブチルチンオキサイド2部を入れ、常圧で230℃で8時間反応し、さらに10〜15mmHgの減圧で5時間反応した後、160℃まで冷却し、これに32部の無水フタル酸を加えて2時間反応した。 次いで、80℃まで冷却し、酢酸エチル中にてイソホロンジイソシアネート230部と2時間反応を行ないイソシアネート基含有〔プレポリマー(A)〕を得た。
(ケチミンの合成)
攪拌機及び温度計をセットした反応容器に、イソホロンジアミン170部とメチルエチルケトン75部を仕込み、50℃で5時間反応を行ない、〔ケチミン化合物(1)〕を得た。
(トナーの製造)
タンク内に前記の〔プレポリマー(A)〕14.3部、〔ポリエステル(B)〕55部、酢酸エチル78.6部を入れ、攪拌し溶解し、次いで、離型剤であるライスワックス(融点83℃)10部、銅フタロシアニンブルー顔料4部を入れ、60℃にてTKホモミキサーで12,000rpmで15分攪拌し、ビーズミルで60分間20℃で分散した。これを〔トナー材料溶液(1)〕とする。
次に、タンク内にイオン交換水306部、リン酸三カルシウム10%懸濁液265部、ドデシルベンゼンスルホン酸ナトリウム0.2部を入れ、均一に溶解した。
次いで、TKホモミキサーで12,000rpmに攪拌しながら、上記〔トナー材料溶液(1)〕及び〔ケチミン化合物(1)〕2.7部を加えウレア反応させた。粒径及び粒径分布を光学顕微鏡で観察しながら粒径が大きい場合は攪拌回転数を14,000rpmに上げ、さらに5分行なった。
脱溶剤工程は次の方法で行なった。
前工程で得られた乳化分散液を温度計付の脱溶剤タンクに移し、45℃、大気圧下(101.3kPa)で、窒素ガスを分散液に対して毎分あたり1.0vol%となるように脱溶剤タンク下方より乳化分散液中に供給/バブリングし、20時間脱溶剤を行なった。
このときの気泡平均粒径、滞留時間から、乳化分散液の気相接触表面積(A1)と脱溶剤タンク水平断面積(A2)の比A1/A2を求めた。
その後、濾別、洗浄、乾燥し、実施例1のトナー母体粒子を得た。
実施例1において脱溶剤工程における圧力を50kPaに、脱溶剤タンク下方からの窒素ガス供給量を毎分あたり5.0vol%に変更した以外は同様の方法で、実施例2のトナー母体粒子を得た。
実施例1において脱溶剤工程における脱溶剤タンク下方からの窒素供給量を35.0vol%となるように変更した以外は同様の方法で参考例1のトナー母体粒子を得た。
実施例1と同様の方法で乳化分散液を製造した。
脱溶剤工程は次の方法で行なった。
前工程で得られた乳化分散液を温度計付の脱溶剤タンクに移し、45℃、50kPaの減圧下で、脱溶剤タンク下より乳化分散液をポンプにて脱溶剤タンク上方に送り、毎分あたりの流量がタンク内の乳化分散液の2.0vol%となるよう脱溶剤タンク内に滴下/スプレーし、20時間脱溶剤を行なった。
このときの滴下平均粒径0.6mm、気相部平均滞留時間0.5secからA1/A2を求めた。
その後、濾別、洗浄、乾燥し、参考例2のトナー母体粒子を得た。
参考例2での脱溶剤工程において、脱溶剤タンク内に滴下/スプレーする乳化分散液の毎分あたりの流量を23.0vol%に変更した以外は同様の方法で参考例3のトナー母体粒子を得た。
このときの脱溶剤時間は12時間であり、滴下平均粒径2.0mm、気相部平均滞留時間0.4secからA1/A2を求めた。
実施例1と同様の方法で乳化分散液を製造した。
脱溶剤工程は次の方法で行なった。
前工程で得られた乳化分散液を回転円盤5枚を有する回転体及び温度計付の脱溶剤タンクに移し、45℃、50kPaの減圧下で回転体の周速を10m/minとして20時間脱溶剤を行なった。
このときのA1/A2は1.26であった。
その後、濾別、洗浄、乾燥し、参考例4のトナー母体粒子を得た。
実施例1と同様の方法で乳化分散液を製造した。
脱溶剤工程は次の方法で行なった。
前工程で得られた乳化分散液を温度計付の脱溶剤タンクに移し、45℃、大気圧下(101.3kPa)で、20時間脱溶剤を行なった。その後、濾別、洗浄、乾燥し、比較例1のトナー母体粒子を得た。
実施例1と同様の方法で乳化分散液を製造した。
脱溶剤工程は次の方法で行なった。前工程で得られた乳化分散液を攪拌翼及び温度計付のタンクに移し、45℃、大気圧下(101.3kPa)で、攪拌翼外周端周速8m/sで攪拌を行ないながら20時間脱溶剤を行なった。その後、濾別、洗浄、乾燥し、比較例2のトナー母体粒子を得た。
ビスフェノールジオール型と多価カルボン酸から合成されるポリエステル樹脂を用いて乾式粉砕法のトナーを製造した。
ポリエステル樹脂(数平均分子量Mn=6,000、重量平均分子量Mw=50,000、ガラス転移点Tg=61℃)86部、ライスワックス(酸価0.5)10部、銅フタロシアニンブルー顔料(東洋インキ社製)4部の混合物をヘンシェルミキサー中で充分攪拌混合した後、ロールミルで80〜110℃の温度で約40分間加熱溶融し、室温まで冷却後、得られた混練物を粉砕、分級し、比較例3のトナー母体粒子を得た。
外添剤処理を施したトナー5重量%とシリコーン樹脂を被覆した平均粒子径が40μmの銅−亜鉛フェライトキャリア95重量%からなる現像剤を調製し、毎分A4サイズの用紙を45枚印刷できるリコー製imagio Neo 450を用いて、下記の基準で評価し、表3に示した。
(a)トナー中残留溶媒の測定方法
トナーの残留溶媒量は、以下の測定方法により測定される。
測定対象となるトナー1重量部に2−プロパノール2重量部を加え、超音波で30分間分散させた後、冷蔵庫(5℃)にて1日以上保存し、トナー中の溶媒を抽出した。上澄み液をガスクロマトグラフィ(GC−14A,SHIMADZU)で分析し、トナー中の溶媒および残留モノマーを定量することにより溶媒濃度を測定した。
かかる分析時の測定条件は、以下の通りである。
装置:島津GC−14A
カラム:CBP20−M 50−0.25
検出器:FID
注入量:1〜5μl
キャリアガス:He 2.5kg/cm2
水素流量:0.6kg/cm2
空気流量:0.5kg/cm2
チャートスピード:5mm/min
感度:Range101×Atten20
カラム温度:40℃
Injection Temp:150℃
容器50m3の密閉した室内で20℃60%の環境下、画像出し開始時と10万枚連続ラン中の両方を30人のパネラーにより臭気評価を行なう。
評価項目は、臭気強度、快・不快度、事務機器としての臭気問題度等を得点にし、総合的な尺度からランク付けする。
ランクA:事務機器として問題ないレベル。ほぼ全員が不快とは感じない。
ランクB:ランクAとBの中間で人によっては不快と感じるレベル。
ランクC:ほぼ全員が不快と感じ、事務機器として問題となるレベル。
画像チャート上の白黒1対の線を1mm中に5本有する細線の再現性を、現像終了後の感光体上の再現性をレンズで拡大して、目視で判断した。
清掃工程を通過した感光体上の転写残トナーをスコッチテープ(住友スリーエム(株)製)で白紙に移し、それをマクベス反射濃度計RD514型で測定し、ブランクとの差が0.01以下のものを○(良好)、ブランクとの差が0.02以下のものを△(良)それを越えるものを×(不良)として評価した。
比較例1のトナーは真球形状で、クリーニング性に劣り、また、残留溶剤も確認された。
また、比較例2のトナーは脱溶剤処理中に攪拌翼により攪拌されたため、トナー粒子に過度のシェアがかかり、形状が悪化した。
また、参考例3のトナーも乳化分散液流量が多すぎたため、参考例1と同様の結果であった。比較例3のトナーは不定形状であり、クリーニング性に優れるが細線再現性は大きく劣る結果であった。
102 窒素供給口
103 真空ポンプ
104 熱交換機
105 不活性ガス供給口
106 不活性ガス気泡
107 乳化分散液
201 ポンプ
202 乳化分散液供給口
301 回転体
302 回転円盤
Claims (3)
- 少なくともイソシアネート変性ポリエステルプレポリマー、アミン類、離型剤及び着色剤からなるトナー組成物を酢酸エチル中で溶解/又は分散する工程、該溶解物または分散物を微粒子分散剤の存在する水系媒体中に乳化分散する工程、前記イソシアネート変性ポリエステルプレポリマーとアミン類を反応させて結着樹脂を生成させる工程、前記乳化分散液から密閉脱溶剤タンク内で酢酸エチルを除去する工程を少なくとも有し、
前記結着樹脂を生成させる工程で得られる結着樹脂のTgが40〜70℃であり、前記酢酸エチル除去工程は、101.3kPa(大気圧)以下、前記結着樹脂のガラス転移点温度より低い温度の環境下、タンクの下方より、タンク内の乳化分散液量に対し、不活性ガスを毎分1〜5vol%の供給量でバブリングすることで乳化分散液の気相接触表面積(A1)とタンクの水平断面積(A2)の比A1/A2が1.2以上4.0未満となるように乳化分散液の気相接触表面積を増加させ、
得られるトナーが、ガスクロマトグラフィの測定による該トナー中の残留溶媒量が500ppm以下であり、体積平均粒径(Dv)が3〜10μmであり、該トナー粒子のフロー式粒子像分析装置による平均円形度が0.92〜0.96であり、体積平均粒径(Dv)を個数平均粒径(Dn)で除した値(Dv/Dn)が1.05〜1.25である、
ことを特徴とする静電荷像現像用トナーの製造方法。 - 前記乳化分散液の気相接触表面積(A1)とタンクの水平断面積(A2)の比A1/A2が1.2以上2.5未満であることを特徴とする請求項1に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
- 前記不活性ガスは窒素であることを特徴とする請求項1または2に記載の静電荷像現像用トナーの製造方法。
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